(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ハブユニット及びそれを備えた車椅子
(51)【国際特許分類】
A61G 5/02 20060101AFI20240422BHJP
F16H 1/36 20060101ALI20240422BHJP
F16D 63/00 20060101ALI20240422BHJP
F16D 65/16 20060101ALI20240422BHJP
F16D 67/02 20060101ALI20240422BHJP
F16D 41/08 20060101ALI20240422BHJP
A61G 5/08 20060101ALN20240422BHJP
A61G 5/10 20060101ALN20240422BHJP
F16D 125/50 20120101ALN20240422BHJP
F16D 127/06 20120101ALN20240422BHJP
【FI】
A61G5/02 701
F16H1/36
F16D63/00 H
F16D65/16
F16D67/02 K
F16D41/08 A
A61G5/08 702
A61G5/10 717
F16D125:50
F16D127:06
(21)【出願番号】P 2020111064
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591117413
【氏名又は名称】株式会社菊池製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100180080
【氏名又は名称】坂本 幸男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 敏志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 惠司
(72)【発明者】
【氏名】一柳 健
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-007242(JP,A)
【文献】特開2007-196978(JP,A)
【文献】特開2006-283874(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0151108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/02
F16H 1/36
F16D 63/00
F16D 65/16
F16D 67/02
F16D 41/08
A61G 5/08
A61G 5/10
F16D 125/50
F16D 127/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の軸心を基準軸心とする車軸部材と、
前記基準軸心を中心にして回動可能な態様で前記車軸部材に軸支されたハブプレートと、
前記基準軸心を中心にして回動可能な態様で前記車軸部材に軸支され前記ハブプレートと互いに平行かつ対向して配置された操作プレートと
を備え、
前記操作プレートに与えられた回転力が、前記ハブプレートに伝達され得るように構成されたハブユニットであって、
前記基準軸心とその軸心とを一致させて前記車軸部材に支持されたサンギアと、
前記基準軸心と平行な第1軸心周りで回動可能な態様で前記ハブプレートに軸支さ
れた第1プラネタリギアと、
前記基準軸心と平行な第2軸心周りで回動可能な態様で前記操作プレートに軸支さ
れた第2プラネタリギア
であって、前記サンギア及び前記第1プラネタリギアにそれぞれ歯合する第2プラネタリギアとを備え、
前記基準軸心と前記第1プラネタリギアの軸心とを結ぶ線に対し、前記基準軸心と前記第2プラネタリギアの軸心とを結ぶ線が、逆回転方向
に傾いており、
前記第2プラネタリギアの軸部材が、前記ハブプレートに形成され
当該軸部材の外径よりも大きい内径を有する軸逃げ孔に貫通されていることで、前記ハブプレートに対
する前記操作プレートの制限された相対回動位置に応じて前記第1プラネタリギア及び前記第2プラネタリギア間の歯合状態が変化するよう構成され、
前記ハブプレートに対し逆回転方向に外力が作用すると、前記第1プラネタリギアの軸心と前記第2プラネタリギアの軸心とが互いに近づく方向にシフトし噛み込み状態となることで、これらのギアの回転が規制されるようになされ、
更に、前記第1プラネタリギア及び前記第2プラネタリギア間の軸心間距離が小さくなる正回転方向の初期位置に向けて前記操作プレートを前記ハブプレートに対し相対回動させるよう常時付勢する初期位置復帰手段を備えている、ハブユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のハブユニット
を採用した車椅子
であって、
当該車椅子のメインホイールが前記ハブプレートに接続され、当該車椅子のハンドリムが前記操作プレートに接続されている、車椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動輪の逆回転防止機能を有するハブユニット及びそのハブユニットを備えた車椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
手動式の車椅子は、利用者が、自らの手で左右の駆動輪(メインホイール)を操作することにより、前進、後進、左折、右折等の走行動作ができるよう構成されている。このような車椅子においては、例えば利用者が移乗するときの転倒事故を防ぐために、タッグルブレーキが設けられている。また、より安定的な駐車ロックを目的とした車椅子も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来の車椅子においては、例えば自力でスロープを昇り降りする際の安全性を充分には確保できず、特に腕力が衰えた高齢者にとっては車体が途中で後進しないよう介助者の助けが必要である。この課題に関連して、近年、車椅子の駆動輪に逆回転トルクが作用したときに駆動輪をメカ的にロックする特殊な動力伝達機構(ハブユニット)が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-17659号公報
【文献】特許第5105256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許に係る逆回転防止機能を備えた動力伝達機構は、第1プラネタリギア部材及び第2プラネタリギア部材の各軸心が近接する方向へ相対的に回転するのを許容する回転規制手段を備えている。この回転規制手段は、具体的には、第1プラネタリギア部材を配置する第1キャリア部材に設けた切欠と、第2プラネタリギア部材を配置する第2キャリア部材に設けられ、前記の切欠内を自由に移動する規制ピンで構成される。車椅子の駆動輪が後方に向けて逆回転を始めると、規制ピンが切欠内を移動して第1プラネタリギア部材及び第2プラネタリギア部材の各軸心が近接する。このとき、第1プラネタリギア部材と第2プラネタリギア部材とが噛み込んだ状態となり、回転がロックされる。
【0006】
このような仕組みの動力伝達機構においては、その構造上、回転規制手段の規制ピンが切欠内にある位置に応じて、駆動輪がロックするまで(初動遅れ)に差が生じる。車椅子の場合、左右の駆動輪でロックのタイミングが異なると、先に停止した側の駆動輪を支点に車体が急旋回するおそれがある。また、ロックの初動遅れが大きいと、駆動輪が停止時にショックやノッキング等が生じる場合があり好ましくない。
【0007】
本発明は、車椅子の開発過程において顕在化したかかる課題を解決するためになされたものであって、ロックの初動遅れをできるだけ小さくし又はその遅れを一定にする等の改善策を施すことにより、ロック時の車体の意図しない旋回やショック等の不具合をなくすようにしたハブユニット及びそれを備えた車椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、自身の軸心を基準軸心とする車軸部材と、前記車軸部材の前記基準軸心と軸心を一致させて該車軸部材に固定されたサンギアと、前記基準軸心を中心にして回動可能な態様で前記車軸部材に軸支されたハブプレートと、前記基準軸心を中心にして回動可能な態様で前記車軸部材に軸支され前記ハブプレートと互いに平行かつ対向して配置された操作プレートと、前記基準軸心と平行な第1軸心周りで回動可能な態様で前記ハブプレートに軸支され、該基準軸心を中心とした第1公転半径の円周上に配置された第1プラネタリギアと、前記基準軸心と平行な第2軸心周りで回動可能な態様で前記操作プレートに軸支され、該基準軸心を中心とした前記第1公転半径よりも小さい第2公転半径の円周上に配置され、かつ、前記サンギア及び前記第1プラネタリギアにそれぞれ歯合する第2プラネタリギアとを備え、前記基準軸心と第1プラネタリギアの軸心とを結ぶ線に対し、前記基準軸心と第2プラネタリギアの軸心とを結ぶ線が、前記ハブプレート及び前記操作プレートの逆回転方向に所定の角度で傾いており、前記第2プラネタリギアの軸部材が、前記ハブプレートに形成され前記軸部材の外径よりも大きい内径を有する軸逃げ孔に貫通されていることで、前記ハブプレートに対し前記操作プレートが相対回動できる許容角度範囲が規定されており、前記ハブプレートに対する前記操作プレートの相対回動位置に応じて前記第1プラネタリギア及び前記第2プラネタリギア間の歯合状態が変化するよう構成され、更に、前記第1プラネタリギア及び前記第2プラネタリギア間の軸心間距離が小さくなる正回転方向の初期位置に向けて前記操作プレートを前記ハブプレートに対し相対回動させるよう常時付勢する初期位置復帰手段を備えている、ハブユニットである。
【0009】
また、本発明は、椅子型の車体フレームと、請求項1に記載のハブユニットを介して前記車体フレームに回動可能に設けられた駆動輪と、前記駆動輪を操作するためのハンドリムとを備えた車椅子であって、前記車体フレームの車軸取付部に前記車軸部材が支持固定され、前記駆動輪のスポークが前記ハブプレートに接続され、前記ハンドリムが前記操作プレートに接続された車椅子である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ハブユニットに逆回転トルクが加えられたときのロックの初動遅れを小さくすることができるので、ロック停止時のショックやノッキング等を防止することができる。また、左右の駆動輪でロックの初動遅れを一定にすることができ、停止したときに意図せずに車体が旋回してしまうといった事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による車椅子の側面図である。
【
図3】本発明のハブユニットの一実施形態である後進防止ユニットの取り付け構造を示す平面図である。
【
図4】後進防止ユニットを前方外側から見た外観斜視図である。
【
図5】後進防止ユニットを前方内側から見た外観斜視図である。
【
図6】後進防止ユニットを略前方外側から見た外観斜視図である。
【
図7】後進防止ユニットを分解して示す側面図である。
【
図8】後進防止ユニットの内部構造を示す側面図である。
【
図9】後進防止ユニットのギア配置構造を説明するための図である。
【
図10】(a)は外側ハブプレートの側面図であり、(b)は外側ハブプレートのギア取付面図である。
【
図11】(a)は内側ハブプレートのギア取付面図であり、(b)は内側ハブプレートの側面図である。
【
図12】外側ハブプレート及び内側ハブプレートを接合するスペーサ部の断面図である。
【
図13】(a)は前進操作力が与えられたときの後進防止ユニットの動作を説明するための図であり、(b)はそれに対応する車椅子の動作を説明するための図である。
【
図14】(a)は後進操作力が与えられたときの後進防止ユニットの動作を説明するための図であり、(b)はそれに対応する車椅子の動作を説明するための図である。
【
図15】(a)は逆回転トルクが作用したときの後進防止ユニットの動作を説明するための図であり、(b)はそれに対応する車椅子の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車椅子及び車椅子のメインホイールに取り付けられるハブユニットの好適な実施形態を詳細に説明する。まず、
図1及び2を参照して、本発明の一実施形態である車椅子の構成を説明する。なお、以下説明する車椅子は一般的なものであり、本発明の実施にあたっては、この構成の車椅子に限定されない。また、本明細書において「利用者」とは、特に断りのない限り車椅子に搭乗する者をいう。
【0013】
(車椅子の説明)
図1は本発明の一実施形態による車椅子1の側面図、
図2はその正面図である。車椅子1は、椅子型に組まれた車体フレーム10と、左右一対の駆動輪であるメインホイール20とを備えている。
【0014】
車体フレーム10は、左右のサイドフレーム11,11と、サイドフレーム11,11を連結するX形状のクロスバー部材19とを備えている。クロスバー部材19は、車椅子1をコンパクトに折り畳んで収納可能とするために、左右のサイドフレーム11,11を相互に接近及び離隔させる折り畳み機構を有している。左右のサイドフレーム11,11の間には着座シート41が設けられている。
【0015】
サイドフレーム11は、基本的には、前側垂直フレーム12、背フレーム13、上側水平フレーム14及び下側水平フレーム15が剛接合されたラーメン構造からなっている。前側垂直フレーム12の下端部にはキャスターホイール30が設けられている。キャスターホイール30は、車椅子1の転倒を防止するとともに、前側垂直フレーム12の垂直軸まわりに旋回して車椅子1が進行方向を向くように操舵される。
【0016】
左右の背フレーム13,13の間にはバックサポート(背もたれ部)42が張設されている。また、前側垂直フレーム12の上部は後方に向けて水平に屈曲する屈曲部となっており、その屈曲部と背フレーム13と間を掛け渡すようにアームサポートフレーム16が接合されている。そして、アームサポートフレーム16の水平部分にアームサポート(肘掛部)18が設けられている。なお、上側水平フレーム14の下部と前側垂直フレーム12との間に補強フレーム17が接合されてもよい。
【0017】
また、背フレーム13よりも後方に延びる下側水平フレーム15の後端部はティッピングレバー45となっている。ティッピングレバー45は、段差などでキャスター30を乗り上げる際に介助者が踏み込むためのレバーである。前側垂直フレーム12の下部前方には、跳ね上げ式のフットサポート(足載部)43が設けられている。
【0018】
背フレーム13の上部であって後方に屈曲する部分には、車椅子1を後方から操作するために介助者が握るグリップ部44が形成されている。グリップ部44には、メインホイール20の回動を規制する操作を行うためのブレーキ操作レバー45Aと、後述する後進防止ユニット100の後進ロックを解除する操作を行うための後進ロック解除操作レバー45Bとが設けられている。
【0019】
車椅子1の駆動輪であるメインホイール20は、ハブユニットである後進防止ユニット(「逆回転防止ユニット」ともいうことがある。)100を介して、背フレーム13の下部の車軸取付部に回動可能に設けられている。メインホイール20のスポーク21,21,・・・は、後述する後進防止ユニット100の外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に接続している。メインホイール20の外側には、車椅子1の搭乗者がメインホイール20に操作力を与えて走行動作をするためのハンドリム22が設けられている。一般的な車椅子において、ハンドリムはメインホイールのリムに直結されているが、本実施形態による車椅子1では、ハンドリム22が3本の剛スポーク23を介して、後進防止ユニット100の外側操作プレート130に接続固定されている。
【0020】
(後進防止ユニットの説明)
次に、本発明に係るハブユニットであって、メインホイール20の逆回転を自動的にロックする機能を有する後進防止ユニット100の構成を詳細に説明する。車椅子1の車軸に取り付けられる後進防止ユニット100は左右対称の構造を有しているが、本明細書では、車体の右側に設けられる後進防止ユニット100を例にその構造を代表して説明する。
また、以下の説明において「正回転」とは車椅子の前進に対応する方向へのホイール20及びハブプレート110,120等の回転又は回動をいい、「逆回転」とは車椅子の後進に対応する方向へのそれらの回転又は回動をいうものとする。
【0021】
ここで、
図4は後進防止ユニット100を前方外側から見た外観斜視図であり、
図5は後進防止ユニット100を前方内側から見た外観斜視図であり、
図6は後進防止ユニット100を略前方から見た外観斜視図である。なお、
図6にはカバー160が外された状態で内部のギア構造の一部が表示されている。
【0022】
後進防止ユニット100は、車椅子1の車軸取付部に支持固定される車軸部材150と、車軸部材150を貫通させ当該車軸部材150の軸心を中心に回動可能に軸支される外側ハブプレート110と、同じく車軸部材150を貫通させ当該車軸部材150の軸心を中心に回動可能に軸支され、外側ハブプレート110と互いに平行かつ対向して配置された内側ハブプレート120と、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の間に配置されたサンギア161、第1プラネタリギア162,162,162及び第2プラネタリギア163,163,163と、車軸部材150を貫通させ当該車軸部材150の軸心を中心に回動可能に軸支され、外側ハブプレート110よりも更に外側で当該外側ハブプレート110と互いに平行かつ対向して配置された外側操作プレート130と、同じく車軸部材150を貫通させ当該車軸部材150の軸心を中心に回動可能に軸支され、内側ハブプレート120よりも更に内側で当該内側ハブプレート120と互いに平行かつ対向して配置された内側操作プレート140と、を基本的な構成要素としている。
【0023】
(ギア配置構造)
先ず、
図7~9を参照し、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120との間に配置される、いずれも同一モジュールの平歯車であるサンギア161、第1プラネタリギア162,162,162及び第2プラネタリギア163,163,163のギア配置構造を説明する。サンギア161は、その軸心を車軸部材150に一致させて該車軸部材150に固定されている。ここで、車軸部材150の軸心及びそれに一致するサンギア161の軸心を「基準軸心」として定義する。
【0024】
3つの第1プラネタリギア162,162,162は、それぞれの軸部材162a,162a,162aの軸心(これらを「第1公転軸心」という。)を中心に回動可能な態様で、外側ハブプレート110のギア取付面110Aに形成された軸受部1102及び内側ハブプレート120のギア取付面120Aに形成された軸受部1202に軸支されている。第1プラネタリギア162,162,162の各第1公転軸心は、車軸部材150の基準軸心と平行であって、かつ、この基準軸心を中心とした第1公転半径の円周上に互いに120°の等間隔で配置されている(
図9参照)。
【0025】
また、3つの第2プラネタリギア163,163,163は、それぞれの軸部材163a,163a,163aの中心を貫く軸芯部材164,164,164の軸心(これらを「第2公転軸心」という。)を中心に回動可能な態様で、外側操作プレート130に形成された軸受部1302及び内側操作プレート140に形成された軸受部1402に軸支されている。第2プラネタリギア163,163,163の各第2公転軸心は、車軸部材150の基準軸心と平行であって、かつ、この基準軸心を中心とした第2公転半径の円周上に互いに120°の等間隔で配置されている。
【0026】
また、第2プラネタリギア163,163,163の軸部材163a,163a,163a(軸芯部材164,164,164を含む)は、外側ハブプレート110の軸逃げ孔1103,1103,1103及び内側ハブプレート120の軸逃げ孔1203,1203,1203を介して、外側操作プレート130及び内側操作プレート140に軸支されている。ここで、軸逃げ孔1103,1203の内径は、第2プラネタリギア163の軸部材163aの外径よりも若干大きいクリアランスを有している。そのクリアランスにより規定される僅かな許容角度範囲において、外側操作プレート130及び内側操作プレート140は、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対し、基準軸心を中心に相対的に回動可能とされている。
【0027】
また、
図9に示すように、第2プラネタリギア163の第2公転半径は、第1プラネタリギア162の第1公転半径よりも小さい。すなわち、第1プラネタリギア162は、第2プラネタリギア163に歯合し、第2プラネタリギア163は、サンギア161及び第1プラネタリギア162に歯合している。更に、サンギア161の基準軸心と第1プラネタリギア162の第1公転軸心とを結ぶ第1公転半径線に対し、該基準軸心と第2プラネタリギア163の第2公転軸心とを結ぶ第2公転半径線が、逆回転方向(
図9では反時計回り方向)に若干の所定角度だけ傾いている。
【0028】
(外側ハブプレート)
次に、外側ハブプレート110の構成を説明する。
図10(a)は外側ハブプレート110の側面図であり、
図10(b)は外側ハブプレート110のギア取付面110A(内側ハブプレート120に対向する側の面)を示す図である。外側ハブプレート110は、例えばADC12等のアルミニウム系合金を略円盤状に圧入成型したダイキャスト部材である。外側ハブプレート110の中央部には、車軸部材150を軸支するベアリング111を嵌合するための車軸孔1101が形成されている。また、第1プラネタリギア162の軸部材162aを回動自在に受けるための軸受部1102,1102,1102が、車軸孔1101の基準軸心を中心とした第1公転半径の円周上において互いに120°の間隔をあけた所定の3箇所に形成されている。また、ギア取付面110Aには、第2プラネタリギア163の軸部材163aを貫通させる軸逃げ孔1103,1103,1103が、車軸孔1101の基準軸心を中心とした第2公転半径の円周上の所定位置において互いに120°の等間隔に形成されている。
【0029】
また、外側ハブプレート110のギア取付面110Aには、円柱状の大径スペーサ部1104,1104,・・・が複数箇所(本実施形態では6箇所)に形成されている。大径スペーサ部1104の先端部分には凹状嵌合部1104aが形成されている。なお、この凹状嵌合部1104aは、内側ハブプレート120の対応する小径スペーサ部1204の先端部分(凸状嵌合部1204a)と突き合わされた状態で嵌合可能な寸法形状に形成されている。
【0030】
また、外側ハブプレート110には、後述するロック解除機構部200のロック解除キー部材211を挿脱させるためのキー逃げ孔1105と、同ロック解除機構部200のロック解除キープレート210の脚部を支持するためのキープレート支持孔1106,1106とが形成されている。また、外側ハブプレート110の周縁部分には、スポーク支持プレート112をボルト136で固定するためのネジ孔1107が複数形成されている。
【0031】
例えば
図4に示されたスポーク支持プレート112は、環状の金属板部材であり、その周縁部分にメインホイール20のスポーク21,21,・・・の端部を接続するためのスポーク接続孔112aが複数形成されている。スポーク支持プレート112は、外側ハブプレート110の外周縁にオーバーラップする態様でボルト136によって着脱可能に固定される。
【0032】
(内側ハブプレート)
次に、内側ハブプレート120の構成を説明する。
図11(a)は内側ハブプレート120のギア取付面120A(外側ハブプレート110に対向する側の面)を示す図であり、
図11(b)は内側ハブプレート120の側面図である。内側ハブプレート120は、外側ハブプレート110と同様に、例えばADC12等のアルミニウム系合金を略円盤状に圧入成型したダイキャスト部材である。
【0033】
内側ハブプレート120の中央部には、車軸部材150を軸支するベアリング121を嵌合するための車軸孔1201が形成されている。また、第1プラネタリギア162の軸部材162aを回動自在に受ける軸受部1202,1202,1202が、車軸孔1201の基準軸心を中心とした第1公転半径の円周上において互いに120°の間隔をあけた所定の3箇所に形成されている。また、ギア取付面120Aには、第2プラネタリギア163の軸部材163aを貫通させる軸逃げ孔1203,1203,1203が、基準軸心を中心とした第2公転半径の円周上の所定位置において互いに120°の等間隔に形成されている。
【0034】
また、ギア取付面120Aには、円柱状の小径スペーサ部1204,1204,・・・が複数箇所(本実施形態では6箇所)に形成されている。小径スペーサ部1204の先端部分には凸状嵌合部1204aが形成されている。なお、これら小径スペーサ部1204の先端部分(凸状嵌合部1204a)は、外側ハブプレート110の対応する大径スペーサ部1104の先端部分(凹状嵌合部1104a)と突き合わされた状態で嵌合可能な寸法形状に形成されている。また、小径スペーサ部1204の先端部分は、大径スペーサ部1104の先端部分と密着して嵌合可能であれば、例えば段差部又はテーパ部等を有するような適宜の形状とすることができる。
【0035】
図12に示すように、小径スペーサ部1204の先端部である凸状嵌合部1204aにはネジ孔1204bが螺刻されている。大径スペーサ部1104の凹状嵌合部1104aと小径スペーサ部1204の凸状嵌合部1204aとを嵌合させ、ボルト113を大径スペーサ部1104のボルト孔1104bに挿入してネジ孔1204bに螺合させることで、大径スペーサ部1104及び小径スペーサ部1204とを突き合せた状態で接合することができる。
【0036】
なお、ボルト113、ボルト孔1104b及びネジ孔1204bは、大径スペーサ部1104及び小径スペーサ部1204を介して外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120を一定の間隔を保持して接合させるための接合手段を構成する要素である。
【0037】
2枚のハブプレートの間に、サンギアと複数のプラネタリギアとが組み込まれた複雑なギア構造のハブユニットを全てのギアの軸芯出し(シャフトアライメント)を同時に行いながらメインホイールのハブに組み込む作業は容易ではない。しかしながら、本実施形態の後進防止ユニット100によれば、外側ハブプレート110側の大径スペーサ部1104と内側ハブプレート120側の小径スペーサ部1204との先端部分同士を互いに突き合わせて嵌合するだけで、少なくとも3つのプラネタリギア162,162,162の軸芯出しを同時にかつ容易に行い、しかも外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の相対的な位置合わせを簡単に行うことができる。
【0038】
また、大径スペーサ部1104,1104,・・・及び小径スペーサ部1204,1204,・・・は、
図10及び11に示されたように、車軸孔1101の基準軸心を中心とした所定半径の円周上に配列して形成されていることが好ましい。それにより、車軸部材150(サンギア161)の中心の基準軸心に外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120を合わせた後、大径スペーサ部1104及び小径スペーサ部1204の相対的な回動位置を合わせるだけで、少なくとも3つのプラネタリギア162,162,162の軸芯出しを同時に行うことができる。更にいえば、大径スペーサ部1104,1104,・・・及び小径スペーサ部1204,1204,・・・の円周上の間隔は不均等であることが好ましい。そうすれば、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の相対的回動位置関係を間違えるような組み立てミスを防ぐことができる。
【0039】
内側ハブプレート120には、また、後述するロック解除機構部200のロック解除キー部材211を挿脱させるためのキー逃げ孔1205と、同ロック解除機構部200のロック解除キープレート210の脚部を支持するためのキープレート支持孔1206,1206とが形成されている。また、内側ハブプレート120の周縁部分には、スポーク支持プレート122をボルト126で固定するためのネジ孔1207が複数形成されている。
【0040】
例えば
図5に示されたスポーク支持プレート122は、環状の金属板部材であり、その周縁部分にメインホイール20のスポーク21,21,・・・の端部を接続するためのスポーク接続孔122aが複数形成されている。スポーク支持プレート122は、内側ハブプレート120の外周縁にオーバーラップする態様でボルト126によって着脱可能に固定される。
【0041】
(外側操作プレート)
次に、外側操作プレート130の構成を説明する。外側操作プレート130は、例えばADC12等のアルミニウム系合金を星形略円盤状に圧入成型したダイキャスト部材である。外側操作プレート130の中央部には、例えば
図7に示したように、車軸部材150を軸支するベアリング131を嵌合するための車軸孔1301が形成されている。また、外側操作プレート130のギア取付面(外側ハブプレート110に対向する側の面)には、第2プラネタリギア163の軸部材162aを回動自在に受ける軸受部1302が、外側ハブプレート110の軸逃げ孔1103に対応する3箇所に形成されている。第2プラネタリギア163の軸部材162aの内部には軸芯部材164が摺動回転可能に貫通しており、その軸芯部材164の端部が、軸受部1302の内部で、ボルト132により固定されている。
【0042】
外側操作プレート130の外側面(ギア取付面とは反対側の面)には、例えば
図3及び4に示したように、ハンドリム22の3本の剛スポーク23,23,23をボルト133,133で固定するための台部130a,130a,130aが放射状に一体形成されている。
【0043】
(内側操作プレート)
次に、内側操作プレート140の構成を説明する。内側操作プレート140は、例えばADC12等のアルミニウム系合金を略円盤状に圧入成型したダイキャスト部材である。内側操作プレート140の中央部には、
図7に示したように、車軸部材150を軸支するベアリング141を嵌合するための車軸孔1401が形成されている。また、内側操作プレート140のギア取付面(内側ハブプレート120に対向する側の面)には、第2プラネタリギア163の軸部材162aを回動自在に受ける軸受部1402が、内側ハブプレート120の軸逃げ孔1203に対応して3箇所に形成されている。第2プラネタリギア163の軸部材162aを摺動回転可能に貫通する軸芯部材164の端部が、軸受部1402の内部で、ボルト142により固定されている。
【0044】
内側操作プレート140には、次に説明するロック解除機構部200のロック解除キー部材211と係合するカム孔(図示せず)や、同ロック解除機構部200のロック解除キープレート210の脚部を貫通させるための貫通孔(図示せず)が形成されている。
【0045】
(ロック解除機構部の説明)
ロック解除機構部200は、例えば
図3に示したように、ロック解除キープレート210と、ロック解除キープレート210に固定されたロック解除キー部材211と、ロック解除キープレート210を移動させるロック解除レバー202とを有して構成されている。ロック解除キープレート210は、その中央部に車軸部材150を摺動可能に貫通させる貫通孔210aが形成されており(
図5参照)、この車軸部材150に沿って内側操作プレート140に接近及び離隔する方向に移動可能に設けられている。
【0046】
ロック解除レバー202の基端部にはワイヤ201が接続しており、そのワイヤ201が後進ロック解除操作レバー45B(
図1参照)に連結されている。すなわち、車椅子1の介助者等が後進ロック解除操作レバー45Bを握る操作をすると、ワイヤ201が引っ張られロック解除レバー202が回動するとともに、ロック解除キープレート210がロック解除レバー202の先端部に押されて内側操作プレート140に向けて移動する。このロック解除キープレート210の移動とともに、くさび形を有するロック解除キー部材211が、上述した内側操作プレート140のカム孔(図示せず)に入り、内側操作プレート140をロック解除位置に回動させる。
【0047】
なお、ここでいう「ロック解除位置」とは、基準軸心を中心とする第2プラネタリギア163の第2公転半径線を、軸逃げ孔1203が許容する範囲で逆回転方向(
図9では反時計回り方向)に少し移動させた、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対する外側操作プレート130及び内側操作プレート140の相対的な回動位置を意味する。このロック解除位置では、第1プラネタリギア162と第2プラネタリギア163との間のバックラッシュが確保されるため、サンギア161を中心とした第1プラネタリギア162及び第2プラネタリギア163の公転及び回動が自由になる。それにより、メインホイール20の後進ロックを解除することができる。
【0048】
(初期位置復帰手段の説明)
本実施形態の後進防止ユニット100は、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対する外側操作プレート130及び内側操作プレート140の相対的な回動位置を初期位置(又は「中立位置」ともいう。)に復帰させる初期位置復帰手段を備えている。なお、ここでいう「初期位置」又は「中立位置」とは、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対し外側操作プレート130及び内側操作プレート140が正回転方向に相対的に回動し、第1プラネタリギア162と第2プラネタリギア163の各軸心が接近して、これらのギア間のバックラッシュがゼロ又は実質的にゼロとなる、相対回動位置を意味する。すなわち、初期位置復帰手段は、、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の軸逃げ孔1103,1203の内径と第2プラネタリギア163の軸部材163aの外径とのクリアランスによって規定される許容角度範囲内で、上述の初期位置に向けて外側操作プレート130及び内側操作プレート140を外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対し相対回動させるよう常時付勢するよう構成されている。
【0049】
例えば
図4には、初期位置復帰手段として3つのコイルバネ137,137,137が例示されている。コイルバネ137は、弾性的に伸張された状態で、外側ハブプレート110に植設されたブラケット115及び外側操作プレート130に植設されたブラケット135と間に掛け渡されて設けられている。この場合、コイルバネ137の引っ張り弾性力は、外側ハブプレート110に対し、外側操作プレート130を、常時、正回転方向(
図4では時計回り方向)の側に回動させるよう作用している。
【0050】
また、初期位置復帰手段の他の態様として、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の軸逃げ孔1103,1203に弾性を有するクッション材を介装して第2プラネタリギア163の軸部材163aを貫通させてもよい。このようなクッション材によっても、上記中立位置に軸部材163aを保持することができる。
【0051】
このような初期位置復帰手段を後進防止ユニット100に備えることで、車椅子1が後進時(メインホイール20が逆回転時)にロックが作動するまでの時間的・量的遅れ(ラグ)が小さくなり、またそのような初動遅れを左右のメインホイール20で一定にすることができる。これによりロック時に起きやすかった車体の旋回やショック等の不具合を防ぐことができ、車体をスムーズに停止させることができる。
【0052】
(後進防止ユニット及びそれを備えた車椅子の動作説明)
本発明に係るハブユニットの一実施形態である後進防止ユニット100及び後進防止ユニット100をメインホイール20のハブに備えた車椅子1の動作を、以下説明する。
【0053】
本実施形態による後進防止ユニット100は、上述したように、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に対する外側操作プレート130及び内側操作プレート140の相対的な回動位置に応じて、第1プラネタリギア162と第2プラネタリギア163との間の歯合状態が変化するよう構成されている。そしてそれらの相対的な回動を許容する角度範囲が、外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の軸逃げ孔1103,1203の内径と、第2プラネタリギア163の軸部材163aの外径とのクリアランスによって制限されている。
【0054】
かかる構成の後進防止ユニット100において、先ず、
図13を参照して、前進操作力Ffが外側操作プレート130に与えられた場合について説明する。外側操作プレート130に与えられた前進操作力Ffは、第2プラネタリギア163の軸心(軸部材163a)を、第1プラネタリギア162の軸心(軸部材162a)に近づかせる方向に移動させるが、そのとき第1プラネタリギア162及び第2プラネタリギア163のそれぞれは、互いのピッチ点が離れるようにして自身の軸心周りで回動する。そして同時に第1プラネタリギア162及び第2プラネタリギア163のそれぞれがサンギア161を中心に公転するため、結果として前進操作力Ffが、第1プラネタリギア162を軸支する外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に伝達され、各ハブプレート110,120を正回転させる前進駆動力Tfに変換されることとなる(
図13(a)参照)。
【0055】
本実施形態の車椅子1においては、ハンドリム22を介して与えられた前進操作力Ffが、後進防止ユニット100により前進駆動力Tfに変換されてメインホイール20を正回転させる。したがって、一般的な車椅子と同様にハンドリム22を操作して、車体を前進させることができる(
図13(b)参照)。
【0056】
次に、
図14を参照して、後進防止ユニット100の外側操作プレート130に後進操作力Frが与えられた場合について説明する。外側操作プレート130に与えられた後進操作力Frは、第2プラネタリギア163の軸心(軸部材163a)を、第1プラネタリギア162の軸心(軸部材162a)から離す方向に移動させる。それにより、第1プラネタリギア162と第2プラネタリギア163との間のバックラッシュが増し、それぞれのプラネタリギア162,163が自身の軸心周りで回動しながら、サンギア161を中心に公転する。その結果として、後進操作力Frが、第1プラネタリギア162を軸支する外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に伝達され、各ハブプレート110,120を後進方向に逆回転させる後進駆動力Trに変換されることとなる(
図14(a)参照)。
【0057】
本実施形態の車椅子1においては、ハンドリム22を介して与えられた後進操作力Frが、後進防止ユニット100により後進駆動力Trに変換されてメインホイール20を逆回転させる。したがって、一般的な車椅子と同様にハンドリム22を操作して、車体を後進させることができる(
図14(b)参照)。
【0058】
次に、
図15を参照して、後進防止ユニット100の外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120を後進方向に逆回転させる逆回転トルクWrが作用した場合について説明する。逆回転トルクWrが外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120に作用すると、第1プラネタリギア162の軸心(軸部材162a)が第2プラネタリギア163の軸心(軸部材163a)に近づく方向に、外側操作プレート130及び内側操作プレート140に対する外側ハブプレート110及び内側ハブプレート120の相対的回動位置がシフトする。それにより、第1プラネタリギア162と第2プラネタリギア163のそれぞれの基準ピッチ円が重なり、つまり互いのギアが噛み込んだ状態となって、それらのギアの回動がロックされる(
図15(a)参照)。
【0059】
このような逆回転トルクWrは、例えば車椅子1がスロープ上にあるときや、利用者が車椅子1に移乗する際の体重移動により生じることが多い。本実施形態の車椅子1においては、逆回転トルクWrがメインホイール20に作用しても、車体の後方への移動がメカ的にロックされている(
図15(b)参照)。そのため、スロープ上で利用者がハンドリム22から手を離しても車椅子1が後退せず安全であり、またスロープを登りきるまで登坂動作を続けなくて済む。また、後進が自動的にメカロックされるので、利用者は安全に車椅子1に移乗することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 車椅子
10 車体フレーム
20 メインホイール
21 スポーク
22 ハンドリム
23 剛スポーク
100 後進防止ユニット
110 外側ハブプレート
110A ギア取付面
112 スポーク支持プレート
113 ボルト
120 内側ハブプレート
120A ギア取付面
122 スポーク支持プレート
130 外側操作プレート
137 コイルバネ
140 内側操作プレート
150 車軸部材
161 サンギア
162 第1プラネタリギア
162a 軸部材
163 第2プラネタリギア
163a 軸部材
200 ロック解除機構部
210 ロック解除キープレート
211 ロック解除キー部材
1101 車軸孔
1102 軸受部
1103 軸逃げ孔
1104 大径スペーサ部
1107 ネジ孔
1201 車軸孔
1202 軸受部
1203 軸逃げ孔
1204 小径スペーサ部
1301 車軸孔
1302 軸受部
1401 車軸孔
1402 軸受部
Ff 前進操作力
Fr 後進操作力
Tf 前進駆動力
Tr 後進駆動力
Wr 逆回転トルク