(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
H02K 11/215 20160101AFI20240422BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20240422BHJP
H02K 21/16 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H02K11/215
B25F5/00 H
H02K21/16 M
(21)【出願番号】P 2020114928
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 史成
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0019001(US,A1)
【文献】特開2019-017129(JP,A)
【文献】特開2015-056953(JP,A)
【文献】特開2020-096490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/215
B25F 5/00
H02K 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、
前記ロータの回転を検出する回転センサ及び前記回転センサを支持するプレート部を有するセンサ基板と、を備え、
前記プレート部は、前記回転軸と平行な軸方向の前記ロータの端面と対向する第1面と、前記ステータの少なくとも一部と対向する第2面と、を有し、
前記回転センサは、前記ロータの端面と対向するように前記第1面の支持領域に配置され、
前記軸方向において、前記支持領域と前記ロータの端面との距離は、前記第2面の少なくとも一部と前記ロータの端面との距離よりも短い、
電動作業機。
【請求項2】
前記第2面は、前記ステータの少なくとも一部に固定される固定領域を含む、
請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記第2面は、前記固定領域の周囲の少なくとも一部に規定される非接触領域を含み、
前記軸方向において、前記支持領域と前記ロータの端面との距離は、前記非接触領域と前ロータの端面との距離よりも短い、
請求項2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記軸方向において、前記支持領域と前記ロータの端面との距離は、前記固定領域と前ロータの端面との距離よりも短い、
請求項2又は請求項3に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記軸方向において、前記支持領域と前記ロータの端面との距離は、前記固定領域と前ロータの端面との距離よりも長い、
請求項2又は請求項3に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記ステータは、前記ロータの周囲に配置されるステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定される複数のコイルと、一対の前記コイルを短絡する短絡部材と、前記短絡部材を支持する絶縁部材と、を有し、
前記固定領域は、前記絶縁部材に固定される、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記プレート部は、前記回転軸を囲むように設けられ、
前記絶縁部材は、前記回転軸を囲むように設けられ、
前記プレート部の少なくとも一部は、前記絶縁部材よりも径方向内側に配置される、
請求項6に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記固定領域と前記絶縁部材とを固定する第1ねじを備える、
請求項7に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記絶縁部材は、環状のベース部と、前記ベース部の内縁部から径方向内側に突出する第1ねじボス部と、を有し、
前記第1ねじは、前記第1ねじボス部に結合される、
請求項8に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記プレート部と前記絶縁部材とを位置決めする第1位置決め部を備える、
請求項9に記載の電動作業機。
【請求項11】
前記絶縁部材は、前記ベース部よりも径方向内側に配置され前記軸方向に突出する位置決めピンを有し、
前記プレート部は、前記位置決めピンが配置される位置決め孔を有し、
前記第1位置決め部は、前記位置決めピン及び前記位置決め孔を含む、
請求項10に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記絶縁部材と前記インシュレータとを固定する第2ねじを備える、
請求項7に記載の電動作業機。
【請求項13】
前記絶縁部材は、環状のベース部と、前記ベース部の外縁部から径方向外側に突出する第2ねじボス部と、を有し、
前記第2ねじは、前記第2ねじボス部を介して前記インシュレータに結合される、
請求項12に記載の電動作業機。
【請求項14】
前記絶縁部材と前記インシュレータとを位置決めする第2位置決め部を備える、
請求項13に記載の電動作業機。
【請求項15】
前記絶縁部材は、前記ベース部よりも径方向外側に配置され前記軸方向に凹む位置決め凹部を有し、
前記インシュレータは、前記位置決め凹部に配置される位置決め凸部を有し、
前記第2位置決め部は、前記位置決め凹部及び前記位置決め凸部を含む、
請求項14に記載の電動作業機。
【請求項16】
前記インシュレータは、前記コイルよりも径方向内側に配置されるコイル止部を有し、
前記軸方向において、前記回転センサと前記コイル止部の少なくとも一部とは同じ位置に配置される、
請求項6から請求項15のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項17】
ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、
前記ロータの回転を検出する回転センサ及び前記回転センサを支持するプレート部を有するセンサ基板と、を備え、
前記ステータは、前記ロータの周囲に配置されるステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定されるコイルと、を有し、
前記インシュレータは、
前記コイルと内径側で接触し、前記コイルよりも径方向内側に配置されるコイル止部を有し、
前記回転軸と平行な軸方向にお
ける、前記コイル止部の
延長線上には、前記回転センサが配置される、
電動作業機。
【請求項18】
前記回転センサは、前記コイル止部よりも径方向内側に配置される、
請求項16又は請求項17に記載の電動作業機。
【請求項19】
前記軸方向において、前記回転センサと前記ロータの端面との距離は、前記回転センサと前記ステータコアの端面との距離よりも短い、
請求項6から請求項18のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項20】
前記ロータは、ロータコアと、前記ロータコアに支持される永久磁石と、を含み、
前記ロータの端面は、前記ロータコアの端面を含む、
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、モータ及びセンサ基板を備える電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動作業機において、モータの小型化が要求される。モータが大型化し、電動作業機が大型化すると、電動作業機を使用する作業者は、電動作業機を円滑に使用することが困難になる可能性がある。
【0005】
本開示は、電動作業機のモータを小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、前記ロータの回転を検出する回転センサ及び前記回転センサを支持するプレート部を有するセンサ基板と、を備え、前記プレート部は、前記回転軸と平行な軸方向の前記ロータの端面と対向する第1面と、前記ステータの少なくとも一部と対向する第2面と、を有し、前記回転センサは、前記ロータの端面と対向するように前記第1面の支持領域に配置され、前記軸方向において、前記支持領域と前記ロータの端面との距離は、前記第2面の少なくとも一部と前記ロータの端面との距離よりも短い、電動作業機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電動作業機のモータを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電動作業機を示す側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す前方からの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す後方からの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るステータ及びセンサユニットを左方から視た図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るステータ及びセンサユニットを前方から視た図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るステータ及びセンサユニットを後方から視た図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るステータ及びセンサユニットを示す前方からの分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るステータ及びセンサユニットを示す後方からの分解斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す前方からの分解斜視図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す後方からの分解斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係るインシュレータに固定されたコイルを示す前方からの斜視図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係るインシュレータに固定されたコイルを示す後方からの斜視図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係るバスバーユニットを示す前方からの分解斜視図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係るバスバーユニットを示す後方からの分解斜視図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係るステータを模式的に示す図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係るコイルの結線状態を模式的に示す図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係るセンサユニットを示す前方からの斜視図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態に係るセンサユニットを示す後方からの斜視図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態に係るセンサユニットを左方から視た図である。
【
図20】
図20は、第1実施形態に係るセンサユニットを後方から視た図である。
【
図21】
図21は、第1実施形態に係るセンサユニットを示す断面図である。
【
図22】
図22は、第1実施形態に係るセンサユニットを示す前方からの分解斜視図である。
【
図23】
図23は、第1実施形態に係るセンサユニットを示す後方からの分解斜視図である。
【
図24】
図24は、第1実施形態に係るバスバーユニット及びセンサユニットを示す前方からの斜視図である。
【
図25】
図25は、第1実施形態に係るバスバーユニット及びセンサユニットを示す後方からの斜視図である。
【
図26】
図26は、第1実施形態に係るバスバーユニット及びセンサユニットを左方から視た図である。
【
図27】
図27は、第1実施形態に係るバスバーユニット及びセンサユニットを前方から視た図である。
【
図28】
図28は、第1実施形態に係るバスバーユニット及びセンサユニットを後方から視た図である。
【
図29】
図29は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す断面図である。
【
図30】
図30は、第1実施形態に係るモータアセンブリを示す断面図である。
【
図31】
図31は、第1実施形態に係るセンサユニットとステータとの関係を説明するための模式図である。
【
図32】
図32は、第1実施形態の他の実施例に係るセンサユニットとステータとの関係を説明するための模式図である。
【
図33】
図33は、第1実施形態の他の実施例に係るセンサユニットとステータとの関係を説明するための模式図である。
【
図34】
図34は、第2実施形態に係るステータを示す前方からの斜視図である。
【
図35】
図35は、第2実施形態に係るステータを示す後方からの斜視図である。
【
図36】
図36は、第2実施形態に係るステータを示す前方からの分解斜視図である。
【
図37】
図37は、第2実施形態に係るステータを示す後方からの分解斜視図である。
【
図38】
図38は、第2実施形態に係るバスバーユニットを示す前方からの分解斜視図である。
【
図39】
図39は、第2実施形態に係るバスバーユニットを示す後方からの分解斜視図である。
【
図40】
図40は、第2実施形態に係るインシュレータを示す前方からの分解斜視図である。
【
図41】
図41は、第2実施形態に係るインシュレータを示す後方からの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
電動作業機は、モータを有する。実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。
【0012】
径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。周方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、周方向一方側、と称し、周方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、周方向他方側、と称する。
【0013】
第1実施形態.
[電動作業機]
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電動作業機1を示す側面図である。本実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルである。
図1に示すように、電動作業機1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ギヤケース4と、バッテリ装着部5と、モータアセンブリ6と、動力伝達機構7と、スピンドル8と、コントローラ9と、トリガスイッチ10と、正逆切換レバー11と、速度切換レバー12と、モードチェンジリング13と、チェンジリング14と、ライト15とを備える。
【0014】
ハウジング2は、モータ収容部16と、グリップ部17と、コントローラ収容部18とを有する。ハウジング2は、合成樹脂製である。
【0015】
モータ収容部16は、モータアセンブリ6の少なくとも一部を収容する。モータ収容部16は、筒状である。
【0016】
グリップ部17は、電動作業機1を使用する作業者に握られる。グリップ部17は、モータ収容部16の下部から下方に突出する。
【0017】
コントローラ収容部18は、コントローラ9を収容する。コントローラ収容部18は、グリップ部17の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、コントローラ収容部18の外形の寸法は、グリップ部17の外形の寸法よりも大きい。
【0018】
リヤカバー3は、モータ収容部16の後部の開口を覆うように、モータ収容部16の後部に接続される。リヤカバー3は、合成樹脂製である。
【0019】
ギヤケース4は、モータ収容部16の前部に接続される。ギヤケース4は、動力伝達機構7の少なくとも一部を収容する。ギヤケース4は、筒状である。ギヤケース4は、金属製である。
【0020】
バッテリ装着部5は、ハウジング2のコントローラ収容部18の下部に設けられる。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に装着される。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に着脱可能である。バッテリパック19は、二次電池を含む。本実施形態において、バッテリパック19は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリパック19は、電動作業機1の電源部として機能する。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に装着されることにより、電動作業機1に電力を供給可能である。
【0021】
モータアセンブリ6は、モータ20と、ファン21と、センサユニット22とを有する。モータ20は、電動作業機1の動力源である。モータ20は、ロータ23と、ステータ24とを有する。ロータ23は、回転軸AXを中心に回転する。ファン21は、モータ20を冷却するための気流を生成する。ファン21は、モータ20が発生する回転力により回転する。センサユニット22は、ロータ23の回転を検出する。センサユニット22の検出信号は、コントローラ9に出力される。
【0022】
モータ収容部16は、吸気口25を有する。リヤカバー3は、排気口26を有する。排気口26は、吸気口25よりも後方に設けられる。吸気口25は、ハウジング2の内部空間と外部空間とを接続する。排気口26は、ハウジング2の内部空間と外部空間とを接続する。吸気口25は、モータ収容部16の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口26は、リヤカバー3の左部及び右部のそれぞれに設けられる。ファン21が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口25を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、モータ20を冷却する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口26を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0023】
動力伝達機構7は、モータ20が発生した回転力をスピンドル8に伝達する。動力伝達機構7は、複数のギヤを含む。
【0024】
スピンドル8は、動力伝達機構7により伝達されたモータ20の回転力に基づいて回転する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、先端工具が挿入される挿入孔を有する。スピンドル8の周囲の少なくとも一部に、先端工具を保持するチャック機構8Cが設けられる。先端工具は、スピンドル8の挿入孔に挿入された状態で、チャック機構8Cにより保持される。
【0025】
コントローラ9は、モータ20を制御する。コントローラ9は、センサユニット22の検出信号に基づいて、バッテリパック19からモータ20に供給される駆動電流を制御する。コントローラ9は、コントローラ収容部18に収容される。コントローラ9は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、及び抵抗が例示される。
【0026】
トリガスイッチ10は、モータ20を駆動するために作業者に操作される。トリガスイッチ10は、グリップ部17の上部に設けられる。トリガスイッチ10は、グリップ部17の前部の上部から前方に突出する。トリガスイッチ10は、後方に移動するように作業者に操作される。作業者は、例えば人差し指によりトリガスイッチ10を後方に移動することができる。トリガスイッチ10は、作業者に操作されることにより、操作信号を生成する。トリガスイッチ10の操作信号は、コントローラ9に入力される。コントローラ9は、トリガスイッチ10の操作信号に基づいて、モータ20を駆動する。トリガスイッチ10の操作が解除されることにより、モータ20が停止する。作業者は、例えば人差し指によるトリガスイッチ10の後方への移動を止めることにより、モータ20を停止することができる。
【0027】
正逆切換レバー11は、モータ20の回転方向を正転方向と逆転方向とに切り換えるために作業者に操作される。正逆切換レバー11は、モータ収容部16の下端部とグリップ部17の上端部との境界に設けられる。正逆切換レバー11は、左方又は右方に移動するように作業者に操作される。正逆切換レバー11が左方又は右方に移動されることにより、モータ20の回転方向が切り換えられる。モータ20の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0028】
速度切換レバー12は、スピンドル8の回転速度を第1速度と第2速度とに切り換えるために作業者に操作される。速度切換レバー12は、モータ収容部16の上部に設けられる。速度切換レバー12は、前方又は後方に移動するように作業者に操作される。速度切換レバー12が前方又は後方に移動されることにより、モータ20の回転速度が切り換えられる。
【0029】
モードチェンジリング13は、電動作業機1の作業モードを切り換えるために作業者に操作される。モードチェンジリング13は、ギヤケース4よりも前方に配置される。モードチェンジリング13は、回転するように作業者に操作される。電動作業機1の作業モードは、スピンドル8が軸方向に振動する震動モードと、スピンドル8が軸方向に振動しない非震動モードとを含む。非震動モードは、スピンドル8に作用する回転負荷に関わらずスピンドル8に動力が伝達されるドリルモードと、スピンドル8に作用する回転負荷に基づいてスピンドル8に伝達される動力が遮断されるクラッチモードとを含む。
【0030】
チェンジリング14は、スピンドル8に伝達される動力を遮断する解放値を設定するために作業者に操作される。チェンジリング14は、モードチェンジリング13よりも前方に配置される。チェンジリング14は、回転するように作業者に操作される。解放値は、スピンドル8に作用する回転負荷に係る値である。スピンドル8に作用する回転負荷が解放値に到達したときに、スピンドル8に伝達される動力が遮断される。
【0031】
ライト15は、電動作業機1の前方を照明する照明光を射出する。ライト15は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。ライト15は、グリップ部17の前部の上部に設けられる。
【0032】
[モータアセンブリ]
図2は、本実施形態に係るモータアセンブリ6を示す前方からの分解斜視図である。
図3は、本実施形態に係るモータアセンブリ6を示す後方からの分解斜視図である。モータアセンブリ6は、モータ20と、ファン21と、センサユニット22とを有する。
【0033】
本実施形態において、モータ20の回転軸AXは、前後方向に延伸する。本実施形態において、軸方向と前後方向とは平行である。以下の説明において、軸方向一方側を適宜、前方側、と称し、軸方向他方側を適宜、後方側、と称する。
【0034】
<モータ>
モータ20は、バッテリパック19から供給される電力に基づいて駆動する。モータ20は、スピンドル8を回転させるための回転力を発生する。
【0035】
モータ20は、ロータ23と、ステータ24とを有する。ロータ23は、ステータ24に対して回転する。本実施形態において、モータ20は、インナロータ型のブラシレスモータである。ステータ24は、ロータ23の周囲に配置される。ロータ23は、回転軸AXを中心に回転する。
【0036】
ロータ23は、ロータコア27と、ロータシャフト28と、永久磁石29とを有する。
【0037】
ロータコア27は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ロータコア27は、回転軸AXを囲むように配置される。ロータコア27は、前方側を向く端面27Fと、後方側を向く端面27Rと、径方向外側を向く外面27Sとを有する。
【0038】
ロータシャフト28は、軸方向に延伸する。ロータシャフト28は、ロータコア27の内側に配置される。ロータコア27とロータシャフト28とは固定される。ロータシャフト28の前部は、ロータコア27の端面27Fから前方側に突出する。ロータシャフト28の後部は、ロータコア27の端面27Rから後方側に突出する。ロータシャフト28の前部は、不図示の前軸受に回転可能に支持される。ロータシャフト28の後部は、不図示の後軸受に回転可能に支持される。ロータシャフト28の前端部は、動力伝達機構7に連結される。
【0039】
永久磁石29は、ロータコア27に支持される。本実施形態において、永久磁石29は、回転軸AXの周囲に4つ配置される。ロータコア27と永久磁石29とは固定される。永久磁石29として、ネオジム・鉄・ボロン系磁石が例示される。永久磁石29は、板状である。永久磁石29は、ロータコア27の内部に配置される。モータ20は、磁石埋込式(IPM:Interior Permanent Magnet)モータである。ロータコア27は、磁石孔30を有する。磁石孔30は、軸方向に延伸する。永久磁石29は、磁石孔30に配置される。永久磁石29の外面と磁石孔30の内面との間の間隙に樹脂31が充填される。
【0040】
ロータコア27の外面27Sに凹部32が形成される。凹部32は、軸方向に延伸する。凹部32の前端部は、ロータコア27の端面27Fに接続される。凹部32の後端部は、ロータコア27の端面27Rに接続される。凹部32は、ロータコア27の外面27Sに複数設けられる。本実施形態において、凹部32は、回転軸AXの周囲に4つ設けられる。複数の凹部32は、周方向に等間隔に配置される。凹部32は、ロータコア27の回転に起因する騒音の発生を抑制するために設けられる。なお、凹部32は、省略されてもよい。
【0041】
ファン21は、モータ20を冷却するための気流を生成する。ファン21は、ステータ24及びロータコア27よりも後方側に配置される。ファン21は、ロータシャフト28の後部に固定される。ファン21の少なくとも一部は、ロータコア27の端面27Rと対向する位置に配置される。ファン21は、モータ20が発生する回転力により回転する。ロータシャフト28が回転すると、ファン21は、ロータシャフト28と一緒に回転する。
【0042】
図4は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を左方から視た図である。
図5は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を前方から視た図である。
図6は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を後方から視た図である。
図7は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を示す前方からの分解斜視図である。
図8は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を示す後方からの分解斜視図である。
【0043】
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、及び
図8に示すように、ステータ24は、ステータコア33と、インシュレータ34と、コイル35と、バスバーユニット36とを有する。
【0044】
ステータコア33は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア33は、ロータ23のロータコア27の周囲に配置される。インシュレータ34は、合成樹脂製の電気絶縁部材である。インシュレータ34は、ステータコア33に固定される。インシュレータ34は、ステータコア33と一体成型される。インシュレータ34は、例えばインサート成形によりステータコア33に固定される。コイル35は、複数設けられる。本実施形態において、コイルは、6つ設けられる。コイル35は、インシュレータ34に固定される。バスバーユニット36は、インシュレータ34に固定される。
【0045】
図9は、本実施形態に係るステータコア33及びインシュレータ34を示す前方からの分解斜視図である。
図10は、本実施形態に係るステータコア33及びインシュレータ34を示す後方からの分解斜視図である。
【0046】
ステータコア33は、外筒部37と、ティース部38と、内壁部39とを有する。外筒部37は、回転軸AXを囲むように配置される。ティース部38は、外筒部37の内面から径方向内側に突出する。ティース部38は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、ティース部38は、6つ設けられる。複数のティース部38は、周方向に間隔をあけて配置される。内壁部39は、ティース部38の径方向内側の端部に接続される。周方向において、内壁部39の寸法は、ティース部38の寸法よりも大きい。周方向において、ティース部38の中心の位置と内壁部39の中心の位置とは、一致する。内壁部39は、ティース部38の内端部から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する突出部40を含む。
【0047】
ステータコア33の表面は、内面41と、外面42と、端面43と、端面44と、対向面45と、対向面46と、側面47と、側面48とを含む。
【0048】
内面41は、径方向内側を向く。内面41は、内壁部39に配置される。内面41は、ロータコア27と対向する。回転軸AXと直交する面内において、内面41は、円弧状である。
【0049】
外面42は、径方向外側を向く。外面42は、外筒部37に配置される。
【0050】
端面43は、前方側を向く。端面43は、外筒部37の前方側を向く端面43Aと、ティース部38の前方側を向く端面43Bと、内壁部39の前方側を向く端面43Cとを含む。外筒部37の端面43Aと、ティース部38の端面43Bと、内壁部39の端面43Cとは、同一面内に配置される。端面43は、回転軸AXに直交する。
【0051】
端面44は、後方側を向く。端面44は、外筒部37の後方側を向く端面44Aと、ティース部38の後方側を向く端面44Bと、内壁部39の後方側を向く端面44Cとを含む。外筒部37の端面44Aと、ティース部38の端面44Bと、内壁部39の端面44Cとは、同一面内に配置される。端面44は、回転軸AXに直交する。
【0052】
対向面45は、径方向外側を向く。対向面45は、内壁部39に配置される。
【0053】
対向面46は、径方向内側を向く。対向面46は、外筒部37に配置される。
【0054】
側面47は、周方向一方側を向く。側面47は、ティース部38に配置される。
【0055】
側面48は、周方向他方側を向く。側面48は、ティース部38に配置される。
【0056】
インシュレータ34は、ステータコア33の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。インシュレータ34は、被覆部49と、被覆部50と、被覆部51と、被覆部52とを有する。被覆部49は、外筒部37の前方側を向く端面43Aの少なくとも一部を覆う。被覆部50は、外筒部37の後方側を向く端面44Aの少なくとも一部を覆う。被覆部51は、ティース部38の表面を覆う。ティース部38の表面は、ティース部38の端面43B、端面44B、側面47、及び側面48を含む。コイル35は、被覆部51を介してティース部38に巻かれる。被覆部52は、外筒部37の対向面46を覆う。被覆部49と、被覆部50と、被覆部51と、被覆部52とは、一体である。
【0057】
被覆部49は、被覆領域491と、被覆領域492と、被覆領域493と、被覆領域494と、被覆領域495とを含む。被覆領域491と、被覆領域492と、被覆領域493と、被覆領域494と、被覆領域495とは、外筒部37の端面43Aにおいて周方向に間隔をあけて配置される。
【0058】
被覆領域491は、端面43Aの左部に配置される。被覆領域492は、端面43Aの左上部に配置される。被覆領域493は、端面43Aの右上部に配置される。被覆領域494は、端面43Aの右部に配置される。被覆領域495は、端面43Aの下部に配置される。周方向において、被覆領域495の寸法は、被覆領域491の寸法、被覆領域492の寸法、被覆領域493の寸法、及び被覆領域494の寸法よりも大きい。
【0059】
被覆部50は、被覆領域501と、被覆領域502と、被覆領域503と、被覆領域504と、被覆領域505と、被覆領域506とを含む。被覆領域501と、被覆領域502と、被覆領域503と、被覆領域504と、被覆領域505と、被覆領域506とは、外筒部37の端面44Aにおいて周方向に間隔をあけて配置される。
【0060】
被覆領域501は、端面44Aの左下部に配置される。被覆領域502は、端面44Aの左上部に配置される。被覆領域503は、端面44Aの上部に配置される。被覆領域504は、端面44Aの右上部に配置される。被覆領域505は、端面44Aの右下部に配置される。被覆領域506は、端面44Aの下部に配置される。周方向において、被覆領域501の寸法と、被覆領域502の寸法と、被覆領域503の寸法と、被覆領域504の寸法と、被覆領域505の寸法と、被覆領域506の寸法とは、等しい。
【0061】
インシュレータ34は、コイル止部53と、コイル止部54と、コイル止部55と、ワイヤ支持部56と、ねじボス部57と、連結部58と、リブ110とを有する。
【0062】
コイル止部53は、被覆部51の径方向内側の端部に接続される。コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部53は、コイル35よりも径方向内側に配置される。
【0063】
コイル止部53は、内壁部39を囲むように配置される。軸方向において、コイル止部53の寸法は、被覆部51の寸法よりも大きい。周方向において、コイル止部53の寸法は、被覆部51の寸法よりも大きい。
【0064】
コイル止部53は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部53は、被覆部51から前方側及び後方側のそれぞれに突出する。コイル止部53は、被覆部51から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する。コイル止部53の少なくとも一部は、ステータコア33の端面43から前方側に突出する。コイル止部53の少なくとも一部は、ステータコア33の端面44から後方側に突出する。
【0065】
コイル止部54は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部54は、ステータコア33の端面43から前方側に突出するように配置される。軸方向において、端面43とコイル止部54の前方側の端部との距離は、端面43とコイル止部53の前方側の端部との距離よりも小さい。すなわち、端面43からのコイル止部54の突出量は、端面43からのコイル止部53の突出量よりも小さい。
【0066】
コイル止部55は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部55は、ステータコア33の端面44から後方側に突出するように配置される。軸方向において、端面43とコイル止部55の後方側の端部との距離は、端面43とコイル止部53の後方側の端部との距離よりも大きい。すなわち、端面43からのコイル止部55の突出量は、端面43からのコイル止部53の突出量よりも大きい。
【0067】
ワイヤ支持部56は、被覆部49に設けられる。ワイヤ支持部56は、コイル35の数と同じ数だけ設けられる。ワイヤ支持部56は、コイル35よりも径方向外側に配置される。ワイヤ支持部56は、被覆部49から前方側に突出する一対の突出部59と、被覆部49から前方側に突出する一対の突出部60とを含む。一対の突出部59は、周方向に配置される。一対の突出部60は、周方向に配置される。突出部60は、突出部59よりも径方向外側に配置される。軸方向において、端面43と突出部59の前方側の端部との距離は、端面43と突出部60の前方側の端部との距離よりも大きい。すなわち、端面43からの突出部59の突出量は、端面43からの突出部60の突出量よりも大きい。
【0068】
ワイヤ支持部56は、被覆領域491、被覆領域492、被覆領域493、及び被覆領域494のそれぞれに1つずつ設けられる。ワイヤ支持部56は、被覆領域495に2つ設けられる。
【0069】
ねじボス部57は、被覆部49に設けられる。ねじボス部57は、被覆部49から前方側に突出する。ねじボス部57は、回転軸AXの周囲に複数配置される。本実施形態において、ねじボス部57は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。ねじボス部57は、被覆領域492及び被覆領域493のそれぞれに1つずつ設けられる。ねじボス部57は、被覆領域495に2つ設けられる。ねじボス部57のそれぞれにねじ孔61が形成される。
【0070】
リブ110は、被覆部49の一部に設けられる。リブ110は、被覆部49の表面から前方側に突出する。本実施形態において、被覆領域491及び被覆領域494のそれぞれがリブ110を有する。リブ110は、左右方向に延伸する。被覆領域491において、リブ110は、ワイヤ支持部56の周方向両側に配置される。被覆領域494において、リブ110は、ワイヤ支持部56の周方向両側に配置される。
【0071】
本実施形態において、リブ110は、被覆領域491に配置されたリブ111及びリブ112と、被覆領域494に配置されたリブ113及びリブ114とを含む。リブ111は、被覆領域491においてワイヤ支持部56よりも下方に配置される。リブ112は、被覆領域491においてワイヤ支持部56よりも上方に配置される。リブ113は、被覆領域494においてワイヤ支持部56よりも上方に配置される。リブ114は、被覆領域494においてワイヤ支持部56よりも下方に配置される。
【0072】
連結部58は、端面43Aの下部を覆う被覆領域495から径方向外側に突出する。
【0073】
図11は、本実施形態に係るインシュレータ34に固定されたコイル35を示す前方からの斜視図である。
図12は、本実施形態に係るインシュレータ34に固定されたコイル35を示す後方からの斜視図である。
【0074】
コイル35は、インシュレータ34を介してステータコア33に装着される。コイル35は、複数設けられる。本実施形態において、コイル35は、6つ設けられる。コイル35は、被覆部51の周囲に配置される。コイル35は、被覆部51を介して複数のティース部38のそれぞれに巻かれる。
【0075】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部53は、コイル35よりも径方向内側に配置される。
【0076】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部54は、コイル35よりも径方向外側に配置される。
【0077】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部55は、コイル35よりも径方向外側に配置される。
【0078】
径方向において、コイル35の一部は、コイル止部53とコイル止部54との間に配置される。径方向において、コイル35の別の一部は、コイル止部53とコイル止部55との間に配置される。複数のコイル35は、インシュレータ34に固定される。コイル35とステータコア33とは、インシュレータ34により絶縁される。
【0079】
複数のコイル35は、1本のワイヤ620を巻くことに形成される。周方向に隣り合うコイル35は、ワイヤ620の一部である接続線62により繋がれる。接続線62は、一つのコイル35と他の一つのコイル35との間のワイヤ620である。軸方向において、接続線62は、コイル35の中心とコイル35の前方側の端部との間に配置される。
【0080】
接続線62は、インシュレータ34のワイヤ支持部56に支持される。本実施形態において、接続線62は、径方向において突出部59と突出部60との間に配置される。
【0081】
図4及び
図6に示すように、ワイヤ620の中間部分35Mは、コイル止部55よりも径方向外側に配置される。
図7及び
図8に示すように、中間部分35Mは、一つのコイル35から径方向外側に突出するように配置される。中間部分35Mは、接続線62よりも径方向外側に配置される。軸方向において、中間部分35Mは、コイル35の中心とコイル35の後方側の端部との間に配置される。中間部分35Mがコイル止部55よりも径方向外側に配置されるので、コイル35の冷却性が高められる。
【0082】
図13は、本実施形態に係るバスバーユニット36を示す前方からの分解斜視図である。
図14は、本実施形態に係るバスバーユニット36を示す後方からの分解斜視図である。
【0083】
バスバーユニット36は、バッテリパック19からの駆動電流を供給される。バッテリパック19からの駆動電流は、コントローラ9を介してバスバーユニット36に供給される。バッテリパック19からバスバーユニット36に供給される駆動電流は、コントローラ9により制御される。バスバーユニット36は、外部端子63と、ヒュージング端子64と、短絡部材65と、絶縁部材66とを有する。
【0084】
外部端子63は、コントローラ9を介してバッテリパック19に接続される。バッテリパック19からの駆動電流は、電源線を介して外部端子63に供給される。本実施形態において、外部端子63は、3つ設けられる。
【0085】
ヒュージング端子64は、接続線62を介してコイル35に接続される。ヒュージング端子64は、導電部材である。接続線62は、ワイヤ支持部56に支持されている状態で、ヒュージング端子64に接続される。接続線62は、ヒュージング端子64の折り曲げ部分の内側に配置される。ヒュージング端子64と接続線62とは溶接される。ヒュージング端子64と接続線62とが溶接されることにより、ヒュージング端子64は、接続線62を介してコイル35に接続される。
【0086】
軸方向において、中間部分35Mは、コイル35の中心とコイル35の後方側の端部との間に配置される。接続線62は、コイル35の中心とコイル35の前方側の端部との間に配置される。これにより、ヒュージング端子64は、中間部分35Mに干渉することなく、接続線62に接続される。
【0087】
ヒュージング端子64は、回転軸AXの周囲に複数配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子64の位置は等しい。ヒュージング端子64は、コイル35の数と同じ数だけ設けられる。本実施形態において、ヒュージング端子64は、6つ設けられる。
【0088】
短絡部材65は、径方向に対向する一対の接続線62を接続(短絡)する。径方向に対向する一対の接続線62は、周方向において180[°]離れている。短絡部材65は、外部端子63とヒュージング端子64とを接続する。短絡部材65は、導電部材である。回転軸AXと直交する面内において、短絡部材65は、湾曲する。短絡部材65は、複数設けられる。実施形態において、短絡部材65は、3つ設けられる。短絡部材65は、一つの外部端子63と二つのヒュージング端子64とを接続(短絡)する。
【0089】
絶縁部材66は、合成樹脂製である。絶縁部材66は、回転軸AXを囲むように設けられる。絶縁部材66は、外部端子63及び短絡部材65を支持する。ヒュージング端子64は、短絡部材65を介して絶縁部材66に支持される。絶縁部材66は、ベース部67と、第1ねじボス部68と、第2ねじボス部69と、位置決めピン70と、位置決め凹部71と、連結部72とを有する。
【0090】
ベース部67は、環状である。短絡部材65の少なくとも一部は、ベース部67の内部に配置される。ベース部67は、短絡部材65と一体成型される。短絡部材65は、ベース部67を形成する合成樹脂でモールドされる。なお、ベース部67は、例えばインサート成形により短絡部材65に固定されてもよい。ベース部67により、3つの短絡部材65は、相互に絶縁される。
【0091】
第1ねじボス部68は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出する。第1ねじボス部68は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、第1ねじボス部68は、3つ設けられる。3つの第1ねじボス部68は、周方向に等間隔で配置される。第1ねじボス部68にねじ孔73が形成される。
【0092】
第2ねじボス部69は、ベース部67の外縁部から径方向外側に突出する。第2ねじボス部69は、周方向に複数設けられる。本実施形態において、第2ねじボス部69は、4つ設けられる。第2ねじボス部69に開口74が形成される。
【0093】
位置決めピン70は、ベース部67よりも径方向内側に配置される。絶縁部材66は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出する支持部75を有する。位置決めピン70は、支持部75から前方側に突出する。支持部75及び位置決めピン70のそれぞれは、周方向に複数設けられる。本実施形態において、支持部75は、2つ設けられる。位置決めピン70は、1つの支持部75に1つ設けられる。
【0094】
位置決め凹部71は、ベース部67よりも径方向外側に配置される。位置決め凹部71は、第2ねじボス部69に設けられる。位置決め凹部71は、第2ねじボス部69の後方側の端面から前方側に凹むように設けられる。
【0095】
連結部72は、ベース部67の下部から下方に突出する。連結部72は、インシュレータ34の連結部58と対向する。連結部72は、外部端子63が配置される凹部72Rを有する。凹部72Rは、3つ設けられる。3つの凹部72Rのそれぞれに、外部端子63が配置される。
【0096】
図15は、本実施形態に係るステータ24を模式的に示す図である。
図16は、本実施形態に係るコイル35の結線状態を模式的に示す図である。
【0097】
複数のコイル35は、1本のワイヤ620を巻くことに形成される。
図15及び
図16に示すように、ワイヤ620は、巻き始め部分35Sからティース部38に巻き始められる。周方向に隣り合うティース部38のそれぞれにワイヤ620が順次巻かれることによって、6つのコイル35が形成される。ワイヤ620は、巻き終わり部分35Eにおいて巻き終わる。
【0098】
バッテリパック19からの駆動電流は、コントローラ9及び電源線を介して、バスバーユニット36の外部端子63に供給される。バッテリパック19から外部端子63に供給された駆動電流は、短絡部材65及びヒュージング端子64を流れた後、接続線62を介してコイル35に供給される。
【0099】
本実施形態において、バッテリパック19からモータ20に供給される駆動電流は、U相駆動電流、V相駆動電流、及びW相駆動電流を含む。
【0100】
電源線は、U相駆動電流が供給される電源線93Uと、V相駆動電流が供給される電源線93Vと、W相駆動電流が供給される電源線93Wとを含む。
【0101】
外部端子63は、U相駆動電流が供給される外部端子63Uと、V相駆動電流が供給される外部端子63Vと、W相駆動電流が供給される外部端子63Wとを含む。
【0102】
短絡部材65は、外部端子63Uを介して電源線93Uに接続される短絡部材65Uと、外部端子63Vを介して電源線93Vに接続される短絡部材65Vと、外部端子63Wを介して電源線93Wに接続される短絡部材65Wとを含む。
【0103】
ヒュージング端子64は、短絡部材65Uに接続される一対のヒュージング端子64Uと、短絡部材65Vに接続される一対のヒュージング端子64Vと、短絡部材65Wに接続される一対のヒュージング端子64Wとを含む。
【0104】
図13及び
図14に示すように、短絡部材65Uは、外部端子63Uと一対のヒュージング端子64Uのそれぞれとを接続する。短絡部材65Vは、外部端子63Vと一対のヒュージング端子64Vのそれぞれとを接続する。短絡部材65Wは、外部端子63Wと一対のヒュージング端子64Wのそれぞれとを接続する。外部端子63Uとヒュージング端子64Uと短絡部材65Uとは、単一部材である。外部端子63Vとヒュージング端子64Vと短絡部材65Vとは、単一部材である。外部端子63Wとヒュージング端子64Wと短絡部材65Wとは、単一部材である。
【0105】
周方向の上端部の位置を0[°]の位置、周方向の左端部の位置を90[°]の位置、周方向の下端部の位置を180[°]の位置、周方向の右端部の位置を270[°]の位置とした場合、外部端子63Uは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Uは、150[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Uは、330[°]の位置に配置される。
【0106】
外部端子63Vは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Vは、90[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Vは、270[°]の位置に配置される。
【0107】
外部端子63Wは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Wは、30[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Wは、210[°]の位置に配置される。
【0108】
6つのコイル35のそれぞれは、U(U-V)相、V(V-W)相、及びW(W-U)相のいずれか一つの相に割り当てられる。
【0109】
一対のコイル35が、U相、V相、W相のそれぞれに割り当てられる。6つのコイル35は、U相に割り当てられた一対のU相コイル35Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル35Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル35Wとを含む。
【0110】
図11及び
図12に示すように、一対のU相コイル35Uは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル35Vは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル35Wは、径方向に対向して配置される。
【0111】
図15に示すように、周方向において、U相コイル35U1の一方の隣にV相コイル35V1が配置され、V相コイル35V1の一方の隣にW相コイル35W1が配置され、W相コイル35W1の一方の隣にU相コイル35U2が配置され、U相コイル35U2の一方の隣にV相コイル35V2が配置され、V相コイル35V2の一方の隣にW相コイル35W2が配置される。U相コイル35U1とU相コイル35U2とは、径方向に対向して配置される。V相コイル35V1とV相コイル35V2とは、径方向に対向して配置される。W相コイル35W1とW相コイル35W2とは、径方向に対向して配置される。
【0112】
一方のヒュージング端子64Uは、周方向に隣り合うU相コイル35U1とV相コイル35V1とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Uは、周方向に隣り合うU相コイル35U2とV相コイル35V2とを繋ぐ接続線62に接続される。一方のヒュージング端子64Vは、周方向に隣り合うV相コイル35V1とW相コイル35W1とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Vは、周方向に隣り合うV相コイル35V2とW相コイル35W2とを繋ぐ接続線62に接続される。一方のヒュージング端子64Wは、周方向に隣り合うW相コイル35W1とU相コイル35U2とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Wは、周方向に隣り合うW相コイル35W2とU相コイル35U1とを繋ぐ接続線62に接続される。
【0113】
図16に示すように、1組のU相コイル35U1とV相コイル35V1とW相コイル35W1とは、デルタ結線される。1組のU相コイル35U2とV相コイル35V2とW相コイル35W2とは、デルタ結線される。一方のデルタ結線と他方のデルタ結線とは、並列に配置される。
【0114】
電源線93UにU相駆動電流が入力された場合、U相駆動電流は、短絡部材65Uを介して一対のヒュージング端子64Uのそれぞれに供給される。一対のU相コイル35Uのうち、一方のU相コイル35U1がN極に励磁される場合、他方のU相コイル35U2はS極に励磁される。N極に励磁されたU相コイル35U1の隣のV相コイル35V1はS極に励磁され、S極に励磁されたU相コイル35U2の隣のV相コイル35V2はN極に励磁される。
【0115】
電源線93VにV相駆動電流が入力された場合、V相駆動電流は、短絡部材65Vを介して一対のヒュージング端子64Vのそれぞれに供給される。一対のV相コイル35Vのうち、一方のV相コイル35V1がN極に励磁される場合、他方のV相コイル35V2はS極に励磁される。N極に励磁されたV相コイル35V1の隣のW相コイル35W1はS極に励磁され、S極に励磁されたV相コイル35V2の隣のW相コイル35W2はN極に励磁される。
【0116】
電源線93WにW相駆動電流が入力された場合、W相駆動電流は、短絡部材65Wを介して一対のヒュージング端子64Wのそれぞれに供給される。一対のW相コイル35Wのうち、一方のW相コイル35W1がN極に励磁される場合、他方のW相コイル35W2はS極に励磁される。N極に励磁されたW相コイル35W1の隣のU相コイル35U1はS極に励磁され、S極に励磁されたW相コイル35W2の隣のU相コイル35U2はN極に励磁される。
【0117】
[センサユニット]
図17は、実施形態に係るセンサユニット22を示す前方からの斜視図である。
図18は、本実施形態に係るセンサユニット22を示す後方からの斜視図である。
図19は、本実施形態に係るセンサユニット22を左方から視た図である。
図20は、本実施形態に係るセンサユニット22を後方から視た図である。
図21は、本実施形態に係るセンサユニット22を示す断面図である。
図21は、
図19のC-C線断面矢視図に相当する。
図22は、本実施形態に係るセンサユニット22を示す前方からの分解斜視図である。
図23は、本実施形態に係るセンサユニット22を示す後方からの分解斜視図である。
【0118】
センサユニット22は、ロータ23の回転を検出する。センサユニット22の少なくとも一部は、ロータ23と対向する位置に配置される。
【0119】
センサユニット22は、センサ基板76と、コネクタ77とを有する。センサ基板76は、回転センサ78と、プレート部79と、信号端子80と、信号線81と、絶縁部材82とを有する。
【0120】
プレート部79は、回転センサ78、信号端子80、及び信号線81を支持する。プレート部79は、環状である。プレート部79は、回転軸AXを囲むように配置される。プレート部79の中央部に開口が設けられる。
【0121】
プレート部79は、後面83と、前面84とを有する。後面83は、後方側を向く。前面84は、前方側を向く。後面83は、環状である。前面84は、環状である。
【0122】
プレート部79の後面83は、第1面831と、第2面832と、第3面833とを有する。第1面831は、第2面832よりも後方側に配置される。第2面832は、第3面833よりも後方側に配置される。すなわち、第1面831、第2面832、及び第3面833において、第3面833が最も前方側に配置され、第3面833に次いで第2面832が前方側に配置され、第1面831が最も後方側に配置される。
【0123】
プレート部79の前面84は、第4面841と、第5面842と、第6面843とを有する。第6面843は、第5面842よりも前方側に配置される。第5面842は、第4面841よりも前方側に配置される。すなわち、第4面841、第5面842、及び第6面843において、第6面843が最も前方側に配置され、第6面843に次いで第5面842が前方側に配置され、第4面841が最も後方側に配置される。
【0124】
第1面831は、ロータコア27の端面27Fと対向する。第1面831は、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。
図21及び
図23に示すように、第1面831は、第1面831Aと、第1面831Bと、第1面831Cとを含む。第1面831Aの少なくとも一部は、回転軸AXの左上方に配置される。第1面831Bの少なくとも一部は、回転軸AXの右上方に配置される。第1面831Cの少なくとも一部は、回転軸AXの下方に配置される。回転軸AXと直交する面内において、第1面831A、第1面831B、及び第1面831Cのそれぞれは、円弧状である。
【0125】
第1面831は、回転センサ78が配置される支持領域95を含む。支持領域95は、第1面831の3箇所に規定される。本実施形態において、支持領域95は、第1面831Aの周方向一方側の端部、第1面831Aの周方向他方側の端部、及び第1面831Bの周方向他方側の端部のそれぞれに規定される。
【0126】
第2面832は、ステータ24の少なくとも一部と対向する。第2面832は、周方向に間隔をあけて3つ設けられる。第2面832は、第2面832Aと、第2面832Bと、第2面832Cとを含む。第2面832Aは、周方向において第1面831Aと第1面831Bとの間に配置される。第2面832Bは、周方向において第1面831Bと第1面831Cとの間に配置される。第2面832Cは、周方向において第1面831Cと第1面831Aとの間に配置される。
【0127】
第2面832は、ステータ24の少なくとも一部に固定される固定領域96を含む。本実施形態において、固定領域96は、バスバーユニット36の少なくとも一部に固定される。固定領域96は、ステータ24の少なくとも一部に接触する。固定領域96は、第2面832の3箇所に規定される。本実施形態において、固定領域96は、第2面832A、第2面832B、及び第2面832Cのそれぞれに規定される。
【0128】
第2面832は、固定領域96の周囲の少なくとも一部に規定される非接触領域97を含む。本実施形態において、非接触領域97の少なくとも一部は、固定領域96よりも径方向内側に規定される。非接触領域97は、ステータ24と接触しない。
【0129】
第3面833は、ステータ24の少なくとも一部と対向する。第3面833は、周方向に間隔をあけて2つ設けられる。第3面833は、第3面833Aと、第3面833Bとを含む。第3面833Aは、第1面831Aに隣接する。第3面833Aと第1面831Aとは、径方向に配置される。第3面833Aの少なくとも一部は、第1面831Aよりも径方向外側に配置される。周方向において、第3面833Aの中央部と第1面831Aの中央部とは、同じ位置に配置される。第3面833Bは、第1面831Bに隣接する。第3面833Bと第1面831Bとは、径方向に配置される。第3面833Bの少なくとも一部は、第1面831Bよりも径方向外側に配置される。周方向において、第3面833Bの中央部と第1面831Bの中央部とは、同じ位置に配置される。
【0130】
第3面833は、ステータ24の少なくとも一部に接触する接触領域98を含む。
【0131】
第4面841は、第1面831の反対側に配置される。第1面831と第4面841とは、実質的に平行である。
図22に示すように、第4面841は、第1面831Aの反対側に配置される第4面841Aと、第1面831Bの反対側に配置される第4面841Bと、第1面831Cの反対側に配置される第4面841Cとを含む。
【0132】
第5面842は、第2面832の反対側に配置される。第2面832と第5面842とは、実質的に平行である。
図22に示すように、第5面842は、第2面832Aの反対側に配置される第5面842Aと、第2面832Bの反対側に配置される第5面842Bと、第2面832Cの反対側に配置される第5面842Cとを含む。
【0133】
第6面843は、第3面833の反対側に配置される。第3面833と第6面843とは、実質的に平行である。
図22に示すように、第6面843は、第3面833Aの反対側に配置される第6面843Aと、第3面833Bの反対側に配置される第6面843Bとを含む。
【0134】
第1面831と第4面841との距離と、第2面832と第5面842との距離と、第3面833と第6面843との距離とは、等しい。すなわち、プレート部79の厚みは、実質的に均一である。
【0135】
図23に示すように、第1面831と第2面832とは、接続面851及び傾斜面852を介して接続される。接続面851は、回転軸AXと実質的に平行である。傾斜面852は、接続面851よりも径方向内側に配置される。傾斜面852は、周方向に傾斜する。傾斜面852は、第1面831から第2面832に向かって前方に傾斜する。
【0136】
第1面831と第3面833とは、接続面853、接続面854、及び接続面855を介して接続される。接続面853、接続面854、及び接続面855のそれぞれは、回転軸AXと実質的に平行である。接続面853は、径方向外側を向く。接続面854は、周方向一方側を向く。接続面855は、周方向他方側を向く。
【0137】
図22に示すように、第4面841と第5面842とは、接続面856及び傾斜面857を介して接続される。接続面856は、回転軸AXと実質的に平行である。傾斜面857は、接続面856よりも径方向内側に配置される。傾斜面857は、周方向に傾斜する。傾斜面857は、第4面841から第5面842に向かって前方に傾斜する。
【0138】
第4面841と第6面843とは、接続面858、接続面859、及び接続面860を介して接続される。接続面858、接続面859、及び接続面860のそれぞれは、回転軸AXと実質的に平行である。接続面858は、径方向内側を向く。接続面859は、周方向他方側を向く。接続面860は、周方向一方側を向く。
【0139】
後面83は、環状である。後面83の内縁部は、第1面831の内縁部、第2面832の内縁部、及び傾斜面852の内縁部を含む。
【0140】
前面84は、環状である。前面84の内縁部は、第4面841の内縁部、第5面842の内縁部、及び傾斜面857の内縁部を含む。
【0141】
回転センサ78は、ロータ23の回転を検出する。回転センサ78は、ロータコア27に支持されている永久磁石29の位置を検出することによって、回転方向におけるロータ23の位置を検出する。回転センサ78は、ホール素子を含む磁気センサである。回転センサ78は、3つ設けられる。3つの回転センサ78は、回転軸AXを中心とする仮想円上に配置される。3つの回転センサ78は、回転軸AXを中心に60[°]の間隔で配置される。
【0142】
回転センサ78は、コイル35よりも径方向内側に配置される。回転センサ78は、コイル止部53よりも径方向内側に配置される。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向するように、プレート部79の後面83に規定された支持領域95に配置される。
【0143】
信号端子80は、信号線81を介して回転センサ78と接続される。信号端子80は、コイル35よりも径方向内側に配置される。信号端子80は、コイル止部53よりも径方向内側に配置される。信号端子80は、ロータコア27の端面27Fと対向するように第1面831に配置される。本実施形態において、信号端子80は、第1面831Cに配置される。
【0144】
信号線81は、回転センサ78と信号端子80とを接続する。信号線81の少なくとも一部は、コイル35よりも径方向内側に配置される。信号線81は、コイル止部53よりも径方向内側に配置される。信号線81の少なくとも一部は、ロータコア27の端面27Fと対向するように、プレート部79に配置される。
【0145】
信号線81の少なくとも一部は、後面83の内縁部に配置される。信号線81の少なくとも一部は、第1面831の内縁部、第2面832の内縁部、及び傾斜面852の内縁部のそれぞれに配置される。
【0146】
信号線81の少なくとも一部は、前面84の内縁部に配置される。信号線81の少なくとも一部は、第4面841の内縁部、第5面842の内縁部、及び傾斜面857の内縁部のそれぞれに配置される。
【0147】
本実施形態において、センサ基板76は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。プレート部79にレーザ光が照射されることにより、信号線81のパターンがプレート部79に形成される。
【0148】
上述のように、信号線81は、第1面831、第2面832、傾斜面852、第4面841、第5面842、及び傾斜面857のそれぞれに配置される。成型回路部品をレーザ光で生成するとき、成型回路部品の製造装置は、第1面831、第2面832、及び傾斜面852のそれぞれにレーザ光を連続的に照射することができる。同様に、成型回路部品の製造装置は、第4面841、第5面842、及び傾斜面857のそれぞれにレーザ光を連続的に照射することができる。
【0149】
例えば、第1面831と第2面832とが接続面851のみを介して接続され、傾斜面852が存在しない場合、接続面851は回転軸AXと実質的に平行であるため、成型回路部品の製造装置は、第1面831、第2面832、及び接続面851のそれぞれにレーザ光を連続的に照射することが困難である。同様に、第4面841と第5面842とが接続面856のみを介して接続され、傾斜面857が存在しない場合、接続面856は回転軸AXと実質的に平行であるため、成型回路部品の製造装置は、第4面841、第5面842、及び接続面856のそれぞれにレーザ光を連続的に照射することが困難である。本実施形態においては、第1面831と第2面832とは傾斜面852を介して接続され、第4面841と第5面842とは傾斜面857を介して接続される。そのため、成型回路部品の製造装置は、傾斜面852及び傾斜面857のそれぞれにレーザ光を適正に照射することができ、信号線81のパターンを円滑に形成することができる。
【0150】
信号端子80は、ケーブル86を介してコネクタ77と接続される。複数のケーブル86がコネクタ77と接続される。複数のケーブル86は、束ねられた状態で保持部材86Hに保持される。
図22に示すように、プレート部79は、ケーブル86の少なくとも一部が配置される開口861を有する。開口861は、第1面831Cと第4面841Cとを貫通するように設けられる。ケーブル86の少なくとも一部が開口861に配置された状態で、ケーブル86の一端部と信号端子80とが接続される。ケーブル86の他端部は、第4面841Cから延伸し、コネクタ77と接続される。
【0151】
コネクタ77は、センサ基板76よりも下方に配置される。回転センサ78の検出信号は、信号線81、信号端子80、及びコネクタ77を介して、コントローラ9に出力される。コントローラ9は、回転センサ78の検出信号に基づいて、コイル35に駆動電流を供給する。
【0152】
プレート部79は、第1ねじ87が配置される開口88を有する。開口88は、プレート部79に複数設けられる。開口88は、第2面832と第5面842とを貫通するように設けられる。固定領域96は、開口88の周囲に規定される。開口88は、第2面832A、第2面832B、及び第2面832Cのそれぞれに1つずつ設けられる。すなわち、開口88は、プレート部79に3つ設けられる。
【0153】
プレート部79は、位置決めピン70が配置される位置決め孔89を有する。位置決め孔89は、プレート部79に複数設けられる。位置決め孔89は、第3面833と第5面842とを貫通するように設けられる。接触領域98は、位置決め孔89の周囲に規定される。位置決め孔89は、第3面833A及び第3面833Bのそれぞれに1つずつ設けられる。すなわち、位置決め孔89は、プレート部79に2つ設けられる。
【0154】
絶縁部材82は、合成樹脂製である。上述のように、センサ基板76が成型回路部品(MID)を含む場合、絶縁部材82は、MIDに利用可能な機能性樹脂によって形成される。絶縁部材82は、環状である。絶縁部材82は、プレート部79の表面の少なくとも一部を覆う。
【0155】
絶縁部材82は、第1面831、第2面832の内縁部、接続面851、傾斜面852、接続面853、接続面854、接続面855、第4面841、第5面842の内縁部、接続面856、傾斜面857、接続面858、接続面859、及び接続面860のそれぞれを覆うように配置される。開口88及び位置決め孔89のそれぞれは、絶縁部材82に覆われない。
【0156】
また、絶縁部材82は、回転センサ78、信号端子80、及び信号線81を覆うように配置される。
【0157】
絶縁部材82の後面に、第1凸部82Aと、第2凸部82Bとが設けられる。第1凸部82Aは、絶縁部材82の後面から後方に突出する。第1凸部82Aは、回転センサ78を覆う。第1凸部82Aは、3つ設けられる。3つの第1凸部82Aのそれぞれが、回転センサ78を覆う。第2凸部82Bは、絶縁部材82の後面から後方に突出する。第2凸部82Bは、信号端子80を覆う。
【0158】
[バスバーユニットとセンサユニットとの接続]
図24は、本実施形態に係るバスバーユニット36及びセンサユニット22を示す前方からの斜視図である。
図25は、本実施形態に係るバスバーユニット36及びセンサユニット22を示す後方からの斜視図である。
図26は、本実施形態に係るバスバーユニット36及びセンサユニット22を左方から視た図である。
図27は、本実施形態に係るバスバーユニット36及びセンサユニット22を前方から視た図である。
図28は、本実施形態に係るバスバーユニット36及びセンサユニット22を後方から視た図である。バスバーユニット36は、ステータ24の一部である。
【0159】
バスバーユニット36の絶縁部材66は、ベース部67と、第1ねじボス部68と、第2ねじボス部69と、位置決めピン70と、支持部75と、位置決め凹部71とを有する。
【0160】
第1ねじボス部68は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出するように配置される。第1ねじボス部68の前面は、ベース部67の前面よりも後方側に配置される。第1ねじボス部68の後面は、ベース部67の後面よりも後方側に配置される。
【0161】
支持部75は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出するように配置される。支持部75の前面は、ベース部67の前面よりも後方側に配置される。
【0162】
モータアセンブリ6は、センサユニット22のプレート部79とバスバーユニット36の絶縁部材66とを位置決めする第1位置決め部90を有する。第1位置決め部90は、絶縁部材66の位置決めピン70と、プレート部79の位置決め孔89とを含む。バスバーユニット36の位置決めピン70がプレート部79の位置決め孔89に配置されることにより、プレート部79と絶縁部材66とが位置決めされる。位置決め孔89の周囲に規定された第3面833の接触領域98は、支持部75の前面と接触する。
【0163】
モータアセンブリ6は、プレート部79の固定領域96と絶縁部材66とを固定する第1ねじ87を有する。第1ねじ87は、プレート部79の開口88を介して、絶縁部材66の第1ねじボス部68のねじ孔73に結合される。第1ねじ87により、プレート部79と絶縁部材66とが固定される。開口88の周囲に規定された第2面832の固定領域96は、第1ねじボス部68の前面と接触する。第1ねじ87により、プレート部79の固定領域96は、第1ねじボス部68の前面に固定される。
【0164】
非接触領域97は、第2面832において固定領域96の径方向内側に規定される。
図25及び
図28に示すように、非接触領域97は、バスバーユニット36に対向せず、バスバーユニット36に接触しない。プレート部79の非接触領域97を覆う絶縁部材82も、バスバーユニット36に対向せず、バスバーユニット36に接触しない。
【0165】
センサ基板76は、絶縁部材66のベース部67の内側に配置される。センサ基板76の前面は、ベース部67の前面よりも後方側に配置される。センサ基板76の後面は、ベース部67の後面よりも後方側に配置される。
【0166】
[バスバーユニットとインシュレータとの固定]
モータアセンブリ6は、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを位置決めする第2位置決め部91を有する。第2位置決め部91は、インシュレータ34のねじボス部57と、絶縁部材66の位置決め凹部71とを含む。ねじボス部57は、位置決め凹部71に配置される位置決め凸部として機能する。インシュレータ34のねじボス部57がバスバーユニット36の位置決め凹部71に配置されることにより、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とが位置決めされる。
【0167】
バスバーユニット36の絶縁部材66は、インシュレータ34に固定される。
図5、
図7、及び
図8に示すように、モータアセンブリ6は、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを固定する第2ねじ92を有する。第2ねじ92は、絶縁部材66の第2ねじボス部69及びインシュレータ34のねじボス部57のそれぞれに結合される。第2ねじ92は、絶縁部材66の第2ねじボス部69の開口74を介して、インシュレータ34のねじボス部57のねじ孔61に結合される。第2ねじ92により、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とが固定される。バスバーユニット36の少なくとも一部は、インシュレータ34よりも軸方向一方側に配置される。
【0168】
上述のように、接続線62とヒュージング端子64とが接続される。ヒュージング端子64において、接続線62がヒュージング端子64の折り曲げ部分の内側に配置される。接続線62は、ヒュージング端子64に溶接される。
【0169】
センサ基板76は、ロータコア27よりも前方側に配置される。センサ基板76の支持領域95は、ロータコア27の端面27Fと対向するように配置される。センサユニット22のセンサ基板76は、ロータシャフト28の前部の周囲に配置される。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向する位置に配置される。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向する位置に配置された状態で、ロータ23の回転を検出する。回転センサ78は、永久磁石29の磁束を検出することによって、回転方向におけるロータ23の位置を検出する。
【0170】
[センサユニットとステータとの関係]
図29及び
図30のそれぞれは、本実施形態に係るモータアセンブリ6を示す断面図である。
図29は、
図6のA-A線断面矢視図に相当する。
図30は、
図6のB-B線断面矢視図に相当する。
図31は、本実施形態に係るセンサユニット22とステータ24との関係を説明するための模式図である。
【0171】
上述のように、回転センサ78は、プレート部79の第1面831の支持領域95に配置される。プレート部79の第2面832は、ステータ24の少なくとも一部と対向する。第2面832の固定領域96は、ステータ24の第1ねじボス部68の前面と対向する。固定領域96は、コイル35よりも径方向内側に配置される。非接触領域97は、固定領域96よりも径方向内側に配置される。第2面832の非接触領域97は、第1ねじボス部68よりも径方向内側に配置される。第2面832の非接触領域97は、ステータ24とは対向しない。
【0172】
軸方向において、プレート部79の第1面831の支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、第2面832の少なくとも一部とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも短い。本実施形態において、距離Dbは、第2面832の固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離である。軸方向において、第1面831の支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、第2面832の固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも短い。すなわち、軸方向において、支持領域95は、固定領域96よりも後方側(ロータコア27側)に配置される。
【0173】
また、軸方向において、第1面831の支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、第2面832の非接触領域97とロータコア27の端面27Fとの距離Dcよりも短い。本実施形態において、距離Dbと距離Dcとは等しい。
【0174】
インシュレータ34は、コイル35よりも径方向内側に配置されるコイル止部53を有する。軸方向において、回転センサ78とコイル止部53の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。すなわち、回転センサ78の後端部は、コイル止部53の前端部よりも後方側に配置される。
【0175】
また、軸方向において、回転センサ78とロータコア27の端面27Fとの距離Ddは、回転センサ78とステータコア33の端面43との距離Deよりも短い。距離Ddは、軸方向における回転センサ78の後端部と端面27Fとの距離である。距離Deは、軸方向における回転センサ78の後端部と端面43との距離である。
【0176】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、センサ基板76は、回転センサ78及び回転センサ78を支持するプレート部79を有する。プレート部79は、ロータコア27の端面27Fと対向する第1面831と、ステータ24の少なくとも一部と対向する第2面832とを有する。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向するように第1面831の支持領域95に配置される。支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、第2面832の少なくとも一部とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも短い。支持領域95が第2面832の少なくとも一部よりも後方側(ロータコア27側)に配置されるので、軸方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。したがって、電動作業機1のモータアセンブリ6が小型化される。また、モータアセンブリ6が小型化されることにより、モータアセンブリ6は軽量化される。
【0177】
第2面832は、ステータ24の少なくとも一部に固定される固定領域96を含む。これにより、センサ基板76は、固定領域96を介してステータ24に固定される。
【0178】
距離Daは、固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも短い。これにより、軸方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。
【0179】
第2面832は、固定領域96の周囲の少なくとも一部に規定される非接触領域97を含む。距離Daは、非接触領域97とロータコア27の端面27Fとの距離Dcよりも短い。これにより、軸方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。
【0180】
ステータ24は、ロータ23の周囲に配置されるステータコア33と、ステータコア33に固定されるインシュレータ34と、インシュレータ34に固定される複数のコイル35と、一対のコイル35を短絡する短絡部材65と、短絡部材65を支持する絶縁部材66とを有する。固定領域96は、バスバーユニット36の絶縁部材66に固定される。これにより、センサ基板76は、固定領域96を介してバスバーユニット36に固定される。
【0181】
プレート部79は、回転軸AXを囲むように設けられる。絶縁部材66は、回転軸AXを囲むように設けられる。プレート部79の少なくとも一部は、絶縁部材66よりも径方向内側に配置される。これにより、径方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。
【0182】
モータアセンブリ6は、固定領域96とバスバーユニット36の絶縁部材66とを固定する第1ねじ87を備える。これにより、センサ基板76は、第1ねじ87によりバスバーユニット36に固定される。
【0183】
絶縁部材66は、環状のベース部67と、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出する第1ねじボス部68とを有する。第1ねじ87は、第1ねじボス部68のねじ孔73に結合される。これにより、センサ基板76は、絶縁部材66よりも径方向内側に配置された状態で、バスバーユニット36の絶縁部材66に固定される。
【0184】
モータアセンブリ6は、プレート部79と絶縁部材66とを位置決めする第1位置決め部90を備える。これにより、プレート部79と絶縁部材66とは位置決めされた状態で固定される。
【0185】
絶縁部材66は、ベース部67よりも径方向内側に配置される支持部75と、支持部75から前方側に突出する位置決めピン70とを有する。プレート部79は、位置決めピン70が配置される位置決め孔89を有する。第1位置決め部90が、位置決めピン70及び位置決め孔89を含む。位置決めピン70が位置決め孔89に配置されることにより、プレート部79と絶縁部材66とは位置決めされる。
【0186】
モータアセンブリ6は、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを固定する第2ねじ92を備える。これにより、バスバーユニット36は、第2ねじ92によりインシュレータ34に固定される。
【0187】
絶縁部材66は、環状のベース部67と、ベース部67の外縁部から径方向外側に突出する第2ねじボス部69とを有する。第2ねじ92は、第2ねじボス部69の開口74に配置される。第2ねじ92は、第2ねじボス部69を介して、インシュレータ34のねじボス部57に設けられているねじ孔61に結合される。これにより、バスバーユニット36は、センサ基板76よりも径方向外側に配置された状態で、インシュレータ34に固定される。また、第2ねじ92でバスバーユニット36とインシュレータ34とが固定された後、ヒュージング端子64と接続線62との溶接が円滑に実施される。
【0188】
モータアセンブリ6は、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを位置決めする第2位置決め部91を備える。これにより、絶縁部材66とインシュレータ34とは位置決めされた状態で固定される。
【0189】
絶縁部材66は、ベース部67よりも径方向外側に配置され前方側に凹む位置決め凹部71を有する。インシュレータ34は、位置決め凹部71に配置される位置決め凸部として機能するねじボス部57を有する。第2位置決め部91は、位置決め凹部71及びねじボス部57を含む。ねじボス部57が位置決め凹部71に配置されることにより、絶縁部材66とインシュレータ34とは位置決めされる。
【0190】
インシュレータ34は、コイル35よりも径方向内側に配置されるコイル止部53を有する。軸方向において、回転センサ78とコイル止部53の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。回転センサ78の少なくとも一部がコイル止部53の前端部よりも後方側(ロータコア27側)に配置されるので、軸方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。したがって、電動作業機1のモータアセンブリ6が小型化される。
【0191】
回転センサ78は、コイル止部53よりも径方向内側に配置される。これにより、径方向におけるモータアセンブリ6の寸法が小さくなる。
【0192】
回転センサ78とロータコア27の端面27Fとの距離Ddは、回転センサ78とステータコア33の端面43との距離Deよりも短い。これにより、回転センサ78がステータコア33の内側に配置されることが抑制される。回転センサ78は、ロータ23の回転を精度良く検出することができる。
【0193】
[他の実施例]
図32は、本実施形態の他の実施例に係るセンサユニット22Bとステータ24との関係を説明するための模式図である。センサユニット22Bは、回転センサ78と、回転センサ78を支持するプレート部79Bとを有する。プレート部79Bは、ロータコア27の端面27Fと対向する第1面831と、ステータ24の少なくとも一部と対向する第2面832とを有する。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向するように第1面831の支持領域95に配置される。第2面832は、ステータ24のインシュレータ34Bに固定される固定領域96と、固定領域96よりも径方向内側に配置される非接触領域97とを含む。
図32に示す例において、インシュレータ34Bに固定される固定領域96は、コイル35よりも径方向外側に配置される。非接触領域97は、ステータ24と接触しない。軸方向において、支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも短い。距離Daは、非接触領域97とロータコア27の端面27Fとの距離Dcよりも短い。
図32に示す例において、距離Dbと距離Dcとは等しい。
図32に示す例のように、固定領域96は、コイル35よりも径方向外側に配置されてもよい。
【0194】
図33は、本実施形態の他の実施例に係るセンサユニット22Cとステータ24との関係を説明するための模式図である。センサユニット22Cは、回転センサ78と、回転センサ78を支持するプレート部79Cとを有する。プレート部79Cは、ロータコア27の端面27Fと対向する第1面831と、ステータ24の少なくとも一部と対向する第2面832とを有する。回転センサ78は、ロータコア27の端面27Fと対向するように第1面831の支持領域95に配置される。第2面832は、ステータ24のインシュレータ34Cに固定される固定領域96と、固定領域96よりも径方向内側に配置される非接触領域97とを含む。
図33に示す例において、インシュレータ34Cに固定される固定領域96は、コイル35よりも径方向外側に配置される。非接触領域97は、ステータ24と接触しない。軸方向において、支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも長い。距離Daは、非接触領域97とロータコア27の端面27Fとの距離Dcよりも短い。距離Dcは、距離Dbよりも長い。
図33に示す例のように、軸方向において、支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、固定領域96とロータコア27の端面27Fとの距離Dbよりも長くてもよい。軸方向において、支持領域95とロータコア27の端面27Fとの距離Daは、第2面832の少なくとも一部とロータコア27の端面27Fとの距離よりも短ければよい。
【0195】
上述の実施形態において、ロータ23の端面がロータコア27の端面27Fであることとした。また、第1面831がロータコア27の端面27Fに対向することとした。ロータコア27の端面27Fに永久磁石29とは異なるセンサ用磁石が配置される場合がある。センサ用磁石は、回転センサ78がロータ23の回転を検出するために設けられる。センサ用磁石が設けられる場合、ロータ23の端面はセンサ用磁石の端面でもよい。上述の距離Ddは、回転センサとセンサ用磁石の端面との距離でもよい。
【0196】
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0197】
図34は、本実施形態に係るモータアセンブリ106を示す前方からの斜視図である。
図35は、本実施形態に係るモータアセンブリ106を示す後方からの斜視図である。
図36は、本実施形態に係るモータアセンブリ106を示す前方からの分解斜視図である。
図37は、本実施形態に係るモータアセンブリ106を示す後方からの分解斜視図である。
【0198】
上述の第1実施形態においては、短絡部材65がバスバーユニット36の絶縁部材66に支持され、回転センサ78がセンサ基板76のプレート部79に支持されることとした。本実施形態において、モータアセンブリ106は、一体成型された短絡部材165及び回転センサ178を含むバスバーユニット200を有する。
【0199】
モータアセンブリ106は、ステータコア133と、前インシュレータ134Fと、後インシュレータ134Rと、コイル135と、バスバーユニット200とを有する。
【0200】
ステータコア133は、上述の実施形態で説明したステータコア33と同等の構造である。前インシュレータ134Fは、ステータコア133の前部に固定される。後インシュレータ134Rは、ステータコア133の後部に固定される。コイル135は、前インシュレータ134F及び後インシュレータ134Rを介してステータコア133に装着される。コイル135は、上述の実施形態で説明したコイル35と同等の構造である。一対のコイル135は、接続線162により接続される。
【0201】
図38は、本実施形態に係るバスバーユニット200を示す前方からの分解斜視図である。
図39は、本実施形態に係るバスバーユニット200を示す後方からの分解斜視図である。バスバーユニット200は、外部端子163と、短絡部材165と、接続端子166と、回転センサ178と、信号端子180と、信号線181と、絶縁部材182とを有する。外部端子163と短絡部材165と接続端子166とは一体である。
【0202】
バッテリパック19からの駆動電流は、電源線193を介して外部端子163に供給される。外部端子163は、3つ設けられる。外部端子163は、U相駆動電流が供給される外部端子163Uと、V相駆動電流が供給される外部端子163Vと、W相駆動電流が供給される外部端子163Wとを含む。
【0203】
短絡部材165は、一対のコイル135を接続(短絡)する。短絡部材165は、一つの外部端子163と一対の接続端子166とを接続する。短絡部材165は、3つ設けられる。短絡部材165は、外部端子163Uに接続される短絡部材165Uと、外部端子163Vに接続される短絡部材165Vと、外部端子163Wに接続される短絡部材165Wとを含む。
【0204】
接続端子166は、短絡部材165Uに接続される一対の接続端子166Uと、短絡部材165Vに接続される一対の接続端子166Vと、短絡部材165Wに接続される一対の接続端子166Wとを含む。接続端子166は、ねじ187が配置される開口173を有する。
【0205】
回転センサ178は、ロータ23の回転を検出する。回転センサ178は、3つ設けられる。回転センサ178の検出信号は、信号端子180及び信号線181を介してコントローラ9に送信される。
【0206】
本実施形態において、バスバーユニット200は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。絶縁部材182は、合成樹脂製である。絶縁部材182は、環状である。絶縁部材182は、短絡部材165、回転センサ178、信号端子180、及び信号線181を覆う。短絡部材165、回転センサ178、信号端子180、及び信号線181は、絶縁部材182を形成する合成樹脂でモールドされる。短絡部材165及び回転センサ178は、絶縁部材182と一体成型される。絶縁部材182により、3つの短絡部材165は、相互に絶縁される。接続端子166は、絶縁部材182の外側に配置される。
【0207】
図40は、本実施形態に係る前インシュレータ134Fを示す前方からの分解斜視図である。
図41は、本実施形態に係る前インシュレータ134Fを示す後方からの分解斜視図である。
【0208】
前インシュレータ134Fは、ヒュージング端子164を支持する。ヒュージング端子164は、接続線162に接続されるヒュージング部1641と、接続端子166に接続される端子部1642とを有する。ヒュージング端子164は、コイル135の数と同じ数だけ設けられる。ヒュージング端子164は、6つ設けられる。端子部1642は、ねじ187が配置される開口174を有する。
【0209】
前インシュレータ134Fは、ねじ187と結合されるねじ孔161を有する。ねじ孔161は、前インシュレータ134Fの前部に設けられる。ねじ孔161は、6つ設けられる。
【0210】
前インシュレータ134Fは、ワイヤ支持部156を有する。ワイヤ支持部156は、前インシュレータ134Fの前部から前方に突出する。接続線162は、ワイヤ支持部156の外面に支持される。ワイヤ支持部56は、ヒュージング部1641の少なくとも一部が挿入される凹部156Sを有する。本実施形態において、ヒュージング部1641の少なくとも一部が凹部156Sの内側に配置される。ヒュージング部1641は、端子部1642の開口174とねじ孔161とが一致するように、ワイヤ支持部56の凹部156Sに配置される。
【0211】
バスバーユニット200と前インシュレータ134Fとは、ねじ187により固定される。バスバーユニット200の接続端子166は、開口173とねじ孔161及び開口174とが一致するように、端子部1642と前インシュレータ134Fの前面との間に配置される。接続端子166が端子部1642と前インシュレータ134Fとの間に配置された後、ねじ187が開口174及び開口173を介してねじ孔161に挿入される。ねじ187がねじ孔161に結合されることにより、バスバーユニット200と前インシュレータ134Fとが固定される。バスバーユニット200と前インシュレータ134Fとが固定された後、ヒュージング部1641と接続線162とが溶接される。
【0212】
以上説明したように、短絡部材165と回転センサ178とが絶縁部材182を介して一体成型されることにより、モータアセンブリ106は小型化される。
【0213】
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルであることとした。電動工具は、震動ドライバドリルに限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。また、電動作業機1は、園芸工具(Outdoor Power Equipment)でもよい。園芸工具として、チェーンソー、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。
【0214】
上述の実施形態においては、電動作業機の電源としてバッテリ装着部に装着されるバッテリパック19が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0215】
1…電動作業機、2…ハウジング、3…リヤカバー、4…ギヤケース、5…バッテリ装着部、6…モータアセンブリ、7…動力伝達機構、8…スピンドル、8C…チャック機構、9…コントローラ、10…トリガスイッチ、11…正逆切換レバー、12…速度切換レバー、13…モードチェンジリング、14…チェンジリング、15…ライト、16…モータ収容部、17…グリップ部、18…コントローラ収容部、19…バッテリパック、20…モータ、21…ファン、22…センサユニット、22B…センサユニット、22C…センサユニット、23…ロータ、24…ステータ、25…吸気口、26…排気口、27…ロータコア、27F…端面、27R…端面、27S…外面、28…ロータシャフト、29…永久磁石、30…磁石孔、31…樹脂、32…凹部、33…ステータコア、34…インシュレータ、34B…インシュレータ、34C…インシュレータ、35…コイル、35E…巻き終わり部分、35M…中間部分、35S…巻き始め部分、35U…U相コイル、35V…V相コイル、35W…W相コイル、36…バスバーユニット、37…外筒部、38……ティース部、39…内壁部、40…突出部、41…内面、42…外面、43…端面、43A…端面、43B…端面、43C…端面、44…端面、44A…端面、44B…端面、44C…端面、45…対向面、46…対向面、47…側面、48…側面、49…被覆部、50…被覆部、51…被覆部、52…被覆部、53…コイル止部、54…コイル止部、55…コイル止部、56…ワイヤ支持部、57…ねじボス部、58…連結部、59…突出部、60…突出部、61…ねじ孔、62…接続線、63…外部端子、63U…外部端子、63V…外部端子、63W…外部端子、64…ヒュージング端子(端子)、64U…ヒュージング端子、64V…ヒュージング端子、64W…ヒュージング端子、65…短絡部材、65U…短絡部材、65V…短絡部材、65W…短絡部材、66…絶縁部材、67…ベース部、68…第1ねじボス部、69…第2ねじボス部、70…位置決めピン、71…位置決め凹部、72…連結部、72R…凹部、73…ねじ孔、74…開口、75…支持部、76…センサ基板、77…コネクタ、78…回転センサ、79…プレート部、79B…プレート部、79C…プレート部、80…信号端子、81…信号線、82…絶縁部材、82A…第1凸部、82B…第2凸部、83…後面、84…前面、86…ケーブル、86H…保持部材、87…第1ねじ、88…開口、89…位置決め孔、90…第1位置決め部、91…第2位置決め部、92…第2ねじ、93U…電源線、93V…電源線、93W…電源線、95…支持領域、96…固定領域、97…非接触領域、98…接触領域、106…モータアセンブリ、110…リブ、111…リブ、112…リブ、113…リブ、114…リブ、133…ステータコア、134F…前インシュレータ、134R…後インシュレータ、135…コイル、156…ワイヤ支持部、156S…凹部、161…ねじ孔、162…接続線、163…外部端子、163U…外部端子、163V…外部端子、163W…外部端子、164…ヒュージング端子、165…短絡部材、165U…短絡部材、165V…短絡部材、165W…短絡部材、166…接続端子、166U…接続端子、166V…接続端子、166W…接続端子、173…開口、174…開口、178…回転センサ、180…信号端子、181…信号線、182…絶縁部材、187…ねじ、193…電源線、200…バスバーユニット、491…被覆領域、492…被覆領域、493…被覆領域、494…被覆領域、495…被覆領域、501…被覆領域、502…被覆領域、503…被覆領域、504…被覆領域、505…被覆領域、506…被覆領域、620…ワイヤ、831…第1面、831A…第1面、831B…第1面、831C…第1面、832…第2面、832A…第2面、832B…第2面、832C…第2面、833…第3面、833A…第3面、833B…第3面、841…第4面、841A…第4面、841B…第4面、841C…第4面、842…第5面、842A…第5面、842B…第5面、842C…第5面、843…第6面、843A…第6面、843B…第6面、851…接続面、852…傾斜面、853…接続面、854…接続面、855…接続面、856…接続面、857…傾斜面、858…接続面、859…接続面、860…接続面、861…開口、1641…ヒュージング部、1642…端子部、Da…距離、Db…距離、Dc…距離、Dd…距離、De…距離。