(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】トナーカートリッジ、現像ユニット、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240422BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240422BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G03G15/08 348B
G03G15/08 343
G03G21/16 176
G03G21/18 153
(21)【出願番号】P 2020119123
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水越 俊翼
(72)【発明者】
【氏名】篠原 聖一
(72)【発明者】
【氏名】田中 正典
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-106594(JP,A)
【文献】特開2000-231230(JP,A)
【文献】特開2016-114723(JP,A)
【文献】特開2009-31376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成装置の現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジであって、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2の開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して現像ユニットの受入口と連通する第2の相対位置に変位するともに、前記第2の被係止部が現像ユニットの第2の係止部に係止され、現像ユニットに対する装着が完了するように構成されたトナーカートリッジにおいて、
前記カバー部材と前記シャッタ部材との間に、前記相対位置を前記第2の相対位置から前記第1の相対位置へ変位させる方向の相対回転を生じさせる付勢力を作用させる付勢部材を有することを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項2】
前記第2の被係止部は、前記第1の被係止部に対して、前記軸線方向に平行な軸線と直交する方向に隣接し、前記トナー収容部と前記シャッタ部材との間の相対回転により、前記第1の被係止部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として相対回転することを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
【請求項3】
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、トナーカートリッジを現像ユニットに装着する際に、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させる前は、現像ユニットに対するトナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置であり、前記相対回転させた後は、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置となることを特徴とする請求項2に記載のトナーカートリッジ。
【請求項4】
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、トナーカートリッジを現像ユニットに着脱する際において、現像ユニットに設けられた所定の装着部に対して、前記第1の配置で前記装着方向に挿抜されることを特徴とする請求項3に記載のトナーカートリッジ。
【請求項5】
前記付勢部材は、一端が前記カバー部材に固定され、他端が前記シャッタ部材に固定されたねじりコイルばねであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項6】
記録材に画像を形成する画像形成装置の現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジ
であって、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2の開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して現像ユニットの受入口と連通する第2の相対位置に変位するともに、前記第2の被係止部が現像ユニットの第2の係止部に係止され、現像ユニットに対する装着が完了し、
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、トナーカートリッジを現像ユニットに装着する際に、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させる前は、現像ユニットに対するトナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置であり、前記相対回転させた後は、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置となるように構成されたトナーカートリッジにおいて、
前記第1の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、前記第1の配置における前記第2の被係止部に対する角度が所定の範囲で変位しても、前記第1の被係止部と前記第2の被係止部を前記装着方向に投影したときの前記装着方向と直交する方向における幅が変位しないテーパ形状を有することを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項7】
前記第1の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、前記装着方向に長い略矩形の側面を有するとともに、前記テーパ形状として、前記装着方向の下流側の一対の角部のうちの一方の角部を前記装着方向に対して傾斜した方向に切り欠くことで形成されたような傾斜面を有することを特徴とする請求項6に記載のトナーカートリッジ。
【請求項8】
前記軸線方向に見たときに、前記傾斜面の前記装着方向の上流側の端部は、前記第1の被係止部の回転中心よりも前記装着方向の上流側に位置することを特徴とする請求項7に記載のトナーカートリッジ。
【請求項9】
前記軸線方向に見たときに、前記傾斜面の稜線は、前記装着方向と直交する方向において、前記第2の被係止部の内側に位置することを特徴とする請求項7又は8に記載のトナーカートリッジ。
【請求項10】
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、トナーカートリッジを現像ユニットに着脱する際において、現像ユニットに設けられた所定の装着部に対して、前記第1の配置で前記装着方向に挿抜され、
前記所定の範囲は、トナーカートリッジを現像ユニットから取り外す際に、前記第1の被係止部と前記第2の被係止部を、前記所定の装着部から引き抜くことができる前記第1
の被係止部と前記第2の被係止部との相対角度の範囲であることを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項11】
前記第2の被係止部は、一対の脚部と、該一対の脚部を連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記軸線方向において前記第1の被係止部よりも外側に位置し、
前記一対の脚部は、前記連結部を介して前記第1の被係止部を跨ぐように、前記軸線方向に見たときに、前記第1の被係止部に対して対称的に配置されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項12】
前記搬送部材は、前記回転軸の外周に螺旋状の羽根部を備えるスクリュであることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項13】
前記カバー部材は、前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態において、現像ユニットの受入口を開閉する開閉部材と係合するギア部を有し、前記トナー収容部と前記シャッタ部材との相対回転により、前記ギア部が前記開閉部材を前記受入口に対して開閉させることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載のトナーカートリッジ。
【請求項14】
記録材に画像を形成する画像形成装置の現像ユニットであって、
トナーを担持する担持体と、
前記担持体が組み付けられるとともに、トナーを収容する第1のトナー収容室を有する筐体と、
前記筐体に着脱可能なトナーカートリッジと、
を備え、
前記筐体が、
前記トナーカートリッジから供給されるトナーを受け入れる受入口と、
前記トナーカートリッジを前記筐体に係止するための第1の係止部及び第2の係止部を含む装着部と、
有し、
前記トナーカートリッジが、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2の開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して現像ユニットの受入口と連通する第2の相対位置に変位するともに、前記第2の被係止部が現像ユ
ニットの第2の係止部に係止され、現像ユニットに対する装着が完了するように構成された現像ユニットにおいて、
前記カバー部材と前記シャッタ部材との間に、前記相対位置を前記第2の相対位置から前記第1の相対位置へ変位させる方向の相対回転を生じさせる付勢力を作用させる付勢部材を有することを特徴とする現像ユニット。
【請求項15】
前記第2の被係止部は、前記第1の被係止部に対して、前記軸線方向に平行な軸線と直交する方向に隣接し、前記トナー収容部と前記シャッタ部材との間の相対回転により、前記第1の被係止部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として相対回転することを特徴とする請求項14に記載の現像ユニット。
【請求項16】
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、トナーカートリッジを現像ユニットに装着する際に、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させる前は、現像ユニットに対するトナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置であり、前記相対回転させた後は、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置となることを特徴とする請求項15に記載の現像ユニット。
【請求項17】
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、トナーカートリッジを現像ユニットに着脱する際において、現像ユニットに設けられた所定の装着部に対して、前記第1の配置で前記装着方向に挿抜されることを特徴とする請求項16に記載の現像ユニット。
【請求項18】
前記付勢部材は、一端が前記筐体に固定され、他端が前記第2の被係止部に前記付勢力を作用するように当接するねじりコイルばねであることを特徴とする請求項14~17のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項19】
前記付勢部材は、
一端が前記筐体に回転可能に取り付けられ、他端に前記第2の被係止部に当接する当接部を有するレバー部材と、
前記当接部が前記第2の被係止部に対して前記付勢力を作用させるように、前記筐体と前記レバー部材との間に設けられたばねと、
を含むことを特徴とする請求項14~17のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項20】
記録材に画像を形成する画像形成装置に備えられる現像ユニットであって、
トナーを担持する担持体と、
前記担持体が組み付けられるとともに、トナーを収容する第1のトナー収容室を有する筐体と、
前記筐体に着脱可能なトナーカートリッジと、
を備え、
前記筐体が、
前記トナーカートリッジから供給されるトナーを受け入れる受入口と、
前記トナーカートリッジを前記筐体に係止するための第1の係止部及び第2の係止部を含む装着部と、
有し、
前記トナーカートリッジが、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナー
の前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、前記現像ユニットに対する前記トナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置と、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置と、を取りえるように構成されており、
前記トナーカートリッジを前記現像ユニットに対して装着する際において、前記第1の被係止部と前記第2の被係止部が前記第1の配置で前記装着部に挿入され、前記第1の被係止部が前記第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2の開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して前記受入口と連通する第2の相対位置に変位し、前記第2の被係止部が前記第2の配置となって前記第2の係止部に係止され、前記現像ユニットに対する装着が完了するように構成されている現像ユニットにおいて、
前記装着部は、前記軸線方向に見たときに、前記装着方向と直交する方向に対向する一対のガイド壁を有し、
前記一対のガイド壁は、
前記装着方向の下流側の対向壁面が、前記第1の係止部を形成し、
前記装着方向の上流側の一方の壁面が、前記装着方向に沿って延びて前記第1の係止部に接続し、
前記装着方向の上流側の他方の壁面が、前記装着部の前記装着方向の上流側の幅を広げるように傾斜したテーパ壁面を含むことを特徴とする現像ユニット。
【請求項21】
前記第2の被係止部は、一対の脚部と、該一対の脚部を連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記軸線方向において前記第1の被係止部よりも外側に位置し、
前記一対の脚部は、前記連結部を介して前記第1の被係止部を跨ぐように、前記軸線方向に見たときに、前記第1の被係止部に対して対称的に配置されていることを特徴とする請求項20に記載の現像ユニット。
【請求項22】
前記搬送部材は、前記回転軸の外周に螺旋状の羽根部を備えるスクリュであることを特徴とする請求項20又は21に記載の現像ユニット。
【請求項23】
前記筐体は、前記受入口を開閉する開閉部材を有し、
前記カバー部材は、前記第1の被係止部が前記第1の係止部に係止された状態において、前記開閉部材と係合するギア部を有し、
前記第1の被係止部が前記第1の係止部に係止された状態において、前記トナー収容部と前記シャッタ部材との相対回転により、前記ギア部が前記開閉部材を前記受入口に対して開閉させることを特徴とする請求項20~22のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項24】
前記筐体は、前記カバー部材と前記シャッタ部材が前記第2の相対位置にある前記トナーカートリッジの前記筐体に対する姿勢を保持するためのロック機構を有することを特徴とする請求項20~23のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項25】
記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための現像ユニットと、
請求項1~13のいずれか1項に記載のトナーカートリッジと、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項26】
記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための、請求項14~24のいずれか1項に記載の現像ユニットと、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項27】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための現像ユニットと、前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、含む装置本体と、
前記現像ユニットに着脱可能な請求項1~13のいずれか1項に記載のトナーカートリッジと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項28】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための、請求項14~24のいずれか1項に記載の現像ユニットと、
前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に備えられるトナーカートリッジ、現像ユニット、プロセスカートリッジ等のカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、静電記録方式や電子写真記録方式等が多く用いられている。その一つに、感光ドラム上にトナー像を形成しこのトナー像を記録材としてのシートへ転写することで記録材に画像を形成する方式がある。その際、メンテナンスを容易にすべく、画像形成装置の一部の部品を、装置本体に着脱可能なカートリッジに設け、カートリッジを装置本体外に取り出し、メンテナンスや交換を行う方式が広く採用されている。例えば、特許文献1には、トナーカートリッジをユーザが現像ユニットに着脱する動作に合わせて、トナーカートリッジに設けられたシャッタを開閉する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現像ユニットに取り付けられたトナーカートリッジを一度現像ユニットから取り外した後、そのトナーカートリッジを再度現像ユニットへ装着する際に、トナーカートリッジの一部が現像ユニットに干渉し、スムーズに装着できないことがあった。
【0005】
本発明の目的は、トナーカートリッジのスムーズな再装着を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のトナーカートリッジは、
記録材に画像を形成する画像形成装置の現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジであって、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して現像ユニットの受入口と連通する第2の相対位置に変位するともに、前記第2の被係止部が現像ユニットの第2の係止部に係止され、現像ユニットに対する装着が完了するように構成されたトナーカートリッジにおいて、
前記カバー部材と前記シャッタ部材との間に、前記相対位置を前記第2の相対位置から前記第1の相対位置へ変位させる方向の相対回転を生じさせる付勢力を作用させる付勢部材を有することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明のトナーカートリッジは、
記録材に画像を形成する画像形成装置の現像ユニットに着脱可能なトナーカートリッジであって、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部が現像ユニットの第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して現像ユニットの受入口と連通する第2の相対位置に変位するともに、前記第2の被係止部が現像ユニットの第2の係止部に係止され、現像ユニットに対する装着が完了し、
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、トナーカートリッジを現像ユニットに装着する際に、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させる前は、現像ユニットに対するトナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置であり、前記相対回転させた後は、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置となるように構成されたトナーカートリッジにおいて、
前記第1の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、前記第1の配置における前記第2の被係止部に対する角度が所定の範囲で変位しても、前記第1の被係止部と前記第2の被係止部を前記装着方向に投影したときの前記装着方向と直交する方向における幅が変位しないテーパ形状を有することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の現像ユニットは、
記録材に画像を形成する画像形成装置に備えられる現像ユニットであって、
トナーを担持する担持体と、
前記担持体が組み付けられるとともに、トナーを収容する第1のトナー収容室を有する筐体と、
前記筐体に着脱可能なトナーカートリッジと、
を備え、
前記筐体が、
前記トナーカートリッジから供給されるトナーを受け入れる受入口と、
前記トナーカートリッジを前記筐体に係止するための第1の係止部及び第2の係止部を含む装着部と、
有し、
前記トナーカートリッジが、
トナーを収容するトナー収容部と、
前記トナー収容部の内部に配置され、回転軸を有し、前記回転軸の軸線方向の一端に向けて前記トナー収容部に収容されたトナーを搬送する搬送部材と、
前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に、前記トナー収容部に対して前記軸線方向に平行な軸線を回転中心として回転可能に組み付けられ、前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第1の開口と、トナーの前記外部への移動を防ぐための閉鎖部と、前記軸線方向に突出する第1の被係止部と、を有するシャッタ部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記シャッタ部材を覆うように前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるカバー部材であって、前記第1の開口とともに前記トナー収容部に収容されたトナーを前記トナー収容部の内部から外部へ排出可能にするための第2の開口を有するカバー部材と、
前記第1の被係止部を前記軸線方向に通しつつ前記トナー収容部の前記軸線方向の一端に固定されるホルダ部材であって、第2の被係止部を有するホルダ部材と、
を有し、
前記第1の被係止部と前記第2の被係止部は、前記軸線方向に見たときに、前記現像ユニットに対する前記トナーカートリッジの装着方向に並んだ第1の配置と、前記装着方向と交差する方向に並んだ第2の配置と、を取りえるように構成されており、
前記トナーカートリッジを前記現像ユニットに対して装着する際において、前記第1の被係止部と前記第2の被係止部が前記第1の配置で前記装着部に挿入され、前記第1の被係止部が前記第1の係止部に係止された状態となってから、前記トナー収容部を前記シャッタ部材に対して相対回転させることにより、前記カバー部材と前記シャッタ部材の相対位置が、前記閉鎖部が前記第2開口と対向する第1の相対位置から、前記トナー収容部の内部が前記第1の開口と前記第2の開口を介して前記受入口と連通する第2の相対位置に変位し、前記第2の被係止部が前記第2の配置となって前記第2の係止部に係止され、前記現像ユニットに対する装着が完了するように構成されている現像ユニットにおいて、
前記装着部は、前記軸線方向に見たときに、前記装着方向と直交する方向に対向する一対のガイド壁を有し、
前記一対のガイド壁は、
前記装着方向の下流側の対向壁面が、前記第1の係止部を形成し、
前記装着方向の上流側の一方の壁面が、前記装着方向に沿って延びて前記第1の係止部に接続し、
前記装着方向の上流側の他方の壁面が、前記装着部の前記装着方向の上流側の幅を広げるように傾斜したテーパ壁面を含むことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明のプロセスカートリッジは、
記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための現像ユニットと、
本発明のトナーカートリッジと、
を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明のプロセスカートリッジは、
記録材に画像を形成する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための本発明の現像ユニットと、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための現像ユニットと、前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、含む装置本体と、
前記現像ユニットに着脱可能な本発明のトナーカートリッジと、
を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
潜像が形成される感光体を含む感光体ユニットと、
前記潜像を現像して前記感光体にトナー像を形成するための本発明の現像ユニットと、
前記トナー像を記録材に転写する転写手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トナーカートリッジのスムーズな再装着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1のトナーカートリッジの部分分解斜視図
【
図9】実施形態1の現像ユニットと感光体ユニットの斜視図
【
図10】実施形態1の感光体ユニットと現像ユニットの上視図
【
図13】実施形態1のトナーカートリッジの分解斜視図
【
図16】実施形態1のトナーカートリッジとプロセスカートリッジの斜視図
【
図21】従来の構成における支持部および突起部の概略断面図
【
図22】従来の構成における支持部および突起部の概略断面図
【
図23】従来の構成における支持部および突起部の概略断面図
【
図24】従来の構成における支持部および突起部の概略断面図
【
図25】従来の構成における支持部および突起部の概略断面図
【
図26】実施形態1のトナーカートリッジとプロセスカートリッジの構成説明図
【
図27】実施形態1のトナーカートリッジとプロセスカートリッジの構成説明図
【
図28】実施形態1の支持部および突起部の概略断面図
【
図29】実施形態1の現像ユニットおよび付勢部材の分解斜視図
【
図31】実施形態1の現像ユニットおよび付勢部材の斜視図
【
図32】実施形態1のトナーカートリッジとプロセスカートリッジの構成説明図
【
図33】実施形態1のトナーカートリッジとプロセスカートリッジの構成説明図
【
図34】実施形態1の支持部および付勢レバーの概略断面図
【
図35】実施形態2の支持部および突起部の概略断面図
【
図36】実施形態2の支持部および突起部の概略断面図
【
図37】実施形態3のシャッタ部材の斜視図および概略断面図
【
図38】実施形態3の支持部および突起部の概略断面図
【
図39】実施形態3の支持部および突起部の概略断面図
【
図40】従来の構成および実施形態3の支持部および突起部の概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
<実施形態1>
(実施形態1の画像形成装置の構成)
まず、
図2を用いて、実施形態1に係る画像形成装置1およびカートリッジユニット10の構成について説明する。
【0011】
ここで、以下の説明において、画像形成装置1を使用するユーザを基準にした方向を定義する。つまり、画像形成装置1の正面側を「前」、背面側を「後」、上面(天面)側を「上」、下面(底面)側を「下」としている。また画像形成装置1を正面側から見た時の画像形成装置1の左側を「左」、右側を「右」とする。カートリッジユニット10についても、画像形成装置1に装着された状態と同じ姿勢であるものとして画像形成装置1と同様に方向を定義している。各図面における各方向は図面に記される矢印によって定義されている。この矢印で示される前後方向、上下方向、左右方向は互いに直交する方向である。これらの方向は全ての図面で同じ方向を示している。上下方向は鉛直方向と平行であり、左右方向及び前後方向は水平方向と平行である。また、左右方向は後述する感光ドラム61および現像ローラ71の回転軸線方向とそれぞれ平行である。ここで、以下の説明において「軸方向」および「長手方向」と記載している場合、感光ドラム61および現像ローラ71の回転軸方向、すなわち左右方向のことを示している。また、トナーカートリッジ9を現像ユニット7に挿入する方向を、図面に記される矢印として、適宜用いることとする。
【0012】
また、現像ユニット7を感光体ユニット6に装着して一体化したものをプロセスカートッジ5と称す。このプロセスカートリッジ5を装置本体2に装着する際の挿入方向(装着方向)S1及び取り外し方向S2は、前後方向とほぼ平行であり、左右方向および上下方向とに直交する。
【0013】
図2は画像形成装置1の断面図であり、その断面は上下方向及び前後方向に平行である。
図2に示すように、画像形成装置1は、装置本体2の内部に用紙Sを供給するための給紙部3、露光装置4、用紙S上にトナー像を転写するカートリッジユニット10、および用紙S上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置8を主に備えている。
【0014】
給紙部3は、装置本体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、給紙機構32とを主
に備えている。給紙トレイ31に収容された記録材としての用紙Sは、給紙機構32によってカートリッジユニット10(感光ドラム61と転写ローラ63との間)に向けて供給される。
【0015】
露光装置4は、装置本体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部や、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡等を備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光が、感光ドラム61の表面で高速走査されることで、感光ドラム61の表面を露光する。
【0016】
また、画像形成装置1は、カートリッジユニット10が装着可能に設けられている。カートリッジユニット10は、露光装置4の下方に配置されている。装置本体2に設けられたドア21を開いたとき(
図2に二点鎖線で記載)にできる開口から装置本体2の収容部23に挿入方向S1で挿入され、装置本体2に装着される構成となっている。カートリッジユニット10を装置本体2から取り外す際は取り外し方向S2にカートリッジユニット10を移動させて取り出す。
【0017】
次に、
図3を用いて、実施形態1に係るカートリッジユニット10の構成について説明する。
図3はカートリッジユニット10の断面図である。カートリッジユニット10はプロセスカートリッジ5とトナーカートリッジ9からなる。そして、プロセスカートリッジ5は、主に感光体ユニット6と現像ユニット7を備えており、現像ユニット7と感光体ユニット6が一体となった構成となっている。感光体ユニット6は、感光ドラム61、コロナ帯電器68、前露光部69、回収ローラ62、および転写ローラ63を主に備えている。現像ユニット7は、現像ローラ(現像剤担持体)71、供給ローラ72、層厚規制ブレード73、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部(現像剤収容部)74、およびトナー収容部74内に設けられる第1アジテータ75を主に備えている。
【0018】
(実施形態1の画像形成プロセス)
次にこのカートリッジユニット10を用いた画像形成プロセスについて、
図2および
図3を用いて説明する。
【0019】
感光ドラム61は、画像形成プロセス実行中に回転駆動されている。最初にコロナ帯電器68により感光ドラム61の表面が一様に帯電される。その後、画像データに対応したレーザ光が露光装置4から発せられ、感光ドラム61の表面に露光されることで画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0020】
トナーカートリッジ9に内包されたトナーは、排出口94A、トナー通過孔951、ならびにトナー受入部770(
図6)を介して現像ユニット7のトナー収容部74へ搬送され、平時はトナー収容部74内に所定量のトナーが収容された状態となっている。トナー収容室としてのトナー収容部74内のトナーは、第1アジテータ75で撹拌された後、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71に供給されたトナーは、層厚規制ブレード73によって、一定の厚さの薄層に規制され、現像ローラ71上に担持される。
【0021】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、感光ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像にトナーが付着して可視像化され、感光ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム61と転写ローラ63の間に搬送された用紙Sに、感光ドラム61上のトナー像が用紙S上に転写される。
【0022】
そして、トナー像が転写された用紙Sは定着装置8へと搬送される。定着装置8は、加圧ローラ81と加熱ローラ82とを主に備えており、プロセスカートリッジ5の後方に配
置されている。用紙Sがこの定着装置8を通過する際に、用紙Sが加圧ローラ81と加熱ローラ82との間で加熱及び加圧されることで、トナー像が用紙S上に定着される。定着装置8を通過した用紙Sは、排紙トレイ22上に排出される。
【0023】
なお、感光ドラム61から用紙Sへトナー像が転写されたのち、感光ドラム61の表面は前露光部69で除電される。前露光部69は光源としての発光ダイオードと導光部材としてのライトガイド(不図示)を備え、発光ダイオードから出射された光をライトガイドで導き、感光ドラム61の表面に光を照射する。発光ダイオードに供給される電流は、装置本体2から供給される。そして、装置本体2から所定の電圧が印加された回収ローラ62により、感光ドラム61の表面に付着した紙粉やゴミなどの異物やトナーを回収する。
【0024】
(カートリッジユニットの構成)
次にカートリッジユニット10の各ユニットについてより詳細に説明する。前述のように、カートリッジユニット10は、現像ユニット7と感光体ユニット6が一体となったプロセスカートリッジ5と、現像ユニット7に着脱可能に設けられたトナーカートリッジ9から構成される。
【0025】
(現像ユニットの構成)
まず、現像ユニット7の構成について、
図4から
図7を用いて説明する。
図4は現像ユニット7の斜視図である。
図5は、プロセスカートリッジ5の断面図であり、
図4のA-A断面での断面図である。ここで、A-A断面は上下方向及び前後方向に平行である。
図5のうち、
図5(a)は、A-A断面を右方向から見た、前方向を左に示した図である。一方で
図5(b)は、A-A断面を左方向から見た、前方向を右に示している図である。
図6は、現像ユニット7の分解斜視図である。
図7は、現像ユニット7の上視図であり、説明のため筐体700の天面を取り除いた状態を示している。
【0026】
現像ユニット7は、
図5に示すように、現像ローラ71および供給ローラ72を回転可能に備えている。その際、
図7に示すように、現像ローラ71および供給ローラ72は、それぞれその両端を筐体700の左側壁704と右側壁705に回転可能に支持されている。
図4に示すように現像ユニット7には、現像ローラ71に電気的に接続され、現像ローラ71に印加される電圧が供給される第1電気接点720Aが設けられる。また、供給ローラ72に電気的に接続され、供給ローラ72に印加される電圧が供給される第2接点720Bが設けられている。これらの電気接点が装置本体2に設けられた不図示の電力供給接点と接触することで、現像ローラ71、供給ローラ72に電力を供給する。
【0027】
また、現像ユニット7は、トナー収容部74内のトナーを撹拌し、供給ローラ72へ供給するための第1アジテータ75を回転可能に備えている。第1アジテータ75は、撹拌棒78と撹拌シート79を備える。また、第1アジテータ75は、現像カップリング710からアイドルギア715Aを介して、第1アジテータギア713で駆動力を受けて回転可能に構成されている(
図7参照)。トナー収容部74内の第1アジテータ75の近くにあるトナーは、第1アジテータ75で撹拌された後、供給ローラ72側へ供給され、更に供給ローラ72によって現像ローラ71に供給される。
【0028】
加えて、トナーを供給するためのトナーカートリッジ9を現像ユニット7に装着可能であることから、
図6に示すように現像ユニット7には、トナーカートリッジ9により供給されたトナーを受け入れるためのトナー受入部770が設けられている。さらに、現像ユニット7はトナーカートリッジ9を保持およびリフトアップするためのリフト機構760(ロック機構)を備えている。そして、
図5に示すように、トナーカートリッジ9を現像ユニット7に保持するための支持部730、および支持部740(支持部)を長手方向両側にそれぞれ備えている。これら受け入れ部770、リフト機構760、支持部730、
および支持部740についての詳細説明は、順次後述することとする。
【0029】
続いて、現像ユニット7の駆動構成について
図6を用いて説明する。
図6に示すように、筐体700の左側壁704よりも左側には、現像カップリング710、現像ローラギア711、供給ローラギア712、第1アジテータギア713、アイドルギア715A、715Bが設けられている。現像ローラギア711は現像ローラ71の端部に固定され、供給ローラギア712は供給ローラ72の端部に固定されている。また、第1アジテータギア713は第1アジテータ75の撹拌棒78の端部に固定されている。装置本体2に設けられたドア21(
図2に記載)を閉じる動作に連動して、装置本体2に設けられた不図示の現像駆動伝達部材が、現像カップリング710に係合するための位置へ移動する。逆にドア21を開く動作に連動して、現像駆動伝達部材(不図示)は、現像カップリング710との係合を解除する位置へ移動する。ドア21を閉めた後、装置本体2が動作すると、現像駆動伝達部材(不図示)から駆動力受部材としての現像カップリング710に駆動力が伝達(入力)される。次に、現像カップリング710の周面に設けられたギアから現像ローラギア711を介して現像ローラ71が、供給ローラギア712を介して供給ローラ72が回転可能となる。現像駆動伝達部材(不図示)は、現像カップリング710の所定範囲内での位置ずれを許容して、現像カップリング710に駆動力を伝達することができる構成となっている。現像カップリング710、現像ローラギア711、供給ローラギア712は、筐体700に取り付けられたサイドホルダ719によって、軸方向の移動を規制されている。
【0030】
(感光体ユニットの構成と現像ユニットの支持)
次に、感光体ユニット6の詳細構成、およびプロセスカートリッジ5における現像ユニット5の支持構成について
図8から
図12を用いて説明する。
図8は、プロセスカートリッジ5の斜視図である。
図9は、現像ユニット7と感光体ユニット6の斜視図である。
図10は、感光体ユニット6と現像ユニット7と現像ローラ71の左右方向の配置関係を示す上視図である。
図11は、現像ユニット7を下方から見た斜視図である。
図12は、感光体ユニット6の部分斜視図である。
【0031】
図9に示すように感光体ユニット6は、一対の左側壁611と右側壁612を有するフレーム610と、フレーム610の後方に回転可能に支持された感光ドラム61を主に備える。フレーム610の前方には、現像ユニット7が装着可能な装着部615とユーザが感光体ユニット6を把持する把持部617を備えている。
【0032】
そして、
図8に示すように、左右方向において左側壁611と右側壁612の間に位置する装着部615に、現像ユニット7のトナー収容部74が装着される。
図9に示すように、フレーム610の左側壁611、右側壁612には、感光ドラム61よりも前方に現像ローラ71の回転軸受け部材750A、及び750B(
図8)を受ける受け部641が形成されている。受け部641は、前側が開放された略U字の凹部であり、現像ローラ71の回転軸(不図示)がその中に挿入される。受け部641により、現像ユニット7が感光体ユニット6に支持される。また、
図10に示すように、フレーム610の底面613の左右方向で両端部に上方向に突出した突起部643を設けている。この突起部643は、
図11に示す、現像ユニット7の筐体700の底部に設けられたボス718に当接することで現像ユニット7を支持している。加えて、本実施形態の構成においては、
図8に示すように、感光体ユニット6に現像ユニット7を装着した状態において、現像ユニット7の取り外しができないようにする押え部材650が設けられている。
【0033】
また、
図9および
図10に示すように、感光体ユニット6は、押圧部材640を備えている。押圧部材640は、フレーム610の前方の左右方向に関して両端部に設けられ、付勢部材としての圧縮バネ640Aにより前から後へ向かう方向へ付勢されている。この
ため、圧縮バネ640Aの付勢力により、押圧部材640は現像ユニット7の筐体700に設けられているボス718(
図11)をそれぞれ押圧する。押圧部材640によって現像ユニット7を押圧することで、現像ローラ71を感光ドラム61に向けて付勢する。
また、
図12に示すように、感光ドラム61の左端部には感光体ギア(第1ギア)65と転写ギア(第2ギア)66が固定され、感光ドラム61と一体的に回転する構成となっている。プロセスカートリッジ5が装置本体2に装着されると、装置本体2の駆動ギア(不図示)と感光体ギア65とが噛合うことで、感光ドラム61及び転写ギア66に駆動力が伝達されて回転可能な状態となる。更に転写ギア66は転写ローラ63の左端部に固定された転写ローラギア(第3ギア)67に噛み合っており、転写ローラ63も回転可能な状態となる。
【0034】
また、感光体ユニット6はメモリータグ500を備えている。メモリータグ500は様々な情報の記憶・伝達が可能であり、装置本体2のタグ接点(不図示)と情報伝達接点500Aが電気的に接触することにより、情報の伝達を行う。本実施形態においては、メモリータグ500はプロセスカートリッジ5の現像ローラ71の軸線方向の一端側とは反対側である他端側の端部に設けられている。
【0035】
(トナーカートリッジの構成)
次に、トナーカートリッジ9の構成について、
図13、
図14および
図15を用いて説明する。
図13はトナーカートリッジ9の分解斜視図であり、
図14はトナーカートリッジ9を下方から見た斜視図である。また、
図15はトナーカートリッジ9の断面図である。
【0036】
トナーカートリッジ9は、
図13に示すように、容器部材911、底部材912、Tサイドホルダ92、Tサイドホルダ93、排出口形成部材94、排出側シャッタ95、搬送スクリュ961、および第2アジテータ962を主に備える。また、駆動を伝達するために、搬送スクリュギア965、Tアイドルギア966、および第2アジテータギア967を備えている。
【0037】
また、
図14に示すように、トナーカートリッジ9は、容器部材911と底部材912によりトナー容器910(トナー収容部)を形成し、内部にトナーを収容している。トナー容器910の長手方向の右端部には、排出口形成部材94(カバー部材)が固定されている。排出口形成部材94は、外周部に排出口形成面94Cを有し、排出口形成面94Cにはトナーを外部へ排出するための排出口94A(第2の開口)が形成される。
【0038】
また、
図15に示すように、搬送スクリュ961(搬送部材)と第2アジテータ962(撹拌部材)はトナー容器910の内部に回転可能に設けられている。搬送スクリュ961と第2アジテータ962は、トナー容器910の外部に設けられた搬送スクリュギア965と第2アジテータギア967により駆動力を伝達されることでそれぞれ回転する(
図13参照)。第2アジテータ962は、第2撹拌棒963と第2撹拌シート964により構成されている。搬送スクリュ961は、回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に設けられた羽根部と、を備える。トナー容器910内部に収容されたトナーは、第2アジテータ962により搬送スクリュ961に向けて撹拌および搬送され、次に搬送スクリュ961により軸線方向の一端に設けられた
図14に示す排出口94Aへ向けて搬送され、排出口94Aから排出される。
【0039】
さらに、
図13に示すように、排出口形成部材94の内部には、排出側シャッタ95(シャッタ部材)が回転可能に設けられている。排出側シャッタ95はトナー通過孔951(第1の開口)および閉鎖部952が設けられており、排出口形成部材94に対し、このトナー通過孔951の少なくとも一部と排出口94Aの少なくとも一部が一致する相対位
置にある場合にトナーが排出可能となる。すなわち、トナー容器910の内部が、トナー通過孔951と排出口94Aを介して外部と連通する状態となる。一方で、排出口形成部材94と排出側シャッタ95とが相対回転して、その相対位置が、閉鎖部952が排出口94Aと対向する相対位置に変位した場合には、トナー容器910の内部から外部へのトナーの排出が防がれる。したがって、運搬時などに内部のトナーが漏出することが防止される。また、排出口形成部材94の内周面と排出側シャッタ95の外周面は、少なくとも一部が密接した構成となっている。これにより、トナーの漏洩を抑制している。
【0040】
また、排出側シャッタ95には被係止突起953(突起部、第1の被係止部)が設けられている。
図14に示すように、被係止突起953は、トナーカートリッジ9として組みつけられた状態において一部を露出した状態となり、被係止突起953に外力を作用させることにより排出側シャッタ95の回転動作を行う。
【0041】
そして、
図14に示すように、Tサイドホルダ92には被支持突起部92Aが、またTサイドホルダ93(ホルダ部材)には被支持突起部931(第2の被係止部)がそれぞれ設けられている。被支持突起部931は、被係止突起953の少なくとも一部を覆うように配置されている。被支持突起部931は、一対の脚部と該脚部を連結する連結部とを有する略コの字型の形状を有する。連結部は、軸線方向において被係止突起953よりも外側に位置し、一対の脚部は、連結部を介して被係止突起953を跨ぐように配置され、軸線方向に見たときに、被係止突起953に対して略対称的に配置される。この被支持突起部92Aおよび被支持突起部931により、トナーカートリッジ9は現像ユニット7に対して係止され支持される。なお、トナーカートリッジ9の支持構成については後述する。
【0042】
(トナーカートリッジの支持)
それでは、トナーカートリッジ9の支持構成について
図16を用いて説明する。
図16はトナーカートリッジ9とプロセスカートリッジ5の斜視図であり、(a)はトナーカートリッジ9の装着前の状態を、(b)はトナーカートリッジ9の装着過程の状態を、(c)はトナーカートリッジ9の装着完了の状態を示している。
【0043】
図16に示すように、トナーカートリッジ9はプロセスカートリッジ5に装着された現像ユニット7に対して着脱可能な構成となっている。トナーカートリッジ9の容器部材911には把手部911Aが備えられている。また、先述のように、トナーカートリッジ9の長手方向の両端部には、Tサイドホルダ92およびTサイドホルダ93が固定されている。Tサイドホルダ92およびTサイドホルダ93は、現像ユニット7に支持されるための被支持突起92Aおよび被支持突起931(被支持突起部)をそれぞれ備えている。これに対応して、現像ユニット7には、
図5にも示したように、被支持突起92Aおよび被支持突起931を支持するための、支持部730および支持部740がそれぞれ設けられている。
【0044】
トナーカートリッジ9を現像ユニット7に装着する際は、
図16(a)に示すように、現像ユニット7に対して上方から、把手部911Aを把持しながらトナーカートリッジ9を矢印S3方向へ移動させる。矢印S3方向へ移動されたトナーカートリッジ9は、
図16(b)に示すように、被支持突起92Aが支持部730に、被支持突起931が支持部740にそれぞれ支持された状態となる。この状態から、トナーカートリッジ9を、被支持突起92Aおよび被支持突起931を回転中心として、現像ユニット7に対して回動させることで、
図7(c)に示すように装着が完了し、カートリッジユニット10となる。
【0045】
また、装着完了状態において、トナーカートリッジ9の搬送スクリュギア965が現像ユニット7のアイドルギア715Bと噛合うことができる。これにより、現像ユニット7の駆動力をトナーカートリッジ9へと伝達している。
【0046】
(トナーカートリッジのリフト機構)
続いて、トナーカートリッジ9のリフト機構760(ロック機構)について、
図17および
図18を用いて説明する。
【0047】
図17はトナーカートリッジ9を装着する過程でのリフト機構760の動きを示しており、(a)はトナーカートリッジ9が装着過程でリフト機構760に載った状態を示している。(b)はトナーカートリッジ9が装着過程でリフト機構760を開く状態を示している。(c)はトナーカートリッジ9が装着完了した状態を示している。
【0048】
図18は装着状態のトナーカートリッジ9をリフト機構760によりリフトアップ状態に移行する動きを示している。(a)はトナーカートリッジ9が装着完了した状態を示している。(b)はリフト機構760によりトナーカートリッジ9をリフトアップする様子を示している。(c)はトナーカートリッジ9がリフトアップ状態になった様子を示している。なお、
図18は説明のために現像ユニット7のサイドホルダ719を省略している。
【0049】
図18に示すように、トナーカートリッジ9のTサイドホルダ92には突出部92Bが設けられており、突出部92Bは当接面92C、保持面92D、受け面92Eを備えている。また、
図5に示すように、現像ユニット7にはボス719Aが設けられる。リフト機構760はリフト部材761およびねじりコイルばね762から構成されており、ボス719Aに取り付けられ、ボス719Aを中心として回動可能となっている。加えて、リフト部材761は当接部761A、操作部761B、持上部761Cを有する。また、リフト部材761はねじりコイルばね762によって、矢印1方向に付勢されている。
【0050】
それでは、トナーカートリッジ9の装着過程におけるリフト機構760の動きについて
図17を用いて説明する。トナーカートリッジ9の装着過程で回動動作をしていくと、
図17(a)に示すように、当接面92Cと当接部761Aが当接し、トナーカートリッジ9がリフト機構760に乗りかかった状態となる。次に、さらにトナーカートリッジ9の回動動作を続けることで、
図17(b)に示すように、当接面92Cに押されることによってリフト部材761が矢印2方向に回動し、トナーカートリッジ9の回動動作を許容する。そして、さらに回動動作を続けトナーカートリッジ9の装着が完了すると、
図19(c)に示すように、当接部761Aは当接面92Cから脱落し、保持面92Dと接触することとなる。これにより、リフト部材761によりトナーカートリッジ9を装着完了状態に保持しておくことができる。
【0051】
次に、トナーカートリッジ9を装着完了状態からリフトアップ状態に移行させる動きについて
図18を用いて説明する。
図18(a)に示すように、トナーカートリッジ9の装着完了状態においてはリフト部材761の当接部761Aは保持面92Dと当接しており、トナーカートリッジ9を取り外すことはできない。トナーカートリッジ9を取り外すためには、
図18(b)に示すように、リフト部材761の操作部761Bを操作して、リフト部材761を矢印2方向に回動させる。これにより、リフト部材761の持上部761Cが受け面92Eと当接し、トナーカートリッジ9を回動させることができる。その後操作部761Bを開放すると、
図18(c)に示すように、リフト部材761はねじりコイルばね762の付勢力により矢印1方向に回動する。これにより、当接面92Cと当接部761Aが当接した状態となり、トナーカートリッジ9がリフト機構760に載ったリフトアップ状態となる。そして、トナーカートリッジ9を取り外すことが可能となる。
【0052】
(受入側シャッタの開閉動作)
次に、トナーカートリッジ9の着脱に連動した、受入側シャッタの開閉動作について、
図6および
図19を用いて説明する。
図19は現像ユニット7の受入側シャッタの開閉動作を示した図であり、(a)は受入側シャッタが閉じた状態を、(b)は受入側シャッタが開いた状態を表している。
【0053】
まず
図6に示すように、現像ユニット7のトナー受入部770は、筐体700の上面に設けられたトナー受入口771、受入側シャッタシール772、受入側シャッタ773(開閉部材)、受入口カバー774、および連結シール775により構成される。各部品にはそれぞれ穴部772A、773A、774A、および775Aが設けられている。受入側シャッタシール772、受入口カバー774、連結シール775の穴部772A、774A、および775Aは、トナー受入口771と一致した状態で組み付けられている。また、受入側シャッタ773は穴部773Aのほかに遮蔽部773Bを備え、筐体700に対してスライド移動が可能な状態で組み付けられている。このスライド移動によってトナー受入口771の開閉を行う。
【0054】
そして、受入側シャッタ773の開閉動作は、
図19に示すように、トナーカートリッジ9の装着および引き抜き動作に連動して行われる。ここで、受入側シャッタ773には被駆動突起群773Cが配置されている。一方で、トナーカートリッジ9の排出口形成部材94の外周面には、駆動突起群94B(ギア部)が配置されている。
【0055】
前述した通り、トナーカートリッジ9を現像ユニット7へ装着する過程において、トナーカートリッジ9の回動動作を行うことで装着完了状態へと移行する。
図19(a)は装着過程において回動動作を行う前の状態である。この状態では受入側シャッタ773の遮蔽部773Bがトナー受入口771と対向しており、トナー受入口771が閉じられた状態となっている。このとき、駆動突起群94Bと被駆動突起群773Cは係合した状態となっている。
【0056】
続いて、
図19(b)は、トナーカートリッジ9を回動させて装着完了とした状態を示している。このとき、駆動突起群94Bと被駆動突起群773Cが係合を維持した状態でトナーカートリッジ9の回動動作を行うため、トナーカートリッジ9の回動動作に連動して受入側シャッタ773がスライド移動する。これにより、受入側シャッタ773の穴部773Aとトナー受入口771の位置が一致し、トナー受入口771が開かれた状態となる。
【0057】
トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜く際も同様に、トナーカートリッジ9の回動動作に連動して受入側シャッタ773がスライド移動し、トナー受入口771を閉じた状態とする。
【0058】
以上のように、現像ユニット7にトナーカートリッジ9が装着された状態においては、トナー受入口771が開いた状態となり、トナーカートリッジ9から現像ユニット7の内部へのトナーの受入が可能となる。一方で、現像ユニット7にトナーカートリッジ9が装着されていない状態においては、トナー受入口771が閉じた状態となり、現像ユニット7の内部への異物の混入や、現像ユニット7の内部から外部へのトナーの漏出を防止している。
【0059】
(排出側シャッタの開閉動作)
次に、排出側シャッタ95の開閉動作について、
図20を用いて説明する。
図20はトナーカートリッジ9の排出側シャッタ95の開閉動作を示した図であり、(a)は排出側シャッタ95が閉じた状態を、(b)は排出側シャッタ95が開いた状態を表している。
【0060】
前述の通り、
図13で示した排出口形成部材94の排出口94Aと、排出側シャッタ9
5のトナー通過孔951の位置が一致している場合に、排出口94Aが解放された状態となる。一方で、排出側シャッタ95の閉鎖部95Bが排出口94Aと対向している場合には排出口94Aが閉じた状態となる。このことに対し、排出側シャッタ95の開閉動作も、前述した受入側シャッタ773の開閉動作と同様に、トナーカートリッジ9の装着および引き抜き時の回動動作に連動して行われる。
【0061】
図5および
図20に示すように、排出側シャッタ95には被係止突起953が設けられており、被支持突起931の半径方向内側に配置されている。また、現像ユニット7の支持部740には、係止部741Aおよび係止部741Bが設けられている。係止部741Aならびに係止部741Bは互いの面が平行になるように配置されている。また、被支持突起931が挿入される位置よりも前方向の面が係止部741Aであり、後ろ方向の面が係止部741Bである。加えて、支持部740には切欠部F742Aおよび切欠部742Bが設けられている。同様に、被支持突起931が挿入される位置よりも前方向の切欠が切欠部F742Aであり、後ろ方向の切欠が切欠部742Bであ。
【0062】
図20(a)はトナーカートリッジ9の装着過程において回動動作を行う前の状態であり、この状態では、
図13に示すように排出口94Aには排出側シャッタ95の閉鎖部952が対向しているため、排出口94Aは閉じられた状態となっている。このとき、被係止突起953は、係止部741Aならびに係止部741Bに挟まれた状態となり、排出側シャッタ95の現像ユニット7に対する回動動作を阻害された状態となる。
【0063】
続いて、
図20(b)はトナーカートリッジ9を回動させて現像カートリッジ7に装着完了させた状態を示している。このとき、被支持突起931の一対の脚部と被係止突起953は、装着方向に沿って隣接して並んだ第1の配置となっている。被支持突起931は切欠部F742Aならびに切欠部742Bに入り込むことができるため、トナーカートリッジ9の、排出側シャッタ95以外の回動が阻害されることはない。対して、排出側シャッタ95の回動動作が阻害されている状態でトナーカートリッジ9を現像ユニット7に対して回動させることとなる。そのため、トナーカートリッジ9の装着過程における回動動作により、トナーカートリッジ9の内部で排出側シャッタ95が相対的に回動することとなる。これにより、
図1や
図13に示した相対位置(第1の相対位置)に対して、排出側シャッタ95のトナー通過孔951と排出口94Aの位置が一致する相対位置(第2の相対位置)へ相対回転し、排出口94Aが開かれた状態となる。このとき、被支持突起931の一対の脚部と被係止突起953は、装着方向と略直交する方向に沿って並んだ第2の配置となっている。
【0064】
トナーカートリッジ9を現像ユニット7から離脱させる際も同様に、トナーカートリッジ9の回動動作に連動して排出側シャッタ95が回動し、排出口94Aが閉じられた状態となる。
【0065】
(トナーカートリッジの再装着時の課題)
次に、従来の構成で発生したトナーカートリッジ9の再装着時の課題について、
図21から
図25を用いて説明する。
図21から
図25は、従来の構成において、トナーカートリッジ9の挿抜動作を示す際に、特に支持部1740と被支持突起1931および被係止突起1953を拡大した概略断面図である。なお、以下に示す従来の構成については、特別な記載がない限り、前述および後述する実施形態1の構成と同じ構成および位置関係である。この時、トナーカートリッジ9の装着方向S3を図の下方向になるように表記している。また、被支持突起1931は、
図14に示す被支持突起931と同様に略コの字型の形状を有しているが、説明のために被支持突起1931の最も右側、すなわち軸方向外側にあたる面を省略し破線で記載している。
【0066】
まず、
図21を用いて、被支持突起1931を支持部1740に装着した時点の状態について説明する。このうち、
図21(a)は支持部1740と被支持突起1931および被係止突起1953全体を示した概略断面図であり、
図21(b)は、
図21(a)で示した部分のうち、被支持突起1931の装着方向S3下流側先端部を特に拡大して示した拡大図である。
【0067】
支持部1740は、トナーカートリッジ9の装着方向S3において切欠部1742Aより上流側に内壁面1743を有している。ここで、従来の構成を示す
図21においては、内壁面1743は、係止部1741Aの延長線上に位置している。
【0068】
さらに、トナーカートリッジ9の取り付け方向S3において、内壁面1743の上流側にテーパ部1744Aを、係止部1741Bの上流側にテーパ部1744Bを有している。これは、被支持突起1931を支持部1740へ挿入する際に、取り込み口を広げることにより被支持突起1931の挿入方向をガイドし、ユーザによるトナーカートリッジ9の挿入動作を容易にするためである。
【0069】
また、被支持突起1931はテーパ面1931Aを有している。これは、被支持突起1931を回す際、すなわちトナーカートリッジ9を回動させてトナーカートリッジ9の装着完了状態へ移行させる際の動作をスムーズに行うためである。仮に、被支持突起1931を装着方向S3方向へ押し込む程度が不十分な場合、被支持突起1931を回転させる際、被支持突起1931の壁面が内壁面1743に干渉し、被支持突起1931の回転動作を阻害してしまうことがある。これに対し、テーパ面1931Aを設けることで、そのような被支持突起1931の回転動作の阻害が発生しないように構成している。すなわち、被支持突起1931の押し込みが不十分であった場合には、被支持突起1931の回転動作によりテーパ面1931Aが内壁面1743と切欠部1742Aの稜線に接触し、被支持突起1931を装着方向S3の方向へガイドするように作用する。これにより、被支持突起1931の回転動作をスムーズに行うことができる。
【0070】
また、被支持突起1931は傾斜面1931Bを有している。この詳細については後述することとする。
【0071】
なお、
図21(b)に示すように、支持部1740は、前後方向に相対する係止部1741Aならびに係止部1741Bの面の間に、所定のクリアランスD1を有している。一方、被支持突起1931および被係止突起1953は、前後方向に所定の幅D2およびD3をそれぞれ有している。この時、クリアランスD1は幅D2およびD3よりも大きな値となっている。これは、製造公差等のばらつきを考慮し、常に被支持突起1931ならびに被係止突起1953を支持部1740へ挿抜可能とするためである。なお、実施形態1および従来の構成においては、被係止突起1953の前後方向の幅D3を被支持突起1931の幅D2よりわずかながら大きな値としている。これは、前記公差等を考慮した場合に、トナーカートリッジ9の回動動作時に、被係止突起1953を係止部1741Aおよび係止部1741Bに突き当てやすくするためである。
【0072】
次に、
図22を用いて、トナーカートリッジ9の装着完了状態の配置について説明する。前述したように、排出側シャッタ95の回動動作は、被係止突起1953の少なくとも一部が係止部1741Aもしくは係止部1741Bに突き当たることによって阻害される。この時、前述のように被係止突起1953の幅D3は、係止部1741のクリアランスD1に対して小さいため、
図21のトナーカートリッジ9の回動動作を行う前の状態に対し、被係止突起1953は所定の角度だけ回転することができる。それにより、
図22のように被係止突起1953の一部が係止部1741Aもしくは係止部1741Bに接触した状態となる。
【0073】
続いて、
図23および
図24を用いて、装着完了状態であったトナーカートリッジ9を、再度現像ユニット7から引き抜く際の各部材の位置関係について説明する。
【0074】
図23はトナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜くために、トナーカートリッジ9を1方向へ可能な限り回動させた状態を示している。この時、被支持突起1931の少なくとも一部と支持部1740の少なくとも一部が接触することで、トナーカートリッジ9の回動を制限する。ここでは、傾斜面1931Bとテーパ部1744Bが面接触するように、傾斜面1931Bとテーパ部1744Bの角度および配置を設定している。
【0075】
このように、トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜くために、トナーカートリッジ9を1方向へ可能な限り回動させた状態においては、被支持突起1931と被係止突起1953が略平行に配置された状態となる。これは、
図21に示した、トナーカートリッジ9を挿入する前の被支持突起1931と被係止突起1953の位置関係と同じ状態である。
【0076】
一方、
図24は、トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜くために、トナーカートリッジ9を1方向へ最低限回動させた状態を示している。トナーカートリッジ9を現像ユニットから引き抜く方向は、取り付け方向S3と逆方向、すなわち係止部1741Aおよび係止部1741Bの面に対して略平行に引き抜くこととなる。したがって、
図24のように、係止部1741Aの延長線上(
図24に二点鎖線で記載)よりも被支持突起1931が後方に位置するまで回動させることで、トナーカートリッジ9の引き抜きが可能となる。なお
図24の状態は、被支持突起1931の最も前方に位置している部分が係止部1741Aの延長線上に位置している状態となっている。この時、被係止突起1953は、
図23の場合と同様に、一部を係止部1741Bに当接させた状態となっている。すなわち、
図24の状態においては、断面方向において、被支持突起1931と被係止突起1953が角度αだけ交差した状態となっている。この時、前述したように、主にトナーの漏洩を抑制するために、排出側シャッタ95と排出口形成部材94は少なくとも一部が密接しており、所定の摩擦力が作用する。そのため、トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜いた後も、排出側シャッタ95と排出口形成部材94の位置関係、すなわち被支持突起1931と被係止突起1953の公差角αがそのまま維持される。
【0077】
続いて、
図25を用いて、従来構成における、トナーカートリッジ9を再び装着する際の課題について説明する。
図25は、
図24のように被支持突起1931と被係止突起1953が角度αだけ交差した状態においてトナーカートリッジ9を引き抜いた後、再度同じトナーカートリッジ9をそのまま現像ユニットへ再装着を試みた場合の図を示している。この時、トナーカートリッジ9の前後方向の位置は、被係止突起1953と係止部1741Aの当接部に位置決めされる。その際、トナーカートリッジ9を取り付け方向S3方向へ所定の量だけ押し込むことにより、
図25に示すように、頂点部1741Cに、被係止突起1953の一部が接触する。頂点部1741Cは、支持部1740の窪みのうち最も突出した部分であり、係止部1741Bとテーパ部1744Bが交差した部分である。これにより、トナーカートリッジ9をS3方向へ装着する動作が阻害される。この時、トナーカートリッジ9をさらにS3方向へ強く押し込むことにより、被係止突起1953と係止部1741Bとが形成する傾斜にガイドされて、トナーカートリッジ9を回動可能な位置まで移動させることは可能ではある。ただし、前述したように、排出側シャッタ95と排出口形成部材94に所定の摩擦力が作用するため、トナーカートリッジ9を回動可能な位置まで押し込むためには、所定の負荷が必要となる。または、トナーカートリッジ9の挿入方向を限定し、トナーカートリッジを捻じり入れるようにしてもトナーカートリッジ9を装着することは可能である。しかしながら、そのような特別な操作方法をユーザに強いることは、ユーザにわずらわしさを与えてしまう懸念がある。
【0078】
このように、従来の構成において、トナーカートリッジを必要最低限の回動動作で引き抜いた場合、同じトナーカートリッジを再度現像ユニットへ再装着する際に、ユーザにわずらわしさを与えてしまう懸念があった。
【0079】
(トナーカートリッジの再装着時の課題の解決策)
それでは、前述した、トナーカートリッジ9を再装着する際の課題に対し、本実施形態の特徴である、実施形態1におけるトナーカートリッジ9の構成について、
図1、
図26、
図27および
図28を用いて説明する。
図1は、実施形態1におけるトナーカートリッジ9のうち、一部を示した分解斜視図である。また、
図26はトナーカートリッジ9が現像ユニット7に挿入され、依然排出側シャッタ95が閉じた状態であり、
図26(a)が斜視図を、
図26(b)が断面図を示している。一方、
図27はトナーカートリッジ9を回動させることで現像ユニット7に装着し、排出側シャッタ95が開いた状態であり、
図27(a)が斜視図を、
図27(b)が断面図を示している。また、
図28は支持部740と被支持突起931および被係止突起953全体を示した概略断面図である。
【0080】
実施形態1においては、
図1に示すように、トナーカートリッジ9は付勢ばね97(付勢部材)を備えている。付勢ばね97はねじりコイルばねであり、一端に被支持部97Aを、もう一端に係合部97Bを有している。また、排出口形成部材94には、支持突起94Dが設けられている。加えて、排出側シャッタ95には、保持軸954に被係合部としての切欠部955が設けられている。
【0081】
付勢ばね97は、トナーカートリッジとして組みあがった際に
図26に示すように、保持軸954に保持された状態となり、係合部97Bが切欠部955に係合した状態で支持される。また、被支持部97Aは支持突起94Dに支持された状態となる。その際被支持部97Aは、支持突起94Dのうち、トナーカートリッジ9を現像ユニット7に装着させる際の回動方向2における下流側で支持される。
【0082】
図26に示した状態の後、トナーカートリッジ9を回動させることで、付勢ばね97は
図27に示した状態となる。この時、トナーカートリッジ9の回動に連動して、排出口形成部材94の一部である支持突起94Dも回動する。これにより、支持突起94Dに支持された被支持部97Aの位置も回動方向2方向に移動する。対して、排出側シャッタ95は、前述したように被係止突起953が係止部741に保持されることにより、回動を抑制される。そのため、排出側シャッタ95の一部である切欠部955に係合している係合部97Bの位置は固定される。これにより、付勢ばね97にねじりモーメントが作用した状態となる。この状態に対し、先述したリフト機構760により、トナーカートリッジ9が現像ユニット7に装着された状態を保持する。
【0083】
そして、トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜く際に、リフト機構760を解除することで、トナーカートリッジ9には、付勢ばね97に作用していたねじりモーメントが解放され、
図28に示すように、付勢方向1に付勢力F1が作用する。これにより、トナーカートリッジ9と一体となっている被支持突起931にも1方向の付勢力F1が作用し、
図28に示すような、被支持突起931が付勢方向1に可能な限り回動した状態となる。すなわち、被支持突起931と被係止突起953が略平行に配置された状態となることで、トナーカートリッジ9を引き抜き再度挿入した際に、前述したような再装着時の課題を解消することができる。
【0084】
ここで、
図26および
図27では、付勢ばね97の一端を排出側シャッタ95の切欠部955に係合させ、もう一端を排出口形成部材94の支持突起94Dに支持された場合を示した。これに対し、付勢ばね97の一部を排出口形成部材94に固定し、別の一部を排
出側シャッタ95に作用させてもよい。また、付勢ばね97の一部を排出側シャッタ95ではなく、Tサイドホルダ93といった、トナーカートリッジ9と固定されトナーカートリッジ9の回動と連動して動く部位に作用させてもよい。
【0085】
さらに、トナーカートリッジ9を現像ユニット7に装着させた際に、付勢方向1方向へ力を作用させるための別の手段について、
図29から
図33を用いて説明する。
【0086】
図29は現像ユニット7のうち、支持部740の近辺を拡大した分解斜視図であり、
図29(a)は支持部740を現像ユニット7の内側から、
図29(b)は現像ユニット7の外側から見た図である。支持部740は、穴部745を有している。また、穴部745には、切欠部745Aが設けられている。また、現像ユニット7は、付勢ばね781および保持部材782を装着可能である。保持部材782には、保持突起782Aが設けられている。
【0087】
また
図30は、付勢ばね781を拡大して示した斜視図である。付勢ばね781はねじりコイルばねであり、一端に被支持部781Aを、もう一端に係合部781Bを有している。被支持部781Aは、多段的に屈曲した形状を有している。
【0088】
次に、
図31は、現像ユニット7に付勢ばね781および保持部材782を組みつけた状態を示した斜視図である。付勢ばね781は保持突起782Bに保持される。また、付勢ばね781は穴部745にはめ込まれた状態となり、そのうち、係合部781Bは、
図29(b)に示した切欠部745Aに係合した状態となる。そして、被支持部781Aは、切欠部742Aに相当する場所に位置している。
【0089】
そして、
図32はトナーカートリッジ9が現像ユニット7に挿入され、依然として排出側シャッタ95が閉じた状態を示しており、
図32(a)が斜視図を、
図32(b)が断面図を示している。なお、説明のために保持部材782は省略して記載している。この状態において、被支持部781Aは、被支持突起953の一部に接している。この時、被支持部781Aと被支持突起953の接触面積が極力大きくなるように、被支持部781Aを数段階の屈曲部を組み合わせることで形成している。また、被支持部781Aのうち、トナーカートリッジ9の回動方向2上流側の部分が被支持突起953と接触するよう配置している。
【0090】
一方、
図33はトナーカートリッジ9を回動させることで現像ユニット7に装着し、排出側シャッタ95が開いた状態であり、
図33(a)が斜視図を、
図33(b)が断面図を示している。なお、先述の
図32の状態と同様に、説明のために保持部材782は省略して記載している。先述の
図27の状態と同様に、カートリッジ9を回動させると、被支持部781Aはその回動に連動して位置が変動し、一方で係合部781Bは固定された状態となる。そのため、付勢ばね781に1方向のねじりモーメントが作用した状態となる。よって、先述の構成と同様に、トナーカートリッジ9を引き抜く際に、1方向に作用する付勢力によって、
図28に示すような、被支持突起953が可能な限り回動した状態となる。そのため、前述したような再装着時の課題を解消することができる。
【0091】
また、トナーカートリッジ9を装着していない状態において、被支持部781Aを切欠部742Bに相当する場所に配置してもよく、そのように付勢ばね781の形状を設定してもよい。
【0092】
加えて、トナーカートリッジ9を現像ユニット7に装着させた際に、付勢方向1方向へ力を作用させるためのさらに別の手段について、
図34を用いて説明する。
図34は、支持部740について示しており、(a)はトナーカートリッジ9が現像ユニット7に挿入
されていない状態を、(b)はトナーカートリッジ9が現像ユニット7に装着完了した状態を示している。
【0093】
図34に示すように、支持部740は、レバー部材としての付勢レバー746を備えている。付勢レバー746は、被支持突起746A、アーム746B、および保持軸746Cを備えている。被支持突起746Aは、アーム746Bに対し右側(
図34で示す断面図中では奥側、矢印は不図示)に設けられている。被支持突起746Aは、トナーカートリッジ9が現像ユニット7に装着された場合、当接部として、被支持突起931の一部に当接するよう配置されている。そして、トナーカートリッジ9の回転移動に伴い、付勢レバー746は保持軸746Cを回転中心にして回転移動を行う。
【0094】
また、付勢レバー746には付勢ばね(不図示)が設けられており、その一部が支持部740に固定されている。これにより、
図34(a)に示したトナーカートリッジ9が装着されていない状態から、
図34(b)に示すトナーカートリッジ9が装着された状態に移行することで、付勢ばねにより、被支持突起746Aを介して、被支持突起931に付勢力が作用する。この場合にも、前述した場合と同じように、トナーカートリッジ9を引き抜く際に、
図23に示すような被支持突起953が可能な限り回動した状態となる。そのため、前述したような再装着時の課題を解消することができる。
【0095】
<実施形態2>
実施形態2におけるトナーカートリッジ9の構成について、
図35および
図36を用いて説明する。実施形態2は、実施形態1と異なり、付勢ばね97のような付勢部材を備えていない構成である。その他の構成は実施形態1と同様であり、再度の説明は省略する。
図35はトナーカートリッジ9が現像ユニット7にS3方向に挿入され、排出側シャッタ95が閉じた状態の支持部740と被支持突起931及び被係止突起953を拡大した概略断面図を示している。また
図36はトナーカートリッジ9を回動させることで現像ユニット7に装着し、排出側シャッタ95が開いた状態の支持部740と被支持突起931及び被係止突起953を拡大した概略断面図を示している。被支持突起931及び被係止突起953の装着部としての支持部740は、概略、装着方向と直交する方向に対向する一対のガイド壁を有し、一対のガイド壁は、装着方向の下流側の対向壁面が、係止部741A、741Bを形成する。一対のガイド壁の上流側の一方の壁面は、装着方向に沿って一方の係止部741Bと連続的に接続するガイド面を形成する。他方の壁面には、装着部の装着方向の上流側の幅を広げるように拡大したガイド面を形成する。後者のガイド面には、後述するテーパ部747(テーパ壁面)、内壁面743が含まれる。
【0096】
実施形態2においては、
図35に示すように、内壁面743が係止部741Aの延長線上から前側に位置する。また、係止部741AのS3方向上流側の先端部もテーパ部747を有する。テーパ部747と切欠部742Aの境界に位置する先端部747Aは前述の内壁面743の位置より更に前側に位置する。一方、挿入方向S3において、内壁面743よりも上流側まで係止部741Bが延設されている。このように、支持部740への装着方向S3で前方側の入り口にテーパ部744Aがあり、支持部740後方に係止部741Bがある。これにより、支持部740への前方からのトナーカートリッジ9の挿入動作の際に、被支持突起931と被係止突起953は、係止部741Bの面に積極的に接触するように、支持部740への挿入が案内される。被支持突起931と被係止突起953が交差した状態では、交差した被支持突起931の突出部931Tと被係止突起953の突出部953Tとが係止部741Bに積極的に接触する。これにより被支持突起931と被係止突起953の交差角αは小さくなる方向に力を受ける。また挿入動作の際に、係止部741Bに被支持突起931と被係止突起953とが積極的に接触することで、被支持突起931と被係止突起953を挟んで前方側にある係止部741Aに対し、被支持突起931と被係止突起953が強く接触することはない。これらの効果により、プロセスカー
トリッジ9の挿入の際に過度な負荷が生じることは無く、スムーズに装着することが出来る。
【0097】
また
図36に示すように、プロセスカートリッジ9を回動させた際には、係止部741Aの挿入方向S3上流側と係止部741Bの挿入方向S3下流側とが被係止突起953と接触し回転止めとして作用する。なお、係止部741Bは挿入方向S3下流側に延長した構成とした。これは係止部741AのS3方向上流側の先端部にテーパ部747を設けたことで被係止突起953の回転を止める部分が小さくなり、テーパ部747で回転止めすることで被係止突起953が大きく傾くことがあった。係止部741Bを挿入方向S3下流側に延長し、その延長部分で被係止突起953のS3方向先端部を接触させる。そうすることで、テーパ部747を設けた場合においても係止部741Bの延長部分で被係止突起953の回転を止めることが出来る。これにより、被係止突起953が大きく傾くことを防止することができる。
【0098】
また、被支持突起931はプロセスカートリッジ9を回動させることで切欠部742Aならびに切欠部B742Bに入り込む。これによって排出側シャッタが開いた状態となり、トナー供給が可能となる。
【0099】
上記構成を採用することにより、前述したような再装着時の課題を解消することができる。
【0100】
<実施形態3>
実施形態3では、係る課題の解決のために、突起部にテーパ部を設けている。詳細について、
図37から
図40を用いて説明する。実施形態3は、実施形態1と異なり、付勢ばね97のような付勢部材を備えていない構成である。その他の構成は実施形態1と同様であり、再度の説明は省略する。
【0101】
実施形態3における構成を
図37で示す。
図37(a)は排出側シャッタ95の斜視図である。排出側シャッタ95の先端にある被係止突起956は、トナーカートリッジ挿入方向であるS3方向側にテーパ部956Aを設けている。
図37(b)に排出側シャッタ95の回転軸方向から見た図を示す。回転中心を図中の黒点で示している。
【0102】
ここで、テーパ開始位置956Bを、前記回転中心よりも、挿入方向S3の上流側としている。これは、後述するトナーカートリッジ9の引き抜き時に、被係止突起956のテーパ部956Aの稜線が、被支持突起931の稜線(
図38中破線部)と重なることなく、かつ内側に来るように被係止突起956のテーパ形状を設けるためである。
【0103】
次にトナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜くときに、実施形態1同様、トナーカートリッジ9を最低限回動させた状態を
図38に示す。実施形態3は、特徴的構成として次のようなテーパ形状を被係止突起956に設けている。すなわち、被係止突起956と被支持突起931の角度が完全な閉鎖状態を形成する角度に対して所定の範囲で変位しても、被係止突起956と被支持突起931を装着方向に投影したときの装着方向と直交する方向の幅が、所定の大きさより大きくならないテーパ形状である。言い換えると、被係止突起956に対する被支持突起931の角度が完全な閉鎖状態を形成する角度に対して不十分な角度であっても、被係止突起956と被支持突起931の装着方向と直交する方向の幅が所定の幅に収まるテーパ形状である。具体的には、軸線方向に見て、被係止突起956の装着方向に長い略矩形の側面の装着方向の下流側の一対の角部のうちの一方の角部を装着方向に対して傾斜した方向に切り欠くことで形成されたような傾斜面956Aである。上記所定の範囲は、トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜く際に、被係止突起956に対する被支持突起931の角度が不十分であっても引き抜くこと
ができる被係止突起956と被支持突起931との相対角度の範囲である。
【0104】
トナーカートリッジ9を現像ユニット7から引き抜く方向は、取り付け方向S3と逆方向、すなわち係止部741Aおよび係止部741Bの面に対して略平行に引き抜くこととなる。したがって、
図38のように、係止部741Aの延長線上(
図38の二点鎖線で記載)よりも被支持突起931が後方に位置するまで回動させることで、トナーカートリッジ9の引き抜きが可能となる。なお
図38の状態は、被支持突起931の最も前方に位置している部分が係止部741Aの延長線上に位置している状態となっている。この時、被係止突起956は、
図23に示した、テーパ部を有しない被係止突起1953の場合と同様に、一部を係止部741Bに当接させた状態となっている。すなわち、
図38の状態においては、断面方向において、被支持突起931と被係止突起956が角度αだけ交差した状態となっている。このとき、テーパ部956Aの稜線が、被支持突起931の稜線(図中点破線)と重なることなく、かつ内側に来るように被係止突起956のテーパ形状が設けられている。
【0105】
次にトナーカートリッジ装着時の挙動を
図39に示す。
図39は、
図38のように被支持突起931と被係止突起956が交差した状態においてトナーカートリッジ9を引き抜いた後、再度同じトナーカートリッジ9をそのまま現像ユニット7へ再装着を試みた場合の図を示している。この時、係止部741Aの延長線上(
図38の二点鎖線で記載)と、被係止突起956は接触することがないため、被支持突起931を係止部741Aに沿わせて挿入することができる。その際、トナーカートリッジ9を取り付け方向S3方向へ所定の量だけ押し込むことにより、
図39に示すように、頂点部741Cに、被係止突起956の一部が接触する。頂点部741Cは、支持部740の窪みのうち最も突出した部分であり、係止部741Bとテーパ部744Bが交差した部分である。
【0106】
次に
図40に従来の構成と実施形態3の構成での接触状態について示す。
図40(a)は従来構成における接触状態の図である。従来構成では、被係止突起1953の回転中心の位置が、被係止突起1953と支持部1740が接触する頂点部1741Cと近いため、トナーカートリッジ9を挿入方向S3側へ押し込んだ際に、回転のモーメントが働きにくくなっている。対して、
図40(b)は実施形態3の構成における接触状態の図であるが、被係止突起953の回転中心の位置が、
図40(a)での回転中心に比べ、被係止突起953と支持部740が接触する頂点部741Cから離れており回転のモーメントが働きやすい。かつ接触箇所が1か所であるため、摩擦による抵抗も少ないため、テーパ形状をつけていないときに比べて容易に回動する。
【0107】
このように、突起部にテーパ形状を設けることによって、挿入時に装着動作を阻害されることなくトナーカートリッジの再装着が可能となる。
【符号の説明】
【0108】
1…画像形成装置、2…装置本体、5…プロセスカートッジ、7…現像ユニット、9…トナーカートリッジ、700…筐体、71…現像ローラ、74…トナー収容部、760…リフト機構(ロック機構)、770…トナー受入部、771…トナー受入口、773…受入側シャッタ(開閉部材)、910…トナー容器(トナー収容部)、93…Tサイドホルダ93(ホルダ部材)、931…被支持突起(第2の被係止部)、94…排出口形成部材(カバー部材)、94A…排出口(第2の開口)、95…排出側シャッタ(シャッタ部材)、951…トナー通過孔(第1の開口)、952…閉鎖部、953…被係止突起(第1の被係止部)、961…搬送スクリュ(搬送部材)、97…付勢ばね(付勢部材)