(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】キャビネット
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20240422BHJP
A47B 67/00 20060101ALI20240422BHJP
A47B 61/00 20060101ALI20240422BHJP
A47B 61/04 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B67/00
A47B61/00 503
A47B61/04 503Z
A47B61/04 501A
(21)【出願番号】P 2020125433
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 寛子
(72)【発明者】
【氏名】河本 春香
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-129625(JP,U)
【文献】実開昭58-114139(JP,U)
【文献】実開平06-055439(JP,U)
【文献】特開2002-300925(JP,A)
【文献】実開昭52-129620(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B43/00-45/00
A47B47/00-47/06
A47B55/00-55/06
A47B61/00-61/06
A47B67/00-67/02
A47B77/00-77/18
A47B83/00-87/02
A47B91/00-97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面及び一側面夫々が開放されている矩形箱状のキャビネット本体と、
該キャビネット本体の他側面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第1仕切り板と、
前記キャビネット本体の背面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第2仕切り板と
を備え、
前記第1仕切り板の前記背面に向く端面と前記背面との間、又は、前記第2仕切り板の前記他側面に向く端面と前記他側面との間に空隙が設けられており、
前記キャビネット本体の前記正面と前記一側面との境界部分は開放されており、
前記第1仕切り板及び前記第2仕切り板は、前記第1仕切り板の前記正面に向く端面が前記第2仕切り板で覆われるようにして、平面視L字状に配されていることを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
正面及び一側面夫々が
全面的に開放されて
おり、背面及び他側面が全面的に閉鎖されている矩形箱状のキャビネット本体と、
該キャビネット本体の
前記他側面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第1仕切り板と、
前記キャビネット本体の
前記背面に平行をなし、前記キャビネット本体の
前記天面及び
前記底面に固定されている矩形状の第2仕切り板と
を備え、
前記第1仕切り板の前記背面に向く端面と前記背面との間、又は、前記第2仕切り板の前記他側面に向く端面と前記他側面との間に空隙が設けられていることを特徴とするキャビネット。
【請求項3】
前記キャビネット本体の前記正面と前記一側面との境界部分は開放されており、
前記第1仕切り板及び前記第2仕切り板は、前記第1仕切り板の前記正面に向く端面が前記第2仕切り板で覆われるようにして、平面視L字状に配されていることを特徴とする請求
項2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記第1仕切り板は、更に前記背面に固定されており、
前記第2仕切り板は、更に前記第1仕切り板に固定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品が収納されるキャビネットが用いられている。
特許文献1に記載のキャビネット(文中「収納家具」)は、矩形箱状のキャビネット本体を備える。キャビネット本体は、正面から一側面にわたって全面的に開放されている。
【0003】
物品を整理整頓するために、一般に、キャビネット本体の内側に形成される収納空間を仕切ることがなされる。特許文献1に記載のキャビネットは複数の棚板を備える。収納空間は、棚板によって上下に仕切られている。
使用者は、物品を棚板に載置することによって収納空間に収納する。収納空間に対し、キャビネット本体の正面及び一側面の何れからでも物品を出し入れすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のキャビネットの場合、キャビネット本体の2面が開放されているので、キャビネットの強度が不十分な虞がある。
ところで、収納される物品の整理整頓のために、収納空間を前後方向及び左右方向に仕切ることが考えられる。
【0006】
本開示の目的は、収納空間に対し2方向から物品を出し入れすることが可能であり、収納空間に収納される物品を整理整頓しやすく、しかも強度が向上されているキャビネットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るキャビネットは、正面及び一側面夫々が開放されている矩形箱状のキャビネット本体と、該キャビネット本体の他側面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第1仕切り板と、前記キャビネット本体の背面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第2仕切り板とを備え、前記第1仕切り板の前記背面に向く端面と前記背面との間、又は、前記第2仕切り板の前記他側面に向く端面と前記他側面との間に空隙が設けられていることを特徴とする。
本開示に係るキャビネットは、正面及び一側面夫々が開放されている矩形箱状のキャビネット本体と、該キャビネット本体の他側面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第1仕切り板と、前記キャビネット本体の背面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第2仕切り板とを備え、前記第1仕切り板の前記背面に向く端面と前記背面との間、又は、前記第2仕切り板の前記他側面に向く端面と前記他側面との間に空隙が設けられており、前記キャビネット本体の前記正面と前記一側面との境界部分は開放されており、前記第1仕切り板及び前記第2仕切り板は、前記第1仕切り板の前記正面に向く端面が前記第2仕切り板で覆われるようにして、平面視L字状に配されていることを特徴とする。
本開示に係るキャビネットは、正面及び一側面夫々が全面的に開放されており、背面及び他側面が全面的に閉鎖されている矩形箱状のキャビネット本体と、該キャビネット本体の前記他側面に平行をなし、前記キャビネット本体の天面及び底面に固定されている矩形状の第1仕切り板と、前記キャビネット本体の前記背面に平行をなし、前記キャビネット本体の前記天面及び前記底面に固定されている矩形状の第2仕切り板とを備え、前記第1仕切り板の前記背面に向く端面と前記背面との間、又は、前記第2仕切り板の前記他側面に向く端面と前記他側面との間に空隙が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本開示にあっては、キャビネット本体が矩形箱状をなす。
キャビネット本体の正面及び一側面夫々は開放されている。キャビネット本体の2面が開放されているので、キャビネット本体の内側に形成される収納空間に対し、2方向から物品を出し入れすることが可能である。
【0009】
第1仕切り板及び第2仕切り板夫々は矩形状をなす。
収納空間は、キャビネット本体の他側面に平行な第1仕切り板により、キャビネット本体の正面に向かって左右に仕切られている。更に、収納空間は、キャビネット本体の背面に平行な第2仕切り板により、キャビネット本体の一側面に向かって左右に仕切られている。故に、収納空間に収納される物品を整理整頓しやすい。
【0010】
第1仕切り板の背面に向く端面と背面との間には空隙が設けられている。故に、キャビネット本体の正面及び一側面の両方から見て収納空間の最も奥にある部分に対する物品の出し入れは、キャビネット本体の他側面から第1仕切り板の背面に向く端面と背面との間の空隙を通して行なうことができる。
或いは、第2仕切り板の他側面に向く端面と他側面との間に空隙が設けられている。この場合、キャビネット本体の正面及び一側面の両方から見て収納空間の最も奥にある部分に対する物品の出し入れは、キャビネット本体の正面から第2仕切り板の他側面に向く端面と他側面との間の空隙を通して行なうことができる。
【0011】
第1仕切り板及び第2仕切り板夫々はキャビネット本体の天面及び底面に固定されている。故に、第1仕切り板及び第2仕切り板夫々が天面及び底面の両方を補強するリブとして機能する。従って、キャビネットは強度が向上されている。
【0012】
本開示に係るキャビネットは、前記第1仕切り板は、更に前記背面に固定されており、前記第2仕切り板は、更に前記第1仕切り板に固定されていることを特徴とする。
【0013】
本開示にあっては、第1仕切り板が、キャビネット本体の天面、底面、及び背面に固定されている。第2仕切り板は、キャビネット本体の天面及び底面、並びに第1仕切り板に固定されている。
第1仕切り板が背面に固定されることによって、背面が補強される。第2仕切り板が第1仕切り板に固定されることによって、第1仕切り板と第2仕切り板とが互いを補強し合う。以上の結果、キャビネットを補強することができる。
キャビネットが補強されているので、キャビネットが構造物の床面に接触しないようにしてキャビネット本体の背面を構造物の壁面に固定する構成に好適である。
【0014】
本開示に係るキャビネットは、前記キャビネット本体の前記正面と前記一側面との境界部分は開放されており、前記第1仕切り板及び前記第2仕切り板は、前記第1仕切り板の前記正面に向く端面が前記第2仕切り板で覆われるようにして、平面視L字状に配されていることを特徴とする。
【0015】
本開示にあっては、キャビネット本体の正面と一側面との境界部分が開放されている。つまり、キャビネット本体の正面と一側面とを区切る部材がない。
また、第1仕切り板及び第2仕切り板は、平面視L字状に配されている。第1仕切り板の正面に向く端面が、第2仕切り板で覆われているので、第1仕切り板が第2仕切り板よりも正面の側に突出していない。しかも、第1仕切り板と第2仕切り板との境界部分は、正面側からは目隠しされており、一側面側からは見えにくい。
以上の結果、キャビネットの外観をすっきりさせることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示のキャビネットによれば、収納空間に対し2方向から物品を出し入れすることが可能であり、収納空間に収納される物品を整理整頓しやすく、しかもキャビネットの強度が向上されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態に係るキャビネットの斜視図である。
【
図2】全ての開戸が閉じている場合のキャビネットの斜視図である。
【
図7】他の構成のキャビネットの拡大平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0019】
図1は、実施の形態に係るキャビネットの斜視図である。
図中1はキャビネットであり、キャビネット1は2つのキャビネット本体11を備える。
各キャビネット本体11は矩形箱状をなす。キャビネット本体11の正面は全面的に開放されている。キャビネット本体11の正面は、2つの開戸12によって観音開きに開閉される。
キャビネット本体11の内側に形成される収納空間は、2枚の棚板13によって上下に仕切られている。
【0020】
2つのキャビネット本体11は、夫々の正面を前向きにして、左右方向に互いに隣接している。2つのキャビネット本体11は、夫々の上面が互いに面一になるようにして、ダボ継ぎ又はビス留め等によって、互いに固定されている。
【0021】
キャビネット1はキャビネット本体2を更に備える。
キャビネット本体2は矩形箱状をなす。キャビネット本体2の正面及び右側面(一側面)夫々は、正面と右側面との境界部分も含めて、全面的に開放されている。
キャビネット1は開戸31,32を更に備える。開戸31はキャビネット本体2の正面を開閉する。開戸32はキャビネット本体2の右側面を開閉する。
キャビネット本体2の内側に形成される収納空間は、後述するように仕切られている。
キャビネット本体2は、正面を前向きにして、2つのキャビネット本体11の更に右側に隣接している。キャビネット本体2は、夫々の上面が互いに面一になるようにして、ダボ継ぎ又はビス留め等によって右側のキャビネット本体11に固定されている。
【0022】
図2は、全ての開戸12,31,32が閉じている場合のキャビネット1の斜視図である。
図1及び
図2に示すように、キャビネット1は天板14を更に備える。
天板14は、一方向に長い矩形状をなし、長手方向が左右に向き、一面が下に向くようにして用いられる。
【0023】
図1に示すように、天板14の下面には補強板15が貼り付けられている。補強板15は矩形状をなし、天板14の前辺部及び左右両辺部を余して天板14の下面を覆い、天板14を補強する。
左側のキャビネット本体11の上面の左辺部、2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2夫々の上面の前辺部、並びにキャビネット本体2の上面の右辺部に亘って、支持部16が設けられている。支持部16は、2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2夫々の上面から上向きに立ち上がっている。
【0024】
天板14は、2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2夫々の上面をまとめて覆う(
図2参照)。天板14の下面の前辺部及び左右両辺部が支持部16に載置され、天板14は支持部16に下側から支持される。補強板15は、支持部16によって前側及び左右両側から目隠しされる。補強板15が2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2夫々の上面にネジ留めされることによって、天板14は2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2に固定される。
図1には天板14が取り外された状態が図示されている。
【0025】
図3は、キャビネット1の右側面図である。
図3における開戸32の図示は省略してある。
図4は同じく拡大正面図、
図5は同じく拡大平断面図である。
図4及び
図5はキャビネット本体2の近傍の拡大図である。
図4における開戸12,31の図示は省略してある。
図6は、キャビネット本体2の斜視図である。
【0026】
図3~
図6に示すように、キャビネット本体2は、天壁21、底壁22、側壁23、及び背壁24を備える。これらは、ダボ継ぎ又はビス留め等によって、互いに固定されている。天壁21、底壁22、側壁23、及び背壁24夫々は矩形板を用いてなる。天壁21、底壁22、側壁23、及び背壁24夫々の内面は、キャビネット本体2の天面、底面、左側面(他側面)、及び背面を構成している。
【0027】
側壁23には開戸31が蝶番33を用いて取り付けられている。蝶番33は上下に複数並設されていることが望ましい。同様に、背壁24には開戸32が蝶番33を用いて取り付けられている。蝶番33は
図5のみに図示してある。
天壁21の前端面(及び右端面)には、閉じられた開戸31(及び開戸32)を受け止める図示しない戸当たりが設けられている。
【0028】
キャビネット1は、第1仕切り板34及び第2仕切り板35を備える。
第1仕切り板34及び第2仕切り板35夫々は矩形状をなす。
第1仕切り板34は、側壁23に平行に、天壁21と底壁22との間に架け渡されている。第1仕切り板34の左右方向の位置は、背壁24の左右方向の中心よりも左寄りである。第1仕切り板34の後端面は、背壁24の内面に接触している。第1仕切り板34の上辺部、下辺部、及び後辺部は、ダボ継ぎ又はビス留め等によって、天壁21、底壁22、及び背壁24に固定されている。
【0029】
第2仕切り板35は、背壁24に平行に、天壁21と底壁22との間に架け渡されている。第2仕切り板35の前後方向の位置は、側壁23の前後方向の中心よりも前寄りである。第2仕切り板35の右端面は、天壁21及び底壁22夫々の右端面に面一である。第2仕切り板35の後面における左辺部に、第1仕切り板34の前端面が接触している。第2仕切り板35の左端面(他側面に向く端面)と側壁23との間には、左右方向に適宜の大きさを有する空隙が設けられている。第2仕切り板35の左端面と第1仕切り板34の左面とは互いに面一である。第2仕切り板35の上辺部、下辺部、及び左辺部は、ダボ継ぎ又はビス留め等によって、天壁21、底壁22、及び第1仕切り板34に固定されている。
【0030】
以上のように、第1仕切り板34及び第2仕切り板35は、第1仕切り板34の前端面(正面に向く端面)が第2仕切り板35で前側から覆われるようにして、平面視L字状に配されている。
【0031】
第1仕切り板34と側壁23との間に2枚の棚板36が架け渡されている。第2仕切り板35と背壁24との間に3枚の棚板36が架け渡されている。各棚板36を、例えば第1仕切り板34及び側壁23(又は第2仕切り板35及び背壁24)夫々に突設された図示しないダボが受け止めている。棚板36の上下方向の配置は変更可能でもよい。
図3及び
図4に示すように、第2仕切り板35の前面には、複数のフック37が左右方向に並設されている。
【0032】
物品は、棚板36に載置されるか、底壁22に載置されるか、又はフック37に掛止されることによって、収納空間に収納される。収納空間に収納される物品の例として、棚板36及び底壁22に載置されたスリッパ5が二点鎖線で
図3及び
図5に示してある。
キャビネット本体2の正面及び右側面の両方から見て収納空間の最も奥にある部分に対する物品の出し入れは、キャビネット本体2の正面を通して行なうことができる。
開戸31及び開戸32を両方とも閉めることによって、キャビネット本体2に収納されている物品を目隠しすることができる。
【0033】
キャビネット1は、例えば玄関からリビングに向けて延びる廊下に配される。2つのキャビネット本体11及びキャビネット本体2夫々は、底面が廊下の床面41から上方に離隔するようにして、床面41から立ち上がる壁面42に固定されている(
図3及び
図4参照)。故に、キャビネット1が床面41の不陸の悪影響を受ける虞がない。
なお、キャビネット1は、キャビネット本体11を備えていなくてもよい。また、キャビネット1は天板14、補強板15、及び支持部16を備えていなくてもよい。
【0034】
以上のようなキャビネット1によれば、キャビネット本体2の2面が開放されているので、キャビネット本体2の内側に形成される収納空間に対し、前方及び右側方の2方向から物品を出し入れすることが可能である。
キャビネット本体2の収納空間は、第1仕切り板34及び第2仕切り板35により、前後左右に仕切られている。更に、第1仕切り板34と側壁23との間の空間が2枚の棚板36によって上下に仕切られ、第2仕切り板35と背壁24との間の空間が3枚の棚板36によって上下に仕切られている。以上の結果、収納空間に収納される物品を整理整頓しやすい。
【0035】
第1仕切り板34は、キャビネット本体2の天壁21、底壁22、及び背壁24に固定されている。第2仕切り板35は、キャビネット本体2の天壁21及び底壁22、並びに第1仕切り板34に固定されている。故に、第1仕切り板34及び第2仕切り板35夫々が天壁21及び底壁22の両方を補強するリブとして機能する。また、第1仕切り板34は背壁24を補強し、第1仕切り板34と第2仕切り板35とが互いを補強し合う。以上の結果、キャビネット1は強度が向上されている。
【0036】
キャビネット本体2の背壁24が補強されているので、キャビネット1が床面41に接触しないようにしてキャビネット本体2の背壁24を壁面42に固定する構成に好適である。
【0037】
キャビネット本体2の正面と右側面とを区切る部材はない。また、第1仕切り板34が第2仕切り板35よりも前側に突出していない。しかも、第1仕切り板34と第2仕切り板35との境界部分は、正面側からは目隠しされており、右側面側からは見えにくい。
以上の結果、キャビネット1の外観をすっきりさせることができる。
【0038】
各棚板36は第1仕切り板34及び側壁23(又は第2仕切り板35及び背壁24)に固定されていてもよい。この場合、キャビネット本体2を更に補強することができる。
キャビネット本体2を更に補強するために、柱状の部材がキャビネット本体2の正面と右側面とを区切るようにして天壁21及び底壁22夫々に固定されていてもよい。
キャビネット1は床面41に設置されてもよい。この場合、背壁24を壁面42に固定する必要はない。
【0039】
図6に示すキャビネット本体2は、正面及び右側面が左側面及び正面となるようにして、用いられてもよい。この場合、側壁23、背壁24、第1仕切り板34、及び第2仕切り板35が、背壁、側壁、第2仕切り板、及び第1仕切り板として機能する。第1仕切り板の後端面(背面に向く端面)と背壁との間に、前後方向に適宜の大きさを有する空隙が設けられる。キャビネット本体2の正面及び左側面の両方から見て収納空間の最も奥にある部分に対する物品の出し入れは、キャビネット本体2の左側面を通して行なうことができる。
【0040】
図7は、他の構成のキャビネット1の拡大平断面図である。
図7に示すキャビネット1においては、第1仕切り板34と第2仕切り板35とが平面視T字状に配されている。第1仕切り板34は第2仕切り板35よりも前側に突出しており、第1仕切り板34の前端面は天壁21及び底壁22夫々の前端面に面一である。第2仕切り板35の左端面は、第1仕切り板34の右面に接触している。
【0041】
この場合、
図1~
図6に示すキャビネット1と比べて、第1仕切り板34が前方に延長されている(
図5参照)。故に、天壁21及び底壁22夫々を更に補強することができる。また、第1仕切り板34及び側壁23に架け渡される棚板36も前方に延長することができる。従って、物品を載置可能な面積を増やすことができる。
【0042】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
1 キャビネット
2 キャビネット本体
21 天壁(天面)
22 底壁(底面)
23 側壁(他側面)
24 背壁(背面)
34 第1仕切り板
35 第2仕切り板