IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京瓦斯株式会社の特許一覧 ▶ アズビル金門株式会社の特許一覧 ▶ アストモスエネルギー株式会社の特許一覧

特許7476026配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー
<>
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図1
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図2
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図3
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図4
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図5
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図6
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図7
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図8
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図9
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図10
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図11
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図12
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図13
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図14
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図15
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図16
  • 特許-配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】配送処理方法、配送処理システム、プログラム、記録媒体およびサーバー
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020132560
(22)【出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029293
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000142425
【氏名又は名称】アズビル金門株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506141041
【氏名又は名称】アストモスエネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】増田 智紀
(72)【発明者】
【氏名】塩野 直志
(72)【発明者】
【氏名】土岐 爽真
(72)【発明者】
【氏名】村上 英治
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-329159(JP,A)
【文献】特開2019-124285(JP,A)
【文献】特開2018-190253(JP,A)
【文献】特開2001-266279(JP,A)
【文献】特開2014-149659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報を管理サーバーが取得する工程と、
前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して前記管理サーバーが係数情報を算出する工程と、
前記ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を前記管理サーバーが取得する工程と、
前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して前記管理サーバーで算出し、該配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定する工程と、
前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間を前記管理サーバーが読み込んで、前記ガス容器の配送計画情報を生成する工程と、
前記配送計画情報を配送処理データベースに登録する工程と、
を含む配送処理方法。
【請求項2】
前記ガス需要情報に基づいて前記管理サーバーがガス配送先の前記配送基準日を算出する工程と、
前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、前記管理サーバーが前記配送計画情報を生成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の配送処理方法。
【請求項3】
前記管理サーバーが前記ガス配送先のガスメーターから検針データを取得する工程と、
前記管理サーバーが該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配送処理方法。
【請求項4】
前記管理サーバーが複数のガス供給先の前記配送計画情報を抽出し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成する工程と、
前記区分情報に基づいて前記管理サーバーから配送者に対して配送指示を出力する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかの請求項に記載の配送処理方法。
【請求項5】
複数のガス供給先の間で、前記管理サーバーが前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定することを特徴とする請求項に記載の配送処理方法。
【請求項6】
ガス配送処理システムであって、
ガスの検針データを収集し、ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を取得する検針情報取得手段と、
前記ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報が格納される配送処理データベースと、
前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して係数情報を算出し、前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して算出した前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定し、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間により、前記ガス容器の配送計画情報を生成して前記配送処理データベースに登録するサーバーと、
を備えることを特徴とするガス配送処理システム。
【請求項7】
前記サーバーは、前記ガス需要情報に基づいて算出したガス配送先の前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、ガス配送先の前記配送計画情報を生成することを特徴とする請求項に記載のガス配送処理システム。
【請求項8】
前記サーバーは、収集した前記ガス配送先の検針データを読込み、該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のガス配送処理システム。
【請求項9】
前記サーバーは、抽出した複数の前記配送計画情報に対し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成し、前記区分情報に基づいて配送者に対して配送指示を出力することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかの請求項に記載のガス配送処理システム。
【請求項10】
前記サーバーは、複数のガス供給先の間で、前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定することを特徴とする請求項に記載のガス配送処理システム。
【請求項11】
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報を管理サーバーのコンピュータに取得させる機能と、
前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して前記管理サーバーのコンピュータに係数情報を算出させる機能と、
前記ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を管理サーバーのコンピュータに取得させる機能と、
前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して管理サーバーのコンピュータで算出し、該配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定する機能と、
前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間を前記管理サーバーが読み込ませて、前記ガス容器の配送計画情報を生成する機能と、
前記配送計画情報を配送処理データベースに登録する機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記ガス需要情報に基づいて前記管理サーバーのコンピュータに前記ガス配送先の配送基準日を算出させる機能と、
前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、前記管理サーバーのコンピュータにガス配送先の前記配送計画情報を生成させる機能と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
ガス供給先のガスメーターで取得した検針データを前記管理サーバーのコンピュータに読み込ませる機能と、
前記管理サーバーのコンピュータで該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析させて、前記配送基準日を算出させる機能と、
を含むことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
複数のガス供給先の前記配送計画情報を抽出し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を前記管理サーバーのコンピュータで生成させる機能と、
前記区分情報に基づいて前記管理サーバーのコンピュータから配送者の端末装置に対して配送指示を出力する機能と、
を含むことを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかの請求項に記載のプログラム。
【請求項15】
複数のガス供給先の間で、前記管理サーバーのコンピュータに前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析させ、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定させる機能を含むことを特徴とする請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
請求項11ないし請求項15のいずれかの請求項に記載のプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
ガス配送処理を実行するサーバーであって、
ガスの検針データを収集し、ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を取得する検針情報取得手段と、
前記ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報が格納される配送処理データベースを格納する記憶部と、
前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して係数情報を算出し、前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して算出した前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を設定し、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間により、前記ガス容器の配送計画情報を生成して前記配送処理データベースに登録する処理部と、
を備えることを特徴とするサーバー。
【請求項18】
前記処理部は、前記ガス需要情報に基づいて算出したガス配送先の前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、ガス配送先の前記配送計画情報を生成することを特徴とする請求項17に記載のサーバー。
【請求項19】
前記処理部は、収集した前記ガス配送先の検針データを読込み、該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出することを特徴とする請求項17または請求項18に記載のサーバー。
【請求項20】
前記処理部は、抽出した複数の前記配送計画情報に対し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成し、前記区分情報に基づいて配送者に対して配送指示を出力することを特徴とする請求項17ないし請求項19のいずれかの請求項に記載のサーバー。
【請求項21】
前記処理部は、複数のガス供給先の間で、前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定することを特徴とする請求項20に記載のサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばLPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)など、ガス供給先に対するガス容器の配送計画の策定処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス事業者は、契約したガス供給先に対してLPGが封入されたガス容器を配送し、使用中もしくは使用済みのガス容器と交換して継続的なガス供給を行っている。このガス容器の配送処理には、ガスの配送による供給を行う事業者側にガス容器の交換タイミングの設定が委ねられるベンダー管理在庫方式がある。ガス容器の配送処理では、ガス供給先においてガス切れを発生させないように交換のタイミングを早めるように管理した場合、ガスの補充量が少なく、つまり残ガス量が多いため、配送回数の増加やガス容器交換時の作業負荷の増加を招くことになる。また交換のタイミングを遅らせると、ガス容器交換時の残ガス量の減少に繋がるが、遅らせ過ぎるとガス切れを生じさせるリスクも高まる。
【0003】
このようなガス容器の配送処理に関し、安全率マスタを用いてガス切れ発生日を予測し、配送効率およびガス切れリスクを考慮した配送予測日を算出するものがある(たとえば、特許文献1)。また、ガスメーターの複数の検針データを利用してガス残量を更新し、過去のガス使用量と比較して、その変化量を利用して予測した将来のガス残量が所定値となる日をガス容器の配送日とするものがある(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-149659号公報
【文献】特開2013-254415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、ガス事業者は、ガス配送先ごとに設定された訪問可能な期間内で配送計画を立てて、所定の配送タイミングでガス容器の配送・交換処理を実行している。この訪問可能な期間は、たとえば配送先ごとに暗黙的に設定される場合や、一定間隔や毎月の所定日のように一律に設けられるほか、配送担当者の経験則に設定が委ねられている。このようにガス配送処理において、配送担当者の個人的な感覚や一律に設定されたタイミングで配送処理を行ったのでは、配送効率の低下、人的な配送負荷の増加などを生じる可能性があるという課題がある。
ガス配送処理では、訪問タイミングが配送効率や配送負荷に大きな影響を及ぼす。つまり、ガス容器交換のための訪問間隔が短い配送先は、たとえばガス使用量が多いことからガス配送処理の1日のずれによるガス容器内のガス量の変化が大きい。このため、配送処理を1日前倒しすれば、その分残ガス量が多くなるとともに配送頻度を増加させてしまい、非効率的なガス容器の交換処理となる。また、逆に、ガス配送処理を1日遅らせた場合に残ガス量は低下するが、ガス使用傾向が大きいためにガス切れを生じさせる可能性を増加させるという課題がある。このようなガス切れを防止するために、配送タイミングの設定に余裕度を大きく設定したのでは、残ガス量が増加するなどの配送負荷が増大を越えるおそれがある。
さらに、訪問タイミングを最適化するために、全ての顧客のガス使用傾向を逐一監視し、取得したデータを全て解析処理したのでは、配送タイミングの決定処理の負荷が膨大となる。
【0006】
本件の開示の技術の発明者は、配送先の配送間隔と、ガス容器内の残ガス量の関係性により配送間隔を設定することで、配送処理の合理化、最適化が図れるとの知見を得たものである。
斯かる課題について、特許文献1、2には開示も示唆もない。また、特許文献1、2には、斯かる課題を解決する手段やその示唆もない。
そこで、本発明の目的は、ガス使用傾向に応じたガス配送処理期間を算出し、ガス配送処理計画を策定することで、配送効率を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の配送処理方法の一側面は、ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報を管理サーバーが取得する工程と、前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して前記管理サーバーが係数情報を算出する工程と、前記ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を前記管理サーバーが取得する工程と、前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して前記管理サーバーで算出し、該配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定する工程と、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間を前記管理サーバーが読み込んで、前記ガス容器の配送計画情報を生成する工程と、前記配送計画情報を配送処理データベースに登録する工程とを含む。
【0008】
記配送処理方法において、前記ガス需要情報に基づいて前記管理サーバーがガス配送先の前記配送基準日を算出する工程と、前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、前記管理サーバーが前記配送計画情報を生成する工程とを含んでよい。
上記配送処理方法において、前記管理サーバーが前記ガス配送先のガスメーターから検針データを取得する工程と、前記管理サーバーが該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出する工程とを含んでよい。
上記配送処理方法において、前記管理サーバーが複数のガス供給先の前記配送計画情報を抽出し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成する工程と、前記区分情報に基づいて前記管理サーバーから配送者に対して配送指示を出力する工程とを含んでよい。
上記配送処理方法において、複数のガス供給先の間で、前記管理サーバーが前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定してよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本開示のガス配送処理システムの一側面は、ガス配送処理システムであって、ガスの検針データを収集し、ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を取得する検針情報取得手段と、前記ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報が格納される配送処理データベースと、前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して係数情報を算出し、前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して算出した前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定し、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間により、前記ガス容器の配送計画情報を生成して前記配送処理データベースに登録するサーバーとを備える。
【0010】
記ガス配送処理システムにおいて、前記サーバーは、前記ガス需要情報に基づいて算出したガス配送先の前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、ガス配送先の前記配送計画情報を生成してよい。
上記ガス配送処理システムにおいて、前記サーバーは、収集した前記ガス配送先の検針データを読込み、該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出してよい。
上記ガス配送処理システムにおいて、前記サーバーは、抽出した複数の前記配送計画情報に対し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成し、前記区分情報に基づいて配送者に対して配送指示を出力してよい。
上記ガス配送処理システムにおいて、前記サーバーは、複数のガス供給先の間で、前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定してよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本開示のプログラムの一側面は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報を管理サーバーのコンピュータに取得させる機能と、前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して前記管理サーバーのコンピュータに係数情報を算出させる機能と、前記ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を管理サーバーのコンピュータに取得させる機能と、前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して管理サーバーのコンピュータで算出し、該配送処理期間をそれぞれの前記ガス配送先に対して設定する機能と、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間を前記管理サーバーが読み込ませて、前記ガス容器の配送計画情報を生成する機能と、前記配送計画情報を配送処理データベースに登録する機能とを前記コンピュータに実行させる。
【0012】
記プログラムにおいて、前記ガス需要情報に基づいて前記管理サーバーのコンピュータに前記ガス配送先の配送基準日を算出させる機能と、前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、前記管理サーバーのコンピュータにガス配送先の前記配送計画情報を生成させる機能とを含んでよい。
上記プログラムにおいて、ガス供給先のガスメーターで取得した検針データを前記管理サーバーのコンピュータに読み込ませる機能と、前記管理サーバーのコンピュータで該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析させて、前記配送基準日を算出させる機能とを含んでよい。
上記プログラムにおいて、複数のガス供給先の前記配送計画情報を抽出し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を前記管理サーバーのコンピュータで生成させる機能と、前記区分情報に基づいて前記管理サーバーのコンピュータから配送者の端末装置に対して配送指示を出力する機能とを含んでよい。
上記プログラムにおいて、複数のガス供給先の間で、前記管理サーバーのコンピュータに前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析させ、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定させる機能を含んでよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本開示の記録媒体の一側面は、上記プログラムのうちいずれかが記録されている。
【0014】
上記目的を達成するため、本開示のサーバーの一側面は、ガス配送処理を実行するサーバーであって、ガスの検針データを収集し、ガス配送先から発せられ、もしくはガス使用量から割り出したガス需要情報を取得する検針情報取得手段と、前記ガス配送先へのガス容器の配送を示す過去の配送情報を含むガス供給情報が格納される配送処理データベースを格納する記憶部と、前記過去の配送情報から求めた前倒し期間情報を利用して係数情報を算出し、前記ガス供給情報と前記係数情報を利用して算出した前記ガス容器の配送処理を可能にする配送処理期間を設定し、前記ガス配送先ごとの配送期限である配送基準日と前記配送処理期間により、前記ガス容器の配送計画情報を生成して前記配送処理データベースに登録する処理部とを備える。
【0015】
記サーバーにおいて、前記処理部は、前記ガス需要情報に基づいて算出したガス配送先の前記配送基準日に対して前記配送処理期間を設定して、ガス配送先の前記配送計画情報を生成してよい。
上記サーバーにおいて、前記処理部は、収集した前記ガス配送先の検針データを読込み、該検針データにより前記ガス配送先のガス使用傾向またはガス切れ予測を解析して、前記配送基準日を算出してよい。
上記サーバーにおいて、前記処理部は、抽出した複数の前記配送計画情報に対し、前記配送処理期間に基づいて複数の前記ガス配送先を区分けした区分情報を生成し、前記区分情報に基づいて配送者に対して配送指示を出力してよい。
上記サーバーにおいて、前記処理部は、複数のガス供給先の間で、前記ガス需要情報および前記配送処理期間を解析し、前記ガス需要情報および前記配送処理期間が同一または所定範囲内の前記ガス配送先同士を組み合せて前記配送指示を設定してよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 過去の配送情報を利用して、配送基準日から前倒した配送を可能にする配送処理期間を算出することで、ガス配送先のガス使用傾向に応じた効率的な配送計画を設定することができる。
(2) 過去の配送情報を含むガス供給情報を用いて算出した配送処理期間を利用して配送日を設定することで、残ガス量の低減が図れる。
(3) ガス切れの可能性を低減できる。
(4) 配送時の残ガス量を低減させることで、配送担当者の作業負荷を低減できる。
(5) 記憶された過去の配送情報を含むガス供給情報を用いて算出した配送処理期間を利用することで、配送タイミングを決定するための算出処理の負荷を軽減できる。
【0017】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る配送処理の工程例を示す図である。
図2】ガス管理システムの構成例を示す図である。
図3】顧客情報DBの構成例を示す図である。
図4】配送処理DBの構成例を示す図であり。
図5】検針情報DBの構成例を示す図である。
図6】配送履歴DBの構成例を示す図である。
図7】配送計画の一例を示す図である。
図8】管理サーバーのハードウェア構成例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る配送処理の工程例を示す図である。
図10】ガス管理システムの構成例を示す図である。
図11】ガス使用傾向とガス配送処理期間の設定例を示す図である。
図12】配送者端末のハードウェア構成例を示す図である。
図13】第3の実施形態に係る配送処理の工程例を示す図である。
図14】管理サーバーの構成例を示す図である。
図15】配送管理テーブルの一例を示す図である。
図16】配送先の区分処理の一例を示す図である。
図17】配送グループの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係る配送処理の工程例を示している。図1に示す工程、本開示の配送処理方法、配送処理プログラムの一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
本開示の配送処理は、ガス容器の配送実績に基づいて配送計画を策定するものであって、たとえば過去の配送情報を利用して次回のガス容器を配送する期間を割り出すことで、ガス容器の配送および交換作業の効率化や作業者に対する交換作業負荷の軽減を図るものである。斯かる配送処理には、たとえば配送計画の策定として、以下の処理が実行される。
図1に示す配送処理工程は、本開示の配送処理方法またはプログラムの一例であり、たとえば、ガス供給先の特定(S101)、ガス管理ファイルの特定(S102)、ガス供給情報の抽出(S103)、配送処理期間の算出処理(S104)、検針値の取得(S105)、検針値の格納処理(S106)、配送計画の生成判断(S107)、ガス配送基準日の設定処理(S108)、配送計画の生成処理(S109)等を含んでいる。
【0020】
さらに本開示の配送処理に用いる用語として、以下のものがある。
a)ガス配送先:ガス配送先は、たとえばガス事業者との契約によって軒先などにガス容器が設置される建物や施設を示すほか、このガス容器からLPGを消費する顧客を示している。すなわちこのガス配送先は、ガス容器を利用したガス供給先であり、個人宅または商店などの法人(業者)の何れかを問わない。
b)配送情報:配送情報は、ガス配送先に対してガス容器を配送したことを示す情報の一例であり、たとえば配送した日時や時刻情報、配送回数、ガス容器の配送や交換の担当者情報などが含まれる。
c)ガス供給情報:ガス供給情報は、ガス配送先に対するガス供給処理の全体情報の記録であって、ガス容器の交換時期などの記録である配送情報とともに、ガス配送先ごとの配送量や設置されているガス容器内の残ガス量が所定の閾値になるまでの期間を算出した予測値、その他の情報が含まれる。
d)ガス需要情報:ガス需要情報は、ガス配送先から収集した情報に基づいて割り出したガスの使用状態を把握するための情報の一例であり、たとえばガス使用量やガス使用傾向、定期的もしくは所定のタイミングで取得したガス容器内の残ガス量などの情報のほか、ガス配送先から発せられたガス容器の交換要求などの情報を含む。
e)配送処理期間:配送処理期間は、ガス配送先に設定される配送基準日に対し、ガス容器の配送および交換処理を可能にする指定期間である。つまり、配送処理期間は、ガス容器の配送期限である配送基準日に対する前倒し期間であり、たとえばガス配送先のガス使用傾向などによって期間の長さが異なる。
【0021】
f)配送基準日:ガス配送基準日は、ガス配送先ごとに設定される配送期限の一例であり、たとえばガス配送先のガス使用傾向やガスメーターの検針値情報sを利用して予測算出したガス容器内の残ガス量などの情報に基づいて設定される。このガス配送基準日は、配送計画において配送処理期間を設定するための基準日である。
g)配送計画情報:配送計画情報は、ガス配送先に対するガス容器の配送および交換タイミングを含む配送計画を策定するための情報の一例であり、たとえばガス配送先ごとのガス使用量やその使用傾向、過去のガス容器の配送間隔や配送日などの情報が含まれる。この配送計画情報は、ガス容器の配送・交換作業を行う配送者への指示情報の生成に利用される。
h)係数情報:係数情報は、過去の配送情報から次回の配送処理期間を算出するための係数値の一例である。この係数情報は、全てのガス配送先に対して同じ値が設定されてもよく、またはガス配送先のガス使用傾向に応じて異なる値が設定されてもよい。また、係数情報は、たとえば季節や月などに応じて変動させてもよく、または過去の配送処理において回収したガス容器内の残ガス量に基づいて、修正値を設定してもよい。
i)検針データ:検針データは、ガス配送先ごと、または複数のガス配送先に対してまとめて設置されるガスメーターから取得した検針値情報sである。
k)区分情報:区分情報は、同日や所定の期間内にガス容器を配送するガス配送先を区分する情報の一例であり、たとえば配送処理期間が一致もしくは所定の範囲内にある複数のガス配送先を組み合せた情報である。ガス配送者は、この区分情報に基づいて設定される配送指示に基づいて、ガス容器の配送処理を実行する。
【0022】
ガス供給先の特定(S101): ガス供給先10-1、10-2、・・・、10-N(図2、以下単に「ガス供給先10」と称する)の特定処理は、たとえば管理サーバー4(図2)が顧客情報を格納したデータベースなどにアクセスして、ガス供給管理対象となる顧客の特定などを行う。このガス供給先の特定では、たとえば顧客情報としてたとえばガスの使用状態に関係する情報が登録される。
ガス管理ファイルの特定(S102): ガス管理ファイルは、顧客ごとのガス使用量やガス配送処理などを含む管理情報の一例であり、たとえば顧客情報DB(Data Base)20(図3)、配送処理DB30(図4)、検針情報DB40(図5)、配送履歴DB50(図6)などに格納された情報を示している。管理サーバー4は、たとえばガス管理ファイルの特定処理として、特定されたガス供給先の顧客に関連付けられた顧客情報DB20や配送処理DB30、検針情報DB40、配送履歴DB50などを読込む。
【0023】
ガス供給情報の抽出(S103): ガス供給情報の抽出処理では、たとえば、特定された顧客について、配送処理DB30に格納された配送計画情報部32などを抽出して読み込む。
配送処理期間の算出および設定処理(S104): 配送処理期間の算出には、対象となる顧客に対する過去の配送情報を利用して算出する。この配送情報には、たとえば前々回のガス容器交換日、前回のガス容器交換を計画した日、前回のガス容器交換を実際に行った日を含む。配送処理期間の算出に利用する配送情報は、たとえば最新の配送処理において取得した情報を利用してもよく、または配送処理DB30に格納されたより過去の配送情報を利用してもよい。さらに配送処理期間の算出では、たとえば複数の配送情報を組み合せて利用してもよい。
そして、ガス容器の配送処理では、算出した配送処理期間の情報を配送処理DB30の配送計画情報部32に設定する。
【0024】
検針値の取得(S105): この処理では、管理サーバー4がガス供給先10側からガスメーターによって検針した検針値情報sを取得する。この検針値情報sは、たとえばガス供給先10のガスメーターに設置された通信部78(図10)から取得する。そのほか管理サーバー4は、図示しない外部の検針情報源から、ガス供給先10を特定する情報とともに検針値情報sを取得してもよい。この検針情報源は、たとえば複数のガス供給先10からガスメーターの検針値情報sを収集し、管理サーバー4側に所定のタイミングまたは管理サーバー4からのアクセスに応じて検針値情報sを提供する手段の一例であり、ガス供給先10と管理サーバー4を繋ぐ、中継手段として機能する。
検針値の格納処理(S106): 管理サーバー4は、取得した検針値情報sのデータを記憶部18(図2)に格納する。記憶部18には、たとえば検針情報DB40(図5)が格納されており、顧客ごとの検針値を格納する。
【0025】
配送計画の生成判断(S107): 配送計画の生成は、たとえばガス供給先10である顧客ごとに、次回のガス配送処理の期限や配送処理期間を算出するタイミングか否かの判断の一例である。管理サーバー4は、配送計画の生成判断において、たとえばタイマーの計時情報、記憶されている過去の配送間隔情報または取得したガスの検針値情報sから把握した残ガス量が所定の閾値以下であるかの情報に基づいて、配送計画の生成を行うか否かのタイミングを判断してよい。管理サーバー4は、配送計画の生成タイミングに達したとき(S107のYES)に、抽出した過去の配送情報を含むガス供給情報を利用して配送処理期間を算出する。また配送計画の生成タイミングに達していない場合(S107のNO)は、配送計画の生成タイミングに達するまで継続してガスメーターの検針値を格納しながら待機状態とする。
ガス配送基準日の設定処理(S108): ガス配送基準日は、たとえば配送先ごとの過去の配送情報などから算出したガス使用傾向に基づいて設定される日、または配送先との間で決められた所定日のほか、ガスメーターの検針値情報sを利用した算出により、所定の残ガス値となる予測日などが設定される。
【0026】
配送計画の生成処理(S109): 配送計画は、設定されたガス配送基準日を期限とし、配送処理期間の日数または時間の間に配送処理を完了させる指示情報である。管理サーバー4は、設定されたガス配送基準日の情報と、算出した配送処理期間とを組み合せて、少なくともガス容器の交換日程を含む配送計画を生成する。そのほか、配送計画には、たとえば配送経路や配送順序などの設定情報を含んでもよい。
【0027】
<ガス管理システム2>
図2は、ガス管理システムの一例を示している。図2に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。
ガス管理システム2は、たとえば管理サーバー4、情報提示部6、情報入力部8を備えており、ガス供給先10(10-1、10-2、・・・10-N)からガス需要情報を取得してガス使用量などを把握するほか、過去のガス供給情報に基づいて配送処理期間を算出してガス配送計画を設定するなどのガスの配送管理を行う。また管理サーバー4は、ガス配送を行う配送担当者が利用し、または配送処理に利用する車両などに設置される配送者端末12(12-1、12-2、・・・12-N)と無線通信により接続しており、設定したガス配送計画に基づく配送指示を送信するとともに、配送経過情報などを受信する。この管理サーバー4は、コンピュータで構成されており、本開示のガス配送処理システム、サーバーの一例である。そして管理サーバー4は、各ガス供給先10に有線または無線通信を介して接続されており、各ガス供給先10に設置されたガスメーターとの間で、制御指示やデータの送受信が行える。
情報提示部6は、管理サーバー4から出力された処理情報を画面や音声などで提示する手段の一例であり、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)などで構成されるモニタや音声情報を出力するスピーカで構成される。そのほか情報提示部6は、たとえばガス供給先10の顧客が利用可能な情報端末装置、またはガス容器を配送する業者や配送員が所持する情報端末装置などに対してガス需要予測情報などを通知する通信機能部であってもよい。
情報入力部8は、管理サーバー4に対して制御情報プログラムやガス供給先10の配送基準日情報、配送処理期間を算出するための係数情報などのデータ、その他顧客情報を入力する手段の一例であり、たとえばキーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置で構成される。そのほか、情報入力部8は、管理サーバー4の通信機能の一例であり、ガス供給先10からネットワークを介して顧客情報の更新データの入力を可能にするほか、図示しない外部データベースとの接続によって需要予測モデルを取得してもよい。
【0028】
この管理サーバー4には、たとえば検針情報取得手段14、処理部16、記憶部18を備える。
検針情報取得手段14は、各ガス供給先10のガスメーターで検針された検針値情報sを取込む機能部の一例であり、ガスメーターと通信する通信部で構成される。またこの検針情報取得手段14は、各ガス供給先10から取得した指針情報または検針値とともに過去の検針値データと合せて検針値情報sのデータを集計する機能を備えてもよい。
処理部16は、記憶部18に格納されている過去の配送情報や設定された係数情報を読み出して配送処理期間の算出処理を行うほか、設定されたガス配送基準日と組み合せて配送計画の策定処理を行う機能を備える。
記憶部18は、検針値情報sや顧客情報などのデータや管理サーバー4を動作させるプログラムを記憶する手段の一例である。この記憶部18は、たとえば配送管理を行う顧客情報DB20、配送処理の設定値や配送計画情報などを格納する配送処理DB30、ガスメーターから取得した検針値などの情報を格納する検針情報DB40、過去の配送処理の履歴を格納する配送履歴DB50などを備える。
【0029】
<顧客情報DB20について>
図3は、顧客情報DBの構成例を示している。図3に示す構成は一例である。
顧客情報DB20は、ガス供給先10の契約者やガスの利用者に関する情報や、ガス容器の交換処理に利用する情報である顧客情報部21、ガスの消費負荷の情報を含む使用機器情報部22、ガス使用傾向部23、ガス使用情報部24、係数情報部25などが含まれており、顧客ごとの複数のデータベース20-1、20-2、・・・20-Nで構成されている。
顧客情報部21には、顧客名部21-1、住所部21-2、ガス容器設置場所部21-3、種別部21-4などが含まれる。
顧客名部21-1は、たとえばガス供給サービスの契約者などの情報が登録されている。
住所部21-2は、顧客との契約において指定されたガス容器の設置場所の住所などが登録される。
ガス容器設置場所部21-3は、ガス容器の交換処理において配送担当者が把握すべき情報であり、たとえば顧客宅におけるガス容器の設置場所情報、複数本のガス容器の配置状態を表す情報のほか、ガス容器配送や設置処理に要する時間情報などが格納されればよい。
これらの住所部21-2やガス容器設置場所部21-3に格納される情報は、配送担当者に通知されるガス供給先10に対するガス容器配送情報の一例である。
種別部21-4は、ガス供給先10の管理情報の一例であり、たとえば顧客のガス使用量や使用形態などの情報が格納される。この種別部21-4に登録される情報は、たとえばガス供給先10が住居であるか、またはガス使用量が大きい飲食店かなどの情報のほか、一世帯のみの住宅または複数世帯が入る集合住宅かの情報や、火力を必要とする料理店か否かなどの情報が格納される。
【0030】
使用機器情報部22には、たとえば機種名部22-1、消費量部22-2、設置年月日部22-3などが含まれる。
機種名部22-1は、設置されているガス消費負荷の製品を特定する情報の一例であり、メーカー名や機器の名称のほか、識別コード情報などが登録される。
消費量部22-2は、各器具のガス消費量情報として、たとえば機器ごとの必要ガス消費量などの情報が登録されればよい。この消費量情報は、たとえば顧客が有している機器の全体ガス使用量の概算予測などに利用することができる。
設置年月日部22-3は、機器の使用開始時期を表す情報である。この設置年月日の情報は、たとえば機器の計時情報のほか、ガスの消費効率などの監視処理、顧客に対する機器の交換アドバイスなどに利用してもよい。
【0031】
ガス使用傾向部23は、たとえば過去のガス使用量などのガス需要情報から算出および解析した顧客ごとのガス使用傾向情報が格納される。このガス使用傾向情報は、たとえば月ごとなどの所定期間におけるガス使用割合などの数値などが格納されてもよく、または図示しない判断基準値に対し、「多い」、「少ない」などの評価情報を格納してもよい。ガス使用傾向情報は、たとえば顧客情報部21の種別部21-4に格納されるガスの使用用途などの情報と組み合せることで、ガス容器配送処理の優先度やガス切れ予測処理の判断などに利用すればよい。
ガス使用情報部24は、たとえばガスメーターから取得した最新のガス需要情報を格納してもよい。
係数情報部25は、ガス配送処理期間の算出処理に利用する係数値が格納される。
【0032】
<配送処理DB30について>
図4は、配送処理DBの構成例を示している。図4に示す構成は一例である。
配送処理DB30は、ガス供給先10に対するガス容器の交換処理に利用する情報を含むガス供給先情報部31、ガス容器の配送指示を行うための配送計画情報部32などが含まれており、顧客ごとの複数のデータベース30-1、30-2、・・・30-Nで構成されている。
【0033】
ガス供給先情報部31には、顧客名部31-1、ガス容器設置場所部31-2、本数部31-3、種別部31-4などが含まれる。
顧客名部31-1は、たとえばガス供給サービスの契約者などの情報が格納されており、顧客情報DB20の顧客名部21-1と同様の情報が含まれる。
ガス容器設置場所部31-2は、顧客の配送先におけるガス容器の配置場所を特定するための情報が含まれる。このガス容器設置場所部31-2に登録される情報は、顧客情報DB20のガス容器設置場所部21-3の情報と連動すればよい。
本数部31-3は、ガス供給量を表す情報の一例として、顧客のガス容器設置場所に対して設置されるガス容器の全本数、または配送処理において交換すべき本数情報などが格納される。
種別部31-4は、たとえば顧客のガス使用量や使用形態などの情報が格納される。この種別部31-4に登録される情報は、顧客情報DB20の種別部21-4と同様の情報が格納されればよい。ガス配送処理では、たとえば種別部31-4に登録されるガス使用量やガス使用形態の情報により、配送処理期間を長く取れる顧客か否かの判断処理に利用してもよい。
【0034】
配送計画情報部32には、検針情報部32-1、ガス使用量情報部32-2、配送間隔情報部32-3、ガス使用期間情報部32-4、係数情報部32-5、配送基準日情報部32-6、配送処理期間情報部32-7、配送日情報部32-8、ガス使用予測サイクル部32-9などが含まれる。管理サーバー4は、配送計画情報部32に格納された情報の一部または全部を利用して設定する配送指示情報を配送者端末12に対して通知すればよい。
検針情報部32-1は、ガスメーターから取得した検針値情報sが格納される。
ガス使用量情報部32-2は、検針値情報sにより算出した顧客のガス需要情報が格納される。
検針情報部32-1およびガス使用量情報部32-2には、たとえば検針情報DB40に格納される値のうち、配送処理計画の策定に利用する情報として、最新の値が格納される。
配送間隔情報部32-3は、配送先に対する実際の配送間隔を表す日数や時間情報などが格納される。配送間隔は、たとえば前々回のガス容器の配送日から前回のガス容器の配送日までの期間が算出される。この配送間隔は、本発明の係数情報や配送処理期間の算出処理に用いられる情報の一部である。
ガス使用期間情報部32-4は、配送間隔情報部32-3に格納される配送間隔の始点と終点の日付を表す情報が格納される。このガス使用期間の始点は過去の先のガス容器の交換日であり、終点はその次のガス容器の交換日である。
係数情報部32-5は、ガス容器配送処理期間の算出に利用する数値情報であり、顧客ごと、または地域ごとに設定されてもよく、または全ての顧客が同一の値が設定されてもよい。この係数は、たとえば過去のガス使用実績、配送基準日、配送日などにより算出されればよい。
配送基準日情報部32-6は、顧客ごとに設定される配送基準日が格納される。この配送基準日は、顧客に対するガス容器の配送期限の一例であり、配送処理期間の算出に用いられる。配送処理計画は、配送基準日に対し、算出した配送処理期間を利用して作成する。
配送処理期間情報部32-7は、過去の配送期間情報と係数情報を利用して算出した配送処理期間が格納される。
配送日情報部32-8は、実際にガス容器の配送・交換を行った日が格納されればよく、さらにガス容器の配送時間情報などを加えてもよい。
ガス使用予測サイクル部32-9は、ガス使用予測期間情報が格納される。ガス使用予測期間情報は、交換したガス容器の使用開始タイミングから予測算出した配送基準日までの期間情報であり、係数情報の算出に用いられる。
【0035】
<検針情報DB40>
図5は、検針情報DBの一例を示している。
この検針情報DB40は、ガス供給先10で収集した検針値情報sを格納するデータベースの一例であり、ガス供給先10ごとに複数のデータベース40-1、40-2、・・・40-Nが含まれる。
この検針情報DB40には、たとえば検針日時部42、ガスメーター指針部44、前回からのガス使用量部46、残ガス情報部48が含まれる。
検針日時部42は、ガスメーターに設定され、または管理サーバー4からガスメーターに対して出力した指示情報によって行ったガス指針値の収集時期、または管理サーバー4がガスメーターから検針値情報sを取得した時期情報などが格納される。
ガスメーター指針部44には、検針タイミングでガスメーターが取得した指針値情報が格納される。
前回からのガス使用量部46には、今回の検針タイミングにおけるガス使用量の算出値が格納される。すなわち管理サーバー4の処理部16は、今回取得したガスメーターの指針値と前回の検針タイミングで取得したガスメーターの指針値との差分をとることで、ガス使用量を算出する。
残ガス情報部48は、回収したガス容器内に残留するガス量の計測値もしくは残ガスの割合の算出値の情報が格納される。残ガス量は、たとえばガス容器の重量や内部圧力値などを利用して計測される。管理サーバー4は、たとえば設定したガス配送計画において、残ガス量が閾値以上となる場合には、ガス配送処理期間を算出する係数情報を変更してもよい。
【0036】
<配送履歴DB50>
図6は、配送履歴DBの一例を示している。
この配送履歴DBは、配送先に対する過去の配送記録を格納するデータベースの一例であり、ガス供給先10ごとに複数のデータベース50-1、50-2、・・・50-Nが含まれる。
配送履歴DB50には、たとえば配送先情報部51、地域情報部52、配送履歴情報部53が含まれる。
配送先情報部51は、ガス容器を供給する顧客名や住所、本数情報などが格納される。
地域情報部52は、配送先の地域を特定する情報の一例であり、たとえば複数ある配送先を区分に利用してもよく、またはガス容器の配送や管理を行う配送基地と連動させる情報などが格納される。
配送履歴情報部53は、配送記録が格納されており、たとえば配送日情報部53-1、配送間隔情報部53-2、ガス使用量情報部53-3などが含まれる。
配送日情報部53-1は、配送計画に設定された配送処理期間内において、実際にガス容器の交換日が格納される。
配送間隔情報部53-2は、処理部16において算出された前回のガス容器の配送・交換日から今回のガス容器の交換日までの日数情報が格納される。
ガス使用量情報部53-3は、ガスメーターからの検針値により算出された、ガス配送間隔の期間におけるガス需要量が格納される。
【0037】
<ガス配送計画の設定について>
図7は、配送計画の一例を示している。図7に示す処理内容は一例である。
ガス容器の配送計画の設定処理では、たとえば図7に示すように、過去の配送日dh1から配送基準日de2までをガス使用予想サイクルTdA、過去の配送日dh2から配送基準日de3までをガス使用予想サイクルTdBとする。そして、このガス使用予測サイクルTdA、TdBと、係数情報を利用して算出した配送処理期間Ts、配送基準日dexを利用して配送計画を設定する。
係数情報は、予め設定された値、またはガス配送先ごとのガス使用予測サイクルTdA、TdBなどを利用して算出した値であってもよい。配送処理期間Tsは、配送基準日dexまでにガス容器の配送処理を行う期間であり、配送基準日dexに対して前倒し可能な期間である。
配送計画の設定処理として、管理サーバー4は、たとえば過去のガス使用予測サイクルTdA、TdBのいずれかの情報、もしくはこれらの合計値やその平均値などに対して、係数情報をかけあわせることで配送処理期間Tsを算出する。過去のガス使用予測サイクルTdA、TdBは、たとえば顧客ごとのガス使用傾向に応じて、ガス容器内の残ガス量が所定の閾値以下であり、かつガス切れを生じさせないような残ガス量となるタイミングを予測した期間情報である。従って、このガス使用予測サイクルTdA、TdBに基づいて配送処理期間Tsを算出することで、顧客のガス使用傾向に応じた配送処理計画を策定できる。
配送処理期間Tsの算出に利用する係数情報は、たとえば予め設定された値を利用するほか、過去の配送計画における前倒し期間TfA、TfBなどを利用して算出する。この前倒し期間TfAは、過去の配送処理において、残ガス量が閾値に達する配送基準日de2に対する実際の配送日dh2までの期間である。また前倒し期間TfBは、配送基準日de3に対する実際の配送日dh3までの期間である、これらの前倒し期間TfA、TfBは、配送処理の実績情報である。
そして管理サーバー4は、たとえばガス使用予測サイクルTdA、TdBに対する前倒し期間TfA、TfBの割合などを係数情報として算出する。
そして配送担当者は、ガス使用傾向などにより解析した次回のガス使用予測サイクルTdXにより、配送基準日dexを最終期限とし、それよりも前の配送処理期間Ts内に配送予定日dhxを設定する。
配送基準日dexは、既述のように、顧客との間で設定された期間のほか、ガス需要モデルなどを利用して算出した所定の残ガス量となる日などが設定されればよい。
【0038】
<管理サーバー4について>
図8は、管理サーバーのハードウェア構成例を示している。
管理サーバー4は、通信機能を備えるコンピュータで構成される。管理サーバー4にはたとえばプロセッサ60、記憶部18、通信部62、タイマー64、入出力部(I/O)66を備える。
プロセッサ60は、記憶部18にあるOS(Operating System)や、格納された各データベース(DB)、ガス配送計画の作成処理を行うプログラムなどの演算処理により、既述の処理部16として機能する。記憶部18にはOSの他、ガス配送処理期間の算出やガス配送計画の作成を行うプログラムや、顧客情報DB20、配送処理DB30、検針情報DB40、配送履歴DB50などのデータベースが格納されている。この記憶部18には各種情報の記憶手段としてROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などを備え、記録媒体の一例である。
通信部62は、プロセッサ60で制御されてガス供給先10に設置されたガスメーターや、配送者端末12との間で通信が可能である。
タイマー64は、計時手段の一例であり、管理サーバー4による検針タイミングの計時や、配送間隔の計測その他の計時処理を行う機能部である。
I/O66は、プロセッサ60と情報提示部6または情報入力部8との情報の授受に用いられる。
【0039】
<第1の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 過去の配送情報を含むガス供給情報を利用して配送処理期間を算出することで、ガスの消費の傾向が小さく、配送の間隔が長い配送先に対しては余裕のあるガス配送処理計画を設定できる。またガスの消費の傾向が大きく配送の間隔が短い配送先に対しては、配送処理期間が短くなることで、残ガス量が多い状態で配送処理を行わせないようにできる。
(2) 配送基準日に対し、過去のガス使用予測サイクルを利用して算出した配送処理期間に基づいて配送計画を策定することで、ガス使用傾向に応じた配送期間が設定でき、配送負荷を軽減した配送処理を実現できる。
(3) また、この配送処理期間内でのガス容器の配送・交換処理を行うことで、残ガス量の低減が図れる。
(4) 配送時の残ガス量を低減させることで、配送担当者の作業負荷を低減できる。
(5) 記憶された過去のガス使用予測サイクルを用いて算出した配送処理期間を利用して配送タイミングを決定することができるので、ガス使用状態の監視処理や算出処理の負荷を軽減できる。

〔第2の実施形態〕
【0040】
図9は、第2の実施形態に係る配送処理の工程例を示している。図9に示す処理内容、処理工程などは一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
図9に示すガスの配送処理は、本開示のガス配送処理方法、およびそのプログラムの一例である。この実施形態では、過去の配送期間により算出した配送処理期間と、ガス配送基準日として、ガスメーターの検針値情報sを利用して算出したガス切れ予測日を利用してガス容器の配送計画を策定する場合を示す。
ガス配送処理では、たとえば配送先の特定処理(S201)、配送処理期間の算出処理(S202)、ガス使用量情報の取得処理(S203)、配送計画の生成タイミングの判断処理(S204)、ガス切れ予測日の算出処理(S205)、配送計画の生成処理(S206)を含んでいる。
【0041】
配送先の特定処理(S201): 管理サーバー4は、たとえばガス配送先の特定として、顧客情報、ガス供給情報を特定する。これらの情報の特定では、たとえば顧客情報DB20や配送処理DB30、検針情報DB40などを読込み、配送先である住所情報、ガス容器設置場所情報、ガス容器の設置本数もしくは交換本数の情報などを読み込む。
配送処理期間の算出処理(S202): 配送処理期間の算出処理では、特定した顧客について登録されている過去の配送情報を含むガス供給情報と、設定された係数情報を読込み、処理部16により算出する。
ガス使用量情報の取得処理(S203): ガス使用量情報の取得は、たとえばガスメーターにアクセスして取得した検針値もしくは定期的に送信される検針値を収集し、所定期間の複数の検針値の差分を算出してガス使用量を取得する。
配送計画の生成タイミングの判断処理(S204): 配送計画の生成は、たとえばガス使用中に少なくとも1回生成すればよく、さらに、配送先のガス使用傾向に沿った精緻な管理処理を行う場合には、複数回生成してよい。配送計画の生成タイミングは、たとえば前回のガス容器を交換したとき、もしくは、前回のガス容器の配送処理から所定時間が経過した後に行えばよい。そのほか、ガス配送先の顧客が配送計画の生成を希望したときなどに行ってもよい。
ガス切れ予測日の算出処理(S205): 管理サーバー4の処理部16は、算出したガス使用傾向と、ガス容器内の全体ガス量、または現時点の残ガス量により、残ガス量もしくは残ガス割合がゼロ、または所定値になるタイミングを予測算出する。
配送計画の生成処理(S206): 管理サーバー4は、ガス容器の配送処理計画として、算出したガス切れ予測日を配送基準日に設定するとともに、この配送基準日に対し、算出した配送処理期間を遡った日や時間を設定して配送計画を生成する。生成された配送計画は、たとえば配送処理DB30に登録される。
【0042】
<ガス管理システム2について>
図10は、第2の実施形態に係るガス管理システム2の構成例を示している。図10において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
各ガス供給先10には、ガス事業者から提供される複数のガス容器70-1、70-2が設置されている。ガス容器70-1、70-2は、ガスメーター72を介してガス機器74に接続されている。またガス容器70-1、70-2とガスメーター72との間にガス切替部76が設置されており、ガス容器70-1、70-2の何れかよりLPGがガス機器74に供給される。ガス機器74はガス給湯器、ガスコンロなど、ガスを消費する機器である。
ガスメーター72はたとえば、マイコンメーターであり、LPGの通過量を計測部で計測しており、この通過量が指針情報となる。またガスメーター72は、たとえばプロセッサなどで構成された処理部において、計測部で計測した情報に対して検針日情報やデータ変換などを行い、通信部78を介して管理サーバー4に向けて指針情報を送信させる。
通信部78はガスメーター72に接続され、ガスメーター72から提供される指針情報を管理サーバー4に向けて送信する。管理サーバー4とガスメーター72は、たとえば中継部80などを介してインターネットなどのネットワーク82に有線接続または無線接続により接続されている。
【0043】
<配送処理期間について>
図11は、ガス使用傾向とガス配送処理期間の設定例を示している。図11に示す内容は一例である。
図11に示すガス配送計画は、たとえばガス配送先として、緩やかなガス使用傾向αである顧客Aと、急なガス使用傾向βである顧客Cについて、対比可能に表している。この顧客Aと顧客Cのガス使用傾向は、α<βの関係にあるとともに、図示しない過去において顧客A、顧客Cのそれぞれのガス使用傾向に大きな変動はない場合を想定している。
管理サーバー4は、顧客A、顧客Cについて、それぞれ残ガス量もしくは配送先にストックされるガスの総容量に対する残ガスの割合GRがゼロとなるタイミングt1、t2を予測している。前回のガス容器の交換日、すなわち交換したガス容器からガスの供給が開始されたときからガス切れ予測日までの期間は、ガス切れ予測処理によりそれぞれTd1、Td2と算出される。この期間Td1、Td2は、ガス使用傾向α、βに応じて異なる値であり、Td1<Td2の関係となる。この期間Td1、Td2は、各ガス供給先のガス使用予測サイクルであり、配送処理DB30に格納される。
それぞれのガス処理配送期間Ts1、Ts2は、たとえば残ガス量もしくは残ガス割合GRが所定の値になってからガス切れ予測日であるタイミングt1、t2までの期間とすると、ガス使用傾向αの顧客Aの方が長い期間を設定できるのに対し、ガス使用傾向βの顧客Cの方が短い期間となる。この場合、ガス容器の配送処理では、たとえば1日分前倒しして配送処理を行った場合の残ガス量もしくは残ガス割合GRの変化量は、ガス使用傾向α、βの影響を受ける。そして、ガス容器の配送間隔や配送処理も、緩やかなガス使用傾向αであれば長く設定できるのに対し、急なガス使用傾向βであれば、短期間が設定される。
なお、本開示の構成において配送処理期間Tsは、ガス使用傾向の影響を受ける過去の配送情報を含むガス供給情報を利用して、算出することができる。
【0044】
<配送者端末12について>
図12は、配送者端末の構成例を示している。
この配送者端末12は、通信機能を備えるコンピュータで構成されており、たとえば携帯電話機や、タブレット端末やスマートフォン、PCなどの携帯端末装置が含まれる。配送者端末12は、たとえばプロセッサ84、記憶部86、通信部88、情報入力部90、情報提示部92、I/O94を備える。
プロセッサ84は、記憶部86にあるOSや、ガス配送処理プログラムの演算処理を行って、配送担当者に対する配送指示の提示などの配送管理を実行する。
記憶部86は、OSのほか、配送管理に利用する通信画面や配送指示情報などが格納される。
通信部88は、プロセッサ84で制御されており、管理サーバー4と接続して、ガス容器の配送計画を取得して格納する。
ガス供給先10に設置されたガスメーターとの間で有線接続または無線接続により通信が可能である。
情報入力部90は、配送者端末12に対して配送者やその他の者が情報を入力する手段の一例であり、たとえば入力キーのほか、表示画面上に配置したセンサーを利用して、端末利用者の生態の接触を検知して文字や情報の入力操作が行える。
情報提示部92は、管理サーバー4から受信した配送計画情報などを配送担当者に見せるための手段の一例である。この情報提示部92は、たとえばLCD素子などで構成されたディスプレイが含まれる。・情報提示部92には、たとえば担当する配送先情報、配送計画情報などの配送指示情報が表示されるほか、天候情報や配送先までの交通情報、迂回情報などを表示してもよい。
I/O94は、配送者端末12に対して有線、または無線により、外部機器や外部データベースと接続させる手段の一例である。
【0045】
<第2の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、以下のいずれかのような効果が得られる。
(1) 第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(2) ガス配送計画の作成において、配送基準日として、ガス切れ予測日を利用することで、顧客のガス使用状態の精緻な把握とガス使用傾向に応じたガス配送処理期間の設定による配送負荷の軽減を図ることが可能となる。

〔第3の実施形態〕
【0046】
図13は、第3の実施形態に係る配送処理の工程例を示している。図13に示す処理内容、処理工程などは一例であり、斯かる構成に本発明が限定されない。
この実施形態のガス配送処理は、顧客間において、算出された配送処理期間に基づいて配送計画を設定する例を含んでいる。このガス配送処理は、本開示のガス配送処理方法、およびそのプログラムの一例であり、たとえば配送計画の作成処理(S301)、顧客のグループ分け(S302)、ガス配送日の設定(S303)、配送指示情報の送信処理(S304)を含む。
【0047】
配送計画の作成処理(S301): 管理サーバー4は、上記実施形態に示す工程により配送処理期間の算出処理および配送基準日の算出または設定処理を行って、顧客ごとの配送計画を作成する。
顧客のグループ分け(S302): 管理サーバー4は、作成された配送計画について、顧客間で対比し、配送処理期間、その他地域情報などに基づいて顧客を複数のグループに区分する。この区分処理では、たとえば配送担当者、もしくはガス事業者ごとにガス容器の配送能力に応じて、顧客の区分数や1区分に含める顧客数などを設定すればよい。すなわち顧客が区分されるグループは、同一の配送担当者もしくは配送事業者によって、同日もしくはそれに近い日にちにガス容器の配送処理が実行される顧客の組み合せである。
ガス配送日の設定(S303): ガス配送日は、グループごとに設定されており、配送処理期間内の所定日から選択され、配送担当者に通知される。
配送指示情報の送信処理(S304): 管理サーバー4は、グループごとに設定されたガス配送日や、そのグループに含まれる顧客情報、配送先情報などの配送指示情報について、担当する配送者端末12に送信する。管理サーバー4は、たとえば通知した配送指示情報が生成された顧客について、配送履歴DB50などに配送担当者を格納してもよい。
【0048】
<管理サーバー4について>
図14は、管理サーバーの機能構成例を示している。
この管理サーバー4には、たとえば図14に示すように、記憶部18に配送管理テーブル100を備えるとともに、配送計画生成部102や配送管理部104を備えている。
配送管理テーブル100は、所定数ごとに区分した顧客のグループ情報を格納する手段の一例であり、管理サーバー4が顧客の配送予定や配送状況、配送結果などの管理に利用する。
配送計画生成部102は、配送処理期間の算出や配送基準日の算出処理を行うとともに、配送処理期間やその他の情報に基づいて顧客をグループに区分する機能部の一例である。
配送管理部104は、配送担当者に対し、区分されたグループの情報を含む配送指示情報を通知するとともに、その配送予定管理や配送結果などを監視する機能部の一例である。
【0049】
<配送管理テーブル100について>
図15は、配送管理テーブルの一例を示している。
この配送管理テーブル100は、たとえば図15に示すように、配送グループ部106、ガス配送先部107、設置場所部108、設置本数部109、配送可能期間部110、配送間隔部111、配送予定日部112、前倒し可能情報部113を含む。この配送管理テーブル100は、顧客に対するガス容器の配送予定や配送状況の管理情報であるとともに、ガス容器の配送担当者に対し、配送管理テーブル100の一部または全部を配送指示情報として通知してもよい。
配送グループ部106は、顧客が区分されたグループ名やそのグループを識別するための識別子などが設定される。
ガス配送先部107は、ガス容器が配送される顧客の住所を含む配送先情報が格納される。
設置場所部108は、たとえば顧客の配送先である住所内におけるガス容器の設置位置やその設置条件などの情報が格納される。これにより配送担当者は、たとえば配送先において、敷地内にあるガス容器の配置場所を探すための処理が不要となる。
設置本数部109は、配送先におけるガス容器の全体本数、または交換本数などの指示が含まれる。
配送可能期間部110は、算出された配送処理期間、または区分された顧客に共通する配送処理期間の情報が格納される。
配送間隔部111は、顧客ごとの過去の配送間隔情報が格納される。この配送間隔部111は、格納される情報により顧客のガス使用傾向が把握できる。
配送予定日部112は、配送可能期間部110に格納される期間の内、配送指示において設定される配送日情報の一例である。管理サーバー4は、グループごとに配送日情報を含む配送指示情報を配送者端末12に通知する。
前倒し可能情報部113は、設定した配送予定日に対し、前倒しが可能か否かの情報が格納される。つまり前倒しが可能な顧客は、配送処理期間に余裕があることや、ガス使用傾向が緩やかであることなどが把握できる。管理サーバー4は、たとえば天候や道路状況などによるガス配送処理の中止や変更があった場合、もしくは、配送予定日に配送が完了しなかった場合に、配送予定日を変更可能か否かの判断において利用してよい。
【0050】
<配送グループの区分について>
図16は、配送先の区分処理の一例を示している。また図17は、配送グループの構成例を示している。図16図17に示す区分の構成や判断手法は一例であり、本発明が斯かる開示内容に限定されない。
管理サーバー4の配送計画生成部102は、たとえば図16に示すように顧客情報DB20に登録されるガス供給先10同士を対比し、配送処理期間が重なる複数の顧客を抽出する。また、顧客の抽出では、配送処理期間とともに、住所などの地域情報も解析し、同一の配送担当者が担当し、または同一のガス事業者がガス配送管理を行う顧客を選別する。
管理サーバー4は、たとえば区分された顧客P、顧客Q、顧客Rについてそれぞれ過去の配送情報であるガス使用予想サイクルTdP、TdQ、TdRや、図示しないそれぞれの前倒し期間情報を利用して配送処理期間TsP、TsQ、TsRを算出する。そして配送計画生成部102は、顧客P、顧客Q、顧客Rについて、算出した配送処理期間TsP、TsQ、TsRのうち、共通する日付または時間を抽出し、配送可能期間TLとして設定する。配送予定日は、配送可能期間TL内から設定される。
【0051】
顧客は、たとえば図17に示すように、グループごとにまとめて管理される。このグループA、B、C、Dは、配送計画が策定された複数の顧客(No.1~No.16)について、配送可能期間TLが重なる顧客を区分している。またこのグループの区分には、たとえば配送可能期間TLとともに、地域情報として、同一の地域もしくは同じ配送担当により配送可能な地域であることも考慮すればよい。
管理サーバー4の配送管理部104は、グループごとの管理テーブルを生成すればよく、たとえば、顧客の識別情報、配送予定日情報、残ガス量情報、地域情報などが格納されればよい。
そして、配送担当者は、管理サーバー4からの配送指示により、担当するグループ情報および配送予定日情報に基づいて配送処理を行う。
そのほか、配送計画生成部102は、たとえばガス使用傾向の変化や他のグループの配送処理の遅延などにより、設定した配送可能期間内での配送が不可能、もしくはガス切れを生じる可能性があるなどの情報に基づいて、より早期の配送予定のグループに変更させる処理を行ってもよい。また、逆に、配送可能期間が遅いグループへの変更処理を行ってもよい。
【0052】
<第3の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 上記第1の実施形態または第2の実施形態と同様の効果が得られる。
(2) 過去の配送期間から算出した配送処理期間を利用して配送区分のグループ分けを行うことで、ガス配送先を選択する負荷を軽減できる。
(3) 算出された配送処理期間の多少によりガス使用傾向が把握できるほか、ガス使用量の変動によるガス切れのリスクの有無を把握できる。
(4) 算出した配送処理期間内において、配送グループの組み替えによる配送計画を設定できる。
(5) 過去の配送間隔により配送処理期間の長さが設定されるので、ガス使用傾向の大きい顧客について、早期の配送処理によって配送頻度が増加するのを防止できる。
(6) また、過去の配送間隔により配送処理期間の長さが設定されるので、ガス使用傾向の小さい顧客について、配送計画の自由度を高く設定できる。

(変形例)
【0053】
以上説明した実施形態について、その変形例を以下に列挙する。
【0054】
(1) 上記実施形態では、配送処理期間の算出処理において、設定された係数情報を利用する場合を示したがこれに限らない。管理サーバー4は、たとえばガスメーターから取得した指針情報によりガス使用傾向を算出し、このガス使用傾向の多少に応じて、係数情報を選択してもよい。係数情報は、たとえば管理サーバー4の記憶部、または外部データベースなどに格納されればよい。これにより、現在のガス使用傾向に精緻に対応したガス処理期間の設定ができ、ガス切れを回避するほか、残ガス量の増加による作業負荷の軽減が図れる。
【0055】
(2) 上記実施形態では、記憶部に格納されている過去の直近またはその他の配送情報を含むガス供給情報を読み出して配送処理期間を算出する場合を示したがこれに限らない。管理サーバー4は、たとえばガスメーターの検針値を利用してガス使用傾向を算出するとともに、記憶部に格納されている過去のガス供給情報のうち、今回のガス使用傾向と同様のガス使用傾向にあったガス供給情報を選択して、配送処理期間の算出に利用してもよい。
つまり、ガスの使用量は季節や気温、その他、1月の平日と休日の日数の相違などにより大きく異なるため、ガス容器の配送間隔が一定にならない。そのため、管理サーバー4は、過去の配送間隔などのガス供給情報について、そのときのガス使用傾向を合せて記憶し、または配送間隔の多少によりガス使用傾向を解析して記憶する。そして管理サーバー4は、現在のガス使用傾向を参照し、たとえば同等のガス使用傾向にある過去のガス供給情報を選択してもよい。
【0056】
(3) 管理サーバー4は、たとえばガス配送処理期間に基づいて区分したガス配送先ついて、ガス使用傾向などから判断した優先度を設定してもよい。この優先度は、たとえばガス使用傾向が大きく、残ガス量が無くなる、もしくは所定値以下となるガス切れの発生の可能性が高く、同一グループ内もしくは全体管理において、配送処理の優先性を高める必要があると判断した配送先に設定される情報の一例である。管理サーバー4は、たとえば優先度が高い配送先に合せて配送予定日を設定してもよく、または同一グループ内において配送順序を先に設定すればよい。
そのほか、管理サーバー4は、たとえば配送グループの区分において、たとえば優先度が高いユーザー、優先度が低いユーザーのみを組み合せてグループ化してもよい。そのほか、優先度の高いユーザーを含むグループには、顧客の人数を減らすようにしてもよい。
【0057】
(4) 上記の実施形態では、配送処理計画の設定情報やこの配送処理計画の算出に用いる過去の配送情報、または配送基準日、前倒し期間、配送日、その他の情報について、日を基準に算出する場合を示したがこれに限らない。配送処理計画の設定処理では、たとえば配送基準時間、配送時間や予測時間などの時間情報を利用して算出処理を行ってもよい。つまり、管理サーバー4は、たとえば1日に複数回の配送処理計画の設定処理を行ってもよく、また配送処理を実行させてもよい。
【0058】
(5) 上記の実施形態では、ガス配送先に対して実行した過去の配送情報は管理サーバー4の記憶部18にある顧客情報DB20や配送処理DB30に格納される場合を示したがこれに限らない。過去の配送情報は、たとえば1または複数のガス配送先に設置されたガスメーターやその検針値情報sを管理サーバー4に通知する図示しない通信機能を備えた中継器などの記憶部内に格納されてもよい。これにより管理サーバー4は、たとえばガス配送処理を行う場合に、検針値情報sとともにガス配送先の過去の配送情報を取得してもよい。
【0059】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示の構成によれば、ガス容器の配送計画の作成において、過去の配送間隔に基づいて配送処理期間が算出されることで、顧客のガス使用傾向に応じた配送可能期間が設定でき、配送頻度の抑制、残ガス量による作業負荷の軽減を図ることができ、有用である。
【符号の説明】
【0061】
2 ガス管理システム
4 管理サーバー
6、92 情報提示部
8、90 情報入力部
10、10-1、10-2、10-3 ガス供給先
12、12-1、12-2、12-3 配送者端末
14 検針情報取得手段
16 処理部
18、86 記憶部
20、20-1、20-2、・・・20-N 顧客情報DB
21 顧客情報ファイル
21-1、31-1 顧客名部
21-2 住所部
21-3、31-2 ガス容器設置場所部
21-4、31-4 種別部
22 使用機器情報部
22-1 機種名部
22-2 消費量部
22-3 設置年月日部
23 ガス使用傾向部
24 ガス使用情報部
25、32-5 係数情報部
30、30-1、30-2、・・・30-N 配送処理DB
31 ガス供給先情報部
31-3 本数部
32 配送計画情報部
32-1 検針情報部
32-2、53-5 ガス使用量情報部
32-3、53-2 配送間隔情報部
32-4 ガス使用期間情報部
32-6 配送基準日情報部
32-7 配送処理期間情報部
32-8、53-1 配送日情報部
40、40-1、40-2、・・・40-N 検針情報DB
42 検針日時部
44 ガスメーター指針部
46 前回からのガス使用量部
48 残ガス情報部
50、50-1、50-2、・・・50―N 配送履歴DB
51 配送先情報部
52 地域情報部
53 配送履歴情報部
60、84 プロセッサ
62、88 通信部
64 タイマー
66、94 I/O
70-1、70-2 ガス容器
72 ガスメーター
74 ガス機器
76 切換器
78 通信部
80 中継部
82 ネットワーク
100 配送管理テーブル
102 配送計画生成部
104 配送管理部
106 配送グループ部
107 ガス配送先部
108 設置場所部
109 設置本数部
110 配送可能期間部
111 配送間隔部
112 配送予定日部
113 前倒し可能部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17