(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 11/215 20160101AFI20240422BHJP
H02K 3/46 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H02K11/215
H02K3/46 B
(21)【出願番号】P 2020158234
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝典
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/181659(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/156865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/00-11/40
H02K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータに対して回転し、回転方向にN極およびS極が交互に現れるように並べられた複数のマグネットを有するロータと、
前記ステータに装着され、前記ロータの回転状態を検出するセンサユニットと、
を備えた回転電機であって、
前記ステータは、
取付対象物に固定される環状の本体部と、
前記本体部の径方向外側に放射状に突出された複数のティースと、
前記ティースに装着されたインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ティースに巻装されたコイルと、
を有し、
前記センサユニットは、
前記本体部に固定される第1固定部と、
センサ素子が電気的に接続されたセンサ基板と、
前記複数のティースのうちの隣り合うティースの先端部の間に設けられ、前記センサ基板を収容するセンサ収容部と、
前記センサ収容部に設けられ、前記取付対象物に固定される第2固定部と、
を備え、
前記先端部は、前記本体部の周方向に突出された突出部を有し、
前記センサ収容部は、前記本体部の径方向において前記突出部の内側から当該突出部に当接される第1当接部および前記本体部の径方向において前記突出部の外側から当該突出部に当接される第2当接部を有し、
前記突出部と前記第1当接部との間
にのみ、前記インシュレータが介在していることを特徴とする、
回転電機。
【請求項2】
前記センサ収容部は、前記ステータの軸方向に延在され、
前記第1当接部および前記第2当接部が、それぞれ前記センサ収容部の長手方向全域に設けられていることを特徴とする、
請求項
1に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータと、ステータに対して回転するロータと、ロータの回転状態を検出するセンサユニットと、を備えた回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車等のエンジンの始動には、スタータまたはACGスタータが用いられている。「ACG」とは、「Alternating Current Generator」の略であり、ACGスタータは、エンジンの始動時にはクランクシャフトを回転させるスタータモータとして作動し、エンジンの始動後には車載バッテリを充電する発電機として作動する。また、ACGスタータは、クランクの位置を検出して、車載コントローラに最適なプラグの点火や燃料の噴射をさせるようにしている。
【0003】
例えば、特許文献1には、エンジンの始動に用いられる回転電機が記載されている。特許文献1に記載の回転電機は、ロータと、ステータと、センサユニットとを備えている。センサユニットには、ステータの軸方向に延びる複数のカバーが設けられ、これらのカバーの内部には、ロータの回転状態を検出するセンサがそれぞれ収容されている。
【0004】
そして、それぞれのカバーは、隣り合うティースの間の隙間部分に、ステータの軸方向から差し込んで固定されている。具体的には、ティースの先端部に、ステータの周方向に突出した突出部が設けられ、当該突出部をステータの径方向から挟むようにしてカバーが装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された回転電機では、センサユニットを形成するケースの径方向内側が、固定ボルトによりステータに固定され、ケースの径方向外側に、ティースの隙間部分に差し込まれるカバーが配置されている。つまり、特許文献1に記載されたセンサユニットは、所謂「片持ち状態」でステータに支持され、自由端側の部分にセンサが配置されている。
【0007】
また、センサを収容する樹脂材料製のカバーが、複数の電磁鋼板を積層して形成されたステータの突出部に対して、直に接触してかつ摺動するようにして装着されている。
【0008】
これにより、センサユニットを形成するケースの径方向外側(自由端側)が、振動等によりステータに対してガタついてしまい、樹脂製のカバーが金属製のステータに擦れて、カバーのステータとの接触部分が早期に摩耗する虞があった。したがって、カバーがステータの径方向に大きくガタつくようになり、ひいてはカバーの内部に収容されたセンサと電気回路部品との電気的な接続が遮断(断線等)されたり、センサがステータの径方向にずれたりする虞があった。
【0009】
本発明の目的は、センサユニットを形成するセンサ収容部のステータの径方向へのガタつきを防止し、センサユニットの耐久性向上および検出精度向上を図ることができる回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の回転電機では、ステータと、前記ステータに対して回転し、回転方向にN極およびS極が交互に現れるように並べられた複数のマグネットを有するロータと、前記ステータに装着され、前記ロータの回転状態を検出するセンサユニットと、を備えた回転電機であって、前記ステータは、取付対象物に固定される環状の本体部と、前記本体部の径方向外側に放射状に突出された複数のティースと、前記ティースに装着されたインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ティースに巻装されたコイルと、を有し、前記センサユニットは、前記本体部に固定される第1固定部と、センサ素子が電気的に接続されたセンサ基板と、前記複数のティースのうちの隣り合うティースの先端部の間に設けられ、前記センサ基板を収容するセンサ収容部と、前記センサ収容部に設けられ、前記取付対象物に固定される第2固定部と、を備え、前記先端部は、前記本体部の周方向に突出された突出部を有し、前記センサ収容部は、前記本体部の径方向において前記突出部の内側から当該突出部に当接される第1当接部および前記本体部の径方向において前記突出部の外側から当該突出部に当接される第2当接部を有し、前記突出部と前記第1当接部との間にのみ、前記インシュレータが介在していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の回転電機によれば、センサユニットは、ステータの本体部に固定される第1固定部と、センサ基板を収容するセンサ収容部に設けられ、取付対象物に固定される第2固定部とを備え、ティースの突出部とセンサ収容部の第1当接部との間にのみ、インシュレータを介在させている。
【0012】
これにより、センサ収容部がステータの径方向にガタつくことが防止されて、センサ素子が損傷したり位置ずれを起こしたり、さらにはセンサ基板のはんだにクラックが発生する等の不具合の発生が抑えられる。よって、センサユニットの耐久性向上および検出精度向上を図ることができる。
【0013】
また、仮にセンサ収容部がステータに対してガタついたとしても、突出部と第1当接部との間にインシュレータが介在しているので、センサ収容部のステータとの接触部分の摩耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】スロット数および極数を説明する説明図である。
【
図3】
図1の回転電機を側方から見た部分断面図である。
【
図4】センサ素子とマグネットとの配置関係を説明する説明図である。
【
図5】センサユニットのハウジングを単体で示す斜視図である。
【
図6】
図3のA-A線に沿う部分拡大断面図である。
【
図8】(a),(b)は、センサユニットのステータへの装着手順を説明する斜視図である。
【
図9】実施の形態2を示す
図7に対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係る回転電機を示す斜視図を、
図2はスロット数および極数を説明する説明図を、
図3は
図1の回転電機を側方から見た部分断面図を、
図4はセンサ素子とマグネットとの配置関係を説明する説明図を、
図5はセンサユニットのハウジングを単体で示す斜視図を、
図6は
図3のA-A線に沿う部分拡大断面図を、
図7は
図6の破線円B部の拡大図を、
図8(a),(b)はセンサユニットのステータへの装着手順を説明する斜視図をそれぞれ示している。
【0017】
図1ないし
図3に示される回転電機10は、所謂ACGスタータであって、自動二輪車等(図示せず)のスタータおよび発電機に用いられるものである。具体的には、回転電機10は、アウターローター型のブラシレスモータと同じ構造を採用している。そして、エンジン(図示せず)を始動する際には、車載バッテリ(図示せず)からの駆動電流の供給によりスタータモータとして作動し、エンジンの始動後には、エンジンの駆動力により発電機として作動する。
【0018】
回転電機10は、その全体が扁平の略円盤形状に形成されており、エンジンを形成するクランクシャフト(図示せず)の軸方向端部に配置されている。具体的には、回転電機10は、クランクケース(図示せず)の内部に設けられた取付ステーST(
図3の二点鎖線参照)に固定されるステータ20と、クランクシャフトに固定されてステータ20に対して回転するロータ30と、を備えている。また、ステータ20には、ロータ30の回転状態を検出するセンサユニット40が装着されている。
【0019】
これにより、スタータとしての作動時には、回転電機10に所定のタイミングで駆動電流が供給されて、ロータ30の回転に伴ってクランクシャフトが連れ回される。これとは逆に、発電機としての作動時には、所定の点火タイミングおよび燃料噴射タイミングでエンジンが駆動されて、クランクシャフトの回転に伴ってロータ30が連れ回される。
【0020】
ステータ20は、複数の鋼板(磁性体)を積層してなるステータコア21を備えている。ステータコア21は、環状に形成された本体部21aと、本体部21aの径方向外側に放射状に突出された複数のティース21bと、を備えている。具体的には、ティース21bは合計18個設けられ、ティース21bの基端部が本体部21aに一体に連結されている。言い換えれば、ステータコア21には、合計18個のスロットSL(
図2参照)が設けられている。
【0021】
スロットSLには、U相に対応したU相コイルCuと、V相に対応したV相コイルCvと、W相に対応したW相コイルCwとが、それぞれステータコア21の周方向に順番に配置されている。具体的には、各コイルCu,Cv,Cwは、ロータ30の回転方向に対して、U相コイルCu,V相コイルCv,W相コイルCw,U相コイルCu,V相コイルCv…のように、一相ずつ交互に現れるようにそれぞれティース21bに集中巻で巻装されている(
図2参照)。そのため、ステータ20の周方向に沿うティース21bの本体部分(コイルが巻装される部分)の厚み寸法は、比較的薄肉となっている。
【0022】
ティース21bの先端部21c(
図2参照)には、ステータ20(本体部21a)の周方向両側にそれぞれ突出された突出部21dが一体に設けられている。そして、ステータ20の周方向に沿う突出部21dの厚み寸法(長さ寸法)は、ティース21bの本体部分の厚み寸法よりも肉厚となっている。これにより、突出部21dの部分において、隣り合うティース21bの間隔を狭くすることができる。その結果、ロータ30は、脈動(コギング)が抑えられた状態で、スムーズに回転可能となる。
【0023】
合計18個のティース21bには、特に、
図6に示されるように、プラスチック等の絶縁体よりなるインシュレータ22がそれぞれ装着されている。インシュレータ22は薄肉となっており、ティース21bの周囲および本体部21a(
図1参照)の外周部分を覆っている。ただし、ティース21bの突出部21dの部分においては、
図7に示されるように、突出部21dの裏面BFの周辺にのみインシュレータ22が装着されている。すなわち、ステータ20の周方向に沿う突出部21dの第1側面SS1の一部および第2側面SS2の部分と、突出部21dのマグネットMG(
図2参照)との対抗面AFの部分とは、インシュレータ22で覆われていない。
【0024】
インシュレータ22は、ティース21bと各コイルCu,Cv,Cwとの間を絶縁している。すなわち、各コイルCu,Cv,Cwは、インシュレータ22を介してそれぞれのティース21bに巻装されている。ここで、
図1では、各コイルCu,Cv,Cwの巻装状態を分かり易くするために、各コイルCu,Cv,Cwにそれぞれ網掛けを施している。また、
図6では、ティース21bとセンサ収容部47との配置関係を分かり易くするために、各コイルCu,Cv,Cwの図示を省略している。
【0025】
図1ないし
図3に示されるように、ロータ30はロータ本体31を備えている。ロータ本体31は、比較的厚みのある鋼板(磁性材料)をプレス加工等することで略お椀形状に形成され、略円盤状に形成された底壁部31aと、当該底壁部31aの外周部分から垂直に立ち上がった筒状の側壁部31bと、を備えている。
【0026】
また、底壁部31aの回転中心には、クランクシャフトの軸方向端部が固定される筒状のボス部32が固定されている。これにより、ロータ本体31の回転に伴ってクランクシャフトが回転される。ここで、ボス部32の肉厚は、ロータ本体31の肉厚よりも厚くなっており、ボス部32の重量は、比較的大きくなっている。これにより、回転電機10とクランクシャフトとの固定強度が十分に確保され、かつ高速回転時等における回転ムラの発生が抑えられて、クランクシャフトおよび回転電機10の双方に掛かる負荷が低減される。
【0027】
筒状に形成された側壁部31bの径方向内側、つまり側壁部31bのステータコア21側には、合計12個のマグネットMGが装着されている。これらのマグネットMGはフェライト磁石を採用している。なお、ネオジウム磁石等の他の磁石を使用することもできる。マグネットMGは、
図2の網掛け部分に示されるように、筒状の側壁部31b(
図1参照)の形状に倣って略円弧形状に形成されている。なお、これらのマグネットMGは、側壁部31bに対して、接着剤等(図示せず)により強固に固定されている。
【0028】
また、合計12個のマグネットMGは、略筒状に形成されたマグネットホルダHDにより、ロータ本体31の径方向内側から側壁部31bに向けて押さえ付けられている。よって、それぞれのマグネットMGが、側壁部31bから脱落することが防止される。なお、マグネットホルダHDは、可撓性を有する薄いステンレス鋼板やSP材(冷間圧延鋼板)等によって形成され、それぞれのマグネットMGを側壁部31bの周方向に対して等間隔で位置決めする機能も備えている。これにより、各マグネットMGの側壁部31bに対する固定作業を容易にして、回転電機10の組み立て作業性を向上させている。
【0029】
ここで、
図4に示されるように、合計12個のマグネットMGのうちの11個は、ステータコア21(各センサSu,Sv,Sw,Sr)と対向する対向部SFに1つの磁極のみを有する標準マグネット33となっている。これに対し、合計12個のマグネットMGのうちのその他の1個は、ステータコア21(各センサSu,Sv,Sw,Sr)と対向する対向部SFに2つの磁極を有する2段マグネット34となっている。
【0030】
そして、これらの複数のマグネットMG(11個の標準マグネット33および1個の2段マグネット34)は、ロータ30の回転方向にN極およびS極が交互に現れるように並べられている。
【0031】
図1および
図3に示されるように、ステータコア21の軸方向一側、つまりステータコア21の軸方向に沿う底壁部31a側とは反対側には、センサユニット40が設けられている。センサユニット40は、ステータ20の周方向に沿う一部分を覆うようにして設けられている。
【0032】
センサユニット40は、プラスチック等の絶縁体により略T字形状に形成されたハウジング41を備えている。ハウジング41は、
図1および
図5に示されるように、第1固定部42,第2固定部43,橋渡し部44およびセンサホルダ部45を備えている。
【0033】
第1固定部42は、略扇形状に形成されており、ステータコア21の本体部21aに対して、固定ボルトBT(
図1参照)により強固に固定されている。なお、固定ボルトBTは、ステータ20の軸方向他側(底壁部31a側)から、締結治具(図示せず)によりねじ込まれるようになっている。このように、センサユニット40は、ステータコア21、つまり回転電機10の非回転部分に固定される。
【0034】
第2固定部43は、略環状に形成されており、側壁部31bよりも径方向外側に突出して設けられている(
図1参照)。そして、第2固定部43は、クランクケースの内部に設けられた取付ステーST(
図3の二点鎖線参照)に対して、固定ボルト(図示せず)により強固に固定される。
【0035】
このように、センサユニット40の橋渡し部44およびセンサホルダ部45を挟む両側の部分が、非回転部分であるクランクケースの内部の取付ステーSTに固定される。すなわち、本実施の形態に係るセンサユニット40は、従前のような所謂「片持ち状態」で支持されず、所謂「両持ち状態」で支持される。ここで、クランクケースの内部に設けられた取付ステーSTは、本発明における取付対象物を構成している。
【0036】
図5に示されるように、第1固定部42と第2固定部43との間に、橋渡し部44およびセンサホルダ部45が配置されている。橋渡し部44は、ステータコア21の径方向内側、つまり第1固定部42寄りの部分に設けられ、センサホルダ部45は、ステータコア21の径方向外側、つまり第2固定部43寄りの部分に設けられている。
【0037】
橋渡し部44は、略板状に形成されており、ステータ20を形成する各コイルCu,Cv,Cwの部分を覆うようにして設けられている。そして、橋渡し部44は、センサホルダ部45の内側(第1固定部42側)を支持している。ここで、橋渡し部44は、各コイルCu,Cv,Cwに対して非接触の状態となっており、各コイルCu,Cv,Cwの表面の絶縁被膜(図示せず)を傷付けたりすることは無い。
【0038】
センサホルダ部45は、ステータコア21の径方向外側の部分に設けられ、センサホルダ部45の外側(第2固定部43側)は、第2固定部43によって支持されている。すなわち、センサホルダ部45の径方向内側および径方向外側は、第1固定部42および第2固定部43の双方に支持されている。したがって、センサホルダ部45は、振動等によりステータ20に対してガタつくことが抑えられている。
【0039】
センサホルダ部45は、略円弧形状に形成されたホルダ本体46と、当該ホルダ本体46からステータ20の軸方向に延びた3つのセンサ収容部47と、を備えている。すなわち、第2固定部43は、ホルダ本体46を介して3つのセンサ収容部47に一体に設けられており、これにより3つのセンサ収容部47のステータ20に対するガタつきが効果的に抑えられる。具体的には、3つのセンサ収容部47は、ホルダ本体46からロータ本体31の底壁部31aに向けて延在されている(
図3参照)。
【0040】
3つのセンサ収容部47は、何れも同様の形状に形成されており、
図5および
図6に示されるように、ステータ20の軸方向に延びる中空の棒状となっている。センサ収容部47の基端部は、ホルダ本体46に一体に連結されており、センサ収容部47は、その基端部から先端部に亘って同じ横断面形状に形成されている。そして、センサ収容部47の内部には、センサ素子としての各センサSu,Sv,Sw,Sr(
図3および
図4参照)が実装されたセンサ基板SBが収容されている。
【0041】
なお、各センサSu,Sv,Sw,Srが実装されたセンサ基板SBは、硬化されたモールド樹脂MRにより、センサ収容部47の内部の規定位置に精度良く位置決めされている。また、センサ基板SBに実装された各センサSu,Sv,Sw,Sr側が、ロータ30のマグネットMGと対向している。
【0042】
ホルダ本体46の長手方向に沿うセンサ収容部47の両側(
図6中左右側)には、第1当接部47aおよび第2当接部47bが、それぞれ一体に設けられている。これらの第1,第2当接部47a,47bは、センサ収容部47の両側からそれぞれ所定の高さで突出されており、ホルダ本体46の短手方向に沿う第1当接部47aと第2当接部47bとの間の窪み部分に、ティース21bの突出部21dにおける先端部分が入り込んでいる(
図6参照)。
【0043】
ここで、第1当接部47aおよび第2当接部47bは、何れもセンサ収容部47の長手方向全域に亘って設けられている。これにより、センサユニット40を射出成形する際に用いる上下金型(図示せず)の形状を、簡素化することが可能となっている。よって、センサユニット40の製造コストを下げることが可能となる。
【0044】
そして、
図6および
図7に示されるように、センサ収容部47の第1当接部47aは、ステータコア21を形成する本体部21aの径方向において、突出部21dの内側から当該突出部21dに対して、インシュレータ22を介して当接されている。これに対し、センサ収容部47の第2当接部47bは、ステータコア21を形成する本体部21aの径方向において、突出部21dの外側から当該突出部21dに対して、直に当接されている。
【0045】
具体的には、
図7に示されるように、第1当接部47aは、突出部21dの裏面BFに対して、インシュレータ22を介して、接触部分CP1の部分で略線接触されている。ここで、第1当接部47aの横断面形状は、略半円形状となっている。これにより、第1当接部47aおよびインシュレータ22は、互いに略線接触された状態となる。
【0046】
また、第2当接部47bは、突出部21dの第2側面SS2に対して、接触部分CP2の部分で直に略線接触されている。ここで、第2当接部47bの横断面形状においても、略半円形状となっている。これにより、第2当接部47bおよび第2側面SS2は、互いに略線接触された状態となる。
【0047】
よって、ステータ20に装着されたセンサユニット40における特に3つのセンサ収容部47の部分が、
図6の矢印Moutの方向およびMinの方向に小刻みに往復移動することが防止される。つまり、3つのセンサ収容部47が、ステータ20の径方向にそれぞれガタつくことが防止される。
【0048】
そして、突出部21dと第1当接部47aとの間にのみインシュレータ22を介在させ、さらに接触部分CP1の部分および接触部分CP2の部分において略線接触させている。したがって、隣り合うティース21bの先端部21cの間に、センサ収容部47を装着する際の装着荷重を小さくすることができ、ひいてはセンサユニット40のステータ20への装着作業を容易にすることができる。特に、第1当接部47aにおいては、インシュレータ22に摺接されるので、第1当接部47aのすり減り等が効果的に抑えられる。
【0049】
図3に示されるように、ホルダ本体46に設けられた3つのセンサ収容部47にそれぞれ収容されたセンサ基板SBには、それぞれU相用センサSu,V相用センサSv,W相用センサSwが実装されている。また、W相に対応したセンサ基板SB(
図3の最も左側)には、点火タイミングおよび燃料噴射タイミングを検出(クランクの位置を検出)するための回転センサSrも実装されている。つまり、これらの4つのセンサSu,Sv,Sw,Srは、それぞれセンサ基板SBに電気的に接続されている。
【0050】
ここで、U相用,V相用,W相用センサSu,Sv,Swの3つは、センサ収容部47の先端側の部分に設けられ、かつロータ30の回転方向に並んで配置されている。また、回転センサSrは、センサ収容部47の基端側の部分に配置されている。
【0051】
これらの4つのセンサSu,Sv,Sw,Srは、それぞれ同じ構成のホール素子(センサ素子)となっている。具体的には、磁極(N極/S極)によりオン/オフが切り替わる交番検知型(バイポーラ)のホール素子を採用している。例えば、N極を検出すると「オン信号(1)」を発生し、S極を検出すると「オフ信号(0)」を発生する。
【0052】
これにより、合計12個のマグネットMG(
図4参照)を有するロータ30の回転に伴って、各センサSu,Sv,Sw,Srは、それぞれ矩形波信号(図示せず)を出力する。よって、車載コントローラ(図示せず)は、これらの矩形波信号の入力に基づいて、ロータ30の回転状態を把握して、各コイルCu,Cv,Cwに対して最適なタイミングで駆動電流を供給することができる。また、車載コントローラは、点火タイミングおよび燃料噴射タイミングを把握して、イグナイターや燃料ポンプ(図示せず)を制御することができる。
【0053】
図3および
図6に示されるように、U相用センサSu,V相用センサSv,W相用センサSw,回転センサSrは、それぞれセンサ基板SBを介して、隣り合うティース21bの先端部21cの間(スロットSLの部分)に入り込んでいる。ここで、ステータコア21の軸方向に沿うW相用センサSwと回転センサSrとの離間寸法Lは、約5.0mmに設定されている。
【0054】
このように、各センサSu,Sv,Sw,Srは、何れもステータコア21に対して固定され、そのうちの1つの回転センサSrのみが、駆動用の各センサSu,Sv,Swに対して、ロータ30の軸方向にずれて配置されている。ここで、各センサSu,Sv,Sw,Srは、何れも合計12個のマグネットMG(
図4参照)に対して、回転電機10の径方向内側から対向するようになっている。これにより、各センサSu,Sv,Sw,Srは、ロータ30の回転に伴う磁極(N極/S極)の変化により、矩形波信号をそれぞれ出力する。
【0055】
図4に示されるように、各センサSu,Sv,Sw,Srは、合計12個のマグネットMGに対して相対移動(相対回転)して、それぞれのマグネットMGのエッジ部分PN,PSに差し掛かったときに、それぞれの磁極を検出する。例えば、各センサSu,Sv,Sw,Srは、N極のエッジ部分PNに差し掛かると「オン信号(1)」を発生し、S極のエッジ部分PSに差し掛かると「オフ信号(0)」を発生する。
【0056】
そして、3つのU相用センサSu,V相用センサSv,W相用センサSwは、それぞれ2段マグネット34の第1対向部34a(S極)と対向するようになっており、1つの回転センサSrは、2段マグネット34の第2対向部34b(N極)と対向するようになっている。
【0057】
合計12個のマグネットMGと、各センサSu,Sv,Sw,Srとの位置関係は、
図4に示される位置関係となる。
図4は、ロータ本体31の筒状の側壁部31b(
図3参照)を平面状に展開した模式図となっている。
【0058】
各マグネットMGの幅寸法Wは約30mmに設定され、各マグネットMGの高さ寸法Hは約25mmに設定されている。また、ロータ30の回転方向に沿う各マグネットMGの間隔寸法Gは約2mmに設定されている。そして、各マグネットMGのエッジ部分PN,PSのピッチP1は30度に設定されている。このピッチP1(30度)は、ロータ30の回転方向に沿う各マグネットMGの配置間隔と一致しており、「360度÷12極」に基づいて得られる。
【0059】
これに対し、駆動用の各センサSu,Sv,SwのピッチP2は20度に設定されている。このピッチP2(20度)は、ロータ30の回転方向に沿う各スロットSL(
図2参照)の配置間隔と一致しており、「360度÷18スロット」に基づいて得られる。このように、本実施の形態における回転電機10は、[12極18スロット]のブラシレスモータを形成している。これにより、コギングトルクの発生が抑えられた滑らかな回転駆動が可能となっている。
【0060】
図4に示されるように、標準マグネット33および2段マグネット34において、薄い網掛け部分がS極となっており、濃い網掛け部分がN極となっている。そして、標準マグネット33の対向部SFは1極に着磁され、2段マグネット34の対向部SFは2極に着磁されている。
【0061】
具体的には、2段マグネット34の対向部SFには、大きな表面積を占める第1対向部34aと、第1対向部34aの表面積よりも小さな表面積の第2対向部34bと、が設けられている。そして、第1対向部34aがS極に着磁され、第2対向部34bがN極に着磁されており、第1対向部34aの磁極および第2対向部34bの磁極が互いに異なっている。
【0062】
2段マグネット34の第2対向部34bは、第1対向部34aに比して大分小さくなっている。言い換えれば、第2対向部34bは、ロータ30の回転方向に帯状に延在されている。そして、第1対向部34a(大)と第2対向部34b(小)との間には、磁極の境界を示す境界部BLが設けられている。ここで、2段マグネット34の対向部SF上に設けられる境界部BLは、S極に着磁された第1対向部34aとN極に着磁された第2対向部34bとの境界線となっている。
【0063】
さらに、
図3および
図4に示されるように、境界部BLの近傍には、仮想線(二点鎖線)で示されるように、検出境界線LNが形成されている。検出境界線LNは、W相用センサSwと回転センサSrとの間の丁度真ん中に配置され、当該検出境界線LNの第1対向部34a側(図中下側)が、駆動用の各センサSu,Sv,Swが磁極の変化を検出し得る第1検出領域AR1となっている。これに対し、検出境界線LNの第2対向部34b側(図中上側)が、回転センサSrが磁極の変化を検出し得る第2検出領域AR2となっている。なお、検出境界線LNは、境界部BLよりも第1対向部34a側に若干オフセットされている(ずれている)。
【0064】
ここで、駆動用の各センサSu,Sv,Swの検出精度および回転センサSrの検出精度をそれぞれ向上させるためにも、ロータ30の軸方向に対する検出境界線LNの位置と境界部BLの位置とを、完全に一致させることが望ましい。このようにすることで、他方の磁極に影響を受けること無く、それぞれの磁極を精度良く検出することが可能となる。しかしながら実際には、構成部品の寸法精度がばらついたり、ステータ20に対するロータ30の軸ずれが生じたりするため、検出境界線LNの位置と境界部BLの位置とを完全に一致させることは困難である。
【0065】
そこで、駆動用の各センサSu,Sv,Swが、より高精度に磁極の変化を検出可能となるように、設計上において、検出境界線LNを中心として、第2対向部34b側に第1対向部34aのS極を少しだけはみ出させている。これにより、駆動用の各センサSu,Sv,Swの検出精度が十分に確保され、回転電機10をスタータモータとして確実に駆動させることが可能となっている。
【0066】
ここで、
図4に示されるように、駆動用の各センサSu,Sv,SwのピッチP2は20度となっている。そのため、駆動用の各センサSu,Sv,Swは、1つのマグネットMGに対して同時に対向することが無い。そして、駆動用の各センサSu,Sv,Swが、それぞれ異なるタイミングで矩形波信号を出力することで、車載コントローラはロータ30の回転状態(回転方向や回転速度等)を把握するようになっている。
【0067】
ここで、回転センサSrは、ロータ30が1回転する間に、2段マグネット34の部分において3回連続でN極と対向することになる。つまり、駆動用の各センサSu,Sv,Swが出力する矩形波信号の長さを「1」としたときに、駆動用の各センサSu,Sv,Swは、常に長さが「1」の矩形波信号を出力する。これに対し、回転センサSrは、3回連続してN極と対向すると、長さが「3」の矩形波信号を出力する。したがって、車載コントローラは、回転センサSrからの長い矩形波信号の入力に基づいて、ロータ30が1回転したことを把握することができる。
【0068】
このようにして、本実施の形態に係る回転電機10では、スタータモータとして効率良く回転駆動させることができ、かつ点火タイミングや燃料噴射タイミングを確実に検出することが可能となっている。
【0069】
なお、
図4に示されるように、回転センサSrは、ロータ30の軸方向に対して、N極に着磁された第2対向部34bから第1対向部34a側とは反対側に少しだけはみ出た位置に配置されている。これにより、回転センサSrは、検出境界線LNを中心として第2対向部34b側に少しだけはみ出た第1対向部34aのS極の影響を受け難くなっている。よって、回転センサSrの検出精度の低下も効果的に抑えられている。
【0070】
次に、以上のように形成された回転電機10の組み立て手順、特に、センサユニット40のステータ20への装着手順について、図面を用いて詳細に説明する。なお、
図8におけるセンサユニット40では、モールド樹脂MR(
図1および
図6参照)の図示を省略している。
【0071】
まず、
図8(a)に示されるように、別の製造工程を経てそれぞれ組み立てられたステータ20およびセンサユニット40を準備する。次いで、センサユニット40に設けられた3つのセンサ収容部47を、ステータ20に対してその軸方向一側(図中上側)から臨ませる。このとき、それぞれのセンサ収容部47の先端部を、隣り合うティース21bにおける先端部21cの間に向けるようにする。その後、矢印Mに示されるように、3つのセンサ収容部47を先端部21cの間にそれぞれ差し込む。
【0072】
これにより、
図6および
図7に示されるように、ティース21bの突出部21dが、センサ収容部47の第1当接部47aと第2当接部47bとの間に挟まれるようにして配置される。このとき、第1当接部47aはインシュレータ22に摺接され、第2当接部47bは突出部21dに摺接される。
【0073】
ここで、センサ収容部47のステータ20への差し込み部分は、突出部21dの間隔寸法が他の部分(間隔寸法L1)よりも大きい部分である。具体的には、突出部21dの間隔寸法がL2(L2>L1)の部分に、センサ収容部47を差し込むようにする。なお、間隔寸法L2の大きさは、間隔寸法L1の大きさの略2倍となっており、さらには間隔寸法L2の部分がステータ20の周方向に3箇所連続して設けられている。したがって、センサ収容部47が差し込まれる間隔寸法L2の部分は、ステータ20の外観上、目立つようになっており、装着作業性が良好となっている。
【0074】
その後、センサユニット40がステータ20に突き当てられて、3つのセンサ収容部47の先端部21cの間(突出部21dの間)への差し込み動作が終了する。次いで、差し込み動作を終えた状態において、固定ボルトBTを用いて、センサユニット40をステータ20に最終的に固定する。これにより、
図8(b)に示されるように、センサユニット40のステータ20への装着が完了する。
【0075】
以上詳述したように、本実施の形態に係る回転電機10によれば、センサユニット40は、ステータ20の本体部21aに固定される第1固定部42と、センサ基板SBを収容するセンサ収容部47に設けられ、取付ステーSTに固定される第2固定部43とを備え、第1当接部47aと第2当接部47bとの間に突出部21dを配置し、ティース21bの突出部21dとセンサ収容部47の第1当接部47aとの間に、インシュレータ22を介在させている。
【0076】
これにより、センサ収容部47がステータ20の径方向にガタつくことが防止されて、各センサSu,Sv,Sw,Srが損傷したり位置ずれを起こしたりすることが抑えられる。また、センサ基板SBのはんだ(図示せず)にクラックが発生する等の不具合の発生も抑えられる。よって、センサユニット40の耐久性向上および検出精度向上を図ることができる。
【0077】
また、仮にセンサ収容部47がステータ20に対してガタついたとしても、突出部21dと第1当接部47aとの間にインシュレータ22が介在しているので、センサ収容部47のステータ20との接触部分の摩耗を抑えることができる。
【0078】
また、本実施の形態に係る回転電機10によれば、突出部21dと第1当接部47aとの間にのみ、インシュレータ22が介在しているので、センサ収容部47のステータ20との接触部分の摩耗を抑えつつも、インシュレータ22の形状を簡素化して、当該インシュレータ22を小型軽量化することが可能となる。
【0079】
さらに、本実施の形態に係る回転電機10によれば、センサ収容部47は、ステータ20の軸方向に延在され、第1当接部47aおよび第2当接部47bが、それぞれセンサ収容部47の長手方向全域に設けられているので、センサ収容部47のステータ20の径方向へのガタつきを、より効果的に抑えることができる。また、センサユニット40の成形に用いる上下金型の形状を簡素化して、製造コストを低減することができる。
【0080】
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0081】
図9は実施の形態2を示す
図7に対応した断面図を示している。
【0082】
図9に示されるように、実施の形態2においては、ティース21bに設けられる突出部50の形状およびインシュレータ51の形状が異なっている。具体的には、ステータ20の周方向に沿う突出部50の突出高さが、実施の形態1の突出部21d(
図7参照)の突出高さよりも若干小さくなっている。そして、突出部50の第1側面SS1の部分および第2側面SS2の部分にも、インシュレータ51が覆うようにして設けられている。
【0083】
これにより、センサユニット40をステータ20に装着した状態において、センサ収容部47の第1当接部47aおよび第2当接部47bの双方が、インシュレータ51に対して、接触部分CP1および接触部分CP2の部分で、それぞれ略線接触される。すなわち、実施の形態2においては、突出部50と第1当接部47aとの間および突出部50と第2当接部47bとの間の双方に、インシュレータ51が介在している。
【0084】
以上のように形成された実施の形態2においても、上述した実施の形態1と略同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、センサユニット40をステータ20に装着する際に、第1および第2当接部47a,47bの双方がインシュレータ51に摺接されるので、センサ収容部47のステータ20との接触部分の摩耗を、より確実に抑えることが可能となる。
【0085】
また、仮にセンサ収容部47がステータ20に対してガタついたとしても、第1および第2当接部47a,47bの双方がインシュレータ51に当接しているので、振動等に伴う異音の発生を確実に抑えることが可能となる。
【0086】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、第1および第2当接部47a,47bを、それぞれセンサ収容部47の長手方向全域に設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、第1および第2当接部を、それぞれセンサ収容部の長手方向に部分的に設けても良い。また、第1および第2当接部のいずれか一方のみを、センサ収容部の長手方向に部分的に設けても良い。この場合、各センサSu,Sv,Sw,Srのガタつきを抑えるためにも、第1および第2当接部は、各センサSu,Sv,Sw,Srの近傍に設けるのが望ましい。
【0087】
さらに、上記各実施の形態においては、各センサSu,Sv,Sw,Srを、センサ基板SB上に直に実装したものを示したが、本発明はこれに限らず、センサ素子がリード線を介してセンサ基板に電気的に接続されるものにも適用することができる。
【0088】
また、上記各実施の形態においては、回転電機10を、「12極18スロット」のブラシレスモータ構造としたものを示したが、本発明はこれに限らず、他の極数および他のスロット数であっても構わない。
【0089】
さらに、上記各実施の形態においては、回転電機10を、自動二輪車等のスタータおよび発電機に用いられるACGスタータとしたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、耕運機などの農機具や小型船舶の船外機等のエンジンの始動に用いられるACGスタータにも適用することができる。
【0090】
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0091】
10:回転電機,20:ステータ,21:ステータコア,21a:本体部,21b:ティース,21c:先端部,21d:突出部,22:インシュレータ,30:ロータ,31:ロータ本体,31a:底壁部,31b:側壁部,32:ボス部,33:標準マグネット(マグネット),34:2段マグネット(マグネット),34a:第1対向部,34b:第2対向部,40:センサユニット,41:ハウジング,42:第1固定部,43:第2固定部,44:橋渡し部,45:センサホルダ部,46:ホルダ本体,47:センサ収容部,47a:第1当接部,47b:第2当接部,50:突出部,51:インシュレータ,AF:対抗面,AR1:第1検出領域,AR2:第2検出領域,BF:裏面,BL:境界部,BT:固定ボルト,CP1,CP2:接触部分,Cu:U相コイル(コイル),Cv:V相コイル(コイル),Cw:W相コイル(コイル),HD:マグネットホルダ,LN:検出境界線,MG:マグネット,MR:モールド樹脂,SB:センサ基板,SF:対向部,SL:スロット,Sr:回転センサ(センサ素子),SS1:第1側面,SS2:第2側面,ST:取付ステー(取付対象物),Su:U相用センサ(センサ素子),Sv:V相用センサ(センサ素子),Sw:W相用センサ(センサ素子)