(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240422BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20240422BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020161306
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】久保田 卓秀
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-140481(JP,A)
【文献】特開2016-207164(JP,A)
【文献】特開2020-024701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物品の在庫状況を取得する第1の取得部と、
店舗の混雑状況を取得する第2の取得部と、
前記在庫状況が閾値未満であるとき、前記混雑状況に基づいて、前記対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択する選択部と、
前記選択部により選択された1以上の通知対象者に通知を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記在庫状況と前記混雑状況との組み合わせに応じて、異なる数の通知対象者を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記在庫状況に関する通知を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の取得部は、前記出力部が前記通知を出力した後に在庫状況を取得し、
前記在庫状況が前記閾値以上であるとき、前記出力部は、前記1以上の通知対象者に前記通知と異なる通知を出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
対象物品の在庫状況を取得することと、
店舗の混雑状況を取得することと、
前記在庫状況が閾値未満であるとき、前記混雑状況に基づいて、前記対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択することと、
選択された1以上の通知対象者に通知を出力することと、
を備える情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
対象物品の在庫状況を取得する第1の取得機能と、
店舗の混雑状況を取得する第2の取得機能と、
前記在庫状況が閾値未満であるとき、前記混雑状況に基づいて、前記対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択する選択機能と、
前記選択機能により選択された1以上の通知対象者に通知を出力する出力機能と、
を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農産物生産者等が自ら値付けを行い、直接店頭に陳列し、消費者に提供する形式の店舗が、道路利用者のための商業施設、いわゆる「道の駅」等に増加している。このような店舗では、店員が商品陳列を行うのではなく、生産者が直接商品を納入し陳列を行うため、在庫の管理が困難である。そのため、特に観光シーズン等の利用者が多い時期には、営業時間中に在庫を切らしてしまい、販売の機会損失が生じ得る。
【0003】
POS(Point Of Sales)データを活用して販売数を割り出す場合は、出荷を行う生産者側で個数管理をする必要があり、生産者に余計な作業を強いることになってしまう。また、同様の商品が複数の生産者から出荷されるため、差別化が難しく、価格競争に陥りがちである。このため、生産者同士の過度な競争の防止、生産者の利益確保が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、商品を補充するための適切な通知を可能にする技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報処理装置は、第1の取得部と、第2の取得部と、選択部と、出力部と、を備える。第1の取得部は、対象物品の在庫状況を取得する。第2の取得部は、店舗の混雑状況を取得する。選択部は、在庫状況が閾値未満であるとき、混雑状況に基づいて、対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択する。出力部は、選択部により選択された1以上の通知対象者に通知を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理サーバの構成例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理サーバによる第1の通知出力処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に情報処理サーバによる第1の通知出力処理における選択処理を例示するマトリクスである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1の通知出力処理における通知の表示例を概略的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理サーバによる第2の通知出力処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る第2の通知出力処理における通知の表示例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【0009】
情報処理システム100は、情報処理サーバ1、管理者用端末2、センサS、及び複数台のカメラCa~Cnを含む。情報処理サーバ1、管理者用端末2、センサS、及びカメラCa~Cnは、ネットワークNaを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークNaは、LAN(Local Area Network)である。ネットワークNaは、無線ネットワークでもいいし、有線ネットワークでもよい。なお、情報処理システム100は、情報処理サーバ1、管理者用端末2、センサS、及びカメラCa~Cnのうちの少なくとも2つの機器を含むシステムを指すこともある。情報処理システム100は、例えば、道の駅等の商業施設において用いられる。以下では、商業施設を店舗という。
【0010】
情報処理サーバ1は、データを収集し、収集したデータを処理する装置である。情報処理サーバ1は、ネットワークNbを介して複数台のユーザ端末3と通信自在に接続する。例えば、ネットワークNbは、インターネット、携帯電話ネットワーク又はLAN等の1以上のネットワークで構成される。例えば、ユーザ端末3は、店舗に物品を納入する生産者又は納入者の所持する端末である。例えば、ユーザ端末は、スマートフォン、タブレット端末又はPC(Personal Computer)等である。情報処理サーバ1は、情報処理装置の一例である。情報処理サーバ1の構成例については後述する。
【0011】
管理者用端末2は、他の機器と通信可能な機器である。管理者用端末2は、例えば、店舗の管理者が使用する機器である。例えば、管理者用端末2は、スマートフォン、タブレット端末又はPC等である。管理者用端末2は、入力部及び表示部を含む。入力部は、管理者による入力を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部は、表示部に積層されたタッチパッド又はキーボードである。表示部は、各種の情報を表示する要素である。例えば、表示部は、液晶ディスプレイである。管理者は管理者用端末2を介して、在庫状況、混雑状況等の入力を行うことが可能である。本実施形態において、在庫状況は、店舗内の商品棚に陳列されている商品の数量に関する情報である。混雑状況は、店舗内の客の人数に関する情報である。
【0012】
センサSは、例えば店舗の出入口に配置され、検出範囲で取得したデータを出力する。センサSは、例えば人流センサである。センサSは、施設の出入口から客が入ったことを検出し、客が入った回数の合計を来店人数として計測するためのセンサの一例である。センサSは、カメラでもいいし、レーザセンサでもいいし、その他のセンサでもよい。例えば、情報処理サーバ1は、センサSにより取得されるデータに基づき、施設内の人口密度を計算する。施設内の人口密度は、施設内の混雑度に対応する。混雑度は、混雑状況の一例である。なお、混雑状況は、現在の混雑状況でもよく、現在の混雑状況から予測されたものでもよい。
【0013】
複数のカメラCa~Cnは、店舗内に分散配置される。カメラCa~Cnは、例えば天井又は壁面に取着され、それぞれの撮像範囲で商品棚の画像データを取得する。カメラCa~Cnは、取得した画像データを出力する。例えば、情報処理サーバ1は、カメラCa~Cnにより取得される画像データに基づき、物品の在庫状況を算出する。一例では、在庫状況は、物品が配置される区画の面積に対して物品が占める占有割合又は占有率を示す。別の例では、在庫状況は、所定の基準在庫数に対する現在の物品数の割合を示す。在庫状況は、商品棚に配置される物品毎に算出されてもよく、物品が配置される商品棚の区画ごとに算出されてもよい。
【0014】
図2は、実施形態に係る情報処理サーバの構成例を概略的に示すブロック図である。
【0015】
情報処理サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を含むコンピュータである。情報処理サーバ1を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
図1では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0016】
プロセッサ11は、情報処理サーバ1の中枢部分に相当する。例えば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されているプログラムをメインメモリ12に展開する。プログラムは、情報処理サーバ1のプロセッサ11に後述する各部を実現又は実行させるプログラムである。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開されるプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0017】
メインメモリ12は、情報処理サーバ1の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ12は、プログラムを記憶する。
【0018】
補助記憶デバイス13は、情報処理サーバ1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス13は、上述のプログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11での処理によって生成されるデータを記憶する。補助記憶デバイス13は、上述のプログラムを記憶する。補助記憶デバイス13は、記憶部の一例である。
【0019】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークNaを介して、情報処理サーバ1を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークNbを介して、情報処理サーバ1を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0020】
なお、情報処理サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。情報処理サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0021】
上述のプロセッサ11に実装される各部について説明する。
プロセッサ11は、第1の取得部110、判断部111、第2の取得部112、選択部113、及び出力部114を実装する。プロセッサ11に実装される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ11に実装される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実装されるということもできる。
【0022】
第1の取得部110は、対象物品の在庫状況を取得する。対象物品は、店舗内の任意の物品である。
【0023】
判断部111は、第1の取得部110により取得された在庫状況が閾値未満であるか否かを判断する。閾値は、対象物品が配置される商品棚の区画に対する対象物品の占有率、又は所定の基準在庫数に対する現在の対象物品数の割合であり、3分の2、3分の1、60%、40%等の数値である。閾値は、予め設定されてもよく、管理者により適宜設定又は更新されてもよい。閾値未満は、在庫に関する基準を満たさない状態に対応する。閾値以上は、在庫に関する基準を満たす状態に対応する。
【0024】
第2の取得部112は、店舗の混雑状況を取得する。
【0025】
選択部113は、第1の取得部110により取得された在庫状況が閾値未満であるとき、第2の取得部112により取得された混雑状況に基づいて、1以上の通知対象者を選択する。在庫状況が閾値未満であるときは、在庫状況が閾値未満である場合に対応する。選択部113は、対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択する。通知候補者は、例えば、対象物品を納入する生産者又は納入者である。通知候補者は、対象物品と関連付けられていてもよく、対象物品が配置される商品棚の区画と関連付けられていてもよい。通知対象者は、通知候補者のうち、通知を出力する対象となる生産者又は納入者である。
【0026】
出力部114は、選択部113により選択された1以上の通知対象者に通知を出力する。通知対象者に通知を出力することは、通知対象者のユーザ端末3に通知を出力することに対応する。
【0027】
なお、第1の取得部110、判断部111、第2の取得部112、選択部113及び出力部114は、プログラムを実行することでプロセッサ11に実装されるものとして説明したが、これに限定されない。第1の取得部110、第2の取得部112及び出力部114は、情報処理サーバ1と他の機器との間のデータ通信に関するものである。そのため、通信インタフェース14が第1の取得部110、第2の取得部112及び出力部114の一例であってもよい。第1の取得部110、第2の取得部112及び出力部114は、プログラムを実行することでプロセッサ11と通信インタフェース14との協働で実現されてもよい。
【0028】
情報処理システム100による第1の通知出力処理の手順について説明する。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0029】
ここでは、カメラCaによる画像データ取得範囲における在庫状況を取得する場合を想定する。対象物品は、「ニンジン」であり、「ニンジン」が配置される商品棚における区画は、区画Baであるとして説明する。
【0030】
図3は、実施形態に係る情報処理サーバによる第1の通知出力処理の手順を例示するフローチャートである。
【0031】
第1の取得部110は、対象物品の在庫状況を取得する(ACT1)。ACT1では、例えば、第1の取得部110は、通信I/F14を介して、カメラCaから対象物品である「ニンジン」の画像データを取得する。例えば、第1の取得部110は、カメラCaから取得した画像データに基づき、「ニンジン」の在庫状況を算出する。一例では、在庫状況は、「ニンジン」が配置される区画Baの面積に対して「ニンジン」が占める占有割合又は占有率を示す。別の例では、在庫状況は、所定の基準在庫数(例えば、20袋等)に対する現在の物品数の割合を示す。
【0032】
例えば、在庫状況は、「1」、「3分の2」、「3分の1」、「0」、又は「100%」、「60%」、「40%」、「0%」等の数値である。在庫状況は、商品棚に配置される物品毎に算出されてもよく、物品が配置される商品棚の区画ごとに算出されてもよい。ここで、「取得」は、「受信」、「計算」又は「算出」を意味する。
【0033】
第1の取得部110は、一定時間間隔で「ニンジン」の在庫状況を取得してもいいし、連続的に「ニンジン」の在庫状況を取得してもよい。一定時間は、予め決まっていてもいいし、管理者により適宜設定又は更新されてもよい。
【0034】
判断部111は、第1の取得部110により取得された在庫状況が閾値未満であるか否かを判断する(ACT2)。ACT2では、例えば、判断部111は、在庫状況を示す数値が設定された閾値未満であるか否かを判断する。在庫状況が閾値未満であるか否かを判断することは、在庫状況が閾値以上から閾値未満に遷移したか否かを判断することを含む。この例では、閾値は、対象物品「ニンジン」が配置される商品棚の区画Baに対する現在配置されているニンジンの占有率である。以下では、閾値が「3分の2」の場合を例に説明する。この例では、判断部111は、在庫状況を示す数値が「3分の2」未満であるか否かを判断する。なお、閾値は、対象物品、時間帯により変更してもよい。
【0035】
判断部111により、在庫状況が閾値未満であると判断された場合(ACT2:YES)、処理はACT2からACT3へ遷移する。在庫状況が閾値未満であることは、在庫状況が閾値以上から閾値未満に遷移したことを含む。判断部111により、在庫状況が閾値未満でないと判断された場合(ACT2:NO)、処理はACT2からACT1へ遷移する。
【0036】
第2の取得部112は、店舗の混雑状況を取得する(ACT3)。ACT3では、例えば、第2の取得部112は、判断部111により、在庫状況を示す数値が「3分の2」未満であると判断された場合、店舗の混雑状況を取得する。この例では、第2の取得部112は、通信I/F14を介して、センサSからデータを取得する。第2の取得部112は、センサSにより取得されるデータに基づき、施設内の混雑状況を算出する。
【0037】
混雑状況は、例えば、センサSにより取得されるデータに基づく値を3段階等の複数のレベルに分類して算出される。まず、第2の取得部112は、センサSにより取得されるデータに基づき、1平米当たりの人数を算出する。次に、第2の取得部112は、算出された1平米当たりの人数が、0~0.4名であれば「レベル1」、0.5~0.7名であれば「レベル2」、0.8名以上であれば「レベル3」と判断する。例えば、「レベル1」は混雑度が低く、「レベル3」は混雑度が高いことを示す。ここで、「取得」は、「受信」、「計算」、「算出」又は「判断」を意味する。
【0038】
なお、ACT2では、第2の取得部112は、判断部111により在庫状況が閾値未満と判断されたことに応答して混雑状況を取得しているが、これに限定されない。第2の取得部112は、判断部111による判断とは独立したタイミングで混雑状況を取得してもよい。
【0039】
選択部113は、第1の取得部110により取得された在庫状況が閾値未満であるとき、第2の取得部112により取得された混雑状況に基づいて、1以上の通知対象者を選択する(ACT4)。ACT4では、例えば、選択部113は、対象物品と関連付けられた複数の通知候補者から1以上の通知対象者をランダムに選択する。例えば、選択部113は、「ニンジン」と関連付けられた複数の生産者又は納入者を通知候補者とし、通知候補者の中から通知を出力する通知対象者を選択する。対象物品と関連付けられた通知候補者は、補助記憶デバイス13に記憶されている。対象物品と関連付けられた通知候補者は、予め設定されていてもよいし、管理者により適宜設定又は更新されてもよい。
【0040】
例えば、選択部113は、在庫状況と混雑状況との組み合わせに応じて、異なる数の通知対象者を選択する。選択部113により選択される通知対象者の数は後述する。
【0041】
例えば、選択部113は、後述する方法で決定された数の通知対象者を、乱数を用いてランダムに選択する。通知対象者の選択方法は、乱数を用いる方法に限られず、通知対象者をランダムに選択できる方法であればよい。
【0042】
この例によれば、情報処理サーバ1は、在庫状況が閾値未満の場合に、混雑状況に応じて納品需要の通知件数を選択することができる。そのため、情報処理サーバ1は、通知件数選択の精度を向上することができる。また、情報処理サーバ1は、通知の対象となる生産者を偏りなく選択することができる。そのため、情報処理サーバ1は、生産者同士の過度な競争を防止し、各生産者の利益確保を図ることができる。
【0043】
出力部114は、選択部113により選択された1以上の通知対象者に通知を出力する(ACT5)。ACT5では、例えば、出力部114は、通信I/F14を介して、1以上の通知対象者に通知を送信する。
【0044】
例えば、出力部114は、1以上の通知対象者に在庫状況に関する通知を出力する。在庫状況に関する通知は、例えば、「在庫が3分の2を切りました」等を示すテキストによる通知である。在庫状況に関する通知は、上述のように現在の在庫状況を示す通知でもよく、納入が必要な量を示す通知、納入を促す通知等でもよい。また、通知は、複数の物品又は区画についての在庫状況を示す通知でもよい。通知は、在庫状況の他に、混雑状況、時刻、通知対象者の数等を含んでもよい。
【0045】
通知は、テキストによる通知に限られず、アイコン、記号等の任意の表示態様によるものでもよい。例えば、出力部114は、電子メール、SMS(Short message service)、アプリケーション等により通知を出力する。ここで、「出力」は、「送信」又は「表示」を意味する。通知の表示例については後述する。
【0046】
この例によれば、情報処理サーバ1は、上述のように選択された1以上の通知対象者に通知を出力することができる。そのため、情報処理サーバ1は、通知対象者の数及び通知のタイミングなど、対象物品を補充するための適切な通知を可能にする。
【0047】
次に、ACT4において選択部113により選択される通知対象者の数について説明する。
図4は、実施形態に情報処理サーバによる第1の通知出力処理における選択処理を例示するマトリクスである。
図4は、在庫状況を示す数値と店舗の混雑状況のレベルの組み合わせによる通知対象者数のパターンを示すマトリクスである。通知対象者数のパターンの情報は、補助記憶デバイス13に記憶されている。通知対象者数のパターンの情報は、予め設定されていてもよいし、管理者により適宜設定又は更新されてもよい。
【0048】
例えば、在庫状況を示す3つの段階と混雑状況のレベルを示す「1」、「2」、「3」の組み合わせにより、選択される通知対象者の数が異なる。在庫状況を示す3つの段階は、「0~1/3(0以上3分の1未満)」、「1/3~2/3(3分の1以上3分の2未満)」、「1」である。以下では、在庫状況の閾値が「3分の2」である場合について説明する。
【0049】
まず、在庫状況が閾値以上の場合は、通知を行わない。この例では、在庫状況が「3分の2」以上の場合は、通知対象者の数は「0」である。次に、在庫状況が閾値未満の場合は、選択部113は、複数の段階に応じて通知対象者の数を選択する。この例では、在庫状況が「3分の2」未満の場合は、さらに在庫状況が「3分の1以上3分の2未満」の場合、「0以上3分の1未満」の場合の2段階に場合分けする。
【0050】
まず、在庫状況が「3分の1以上3分の2未満」の場合について説明する。混雑状況が「レベル1」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「1」を選択する。混雑状況が「レベル2」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「1」を選択する。混雑状況が「レベル3」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「2」を選択する。
【0051】
次に、在庫状況が「0以上3分の1未満」の場合について説明する。混雑状況が「レベル1」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「1」を選択する。混雑状況が「レベル2」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「2」を選択する。混雑状況が「レベル3」であれば、選択部113は、通知対象者の数として「3」を選択する。在庫状況が「0以上3分の1未満」であり、混雑状況が「レベル3」である場合に、一番多い数の通知対象者が選択されるよう設定されている。
【0052】
この例によれば、情報処理サーバ1は、在庫状況が閾値未満の場合に、在庫状況をさらに分類し、在庫状況と混雑状況との組み合わせに応じて異なる数の通知対象者を選択することができる。そのため、情報処理サーバ1は、通知件数選択の精度をさらに向上することができる。
【0053】
なお、この例では、在庫状況が閾値未満である場合、さらに2つの段階に場合分けしたが、これに限られない。閾値未満の在庫状況を3以上の段階に場合分けしてもよいし、複数の段階に場合分けをしなくてもよい。なお、通知を出力する時間帯に応じて、組み合わせに応じた通知対象者の数を変更してもよい。
【0054】
また、選択部113は、通知を出力する時間帯に応じて、異なる通知対象者数のパターンを示すマトリクスを使用してもよい。異なる通知対象者数のパターンの情報は、補助記憶デバイス13に記憶されている。第1のパターンと第2のパターンのうち開店時刻に近いパターンを第1のパターンとし、閉店時刻に近いパターンを第2のパターンとする。通知対象者の数は、在庫状況の段階と混雑状況のレベルで特定される同じ条件で比べると、第1のパターンよりも第2のパターンの方が少ない。これは、閉店時刻に近付くにつれ、対象物品の補充の必要性が減るからである。この例によれば、情報処理サーバ1は、在庫状況と混雑状況に加え、時間帯を考慮して通知件数を選択できる。そのため、情報処理サーバ1は、通知件数選択の精度をさらに向上することができる。
【0055】
図5は、実施形態に係る第1の通知出力処理における通知の表示例を概略的に示す図である。
【0056】
通知は、発信元を特定する表示、対象物品を特定する表示、在庫状況を示す表示を含む。
図5の例では、発信元を特定する表示として「こちら道の駅XXXです」が表示される。また、対象物品と在庫状況を示す表示として「現在ニンジンコーナーの在庫が2/3を切りました」が表示される。通知は、上記の表示の他に、混雑情報、通知を出力した時刻、通知対象者の数等の表示を含んでもよい。通知が在庫状況を含むことで、通知対象者は、店舗に納入する対象物品の適切な数を判断することができる。通知が混雑情報を含むことで、通知対象者は、店舗に対象物品を納入するまでの間に減ると予想される数を考慮し、店舗に納入する対象物品の適切な数を判断することができる。通知が時刻を含むことで、通知対象者は、通知の時刻と現在時刻を比較し、他の通知対象者による対象物品の補充の可能性を考慮し、対象物品の納入の要否を判断することができる。通知が通知対象者の数を含むことで、通知対象者は、他の通知対象者による対象物品の補充を考慮し、店舗に納入する対象物品の適切な数または納入の要否を判断することができる。
【0057】
次に、情報処理システム100による第2の通知出力処理の手順について説明する。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0058】
ここでは、カメラCaによる画像データ取得範囲における在庫状況を取得する場合を想定する。対象物品は、「ニンジン」であり、「ニンジン」が配置される商品棚における区画は、区画Baであるとして説明する。
【0059】
図6は、実施形態に係る情報処理サーバによる第2の通知出力処理の手順を例示するフローチャートである。第2の通知出力処理は、第1の通知出力処理の後に実行される。
【0060】
第1の取得部110は、出力部114が通知を出力した後に在庫状況を取得する(ACT11)。ACT11では、例えば、第1の取得部110は、通信I/F14を介して、カメラCaから対象物品である「ニンジン」の画像データを取得する。例えば、第1の取得部110は、カメラCaから取得した画像データに基づき、「ニンジン」の在庫状況を算出する。在庫状況の算出処理は、ACT1と同様である。
【0061】
判断部111は、第1の取得部110により取得された在庫状況が閾値以上であるか否かを判断する(ACT12)。ACT12では、例えば、判断部111は、在庫状況を示す数値が、設定された閾値以上であるか否かを判断する。在庫状況が閾値以上であるか否かを判断することは、在庫状況が閾値未満から閾値以上に遷移したか否かを判断することを含む。この例では、閾値は、対象物品「ニンジン」が配置される商品棚の区画Baに対する現在配置されているニンジンの占有率である。以下では、閾値が「3分の2」の場合を例に説明する。例えば、判断部111は、在庫状況を示す数値が「3分の2」以上であるか否かを判断する。なお、閾値は、第1の通知出力処理における閾値と同じ値でもよく、異なる値でもよい。また、閾値は、対象物品、時間帯により変更してもよい。
【0062】
判断部111により、在庫状況が閾値以上であると判断された場合(ACT12:YES)、処理はACT12からACT13へ遷移する。在庫状況が閾値以上であることは、在庫状況が閾値未満から閾値以上に遷移したことを含む。判断部111により、在庫状況が閾値以上でないと判断された場合(ACT12:NO)、処理はACT12からACT11へ遷移する。在庫状況が閾値以上ではないことは、在庫状況に関する通知が出力された後に、在庫状況が閾値未満から閾値以上に遷移していないことを含む。
【0063】
出力部114は、在庫状況が閾値以上であるとき、1以上の通知対象者に通知を出力する(ACT13)。ACT13では、例えば、出力部114は、判断部111により在庫状況が閾値以上であると判断されたことに応答して、1以上の通知対象者に通知を出力する。在庫状況が閾値以上であるときは、在庫状況が閾値以上である場合に対応する。例えば、出力部114は、通信I/F14を介して、ACT4において選択部113により選択された1以上の通知対象者に通知を送信する。例えば、出力部114は、ACT5において出力部114により出力された通知と異なる通知を出力する。ACT13において通知が出力される通知対象者は、ACT5において在庫状況に関する通知が出力された者である。
【0064】
出力部114は、1以上の通知対象者に在庫の補充状況を示す通知を出力する。在庫の補充状況を示す通知は、例えば、「在庫が3分の2まで補充されました」等を示すテキストによる通知である。在庫の補充状況を示す通知は、例えば、上述のように在庫が補充され、在庫が閾値以上となったことを示す通知である。在庫の補充状況を示す通知は、在庫が十分であること、又は新たな納入が不要であることを示す通知等でもよい。通知の表示例については後述する。例えば、出力部114は、ACT5と同様の態様で通知を出力する。ここで、「出力」は、「送信」又は「表示」を意味する。
【0065】
この例によれば、情報処理サーバ1は、在庫状況に関する通知を送信した通知対象者に対し、補充状況に関する通知をさらに送信することができる。そのため、情報処理サーバ1は、納品需要の通知処理の精度をさらに向上することができる。また、通知対象者は、更新された在庫状況に従って納入するか否かの判断をすることができる。
【0066】
図7は、実施形態に係る第2の通知出力処理における通知の表示例を概略的に示す図である。
【0067】
通知は、発信元を特定する表示、対象物品を特定する表示、在庫状況を示す表示を含む。
図7の例では、発信元を特定する表示として「こちら道の駅XXXです」が表示される。また、対象物品と在庫の補充状況を示す表示として「現在ニンジンコーナーの在庫が3分の2まで補充されました」が表示される。通知は、上記の表示の他に、通知を出力した時刻、通知対象者の数等の表示を含んでもよい。通知が時刻を含むことで、通知対象者は、通知の時刻と現在時刻を比較し、他の通知対象者による対象物品の補充の可能性を考慮し、対象物品の納入の要否を判断することができる。通知が通知対象者の数を含むことで、通知対象者は、他の通知対象者による対象物品の補充を考慮し、店舗に納入する対象物品の適切な数または納入の要否を判断することができる。
【0068】
なお、上述の例では、管理者が在庫管理を行わない商業施設における通知処理について例示したが、管理者が在庫管理を行う商業施設においても適用可能である。この場合、管理者が在庫状況及び混雑状況を、管理者用端末2を介して入力してもよい。管理者により在庫状況及び混雑状況が入力される場合、カメラCa~Cn及びセンサSは情報処理システム100から省略されてもよい。また、上述の例は、実店舗の在庫管理に限られない。上述の例は、ウェブ上での商品等の在庫管理等種々の在庫管理に適用され得る。
【0069】
実施形態に係る情報処理装置は、情報処理サーバ1を例に説明したように1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0070】
なお、機器の譲渡は一般に、プログラムがメインメモリ又は補助記憶デバイスに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、プログラムがメインメモリ又は補助記憶デバイスに記憶されていない状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、機器が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この機器とは個別に譲渡されたプログラムがユーザ等の操作に応じて書き込まれる。プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ機器が読取可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、機器内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0071】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…情報処理サーバ、2…管理者用端末、3…ユーザ端末、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、100…情報処理システム、110…第1の取得部、111…判断部、112…第2の取得部、113…選択部、114…出力部、Ba…区画、Ca~Cn…カメラ、Na…ネットワーク、Nb…ネットワーク、S…センサ。