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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】サイズ調節機構を含む衣類
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/02 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A41D1/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020565786
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 US2019033542
(87)【国際公開番号】W WO2019226781
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】62/674,836
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516363868
【氏名又は名称】ショック ドクター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】フォークト キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】オリンジャー アンナ マリー
(72)【発明者】
【氏名】カール ザ フォース アダム ピーター
(72)【発明者】
【氏名】フレイザー ジェイムズ クリース
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/096933(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282545(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が着用するように構成された衣類であって、
前方右側の衣類部分と前方左側の衣類部分とを備え、前記前方右側の衣類部分は前記着用者の前面に係合するように構成され、前記前方左側の衣類部分は前記着用者の前面に係合するように構成され、前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分の少なくとも一方はポケットを有し、前記ポケットは開口部を有し、前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分は、前記着用者が前記衣類を着用したときに、前記前方右側の衣類部分と前記前方左側の衣類部分との間に隙間を画定し、
前記着用者が前記衣類を着用したときに、前記隙間をまたいで、前記前方右側の衣類部分と前記前方左側の衣類部分を着脱可能に連結する接続機構を備え、
前記着用者の側面に係合するように構成された側面の衣類部分を備え、前記側面の衣類部分は、前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分の少なくとも一方に対して移動可能であり、
少なくとも前記ポケットの中に配置され、前記側面の衣類部分及び前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分の少なくとも一方を結合する調節システムと、を備え、前記調節システムは、前記開口部を介して前記側面の衣類部分を少なくとも部分的に前記ポケットの中に移動させて前記着用者上の前記衣類のフィット性を調節するために、前記着用者が操作可能であり、
前記調節システムは、
前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分の少なくとも一方と結合した第1のスリップロック式バックルと、
前記前方右側の衣類部分及び前記前方左側の衣類部分の少なくとも一方と結合した第2のスリップロック式バックルと、
前記側面の衣類部分と結合した第1の端部と、前記側面の衣類部分と結合した第2の端部とを備える調節ストラップと、を備え、
前記第1のスリップロック式バックル及び前記第2のスリップロック式バックルは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置され、
前記調節ストラップは、前記第1のスリップロック式バックルと前記第2のスリップロック式バックルとの間に形成されたハンドル衣類部分を備え、
前記ハンドル衣類部分は、前記調節ストラップを前記第1のスリップロック式バックル及び前記第2のスリップロック式バックルを通って移動させ、前記開口部を介して前記第2の衣類部分を少なくとも部分的に前記ポケットの中に移動させて、前記着用者上の前記衣類のフィット性を調節するために、引っ張ることができる、衣類。
【請求項2】
前記調節システムは、前記開口部を介して前記側面の衣類部分を少なくとも部分的に前記ポケットの中に移動させて前記着用者上の前記衣類の胴回りのサイズを調節するために、前記着用者が操作可能である、請求項1に記載の衣類。
【請求項3】
前記調節システムは、前記開口部を介して前記側面の衣類部分を少なくとも部分的に前記ポケットの中に移動させて前記着用者上の前記衣類のフィット性を調節するために、前記着用者が引っ張ることができる、請求項1に記載の衣類。
【請求項4】
さらに、前記着用者の背面に係合するように構成された背面の衣類部分を備える、請求項1に記載の衣類。
【請求項5】
前記側面の衣類部分は、第1の弾性率を有する第1の材料で構成され、前記背面の衣類部分は、第2の弾性率を有する第2の材料で構成され、前記第2の弾性率は、前記第1の弾性率よりも小さい、請求項に記載の衣類。
【請求項6】
前記開口部は第1の開口部であり、前記ポケットは第2の開口部をさらに備える、請求項1に記載の衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年5月22日出願の米国仮特許出願第62/674,836号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、全ての目的で引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本発明は、身体活動の間に着用される衣類に関する。より詳細には、本発明は、身体活動の間に着用されるサイズ調節可能な衣類に関する。
【背景技術】
【0003】
ランニング、ウオーキング、ハイキングなどの身体活動の間に着用されるぴったりフィットしていない衣類は、過度の動きにさらされる場合があり、着用者の動作に心地良くなく、気が散り、及び/又は弊害をもたらす可能性がある。これらの問題は、鍵、財布、電話、水筒などの身の回り品を持ち運ぶためのポケットを含む衣類に関して深刻になる場合がある。従って、ある人は、身体活動の間にぴったりフィットしている衣類を着用することを好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、衣類は一般的にいくつかの標準サイズ(例えば、XXS、XS、S、M、L、XL、及びXXL)で生産されるが、この標準サイズは全ての人にぴったりフィットした状態をもたらすものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の実施例において、本開示による衣類は、ポケットを有する第1の衣類部分を含み、ポケットは開口部を含む。第2の衣類部分は、第1の衣類部分に対して移動可能である。調節システムは、少なくとも部分的にポケットの中に配置され、第2の衣類部分及び第1の衣類部分を結合する。調節システムは、開口部を介して第2の衣類部分を少なくとも部分的にポケットの中に移動させて着用者上の衣類のフィット性を調節するために、着用者が操作可能である。
【0006】
第2の実施例において、第1の実施例の衣類の調節システムは、開口部を介して第2の衣類部分を少なくとも部分的にポケットの中に移動させて着用者上の衣類の胴回りのサイズを調節するために、着用者が操作可能である。
【0007】
第3の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類の調節システムは、開口部を介して第2の衣類部分を少なくとも部分的にポケットの中に移動させて着用者上の衣類のフィット性を調節するために、着用者が引っ張ることができる。
【0008】
第4の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類の調節システムは、第1の衣類部分と結合したスリップロック式バックルを含む。ストラップは、第2の衣類部分と結合し、スリップロック式バックルを通って摺動自在に延びる。ストラップは、開口部を介して第2の衣類部分を少なくとも部分的にポケットの中に移動させて着用者上の衣類のフィット性を調節するために、スリップロック式バックルを通して引っ張ることができる。
【0009】
第5の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類の調節システムは、第1の衣類部分と結合し、第2の衣類部分と摺動自在に結合した案内要素をさらに含む。
【0010】
第6の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類の案内要素は、案内ストラップである。
【0011】
第7の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類は、第2の衣類部分と結合した第3の衣類部分をさらに備え、案内ストラップは、第3の衣類部分に結合される。
【0012】
第8の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、第1の衣類部分は、着用者の前面に係合するように構成され、第2の衣類部分は、着用者の側面に係合するように構成される。
【0013】
第9の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、第2の衣類部分は、第1の弾性率を有する第1の材料で構成され、第3の衣類部分は、第2の弾性率を有する第2の材料で構成され、第2の弾性率は、第1の弾性率よりも小さい。
【0014】
第10の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、案内要素は、第1の案内要素であり、第1の衣類部分と結合し、第2の衣類部分と摺動自在に結合した第2の案内要素をさらに備える。
【0015】
第11の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、第1の案内要素は第1の案内ストラップであり、第2の案内要素は第2の案内ストラップである。
【0016】
第12の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、第2の衣類部分と結合し、第1の衣類部分と摺動自在に結合した第3の案内要素をさらに備える。
【0017】
第13の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、第1の案内要素は第1の案内ストラップであり、第2の案内要素は第2の案内ストラップであり、第3の案内要素は第3の案内ストラップである。
【0018】
第14の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、スリップロック式バックルは第1のスリップロック式バックルであり、調節システムは、第1の衣類部分と結合した第2のスリップロック式バックルをさらに備え、ストラップは、第2の衣類部分と結合した第1の端部と;第2の衣類部分と結合した第2の端部と;第1の端部と第2の端部との間、及び第1のスリップロック式バックルと第2のスリップロック式バックルとの間に配置されたハンドル衣類部分と;を備える。ハンドル衣類部分は、ストラップを第1のスリップロック式バックル及び第2のスリップロック式バックルを通って移動させ、開口部を介して第2の衣類部分を少なくとも部分的にポケットの中に移動させて、着用者上の衣類のフィット性を調節するために、引っ張ることができる。
【0019】
第15の実施例において、上記のいずれかの実施例の衣類であって、開口部は第1の開口部であり、ポケットは第2の開口部をさらに備える。
【0020】
第16の実施例において、本開示による衣類は、ポケットを有する第1の衣類部分を含み、ポケットは開口部を含む。衣類は、第2の衣類部分を含む。調節システムは、ポケットの中に少なくとも部分的に配置される。調節システムは、第1の衣類部分と結合し、第2の衣類部分と摺動自在に結合した案内要素を含み、第2の衣類部分は、開口部を介して少なくとも部分的に前記ポケットの中に移動可能であり、着用者上の衣類のフィット性を調整するようになっている。
【0021】
第17の実施例において、第16の実施例の衣類の案内要素は、案内ストラップである。
【0022】
第18の実施例において、第16の実施例又は第17の実施例の衣類であって、案内要素は第1の案内要素であり、第1の衣類部分と結合し、第2の衣類部分と摺動自在に結合した第2の案内要素をさらに備える。
【0023】
第19の実施例において、第16の実施例から第18の実施例の衣類であって、第1の案内要素は第1の案内ストラップであり、第2の案内要素は第2の案内ストラップである。
【0024】
第20の実施例において、第16の実施例から第19の実施例の衣類は、第2の衣類部分と結合し、第1の衣類部分と摺動自在に結合した第3の案内要素をさらに備える。
【0025】
複数の実施形態が開示されるが、当業者であれば、本発明の例示的な実施形態を示して説明する以下の詳細な説明から本発明のさらに別の実施形態を理解できるはずである。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示であり非限定的と見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】着用者上の衣類のフィット性を調節してしっかり締める前の、本開示の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の側面からの図を示す。
図1B】着用者上の衣類のフィット性を調節してしっかり締めた状態の図1Aのサイズ調節可能な衣類の別の側面からの図を示す。
図2A図1Aのサイズ調節可能な衣類の側面図であり、内部構成要素を示すために衣類の一部が半透明になっている。
図2B図1Aのサイズ調節可能な衣類の側面図であり、他の構成要素が見えるように複数の構成要素が隠されている以外は図2Aと同じである。
図3図1Aのサイズ調節可能な衣類の内部の部分的に分解された正面図である。
図4】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の側面図である。
図5】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の側面図である。
図6】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の部分的に分解された側面図である。
図7A】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の側面図である。
図7B図7Aのサイズ調節可能な衣類の部分的に分解された側面図である。
図8】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の内部の部分的に分解された正面図である。
図9】本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類の内部の部分的に分解された正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面は、本発明の例示的な実施形態の理解を助けることが意図されており必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【0028】
以下の説明は、特定の実施形態を示す添付図面を参照する。特定の実施形態が示されて説明されているが、他の実施形態において追加的な又は代替的な特徴部が用いられることを理解されたい。以下の詳細な説明は、限定的と見なされず、権利主張される発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物に定義される。
【0029】
複数の図面を通して同じ参照番号は同じ構造的な構成要素、要素、部分、又は表面を特定することが意図されており、構成要素、要素、部分、又は表面は明細書全体に詳細に記載又は説明することができ、この詳細な説明は不可欠な部分であることを理解されたい。別途指示されていない限り、各図面は、明細書と一緒に解釈(例えば、クロスハッチング、部品の配置、比率、角度など)されることが意図されており、さらび明細書の一部と見なされる。
【0030】
図1A及び1Bは、本開示の実施形態によるサイズ調節可能な衣類100を示す。一般に、サイズ調節可能な衣類100は、着用者の胴体の前方右側に係合するように構成されている第1の衣類部分102と、着用者の胴体の右側に係合するように構成されている第2の衣類部分104と、用者の胴体の裏側に係合するように構成されている第3の衣類部分106とを含む。また、サイズ調節可能な衣類100は、着用者の胴体の左側に係合するように構成されている第4の衣類部分(他の場所に示されている)及び着用者の胴体の前方左側に係合するように構成されている第5の衣類部分(他の場所に示されている)を含む。衣類100のサイズ(具体的には、衣類100の胴体の周方向のサイズすなわち胴回りのサイズ)を調節するために、第2の衣類部分104は、第1の衣類部分102に対して移動可能(より具体的には平行移動可能)であり、第4の衣類部分は、第5の衣類部分に対して移動可能(より具体的には平行移動可能)である。図1Aに示すように、衣類100は、衣類100を着用する又は脱ぐのを容易にするためにゆったりとすることができる。図1Bに示すように、衣類100は、種々の身体サイズの着用者に対してぴったりフィットしている状態をもたらすために着用者の胴体の周りでしっかり締めることができる。例えば、衣類100は、XXSからM、又はLからXXLの範囲の身体サイズの着用者に対してぴったりフィットしている状態をもたらすために調節することができる。ぴったりフィットしている状態は、ランニング、ウォーキング、ハイキングなどの各種の身体活動の間に衣類100を着用するのに適切な場合がある。衣類100の上記及び追加的な態様は以下に詳細に説明される。
【0031】
一般的に、サイズ調節可能な衣類100は、織物などの1又は2以上の材料を含むことができ、より詳細には、織物は、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル-ポリユリア共重合体などから成る繊維)、天然繊維(例えば、綿、絹、羊毛、麻などから成る繊維)、又はこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態において、サイズ調節可能な衣類100は、弾性などの異なる物理的特性を有する2又は3以上の材料を含むことができる。衣類100のこの態様は以下に詳細に説明される。
【0032】
図2A及び2Bは、サイズ調節可能な衣類100の第1の衣類部分102、第2の衣類部分104、及び第3の衣類部分106をさらに示す。図2Bにおいて、他の構成要素が見えるようにいくつかの構成要素が隠されているが、図2Bは、他の点では図2Aと同じである。第1の衣類部分102は、第1の又は側部の開口部202からアクセス可能なポケット200を含む。第2の衣類部分104は、上述のように着用者上での衣類100のフィット性を調節するためにポケット200の中に移動してその中に部分的に位置することができる。また、第1の衣類部分102は、ポケット200へのアクセスを容易にする第2の又は中間の開口部204を含む。第2の開口部204は、種々の物品(例えば、鍵、IDカード、携帯電話など)をポケット200の中に収納するために用いることができる。また、第2の開口部204の近くにおいて、第1の衣類部分102は、第5の衣類部分に着脱可能に接続するための接続機構206を含む。
【0033】
衣類100は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にして着用者上での衣類100のフィット性を調節するための調節システム208を含む。調節システム208は、第2の衣類部分104をポケット200の中に移動させて着用者上での衣類100のフィット性を調節するために、着用者が操作可能である。
【0034】
調節システム208は、第2の衣類部分104をポケット200の中に移動させるために着用者が引っ張ることができる調節ストラップ210を含む(図2Bでは隠されており、例えば、織物ストラップである)。調節ストラップ210は、ポケット200の中に配置されて第2の衣類部分104と結合した第1の又は上側の端部212を含む。一部の実施形態において、図示するように、第1の端部212は、縫い目214によって第2の衣類部分104と結合することができる。他の実施形態において、第1の端部212は、接着、超音波溶着などの他の方法で第2の衣類部分104と結合することができる。調節ストラップ210は、第1の端部212から第1の衣類部分102に形成された第1の開き口部216及び第1の衣類部分102と結合した第1のスリップロック式バックル218を通って延びる。次に、調節ストラップ210は、第1のスリップロック式バックル218から第1の衣類部分102に形成された第2の開き口部220及び第1の衣類部分102に結合した第2のスリップロック式バックル222を通って延びる。次に、調節ストラップ210は、ポケット200の中に配置されて第2の衣類部分104と結合した第2の又は下側の端部224まで延びる。一部の実施形態において、図示のように、第2の端部224は、縫い目226によって第2の衣類部分104と結合することができる。他の実施形態において、第2の端部224は、接着、超音波溶着などの他の方法で第2の衣類部分104と結合することができる。第1のスリップロック式バックル218と第2のスリップロック式バックル222との間で、調節ストラップ210は、第1のスリップロック式バックル218及び第2のスリップロック式バックル222を通って調節ストラップ210を移動させるために、第2の衣類部分104に向かって引っ張ることができるハンドル衣類部分228を形成する。この操作は、調節ストラップ210を引張って第2の衣類部分104を少なくとも部分的に第1の開口部202を通ってポケット200の中に移動させるようにし、これによって着用者上で衣類100がぴったりフィットする。着用者上での衣類100のフィット性を緩めるために、第1のスリップロック式バックル218及び第2のスリップロック式バックル222は、調節ストラップ210がこれらを通って摺動することができるように枢動させることができる。
【0035】
調節システム208は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にして、第1の衣類部分102に対して移動する際に第2の衣類部分104が変形する(特に、しわになる又はそれ自体が折り重なる)のを防止する、1又は2以上の案内要素をさらに含む。詳細には、調節システム208は、第1の又は上側の案内要素、第2の又は下側の案内要素、及び第3の又は中間の案内要素を含む。第1の案内要素は第1の案内ストラップ230、第2の案内要素は第2の案内ストラップ232、及び第3の案内要素は第3の案内ストラップ234(例えば、織物ストラップ)とすることができる。
【0036】
第1の案内ストラップ230は、第1の衣類部分102と結合する(例えば、図示のように縫い目238で、代替的に接着、超音波溶着などで)第1の端部236(図2B参照)、及び第3の衣類部分106と結合する第2の端部(図示せず)を含む。第1の案内ストラップ230は、第2の衣類部分104の第1の内部通路240(例えば、第2の衣類部分104の2枚の織物シートで形成された)に収容されることで、第2の衣類部分104と摺動自在に結合する(図2B参照)。
【0037】
第2の案内ストラップ232は、第1の衣類部分102と結合する(例えば、図示のように縫い目244で、代替的に接着、超音波溶着などで)第1の端部242(図2B参照)、及び第3の衣類部分106と結合する第2の端部(図示せず)を含む。第2の案内ストラップ232は、第2の衣類部分104の第2の内部通路246(例えば、第2の衣類部分104の2枚の織物シートで形成された)に収容されることで、第2の衣類部分104と摺動自在に結合する(図2B参照)。
【0038】
第3の案内ストラップ234は、第2の衣類部分104と結合する(例えば、図示のように縫い目250で、代替的に接着、超音波溶着などで)第1の端部248、及び第3の衣類部分106と結合する第2の端部(図示せず)を含む。第3の案内ストラップ234は、第1の衣類部分102に形成されて第1の開口部202に隣接した開口部252(例えば、第2の衣類部分104のストラップ254、256の間に形成され、このストラップ254、256は、例えば、開口部252から離れている縫い目258によって結合される)を通って延びることで、第1の衣類部分102と摺動自在に結合する。また、第3の案内ストラップ234は、中間的な場所260で第2の衣類部分104と結合する(例えば、図示のように縫い目262で、代替的に接着、超音波溶着などで)。中間的な場所260及び第1の端部で第2の衣類部分104と結合することで、第3の案内ストラップ234は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の可動域を制限する。すなわち、衣類100のフィット性が緩い場合、第3の案内ストラップ234の第1の端部での縫い目250は、開口部252を定めるストラップ254、256と係合して第2の衣類部分104がポケット200から完全に抜け出るのを阻止する。同様に、衣類100がぴったりフィットする場合、第3の案内ストラップ23の中間位置の縫い目262は、開口部252を定めるストラップ254、256と係合して第2の衣類部分104がさらにポケット200の中に移動するのを阻止する。この態様は、以下に詳細に説明される。
【0039】
図2A及び2Bには、サイズ調節可能な衣類100の第4の衣類部分及び第5の衣類部分が示されていない。しかしながら、第4の衣類部分、第5の衣類部分、及びこの2つの衣類部分を結合する調節システムは、第2の衣類部分104、第1の衣類部分102、及び調節システム208とそれぞれ鏡像関係とすること又は実質的に鏡像関係とすることができる。
【0040】
図3は、図1Aのサイズ調節可能な衣類100の内部の部分的に分解された正面図を示す。第1の衣類部分102及び第5の衣類部分300は、通常は衣類100の肩部の第3の衣類部分106と結合されるが(例えば、縫い目で(図示せず)、代替的に接着、超音波溶着などで)、図3では、明瞭化のためにこれらの構成要素は結合されていない。
【0041】
縫い目302及び304は、それぞれ第2の衣類部分104及び第4の衣類部分306を第3の衣類部分106の比較的弾性のあるセクション308に結合し、このセクション3078は着用者の下背部に係合するように構成されている。比較的弾性のあるセクション308は、第2の衣類部分104及び第4の衣類部分306が第1の衣類部分102及び第5の衣類部分300の中に移動する際に伸びて着用者上で衣類100がぴったりフィットするようにする。この伸びは、着用者上で衣類100がぴったりフィットするにもかかわらず、第2の衣類部分104及び第4の衣類部分306が全体的に変形しないままであることを可能にする(すなわち、しわにならない又は折り重ならない)。比較的弾性のあるセクション308は、上述の織物などの1又は2以上の種々の材料、より具体的には、2方向伸縮織物又は4方向伸縮織物を生成するのに用いられる材料を含むことができる。比較的弾性のあるセクション308は、衣類100の他の衣類部分の材料(例えば、第2の衣類部分104及び/又は第4の衣類部分306を形成する材料)の弾性率よりも小さい弾性率をもつ材料から形成することができる。詳細には、比較的弾性のあるセクション308の弾性率は、他の材料の弾性率の少なくとも10パーセント未満、より具体的には他の材料の弾性率の少なくとも20パーセント未満、さらに具体的には他の材料の弾性率の少なくとも30パーセント未満とすることができる。
【0042】
比較的弾性のあるセクション308は、第1の案内ストラップ230(図示せず)、第2の案内ストラップ232、及び第3の案内ストラップ234(他の場所に示されている)の第2の端部、並びに衣類100の左側の調節システム(図示せず)の案内ストラップの第2の端部と結合する。一部の実施形態において、図示のように、縫い目302は、第1の案内ストラップ230の(図示せず)、第2の案内ストラップ232、及び第3の案内ストラップ234(他の場所に示されている)の第2の端部を比較的弾性のあるセクション308に結合すること、及び縫い目304は、衣類100の左側の調節システム(図示せず)の案内ストラップの第2の端部を比較的弾性のあるセクション308に結合することができる。他の実施形態において、比較的弾性のあるセクション308は、接着、超音波溶着などの他の方法で案内ストラップの第2の端部と結合する。
【0043】
比較的弾性のあるセクション308は、着用者の上背部に係合するように構成されている比較的弾性のないセクション312と結合する(例えば、縫い目で、代替的に接着、超音波溶着などで)。比較的弾性のないセクション312は、上述の織物などの1又は2以上の種々の材料を含むことができる。
【0044】
上述のように、比較的弾性のあるセクション308は、第2の衣類部分104及び第4の衣類部分306がそれぞれ第1の衣類部分102及び第5の衣類部分300の中に移動する際に伸びて着用者上で衣類100がぴったりフィットするようにする。従って、縫い目302及び304、並びに第1及び第2の案内ストラップ230及び232の第2の端部も衣類100の前方に向かって移動し、比較的緩くなる。第3の案内ストラップ234上の縫い目260の存在に起因する、第1の衣類部分102及び第5の衣類部分300のそれぞれに対する第2の衣類部分104及び第4の衣類部分306の制限された可動域は、第1及び第2の案内ストラップ230及び232が過剰に緩くなるのを阻止する。
【0045】
本開示によるサイズ調節可能な衣類の実施形態は、他の種々の形態を取ることができる。例えば。本開示によるサイズ調節可能な衣類の調節システムは、他の種々の形態を取ることができる。具体例として、図4は、本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類400を示す。サイズ調節可能な衣類400は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にする調節システム402以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。一般に、調節システム402は、上述の調節ストラップ210、第1のスリップロック式バックル218、第2のスリップロック式バックル222、及び中間案内ストラップ234を含む。しかしながら、調節システム402は、上側案内ストラップ230(他の場所に示される上述の)及び下側案内部材232(他の場所に示される上述の)を備えていない。
【0046】
他の具体例として、図5は、本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類500を示す。サイズ調節可能な衣類500は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にする調節システム502以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。全体的に、調節システム502は、上述の調節ストラップ210、第1のスリップロック式バックル218、第2のスリップロック式バックル222、上側案内ストラップ230、及び下側案内ストラップ232を含む。しかしながら、調節システム502は、中間案内ストラップ234(他の場所に示される上述の)を備えていない。
【0047】
他の具体例として、図6は、本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類600を示す。サイズ調節可能な衣類600は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にする調節システム602以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。全体的に、調節システム602は、上述の調節ストラップ210、第1のスリップロック式バックル218、及び第2のスリップロック式バックル222を含む。これらの構成要素は、ポケット200の中に配置されるが、そうでない場合は上述の通りである。調節システム602は、上側案内ストラップ230(他の場所に示される上述の)、下側案内ストラップ232(他の場所に示される上述の)、及び中間案内ストラップ234(他の場所に示される上述の)を備えていない。
【0048】
他の具体例として、図7A及び7Bは、本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類700を示す。サイズ調節可能な衣類700は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にする調節システム702以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。全体的に、調節システム702は、上述の上側案内ストラップ230及び下側案内ストラップ232を含む。また、調節システム702は、第2の衣類部分104をポケット200の中に移動させるために着用者が引っ張ることができる調節ストラップ704(例えば、織物ストラップ)を含む。調節ストラップ704は、ポケット200の中に配置され、ポケット200の第2の開口部204の近くで第1の衣類部分102と結合する(例えば、縫い目で(図示せず)、代替的に接着、超音波溶着などで)第1の端部706を含む。調節ストラップ704は、第1の端部706から第2の衣類部分104に向かってスリップロック式バックル708を通って延びる。スリップロック式バックル708は、中間案内ストラップ710(例えば、織物ストラップ)と結合し、中間案内ストラップ710は、第2の衣類部分104と結合する。調節ストラップ704は、第2の衣類部分104から離れてスリップロック式バックル708から延び、自由端である第2の端部712で終端する。調節ストラップ704の第2の端部712は、着用者上で衣類700がぴったりフィットするように、着用者が第2の衣類部分104から離れる方向に引っ張ることができる。着用者上での衣類700のフィット性を緩めるために、スリップロック式バックル708は、調節ストラップ704がこれを通って摺動することができるように枢動させることができる。また、調節システム702は、第1の斜めに延びる支持ストラップ714、第2の斜めに延びる支持ストラップ716、及び第3の垂直に延びる支持ストラップ718を含み(図7B参照)、これらは、第2の衣類部分104に結合され、第2の衣類部分104が第1の衣類部分102に対して移動する際に変形するのを阻止する。
【0049】
他の実施例として、本開示によるサイズ調節可能な衣類の第3の衣類部分は、他の種々の形態を取ることができる。具体例として、図8は、本開示の他の実施形態のサイズ調節可能な衣類800を示す。サイズ調節可能な衣類800は、第1の衣類部分102に対する第2の衣類部分104の移動を容易にする調節システム802以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。全体的に、第3の衣類部分802は、比較的弾性のあるセクション804及び比較的弾性のないセクション806を含み、これらは、それぞれ比較的弾性のあるセクション308(他の場所に示される上述の)及び比較的弾性のないセクション312(他の場所に示される上述の)と同じ材料を含むことができる。しかしながら、比較的弾性のあるセクション804は、比較的弾性のあるセクション308に比べて小さい。より詳細には、比較的弾性のあるセクション804は、縫い目302、304からオフセットしている。
【0050】
他の具体例として、図9は、本開示の他の実施形態によるサイズ調節可能な衣類900を示す。サイズ調節可能な衣類900は、着用者の胴体の背部に係合するように構成されている第3の衣類部分902以外は、衣類100と同じ構成要素又は実質的に同じ構成要素を含むことができる。全体的に、第3の衣類部分902は、比較的弾性のあるセクション308(他の場所に示される上述の)と同じ材料含むことができる、比較的弾性のあるセクション904を含む。しかしながら、第3の衣類部分は、比較的弾性のないセクション312(他の場所に示される上述の)を備えていない。
【0051】
本開示によるサイズ調節可能な衣類の実施形態は、上述されかつ図面に示されたものとは別の様式で異なることができる。例えば、第1の衣類部分のポケットは、中間の開口部を欠くことができる。他の実施例として、第1の衣類部分、第2の衣類部分、第3の衣類部分、第4の衣類部分、及び第5の衣類部分のうちの1又は2以上は、物品を持ち運ぶための1又は2以上の追加のポケットを含むことができる。他の実施例として、第1の衣類部分及び第5の衣類部分のうちの一方は、調節システムを含むことができ、第1の衣類部分及び第5の衣類部分のうちの他方は、調節システムを欠くことができる。他の実施例として、第1の衣類部分及び第5の衣類部分は、別の種類の調節システムを含むことができる。他の実施例として、案内要素のうちの1又は2以上は、他の形態を取ることができる。具体例として、案内要素のうちの1又は2以上は、織物又は非織物材料から成るケーブルとすることができる。
【0052】
本発明の範囲から逸脱することなく、検討された例示的な実施形態に対して変更又は追加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は、特定の特徴を参照するが、本発明の範囲は、各特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び上述の特徴の全てを含んでいない実施形態を含むこともできる。
【符号の説明】
【0053】
100 サイズ調節可能な衣類
102 第1の衣類部分
104 第2の衣類部分
106 第3の衣類部分
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9