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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】梁支持構造及び梁支持方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/26 20060101AFI20240422BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20240422BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
E04B1/26 F
E04B1/58 509J
E04B9/00 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021035278
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135463
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土合 博之
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 勝大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳史
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-238627(JP,A)
【文献】特開平11-256760(JP,A)
【文献】特開2015-81430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0121972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00-1/61
E04B 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質梁を支持する梁支持構造であって、
柱間または梁間に架け渡された少なくとも1つの木質梁と、
前記木質梁と直交するように架け渡された構造体と、
前記木質梁と前記構造体とが交差する箇所において、前記木質梁と前記構造体とを接合する接合部材と、を備え、
前記構造体は、少なくとも鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含み、前記木質梁の上方に架け渡される、
梁支持構造。
【請求項2】
前記接合部材は、前記木質梁に埋め込まれた第1接合金物を有し、
前記第1接合金物は、
前記木質梁内に挿入されるプレート部と、
前記プレート部から前記木質梁の梁幅方向に延出し、前記構造体と対向するフランジ部と、を有する、
請求項1に記載の梁支持構造。
【請求項3】
前記接合部材は、
前記構造体に設けられた第2接合金物と、
前記第1接合金物と前記第2接合金物とを上下方向において締結する締結部材と、をさらに有する、
請求項2に記載の梁支持構造。
【請求項4】
前記木質梁は、前記接合部材を介して前記構造体と接合されることにより、前記構造体と接合される箇所が前記木質梁の梁端部よりも上方に反った状態となる、
請求項1から3の何れか1つに記載の梁支持構造。
【請求項5】
木質梁を支持する梁支持方法であって、
柱間または梁間に前記木質梁を架け渡す工程と、
前記木質梁の上方において前記木質梁と直交するように少なくとも鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含む構造体を架け渡す工程と、
前記木質梁と前記構造体とが交差する箇所において、接合部材によって前記木質梁を前記構造体に接合する工程と、を有する、
梁支持方法。
【請求項6】
前記構造体は、前記木質梁の上方において、前記木質梁との間に所定の隙間をあけて架け渡され、
前記木質梁は、前記構造体と接合される箇所における前記所定の隙間が狭まるように、前記接合部材によって上方へと反らされた状態で前記構造体に接合される、
請求項5に記載の梁支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質梁を支持する梁支持構造及び梁支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、柱間に木質梁を架け渡した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-133356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、温室効果ガス削減の観点から二酸化炭素を取り込んで固定化している木材を建築物の資材として積極的に利用することが促進されている。また、特許文献1に記載のような木質梁を設けた建築物において、木質梁を室内に露出させて表し仕上げとし、居室空間の美観を向上させることも行われている。
【0005】
一方で、木材は、時間が経つにつれて徐々にたわみが大きくなる現象(クリープ)を生じることから、例えばホール等の大空間を形成するために用いられる比較的長いスパンの梁材としては不向きである。たわみが生じることを抑えるためには、木質梁の梁成を大きくすることも考えられるが、材料費が嵩むことで建築コストが増大するとともに、梁材が下方に張り出すことで圧迫感が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、木質梁のたわみを抑制可能な梁支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、木質梁を支持する梁支持構造であって、柱間または梁間に架け渡された少なくとも1つの木質梁と、前記木質梁と直交するように架け渡された構造体と、前記木質梁と前記構造体とが交差する箇所において、前記木質梁と前記構造体とを接合する接合部材と、を備え、前記構造体は、少なくとも鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含み、前記木質梁の上方に架け渡される。
【0008】
また、本発明は、木質梁を支持する梁支持方法であって、柱間または梁間に前記木質梁を架け渡す工程と、前記木質梁の上方において前記木質梁と直交するように少なくとも鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含む構造体を架け渡す工程と、前記木質梁と前記構造体とが交差する箇所において、接合部材によって前記木質梁を前記構造体に接合する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、木質梁のたわみを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る梁支持構造が適用された空間のイメージを示す透視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る梁支持構造の断面図であり、図1のA-A線に沿う断面を示す図である。
図3図2のB-B線に沿う断面を拡大して示した拡大断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る梁支持方法を説明するための図であり、図2に相当する断面を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る梁支持構造の変形例を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る梁支持構造の断面図であり、図3に相当する断面を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る梁支持構造の変形例の断面図であり、図2に相当する断面を示す図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る梁支持構造の断面図であり、図3に相当する断面を示す図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る梁支持構造の変形例の断面図であり、図3に相当する断面を示す図である。
図10】梁支持構造の参考例の断面図であり、図3に相当する断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る梁支持構造及び梁支持方法について説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1~4を参照して、第1実施形態に係る梁支持構造100について説明する。梁支持構造100は、柱間または梁間に架け渡された木質梁を支持するものであり、図1に示すように、空間1に架け渡される木質梁10をその上方から支持するものである。図1は、第1実施形態に係る梁支持構造100を用いて構築された空間1のイメージ図(一点透視図)である。
【0013】
図1に示される空間1は、ホールや講堂といった比較的スパンが広い空間であり、天井には複数の梁が架け渡されている。
【0014】
近年、このように多くの人が集まる比較的大きな空間1を構築するにあたって、梁として無垢材や集成材によって形成された木質梁10を採用するとともに、木質梁10を天井面から剥き出しにした状態で架け渡すことによって、空間1の質感を向上させたり、昔ながらの落ち着きのある空間1を演出したりすることが行われている。
【0015】
一方で、木質梁10は、時間が経つにつれて徐々にたわみが大きくなる現象(クリープ)を生じることから、ホールや講堂のように比較的大きな空間1を形成するために用いられる長いスパンの梁材としては不向きである。
【0016】
このようなたわみを抑制するには、木質梁10の荷重方向の高さである梁成を大きくしたり、剛性の高い部材によって複数の木質梁10を下方から支持したりすることが考えられる。しかしながら、何れの場合も下方への張り出しによって圧迫感が生じてしまうおそれがあるとともに、材料費が嵩むことで建築コストが増大するおそれがある。
【0017】
このような課題を解決するために、本第1実施形態では、鉄骨で構成される構造体20により木質梁10を上方から支持することによって、木質梁10にたわみが生じることを抑制している。
【0018】
次に、図2及び図3を参照し、梁支持構造100の具体的な構成について説明する。図2は、図1のA-A線(図3のA-A線)に沿う木質梁10と構造体20との断面を示しており、図3は、図2のB-B線に沿う断面を示している。
【0019】
図2及び図3に示すように、梁支持構造100は、図示しない柱間または図示しない梁間に架け渡された複数の木質梁10と、木質梁10と直交するように架け渡された構造体20と、木質梁10と構造体20とが交差する箇所において、木質梁10と構造体20とを接合する接合部材30と、を備える。
【0020】
木質梁10は、無垢材や集成材によって形成された角材であり、その表面には難燃処理が施されている。構造体20と対向する木質梁10の上面には、構造体20の延在方向、すなわち、木質梁10の梁幅方向に沿って所定の深さの溝部11が形成されている。また、木質梁10には、溝部11から梁成方向に沿って所定の深さだけ刳り貫くことにより形成された凹部12が設けられる。なお、木質梁10は、難燃処理が施されていなくともよい。
【0021】
構造体20は、一対のフランジ部21,22と、一対のフランジ部21,22に挟まれたウェブ部23と、を有するH形鋼材(鉄骨梁)である。構造体20は、強軸方向が鉛直方向に沿うようにして、複数の木質梁10の上方に架け渡されており、その端部は図示しない柱または梁にそれぞれ接合されている。図1に示される構造体20は、木質梁10の材軸方向の略中央において、木質梁10と交差する1本のH形鋼材であるが、構造体20の数は、1つに限定されず、木質梁10の材軸方向に所定の間隔をあけて複数本設けられていてもよい。
【0022】
一対のフランジ部21,22のうち、木質梁10の上面に対向する下側フランジ22は、木質梁10と構造体20とを接合する接合部材30の第2接合金物の役割も果たし、下側フランジ22には、締結部材であるボルト35が挿通する挿通孔22aが形成される。
【0023】
また、構造体20には、ウェブ部23と下側フランジ22とに跨って溶接固定されたリブプレート24が、補強のために設けられる。
【0024】
接合部材30は、木質梁10に埋め込まれた第1接合金物31と、構造体20に設けられた第2接合金物としての下側フランジ22と、第1接合金物31と下側フランジ22とを締結するボルト35及びナット36(締結部材)と、により構成される。
【0025】
第1接合金物31は、木質梁10の凹部12内に挿入される板状のプレート部32と、プレート部32の上端部から木質梁10の梁幅方向に延出する板状のフランジ部33と、を有する鋼製部材であり、図2に示される断面視においてT字状に形成される。
【0026】
プレート部32には、板厚方向に貫通して形成された複数の貫通孔32aが設けられる。木質梁10にも貫通孔32aに対応した箇所に梁幅方向に貫通して形成された貫通孔13が設けられる。これらの貫通孔13,32aは、円柱状のドリフトピン37が挿入される挿入孔として用いられる。
【0027】
ドリフトピン37の軸方向長さは、木質梁10の梁幅と同程度に設定されている。このため、木質梁10の凹部12内にプレート部32が挿入された状態において、ドリフトピン37を各貫通孔13,32aに挿入することにより、第1接合金物31は木質梁10に対して固定された状態となる。
【0028】
木質梁10の材軸方向におけるフランジ部33の幅の大きさは、図3に示すように、木質梁10に形成された溝部11の幅よりも僅かに小さく設定される。また、フランジ部33の板厚は、木質梁10に形成された溝部11の深さと同程度に設定されている。このため、木質梁10に第1接合金物31が取り付けられた状態において、フランジ部33は溝部11に収容され、フランジ部33の上面は、木質梁10の上面とほぼ面一となる。
【0029】
また、フランジ部33には、下側フランジ22に形成された挿通孔22aに対応した箇所に、ボルト35が挿通する挿通孔33aが形成される。
【0030】
このように下側フランジ22とフランジ部33とに形成された挿通孔22a,33aには、ボルト35が挿通され、ボルト35とナット36とを締め付けることにより、第1接合金物31と下側フランジ22とが締結される。この結果、木質梁10は、接合部材30を介して構造体20により上方から支持された状態となる。
【0031】
続いて、図4を参照し、上記構成の梁支持構造100により木質梁10を支持する方法について説明する。図4は、図2に対応する断面を示しており、ボルト35及びナット36による締め付けが行われる前の状態を示している。
【0032】
まず、図4に示すように、第1接合金物31が取り付けられた複数の木質梁10が図示しない柱間または梁間にそれぞれ架け渡され、続いて、上記構成の構造体20が木質梁10の上方に架け渡される。なお、木質梁10と構造体20とは、どちらが先に架け渡されてもよい。
【0033】
木質梁10と構造体20とが共に架け渡された状態において、木質梁10に取り付けられた第1接合金物31のフランジ部33の上面と、構造体20の下側フランジ22の下面と、の間には数mmから数十mm程度の大きさの所定の隙間G1が設けられる。つまり、構造体20は、木質梁10に接しないように、木質梁10に対して上方にオフセットした状態で架け渡される。
【0034】
続いて、木質梁10に取り付けられた第1接合金物31の挿通孔33aと、構造体20の下側フランジ22に設けられた挿通孔22aと、にボルト35が挿通され、ボルト35とナット36とが締め付けられる。この結果、図2に示すように、構造体20の下側フランジ22と第1接合金物31のフランジ部33とが上下方向において締結され、木質梁10は、構造体20によって支持された状態となる。
【0035】
このように木質梁10が構造体20によって支持された状態となった後、木質梁10の上方に図示しないデッキプレートを敷き込み、さらにデッキプレート上にコンクリートを打設することにより、上階のスラブが施工される。上階のスラブが施工されてしまえば、無機質な鉄骨梁で構成された構造体20が下方から見えなくなるため、木質梁10が醸し出す温もりのある質感を際立たせることができる。
【0036】
ここで、上述のような所定の隙間G1を予め設けておくことにより、ボルト35とナット36とを締め付ける過程において、鉄骨で構成される構造体20よりも剛性の低い木質梁10は、構造体20と接合される箇所における所定の隙間G1が徐々に狭まるように、構造体20側に向かって上方へと少しずつ変位することになる。つまり、木質梁10は、接合部材30を介して構造体20と接合されることにより、構造体20と接合される箇所における床面からの高さが、両端部における高さよりも高くなった状態、すなわち、構造体20と接合される箇所において上方に反った状態となる。
【0037】
このように木質梁10は、上方に反った状態で構造体20により支持されるため、時間の経過とともに木質梁10が下方にたわんでしまうことを確実に抑制することができる。これにより、木質梁10を長いスパンの梁材、例えば、10mを超える長いスパンの梁材として用いることが可能となり、結果として、ホールや講堂といった比較的大きな空間1の美感を向上させることも可能となる。
【0038】
なお、所定の隙間G1は必ずしも必要ではなく、上述のような所定の隙間G1が設けられていない場合であっても、木質梁10は、剛性の高い構造体20によって上方から支持されることになるため、時間の経過とともに木質梁10がたわんでしまうことを十分に抑制することが可能である。
【0039】
また、構造体20は、木質梁10の上方に配置されることから構造体20が設けられる部分は、上階に突出することになる。このため、上階に居室等の空間が設けられる場合には、構造体20が突出した箇所を居室の間仕切壁内に配置することが好ましい。なお、上階が屋上や機械室等の非居室空間であれば、構造体20をそのまま現しにしても良い。
【0040】
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0041】
上記構成の梁支持構造100では、柱間または梁間に架け渡された木質梁10は、木質梁10よりも剛性の高い鉄骨で構成された構造体20によって上方から支持される。このため、時間の経過とともに木質梁10が下方にたわんでしまうことを抑制することができる。
【0042】
このように木質梁10のたわみが抑制されることで、比較的スパンが長い梁材が必要とされるホールや講堂を構築する際の梁材として木質梁10を用いることが可能となり、結果として、ホールや講堂といった比較的広い空間1の質感を向上させることができる。
【0043】
また、木質梁10を支持する構造体20は、木質梁10の上方に配置されることから、圧迫感が生じることが避けられ、空間1の広がり感を維持させることができるとともに、構造体20が人目に付きにくくなるため、空間1の美感を向上させることができる。
【0044】
また、木質梁10を支持する構造体20として剛性が高く比較的安価な鉄骨を用いることにより、一本の構造体20によって、複数の木質梁10を安定して支持することできるとともに、建築コストを低減させることができる。
【0045】
また、接合部材30による木質梁10と構造体20との接合方向を上下方向とすることによって、木質梁10にたわみが生じることを確実に抑制することができるとともに、接合作業の作業性を向上させることができる。
【0046】
また、第1接合金物31のフランジ部33を木質梁10に形成された溝部11に収容してフランジ部33の上面と木質梁10の上面とを面一とし、第1接合金物31と木質梁10とを一体的でシンプルな構成とすることで、木質梁10が与える美感を損なうことなく見栄えをよくすることができる。
【0047】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0048】
上記第1実施形態では、下側フランジ22が、木質梁10と構造体20とを接合する接合部材30の第2接合金物の役割も果たしている。これに代えて、図5に示す変形例のように、下側フランジ22の側方に溶接固定された延長フランジ26を接合部材30の第2接合金物として利用してもよい。
【0049】
延長フランジ26は、下側フランジ22と同等の厚さを有する板状部材であり、第1接合金物31のフランジ部33に対向して配置される。また、延長フランジ26には、フランジ部33に形成された挿通孔33aに対応した箇所に、ボルト35が挿通する挿通孔26aが形成される。
【0050】
また、この変形例の構造体20には、上側フランジ21、下側フランジ22、ウェブ部23及び延長フランジ26に跨って溶接固定された第1リブプレート27と、ウェブ部23を挟んで第1リブプレート27と対向して配置された第2リブプレート28と、が下側フランジ22と延長フランジ26との接合部を補強するために設けられる。
【0051】
この変形例では、構造体20に設けられた延長フランジ26と第1接合金物31のフランジ部33とが、ボルト35及びナット36によって上下方向において締結されることにより、木質梁10は、上記第1実施形態と同様に、構造体20によって支持された状態となる。
【0052】
このように、図5に示す変形例では、ボルト35が挿通する挿通孔26aが下側フランジ22ではなく、延長フランジ26に設けられている。このため、構造体20であるH形鋼材に対して貫通孔を加工する必要がなく、構造体20の剛性を保持することが可能である。したがって、例えば大梁のように高い剛性が要求される梁を構造体20として用いる場合などに有用である。
【0053】
また、上記第1実施形態では、ボルト35及びナット36が、第1接合金物31のフランジ部33と第2接合金物としての下側フランジ22とを締結する締結部材として用いられている。これに代えて、締結部材としては、上下方向において締結可能なものであればどのようなものが用いられてもよく、例えば、下側フランジ22の下面に溶接固定された頭部のない寸切りボルト(全ねじ)とナットとの組み合わせや、第1接合金物31のフランジ部33の上面に溶接固定された寸切りボルトとナットとの組み合わせであってもよい。
【0054】
また、上記第1実施形態では、第1接合金物31のフランジ部33は木質梁10に形成された溝部11に収容され、フランジ部33の上面は、木質梁10の上面とほぼ面一となっている。これに代えて、木質梁10に溝部11を設けず、第1接合金物31が木質梁10に取り付けられた状態において、フランジ部33が木質梁10の上面に載置された構成としてもよい。
【0055】
また、上記第1実施形態では、木質梁10に対して構造体20を上方にオフセットした状態で架け渡すことで所定の隙間G1を形成している。これに代えて、予めむくりがつけられた構造体20を木質梁10の上方に架け渡すこと、すなわち、上方に反った状態の構造体20を架け渡すことにより、木質梁10と構造体20との間に隙間を形成してもよい。
【0056】
また、上記第1実施形態では、構造体20によって複数の木質梁10が支持されているが、支持される木質梁10の数は、1本だけであってもよい。
【0057】
<第2実施形態>
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る梁支持構造200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明し、第1実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、その説明を省略する。
【0058】
第2実施形態に係る梁支持構造200は、構造体120が、鉄筋コンクリートである点において、上述の第1実施形態に係る梁支持構造100と異なっている。なお、図6は、図3に相当する断面を示す断面図である。
【0059】
図6に示すように、梁支持構造200は、図示しない柱間または図示しない梁間に架け渡された木質梁10と、木質梁10と直交するように架け渡された構造体120と、木質梁10と構造体120とが交差する箇所において、木質梁10と構造体120とを接合する接合部材130と、を備える。なお、木質梁10については、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0060】
構造体120は、複数の木質梁10の上方に架け渡されるように現場で打設された鉄筋コンクリート造の梁であり、その端部は図示しない柱または梁にそれぞれ接合されている。なお、構造体120は、予め工場で製造されたプレキャスト材であってもよい。
【0061】
接合部材130は、木質梁10に埋め込まれた第1接合金物31と、構造体120に埋め込まれた第2接合金物122,135aと、第1接合金物31と第2接合金物122,135aとを締結する雄ねじ部135b及びナット136(締結部材)と、により構成される。
【0062】
第1接合金物31は、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0063】
第2接合金物122,135aは、平板状の埋設プレート122と、埋設プレート122に溶接固定されたU字状フック付きアンカーボルト135のフック部135aと、で構成される。
【0064】
埋設プレート122には、アンカーボルト135の雄ねじ部135bが挿通する挿通孔122aが板厚方向に貫通して形成されている。埋設プレート122とアンカーボルト135とは、アンカーボルト135の雄ねじ部135bが挿通孔122aに挿通された状態で、アンカーボルト135を埋設プレート122に溶接固定することにより一体化される。
【0065】
このように構成された第2接合金物122,135aは、構造体120を打設する際に、埋設プレート122の2つの平面のうち、アンカーボルト135の雄ねじ部135bが突出する平面が構造体120の下面と面一となるように埋め込まれる。
【0066】
これにより、第2接合金物として利用される埋設プレート122及びアンカーボルト135のフック部135aは、構造体120に埋め込まれる一方、締結部材であるアンカーボルト135の雄ねじ部135bは、構造体120から突出した状態となる。
【0067】
このように構造体120から突出した雄ねじ部135bを、第1接合金物31のフランジ部33に形成された挿通孔33aに挿通するとともに、雄ねじ部135bにナット136を締め付けることにより、第1接合金物31と第2接合金物122,135aとは締結される。この結果、木質梁10は、上記第1実施形態と同様に、接合部材130を介して構造体120により上方から支持された状態となる。
【0068】
なお、上記第1実施形態と同様に、木質梁10の上方に図示しないデッキプレートを敷き込み、さらにデッキプレート上にコンクリートを打設することにより、上階のスラブを施工してもよい。
【0069】
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0070】
上記構成の梁支持構造200では、柱間または梁間に架け渡された木質梁10は、木質梁10よりも剛性の高い鉄筋コンクリートで構成された構造体120によって上方から支持される。このため、上記第1実施形態と同様に、時間の経過とともに木質梁10が下方にたわんでしまうことを抑制することができることから、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
また、上記構成の梁支持構造200の構造体120は、鉄筋コンクリートにより構成されるため、その表面は鋼板に比べて凹凸がある状態となってしまう。したがって、構造体120の表面は、他の部材との接合面としては不向きである。しかしながら、上記構成の梁支持構造200では、第1接合金物31との接合面となる構造体120の下面には、埋設プレート122の平面が露出した状態となっている。このため、構造体120と木質梁10との面接触性が確保され、結果として、構造体120により木質梁10を安定して支持することができる。
【0072】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0073】
上記第2実施形態では、第2接合金物として、埋設プレート122と、アンカーボルト135のフック部135aと、が構造体120に埋め込まれている。これに代えて、埋設プレート122を設けることなく、アンカーボルト135のフック部135aのみを構造体120に第2接合金物として埋め込んだ構成としてもよい。なお、雄ねじ部135bが設けられる間隔を挿通孔33aが設けられる間隔に精度よく合わせるためには、埋設プレート122を設けることが好ましい。
【0074】
また、上記第2実施形態では、構造体120に埋め込まれるアンカーボルト135の部分は、U字状のフック部135aとなっている。これに代えて、構造体120に埋め込まれるアンカーボルト135の部分は、抜け止めとして機能し得る形状となっていればよく、例えば、L字状に形成されていてもよいし、六角ボルトの頭部のように鍔状に形成されていてもよい。
【0075】
また、上記第2実施形態では、第2接合金物であるフック部135aと、締結部材である雄ねじ部135bと、がアンカーボルト135として一体的に構成されている。これに代えて、フック部135aと雄ねじ部135bとは別々の部材であってもよく、この場合、フック部135aは、埋設プレート122の一方の面にU字状またはL字状部材が溶接固定されることにより構成され、雄ねじ部135bは、埋設プレート122の他方の面に寸切りボルト(全ねじ)が溶接固定されることにより構成される。
【0076】
また、上記第2実施形態では、構造体120に雄ねじ部135bが設けられている。これに代えて、図7に示す変形例のように、構造体120には、雌ねじ部が設けられていてもよい。なお、図7は、図2に相当する断面を示す断面図である。
【0077】
この変形例では、木質梁110と構造体120とを接合する接合部材として、構造体120に埋設される長ナット138と、長ナット138に螺合するボルト137と、が設けられる。
【0078】
木質梁110には、ボルト137が挿通する挿通孔113が梁成方向に沿って貫通して形成されているとともに、ボルト137の頭部を収容する収容溝112が形成されている。挿通孔113は、木質梁110の材軸方向、すなわち、構造体120の梁幅方向に2つ以上設けられる。収容溝112は、木質梁110の材軸方向に沿って形成された溝であり、その底面には、複数の挿通孔113が開口する。
【0079】
長ナット138は、内周面に雌ねじ部が形成された袋ナットであり、外周面には抜け止めとして機能する図示しない突起が複数設けられる。
【0080】
木質梁110に形成された挿通孔113に挿通されたボルト137を、構造体120に埋め込まれた長ナット138に対して締め付けることにより、木質梁110は、上記第2実施形態と同様に、鉄筋コンクリート造の構造体120により上方から支持された状態となる。
【0081】
なお、複数のボルト137の軸力を木質梁110に均等に伝達するためには、収容溝112の底面と複数のボルト137の頭部との間に一枚の金属製プレート139を介在させることが好ましい。また、ボルト137の軸力による木質梁110の変形や破損を防止するために、挿通孔113には金属製のスリーブが設けられていてもよい。また、木質梁110の下方からボルト137の頭部が見えてしまうことを避けるために、収容溝112の開口部を塞ぐ木製の蓋材115を設けることが好ましい。
【0082】
また、上記第2実施形態では、鉄筋コンクリート造の構造体120は、梁材として構成されている。これに代えて、鉄筋コンクリート造の構造体120は、上階の間仕切壁の一部として構成されていてもよい。
【0083】
<第3実施形態>
次に、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る梁支持構造300について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明し、第1実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、その説明を省略する。
【0084】
第3実施形態に係る梁支持構造300は、構造体220が、鉄骨鉄筋コンクリートである点において、上述の第1実施形態に係る梁支持構造100と異なっている。なお、図8は、図3に相当する断面を示す断面図である。
【0085】
図8に示すように、梁支持構造300は、図示しない柱間または図示しない梁間に架け渡された木質梁10と、木質梁10と直交するように架け渡された構造体220と、木質梁10と構造体220とが交差する箇所において、木質梁10と構造体220とを接合する接合部材230と、を備える。なお、木質梁10については、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0086】
構造体220は、複数の木質梁10の上方に架け渡されるように現場で打設された鉄骨鉄筋コンクリート造の梁であり、その端部は図示しない柱または梁にそれぞれ接合されている。なお、構造体220は、予め工場で製造されたプレキャスト材であってもよい。
【0087】
構造体220は、一対のフランジ部222,223と、一対のフランジ部222,223に挟まれたウェブ部224と、を有するH形鋼材221(鉄骨梁)を含み、H形鋼材221は、強軸方向が鉛直方向に沿うようにして、構造体220に埋設されている。
【0088】
H形鋼材221は、木質梁10と構造体220とを接合する接合部材230の第2接合金物の役割も果たし、一対のフランジ部222,223のうち、木質梁10の上面に対向する下側フランジ223の下面には、締結部材となる寸切りボルト235(全ねじ)が溶接固定されている。
【0089】
接合部材230は、木質梁10に埋め込まれた第1接合金物31と、構造体220に埋め込まれたH形鋼材221(第2接合金物)と、第1接合金物31とH形鋼材221とを締結する寸切りボルト235及びナット236(締結部材)と、により構成される。
【0090】
第1接合金物31は、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0091】
寸切りボルト235が溶接されたH形鋼材221は、構造体220を打設する際に、寸切りボルト235が所定の長さだけ突出した状態で構造体220内に埋め込まれる。
【0092】
これにより、第2接合金物であるH形鋼材221は、構造体220に埋め込まれる一方、締結部材である寸切りボルト235は、構造体220から突出した状態となる。
【0093】
このように構造体220から突出した寸切りボルト235を、第1接合金物31のフランジ部33に形成された挿通孔33aに挿通するとともに、寸切りボルト235にナット236を締め付けることにより、第1接合金物31とH形鋼材221とは締結される。この結果、木質梁10は、上記第1実施形態と同様に、接合部材230を介して構造体220により上方から支持された状態となる。
【0094】
なお、上記第1実施形態と同様に、木質梁10の上方に図示しないデッキプレートを敷き込み、さらにデッキプレート上にコンクリートを打設することにより、上階のスラブを施工してもよい。
【0095】
以上の第3実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0096】
上記構成の梁支持構造300では、柱間または梁間に架け渡された木質梁10は、木質梁10よりも剛性の高い鉄骨鉄筋コンクリートで構成された構造体220によって上方から支持される。このため、上記第1実施形態と同様に、時間の経過とともに木質梁10が下方にたわんでしまうことを抑制することができることから、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0097】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0098】
上記第3実施形態では、鉄骨鉄筋コンクリート造の構造体220内に埋設されたH形鋼材221が接合部材230の第2接合金物の役割も果たしている。これに代えて、図9に示す変形例のように、H形鋼材221の下側フランジ223に溶接固定されたフランジ部材237を接合部材230の第2接合金物として利用してもよい。
【0099】
フランジ部材237は、H形鋼材221の下側フランジ223と平行に設けられたフランジ部237aと、フランジ部237aから下側フランジ223に向かって延出する延出部237bと、を有する鋼製部材であり、図9に示される断面視においてT字状に形成される。
【0100】
フランジ部材237は、例えば、市販のH形鋼材を切断することにより形成され、木質梁10の梁幅方向において、第1接合金物31のフランジ部33の長さと同等の長さを有する。フランジ部材237のフランジ部237aには、第1接合金物31のフランジ部33に形成された挿通孔33aに対応した箇所に、ボルト238が挿通する挿通孔237cが形成される。挿通孔237cに挿通したボルト238は、ねじ部が延出部237bとは反対の方向に突出した状態で予めフランジ部237aに溶接固定される。
【0101】
このように構成されたフランジ部材237は、H形鋼材221の下側フランジ223に延出部237bが溶接されることによって、H形鋼材221と一体化される。
【0102】
フランジ部材237が溶接されたH形鋼材221は、構造体220を打設する際に、ボルト238のねじ部が突出するフランジ部237aの面が構造体220の下面と面一となるように埋め込まれる。
【0103】
これにより、第2接合金物であるフランジ部材237は、構造体220に埋め込まれる一方、締結部材となるボルト238のねじ部は、構造体220から突出した状態となる。
【0104】
このように構造体220から突出したボルト238のねじ部を、第1接合金物31のフランジ部33に形成された挿通孔33aに挿通するとともに、ボルト238のねじ部にナット236を締め付けることにより、第1接合金物31と第2接合金物であるフランジ部材237とは締結される。この結果、木質梁10は、上記第3実施形態と同様に、接合部材230を介して構造体220により上方から支持された状態となる。
【0105】
この変形例では、構造体220が鉄骨鉄筋コンクリートにより構成されることから、その表面は鋼板に比べて凹凸がある状態となってしまうが、第1接合金物31との接合面となる構造体220の下面には、フランジ部材237のフランジ部237aの平面が露出している。このため、構造体220と木質梁10との面接触性が確保され、結果として、構造体220により木質梁10を安定して支持することができる。
【0106】
なお、上記変形例では、構造体220から突出したボルト238のねじ部と、第1接合金物31側に設けられたナット236と、が締結される構成となっているが、これに代えて、フランジ部237aの上面に袋ナットを溶接固定しておき、この袋ナットと、第1接合金物31側に設けられたボルトと、を締結させる構成としてもよい。
【0107】
また、上記第3実施形態では、鉄骨鉄筋コンクリート造の構造体220は、梁材として構成されている。これに代えて、鉄骨鉄筋コンクリート造の構造体220は、上階の間仕切壁の一部として構成されていてもよい。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0109】
<参考例>
次に、図10を参照して、参考例について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を主に説明し、第1実施形態で説明した構成と同一の構成又は相当する構成については、その説明を省略する。
【0110】
この参考例の梁支持構造400は、構造体320が木質梁である点において、上述の第1実施形態に係る梁支持構造100と異なっている。なお、図10は、図3に相当する断面を示す断面図である。
【0111】
図10に示すように、梁支持構造400は、図示しない柱間または図示しない梁間に架け渡された木質梁10と、木質梁10と直交するように架け渡された構造体320と、木質梁10と構造体320とが交差する箇所において、木質梁10と構造体320とを接合する接合部材330と、を備える。なお、木質梁10については、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0112】
構造体320は、複数の木質梁10の上方に架け渡された木質梁であり、木質梁10と同様に、無垢材や集成材によって形成される。
【0113】
この参考例では、木質梁10と構造体320とを接合する接合部材として、木質梁10に埋め込まれた第1接合金物31と、構造体320内に設けられるボルト335と、ボルト335に螺合するナット336と、が設けられる。
【0114】
第1接合金物31は、上記第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0115】
構造体320には、ボルト335が挿通する挿通孔323が梁成方向に沿って貫通して形成されているとともに、ボルト335の頭部を収容する収容溝322が形成されている。挿通孔323は、例えば、構造体320の梁幅方向に沿って2つ設けられる。収容溝322は、構造体320の梁幅方向に沿って形成された溝であり、その底面には、2つの挿通孔323が開口する。
【0116】
構造体320に形成された挿通孔323に挿通されたボルト335を、第1接合金物31のフランジ部33に形成された挿通孔33aに挿通するとともに、ボルト335にナット336を締め付けることにより、木質梁10は、上記第1実施形態と同様に、構造体320により上方から支持された状態となる。
【0117】
なお、ボルト335の軸力を木質梁である構造体320に均等に伝達するためには、収容溝322の底面とボルト335の頭部との間に一枚の金属製プレート337を介在させることが好ましい。また、ボルト335の頭部を保護するために、収容溝322の開口部を塞ぐ木製の蓋材325を設けることが好ましい。
【0118】
この参考例では、構造体320が木質梁であり、上記第1~3実施形態に示されるように、鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含むものではない。このため、構造体320は、構造体320によって支持される木質梁10と同じように、時間の経過とともにたわみを生じるおそれがあり、上記第1~3実施形態と同等の効果を奏することは困難である。しかしながら、無垢材や集成材によって形成された構造体320であっても、その剛性を木質梁10よりも十分に高く、好ましくは、鉄骨及び鉄筋コンクリートの何れかを含む上記各実施形態における構造体と同等の剛性とすることができれば、同等の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0119】
100、200,300・・・梁支持構造
1・・・空間
10,110・・・木質梁
20,120,220・・・構造体
22・・・下側フランジ(第2接合金物)
30,130,230・・・接合部材
31・・・第1接合金物
32・・・プレート部
33・・・フランジ部
35・・・ボルト(締結部材)
36,136,236・・・ナット(締結部材)
122・・・埋設プレート(第2接合金物)
135・・・アンカーボルト
135a・・・フック部(第2接合金物)
135b・・・雄ねじ部(締結部材)
137・・・ボルト(接合部材)
138・・・長ナット(接合部材)
221・・・H形鋼材(第2接合金物)
235・・・寸切りボルト(締結部材)
237・・・フランジ部材(第2接合金物)
238・・・ボルト(締結部材)
G1・・・隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10