(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】食品製品のためのパッケージの密封部分の品質評価のための装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/82 20060101AFI20240422BHJP
B29C 65/18 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B29C65/82
B29C65/18
(21)【出願番号】P 2021523666
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019078506
(87)【国際公開番号】W WO2020088964
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-26
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ハルスタディウス
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス・ロベ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-304706(JP,A)
【文献】特開2004-132935(JP,A)
【文献】米国特許第05184190(US,A)
【文献】特表2012-502854(JP,A)
【文献】米国特許第04304995(US,A)
【文献】特開2005-121054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00 - 65/82
G01N 21/84 - 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品のためのパッケージ(100)の密封部分(414)の品質評価のための装置(800、900、1000)であって、前記パッケージ(100)は、少なくとも堅牢層(406a、406b)及びプラスチック層(408a、408b)を含み、前記密封部分(414)は、前記パッケージ(100)の第1の部分(402a)及び第2の部分(402b)を、前記第1及び第2の部分(402a、402b)の前記プラスチック層(408a、408b)が溶解し、且つそれにより前記第1及び第2の部分(402a、402b)を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、前記装置(800)は、
前記パッケージ(100)の前記密封部分(414)を含む試料(802、904)を固定するように配置された試料ホルダ(804、902、1002)であって、前記試料ホルダ(804)の少なくとも一部は、透明である、試料ホルダ(804、902、1002)と、
前記試料ホルダ(804)の第1の側面(I)上に配置され
、前記試料の前記密封部分(414)を拡大するための拡大デバイス(1004)と、
光が前記試料ホルダ(804、902、1002)を通して前記拡大デバイス(1004)に提供されるように、前記試料ホルダ(804)の第2の側面(II)上に配置された照明デバイス(808、91
0)であって、前記第1及び第2の側面(I、II)は、前記試料ホルダ(804、902、1002)の対向する側面である、照明デバイス(808、91
0)と、
カメラ(814、914)を固定し、前記カメラの視界が前記試料の前記密封部分に向かって方向付けられるように配置されたカメラホルダ(816、1100)と、
前記試料と前記照明デバイスとの間に配置されている、第1の偏光フィルタ(916)と、
前記試料と前記カメラとの間に配置されている、第2の偏光フィルタ(918)と、
を含む、装置(800、900、1000)。
【請求項2】
前記第1の偏光フィルタ(916)は、-45度の偏光フィルタであり、
前記第2の偏光フィルタ(918)は、+45度の偏光フィルタである、
請求項1に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項3】
前記カメラは、前記試料の上方に配置され、
前記照明デバイスは、前記試料の下方に配置される、
請求項1又は2に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項4】
前記カメラホルダ(816)に対して前記試料ホルダ(804)を移動させるように配置されたステッピングモータ(822)を更に含み、
前記カメラ(814、914)は、一連の画像を捕捉するように配置され、各画像は、前記ステッピングモータ(822)の位置に関連し、
コンピュータ(818)は、前記一連の画像を1つの同じ画像にまとめるように構成される、請求項2又は3に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項5】
光放出領域(812)を備えた光制御デバイス(810)を更に含み、前記光制御デバイス(810)は、散光位置又は高コントラスト位置に設定されるように配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項6】
前記光放出領域(812)は、第1の長さ方向(L1D)に延在する第1の長さ(L1)及び第1の幅方向(W1D)に延在する第1の幅(W1)を有し、前記第1の長さ(L1)は、前記第1の幅(W1)より大きく、前記密封部分(414)は、第2の長さ方向(L2D)に延在する第2の長さ(L2)及び第2の幅方向(W2D)に延在する第2の幅(W2)を有し、前記第2の長さ(L2)は、前記第2の幅(W2)より大きく、前記第1の長さ方向(L1D)は、前記第2の長さ方向(L2D)と平行である、請求項
5に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項7】
前記堅牢層(406a、406b)は、カートン層である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(800、900、1000)。
【請求項8】
食品製品のためのパッケージ(100)の密封部分(414)の品質評価のための方法(1200)であって、前記パッケージ(100)は、少なくとも堅牢層(406a、406b)及びプラスチック層(408a、408b)を含み、前記密封部分(414)は、前記パッケージ(100)の第1の部分(402a)及び第2の部分(402b)を、前記第1及び第2の部分(402a、402b)の前記プラスチック層(408a、408b)が溶解し、且つそれにより前記第1及び第2の部分(402a、402b)を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、前記方法(1200)は、
前記パッケージ(100)の前記密封部分(414)を含む試料(802、904)を準備すること(1202)と、
予め設定された配向に従って前記試料を配向し、且つ前記試料(802、904)を固定することにより、前記試料(802、904)を
、少なくとも一部が透明である試料ホルダ(804、902、1002)内に置くこと(1204)
と、
前記試料ホルダ(804、902、1002)の第2の側面(II)上に配置された照明デバイス(808、910、1002)を使用することにより、前記試料(802)を照明すること(1206)と、
前記試料ホルダ(804、902、1002)の第1の側面(I)上に配置された拡大デバイス(1004)を使用することにより、前記試料(802)の前記密封部分(414)を拡大すること(1208)と
、前記第1及び第2の側面(I、II)は、前記試料ホルダ(804、902、1002)の対向する側面であ
り、
カメラホルダ(816、1100)に固定されたカメラ(814、914)及び前記カメラに接続されたコンピュータ(818)を使用して、前記密封部分を描写する画像データを捕捉すること(1212)と、前記カメラは、前記試料ホルダの前記第2の側面(II)上に置かれ、
前記試料と前記照明デバイスとの間に配置されている、第1の偏光フィルタ(916)を使用することにより、前記照明デバイスから放出された光を前記試料に到達する前に偏向すること(1222)と、
前記試料と前記カメラとの間に配置されている、第2の偏光フィルタ(918)を使用することにより、前記試料ホルダを通過した光を前記カメラに到達する前に偏向すること(1224)と、
を含む、方法(1200)。
【請求項9】
前記第1の偏光フィルタ(916)は、-45度の偏光フィルタであり、
前記第2の偏光フィルタ(918)は、+45度の偏光フィルタである、
請求項8に記載の方法(1200)。
【請求項10】
前記カメラは、前記試料の上方に配置され、
前記照明デバイスは、前記試料の下方に配置される、
請求項8又は9に記載の方法(1200)。
【請求項11】
ステッピングモータ(822)を使用することにより、前記カメラホルダ(816)に対して前記試料ホルダ(804)を移動させること(1226)を更に含み、
前記密封部分を描写する画像データを捕捉する前記ステップ(1212)は、
前記ステッピングモータ(822)の位置に関連する一連の画像を捕捉すること(1214)
と、
前記一連の画像を1つの同じ画像にまとめること(1216)と
を含む、請求項9又は10に記載の方法(1200)。
【請求項12】
前記密封部分を描写する画像データを捕捉する前記ステップ(1212)は、
光制御デバイス(810)を使用することにより、前記光を制御すること(1210)と、
散光位置に設定された前記光制御デバイス(810)で画像データを捕捉すること(1218)と、
高コントラスト位置に設定された前記光制御デバイス(810)で画像データを捕捉すること(1220)と
を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法(1200)。
【請求項13】
前記照明デバイス(808、910、1002)は、第1の長さ方向(L1D)に延在する第1の長さ(L1)及び第1の幅方向(W1D)に延在する第1の幅(W1)を有する光放出領域(812)を備え、前記第1の長さ(L1)は、前記第1の幅(W1)より大きく、前記密封部分(414)は、第2の長さ方向(L2D)に延在する第2の長さ(L2)及び第2の幅方向(W2D)に延在する第2の幅(W2)を有し、前記第2の長さ(L2)は、前記第2の幅(W2)より大きく、前記第1の長さ方向(L1D)は、前記第2の長さ方向(L2D)と平行である、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法(1200)。
【請求項14】
前記堅牢層(406a、406b)は、カートン層である、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法(1200)。
【請求項15】
コンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに、請求項8~14のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、概して、パッケージの分野に関する。より詳細には、本特許出願は、食品製品のためのパッケージ内の密封部分の品質評価に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳及び他の食品製品のためのカートンベースのパッケージは、周知であり、世界の多くの地域で認識されている。一例は、Tetra Pakによって市販されているブロック形状のパッケージTetra Brik(商標)である。このパッケージは、いわゆるロール供給パッケージ機で生成される。この型の機械の一般原理は、パッケージ材料の管を形成し、食品製品で管を充填し、管の下端からパッケージを形成することである。これらのステップは、連続して行われるため、利点は、1時間当たり30000個以上のパッケージの速度を達成できることである。食品製品のためのパッケージを生成するための別の型のパッケージ機は、いわゆるブランク供給パッケージ機である。この型の機械では、パッケージ材料は、ブランクの形態、すなわちスリーブ形状及びプレカットピースのパッケージ材料で提供され、それらは、充填されて1つずつパッケージに形成される。
【0003】
いずれの型のパッケージ機でも、各パッケージに対して上部及び底部がパッケージ材料の2つの部分を一緒に密封することによって形成される。溶接技術としても公知の異なる密封技術は、今日、利用可能である。アルミニウム層を含むパッケージ材料に対して誘導加熱密封技術を使用することができる。この技術の一般原理は、熱が発生するようにパッケージ材料に電流を誘導することである。次に、パッケージ材料内の外部プラスチック層が互いに対して保持するときに互いに付着することができるように、熱がこれらを溶融させる。使用できる密封技術の別の例は、超音波密封技術である。この技術は、電流を誘導する代わりに、超音波を使用して熱を発生させる。
【0004】
いずれの密封技術が使用されるかに関わらず、密封部分は、パッケージ内に形成される。これらの密封部分は、パッケージが漏れないようにするだけでなく、具体的には、無菌パッケージに対して、不要な微生物がパッケージ内に入ることができないようにする。今日では、密封部分の品質評価のための異なる方法が存在する。直接手法は、不十分な密封によって起き得るずれを検出するために、操作者が、生成されたパッケージを規則的な間隔で見ることである。不十分な密封を検出するために使用する間接手法の例は、内方に膨らむ側面がパッケージに形成されるように側面に圧力を提供する間、パッケージを閉鎖することである。密封部分が不十分である場合、空気がパッケージ内に漏れることにより、側部は、もはや内方に膨らまなくなる。その結果、これにより、不十分な密封部分を有することがあるパッケージを容易に見分けることが可能になる。
【0005】
パッケージ内の不十分な密封部分を検出するための直接及び間接手法の両方が今日利用可能であっても、不十分な密封部分を有するパッケージを特定するために必要な時間及び労力を更に低減できるように改良が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の上記に特定された1つ又は複数の制限を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。具体的には、不十分な密封部分を容易に費用効率よく特定することを可能にする装置及び方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、食品製品のためのパッケージの密封部分の品質評価のための装置が提供され、パッケージは、少なくとも堅牢層及びプラスチック層を含み、密封部分は、パッケージの第1の部分及び第2の部分を、第1及び第2の部分のプラスチック層が溶解し、且つそれにより第1及び第2の部分を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、装置は、パッケージの密封部分を含む試料を固定するように配置された試料ホルダであって、試料ホルダの少なくとも一部は、透明である、試料ホルダと、試料ホルダの第1の側面I上に配置された拡大デバイスと、光が試料ホルダを通して拡大デバイスに提供されるように、試料ホルダの第2の側面II上に配置された照明デバイスであって、第1及び第2の側面I、IIは、試料ホルダの対向する側面である、照明デバイスとを含む。
【0008】
装置は、カメラを固定するためのカメラホルダであって、カメラの視界が試料の密封部分に向かって方向付けられるように配置されたカメラホルダを更に含んでもよい。
【0009】
装置は、試料と照明デバイスとの間に配置されている、-45度の偏光フィルタなどの第1の偏光フィルタと、試料とカメラとの間に配置されている、+45度の偏光フィルタなどの第2の偏光フィルタとを更に含んでもよい。
【0010】
装置は、カメラホルダに対して試料ホルダを移動させるように配置されたステッピングモータを更に含んでもよく、カメラは、一連の画像を捕捉するように配置され、各画像は、ステッピングモータの位置に関連し、コンピュータは、一連の画像を1つの同じ画像にまとめるように構成される。
【0011】
装置は、光放出領域を備えた光制御デバイスを更に含んでもよく、光制御デバイスは、散光位置又は高コントラスト位置に設定されるように配置される。
【0012】
光放出領域は、第1の長さ方向L1Dに延在する第1の長さL1及び第1の幅方向W1Dに延在する第1の幅W1を有してもよく、第1の長さL1は、第1の幅W1より大きいことができ、密封部分は、第2の長さ方向L2Dに延在する第2の長さL2及び第2の幅方向W2Dに延在する第2の幅W2を有してもよく、第2の長さL2は、第2の幅W2より大きいことができ、第1の長さ方向L1Dは、第2の長さ方向L2Dと平行であってもよい。
【0013】
堅牢層は、カートン層であってもよい。
【0014】
第2の態様によれば、食品製品のためのパッケージの密封部分の品質評価のための方法が提供され、パッケージは、少なくとも堅牢層及びプラスチック層を含み、密封部分は、パッケージの第1の部分及び第2の部分を、第1及び第2の部分のプラスチック層が溶解し、且つそれにより第1及び第2の部分を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、方法は、パッケージの密封部分を含む試料を準備することと、予め設定された配向に従って試料を配向し、且つ試料を固定することにより、試料を試料ホルダ内に置くことであって、試料ホルダの少なくとも一部は、透明である、置くことと、試料ホルダの第2の側面II上に配置された照明デバイスを使用することにより、試料を照明することと、試料ホルダの第1の側面I上に配置された拡大デバイスを使用することにより、試料の密封部分を拡大することであって、第1及び第2の側面I、IIは、試料ホルダの対向する側面である、拡大することとを含む。
【0015】
方法は、カメラホルダに固定されたカメラ及びカメラに接続されたコンピュータを使用して、密封部分を描写する画像データを捕捉することであって、カメラは、試料ホルダの第2の側面II上に置かれ、第1及び第2の側面I、IIは、試料ホルダの対向する側面である、捕捉することを更に含んでもよい。
【0016】
方法は、試料と照明デバイスとの間に配置されている、-45度の偏光フィルタなどの第1の偏光フィルタを使用することにより、照明デバイスから放出された光を試料に到達する前に偏向することと、試料とカメラとの間に配置されている、+45度の偏光フィルタなどの第2の偏光フィルタを使用することにより、試料ホルダを通過した光をカメラに到達する前に偏向することとを更に含んでもよい。
【0017】
方法は、ステッピングモータを使用することにより、カメラホルダに対して試料ホルダを移動させることを更に含んでもよく、密封部分を描写する画像データを捕捉するステップは、一連の画像を捕捉することであって、各画像は、ステッピングモータの位置に関連する、捕捉することと、一連の画像を1つの同じ画像にまとめることとを含む。
【0018】
密封部分を描写する画像データを捕捉するステップは、光制御デバイスを使用することにより、光を制御することと、散光位置に設定された光制御デバイスで画像データを捕捉することと、高コントラスト位置に設定された光制御デバイスで画像データを捕捉することとを含んでもよい。
【0019】
照明デバイスは、第1の長さ方向L1Dに延在する第1の長さL1及び第1の幅方向W1Dに延在する第1の幅W1を有する光放出領域を備えてもよく、第1の長さL1は、第1の幅W1より大きいことができ、密封部分は、第2の長さ方向L2Dに延在する第2の長さL2及び第2の幅方向W2Dに延在する第2の幅W2を有してもよく、第2の長さL2は、第2の幅W2より大きいことができ、第1の長さ方向L1Dは、第2の長さ方向L2Dと平行であってもよい。
【0020】
堅牢層は、カートン層であってもよい。
【0021】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行されるとき、コンピュータに、第2の態様による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0022】
本発明の更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳述及び図面から明らかになるであろう。
【0023】
ここで、実施形態について、添付の概略図面を参照して例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1b】
図1aに示されたパッケージに形成され得るパッケージ材料片を概して示す。
【
図4】
図1aに示されたパッケージの下部を概して示す。
【
図8a-c】密封部分の品質評価のための装置を例として概して示す。
【
図12】密封部分の品質評価のための方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1aは、
図1bに示されたパッケージ材料片から作成したカートンパッケージ100の一例を概して示す。カートンパッケージ100は、弱化線により互いから分割された多数のパネルを含む。弱化線は、パッケージ材料片を、充填機としても公知のパッケージ機により、確実に効率的にパッケージ100に折り畳むことができるようにする。
【0026】
この例では、パッケージ100は、第1の背面パネル102、左面パネル104、正面パネル106、右面パネル108及び第2の背面パネル110を含み、それらは、一緒にパッケージ100のスリーブ形状本体を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110は、いわゆる長手方向密封により互いに取り付けられる。パッケージ内に保持された製品がパッケージ材料の内部層と接触することを回避するために、第1の背面パネル102の周辺部の内側に置かれる第2の背面パネル110の周辺部は、長手方向密封ストリップと呼ばれることがあるプラスチックストリップによって保護することができる。
【0027】
更に、パッケージ100は、第1の上背面パネル112、左角上面パネル114、上正面パネル116、右角パネル118及び第2の上背面パネル120を含み、それらは、一緒にパッケージ100の上面を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110と同様の手法において、第1及び第2の背上面パネル112、120は、互いに取り付けられる。パッケージ100を閉じるために、第1及び第2の背上面パネル112、120は、上正面パネル116に取り付けられ、左角上面パネル114の2つの部分は、互いに取り付けられ、右角上面パネル118の2つの部分は、互いに取り付けられる。これは、パッケージが製品で充填された後にパッケージ機内で行われる横方向密封によって提供される。
【0028】
パッケージ100は、第1の底背面パネル122、左角底面パネル124、底正面パネル126、右角底面パネル128及び第2の底背面パネル130も含み、それらは、一緒にパッケージの底面を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110と同様の手法において、第1及び第2の底背面パネル122、130は、互いに取り付けられる。パッケージ100を閉じ、それにより底面を形成するために、第1及び第2の底背面パネル122、130は、底正面パネル126に取り付けられ、左角底面パネル124の2つの部分は、互いに取り付けられ、右角底面パネル128の2つの部分は、互いに取り付けられる。
【0029】
パッケージ100がロール供給パッケージ機で生成される場合、多くのパッケージ材料片がパッケージ材料のリール上に次々に提供される。このように配置された多くのパッケージ材料片を有することにより、底面を形成する横方向密封は、次のパッケージの上面を形成する横方向密封が作成されるのと同時に作成されてもよい。横方向密封が作成された後、パッケージは、横方向密封間の部分を切り離すことにより互いから分離される。
【0030】
横方向密封を形成するために、第1の上密封部分134及び第2の上密封部分132並びに第1の底密封部分136及び第2の上密封部分138を提供することができる。横方向密封が作成された後、パッケージ材料は、第1の上密封部分132及び第2の上密封部分134がパッケージ100の上面の上部を形成し、第1の底密封部分136及び第2の底密封部分138がパッケージ100の底面の下部を形成するように分離されてもよい。長手方向密封を形成するために、長手方向密封部分140を使用することができる。
【0031】
パッケージがブランク供給パッケージ機で生成される場合、長手方向密封が事前に提供され、すなわち、第1の背面パネル102は、パッケージ材料のスリーブ形状片が提供されるように、長手方向部分140を介して第2の背面パネル110に取り付けられる。加えて、切断とも呼ばれる分離は、ブランク供給パッケージ機で行われるのではなく、ブランク供給パッケージ機内に供給されるブランクを生成するときに行われる。
【0032】
図2は、ロール供給パッケージ機200の原理を概して示す。パッケージ材料のウェブ202は、リールを介して提供され、パッケージ機200を通して供給方向Aに供給される。管204は、ウェブ202から形成される。食品製品は、弁208と組み合わせたパイプ206を使用して上から管204内に供給することができる。折畳み及び密封デバイス210内において、パッケージ212は、管204から形成される。
【0033】
図3は、パッケージ100を形成するために使用することができるパッケージ材料300を例として概して示す。
【0034】
周辺空間に面して、外部被覆302が提供され得る。外部被覆302は、水の湿度が、外部被覆302の内側に置かれた印刷層304と接触することを回避する目的に役立つことがある。印刷層304は、インク又はパッケージ100上に印刷を提供するために使用されるあらゆる他の材料を含むことができる。
【0035】
印刷層304の内側に第1及び第2の板紙層306、308を提供することができる。第1及び第2の板紙層306、308は、パッケージ100に堅牢性を提供する。第1の板紙層306は、クレーコートの有無に関わらず、漂白した板紙であってもよい。第2の板紙層308は、漂白した又は漂白していない板紙であってもよい。
【0036】
次に、プラスチック材料から作成された積層310を提供することができる。積層310は、微生物がパッケージ100の内側に保持された製品と接触することを妨げるために提供することができる。
【0037】
積層310の内側にアルミニウム箔312を提供することができる。アルミニウム箔312は、光、酸素及び臭気が、パッケージ100の内側に保持された製品と接触することを妨げるが、パッケージの内側の香りをパッケージ100から放つこともできるように提供されてもよい。しかし、アルミニウム箔312は、全ての型のパッケージ材料に存在するわけではない。例えば、冷蔵製品、すなわち冷却される製品のためのパッケージに使用するパッケージ材料では、アルミニウム箔312は、ほとんどの場合に除外され、積層と板紙層との組合せに取って代わる。
【0038】
パッケージ100の内側に保持された製品の最も近くに、例えばプラスチック材料から作成された第1及び第2の内部被覆314、316を提供することができる。これらを備える1つの目的は、製品がアルミニウム箔312と直接接触することを妨げることである。
【0039】
図4は、概して、パッケージ100の下部400の断面図を例としてより詳細に示す。下部400は、第1の部分402a及び第2の部分402bによって形成することができる。更に、パッケージ100は、外層404a、404b、板紙層であり得る堅牢層406a、406b及びプラスチック層408a、408bを含んでもよい。
図3に示されるように、これらの異なる層は、従って、複数の層を含んでもよい。パッケージ機200内で密封するステップ中、プラスチック層408a、408bは、これが例えば誘導加熱密封技術又は超音波密封を使用することにより溶融するように加熱することができる。これを、第1及び第2の部分402a、402bを互いに対して保持することと組み合わせることにより、プラスチック層408a、408bは、形成される融合層410a、410bを形成することができ、これにより従って下部400を形成することができるようになる。
【0040】
密封するステップ中、第1及び第2の部分402a、402bを互いに対して保持するとき、リッジを備えた密封要素を使用することができる。リッジは、追加の圧力をリッジ圧入領域412に提供することを可能にし、リッジ圧入領域412は、密封部分414のサブ領域であってもよい。
【0041】
図5は、パッケージ100内の密封部分414及びリッジ圧入領域412の断面図の一例をより詳細に示す。
【0042】
図6は、密封部分の更に別の断面図を例として示す。しかし、
図6に示された例では、プラスチック層408a、408bが、密封するステップによってどのように影響を及ぼされるかを明白に示すように、プラスチック層408a、408bを除いた全層が取り除かれている。プラスチック層408a、408bは、すなわち、密封するステップ中に加えられた圧力に起因してこれらがより薄くなる点で影響を及ぼされる。
【0043】
図7は、密封部分414の更に別の例であるが、正面図として示される。密封するステップ中にプラスチック層408a、408bが影響を及ぼされる効果は、光が、下部400又は密封部分414を含むあらゆる他の部分を通して透過されるとき、異なる屈折率に面することである。これは、次に、制御された手法で下部400を照明することにより、密封部分414の品質評価を行うことができるようにする。
【0044】
図8a~cは、密封するステップ中にパッケージ材料300がどのように影響を及ぼされるかに依存して、密封部分414を通して伝送された光が異なる影響を及ぼされるという事実を使用する、密封部分414の品質評価のための装置800を例として概して示す。
【0045】
図8aに示されるように、
図4に示された下部400であり得る試料802は、多数の透明板806を含む試料ホルダ804内に置くことができる。光は、試料ホルダ804の第1の側面I上に置かれた照明デバイス808により、光放射領域812を備えた光制御デバイス810を通して提供される。多数の透明板806及び試料802を通して伝送された後、光は、カメラホルダ816に連結することができるカメラ814によって捕捉され、カメラ814は、試料ホルダ804の第2の側面II上に置くことができる。
【0046】
カメラ814によって捕捉された画像データは、コンピュータ818に伝送することができ、コンピュータ818は、示されるようにラップトップコンピュータであってもよおいが、カメラ814に内蔵された処理デバイス又は画像データを操作するように構成されたあらゆる他の処理デバイスであってもよい。コンピュータ818は、画面820を具備してもよい。
【0047】
図8bは、上から見た光制御デバイス810を示す。光放射領域812は、第1の長さ方向L1Dに延在する第1の長さL1及び第1の幅方向W1Dに延在する第1の幅W1を有してもよい。第1の長さ方向L1D及び第1の幅方向W1Dは、垂直であってもよい。第1の長さL1は、第1の幅W1より大きいことができる。
【0048】
図8cは、上から見た多数の透明板806を示す。密封部分414を含む試料802は、第2の長さ方向L2Dに延在する第2の長さL2及び第2の幅方向W2Dに延在する第2の幅W2を有してもよい。第2の長さ方向L2D及び第2の幅方向W2Dは、垂直であってもよい。第2の長さL2は、第2の幅W2より大きいことができる。試料802は、第1の長さ方向L1Dが第2の長さ方向L2Dと平行であるように置くことができる。
【0049】
図9a及び9bは、密封部分414の品質評価のための装置900の2つの例を示す。
図9aでは、装置900は、偏向フィルタなしで示され、
図9bでは、装置900は、偏向フィルタを備えて示されている。
【0050】
より詳細には、
図9aに示されるように、試料ホルダ902は、リッジ圧入領域906を有する試料904を保持するために提供することができる。光908は、照明デバイス910から放射され、試料ホルダ902及び試料904に到達する前に光制御デバイス912を通過する。試料ホルダ902及び試料906を通過する光は、カメラ914によって捕捉することができる。
【0051】
図9bに示されるように、装置900は、試料ホルダ902と試料904との間に置かれた第1の偏向フィルタ916及び試料904とカメラ914との間に置かれた第2の偏向フィルタ918を更に含む。第1の偏向フィルタ916は、-45度の偏向フィルタであってもよく、第2の偏向フィルタ918は、+45度の偏向フィルタであってもよい。偏向フィルタ916、918を有する効果は、密封部分904を通して伝送されるとき、その極性が影響を及ぼされる光のみがカメラ914によって捕捉され得ることである。
【0052】
装置1000は、多数の異なる方法で具現化されてもよい。装置1000の実施形態の一例は、
図10に示されている。この実施形態では、密封部分を通して伝送される光を捕捉するために提供されたカメラはなく、代わりにここではとりわけ照明デバイスを含む試料ホルダ1002及び拡大デバイス1004のみが提供されている。密封部分の品質を評価するために、操作者、すなわち使用者は、拡大デバイス1004を通して密封部分を見ることができる。カメラが提供される場合、拡大デバイス1004は、コンピュータの一部を形成することができる。
【0053】
図11a及び11bは、装置1000の別の実施形態を示す。
図10に示された装置1000の実施形態に即して、試料ホルダ1002及び拡大デバイス1004を提供することができる。しかし、
図10に示された実施形態に加えて、カメラホルダ1100を提供することができる。カメラホルダ1100を使用することにより、カメラを備えた携帯電話1102又はあらゆる他のカメラを具備したデバイスは、画像データが携帯電話1102のカメラを使用して捕捉され得るように置くことができる。
【0054】
図12は、密封部分の品質評価のための方法のステップを示すフローチャート1200である。第1のステップ1202では、試料を準備することができる。第2のステップ1204では、試料は、試料ホルダ内に置くことができる。第3のステップ1206では、試料を照明することができる。第4のステップ1208では、密封部分を拡大することができる。
【0055】
任意選択的に、第5のステップ1210では、光が制御されてもよい。例えば、光は、
図8に示された試料ホルダ804と光制御デバイス810との間の距離を変えることによって制御されてもよい。光は、光制御デバイス810を高コントラスト位置に有するときに画像データが捕捉されてもよく、且つ光制御デバイスを拡散光位置に有するときに画像データが捕捉され得るように制御されてもよい。
【0056】
任意選択的に、第6のステップ1212では、画像データが捕捉されてもよい。画像データを単一画像の形態で捕捉する代替手段として、一連の画像は、第6のステップ1212のサブステップである第7のステップ1214で捕捉されてもよい。一連の画像は、これも第6のステップ1212のサブステップである第8のステップ1216で一緒にまとめられてもよい。更に上に説明したように、散光位置及び高コントラスト位置に設定され得る光制御デバイス810を有する場合、画像データは、第9のステップ1218において、散光位置に設定された光制御デバイスで捕捉されてもよく、画像データは、第10のステップ1220において、高コントラスト位置に設定された光制御デバイスで捕捉されてもよい。
【0057】
任意選択的に、第11のステップ1222では、照明デバイス910から放射された光は、例えば、-45度の偏向フィルタを使用することによって偏光されてもよく、第12のステップ1224では、試料ホルダ902を通過した光は、例えば、+45度の偏向フィルタを使用することによって偏光されてもよい。
【0058】
任意選択的に、第13のステップ1226では、試料ホルダ804は、画像データが数か所で捕捉され得るように、カメラホルダ816に対して移動されてもよい。このステップは、第7及び第8のステップ1214、1216と組み合わされてもよい。
【0059】
ステップは、特定の順番で提示されているが、これは、多くの可能性の一例とみなすべきである。
【0060】
上記から、本発明の様々な実施形態が記載され且つ示されているが、本発明は、それに限定されず、以下の特許請求の範囲に定義された主題の範囲内の他の方法で具現化され得ることになる。