(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】道路バリア装置
(51)【国際特許分類】
E05D 7/12 20060101AFI20240422BHJP
E05D 11/08 20060101ALI20240422BHJP
E05D 5/10 20060101ALI20240422BHJP
E01F 15/08 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
E05D7/12 Z
E05D11/08 E
E05D5/10 B
E01F15/08
(21)【出願番号】P 2021526743
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 US2019057334
(87)【国際公開番号】W WO2020101840
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521209214
【氏名又は名称】リンゼー トランスポーテーション ソリューションズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】リム, ジェイソン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ジェフェリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ボストン, リチャード
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-077230(JP,A)
【文献】米国特許第07168727(US,B2)
【文献】米国特許第06203242(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 5/00-11/00
E01F 13/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダブルエンド型の第1モジュール本体と、前記第1モジュール本体の各端から延在する上部および下部第1モジュールコネクタブラケットとを有する第1道路バリアモジュールと、
ダブルエンド型の第2モジュール本体と、前記第2モジュール本体の各端から延在する上部および下部第2モジュールコネクタブラケットとを有する第2道路バリアモジュールと、
前記第1モジュール本体に摺動可能に接続され、かつ前記第2モジュール本体に向かって延在するばね付勢式ヒンジプッシャー部材と、
前記上部および下部第1および第2モジュー
ルコネクタブラケット
の位置合わせされた
第1および第2モジュールブラケット開口内で前記第1モジュール本体と前記第2モジュール本体との間に配置され、かつ前記上部および下部第1および第2モジュールコネクタブラケットを通って延在するピボットピンとを、組み合わせて有する道路バリア装置であって、
前記上部および下部第1モジュールコネクタブラケットは、互いに一定の垂直距離だけ離間し、位置合わせされた
前記第1モジュールブラケット開口を規定し、
前記上部および下部第2モジュールコネクタブラケットは、互いに離間し、位置合わせされた
前記第2モジュールブラケット開口を規定し、
前記第1モジュール本体および前記第2モジュール本体は、その対向端が互いに離間した状態で配置され、
前記第1モジュールブラケット開口および前記第2モジュールブラケット開口が位置合わせされる状態で、前記上部第1および第2モジュールコネクタブラケットは、重なり合う関係にあり、前記下部第1および第2モジュールコネクタブラケットは、重なり合う関係にあり、
前記ピボットピンは、円周方向に延在する溝を有し、
前記ピボットピンは、最上部の上部モジュールコネクタブラケットの上方にピボットピン上部を含み、
前記ばね付勢式ヒンジプッシャー部材は、前記第1および第2道路バリアモジュール間の相対運動によって生じるラチェット効果による前記ピボットピンの上方への移動を制限し
、重なり合う
関係にある前記上部および下部
第1および第2モジュールコネクタブラケットからの前記ピボットピンの離脱を防止するために
、円周方向に延在する
前記溝内に配置される、道路バリア装置。
【請求項2】
前記ピボットピン
の前記溝は、上部および下部円形面取り面によって規定される、請求項1に記載の道路バリア装置。
【請求項3】
前記ばね付勢式ヒンジプッシャー部材のヒンジプッシャー部材およびばねは、前記第1モジュール本体の空洞内に配置されるガイド構造内に配置される、請求項2に記載の道路バリア装置。
【請求項4】
前記
ヒンジプッシャー部材は、前記上部および下部円形面取り面の間で前記ピボットピンと係合するピン接触面を有する、請求項
3に記載の道路バリア装置。
【請求項5】
前記ヒンジプッシャー部材に取り付けられ、かつ、前記ガイド構造内のスロット内に摺動可能であるガイド突起を含む、請求項3に記載の道路バリア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路バリア装置に関し、より詳細には、枢動可能に接続される道路バリアモジュールを組み込んだ改良装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
枢動可能に接続される道路バリアモジュールは、周知であり、モジュール間の相互接続は、一般的に、道路バリアモジュールをヒンジ式に接続するコネクタピンを用いることで達成される。
【0003】
特定の条件下で、従来型のコネクタピンは、バリアの回収および設置の間に、ピンを押し上げて、位置をずらすことができるラチェット荷重を受ける。ピン上に保持クリップを置くことが知られているが、設置したり取り外したりすることが煩雑で困難である。さらに、そのようなアプローチは、力に関して課題を有する。場合によっては、コネクタピンを設置または取り外すために、特別な道具が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
以下の特許文献は、この分野における現在の技術水準の代表であると考えられる配置を開示している:2015年6月30日に発行された米国特許第9,068,382号、2015年1月27日に発行された米国特許第8,939,675号、2010年5月4日に発行された米国特許第7,708,492号、2005年1月4日に発行された米国特許第6,837,647号、1995年5月9日に発行された米国特許第5,412842号、1991年8月20日に発行された米国特許第5,040,268号、1989年5月9日に発行された米国特許第4,828,425号、1989年2月21日に発行された米国特許第4,806,044号、1975年4月1日に発行された米国特許第3,874,029号、2008年7月1日に発行された米国特許第7,393,154号、2003年10月14日に発行された米国特許第6,632,044号、および2004年10月29日に発行されたフランス特許第FR2826024号。
【発明の概要】
【0005】
発明の簡単な概要
本発明の道路バリア装置は、ダブルエンド型の第1モジュール本体と、第1モジュール本体の各端から延在する上部および下部第1モジュールコネクタブラケットとを有する第1道路バリアモジュールを含む。上部および下部第1モジュールコネクタブラケットは、互いに一定の垂直距離だけ離間し、位置合わせされた第1モジュールブラケット開口を規定する。
【0006】
装置はまた、ダブルエンド型の第2モジュール本体と、第2モジュール本体の各端から延在する上部および下部第2モジュールコネクタブラケットとを有する第2道路バリアモジュールを含む。上部および下部第2モジュールコネクタブラケットは、互いに一定の垂直距離だけ離間し、位置合わせされた第2モジュールブラケット開口を規定する。
【0007】
第1モジュール本体および第2モジュール本体は、その対向端が互いに離間した状態で配置される。第1モジュールブラケット開口および第2モジュールブラケット開口が位置合わせされた状態で、上部第1および第2モジュールコネクタブラケットは、重なり合う関係にあり、下部第1および第2モジュールコネクタブラケットは、重なり合う関係にある。
【0008】
ばね付勢式ヒンジプッシャー部材は、第1モジュール本体に摺動可能に接続され、第2モジュール本体に向かって延在する。
【0009】
ピボットピンは、第1および第2モジュールコネクタブラケットの位置合わせされた第1および第2モジュールブラケット開口内で第1モジュール本体と第2モジュール本体との間に配置され、上部および下部第1モジュールコネクタブラケットおよび第2モジュールコネクタブラケットを通って延在する。
【0010】
ピボットピンは、円周方向に延在する溝を有する。ピボットピンは、最上部の上部モジュールコネクタブラケットの上方にピボットピン上部を含み、ばね付勢式ヒンジプッシャー部材は、第1および第2道路バリアモジュール間の相対運動によって生じるラチェット効果によるピボットピンの上方への移動を制限し、重なり合う上部および下部第1および第2モジュールコネクタブラケットからのピボットピンの離脱を防止するために、円周方向に延在する溝内に配置される。
【0011】
本発明の他の特徴、利点および目的は、以下の説明および添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、ガイド構造内に配置されたばね付勢式ヒンジプッシャー部材と動作可能に関連付けられる、本発明の教示に従って構成されたピボットピンを含むアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図2は、モジュー
ルコネクタブラケットを通って延在する本発明のピボットピンによって接続された2つの道路バリアモジュールを示し、
図1で示されるアセンブリは、道路バリアモジュールの空洞内に配置されている。
【
図3】
図3は、上部および下部
モジュールコネクタブラケット内に配置され、かつ、上部および下部
モジュールコネクタブラケットを通って延在するピボットピンを有する道路バリアモジュールのうちの1つを示す正面立面図である。
【
図4】
図4は、
図2において符号4で示した図面部分の拡大立面図である。
【
図5】
図5は、アセンブリのヒンジプッシャー部材およびばねの拡大斜視図であって、ガイド構造は、破線で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、複数の枢動可能に接続される道路バリアモジュールを有する道路バリア装置に関し、道路バリアモジュールは、本発明の構造によって相互接続される。2つのそのような道路バリアモジュール10および12が示されているが、当然ながら、それらは、典型的には、より長い列の道路バリアモジュールに利用されることが理解されるべきである。
【0014】
図示された配置は、同様の構造の道路バリアモジュール10、12を含む。道路バリアモジュールは、それぞれ、ダブルエンド型のモジュール本体14を有する。図示された実施形態では、道路バリアモジュールのモジュール本体は、鉄筋コンクリート製であるが、本発明の原理は、他のモジュール本体構造に適用される。道路バリアモジュール10、12は、それぞれ、その両端から延在する細長い上部モジュールコネクタブラケット16を有する。道路バリアモジュール10、12の下部モジュールコネクタブラケット18もまた、モジュール本体14の両端から延在し、上部および下部モジュールコネクタブラケット16、18は、互いに離間し、位置合わせされたモジュールブラケット開口20を規定している。
【0015】
道路バリアモジュール10、12のモジュール本体14は、その対向端が互いに離間した状態で配置され、それらの上部第1および第2モジュールコネクタブラケット16、16は、重なり合う関係にある。そのモジュールブラケット開口20は、従来と同様に位置合わせされている。
【0016】
図面において、モジュール本体14の空洞内に配置されたアセンブリ26が示されている。アセンブリ26は、ヒンジプッシャー部材28と、ばね30と、ヒンジプッシャー部材28およびばね30を収納するガイド構造32とを含む。第2道路バリアモジュール12内のアセンブリ26内のプッシャー部材28は、第1道路バリアモジュール10のモジュール本体14の方向に付勢される。
【0017】
ピボットピン40は、道路バリアモジュール10、12のモジュール本体14の間に配置されている。ピボットピン40は、モジュールコネクタブラケット16、18の端部における、位置合わせされたモジュールブラケット開口20内にあり、重なり合う上部および下部モジュールコネクタブラケット16、18の両方を通って延在している。
【0018】
ピボットピン40は、上部円形面取り面46および下部円形面取り面48によって規定される、円周方向に延在する溝44を有する。ヒンジプッシャー部材28は、第1および第2道路バリアモジュール10、12間の相対運動によって生じるラチェット効果によるピボットピン40の上方への移動を制限し、重なり合う上部および下部モジュールコネクタブラケット16、18からのピボットピン40の離脱を防止するために、溝44内に配置されている。ヒンジプッシャー部材28のピン接触面50は、上部および下部円形面取り面46、48の間でピボットピン40と係合する。ヒンジプッシャー部材28の経路および設置は、ヒンジプッシャー部材28に取り付けられ、かつ、ガイド構造32のスロット54内に配置されるガイド突起52によって制御される。
【0019】
円形面取り面46、48は、所望するときのモジュールコネクタブラケット16、18からのピボットピン40の取り外しを容易にする。