(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】心臓弁疾患を治療するための医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/433 20060101AFI20240422BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240422BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240422BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20240422BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A61K31/433
A61P9/00
A61P9/10
A61K31/428
A61K31/506
(21)【出願番号】P 2021533376
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(86)【国際出願番号】 US2019047295
(87)【国際公開番号】W WO2020041333
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517352418
【氏名又は名称】ザ ジェイ. デビッド グラッドストーン インスティテューツ、 ア テスタメンタリー トラスト エスタブリッシュド アンダー ザ ウィル オブ ジェイ. デビッド グラッドストーン
(73)【特許権者】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】テオドリス、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァスタヴァ、ディーパック
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/072731(WO,A1)
【文献】特表2010-520307(JP,A)
【文献】特表2011-528322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00- 33/44
A61P 1/00- 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
Science Direct
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石灰化大動脈弁疾患を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物はそれを必要とする対象に投与されるものであり、かつ、治療有効量の
XCT-790(2E-3-(4-{[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-3-メトキシフェニル)-2-シアノ-N-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]アクリルアミド):
【化1】
または薬学的に許容されるその塩
もしくは溶媒和
物を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬組成物は、TG-003((Z)-1-(3-エチル-5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-2-イリデン)プロパン-2-オン)との組み合わせで使用されるものである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物は、GSK-837149A(4,4’-(カルボニルジイミノ)ビス[N-(4-メチル-2-ピリミジニル)-ベンゼンスルホンアミド)との組み合わせで使用されるものである、請求項1に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は心臓弁疾患を治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト疾患を駆動する遺伝子調節ネットワークの決定は、単なる対症療法ではなく、基礎疾患機構を標的とする治療法の設計を可能にする。調節不全のネットワークのアーキテクチャをマッピングすることにより、疾患プロセスに限定的な影響しか及ぼさないと思われる末梢下流エフェクターとは対照的に、ネットワークのコア調節エレメントを修正する分子のスクリーニングが可能になる。主要な調節ノードを標的とする分子を同定することは、最終的にネットワーク全体に最も広範な修正効果をもたらし、したがって疾患全体に最大の影響を及ぼすことになる分子に焦点を当てる。
【0003】
小分子は伝統的には、最大でも1つから数個のアウトプットに対する効果についてスクリーニングされており、そこから疾患全体に対する予測される有効性が推定される。全トランスクリプトームRNA配列決定(RNA-seq)は、対象細胞のトランスクリプトームに対する各小分子の影響についての最も完全な情報を提供するが、その費用が高いためハイスループット薬物スクリーニングへの使用が妨げられている。対照的に、標的RNA-seq法の出現は、それらが関心のある選択された転写物についての配列決定に焦点を当てていることから、有意に安価であり、疾患ネットワーク内の100~200の転写物に対するそれらの効果を決定することによって、ネットワーク修正分子のためのハイスループットスクリーニングを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成人心疾患の第3の主要原因である石灰化大動脈弁疾患(CAVD)は、大動脈硬化と呼ばれる血流の閉塞を伴わない軽度の弁肥厚から大動脈弁狭窄と呼ばれる弁尖運動障害を伴う重度の石灰化までの範囲の進行性疾患である。神経原性遺伝子座ノッチホモログ蛋白質1(NOTCH1)(N1)はヒト膜結合転写因子であり、N1遺伝子の単一機能コピーが存在するN1ハプロ不全(N1+/-)がCAVDの原因として特定されている。CAVDに対する現行の唯一の治療法は弁移植であり、米国だけで年間10万回以上の弁移植が必要とされている。弁石灰化が時間とともに進行することを考えると、もしそれが解明されれば、予防医学的治療を介入する機会がある。本開示は、上記の問題に対処し、関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、心臓弁疾患、例えば石灰化大動脈弁疾患(CAVD)を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式I~Xのいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法を提供する。また、心臓弁疾患、例えば、CAVDの治療のための候補化合物を同定する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】(標的RNA-seqから)N1ハプロ不全による遺伝子ネットワーク調節不全のマップを示す。
【
図1B】(標的RNA-seqから)WTまたはN1
+/-のECにおける遺伝子発現の主成分分析(PCA)プロットを示す。グラフを通る線は、右側のWT+DMSOデータ点と左側のN1
+/-+DMSOデータ点を分割する。
【
図1C】(標的RNA-seqから)DMSOに曝露されたN1
+/-またはWTのECと比較して、1595の小分子のうちの1つで処理されたN1
+/-ECにおける遺伝子発現のPCAプロットを示す。四角は、分子で処理されたN1
+/-を示し、そのネットワーク転写がKNNアルゴリズムによってWTとして分類するのに十分に修正されていた(corrected)。
【
図1D】(標的RNA-seqから)DMSOに曝露されたN1
+/-またはWTのECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート9/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図1E】(標的RNA-seqから)DMSOに暴露されたWT、DMSOに暴露されたN1
+/-、または小分子処理されたN1
+/-と真の同一性を有するWTとして分類された標的RNA-seq検証複製の割合(%)を示す。
【
図2A】(全トランスクリプトームRNA-seqから)N1
+/-ECにおいて調節不全の遺伝子に対するネットワーク修正分子の効果を示す。各遺伝子クラスターに富む遺伝子オントロジー(GO)経路を右に示す。
【
図2B】(全トランスクリプトームRNA-seqから)DMSOまたはネットワーク修正分子に曝露されたN1
+/-のECにおける遺伝子発現と、WTのECにおける遺伝子発現との相関を示す。
【
図2C】(全トランスクリプトームRNA-seqから)N1ハプロ不全によってアップレギュレートされるSOX7およびTCF4調節ノードのsiRNA抑制によるN1依存性遺伝子発現の相関を示す。
【
図2D】(全トランスクリプトームRNA-seqから)ネットワーク修正分子によるSOX7およびTCF4調節ノードの抑制を示す。
【
図2E】(全トランスクリプトームRNA-seqから)ネットワーク修正分子またはSOX7およびTCF4を標的とするsiRNAで処理したN1
+/-ECにおけるN1依存性ネットワーク回復の程度を示す。正の値は、WT発現レベルに向かうかまたは過去の修正を示す。負の値は、調節不全の悪化を示す。
【
図3A】ネットワーク修正分子またはSOX7およびTCF4を標的とするsiRNAで処理されたN1
+/-ECにおけるWT発現レベルに対するN1依存性ネットワーク内のノードの修正率(%)を示す。
【
図3B】TG003(2/38)またはDMSO(14/86)で処理した後の、アリザリンレッド染色による石灰化AVを有するN1
+/-/mTR
G2マウスの数を示す(p=0.09,X
2検定)。
【
図3C】TG003(n=2)またはDMSO(n=14)で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおけるアリザリンレッド染色によって石灰化したAVの割合(%)を示す(p=0.09、片側t検定)。エラーバーは標準誤差を表す。
【
図3D】XCT790(n=17)またはDMSO(n=86)で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおける心エコー検査によるAVピーク速度を示す(p=0.17、片側t検定)。箱(Boxes)は四分位数範囲を表し、ひげ(whiskers)は範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図3E】XCT790(n=17)またはDMSO(n=86)で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおける心エコー検査によるPVピーク速度を示す(p=0.001、片側t検定)。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図4A】標的RNA-seq(targeted RNA-seq)データに基づくネットワーク推論によってマッピングされた、N1依存性遺伝子ネットワーク内の各ノードのネットワーク接続数のヒストグラムを示す。
【
図4B】N1依存性遺伝子ネットワークにおいて最も接続されている上位20個のノードを、最大から最小の結合価(valent)の順に示している。
【
図5A】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート1/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図5B】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート4/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図6A】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート7/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図6B】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート8/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図7A】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート12/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図7B】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート13/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図8A】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート14/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写プロファイルの階層的クラスタリングを示す。
【
図8B】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、(LOPAC(登録商標)ライブラリプレート3/16からの)各小分子で処理されたN1
+/-ECの転写(登録商標)プロファイルの階層的クラスタリングを示す。LOPAC(登録商標)ライブラリプレート3からの小分子は、WTECでクラスター化するほどN1
+/-ECの転写プロファイルを十分に回復しなかった。
【
図9A】DMSOに曝露されたN1
+/-ECまたはWTECと比較して、各ネットワーク修正小分子で処理されたN1
+/-ECにおける全トランスクリプトームRNA-seqによるカドヘリン11mRNA発現を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。
【
図9B】SOX7およびTCF4を標的とするsiRNAで処理されたN1
+/-ECにおいて、対照siRNAで処理されたN1
+/-ECまたはWTECと比較した、全トランスクリプトームRNA-seqによるSOX7またはTCF4mRNA発現を示す。エラーバーは標準誤差を表す。
【
図9C】TG003(n=38)またはDMSO(n=86)で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおける心エコー検査によるAVピーク速度を示す(p=0.22、片側t検定)。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図9D】TG003(n=38)またはDMSO(n=86)で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおける心エコー検査によるPVピーク速度を示す(p=0.83、片側t検定)。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図9E】XCT790(1/17)またはDMSO(14/86)で処理した後の、アリザリンレッド染色による石灰化AVを有するN1
+/-/mTRG2マウスの数を示す(p=0.27、X
2検定)。
【
図9F】XCT790(n=1)またはDMSO(n=14)で処理したN1
+/-/mTRG2マウスにおけるアリザリンレッド染色によって石灰化したAVの割合(%)を示す。エラーバーは標準誤差を表す。
【
図9G】分化の第13日における非染色CD31/CD144二重陽性iPSC由来ECの代表的なFACS分析を示す。
【
図9H】分化の第13日における染色されたCD31/CD144二重陽性iPSC由来ECの代表的なFACS分析を示す。
【
図10A】KNNおよび階層的クラスタリングアルゴリズムによって同定された37のネットワーク修正分子候補を示す。
【
図10B】KNNおよび階層的クラスタリングアルゴリズムによって同定された37のネットワーク修正分子候補のうちの15の活性を示す。
【
図10C】KNNおよび階層的クラスタリングアルゴリズムによって同定された37のネットワーク修正分子候補のうちの22の活性を示す。
【
図11A】Fmoc-leuまたはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図11B】Fmoc-leuまたはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおけるAV最大厚さおよびPV最大厚さを示す。
【
図11C】(左/上)は、小さな初期コホートについて、Fmoc-leuまたはDMSOでの処理後の、アリザリンレッド染色による石灰化AVを有するN1
+/-/mTR
G2マウスの数を示す。(右/下)は、小さな初期コホートについて、Fmoc-leuまたはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスにおける、アリザリンレッド染色によって石灰化したAVの割合(%)を示す。
【
図12A】ナロキソンまたは生理食塩水で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図12B】ナロキソンまたは生理食塩水で処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおけるAV最大厚さおよびPV最大厚さを示す。
【
図12C】小さな初期コホートに対するナロキソンまたは生理食塩水による処理後のアリザリンレッド染色による石灰化AVを有するN1
+/-/mTR
G2マウスの数を示す。
【
図13】プトレシン+CB1954またはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図14】RO4929097またはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図15A】
図15Aおよび15Bは、GSK837149AまたはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【
図15B】
図15Aおよび15Bは、GSK837149AまたはDMSOで処理したN1
+/-/mTR
G2マウスの小さな初期コホートにおける心エコー検査によるAVピーク速度およびPVピーク速度を示す。箱は四分位数範囲を表し、ひげは範囲を表し、水平の実線は中央値を表す。円形の点は女性を表し、菱形は男性を表す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療すること」などの用語は、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防するという点で予防的であり得、および/または疾患および/または疾患に起因する有害作用の部分的または完全な治癒に関して治療的であり得る。本明細書中で使用される「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患のいずれかの治療を包含し、(a)疾患の素因となり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患が生じるのを防止すること;(b)疾病の抑制、すなわちその発生を停止すること;および(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退縮を引き起こすこと、を含む。
【0008】
本明細書において交換可能に使用される「個体」、「対象」、「宿主」、および「患者」という用語は、ネズミ(ラット、マウス)、非ヒト霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)などを含むがこれらに限定されない哺乳動物を指す。
【0009】
「治療有効量」または「有効量」は、疾患を治療するために哺乳動物または他の対象に投与された場合に、その疾患に対してそのような治療を行うのに十分である化合物の量を指す。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療される対象の年齢、体重などによって変更されてもよい。
【0010】
本明細書で使用される場合、「幹細胞」という用語は、増殖するように誘導され得る未分化細胞を指す。幹細胞には自己維持能力があり、細胞分裂ごとに1個の娘細胞が幹細胞にもなる。幹細胞は、胚組織、出生後組織、幼若組織または成体組織から得ることができる。本明細書において使用される「前駆細胞」という用語は、幹細胞に由来する未分化細胞を指し、それ自体は幹細胞ではない。ある種の前駆細胞は、複数の細胞型に分化することができる子孫を産生することができる。
【0011】
本明細書で使用される「人工多能性幹細胞」(または「iPS細胞」)という用語は、体細胞、例えば、分化した体細胞から誘導された多能性幹細胞を指す。iPS細胞は、神経幹細胞を含む細胞運命決定幹細胞や、さまざまな種類の成熟細胞への自己再生および分化が可能である。
【0012】
選択された化学用語の定義
特定の化合物または置換基の命名法は、限定されるものではないが、ロウドン(Loudon)のOrganic Chemistry、第4版、ニューヨーク:Oxford University Press、2002年、360~361頁、1084~1085頁;スミス(Smith)およびマーチ(March)のAdvanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms, and Structure、第5版、Wiley-Interscience、2001年、を含む化学文献に記載されているような従来の意味で使用される。
【0013】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、親アルカンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することによって誘導される飽和分岐または直鎖一価炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルキル基としては、限定されるものではないが、メチル;エチル;プロパン-1-イルまたはプロパン-2-イルのようなプロピル;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イルまたは2-メチル-プロパン-2-イルなどのブチル、が含まれる。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~20個の炭素原子を含む。その他の実施形態において、アルキル基は、1~10個の炭素原子を含む。さらにその他の実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子などの1~6個の炭素原子を含む。
【0014】
「アルカニル」は、それ自体で、または別の置換基の一部として、アルカンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することによって誘導される飽和分岐、直鎖または環状アルキルラジカルを指す。典型的なアルカニル基としては、限定されるものではないが、メタニル;エタニル;プロパン-1-イル、プロパン-2-イル(イソプロピル)、シクロプロパン-1-イルなどのプロパニル;ブタン-1-イル、ブタン-2-イル(sec-ブチル)、2-メチル-プロパン-1-イル(イソブチル)、2-メチル-プロパン-2-イル(t-ブチル)、シクロブタン-1-イルなどのブタニル;などが挙げられる。
【0015】
「アルキレン」とは、分枝状または非分枝状の飽和炭化水素鎖を指し、通常は1~40個の炭素原子を有し、より多くの場合は1~10個の炭素原子を有し、さらに多くの場合は1~6個の炭素原子を有する。この用語は、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン異性体(例えば、-CH2CH2CH2-および-CH(CH3)CH2-)などのような基によって例示される。
【0016】
「アルケニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、アルケンの単一炭素原子から水素原子を1つ除去することによって得られる少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する分岐、直鎖または環状の不飽和アルキルラジカルを指す。この基は、二重結合についてシスまたはトランスのいずれかのコンフォメーションを有していてもよい。典型的なアルケニル基には、限定されるものではないが、エテニル;プロプ(prop)-1-エン-1-イル、プロプ-1-エン-2-イル、プロプ-2-エン-1-イル(アリル)、プロプ-2-エン-2-イル、シクロプロプ-1-エン-1-イル、シクロプロプ-2-エン-1-イルなどのプロペニル;ブタ-1-エン-1-イル、ブタ-1-エン-2-イル、2-メチル-プロプ-1-エン-1-イル、ブタ-2-エン-1-イル、ブタ-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブタ-1-エン-1-イル、シクロブタ-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イルなどのブテニル;等が含まれる。
【0017】
「アルキニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、アルケンの単一炭素原子から水素原子を1つ除去することによって得られる少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する分岐、直鎖または環状の不飽和アルキルラジカルを指す。典型的なアルキニル基には、限定されるものではないが、エチニル;プロプ-1-イン-1-イル、プロプ-2-イン-1-イルなどのプロピニル;ブタ-1-イン-1-イル、ブア-1-イン-3-イル、ブタ-3-イン-1-イルなどのブチニル;など、が含まれる。
【0018】
「アシル」は、それ自体または別の置換基の一部として、ラジカル-C(O)R30を指し、ここで、R30は、本明細書に定義される水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよびそれらの置換されたバージョンである。代表的な例としては、限定されるものではないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル、ピペロニル、スクシニル、およびマロニルなどが含まれる。
【0019】
「アミノアシル」という用語は、-C(O)NR21R22基を指し、ここで、R21およびR22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環からなる群から選択され、ここでR21およびR22は、任意に、それに結合する窒素と一緒に結合してヘテロ環または置換ヘテロ環基を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環は本明細書で定義される通りである。
【0020】
「アルコキシ」は、それ自体または別の置換基の一部として、ラジカル-OR31を指し、ここで、R31は、本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基を表す。代表的な例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。
【0021】
「アルコキシカルボニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、ラジカル-C(O)OR31を指し、ここで、R31は、本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基を表す。代表的な例としては、限定されるものではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルなどが含まれる。
【0022】
「アリール」は、それ自体または他の置換基の一部として、芳香環系の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することによって誘導される一価の芳香族炭化水素ラジカルを指す。典型的なアリール基としては、限定されるものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等に由来する基が含まれる。特定の実施形態において、アリール基は、6~20個の炭素原子を含む。特定の実施形態において、アリール基は、6~12個の炭素原子を含む。アリール基の例は、フェニルおよびナフチルである。
【0023】
「アリールアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがアリール基で置換された非環式アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基には、限定されるものではないが、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどが含まれる。特定のアルキル部分が意図される場合、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルの命名法が使用される。特定の実施形態において、アリールアルキル基は、(C7~C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1~C10)であり、アリール部分は(C6~C20)である。特定の実施形態において、アリールアルキル基は、(C7~C20)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1~C8)であり、アリール部分は(C6~C12)である。
【0024】
「アリールアリール」は、単独で、または他の置換基の一部として、2つ以上の同一または非同一の芳香族環系が単結合によって直接結合している環系の単一炭素原子から1つの水素原子を除去することによって誘導される一価の炭化水素基を指し、このような直接環結合の数は、関与する芳香族環系の数よりも1つ少ない。典型的なアリールアリール基としては、限定されるものではないが、ビフェニル、トリフェニル、フェニル-ナフチル、ビナフチル、ビフェニル-ナフチルなどが含まれる。アリールアリール基中の炭素原子の数を特定する場合、その数は、各芳香環を構成する炭素原子を指す。例えば、(C5~C14)アリールアリールは、各芳香族環が5~14個の炭素を含むアリールアリール基であり、例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、フェニルナフチルなどである。特定の実施形態において、アリールアリール基の各芳香環系は、独立して(C5~C14)芳香族である。特定の実施形態において、アリールアリール基の各芳香環系は、独立して(C5~C10)芳香族である。特定の実施形態において、各芳香環系は同一であり、例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、トリナフチルなどである。
【0025】
「シクロアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、飽和または不飽和環状アルキルラジカルを指す。特定のレベルの飽和が意図される場合、命名法「シクロアルカニル」または「シクロアルケニル」が使用される。典型的なシクロアルキル基としては、限定されるものではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基が含まれる。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、(C3~C10)シクロアルキルである。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、(C3~C7)シクロアルキルである。
【0026】
「シクロヘテロアルキル」または「ヘテロシクリル」は、それ自体または別の置換基の一部として、1つ以上の炭素原子(および任意に結合した水素原子)が独立に同一または異なるヘテロ原子で置換されている飽和または不飽和環状アルキルラジカルを指す。炭素原子を置換するための典型的なヘテロ原子には、N、P、O、S、Siなどが含まれるが、これらに限定されない。特定のレベルの飽和が意図される場合、命名法「シクロヘテロアルカニル」または「シクロヘテロアルケニル」が使用される。典型的なシクロヘテロアルキル基としては、限定されるものではないが、エポキシド、アジリン、チイラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどから誘導される基が含まれる。
【0027】
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニル」は、それ自体または他の置換基の一部として、それぞれ、アルキル、アルカニル、アルケニルおよびアルキニル基を指し、ここで、1つ以上の炭素原子(および任意に結合した水素原子)は、独立に、同一または異なるヘテロ原子基で置換される。これらの基に含まれ得る典型的なヘテロ原子基は、限定されるものではないが、-O-、-S-、-S-S-、-O-S-、-NR37R38-、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR39R40、-PR41-、-P(O)2-、-POR42-、-O-P(O)2-、-S-O-、-S-(O)-、-SO2-、-SnR43R44-などを含み、ここで、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43およびR44は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、または置換ヘテロアリールアルキルである。
【0028】
「ヘテロアリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、ヘテロ芳香族環系の1つの原子から1つの水素原子を除去することによって誘導される1価のヘテロ芳香族ラジカルを指す。典型的なヘテロアリール基は、限定されるものではないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン、ベンゾジオキソールなどである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、5~20員のヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、5~10員のヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンに由来するものである。
【0029】
「ヘテロアリールアルキル」は、それ自体または他の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがヘテロアリール基で置換された非環式アルキルラジカルを指す。特定のアルキル部分が意図される場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルの命名法が使用される。特定の実施形態において、ヘテロアリールアルキル基は6~30員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は1~10員であり、ヘテロアリール部分は5~20員のヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリールアルキル基は6~20員のヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は1~8員であり、ヘテロアリール部分は5~12員のヘテロアリールである。
【0030】
「芳香環系」それ自体または他の置換基の一部として、共役π電子系を有する不飽和環状または多環式環系を指す。特に「芳香環系」の定義に含まれるのは、環の1つ以上が芳香族であり、環の1つ以上が飽和又は不飽和である縮合環系であり、例えばフルオレン、インダン(indane)、インデン、フェナレンなどである。典型的な芳香環系としては、限定されるものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどが含まれる。
【0031】
「ヘテロ芳香族環系」は、それ自体または他の置換基の一部として、1つ以上の炭素原子(および任意に結合した水素原子)が独立に同一または異なるヘテロ原子で置換される芳香族環系を指す。炭素原子を置換するための典型的なヘテロ原子には、N、P、O、S、Siなどが含まれるが、これらに限定されない。特に「芳香環系」の定義に含まれるのは、環の1つ以上が芳香族であり、環の1つ以上が飽和又は不飽和である縮合環系であり、例えばアルシンドール、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテンなどである。典型的な芳香族環系は、限定されるものではないが、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどである。
【0032】
「置換された」とは、1つ以上の水素原子が独立して同一または異なる置換基で置換された基を指す。典型的な置換基としては、限定されるものではないが、アルキレンジオキシ(メチレンジオキシなど)、-M、-R60、-O-、=O、-OR60、-SR60、S-、=S、-NR60R61、=NR60、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)2O-、-S(O)2OH、-S(O)2R60、-OS(O)2O-、-OS(O)2R60、-P(O)(O-)2、-P(O)(OR60)(O-)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(S)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR60R61、-C(O)O-、-C(S)OR60、-NR62C(O)NR60R61、-NR62C(S)NR60R61、-NR62C(NR63)NR60R61および-C(NR62)NR60R61が含まれ、ここで、Mはハロゲンであり;R60、R61、R62およびR63は、独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール、または任意選択的に、R60およびR61ならびにそれらが結合される窒素原子は、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成し;およびR64およびR65は、独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリール、または任意選択的にR64およびR65ならびにそれらが結合された窒素原子は、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成する。特定の実施形態において、置換基には、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-S-、=S、-NR60R61、=NR60、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)2R60、-OS(O)2O-、-OS(O)2R60、-P(O)(O-)2、-P(O)(OR60)(O-)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(S)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR60R61、-C(O)O-、-NR62C(O)NR60R61が含まれる。特定の実施形態において、置換基には、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-NR60R61、-CF3、-CN、-NO2、-S(O)2R60、-P(O)(OR60)(O-)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR60R61、-C(O)O-が含まれる。特定の実施形態において、置換基には、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-NR60R61、-CF3、-CN、-NO2、-S(O)2R60、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(O)OR60、-C(O)O-が含まれ、ここで、R60、R61およびR62は、上に定義される通りである。例えば、置換基は、メチレンジオキシ置換基、またはハロゲン原子、(1~4C)アルキル基および(1~4C)アルコキシ基から選択される1、2、または3つの置換基を有し得る。
【0033】
本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含んでいてもよく、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーなどの立体異性体として存在していてもよい。従って、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋である、エナンチオマー的に純粋である、またはジアステレオマー的に純粋である)およびエナンチオマーおよび立体異性体混合物を含む化合物の全ての可能なエナンチオマーおよび立体異性体は、本明細書中の化合物の説明に含まれる。エナンチオマーおよび立体異性体混合物は、当業者に周知の分離技術またはキラル合成技術を使用して、それらの成分のエナンチオマーまたは立体異性体に分割することができる。化合物はまた、エノール形、ケト形およびそれらの混合物を含むいくつかの互変異性形態で存在することができる。したがって、本明細書に示される化学構造は、示される化合物のすべての可能な互変異性形態を包含する。記載された化合物はまた、1つ以上の原子が、自然界において従来から見出されている原子質量とは異なる原子質量を有する同位体標識化合物を含む。本明細書に開示される化合物に組み込むことができる同位体の例としては、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17Oなどが挙げられるが、これらに限定されない。化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態(水和形態を含む)で存在することができる。一般に、化合物は水和または溶媒和され得る。ある種の化合物は、複数の結晶形または非晶質形で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本明細書で企図される使用について等価であり、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0034】
本開示の態様をさらに説明する前に、本発明は、記載された特定の実施形態に限定されず、それ自体、もちろん、変更できることを理解されたい。本発明の範囲は添付した特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図しないことも理解されたい。
【0035】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に指示しない限り、その範囲の上限値および下限値と、その範囲内の他の記載された値または介在値との間の、下限値の単位の10分の1までの各介在値が、本発明の範囲内に包含されることが理解されよう。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、また、記載された範囲内の任意の具体的に除外された制限に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、含まれる制限の一方または両方を除く範囲も本発明に含まれる。
【0036】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料を以下で説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物が引用されることに関連して方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。請求項は、任意の引用された要素を除外するために起草される場合があることにさらに留意されたい。したがって、この記載は、請求項の要素の記載に関連して「単独で(solely)」、「のみ(only)」などの排他的用語を使用するための、又は「否定的な」限定を使用するための先行的基礎として役立つことを意図している。
【0038】
本明細書に記載される刊行物は、本出願の出願日前の開示のためにのみ提供される。本明細書のいかなるものも、本発明がそのような刊行物に先行する権利を有しないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、独立して確認する必要がある実際の公開日と異なる場合がある。
【0039】
詳細な説明
動物モデルで発見された分子は必ずしもヒトに翻訳されるとは限らないが、人工多能性幹細胞(iPSC)技術は、疾患に罹患した患者から直接生成されたヒトiPSC由来細胞における創薬を可能にする。
【0040】
CAVDに罹患した患者由来のヒトiPSC由来の内皮細胞(EC)においてN1ハプロ不全によって調節不全になった遺伝子ネットワークを修正した小分子を同定するために、ネットワークに基づく薬物スクリーニングを行った。アテローム性動脈硬化および骨形成経路を標的とする分子は、ネットワークに対して最大の修正効果(corrective impact)を及ぼした。これらの効果は、N1ハプロ不全(haploinsufficient)ECにおいてアップレギュレートされる2つの重要な調節ノードであるSOX7およびTCF4のsiRNA阻害の効果を模倣した。選択化合物はマウスにおいてインビボでN1依存性心臓弁疾患を低減させた。要約すると、ネットワークに基づくスクリーニングは、ヒト疾患で調節不全の遺伝子ネットワークに対する広範な回復効果(restorative effects)を有する分子を区別し、このため疾患全体を治療するための有望な候補を示す。
【0041】
本開示は、心臓弁疾患、例えばCAVDを治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式I~Xのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法を提供する。また、心臓弁疾患、例えば、CAVDの治療のための候補化合物を同定する方法も提供される。
【0042】
心臓弁疾患を治療するための方法
本開示は、心臓弁疾患、例えばCAVDを治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式I~Xのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法を提供する。式I~Xから選択される化合物の組み合わせを投与することにより心臓弁疾患(例えば、CAVD)を治療するための方法もまた企図される。
【0043】
心臓弁疾患を治療するための化合物および薬学的に許容される塩およびその誘導体
式Iの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式Iの化合物を含むことができ、同式はXCT-790(2E-3-(4-{[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-3-メトキシフェニル)-2-シアノ-N-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]アクリルアミド)、およびその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0044】
一態様において、開示された方法は、式Iの化合物:
【0045】
【0046】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
nは1~8の整数であり、
XはOまたはSであり、
YはOまたはSであり、かつ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R7、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0047】
いくつかの実施形態において、nは1である。他の実施形態において、nは2である。他の実施形態において、nは3である。他の実施形態において、nは4である。他の実施形態において、nは5である。他の実施形態において、nは6である。他の実施形態において、nは7である。他の実施形態において、nは8である。
【0048】
いくつかの実施形態において、XはOである。他の実施形態において、XはSである。いくつかの実施形態において、YはOである。他の実施形態において、YはSである、他の例において、XはOであり、かつYはOである。他の例において、XはOであり、かつYはSである。他の実施形態において、XはSであり、かつYはOである。他の実施形態において、XはSであり、かつYはSである。
【0049】
いくつかの実施形態において、R1はシアノである。いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0050】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0051】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。他の実施形態において、R3はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0052】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0053】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0054】
いくつかの実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0055】
いくつかの実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0056】
いくつかの実施形態において、R8は水素である。他の実施形態において、R8はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R8はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R8はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R8はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R8はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R8はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R8はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R8はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R8はチオールである。他の実施形態において、R8はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R8はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R8はアジドである。他の実施形態において、R8はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R8はシアノである。他の実施形態において、R8は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R8はニトロである。特定の実施形態において、R8はアミノである。
【0057】
いくつかの実施形態において、R9は水素である。他の実施形態において、R9はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R9はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R9はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R9はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R9はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R9はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R9はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R9はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R9はチオールである。他の実施形態において、R9はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R9はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R9はアジドである。他の実施形態において、R9はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R9はシアノである。他の実施形態において、R9は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R9はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0058】
いくつかの実施形態において、R10は水素である。他の実施形態において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R10はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R10はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R10はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R10はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R10はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R10はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R10はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R10はチオールである。他の実施形態において、R10はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R10はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R10はアジドである。他の実施形態において、R10はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R10はシアノである。他の実施形態において、R10は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R10はニトロである。特定の実施形態において、R10はアミノである。
【0059】
いくつかの実施形態において、R11は水素である。他の実施形態において、R11はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R11はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R11はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R11はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R11はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R11はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R11はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R11はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R11はチオールである。他の実施形態において、R11はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R11はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R11はアジドである。他の実施形態において、R11はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R11はシアノである。他の実施形態において、R11は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R11はニトロである。特定の実施形態において、R11はアミノである。
【0060】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0061】
【0062】
を含む。
式IIの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式IIの化合物を含むことができ、同式はTG-003((Z)-1-(3-エチル-5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-2-イリデン)プロパン-2-オン)およびその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0063】
一態様において、開示された方法は、式IIの化合物:
【0064】
【0065】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
XはOまたはSであり;
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R7、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0066】
いくつかの実施形態において、XはOである。他の実施形態において、XはSである。
いくつかの実施形態において、R1は水素である。いくつかの実施形態において、R1はシアノである。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0067】
いくつかの実施形態において、R2はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0068】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。他の実施形態において、R3はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0069】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0070】
いくつかの実施形態において、R5は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R5はエチルである。他の実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0071】
いくつかの実施形態において、R6は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R6はメチルである。他の実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。
【0072】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0073】
【0074】
を含む。
式IIIの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式IIIの化合物を含むことができ、同式はGSK-837149A(4,4’-(カルボニルジイミノ)ビス[N-(4-メチル-2-ピリミジニル)-ベンゼンスルホンアミド)およびその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0075】
一態様において、開示された方法は、式IIIの化合物:
【0076】
【0077】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR15、-C(O)OR15、-C(O)NR15R16、-C=NR15、-OR15、-OC(O)R15、-S(O)t-R15、-NR15R16、-NR15C(O)R16、-N=CR15R16から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R15およびR15は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0078】
いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0079】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0080】
いくつかの実施形態において、R3は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は水素である。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0081】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0082】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0083】
いくつかの実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0084】
いくつかの実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0085】
いくつかの実施形態において、R8は水素である。他の実施形態において、R8はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R8はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R8はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R8はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R8はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R8はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R8はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R8はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R8はチオールである。他の実施形態において、R8はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R8はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R8はアジドである。他の実施形態において、R8はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R8はシアノである。他の実施形態において、R8は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R8はニトロである。特定の実施形態において、R8はアミノである。
【0086】
いくつかの実施形態において、R9は水素である。他の実施形態において、R9はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R9はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R9はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R9はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R9はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R9はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R9はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R9はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R9はチオールである。他の実施形態において、R9はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R9はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R9はアジドである。他の実施形態において、R9はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R9はシアノである。他の実施形態において、R9は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R9はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0087】
いくつかの実施形態において、R10は水素である。他の実施形態において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R10はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R10はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R10はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R10はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R10はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R10はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R10はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R10はチオールである。他の実施形態において、R10はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R10はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R10はアジドである。他の実施形態において、R10はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R10はシアノである。他の実施形態において、R10は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R10はニトロである。特定の実施形態において、R10はアミノである。
【0088】
いくつかの実施形態において、R11は水素である。他の実施形態において、R11はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R11はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R11はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R11はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R11はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R11はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R11はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R11はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R11はチオールである。他の実施形態において、R11はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R11はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R11はアジドである。他の実施形態において、R11はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R11はシアノである。他の実施形態において、R11は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R11はニトロである。特定の実施形態において、R11はアミノである。
【0089】
いくつかの実施形態において、R12は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R12はメチルである。他の実施形態において、R12は水素である。他の実施形態において、R12はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R12はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R12はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R12はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R12はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R12はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R12はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R12はチオールである。他の実施形態において、R12はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R12はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R12はアジドである。他の実施形態において、R12はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R12はシアノである。他の実施形態において、R12は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R12はクロロである。
【0090】
いくつかの実施形態において、R13は水素である。他の実施形態において、R13はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R13はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R13はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R13はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R13はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R13はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R13はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R13はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R13はチオールである。他の実施形態において、R13はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R13はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R13はアジドである。他の実施形態において、R13はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R13はシアノである。他の実施形態において、R13は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R13はニトロである。特定の実施形態において、R13はアミノである。
【0091】
いくつかの実施形態において、R14は水素である。他の実施形態において、R14はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R14はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R14はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R14はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R14はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R14はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R14はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R14はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R14はチオールである。他の実施形態において、R14はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R14はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R14はアジドである。他の実施形態において、R14はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R14はシアノである。他の実施形態において、R14は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R14はニトロである。特定の実施形態において、R14はアミノである。
【0092】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0093】
【0094】
を含む。
式IVの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式IVの化合物を含むことができ、同式はナロキソン((4R,4aS,7aR,12bS)-4a,9-ジヒドロキシ-3-プロプ-2-エニル-2,4,5,6,7a、13-ヘキサヒドロ-1H-4,12-メタノベンゾフロ[3,2-e]イソキノリン-7-オン)およびその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0095】
一態様において、開示された方法は、式IVの化合物:
【0096】
【0097】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR15、-C(O)OR15、-C(O)NR15R16、-C=NR15、-OR15、-OC(O)R15、-S(O)t-R15、-NR15R16、-NR15C(O)R16、-N=CR15R16から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R15およびR15は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0098】
いくつかの実施形態において、R1はヒドロキシルである。他の実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1は、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0099】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0100】
いくつかの実施形態において、R3は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は水素である。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0101】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はヒドロキシルである。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4は、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0102】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0103】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0104】
【0105】
を含む。
式Vの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式Vの化合物を含むことができ、同式はサイトカラシンならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0106】
一態様において、開示された方法は、式Vの化合物:
【0107】
【0108】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR10、-C(O)OR10、-C(O)NR10R11、-C=NR10、-OR10、-OC(O)R10、-S(O)t-R10、-NR10R11、-NR10C(O)R11、-N=CR10R11から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R10およびR11は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0109】
いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0110】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0111】
いくつかの実施形態において、R3は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は水素である。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0112】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0113】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0114】
いくつかの実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0115】
いくつかの実施形態において、R7は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R7はメチルである。他の実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0116】
いくつかの実施形態において、R8は水素である。他の実施形態において、R8はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R8はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R8はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R8はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R8はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R8はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R8はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R8はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R8はチオールである。他の実施形態において、R8はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R8はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R8はアジドである。他の実施形態において、R8はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R8はシアノである。他の実施形態において、R8は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R8はニトロである。特定の実施形態において、R8はアミノである。
【0117】
いくつかの実施形態において、R9は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキル、または置換アルキルである。ある例において、R9はメチルである。他の実施形態において、R9は水素である。他の実施形態において、R9はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R9はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R9はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R9はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R9はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R9はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R9はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R9はチオールである。他の実施形態において、R9はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R9はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R9はアジドである。他の実施形態において、R9はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R9はシアノである。他の実施形態において、R9は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R9はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0118】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0119】
【0120】
を含む。
式VIの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式VIの化合物を含むことができ、同式はプトレシン(ブタン-1,4-ジアミン)ならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0121】
一態様において、開示された方法は、式VIの化合物:
【0122】
【0123】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR9、-C(O)OR9、-C(O)NR9R10、-C=NR9、-OR9、-OC(O)R9、-S(O)t-R9、-NR9R10、-NR9C(O)R10、-N=CR9R10から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R9およびR10は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0124】
いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0125】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0126】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は、メチル、エチルまたはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0127】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0128】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0129】
いくつかの実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0130】
いくつかの実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R7はメチルである。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0131】
いくつかの実施形態において、R8は水素である。他の実施形態において、R8はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R8はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R8はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R8はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R8はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R8はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R8はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R8はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R8はチオールである。他の実施形態において、R8はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R8はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R8はアジドである。他の実施形態において、R8はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R8はシアノである。他の実施形態において、R8は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R8はニトロである。特定の実施形態において、R8はアミノである。
【0132】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0133】
【0134】
を含む。
式VIIの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式VIIの化合物を含むことができ、同式はCB-1954(5-(1-アジリジニル)-2,4-ジニトロベンズアミド)ならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0135】
一態様において、開示された方法は、式VIIの化合物:
【0136】
【0137】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2およびR3のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR4、-C(O)OR4、-C(O)NR4R5、-C=NR4、-OR4、-OC(O)R4、-S(O)t-R4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-N=CR4R5から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R4およびR5は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0138】
いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0139】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0140】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0141】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0142】
【0143】
を含む。
式VIIIの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式VIIIの化合物を含むことができ、同式はビペリデン((1RS,2SR,4RS)-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オール)ならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。本開示の医薬組成物および方法はまた、式VIIIの化合物を企図する。
【0144】
一態様において、開示された方法は、式VIIIの化合物:
【0145】
【0146】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-C=NR8、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-N=CR8R9から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R8およびR9は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0147】
いくつかの実施形態において、R1はヒドロキシルである。他の実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1は、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0148】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0149】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0150】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0151】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0152】
いくつかの実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0153】
いくつかの実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R7はメチルである。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0154】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0155】
【0156】
を含む。
式IXの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式IXの化合物を含むことができ、同式はRO-4929097(2,2-ジメチル-N-[(10S)-9-オキソ-8-アザトリシクロ[9.4.0.02,7]ペンタデカ-1,2,4,6,11,13-ヘキサエン-10-イル]-N’-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)プロパンジアミド)ならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0157】
一態様において、開示された方法は、式IXの化合物:
【0158】
【0159】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R12、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択される(ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される)。
【0160】
いくつかの実施形態において、R1は水素である。他の実施形態において、R1はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R1はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R1はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R1はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R1はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R1はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R1はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R1はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R1はチオールである。他の実施形態において、R1はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R1はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R1はアジドである。他の実施形態において、R1はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R1は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R1はニトロである。特定の実施形態において、R1はナフチルである。
【0161】
いくつかの実施形態において、R2は水素である。他の実施形態において、R2はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R2はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R2はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R2はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R2はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R2はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R2はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R2はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R2はチオールである。他の実施形態において、R2はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R2はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R2はアジドである。他の実施形態において、R2はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R2はシアノである。他の実施形態において、R2は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R2はニトロである。
【0162】
いくつかの実施形態において、R3は水素である。ある例において、R3はメチルである。他の実施形態において、R3は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R3はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R3はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R3はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R3はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R3はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R3はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R3はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R3はチオールである。他の実施形態において、R3はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R3はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R3はアジドである。他の実施形態において、R3はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R3はシアノである。他の実施形態において、R3は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R3はクロロである。
【0163】
いくつかの実施形態において、R4は水素である。他の実施形態において、R4はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R4はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R4はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R4はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R4はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R4はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R4はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R4はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R4はチオールである。他の実施形態において、R4はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R4はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R4はアジドである。他の実施形態において、R4はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R4はシアノである。他の実施形態において、R4は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R4はニトロである。
【0164】
いくつかの実施形態において、R5は水素である。他の実施形態において、R5はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R5はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R5はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R5はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R5はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R5はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R5はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R5はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R5はチオールである。他の実施形態において、R5はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R5はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R5はアジドである。他の実施形態において、R5はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R5はシアノである。他の実施形態において、R5は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R5はニトロである。
【0165】
いくつかの実施形態において、R6は水素である。他の実施形態において、R6はメトキシまたはエトキシなどのアルコキシである。他の実施形態において、R6はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R6はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R6はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R6はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R6はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R6はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R6はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R6はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R6はチオールである。他の実施形態において、R6はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R6はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R6はアジドである。他の実施形態において、R6はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R6はシアノである。他の実施形態において、R6は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R6はニトロである。特定の実施形態において、R6はエトキシカルボニルなどのアルコキシルカルボニルである。
【0166】
いくつかの実施形態において、R7は水素である。他の実施形態において、R7は、メチル、エチルまたはプロピルなどの、アルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R7はメチルである。他の実施形態において、R7はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R7はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R7はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R7はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R7はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R7はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R7はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R7はチオールである。他の実施形態において、R7はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R7はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R7はアジドである。他の実施形態において、R7はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R7はシアノである。他の実施形態において、R7は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R7はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0167】
いくつかの実施形態において、R9は、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキルまたは置換アルキルである。ある例において、R9はペンタルフオロエチルである。他の実施形態において、R9は水素である。他の実施形態において、R9はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R9はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R9はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R9はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R9はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R9はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R9はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R9はチオールである。他の実施形態において、R9はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R9はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R9はアジドである。他の実施形態において、R9はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R9はシアノである。他の実施形態において、R9は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R9はニトロである。特定の実施形態において、R7はアミノである。
【0168】
いくつかの実施形態において、R10は水素である。他の実施形態において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R10はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R10はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R10はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R10はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R10はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R10はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R10はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R10はチオールである。他の実施形態において、R10はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R10はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R10はアジドである。他の実施形態において、R10はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R10はシアノである。他の実施形態において、R10は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R10はニトロである。特定の実施形態において、R10はアミノである。
【0169】
いくつかの実施形態において、R11は水素である。他の実施形態において、R11はアルキルまたは置換アルキルである。他の実施形態において、R11はアリールまたは置換アリールである。他の実施形態において、R11はヘテロシクロアルキルまたは置換ヘテロシクロアルキルである。他の実施形態において、R11はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。他の実施形態において、R11はヒドロキシル、アルコキシルまたは置換アルコキシルである。他の実施形態において、R11はアシルオキシまたは置換アシルオキシである。他の実施形態において、R11はアルコキシルカルボニルまたは置換アルコキシカルボニルである。他の実施形態において、R11はアシルまたは置換アシルである。他の実施形態において、R11はチオールである。他の実施形態において、R11はアミノまたは置換アミノである。他の実施形態において、R11はアミノアシルまたは置換アミノアシルである。他の実施形態において、R11はアジドである。他の実施形態において、R11はカルボキシル、置換カルボキシル、カルボキシアルキルまたは置換カルボキシアルキルである。他の実施形態において、R11はシアノである。他の実施形態において、R11は、-F、-Cl、-Brおよび-Iなどのハロゲンである。他の実施形態において、R11はニトロである。特定の実施形態において、R11はアミノである。
【0170】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0171】
【0172】
を含む。
式Xの化合物
本開示の方法における使用を見出す組成物は、以下に示す式Xの化合物を含むことができ、同式はFmoc-ロイシンならびにその薬学的に許容される塩および誘導体を包含する。
【0173】
一態様において、開示された方法は、式Xの化合物:
【0174】
【0175】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの投与を含み、
式中、
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR2、-C(O)OR2、-C(O)NR2R3、-C=NR2、-OR2、-OC(O)R2、-S(O)t-R2、-NR2R3、-NR2C(O)R3、-N=CR2R3から選択され(ここで、tは0、1、2または3であり、R8およびR9は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される);
PGは、ベンジルエーテル、メチルエステル、安息香酸エステル、t-ブチルエステル、t-ブチルエーテル(TBDMS、TBDPS)、メトキシメチルエーテル(MOM)、アリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル(THP)などのヒドロキシル保護基である。いくつかの実施形態において、PGはフルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)である。
【0176】
特定の実施形態において、目的の化合物およびその塩または溶媒和物または立体異性体は、
【0177】
【0178】
を含む。
製剤、投与量、および投与経路
一般に、活性剤(例えば、式I~Xの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは誘導体)は、宿主への送達のために薬学的に許容される組成物で調製される。
【0179】
活性剤(および任意選択的に1つ以上の追加の治療剤)との使用に好ましい薬学的に許容される担体には、無菌の水性または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンが含まれ得る。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液、および微粒子が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル液または固定油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補給剤、電解質補給剤(リンゲルのデキストロースを基にしたものなど)などが含まれる。活性剤(および任意選択的に1つ以上の追加の治療剤)を含む組成物はまた、本発明によるその後の再構成および使用のために、当技術分野で周知の手段を使用して凍結乾燥されてもよい。
【0180】
製剤
活性剤は、一般に、それを必要とする個体に、薬学的に許容される賦形剤を含む製剤で投与される。多種多様な薬学的に許容される賦形剤が当技術分野で知られており、本明細書で詳細に論じる必要はない。薬学的に許容される賦形剤は、例えば、A.ジェンナロ(Gennaro)(2000)「レミントン(Remington):The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、リッピンコット(Lippincott)、ウィリアムズ(Williams)およびウィルキンズ(Wilkins);Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999) H.C.アンセル(Ansel)他、第7版、リッピンコット(Lippincott)、ウィリアムズ(Williams)およびウィルキンズ(Wilkins);Handbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H.キッベ(Kibbe)他、編、第3版、Amer.Pharmaceutical Assoc.を含む種々の刊行物に十分に記載されている。以下の製剤の説明の目的のために、「活性剤」は、上記したような活性剤、および任意選択で1つまたは複数の追加の治療剤を含む。
【0181】
本発明の方法において、活性剤は、心臓弁疾患、例えば、CAVDの治療をもたらすことができる任意の便利な手段を使用して、宿主に投与され得る。したがって、活性剤は、治療投与のための様々な製剤に組み込むことができる。例えば、活性剤は、適切な薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることによって医薬組成物に処方することができ、固体、半固体、液体または気体形態の製剤、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルに処方することができる。例示的な実施形態において、活性剤は、ゲルとして、溶液として、または膣内投与に適した他の何らかの形態で処方される。さらなる例示的な実施形態において、活性剤は、ゲルとして、溶液として、または直腸(例えば、直腸内)に適した他の何らかの形態で処方される。
【0182】
薬学的な剤形において、活性剤は、薬学的に許容される塩の形態で投与することができ、または単独で、または適切に結合して、ならびに他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用することもできる。以下の方法および賦形剤は、単に例示的であり、決して限定するものではない。
【0183】
いくつかの実施形態において、活性剤は、水性緩衝液中に処方される。適切な水性緩衝液には、強度が約5mMから約100mMまで変化する酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、およびリン酸塩緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、水性緩衝液は、等張液を提供する試薬を含む。そのような試薬には、限定されるものではないが、塩化ナトリウムおよび、例えばマンニトール、デキストロース、スクロースなどの糖が含まれる。いくつかの実施形態において、水性緩衝液は、ポリソルベート20または80などの非イオン性界面活性剤をさらに含む。任意に、製剤はは保存剤をさらに含み得る。適切な保存剤には、限定されるものではないが、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなどが含まれる。多くの場合、製剤は約4℃で保存される。製剤は凍結乾燥することもでき、その場合、それらは一般に、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、マンニトールなどの凍結防止剤を含む。凍結乾燥製剤は、周囲温度であっても、長期間にわたって保存することができる。
【0184】
経口製剤では、活性剤は単独で、又は適切な添加剤と組み合わせて錠剤、散剤、顆粒剤若しくはカプセル剤を製造することができ、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ又はポテトスターチのような従来の添加剤と;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤と;コーンスターチ、ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤と;タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤と、そして所望に応じて、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤及び着香剤と組み合わせることができる。
【0185】
活性剤は、植物油又は他の類似の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸又はプロピレングリコールのエステルのような水性又は非水性溶媒中にそれらを溶解、懸濁又は乳化することによって、また、必要に応じて、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤及び保存剤のような従来の添加剤を用いて、注射用の製剤に処方することができる。
【0186】
活性剤は、吸入を介して投与されるエアロゾル製剤に利用することができる。活性剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧された許容可能な推進剤に処方することができる。
【0187】
さらに、活性剤は、乳化基剤または水溶性基剤などの様々な基剤と混合することによって坐剤にすることができる。活性剤は坐剤を介して直腸投与することができる。坐剤は、体温で融解するが、室温で凝固するココアバター、カーボワックスおよびポリエチレングリコールのようなビヒクルを含むことができる。
【0188】
シロップ剤、エリキシル剤、および懸濁剤などの経口または直腸投与のための単位剤形を提供することができ、各投与単位(例えば、ティースプーン1杯、テーブルスプーン1杯、錠剤または坐剤)が、1つ以上の活性剤を含有する所定量の組成物を含有する。同様に、注射または静脈内投与のための単位剤形は、滅菌水、通常の生理食塩水、または別の薬学的に許容される担体中の溶液としての組成物中の活性剤を含み得る。
【0189】
シロップ剤、エリキシル剤、ゲル、および懸濁剤などの膣内または直腸投与のための単位剤形を提供することができ、各投与単位(例えば、ティースプーン1杯、テーブルスプーン1杯、錠剤、単位ゲル体積、または坐剤)が、1つ以上の活性剤を含有する所定量の組成物を含有する。
【0190】
本明細書で使用される「単位剤形(unit dosage form)」という用語は、ヒトおよび動物対象の単一用量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、薬学的に許容される希釈剤、担体またはビヒクルと関連して所望の効果を生じるのに十分な量で計算された所定の量の活性剤を含有する。特定の活性剤の規格は、使用される特定の化合物、達成される効果、及び宿主中の各化合物に関連する薬力学に部分的に依存する。
【0191】
他の投与様式もまた、主題の発明での使用を見出すであろう。例えば、活性剤は坐剤中に製剤化することができ、ある場合には、エーロゾルおよび鼻腔内組成物中に製剤化することができる。坐剤については、ビヒクル組成物は、ポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドなどの従来の結合剤および担体を含む。そのような坐剤は、約0.5%~約10%(w/w)の範囲、例えば約1%~約2%の活性成分を含有する混合物から形成することができる。
【0192】
活性剤は注射剤として投与することができる。典型的には、注射可能な組成物は、液体溶液または懸濁液として調製される;注射前の液体ビヒクル中の溶液または液体ビヒクル中の懸濁液に適した固体形態も調製することができる。調製物はまた、乳化されてもよく、または活性成分がリポソームビヒクル中に封入されてもよい。
【0193】
いくつかの実施形態では、活性剤は、経膣送達のために処方されるであろう。膣内投与のための本発明の製剤は、膣内生体接着性錠剤、膣内生体接着性微粒子、膣内クリーム、膣内ローション、膣内フォーム、膣内軟膏、膣内ペースト、膣内溶液、または膣内ゲルとして製剤化された活性剤を含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、活性剤は、経直腸送達のために処方されるであろう。直腸内投与のための本発明の製剤は、直腸内生体接着性錠剤、直腸内生体接着性微粒子、直腸内クリーム、直腸内ローション、直腸内フォーム、直腸内軟膏、直腸内ペースト、直腸内溶液、または直腸内ゲルとして製剤化された活性剤を含む。
【0195】
活性剤を含む本発明の製剤は、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(エチレングリコール)、スクロースまたはデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたはクエン酸カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルクまたはラウリル硫酸ナトリウム)、着香剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン又はオレンジの粉末)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベン)、安定剤(クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸など)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及びベースワックス(例えば、ココアバター、白色ワセリン、ポリエチレングリコール)の1つ以上を含む。
【0196】
活性剤を含む錠剤は、適切なフィルム形成剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはエチルセルロースでコーティングすることができ、これに、適切な賦形剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、フタル酸ジエチルなどの軟化剤、またはグリセロールトリアセテート;ショ糖、ソルビトール、キシリトール、ブドウ糖、乳糖などの充填剤;水酸化チタンなどの着色剤;など、を任意に添加することができる。
【0197】
適切な賦形剤ビヒクルは、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、必要に応じて、ビヒクルは、湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤などの少量の補助物質を含み得る。そのような剤形を調製する実際の方法は、当業者に知られているか、または明らかになるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company(ペンシルバニア州イーストン)、第17版、1985年、を参照されたい。投与される組成物または製剤は、いずれにせよ、治療される対象において所望の状態を達成するのに適切な量の薬剤を含むであろう。
【0198】
ビヒクル、アジュバント、担体または希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤は、一般に容易に入手可能である。さらに、pH調整剤および緩衝剤、等張化調整剤、安定剤、湿潤剤などの薬学的に許容される補助物質は、一般に容易に入手可能である。
【0199】
投与量
使用される用量は、達成されるべき臨床的目標に依存して変化するが、活性剤の適切な用量範囲は、最大約1mg~約5000mg、例えば、約1mg~約25mg、約25mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約500mg、約500mg~約1000mg、または約1000mg~約5000mgの活性剤を単回投与で投与できるものである。
【0200】
当業者は、用量レベルが、特定の化合物、症状の重症度および副作用に対する対象の感受性の関数として変化し得ることを容易に理解するであろう。所与の化合物の好ましい投与量は、様々な手段によって当業者によって容易に決定可能である。
【0201】
いくつかの実施形態において、式I~Xの化合物、その薬学的に許容される塩または誘導体の適切な用量は、約1mg/kg体重(kg body weight)~約500mg/kg体重の範囲、例えば約5mg/kg体重~約500mg/kg体重、約10mg/kg体重~約500mg/kg体重、約20mg/kg体重~約500mg/kg体重、約30mg/kg体重~約500mg/kg体重、約40mg/kg体重~約500mg/kg体重、約50mg/kg体重~約500mg/kg体重、約60mg/kg体重~約500mg/kg体重、約70mg/kg体重~約500mg/kg体重である、約80mg/kg体重~約500mg/kg体重、約90mg/kg体重~約500mg/kg体重、約100mg/kg体重~約500mg/kg体重、約200mg/kg体重~約500mg/kg体重、約300mg/kg体重~約500mg/kg体重、または約400mg/kg体重~約500mg/kg体重の範囲である。
【0202】
いくつかの実施形態において、式I~Xの化合物、その薬学的に許容される塩または誘導体の適切な用量は、約1mg/kg体重(kg body weight)~約5mg/kg体重の範囲、例えば約5mg/kg体重~約10mg/kg体重、約10mg/kg体重~約20mg/kg体重、約20mg/kg体重~約30mg/kg体重、約30mg/kg体重~約40mg/kg体重、約40mg/kg体重~約50mg/kg体重、約50mg/kg体重~約100mg/kg体重、約100mg/kg体重~約500mg/kg体重の範囲である。
【0203】
いくつかの実施形態において、活性剤の単回量が投与される。他の実施形態において、複数回投与の活性剤が投与される。一定期間にわたって複数回投与される場合には、活性剤が、一定期間にわたって、例えば1日2回(qid)、1日1回(qd)、1日おき(qod)、3日毎、週3回(tiw)、または週2回(biw)投与される。例えば、活性剤は、1日から約2年以上の期間にわたってqid、qd、qod、tiw、またはbiwで投与される。例えば、活性剤は、様々な要因に応じて、上記した頻度のいずれかで、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、1年、または2年、またはそれ以上の間、投与される。
【0204】
2つの異なる活性剤、例えば、式I~Xの化合物から選択される任意の2つ以上の化合物が投与される場合、第1の活性剤および第2の活性剤は、別々の製剤で投与することができる。第1の活性剤および第2の活性剤は、実質的に同時に、または互いに約30分、約1時間、約2時間、約4時間、約8時間、約16時間、約24時間、約36時間、約72時間、約4日、約7日、または約2週間以内に投与することができる。異なる薬剤を含む別個の医薬組成物は、当該分野で公知の任意の医学的に許容される方法に従って、同一または異なる投与経路を用いて投与することができる。
【0205】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IIIの化合物と組み合わせて投与される。非限定的な例において、XCT-790(2E-3-(4-{[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-3-メトキシフェニル)-2-シアノ-N-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]アクリルアミド)は、GSK-837149A(4,4’-(カルボニルジイミノ)ビス[N-(4-メチル-2-ピリミジニル)-ベンゼンスルホンアミド)と組み合わせて投与される。
【0206】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IIの化合物および式IIの化合物と組み合わせて投与される。非限定的な例において、XCT-790(2E-3-(4-{[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-3-メトキシフェニル)-2-シアノ-N-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]アクリルアミド)は、TG-003((Z)-1-(3-エチル-5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-2-イリデン)プロパン-2-オン)およびGSK-837149A(4,4’-(カルボニルジイミノ)ビス[N-(4-メチル-2-ピリミジニル)-ベンゼンスルホンアミド)と組み合わせて投与される。
【0207】
式Iの化合物(例えば、XCT-790)は、式IIIの化合物(例えば、GSK-837149A)および/または式IIの化合物(例えば、TG-003)の投与の前、同時、または後に投与することができる。式IIIの化合物(例えば、GSK-837149A)および/または式IIの化合物(例えば、TG-003)と同時に提供される場合、式Iの化合物(例えば、XCT-790)は、同じ組成物で、または異なる組成物で、提供することができる。したがって、3つの薬剤、または3つの薬剤のうちの2つは、同時治療の方法によって個体に提示することができる。「併用療法」は、物質の組み合わせの治療効果が治療を受けている対象に生じるように、ヒト対象への投与を意図している。例えば、同時治療は、特定の投薬レジメンに従って、式I(例えば、XCT-790)の化合物を含む医薬組成物の少なくとも1つの治療上有効な用量と、式III(例えば、GSK-837149A)の化合物を含む医薬組成物の少なくとも1つの治療上有効な用量と、任意には、式II(例えば、TG-003)の化合物を含む組成物の少なくとも1つの治療上有効な用量とを投与することによって達成され得る。別々の医薬組成物の投与は、これらの化合物の組合せの治療効果が治療を受けている対象において引き起こされる限り、同じ時間に(すなわち、同時に)または異なる時間に(すなわち、順次、いずれかの順序で、同じ日に、または異なる日に)行うことができる。
【0208】
投与経路
活性剤は、インビボおよびエクスビボ法ならびに全身的および局所的な投与経路を含む薬物送達のための任意の利用可能な方法及び経路を用いて個体に投与することができる。
【0209】
従来のおよび薬学的に許容される投与経路には、鼻腔内、筋肉内、気管内、経皮、皮下、皮内、局所適用、静脈内、膣、鼻および他の非経口投与経路が含まれる。いくつかの実施形態において、活性剤は、膣内投与経路を介して投与される。他の実施形態において、活性剤は、直腸内投与経路を介して投与される。投与経路は、所望であれば組み合わせてもよく、または薬剤および/または所望の効果に応じて調節してもよい。この組成物は、単回投与または複数回投与することができる。
【0210】
活性剤は、全身経路または局所経路を含む、従来の薬物の送達に適した任意の利用可能な従来の方法および経路を使用して宿主に投与することができる。一般に、本発明によって企図される投与経路には、経腸、非経口または吸入経路が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0211】
吸入投与以外の非経口投与経路には、局所、膣、経皮、皮下、筋肉内および静脈内経路、すなわち消化管を介する以外の任意の投与経路が含まれるが、これらに限定されない。非経口投与は、薬剤の全身または局所送達を行うために行うことができる。全身送達が望まれる場合、投与は通常、医薬製剤の侵襲的または全身的に吸収される局所もしくは粘膜投与を伴う。
【0212】
活性剤はまた、経腸投与によって対象に送達することができる。経腸投与経路には、経口および直腸(例えば、坐剤を使用する)送達が含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0213】
「治療」とは、少なくとも、宿主を苦しめる病理学的状態に関連する症状の改善を意味し、改善は、広義において、少なくとも、大動脈弁の石灰化の程度など、治療される病理学的状態に関連するパラメータ(例えば症状)の大きさの減少に言及するために使用される。したがって、治療はまた、宿主がもはや病理学的状態、または少なくとも病理学的状態を特徴付ける症状に苦しむことがないように、病理学的状態、または少なくともそれに関連する症状が完全に阻害される、例えば発生が防止される、または停止される、例えば終了する状況を含む。
【0214】
治療に適した対象
様々な宿主(ここで、「宿主」という用語は、本明細書では「対象」および「患者」という用語と交換可能に使用される)は、本発明の方法に従って治療可能である。一般に、そのような宿主は「哺乳動物」または「哺乳類」であり、これらの用語は、哺乳動物のクラスに属する生物、および霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を説明するために広く使用されている。多くの実施形態において、宿主はヒトである。適切な対象は、心臓弁疾患、例えば、大動脈硬化症および/または石灰化大動脈弁狭窄症を含むCAVDのリスクがあると識別された、または診断された対象であり得る。
【0215】
総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの増加、リポタンパク質(a)の増加、トリグリセリドの増加、高密度リポタンパク質コレステロールの減少、男性、タバコの喫煙、高血圧、および糖尿病は、大動脈狭窄の発生率を増加させることが報告されており、内皮機能不全および小葉損傷に寄与する可能性がある。さらに、家族性高コレステロール血症の患者は、末梢血管疾患、冠状動脈疾患、および大動脈弁病変を発症し、これらは年齢とともに石灰化する。酸化LDL(oxLDL)はアテローム性動脈硬化症に関連する血管石灰化に関与する。oxLDLの血中濃度の上昇は大動脈弁の石灰化および線維化と相関しており、石灰化し狭窄した大動脈弁におけるoxLDLの蓄積が報告されている。代謝性骨疾患、例えばパジェット病、二次性副甲状腺機能亢進症及び腎疾患、並びに血清クレアチニン及びカルシウムの増加も弁石灰化の進行に関連している。大動脈二尖弁などの弁奇形を有する患者も弁石灰化のリスクがある。さらに、弁石灰化に関連することが判明している複数の遺伝子のうちの1つに突然変異を有すると同定された患者は、予防的治療が推奨される場合には、リスクのある患者として同定されてもよく、例えば、NOTCH1、SMAD6、およびGATA5のうちの1つ以上に突然変異を有すると同定された患者であってもよい。適切な対象はまた、NOTCH1ハプロ不全を有する対象であり得る。したがって、適切な対象は、上記の臨床的および/または遺伝的危険因子のうちの1つまたは複数を有する対象であり得る。
【0216】
キット、コンテナ、デバイス、送達システム
活性剤の単位用量、例えば経口、膣、直腸、経皮、または注射可能な用量(例えば、筋肉内、静脈内、または皮下注射用)のキットが提供される。このようなキットでは、単位用量を含む容器に加えて、心臓弁疾患の治療または予防における薬剤の使用および付随する利点を記載した情報提供用の添付文書が提供される。適切な活性剤および単位用量は、本明細書に記載されているものである。
【0217】
多くの実施形態において、本発明のキットは、本発明の方法および同方法を得るための手段を実施するための指示書(例えば、指示を提供するウェブページにユーザを導くウェブサイトURL)をさらに含み、ここで、これらの指示書は典型的には基材上に印刷され、同基材は、パッケージ挿入物、パッケージング、処方容器などの1つ以上であってもよい。
【0218】
いくつかの実施形態において、本発明のキットは、患者のコンプライアンスを高める1つまたは複数の構成要素または特徴、例えば、患者が適切な時間または間隔で活性剤を服用することを忘れないようにするための構成要素またはシステムを含む。このような構成要素には、限定されるものではないが、患者が適切な時間または間隔で活性剤を服用することを記憶するのを助けるカレンダーシステムが含まれる。
【0219】
本発明は、式I~Xの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは誘導体を含む送達システムを提供する。いくつかの態様において、送達システムは、皮下、静脈内または筋肉内に活性剤を含む製剤の注射を提供する送達システムである。他の実施形態において、送達システムは、膣または直腸送達システムである。
【0220】
いくつかの実施形態において、活性剤は、経口投与のために包装される。本発明は、活性剤の1日投与単位を含む包装ユニットを提供する。例えば、包装ユニットは、いくつかの実施形態では、従来のブリスターパック、または錠剤、丸薬などを含む任意の他の形態である。ブリスターパックは、適当な数の単位剤形を、ボール紙、板紙、箔又はプラスチックの裏材を有する密封されたブリスターパックに入れ、適当なカバーに封入する。各ブリスター容器には、例えば1日目から、番号を付けるか、さもなければラベルを付けることができる。
【0221】
いくつかの実施形態において、本発明の送達システムは注入デバイスを含む。例示的な非限定的な薬物送達デバイスには、ペン注射器などの注入デバイス、および針/注射器デバイスが含まれる。いくつかの実施形態において、本発明は、有効量の式I~Xの化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは誘導体を含む製剤を予め充填した注射送達デバイスを提供する。例えば、本発明の送達デバイスは、式I~Xの化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは誘導体の単回投与量を予め充填した注入デバイスを含む。本発明の注入デバイスは、再使用可能または使い捨て可能である。
【0222】
ペン注入器は、当該技術分野において周知である。本発明の方法において使用するために適合させることができる例示的なデバイスは、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)社製の種々のペン注入器、例えば、BD(商標)Pen、BD(商標)PenII、BD(商標)Auto-Injector、イノジェクト社(Innoject,Inc.)のペン注射器、米国特許第5728074号明細書、米国特許第6096010号明細書、米国特許第6146361号明細書、米国特許第6248095号明細書、米国特許第627799号明細書、および米国特許第6221053号明細書に記載されている薬剤送達ペンデバイスのいずれかなど、のいずれかである。薬剤送達ペンは、使い捨てであってもよく、あるいは再使用かつ再充填可能であってもよい。
【0223】
本発明は、個体の膣または直腸への活性剤の膣または直腸送達のための送達システムを提供する。送達システムは、膣または直腸に挿入するためのデバイスを含む。いくつかの実施形態において、送達システムは、膣または直腸内への製剤の送達のためのアプリケータ;および活性剤を含む製剤を入れた容器、を含む。これらの実施形態において、容器(例えばチューブ)は、製剤をアプリケータに送達するように適合されている。他の実施形態において、送達システムは、膣または直腸に挿入されるデバイスを含み、同デバイスは活性剤を含む。例えば、デバイスは、活性剤を含む製剤でコーティングされているか、含浸されているか、さもなければそれを含んでいる。
【0224】
いくつかの実施形態において、膣または直腸送達システムは、本発明の製剤を含むタンポンまたはタンポン様デバイスである。薬物送達用タンポンは当技術分野で知られており、そのようなタンポンは、本発明の薬物送達システムと組み合わせて使用することができる。薬物送達用タンポンは、例えば、米国特許第6086909号明細書に記載されている。タンポンまたはタンポン様デバイスを使用する場合、活性剤をデバイスに組み込むことができる多くの方法がある。例えば、薬物は、デバイスの先端にあるゲル状の生体接着性リザーバに組み込むことができる。あるいは、薬物は、タンポンの先端に配置された粉末材料の形態であり得る。薬物はまた、例えば、薬物を薬学的に許容される担体に溶解し、薬物溶液をタンポン繊維に吸収することによって、タンポンの先端で繊維に吸収され得る。薬剤は、タンポンの先端に塗布されたコーティング材料に溶解することもできる。あるいは、タンポンの先端に関連して配置される挿入可能な坐剤に薬物を組み込むことができる。
【0225】
他の実施形態において、薬物送達デバイスは、膣リングまたは直腸リングである。膣または直腸リングは、通常、送達される活性剤を含有するエラストマーの別の層によって被覆された不活性エラストマーリングからなる。リングは容易に挿入することができ、所望の期間(たとえば、最大7日間)そのままにしておき、その後、使用者によって取り外すことができる。このリングは、任意に、薬物を含まない第3の外側の速度制御エラストマー層を含むことができる。任意選択で、第3のリングは、二重放出リングのための第2の薬物を含むことができる。薬物は、送達される薬物のためのリザーバとして作用するために、シリコーンエラストマーリング全体にわたってポリエチレングリコールに取り込まれ得る。
【0226】
他の実施形態において、本発明の膣または直腸送達システムは、膣または直腸スポンジである。活性剤は、文献に記載されているように、円筒状の薬物を含まないポリウレタンスポンジ上にコーティングされるシリコーンマトリックス中に組み込まれる。
【0227】
ペッサリー、錠剤、および坐剤は、例えば、本開示の方法を実施する際に使用することができる薬物送達システムの他の例である。これらのシステムは、文献で広く説明されている。
【0228】
生体接着性微粒子は、本発明での使用に適したさらに別の薬物送達システムを構成する。このシステムは、多くの坐剤製剤のように膣や直腸から浸透しない多相液体または半固体製剤である。物質は膣や直腸の壁に付着し、一定期間にわたって薬物を放出する。これらのシステムの多くは、鼻腔用に設計されているが、膣や直腸でも使用できる(例えば、米国特許第4756907号明細書)。このシステムは、活性剤を含むミクロスフェア;および薬物の取り込みを促進するための界面活性剤、を含み得る。微粒子は、10~100μmの直径を有し、デンプン、ゼラチン、アルブミン、コラーゲンまたはデキストランから調製することができる。
【0229】
別のシステムは、アプリケータでの使用に適合された本発明の製剤(例えば、チューブ)を含む容器である。活性剤は、アプリケータを使用して膣または直腸に塗布することができるクリーム、ローション、フォーム、ペースト、軟膏、およびゲルに組み込まれている。クリーム、ローション、フォーム、ペースト、軟膏、およびゲルの形式で医薬品を調製するためのプロセスは、文献全体に見られる。適切なシステムの例は、グリセロール、セラミド、鉱油、ワセリン、パラベン、香料、および水を含む標準的な無香料ローション製剤であり、例えば、商標名JERGENS(商標)(アンドリュー・ジャーゲンズ社、オハイオ州シンシナティ)で販売されている。本発明の組成物で使用するのに適した非毒性の薬学的に許容されるシステムは、医薬製剤の当業者には明らかであり、例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第19版、A.R.ジェンナロ(Gennaro)編、1995に記載されている。適切な担体の選択は、所望の特定の膣または直腸剤形の正確な性質、例えば、活性成分がクリーム、ローション、フォーム、軟膏、ペースト、溶液またはゲルに配合されるべきか否か、ならびに活性成分の特定に依存するであろう。他の適切な送達デバイスは、米国特許第6476079号明細書に記載されているものである。
【0230】
いくつかの実施形態において、2つ以上の活性剤、例えば、式I~Xの化合物から選択される任意の2つ以上の化合物がキットに含まれる。例えば、キットは、式Iの化合物および式IIIの化合物、または式Iの化合物、式IIの化合物および式IIIの化合物を含み得る。一実施形態において、キットは、XCT-790およびGSK-837149Aを含む。別の実施形態において、キットは、XCT-790、TG-003およびGSK-837149Aを含む。
【0231】
心臓弁疾患の治療のための候補化合物を同定する方法
本開示は、心臓弁疾患の治療のための候補化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、ヒトNOTCH1+/-内皮細胞を化合物と接触させることと;前記接触から生じるヒトNOTCH1+/-内皮細胞についての発現プロファイルを提供するための標的RNA配列決定(RNA-seq)を実施することであって、標的RNA-seq(targeted RNA-seq)が表1に列記された複数の遺伝子についてのRNA転写物を配列決定することを含む、前記実施することと;表1に列記された複数の遺伝子について、前記接触から得られる発現プロファイルを同質遺伝子(isogenic)WT発現プロファイルと比較することと;前記接触から生じる発現プロファイルが同質遺伝子WT発現プロファイルに修正された場合に、心臓弁疾患の治療のための候補化合物として化合物を同定することと、を含む。
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
いくつかの実施形態において、複数の遺伝子は、以下の遺伝子の1つ以上またはすべてを含む:NOTCH1、SOX7、TCF4、およびSMAD1。いくつかの実施形態において、複数の遺伝子は、NOTCH1、SOX7、TCF4およびSMAD1と、少なくとも1つ、例えば、表1から選択された、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110または115個の追加の遺伝子とを含む。いくつかの実施形態において、複数の遺伝子は、少なくとも1つのハウスキーピング遺伝子を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのハウスキーピング遺伝子は、CHMP2A、C1orf43およびREEP5から選択される。いくつかの実施形態において、ハウスキーピング遺伝子CHMP2A、C1orf43およびREEP5の1つ、2つまたはすべては、発現プロファイルから除外される。例えば、いくつかの実施形態において、標的化されたRNA-seqは、ハウスキーピング遺伝子CHMP2A、C1orf43およびREEP5の1つ、2つ、またはすべてについて、RNA転写物を配列決定することを含まない。
【0237】
いくつかの実施形態において、ヒトNOTCH1+/-内皮細胞は、CAVDを有する対象由来のヒト人工多能性幹細胞(iPSC)、例えば、CAVDを有する対象の線維芽細胞由来のiPSCに由来する。他の実施形態において、CAVDを有する対象に由来するヒト人工多能性幹細胞(iPSC)に由来するヒトNOTCH1+/-内皮細胞の代わりに、N1突然変異を有するように遺伝子操作された野生型細胞、例えば野生型ヒト内皮細胞が使用される。さらに他の実施形態において、内皮細胞は、ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)、例えば線維芽細胞に由来するiPSCに由来し、ここで、内皮細胞は、N1突然変異を有するように遺伝子操作される。
【0238】
1つまたは複数の適切な機械学習アルゴリズム、例えば、K-最近傍(KNN)アルゴリズムを利用して、接触から生じる発現プロファイルが同質遺伝子WT発現プロファイルにいつ修正されるかを決定することができる。適切な同質遺伝子WT発現プロファイルは、例えば、同質遺伝子対照株を誘導することによって得ることができ、ここで、N1突然変異は、適切な遺伝子編集ツール、例えば、メガヌクレアーゼ(Meganuclease)、TALEN、ZFN、またはCRISPR/Casシステムを用いて修正される。
【0239】
開示の例示的かつ非限定的な態様
上述の本発明の態様(実施形態を含む)は、単独で、または1つ以上の他の態様または実施形態と組み合わせて有益であり得る。前述の説明を限定することなく、本開示の特定の非限定的な態様を以下に提供する。本開示を読むと当業者には明らかであるように、個々に番号付けされた態様の各々は、先行または後続の個々に番号付けされた態様のいずれかと共に使用または組み合わせられ得る。これは、態様のこのようなすべての組み合わせをサポートすることを意図しており、以下に明示的に提供される態様の組み合わせに限定されるものではない。本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。
【0240】
1.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式Iの化合物、
【0241】
【0242】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
nは1~8の整数であり、
XはOまたはSであり、
YはOまたはSであり、かつ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R7、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0243】
2.R1がシアノである、1に記載の方法。
3.R1がメトキシである、1~2のいずれか1つに記載の方法。
4.XがSである、1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
5.YがOである、1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.nが1である、1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.化合物がXCT-790(2E-3-(4-{[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}-3-メトキシフェニル)-2-シアノ-N-[5-(トリフルオロメチル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]アクリルアミド)
【0245】
【0246】
である、1に記載の方法。
8.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0247】
10.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式IIの化合物、
【0248】
【0249】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
XはOまたはSであり;かつ、
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R7、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0250】
11.R2がメトキシである、10に記載の方法。
12.R5がメチルである、10~11のいずれか1つに記載の方法。
13.R6がメチルである、10~12のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
14.XがOである、10~13のいずれか1つに記載の方法。
15.化合物がTG-003((Z)-1-(3-エチル-5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-2-イリデン)プロパン-2-オン)
【0252】
【0253】
である、10に記載の方法。
16.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、10~15のいずれか1つに記載の方法。
【0254】
17.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、10~15のいずれか1つに記載の方法。
【0255】
18.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式IIIの化合物、
【0256】
【0257】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR15、-C(O)OR15、-C(O)NR15R16、-C=NR15、-OR15、-OC(O)R15、-S(O)t-R15、-NR15R16、-NR15C(O)R16、-N=CR15R16から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R15およびR15は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0258】
19.R3がメチルである、18に記載の方法。
20.R12がメチルである、18~19のいずれか1つに記載の方法。
21.化合物がGSK-837149A(4,4’-(カルボニルジイミノ)ビス[N-(4-メチル-2-ピリミジニル)-ベンゼンスルホンアミド)
【0259】
【0260】
である、18に記載の方法。
22.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、18~21のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
23.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、18~21のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
24.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式IVの化合物、
【0263】
【0264】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4およびR5のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR15、-C(O)OR15、-C(O)NR15R16、-C=NR15、-OR15、-OC(O)R15、-S(O)t-R15、-NR15R16、-NR15C(O)R16、-N=CR15R16から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R15およびR15は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0265】
25.R1がヒドロキシルである、24に記載の方法。
26.R4がヒドロキシルである、24~25のいずれか1つに記載の方法。
27.R5がアリルである、24~26のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
28.化合物がナロキソン((4R,4aS,7aR,12bS)-4a,9-ジヒドロキシ-3-プロプ-2-エニル-2,4,5,6,7a、13-ヘキサヒドロ-1H-4,12-メタノベンゾフロ[3,2-e]イソキノリン-7-オン)
【0267】
【0268】
である、24に記載の方法。
29.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、24~28のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
30.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、24~28のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
31.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式Vの化合物、
【0271】
【0272】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR10、-C(O)OR10、-C(O)NR10R11、-C=NR10、-OR10、-OC(O)R10、-S(O)t-R10、-NR10R11、-NR10C(O)R11、-N=CR10R11から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R10およびR11は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0273】
32.R6がヒドロキシルである、31に記載の方法。
33.R7がメチルである、31~32のいずれか1つに記載の方法。
34.R8がヒドロキシルである、31~33のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
35.R9がメチルである、31~34のいずれか1つに記載の方法。
36.化合物がサイトカラシン
【0275】
【0276】
である、31に記載の方法。
37.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、31~36のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
38.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、31~36のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
39.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式VIの化合物、
【0279】
【0280】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR9、-C(O)OR9、-C(O)NR9R10、-C=NR9、-OR9、-OC(O)R9、-S(O)t-R9、-NR9R10、-NR9C(O)R10、-N=CR9R10から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R9およびR10は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0281】
40.R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8のそれぞれが水素である、39に記載の方法。
41.化合物がプトレシン(ブタン-1,4-ジアミン)
【0282】
【0283】
である、39に記載の方法。
42.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、39~41のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
43.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、39~41のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
44.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式VIの化合物、
【0286】
【0287】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2およびR3のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR4、-C(O)OR4、-C(O)NR4R5、-C=NR4、-OR4、-OC(O)R4、-S(O)t-R4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-N=CR4R5から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R4およびR5は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0288】
45.R1、R2およびR3のそれぞれが水素である、44に記載の方法。
46.化合物がCB-1954(5-(1-アジリジニル)-2,4-ジニトロベンズアミド)
【0289】
【0290】
である、44に記載の方法。
47.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、44~46のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
48.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、44~46のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
49.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式VIIIの化合物、
【0293】
【0294】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-C=NR8、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-N=CR8R9から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R8およびR9は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0295】
50.R1が水素である、49に記載の方法。
51.R1がヒドロキシルである、49に記載の方法。
52.R2、R3、R4、R5、R6およびR7のそれぞれが水素である、49~51に記載の方法。
【0296】
53.化合物がビペリデン((1RS,2SR,4RS)-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-イル)-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパン-1-オール)
【0297】
【0298】
である、49に記載の方法。
54.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、49~53のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
55.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、49~53のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
56.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式IXの化合物、
【0301】
【0302】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11のそれぞれは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR12、-C(O)OR12、-C(O)NR12R13、-C=NR12、-OR12、-OC(O)R12、-S(O)t-R12、-NR12R13、-NR12C(O)R13、-N=CR12R13から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R12およびR13は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択される。
【0303】
57.R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11のそれぞれが水素である、56に記載の方法。
58.R9がペンタフルオロエチルである、56に記載の方法。
【0304】
59.化合物がRO-4929097(2,2-ジメチル-N-[(10S)-9-オキソ-8-アザトリシクロ[9.4.0.02,7]ペンタデカ-1,2,4,6,11,13-ヘキサエン-10-イル]-N’-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)プロパンジアミド)
【0305】
【0306】
である、56に記載の方法。
60.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、56~59のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
61.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、56~59のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
62.心臓弁疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の式Xの化合物、
【0309】
【0310】
または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することによる方法:
式中、
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシル、置換アルコキシル、置換アシルオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、チオール、アシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、-COR2、-C(O)OR2、-C(O)NR2R3、-C=NR2、-OR2、-OC(O)R2、-S(O)t-R2、-NR2R3、-NR2C(O)R3、-N=CR2R3から選択され、ここで、tは0、1、2または3であり、R8およびR9は、水素、置換または未置換のアルキル、置換または未置換のシクロアルキル、置換または未置換のアルケニル、置換または未置換のアリール、置換または未置換のヘテロシクリル、置換または未置換のアルコキシ、置換または未置換のアリールオキシまたはハロゲンから独立して選択され、かつ、
PGは、ベンジルエーテル、メチルエステル、安息香酸エステル、t-ブチルエステル、t-ブチルエーテル(TBDMS、TBDPS)、メトキシメチルエーテル(MOM)、アリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル(THP)、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)からなる群より選択されるヒドロキシル保護基である。
【0311】
63.R1のそれぞれが水素である、62に記載の方法。
64.PGが、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である、63に記載の方法。
【0312】
65.化合物がFmoc-ロイシン
【0313】
【0314】
である、64に記載の方法。
66.心臓弁疾患が石灰化大動脈弁疾患である、62~65のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
67.対象がNOTCH1ハプロ不全を有する、対象が石灰化大動脈弁疾患を発症するリスクがある、および/または対象が石灰化大動脈弁疾患を有すると診断されている、62~65のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
68.心臓弁疾患の治療のための候補化合物を同定する方法であって、同方法は:
ヒトNOTCH1+/-内皮細胞を化合物と接触させることと;
前記接触させることから生じるヒトNOTCH1+/-内皮細胞についての発現プロファイルを提供するために標的RNA配列決定(RNA-seq)を実施することであって、標的RNA-seqは、表1に列記された複数の遺伝子についてのRNA転写物を配列決定することを含む、前記実施することと;
前記接触させることから生じる発現プロファイルを同質遺伝子WT発現プロファイルと比較することと;
前記接触させることから生じる発現プロファイルが同質遺伝子WT発現プロファイルに修正されたときに、その化合物を心臓弁疾患の治療のための候補化合物として同定することと;
を含む、方法。
【0317】
69.複数の遺伝子は、NOTCH1、SOX7、TCF4、およびSMAD1の1つ以上またはすべてを含む、68に記載の方法。
70.複数の遺伝子は、NOTCH4、HES1、ACE、およびGREM1の1つ以上またはすべてをさらに含む、68または69に記載の方法。
【0318】
71.複数の遺伝子は、CHMP2A、C1orf43およびREEP5の1つ以上またはすべてをさらに含む、68~70のいずれか1つに記載の方法。
72.複数の遺伝子は、JAG2、ARHGEF17、MMP10、IRF6、DKK3、ANO4、MMP19、SOX11、SOX13、RUNX2およびRUNX1の1つ以上またはすべてをさらに含む、68~71のいずれか1つに記載の方法。
【0319】
73.複数の遺伝子は、ITGA5、CD34、ETS1、CSDA、IGFBP3、SDPR、CDH5、LXN、CXCR4、TNFSF4、GJA4、NRP1、CD24P4、HMGA2、THSD1、RASSF2、HHIP、TERF1、NID2、ALDH1A1、HEY1、ETS2、ITGA9、NRCAM、HOXB5、HOXB6、PRDM1、C10orf10、ALDH2、COL12A1、SNCA、SFRP1、NPPB、CA8、GNA14、VCAN、HOXB7、ITGA8、ACP5、TMEM178、HOXB3、PLAGL1、NR5A2、VLDLR、BICD1、MAML3、NRG3、FOXF1、CXCL12、HLX、MEIS2、HOXB4、TCF7L1、FGF2、ALX1、CARHSP1、DNER、TGFBR3、TOX3、PDE2A、HOXB2、CA2、COL15A1、PPARG、IER3、TNFRSF25、FLT4、PRRX1、HOXD1、AFF3、CXCR7、PDE3A、SMTN、BMP6、BMP4、PGF、TXNIPおよびDACH1の1つ以上またはすべてをさらに含む、68~72のいずれか1つに記載の方法。
【0320】
74.複数の遺伝子は、F2R、F2RL2、THBS1、FAM124B、PLOD2、COX6A1、KIAA0494、RNF19A、CLEC14A、DIAPH2、NDUFA12、FAM89A、NNMT、MLF1、C1orf54、HAPLN1、IL1RL1、ITPKBおよびCD97の1つ以上またはすべてをさらに含む、68~73のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
75.ヒトNOTCH1+/-内皮細胞は、CAVDを有する対象由来のヒト人工多能性幹細胞(iPSC)に由来する、68~74のいずれか1つに記載の方法。
76.iPSCが、CAVDを有する対象の線維芽細胞に由来する、75に記載の方法。
【0322】
77.同定することは、機械学習アルゴリズムを適用して、接触させることから生じる発現プロファイルが同質遺伝子WT発現プロファイルにいつ修正されるかを決定することを含む、68~76のいずれか1つに記載の方法。
【0323】
78.心臓弁疾患の治療に使用するための式I~Xのいずれか1つのうちの少なくとも1つの化合物を含む組成物。
【実施例】
【0324】
以下の実施例は、当業者に本発明の製造方法および使用方法の完全な開示および説明を提供するために記載されており、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、以下の実験がすべてまたは唯一実施された実験であることを表すことを意図するものでもない。使用した数値(例えば、量、温度等)の精度を確保するための努力がなされているが、いくつかの実験誤差や偏差を考慮に入れるべきである。特に明記しない限り、部分は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはそれに近い圧力である。標準的な省略形、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;sまたはsec、秒(複数含む);min、分;hまたはhr、時間;aa、アミノ酸;kb、キロベース;bp、塩基対;nt、ヌクレオチド;i.m.、筋肉内;i.p.、腹腔内;s.c.、皮下;などが使用されてもよい。
【0325】
材料および方法
以下の材料および方法は、特に断りのない限り、本明細書に記載の実施例に提示される結果に一般的に適用される。以下、各実施例について、適宜、追加の材料および方法を提供する。
【0326】
同質遺伝子的な(Isogenic)iPSCの誘導とEC分化
WT(野生型)またはN1
+/-のいずれかであるTALEN操作された同質遺伝子ヒトiPSCを誘導し、テオドリス(Theodoris)ら、Cell.2015;160:1072-1086に詳述されているように特性化した。同質遺伝子iPSC(人工多能性幹細胞)は、以前に記載されている(テオドリス(Theodoris)ら、2015;ホワイト(White)ら、Stem Cells.2012;31:92-103)ようにECに分化した。分化過程の13日目に、ECはFACS(蛍光活性化細胞選別)分析によりCD31(BD#558068)およびCD144(#FAB9381P)に対して90%超の二重陽性であった(
図9G~H)。小分子の実験(以下に説明)は、分化の15日目に実施した。
【0327】
小分子スクリーニングと検証
分化の15日目に開始して、WTのECを10μMのDMSO(ジメチルスルホキシド)(n=80)に曝露し、一方、同質遺伝子N1+/-のECを10μMのDMSO(n=80)またはLOPAC(登録商標)(1280分子)(シグマ(Sigma)LO1280)もしくはSheng Ding(315分子)化学ライブラリ由来の小分子のうちの1つ、のいずれかに曝露した。DMSOまたは小分子を、細胞が最終的に21日目に分析のために収集されるまで、隔日でEC培地(ScienCell(商標)#1001)の変更で更新した。形態および細胞死を評価するために、21日目にIN Cell Analyzerを用いてECを画像化した;細胞死の多いウェルは最終分析から除外した。検証実験のために、最初のスクリーンから同定された有望な小分子を、上記の最初のスクリーンと同じプロセスを用いて、DMSOで曝露したWTおよびN1+/-のEC(それぞれ、n=4)の対照とともに、二重(duplicate)または三重(triplicate)でN1+/-ECに適用した。
【0328】
標的RNA-seqおよび分析パイプライン
ECを溶解し、Qiagen(登録商標)RNeasy96ウェル精製キットを用いてRNAを単離した。RNAは、Cellular Research Preciseの標的RNA-seq(RNA配列決定)システムによって受け入れられる10pg~1ngの範囲になるように希釈した。分子および試料の両方のバーコードを含む、Cellular Research Precise(商標)プロトコル(Rev03092015)に従って、標的RNA-seqライブラリを調製した。選択した119個の標的遺伝子(表1参照)は、正規化のための3個の低発現ハウスキーピング遺伝子(CHMP2A、C1orf43、REEP5)を含んでおり、中央ノードに影響する小分子およびネットワークの異なる態様を調節することにより組み合わせで相乗効果を示す小分子の同定を可能にするために、N1ネットワークの異なる領域内に位置する中央調節ノード(central regulation nodes)または末梢遺伝子を予測した。簡単に述べれば、RNAを、指標化されたdTプライマー、dNTP、およびSpike-in mRNA対照を含むPrecise Encoding Plateに添加し、65℃で3分間インキュベートし、続いて氷上で冷却した。次いで、RT酵素、RNase阻害剤、および緩衝液のマスターミックスを試料に添加し、それらを42℃で30分間、次いで80℃で5分間インキュベートした。試料の各プレートを2mlの1本のチューブにまとめ(combined)、AMPure(登録商標)XPビーズで精製した。N1 PCRマスターミックスを添加し、試料を94℃で2分間インキュベートし、続いて94℃で30秒間、55℃で3分間および68℃で1分間を15サイクルインキュベートし、続いて68℃で7分間インキュベートした。試料をAMPure(登録商標)XPビーズで精製し、N2 PCRマスターミックスを添加した。試料を、上記と同じサーマルサイクラープログラムで12サイクルインキュベートした。次いで、これらの最終ライブラリをAMPure(登録商標)XPビーズで精製し、Agilent(登録商標)BioanalyzerおよびIllumina(登録商標)Library Quantification Kit(KAPA Biosystems)によってそれぞれ品質および濃度を分析した。ライブラリを同等の濃度に正規化し、Illumina(登録商標)HiSeq2500装置上でペアエンド100bp配列決定のためにプールした。
【0329】
配列決定データはSeven Bridgesプラットフォーム上のCellular Research Precise Analysis Pipelineを用いて分析したが、これにはFASTQCを用いた配列決定品質の分析、アダプターのトリミングおよび読み取りのフィルタリング、サンプルバーコードに基づく逆多重化、Bowtie 2との読み取りの整列、および遺伝子当たりのユニークな分子インデックスの数の決定が含まれていた。ネットワーク推論は、マルゴリン(Margolin)ら、BMC Bioinformatics、2006;7 Suppl1:S7、に記載されているように、すべてのDMSOに曝露された試料および小分子に曝露された試料からの遺伝子発現の相互情報に基づいていた。ネットワーク図は、NetworkX(ハグベルク(Hagberg)ら、Exploring Network Structure,Dynamics,and Function using NetworkX.SciPy、2008)を用い、WTのECと比較した同質遺伝子N1+/-の全トランスクリプトームRNA-seq遺伝子発現に基づいて、色を用いて、上記の小分子スクリーンデータから推論したネットワーク接続(network connections)に基づき作成した。
【0330】
実施例1
N1ハプロ不全により調節不全となった遺伝子ネットワークのマップ
結果
N1ハプロ不全により破壊されたネットワークをマッピングし、ネットワークを正常状態に戻す小分子を同定するために、119個の遺伝子の標的RNA-seqを、DMSOまたは1595個の小分子のうちの1つのいずれかに曝露した同質遺伝子野生型(WT)またはN1+/-iPSC由来ECにおいて実施した。選択された119個の標的遺伝子は、中央ノードに影響する小分子およびネットワークの異なる態様を調節することにより組み合わせで相乗効果を示す小分子の同定を容易にするために、N1ネットワークの異なる領域内に位置する予測された中央調節ノードまたは末梢遺伝子のいずれかであった。
【0331】
DMSOまたは小分子で処理したWTおよびN1-ハプロ不全(haploinsufficient)のECの多数の複製により、ネットワーク状態の観察が少ない実験よりも高い信頼度でN1により調節される遺伝子ネットワークのマッピングが可能になった。ネットワーク推論は、SOX7およびWNTシグナル伝達エフェクターTCF4(両方ともN1ハプロ不全によりアップレギュレートされ、骨形成遺伝子である可能性がある)が、調節不全ネットワーク内で高度に結合しており、SOX7が全体的で3番目に高度に結合した遺伝子であることを予測した(
図1Aおよび4A~4B)。以前の摂動実験と一致して、N1ハプロ不全によりアップレギュレートされるBMPシグナル伝達エフェクターSMAD1は、ネットワーク内でより末梢的であると予測された。最も高度に相互接続された遺伝子はCSDAであり、これはN1ハプロ不全によりダウンレギュレートされ、GM-CSFプロモーターの抗炎症性リプレッサーとして機能する。
【0332】
実施例2
ネットワークベースのスクリーンで識別されたネットワーク修正小分子
材料および方法
有望な小分子を、K-最近傍(KNN)または階層的クラスタリングアルゴリズムのいずれかを用いて同定した。KNNアルゴリズム(k=2)を73のDMSO曝露されたWTECおよび78のDMSO曝露されたN1+/-ECで訓練し、リーブ-ワン-アウト(leave-one-out)(LOO)交差検証により99.3%の精度を得た。次に、KNNアルゴリズムを小分子で曝露されたECに適用し、処理されたN1+/-ECがWTとして分類されるようにネットワーク遺伝子発現を十分に修正した小分子を同定した。完全凝集法(complete agglomeration method)を用いて階層的クラスタリングを適用し、N1+/-ECをWTECとクラスター化し、DMSOに曝露されたN1+/-ECとは別に促進した小分子を同定した。上記の2つの方法によって同定された有望な小分子を、DMSOで曝露したWTおよびN1+/-のEC(それぞれ、n=4)の対照とともに、二重または三重でN1+/-ECに適用し、上記のように標的RNA-seqによって分析した。予め訓練されたKNNアルゴリズムを検証試料に適用し、ネットワーク遺伝子発現を十分に修正して処理されたN1+/-ECの1つ以上の複製がWTとして分類された化合物をさらなる分析のために選択した。
【0333】
結果
N1ハプロ不全によって調節不全となったネットワ-ク内の主要調節ノードをマッピングしたところ、ネットワークを正常状態に戻す小分子が同定された。K-最近傍(KNN)アルゴリズムを訓練し、DMSOに曝露された各遺伝子型の同質遺伝子ECsに基づいて、標的RNA-seqによりネットワ-ク遺伝子発現をWTまたはN1
+/-に分類した。KNNアルゴリズムはリーブ-ワン-アウト(LOO)交差検証によりECを99.3%の精度でWTまたはN1
+/-のいずれかに分類した。WTとして誤って分類された単一のN1
+/-EC複製は、2つの主成分上にマップしたとき、2つのクラスの境界近くに現れた(
図1B)。
【0334】
次いで訓練されたKNNアルゴリズムを1595個の小分子の1つに曝露されたN1
+/-ECに適用し、大部分はN1
+/-として分類されたままであったが、11個の分子はネットワ-ク遺伝子発現を十分に修正し、処理されたN1
+/-ECがWTとして分類された(
図1Cおよび10A~10C)。これらのネットワ-ク修正分子(network-correcting molecules)はサイトカラシン;Fmoc-leu;GSK837149A;RO-4929097;アルプロスタジル;ノルフロキサシン;YC-1;CB_1954;L-741626;ナロキソン ベンゾイルヒドラゾンおよびツロブテロール塩酸塩であった。
【0335】
細胞移動と増殖の増加はCAVD(心臓大動脈弁疾患)における弁肥厚と石灰化に寄与すると仮定され、それに応じて、CB1954とサイトカラシンを含む2つの付加的なネットワーク修正分子が抗増殖性であった。ネットワーク修正分子にはまた、2つの血管拡張化合物、プロスタグランジンE1(アルプロスタジル)およびβ-アドレナリン受容体アゴニストツロブテロール塩酸塩が含まれていた。
【0336】
最初の候補を選択するために使用されるアルゴリズムの多様性を強化するために、完全凝集法を用いて階層的クラスタリングを適用し、N1-ハプロ不全ECを促進して(promoted)WTECとクラスター化するさらなる小分子を同定した(
図1D、5A~B、6A~B、7A~B、8A~B、および10A~C)。同定された化合物の中には、β-アドレナリン受容体調節分子アルプレノロールおよびアミオダロン、α-アドレナリン受容体アンタゴニストフェントラミンメシル酸塩、およびアセチルコリン受容体アゴニストカルバコールを含む複数のさらなる血管拡張薬があった。この方法はまた、潜在的に抗炎症性の分子BWB70Cおよびシクロオキシゲナーゼ阻害剤ピロキシカムも同定した。追加の候補には、潜在的に抗アテローム形成性のTG003および潜在的に抗骨形成性のXCT790が含まれていた。
【0337】
前述の完全または単一リンケージ(linkage)法によって同定された候補のうち、9個の化合物はネットワーク遺伝子発現を十分に修正し、処理されたN1+/-ECの1つ以上の複製が検証試験においてKNNアルゴリズムによってWTとして分類された。2つの主成分上にプロットすると、検証された分子で処理されたN1-ハプロ不全ECは、検証されなかった分子で処理されたECよりも、よりWTECの近くに局在していた。検証された分子はサイトカラシン;Fmoc-leu;GSK837149A;RO-4929097;CB_1954;ビペリデン塩酸塩;プトレシン二塩酸塩、TG003およびXCT790であった。
【0338】
実施例3
動脈血栓症と血管新生を支配する経路を回復したネットワーク修正分子
材料および方法
全トランスクリプトームRNA-seqと分析パイプライン
ECを溶解し、Qiagen(登録商標)RNeasy Micro精製キットを用いてRNAを単離した。RNA-seqライブラリは、キットプロトコル毎にIllumina(登録商標)用のClontech SMRTer(登録商標)Stranded RNA-seq Library PrepKitを用いて構築した。ライブラリをAgilent(登録商標)Bioanalyzerにより分析し、同等の濃度に正規化し、プールし、ゲル精製し、そして10%PhiXを有するIllumina NextSeq(登録商標)装置上で75bpペアエンド(paired-end)を配列決定した。
【0339】
配列決定の質はFASTQC(ウェブ上で「bioinformatics.babraham.ac.uk/projects/fastqc/」の前にwww.を配置することによる)を用いて評価した。読み取りを、hg19(Homo sapiens assembly、2009年2月)トランスクリプトームおよびゲノムに、参照配列へのスプライシングされた転写配列アラインメント(STAR)アラインメント(ドビン(Dobin)ら、Bioinformatics、2012;29:15~21)を用いてアラインメントし、差次的発現をCuffdiff(トラップネル(Trapnell)ら、Nat Biotechnol.、2012;31:46~53)を用いて分析した。HOPACHを相関メトリック(ファンデルラーン(van der Laan)およびポラルド(Pollard);ウェブ上で「「bioconductor.org/packages/devel/bioc/manuals/hopach/man/hopach.pdf」の前にwww.を配置することによる)を用いてクラスタリングに使用した。GO分析はGO-EliteおよびとToppGene(チェン(Chen)ら、Nucleic Acids Research、2009;37:W305-W311;ザンボン(Zambon)ら、Bioinformatics、2012;28:2209~2210)を用いて完了した。NetworkX(ハグベルク(Hagberg)ら、SciPy.、2008)を用いて、DMSO-対小分子-処理WTおよびN1+/-のECの全トランスクリプトームRNA-seq遺伝子発現に基づき、色を用いたWTECと比較して、同質遺伝子N1+/-のmRNA-seq遺伝子発現から推論したネットワーク接続に基づいてネットワーク図を作成した。
【0340】
結果
全トランスクリプトームRNA-seqを実施し、同定されたネットワーク修正小分子の転写ランドスケープ全体への効果を決定した(
図2A)。全体的に、XCT790は、細胞外マトリックスの弾性、細胞運動、動脈血栓症、T細胞シグナル伝達、ペルオキシソームに関与する遺伝子を含む、N1-ハプロ不全ECで異常に活性化された遺伝子を抑制するのに最も効果的であった。TG003はまた、程度は低いものの、これらの遺伝子を抑制するのに広く効果的であり、特にペルオキシソーム関連遺伝子への影響は少なかった。サイトカラシンは、動脈血栓症およびT細胞シグナル遺伝子のダウンレギュレーションに効果的であったが、細胞運動性遺伝子の調節不全を悪化させた。XCT790、TG003、およびサイトカラシンは、カドヘリン-11に対して最も強い抑制効果を示し、その抑制により、高脂肪食に曝露されたN1
+/-マウスにおいてCAVDを防止した。(
図9A)。XCT790はまた、中胚葉および細胞周期チェックポイント遺伝子の転写を効果的に回復し、GSK837149Aは、血管新生および心血管系の発達に関与する遺伝子の相補的グループの転写を回復した。単剤では、XCT790は異常に活性化された遺伝子と抑制された遺伝子の両方を回復するのに最も効果的であり、XCT790で処理されたECはWTのECの転写プロファイルと最も強く相関していた(
図2B)。
【0341】
SOX7およびTCF4が、N1ハプロ不全によって調節不全となったネットワーク内の中央調節ノードとしての役割を果たすと予測されることから、これらのノードの修正は、ネットワーク全体に対して広範な回復効果を有すると予測された。実際、これらのノードを直接標的とするsiRNAは、N1-ハプロ不全ECにおけるアップレギュレートされた遺伝子およびダウンレギュレートされた遺伝子の両方をそれらの正常状態に向けて広く修正した(
図2Cおよび9B)。それに応じて、これらの調節ノードに対する最も強い回復効果を有する化合物、XCT790は、N1-ハプロ不全ECを駆動し、WT ECと最も強く相関させ、ネットワークに基づくスクリーニングで同定された化合物から最大数の遺伝子を最大程度に修正した(
図2B、D~E)。このように、中央調節ノードSOX7およびTCF4の発現を修正する治療は、全体としてネットワークを回復するのに最も効果的であった。
【0342】
各小分子によって影響を受けるネットワークの領域を決定することは、ネットワークを通常の状態にさらに回復させるための分子の組み合わせの選択を通知するために仮定された。SOX7およびTCF4を標的とするsiRNAの組み合わせと同じく各小分子の効果をマッピングすると、XCT790は、ネットワークの中央領域に対して最も強い回復効果をもたらし、主要ノードSOX7およびTCF4の直接siRNA標的化の効果を最もよく模倣した(
図3A)。TG003も強力な回復効果があったが、XCT790の影響を受ける遺伝子と密接に重複していた。逆に、GSK837149Aは、炎症性調節因子CEACAM1およびJNKシグナル伝達因子NRKを含むXCT790に対してより多くの補足遺伝子(complementary genes)を回復した。XCT790およびGSK837149Aの補完的なネットワーク修正効果は、これらを組み合わせることでさらに効果的である可能性があることを示唆している。
【0343】
実施例4
インビボで心臓弁狭窄症を軽減したネットワーク修正分子
材料および方法
インビボ小分子治療、心エコー検査、および石灰化の染色
プロトコルは、カリフォルニア州サンフランシスコのUCSF動物実験委員会(UCSF Institutional Animal Care and Use Committee)により審査/承認された。N1+/-およびmTRhetC57Bl6マウス(Jackson Labsから購入:それぞれ#002797および#004132)を用いて、二重変異動物を作製した。以前に記載(テオドリス(Theodoris)ら、The Journal of Clinical Investigation、2017年;127:1683)したように、繁殖を行い、N1+/-/mTRG2マウスを作製した。XCT790(5mg/kg/日)、TG003(0.3mg/kg/日または2mg/kg/日、結果を分析のためのプールした)、Fmoc-leu(0.6mg/kg/日)、GSK837149A(4.5mg/kg/日)、ビペリデン(10mg/kg/日)、CB1954(15mg/kg/日)、プトレシン(0.26mg/kg/日)、ナロキソン(25mg/kg/日)(全て腹腔内注射による)、およびRO4929097(60mg/kg/日)(強制経口投与による)、または同等量の溶媒(DMSOまたは生理食塩水)で、出生後第4週から4週間、マウスを処理した。
【0344】
中心周波数30MHzのRMV-707Bトランスデューサを装備したVevo(登録商標)770イメージングシステム(ビジュアルソニックス社(Visual Sonics))を用いて、標準測定技術によるイソフルオレン麻酔下で心エコー検査を行った。AVおよびPVを通過するピーク血流速度は、修正された胸骨傍の長軸および短軸像でパルス波ドップラーにより得た。各測定には、3回の心周期の平均を用いた。
【0345】
心臓は、心室KCl注射によるイソフルオレンを用いた麻酔下で潅流固定し、続いてPBS洗浄を行い、4%パラホルムアルデヒドで固定した。次いで、心臓を10%ホルマリン中で一晩インキュベートした。心尖部を大動脈基部に平行に切断し、次いで、心臓組織を標準的なプロトコルを用いてパラフィン処理し、切断面を下にして埋め込んだ。得られたパラフィンブロックをトリミングし、角度を付けて、大動脈基部の完全な3小葉(three-leaflet)の像を得た。根を大動脈洞の基部から5μm間隔で連続的に切断し、スライド上に載せた。次いでスライドを脱パラフィン化し、石灰化を前述のように2%アリザリンレッド(pH4.1~4.3)で染色した(テオドリス(Theodoris)ら、The Journal of Clinical Investigation、2017年;127:1683)。
【0346】
結果
短縮テロメアを持つN1
+/-マウスは年齢依存性AVおよび肺動脈弁(PV)狭窄症を発症し、N1ハプロ不全によって引き起こされるヒト疾患の範囲を模倣する(テオドリス(Theodoris)ら、The Journal of Clinical Investigation、2017年;127:1683)。同定したネットワーク修正分子がインビボでN1ハプロ不全に起因する心臓弁疾患を予防するのに十分であるかどうかを決定するために、短縮テロメアを有するN1
+/-マウス(テロメラーゼRNA成分Terc(mTR)の変異によるテロメラーゼ活性を欠損する第2世代(G2)マウス)を、生後第4週から開始して4週間、XCT790またはTG003のいずれかで処理した。DMSO処理マウスと比較して、TG003は、アリザリンレッド染色により、石灰化を発症したマウスの数を68%(p=0.09)、石灰化の程度を80%(p=0.09)減少させたが(
図3B~C)、心エコー検査によりAVまたはPV狭窄に有意な影響を及ぼさなかった(
図9C~D)。インビトロで最も効果的にネットワークを回復させたXCT790は、心エコー検査によりインビボでPV狭窄を予防するのに十分であり(p=0.022)、心エコー検査によりAV狭窄を減少させる傾向を示した(p=0.068)(
図3D~E)。DMSOと比較して、XCT790は石灰化を発症したマウスの数も64%減少させ、石灰化を発症した単一のXCT790処理マウスは、平均的なDMSO処理マウスよりも99%少ない石灰化を示したが、これらの効果は統計的有意性を満たさなかった(
図9E~F)。全体として、XCT790はPV狭窄を有意に予防し、XCT790およびTG003の両方は、N1
+/-/mTR
G2マウスでAV石灰化を減少させる傾向を示した。したがって、ネットワークに基づく薬物スクリーニングは、インビボでの心臓弁疾患の予防に有望なネットワーク修正分子を効果的に同定した。
【0347】
追加の化合物、Fmoc-leu、GSK837149A、ビペリデン、CB1954、プトレシン、ナロキソン、およびRO4929097を小規模な初期コホートにおいて、インビボで試験し(実施例4の上記の方法を参照)、結果を
図11A~15Bに示す。試験された初期マウスの数が少ないことに基づいて、これまでのところ統計的有意性を結論付けるには統計的検出力が不十分である。
【0348】
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本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、等価物を置換することができることを当業者は理解すべきである。さらに、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスステップまたは複数のステップを本発明の目的、精神および範囲に適合させるために、それらの多くの修正を行うことができる。このような変更はすべて、本明細書に添付された特許請求の範囲内にあることが意図されている。