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特許7476199SCN1A脳症の治療のためのSCN2Aを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】SCN1A脳症の治療のためのSCN2Aを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7088 20060101AFI20240422BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240422BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240422BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240422BHJP
   C12N 15/113 20100101ALN20240422BHJP
【FI】
A61K31/7088
A61P25/00
A61P25/08
A61K48/00 ZNA
C12N15/113 140Z
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021533377
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019047313
(87)【国際公開番号】W WO2020041348
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】62/765,344
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521073936
【氏名又は名称】ロジコン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ペトロー, スティーブン
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-535958(JP,A)
【文献】特表2019-501892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Science Direct
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SCN1A脳症の治療を必要とする対象における前記SCN1A脳症を治療する方法において使用するための組成物であって、前記組成物は化合物を含み、前記方法は、前記組成物を、前記SCN1A脳症を治療するのに十分な量及び期間で前記対象に投与することを含み、前記化合物が、ヒトSCN2A遺伝子のプレmRNA転写物またはmRNA転写物の標的領域の等長部分に少なくとも95%の相補性を有する10連続核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を有する、10~80ヌクレオシド長の一本鎖オリゴヌクレオチドを含み、前記SCN1A脳症は、てんかん、熱性けいれんを有する全般てんかん、家族性熱性けいれん、早期乳児てんかん性脳症6、及びドラベ症候群からなる群から選択され、前記オリゴヌクレオチドは、前記ヒトSCN2A遺伝子の発現を減少させる、前記組成物。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチが、ヒトSCN2A遺伝子のプレmRNA転写物またはmRNA転写物の標的領域の等長部分に100%の相補性を有する核酸塩基配列を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドが、GenBank受託番号NP_066287.2のアミノ酸配列をコードするSCN2A mRNAの一部分に相補的な核酸塩基配列を含む、前記核酸塩基配列から本質的になる、もしくは前記核酸塩基配列からなるか、またはGenBank受託番号NM_021007.2の核酸塩基配列を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドが、1つもしくは複数の修飾糖、1つもしくは複数の修飾ヌクレオシド間結合、及び/または1つもしくは複数の修飾核酸塩基を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾糖を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記1つまたは複数の修飾糖の各々が独立に、二環式糖、2’-O-メトキシエチル(2MOE)修飾糖、2’-O-メトキシ(2-OMe)修飾糖、2’-メトキシ修飾糖、2’-O-アルキル修飾糖、拘束エチル(cEt)修飾糖、固定化糖、及び非固定化糖からなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたって2MOE修飾糖
を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む、請求項4~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記修飾されたヌクレオシド間結合の1つまたは複数が、修飾ホスフェートを含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記修飾ホスフェートの各々が独立に、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、チオホスホロアミデート、チオホスホロジアミデート、メチルホスホネート、ホスホロモルホリデート、及びホスホロピペラジデートからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロジアミデートモルホリノヌクレオシド間結合を有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む、請求項4~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記修飾核酸塩基が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルアデニン、2-プロピルグアニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、5-ブロモウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-ブロモシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-フルオロアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、及び3-デアザアデニンからなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
各シトシンが5-メチルシトシンである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
結合したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントが、前記5’ウィングセグメントと前記3’ウィングセグメントの間に直接隣接して位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、請求項4~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記オリゴヌクレオチドが、12~40の核酸塩基からなる、請求項1~16のいずれかに1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記オリゴヌクレオチドが、16~30の核酸塩基からなる、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記対象の神経細胞におけるSCN2Aの発現を阻害することを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記SCN1A脳症がドラベ症候群である、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、髄腔内、髄内、または脳室内に投与される、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
SCN2Aの発現の減少が治療効果をもたらす、請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、前記SCN1A脳症の1つまたは複数の症状を低減させる、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記SCN1A脳症の1つまたは複数の症状が、長期の発作、頻繁な発作、行動及び発達の遅延、運動及びバランスの問題、整形外科的状態、言語遅延及び発声の問題、成長及び栄養の問題、睡眠困難、慢性感染症、感覚統合障害、自律神経系の乱れ、片頭痛、ならびに発汗からなる群から選択される、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記オリゴヌクレオチドが、SCN1AプレmRNAまたはmRNAよりも、SCN2AプレmRNAまたはmRNAに対して選択的である、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、SCN1Aの発現を実質的に低減させない、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記対象が、SCN1Aに機能獲得型変異を有する、請求項1~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
前記対象が、SCN1Aに機能喪失型変異を有する、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2018年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/765,344号の利益を主張するものである。上に参照された出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2019年9月23日に作成された上記ASCIIコピーは、PRX-057 WO_SL.txtという名称であり、2,235バイトのサイズである。
【0003】
本明細書で提供するのは、対象(例えば、ヒト)におけるナトリウム電位依存性チャネルアルファサブユニット2(SCN2A)の発現を低減させるのに有用な方法、化合物、及び組成物である。また、本明細書で提供するのは、対象におけるナトリウム電位依存性チャネルアルファサブユニット1(SCN1A)に関連する疾患または状態を治療するのに有用であり得るSCN2Aアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を含む方法、化合物、及び組成物である。そのような方法、化合物、及び組成物は、例えば、ドラベ症候群などのSCN1A関連脳症を治療する、予防する、遅延させる、または改善するために有用であり得る。
【背景技術】
【0004】
電位依存性ナトリウムチャネルアルファサブユニット1(SCN1A)遺伝子は、ヒト染色体2の長(q)腕の24.3の位置にあり、脳に発現し、神経シグナル伝達に関与する電位依存性ナトリウムチャネルのアルファサブユニットであるNaV1.1をコードする。SCN1Aの変異は、てんかん、熱性けいれんを有する全般てんかん、家族性熱性けいれん、片頭痛、早期乳児てんかん性脳症6、ドラベ症候群(乳児期の重度のミオクローヌスてんかん)、及び他のSCN1A関連脳症に関連している可能性がある。しかしながら、SCN1A変異が有害作用を引き起こすメカニズムは当技術分野で十分に理解されておらず、SCN1A脳症を治療する満足できる方法は利用できない。よって、これらのSCN1A関連障害を治療するのに有用な新たな方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で提供するのは、ドラベ症候群(乳児期の重度のミオクローヌスてんかん(SMEI))、てんかん、熱性けいれんを有する全般てんかん、家族性熱性けいれん、片頭痛、及び早期乳児てんかん性脳症6を含めたSCN1A脳症などの電位依存性ナトリウムチャネルアルファサブユニット1(SCN1A)関連疾患を治療するために、電位依存性ナトリウムチャネルアルファサブユニット2(SCN2A)の発現を調節するための組成物、化合物、及び方法である。
【0006】
一態様では、本発明は、SCN1A脳症の治療を必要とする対象におけるSCN1A脳症を治療する方法であって、ヒトSCN2A遺伝子のプレmRNA転写物またはmRNA転写物の標的領域の等長部分に少なくとも80%の相補性を有する10連続核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を有する、10~80ヌクレオシド長の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む化合物を、該SCN1A脳症を治療するのに十分な量及び期間で該対象に投与することによる方法を特徴とする。
【0007】
幾つかの実施形態において、該方法は、ヒトSCN2A遺伝子の発現を減少させる。
【0008】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、GenBank受託番号NP_066287.2のアミノ酸配列をコードするSCN2A mRNAの一部分に相補的な核酸塩基配列を含む、該核酸塩基配列から本質的になる、もしくは該核酸塩基配列からなるか、またはGenBank受託番号NM_021007.2の核酸塩基配列を含む。
【0009】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾糖、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合、及び/または1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾糖を含む。
【0011】
幾つかの実施形態において、1つまたは複数の修飾糖の各々は独立に、二環式糖、2’-O-メトキシエチル(2MOE)修飾糖、2’-O-メトキシ(2-OMe)修飾糖、2’-メトキシ修飾糖、2’-O-アルキル修飾糖、拘束エチル(cEt)修飾糖、固定化糖、及び非固定化糖からなる群から選択される。
【0012】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたって2MOE修飾糖を有する。
【0013】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。
【0014】
幾つかの実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合の1つまたは複数は、修飾ホスフェートを含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、修飾ホスフェートの各々は独立に、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、チオホスホロアミデート、チオホスホロジアミデート、メチルホスホネート、ホスホロモルホリデート、及びホスホロピペラジデートからなる群から選択される。
【0016】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する。
【0017】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロジアミデートモルホリノヌクレオシド間結合を有する。
【0018】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。
【0019】
幾つかの実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルアデニン、2-プロピルグアニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、5-ブロモウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-ブロモシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-フルオロアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、及び3-デアザアデニンからなる群から選択される。
【0020】
幾つかの実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0021】
幾つかの実施形態において、各シトシンは、5-メチルシトシンである。
【0022】
幾つかの実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、
結合したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント;
を含み、該ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に直接隣接して位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0023】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、12~40(例えば、16~30)の核酸塩基からなる。
【0024】
幾つかの実施形態において、該方法は、対象の神経細胞におけるSCN2Aの発現を阻害することを含む。
【0025】
幾つかの実施形態において、SCN1A脳症は、てんかん、熱性けいれんを有する全般てんかん、家族性熱性けいれん、片頭痛、早期乳児てんかん性脳症6、及びドラベ症候群からなる群から選択される。
【0026】
幾つかの実施形態において、SCN1A脳症はドラベ症候群である。
【0027】
幾つかの実施形態において、該化合物は、髄腔内、髄内、または脳室内に投与される。
【0028】
幾つかの実施形態において、SCN2Aの発現の減少が治療効果をもたらす。
【0029】
幾つかの実施形態において、該方法は、SCN1A脳症の1つまたは複数の症状を低減させる。
【0030】
幾つかの実施形態において、SCN1A脳症の1つまたは複数の症状は、長期の発作、頻繁な発作、行動及び発達の遅延、運動及びバランスの問題、整形外科的状態、言語遅延及び発声の問題、成長及び栄養の問題、睡眠困難、慢性感染症、感覚統合障害、自律神経系の乱れ、ならびに発汗からなる群から選択される。
【0031】
幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、SCN1AプレmRNAまたはmRNAよりもSCN2AプレmRNAまたはmRNAに対して選択的である。
【0032】
幾つかの実施形態において、該方法は、SCN1Aの発現を実質的に低減させない。
【0033】
幾つかの実施形態において、対象は、SCN1Aに機能獲得型変異を有する。
【0034】
幾つかの実施形態において、対象は、SCN1Aに機能喪失型変異を有する。
【0035】
定義
特に示さない限り、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0036】
「2’-デオキシヌクレオシド」は、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)に見出されるような2’-H(H)フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得るか、またはRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
【0037】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOE及び2’-O(CH-OCHとも称される)とは、フラノシル環の2’位でのO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチル修飾糖は、修飾糖である。
【0038】
「2’-MOEヌクレオシド」(2’-O-メトキシエチルヌクレオシドとも称される)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0039】
「2’-置換ヌクレオシド」または「2-修飾ヌクレオシド」は、2’-置換または2’-修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用する場合、糖部分に関する「2’-置換」または「2-修飾」は、HまたはOHの代わりに少なくとも1つの2’-置換基を含む糖部分を意味する。
【0040】
「3’標的部位」とは、特定の化合物の最も3’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0041】
「5’標的部位」とは、特定の化合物の最も5’側のヌクレオチドに相補的な標的核酸のヌクレオチドを指す。
【0042】
「5-メチルシトシン」は、5位に結合したメチル基を有するシトシンを意味する。
「約」とは、値の±10%以内を意味する。例えば、「化合物はSCN2Aの約70%の阻害に影響を与えた」と述べられているならば、それは、SCN2Aレベルが60%~80%の範囲内で阻害されることが含意される。
【0043】
「投与」または「投与すること」とは、本明細書で提供する化合物または組成物を対象に導入して、その意図された機能を行う経路を指す。使用することができる投与経路の例として、髄腔内、髄内、脳室内、及び皮下、静脈内、または筋肉内注射または注入など非経口投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
「同時に投与される」または「共投与」は、2つ以上の化合物が、患者において両方の薬理効果が現れる任意の様式で投与されることを意味する。同時投与は、両方の化合物が、単一の医薬組成物で、同じ剤形で、同じ投与経路によって、または同時に投与されることを必要としない。両方の化合物の効果は、必ずしも同時に現われなくてもよい。効果は、ある期間の重複しか必要とせず、必ずしも同一の期間でなくてもよい。同時投与または共投与は、並行投与または逐次投与を包含する。
【0045】
「改善」とは、関連疾患、障害、または状態の少なくとも1つの指標、兆候、または症状の好転または軽減を指す。特定の実施形態において、改善には、状態または疾患の1つまたは複数の指標の進行または重症度の遅延または緩徐化が含まれる。指標の進行または重症度は、当業者に公知の主観的尺度または客観的尺度によって決定することができる。
【0046】
「アンチセンス活性」とは、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに起因する任意の検出可能及び/または測定可能な活性を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的核酸またはそのような標的核酸によってコードされるタンパク質の量または発現が、該標的に対するアンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較して減少することである。
【0047】
「アンチセンス化合物」は、オリゴヌクレオチド、及び任意選択でコンジュゲート基または末端基などの1つまたは複数の追加の特徴物を含む化合物を意味する。アンチセンス化合物の例として、一本鎖及び二本鎖化合物、例えば、オリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有に基づく化合物が挙げられる。
【0048】
「アンチセンス阻害」とは、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルと比較した、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低減を意味する。
【0049】
「アンチセンスメカニズム」とは、ハイブリダイゼーションの結果または効果が、例えば、転写またはスプライシングを含む細胞機構の失速を伴う標的分解または標的占有のいずれかであるような、化合物と標的核酸とのハイブリダイゼーションを伴うすべてのメカニズムである。
【0050】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、標的核酸またはその領域もしくはセグメントに相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸またはその領域もしくはセグメントに特異的にハイブリダイズすることができる。
【0051】
「運動失調」とは、体の動きの完全な制御の喪失を意味する。
【0052】
「二環式ヌクレオシド」または「BNA」とは、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。「二環式糖」または「二環式糖部分」は、2つの環を含む修飾糖部分を意味し、ここで、第2の環は、第1の環における原子の2つを接続する架橋を介して形成され、それによって二環式構造が形成される。特定の実施形態において、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態において、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0053】
「分岐基」とは、少なくとも3つの基への共有結合を形成することができる少なくとも3つの位置を有する原子団を意味する。特定の実施形態において、分岐基は、コンジュゲートリンカー及び/または切断可能部分を介してテザーリガンドをオリゴヌクレオチドに接続するための複数の反応部位を提供する。
【0054】
化合物における「化学修飾」は、化合物中のユニットのいずれかの化学反応による置換または変化を表す。「修飾ヌクレオシド」とは、独立に、修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを意味する。「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、及び/または修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0055】
「化学的に別個の領域」とは、化合物のある領域であって、同じ化合物の別の領域とは何らかの点で化学的に異なる領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオチドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を有さないヌクレオチドを有する領域とは化学的に別個である。
【0056】
「キメラアンチセンス化合物」とは、少なくとも2つの化学的に別個の領域であって、各位置が複数のサブユニットを有する領域を有するアンチセンス化合物を意味する。
【0057】
「切断可能な結合」とは、分割することができる任意の化学結合を意味する。特定の実施形態において、切断可能な結合は、アミド、ポリアミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方もしくは両方のエステル、リン酸エステル、カルバメート、ジスルフィド、またはペプチドの中から選択される。
【0058】
「切断可能な部分」は、生理学的条件下で、例えば、細胞、動物、またはヒトの内部で切断される原子の結合または原子団を意味する。
【0059】
オリゴヌクレオチドに関して「相補的な」とは、2つの核酸塩基配列を反対方向に整列させたときに、そのようなオリゴヌクレオチドの核酸塩基配列またはその1つもしくは複数の領域が、別のオリゴヌクレオチドもしくは核酸またはそれらの1つもしくは複数の領域の核酸塩基配列とマッチすることを意味する。核酸塩基のマッチまたは相補的な核酸塩基は、本明細書に記載する場合、特に指定のない限り、次の対:アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、及び5-メチルシトシン(C)とグアニン(G)に限られる。相補的なオリゴヌクレオチド及び/または核酸は、各ヌクレオシドで核酸塩基相補性を有する必要はなく、1つまたは複数の核酸塩基のミスマッチを含んでもよい。対照的に、オリゴヌクレオチドに関して「完全に相補的」または「100%相補的」とは、そのようなオリゴヌクレオチドが、いずれの核酸塩基のミスマッチも有することなく、各ヌクレオシドで核酸塩基のマッチを有することを意味する。
【0060】
オリゴヌクレオチドとの関連での「連続的な」とは、互いに直接隣接するヌクレオシド、核酸塩基、糖部分、またはヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続的な核酸塩基」とは、配列中で互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0061】
「認知症」とは、記憶、判断、思考を損なう知的機能の継続的な喪失を意味する。
【0062】
「設計すること」または「~するように設計された」とは、選択された核酸分子と特異的にハイブリダイズする化合物を設計するプロセスを指す。
【0063】
「希釈剤」とは、薬理学的活性を欠くが、医薬として必要であるか、または望ましい組成物中の成分を意味する。例えば、注射される組成物中の希釈剤は、液体、例えば、生理食塩溶液であり得る。
【0064】
「異なるように修飾されている」とは、修飾の不在を含む、互いに異なる化学修飾または化学置換基を意味する。よって、例えば、MOEヌクレオシドと非修飾DNAヌクレオシドは、DNAヌクレオシドが修飾されていなくても「異なるように修飾されている」。同様に、DNA及びRNAは、両方ともに天然に存在する非修飾ヌクレオシドであっても「異なるように修飾されている」。同じであるが、異なる核酸塩基を含むヌクレオシドは、異なるように修飾されていない。例えば、2’-OMe修飾糖及び非修飾アデニン核酸塩基を含むヌクレオシドと2’-OMe修飾糖及び非修飾チミン核酸塩基を含むヌクレオシドは、異なるように修飾されていない。
【0065】
「用量」とは、単回投与で提供されるか、または特定の期間に提供される化合物または医薬品の特定の分量を意味する。特定の実施形態において、用量は、2つ以上のボーラス、錠剤、または注射で投与されてもよい。例えば、特定の実施形態において、皮下投与が所望される場合、所望の用量が、単回注射では容易に収容できない体積を必要とすることがある。そのような実施形態において、2回以上の注射を使用して所望の用量を実現してもよい。特定の実施形態において、用量は、対象における注射部位反応を最低限に抑えるために、2回以上の注射で投与されてもよい。他の実施形態において、化合物または医薬品は、注入によって長期間にわたって、または連続して投与される。用量は、1時間、1日、1週間、または1か月当たりの医薬品の量で提示されてもよい。
【0066】
「投薬レジメン」は、1つまたは複数の所望される効果を実現するように設計された用量の組み合わせである。
【0067】
「二本鎖化合物」とは、互いに相補的で二本鎖を形成する2つのオリゴマー化合物を含み、前記2つのオリゴマー化合物の1つがオリゴヌクレオチドを含む化合物を意味する。
【0068】
「有効量」とは、化合物の量であって、その化合物を必要としている対象において所望される生理学的結果を達成するのに十分な量を意味する。有効量は、治療しようとする対象の健康及び身体状態、治療しようとする対象の分類群、組成物の製剤、対象の医学的状態の評価、ならびに他の関連要因に応じて対象間で変動し得る。
「効力」とは、所望される効果を生み出す能力を意味する。
【0069】
「Ensembl ID」は、選択された真核生物ゲノムの自動アノテーションを生成し、維持するソフトウェアシステムを開発するためのEMBL-EBIとWellcome Trust Sanger Instituteによる共同プロジェクトである、Ensemblによって遺伝子配列に割り当てられた文字及び数字からなる識別番号である。Ensemblアノテーションは、特定のゲノム内の遺伝子位置を特定するのに役立ち、別の種のゲノム上で同等の遺伝子を構成するために使用することができる。
【0070】
「てんかん」は、脳内のニューロンの活動が慢性的に乱されるようになる中枢神経系障害である。場合によっては、発作、異常な行動、感覚の期間、そして時には意識の喪失を引き起こすことがある。場合によっては、ミオクローヌス、認知障害、学習障害、または小児における発育遅延を含めた他の症状を引き起こすこともある。場合によっては、ある患者では死に至ることがある。場合によっては、幾つかの形態のてんかんは、進行性の神経変性疾患に関連する。てんかんを有する多くの人は、2つ以上の症状を有する。
【0071】
「発現」には、遺伝子によってコードされた情報を、細胞内に存在して動作する構造に変換するすべての機能が含まれる。そのような構造として、転写及び翻訳の産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
「ギャップマー」とは、1つまたは複数のヌクレオシドを有する外側領域の間に位置する、リボヌクレアーゼH切断を支援する複数のヌクレオシドを有する内側領域を含むオリゴヌクレオチドであって、内側領域を構成するヌクレオシドが、外側領域を構成するヌクレオシド(1つまたは複数)とは化学的に別個であるオリゴヌクレオチドを意味する。内側領域は「ギャップ」と呼ばれることがあり、外側領域は「ウィング」と呼ばれることがある。
【0073】
「SCN1A」とは、ヒト電位依存性ナトリウムチャネルアルファサブユニット1を意味し、SCN1Aの任意の核酸を指す。例えば、特定の実施形態において、SCN1Aには、SCN1AをコードするDNA配列、SCN1AをコードするDNA(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAを含む)から転写されたRNA配列が含まれる。該標的は、大文字で参照されることも、小文字で参照されることもある。
【0074】
「SCN2A」は、ヒトナトリウム電位依存性チャネルアルファサブユニット2を意味し、SCN2Aの任意の核酸を指す。例えば、特定の実施形態において、SCN2Aには、SCN2AをコードするDNA配列、SCN2AをコードするDNA(イントロン及びエクソンを含むゲノムDNAを含む)から転写されたRNA配列が含まれる。該標的は、大文字で参照されることも、小文字で参照されることもある。
【0075】
「SCN2A特異的阻害剤」は、SCN2Aの発現または活性を分子レベルで特異的に阻害することができる任意の作用剤を指す。例えば、SCN2A特異的阻害剤には、核酸(アンチセンス化合物を含む)、ペプチド、抗体、小分子、及びSCN2Aの発現または活性を阻害することができる他の作用剤が含まれる。
【0076】
「ハイブリダイゼーション」とは、オリゴヌクレオチド及び/または核酸のアニーリングを意味する。特定のメカニズムに限定されないが、最も一般的なハイブリダイゼーションのメカニズムは水素結合を伴い、これは相補的な核酸塩基間のワトソン-クリック型、フーグスティーン型、または逆フーグスティーン型の水素結合であってもよい。特定の実施形態において、相補的核酸分子として、アンチセンス化合物及び核酸標的が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、相補的核酸分子として、オリゴヌクレオチド及び核酸標的が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
「直接隣接する」とは、同じ種類の直接隣接する要素の間に介在する要素がないことを意味する(例えば、直接隣接する核酸塩基の間に介在する核酸塩基がない)。
【0078】
「対象」とは、処置または治療のために選択されたヒトまたは非ヒトの動物を意味する。
【0079】
「発現または活性を阻害すること」とは、非処置または対照試料における活性の発現と比較して発現または活性が低減するかまたは阻止されることを指し、必ずしも発現または活性の完全な排除を示すわけではない。
【0080】
「ヌクレオシド間結合」とは、オリゴヌクレオチドにおいて隣接するヌクレオシド間の共有結合を形成する基または結合を意味する。「修飾ヌクレオシド間結合」とは、天然に存在するホスフェートヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。非ホスフェート結合は、本明細書では修飾ヌクレオシド間結合と呼ばれる。
【0081】
「脳室内投与」とは、脳室系への投与を意味する。
【0082】
「腹腔内投与」とは、注入または注射による腹膜内への投与を意味する。
「髄内投与」とは、脊髄、延髄、または骨髄腔内への投与を意味する。
【0083】
「髄腔内投与」とは、脊柱管内またはくも膜下腔内に、脳脊髄液(CSF)に到達するように投与することを意味する。
【0084】
「静脈内投与」とは、静脈内への投与を意味する。
【0085】
「延長オリゴヌクレオチド」とは、本明細書に開示するオリゴヌクレオチド、例えば、親オリゴヌクレオチドに対して1つまたは複数の追加ヌクレオシドを有するものである。
【0086】
「結合したヌクレオシド」とは、ヌクレオシド間結合によって一緒に結合した隣接するヌクレオシドを意味する。
【0087】
「ミスマッチ」また「非相補的な」とは、第1及び第2のオリゴヌクレオチドが整列しているときに、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基と相補的でない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基を意味する。例えば、限定するものではないが、ユニバーサル核酸塩基、イノシン、及びヒポキサンチンを含めた核酸塩基は、少なくとも1つの核酸塩基とハイブリダイズすることができるが、それでも、それがハイブリダイズした核酸塩基に関してミスマッチまたは非相補的である。別の例として、第1及び第2のオリゴヌクレオチドが整列しているときに、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基とハイブリダイズすることができない第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基は、ミスマッチまたは非相補的な核酸塩基である。
【0088】
「調節すること」とは、細胞、組織、器官、または生物の特徴を変化させるまたは調整することを指す。例えば、SCN2Aを調節することは、細胞、組織、器官または生物におけるSCN2Aのレベルを増加または減少させることを意味し得る。「モジュレーター」は、細胞、組織、器官、または生物に変化をもたらす。例えば、ある化合物は、細胞、組織、器官または生物におけるSCN2Aの量を減少させるSCN2Aのモジュレーターであり得る。
【0089】
「MOE」とは、メトキシエチルを意味する。
【0090】
「モノマー」とは、オリゴマーの単一ユニットを指す。モノマーには、ヌクレオシド及びヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
「モチーフ」とは、オリゴヌクレオチドにおける、非修飾及び/または修飾糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0092】
「ミオクローヌス」とは、身体の一部または全身に不定の期間影響を与え得る、繰り返される、常同的な不随意の筋肉の引きつりまたは単収縮のエピソードを意味する。
【0093】
「天然の」または「天然に存在する」とは、天然に見出されることを意味する。
【0094】
「非二環式修飾糖」または「非二環式修飾糖部分」とは、糖の2つの原子間に第2の環を形成するような架橋を形成しない修飾、例えば置換基を含む修飾糖部分を意味する。
【0095】
「核酸」とは、モノマーヌクレオチドから構成される分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、及び二本鎖核酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0096】
「核酸塩基」とは、別の核酸の塩基と対合することができる複素環部分を意味する。本明細書で使用する場合、「天然に存在する核酸塩基」とは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)、及びグアニン(G)である。「修飾核酸塩基」とは、化学的に修飾された天然に存在する核酸塩基である。「ユニバーサル塩基」または「ユニバーサル核酸塩基」とは、天然に存在する核酸塩基及び修飾核酸塩基以外の核酸塩基であり、任意の核酸塩基と対合することができる。
【0097】
「核酸塩基配列」とは、いかなる糖またはヌクレオシド間結合からも独立した、核酸またはオリゴヌクレオチドにおける連続する核酸塩基の順序を意味する。
【0098】
「ヌクレオシド」とは、核酸塩基及び糖部分を含有する化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分は各々独立に、修飾されていないか、または修飾されている。「修飾ヌクレオシド」とは、修飾核酸塩基及び/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。修飾ヌクレオシドには、核酸塩基を欠く、脱塩基ヌクレオシドが含まれる。
【0099】
「オリゴマー化合物」とは、単一のオリゴヌクレオチド、及び任意選択により1つまたは複数の追加の特徴物、例えばコンジュゲート基または末端基を含む化合物を意味する。
【0100】
「オリゴヌクレオチド」とは、結合したヌクレオシドのポリマーであって、そのヌクレオシドの各々が互いに独立に、修飾されていても修飾されていなくてもよいものを意味する。特に示さない限り、オリゴヌクレオチドは、8~80の結合したヌクレオシドからなる。「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つの糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間結合が修飾されている、オリゴヌクレオチドを意味する。「非修飾オリゴヌクレオチド」は、いずれの糖、核酸塩基、またはヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0101】
「親オリゴヌクレオチド」とは、類似の配列であるが、長さ、モチーフ、及び/または化学が異なる、より多くのオリゴヌクレオチドの設計の基礎として、その配列が使用されるオリゴヌクレオチドを意味する。新しく設計されたオリゴヌクレオチドは、親オリゴヌクレオチドと同じまたは重複する配列を有し得る。
【0102】
「非経口投与」とは、注射または注入による投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与、例えば、髄腔内もしくは脳室内投与が含まれる。
【0103】
「医薬として許容される担体または希釈剤」とは、対象(例えば、ヒト)への投与に使用するのに適した任意の物質を意味する。例えば、医薬として許容される担体は、滅菌水溶液、例えば、PBSまたは注射用水であり得る。
【0104】
「医薬として許容される塩」とは、オリゴマー化合物またはオリゴヌクレオチドなどの化合物の生理学的に及び医薬として許容される塩、すなわち、親化合物の所望される生物活性を保持し、かつそれに所望されない毒物学的影響を付与しない塩を意味する。
【0105】
「医薬品」とは、対象に投与されたときに治療的利益をもたらす化合物を意味する。
【0106】
「医薬組成物」とは、対象への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、1つもしくは複数の化合物またはその塩と滅菌水溶液とを含んでもよい。
【0107】
「ホスホロチオエート結合」とは、非架橋酸素原子の1つが硫黄原子と置きかえられた修飾ホスフェート結合を意味する。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。
【0108】
「リン部分」とは、リン原子を含む原子団を意味する。特定の実施形態において、リン部分には、モノ-、ジ-、もしくはトリ-ホスフェート、またはホスホロチオエートが含まれる。
【0109】
「部分(portion)」とは、核酸の所定の数の連続する(すなわち、結合した)核酸塩基を意味する。特定の実施形態において、一部分は、標的核酸の所定の数の連続する核酸塩基である。特定の実施形態において、一部分は、オリゴマー化合物の所定の数の連続する核酸塩基である。
【0110】
「予防する」とは、数分から無期限の期間、疾患、障害、もしくは状態の発症、発病、もしくは進行を遅延させるか、または未然に防ぐことを指す。
【0111】
「プロドラッグ」とは、対象に投与されると、体内またはその細胞内で別の形態に代謝される、体外の形態の化合物を意味する。特定の実施形態において、代謝された形態は、化合物(例えば、薬物)の活性な形態、またはより活性な形態である。典型的には、体内でのプロドラッグの変換は、細胞もしくは組織に存在する酵素(複数可)(例えば、内因性またはウイルス性酵素)または化学物質(複数可)の作用によって、及び/または生理学的条件によって促進される。
【0112】
「低減させる」とは、程度、サイズ、量、または数を小さくすることを意味する。
【0113】
「RefSeq番号」は、配列に割り当てられた文字と数字の一意の組み合わせであり、その配列が特定の標的転写物(例えば、標的遺伝子)のためのものであることを示す。標的遺伝子に関するそのような配列及び情報(総称して、遺伝子記録)は、遺伝子配列データベースに見出すことができる。遺伝子配列データベースには、NCBI Reference Sequenceデータベース、GenBank、European Nucleotide Archive、及び日本DNAデータバンク(後者の3つはInternational Nucleotide Sequence Database Collaboration(INSDC)を形成する)が含まれる。
【0114】
「領域」とは、少なくとも1つの特定可能な構造、機能、または特性を有する標的核酸の一部分と定義される。
【0115】
「RNAi化合物」とは、少なくとも部分的に、RISCまたはAgo2を介して作用するが、リボヌクレアーゼHを介さずに作用して、標的核酸及び/または標的核酸によってコードされるタンパク質を調節するアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物として、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、及びマイクロRNA模倣物を含めたマイクロRNAが挙げられるが、これらに限定されない。
【0116】
「セグメント」とは、核酸内の領域のさらに小さな部分または下位部分と定義される。
【0117】
「発作」とは、脳に影響を与えるおそれのある多くの色々な障害及び状態の症状である。「発作」は、典型的には、脳の損傷または疾患または障害に起因する、脳内のニューロン間の電気通信の乱れによって引き起こされる。発作は色々な形態を取り、色々な様式で色々な人々に影響を与え得る。発作中に発生する可能性のある一般的な身体的変化は、発話困難、嚥下不能、よだれ、繰り返されるまばたき、凝視、筋緊張の動きの欠如、振戦の悪化、単収縮、またはけい動、硬直または緊張した筋肉、自動症と呼ばれる、顔、腕、または脚を含む繰り返される意図のない動き、けいれん、尿または便の制御の喪失、発汗、皮膚色の変化(蒼白または紅潮)、瞳孔の散大、咬舌、呼吸困難、心臓の動悸である。幾つかの実施形態において、発作は軽度である。他の実施形態において、発作は、完全な不能状態であるか、または死に至るおそれがある。異常な脳活動は、脳波(EEG)の異常な所見によって記録されることがよくある。
【0118】
「副作用」とは、治療に起因する、所望される作用以外の生理的病害及び/または状態を意味する。特定の実施形態において、副作用として、注射部位反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝臓毒性、腎臓毒性、中枢神経系異常、ミオパシー、及び倦怠感が挙げられる。例えば、血清中のアミノトランスフェラーゼレベルの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を示し得る。例えば、ビリルビンの増加は、肝臓毒性または肝機能異常を示し得る。
【0119】
化合物に関する「一本鎖」とは、その化合物がただ1つのオリゴヌクレオチドを有することを意味する。「自己相補的な」とは、それ自体に少なくとも部分的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。1つのオリゴヌクレオチドからなる化合物であって、その化合物のオリゴヌクレオチドが自己相補的である化合物は、一本鎖化合物である。一本鎖化合物は、相補的化合物に結合して二本鎖を形成することができることもある。
【0120】
「部位」とは、標的核酸内の固有の核酸塩基位置として定義される。
【0121】
「特異的にハイブリダイズ可能」とは、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間に十分な程度の相補性を有して所望される効果を誘発する一方で、非標的核酸に対して最小限の効果を示すか、または効果を示さないオリゴヌクレオチドを指す。特定の実施形態において、特異的なハイブリダイゼーションは、生理学的条件下で起こる。
【0122】
標的核酸を「特異的に阻害する」とは、標的核酸の発現を低減または阻止する一方で、非標的核酸の減少に対してより少ないか、最小限の効果を示すか、または全く効果を示さないことを意味し、必ずしも標的核酸の発現の完全な排除を示すわけではない
【0123】
「標準細胞アッセイ」とは、実施例に記載するアッセイ(複数可)及びその合理的な変形を意味する。
【0124】
「標準的なin vivo実験」とは、実施例(複数可)に記載する手順(複数可)及びその合理的な変形を意味する。
【0125】
「対象」とは、ヒト、または非ヒト動物、例えば、限定するものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ならびに非ヒト霊長類、例えば、限定するものではないが、サル及びチンパンジーを指す。
【0126】
「糖部分」とは、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。「非修飾糖部分」または「非修飾糖」とは、RNAに見出されるような2’-OH(H)フラノシル部分(「非修飾RNA糖部分」)、またはDNAに見出されるような2’-H(H)部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。非修飾糖部分は、1’、3’、及び4’位の各々に1つの水素、3’位に1つの酸素、5’位に2つの水素を有する。「修飾糖部分」または「修飾糖」とは、修飾フラノシル糖部分または糖代用物を意味する。「修飾フラノシル糖部分」とは、非修飾糖部分の少なくとも1つの水素の代わりに非水素置換基を含むフラノシル糖を意味する。特定の実施形態において、修飾フラノシル糖部分は2’-置換糖部分である。そのような修飾フラノシル糖部分には、二環式糖及び非二環式糖が含まれる。
【0127】
「糖代用物」とは、オリゴヌクレオチドにおいて別の基(例えばヌクレオシド間結合、コンジュゲート基、または末端基)に核酸塩基を結合することができる、フラノシル糖部分以外を有する修飾糖部分を意味する。糖代用物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つまたは複数の位置に組み込むことができ、そのようなオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴマー化合物または核酸にハイブリダイズすることができる。
【0128】
「皮下投与」とは、皮膚の直下への投与を意味する。
【0129】
「標的遺伝子」とは、標的をコードする遺伝子を指す。
【0130】
「標的とする」とは、所望される効果を誘発するための、化合物の標的核酸への特異的ハイブリダイゼーションを意味する。
【0131】
「標的核酸」、「標的RNA」、「標的RNA転写物」、及び「核酸標的」はすべて、本明細書に記載する化合物によって標的とすることができる核酸を意味する。
【0132】
「標的領域」とは、1つまたは複数の化合物に標的化される標的核酸の一部分を意味する。
【0133】
「標的セグメント」とは、本明細書に記載する化合物に標的化される標的核酸のヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」とは、標的セグメントの最も5’側のヌクレオチドを指す。「3’標的部位」とは、標的セグメントの最も3’側のヌクレオチドを指す。
【0134】
「末端基」とは、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合した化学基または原子団を意味する。
【0135】
「治療的有効量」とは、対象に治療的利益をもたらす化合物、医薬品、または組成物の量を意味する。
【0136】
「治療する」とは、対象における疾患、障害、または状態の改変または好転をもたらすために、化合物または医薬組成物を対象に投与することを指す。
【図面の簡単な説明】
【0137】
図1】1A~1Bは、SCN2A R1882Q変異についてヘテロ接合性であるマウスにおける、P15(すべての処置群でn=3)(図1A)及びP35(ASO 1 n=4、ASO 2 n=4、ASO 3 n=1、非処置 n=3)(図1B)でのSCN2A mRNAレベルの変化を示すグラフである。倍率変化は、年齢が一致する非処置の野生型に対して正規化した。すべてのマウスはP1~P2で注射した。
図2】年齢が一致する非処置のScn1a RXヘテロ接合性マウスに対して正規化したScn2a mRNAの低減率(パーセンテージ)を示すグラフである。mRNAは、P15で測定した。N=処置群当たり3つの脳試料。
図3】Scn1aについてヘテロ接合性であるマウスにおける、Scn2aダウンレギュレート性ASO(5μg)またはスクランブルASO(50μg)での注射後の生存率(%)を示すグラフである。すべてのマウスはP1で注射し、45日間追跡した。
図4-1】スクランブルASOまたはmScn2a ASOで処置されたScn1a RXマウスのP21での体重を示すグラフである。スクランブルについてはN=15、ASOについてはN=18。
図4-2】スクランブルASOまたはmScn2a ASOで処置されたScn1a RXマウスのP45での体重を示すグラフである。スクランブルについてはN=15、ASOについてはN=18。
図5】Scn1aについてヘテロ接合性であるマウスにおける、Scn2aダウンレギュレート性ASO(5μg;n=9)またはスクランブルASO(50μg;n=17)での注射後の発作の数を示すグラフである。すべてのマウスはP1で注射した。
【発明を実施するための形態】
【0138】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明はいずれも例示及び説明に過ぎず、特許請求の範囲のように実施形態を制限するものではないことが理解されるべきである。本明細書において、単数形の使用は、特に明記しない限り複数形を含む。本明細書で使用する場合、「または」の使用は、特に記載しない限り「及び/または」を意味する。さらに、「含むこと(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
【0139】
本明細書で使用する節の見出しは、単に構成目的のものであり、記載する主題を限定するものと解釈されるべきではない。限定するものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、ならびにGenBank及びNCBI参照配列記録を含めた、本出願に引用されるすべての文書、または文書の一部分は、参照により、本明細書で考察する文書の一部分だけでなくその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0140】
本明細書に含有される実施例の各配列番号に記載される配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対するいかなる修飾とも無関係であることが理解される。したがって、配列番号によって定義された化合物は、独立に、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に対する1つ以上の修飾を含んでもよい。ISIS番号(ISIS#)によって記載される化合物は、核酸塩基配列、化学修飾、及びモチーフの組み合わせを示す。
【0141】
本発明は、SCN2A遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドがSCN1A脳症を有する対象を治療するのに有用であるという発見に部分的に基づいている。したがって、本発明は、SCN2A遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドを投与することによって、対象におけるSCN1A脳症を予防及び治療するための方法を特徴とする。
【0142】
特定の実施形態
特定の実施形態は、化合物または組成物を対象に投与することによる、対象におけるSCN1A脳症(例えば、ドラベ症候群)またはその症状を調節するための方法、化合物、及び組成物であって、該化合物または組成物がSCN2Aモジュレーターを含む方法を提供する。SCN2Aを調節すると、SCN1A脳症またはその症状を治療する、予防する、改善する、または遅延させるためにSCN2Aの発現が低減するように、SCN2Aのレベルまたは発現を減少させることができる。特定の実施形態において、SCN2Aモジュレーターは、SCN2A特異的阻害剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、核酸(アンチセンス化合物が含まれる)、ペプチド、抗体、小分子、及びSCN2Aの発現または活性を阻害することができる他の作用剤である。特定の実施形態において、対象はヒトである。
【0143】
幾つかの特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、SCN1AプレmRNAまたはmRNAよりもSCN2AプレmRNAまたはmRNAに対して選択的である。特定の実施形態において、該方法は、SCN1Aの発現を実質的に低減させない。特定の実施形態において、対象は、SCN1Aに機能獲得型変異を有する。特定の実施形態において、対象は、SCN1Aに機能喪失型変異を有する。
【0144】
本明細書に開示する特定の実施形態は、SCN2Aモジュレーターを含む化合物または組成物を提供する。そのような化合物または組成物は、SCN1A脳症(例えば、ドラベ症候群)またはその症状を治療する、予防する、改善する、またはその発症遅延させるのに有用である。特定の実施形態において、化合物は、SCN2A特異的阻害剤を含む。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ポリペプチド、抗体、小分子または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aを標的とする核酸である。特定の実施形態において、核酸は一本鎖である。特定の実施形態において、核酸は二本鎖である。特定の実施形態において、化合物または組成物は、アンチセンス化合物を含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物または組成物は、オリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aを標的とするオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は、デオキシリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、リボヌクレオチドを含み、二本鎖である。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、修飾オリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、一本鎖である。
【0145】
前述の実施形態のいずれかにおいて、化合物は、8~80、10~30、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、または20~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含むことができる。
特定の実施形態において、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。特定の実施形態において、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。特定の実施形態において、ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合及びリン酸エステル結合である。
【0146】
特定の実施形態において、前述のオリゴヌクレオチドのいずれかは、少なくとも1つの修飾糖を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、2’-O-メトキシエチル基を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの修飾糖は、4’-CH(CH)-O-2’基、4’-CH-O-2’基、または4’-(CH-O-2’基などの二環式糖である。
【0147】
特定の実施形態において、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。
【0148】
特定の実施形態において、化合物または組成物は、a)結合したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;b)結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及びc)結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含む修飾オリゴヌクレオチドを含む。ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態において、少なくとも1つのシトシンは、5-メチルシトシンである。
【0149】
特定の実施形態において、化合物は、12~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30の結合ヌクレオシド長である。
【0150】
特定の実施形態において、本明細書に開示する化合物または組成物は、医薬として許容される担体または希釈剤をさらに含む。
【0151】
特定の実施形態において、化合物または組成物は、第2の作用剤と共投与される。特定の実施形態において、化合物及び第2の作用剤は同時に投与される。
【0152】
特定の実施形態において、SCN2Aを標的とする本明細書に記載する化合物及び組成物は、細胞におけるSCN2Aの発現を阻害する方法に使用することができる。特定の実施形態において、SCN2Aを標的とする本明細書に記載する化合物及び組成物は、SCN1A関連疾患または障害(例えば、限定するものではないが、ドラベ症候群)を治療する、予防する、遅延させる、または改善する方法に使用することができる。
【0153】
特定の適応症
本明細書で提供する特定の実施形態は、対象におけるSCN1Aに関連する疾患を治療する、予防する、または改善するのに有用であり得る、SCN2Aを標的とする化合物または組成物を投与することによる、SCN2Aの発現または活性を阻害する方法に関する。特定の実施形態において、そのような化合物または組成物は、SCN2A特異的阻害剤を含む。特定の実施形態において、化合物は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、化合物は、SCN2Aに標的化された修飾オリゴヌクレオチドを含む。
【0154】
特定の実施形態において、細胞におけるSCN2Aの発現または活性を阻害する方法は、SCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物に該細胞を接触させ、それによって該細胞におけるSCN2Aの発現または活性を阻害することを含む。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。特定の実施形態において、細胞は脳組織内にある。特定の実施形態において、細胞は、SCN1A障害に関連する疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを有するか、またはそれらを有するリスクがある対象の脳組織内にある。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、早期乳児てんかん性脳症6である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子、または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、二本鎖であり得る。
【0155】
特定の実施形態において、SCN1Aに関連する1つまたは複数の疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを治療する、予防する、それらの発症を遅延させる、それらの進行を緩徐化する、または改善する方法は、SCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物を対象に投与することを含む。特定の実施形態において、対象におけるSCN1A関連疾患または障害に関連する疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを治療する、予防する、それらの発症を遅延させる、それらの進行を緩徐化する、または改善する方法は、SCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物を対象に投与して、それによって該疾患を治療する、予防する、それらの発症を遅延させる、それらの進行を緩徐化する、または改善することを含む。特定の実施形態において、対象は、疾患、障害、状態、症状、もしくは生理学的マーカーを有する、または有するリスクがあると特定される。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、早期乳児てんかん性脳症6である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、対象に非経口的に投与される。特定の実施形態において、非経口投与は、脳室内投与である。特定の実施形態において、非経口投与は、髄腔内投与である。特定の実施形態において、非経口投与は、皮下投与である。特定の実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、二本鎖であり得る。
【0156】
特定の実施形態において、対象において発作の低減、ミオクローヌスもしくは筋けいれんの減少、歩行困難(末梢神経障害)、けい縮の緩和、認知症の低減、その発症の予防、もしくはその治療、言語障害の緩和、幻視の低減、もしくはその発症の予防、進行性神経変性の治療、低減、もしくはその発症の予防、膀胱の機能を制御する神経への損傷の治療、低減、その発症の予防、筋緊張低下の軽減、筋緊張の好転、肝腫大の低減、もしくはその発症の予防、心臓欠陥の低減、もしくはその発症の予防、細胞内のポリグルコサン小体の蓄積の低減もしくは予防、認知衰退の好転もしくは予防、及び運動失調の低減、またはそれらの組み合わせの方法は、該対象にSCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物を投与することを含む。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における発作が低減する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象におけるミオクローヌスまたは筋けいれんが減少する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における歩行困難が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における末梢神経障害が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象におけるけい縮が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における認知症が低減する、その発症が予防される、または治療される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における言語障害が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における幻視が低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における進行性神経変性が治療される、低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における膀胱の機能を制御する神経への損傷が治療される、低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における筋緊張低下が治療される、低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における筋緊張が好転する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、認知衰退が好転する、または予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における運動失調が治療される、または低減する。特定の実施形態において、該化合物または組成物を投与すると、長期の発作、頻繁な発作、行動及び発達の遅延、運動及びバランスの問題、整形外科的状態、言語遅延及び発声の問題、成長及び栄養の問題、睡眠困難、慢性感染症、感覚統合障害、自律神経系の乱れ、ならびに発汗の1つまたは複数が治療される、低減する、または予防される。特定の実施形態において、対象は、SCN1Aに関連する疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを有する、または有するリスクがあると特定される。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は早期乳児てんかん性脳症6である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、対象に非経口的に投与される。特定の実施形態において、非経口投与は、脳室内投与である。特定の実施形態において、非経口投与は、髄腔内投与である。特定の実施形態において、投与は、髄内投与である。特定の実施形態において、非経口投与は、皮下投与である。特定の実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、二本鎖であり得る。
【0157】
特定の実施形態において、本明細書に開示する化合物または組成物を投与すると、発作が減少する;ミオクローヌスもしくは筋けいれんが減少する;歩行困難が緩和される;けい縮が緩和される;認知症が低減する、その発症が予防される、もしくは治療される;言語障害が緩和される;幻視が低減する、もしくはその発症が予防される;進行性神経変性が治療される、低減する、もしくはその発症が予防される;膀胱機能を制御する神経への損傷が治療される、低減する、もしくはその発症が予防される;筋緊張低下が軽減する、筋緊張が好転する、認知衰退が好転する;及び運動失調が低減する;またはそれらが組み合わされる。特定の実施形態において、発作は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、ミオクローヌスまたは筋けいれんは独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、歩行困難は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%緩和された。特定の実施形態において、けい縮は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、言語障害は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%緩和された。特定の実施形態において、幻視は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、進行性神経変性は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、認知症の進行は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、膀胱機能の神経損傷は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、筋緊張低下は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、認知衰退は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、運動失調は独立に、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%低減した。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。
【0158】
特定の実施形態は、療法に使用するための本明細書に記載する化合物及び組成物を提供する。特定の実施形態は、SCN1Aに関連する1つまたは複数の疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーの治療、予防、それらの発症の遅延、それらの進行の緩徐化、または改善に使用するための、SCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物に関する。特定の実施形態は、SCN1A疾患もしくは障害、またはその症状もしくは生理学的マーカーの治療、予防、それらの発症の遅延、それらの進行の緩徐化、または改善に使用するための化合物または組成物に関する。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、早期乳児てんかん性脳症6である。
【0159】
特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子、または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、二本鎖であり得る。
【0160】
特定の実施形態は、対象における発作の低減、ミオクローヌスもしくは筋けいれんの減少、歩行困難の緩和、認知症の低減、その発症の予防、もしくは治療、言語障害の緩和、幻視の低減、もしくはその発症の予防、進行性神経変性の治療、低減、もしくはその発症の予防、膀胱機能を制御する神経への損傷の治療、低減、もしくはその発症の予防、筋緊張低下の軽減、筋緊張の好転、認知衰退の好転もしくは予防、及び運動失調の低減、またはそれらの組み合わせに使用するための、SCN2A特異的阻害剤を含む化合物または組成物に関する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における発作が低減する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象におけるミオクローヌスまたは筋けいれんが減少する。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における歩行困難が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における認知症が低減する、その発症が予防される、または治療される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における言語障害が緩和される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における幻視が低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における進行性神経変性が治療される、低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における膀胱の機能を制御する神経への損傷が治療される、低減する、またはその発症が予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における筋緊張低下が治療される、低減する、または予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における筋緊張が好転する。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、認知衰退が好転する、または予防される。特定の実施形態において、化合物または組成物を投与すると、対象における運動失調が治療され、低減する。特定の実施形態において、該対象は、SCN1Aに関連する疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを有する、または有するリスクがあると特定される。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は早期乳児てんかん性脳症6である。特定の実施形態において、対象はヒトである。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子、または他の作用剤である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、SCN2A特異的阻害剤は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物は、二本鎖であり得る。
【0161】
特定の実施形態は、療法用の医薬の製造または調製のための、本明細書に記載する化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、SCN1Aに関連する1つまたは複数の疾患、障害、状態、症状、または生理学的マーカーを治療する、予防する、発症を遅延する、進行を緩徐化する、または改善するための医薬の製造または調製における、本明細書に記載する化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態において、本明細書に記載する通りの化合物または組成物は、SCN1A疾患または障害を治療する、改善する、遅延させる、または予防するための医薬の製造または調製に使用される。特定の実施形態において、SCN1A疾患または障害は、ドラベ症候群である。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、熱性けいれんを有する全般てんかんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、家族性熱性けいれんである。特定の実施形態において、SCN1A疾患は、早期乳児てんかん性脳症6である。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子、または他の作用剤を含む。特定の実施形態において、化合物は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物または組成物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物または組成物は、二本鎖であり得る。
【0162】
特定の実施形態は、SCN1Aの疾患または障害を有する、または有するリスクのある対象における、発作の低減、ミオクローヌスもしくは筋けいれんの減少、歩行困難の緩和、認知症の低減、その発症の予防、もしくは治療、言語障害の緩和、幻視の低減、もしくはその発症の予防、進行性神経変性の治療、低減、もしくはその発症の予防、膀胱機能を制御する神経への損傷の治療、低減、もしくはその発症の予防、筋緊張低下の軽減、筋緊張の好転、認知衰退の好転もしくは予防、及び運動失調の低減、またはそれらの組み合わせのための医薬の製造または調製のための、化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。特定の実施形態は、対象における発作の低減のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象におけるミオクローヌスもしくは筋けいれんの減少のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における歩行困難の緩和のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における認知症の低減、その発症の予防、または治療のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における言語障害の緩和のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における幻視の低減、またはその発症の予防のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における進行性神経変性の治療、低減、またはその発症の予防のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における膀胱機能を制御する神経への損傷の治療、低減、またはその発症の予防のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における筋緊張低下の治療、低減、または予防のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における筋緊張の好転のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態は、対象における運動失調の低減のための医薬の製造または調製における化合物または組成物の使用に関する。特定の実施形態において、細胞はニューロンである。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aの発現または活性を阻害することができる核酸、ペプチド、抗体、小分子、または他の作用剤を含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、SCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、8~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、化合物または組成物は、10~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物または組成物は、一本鎖であり得る。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物または組成物は、二本鎖であり得る。
【0163】
前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、SCN2Aに標的化されたアンチセンス化合物を含むことができる。特定の実施形態において、化合物は、オリゴヌクレオチド、例えば、8~80の結合したヌクレオシド、10~30の結合したヌクレオシド、12~30の結合したヌクレオシド、または20の結合したヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、少なくとも1つの修飾糖、及び/または少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり、修飾糖は二環式糖または2’-O-メトキシエチルであり、修飾核酸塩基は5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、結合したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメントを含み、該ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に直接隣接して位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。特定の実施形態において、化合物は、12~80の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含むことができる。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は一本鎖である。特定の実施形態において、化合物は二本鎖である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、12~30の結合ヌクレオシド長である。特定の実施形態において、本明細書に開示する化合物または組成物は、医薬として許容される担体または希釈剤をさらに含む。
【0164】
前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、12~30の結合ヌクレオシド長の修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなり、該修飾オリゴヌクレオチドは、
結合した2’-デオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント;
を含み、該ギャップセグメントは、5’ウィングセグメントと3’ウィングセグメントの間に位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドは、修飾糖を含む。
【0165】
前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、非経口的に投与することができる。例えば、特定の実施形態において、化合物または組成物は、注射または注入によって投与することができる。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与が含まれる。特定の実施形態において、化合物または組成物は、第2の作用剤と共投与される。特定の実施形態において、化合物及び第2の作用剤は同時に投与される。前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、髄腔内に投与することができる。前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、髄内に投与することができる。前述の方法または使用のいずれかにおいて、化合物または組成物は、脳室内に投与することができる。
【0166】
特定の化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸のものと相補的な核酸塩基配列を有する。
【0167】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、標的核酸のものと相補的な核酸塩基配列を有する。
【0168】
特定の実施形態において、化合物またはアンチセンス化合物は一本鎖である。そのような一本鎖化合物またはアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、そのようなオリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは修飾されている。特定の実施形態において、一本鎖アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、自己相補的な核酸塩基配列を含む。
【0169】
特定の実施形態において、化合物は二本鎖である。そのような二本鎖化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1の修飾オリゴヌクレオチドと、第1の修飾オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有する第2の修飾オリゴヌクレオチドとを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、RNAオリゴヌクレオチドである。そのような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド内のチミン核酸塩基は、ウラシル核酸塩基によって置きかえられている。特定の実施形態において、化合物は、コンジュゲート基を含む。特定の実施形態において、各修飾オリゴヌクレオチドは、12~30の結合ヌクレオシド長である。
【0170】
特定の実施形態において、化合物は二本鎖である。そのような二本鎖化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴマー化合物に相補的な領域を有する第2のオリゴマー化合物とを含む。そのような二本鎖化合物の第1のオリゴマー化合物は、典型的には、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。そのような二本鎖化合物の第2のオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、修飾されていても、修飾されていなくてもよい。二本鎖化合物のオリゴマー化合物は、非相補的なオーバーハングヌクレオシドを含んでもよい。
【0171】
一本鎖及び二本鎖化合物の例として、オリゴヌクレオチド、siRNA、オリゴヌクレオチドを標的とするマイクロRNA、及び一本鎖RNAi化合物、例えば、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、一本鎖siRNA(ssRNA)、及びマイクロRNA模倣物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、5’から3’方向に書かれた場合に標的化される標的核酸の標的セグメントの逆相補体を含む核酸塩基配列を有する。
【0173】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、10~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、12~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、12~22の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、14~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、14~20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、15~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、15~20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、16~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、16~20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、17~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、17~20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、18~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、18~21の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、18~20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、20~30の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。言い換えれば、そのようなオリゴヌクレオチドはそれぞれ、12~30の結合したサブユニット、14~30の結合したサブユニット、14~20のサブユニット、15~30のサブユニット、15~20のサブユニット、16~30のサブユニット、16~20のサブユニット、17~30のサブユニット、17~20のサブユニット、18~30のサブユニット、18~20のサブユニット、18~21のサブユニット、20~30のサブユニット、または12~22の結合したサブユニットである。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、14の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、16の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、17の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、18の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、19の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、20の結合サブユニット長のオリゴヌクレオチドを含む。他の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、8~80、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~22、18~24、18~30、18~50、19~22、19~30、19~50、または20~30の結合したサブユニットのオリゴヌクレオチドを含む。そのような特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、もしくは80の結合サブユニット長、または上の値の任意の2つによって規定される範囲のオリゴヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態において、結合したサブユニットは、ヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基である。
【0174】
特定の実施形態において、化合物は、短縮または切断されてもよい。例えば、単一のサブユニットは、5’末端から欠失されても(5’トランケーション)、あるいは3’末端から欠失されてもよい(3’トランケーション)。SCN2A核酸に標的化された短縮またはトランケートされた化合物は、該化合物の5’末端から欠失した2つのサブユニットを有しても、あるいは3’末端から欠失した2つのサブユニットを有してもよい。あるいは、欠失したヌクレオシドが、化合物全体に分散してもよい。
【0175】
単一の追加サブユニットが延長された化合物に存在するとき、追加サブユニットは、該化合物の5’末端に位置しても、3’末端に位置してもよい。2つ以上の追加サブユニットが存在するとき、例えば、2つのサブユニットが化合物の5’末端に付加された(5’付加)、あるいは3’末端に付加された(3’付加)化合物において、付加されたサブユニットは互いに隣接してもよい。あるいは、付加されたサブユニットは、化合物全体に分散してもよい。
【0176】
活性を排除することなくオリゴヌクレオチドなどの化合物の長さを増加もしくは減少したり、及び/またはミスマッチの塩基を導入することが可能である(Woolf et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305-7309,1992;Gautschi et al. J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001;Maher and Dolnick Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)。しかしながら、オリゴヌクレオチド配列、化学的性質、及びモチーフの小さな変化が、臨床開発に必要とされる多くの特性の1つまたは複数の大きな相違を生じることがあるように思われる(Seth et al.J.Med.Chem.,52,10,2009;Egli et al.J.Am.Chem.Soc.,133,16642,2011)。
【0177】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は干渉RNA化合物(RNAi)であり、これは二本鎖RNA化合物(低分子干渉RNAまたはsiRNAとも呼ばれる)及び一本鎖RNAi化合物(またはssRNA)を含む。そのような化合物は、標的核酸を分解及び/または隔離するために、RISC経路を少なくとも部分的に介して働く(よって、マイクロRNA/マイクロRNA模倣化合物を含む)。本明細書で使用する場合、siRNAという用語は、配列特異的RNAi、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、低分子干渉オリゴヌクレオチド、低分子干渉核酸、低分子干渉修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)、及びその他を媒介することができる核酸分子を説明するために使用される他の用語と同等であることを意味する。加えて、本明細書で使用する場合、RNAiという用語は、転写後遺伝子サイレンシング、翻訳阻害、またはエピジェネティクスなどの配列特異的RNA干渉を説明するために使用される他の用語と同等であることを意味する。
【0178】
特定の実施形態において、二本鎖化合物は、SCN2A核酸の標的領域に相補的な核酸塩基配列を含む第1の鎖と、第2の鎖とを含む。特定の実施形態において、二本鎖化合物は、リボヌクレオチドを含み、該リボヌクレオチドにおいて、第1の鎖がチミン(T)の代わりにウラシル(U)を有し、標的領域に相補的である。特定の実施形態において、二本鎖化合物は、(i)SCN2A核酸の標的領域に相補的な核酸塩基配列を含む第1の鎖と、(ii)第2の鎖とを含む。特定の実施形態において、二本鎖化合物は、糖における2’位がハロゲン(フッ素基など;2’-F)を含有するか、またはアルコキシ基(メトキシ基など;2’-OMe)を含有する、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、二本鎖化合物は、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾は、dsRNA化合物の鎖に沿った少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する核酸塩基に対して交互するパターンで配置される。特定の実施形態において、二本鎖化合物は、隣接するヌクレオチド間に、天然に存在するホスホジエステル結合以外の1つ以上の結合を含む。そのような結合の例として、ホスホラミド、ホスホロチオエート、及びホスホロジチオエート結合が挙げられる。二本鎖化合物はまた、米国特許第6,673,661号に教示されているような化学的に修飾された核酸分子であってもよい。他の実施形態において、dsRNAは、例えば2000年4月19日に出願されたWO00/63364に開示されるような、1つまたは2つのキャップ鎖を含有する。特定の実施形態において、二本鎖化合物の第1の鎖はsiRNAガイド鎖であり、二本鎖化合物の第2の鎖はsiRNAパッセンジャー鎖である。特定の実施形態において、二本鎖化合物の第2の鎖は、第1の鎖に相補的である。特定の実施形態において、二本鎖化合物の各鎖は、16、17、18、19、20、21、22、または23の結合したヌクレオシドからなる。
【0179】
特定の実施形態において、本明細書に記載する一本鎖化合物は、本明細書に記載するSCN2Aに標的化されたオリゴヌクレオチド配列のいずれかを含むことができる。特定の実施形態において、そのような一本鎖化合物は、一本鎖RNAi(ssRNAi)化合物である。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、SCN2A核酸の標的領域に相補的な核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、チミン(T)の代わりにウラシル(U)が存在するリボヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、SCN2A核酸の標的領域に相補的な核酸塩基配列を含む。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、糖における2’位がハロゲン(フッ素基など;2’-F)を含有するか、またはアルコキシ基(メトキシ基など;2’-OMe)を含有する、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾を含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの2’-F糖修飾及び少なくとも1つの2’-OMe糖修飾は、ssRNAi化合物の鎖に沿った少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20の連続する核酸塩基に対して交互するパターンで配置される。さらに他の実施形態において、ssRNAi化合物は、隣接するヌクレオチド間に、天然に存在するホスホジエステル結合以外の1つ以上の結合を含む。そのような結合の例として、ホスホラミド、ホスホロチオエート、及びホスホロジチオエート結合が挙げられる。ssRNAi化合物はまた、米国特許第6,673,661号に教示されているような化学的に修飾された核酸分子であってもよい。他の実施形態において、ssRNAiは、例えば2000年4月19日に出願されたWO00/63364に開示されるようなキャップ鎖を含有する。特定の実施形態において、ssRNAi化合物は、16、17、18、19、20、21、22、または23の結合したヌクレオシドからなる。
【0180】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の不斉中心を有しており、よって、(R)もしくは(S)、糖のアノマーなどのαもしくはβ、またはアミノ酸などの(D)もしくは(L)のように、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、及び絶対立体化学の観点から定義することができる他の立体異性体配置が生じる。本明細書で提供する修飾オリゴヌクレオチドには、特に指定のない限り、それらのラセミ体、及び光学的に純粋な形態を含めた、すべてのそのような考えられる異性体が含まれる。同様に、全てのシス異性体及びトランス異性体ならびに互変異性型も含まれる。
【0181】
特定のメカニズム
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、そのようなアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、標的核酸にハイブリダイズして、少なくとも1つのアンチセンス活性をもたらすことができる。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、1つまたは複数の標的核酸に選択的に影響を与える。そのような選択的化合物は、1つまたは複数の標的核酸にハイブリダイズして1つまたは複数の所望されるアンチセンス活性をもたらし、かつ1つまたは複数の非標的核酸にハイブリダイズしないかまたは所望されない相当なアンチセンス活性をもたらすように1つまたは複数の非標的核酸にハイブリダイズしない、核酸塩基配列を含む。
【0182】
特定のアンチセンス活性において、本明細書に記載する化合物が標的核酸にハイブリダイズすると、標的核酸を切断するタンパク質が動員される。例えば、本明細書に記載する特定の化合物は、標的核酸のリボヌクレアーゼH媒介性切断をもたらす。リボヌクレアーゼHは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼである。そのようなRNA:DNA二本鎖におけるDNAは、非修飾DNAである必要はない。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、リボヌクレアーゼH活性を誘発するのに十分に「DNA様」である。さらに、特定の実施形態において、ギャップマーのギャップ内に1つまたは複数の非DNA様ヌクレオシドが容認される。
【0183】
特定のアンチセンス活性において、本明細書に記載する化合物または該化合物の一部分は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ、最終的に標的核酸の切断がもたらされる。例えば、本明細書に記載する特定の化合物は、アルゴノートによる標的核酸の切断をもたらす。RISCに取り込まれる化合物は、RNAi化合物である。RNAi化合物は、二本鎖(siRNA)であっても、一本鎖(ssRNA)であってもよい。
【0184】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物が標的核酸にハイブリダイズしても、標的核酸を切断するタンパク質が動員されない。そのような特定の実施形態において、化合物が標的核酸にハイブリダイズすると、標的核酸のスプライシングが改変される。特定の実施形態において、化合物が標的核酸にハイブリダイズすると、標的核酸とタンパク質または他の核酸の間の結合相互作用が阻害される。そのような特定の実施形態において、化合物が標的核酸にハイブリダイズすると、標的核酸の翻訳が改変される。
【0185】
アンチセンス活性は、直接的に観察されても、間接的に観察されてもよい。特定の実施形態において、アンチセンス活性の観察または検出は、そのような標的核酸によってコードされる標的核酸もしくはタンパク質の量の変化、核酸もしくはタンパク質のスプライスバリアントの比率の変化、及び/または細胞もしくは動物における表現型の変化の観察または検出を含む。
【0186】
標的核酸、標的領域、及びヌクレオチド配列
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、標的核酸は、内因性RNA分子である。そのような特定の実施形態において、標的核酸は、イントロン、エクソン、及び非翻訳領域を含めた、mRNA及びプレmRNAから選択される。特定の実施形態において、標的核酸は、プレmRNAである。そのような特定の実施形態において、標的領域は、全体がイントロン内にある。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン/エクソンジャンクションにまたがる。特定の実施形態において、標的領域は、少なくとも50%イントロン内にある。
【0187】
SCN2Aをコードするヒト遺伝子配列は、当技術分野で記載されている(HGNC:10588;Entrez Gene:6326;Ensembl:ENSG00000136531;OMIM:182390;UniProtKB:Q99250)。よって、SCN2AのmRNA転写物は、プレmRNAを含めて、SCN2A mRNAまたはNAV1.2 mRNAと呼ぶことができる。SCN2A mRNAには、例えば、GenBank NP_066287.2(例えば、GenBank NM_021007.2、GI:93141209)をコードする配列だけでなく、他のmRNAスプライス/転写物バリアント(例えば、GenBank受託番号:NM_001040143.1、GI:93141213;NM_001040142.1、GI:93141211;または他の既知のバリアント)が含まれる。よって、SCN2AのmRNA転写物は、プレmRNAを含めて、SCN2A mRNAまたはNAV2.1 mRNAと呼ぶことができる。
【0188】
SCN1Aをコードするヒト遺伝子配列は、当技術分野で記載されている(HGNC:10585;Entrez Gene 6323;Ensembl:ENSG00000144285;OMIM:182389;UniProtKB:P35498)。よって、SCN1AのmRNA転写物は、プレmRNAを含めて、SCN1A mRNAまたはNAV1.1 mRNAと呼ぶことができる。
【0189】
ハイブリダイゼーション
幾つかの実施形態において、本明細書に開示する化合物とSCN2A核酸の間でハイブリダイゼーションが起こる。最も一般的なハイブリダイゼーションのメカニズムは、核酸分子の相補的核酸塩基間での水素結合(例えばワトソン-クリック型、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型水素結合)を伴う。
【0190】
ハイブリダイゼーションは、様々な条件下で起こり得る。ハイブリダイゼーション条件は配列依存的であり、ハイブリダイズさせようとする核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0191】
配列が標的核酸に特異的にハイブリダイズ可能であるかどうかを決定する方法は、当技術分野で周知である。特定の実施形態において、本明細書で提供する化合物は、SCN2A核酸に特異的にハイブリダイズ可能である。
【0192】
相補性
オリゴヌクレオチドは、2つの核酸塩基配列を反対方向に整列させたときに、そのようなオリゴヌクレオチドまたはその1つもしくは複数の領域の核酸塩基配列が別のオリゴヌクレオチドもしくは核酸またはその1つもしくは複数の領域の核酸塩基配列とマッチするとき、別の核酸と相補的と言われる。核酸塩基マッチまたは相補的核酸塩基は、本明細書で記載する場合、特に指定のない限り、アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、及び5-メチルシトシン(mC)とグアニン(G)に限られる。相補的なオリゴヌクレオチド及び/または核酸は、各ヌクレオシドで核酸塩基相補性を有する必要はなく、1つまたは複数の核酸塩基のミスマッチを含んでもよい。そのようなオリゴヌクレオチドが、核酸塩基のミスマッチなしに各ヌクレオシドで核酸塩基のマッチを有する場合、オリゴヌクレオチドは完全に相補的であるか、または100%相補的である。
【0193】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物は、オリゴマー化合物を含む。化合物とSCN2A核酸の間の非相補的核酸塩基は、該化合物がそのまま標的核酸に特異的にハイブリダイズすることができるならば容認されてもよい。さらに、化合物は、介在するまたは隣接するセグメントがハイブリダイゼーション事象に関与しないように、SCN2A核酸の1つまたは複数のセグメントにわたってハイブリダイズすることができる(例えば、ループ構造、ミスマッチ、またはヘアピン構造)。
【0194】
特定の実施形態において、本明細書で提供する化合物またはその特定部分は、SCN2A核酸、標的領域、標的セグメント、その特定部分に少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的である。標的核酸に対する化合物の相補性の割合(パーセント)は、常法を使用して決定することができる。
【0195】
例えば、化合物の20の核酸塩基のうち18の核酸塩基が標的領域に相補的であり、したがって特異的にハイブリダイズするのであれば、90パーセントの相補性となるであろう。この例では、残りの非相補的核酸塩基は、クラスター化していても、そこに相補的核酸塩基が散在していてもよく、互いにまたは相補的核酸塩基と連続している必要はない。したがって、標的核酸と完全に相補的な2つの領域と隣接する4つの非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基長の化合物は、標的核酸に対して77.8%の総相補性を有し、したがって本発明の範囲に包含されることとなる。化合物と標的核酸の領域との相補性の割合(パーセント)は、当技術分野で公知のBLASTプログラム(ベーシック・ローカル・アラインメント・サーチ・ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を慣例的に使用して決定することができる。相同性、配列同一性、または配列相補性の割合(パーセント)は、例えば、SmithとWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)により、デフォルト設定を使用して決定することができる。
【0196】
特定の実施形態において、本明細書中に記載する化合物またはその特定部分は、標的核酸またはその特定部分に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、化合物は、SCN2A核酸、またはその標的領域もしくは標的セグメントもしくは標的配列に完全に相補的であり得る。本明細書で使用する場合、「完全に相補的」とは、化合物の各核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と正確に塩基対合することができることを意味する。例えば、20核酸塩基の化合物は、該化合物に完全に相補的な標的核酸の対応する20核酸塩基部分が存在する限り、400核酸塩基長の標的配列に完全に相補的である。完全に相補的は、第1及び/または第2の核酸の特定部分に関して使用することもできる。例えば、30核酸塩基の化合物のうちの20核酸塩基部分は、400核酸塩基長の標的配列に「完全に相補的」であり得る。30核酸塩基の化合物のうちの20核酸塩基部分は、標的配列が対応する20核酸塩基部分(各核酸塩基が、該化合物の20核酸塩基部分に相補的であるもの)を有するならば、標的配列に完全に相補的である。同時に、その30核酸塩基の化合物全体は、該化合物の残りの10核酸塩基も標的配列に相補的であるかどうかに応じて、標的配列に対して完全に相補的である場合も、そうでない場合もある。
【0197】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、標的核酸に対して1つまたは複数のミスマッチした核酸塩基を含む。そのような特定の実施形態において、そのようなミスマッチによって標的に対するアンチセンス活性は低減するが、非標的に対する活性は、より大きく低減する。よって、そのような特定の実施形態において、化合物の選択性が向上する。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7、または8位にある。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1位にある。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、ウィング領域の5’末端から1、2、3、または4位にある。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、ウィング領域の3’末端から4、3、2、または1位にある。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有さないオリゴヌクレオチド内に特異的に位置する。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位にある。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位にある。
【0198】
非相補的核酸塩基の場所は、化合物の5’末端であっても3’末端であってもよい。あるいは、非相補的核酸塩基(1つまたは複数)は、化合物の内部位置にあってもよい。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、それらは連続して(すなわち結合して)もよいし、不連続であってもよい。一実施形態において、非相補的核酸塩基は、ギャップマーオリゴヌクレオチドのウィングセグメント内に位置する。
【0199】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20核酸塩基長、または最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20核酸塩基長の本明細書に記載する化合物は、SCN2A核酸などの標的核酸またはその特定部分に対して、4つ以下、3つ以下、2つ以下、または1つ以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0200】
特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30核酸塩基長、または最大11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30核酸塩基長の本明細書に記載する化合物は、SCN2A核酸などの標的核酸またはその特定部分に対して、6つ以下、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、または1つ以下の非相補的核酸塩基(複数可)を含む。
【0201】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物には、標的核酸の一部分に相補的なものも含まれる。本明細書で使用する場合、「部分(portion)」とは、標的核酸のある領域またはセグメント内の所定の数の連続する(すなわち結合した)核酸塩基を指す。「部分(portion)」は、化合物の所定の数の連続する核酸塩基も指すこともある。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも8核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも9核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも10核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも11核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも12核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも13核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも14核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも15核酸塩基部分に相補的である。特定の実施形態において、化合物は、ある標的セグメントの少なくとも16核酸塩基部分に相補的である。ある標的セグメントの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20核酸塩基部分もしくはそれ以上の核酸塩基部分、またはこれらの値のうちの任意の2つによって画定される範囲に相補的な化合物も企図される。
【0202】
同一性
本明細書で提供する化合物は、ある特定ヌクレオチド配列、配列番号、もしくは特定のIsis番号によって表される化合物、またはその一部分にも所定の同一性の割合(%)を有し得る。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドである。本明細書で使用する場合、化合物は、同じ核酸塩基対合能を有するならば、本明細書に開示する配列と同一である。例えば、ウラシルとチミジンはどちらもアデニンと対合するので、開示したDNA配列中のチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、該DNA配列と同一であるとみなされることとなる。本明細書に記載する化合物の短縮型及び延長型、ならびに本明細書で提供する化合物に対して非同一塩基を有する化合物も企図される。非同一塩基は互いに隣接してもよいし、化合物全体に分散していてもよい。化合物の同一性の割合(パーセント)は、比較対象である配列に対して同一塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
【0203】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物またはその一部分は、本明細書に開示する化合物もしくは配列番号、またはその一部分の1つまたは複数と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である。特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物またはその一部分は、ある特定ヌクレオチド配列、配列番号、もしくは特定のIsis番号によって表される化合物、またはその一部分と、約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%、またはそのような値の間の任意のパーセンテージで同一であり、それにおいて該化合物は、1つまたは複数のミスマッチした核酸塩基を有するオリゴヌクレオチドを含む。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの5’末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位にある。そのような特定の実施形態において、ミスマッチは、オリゴヌクレオチドの3’末端から2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12位にある。
【0204】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、アンチセンス化合物である。特定の実施形態において、化合物の一部分は、標的核酸の等長部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分が、標的核酸の等長部分と比較される。
【0205】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドである特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの一部分は、標的核酸の等長部分と比較される。特定の実施形態において、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分が、標的核酸の等長部分と比較される。
【0206】
特定の修飾化合物
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、結合したヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(RNAまたはDNA)であっても、修飾オリゴヌクレオチドであってもよい。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNAまたはDNAに対して少なくとも1つの修飾を含む(すなわち、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を含む)及び/または少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む)。
【0207】
A. 修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分もしくは修飾核酸塩基、または修飾糖部分と修飾核酸塩基の両方を含む。
【0208】
1. 修飾糖部分
特定の実施形態において、修飾糖部分は、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、二環式または三環式糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代用物である。そのような糖代用物は、他のタイプの修飾糖部分の置換に対応する1つまたは複数の置換を含んでもよい。
【0209】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、2’、4’及び/または5’位の置換基(これらに限定されない)を含めた1つまたは複数の非環式置換基を有するフラノシル環を含む非環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、非二環式修飾糖部分の1つまたは複数の非環式置換基は、分岐状である。非二環式修飾糖部分に適した2’-置換基の例として、2’-F、2’-OCH(「OMe」または「O-メチル」)、及び2’-O(CHOCH(「MOE」)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、2’-置換基は、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF、OCF、O-C~C10アルコキシ、O-C~C10置換アルコキシ、O-C~C10アルキル、O-C~C10置換アルキル、S-アルキル、N(R)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(R)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(R)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)、またはOCHC(=O)-N(R)(R)(式中、各R及びRは独立に、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換のC~C10アルキルである)、ならびにCook et al.,U.S.6,531,584;Cook et al.,U.S.5,859,221;及びCook et al.,U.S.6,005,087に記載される2’-置換基の中から選択される。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルの中から独立に選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されていてもよい。直鎖状非二環式修飾糖部分に適した4’-置換基の例として、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル、及びManoharan et al.,WO2015/106128に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。非二環式修飾糖部分に適した5’-置換基の例として、5’-メチル(RまたはS)、5’-ビニル、及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、非二環式修飾糖は、2つ以上の非架橋糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分、ならびにMigawa et al.,WO 2008/101157及びRajeev et al.,US2013/0203836に記載される修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
【0210】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH、N、OCF、OCH、O(CHNH、CHCH=CH、OCHCH=CH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)、O(CHO(CHN(CH、及びN置換アセトアミド(OCHC(=O)-N(R)(R))(式中、各R及びRは独立に、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換のC~C10アルキルである)から選択される直鎖状2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0211】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF、OCH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(CH、O(CHO(CHN(CH、及びOCHC(=O)-N(H)CH(「NMA」)から選択される直鎖状2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0212】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH、及びOCHCHOCHから選択される直鎖状2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0213】
非二環式修飾糖部分などの修飾糖部分を含むヌクレオシドは、そのヌクレオシドの糖部分における置換(複数可)の位置(複数可)によって参照される。例えば、2’-置換または2-修飾糖部分を含むヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシドまたは2-修飾ヌクレオシドと呼ばれる。
【0214】
特定の修飾糖部分は、第2の環を形成して二環式糖部分をもたらす架橋糖置換基を含む。そのような特定の実施形態において、二環式糖部分は、4’フラノース環原子と2’フラノース環原子の間に架橋を含む。そのような4’から2’へ架橋する糖置換基の例として、4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’(「LNA」)、4’-CH-S-2’、4’-(CH-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH)-O-2’(S配置のときに「拘束エチル」または「cEt」と呼ばれる)、4’-CH2-O-CH-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH(CHOCH)O-2’(「拘束MOE」または「cMOE」)及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.7,399,845、Bhat et al.,U.S.7,569,686、Swayze et al.,U.S.7,741,457、及びSwayze et al.,U.S.8,022,193を参照されたい)、4’-C(CH)(CH)-O-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,283を参照されたい)、4’-CH-N(OCH)-2’及びその類似体(例えば、Prakash et al.,U.S.8,278,425を参照されたい)、4’-CH-O-N(CH)-2’(例えば、Allerson et al.,U.S.7,696,345、及びAllerson et al.,U.S.8,124,745を参照されたい)、4’-CH-C(H)(CH)-2’(例えば、Zhou, et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照されたい)、4’-CH-C-(=CH)-2’ 、及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,426を参照されたい)、4’-C(R)-N(R)-O-2’、4’-C(R)-O-N(R)-2’、4’-CH-O-N(R)-2’、及び4’-CH-N(R)-O-2’(式中、各R、R、及びRは独立に、H、保護基、またはC~C12アルキルである)(例えば、Imanishi et al.,U.S.7,427,672を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0215】
特定の実施形態において、そのような4’から2’への架橋は、以下から独立に選択される1~4つの結合基を独立に含む:- C(R)(R)]-、-[C(R)(R)]-O-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-C(=NR)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(R-、-S(= O)x-、及び-N(R)-;
(式中、
xは、0、1、または2であり、
nは、1、2、3、または4であり、
各R及びRは独立に、H、保護基、ヒドロキシル、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C~C脂環式基、置換C~C脂環式基、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)-J)、またはスルホキシル(S(=O)-J)であり;各J及びJは独立に、H、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20 アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C~C12アミノアルキル、置換C~C12アミノアルキル、または保護基である)。
【0216】
追加的な二環式糖部分は当技術分野で公知であり、例えば:Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740、Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,20017,129,8362-8379;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wengel et al.,U.S.7,053,207、Imanishi et al.,U.S.6,268,490、Imanishi et al.U.S.6,770,748、Imanishi et al.,U.S.RE44,779;Wengel et al.,U.S.6,794,499、Wengel et al.,U.S.6,670,461;Wengel et al.,U.S.7,034,133、Wengel et al.,U.S.8,080,644;Wengel et al.,U.S.8,034,909;Wengel et al.,U.S.8,153,365;Wengel et al.,U.S.7,572,582;及びRamasamy et al.,U.S.6,525,191、Torsten et al.,WO 2004/106356、Wengel et al.,WO91999/014226;Seth et al.,WO2007/134181;Seth et al.,U.S.7,547,684;Seth et al.,U.S.7,666,854;Seth et al.,U.S.8,088,746;Seth et al.,U.S.7,750,131;Seth et al.,U.S.8,030,467;Seth et al.,U.S.8,268,980;Seth et al.,U.S.8,546,556;Seth et al.,U.S.8,530,640;Migawa et al.,U.S.9,012,421;Seth et al.,U.S.8,501,805;並びに米国特許出願公開であるAllerson et al.,US2008/0039618及びMigawa et al.,US2015/0191727を参照されたい。
【0217】
特定の実施形態において、二環式糖部分及びそのような二環式糖部分を組み込むヌクレオシドは、異性体配置によってさらに定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載するもの)は、α-L配置であっても、β-D配置であってもよい。
【化1】
【0218】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)またはα-L-LNA二環式ヌクレオシドはオリゴヌクレオチドに組み込まれ、アンチセンス活性を示した(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。本明細書では、二環式ヌクレオシドの一般的な説明には両方の異性体配置が含まれる。特定の二環式ヌクレオシド(例えばLNAまたはcEt)の位置が本明細書での例示的な実施形態で特定される場合、特に指定のない限り、それらはβ-D配置である。
【0219】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つまたは複数の非架橋糖置換基及び1つまたは複数の架橋糖置換基を含む(例えば5’-置換及び4’-2’架橋糖)。
【0220】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代用物である。そのような特定の実施形態において、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄、炭素または窒素原子で置きかえられる。そのような特定の実施形態において、そのような修飾糖部分は、本明細書に記載する通りの架橋及び/または非架橋置換基も含む。例えば、特定の糖代用物は、4’-硫黄原子ならびに2’位(例えば、Bhat et al.,U.S.7,875,733、及びBhat et al.,U.S.7,939,677を参照されたい)及び/または5’位での置換を含む。
【0221】
特定の実施形態において、糖代用物は5原子以外を有する環を含む。例えば、特定の実施形態において、糖代用物は6員のテトラヒドロピラン(「THP」)を含む。そのようなテトラヒドロピランは、さらに修飾または置換されていてもよい。そのような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドとして、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マンニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854を参照されたい)、フルオロHNA:
【化2】
(「F-HNA」、例えば、Swayze et al.,U.S.8,088,904;Swayze et al.,U.S.8,440,803;Swayze et al.;及びSwayze et al.,U.S.9,005,906を参照されたい;F-HNAは、F-THPまたは3’-フルオロテトラヒドロピランと呼ぶこともできる)、及び次式のさらなる修飾THP化合物を含むヌクレオシド:
【化3】
(式中、独立に、前記修飾THPヌクレオシドの各々について:Bxは、核酸塩基部分であり;T及びTは各々独立に、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部に結合するヌクレオシド間結合基であるか、またはT及びTの一方が、修飾THPヌクレオシドをオリゴヌクレオチドの残部に結合するヌクレオシド間結合基であり、T及びTの他方が、H、ヒドロキシル保護基、結合されたコンジュゲート基、または5’もしくは3’末端基であり;q、q、q、q、q、q、及びqは各々独立に、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、または置換C~Cアルキニルであり;R及びRの各々は独立に、水素、ハロゲン、置換または非置換のアルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、及びCNの中から選択され、式中、Xは、O、S、またはNJであり、各J、J、及びJは独立に、HまたはC~Cアルキルである)。
【0222】
特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqが各々Hである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つは、H以外である。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つは、メチルである。特定の実施形態において、R及びRの1つがFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、RはFであり、かつRはHであり、特定の実施形態において、Rはメトキシであり、かつRはHであり、特定の実施形態において、Rはメトキシエトキシであり、かつRはHである。
【0223】
特定の実施形態において、糖代用物は、6つ以上の原子及び2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドにおけるそれらの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510及びSummerton et al.,U.S.5,698,685;Summerton et al.,U.S.5,166,315;Summerton et al.,U.S.5,185,444;ならびにSummerton et al.,U.S.5,034,506を参照されたい)。ここで使用する場合、「モルホリノ」という用語は、以下の構造を有する糖代用物を意味する。
【0224】
【化4】
特定の実施形態において、モルホリノは、例えば上記モルホリノ構造に様々な置換基を付加するかまたは該構造から様々な置換基を改変することによって、修飾されてもよい。そのような糖代用物は、本明細書において「修飾モルホリノ」と呼ばれる。
【0225】
特定の実施形態において、糖代用物は非環式部分を含む。そのような非環式糖代用物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例として、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865を参照されたい)、ならびにManoharan et al.,WO2011/133876に記載されるヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0226】
修飾ヌクレオシドに使用することができる多くの他の二環式糖及び三環糖ならびに糖代用物の環系は、当技術分野で公知である。
【0227】
2.修飾核酸塩基
核酸塩基(または塩基)の修飾または置換は、天然に存在するまたは合成的に修飾されていない核酸塩基と構造的に区別可能であるが、さらに機能的に交換可能である。天然核酸塩基と修飾核酸塩基は両方とも、水素結合に関与することができる。そのような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、または幾つかの他の有益な生物学的特性を本明細書に記載する化合物に付与することができる。
【0228】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含む1つまたは複数のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つまたは複数のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、脱塩基ヌクレオシドと呼ばれる、核酸塩基を含まない1つまたは複数のヌクレオシドを含む。
【0229】
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキルまたはアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリン、ならびにN-2、N-6及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、5-メチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(C≡C-CH3)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に、5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル、及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、乱交雑塩基、サイズ拡張塩基、及びフッ素化塩基から選択される。さらなる修飾核酸塩基として、三環式ピリミジン、例えば1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン、及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)が挙げられる。修飾核酸塩基として、プリンまたはピリミジン塩基が、他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、及び2-ピリドンに置きかえられている塩基を挙げることもできる。さらなる核酸塩基として、Merigan et al.,U.S.3,687,808に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されるもの;及びChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166 and 442-443に開示されるものが挙げられる。
【0230】
上記の特定の修飾核酸塩基ならびに他の修飾核酸塩基の調製を教示する出版物として、Manoharan et al.,US2003/0158403、Manoharan et al.,US2003/0175906;Dinh et al.,U.S.4,845,205;Spielvogel et al.,U.S.5,130,302;Rogers et al.,U.S.5,134,066;Bischofberger et al.,U.S.5,175,273;Urdea et al.,U.S.5,367,066;Benner et al.,U.S.5,432,272;Matteucci et al.,U.S.5,434,257;Gmeiner et al.,U.S.5,457,187;Cook et al.,U.S.5,459,255;Froehler et al.,U.S.5,484,908;Matteucci et al.,U.S.5,502,177;Hawkins et al.,U.S.5,525,711;Haralambidis et al.,U.S.5,552,540;Cook et al.,U.S.5,587,469;Froehler et al.,U.S.5,594,121;Switzer et al.,U.S.5,596,091;Cook et al.,U.S.5,614,617;Froehler et al.,U.S.5,645,985;Cook et al.,U.S.5,681,941;Cook et al.,U.S.5,811,534;Cook et al.,U.S.5,750,692;Cook et al.,U.S.5,948,903;Cook et al.,U.S.5,587,470;Cook et al.,U.S.5,457,191;Matteucci et al.,U.S.5,763,588;Froehler et al.,U.S.5,830,653;Cook et al.,U.S.5,808,027;Cook et al.,6,166,199;及びMatteucci et al.,U.S.6,005,096が挙げられるが、これらに限定されない。
【0231】
特定の実施形態において、SCN2A核酸に標的化された化合物は、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-メチルシトシンである。特定の実施形態において、各シトシンは5-メチルシトシンである。
【0232】
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、1つまたは複数の修飾(すなわち天然に存在しない)ヌクレオシド間結合を有する本明細書に記載する化合物は、例えば、強化された細胞取り込み、核酸標的に対する強化された親和性、及びヌクレアーゼの存在下での増加した安定性といった望ましい特性のために、天然に存在するヌクレオシド間結合を有する化合物よりも選択されることが多い。
【0233】
特定の実施形態において、SCN2A核酸に標的化された化合物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。特定の実施形態において、化合物の各ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0234】
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子を保持するヌクレオシド間結合だけでなく、リン原子を有さないヌクレオシド間結合も含まれる。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合として、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエートが挙げられるが、これらに限定されない。リン含有及び非リン含有結合を調製する方法は、周知である。
【0235】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、任意のヌクレオシド間結合を使用して一緒に結合してもよい。2つの主なクラスのヌクレオシド間結合基は、リン原子の存在または不在によって定義される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合として、ホスホジエステル結合(「P=O」)(非修飾または天然に存在する結合とも呼ばれる)を含有するホスフェート、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、及びホスホロチオエート(「P=S」)、及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な非リン酸含有ヌクレオシド間結合基として、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-);シロキサン(-O-SiH2-O-);及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)が挙げられるが、これらに限定されない。修飾ヌクレオシド間結合は、天然のリン酸結合と比較して、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を改変する(通常は増大させる)ために使用することができる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、または別々の鏡像異性体として調製することができる。代表的なキラルヌクレオシド間結合として、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが挙げられるが、これらに限定されない。リン含有及び非リン含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者には周知である。
【0236】
中性ヌクレオシド間結合として、限定するものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH2-N(CH3)-O-5’)、アミド-3(3’-CH2-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH2-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH2-O-5’)、メトキシプロピル、及びチオホルムアセタール(3’-S-CH2-O-5’)が挙げられる。さらなる中性ヌクレオシド間結合として、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホン酸エステル、及びアミドを含めた非イオン性結合が挙げられる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40-65を参照されたい)。さらなる中性ヌクレオシド間結合として、混合したN、O、S、及びCH2成分部分を含む非イオン性結合が挙げられる。
【0237】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、所定のパターンまたは修飾ヌクレオシド間結合モチーフでオリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って配置された修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、ヌクレオシド間結合は、ギャップ化モチーフで配置される。そのような実施形態において、2つのウィング領域の各々におけるヌクレオシド間結合は、ギャップ領域におけるヌクレオシド間結合とは異なる。特定の実施形態において、ウィングにおけるヌクレオシド間結合はホスホジエステルであり、ギャップにおけるヌクレオシド間結合はホスホロチオエートである。ヌクレオシドモチーフは独立に選択されるため、ギャップ化ヌクレオシド間結合モチーフを有するそのようなオリゴヌクレオチドは、ギャップ化ヌクレオシドモチーフを有しても有さなくてもよく、もしギャップ化ヌクレオシドモチーフを有するならば、ウィング長とギャップ長は同じであってもなくてもよい。
【0238】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、交互のヌクレオシド間結合モチーフを有する領域を含む。特定の実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたヌクレオシド間結合の領域を含む。そのような特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合によって均一に結合された領域を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートによって均一に結合される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル及びホスホロチオエートから選択され、少なくとも1個のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートである。
【0239】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも6個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも8個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも10個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個の連続したホスホロチオエートヌクレオシド間結合の少なくとも1個のブロックを含む。そのような特定の実施形態において、少なくとも1個のそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する。そのような特定の実施形態において、少なくとも1個のそのようなブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端から3ヌクレオシド以内に位置する。
【0240】
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数のメチルホスホネート(methylphosponate)結合を含む。特定の実施形態において、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、1つまたは2つのメチルホスホネート結合を除くすべてのホスホロチオエート結合を含む結合モチーフを含む。特定の実施形態において、1つのメチルホスホネート結合は、ギャップマーヌクレオシドモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央のギャップにある。
【0241】
特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を維持するように、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を調整することが望ましい。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を維持するように、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数及び位置ならびにホスホジエステルヌクレオシド間結合の数及び位置を調整することが望ましい。特定の実施形態において、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることができ、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を維持したままで、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることができ、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることができる。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持しながら、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合の数を減少させることが望ましい。特定の実施形態において、ヌクレアーゼ耐性を保持しながら、ホスホジエステルヌクレオシド間結合の数を増加させることが望ましい。
【0242】
B.特定のモチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、モチーフ、例えば、非修飾及び/または修飾糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合のパターンを有することができる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖を含む1つまたは複数の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む1つまたは複数の修飾ヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む。そのような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの修飾、非修飾、及び異なるように修飾された糖部分、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合が、パターンまたはモチーフを画定する。特定の実施形態において、糖部分、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合のパターンは、各々互いに独立している。よって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ、及び/またはヌクレオシド間結合モチーフによって表現することができる(本明細書で使用する場合、核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列とは無関係に核酸塩基への修飾を表現する)。
【0243】
1.特定の糖モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたは糖モチーフで配置された1つまたは複数のタイプの修飾糖及び/または非修飾糖部分を含む。場合によっては、そのような糖モチーフは、本明細書で考察される糖修飾のいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0244】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、ギャップマーモチーフを有する領域を含むかまたはそれからなり、ギャップマーモチーフは、2つの外部領域または「ウィング」と、中央もしくは内部領域または「ギャップ」とを含む。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’-ウィング、ギャップ、及び3’-ウィング)は、ヌクレオシドの連続した配列を形成し、ウィングの各々のヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部は、ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくとも一部とは異なる。具体的には、少なくとも、ギャップに最も近い各ウィングのヌクレオシド(5’-ウィングの最も3’側のヌクレオシド及び3’-ウィングの最も5’側のヌクレオシド)の糖部分が、隣接するギャップヌクレオシドの糖部分とは異なり、そのようにしてウィングとギャップの間の境界(すなわち、ウィング/ギャップジャンクション)を画定する。特定の実施形態において、ギャップ内の糖部分は、互いに同一である。特定の実施形態において、ギャップは、該ギャップの1つまたは複数の他のヌクレオシドの糖部分とは異なる糖部分を有する1つまたは複数のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、2つのウィングの糖モチーフは、互いに同一である(対称性ギャップマー)。特定の実施形態において、5’-ウィングの糖モチーフは、3’-ウィングの糖モチーフとは異なる(非対称性ギャップマー)。
【0245】
特定の実施形態において、ギャップマーのウィングは、1~5のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウィングは、2~5のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウィングは、3~5のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのヌクレオシドは、すべて修飾ヌクレオシドである。
【0246】
特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~12のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~10のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、8~10のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、10のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’ーデオキシヌクレオシドである。
【0247】
特定の実施形態において、ギャップマーはデオキシギャップマーである。そのような実施形態において、各ウィング/ギャップジャンクションのギャップ側のヌクレオシドは非修飾2’-デオキシヌクレオシドであり、各ウィング/ギャップジャンクションのウィング側のヌクレオシドは修飾ヌクレオシドである。そのような特定の実施形態において、ギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。そのような特定の実施形態において、各ウィングの各ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。
【0248】
そのような特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有し、ここで、該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。そのような特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むかまたはそれからなり、ここで、該領域の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むかまたはそれからなり、ここで、完全に修飾された領域内の各ヌクレオシドは同じ修飾糖部分を含み、これを本明細書では均一に修飾された糖モチーフと呼ぶ。特定の実施形態において、完全に修飾されたオリゴヌクレオチドは、均一に修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、均一に修飾されたものの各ヌクレオシドは、同じ2’-修飾を含む。
【0249】
2. 特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたはモチーフで配置された修飾及び/または非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、各核酸塩基は、修飾されている。特定の実施形態において、核酸塩基はいずれも修飾されていない。特定の実施形態において、各プリンまたは各ピリミジンは、修飾されている。特定の実施形態において、各アデニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各グアニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各チミンは、修飾されている。特定の実施形態において、各ウラシルは、修飾されている。特定の実施形態において、各シトシンは、修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド内のシトシン核酸塩基の一部または全部は、5-メチルシトシンである。
【0250】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。そのような特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端にある。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内にある。特定の実施形態において、ブロックは、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端にある。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3ヌクレオシド以内にある。
【0251】
特定の実施形態において、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。そのような特定の実施形態において、修飾核酸塩基を含む1つのヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップ内にある。そのような特定の実施形態において、前記ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル部分である。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0252】
3. 特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたはモチーフで配置された修飾及び/または非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、本質的に各ヌクレオシド間結合基は、ホスフェートヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエート(P=S)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は独立に、ホスホロチオエート及びホスフェートヌクレオシド間結合から選択される。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合はすべて修飾されている。そのような特定の実施形態において、ウィング内のヌクレオシド間結合の一部または全部は、非修飾ホスフェート結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合は修飾されている。
【0253】
C. 特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、上記修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)が、修飾オリゴヌクレオチド内に組み込まれている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、その修飾、モチーフ、及び全長によって特徴付けられる。特定の実施形態において、そのようなパラメータは各々互いに独立している。よって、特に示さない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されていても修飾されていなくてもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っていても従っていなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウィング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同じであっても異なっていてもよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同じであっても異なっていてもよい。同様に、そのような糖ギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンとは独立に、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含んでもよい。さらに、場合によっては、オリゴヌクレオチドは、全長または範囲、及び2つ以上の領域(例えば、指定された糖修飾を有するヌクレオシドの領域)の長さまたは長さの範囲によって表現され、そのような場合では、指定範囲外の全長を有するオリゴヌクレオチドとなる数を各範囲で選択することが可能であり得る。そのような場合、両方の要素が満たされなければならない。例えば、特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、15~20の結合したヌクレオシドからなり、かつ3つの領域、A、B及びCからなる糖モチーフを有し、ここで、領域Aは、指定された糖モチーフを有する2~6の結合したヌクレオシドからなり、領域Bは、指定された糖モチーフを有する6~10の結合したヌクレオシドからなり、領域Cは、指定された糖モチーフを有する2~6の結合したヌクレオシドからなる。そのような実施形態は、A及びCがそれぞれ6の結合したヌクレオシドからなり、Bが10の結合したヌクレオシドからなるような修飾オリゴヌクレオチドを含まない(これらのヌクレオシドの数がA、B及びCに関する要件内に許容されているにもかかわらず)。何故なら、そのようなオリゴヌクレオチドの全長が22であり、これは修飾オリゴヌクレオチドの全長の上限(20)を超えるからである。本明細書において、オリゴヌクレオチドの表現が1つまたは複数のパラメータに関して記載されていないならば、そのようなパラメータは限定されない。したがって、ギャップマー糖モチーフを有するとのみ表現され、さらに表現されていない修飾オリゴヌクレオチドは、任意の長さ、ヌクレオシド間結合モチーフ、及び核酸塩基モチーフを有することができる。特に示さない限り、すべての修飾は、核酸塩基配列から独立している。
【0254】
医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法
本明細書に記載する化合物は、医薬組成物または製剤を調製するために、医薬として許容される活性または不活性物質と混合されてもよい。医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法は、投与経路、疾患の程度、または投与しようとする用量(これらに限定されない)を含めた幾つもの基準に依存する。
【0255】
特定の実施形態において、本発明は、1つもしくは複数の化合物またはその塩を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。そのような特定の実施形態において、医薬組成物は、医薬として許容される適切な希釈剤または担体を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、滅菌生理食塩溶液及び1種または複数の化合物を含む。特定の実施形態において、そのような医薬組成物は、滅菌生理食塩溶液と及び種または複数の化合物からなる。特定の実施形態において、滅菌生理食塩水は、医薬品グレードの生理食塩水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1種または複数の化合物及び滅菌水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1種または複数の化合物及び滅菌水からなる。特定の実施形態において、滅菌水は、医薬品グレードの水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1種または複数の化合物及びリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1種または複数の化合物及び滅菌PBSからなる。特定の実施形態において、滅菌PBSは医薬品グレードのPBSである。医薬組成物を製剤化するための組成物及び方法は、投与経路、疾患の程度、または投与しようとする用量(これらに限定されない)を含めた幾つもの基準に依存する。
【0256】
SCN2A核酸に標的化された本明細書に記載する化合物は、該化合物を医薬として許容される適切な希釈剤または担体と組み合わせることによって、医薬組成物に利用することができる。特定の実施形態において、医薬として許容される希釈剤は、注射に適した滅菌水などの水である。したがって、一実施形態において、本明細書に記載する方法で用いられるのは、SCN2A核酸に標的化された化合物及び医薬として許容される希釈剤を含む医薬組成物である。特定の実施形態において、医薬として許容される希釈剤は水である。特定の実施形態において、化合物は、本明細書で提供する修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。
【0257】
本明細書で提供する化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含めた動物に投与したときに、生物学的に活性な代謝産物またはその残基を(直接的または間接的に)提供することができる、任意の医薬として許容される塩、エステルもしくはそのようなエステルの塩、または任意の他のオリゴヌクレオチドを包含する。特定の実施形態において、化合物は、アンチセンス化合物またはオリゴマー化合物である。特定の実施形態において、化合物は、修飾オリゴヌクレオチドを含むかまたはそれからなる。したがって、例えば、本開示はまた、化合物の医薬として許容される塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの医薬として許容される塩、及び他の生物学的等価物に関する。医薬として許容される適切な塩として、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0258】
プロドラッグは、体内で内因性ヌクレアーゼによって切断されて活性化合物を形成する化合物の一方または両方の末端における追加的なヌクレオシドの組み込みを含むことができる。
【0259】
特定の実施形態において、化合物または組成物は、医薬として許容される担体または希釈剤をさらに含む。
【0260】
特定の実施形態の利点
本明細書で提供するのは、SCN1A関連疾患もしくは状態(例えば、ドラベ症候群)またはその生理学的マーカーを治療する、遅延させる、予防する、及び/または改善することができる、SCN2A核酸を調節するための初めての方法及び組成物である特定の実施形態では、SCN1A関連疾患または状態(例えば、ドラベ症候群)を有する対象における発作の減少、ミオクローヌスもしくは筋けいれんの減少、歩行困難の緩和、認知症の低減、その発症の予防、もしくは治療、言語障害の緩和、幻視の低減、もしくはその発症の予防、進行性神経変性の治療、低減、もしくはその発症の予防、運動失調の低減、またはそれらの組み合わせのための、SCN2A阻害剤(例えば、SCN2Aをコードする核酸を標的とするオリゴヌクレオチド)が初めて提供される。
【実施例
【0261】
非限定的な開示及び参照による組み込み
本明細書に記載する特定の化合物、組成物及び方法について、特定の実施形態に従って具体的に説明してきたが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示するために提供するに過ぎず、同化合物を限定することを意図するものではない。本出願に挙げる参考文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0262】
実施例1:SCN2A mRNAはLNAによって低減した
LNAを滅菌蒸留水で10μg/μlに溶解し、使用するまで-30°Cで保存した。使用したLNAの配列を以下の表1及び2に示す。
【表1】
【表2】
【0263】
新生仔脳室内(ICV)注射
すべての試験は、「実験動物の取り扱いと使用に関する指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)」に従って実施し、Florey Institute Animal Ethics Committeeによって承認された。Scn2a R1882Q変異についてヘテロ接合性である仔を有する妊娠中のICRマウスは、Cyagenによって作製された。マウスは、12時間のライトオン/オフサイクルを有する温度調節された室内で維持し、食物及び液体を自由に摂取させた。
【0264】
注射の前に仔(P2)を視覚的に検査して、乳白色斑が存在することを確認した。砕いた氷に囲まれた小さなプラスチック容器に仔を4~5分間入れることによって凍結麻酔を誘導し、指趾への圧刺激応答を使用して麻酔の深さを決定した。LNA(10μg/μl)を、32G針を備えた10μlの注射器(Hamilton)に装填した。仔の皮膚表面を80%エタノール綿棒で滅菌し、矢状縫合の外側約0.7~1.0mm、ラムダから頭側0.7~1.0mmの位置に注射部位をマーカーで標識した。頭蓋骨表面に垂直な角度で針を皮膚表面の2mm下に挿入した。2μlの体積のLNA(20μg)をゆっくりと右室に注入した。回復させるために、動きが観察されるまで、マウスをヒートブロック(摂氏32度)上に5~10分間静置した。ホームケージに戻す前に、子殺しのリスクを最小限に抑えるために仔を寝藁でこすった。
【0265】
LNA処理マウスの右大脳半球をP15及びP35で採取し、次いで液体窒素で急速凍結した。TRIzol試薬(ThermoFisher Scientific)を使用して全RNAを単離した。最初の均質化のために半球あたり1mlのTRIzolを使用し、RNAの単離は製造業者のプロトコルに従って行った。その後、50μlの反応において試料当たり最大20μgの全RNAを製造業者の使用説明書に従って1μlのデオキシリボヌクレアーゼ(DNAフリーデオキシリボヌクレアーゼ処理及び除去キット;ThermoFisher Scientific)で処理し、続いて、供給された不活性化試薬(DNAフリーデオキシリボヌクレアーゼ処理及び除去キット;ThermoFisher Scientific)を使用してデオキシリボヌクレアーゼを除去した。cDNAを作製するために、試料当たり500 ngの全RNAを、製造業者のプロトコルに従ってオリゴ(dT)15プライマーを使用してM-MLV逆転写酵素(両方ともPromega)によって逆転写した。続いて、試料当たり20 ngのcDNAを、定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)におけるテンプレートとして使用した。qRT-PCR反応液は、製造業者の使用説明書に従ってGoTaq qPCR MasterMix(Promega)を使用して調製し、反応は、ViiA 7システム(ThermoFisher Scientific)のMicroAmp Fast-Optical 96ウェル反応プレート(ThermoFisher Scientific)内で行った。qRT-PCRの実行中、95°Cで10分間の初期プレインキュベーションに続いて、40回の増幅サイクル(95°Cで15秒間、60°Cで60秒間)を行った。最後に、融点分析を行って(95°Cで15秒間、60°Cで60秒間、0.05°C/秒の速度で95°Cに加熱)、増幅産物の融解温度を決定した。プライマー配列(5’-3’)は次の通りであった:TGCTGTGCGGAAATCTGCC(SCN2Aフォワードプライマー)(配列番号7);CGGATGCTCAAGAGAGACTGG(SCN2Aリバースプライマー)(配列番号8);GAGGTGCTGCTGATGTGC(RPL32フォワードプライマー)(配列番号9);GGCGTTGGGATTGGTGACT(RPL32リバースプライマー)(配列番号10)。qRT-PCRデータは、QuantStudio Real Time PCRソフトウェアv1.3(ThermoFisher Scientific)を使用して分析した。定量的発現分析のために、SCN2Aの発現をハウスキーピング遺伝子RPL32の発現に対して正規化した(2^ΔCT法;Pfafflet al..,Nucl.Acids. Res.29(9):e45,2001)。次いで、ASO処理マウスにおける正規化されたSCN2Aの発現を、年齢を一致させた非処置の対照におけるSCN2Aの発現に対して正規化した(2^ΔΔCT)。
【0266】
3つすべてのLNA(ASO 1、ASO 2、及びASO 3)は、注射後13日でScn2a mRNAレベルを2~3分の一に低減させた(図1A)。同様のレベルの低減がP35で観察され(図1B)、これにより、LNAがCSF中で安定であり、最低1か月間Scn2a mRNAをダウンレギュレートするのに有効であったことが示される。
【0267】
実施例2:SCN1Aヘテロ接合性マウスの生存率及び発作からのSCN2A ASOの評価
【0268】
背景
SCN1A R1407Xマウスモデル(Scn1a RX)は、ドラベ症候群として知られる早期発症型の重度のてんかんの主要な疾患の特徴を厳密に反映している。R1407X変異についてヘテロ接合性であるマウスは、早死及び自発性発作を有する。Scn1a遺伝子は、主に抑制性ニューロンで発現する電位依存性ナトリウムチャネル、Nav1.1をコードする。電気生理学的分析により、R1407Xを発現するニューロンは高周波活動電位発火を維持できず、それにより脱抑制が起こり、その結果、脳の興奮性が亢進することが明らかになった。したがって、脳の一般的な興奮性亢進を低減させることができる戦略は、ドラベ症候群の治療に役立つ可能性がある。初期発生の間の脳の興奮性の重要な調節因子は、SCN2A遺伝子によってコードされる別の電位依存性ナトリウムチャネルアイソフォーム、Nav1.2である。
【0269】
Nav1.2の機能を低減させる方法は、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を使用してSCN2A遺伝子を標的にすることである。ASOは、目的の遺伝子発現を制御するように設計された一本鎖DNA/RNAオリゴヌクレオチドである。マウスSCN1A遺伝子をダウンレギュレートするように特異的に設計されたASOをSCN1A RXマウスモデルに適用し、生存率、自発性発作の数、脳波(EEG)によって効力を評価した。
【0270】
方法
定量的遺伝子発現分析(RT-qPCR)
製造業者のプロトコル(Thermofisher,USA)に従ってTrizol試薬を使用して、全RNAをマウス脳組織から単離した。混入しているゲノムDNAは、デオキシリボヌクレアーゼ処理(DNAフリー試薬、Ambion / Life Technologies, USA)で除去した。マウス(F:TGCTGTGCGGAAATCTGCC(配列番号7)、R:CGGATGCTCAAGAGAGACTGG(配列番号8))SCN2Aターゲティングプライマーは、ゲノムDNAとcDNAの増幅を区別するためにイントロンに及ぶように設計した。RT-qPCR用に、Murine Moloney Leukaemia Virus Reverse Transcriptase (Promega, USA)を使用してオリゴ-dT プライム化cDNAを500ngの全RNAから合成した。GoTaq qPCRマスターミックス(Promega, USA)を使用したViiA 7 Real-Time PCR SystemでのRT-qPCRを、製造業者のプロトコルに従って行った。2DDCt法を使用して参照遺伝子RPL32に対して正規化することによって、相対的な遺伝子発現値を得た。
【0271】
新生仔脳室内注射
SCN1A RXの仔に、5μgのマウスSCN2Aアンチセンスオリゴヌクレオチド(mScn2a ASO)または陰性対照である50μgのスクランブルASOを、生後(P)1日目に脳室内(icv)経路を介して投与した。仔を凍結麻酔し、次いでASOを装填した注射針(32G, Hamilton)をラムダと右眼の中間に挿入した。注射深度は皮膚表面下2mmで、合計2μlのmScn2a ASOを右室に投与した。
【0272】
発作の監視
SCN1A RXマウスをホームケージでグループ化して飼育し、P21からP28まで24時間の映像監視下に置いた。映像を2人の実験者で検閲し、Racineスコア4を超える発作を記録した。群の平均の発作は、処置群当たりの発作の総数を処置群中のマウスの数で割ることによって算出した。
【0273】
脳波記録法(EEG)
SCN1A RXマウス(P30~35)を1~3%のイソフルランで麻酔した。マウスを、頭蓋骨表面がラムダとブレグマの間で水平になるように定位固定装置(Kopf)に入れた。4つの硬膜外電極を脳表面に配置し、適所に歯科用セメントで固定した。EEG記録の前にマウスを4~7日間回復させた。大脳皮質の活動を24時間監視した(PinnacleTechnology)。記録中、マウスは、ケージ内を自由に動くことができ、餌と水は自由に与えられた。
【0274】
結果
ASO投与によるScn2a mRNAの低減
mScn2a ASO(5μg)またはスクランブルASO(50μg)を、P1にScn1aRX仔の右室に注入した。Scn2aのmRNAレベルは、ASO投与の14日後に評価した。予想通り、スクランブルASOは、Scn2a mRNAの発現に影響を与えなかった。mScn2a ASOで処置されたマウスから収集された脳は、Scn2a mRNAレベルの78.15±1.87%の低減を示した(図2)。スクランブルASOで処置されたScn1a RXマウスでは、P21での生存率は76.47%であった。mScn2a ASOで処置されたScn1a RXマウスでは、P21までに死亡は観察されなかった(図3)。体重は、P21及びP45で、スクランブルASO処置Scn1a RXマウスとmScn2a ASO処置Scn1a RXマウスで同様であった(図4A~4B)。実験エンドポイント(P45)までに、生存率はスクランブルASOとmScn2a ASOでそれぞれ29.41%及び94.44%であった。
【0275】
ASOはScn1a RXマウスモデルの生存率及び発作表現型を向上させる
頻繁な発作は、ドラベ症候群の消耗性の特徴であり、よって発作エピソードは治療効力の極めて重要なマーカーである。Scn1a RXマウスを、それらの処置に応じてグループ化して飼育し、P21からP28まで24時間の映像監視下に置いた(図5)。映像を検閲し、Racine スコア4を超える発作を記録した。自発性発作は、スクランブルASOで処置されたScn1a RXマウスと比較して、5μgのmScn2a ASOによって有意に低減した。
【0276】
この試験からの結果によって、ドラベ症候群のマウスモデルにおけるmScn2a ASOの顕著な治療効力が実証された。疾患マウスモデルの寿命が延び、自発性発作の表現型が有意に向上した。
【0277】
実施例3:SCN2A ASOでのin vitroでのSCN2Aの翻訳の減少
SCN2Aを天然に発現するヒトSH-SY5Y細胞を、適切な細胞培養で維持し、培養する。SH-SY5Y細胞は、SCN2A遺伝子を標的とする20merのアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理する。RNAレベル及びタンパク質レベルは、別々の濃度応答及び時間経過実験で測定する。RNAレベルは、ノーザンブロッティング、RT-PCR、及び/または定量的PCR分析によって測定できる。タンパク質レベルは、ウエスタンブロッティング分析によって測定される。
【0278】
実施例4:SCN2A ASOの投与によるドラベ症候群の治療
ドラベ症候群を有するヒト患者をASO治療のために選択する。全体にホスホロチオエート結合を有し、すべての糖部分が2MOE修飾された、SCN2A mRNAを標的とする20merのアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成する。ASOは、ヒトへの投与に適合した適切な賦形剤に溶解させる。溶解したASOを含有する溶液を、ASO溶液が罹患した神経細胞と相互作用するように、患者の神経細胞に注射する。ASOは神経細胞にトランスフェクトされ、標的細胞におけるSCN2Aの翻訳を改変し、SCN2Aタンパク質を減少させる。SCN2Aタンパク質の減少を測定するために、定量的アッセイ(例えば、ウエスタンブロット)を行う。免疫組織化学的検査及び免疫金染色は、神経細胞におけるSCN2Aの低減を直接視覚化するために使用する。患者は、ASO治療の投与後、ドラベ症候群に関連する症状の低減を測定するために、広範囲にわたる定期的な検査を受ける。
【0279】
実施例5:SCN2A ASOの投与によるドラベ症候群の予防
ドラベ症候群の遺伝子マーカーであるSCN1A変異を有するヒト患者をASO治療のために選択する。全体にホスホロチオエート結合を有し、すべての糖部分が2MOE修飾された、SCN2A mRNAを標的とする20merのアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成する。ASOは、ヒトへの投与に適合した適切な賦形剤に溶解させる。溶解したASOを含有する溶液を、ASO溶液が罹患した神経細胞と相互作用するように、患者の神経細胞に注射する。ASOは神経細胞にトランスフェクトされ、標的細胞におけるSCN2Aの翻訳を改変し、SCN2Aタンパク質を減少させる。SCN2Aタンパク質の減少を測定するために、定量的アッセイ(例えば、ウエスタンブロット)を行う。免疫組織化学的検査及び免疫金染色は、神経細胞におけるSCN2Aの低減を直接視覚化するために使用される。患者は、ASO治療の投与後にドラベ症候群の発症に関連する症状の発症があるかどうかを観察するために、広範囲にわたる定期的な検査を受ける。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
SCN1A脳症の治療を必要とする対象における前記SCN1A脳症を治療する方法であって、ヒトSCN2A遺伝子のプレmRNA転写物またはmRNA転写物の標的領域の等長部分に少なくとも80%の相補性を有する10連続核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を有する、10~80ヌクレオシド長の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む化合物を、前記SCN1A脳症を治療するのに十分な量及び期間で前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目2)
前記ヒトSCN2A遺伝子の発現を減少させる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記オリゴヌクレオチドが、GenBank受託番号NP_066287.2のアミノ酸配列をコードするSCN2A mRNAの一部分に相補的な核酸塩基配列を含む、前記核酸塩基配列から本質的になる、もしくは前記核酸塩基配列からなるか、またはGenBank受託番号NM_021007.2の核酸塩基配列を含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記オリゴヌクレオチドが、1つもしくは複数の修飾糖、1つもしくは複数の修飾ヌクレオシド間結合、及び/または1つもしくは複数の修飾核酸塩基を含む、項目1~3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾糖を含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記1つまたは複数の修飾糖の各々が独立に、二環式糖、2’-O-メトキシエチル(2MOE)修飾糖、2’-O-メトキシ(2-OMe)修飾糖、2’-メトキシ修飾糖、2’-O-アルキル修飾糖、拘束エチル(cEt)修飾糖、固定化糖、及び非固定化糖からなる群から選択される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたって2MOE修飾糖を有する、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合を含む、項目4~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記修飾されたヌクレオシド間結合の1つまたは複数が、修飾ホスフェートを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記修飾ホスフェートの各々が独立に、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、チオホスホロアミデート、チオホスホロジアミデート、メチルホスホネート、ホスホロモルホリデート、及びホスホロピペラジデートからなる群から選択される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有する、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記オリゴヌクレオチドが、前記オリゴヌクレオチドの全長にわたってホスホロジアミデートモルホリノヌクレオシド間結合を有する、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記オリゴヌクレオチドが、1つまたは複数の修飾核酸塩基を含む、項目4~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記修飾核酸塩基が、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルアデニン、2-プロピルグアニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロアデニン、8-アミノアデニン、8-チオールアデニン、8-チオアルキルアデニン、8-ヒドロキシルアデニン、8-ハログアニン、8-アミノグアニン、8-チオールグアニン、8-チオアルキルグアニン、8-ヒドロキシルグアニン、5-ブロモウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-ブロモシトシン、5-トリフルオロメチルシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-フルオロアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、及び3-デアザアデニンからなる群から選択される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、項目14に記載の方法。
(項目16)
各シトシンが5-メチルシトシンである、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
結合したデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
結合したヌクレオシドからなる5’ウィングセグメント;及び
結合したヌクレオシドからなる3’ウィングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントが、前記5’ウィングセグメントと前記3’ウィングセグメントの間に直接隣接して位置しており、各ウィングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、項目4~17のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記オリゴヌクレオチドが、12~40の核酸塩基からなる、項目1~16のいずれかに1項に記載の方法。
(項目19)
前記オリゴヌクレオチドが、16~30の核酸塩基からなる、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記対象の神経細胞におけるSCN2Aの発現を阻害することを含む、項目1~19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記SCN1A脳症が、てんかん、熱性けいれんを有する全般てんかん、家族性熱性けいれん、早期乳児てんかん性脳症6、及びドラベ症候群からなる群から選択される、項目1~20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記SCN1A脳症がドラベ症候群である、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記化合物が、髄腔内、髄内、または脳室内に投与される、項目1~22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
SCN2Aの発現の減少が治療効果をもたらす、項目1~23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記SCN1A脳症の1つまたは複数の症状を低減させる、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記SCN1A脳症の1つまたは複数の症状が、長期の発作、頻繁な発作、行動及び発達の遅延、運動及びバランスの問題、整形外科的状態、言語遅延及び発声の問題、成長及び栄養の問題、睡眠困難、慢性感染症、感覚統合障害、自律神経系の乱れ、片頭痛、ならびに発汗からなる群から選択される、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記オリゴヌクレオチドが、SCN1AプレmRNAまたはmRNAよりも、SCN2AプレmRNAまたはmRNAに対して選択的である、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
SCN1Aの発現を実質的に低減させない、項目1~27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記対象が、SCN1Aに機能獲得型変異を有する、項目1~28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記対象が、SCN1Aに機能喪失型変異を有する、項目1~29のいずれか1項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
【配列表】
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