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特許7476205パッケージを製造するための方法及びそのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】パッケージを製造するための方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20240422BHJP
   B31B 50/04 20170101ALI20240422BHJP
   B31B 50/88 20170101ALI20240422BHJP
【FI】
B65B61/02
B31B50/04
B31B50/88
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021536055
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2019085308
(87)【国際公開番号】W WO2020127019
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】18215172.0
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・スカラベッリ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-219812(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01266830(EP,A1)
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0008460(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
B31B 50/04
B31B 50/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材の巻取紙(102)から、液状食品を保持するパッケージ(112)を製造するための方法(400)であって、前記巻取紙(102)は、互いの後に配置されるいくつかのブランク(300)を含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、前記方法は、
前記包装材の巻取紙(102)を保持するリール(204)を受け取ること(402)と、
前記リール(204)に取り付けられるタグ(206)からリールデータ(210)を取り込むこと(402)と、
前記リールデータ(210)を印刷情報データベース(218)に転送すること(404)と、
前記リールデータ(210)に関連する印刷情報データ(PID)(220)を前記印刷情報データベース(218)から受信すること(406)と、
装飾が施された巻取紙(246)が形成されるように、前記PID(220)を介して提供される情報に基づいて、前記包装材の巻取紙(102)の前記ブランク(300)のそれぞれに装飾を印刷すること(408)と、
前記リールデータ(210)を包装機情報データベース(224)に転送すること(410)と、
前記リールデータ(210)に関連する包装機情報データ(PMID)(226)を前記包装機情報データベース(224)から受信すること(412)と、
前記PMID(226)を介して提供される情報に基づいて、包装機(100)において、前記装飾が施された巻取紙(246)から前記パッケージ(112)を形成すること(414)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記リール(204)上に保持される前記包装材の巻取紙(102)は、プレ印刷サブセクション(302)とオンサイト印刷サブセクション(304)とを含み、前記PID(220)は、前記包装材の巻取紙(102)の前記オンサイト印刷サブセクション(304)のための装飾データ(230)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PID(220)は、前記オンサイト印刷サブセクション(304)のためのオンサイト印刷位置情報を更に含み、前記オンサイト印刷位置情報は、基準位置として、前記装飾が施された巻取紙(246)内の基準オブジェクト(306)を使用している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準オブジェクト(306)は、プレ印刷部分(302)内のグラフィカルオブジェクトである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準オブジェクト(306)は、前記包装材の巻取紙(102)に組み込まれる基準要素である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記包装材の巻取紙(102)は、前記包装材の装飾が施された巻取紙(246)を前記パッケージ(112)に折ることを容易にするための弱化線(310)を含み、前記弱化線(310)は、前記基準オブジェクト(306)の前記基準位置に基づいて位置決めされる、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記オンサイト印刷サブセクション(304)は、前記包装材の巻取紙(102)に取り付けられるキャップを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ブランク(300)のそれぞれに印刷される前記装飾は、各ブランク(300)について個別である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記印刷情報データベース(218)及び前記包装機情報データベース(224)は、異なるアクセス制限を有する2つの別個のデータベースである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記リールデータ(210)は、少なくとも包装材情報及び液状食品情報を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記PID(220)は、印刷モジュール(202)内の前処理装置(232)、1つ若しくはいくつかのプリンタバー(234)及び/又は1つ若しくはいくつかの硬化装置(236)のための設定情報を含み、且つ前記PMID(226)は、前記包装機(100)内の殺菌装置(240)、封止装置(242)及び/又は折り装置(244)のための設定情報を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記包装材の巻取紙(102)上に印刷される前記装飾に対応する装飾データ(230)は、前記リールデータ(210)の一部である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
包装材の巻取紙(102)から、液状食品を保持するパッケージ(112)を製造するためのシステム(200)であって、前記巻取紙(102)は、互いの後に配置されるいくつかのブランク(300)を含み、各ブランク(300)は、1つのパッケージ(112)に対応し、前記システム(200)は、
前記包装材の巻取紙(102)を保持するリール(204)を受け取るように配置されるリールホルダ(208)、
前記リール(204)に取り付けられるタグ(206)からリールデータ(210)を取り込むように構成されるタグリーダ(212)、
前記リールデータ(210)を印刷情報データベース(218)に転送し、且つ前記リールデータ(210)に関連する印刷情報データ(PID)(220)を前記印刷情報データベース(218)から受信するように構成されるデータ通信モジュール(214)、
装飾が施された巻取紙(246)が形成されるように、前記PID(220)を介して提供される情報に基づいて、前記包装材の巻取紙(102)の前記ブランク(300)のそれぞれに装飾を印刷するように配置される印刷モジュール(202)
を含み、
前記データ通信モジュール(214)は、前記リールデータ(210)を包装機情報データベース(224)に転送し、且つ前記リールデータ(210)に関連する包装機情報データ(PMID)(226)を前記包装機情報データベース(224)から受信するように構成され、前記システム(200)は、
前記PMID(226)を介して提供される情報に基づいて、前記装飾が施される巻取紙(246)から前記パッケージ(112)を形成するように配置される包装機(100)を含む、システム(200)。
【請求項14】
包装材のリール(204)であって、
包装材の巻取紙(102)と、
前記リール(204)に取り付けられるタグ(206)であって、リールデータ(210)を含むタグ(206)と
を含み、前記リールデータ(210)は、装飾が前記巻取紙(102)上に印刷され得、且つパッケージ(112)が前記巻取紙(102)から形成され得るように、請求項13に記載のシステム(200)によって使用され得る、リール(204)。
【請求項15】
コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータに、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、食品包装技術等の包装技術の分野に関する。より詳細には、液状食品を保持するパッケージを製造するための方法及び装置が提示される。
【背景技術】
【0002】
今日、例えば、牛乳等の様々な種類の食品のためにロール供給包装機を用いることが一般的に知られている。充填機とも称されるロール供給包装機は、いくつかの利点を有する。1つは、パッケージの連続生産が、ブランク供給包装システムと比較してより高速を達成することを可能にすることである。別の利点は、包装材のチューブを連続的に充填し、チューブの下端にパッケージを形成することにより、望ましくない微生物がパッケージに入るリスクを低減できることである。
【0003】
包装材は、今日、カートンベースの包装材のために、場合により印刷物加工工場とも称される包装材製造センターにおいて、いわゆるフレキソ印刷を用いて最も頻繁に印刷される。印刷され、他の方法で食品を保持するために準備された後、例えば内側プラスチック層が包装材のカートン層と食品との間に形成されるように積層された後、包装材は、リール上に装填され、包装機が設置されている場所に出荷される。
【0004】
パッケージをカスタマイズする更なる可能性を提供するために、パッケージを印刷するためのいわゆるオンサイト印刷を用いることが提案されている。より詳細には、デジタル印刷モジュールは、包装機が位置する場所と同じ場所で包装材を印刷することができるように、食品を包装するための乳製品工場又は他の施設に設置することができる。このように印刷する能力を有することにより、柔軟性を提供する。即ち、パッケージの装飾を後の時点で決定することができる。
【0005】
包装材を印刷するためにデジタル印刷を用いることが公知であるが、克服する必要がある多くの課題が存在する。これらの課題の1つは、正確な印刷が達成されることを保証することができるように、包装材にリンクされたデータをオンサイト印刷モジュールに確実に提供する方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の上で特定した制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、目的は、パッケージのカスタマイズの可能性に関して高い柔軟性を提供し、パッケージ上の予め印刷された部分と、オンサイト印刷された部分との位置ずれのリスクを低減すると共に、より効率的なオンサイト印刷を達成できるように印刷モジュールと包装機とを互いにより近付けてリンクさせる方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、包装材の巻取紙から、液状食品を保持するパッケージを製造するための方法であって、巻取紙は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、方法は、包装材の巻取紙を保持するリールを受け取ることと、リールに取り付けられるタグからリールデータを取り込むことと、リールデータを印刷情報データベースに転送することと、リールデータに関連する印刷情報データ(PID)を印刷情報データベースから受信することと、装飾が施された巻取紙が形成されるように、PIDを介して提供される情報に基づいて、包装材の巻取紙のブランクのそれぞれに装飾を印刷することと、リールデータを包装機情報データベースに転送することと、リールデータに関連する包装機情報データ(PMID)を包装機情報データベースから受信することと、PMIDを介して提供される情報に基づいて、包装機において、装飾が施された巻取紙からパッケージを形成することとを含む、方法が提供される。
【0008】
リール上に保持される包装材の巻取紙は、プレ印刷サブセクションとオンサイト印刷サブセクションとを含んでもよく、PIDは、包装材の巻取紙のオンサイト印刷サブセクションのための装飾データを含んでもよい。
【0009】
PIDは、オンサイト印刷サブセクションのためのオンサイト印刷位置情報を更に含んでもよく、オンサイト印刷位置情報は、基準位置として、装飾が施された巻取紙内の基準オブジェクトを使用している。
【0010】
基準オブジェクトは、プレ印刷部分内のグラフィカルオブジェクトであってもよい。
【0011】
基準オブジェクトは、包装材の巻取紙に組み込まれる基準要素であってもよい。
【0012】
包装材の巻取紙は、包装材の装飾が施された巻取紙をパッケージに折ることを容易にするための弱化線を含んでもよく、弱化線は、基準オブジェクトの基準位置に基づいて位置決めされてもよい。
【0013】
オンサイト印刷部分は、包装材の巻取紙に取り付けられるキャップを含んでもよい。
【0014】
ブランクのそれぞれに印刷される装飾は、各ブランクについて個別であってもよい。
【0015】
印刷情報データベース及び包装機情報データベースは、異なるアクセス制限を有する2つの別個のデータベースであってもよい。
【0016】
リールデータは、少なくとも包装材情報及び液状食品情報を含んでもよい。
【0017】
PIDは、印刷モジュール内の前処理装置、1つ若しくはいくつかのプリンタバー及び/又は1つ若しくはいくつかの硬化装置のための設定情報を含み、且つPMIDは、包装機内の殺菌装置、封止装置及び/又は折り装置のための設定情報を含んでもよい。
【0018】
包装材の巻取紙上に印刷される装飾に対応する装飾データは、リールデータの一部であってもよい。
【0019】
第2の態様によれば、包装材の巻取紙から、液状食品を保持するパッケージを製造するためのシステムであって、巻取紙は、互いの後に配置されるいくつかのブランクを含み、各ブランクは、1つのパッケージに対応し、システムは、包装材の巻取紙を保持するリールを受け取るように配置されるリールホルダ、リールに取り付けられるタグからリールデータを取り込むように構成されるタグリーダ、リールデータを印刷情報データベースに転送し、且つリールデータに関連する印刷情報データ(PID)を印刷情報データベースから受信するように構成されるデータ通信モジュール、装飾が施された巻取紙が形成されるように、PIDを介して提供される情報に基づいて、包装材の巻取紙のブランクのそれぞれに装飾を印刷するように配置される印刷モジュールを含み、データ通信モジュールは、リールデータを包装機情報データベースに転送し、且つリールデータに関連する包装機情報データ(PMID)を包装機情報データベースから受信するように構成され、システムは、PMIDを介して提供される情報に基づいて、装飾が施される巻取紙からパッケージを形成するように配置される包装機を含む、システムが提供される。
【0020】
第1の態様を参照して上で説明した特徴は、第2の態様にも適用可能である。
【0021】
第3の態様によれば、包装材のリールであって、包装材の巻取紙と、リールに取り付けられるタグであって、リールデータを含むタグとを含み、リールデータは、装飾が巻取紙上に印刷され得、且つパッケージが巻取紙から形成され得るように、第2の態様に記載のシステムによって使用され得る、リールが提供される。
【0022】
第4の態様によれば、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに、第1の態様に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0023】
更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0024】
ここで、実施形態を、例として以下の添付の概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ロール供給式包装機の概略図である。
図2】印刷モジュールと包装機とを含むシステムの概略図である。
図3】巻取紙の一部を形成し得る包装材のブランクの一実施例である。
図4】巻取紙を印刷するための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、場合により充填機とも称される包装機100が実施例として概して示されている。包装機100は、液状食品をカートンベースの包装体に包装するために用いるロール供給式の包装機である。1940年代には既にこの種類の包装機がTetra Pakによって導入されており、今日では、牛乳及び他の液状食品を安全且つ費用効率の高い方法で包装するための周知のアプローチである。一般的なアプローチは、ポテトチップス等の非液状食品にも用いることができる。
【0027】
今日、包装材は、印刷物加工工場とも称される包装材製造センターにおいて印刷され、準備されることが多く、包装機100が設置されている場所、例えば乳製品工場に出荷される。通常、包装材は、輸送される前にリールに装填される。現場に到着した後、リールは、図1に示すように包装機内に設置される。
【0028】
製造中、包装材の巻取紙102を、リールから包装機を通して巻取紙供給方向Aに供給することができる。図1には示さないが、巻取紙102が、望ましくない微生物を含まないことを確実にするために、包装材は、殺菌装置、例えば過酸化水素槽又はLVEB(低電圧電子ビーム)ステーションを通過し得る。食品を提供する前に、長手方向のシールを形成することによって巻取紙102からチューブを形成することができる。食品は、パイプ104を介してチューブ内に供給され得、バルブ106は、パイプ104を通る流れを調節するために使用され得る。チューブの下端108は、横方向のシールが作成される折り装置110に供給することができ、チューブは、弱化線とも称される折り線に従って折られ、パッケージ112を形成することができるように切断される。折り装置110を1つの単一の装置として図示しているが、折り装置110は、いくつかの異なる装置を含み得る。
【0029】
図2は、印刷モジュール202及び包装機100を含むシステム200を概略図で示す。図2に示すように、印刷モジュール202は、包装機100の上流に設置することができる。このように設置された印刷モジュール202を有することによる利点は、包装材を部分的に又は完全に現場で印刷できること、即ち印刷及び包装を同じ現場で実行できることである。別の利点は、包装機100の修正を全く必要としないか又は僅かにのみ必要とすることであり得る。代替として、印刷モジュール202を包装機100の上流に別個の装置として設置する代わりに、印刷モジュール202は、図示していないが、包装機100の一体部分である。
【0030】
包装材の巻取紙102を保持するリール204は、図2に示すように、印刷モジュール202に提供することができる。リール204には、RFIDタグ等のタグ206を設け得、リール204は、リールホルダ208によって所定位置に保持されてもよい。タグ206は、リールデータ210を含むことができる。リールデータ210は、印刷モジュール202及び包装機100の設定に関する情報だけでなく、リール204に装填される巻取紙102に印刷される装飾に関する情報も提供するために使用されてもよい。
【0031】
リールデータ210は、印刷モジュール202に設けられたタグリーダ212によってタグ204から読み取られてもよい。タグ204から読み取られた後、リールデータ210は、タグリーダ212からデータ通信モジュール214に転送され、次に、それは、リールデータをクラウドコンピュータ216に転送することができ、それは、これに関連して、レシピライン管理ツールと称され得る。
【0032】
クラウドコンピュータ216からリールデータ210を印刷情報データベース218に転送することができる。印刷データベース218には、異なる巻取紙についての装飾だけでなく、異なる種類の包装材及び異なる種類の包装される製品についてのプリンタモジュール設定も格納されてもよい。リールデータ210は、包装材に関する情報、包装される製品に関する情報及び巻取紙の識別情報を含むことができる。リールデータ210に基づいて包装情報データ(PID)220を特定し、クラウドコンピュータ216に返すことができる。クラウドコンピュータ216は、次に、PID220をデータ通信モジュール214に転送することができ、これは、次に、PID220がコントローラ222に渡されることを提供し、それは、これに関連して、レシピ及びプリンタコントローラと称され得る。
【0033】
リールデータ210は、包装機情報データベース224にも転送されてもよい。包装機情報データベース224において、リールデータ210に基づいて包装機情報データ(PMID)226を特定することができる。PMID226は、異なる種類の包装材及び異なる種類の包装される製品のための包装機設定を含むことができる。PMID226がリールデータ210に基づいて特定された後、PMID226をクラウドコンピュータ216に返し、クラウドコンピュータ216からデータ通信モジュール214に且つそれからコントローラ222に転送することができる。
【0034】
印刷情報データベース218と包装機情報データベース224とを分離させることの利点は、2つのデータベースに対して異なるアクセス制限が与えられることである。
【0035】
印刷情報データベース218は、包装材の巻取紙上に印刷される装飾に関する情報と、プリンタ設定に関する情報との両方を含むため、印刷情報データベース218から分離される装飾データベース228を有することが有利であり得る。これを分離させることにより、パッケージデザイナーは、新しい装飾デザインを容易にアップロードし得るように装飾データベース228にアクセスすることができる。装飾データベース228は、印刷情報データベース218と通信することができる。例えば、それにおいて、リールデータ210を印刷情報データベース218から装飾データベース228に転送することができ、それに応じて装飾データ230を装飾データベース228から印刷情報データベース218に転送することができる。印刷情報データベース218において、装飾データ230は、次いで、リールデータ210に関するPID220に組み込まれてもよい。
【0036】
図2に示すように、データ通信モジュール214は、印刷モジュール202と包装機100との間で共有されてもよい。別の選択肢は、印刷モジュール202及び包装機100内に別個のデータ通信モジュールを有することである。同様に、コントローラ222は、印刷モジュール202と包装機100との間で共有される代わりに、印刷モジュール202及び包装機100の両方に設置され得るいくつかの異なる装置を含んでもよい。更に、印刷モジュール202を包装機100から分離させることは、包装機100がオンサイト印刷能力によりアップグレードされることを提供するため、有利であるが、印刷モジュール202を包装機100と一体化させて、2つが1つの同じ機器を形成するようにすることも可能である。
【0037】
巻取紙102上に印刷される装飾に関する情報を提供することに加えて、PID220は、印刷モジュール202の設定を調整するために使用されてもよい。設定は、前処理装置232、プリンタバー234及び硬化装置236のための設定を含んでもよい。
【0038】
巻取紙102は、図3において更に示すように、予め印刷された部分と、オンサイト印刷される部分、即ち印刷モジュール202において印刷される部分とを含んでもよい。プレ印刷部分には、基準オブジェクトを設けてもよい。基準オブジェクトは、バーコード又はQRコード等のグラフィカルオブジェクトだけでなく、ウォーターマーク、即ち昼光条件において人間の目に見えないマークであってもよい。基準位置と称される基準マークの位置は、オンサイト印刷される部分が位置に関して正確に印刷されるようにプリンタモジュール202を調整するために使用されてもよい。更に、基準オブジェクトが包装材の巻取紙102に一体化されるという選択肢がある。例えば、基準マークは、包装材の内部に配置される磁性粒子等の基準要素であってもよい。
【0039】
包装材の巻取紙102には、折り曲げ線とも称される弱化線を設けることができる。弱化線を有するための主な理由は、包装材の巻取紙102をパッケージに折ることをより信頼性の高い方法で行い得ることである。これにより、品質要件に適合しないために廃棄する必要があるパッケージが少なくなり、包装機をより高速で動作させることができ、且つ明確な縁部及び角部を有するパッケージを実現できることを提供する。弱化線とオンサイト印刷部分とが位置合わせされることを提供するために、弱化線は、基準オブジェクトの基準位置に基づいて設けられてもよい。基準オブジェクトによって提供される基準位置に対して配置される弱化線及びオンサイト印刷部分の両方を有することは、即ち、オンサイト印刷部分がプレ印刷部分に対して正確に配置されることに加えて、オンサイト印刷部分も弱化線に対して正確に配置されることを提供することができる。そうすることにより、例として、フロントパネル装飾の一部がサイドパネル上に設けられるように、フロントパネルのみに配置されるように意図されたフロントパネル装飾が弱化線に対して位置ずれするリスクを低減することができる。
【0040】
基準オブジェクトを識別するために、センサ238が使用されてもよい。基準オブジェクトがグラフィカルオブジェクトである場合、センサ238は、視覚センサであってもよい。代わりに、基準オブジェクトが、巻取紙102に埋め込まれた磁性粒子である場合、センサ238は、磁気センサであってもよい。センサ238が基準オブジェクトを識別した後、基準位置、即ち基準オブジェクトの位置を特定することができる。基準位置と、オンサイト印刷部分が基準位置に対してどのように配置されるかを含み得るPIDとに基づいて、オンサイト印刷部分を巻取紙102上に印刷してもよい。
【0041】
包装機100に設けられたPMID226は、殺菌装置240、封止装置242及び折り装置244を設定するために使用されてもよい。このようにして、これらの装置は、使用される包装材に合わせて調整されるだけでなく、印刷モジュール202において行われる印刷にも適合されてもよい。例えば、殺菌装置240は、巻取紙102が印刷モジュール202内でどのように硬化されたかに基づいて適合されてもよい。基準オブジェクトは、包装機100でも使用され得る。例えば、基準オブジェクトは、巻取紙をパッケージ内に封止する場合に使用されてもよい。長手方向の封止を設けることによってチューブを形成する場合及び横方向の封止を設けることによってチューブからパッケージ112を形成する場合の両方がある。
【0042】
従って、リール204が受け取られた後、巻取紙246が、印刷モジュール202内において、装飾が施された巻取紙102に変換される場合及び装飾が施された巻取紙246が包装機100内においてパッケージ112に変換される場合の両方で、印刷モジュール202及び包装機100の両方は、リール204上に設けられた巻取紙102に対して調整することができる。
【0043】
図3は、パッケージ112の1つに形成することができる包装材のブランク300の一実施例を示す。この特定の実施例において、オフサイト印刷されるプレ印刷部分302は、ブランク300の主要部分を覆い、一片の小部分は、印刷モジュール202において、即ち現場で印刷されるオンサイト印刷部分304である。基準オブジェクト306を提供することができ、図示のように、オンサイト印刷部分304の位置は、基準位置、即ち基準オブジェクト306の位置に基づいて特定することができる。オンサイト印刷部分304の位置は、基準位置に対して、本明細書中でXと表す第1の方向に対する第1の距離及び本明細書中でYと表す第2の方向に対する第2の距離として特定することができる。この情報並びにオンサイト印刷部分304の高さ及び幅は、PID220を介して印刷モジュール202に提供されてもよい。代替として、情報は、リールデータ210から直接提供されてもよい。
【0044】
追加の基準オブジェクト308も同様に提供されてもよい。この実施例において、追加のグラフィカルオブジェクト308は、グラフィカルオブジェクトである。2つの基準オブジェクト、基準オブジェクト306及び追加の基準オブジェクト308を有することにより、オンサイト印刷部分304の位置をより正確に特定してもよい。基準オブジェクト306が、巻取紙に埋め込まれた基準オブジェクトであり、追加の基準オブジェクト308がグラフィカルオブジェクトである場合、印刷モジュール202がプレ印刷部分302の品質評価を行うこと、即ちプレ印刷部分302が包装材製造センターにおいて正しく配置されていることを保証することも可能である。
【0045】
弱化線310は、ブランク300内に設けられてもよい。折り曲げ線とも称される弱化線310は、プレ印刷部分304が印刷される前又は後に包装材製造センターにおいて提供することができる。
【0046】
1つのみのプレ印刷部分302及び1つのみのオンサイト印刷部分304を示す場合でも、これは、単なる一実施例であり、任意の数のプレ印刷部分302及びオンサイト印刷部分304が可能であり、また非印刷部分が存在し得ることが理解されるものとする。
【0047】
図示していないが、ブランク300は、キャップを含んでもよく、それは、これに関連して、任意の種類の開口装置として理解されるべきである。キャップは、オンサイト印刷部分304の一部を形成してもよい。
【0048】
図4は、巻取紙102を印刷するための方法を示すフローチャート400である。第1のステップ402において、リール204を受け取ることができる。第2のステップ404において、リールデータ210を取り込むことができる。次に、第3のステップ406において、リールデータ210を印刷情報データベース218に転送することができる。第4のステップ408において、PID200を印刷情報データベース218から受信することができる。第5のステップ410において、装飾を巻取紙のブランク上に印刷することができる。第6のステップ412において、リールデータ210を包装機情報データベース224に転送することができる。それに応じて、第7のステップ414において、PMID226を受信することができる。第8のステップ416において、パッケージ112を、PMID226を介して提供される情報に基づいて形成することができる。
【0049】
特定の順序で提示されているとしても、ステップは、異なる順序で実行され得ることが理解されるものとする。
【0050】
本発明の様々な実施形態を説明し、示してきたが、上記の説明から、本発明は、それらに限定されず、以下の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内にある他の方法でも具現化される。
図1
図2
図3
図4