(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】航空機
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A01M7/00 H
(21)【出願番号】P 2021542205
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2020050871
(87)【国際公開番号】W WO2020152001
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-13
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー、チャールズ、チャップル
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0145191(US,A1)
【文献】中国特許第105292480(CN,B)
【文献】特開2018-127076(JP,A)
【文献】国際公開第2018/216214(WO,A1)
【文献】特開2016-144990(JP,A)
【文献】中国実用新案第206885357(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0319500(US,A1)
【文献】特開2012-126216(JP,A)
【文献】国際公開第2017/134658(WO,A1)
【文献】特開2009-269493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
B64B 1/00- B64U 80/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液タンク(20)と、
少なくとも1つの噴霧装置(30)と、
少なくとも1つのアクチュエータ(40)と、
複数のセンサ(50)と、
処理装置(60)と、
を含む航空機(10)であって、
前記薬液タンクは、薬液を保持するように構成され、
前記少なくとも1つの噴霧装置は、前記薬液を噴霧するように構成され、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成され、
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ(51)は、地面に対する前記航空機の速度を測定するように構成され、
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ(52)は、前記航空機の前後軸に対して前記航空機に対する空気運動方向を測定するように構成され、
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ(53)は、前記航空機に対する空気運動速度を測定するように構成され、
前記複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ(54)は、前記地面または農作物からの前記航空機の高さが決定され得るデータを提供するように構成され、前記処理装置は、前記地面に対する前記決定された空気運動速度の大きさに依存する前記地面または農作物からの高さまで前記航空機を飛行させるように構成され、
前記処理装置は、前記地面上への前記前後軸の投影に対する空気運動方向を決定し、前記地面に対する空気運動速度を決定するように構成され、前記決定は、前記航空機の前記速度、前記航空機の前記前後軸に対して前記航空機に対する前記空気運動方向、および前記航空機に対する前記空気運動速度の利用を含み、
前記処理装置は、前記航空機の少なくとも1つの飛行動作を制御する、および/または少なくとも1つのアクチュエータを制御するように構成され、前記航空機の前記少なくとも1つの飛行動作の制御のための少なくとも1つの命令の決定、および/または前記少なくとも1つのアクチュエータの制御のための少なくとも1つの命令の決定が、前記地面上への前記前後軸の投影に対する前記決定された空気運動方向、および前記地面に対する前記決定された空気運動速度の利用を含
み、
前記少なくとも1つの飛行動作の制御は、前記地面または農作物からの前記航空機の高さを変動させることを含み、
前記処理装置は、前記地面上への前記前後軸の投影に対する前記決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに依存する前記地面または農作物からの高さで前記航空機を飛行させるように構成される、
航空機。
【請求項2】
前記航空機が飛行される前記地面または農作物からの前記高さは、前記空気方向角度の余弦を乗じた前記地面に対する前記空気運動速度に基づいて計算される、請求項
1に記載の航空機。
【請求項3】
前記処理装置は、前記地面に対する前記決定された空気運動速度の大きさが1つまたは複数のしきい値を超えるとき、前記航空機を下方向に飛行させるように構成される、請求項
1または2に記載の航空機。
【請求項4】
前記1つまたは複数のしきい値は、空気方向角度の大きさに依存し、前記空気方向角度は、前記地面に対する前記決定された空気運動方向と前記地面上への前記航空機の前記前後軸の投影との間の角度である、請求項
3に記載の航空機。
【請求項5】
前記1つまたは複数のしきい値は、複数のしきい値であり、前記複数のしきい値のうちの1つのしきい値は、前記空気方向角度の余弦を乗じた既定の空気運動速度に基づいて決定される、請求項
4に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機に関する。
【背景技術】
【0002】
風および突風によって引き起こされる噴霧ドリフトは、農業生産における大きな問題である。噴霧滴液が、脆弱区域内、傍にいる人、水域、および近隣の田畑などの非標的表面上へドリフトする。
【0003】
この問題に対処する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
噴霧ドリフトの影響を軽減する方法を有することが有利であろう。
【0005】
本発明の目的は、独立請求項の主題により解決され、更なる実施形態は、従属請求項内に組み込まれる。
【0006】
一態様において、
薬液タンクと、
少なくとも1つの噴霧装置と、
少なくとも1つのアクチュエータと、
複数のセンサと、
処理装置と、
を含む航空機が提供される。
【0007】
薬液タンクは、薬液を保持するように構成される。少なくとも1つの噴霧装置は、薬液を噴霧するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、地面に対する航空機の速度を測定するように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、航空機の前後軸に対して航空機に対する空気運動方向を測定するように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、航空機に対する空気運動速度を測定するように構成される。処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する空気運動方向を決定し、地面に対する空気運動速度を決定するように構成される。この決定は、航空機の速度、航空機の前後軸に対して航空機に対する空気運動方向、および航空機に対する空気運動速度の利用を含む。処理装置は、航空機の少なくとも1つの飛行動作を制御する、および/または少なくとも1つのアクチュエータを制御するように構成される。航空機の少なくとも1つの飛行動作の制御のための少なくとも1つの命令の決定、および/または少なくとも1つのアクチュエータの制御のための少なくとも1つの命令の決定は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向、および地面に対する決定された空気運動速度の利用を含む。
【0008】
言い換えると、空気速度および空気方向は、移動している場合のある航空機の基準系に対して測定され、地面上の静止基準系へ移行され、地面に関する決定された空気速度および方向は、移動している場合のある航空機がどのように薬液を噴霧するかを制御するために使用される。
【0009】
この様式では、風によって引き起こされる噴霧液のドリフトの影響は、航空機の制御および/または噴霧装置自体の制御により軽減され得、この軽減は実際の風の速度および方向を考慮している。故に、航空機は、田畑の縁のより近く、および/もしくは歩道、つまり噴霧されるべきでない領域、のより近くに噴霧することができ、ならびに/または、噴霧は、その噴霧適用動作のための法的に要求される制限以内に留まりながら、現在達成できるものよりも高い航空機速度および高い風速で実施され得る。
【0010】
故に、噴霧ドリフトは、風の方向および速度を考慮し、またドリフト軽減の様々な側面(例えば、ドリフト低減ノズル、噴霧高さ、農作物の葉の密度、農作物外の葉による遮断)を組み合わせて、軽減され得る。
【0011】
薬液タンクおよび薬液に対する上の言及は、異なる液体、または液体および粉末などの個体を保持する2つのタンクが存在することを除外するものではなく、それらの2つのタンクの内容物は、その後、混合され、またその後、薬液として噴霧される。故に、1つのレベルにおいて、薬液タンクは、噴霧装置に接続されるチューブであってもよく、噴霧装置がそのチューブ内に保持される薬液を噴霧し、これは、2つの異なる流体、または流体および個体が、事前に混合され、次いで薬液として接続チューブに提供され、その後噴霧されるとしてもそうである。
【0012】
また、噴霧装置は、任意の種類またはタイプの、ノズルなどの噴霧デバイスを指す。
【0013】
例において、少なくとも1つの飛行動作の制御は、地面からの航空機の高さまたは農作物からの高さを変動させることを含む。
【0014】
故に、このやり方では、風の速度および/または方向がより多くの噴霧ドリフトを、例えば、航空機の運動方向に垂直の横方向にもたらすとき、航空機は、航空機運動方向により垂直の方向における風速増加および/または風方向移動の結果として、噴霧ドリフトが増大することが予期される場合、より低く飛行することができ、このことは、航空機が田畑の境界で噴霧しており、その境界に平行に飛行しているときに重要になり得る。
【0015】
言い換えると、風の速度および方向が、望ましくない噴霧ドリフトが発生し得るようなものである場合、噴霧は、低減された地面からの高さまたは農作物からの高さで実施され得、噴霧が噴霧装置から地面または農作物まで進む時間がより小さいため、より少ないドリフトをもたらし、故に、噴霧ドリフトは少なくなる。
【0016】
例において、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、地面からの航空機の高さまたは農作物からの高さが決定され得るデータを提供するように構成される。処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさに依存する地面または農作物からの高さまで航空機を飛行させるように構成される。
【0017】
この様式では、噴霧装置は、風速を考慮して、噴霧ドリフトを軽減するために理想の位置に位置付けられ得る。
【0018】
例において、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに依存する地面または農作物からの高さで航空機を飛行させるように構成される。
【0019】
この様式では、噴霧装置は、風の方向を考慮して、噴霧ドリフトを軽減するために理想の位置に位置付けられ得る。
【0020】
例において、航空機が飛行される地面または農作物からの高さは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に基づいて計算される。
【0021】
言い換えると、横風、または噴霧ドリフトの航空機の進行運動方向に垂直である風の成分の影響は、航空機の高さの適切な制御および/または噴霧装置自体の制御を通じて軽減され得る。
【0022】
例において、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさが1つまたは複数のしきい値を超えるとき、航空機を下方向に飛行させるように構成される。
【0023】
この様式では、噴霧は、風速が既定の大きさを超えるまで既定の様式で継続することができ、その後、噴霧ドリフトが問題になり得るときに、是正措置がこの状況に対して取られ得る。これは、エネルギーを節約し、また、システムが最適設定を探し続け得るハンチングの可能性を軽減する。
【0024】
例において、1つまたは複数のしきい値は、空気方向角度の大きさに依存する。空気方向角度は、地面に対する決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0025】
例において、1つまたは複数のしきい値は、複数のしきい値であり、複数のしきい値のうちの1つのしきい値は、空気方向角度の余弦を乗じた既定の空気運動速度に基づいて決定される。
【0026】
例において、少なくとも1つの噴霧装置は、航空機に移動可能に装着される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、垂直軸に対する少なくとも1つの噴霧装置の角度が決定され得るデータを提供するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を垂直軸に対して少なくとも1つの回転角度だけ回転させるように構成される少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータを含む。処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置のうちの1つまたは複数を回転させるように、少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータのうちの1つまたは複数を制御するように構成される。
【0027】
このやり方では、噴霧装置は、わずかに風上に噴霧するための角度であり得、これにより、そうでなければ噴霧ドリフトを引き起こし得る風の速度および方向を軽減する。
【0028】
故に、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を回転させるように構成される少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータを含む。
【0029】
例において、水平軸は、航空機の前後軸に垂直の方向に延び、また垂直軸に垂直の方向に延びる。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、水平軸に対する少なくとも1つの噴霧装置の角度が決定され得るデータを提供するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を水平軸に対して少なくとも1つの回転角度だけ回転させるように構成される少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータを含む。処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置のうちの1つまたは複数を回転させるように、少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータのうちの1つまたは複数を制御するように構成される。
【0030】
故に、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を回転させるように構成される少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータを含む。
【0031】
例において、処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置を垂直軸に対して同じ回転角度だけ一斉に回転させるように、少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータを制御するように構成される。
【0032】
例において、処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置を水平軸に対して同じ回転角度だけ一斉に回転させるように、少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータを制御するように構成される。
【0033】
例において、処理装置による少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさの利用を含む。
【0034】
例において、処理装置による少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさの利用を含む。空気方向角度は、地面上への前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0035】
例において、垂直軸に対する少なくとも1つの回転角度は、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に基づく。
【0036】
例において、少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置が薬液を噴霧するのを開始させるように構成され、および少なくとも1つの噴霧装置が薬液を噴霧するのを停止させるように構成される、少なくとも1つの起動アクチュエータを含む。
【0037】
故に、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置が噴霧することを停止し、実際にそれが再び噴霧することを開始させるように構成される少なくとも1つの起動アクチュエータを含む。
【0038】
例において、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの起動アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置が薬液を噴霧することを停止させるように制御するように構成される。
【0039】
この様式では、風速と風方向との組み合わせが、1つまたは複数の噴霧装置からの噴霧が問題となる噴霧ドリフトを引き起こし得る状況をもたらすとき、それらの装置はオフにされ得る。故に、例えば、航空機は、田畑の端において動作することができ、噴霧装置からの噴霧が田畑の境界を越えることを引き起こす突風は、それらの噴霧装置をオフにすることによって軽減され得る。
【0040】
例において、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの起動アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置が薬液を噴霧することを停止させるように制御するように構成される。空気方向角度は、地面上への前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0041】
例において、噴霧装置が噴霧することを停止させるための決定は、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に基づく。
【0042】
例において、少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するように構成される少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータを含む。
【0043】
故に、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置によって噴霧される液滴サイズを制御するように構成される少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータを含む。
【0044】
例において、処理装置は、地面上への航空機の前後軸の投影に対する決定された空気運動速度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するために、制御するように構成される。
【0045】
例において、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさにおける増加に基づいて、液滴サイズを増加させるように構成される。
【0046】
この様式では、風の速度および/または方向が、さもなければ問題となる噴霧ドリフトをもたらすと、噴霧される液滴サイズは、噴霧ドリフトを軽減するために増加され得るが、これは、小さい噴霧液滴と比較して、大きい噴霧液滴ほど、受けるドリフトが小さいからである。
【0047】
例において、処理装置は、地面上への航空機の前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するために、制御するように構成される。空気方向角度は、地面上への航空機の前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0048】
例において、液滴サイズは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に決定される。
【0049】
例において、少なくとも1つの噴霧装置は、航空機に移動可能に装着される。少なくとも1つの噴霧装置は、航空機の本体部から離れる方および向かう方へ移動されるように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を航空機の本体部から離れる方および向かう方へ移動させるように構成される少なくとも1つの延長アクチュエータを含む。処理装置による少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面または農作物からの少なくとも1つの噴霧装置の高さを変動させるように少なくとも1つの延長アクチュエータを制御することを含む。
【0050】
故に、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を航空機の本体部から離れる方および向かう方へ移動させるように構成される少なくとも1つの延長アクチュエータを含む。
【0051】
例において、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、地面または農作物からの少なくとも1つの噴霧装置の高さが決定され得るデータを提供するように構成される。処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさに依存する地面または農作物からの高さに少なくとも1つの噴霧装置を位置付けるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0052】
この様式では、噴霧装置は、風速を考慮して、噴霧ドリフトを軽減するために理想の位置に位置付けられ得る。
【0053】
例において、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに依存する地面または農作物からの高さに少なくとも1つの噴霧装置を位置づけるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0054】
例において、少なくとも1つの噴霧装置が位置付けられる地面または農作物からの高さは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に基づいて計算される。
【0055】
言い換えると、横風、または噴霧ドリフトの航空機の進行運動方向に垂直である風の成分の影響は、航空機の高さの適切な制御および/または噴霧装置自体の制御を通じて軽減され得る。
【0056】
例において、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさが1つまたは複数のしきい値を超えるとき、少なくとも1つの噴霧装置を下方向に移動させるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0057】
この様式では、噴霧は、風速が既定の大きさを超えるまで既定の様式で継続することができ、その後、噴霧ドリフトが問題になり得るときに、是正措置がこの状況に対して取られ得る。これは、エネルギーを節約し、また、システムが最適設定を探し続け得るハンチングの可能性を軽減する。
【0058】
例において、1つまたは複数のしきい値は、空気方向角度の大きさに依存する。空気方向角度は、地面に対する決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0059】
例において、1つまたは複数のしきい値は、複数のしきい値であり、複数のしきい値のうちの1つのしきい値は、空気方向角度の余弦を乗じた既定の空気運動速度に基づいて決定される。
【0060】
処理装置がアクチュエータ、および/または航空機の飛行動作を制御するように構成されることが説明される上記において、これは、その制御のための命令を決定する処理装置に関する。例えば、処理装置は、アクチュエータを動作させるために使用される信号の形態で命令を決定することができる。例えば、処理装置は、特定の様式で航空機を飛行させるための命令を決定することができる。これは、航空機を飛行させるために直接使用される信号の形態、または、後で必要に応じて航空機を飛行させる専用飛行制御装置に提供される信号の形態にあり得る。
【0061】
上記態様および例は、以後説明される実施形態から明白になり、またこれを参照して説明されるものとする。
【0062】
例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、航空機10の例を示す。航空機は、薬液タンク20、少なくとも1つの噴霧装置30、少なくとも1つのアクチュエータ40、複数のセンサ50、および処理装置60を含む。薬液タンクは、薬液を保持するように構成される。少なくとも1つの噴霧装置は、薬液を噴霧するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を動作および/または移動させるように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ51は、地面に対する航空機の速度を測定するように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ52は、航空機の前後軸に対して航空機に対する空気運動方向を測定するように構成される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ53は、航空機に対する空気運動速度を測定するように構成される。処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する空気運動方向を決定し、地面に対する空気運動速度を決定するように構成される。この決定は、航空機の速度、航空機の前後軸に対して航空機に対する空気運動方向、および航空機に対する空気運動速度の利用を含む。処理装置は、航空機の少なくとも1つの飛行動作を制御する、および/または少なくとも1つのアクチュエータを制御するように構成される。航空機の少なくとも1つの飛行動作の制御のための少なくとも1つの命令の決定、および/または少なくとも1つのアクチュエータの制御のための少なくとも1つの命令の決定は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向、および地面に対する決定された空気運動速度の利用を含む。
【0065】
例において、地面に対する航空機の速度を測定するように構成される少なくとも1つのセンサ51は、GPSシステムを含む。
【0066】
例において、地面に対する航空機の速度を測定するように構成される少なくとも1つのセンサ51は、レーザ反射率ベースのシステムを含む。
【0067】
例において、航空機に対する空気運動方向を測定するように構成される少なくとも1つのセンサ52は、風向計を含む。
【0068】
例において、航空機に対する空気運動速度を測定するように構成される少なくとも1つのセンサ53は、風力計を含む。
【0069】
例において、航空機に対する空気運動速度を測定するように構成される少なくとも1つのセンサ53は、ピート管を含む。
【0070】
例によると、少なくとも1つの飛行動作の制御は、地面または農作物からの航空機の高さを変動させることを含む。
【0071】
例によると、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ54は、地面または農作物からの航空機の高さが決定され得るデータを提供するように構成される。処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさに依存する地面または農作物からの高さまで航空機を飛行させるように構成される。
【0072】
例において、高さを決定するために使用されるセンサは、レーダセンサである。
【0073】
例において、高さを決定するために使用されるセンサは、レーザ飛行時間センサである。
【0074】
例において、少なくとも1つのセンサ54は、地面または農作物からの噴霧装置の高さを決定するように構成される。例えば、噴霧装置は、航空機の本体部に対して移動可能であり得、例えば、航空機の下の伸縮延長部に取り付けられている。
【0075】
例によると、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに依存する地面または農作物からの高さで航空機を飛行させるように構成される。
【0076】
例によると、航空機が飛行される地面または農作物からの高さは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に基づいて計算される。
【0077】
例によると、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさが1つまたは複数のしきい値を超えるとき、航空機を下方向に飛行させるように構成される。
【0078】
例によると、1つまたは複数のしきい値は、空気方向角度の大きさに依存する。空気方向角度は、地面に対する決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0079】
例によると、1つまたは複数のしきい値は、複数のしきい値である。複数のしきい値のうちの1つのしきい値は、空気方向角度の余弦を乗じた既定の空気運動速度に基づいて決定される。
【0080】
例によると、少なくとも1つの噴霧装置は、航空機に移動可能に装着される。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ55は、垂直軸に対する少なくとも1つの噴霧装置の角度が決定され得るデータを提供するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータ40は、少なくとも1つの噴霧装置を垂直軸に対して少なくとも1つの回転角度だけ回転させるように構成される少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータ41を含む。処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置のうちの1つまたは複数を回転させるように、少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータのうちの1つまたは複数を制御するように構成される。
【0081】
例によると、水平軸は、航空機の前後軸に垂直の方向に延び、また垂直軸に垂直の方向に延びる。複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ56は、水平軸に対する少なくとも1つの噴霧装置の角度が決定され得るデータを提供するように構成される。少なくとも1つのアクチュエータ40は、少なくとも1つの噴霧装置を水平軸に対して少なくとも1つの回転角度だけ回転させるように構成される少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータ42を含む。処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置のうちの1つまたは複数を回転させるように、少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータのうちの1つまたは複数を制御するように構成される。
【0082】
例によると、処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置を垂直軸に対して同じ回転角度だけ一斉に回転させるように、少なくとも1つの第1の回転子アクチュエータを制御するように構成される。
【0083】
例によると、処理装置は、少なくとも1つの噴霧装置を水平軸に対して同じ回転角度だけ一斉に回転させるように、少なくとも1つの第2の回転子アクチュエータを制御するように構成される。
【0084】
例によると、処理装置による少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさの利用を含む。
【0085】
例によると、処理装置による少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさの利用を含む。空気方向角度は、地面上への前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0086】
例によると、垂直軸に対する少なくとも1つの回転角度は、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に基づく。
【0087】
例によると、少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置が薬液を噴霧するのを開始させるように構成され、および少なくとも1つの噴霧装置が薬液を噴霧するのを停止させるように構成される、少なくとも1つの起動アクチュエータ43を含む。
【0088】
例によると、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの起動アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置が薬液を噴霧することを停止させるように制御するように構成される。
【0089】
例によると、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの起動アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置が薬液を噴霧することを停止させるように制御するように構成される。空気方向角度は、地面上への前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0090】
例によると、噴霧装置が噴霧することを停止させるための決定は、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に基づく。
【0091】
例によると、少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するように構成される少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータ44を含む。
【0092】
例によると、処理装置は、地面上への航空機の前後軸の投影に対する決定された空気運動速度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するために、制御するように構成される。
【0093】
例によると、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさにおける増加に基づいて、液滴サイズを増加させるように、少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータのうちの1つまたは複数を制御するように構成される。
【0094】
例によると、処理装置は、地面上への航空機の前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの噴霧調節アクチュエータのうちの1つまたは複数を、等しい数の噴霧装置によって噴霧される薬液の液滴サイズを制御するために、制御するように構成される。空気方向角度は、地面上への航空機の前後軸の投影の決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0095】
例によると、液滴サイズは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に少なくとも部分的に決定される。
【0096】
例によると、少なくとも1つの噴霧装置は、航空機に移動可能に装着される。少なくとも1つの噴霧装置は、航空機の本体部から離れる方および向かう方へ移動されるように構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの噴霧装置を航空機の本体部から離れる方および向かう方へ移動させるように構成される少なくとも1つの延長アクチュエータ45を含む。少なくとも1つのアクチュエータの制御は、地面または農作物からの少なくとも1つの噴霧装置の高さを変動させるように少なくとも1つの延長アクチュエータを制御することを含む。
【0097】
例において、噴霧装置は、航空機の真下の延長可能および引き込み可能な取り付け部に取り付けられ、噴霧装置と航空機の本体部との間の距離が変動されることを可能にする。故に、航空機は、地面または農作物から一定の高さで飛行され得、地面または農作物からの噴霧装置の高さは変動され得る。このやり方では、噴霧ドリフトの可能性が増加する場合、これを軽減するための1つのやり方は、噴霧装置の高さを変動させるが、航空機を最適飛行高さに維持することによる、より低い高さからの噴霧である。噴霧される液体は、このとき、低減された時間にわたって空気中にあり、結果として、横にドリフトする時間はより少なく、これにより噴霧ドリフトを軽減する。
【0098】
例において、センサは、航空機の本体部の下の噴霧装置の距離を測定し、したがって、適切なセンサの使用を通じて地面または農作物からの航空機の本体部の高さを知ることにより、地面または農作物からの噴霧装置の高さが決定され得る。
【0099】
例によると、複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサ57は、地面または農作物からの少なくとも1つの噴霧装置の高さが決定され得るデータを提供するように構成される。処理装置は、地面または農作物に対する決定された空気運動速度の大きさに依存する地面または農作物からの高さに少なくとも1つの噴霧装置を位置付けるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0100】
例において、高さを決定するために使用されるセンサは、レーダセンサである。
【0101】
例において、高さを決定するために使用されるセンサは、レーザ飛行時間センサである。
【0102】
例によると、処理装置は、地面上への前後軸の投影に対する決定された空気運動方向の空気方向角度の大きさに依存する地面または農作物からの高さに少なくとも1つの噴霧装置を位置づけるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0103】
例によると、少なくとも1つの噴霧装置が位置付けられる地面または農作物からの高さは、空気方向角度の余弦を乗じた地面に対する空気運動速度に基づいて計算される。
【0104】
例によると、処理装置は、地面に対する決定された空気運動速度の大きさが1つまたは複数のしきい値を超えるとき、少なくとも1つの噴霧装置を下方向に移動させるように、少なくとも1つの延長アクチュエータを制御するように構成される。
【0105】
例によると、1つまたは複数のしきい値は、空気方向角度の大きさに依存する。空気方向角度は、地面に対する決定された空気運動方向と地面上への航空機の前後軸の投影との間の角度である。
【0106】
例によると、1つまたは複数のしきい値は、複数のしきい値である。複数のしきい値のうちの1つのしきい値は、空気方向角度の余弦を乗じた既定の空気運動速度に基づいて決定される。
【0107】
図2は、田畑における農作物の上を飛行し、これに噴霧する例示的な航空機10の平面図を示す。航空機は、田畑の境界の近くに、およびこれに平行に、飛行しており、風は、境界に向かう成分を伴って吹いている。機体は、速度V
Sで飛行しており、風は、特定の方向に速度V
AGで吹いている。航空機は、航空機に対して、言い換えると、航空機からの基準において、風の方向および速度の両方を決定するために、風力計および風向計を有する。航空機の運動に起因して、測定される風方向および風速は共に、示されるように、それらの真の地上値から歪められている。故に、航空機において測定される風速は、V
AVへと歪められている。しかしながら、ベクトルベースの分析が、実際の地上風方向および風速を決定するために使用され得る。このやり方では、田畑の境界へ向かう風速の成分は、地面に関して、決定され得る。次いで、航空機の処理装置は、風が強すぎ、また風の方向が横ドリフトをもたらす場合、その噴霧装置を地面または農作物のより近くへ位置付けることができ、および/または処理装置は、噴霧装置を風の中へドリフトもしくは傾斜させることに左右されないより大きい液滴を噴霧するように、噴霧装置自体を制御することができる。航空機は、地面または農作物のより近くで飛行すること、および/または噴霧装置をその本体部から離れる方へ下方向に延長することによって、噴霧装置を地面または農作物のより近くへ移動させることができる。噴霧液に対する機体の絶対速度は、特に重要でないことが分かっている。これは、噴霧液が航空機の前進速度に等しい前進速度を有するためであるが、噴霧は、非常に急速に遅延され、その後、空気からの抗力によって統制される速度で重力下で落ち、移動する空気、すなわち風によって大域的に運ばれる。
【0108】
故に、以下の状況が適用され得、ここでは航空機は、噴霧ドリフトの影響を軽減するために適切な措置を取る。故に、風は、機体の順方向に垂直に吹く成分を有する風速を有する。風速のこの成分は、VAG1である。処理装置は、航空機をわずかに下方に飛行させているが、さらに下方に飛行させることは、農作物に近すぎるところに航空機を位置付けることになる。故に、処理装置は、噴霧装置を下方に延長するようにアクチュエータを制御しており、その結果として、噴霧装置は、H1に等しい地面または農作物からの距離に位置付けられる。この距離は、田畑内でのこの位置では、噴霧ドリフトが問題にならないように決定されており、境界の上に吹き飛ばされないという点で最適であるように決定されている。しかしながら、変動する風速および/または変化する風方向に関して、突風が吹いているため、ここでは、順方向に垂直の風速の成分は、値VAG2へ増大されている。この例では、処理装置は、噴霧装置を高さH2へさらに下げることによって、さもなければ発生するドリフトの影響を軽減し、ここでは、より小さいドリフトが存在することになるということが決定されており、また処理装置は、同時に、噴霧装置から直ちに出る噴霧がわずかに風上に噴霧されているように、噴霧装置をわずかに風の中へ傾斜させる。噴霧ドリフトは、噴霧されるべき標的に到達する前に進む距離がより小さい噴霧液滴に起因して軽減され、したがって、横ドリフトはより小さくなる。速度VAG3を有する横成分に至るまで突風がさらに吹くと、処理装置は、噴霧ドリフトを軽減するために、噴霧装置をさらに下げることまたは傾斜させることができないことを決定し、したがって、より大きいサイズを有する液滴を噴霧するように噴霧装置を制御する。これらのより大型の液滴は、それらの断面積に関して増大した質量を有し、より小さい液滴よりも重力下でより速く落ち、したがって、それらが地面または農作物に到達する前に風で横方向に遠くまで運ばれることがなく、これにより噴霧ドリフトを軽減する。
【0109】
本発明は、図面および前述の説明において詳細に例証および説明されているが、そのような例証および説明は、例証的または例示的と見なされるものであり、限定的ではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変異形は、図面、本開示、および従属請求項の研究から、特許請求された発明を実践することにおいて当業者により理解および達成され得る。
【0110】
特許請求項において、「含む」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数形を除外するものではない。単一のプロセッサまたは他の装置が、特許請求項において列挙されるいくつかの項目の機能を満たし得る。特定の方策が相互に異なる従属請求項内に列挙されるということでだけでは、これらの方策の組み合わせを、利益をもたらすために使用することができないということは示さない。特許請求項内のいかなる参照符号も、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。