(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ロータブレードの外面に取り付けられたアドオン部品の縁部からの移行部を作製するための方法
(51)【国際特許分類】
F03D 1/06 20060101AFI20240422BHJP
F03D 80/50 20160101ALI20240422BHJP
【FI】
F03D1/06
F03D80/50
(21)【出願番号】P 2021553085
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2020056259
(87)【国際公開番号】W WO2020182763
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519081710
【氏名又は名称】シーメンス ガメサ リニューアブル エナジー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Siemens Gamesa Renewable Energy A/S
【住所又は居所原語表記】Borupvej 16, 7330 Brande, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハルトヴィヒ ローゼ
(72)【発明者】
【氏名】ギリダル ラマヌイアム
(72)【発明者】
【氏名】アネ コルト ディ ジェッナーロ
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03144525(EP,A1)
【文献】特開2006-098182(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0016426(US,A1)
【文献】国際公開第2018/051153(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0108457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/06
F03D 80/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータブレード(1)の外面(2)に取り付けられたアドオン部品(3)の縁部(3E)からの移行部を作製するための方法であって、
- シーラントコンパウンド(LS)で覆われる前記ロータブレードの表面(2)と前記アドオン部品(3)との塗布領域を肉薄の平滑なマスキングテープ(8)で画定するステップと、
- 前記塗布領域へ前記シーラント(LS)を分配するステップと、
- 前記シーラント(LS)を分布させるステップと、
- 前記マスキングテープ(8)を除去するステップと、
-
前記マスキングテープ(8)を除去するステップの後に、可撓性ツール(7)でシーラント(LS)の移行段差を平滑化するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記シーラント(LS)が、前記アドオン(3)の前記縁部(3E)と重畳するように形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記シーラント(LS)の分布は、前記シーラント(LS)が前記塗布領域に分配された後、前記シーラント(LS)をレベリングするための歯付きヘラ(6)を使用することによって実現される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記歯付きヘラ(6)は、可撓性材料製である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記歯付きヘラ(6)の歯(6a)が、1~2mmのピッチおよび/または0.2~5mmの高さを有する、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前記可撓性ツール(7)が、30より大きいショアA硬度を有する第2のヘラである、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記可撓性ツール(7)が、40より大きいショアA硬度を有する第2のヘラである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記可撓性ツール(7)が、70より小さいショアA硬度を有する第2のヘラである、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記可撓性ツール(7)が、60より小さいショアA硬度を有する第2のヘラである、請求項6または7記載の方法。
【請求項10】
前記可撓性ツール(7)が、可撓性材料を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記可撓性ツール(7)が、前記塗布に適した断面形状と、シーリング材料の付着を防止する低エネルギー表面とを有する可撓性材料を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記可撓性ツール(7)が、シリコーン材料を含む、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記可撓性ツール(7)は、前記シーラント(LS)との意図された接触領域が存在する先端(7d)を備える、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記可撓性ツール(7)は、前記先端(7d)に対して平行に延びる幾つかの溝(7a)および/または前記先端(7d)の反対側の端部にある幾つかのフィン(7b,7c)を備える、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記マスキングテープ(8)が0.2mm未満の厚さを有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記シーラント(LS)の分配が、ビード塗布もしくはスプレー塗布、ロール塗布、またはいわゆる「スワール」プロセスを使用することにより実現される、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記シーラント(LS)の分配が、前記シーラント(LS)を、蛇行線状に、特に25/50または20/50に塗布するか、または前記アドオン(3)および/または前記ブレードの表面(2)に直線状に塗布することによって実現される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記シーラント(LS)の分配が、前記シーラント(LS)を、アドオン(3)およびブレードの表面(2)の両方の移行部に重畳する蛇行線状に、特に25/50または20/50に塗布するか、または前記アドオン(3)および/または前記ブレードの表面(2)に直線状に塗布することによって実現される、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記シーラント(LS)の分布よりも後で、前記マスキングテープ(8)の除去よりは前に、前記シーラント(LS)
を、前記ブレード(1)の長手方向に移動させられるツールで平滑化
するステップをさらに含む、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記シーラント(LS)の分布よりも後で、前記マスキングテープ(8)の除去よりは前に、前記シーラント(LS)
を、前記ブレード(1)の長手方向に移動させられる前記可撓性ツール(7)で平滑化
するステップをさらに含む、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記ツール(7)が、特に前記ブレード(1)の前縁部形状の曲率と一致する曲率で、前記ブレード(1)の形状に適合するように設計される、請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
前記シーラント(LS)が、前記アドオンの適用中に形成されたギャップおよび表面の隙間に流れ込み、平滑な仕上がりを確保するのに十分な流動性を有する、
請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
- 前記シーラント(LS)が、前記ブレードの表面(2)の表面自由エネルギーよりも低い表面張力を有し、かつ/または
- 前記シーラント(LS)が、前記ブレードの耐用年数全体にわたって、各々の表面に発生する、特に2N/mmより大きい剥離力に対する十分な耐性を有し、かつ/または
- 前記シーラント(LS)が、4MPaより大きく、かつ/または8MPaより小さい引張強度を有し、かつ/または
- 前記シーラント(LS)が、80%より大きく、かつ/または130%より小さい破断時の伸び率を有し、かつ/または
- 前記シーラント(LS)が、8MPaより大きく、かつ/または150MPaより小さいヤング率を有し、かつ/または
- 前記シーラント(LS)が、液体状態と、硬化状態または架橋状態との両方の前記シーリング材で、固体粒子、特に充填材粒子、充填材粒子の凝集体、ゲル粒子の、最大200μmに制限された最大サイズを有する、
請求項22項記載の方法。
【請求項24】
前記塗布領域に前記シーラント(LS)を分配する前に、最初に、充填材(F)が、長手方向の前記アドオンの縁部(3E)に沿って塗布される、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記充填材(F)が、速硬化性接着剤および/または高粘度接着剤であり、前記シーラント(LS)が、キュアーされたまたは硬化させられた充填材(F)の上に塗布される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記シーラント(LS)が、前記アドオン(3)を前記ロータブレードの表面(2)に固定するために使用される接着剤(4)と同一の材料を含む、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
ロータブレード(1)の外面(2)に取り付けられた少なくとも1つのアドオン部品(3)と、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法で形成された縁部シール(S)とを備える、風力タービンロータブレード(2)。
【請求項28】
前記アドオン部品(3)が、前縁部保護カバー、後縁部パネル、渦発生器パネル、スポイラ、プレートまたはセンサパネルのいずれかを備える、請求項27記載の風力タービンロータブレード。
【請求項29】
前記アドオン部品(3)の長手方向縁部(3E)における厚さが、0.5~1.5mmの範囲にある、請求項27または28記載の風力タービンロータブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータブレードの外面に取り付けられたアドオン部品の縁部からの移行部を作製するための方法、すなわち、ロータブレードのアドオン用の縁部シールを提供するための方法、または風力タービンブレード用の縁部シーリングの方法を説明する。特に、本発明は、風力タービンブレードの表面上の段差用の空気力学的な縁部シーリングと、そのような縁部シーリングを適用するための方法とに関する。
【0002】
風力タービンのロータブレードの空気力学的な性能は、表面の欠陥、特にロータブレードの前縁部に近接して存在している欠陥に極めて敏感である。この課題は、例えば、(侵食保護カバーとも呼ばれる)前縁部保護(LEP)カバー、および/または渦発生器(VG)パネル、例えば、鋸歯状の後縁部パネルのような後縁部(TE)パネル、パネルに取り付けられていて、ブレードの表面に配置されたスポイラなどを適用した後に、ロータブレードの表面に段差または障害物がある場合に発生する。LEPカバーは、侵食保護カバーまたはLEPシェルとも呼ばれる。前縁部保護のために表面に発生する段差または障害物は、ブレードの表面に取り付けられた保護カバーまたは保護テープのようなより侵入的なソリューションにとっては、特に問題になる。
【0003】
ロータブレードに取り付けられたパネルまたはカバー、例えば前縁部保護カバーの縁部に、鋭利な段差が存在する可能性がある。このような急な高さの差異により、空気の流れが層流から乱流に移行し、風力タービンの年間エネルギー生産量(AEP)に悪影響を及ぼし、風力タービンのノイズの原因にもなる可能性がある。
【0004】
AEP(年間エネルギー生産量)の影響を低減するために、すでに取り付けられたアドオンの縁部を傾斜路または傾斜面に研削することが従来技術から知られている。しかしながら、このような研削手順は時間とコストがかかる。さらに、アドオン(カバー、プレート、パネルなど)の縁部全体に沿って均一な縁部を得ることは困難であり、ロータブレード自体に研削されるリスクがある。アドオンの材料が可撓性であり、したがって研削が困難である可能性があるため、研削手順を実行することも困難である可能性がある。
【0005】
アドオンの縁部に沿った段差から発生する乱流を低減する別の方法は、肉薄の縁部でアドオンを製造することである。しかしながら、長尺な肉薄の縁部を備えるLEPカバーなどのアドオンを取り付けると、縁部に沿ってしわが寄り、これが不適合コストの原因となり、空気力学的な性能が低下する可能性がある。
【0006】
別のアプローチでは、LEPシェルなどのアドオンを、ブレードの表面の組み込み用凹部に適合するように製造することができる。しかしながら、このアプローチは、製造公差と品質とに関する厳格な要件に関連付けられており、製造コストを大幅に増加させると同時に、欠陥が発生しやすくなる。
【0007】
さらに、前縁部保護テープの縁部をシールすることが知られている。このシーリングの目的は、テープの縁部を平滑化して保護することである。このようなテープシーリングでは、空気力学的な性能の主張はなされていない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ロータブレードの空気力学的な性能に対するアドオンの悪影響を克服する方法を提供することである。
【0009】
この目的は、請求項1に記載の、ロータブレードの外面に取り付けられたアドオン部品の縁部からの移行部を作製するための方法および請求項13に記載の風力タービンロータブレードによって実現される。
【0010】
上記のように、シェルの縁部またはパネルの縁部をブレードに取り付ける際に、シェルとブレードの表面との間などに移行段差が生じてしまう。これにより、ブレード全体の空気の流れが乱れ、空気力学的な性能が低下し、ノイズが発生する可能性がある。そのような移行段差の最適な性能と、より低い音響影響とを維持するために、そのようなインタフェースで平滑な表面仕上げが必要である。
【0011】
ロータブレードの外面に取り付けられたアドオン部品の縁部からの移行部を作製するための、特にそのような平滑な表面仕上げを提供するための本発明による方法は、
- シーラントコンパウンド(sealant compound)で覆われるロータブレードの表面とアドオン部品との塗布領域を肉薄の平滑なマスキングテープで画定するステップと、
- 塗布領域へシーラントを分配する(dispense)ステップと、
- シーラントを分布(distribution)させるステップと、
- マスキングテープを除去するステップと、
- 可撓性ツールでシーラントの移行段差を平滑化するステップと
を含む。
【0012】
以下でさらに説明するように、「シーラント」という用語は「接着剤」と読むこともできる。
【0013】
方法は、好ましくは、例えば以下のツールの使用を含む。
【0014】
シーリング剤または接着性シーラント材料が、ブレード/プレート(アドオン)上のシールされた塗布領域に分配された後、シーリング剤または接着性シーラント材料をレベリングするための、好ましくは可撓性材料製の歯付きヘラ。
【0015】
ショアA硬度が30~80、好ましくは40~60の、例えばシリコーン材料であり、断面形状が塗布に適していることを特徴とする可撓性材料製の第2のヘラ。シーリング材料の付着を防ぐ低エネルギー表面(表面自由エネルギー)は、更なる利点を提供するが、前提条件ではない。(使用中の)ブレード表面の接触点での軟質ヘラとブレードの表面との間の角度は、(使用中の)硬質ヘラの場合よりも小さくする必要がある。
【0016】
塗布プロセスは、ブレードの表面と、取り付けかつ接合されたカバー/プレートとの間の段差によるAEP損失を最小限に抑え、理想的には防止するように設計されている。
【0017】
したがって、プレート/カバー(アドオン)の縁部からブレードの表面へのそのような移行部を作製するための方法は、以下のステップを含む。
【0018】
- 接着剤/シーラントコンパウンドで覆われるブレードの表面とプレート/カバー(アドオン)との領域を、例えば厚さ0.2mm未満の肉薄の平滑なマスキングテープで画定するステップ。
【0019】
- 例えば、ビード塗布もしくはスプレー塗布、ロール塗布、またはいわゆる「スワール(swirl)」プロセスを使用することにより、接着剤/シーラントを分配するステップ。例えば、接着剤/シーラントを、プレート/カバー(アドオン)およびブレードの表面の両方の移行部に重畳する蛇行線状(25/50または20/50)にかつプレート/カバー(アドオン)に沿ってかつ/またはブレードの表面に直線状に塗布する。
【0020】
- 例えば、可撓性の歯付きヘラを使用して、接着剤/シーラントを分布させるステップ。
【0021】
- (任意で)好ましくは可撓性ツールを、ブレードの長手方向に移動させて、接着剤/シーラントを平滑化するステップ。ツールは、好ましくは、ブレードの形状に適合するように設計され、例えば、ブレードの前縁部形状の曲率と一致する曲率を有している。
【0022】
- マスキングテープを除去するステップ。
【0023】
- マスキングテープを除去するステップの後、好ましくは、例えば、上記の2つのステップと同一(可撓性の)ツールで、接着剤/シーラントの移行段差を平滑化するステップ。これにより、接着剤/シーラントとブレードの表面との間の段差の高さがさらに低減される。
【0024】
したがって、プレート/カバー(アドオン)が、ここで説明する縁部シーリングを使用してブレードに取り付けられている場合、すなわち、縁部シーリングの設計と縁部シーリングの作製方法とを使用している場合、プレート/カバー(アドオン)などのアドオンが取り付けられたブレードを備える風力タービンは、例えば、性能面で利益を得る。
【0025】
したがって、本発明は、ロータブレードの外面に取り付けられたアドオン部品の長手方向縁部に沿って縁部シールを提供する方法を説明する。
【0026】
付加的に、本発明の発明者らは、2~5mmの間のシーリングセットの幅が、風力タービンの空気力学的な性能の前述の改善を実現するのに十分ではないことを発見し、彼らの発見に従って他の範囲を提供した。
【0027】
例えば、限られた厚さの可撓性の保護カバーが前縁部に適用されるが、しかし、一般的な思想は、例えば、渦発生器パネル、後縁部パネルまたは後縁部カバー、プレートに取り付けられたセンサなどの、風力タービンブレードの表面のあらゆる種類の段差に適用される。
【0028】
本発明の文脈において、アドオン部品の長手方向縁部は、急な段差の外観を有すると想定することができる。本発明の方法を使用してロータブレードに取り付けるときに、徐々に薄くなる長手方向縁部を有するようにアドオンを製造する必要がないので、そのようなアドオンの製造は、経済的に有利であり得る。アドオン部品は、一般に、例えば特に両面感圧テープを含む接着剤結合層によって、何らかの方法でロータブレードに取り付けまたは結合されるので、アドオン部品の長手方向縁部の高さは、その長手方向縁部でのアドオンの高さ、およびアドオンをロータブレードに結合するための任意の接着剤層の高さを含むと想定することができる。
【0029】
すべての実施形態における主要な態様は、縁部の範囲である。理論的には、平坦な面で極めて長い範囲を有することができるが、現実的には、シェルの縁部から離れるにつれて明らかに薄くなるため、範囲の長さには制限がある。
【0030】
改善された段差仕上げソリューションは、影響を無視できる程度にAEP損失を最小限に抑え、縁部シーリングを有していないロータブレードと比較して、ロータブレードの動作中に発生するノイズも大幅に低減する。
【0031】
縁部シールの幅は、アドオンの長手方向縁部から外側に延びていると理解することができる。縁部シールの幅はアドオンの高さよりも大幅に大きいため、改善された縁部シールは、アドオンに関連するAEP損失を有利に低減または排除さえする。本発明の方法によって得られた縁部シールはまた、LEPカバーなどの部分に沿ってそのような縁部シールを備えていないロータブレードと比較して、風力タービンが動作している間の風力タービンブレードのノイズ発生を大幅に低減する。
【0032】
本発明の方法は、風力タービンロータブレードの製造時に使用することができ、また、すでに設置されているロータブレードのメンテナンス、修理、アップグレードの際にも、既存のブレードの後付けソリューションとして、例えば、前縁部保護カバーおよび/または渦発生器パネル、例えば鋸歯状の後縁部パネルのような後縁部パネル、またはパネルに取り付けられ、かつブレードの表面に配置されるスポイラを取り付けるときに使用することができる。本発明の方法は、既存のブレードのアドオンに等しく適用可能であり、本発明の縁部シーリングが提供されると、AEPへの寄与が改善される。
【0033】
本発明によれば、風力タービンロータブレードは、ロータブレードの外面に取り付けられた少なくとも1つのアドオン部品と、アドオン部品の少なくとも1つの長手方向縁部に沿って形成された上記のような「延長」縁部シールとを備える。
【0034】
本発明による風力タービンロータブレードは、ロータブレードの外面に取り付けられた少なくとも1つのアドオン部品と、本発明による方法で形成された縁部シールとを備える。
【0035】
要約すると、本発明は、特にブレードの長手方向の延長部に沿って、ブレードの表面に取り付けられる保護カバー、保護プレートもしくは保護パネルまたは他の種類のアドオンを含む風力タービンブレードに関する。アドオンは典型的に、接着剤で取り付けられる。縁部シーラーは、アドオン(カバー、パネル、プレート)の外縁部のブレードの表面に、アドオンと重畳するか否かに関係なく配置される。
【0036】
本発明の特に有利な実施形態および特徴は、以下の説明で明らかにされるように、従属請求項によって与えられる。異なる請求項のカテゴリの特徴を適切に組み合わせて、本明細書に記載されていない更なる実施形態を与えることができる。
【0037】
本明細書において、いかなる形でも発明を限定するものではないが、「アドオン」という用語は、特にブレードの長手方向の延長部に沿って、ブレードの表面に取り付けられた保護カバー、プレートまたはパネルのいずれかを意味すると理解することができる。「縁部シーリング」および「縁部シール」という用語は、交換可能に使用することができる。
【0038】
シーラント材料がアドオンの縁部または段差と重畳するように形成されているか否かに関係なく、シーラント材料は、さまざまな特性を有する多数のヘラを含むツールセットを使用して塗布することができる。本発明の好ましい実施形態では、縁部シールを形成する段差は、アドオン部品の長手方向縁部に沿って少なくともロータブレードの表面にシーラント材料を堆積させるステップを含む。次に、下地ヘラを使用して、アドオン部品の長手方向縁部と選択された縁部シール幅で画定された領域にシーラント材料を引き延ばす。下地ツールは、好ましくは、シーラントの初期の引延しを容易にする可撓性および形状を有する。
【0039】
次のステップでは、調整ヘラを使用して、下地ツールによって引き延ばされたシーラントの形状を調整する。好ましくは、調整ツールは、下地ツールよりも低い硬度を有する。
【0040】
好ましい調整ヘラは、ヘラの先端に対して平行に(平滑化する方向に対して垂直に)、特に好ましくはヘラがシーリング材料と接触することが意図されている側に延びる幾つかの溝を備える。好ましくは、少なくとも1つの溝は、接触領域が位置する、ヘラの前半分にある。これらの溝により、ヘラは溝の方向に対して剛性であるが、表面を掃引するときに容易に曲がることができるという利点を有する。より良好なグリップのために、好ましい調整ヘラは、先端の反対側の端部に2つのフィンを有し、接触領域側のフィンは、好ましくは、反対側のフィンよりも薄い。ヘラの後半分、すなわちヘラが保持されている部分は、他の部分よりも剛性が高く、特に他の部分とは別の材料を含むことができる。
【0041】
本発明の方法は、好ましくは、平滑な肉薄のマスキングテープを使用して、意図された縁部シールの領域を画定するステップを含むことができる。1つのテープは、縁部の段差から外向きに距離をおいて、意図された縁部シールの外縁部に沿って延びることができる。この距離は、縁部の段差の高さの少なくとも20倍である。テープの厚さは可能な限り薄く、好ましくは最大でも0.2mmである。縁部シールの他の境界は、縁部の段差によって画定することができる。代替的に、縁部の段差上に重畳部を形成する場合は、アドオンの表面に、アドオンの長手方向縁部に対して平行に第2のテープを貼り付けることができる。次に、シーラントがこれらの境界内に塗布される。シーラントは、最初に、スプレーまたは別の適切な方法によって、例えば、分配ノズルからのビードの形態で、ロータブレード(およびアドオン)上に粗く堆積させることができる。次に、粗く塗布されたシーラントは、下地成形ツール、例えば、可撓性の歯付きヘラを使用して引き延ばされる。
【0042】
したがって、好ましい方法によれば、シーラントを分布させるステップは、シーラントが塗布領域に分配された後、シーラントをレベリングするために、好ましくは可撓性材料製の歯付きヘラを使用することによって実現され、好ましくは歯付きヘラの歯は1~2mmのピッチおよび/または0.2~5mmの高さを有する。
【0043】
縁部シールの境界の間で、ロータブレードの表面の長手方向に歯付きヘラをガイドすることによって、引延しを行うことができる。この下地ステップが完了した後、1つ以上のテープが除去される。次に、依然として液体のシーラントは、引き延ばされたシーラントの上でより軟質な可撓性のヘラを引くことによって、最終的な形状へと平滑化される。第2のツールを用いたこの調整または平滑化ステップは、縁部の段差と縁部シールの外側境界との間の縁部シールの「楔状部」の高さをさらに減少させるのに役立つ。第2の可撓性ヘラは、好ましくは、比較的低いショアA硬度、例えば50±10を確保するためにシリコーンなどの材料から作製される。
【0044】
好ましい方法によれば、可撓性ツールは、ショアA硬度が30~70、特に40~60、特に48~52である第2のヘラである。好ましいショアA硬度は30より大きく、特に40より大きく、特に45より大きく、かつ/または好ましいショアA硬度は70より小さく、特に60より小さく、特に55未満である。
【0045】
好ましい方法によれば、可撓性ツールは、好ましくは塗布に適した断面形状とシーリング材料の付着を防止する低エネルギー表面とを有するシリコーン材料を含む。
【0046】
好ましい方法によれば、可撓性ツールは、シーラントとの意図された接触領域(intended contact area)が存在する先端と、好ましくは、先端に対して平行に(平滑化する方向に対して垂直に)延びる幾つかの溝とを備える。これらの溝により、調整ヘラは溝の方向に対して剛性であるが、表面を掃引するときに容易に曲がることができるという利点を有する。より良好なグリップのために、好ましい調整ヘラは、その先端の反対側の端部に2つのフィンを有し、接触領域側のフィンは、好ましくは、反対側のフィンよりも薄い。
【0047】
好ましい方法によれば、マスキングテープの厚さは0.2mm未満である。これは、仕上げステップで最小化されるシーラントの縁部が小さいという利点を有する。
【0048】
好ましい方法によれば、シーラントの分配は、ビード塗布またはスプレー塗布によって、好ましくは、シーラントを、好ましくはアドオンおよびブレードの表面の両方の移行部に重畳する蛇行線状に、特に25/50または20/50に塗布するか、またはアドオンおよび/もしくはブレードの表面に直線状に塗布することによって実現する。
【0049】
好ましい方法によれば、シーラントの分布よりも後で、マスキングテープの除去よりは前に、シーラントは、ブレードの長手方向に移動させられるツール、好ましくは(上記のような)可撓性ツールで平滑化され、好ましくは、ツールは、特にブレードの前縁部形状の曲率と一致する曲率で、ブレードの形状に適合するように設計されている。
【0050】
シール剤(シーラント)または接着剤を使用して、以下で説明するように、重畳部の有無にかかわらず、アドオンの1つ以上の縁部(縁部の段差)に沿って縁部シールを形成する。縁部シーリングのジオメトリは、インタフェース面による、すなわち前縁部ソリューションによる段差の空気力学的影響を低減するために調整かつ最適化されている。「シーラント」、「縁部シーラー」および「シール剤」という用語は、そのような接着剤を指すために使用することができる。好ましくは、アドオンを固定するために使用される接着剤は、縁部シーラーと同一の材料または異なる材料を含む。したがって、シーラントは接着剤にすることができるが、しかしながら、これはすべての場合に必要なわけではない。本出願では、「シーラント」という用語は「接着剤」という用語も含む。
【0051】
好ましくは、シールは、塗布後しばらくして固化し、液体の場合に、沈下抵抗と流動性との間の良好なバランスを提供する特定のレオロジーを、特に接着剤粘度を有する特定の液体シーラント(特に接着剤材料)を使用して形成される。シーラントのレオロジー特性および特定の粘度は、好ましくは、シールの特定のジオメトリおよび特定の位置に合わせて調整される。一方では、粘度は、シーラントが容易に引き延ばされ、引き延ばし中に発生する可能性のあるあらゆる筋を逃がすことができるように、十分に低くなければならない。しかし他方では、シーラントの降伏点(沈下抵抗)は、重力によって引き起こされるシーラントの流出を回避するのに十分高くなければならず、これは、塗布プロセスによって作製されたシールの輪郭に悪影響を及ぼす。
【0052】
好ましくは、固化したシーラントは、(極めて)可撓性であり、耐摩耗性であり、好ましくは、シーラントが塗布される表面に良好に付着し、また、UV曝露に対して良好な耐性を有する。
【0053】
一般に、物理的プロセスおよび化学反応のいずれか、または両方の組み合わせによって塗布後に固化する液体シーラント材料は、本発明の目的に適している。反応性の二成分シーラントは、硬化反応が早く、かつその結果としてプロセスが早いために、好ましい。好ましくは、冷却すると固くなるホットメルトシーラントのような物理的に硬化するシーラントおよび/または化学反応によって硬化するシーラントを使用することができる。化学的に硬化するシーラントのグループからは、硬化反応が早く、その結果としてプロセスが早いため、二液型シーラントが好ましい。
【0054】
一方で、本発明による塗布プロセス、すなわち、分配、レベリング、および輪郭の作製のための十分な時間を可能にする固化速度(開放時間)を有するシーラントを使用することが好ましい。他方、プロセス時間を短くするためには、次の処理を可能な限り迅速にするために速く硬化することが好ましい。ここで、特に化学的に架橋する二成分接着剤は、特に、本発明による輪郭が形成された後、例えばIRエミッタによる中程度の加熱によって二成分接着剤の硬化を加速することができるので、次のプロセス時間の短縮を可能にするという利点を提供する。
【0055】
例示的な材料は、上記のように、液体および硬化状態での所望の特性を、特に沈下抵抗と流動性とを考慮して選択されたエポキシ、ポリウレタン、ポリユリア、シリコーン、シラン変性ポリマー(SMP)、メチルメタクリレート(MMA)、およびハイブリッド溶液であってよい。例えば、シーラント材料は、沈下抵抗と流動性との間の良好なバランスを提供し、かつシーラント材料の硬化状態で高い耐疲労性を提供する有利に高度の可撓性を有する特定の接着粘度を有するように選択することができる。このような材料を使用してLEPの長手方向縁部に沿って形成された縁部シールの一体性は、ロータブレードの繰り返しのねじれ曲げの影響を受けない。
【0056】
静的ミキサまたは動的ミキサを使用して、ブレードの表面に塗布する直前に2つの成分を混合する、二成分シーリング材料を使用することが好ましく、2つの成分の粘度は、好ましくは、第1の成分については40.000~110.000mPa・sであり、第2の成分については100.000~380.000mPa・sである。しかしながら、バランスの取れたレオロジー特性が満たされている限り、異なる粘度を示すシーラントも適している。
【0057】
好ましいシーラントは、接着部の形成の前提条件として、シーラントが塗布される表面の十分に濡らすことができるように、シーラントが塗布される表面の表面自由エネルギーよりも低い表面張力を有する。例えば、洗浄、研磨、プライマーの塗布または接着促進剤の塗布などがあるが、それらに限定されない適切な方法によって、かつ例えば、プラズマ、コロナ、炎、VUV(真空紫外線)などがあるが、それらに限定されない活性化方法によって、表面自由エネルギーを増加させることは、明示的に本発明の一部である。表面を濡らす上記の能力に加えて、接着剤/シーラントとブレードの表面および各々のアドオンとの良好な接着性は、特にオフショア設備の過酷な条件下で、耐用年数に関する厳しい要件を満たすのに有利である。
【0058】
良好な接着性に加えて、シーラントの機械的特性は極めて重要である。雨による浸食条件に耐える高い耐摩耗性と、動作中のブレードの振動に耐える十分な疲労強度の両方が必要である。したがって、好ましいシーラントは、ブレードの耐用年数全体にわたって、各々の表面に発生する、特に2N/mmよりも大きい剥離力に対して十分な耐性を有する。長期耐性の試験方法は、例えばISO20340に記載されている手順である。
【0059】
本発明の対象となるシーリングの可能な用途が広範囲にわたるために、関与する材料、各々のアドオンのサイズ、およびブレード上のそれらの位置に関して、シーラントは、各々の用途に合わせて調整されることが好ましい。
【0060】
好ましいシーラントは、4MPaよりも大きく、かつ/または8MPaよりも小さい、特に好ましくは5MPa±x<0.5MPa、特に5MPaの引張強度(DIN EN ISO 527に準拠)を有する。80℃で1000時間が経過した後、引張強度は約9MPa以上に変化する可能性がある。
【0061】
代替的または付加的に、破断時の伸び率(DIN EN ISO 527に準拠)は80%より大きく、かつ/または130%より小さい、特に好ましくは90%±x<5%、特に90%である。80℃で1.000時間が経過した後、破断時の伸び率は100%以上の値に変化する可能性がある。
【0062】
代替的または付加的に、ヤング率(DIN EN ISO 527に準拠)は、8MPaよりも大きく、かつ/または15MPaよりも小さく、特に好ましくは9~13MPa、特に11MPaである。80℃で1.000時間が経過した後、ヤング率は11MPa以上の値になる可能性がある。
【0063】
80℃に1000時間曝露されることは、タービンの寿命期間中の気温と太陽光照射との結果として、より高いブレードの表面温度を模倣する加速劣化試験を指す。実際のオフショア条件下での最高表面温度は60℃と推定されている。好ましくは、シーラントは、機械的特性(ヤング率、引張強度、および破断時の伸び率)が一定のままであるように、かつ/またはそのように選択され、3つの要件すべての組み合わせは、シーラントの長期耐久性にとって極めて有利である。
【0064】
したがって、好ましい方法によれば、シーラントは、アドオンの適用中に形成されたギャップおよび表面の隙間に流れ込み、平滑な仕上がりを確保するのに十分な流動性を有している。
【0065】
好ましくは、シーラントは、以下の特性のうちの1つ以上を提供する。シーラントは、
- ブレードの表面の表面自由エネルギーよりも低い表面張力、および/または
- ブレードの耐用年数全体にわたって、各々の表面に発生する、特に2N/mmよりも大きい剥離力に対する十分な耐性、および/または
- 4MPaより大きく、かつ/または8MPaより小さい引張強度、および/または
- 80%より大きく、かつ/または130%より小さい破断時の伸び率、および/または
- 8MPaより大きく、かつ/または150MPaより小さいヤング率、および/または
- 含有される充填材粒子、充填材の凝集体、および/またはゲル粒子の、最大200μmに制限された最大粒径
を有している。
【0066】
好ましい方法によれば、塗布領域にシーラントを分配する前に、最初に、充填材が、長手方向のアドオンの縁部に沿って塗布され、充填材は、好ましくは、速硬化性接着剤および/または高粘度接着剤であり、シーラントは、キュアーされた(cured)または硬化させられた充填材の上に塗布される。
【0067】
好ましい方法によれば、シーラントは、アドオンをロータブレードの表面に固定するために使用される接着剤と同一の材料を含む。
【0068】
好ましいシーリング材料は、良好な研磨性を有するので、その結果、空気力学的に有利な平滑な表面を製造することができる。したがって、その液体中および硬化状態または架橋状態の両方におけるシーリング材料中の固体粒子(例えば、充填材粒子、充填材粒子の凝集体、ゲル粒子)の最大サイズは、特にDIN EN 21524またはISO 1524に従って決定される場合、好ましくは最大200μmに制限され、好ましくは最大100μmに制限され、特に好ましくは最大60μmに制限され、または最大50μmにさえ制限される。
【0069】
アドオンの縁部を空気力学的に最適化する本発明の方法は、LEPカバーなどの空気力学的な装置に限定されない。アドオンは、ロータブレードの曲面に好ましくは一致する、センサを含むプレート、例えば、可撓性プレートであってよい。そのようなセンサプレートのロータブレードの表面への固定は、本発明のシーリング概念から恩恵を受け、AEPおよびノイズ発生に関して改善を実現する。このようなプレートは、ロータブレードの前縁部と後縁部との間の任意の位置でロータブレードの表面に取り付けることができ、ロータブレードの負圧側または正圧側に取り付けることができる。
【0070】
好ましくは、縁部シールは、本発明の方法を使用して、そのようなプレートの長手方向縁部に沿って形成される。このように、このようなプレートの風上縁部または風上側縁部(すなわち、ロータブレードの前縁部に近い縁部)も風下縁部(ロータブレードの後縁部に近い縁部)も、ロータブレードの表面上の層流に悪影響を及ぼさない。したがって、本発明は、シェルまたは空気力学的装置に限定されず、例えば、ブレードの表面上のベースプレート、例えば、可撓性プレートに取り付けられた任意の種類のセンサも含む。したがって、AEPに関する改善は、センサプレートなどのプレートでも可能であり、ブレードの表面に取り付けるときに発生するノイズを低減することもできる。
【0071】
一例として、アドオンの縁部の段差の高さ(シェルの高さ)は、0.7~1mmの範囲とすることができる。アドオンの縁部の段差の高さは、アドオンの外縁部の厚さと、アドオンをロータブレードに取り付けるために使用される接着剤層または接合層の厚さの合計である。この場合、このアドオンの縁部シーリングの最小幅(範囲)は14~20mmになる。縁部の段差の高さが0.7mmの場合、縁部シーリングの最小幅は例えば14mmである。縁部の段差の高さが1.0mmの場合、縁部シーリングの最小幅は例えば20mmである。
【0072】
縁部シールの幅と段差の高さの比率は、20:1~100:1の間で変化する。0.5mm~1.5mmの縁部の段差の高さ範囲の例では、縁部シールの幅は少なくとも10mmであり、最大150mmである。ロータブレードのアドオン部品用のこのような比較的広幅の縁部シールは、(風洞試験で)改善された空気力学的挙動をもたらすことが観察されている。
【0073】
本発明のさらに好ましい実施形態は、アドオンの長手方向縁部上に縁部シールを形成することによって、すなわち、アドオンとロータブレードとの両方の外面に縁部シールを「重畳」させることによって、ロータブレードの表面上の気流の層流の性質を維持することができるという洞察に基づく。したがって、本発明のさらに好ましい実施形態では、この方法は、縁部シールの長手方向縁部に隣接するアドオン表面の領域において、縁部シールの重畳幅を決定するステップを含む。「重畳幅」という用語は、アドオンの表面に延びる縁部シール部分の幅を意味すると理解されるものとする。重畳幅は、アドオンの高さに基づいて決定される。
【0074】
次に、縁部シールを形成するステップは、好ましくは、アドオン部品の重畳領域にもシーラント材料を塗布することを含む。縁部シールの重畳部は、アドオンの縁部上に平滑な層を有利に形成することができる。したがって、好ましい方法によれば、シーラントは、アドオンの縁部と重畳するように形成される。
【0075】
本発明の方法では、アドオンの縁部の後ろ、すなわちアドオンの風下にあるブレードの表面で層流から乱流への流れの移行の開始を防止するか、または少なくとも大幅に遅延させるために、縁部シールの縁部シール幅と重畳幅とを特定のアドオンに合わせて「調整」するのが好ましい。好ましくは、縁部シールの範囲(すなわち幅)および任意の重畳部の範囲は、アドオンの長手方向縁部における縁部の段差の高さによって決定される。
【0076】
重畳幅と段差の高さの比率は、10:1~50:1で変化する。縁部の段差の高さが0.5mmの例の場合、重畳幅は5mm~25mmである。縁部の段差の高さが1.5mmの場合、縁部シールの幅は15~75mmである。上記の推奨される比率は、当技術分野で知られているソリューションで通常使用されるよりも大幅に大きい。縁部シーリングの可能な最大幅または最大範囲はまた、ロータブレードの曲率によって決定されるか、または制限することができる。
【0077】
本明細書で提案される縁部シーリングは、十分に低粘度のシーリング剤(シーラント)または接着剤を使用することによって実現することができ、アドオンの適用中に形成されるギャップおよび表面の隙間に流れ込み、平滑な仕上がりを確保するのに十分な流動性を有している。しかしながら、接着剤/シーラントの粘度がその外側境界に沿った縁部シールの最小高さを決定するので、シーラント材料もまた、ブレードの表面への平滑な移行を確保するように選択されることが好ましい。
【0078】
同時に、接着剤/シーラントの粘度が、単純な縁部シーリングと重畳端部シーリングの段差を解消する。重畳する縁部シーリングは、シェルの縁部上に平滑な層を形成することによって段差を排除することができる。縁部シーリング材料は、ブレードの表面への平滑な移行を確保するように選択されている。
【0079】
縁部の段差が大きい場合、充填材料を使用して縁部シールを補強することができる。本発明のそのような好ましい実施形態では、充填材料がアドオンの縁部に沿って塗布されて、最初に縁部の段差を低減する、すなわち、アドオンの縁部から外側に延びるコンパクトな楔状部またはコンパクトな傾斜を形成する。次に、シーラント材料が充填材の上に塗布される。充填材料は、シーラント材料よりも粘度が高く、充填材層または最下層を限られた厚さに容易に構築するのを容易にすることができる。縁部シールの端部で平滑な縁部を可能にするための、すなわちロータブレードの表面への平滑な移行を可能にするための縁部シーラーの均一な層が表面にあることを確保するために、充填材の範囲(幅)は、縁部シール幅の幅よりも小さいことが好ましい。充填材料が占める体積は、縁部シールの意図された体積の半分未満であってよい。
【0080】
好ましい風力タービンロータブレードにおいて、アドオン部品は、前縁部保護カバー、後縁部パネル、渦発生器パネル、プレートまたはセンサパネルのいずれかを含む。他の可能性は上記の通りである。
【0081】
好ましい風力タービンロータブレードでは、アドオン部品の長手方向縁部でのアドオン部品の厚さは、0.5mm~1.5mmの範囲である。
【0082】
有利なことに、本発明の構成および方法は、縁部の段差を低減/回避することによって、ブレードの表面上の段差または他の障害物(例えば、LEPの適用から生じる)の空気力学的な性能への影響を低減する。このソリューションでは、縁部の厚さが厚いLEPシェルまたはLEPカバーを使用することもできる。肉薄の縁部を要求することがこれらのシェルの製造におけるコスト上昇要因であるため、これはシェルのコスト削減の大きな機会となることができる。より肉薄のシェルの縁部を回避することで、塗布中のしわのリスクも軽減され、このことは、不適合コストの削減と空気力学的な性能の改善とにさらに貢献する。
【0083】
上記の縁部シーリング方法は、LEPソリューションの空気力学的な性能の改善に貢献する。縁部シーリングは間接的に肉厚の縁部を備えるシェルの使用を可能にし、シェルのコストおよび不適合コストの削減に貢献する。
【0084】
ブレードの表面への移行を平滑化するために、適切な素材で重畳仕上げが作製される。
【0085】
本発明の他の目的および特徴は、添付の図面と併せて検討される以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、図面は説明のみを目的として設計されており、本発明の限定を定義するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】パネルであるロータブレードのアドオンの長手方向縁部に適用される本発明の縁部シールの実施形態を示す図である。
【
図2】プレートをシールする本発明の縁部シールの更なる実施形態を示す図である。
【
図3】カバーをシールする本発明の縁部シールの更なる実施形態を示す図である。
【
図4】重畳する縁部シーリングを含む本発明の更なる実施形態を示す図である。
【
図5】充填材を備える重畳する縁部シーリングを含む本発明の実施形態を示す図である。
【
図10】軟質ツールと硬質ツールとを使用したシーラントの平滑化および分布を示す図である。
【
図11】軟質ツールと硬質ツールとで仕上げられたアドオンの縁部をシールするシーラントの平滑化および分布を示す図である。
【
図13】縁部シールの最終的な平滑化を示す図である。
【0087】
図では、同様の番号は全体を通して同様の対象を指す。図内の対象は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0088】
図1は、アドオン3に塗布される本発明の縁部シールSの実施形態を示し、アドオン3は、LEPカバー、シェル、TEカバー、VGパネル、TEパネル、センサパネルなどのいずれかであってよい。アドオン3は、接着剤結合層4によってロータブレード1の外面2に取り付けられている。議論の目的のために、接着剤層4は、アドオン3の要素と見なすことができる。アドオン3の縁部の段差3Eでのアドオン3の高さtは、アドオン3の厚さと接着剤層4の厚さとの合計である。アドオンの縁部3Eは、ロータブレード1の長手方向に延びていると想定することができる。
図1は、アドオン3の縁部3Eの「段差」形状を明確に示す図である。本発明の方法を使用して、縁部シールSがアドオンの縁部3Eに沿って形成される。縁部シールSは、アドオンの縁部3Eの第1の点J1で始まり、第2の点J2まで延び、それにより、シールSの高さtは、点J1の最大値から点J2の最小値まで徐々に減少する。縁部シールSの高さtと幅δの比率δ:tは、好ましくは少なくとも20:1である。この場合の縁部シールSの体積は、縁部シールSの断面積、すなわち(t・δ)/2にシールSの長さ、例えばアドオン3の長手方向縁部3Eの長さを乗じたものである。
【0089】
図2は、
図1に示されるようにアドオン3に塗布される本発明の縁部シールSの実施形態を示し、ここでのアドオン3は、センサ5で覆われたセンサパネルである。
【0090】
図3は、
図1に示されるようにアドオン3に塗布される本発明の縁部シールSの実施形態を示し、ここでのアドオン3は、カバー、例えば、LEPカバーである。
【0091】
図4は、本発明の縁部シールSの更なる実施形態を示す。ここで、縁部シールSは、アドオン3の長手方向縁部3E、この場合、例えば、ロータブレード1の前縁部の周りに取り付けられたLEPカバーに塗布される。この例示的な実施形態では、縁部シールSは、アドオン3の長手方向縁部3Eと重畳する、すなわち、縁部シールSは、点J0で始まり、点J2まで延びる。したがって、縁部シールSの全幅δ1は、点J0から点J1まで延びる重畳部S
0の幅hおよび点J1から点J2まで延びる残りの端部シール幅δである。この実施形態では、縁部シールSの高さは、点J0の最小値から点J1の最大値まで徐々に増加し、点J1の最大値から点J2の最小値まで徐々に減少する。シールSの最大の高さは、重畳幅hに応じて、かつ/または点J1と点J2との間の縁部シール幅δに応じて、アドオンの縁部3Eの高さを2.0mmまで超えることができる。この高さは、ヘラなどのツールを使用して塗布されたシーラントまたは接着剤の制御された層の厚さに基づく。
【0092】
したがって、縁部シールSの範囲δおよび重畳部hの範囲は、接合部J1での縁部の段差3Eの高さtに依存する。tに対するδおよびhの比率は、それぞれ20:1~100:1(δ)と10:1~50:1(h)との間で変化する。縁部シールSおよび重畳範囲は、縁部の段差3Eに起因するロータブレード1の表面での層流から乱流への流れの移行の開始を防止/遅延させるために調整される。推奨される比率は、当技術分野で知られているソリューションによって通常使用されるよりも長い。
【0093】
例えば、図(特に
図4)に関して、縁部の段差3Eの高さtは、0.5~1.5mm、好ましくは0.7~1mmとすることができ、これは、縁部シールSの最小範囲が少なくとも12mm、例えば12~70mm、好ましくは14~50mm、より好ましくは14~40mm、最も好ましくは14~20mmであることを意味する。
【0094】
縁部シーリングの範囲δは、縁部シールSの範囲を最大にするロータブレード1の曲率に依存する。
【0095】
好ましい縁部シールSは、接着剤/シーラント流体が、塗布することによって形成されたギャップおよび表面の隙間に十分に流れ込み、平滑な仕上がりを確保する粘度を有するシーラントを使用してよい。同時に、接着剤/シーラント4の粘度により、単純な縁部シールSの接合部J2と、重畳する縁部シールS0のJ0およびJ2の段差が解消される。重畳する縁部シールS0は、シェルの縁部3E上に平滑な層を形成するJ1での段差を排除することができる。シーラントは、ブレードの表面2への平滑な移行を確保するように選択される。
【0096】
図5は、本発明の縁部シールSの更なる実施形態を示す。
図4の縁部シールSと同様に、この場合の縁部シールSは、最初に長手方向のアドオンの縁部3Eに沿って塗布される充填材料F(本明細書では充填材Fとも呼ばれる)上に延びている。充填材Fは、速硬化性接着剤および/または高粘度接着剤/高粘度シーラントであってよい。充填材Fを塗布して、アドオン3の高さよりも短い直線上の側面を有する楔状部を形成することができる。次のステップでは、シーラント材料が、キュアーしたまたは硬化した充填材Fの上に塗布され、結果として得られる縁部シールSがアドオン3の長手方向縁部3Eと重畳し、点J0から始まり、点J2まで延びる。この場合も、縁部シールSの全幅δは、点J0から点J2まで測定される。上記の
図2に記載されているように、シールSの高さは、点J0の最小値から点J1の最大値まで徐々に増加し、点J1の最大値から点J2の最小値まで徐々に減少する。ここに示される充填材Fは、他の実施形態でも使用することができる。
【0097】
したがって、縁部の段差が大きい場合、充填材Fを使用して、最初に縁部の段差を低減することができ、次に、縁部シーラーを塗布することができる。充填材料Fは、限られた厚さに最下層を容易に構築することを可能にするために、縁部シールSの材料よりも高い粘度を有することができる。接合部J2で平滑な縁部を可能にするための、表面に縁部シーラーの均一な層があることを確保するために、充填材Fの範囲はδ未満になる。
【0098】
図3から
図5に示される実施形態はまた、カバーの代わりに、パネル、例えば、VGパネルまたはTEパネル(後縁部パネル)を備えることができる。カバーは、例えば、LEP縁部カバーまたはTE縁部カバーであってよい。
【0099】
図6は、1列の歯6aを備えた可撓性の歯付きヘラ6を示す。この歯付きヘラ6は、アドオン部品3の長手方向縁部と、選択された縁部のシール幅δとによって画定された領域にシーラント材料を引き延ばすための下地ツール6として使用される。下地ツール6は、好ましくは、シーラントの初期の引延しを容易にする可撓性および形状を有している。これは、歯6aで実現される。歯のピッチは好ましくは1~2mmであり、歯の高さは約0.2~5mmである。
【0100】
図7は、
図6に示すように、可撓性材料で作製され、接着剤のレベリングに使用される歯付きヘラの別の図を示す。
【0101】
図8は、下地ツール6によって引き延ばされたシーラントの形状を調整するために使用される調整ヘラ7の形態の平滑化ツール7を示している。好ましくは、調整ツールは、下地ツールよりも低い硬度を有する。
【0102】
図9は、
図8の平滑化ツールの断面形状を示しており、平滑化中(矢印)のシーラント/接着剤との接触領域7eを示している。
【0103】
図8および
図9は、ヘラの先端7dに対して平行に(平滑化する方向に対して垂直に)延びる幾つかの溝7aを備えた好ましいヘラを示している。これらの溝7aは、調整ヘラ7が溝7aの方向に対して剛性であるが、表面上を掃引するときに容易に曲がることができるという利点を有する。より良好なグリップのために、好ましい調整ヘラ7は、その先端7dの反対側の端部に2つのフィン7b,7cを有し、接触領域7e側のフィン7cは、好ましくは、反対側のフィンよりも薄い。
【0104】
図10は、軟質ヘラ/ツール7と硬質ヘラ/ツールとによるシーラントの平滑化および分布を示す。軟質調整ヘラ7を使用する場合、得られる縁部シールS(実線)は、硬質ツールで平滑化された縁部シールS
H(破線)よりも平坦で広幅である。
【0105】
図11は、アドオン3の縁部シールSでの
図10の平滑化効果を示す。この場合も、破線は硬質ツールで作製された縁部シールS
Hを示し、実線は軟質調整ヘラ7(ヘラについては、例えば
図8を参照)で作製された縁部シールSを示している。示されているのは、ブレードの表面2と、硬質ヘラ(角度θ
H)および軟質調整ヘラ7(角度θ
S)で作製されたシーリングとの間の角度である。ブレードの表面2と、硬質ヘラで作製されたシーリングとの間の角度θ
Hは、軟質調整ヘラ7で作製された対応する角度θ
Sよりも大幅に大きいことが容易に分かる。
【0106】
風洞測定から、ブレードの表面2と縁部シールSとの間の角度θ(シーリング縁部角度)がシーリング概念の性能に重要な役割を果たすことが観察されている。シーリング縁部角度θが小さいほど、シーリングの性能が改善する。
【0107】
軟質ヘラは、より硬質の(より硬い)ヘラと比較して、シーリング縁部角度が低くなるが、これは、ヘラが、シーリングが終端し、ブレードの表面が始まる点に向かってより局所的に曲がることができるためである。したがって、シール縁部角度θの影響は、ヘラの硬度(硬さ)の直接的な関数である。したがって、好ましくは適切に低い硬度を有するヘラが選択される。
【0108】
図12および
図13は、ロータブレードの表面2に取り付けられたアドオン3と、本発明による方法による縁部シールSの形成とを示している。アドオン3は、上で説明したように接着剤4(ここには示されていない接着剤)を使用して取り付けることができる。液体シーラントLSは、アドオン3の縁部の段差3Eの領域のブレード1の表面2に塗布される。
【0109】
図12は、下地成形ツール6を使用して液体シーラントLSを引き延ばし、可撓性ツール7を使用してシーラントを平滑化するステップを示している。
図13は、シーラントLSの最終的な平滑化を示す図である。
【0110】
シーラントLSを塗布する前に、意図された縁部シールの領域は、平滑な肉薄のマスキングテープ8を使用することによって画定される。1つのテープ8は、縁部の段差3Eから外側に距離をおいて、意図された縁部シールS1の外縁部に沿って延びることができる。この距離は、縁部の段差の高さの少なくとも20倍である。テープ8の厚さは、可能な限り薄く、好ましくは最大でも0.2mmである。縁部シールS1の他の境界は、縁部の段差3Eによって画定することができる。代替的に、縁部の段差3E上に重畳部を形成する場合は、アドオン3の表面に、アドオン3の長手方向縁部に対して平行に第2のテープ8を貼り付けることができる。次に、シーラントLSがこれらの範囲内に塗布される。シーラントLSは、最初に、例えば分配ノズルからのビードの形態で、またはスプレーによって、ロータブレード1およびアドオン3の表面2上に粗く堆積させることができる。
【0111】
次に、粗く塗布されたシーラントLSは、下地成形ツール6、例えば、可撓性の歯付きヘラ6を使用して引き延ばされる。これは、縁部シールの境界の間でロータブレードの表面2の長手方向に歯付きヘラ6をガイドすることによって行うことができる。下地成形ツール6の可撓性は、好ましくは、シーラントSの引延しを容易にするために両方の軸線方向に曲げることができるようなものである。
【0112】
シーラントLSを分布させた後(マスキングテープ8を除去する前に)、シーラントLSは、ブレード1の長手方向に移動させられる、好ましくは可撓性ツール7で平滑化される。
【0113】
この下地ステップ(
図12)が完了した後、テープ8が除去される(
図13を参照)。次に、依然として液体のシーラントLSは、引き延ばされたシーラントLSの上でより軟質の仕上げツール7、例えば、可撓性の調整ヘラ7を引くことによって、その最終形状へと平滑化される。平滑化ツール7を用いたこの調整または平滑化ステップは、縁部の段差3Eと縁部シールSの外側境界との間の縁部シールS1の「楔状部」の高さをさらに減少させるのに役立つ。調整ヘラ7は、好ましくは、比較的低いショアA硬度、例えば50±10を確保するためにシリコーンなどの材料で作製され、それにより、所望の縁部シール形状を実現するためにシーラントの引延し中に、所望に湾曲することができる。
【0114】
調整ツール7を使用することにより、依然として軟質の液体シーラントLSは、例えば
図4または
図5に示されるように、所望のように成形され、アドオン3の長尺縁部3Eと並んで重畳部S
0を形成する。
【0115】
本発明は、好ましい実施形態およびその変形の形で開示されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、多数の追加の修正および変形を行うことができることを理解されたい。
【0116】
明確にするために、本出願全体での「a」または「an」の使用は、複数を除外するものではなく、「含む」は、他のステップまたは要素を除外しないことを理解されたい。