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特許7476232直角外科用ステープラ用の組織切断ワッシャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】直角外科用ステープラ用の組織切断ワッシャ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240422BHJP
   A61B 17/285 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/285
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021563289
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2020053512
(87)【国際公開番号】W WO2020217134
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】16/395,357
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シムズ・ロバート・ジェイ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-193041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0119904(US,A1)
【文献】登録実用新案第3209123(JP,U)
【文献】特開2019-000632(JP,A)
【文献】特表2017-504394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/285
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非内視鏡外科的処置に使用され、エンドエフェクタがシャフトによって画定される長手方向軸線に対して直角に横切るように延びる平面内の組織をクランプし、ステープル留めし、かつ切断するように構成された外科用ステープラと共に使用するために構成されたステープルカートリッジユニットであって、
(a)前記長手方向軸線に対して並進するカートリッジハウジングであって、
(i)前記長手方向軸線に対して直角に横切るように延びて組織と接触するデッキと、
(ii)前記デッキ内に形成された複数の開口部であって、前記開口部から前記デッキに接して位置付けられた組織内に遠位に打ち込まれるように構成された複数のステープルを収容するように構成されている、複数の開口部と、を含む、カートリッジハウジングと、
(b)前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフであって、前記カートリッジハウジングから、前記デッキに接して位置付けられた前記組織を通って、遠位に駆動されるように構成されている、ナイフと、
(c)前記カートリッジハウジングの遠位に配置され、前記カートリッジハウジングとの間で組織を捕捉するアンビルであって、
細長いスロットと、前記細長いスロットに沿って配設され前記デッキと対向する面に形成された複数のステープル形成ポケットと、を有するプレート部分、を含む、アンビルと、
(d)前記アンビルに対して固定された切断ワッシャであって、
(i)前記アンビルの遠位側面に沿って延びる細長いプレート状の本体と、
(i)前記アンビルの前記細長いスロット内に配設された切断部分であって、前記ナイフが遠位に移動した際に組織を切断した前記ナイフと接する、切断部分と、
(ii前記プレート部分の両側に沿って延びている一対の側部フランジであって、前記アンビルに対して横切るように延び、前記アンビルと、前記シャフトの遠位に位置して前記ステープルカートリッジユニット受け入れる前記外科用ステープラの遠位支持構造体との間間隙を覆うように構成されている、一対の側部フランジと、を含む、切断ワッシャと、を備え、
前記カートリッジハウジングは第1の戻り止め特徴部を含み、前記切断ワッシャの近位に延びる部分が第2の戻り止め特徴部を提供し、前記第1の戻り止め特徴部及び前記第2の戻り止め特徴部は、前記カートリッジハウジングを近位位置に解放可能に保持するように協働するように構成され、
前記第1の戻り止め特徴部が凹部を含み、前記第2の戻り止め特徴部が前記凹部と解放可能に係合するように構成された突起部を含む、ステープルカートリッジユニット。
【請求項2】
前記切断ワッシャの前記側部フランジが、前記アンビルの全長に沿って延びている、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項3】
前記切断ワッシャの前記側部フランジは、組織が、前記アンビルと前記外科用ステープラの前記遠位支持構造体との間に画定された前記間隙内に内向きに前進するのを防止するように構成されている、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項4】
前記切断ワッシャの前記切断部分は、細長い突出部を含み、前記細長い突出部が、前記アンビルの前記細長いスロットを通って近位に突出する、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項5】
前記カートリッジハウジングと前記アンビルとの間に長手方向に延びるガイドピンを更に備え、前記カートリッジハウジングが、前記ガイドピンに沿って並進可能である、請求項に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項6】
組織保持ピンを更に備え、前記組織保持ピンは、前記組織保持ピンの遠位先端部が前記アンビルから近位に離間している格納位置と、前記遠位先端部が前記アンビルと係合し、それによって前記アンビルと前記カートリッジハウジングとの間に組織を保持する伸張位置との間で、前記カートリッジハウジングに対して前記長手方向軸線に対して並進可能である、請求項に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項7】
前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたステープルドライバ部材を更に備え、前記ステープルドライバ部材が、前記開口部から遠位に前記ステープルを押し出すように動作可能である、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項8】
前記ステープルドライバ部材が、前記ナイフとは独立して、前記カートリッジハウジングに対して作動可能である、請求項に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項9】
前記カートリッジハウジングの前記デッキ内の前記開口部が、複数の直線状の列で配置され、前記ナイフが、直線状の切断縁部を含む、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【請求項10】
前記アンビルが、前記プレート部分の下端から近位に延びる連結アームを含み、
前記側部フランジが、前記連結アームの遠位端に沿って前記カートリッジハウジングに向かって近位に延びる下部伸張部を含む、請求項1に記載のステープルカートリッジユニット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科用ステープラのいくつかは、1つ又は2つ以上の患者の組織層をクランプし、組織層を通してステープルを形成して、形成されたステープルの付近の組織層同士を実質的に封止し、クランプされた組織層を切断して、動作可能に封止された組織の切断端を形成するように動作可能である。例示的なステープル留め器具は、一対の協働する細長いジョー部材を含み、各ジョー部材が患者に挿入され、ステープル留めされる組織に対して位置付けられるように適合される。ジョー部材のうちの一方は、横方向の間隔を有して離間された少なくとも2列のステープルを中に収容したステープルカートリッジを支持し、他方のジョー部材は、ステープルカートリッジ内のステープル列と位置合わせして構成されたステープル形成ポケットを有するアンビルを支持する。一般に、ステープル留め器具は、ジョー部材に対して作動可能な1つ又は2つ以上の押し込みバーを更に含み、この押し込みバーは、ジョー部材間にクランプされた組織を通ってステープルカートリッジからステープルを押し出し、かつ形成用アンビルに対してステープルを押し出し、また、クランプされた組織を通ってナイフ部材を駆動し、それによって、ステープル留めと同時に又はその後に組織を切断する。このようにして、ステープル留め器具は、クランプされた組織内に、変形させたステープルの複数の横方向に離間された列を形成するように動作可能であり、このような列は、直線状の列及び/又は円弧状の列を含んでもよい。ナイフブレードは、クランプされた組織内に形成されたステープルの隣接する列の間に延びる直線状又は円弧状の経路に沿って組織を切断することができる。
【0002】
あくまで例示の外科用ステープラが、1997年2月25日に発行された「Trigger Mechanism for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,605,272号;1997年12月16日に発行された「Linear Stapler with Improved Firing Stroke」と題する米国特許第5,697,543号;2006年1月24日に発行された「Retaining Pin Lever Advancement Mechanism for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第6,988,650号;2006年11月14日に発行された「Knife Retraction Arm for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,134,587号;2006年12月12日に発行された「Closure Plate Lockout for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,147,139号、2006年12月12日に発行された「Cartridge Retainer for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,147,140号;2007年4月17日に発行された「Slotted Pins Guiding Knife in a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,204,404号;2007年4月24日に発行された「Cartridge with Locking Knife for a Curved Cutter Stapler」と題する米国特許第7,207,472号;及び2018年8月14に発行された「Method of Applying Staples in Lower Anterior Bowel Resection」と題する米国特許第10,045,780号に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開の各々の本開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、上記の本発明の一般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
図1A】ハンドル組立体、シャフト組立体、及びエンドエフェクタを有し、組織保持ピン作動システムが格納位置にあり、エンドエフェクタが開放状態であることを示す、例示的な外科用ステープラの斜視図である。
図1B】エンドエフェクタが開放状態の間、組織保持ピン作動システムが伸張位置にあることを示す、図1Aの外科用ステープラの斜視図である。
図1C】組織保持ピン作動システムが伸張位置に留まっている間、エンドエフェクタが閉鎖システムの作動を介して閉鎖状態にあることを示す、図1Aの外科用ステープラの斜視図である。
図1D】組織保持ピン作動システムが伸張位置に留まっている間、エンドエフェクタによって捕捉された組織のステープル留め及び切断を行うために、エンドエフェクタが発射システムの作動を介して発射済状態にあることを示す、図1Aの外科用ステープラの斜視図である。
図2図1Aの外科用ステープラの部分分解斜視図である。
図3】閉鎖システムの閉鎖バー、発射システムのステープルバー、及び発射システムのナイフバーを含む、図1Aの外科用ステープラのシャフト組立体の作動可能な構成要素の分解斜視図である。
図4A】閉鎖システム及び発射システムが非作動状態にある間、組織を保持するために組織保持ピン作動システムが伸張位置にあることを示す、明瞭さのために様々な構成要素が省略された、図1Aの外科用ステープラのハンドル組立体の側面図である。
図4B】閉鎖トリガを介してエンドエフェクタを閉鎖するように作動し、それによって組織をクランプする閉鎖システムを示す、明瞭さのために様々な構成要素が省略された、図1Aの外科用ステープラのハンドル組立体の側面図である。
図4C】エンドエフェクタが閉鎖状態の間、発射トリガを介して作動されてエンドエフェクタを発射させ、それによって組織をステープル留め及び切断する発射システムを示す、明瞭さのために様々な構成要素が省略された、図1Aの外科用ステープラのハンドル組立体の側面図である。
図5】エンドエフェクタの遠位支持構造体から分離されたエンドエフェクタのステープルカートリッジユニットを示す、図1Aの外科用ステープラの斜視図である。
図6図1Aの外科用ステープラのステープルカートリッジユニットの遠位左側の斜視図である。
図7図1Aの外科用ステープラのステープルカートリッジユニットの近位右側の斜視図である。
図8図1Aの外科用ステープラのステープルカートリッジユニットの分解斜視図である。
図9A】ステープルカートリッジユニットが遠位支持構造体から欠落しているときに、エンドエフェクタのロックアウト部材がロックアウト位置にある状態を示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面図である。
図9B】未使用のステープルカートリッジユニットが遠位支持構造体内に着座しているときに、ロックアウト部材がバイパス位置にある状態を示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面図である。
図10】ステープルカートリッジユニットを遠位支持構造体内に挿入した後の、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位部分の側面図である。
図11】ステープルカートリッジユニットの組織切断ワッシャと遠位支持構造体との相互作用を示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位部分の断面図である。
図12A】エンドエフェクタが開放状態にある間、組織保持ピンが格納位置にあることを示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面断面図である。
図12B】エンドエフェクタが開放状態にある間、組織保持ピンが伸張位置で組織を保持することを示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面断面図である。
図12C】組織保持ピンが伸張位置に留まっている間、エンドエフェクタを閉鎖状態に作動して、組織をクランプすることを示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面断面図である。
図12D】閉鎖状態に留まっている間、エンドエフェクタが更に発射済状態に作動して組織をステープル留め及び切断することを示す、図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの側面断面図である。
図13図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位支持構造体と連結された別の例示的な組織切断ワッシャの側面図である。
図14図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位支持構造体と連結された別の例示的な組織切断ワッシャの側面図である。
図15図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位支持構造体と連結された別の例示的な組織切断ワッシャの斜視図である。
図16図1Aの外科用ステープラのエンドエフェクタの遠位支持構造体と連結された別の例示的な組織切断ワッシャの斜視断面図である。
図17】別の例示的なアンビルと組み合わせて示される、図1Aの外科用ステープラと共に使用するのに好適な別の例示的な組織切断ワッシャの斜視図である。
図18】例示的なアンビルと組み合わせて示される、図1Aの外科用ステープラと共に使用するのに好適な別の例示的な組織切断ワッシャの切断部分の拡大斜視図である。
図19】例示的なアンビルと組み合わせて示される、図1Aの外科用ステープラと共に使用するのに好適な別の例示的な組織切断ワッシャの切断部分の斜視図である。
図20図1Aの外科用ステープラと共に使用するように構成された例示的なステープルカートリッジハウジングの斜視図である。
図21A】開放状態にあるステープルカートリッジユニットを示す、代替的に構成された組織切断ワッシャを有する図1Aの外科用ステープラのステープルカートリッジユニットの拡大側面断面図である。
図21B】組織をクランプするための閉鎖状態にあるステープルカートリッジユニットを示す、図21Aのステープルカートリッジユニットの拡大側面断面図である。
【0005】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴部、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0007】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科医のより近くに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタのより近くに、かつ外科医からより遠くに配置された要素の位置を指す。また、図面を参照して「上」、「下」、「上側」、「下側」、「垂直」、「水平」、「左」、「右」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は例示的な記述目的にのみ使用されて、限定することも絶対であることも意図していないと理解されるであろう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解される。
【0008】
本明細書で使用されるとき、任意の数値、又は数値の範囲に関連する「約」、「ほぼ」などの用語は、参照される正確な値、並びに参照される特徴、又は特徴の組み合わせが、本明細書に記載されている意図された目的のために機能することができる好適な寸法の許容誤差を包含することが意図されている。
【0009】
I.例示の直角外科用ステープラの概説
図1Aは、例えば、結腸直腸、胸郭、及び肥満症の処置を含む様々な非内視鏡(「開放」)外科的処置において組織をステープル留め及び切断するように構成された例示的な直角直線状外科用ステープラ(10)を示す。直角直線状外科用ステープラ(10)(「直角直線状カッター」とも呼ばれる)は、一般に、ハンドル組立体(12)と、ハンドル組立体(12)から遠位に延びるシャフト組立体(14)と、シャフト組立体(14)の遠位端にあるエンドエフェクタ(16)と、を含む。以下に記載するように、エンドエフェクタ(16)は、エンドエフェクタ(16)がシャフト組立体(14)によって画定される長手方向軸線に対して直角に横切るように延びる平面内の組織をクランプし、ステープル留めし、かつ切断するように、「直角」構成が設けられている。
【0010】
以下により詳細に記載するように、外科用ステープラ(10)は、患者に対する外科的処置の間にハンドル組立体(12)を介してエンドエフェクタ(16)を操作するための複数の作動システムを含む。具体的には、外科用ステープラ(10)は、エンドエフェクタ(16)内に組織を最初に保持するように動作可能な組織保持ピン作動システム(20)と、エンドエフェクタ(16)を用いて組織をクランプするように動作可能な閉鎖システム(22)と、その後に、エンドエフェクタ(16)を用いて組織をステープル留め及び切断するように動作可能な発射システム(24)と、を含む。
【0011】
本明細書の教示は、直線状のステープル列及び組織内の直線状切断線に適用するように構成された「直線状」外科用ステープラ(10)の文脈で示され記載されているが、本明細書の教示のうちの任意の1つ又は2つ以上が、本明細書に参考として組み込まれた参考文献のうちの任意の1つ又は2つ以上に開示されたタイプの外科用ステープラのように、非直線状の(例えば、湾曲した)構成でステープル列及び組織の切断線に適用するように構成された外科用ステープラに適用されてもよいことが理解されるであろう。
【0012】
A.外科用ステープラのハンドル組立体及びシャフト組立体
図1Aに示すように、ハンドル組立体(12)は、ピストルグリップ(32)を画定するハウジング(30)と、ハンドルハウジング(30)の上部に摺動可能に配設されたサドル形状の摺動部(34)と、枢動可能な閉鎖トリガ(36)と、枢動可能な発射トリガ(38)と、を含む。閉鎖トリガ(36)及び発射トリガ(38)は、シャフト組立体(14)を介してエンドエフェクタ(16)と動作可能に連結され、それにより、エンドエフェクタ(16)は、閉鎖トリガ(36)の作動に応じて閉鎖し、かつそれによって組織をクランプするように構成され、その後、発射トリガ(38)の作動に応じて組織をステープル留めしかつ切断する(すなわち、「発射する」)ように構成されている。図1Aは、エンドエフェクタ(16)が、カートリッジハウジング(162)と、エンドエフェクタ(16)内に取り付けられた(又は「リロードされた」)交換可能なステープルカートリッジユニット(160)のアンビル(210)との間に画定された間隙(G)(又は「アパーチャ」)内に横方向に組織を受け入れるように構成されるように、非作動構成にある摺動部(34)及び閉鎖トリガ(36)を示す。図1Bに示すように、摺動部(34)をエンドエフェクタ(16)に向かって遠位に並進させることにより、ステープルカートリッジユニット(160)の組織保持ピン(176)が遠位に延びて、アンビル(210)とカートリッジハウジング(162)との間に組織を捕捉する。図1Cに示すように、続いて閉鎖トリガ(36)をピストルグリップ(32)に向かって作動させると、カートリッジハウジング(162)がアンビル(210)に向かって遠位に駆動され、それによって組織がその間にクランプされる。図1Dに示すように、続いて、ピストルグリップ(32)に向かって発射トリガ(38)を作動させると、クランプされた組織内にステープルが遠位に押し出され、また、以下でより詳細に記載するように、ナイフ部材(194)(図8参照)を用いて、形成されたステープルラインの間で組織を切断する。
【0013】
図2に示すように、外科用ステープラ(10)は、組織保持ピン作動システム(20)、閉鎖システム(22)、及び発射システム(24)を支持するステープラ(10)のフレーム構造体を画定するために協働する一対の長手方向に延びるサイドプレート(40)を含む。各サイドプレート(40)は、ハンドルハウジング(30)内に収容された近位フレーム部分(42)と、シャフト組立体(14)のそれぞれの外側の横方向の側面を画定する中間シャフト部分(44)と、上方に延びる遠位フック(47)を有する遠位ジョー部分(46)と、を含む。遠位ジョー部分(46)は、以下に記載される閉鎖バー(50)の遠位端と協働して、ステープルカートリッジユニット(160)を取り外し可能に受け入れるエンドエフェクタ(16)のU字型遠位支持構造体(48)を画定する。本明細書で使用するとき、用語「U字型」は、本明細書に示される側面図のいずれかにおいて、エンドエフェクタ(16)によって提示される形状を指す。
【0014】
図3に示すように、作動システム(20、22、24)の細長い作動可能な構成要素がサイドプレート(40)の間に摺動可能に配設されて、プレートによって支持されており、細長い作動可能な構成要素は、ハンドル組立体(12)とステープルカートリッジユニット(160)とを動作可能に連結し、閉鎖バー(50)、ステープルバー(60)、及びナイフバー(70)を含む。閉鎖バー(50)は、ステープルカートリッジユニット(160)を受け入れて支持するように構成されたカートリッジ受容遠位部分(52)を含む。閉鎖バー(50)及びステープルバー(60)は各々、互いに離間した第1及び第2の横方向の側面と、それらの間に長手方向に延びる内側チャネルと、を有する両面構造体として構成される。この構成により、ナイフバー(70)は、ステープルバー(60)の長手方向の内側チャネル内に入れ子式でかつ摺動可能に配設され、ステープルバー(60)も同様にして閉鎖バー(50)の長手方向の内側チャネル内に入れ子式でかつ摺動可能に配設される、シャフト組立体(14)の配置が可能になる。更に、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)は、エンドエフェクタ(16)の独立した閉鎖及び発射を可能にする長手方向運動の範囲にわたって閉鎖バー(50)とは独立して長手方向に並進可能である。以下により詳細に記載するように、閉鎖バー(50)は、閉鎖トリガ(36)の作動に応じて組織をクランプするために、アンビル(210)に対して長手方向にカートリッジハウジング(162)を作動させるように動作可能である。ステープルバー(60)は、クランプされた組織をステープル留めするために、ステープルドライバ部材(186)(図8参照)をカートリッジハウジング(162)に対して長手方向に作動させるように動作可能である。ナイフバー(70)は、クランプされた組織を切断するために、カートリッジハウジング(162)及びステープルドライバ部材(186)に対して長手方向にナイフ部材(194)(図8参照)を作動させるように動作可能である。
【0015】
外科用ステープラ(10)の組織保持ピン作動システム(20)は、ハンドル組立体(12)の摺動部(34)と、ステープルカートリッジユニット(160)の組織保持ピン(176)と、シャフト組立体(14)の上側に沿って長手方向に延びる細長い押棒(80)と、ハンドル組立体(12)内に摺動可能に配設された押棒ドライバ(82)と、を含む。押棒(80)の遠位端は、ステープルカートリッジユニット(160)をエンドエフェクタ(16)の遠位支持構造体(48)に挿入すると、組織保持ピン(176)と解放可能に連結するように構成されている。押棒(80)の近位端は、押棒ドライバ(82)と連結され、これは次に摺動部(34)と連結される。したがって、近位位置と遠位位置との間で摺動部(34)を長手方向に並進させることにより、格納位置と伸張位置との間でカートリッジハウジング(162)に対する組織保持ピン(176)の長手方向の並進が駆動される。図1Aに示すように、組織保持ピン(176)は、摺動部(34)が近位位置にあるとき、保持ピン(176)がカートリッジハウジング(162)内に収容される格納位置を呈するように構成されている。図1Bに示すように、組織保持ピン(176)は、摺動部(34)が遠位位置に進められたときに、保持ピン(176)の遠位端がアンビル(210)と係合し、それによって、ステープルカートリッジユニット(160)の間隙(G)内に配置された組織を保持する、伸張位置を呈するように構成される。
【0016】
外科用ステープラ(10)の閉鎖システム(22)は、ハンドル組立体(12)の閉鎖トリガ(36)及び閉鎖バー(50)を含む。図2及び図4A図4Cに示すように、閉鎖トリガ(36)は、一対の横方向に延びるポスト(90)を中心としてハンドルハウジング(30)と枢動可能に連結される。垂直方向にスロット付きの遠位部分を有する閉鎖トリガ(36)の上部アーム(92)は、一対の閉鎖リンク(96)によって閉鎖バー(50)の近位端と動作可能に連結される。各閉鎖リンク(96)の近位端は、閉鎖トリガ上部アーム(92)の横方向に延びるポスト(93)と枢動可能に連結される。各閉鎖リンク(96)の遠位端は、閉鎖バー(50)の横方向に延びるポスト(54)を中心として閉鎖バー(50)の近位端と枢動可能に連結される。
【0017】
図4A図4Bに示すように、ピストルグリップ(32)に向かって閉鎖トリガ(36)を枢動させる枢動により、閉鎖トリガ上部アーム(92)が遠位かつ下方に前進され、それによって閉鎖リンク(96)を介して閉鎖バー(50)が遠位に駆動される。次いで、閉鎖バー(50)のカートリッジ受容遠位部分(52)は、カートリッジハウジング(162)をアンビル(210)に向かって遠位に駆動する。このようにして、エンドエフェクタ(16)は、組織がエンドエフェクタ(16)内に位置付け可能である開放状態(図1A図1B)から、組織がカートリッジハウジング(162)とアンビル(210)との間にクランプされる閉鎖状態(図1C)へと作動される。ハンドル組立体(12)のピストルグリップ(32)内に収容された閉鎖戻しばね(98)は、閉鎖トリガ(36)を非作動状態に向かって弾性的に付勢し、それにより、エンドエフェクタ(16)を開放状態に向かって弾性的に付勢する。
【0018】
本変形例では、閉鎖バー(50)は、操作者が閉鎖トリガ(36)を握ったときに、組織保持ピン作動システム(20)と協働して、保持ピン(176)をその伸張位置まで遠位に自動的に作動させるように更に構成されている。これに関して、図4A図4Bに最もよく示すように、ハンドル組立体(12)は、閉鎖リンク(96)の外側に沿って回転可能に配設された一対のカムヨーク(100)を更に含む。各カムヨーク(100)は、閉鎖バー(50)のそれぞれの近位ポスト(54)を摺動可能に受け入れる角度付きスロット(102)を含む。閉鎖トリガ(36)がピストルグリップ(32)に向かって作動すると、近位ポスト(54)は、カムヨーク(100)を遠位に回転可能に駆動させて、ヨーク(100)のカムローブ(104)が押棒ドライバ(82)の対応するサイドポスト(84)と係合し、それによって押棒(80)、ひいては組織保持ピン(176)を遠位に作動させる。エンドエフェクタ(16)の閉鎖中の組織保持ピン(176)のこのような自動伸張は、操作者が閉鎖トリガ(36)を作動する前に摺動部(34)を介して保持ピン(176)を遠位に手動で作動させなかった場合に有用であり得る。
【0019】
本実施例の閉鎖システム(22)は、閉鎖トリガ(36)を作動位置で解放可能にロックして、閉鎖トリガ(36)を握り続ける必要なく、エンドエフェクタ(16)を用いて組織の効果的なクランプを提供できるように更に構成されている。図4A図4Bに最もよく示すように、解放ボタン(110)は、ハンドル組立体(12)の近位端に枢動可能に配設される。ロック爪(112)は、解放ボタン(110)の上端から遠位に延び、解放ボタンばね(116)を介して、閉鎖トリガ上部アーム(92)の上端と接触するように弾性的に付勢されている爪状ラグ(114)を含む。したがって、閉鎖トリガ(36)がピストルグリップ(32)に向かって握られると、爪状ラグ(114)は、閉鎖トリガ上部アーム(92)の上面に沿って摺動するように構成されている。図4Bに示すように、閉鎖トリガ(36)が完全に作動位置に到達すると、爪状ラグ(114)は、閉鎖トリガ上部アーム(92)の近位上部ノッチ(94)内に入り込み、それによって閉鎖トリガ(36)を完全な作動位置にロックする。操作者がエンドエフェクタ(16)を再開放することを望む場合、例えば、エンドエフェクタ(16)内に組織を再配置するか、又はそうでなければ発射が完了した後に組織を解放するために、操作者は解放ボタン(110)を押下して、爪状ラグ(114)を閉鎖トリガ(36)から係合解除することができる。閉鎖戻しばね(98)によって提供される弾性的な付勢によって、閉鎖トリガ(36)は、その後非作動状態に戻り、エンドエフェクタ(16)は、図1A及び図4Aに示される開放状態に戻る。
【0020】
外科用ステープラ(10)の発射システム(24)は、ハンドル組立体(12)の発射トリガ(38)、ステープルバー(60)、ナイフバー(70)、並びにステープルカートリッジユニット(160)のステープルドライバ部材(186)及びナイフ部材(194)を含む。ナイフバー(70)及びステープルドライバ部材(186)の特徴部は、図8に関連して以下でより詳細に記載される。図2及び図4Aに示すように、本実施例の発射トリガ(38)は、ハンドルハウジング(30)から下方に延び、操作者によって係合可能である下部シュラウド(120)と、下部シュラウド(120)から上方かつ遠位に延び、ハンドルハウジング(30)と共に位置付けられる円弧状上部アーム(122)を有する一対のプレートと、円弧状上部アーム(122)の自由な遠位上端の間で横方向に延びる回転可能なカムピン(124)と、ハンドルハウジング(30)内の円弧状上部アーム(122)の下端から遠位に延びる発射ロックアウト突起部(126)と、を有する組立体として構成される。カムピン(124)は、本願と同日出願の「Cartridge Based Lockout Mechanism for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9088USNP1](その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示のいずれかに従って更に構成され、かつ動作可能であり得る。
【0021】
発射トリガ(38)は、横方向に延びる枢動ピン(128)を介してハンドルハウジング(30)と枢動可能に連結されている。加えて、発射トリガ(38)は、閉鎖トリガ(36)がピストルグリップ(32)に向かって作動される際に、発射トリガ(38)の円弧状上部アーム(122)が閉鎖トリガ上部アーム(92)のスロット付き遠位部分内に受け入れられるように、閉鎖トリガ(36)の遠位に位置付けられる。図4A図4Bに示すように、操作者が閉鎖トリガ(36)をピストルグリップ(32)に向かって完全に握ると、閉鎖トリガ上部アーム(92)の遠位スロット付き部分内に配設された遠位に面するレッジ(95)が、発射トリガ(38)のカムピン(124)と係合し、カムピン(124)を初期量だけ遠位に駆動する。これにより、図4Bに示すように、発射トリガ(38)の下端は、閉鎖トリガ(36)と同時にピストルグリップ(32)に向かって部分的に枢動する。
【0022】
図4Cに示すように、一度エンドエフェクタ(16)が完全な閉鎖状態に達して、ピストルグリップ(32)に向かって発射トリガ(38)を更に作動させると、エンドエフェクタ(16)を「発射する」ように動作する。具体的には、カムピン(124)の外側部分は、ステープルバー(60)の近位縁部(62)と係合し、ひいてはステープルバー(60)を閉鎖バー(50)に対して遠位に駆動する。図12A図12Dに関連して以下でより詳細に記載するように、ステープルバー(60)の遠位縁部(64)は、ステープルカートリッジハウジング(162)内のステープルドライバ部材(186)の近位端と係合し、それにより、ステープルドライバ部材(186)がステープルカートリッジハウジング(162)を通って遠位に駆動し、エンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織内にステープルを打ち込む。また発射トリガ(38)がその完全な作動状態に向かって作動すると、カムピン(124)の中間部分が発射トリガ(38)の円弧状上部アーム(122)間に配設され、ナイフバー(70)の丸みを帯びた近位縁部(72)と係合し、それにより、ナイフバー(70)を閉鎖バー(50)に対して遠位に駆動させる。図12A図12Dに関連して以下でより詳細に記載するように、ナイフバー(70)の遠位縁部(74)は、ステープルカートリッジハウジング(162)内のナイフ部材(194)の近位端と係合し、それにより、ナイフ部材(194)がステープルドライバ部材(186)を通って遠位に駆動し、エンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織を切断する。
【0023】
本実施例の発射システム(24)は、発射トリガ(38)がピストルグリップ(32)に向かって最初の運動範囲を通して作動されるときに、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)が共に遠位に並進し、かつ発射トリガ(38)がピストルグリップ(32)に向かって最終の運動範囲を通して更に作動されるとき、ナイフバー(70)がステープルバー(60)に対して遠位に並進し続けるように好適に構成されている。有利なことに、このような構成は、エンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織が完全にステープル留めされ、組織がナイフ部材(194)によって切断される前に、意図された組織切断線に沿って適切な止血が達成されることを確実にする。
【0024】
図2に示すように、発射システム(24)は、ハンドル組立体(12)内に収容されたナイフ戻しばね(130)を更に含む。ナイフ戻しばね(130)は、その遠位端でナイフバー(70)の遠位端に定着され、その近位端で閉鎖バー(50)の遠位端に定着される。したがって、ナイフ戻しばね(130)は、発射トリガ(38)が解放されると、閉鎖バー(50)及びステープルバー(60)に対してナイフバー(70)を近位に弾性的に付勢するように動作可能である。図3及び図12A図12Dに示すように、ナイフバー(70)は、遠位フック(76)を含み、それがナイフ部材(194)によって捕捉されることによってナイフ部材(194)をナイフバー(70)に軸方向に固着する。したがって、操作者が発射ストロークを完了した後に発射トリガ(38)を解放すると、ナイフバー(70)及びナイフ部材(194)は自動的に近位に後退して、ナイフ部材(194)の遠位切断縁部(200)をステープルカートリッジハウジング(162)内に安全に収容する。
【0025】
図2に示すように、本実施例の外科用ステープラ(10)は、枢動可能レバー(140)の形態である近位発射ロックアウト機構部を更に含み、これは、エンドエフェクタ(16)が閉鎖トリガ(36)によって完全に閉鎖されるまで、発射トリガ(38)の作動を抑制するように動作可能である。発射ロックアウトレバー(140)は、ハンドル組立体(12)内に収容され、左のサイドプレート(40)の近位フレーム部分(42)の外側に枢動可能に取り付けられる。発射ロックアウトレバー(140)は、ばね(146)によって、近位ロックアウトレバー(140)の下部タブ(142)が発射トリガ(38)の発射ロックアウト突起部(126)の下方への移動を阻止する位置に向かって弾性的に付勢されており、それにより、エンドエフェクタ(16)を閉鎖するために閉鎖トリガ(36)が完全に作動していない場合には、発射トリガ(38)の作動が抑制されるようになっている。閉鎖トリガ(36)が完全な作動状態に達すると、発射ロックアウトレバー(140)の上部アーム(144)は、解放ボタン(110)の爪状ラグ(114)によって下方に駆動され、これにより、下部タブ(142)を発射ロックアウト突起部(126)から離れるように回転させ、発射トリガ(38)の作動を可能にする。発射ロックアウトレバー(140)及びその例示的な変形例は、以下により詳細に記載される。発射ロックアウトレバー(140)及び外科用ステープラ(10)の他のロックアウト特徴部は、本願と同日出願の「Clamping Based Lockout Mechanism for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9087USNP1](その開示は参照により本明細書に組み込まれる)における教示のいいずれかに従って更に構成され、かつ動作可能であり得る。
【0026】
図示されていないが、外科用ステープラ(10)のシャフト組立体(14)は、関節接合部など様々な追加の構成要素を含んでもよく、あるいは、シャフト組立体(14)がハンドル組立体(12)に対してモジュール化されるように、様々な構成要素の再配置を含んでもよい。
【0027】
B.外科用ステープラのエンドエフェクタ
外科用ステープラ(10)のエンドエフェクタ(16)は、サイドプレート(40)の遠位部分、閉鎖バー(50)のカートリッジ受容遠位部分(52)、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)の遠位部分によって画定される遠位支持構造体(48)と、交換可能なステープルカートリッジユニット(160)とを含む。図5図8に最もよく示すように、本変形例のステープルカートリッジユニット(160)は、ステープル留め及び切断される患者組織を受け入れるための軸方向の間隙(G)をその間に画定するように、互いに離間したカートリッジハウジング(162)及びアンビル(210)を含む。カートリッジハウジング(162)は、アンビル(210)に対して組織をクランプするように構成され、アンビル(210)と共にシャフト組立体(14)の長手方向軸に対して横切るように延び、遠位に面したデッキ(164)を含み、その結果、エンドエフェクタ(16)に「直角」構成をもたらす。
【0028】
カートリッジデッキ(164)は、その中にナイフ(198)を摺動可能に受け入れるように構成された細長い直線状ナイフスロット(166)と、細長い直線状ナイフスロット(166)のいずれかの側に沿って直線状の列で配置され、複数の未形成ステープル(170)を内部に収容するように構成された複数のステープル開口部(168)と、を含む。本実施例のデッキ(164)は、ステープル開口部(168)の間に置かれ、組織がデッキ(164)とアンビル(210)との間にクランプされる際に患者組織の把持及び圧縮を最適化するように構成された、複数のスタンドオフ特徴部(172)を更に含む。デッキ(164)は、2019年1月14日出願の「Surgical Stapler with Sloped Staple Deck for Varying Tissue Compression」と題する米国特許出願第16/234,740号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って、更に構成され得る。
【0029】
カートリッジハウジング(162)の細長い上部本体部分(174)は、組織保持ピン(176)と、組織保持ピン(176)の近位端に固着された連結具(180)とを摺動可能に収容する。連結具(180)は、ステープルカートリッジユニット(160)がエンドエフェクタ(16)の遠位支持構造体(48)内に着座されたときに、組織保持ピン(176)を組織保持ピン作動システム(20)の押棒(80)の遠位端と解放可能に連結するように構成される。上部本体部分(174)の近位端に固着されたエンドキャップ部材(182)は、組織保持ピン(176)及び連結具(180)をカートリッジハウジング(162)内で近位に拘束するように構成されており、一方で、組織保持ピン(176)がその近位の格納位置(図1A及び図12Aを参照)とその遠位の伸張位置(図1B及び図12Bを参照)との間で並進することを可能にしている。組織保持ピン(176)は、保持ピン(176)がアンビル(210)に向かって延びるときに組織を貫通するように構成されたテーパ状の遠位先端部(178)を含む。
【0030】
カートリッジハウジング(162)の下部本体部分(184)は、ステープルドライバ部材(186)及びナイフ部材(194)を内部に摺動可能に受け入れる。図8に最も良く示すように、本変形例のステープルドライバ部材(186)は、基部(188)と、基部(188)から遠位に突出する複数のステープルドライバ要素(190)と、ステープルドライバ部材(186)を通って軸方向に延び、ナイフ部材(194)を摺動可能に受け入れるように構成された内部チャネル(192)と、を含む。各ステープルドライバ要素(190)は、カートリッジハウジング(162)のそれぞれのステープル開口部(168)内に摺動可能に受け入れられ、閉鎖トリガ(36)の作動に応じて、開口部(168)からそれぞれのステープル(170)を押し出すように構成される。本変形例のステープルドライバ要素(190)は基部(188)にしっかりと貼着されているが、基部(188)及びステープルドライバ要素(190)は、他の変形例では別個に提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0031】
ナイフ部材(194)は、基部(196)と、基部(196)に固着され、かつそこから遠位に延び、遠位切断縁部(200)を有するナイフ(198)と、を含む。ナイフ(198)は、ナイフ(198)が患者組織上で直線状の切断を行うことを可能にする平坦なプレート状形状で形成される。ナイフ部材(194)は、ステープルドライバ部材(186)の内部チャネル(192)内に摺動可能に受け入れられ、このため、ナイフ(198)が、発射トリガ(38)の完全な作動に応じて、エンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織を切断するために、ステープルドライバ部材(186)及びカートリッジハウジング(162)の細長い直線状ナイフスロット(166)を通して長手方向に並進するように構成されている。
【0032】
図8に最も良く示すように、ステープルカートリッジユニット(160)のアンビル(210)は、遠位プレート部分(212)と、遠位プレート部分(212)の下端から近位に延びる連結アーム(214)とを含む。遠位プレート部分(212)は、ステープル留め及び切断される組織をクランプするためにカートリッジデッキ(164)と協働するように構成されている。遠位プレート部分(212)は、細長い直線状スロット(216)と、スロット(216)の各側面に沿って直線状に配置された複数のステープル形成ポケット(218)とを含む。ポケット(218)は、遠位プレート部分(212)とカートリッジデッキ(164)との間にクランプされた組織内にステープル(170)を形成するために、カートリッジハウジング(162)から射出されたステープル(170)の脚部を受け入れ、変形させるように構成されている。
【0033】
ガイドピン(230)は、アンビルプレート部分(212)とカートリッジハウジング(162)との間で長手方向に延び、近位開放位置(図1A及び図12A参照)と遠位閉鎖位置(図1C及び図12C参照)との間でカートリッジハウジング(162)の長手方向の並進をガイドするように構成されている。ガイドピン(230)の近位端は、図8に示すアンビル連結アーム(214)の近位タブ(220)によって拘束され、ガイドピン(230)の遠位端は、アンビルプレート部分(212)内に形成された下部開口部(222)内に拘束される。アンビルプレート部分(212)に形成された上部開口部(224)は、組織保持ピン(176)がガイドピン(230)と協働してアンビル(210)に対するカートリッジハウジング(162)の長手方向の並進をガイドし得るように、組織保持ピン(176)のテーパ状の遠位先端部(178)を伸張位置で受け入れて拘束するように構成されている。図6図8に見られるように、ガイドピン(230)の内側は、長手方向の溝(232)を含んでもよく、この溝は、同様の溝(234)(図12A図12D参照)と協働して、ナイフ(198)をカートリッジハウジング(162)に対する格納位置と伸張位置との間で摺動可能にガイドするように構成されている。
【0034】
ステープルカートリッジユニット(160)は、アンビル(210)に固定され、かつエンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織を切断するためにナイフ(198)と協働するように構成された、組織切断ワッシャ(240)を更に含む。図8及び図10図11に最もよく示すように、組織切断ワッシャ(240)は、アンビルプレート部分(212)の遠位側面に沿って延びる細長いプレート状の本体(242)を含む。ワッシャ本体(242)は、アンビルプレート部分(212)の細長いスロット(216)を通って近位方向に突出する細長い切断要素(244)を含む。切断要素(244)は、ナイフの切断縁部(200)に、切断縁部(200)が接して組織を切断するための平坦な表面を提供することによって、まな板として機能する。組織切断ワッシャ(240)の少なくとも切断要素(244)は、高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)などの高分子材料を含んでもよい。その関連で、ナイフ(198)は、組織を切断する際に、その長手方向中心線に沿って、切断要素(244)に軸方向に切り込み得る。本変形例の切断要素(244)は、略平面的な切断面を提供するが、切断要素(244)は代替的に、例えば図16図19に関連して以下に記載する他の変形例で構成されてもよいことが理解されるであろう。
【0035】
組織切断ワッシャ(240)は、ワッシャ本体(242)の上端にある丸みを帯びた先端部(246)と、ワッシャ本体(242)の下端から近位に延びる連結アーム(248)と、を更に含む。ワッシャ先端部(246)は、アンビルプレート部分(212)の上端を捕捉し、それによって拘束し、その丸みを帯びた構成は、患者組織との非外傷性相互作用を促進する。プレス嵌めピン(250)は、アンビル(210)及び組織切断ワッシャ(240)の近位連結アーム(214、248)に形成された開口部を介して挿入されるように構成され、それによってアンビル(210)及び切断ワッシャ(240)を一緒に確実に連結する。
【0036】
組織切断ワッシャ(240)は、アンビルプレート部分(212)の全長に沿って延びる一対の側部フランジ(252)を更に含む。図10及び図11に示すように、各側部フランジ(252)は、近位に延びて、アンビルプレート部分(212)のそれぞれの側縁部を覆い、かつ遠位に延びて、遠位支持構造体(48)を画定するそれぞれのサイドプレート(40)の遠位フック(47)の少なくとも一部分を覆う。したがって、有利なことに、側部フランジ(252)は、アンビルプレート部分(212)と遠位フック(47)との間に形成され得る軸方向の間隙(254)を覆うように機能し、それにより、組織に望ましくない外傷をもたらす可能性のある様式で組織が軸方向の間隙(254)内に入り込み、挟まれることを防止することができる。図10に示すように、本変形例のステープラサイドプレート(40)の遠位フック(47)は、エンドエフェクタ(16)の閉鎖中に遠位フック(47)のわずかな遠位偏向に適応するように近位に押される。その結果、軸方向の間隙(254)は、アンビルプレート部分(212)とアンビル連結アーム(214)との間の横方向接合部に向かって下向き方向に拡大する。図10にも示されるように、側方フランジ(252)は、エンドエフェクタ(16)の両側の軸方向の間隙(254)を完全に覆うように、アンビルプレート部分(212)に対して遠位及び下方に延び、それによって、エンドエフェクタ(16)の閉鎖中に、組織が軸方向の間隙(254)内に閉じ込められ、挟まれることを効果的に防止する。図11に示すように、側部フランジ(252)の外側表面は、組織切断ワッシャ(240)の外周の非外傷性特性を更に向上させるために丸みを帯びていてもよい。
【0037】
C.エンドエフェクタの遠位支持構造体へのステープルカートリッジユニットの例示的な装填
図9A及び図9Bは、エンドエフェクタ(16)の遠位支持構造体体(48)への、新しい(又は「使用されていない」)状態のステープルカートリッジユニット(160)の装填を示す。図9Aに示すように、かつ上記で簡潔に記載したように、遠位支持構造体(48)は、遠位フック(47)によって画定される遠位側面、遠位ジョー部分(46)の近位部分及び閉鎖バー(50)のカートリッジ受容遠位部分(52)の遠位端によって画定される近位側面、及びそれらの間に配設された上方に開いている軸方向の間隙を有するU字型の側面輪郭を有するように構成される。
【0038】
ステープルリテーナ(260)が設けられているステープルカートリッジユニット(160)が図9A図9Bに示されており、デッキ(164)とアンビルプレート部分(212)との間に取り外し可能に位置付けられ、ステープル(170)をステープル開口部(168)内に保持し、ステープルカートリッジユニット(160)が遠位支持構造体(48)に挿入される際に、デッキ(164)とアンビルプレート部分(212)との間の適切な軸方向の間隔を確保する。ステープルリテーナ(260)は、本願と同日出願の「Staple Retainer for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9090USNP1](その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であり得る。ステープルリテーナ(260)を取り外すと、ステープルカートリッジユニット(160)は、アンビルプレート部分(212)及び組織切断ワッシャ(240)によって画定される遠位側面、カートリッジデッキ(164)によって画定される近位側面、及びそれらの間に配設された上方に開いている軸方向間隙(G)を有する、遠位支持構造体(48)と同様のU字型の側面輪郭を呈する。
【0039】
図9Aに示すように、ユーザはまず、カートリッジハウジング(162)の下部本体部分(184)上に形成された近位側レール(202)を、閉鎖バー(50)のカートリッジ受容遠位部分(52)に形成された内側チャネル(56)と位置合わせする(図3を参照)。図9Bに示すように、ユーザは次に、カートリッジハウジング(162)の近位側レール(202)が閉鎖バー(50)の内側チャネル(56)内へ下方に摺動するように、かつサイドプレート(40)の遠位フック(47)が組織切断ワッシャ本体(242)の遠位側面に形成された溝内へ摺動するように(図11参照)、エンドエフェクタ(16)の遠位支持構造体(48)にステープルカートリッジユニット(160)を下方に押し込む。ステープルカートリッジユニット(160)が遠位支持構造体(48)内に完全に着座すると、カートリッジハウジング(162)の下部本体部分(184)上に形成された戻り止め突出部(204)は、閉鎖バー(50)のカートリッジ受容遠位部分(52)に形成されたそれぞれの開口部(58)内に受容され、それによって、ステープルカートリッジユニット(160)が遠位支持構造体(48)内に取り外し可能に固着される。カートリッジ戻り止め突出部(204)の開口部(58)との係合は、ユーザに触覚フィードバック及び/又は聴覚フィードバックを提供して、ステープルカートリッジユニット(160)が遠位支持構造体(48)内に完全に着座していることを確認することができる。
【0040】
図9Aに示すように、遠位ロックアウトレバー(270)は、ステープルバー(60)の遠位端に枢動可能に連結される。遠位ロックアウトレバー(270)は、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)の遠位縁部(64)に向かって遠位に延び、サイドプレート(40)、閉鎖バー(50)、ステープルバー(60)、及びナイフバー(70)の遠位部分を通って横方向に延びる固定遠位ピン(280)と解放可能に係合するように構成されている。遠位ロックアウトレバー(270)は、未使用のステープルカートリッジユニット(160)の遠位支持構造体(48)への挿入時にステープルドライバ部材(186)の近位端が係合することに応じて、図9Aに示される上昇位置に向かって弾性的に付勢され、図9Bに示される下降位置に向かって枢動可能である。上昇位置において、遠位ロックアウトレバー(270)は固定遠位ピン(280)をロックするように係合し、それによって、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)の遠位作動を抑制し、ひいてはステープルカートリッジユニット(160)の発射を抑制する。下降位置において、遠位ロックアウトレバー(270)は固定遠位ピン(280)と係合解除し、それによって、ステープルカートリッジユニット(160)の発射のための、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)の遠位作動を可能にする。遠位ロックアウトレバー(270)及び外科用ステープラ(10)の他のロックアウト特徴部は、本願と同日出願の「Cartridge Based Lockout Mechanism for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9088USNP1](参照により上記に組み込まれる)の教示のいずれかに従って更に構成され、かつ動作可能であり得る。
【0041】
D.外科用ステープラの例示的な作動
ステープルカートリッジユニット(160)を含む、上記の外科用ステープラ(10)の様々な構造的特徴について記載してきたが、ここで外科的処置中の外科用ステープラ(10)の例示的な作動について以下に記載する。未使用のステープルカートリッジユニット(160)を上記の様式で遠位支持構造体(48)に装填した後、次に患者の体腔内でエンドエフェクタ(16)を適切に操作して、アンビルプレート部分(212)とカートリッジデッキ(164)との間のステープルカートリッジ間隙(G)内に患者組織を位置付ける。図12A及び図12Bに示すように、次に、摺動部(34)を介して遠位に押棒(80)を作動させて、押棒(80)を遠位に駆動し、それによって、組織保持ピン(176)をカートリッジハウジング(162)から延ばして、その遠位先端部(178)を、カートリッジデッキ(164)の上端を覆う組織に貫通させて、アンビルプレート部分(212)の上端内に着座させる。このようにして、患者組織は、閉鎖前にカートリッジ間隙(G)内にしっかりと保持される。
【0042】
図12Cに示すように、次いで、閉鎖バー(50)が閉鎖トリガ(36)を介して遠位に作動され、それによって、カートリッジハウジング(162)をガイドピン(230)及び組織保持ピン(176)に沿って遠位に駆動して、カートリッジデッキ(164)とアンビル(212)との間に組織をクランプする。本実施例に示すように、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)は、エンドエフェクタ(16)の完全閉鎖時にステープルドライバ部材(186)及びナイフ部材(194)が発射のために好適に位置付けられるように、閉鎖バー(50)及びカートリッジハウジング(162)と共に遠位に作動する。上述したように、エンドエフェクタ(16)は、ハンドル組立体(12)の解放ボタン(110)のロック爪(112)によって、完全閉鎖状態に解放可能に維持される。
【0043】
図12Dに示すように、次に、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)が発射トリガ(38)を介して遠位に作動され、それによって、ステープルドライバ部材(186)及びナイフバー(70)がカートリッジハウジング(162)を通って遠位に駆動される。ステープルドライバ部材(186)のステープルドライバ要素(190)は、ステープル開口部(168)を通って遠位に前進し、それによって、その中に収容されたステープル(170)を、クランプされた組織を通って遠位に、アンビルプレート部分(212)のステープル形成ポケット(218)内に打ち込み、組織内でステープル(170)が形成されるようにする。ナイフ部材(194)は、ナイフ(198)を、カートリッジデッキ(164)の細長いナイフスロット(166)を通って、クランプされた組織を通って、かつ組織切断ワッシャ(240)の切断要素(244)に対して遠位に駆動させ、それによって、形成されたステープル(170)の最も内側の列の間の直線状切断線に沿ってクランプされた組織を切断する。クランプされた組織を完全に切断すると、ナイフの切断縁部(200)は、組織切断ワッシャー(240)の切断要素(244)内に遠位に貫通し得る。任意選択的に、このような貫通に応じて、組織切断ワッシャ本体(242)は、ナイフの切断縁部(200)に沿って破断することができ、それによって、発射ストロークが完了し、クランプされた組織が完全にステープル留めされ、かつ切断されたことを外科医に(例えば、「パチン」という音を介して)聴覚的に示すことができる。
【0044】
上述したように、及び図12Dに示すように、発射トリガ(38)が組織のステープル留めすることになる最初の運動範囲を通して作動されると、ステープルドライバ部材(186)及びナイフ部材(194)は、ステープルカートリッジハウジング(162)を通って遠位に一緒に並進してもよい。図12Dに示すように、ナイフ部材(194)は、次に、発射トリガ(38)がステープル留めされた組織をナイフ(198)で切断することになる最終的な運動範囲を通して更に作動されると、静止したステープルドライバ部材(186)に対して遠位に並進し続けてもよい。このようにして、エンドエフェクタ(16)によってクランプされた組織は、切断される前に完全にステープル留めされる。
【0045】
図7に最も良く示すように、カートリッジハウジング(162)の下部本体部分(184)の第1の横方向の側面は、複数の軸方向に離間した凹部を有する戻り止めアーム(185)を含む。加えて、ステープルドライバ部材(186)の基部(188)の第1の横方向の側面は、横方向に延びる戻り止めポスト(189)を含み、これは、クランプされた組織をステープル留めするときに、ステープルドライバ部材(186)が、カートリッジハウジング(162)を通って遠位に駆動される際、戻り止めアーム(206)に沿って軸方向に戻り止めするように構成されている。図8に最も良く示すように、ステープルドライバ部材(186)の基部(188)の第2の横方向の側面は、複数の軸方向に離間した凹部を有する戻り止めアーム(191)を含む。加えて、ナイフ部材(194)の基部(196)の第2の横方向の側面は、横方向に延びる戻り止めポスト(197)を含み、これは、クランプされた組織を切断するときに、ナイフ部材(194)が、ステープルドライバ部材(186)を通って遠位に駆動される際に、戻り止めアーム(191)に沿って軸方向に戻り止めするように構成されている。このような戻り止め特徴部は、ステープルドライバ部材(186)が組織をステープル留めするために完全に伸張されたとき、及びその後、ナイフ部材(194)がステープル留めされた組織を切断するために完全に伸張されたときに、外科医に触覚フィードバックを提供することができる。
【0046】
外科用ステープラ(10)が完全に発射されると、外科医は発射トリガ(38)を解放し、これにより、ナイフバー(70)及びナイフ部材(194)を、上述のナイフ戻しばね(130)の弾性的な付勢を介して閉鎖バー(50)に対して近位に自動的に後退させることができる。本変形例では、閉鎖バー(50)に対するナイフバー(70)の近位後退が、閉鎖バー(50)に対するステープルバー(60)の近位後退もまた駆動し、例えば、ナイフバー(70)の遠位部分上に形成された下部タブ(78)と、ステープルバー(60)の遠位部分の下面に形成された下部スロット(66)との係合によって、ナイフバー(70)は、ステープルバー(60)と動作可能に連結される。一方、上記のステープル留め戻り止め特徴部(185、189)は、遠位ロックアウトレバー(270)がステープルドライバ部材(186)を係合解除するように、ステープルドライバ部材(186)をカートリッジハウジング(162)内のその完全に伸張した位置に維持するように動作する。これにより、遠位ロックアウトレバー(270)は、上昇したロックアウト位置に戻り、ステープルカートリッジユニット(160)がもう使用されてしまっているときに発射トリガ(38)の再作動を阻止することができる。このようにして、遠位ロックアウトレバー(270)は、ステープルを適用せずにナイフ(198)で組織を切断することとなる様式で、外科医が、使用済みステープルカートリッジユニット(160)を組織内に不注意に再発射することを防止する。
【0047】
発射トリガ(38)の解放後、次に外科医はハンドル組立体(12)上の解放ボタン(110)を押下して、上述した閉鎖戻しばね(98)の弾性的な付勢を介して、閉鎖トリガ(36)及び閉鎖バー(50)がそれらの非作動状態に戻ることを可能にする。閉鎖バー(50)のこのような近位への後退は、ステープル留め及び切断された組織が、エンドエフェクタ(16)から解放され得るように、カートリッジハウジング(162)をアンビル(210)から近位に引き離す。閉鎖バー(50)の近位への後退はまた、ステープルバー(60)及びナイフバー(70)をそれらの近位ホーム位置よりも更に近位に後退することにより、使用済みステープルカートリッジユニット(160)を遠位支持構造体(48)から取り外し、新しいステープルカートリッジユニット(160)と交換することができる。
【0048】
II.例示的な代替の組織切断ワッシャ
場合によっては、外科用ステープル留め処置中に他の利益を達成するために、追加的又は代替的な特徴部を有するステープルカートリッジユニット(160)の組織切断ワッシャ(240)を提供することが望ましい場合がある。以下に記載される例示的な代替の組織切断ワッシャ(300、310、320、330、360、370、380、400)の各々は、上述の組織切断ワッシャ(240)の代わりに、ステープルカートリッジユニット(160)及び外科用ステープラ(10)と共に使用するのに好適であり、ナイフ(198)と協働して組織を切断するように構成されている。各組織切断ワッシャ(300、310、320、330、360、370、380、400)は、以下に別途記載する点を除き、上述の組織切断ワッシャ(240)と同様であり、組織切断ワッシャ(300、310、320、330、360、370、380、400)の特徴部のうちの任意の1つ又は2つ以上が、互いに、かつ/又は組織切断ワッシャ(240)の特徴部と組み合わされ得ることが理解されるであろう。
【0049】
A.代替的な側部フランジを有する例示的な組織切断ワッシャ
図13は、サイドプレート(40)の遠位フック(47)とアンビル(210)のプレート部分(212)との間の軸方向の間隙を覆うように構成された一対の側部フランジ(302)を有する別の例示的な組織切断ワッシャ(300)を示す。各側部フランジ(302)は、アンビルプレート部分(212)の長さに沿って形状が変化する。具体的には、各側部フランジ(302)は、第1の軸方向寸法を有する下部フランジ部分(304)と、第2のより大きい軸方向寸法を有する、異なる形状の上部フランジ部分(306)と、を含む。そのような構成は、発射動作中に組織切断ワッシャ(300)に加えられる負荷の分布を最適化することができる。
【0050】
図14は、サイドプレート(40)の遠位フック(47)とアンビル(210)のプレート部分(212)との間の軸方向の間隙を覆うように構成された一対の側部フランジ(312)を有する別の例示的な組織切断ワッシャ(310)を示す。各側部フランジ(312)は、それぞれの遠位フック(47)によって画定された直角接合部の周りを湾曲し、アンビル連結アーム(214)の遠位端に沿ってカートリッジハウジング(162)に向かって近位に延びる下部伸張部(314)を含む。そのような構成は、アンビルプレート部分(212)の下端にて遠位フック(47)とアンビルプレート部分(212)との間に形成された軸方向の間隙の強化された被覆率を提供し、それにより、エンドエフェクタ(16)の閉鎖中に軸方向の間隙内に組織を不注意に挟むリスクを更に軽減する。
【0051】
図15は、サイドプレート(40)の遠位フック(47)とアンビル(210)のプレート部分(212)との間の軸方向の間隙を覆うように構成された一対の側部フランジ(322)を有する別の例示的な組織切断ワッシャ(320)を示す。側部フランジ(322)は、各側部フランジ(322)が、それぞれの遠位フック(47)によって画定される直角接合部の周りを湾曲する下部伸張部(324)を含むという点で、組織切断ワッシャ(310)の側部フランジ(312)と同様である。しかしながら、側部フランジ(322)は、アンビル連結アーム(214)の大部分に沿ってカートリッジハウジング(162)に向かって近位に延びるように構成されている。したがって、側部フランジ(322)は、アンビル連結アーム(214)と遠位支持構造体(48)の遠位ジョー部分(46)の対応する軸方向に延びる下部セクションとの間の横方向の間隙において、組織を不注意による挟持から追加的に保護する。
【0052】
B.代替的な組織切断突起部を有する例示的な組織切断ワッシャ
上述の組織切断ワッシャ(240)の細長い切断要素(244)は平面的な切断面を有するが、他の例では、切断要素(244)を他の特徴部で構成することが望ましい場合がある。図16は、切断ワッシャ(330)が細長いワッシャ本体(332)と、本体(332)から近位に突出し、アンビル(350)の細長いスロット(352)を通って突出する細長い切断要素(334)と、アンビル(350)の横方向の側面に沿って延びる一対の側部フランジ(336)と、を含むという点で、組織切断ワッシャ(240)と同様の例示的な代替の組織切断ワッシャ(330)を示す。切断要素(334)の切断面は、切断要素(334)の長さに沿って離間した複数の角度付き歯(338)を含み、その結果、角度付き歯(388)は切断要素(334)の長手方向中心線上に位置付けられる。角度付き歯(338)は、ステープル留め及び切断されている間に組織の把持及び制御を強化することができ、したがって、適用されたステープル列及び切断線の精度を高めることができる。
【0053】
図17は、アンビル(350)と組み合わせた別の例示的な組織切断ワッシャ(360)を示す。組織切断ワッシャ(360)は、細長いワッシャ本体(362)と、ワッシャ本体(362)からアンビルスロット(352)を通って近位に突出する細長い切断要素(364)と、を含む。切断要素(364)は、切断要素(364)の長さに沿って離間した並列対で配置された複数の細長いクリート(366)を含み、その結果、クリート(366)の各対は、切断要素(364)の長手方向中心線をまたぐ。組織切断ワッシャ(330)の角度付き歯(338)と同様に、細長いクリート(366)は、ステープル留め及び切断されている間に組織の把持及び制御を強化するように構成されている。
【0054】
図18は、アンビル(350)と組み合わせた別の例示的な組織切断ワッシャ(370)を示す。組織切断ワッシャ(370)は、細長いワッシャ本体(図示せず)と、ワッシャ本体からアンビルスロット(352)を通って近位に突出する細長い切断要素(374)と、を含む。切断要素(374)は、切断要素(374)の長さに沿って離間した複数の穿孔(376)を含み、各穿孔(376)は切断要素(374)の長手方向中心線を横切って横方向に延びている。穿孔(376)の提供は、組織を切断する際にナイフ切断縁部(200)が貫通する材料の量を減少させ、したがって、外科用ステープラ(10)を完全に発射するために、外科医が発射システム(24)に加えるのに必要な発射力を減少させることができる。
【0055】
図19は、アンビル(350)と組み合わせた更に別の例示的な組織切断ワッシャ(380)を示す。組織切断ワッシャ(380)は、細長いワッシャ本体(382)と、ワッシャ本体(382)からアンビルスロット(352)を通って近位に突出する細長い切断要素(384)と、を含む。切断要素(384)は、切断要素(384)の全長に沿って延びる一対の上昇したテクスチャストリップ(386)を含み、その結果、テクスチャストリップ(386)は、切断要素(384)の長手方向中心線をまたぐ。上述した角度付き歯(338)及び細長いクリート(366)と同様に、テクスチャストリップ(386)は、ステープル留め及び切断されている間の組織の把持及び制御を強化するように構成されている。
【0056】
図20は、上述の組織カートリッジユニット(160)と共に使用するのに好適な例示的な代替のカートリッジハウジング(390)を示す。カートリッジハウジング(390)は、以下に別途記載する点を除き、上述のステープルカートリッジユニット(160)のカートリッジハウジング(162)と同様である。カートリッジハウジング(390)は、デッキ(392)の長手方向中心線に沿って延びる細長いナイフスロット(394)及びナイフスロット(394)のいずれかの側に位置付けられた複数のステープル開口部(396)を有するデッキ(392)を含む。カートリッジハウジング(390)のデッキ(392)は、ステープル開口部(396)の内側に、ナイフスロット(394)のいずれかの側に位置付けられた一対の上昇したテクスチャストリップ(398)を更に含む。上述の組織切断ワッシャ(380)のテクスチャストリップ(386)と同様に、テクスチャストリップ(386)は、ステープル留め及び切断されている間に組織の把持及び制御を強化するように構成されている。
【0057】
C.戻り止め特徴部を有する例示的な組織切断ワッシャ
場合によっては、ステープルリテーナ(260)をカートリッジユニット(160)から取り外した後、かつエンドエフェクタ(16)の遠位支持構造体(48)内に装填する前に、カートリッジデッキ(164)とアンビルプレート部分(212)との間の間隙(G)を維持する更なる特徴部を有するステープルカートリッジユニット(160)を提供することが望ましい場合がある。図21A図21Bは、ワッシャ本体(402)及びワッシャ本体(402)から近位に延びる細長い近位連結アーム(404)を有する例示的な代替の組織切断ワッシャ(400)を含む、ステープルカートリッジユニット(160)の修正変形例を示す。細長い近位連結アーム(404)は、その近位端に配置され、アンビル(210)の近位連結アーム(214)内に形成された開口部を通って突出する戻り止め突出部(406)を含む。本実施例の戻り止め突出部(406)は、近位連結アーム(404)と一体的に形成され、弾性構造を有する。他の実施例では、戻り止め突出部(406)は、近位連結アーム(404)によって支持され、かつそれと動作可能に連結される別個の要素として形成されてもよい。いくつかのそのような変形例では、戻り止め突出部(406)は、例えば、プレス嵌めピン(250)のドーム形ヘッド又は作動可能なボール戻り止めの形態であってもよい。
【0058】
図21Aに示すように、カートリッジハウジング(162)の対面する側は、エンドエフェクタ(16)が開放状態にあるときに、戻り止め突出部(406)を戻り止め係合部で解放可能に受け入れるように構成された対応する戻り止め凹部(408)を含む。そのような戻り止め係合は、例えば、ステープルカートリッジユニット(160)を遠位支持構造体(48)内に装填する前に、ステープルリテーナ(260)が取り外されたときに、ステープルリテーナ(260)が欠落している状態で、アンビルプレート部分(212)とカートリッジデッキ(164)との間のカートリッジ間隙(G)の所定の軸方向距離を維持するのを助ける。図21Bに示すように、閉鎖トリガ(36)の作動を介したエンドエフェクタ(16)の閉鎖は、戻り止め突出部(406)と戻り止め凹部(408)との間の戻り止め係合を克服し、したがって、カートリッジハウジング(162)が組織をクランプするための閉鎖位置まで遠位に前進することを可能にする。
【0059】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の適用範囲をも限定することを意図したものではないと理解されよう。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方式で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者らによって又は本発明者らの利益の承継者によって、後日そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。なんらかの特許請求が、本出願において、又は以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0060】
外科用ステープラと共に使用するために構成されたステープルカートリッジユニットであって、(a)カートリッジハウジングであって、(i)デッキと、(ii)デッキ内に形成された複数の開口部であって、開口部からデッキに接して位置付けられた組織内に遠位に打ち込まれるように構成された複数のステープルを収容するように構成されている、複数の開口部と、を含む、カートリッジハウジングと、(b)カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフであって、カートリッジハウジングから、デッキに接して位置付けられた組織を通って、遠位に駆動されるように構成されている、ナイフと、(c)カートリッジハウジングの遠位に配置されたアンビルであって、(i)細長いスロットと、(ii)細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルと、(d)アンビルに対して固定された切断ワッシャであって、(i)アンビルの細長いスロット内に配設された切断部分であって、ナイフが、切断部分に接して組織を切断するように遠位に移動可能である、切断部分と、(ii)一対の側部フランジであって、アンビルに対して横切るように延び、アンビルと、ステープルカートリッジユニットが受け入れられる外科用ステープラの遠位支持構造体との間に画定された間隙を覆うように構成されている、一対の側部フランジと、を含む、切断ワッシャと、を備える、ステープルカートリッジユニット。
【実施例2】
【0061】
切断ワッシャの側部フランジが、アンビルの全長に沿って延びている、実施例1に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例3】
【0062】
切断ワッシャが、アンビルの遠位側面に沿って配設されている、実施例1又は2に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例4】
【0063】
アンビルは、ステープル形成ポケットが配設されるプレート部分を備え、切断ワッシャの側部フランジが、プレート部分の第1及び第2の対向する側縁部に沿って延びている、実施例1~3のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例5】
【0064】
切断ワッシャの側部フランジは、組織が、アンビルと外科用ステープラの遠位支持構造体との間に画定された間隙内に内向きに前進するのを防止するように構成されている、実施例1~4のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例6】
【0065】
切断ワッシャの切断部分は、細長い突出部を含み、細長い突出部が、アンビルの細長いスロットを通って近位に突出する、実施例1~5のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例7】
【0066】
カートリッジハウジングは、近位位置と遠位位置との間で並進軸に沿ってアンビル及び切断ワッシャに対して並進可能であり、デッキが、並進軸に対して横切るように延びている、実施例1~6のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例8】
【0067】
カートリッジハウジングは第1の戻り止め特徴部を含み、切断ワッシャの近位に延びる部分が第2の戻り止め特徴部を提供し、第1の戻り止め特徴部及び第2の戻り止め特徴部は、カートリッジハウジングを近位位置に解放可能に保持するように協働するように構成されている、実施例7に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例9】
【0068】
カートリッジハウジングとアンビルとの間に長手方向に延びるガイドピンを更に備え、カートリッジハウジングが、ガイドピンに沿って並進可能である、実施例1~8のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例10】
【0069】
組織保持ピンを更に備え、組織保持ピンは、組織保持ピンの遠位先端部がアンビルから近位に離間している格納位置と、遠位先端部がアンビルと係合し、それによってアンビルとカートリッジハウジングとの間に組織を保持する伸張位置との間で、カートリッジハウジングに対して選択的に作動可能である、実施例1~9のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例11】
【0070】
カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたステープルドライバ部材を更に備え、ステープルドライバ部材が、開口部から遠位にステープルを押し出すように動作可能である、実施例1~10のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例12】
【0071】
ステープルドライバ部材が、ナイフとは独立して、カートリッジハウジングに対して作動可能である、実施例11に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例13】
【0072】
カートリッジハウジングのデッキ内の開口部が、複数の直線状の列で配置され、ナイフが、直線状の切断縁部を含む、実施例1~12のいずれか1つに記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例14】
【0073】
外科用ステープラであって、(a)本体組立体と、(b)本体組立体から遠位に延びるシャフト組立体と、(c)シャフト組立体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、(i)支持構造体と、(ii)請求項1に記載のステープルカートリッジユニットであって、カートリッジハウジングのデッキがシャフト組立体の長手方向軸に対して横切るように延びるように、支持構造体によって取り外し可能に受け入れられている、請求項1に記載のステープルカートリッジユニットと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープラ。
【実施例15】
【0074】
切断ワッシャの側部フランジの各々が、アンビルのそれぞれの側面の上を近位に、及び支持構造体の遠位部分のそれぞれの側面の上を遠位に延びている、実施例14に記載の外科用ステープラ。
【実施例16】
【0075】
外科用ステープラと共に使用するために構成されたステープルカートリッジユニットであって、(a)カートリッジハウジングであって、(i)デッキと、(ii)デッキ内に形成された複数の開口部であって、開口部からデッキに接して位置付けられた組織内に遠位に打ち込まれるように構成された複数のステープルを収容するように構成されている、複数の開口部と、(iii)第1の戻り止め特徴部と、を含む、カートリッジハウジングと、(b)カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフであって、カートリッジハウジングから、デッキに接して位置付けられた組織を通って、遠位に駆動されるように構成されている、ナイフと、(c)カートリッジハウジングの遠位に配置されたアンビルであって、(i)細長いスロットと、(ii)細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルと、(d)アンビルに対して固定された切断ワッシャであって、アンビルの細長いスロット内に配設された切断部分を含み、ナイフが、切断部分に接して組織を切断するように遠位に移動可能である、切断ワッシャと、(e)切断ワッシャによって支持された第2の戻り止め特徴部と、を備え、カートリッジハウジングは、デッキがアンビルから近位に離間している近位位置と、デッキがアンビルに接して組織をクランプするように構成されている遠位位置との間で、アンビルに対して選択的に作動可能であり、第1の戻り止め特徴部及び第2の戻り止め特徴部が、カートリッジハウジングを近位位置に解放可能に保持するように協働するように構成されている、ステープルカートリッジユニット。
【実施例17】
【0076】
切断ワッシャは、切断部分に対して近位に延びるアームを更に含み、アームが、第2の戻り止め特徴部を提供する、実施例16に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例18】
【0077】
第1の戻り止め特徴部が凹部を含み、第2の戻り止め特徴部が凹部と解放可能に係合するように構成された突起部を含む、実施例16又は17に記載のステープルカートリッジユニット。
【実施例19】
【0078】
外科用ステープラであって、(a)本体と、(b)本体組立体からシャフト軸に沿って遠位に延びるシャフト組立体と、(c)シャフト組立体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、(i)支持構造体と、(ii)支持構造体によって取り外し可能に受け入れられたステープルカートリッジユニットであって、(A)支持構造体の近位部分と連結されたカートリッジハウジングであって、カートリッジハウジングは、シャフト軸に対して横切るように延びるデッキを含み、デッキが、それぞれの複数のステープルを収容するように構成された複数の開口部を含む、カートリッジハウジングと、(B)カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフと、(C)支持構造体の遠位部分に対して固定されたアンビルプレートであって、アンビルが、細長いスロットと、細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルプレートと、(D)アンビルプレートに対して固定された切断ワッシャであって、ナイフが接して組織を切断するように構成されている切断部分を含み、組織がアンビルプレートと支持構造体の遠位部分との間に入るのを防止するように動作可能な一対の側部フランジを更に含む、切断ワッシャと、を備える、ステープルカートリッジユニットと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープラ。
【実施例20】
【0079】
側部フランジの各々が、アンビルプレートのそれぞれの側面の上を近位に、及び支持構造体の遠位部分のそれぞれの側面の上を遠位に延びている、実施例19に記載の外科用ステープラ。
【0080】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変及び変形は、特許請求の範囲に含まれるものとする。
【0081】
更に、本明細書に記載された教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本願と同日出願の「Clamping Based Lockout Mechanism for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9087USNP1];本願と同日出願の「Cartridge Based Lockout Mechanism for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9088USNP1];及び、本願と同日出願の「Staple Retainer for Right Angle Surgical Stapler」と題する米国特許出願第[代理人参照番号END9090USNP1](その開示は参照により上記に組み込まれる)に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせてもよい。
【0082】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、かつ必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0083】
上記の装置の変形例は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示を、以下のうちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わせることができることを認識するであろう:1998年8月11日に発行され、「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、2014年7月22日に発行され、「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題する米国特許第8,783,541号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、2013年7月9日に発行され、「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する米国特許第8,479,969号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、2014年8月12日に発行され、「Robotically-Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題する米国特許第8,800,838号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)、及び/又は2013年11月5日に発行され、「Robotically-Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する米国特許第8,573,465号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0084】
上述の装置の変形例は、1回の使用後に廃棄するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、装置のいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は処置の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0085】
単に一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次いで、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0086】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。かかる可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) 外科用ステープラと共に使用するために構成されたステープルカートリッジユニットであって、
(a)カートリッジハウジングであって、
(i)デッキと、
(ii)前記デッキ内に形成された複数の開口部であって、前記開口部から前記デッキに接して位置付けられた組織内に遠位に打ち込まれるように構成された複数のステープルを収容するように構成されている、複数の開口部と、を含む、カートリッジハウジングと、
(b)前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフであって、前記カートリッジハウジングから、前記デッキに接して位置付けられた前記組織を通って、遠位に駆動されるように構成されている、ナイフと、
(c)前記カートリッジハウジングの遠位に配置されたアンビルであって、
(i)細長いスロットと、
(ii)前記細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルと、
(d)前記アンビルに対して固定された切断ワッシャであって、
(i)前記アンビルの前記細長いスロット内に配設された切断部分であって、前記ナイフが、前記切断部分に接して組織を切断するように遠位に移動可能である、切断部分と、
(ii)一対の側部フランジであって、前記アンビルに対して横切るように延び、前記アンビルと、前記ステープルカートリッジユニットが受け入れられる前記外科用ステープラの遠位支持構造体との間に画定された間隙を覆うように構成されている、一対の側部フランジと、を含む、切断ワッシャと、を備える、ステープルカートリッジユニット。
(2) 前記切断ワッシャの前記側部フランジが、前記アンビルの全長に沿って延びている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(3) 前記切断ワッシャが、前記アンビルの遠位側面に沿って配設されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(4) 前記アンビルは、前記ステープル形成ポケットが配設されるプレート部分を備え、前記切断ワッシャの前記側部フランジが、前記プレート部分の第1及び第2の対向する側縁部に沿って延びている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(5) 前記切断ワッシャの前記側部フランジは、組織が、前記アンビルと前記外科用ステープラの前記遠位支持構造体との間に画定された前記間隙内に内向きに前進するのを防止するように構成されている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
【0088】
(6) 前記切断ワッシャの前記切断部分は、細長い突出部を含み、前記細長い突出部が、前記アンビルの前記細長いスロットを通って近位に突出する、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(7) 前記カートリッジハウジングは、近位位置と遠位位置との間で並進軸に沿って前記アンビル及び前記切断ワッシャに対して並進可能であり、前記デッキが、前記並進軸に対して横切るように延びている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(8) 前記カートリッジハウジングは第1の戻り止め特徴部を含み、前記切断ワッシャの近位に延びる部分が第2の戻り止め特徴部を提供し、前記第1の戻り止め特徴部及び前記第2の戻り止め特徴部は、前記カートリッジハウジングを前記近位位置に解放可能に保持するように協働するように構成されている、実施態様7に記載のステープルカートリッジユニット。
(9) 前記カートリッジハウジングと前記アンビルとの間に長手方向に延びるガイドピンを更に備え、前記カートリッジハウジングが、前記ガイドピンに沿って並進可能である、実施態様7に記載のステープルカートリッジユニット。
(10) 組織保持ピンを更に備え、前記組織保持ピンは、前記組織保持ピンの遠位先端部が前記アンビルから近位に離間している格納位置と、前記遠位先端部が前記アンビルと係合し、それによって前記アンビルと前記カートリッジハウジングとの間に組織を保持する伸張位置との間で、前記カートリッジハウジングに対して選択的に作動可能である、実施態様9に記載のステープルカートリッジユニット。
【0089】
(11) 前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたステープルドライバ部材を更に備え、前記ステープルドライバ部材が、前記開口部から遠位に前記ステープルを押し出すように動作可能である、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(12) 前記ステープルドライバ部材が、前記ナイフとは独立して、前記カートリッジハウジングに対して作動可能である、実施態様11に記載のステープルカートリッジユニット。
(13) 前記カートリッジハウジングの前記デッキ内の前記開口部が、複数の直線状の列で配置され、前記ナイフが、直線状の切断縁部を含む、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニット。
(14) 外科用ステープラであって、
(a)本体組立体と、
(b)前記本体組立体から遠位に延びるシャフト組立体と、
(c)前記シャフト組立体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、
(i)支持構造体と、
(ii)実施態様1に記載のステープルカートリッジユニットであって、前記カートリッジハウジングの前記デッキが前記シャフト組立体の長手方向軸に対して横切るように延びるように、前記支持構造体によって取り外し可能に受け入れられている、実施態様1に記載のステープルカートリッジユニットと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープラ。
(15) 前記切断ワッシャの前記側部フランジの各々が、前記アンビルのそれぞれの側面の上を近位に、及び前記支持構造体の遠位部分のそれぞれの側面の上を遠位に延びている、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
【0090】
(16) 外科用ステープラと共に使用するために構成されたステープルカートリッジユニットであって、
(a)カートリッジハウジングであって、
(i)デッキと、
(ii)前記デッキ内に形成された複数の開口部であって、前記開口部から前記デッキに接して位置付けられた組織内に遠位に打ち込まれるように構成された複数のステープルを収容するように構成されている、複数の開口部と、
(iii)第1の戻り止め特徴部と、を含む、カートリッジハウジングと、
(b)前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフであって、前記カートリッジハウジングから、前記デッキに接して位置付けられた前記組織を通って、遠位に駆動されるように構成されている、ナイフと、
(c)前記カートリッジハウジングの遠位に配置されたアンビルであって、
(i)細長いスロットと、
(ii)前記細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルと、
(d)前記アンビルに対して固定された切断ワッシャであって、前記アンビルの前記細長いスロット内に配設された切断部分を含み、前記ナイフが、前記切断部分に接して組織を切断するように遠位に移動可能である、切断ワッシャと、
(e)前記切断ワッシャによって支持された第2の戻り止め特徴部と、を備え、
前記カートリッジハウジングは、前記デッキが前記アンビルから近位に離間している近位位置と、前記デッキが前記アンビルに接して組織をクランプするように構成されている遠位位置との間で、前記アンビルに対して選択的に作動可能であり、
前記第1の戻り止め特徴部及び前記第2の戻り止め特徴部が、前記カートリッジハウジングを前記近位位置に解放可能に保持するように協働するように構成されている、ステープルカートリッジユニット。
(17) 前記切断ワッシャは、前記切断部分に対して近位に延びるアームを更に含み、前記アームが、前記第2の戻り止め特徴部を提供する、実施態様16に記載のステープルカートリッジユニット。
(18) 前記第1の戻り止め特徴部が凹部を含み、前記第2の戻り止め特徴部が前記凹部と解放可能に係合するように構成された突起部を含む、実施態様16に記載のステープルカートリッジユニット。
(19) 外科用ステープラであって、
(a)本体と、
(b)前記本体からシャフト軸に沿って遠位に延びるシャフト組立体と、
(c)前記シャフト組立体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、
(i)支持構造体と、
(ii)前記支持構造体によって取り外し可能に受け入れられたステープルカートリッジユニットであって、
(A)前記支持構造体の近位部分と連結されたカートリッジハウジングであって、前記カートリッジハウジングは、前記シャフト軸に対して横切るように延びるデッキを含み、前記デッキが、それぞれの複数のステープルを収容するように構成された複数の開口部を含む、カートリッジハウジングと、
(B)前記カートリッジハウジング内に移動可能に配設されたナイフと、
(C)前記支持構造体の遠位部分に対して固定されたアンビルプレートであって、前記アンビルが、細長いスロットと、前記細長いスロットに沿って配設された複数のステープル形成ポケットと、を含む、アンビルプレートと、
(D)前記アンビルプレートに対して固定された切断ワッシャであって、前記ナイフが接して組織を切断するように構成されている切断部分を含み、組織が前記アンビルプレートと前記支持構造体の前記遠位部分との間に入るのを防止するように動作可能な一対の側部フランジを更に含む、切断ワッシャと、を備える、ステープルカートリッジユニットと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、外科用ステープラ。
(20) 前記側部フランジの各々が、前記アンビルプレートのそれぞれの側面の上を近位に、及び前記支持構造体の前記遠位部分のそれぞれの側面の上を遠位に延びている、実施態様19に記載の外科用ステープラ。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B