(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】洗面器組付けアセンブリならびに洗面器組付けアセンブリを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
A47K 1/04 20060101AFI20240422BHJP
F16L 1/00 20060101ALN20240422BHJP
【FI】
A47K1/04 A
F16L1/00 F
(21)【出願番号】P 2021566361
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2020058537
(87)【国際公開番号】W WO2020224867
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】102019003194.6
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ レーディガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヴェーヌス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク ベゲロウ
(72)【発明者】
【氏名】パウル リューベザーメン
(72)【発明者】
【氏名】ペイ グオ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン チャナ チィヌー
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト バッハマン
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-342652(JP,A)
【文献】米国特許第5205002(US,A)
【文献】特開2004-293055(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0664362(EP,A2)
【文献】米国特許第6122777(US,A)
【文献】英国特許出願公開第2423560(GB,A)
【文献】特開2015-190205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/04-1/05
F16L 1/00
E03C 1/00-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面器組付けアセンブリ(1)であって、洗面器(2)と、第1の機能ユニット(3)と、第2の機能ユニット(4)とを少なくとも有しており、前記第1の機能ユニット(3)が、壁エレメント(5)に配設可能であり、流体のための少なくとも1つの流入部(7)に流体技術的に接続するための少なくとも1つの第1の接続部(6)と、前記第1の機能ユニット(3)を通って延びる第1の管路(8)と、該第1の管路(8)を介して前記第1の接続部(6)に流体技術的に接続されている第1の結合エレメント(9)とを有しており、前記第2の機能ユニット(4)が、前記洗面器(2)に結合されており、前記第2の機能ユニット(4)が、器具(11)のための少なくとも1つの第2の接続部(10)と、前記第2の機能ユニット(4)を通って延びる第2の管路(12)と、該第2の管路(12)を介して前記第2の接続部(10)に流体技術的に接続されている第2の結合エレメント(13)とを有しており、前記洗面器(2)が、前記第2の機能ユニット(4)を介して、前記壁エレメント(5)に取り付けられた前記第1の機能ユニット(3)に被せ嵌め可能であり、該被せ嵌めにより、前記第1の結合エレメント(9)と前記第2の結合エレメント(13)とが、前記第2の接続部(10)と前記流入部(7)との流体技術的な接続部を形成するために結合可能であ
り
前記第1の機能ユニット(3)は、前記壁エレメント(5)の取付けピン(22)に被せ嵌めることで結合されており、前記第2の機能ユニット(4)は、ガイド(19)を介して軸方向(23)に沿って前記第1の機能ユニット(3)に被せ嵌められることで前記洗面器(2)内に挿入され、前記第1の機能ユニット(3)が前記第2の機能ユニット(4)と結合した状態では、前記洗面器(2)が前記壁エレメント(5)に密着するように保持されている、洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記第2の機能ユニット(4)が、前記洗面器(2)に着脱可能または分離不能に結合されている、請求項1記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記洗面器(2)が、専ら前記第2の機能ユニット(4)を介して前記第1の機能ユニット(3)に結合可能である、請求項1または2記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記洗面器(2)から前記第2の機能ユニット(4)および前記第1の機能ユニット(3)を介して流体を流出させる流出部(14)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記流出部(14)に対応して配置されたサイフォンが、前記第1の機能ユニット(3)または前記第2の機能ユニット(4)内に統合されている、請求項4記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項6】
少なくとも前記第1の管路(8)または前記第2の管路(12)内に、前記管路(8,12)を開閉するための安全弁(15)が配置されており、該安全弁(15)は、前記機能ユニット(3,4)の分離により、前記管路(8,12)を閉鎖するように操作可能であり、前記機能ユニット(3,4)の接続により、前記管路(8,12)を開放するように操作可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記機能ユニット(3,4)のうちの少なくとも一方が、プラスチック射出成形部材である、請求項1から6までのいずれか1項記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記機能ユニット(3,4)が、付加的に電気的な信号線路を有しており、該信号線路が、前記第1の機能ユニット(3)への前記第2の機能ユニット(4)の被せ嵌めにより互いに導電接続可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の洗面器組付けアセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の洗面器組付けアセンブリ(1)を組み立てる方法であって、少なくとも、
a)壁エレメント(5)および少なくとも1つの流入部(7)を提供するステップ、
b)第1の機能ユニット(3)を提供するステップ、
c)前記第1の機能ユニット(3)を前記壁エレメント(5)に結合し、前記流入部(7)を前記第1の機能ユニット(3)の第1の接続部(6)に結合するステップ、
d)第2の機能ユニット(4)が結合されている洗面器(2)を提供するステップ、および
e)前記第2の機能ユニット(4)を前記第1の機能ユニット(3)に被せ嵌めるステップ
を有している、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面器組付けアセンブリならびに洗面器組付けアセンブリを組み立てる方法に関する。
【0002】
独国特許発明第10317070号明細書からは、衛生接続器具が公知である。この衛生接続器具は、接続プレートを備えた隠蔽器具を有している。複数の管路を接続するために、設置プレートが差込接続部を介して接続プレートに結合される。設置プレートからは、器具に結合するためのホースが出発する。
【0003】
独国実用新案第20021317号明細書からは、壁掛け式の洗面器が知られている。この洗面器は、壁取付け部に被せ嵌めることができ、これにより使用準備されている。洗面器には、器具差込接続部、管差込接続部、および、吸い上げ管若しくはサイフォンが個別に設けられており、洗面器に設けられた対応する接続部に結合されている。
【0004】
この公知のアセンブリは、製造もしくは組付けにおいて部分的に手間がかかるものである。
【0005】
本発明の課題は、先行技術に関連して説明された問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、洗面器組付けアセンブリのより簡単かつ/またはより迅速な組付けを提案することが望ましい。
【0006】
この課題を解決するために、請求項1に記載の特徴を有する洗面器組付けアセンブリならびに請求項9に記載の洗面器組付けアセンブリを組み立てる方法が寄与する。有利な改良形は、従属請求項の対象である。特許請求の範囲において個別に説明される特徴は、技術的に有意な形式で互いに組合せ可能であり、かつ明細書に説明される事項および/または図面に基づく詳細により補うことができ、本発明の別の構成バリエーションが示される。
【0007】
このためには、洗面器、第1の機能ユニットおよび第2の機能ユニットを少なくとも含む洗面器組付けアセンブリが寄与する。
【0008】
第1の機能ユニットは、壁エレメントに配設可能であるか、もしくは配設されており、流体(たとえば、水)のための少なくとも1つの流入部に流体技術的に接続するための少なくとも1つの第1の接続部と、第1の機能ユニットを通って延びる第1の管路と、第1の管路を介して第1の接続部に流体技術的に接続されている第1の結合エレメントとを有している。
【0009】
第2の機能ユニットは、洗面器に結合可能であるか、もしくは結合されており、第2の機能ユニットは、器具(たとえば、水栓)のための少なくとも1つの第2の接続部と、第2の機能ユニットを通って延びる第2の管路と、第2の管路を介して第2の接続部に流体技術的に接続されている第2の結合エレメントとを有している。
【0010】
洗面器は、第2の機能ユニットを介して、壁エレメントに取り付けられた第1の機能ユニットに被せ嵌め可能であり、第1の結合エレメントと第2の結合エレメントとは、この被せ嵌めにより、第2の接続部と流入部との少なくとも1つの流体技術的な接続を形成する。
【0011】
特に、別の接続部、結合エレメントおよび/または管路が設けられており、これによりたとえば互いに異なる複数の流体を、これらの機能ユニットを介して送ることができる(たとえば冷水および温水)。
【0012】
第2の機能ユニットは、洗面器に着脱可能にまたは分離不能に結合されていてよい。特に、第2の機能ユニットは、少なくとも1つのねじ結合部を介して洗面器に結合可能であってよい。
【0013】
好適には、第2の機能ユニットは、洗面器に分離不能に結合されている。特に、洗面器は、セラミックス製の構成部材であるか、ミネラルキャスト構成部材であり、第2の機能ユニットは、洗面器の形状の形成中に(つまりたとえば流込み成形中に)、洗面器内に、もしくは洗面器の領域に既に配置されている。特に、洗面器の形状の形成中に、第2の機能ユニットと洗面器との間で形状結合式の接続部が既に形成されるので、洗面器と第2の機能ユニットとは、これらの結合パートナのうちの一方を少なくとも部分的に破壊しない限り、再び互いに分離することはできない。
【0014】
特に、洗面器を、複数の個別部材から構成することができる。たとえば、洗面器の少なくとも1つの個別部材を、第2の機能ユニットのダミー(たとえば第2の機能ユニットの外側寸法に関する複製部材)と一緒に製造する、つまり、たとえば流込み技術によって製造することができる。次いで、第2の機能ユニットを後続の時点で個別部材内に挿入することができ、個別部材をその後に別の個別部材に結合して、洗面器を形成することができる。特に、第2の機能ユニットは、複数の個別部材の結合によって、少なくとも損失不能に洗面器内に、もしくは洗面器において配置され、好適には分離不能に洗面器に結合される。
【0015】
特に、第1の機能ユニットと第2の機能ユニットとはいずれも、流入部を器具に結合する第1の管路および第2の管路を有している。特に、第2の管路は、第2の機能ユニットに統合されて構成されている。
【0016】
好適には、洗面器は、専ら第2の機能ユニットを介して第1の機能ユニットに結合可能であるか、もしくは結合されている。
【0017】
特に、洗面器から第2の機能ユニットおよび第1の機能ユニットを介した流体の流出のために、流出部を設ける。
【0018】
好適には、流出部に対応配置されたサイフォン(吸い上げ管)が、第1の機能ユニットまたは第2の機能ユニットに統合されている。代替的には、サイフォンは、洗面器内に(つまり第1の機能ユニットおよび第2の機能ユニットの外側に)統合されている。
【0019】
特に、少なくとも第1の管路または第2の管路内に、管路を開閉するための安全弁が配置されている。機能ユニットの分離により、管路が閉鎖もしくは密閉されるように、安全弁を(自動的に)操作することができる。機能ユニットの接続により、管路が開放または流体のために通流可能となるように、安全弁を(自動的に)操作することができる。好適には、安全弁は、第1の機能ユニットにおいて、つまり第1の接続部と第1の結合エレメントとの間に配置されている。
【0020】
安全弁により、流体が漏れ出てしまうことなしに、機能ユニットを互いに分離することができ、ひいては洗面器を流入部から分離することができる。
【0021】
好適には、機能ユニットのうちの少なくとも一方(好適には両方)が、プラスチック射出成形部材である。
【0022】
特に、機能ユニットは、付加的に電気的な信号線路を有しており、これらの信号線路が、第1の機能ユニットへの第2の機能ユニットの被せ嵌めにより互いに導電接続可能である。
【0023】
特に、機能ユニットのうちの少なくとも1つが、前組付けユニットとして構成されている。つまり特に、全ての構成部材が、洗面器組付けアセンブリの組立て前に、機能ユニット内に機能的に(つまり使用準備されて)配置されている。好適には、両機能ユニットが、このように前組付けユニットとして構成されている。
【0024】
特に、1つの機能ユニットの少なくとも接続部と結合エレメントとが、互いに対して相対的に固定的に(つまり互いに対して移動不能に)配置されている。
【0025】
好適には、第1の機能ユニットを、たとえば壁エレメントの取付けピンに被せ嵌め、この取付けピンに結合することができる。少なくとも1つの流入部との接続は、たとえば差込接続部を介して行うことができる。少なくとも第1の接続部と第1の結合エレメントとは、その位置および配向に関して不変のままである。
【0026】
第2の機能ユニットは、洗面器に結合可能であり、少なくとも第2の結合エレメントおよび第2の接続部は、洗面器との結合前に、その位置および配向に関して、既に第2の結合エレメントにより位置固定されている。
【0027】
第2の機能ユニットは、特に(専ら)軸方向に沿って第1の機能ユニットに被せ嵌め可能である。特に、ガイドが、第1の機能ユニットおよび/または第2の機能ユニットに設けられており、これらのガイドは、機能ユニットを相互に正しく配置するために互いに、またはそれぞれ他方の機能ユニットと協働する。
【0028】
第1の機能ユニットは、特に第1の連結エレメントを有している。第1の連結エレメントは、第1の機能ユニット内に配置されている。第2の機能ユニットは、第2の連結エレメントを有している。第2の連結エレメントは、機能エレメントの結合のために第1の連結エレメントと協働する。第2の連結エレメントは、特に操作装置(場合によっては第1の連結エレメント)を介して、または最小引出し力を上回る引出し力により、操作することができるので、各第1の連結エレメントと第2の連結エレメントとの間の結合を解除し、洗面器を備えた第2の機能ユニットを第1の機能ユニットから引き出すことができる。
【0029】
洗面器組付けアセンブリは、個別の構成要素の簡単かつ迅速な組付けを可能にする。特に洗面器を、設置箇所において簡単に壁エレメントに配置することができる。少なくとも1つの流入部と器具との間の流体密な接続部を僅かな誤差の接続により実現することができる。特に、機能ユニットを僅かな誤差で製造することができるので、流体密な接続部を、互いに対して僅かな誤差の結合エレメントを介して実現することができる。
【0030】
さらに、記載された洗面器組付けアセンブリを組み立てる方法が提案され、少なくとも以下のステップを有している。
a)壁エレメントおよび少なくとも1つの流入部を提供するステップ
b)第1の機能ユニットを提供するステップ
c)第1の機能ユニットを壁エレメントに結合し、流入部を第1の機能ユニットの第1の接続部に結合するステップ
d)第2の機能ユニットが結合されている洗面器を提供するステップ
e)第2の機能ユニットを第1の機能ユニットに被せ嵌めるステップ(第1の結合エレメントと第2の結合エレメントとを結合し、第2の接続部と流入部との間の少なくとも1つの流体技術的な接続部を形成し、場合によっては機能ユニットの流出部を接続する)。
【0031】
特に被せ嵌めは、専ら軸方向に沿って行われ、好適には、機能ユニット間の流体技術的かつ場合によっては電気的な全ての接続部が形成される。
【0032】
方法の説明は、特に洗面器組付けアセンブリに適用可能であり、洗面器組付けアセンブリの説明は、方法に適用可能である。
【0033】
念のため、本明細書において使用されている数詞(「第1の」、「第2の」等)は、主に複数の類似した対象物、サイズまたはプロセスを区別するため(にのみ)に役立ち、すなわち、特に、これらの対象物、サイズまたはプロセスの相互の依存関係および/または順序を必ずしも指定するものではないことに留意されたい。依存関係または順序が必要である場合、本明細書において明示されるか、または具体的に説明されている構成を検討することにより当業者にとって明らかとなる。1つの構成部材が複数回出現する可能性がある限り(「少なくとも1つ」)、これらの構成要素に関する説明は、これらの構成要素の全てまたは一部に等しく適用することができるが、これは必須ではない。
【0034】
本発明および技術的環境について、以下に添付の図面につき詳細に説明する。本発明は、挙げられた実施例によって限定されることを意図していないことに留意すべきである。特に、別に明示しない限り、図面において説明した事実の部分的側面を抽出して、本明細書の別の構成要素または知識と組み合わせることも可能である。特に、図面または特に示されているサイズの関係は、概略的なものに過ぎないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2】洗面器および第2の機能ユニットを、分解図で下側から見た斜視図である。
【
図3】洗面器および第2の機能ユニットを、組立て中に下側から見た分解斜視図である。
【
図4】
図2および
図3に示した洗面器を上から見た斜視図である。
【
図5】
図2および
図3に示した、第2の機能ユニットを備えた洗面器を背後から見た斜視図である。
【
図7】第1の機能ユニットを備えた、
図6に示した壁エレメントを示す斜視図である。
【
図9】
図7および
図8に示した第1の機能ユニットを部分的に透明に示した斜視図である。
【0036】
図1は、方法のステップe)を示している。洗面器組付けアセンブリ1は、洗面器2と、第1の機能ユニット3(
図7~
図9)と、第2の機能ユニット4(
図2,
図3および
図5)とを有している。第1の機能ユニット3は、壁エレメント5に配置されており、流体(たとえば、水)のための流入部7に流体技術的に接続するための第1の接続部6と、第1の機能ユニット3を通って延びる第1の管路8と、第1の管路8を介して第1の接続部6に流体技術的に接続されている第1の結合エレメント9とを有している。
【0037】
第2の機能ユニット4は、洗面器2に結合されており、第2の機能ユニット4は、器具11(たとえば、水栓)のための第2の接続部10と、第2の機能ユニット4を通って延びる第2の管路12と、第2の管路12を介して第2の接続部10に流体技術的に接続されている第2の結合エレメント13とを有している。
【0038】
洗面器2は、第2の機能ユニット4を介して、壁エレメント5に取り付けられた第1の機能ユニット3に被せ嵌め可能であり、その被せ嵌めにより、第1の結合エレメント9と第2の結合エレメント13とが結合され、これにより、第2の接続部10と流入部7との間の流体技術的な接続部が形成される。
【0039】
図2は、洗面器2と第2の機能ユニット4とを分解図で下から見た斜視図において示している。
図3は、洗面器2および第2の機能ユニット4の組立て中の、下から見た分解斜視図を示している。
図4は、
図2および
図3に示した洗面器2を上から見た斜視図で示している。
図5は、
図2および
図3に示した第2の機能ユニットを備えた洗面器2を背後から見た斜視図で示している。
図2~
図5を、以下に一緒に説明する。
【0040】
第2の機能ユニット4は、洗面器2に結合されている。第2の機能ユニット4は、器具11(たとえば、水栓)のための第2の接続部10と、第2の機能ユニット4を通って延びる第2の管路12と、第2の管路12を介して第2の接続部10に流体技術的に接続されている第2の結合エレメント13とを有している。
【0041】
洗面器2は、第2の機能ユニット4を介して、壁エレメント5に取り付けられた第1の機能ユニット3に被せ嵌め可能である(
図1を参照)。この被せ嵌めにより、第1の結合エレメント9と第2の結合エレメント13とが接続され、これにより第2の接続部10と流入部7との間の流体技術的な接続部が形成される。
【0042】
第2の機能ユニット4は、洗面器2に分離不能に結合されている。洗面器2は、本実施形態では、セラミックス製の構成部材もしくはミネラルキャスト(Mineralguss)構成部材であり、第2の機能ユニット4は、洗面器2の形状の形成中に既に洗面器2内に配置されている。洗面器2の形状の形成中に、第2の機能ユニット4と洗面器2との間で形状結合部が既に形成されるので、洗面器2と第2の機能ユニット4とは、これらの結合パートナ(結合対)のうちの一方を少なくとも部分的に破壊しない限り、互いに分離することはできない。本実施形態では、洗面器2は、複数の個別部材17から構成されている。たとえば、洗面器の少なくとも1つの個別部材17を、第2の機能ユニット4のダミー(たとえば、第2の機能ユニット4の外側寸法に関する複製部材)と一緒に製造する、つまり、たとえば流込み技術によって製造することができる。次いで、第2の機能ユニット4を後続の時点で個別部材17(
図2および
図4参照)内に挿入することができ、個別部材17をその後に別の個別部材17に結合して、洗面器2(
図3)を製造することができる。第2の機能ユニット4は、複数の個別部材17の結合によって、損失不能に洗面器2内に配置され、これにより、やはり分離不能に洗面器2に結合される。
【0043】
図6は、壁エレメント5を斜視図で示している。
図7は、第1の機能ユニット3を備えた、
図6に示した壁エレメント5を斜視図で示している。
図8は、
図7の詳細を斜視図で示している。
図9は、
図7および
図8に示した第1の機能ユニット3を部分的に透明に示した斜視図である。
図6~
図9を以下で一緒に説明する。
図1~
図5の説明が参照される。
【0044】
洗面器組付けアセンブリ1は、洗面器2と、第1の機能ユニット3と、第2の機能ユニット4とを備えている。第1の機能ユニット3は、壁エレメント5に配置されており、流体(たとえば水)の流入部7に流体技術的に接続するための第1の接続部6と、第1の機能ユニット3を通って延びる第1の管路8と、第1の管路8を介して第1の接続部6に流体技術的に接続されている第1の結合エレメント9とを有している。
【0045】
機能ユニット3,4はいずれも、流入部7を器具11に接続している第1の管路8および第2の管路12を有している。第1の管路8は、第1の機能ユニット3に統合されて構成されており、第2の管路12は、第2の機能ユニット4に統合されて構成されている。
【0046】
洗面器2は、専ら第2の機能ユニット4を介して第1の機能ユニット3に接続されている。
【0047】
洗面器2からの流体の流出のための流出部14が、第2の機能ユニット4および第1の機能ユニット3により形成される。また、流出部14は、洗面器に設けられた出口を起点として機能ユニット3,4を介して、壁エレメント5に設けられた接続部に至るまで延びる管路である。
【0048】
流出部14に対応配置されたサイフォン(吸い上げ管)が、第1の機能ユニット3または第2の機能ユニット4内に統合されている。
【0049】
第1の管路8内には、第1の管路8を開閉するための安全弁15が配置されており、この安全弁は、機能ユニット3,4を分離することにより、第1の管路8を閉じるように操作可能であり、機能ユニット3,4を接続することにより、第1の管路8を開くように操作可能であり、もしくは操作される。安全弁15は、第1の機能ユニット3内、つまり第1の接続部6と第1の結合エレメント9との間に配置されている。
【0050】
安全弁15により、流体が漏れ出てしまうことなしに、機能ユニット3,4を互いに分離することができ、ひいては洗面器2を流入部7から分離することができる。
【0051】
第1の機能ユニット3は、壁エレメント5のピン22に被せ嵌められ、これらのピン22に結合される。第1の接続部6と流入部7との接続は、差込接続部を介して行うことができる。
【0052】
第2の機能ユニット4は、軸方向(組み立て方向)23に沿って第1の機能ユニット3に被せ嵌められる(
図1参照)。この場合、ガイド19(案内部)が第1の機能ユニット3(
図8、
図9参照)と、第2の機能ユニット4(
図5参照)とに設けられており、これらのガイド19は、機能ユニット3、4の配置のために互いに協働する。第1の機能ユニット3は、この第1の機能ユニット3内に配置されている第1の連結エレメント20(
図8および
図9)を有している。第2の機能ユニット4は、第2の連結エレメント21(
図5)を有しており、この第2の連結エレメント21は、機能ユニット3,4の結合のために第1の連結エレメント20と協働する。第1の連結エレメント20は、本実施形態では第2の機能ユニット4に配設された操作装置(若しくは操作手段)18(
図9を参照)を介して、または引っ張り力により操作することができ、その結果、第1の連結エレメント20と第2の連結エレメント21との間の結合を解除し、洗面器に備え付けられた第2の機能ユニット4を第1の機能ユニット3から引き出すことができる。
【0053】
本方法では、ステップa)により、壁エレメント5と流入部7との提供が行われ(
図6を参照)、ステップb)により、第1の機能ユニット3の提供が行われ、ステップc)により、第1の機能ユニット3と壁エレメント5との結合および流入部7と第1の機能ユニット3の第1の接続部6との結合が行われる(
図7~
図9参照)。ステップd)により、第2の機能ユニット4が結合されている洗面器2の提供が行われ(
図2~
図5参照)、ステップe)により、第1の機能ユニット3への第2の機能ユニット4の被せ嵌めが行われる(
図1参照)。
【0054】
被せ嵌めは、本実施形態では専ら軸方向23に沿って行われ、それによって機能ユニット3,4間の流体技術的かつ場合によっては電気的な全ての接続部が形成される。
【符号の説明】
【0055】
1 洗面器組付けアセンブリ
2 洗面器
3 第1の機能ユニット
4 第2の機能ユニット
5 壁エレメント
6 第1の接続部
7 流入部
8 第1の管路
9 第1の結合エレメント
10 第2の接続部
11 器具
12 第2の管路
13 第2の結合エレメント
14 流出部
15 安全弁
16 結合部
17 個別部材
18 操作装置
19 ガイド
20 第1の連結エレメント
21 第2の連結エレメント
22 ピン
23 軸方向