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特許7476236平行に案内される多数のプラスチック繊維束を横断面成形するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】平行に案内される多数のプラスチック繊維束を横断面成形するための装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/46 20060101AFI20240422BHJP
   B29C 43/22 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B29C43/46
B29C43/22
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021568188
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2020063022
(87)【国際公開番号】W WO2020229397
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】19174180.0
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520132584
【氏名又は名称】フェッデム ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】FEDDEM GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Mosaikweg 19, 53489 Sinzig, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ヨスト
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-164204(JP,A)
【文献】特開平1-132895(JP,A)
【文献】特開平5-131541(JP,A)
【文献】特開平8-80577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/46
B29C 43/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの回転可能な成形ローラ(18)を介して平行に相並んで案内される多数のプラスチックストランドを横断面成形するための装置であって、
前記成形ローラ(18)はその表面に、平行に配置され全周にわたって延びる複数の成形用凹部を備えており、該成形用凹部内で、前記プラスチックストランドの横断面が、前記成形用凹部の横断面形状に相応するように成形可能であり、
前記少なくとも1つの成形ローラ(18)は、端面側に、前記成形ローラ(18)を通る液状媒体用の供給部および排出部(36)に接続するための回転継手(34)を有しており、
前記成形ローラ(18)は、端面側で、フレーム(1)のガイドプレート(10,12)に回転可能に支持されており
前記少なくとも1つの成形ローラ(18)は、迅速交換装置(24,35)によって前記ガイドプレート(10,12)に支持されており、
前記回転継手(34)は、端面側で、前記迅速交換装置(24,35)に対して中央に配置されており、
前記成形ローラ(18)は、前記接続部(36)を前記回転継手(34)から分離して、前記迅速交換装置(24,35)を前記フレーム(1)から取り除いた後に取出し可能になる、
装置において、
前記迅速交換装置は、前記成形ローラ(18)の軸線方向の中空軸(37)を固定するための、前記ガイドプレート(10)を通してガイドされる中空軸保持体(23)と、該中空軸保持体(23)を前記ガイドプレート(10)に取り外し可能に位置固定する少なくとも1つの旋回レバー(28)とを有しており、前記中空軸保持体(23)を前記ガイドプレート(10)から取り除いた後、前記中空軸(37)は、下側で、前記ガイドプレート(10)に配置された支持条片(39)上に静置されており、その後、前記成形ローラ(18)は、前記フレーム(1)から取出し可能になることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記プラスチックストランドは、該プラスチックストランドの第1の側で、互いに連続する2つの成形ローラ(19,20)の対と、前記プラスチックストランドの第2の側で、前記プラスチックストランドの走行方向で見て前記成形ローラの対の第1の成形ローラ(19)と第2の成形ローラ(20)との間に配置された第3の成形ローラ(18)と、の間に案内されており、前記成形ローラ(18,19,20)間のかつ前記プラスチックストランドの走行経路に関する間隔が調整可能であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記成形ローラ(18~20)の表面の温度が制御可能であることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
第1のガイドプレート対(11,13)が、前記第1の成形ローラ(19)および前記第2の成形ローラ(20)を保持し、第2のガイドプレート対(10,12)が、前記第3の成形ローラ(18)を支持することを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項5】
前記ガイドプレート(10~13)は、鉛直なロッドガイド(7,8,9)に沿って鉛直方向に同期して移動可能であることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項6】
前記成形ローラ(18,19,20)は、前記成形用凹部を有する外側の中空シリンダと、該中空シリンダに対して同軸に配置された内側の押退けシリンダ(26)とを備えて円筒状に形成されており、前記中空シリンダと前記押退けシリンダ(26)とは互いに半径方向の間隔を有しており、該半径方向の間隔は環状間隙(29)を形成しており、該環状間隙(29)を通して、前記中空シリンダを冷却または加熱するための液状媒体を案内することができることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項7】
前記押退けシリンダ(26)と前記中空シリンダとの間の前記環状間隙(29)は、両側で前記回転継手(34)に接続されており、該回転継手(34)を介して前記液状媒体を前記環状間隙(29)内に案内して、該環状間隙(29)から導出することができることを特徴とする、請求項記載の装置。
【請求項8】
前記迅速交換装置(24,35)は、それぞれ1つの液圧式の回転継手(34)を有しており、該回転継手(34)は、中空軸(37)内に取り付けられており、前記中空軸(37)は、それぞれの前記迅速交換装置から分離可能であることを特徴とする、請求項記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、手動駆動装置によってレール構造体上で前記プラスチックストランドの経路方向に移動可能であることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの回転可能な成形ローラを介して平行に相並んで案内される多数のプラスチック繊維束を横断面成形するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業や航空機構造において多く使用されているようなプラスチック製の軽量構成要素には、重量削減と同時に高い強度を得るために、一般に、ガラスまたは炭素から成る繊維材料が含まれている。繊維材料には、含浸装置を用いてプラスチック材料のポリマー溶融物が結合され、次いで、繊維材料はプラスチック繊維束として、規定された横断面を有するペレット、造粒体または帯材へと処理される。これらのペレット、造粒体または帯材は、後続の設備および方法、特に射出成形法で、軽量構成要素を製造するために使用される。
【0003】
含浸された繊維束の横断面成形または較正は、最も簡単な事例では、規定された直径を有するノズルを介して行うことができる。ただし、より精密な横断面成形は、プラスチック材料と混合された繊維束の、部分的に硬化してはいるがまだ加熱された状態においてのみ達成することができるので、より精密な較正のためには、プラスチック繊維束を、ノズルからの排出後にまず水浴内で冷却し、次いで、まだ変形可能である状態において倣い成形することが必要である。
【0004】
このために、まだ加熱された状態または高温のプラスチック繊維束を、規定された横断面を有する表面凹部内で冷却する成形ローラが知られている。その後、プラスチック繊維束は、巻き上げられるかまたは造粒機に供給される。
【0005】
横断面成形のための成形ローラは、一般に、含浸ユニットの水浴のすぐ下流に接続されている。しかし、それぞれ異なる横断面を有する含浸された繊維束に対する需要も存在し得るので、このようなそれぞれ異なる横断面に成形ローラを適応させる必要がある。これは一般に、成形ローラを、新たな注文に応じて、相応に変更された成形用凹部の横断面形状を有する成形ローラに取り替えることによって行われる。成形ローラの交換およびクリーニングには、特に複数の成形ローラが相前後して配置されている場合、煩雑で時間がかかってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、平行に案内される多数の含浸されたプラスチック繊維束を横断面成形するための装置を改良して、装置の1つまたは複数の成形ローラがプラスチック繊維束の真円度を改善し、成形ローラの交換時の装置の停止時間を短く抑えることができ、コンパクトに構成されていると同時にプラスチック繊維束の効率的な冷却を可能にし、かつ広範囲に調整可能である装置を提供するという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載された本発明によって解決される。本発明のさらなる構成は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明で使用される成形ローラは、迅速交換装置によって側方のガイドプレートに支持されている。成形ローラは、端面側に回転継手を有しており、この回転継手を介して、特に冷却のための液状媒体が、成形ローラを通して案内される。回転継手の供給部および排出部を分離し、迅速交換装置を取り除いた後、成形ローラをフレームから簡単に取り出すことができる。
【0009】
好ましくは、本発明では、プラスチック繊維束への倣い成形のために、同形態の3つの成形ローラが使用される。3つの成形ローラは、三角形を成すように配置されており、それぞれ表面に、平行に配置され全周にわたって延びる複数の成形用凹部を備えている。これらの成形用凹部内で、プラスチックを含浸させて供給された繊維束の横断面が、成形用凹部の横断面形状に相応するように成形可能である。
【0010】
繊維束は、繊維束の第1の側で、互いに連続する2つの成形ローラの対と、プラスチック繊維束の第2の側で、プラスチック繊維束の走行方向で見て成形ローラの対の第1の成形ローラと第2の成形ローラとの間に位置する第3の成形ローラとの間を通して案内される。成形ローラ間の間隔は、水平方向および/または鉛直方向で調整可能であってよい。成形ローラの表面温度は、好ましくは制御可能である。
【0011】
成形ローラの数および相互の配置は、必要に応じて異なるように選択されてもよい。例えば、形状精度に課せられる要求が極めて高い場合または特殊なポリマーの場合には、繊維束に作用する成形ローラのより大きな数、例えば2×3つの成形ローラを有する配置形態が選択されてよい。
【0012】
本発明のこの構成は、成形ローラ間の間隙を通過するときのプラスチック繊維束の効果的な横断面成形と同時に冷却を可能にするので、プラスチック繊維束は、規定された横断面形状を備えて装置から出ることになる。
【0013】
成形ローラの間隔を、成形ローラの水平方向位置および鉛直方向位置において調整することにより、プラスチックストランドの張力および成形ローラ上でのプラスチックストランドの滞留時間の制御、ならびに冷却作用の相応する制御が可能になる。
【0014】
成形ローラは、好ましくは、第1の成形ローラと第2の成形ローラとがプラスチックストランドの下側で1つの水平な平面内に位置し、第3の成形ローラがプラスチックストランドの上側で第1および第2の成形ローラに対して鉛直方向の間隔を置いて位置するように配置されている。第3の成形ローラの鉛直方向の位置は、好ましくは、この第3の成形ローラが、プラスチック繊維束を第1の成形ローラと第2の成形ローラとの間に押し込むことによって、プラスチックストランドが接触する成形ローラの巻掛け角度を拡張し、プラスチックストランドを成形用凹部内に押し込む力を増大させ、ひいては成形品質を改善するように、選択されている。
【0015】
下側の成形ローラと上側の成形ローラとの相互の配置は、鉛直方向線において鏡面対称的であってもよい。
【0016】
好ましくは、成形ローラは、端面側で、フレームに設けられた側方のガイドプレートに支持されている。第1のガイドプレート対が、第1の成形ローラおよび第2の成形ローラを保持し、第2のガイドプレート対が、第3の成形ローラを支持する。ガイドプレートは、好ましくはロッドガイドを介して鉛直方向に移動することができる。この移動を成形ローラの全長にわたって均一に実施することができるようにするために、移動は同期して行われる。
【0017】
さらに、第1の成形ローラと第2の成形ローラとの水平方向の間隔が調整可能であることが特定されていてもよい。プラスチック繊維束の上側と下側とに関する成形ローラの鉛直方向の配置は、逆転されてもよい。
【0018】
本発明に係る簡略化された装置を用いることによって、プラスチックを含浸した繊維束、この繊維束から製造されたペレットおよび造粒体を較正して、それらの真円度が改善され、それらが、特性を改善するために成形時に再度十分に縮絨され、後続の搬送装置におけるより良好な走行性と、最終的にはより良好な外観とを有するようにすることができる。
【0019】
以下に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るプラスチックストランドの横断面成形のための装置の等角投影図である。
図2】成形ローラの縦断面図である。
図3】成形ローラ用の迅速交換装置の拡大図である。
図4】成形ローラ用の迅速交換装置の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示す装置は、フレーム1を有している。フレーム1は、一対の上側のブリッジ支持体5と、一対の下側のブリッジ支持体4とから実質的に形成されており、これらのブリッジ支持体4,5は、4つの鉛直なガイドロッド7,8,9を介して互いに接続されている。フレーム1は、平行な2つのレール2,3を備えたレール装置に沿って、ハンドホイール6によって水平な平面内で移動可能である。
【0022】
ガイドロッド7,8,9に、一対の上側のガイドプレート10,12と、一対の下側のガイドプレート11,13とが互いに上下に配置され、鉛直方向に移動可能になっている。ガイドプレート10,12の対は、液圧式の昇降装置14,15を介して上昇または下降させられてよい。これに対応して、下側のガイドプレート12,14の対は、下側の昇降装置16,17を介して上昇または下降させられる。
【0023】
上昇および下降の同期性を保証するために、両対のガイドプレートに、接続ロッドを介して互いに接続された一対の歯車21が対応配置されている。歯車21は、装置の両側に設けられた一対のラック22に係合し、これによってガイドプレートの並行した調節を可能にする。
【0024】
上側のガイドプレート10,12の対の間に、上側の成形ローラ18が配置されており、この上側の成形ローラ18の軸は、側方でガイドプレート10,12に自由に回転可能に支持されている。下側のガイドプレート11,13の対は、互いに間隔を置いて平行に配置された2つの下側の成形ローラ19,20を支持する。これら3つの成形ローラは、実質的に水平の底辺を有する三角形を成すように配置されており、この底辺に下側の成形ローラ19,20が位置していて、同様に自由に回転可能である。
【0025】
図1には図示されていないプラスチック繊維束は、本発明に係る装置を通して案内するために、2つの群として平行に相並んで、第1の下側の成形ローラ19と上側の成形ローラ18との間の間隙を通して案内され、次いで、上側の成形ローラ18と第2の下側の成形ローラ20との間の間隙を通して案内される。上側の成形ローラ18と下側の成形ローラ19,20との間の鉛直方向の間隔および下側の成形ローラ19と20との間の水平方向の間隔は、プラスチック繊維束が、成形ローラ上で、それぞれの成形ローラに関して約2~20°、好ましくは5~6°の巻掛け角度を通過するように調整されている。これによって、プラスチック繊維束は、成形ローラの表面に加工形成された全周にわたって延びるU字形の凹部内に十分な押込み力によって押し込まれるので、装置を通過するときに、凹部の横断面の倣い成形を被る。上側の成形ローラ18と下側の成形ローラ19,20との間の間隔は、プラスチック繊維束が成形用凹部から過度に大きく突出してしまわない限り、上側の成形ローラと下側の成形ローラとが接触することによって同期して回転することができる程度に小さく選択されていてよい。成形ローラの間を通過するときのプラスチック繊維束の巻掛け角度を増大させるために、下側の成形ローラの間の間隔を増大させると同時に、上側の成形ローラと下側の成形ローラとの間の鉛直方向の間隔を縮小してよい。
【0026】
成形ローラ18,19,20は、端面側で、ガイドプレート10~13に、迅速交換装置を介して取り付けられている。このため、成形ローラ18,19,20を簡単に装置から取り外し、メンテナンスまたは取替えのために交換することができる。
【0027】
図2および図3は、上側の成形ローラ18の断面の側面図を示す。下側の成形ローラ19,20は、実質的に上側の成形ローラと同一に構成されている。成形ローラ18は、スリーブとして構成されており、外面に、平行に配置され全周にわたって延びる多数の成形用凹部を有している。成形ローラ18は、迅速交換装置24,35を介して、側方のガイドプレート10,12に支持されている。成形ローラ18の軸は、特にプラスチックから成る押退けシリンダ26として構成されている。成形ローラ18の内壁と押退けシリンダ26との間に、全周にわたって延びる開放された環状間隙29が延びており、この環状間隙29を通して、液状媒体、特に水が、成形ローラ18の外壁を冷却するために貫通案内される。
【0028】
冷却媒体は、成形ローラの一方の端面側で接続部36と回転継手34とを介して供給され、軸線方向孔30と分配通路27とを介して環状間隙29まで案内され、次いで環状間隙29を貫流して、成形ローラの他方の端面側で再び排出される。3つの成形ローラの冷却回路は、並列または直列に動作させられてよい。
【0029】
本発明に係る装置は、成形ローラの表面を冷却するためのみならず、代替的な使用事例では、加熱された水を用いて、またはより高い温度が要求される場合にはまたオイルまたは相応に適切な代替的な流体を用いて加熱するためにも、動作させられてよい。
【0030】
上側の成形ローラおよび下側の成形ローラの直径は、好ましくは等しいが、しかし特定の事例のためには異なるように選択されてもよい。本発明の目的にとって適切な直径は、約150mmである。成形用凹部の丸み付け部の直径は、好ましくは1.8~3.5mmである。
【0031】
図3は、支持するためかつ冷却媒体を供給ならびに排出するために使用される迅速交換装置35の断面図である。スリーブ状の成形ローラ18は、端面側で軸受ハウジング33に取り付けられており、この軸受ハウジング33は、軸受31,32を介して中空軸37に回転可能に支持されている。中空軸37は、端面側で中空軸保持体23に保持されている。中空軸保持体23は、迅速交換装置24,35の部材として、ガイドプレート10,12に挿入される。
【0032】
中空軸37は、液圧式の回転継手34を備えており、この回転継手34を介して、成形ローラ18に冷却媒体が供給される。冷却媒体は、回転継手34から中空軸37の軸線方向孔30と分配通路27とを介して環状間隙29内に移送され、逆に成形ローラの他方の端面側で再び排出される。中空軸37と押退けシリンダ26とは回転可能ではないので、回転する軸受ハウジング33と、回転しない中空軸30との間に、シール要素38が設けられている。
【0033】
図4には、迅速交換装置の端面が示されている。成形ローラをガイドプレートに取り付けるための2つの旋回レバー25,28が設けられている。成形ローラを取り外すためには、まず中央の接続部36および回転継手34からホースを取り外す。次いで、2つの旋回レバー25,28を解除し、90°だけ旋回させなければならない。これによって、中空軸保持体をガイドプレートから側方に軸線方向で取り出すことができ、中空軸37はもはや、ガイドプレート10に固定された支持条片39に載置されているのみの状態になる。このとき、中空軸を上方に向かってまたは側方に取り出すことができる。中空軸の挿入は、逆の手順で行われる。支持条片29の凸状の形状と、中空軸保持体23の、ガイドプレートを貫通して延びる支持部分40の凸状の形状とが、組み込まれた状態の中空軸を半径方向で位置固定している。
【0034】
本発明の対象は、コンパクトに構成されており、容易にメンテナンスすることができ、後続処理、特にペレット化または造粒の前に、プラスチックを含浸させた繊維束に、改善された真円度をもって効果的に倣い成形することを可能にする。
【0035】
装置は、好ましくは上側と側方のカバープレート(図示せず)をさらに備えることによって完全なものになる。
【符号の説明】
【0036】
1 フレーム
2 レール
3 レール
4 下側のブリッジ支持体
5 上側のブリッジ支持体
6 ハンドホイール
7 ガイドロッド
8 ガイドロッド
9 ガイドロッド
10 ガイドプレート
11 ガイドプレート
12 ガイドプレート
13 ガイドプレート
14 昇降装置
15 昇降装置
16 昇降装置
17 昇降装置
18 上側の成形ローラ
19 下側の成形ローラ
20 下側の成形ローラ
21 歯車
22 ラック
23 中空軸保持体
24 迅速交換装置
25 旋回レバー
26 押退けシリンダ
27 分配通路
28 旋回レバー
29 環状間隙
30 軸線方向孔
31 軸受
32 軸受
33 軸受ハウジング
34 回転継手
35 迅速交換装置
36 接続部
37 中空軸
38 シール要素
39 支持条片
40 支持部分
図1
図2
図3
図4