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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20240422BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240422BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G15/00 448
G03G21/00 370
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022071380
(22)【出願日】2022-04-25
(65)【公開番号】P2023161185
(43)【公開日】2023-11-07
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】菅野 直樹
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-084764(JP,A)
【文献】特開2015-231917(JP,A)
【文献】特開2021-091534(JP,A)
【文献】特開2007-118338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/02
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像形成を行うための画像形成装置であって、
搬送方向に搬送される記録材と当接可能な回転部材を含み、前記回転部材の回転に応じて第1信号を出力する第1検知センサであって、前記回転部材が、前記搬送方向における前記記録材の先端に押された場合と、前記記録材の後端が通過する場合に回転するように構成された第1検知センサと、
前記第1検知センサと異なる第2検知センサであって、記録材の通過に応じて第2信号を出力する第2検知センサと、
前記回転部材が前記記録材の前記先端によって回転された後、前記第1信号に基づいて前記記録材の前記後端を検知するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1信号が所定の条件を満たした場合に前記後端を検知するための検知区間を前記第2信号に基づいて設定し、
前記制御部は、前記検知区間の前に前記第1信号が前記所定の条件を満たしても前記後端を検知しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第1信号の大きさが所定の値を超えたか否かを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記第1信号の大きさが所定の値を超えた時間が第1長さに達したか否かを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記検知区間の外において、前記時間が前記第1長さよりも長い第2長さに達した場合に、前記後端を検知することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの下流側に配置され、
前記制御部は、前記第2信号に基づいて前記検知区間が設定されていない場合には、前記画像形成が可能な記録材のうち最大の記録材の長さに基づいて前記検知区間を設定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
記録材に画像形成を行うための画像形成装置であって、
搬送方向に搬送される記録材と当接可能な回転部材を含み、前記回転部材の回転に応じて第1信号を出力する第1検知センサであって、前記回転部材が、前記搬送方向における前記記録材の先端に押された場合と、前記記録材の後端が通過する場合に回転するように構成された第1検知センサと、
前記第1検知センサと異なる第2検知センサであって、記録材の通過に応じて第2信号を出力する第2検知センサと、
前記回転部材が前記記録材の前記先端によって回転された後、前記第1信号に応じて、前記記録材の搬送、前記記録材への画像形成、前記記録材の搬送不良の検知の少なくともいずれか一つに関連する動作を実行するように構成された制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1信号が所定の条件を満たした場合に前記動作を実行するためのトリガ区間を前記第2信号に基づいて設定し、
前記制御部は、前記トリガ区間の前に前記第1信号が前記所定の条件を満たしても前記動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記所定の条件は、前記第1信号の大きさが所定の値を超えたか否かを含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記所定の条件は、前記第1信号の大きさが所定の値を超えた時間が第1長さに達したか否かを含むことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記トリガ区間の外において、前記時間が前記第1長さよりも長い第2長さに達した場合に、前記動作を実行することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの上流側に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記第2検知センサは、前記搬送方向において前記第1検知センサの下流側に配置され、
前記制御部は、前記第2信号に基づいて前記トリガ区間が設定されていない場合には、前記画像形成が可能な記録材のうち最大の記録材の長さに基づいて前記トリガ区間を設定することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記先端に押された場合の前記回転部材の回転方向は、前記後端が通過した場合の前記回転部材の回転方向と同じであることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセス等を利用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の搬送路には、給紙部から給紙されたシートの斜行を補正するシャッタや、シートの先端や後端の位置を把握するための搬送路センサが備えられる場合がある。特許文献1では、画像形成装置が、複数枚のシートを連続で搬送する際、できる限りシート間の距離を短くし、生産性を向上させるために、回転するシャッタを利用してシートの先端と後端の位置を検知するセンサを備えることが示されている。ここで、生産性とは、単位時間当たりのシートの搬送枚数をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-231917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転するシャッタ(回転部材)を用いてシートの後端を検知するセンサを備えた画像形成装置では、シートの後端以外で回転部材が回転した場合に、シートの後端が誤検知される可能性がある。
【0005】
例えば、表面に糊が塗布され、印刷後にシートを糊に合わせて折り、専用の処理機で圧着させることで印刷面を隠す、所謂圧着紙が使用される場合がある。このとき、シートの糊部分が回転部材に到達すると、回転部材と糊部分との摩擦により、回転部材が回転してしまう場合がある。この現象が発生すると、画像形成装置は、糊部分をシートの後端であると誤検知する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、後端以外の部分で回転部材が回転される可能性がある場合でも、記録材の後端の誤検知を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を備える。
(1)記録材に画像形成を行うための画像形成装置であって、搬送方向に搬送される記録材と当接可能な回転部材を含み、前記回転部材の回転に応じて第1信号を出力する第1検知センサであって、前記回転部材が、前記搬送方向における前記記録材の先端に押された場合と、前記記録材の後端が通過する場合に回転するように構成された第1検知センサと、前記第1検知センサと異なる第2検知センサであって、記録材の通過に応じて第2信号を出力する第2検知センサと、前記回転部材が前記記録材の前記先端によって回転された後、前記第1信号に基づいて前記記録材の前記後端を検知するように構成された制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1信号が所定の条件を満たした場合に前記後端を検知するための検知区間を前記第2信号に基づいて設定し、前記制御部は、前記検知区間の前に前記第1信号が前記所定の条件を満たしても前記後端を検知しないことを特徴とする画像形成装置。
(2)記録材に画像形成を行うための画像形成装置であって、搬送方向に搬送される記録材と当接可能な回転部材を含み、前記回転部材の回転に応じて第1信号を出力する第1検知センサであって、前記回転部材が、前記搬送方向における前記記録材の先端に押された場合と、前記記録材の後端が通過する場合に回転するように構成された第1検知センサと、前記第1検知センサと異なる第2検知センサであって、記録材の通過に応じて第2信号を出力する第2検知センサと、前記回転部材が前記記録材の前記先端によって回転された後、前記第1信号に応じて、前記記録材の搬送、前記記録材への画像形成、前記記録材の搬送不良の検知の少なくともいずれか一つに関連する動作を実行するように構成された制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1信号が所定の条件を満たした場合に前記動作を実行するためのトリガ区間を前記第2信号に基づいて設定し、前記制御部は、前記トリガ区間の前に前記第1信号が前記所定の条件を満たしても前記動作を実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、後端以外の部分で回転部材が回転される可能性がある場合でも、記録材の後端の誤検知を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1、2の画像形成装置の全体構成図
図2(A)】実施例1、2のレジセンサを示す図
図2(B)】実施例1、2のレジセンサの断面図及びセンサ出力結果を示す図
図3】実施例1、2の画像形成装置のブロック図
図4】実施例との比較のための従来の画像形成、給紙制御のタイミングチャート
図5】実施例1、2で使用する圧着紙の一例を示す図、圧着紙搬送時のレジセンサの断面図及びセンサ出力結果を示す図
図6】実施例1の搬送制御を示すタイミングチャート
図7】実施例1の搬送制御を示すフローチャート
図8】実施例1の搬送制御を示すフローチャート
図9】実施例2の搬送制御を示すタイミングチャート
図10】実施例2の搬送制御を示すフローチャート
図11】実施例2の搬送制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例により図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例1】
【0011】
[画像形成装置]
図1では、実施例1の画像形成装置の例として、レーザプリンタの全体構成について説明する。実施例1の画像形成装置は特定シートへの画像形成が可能である。特定シートとは、記録材の後端から先端に向かう所定範囲に、後述するレジセンサによる後端の検知における出力信号に影響を与える部分を有するシートである。図1に示す画像形成装置は、4つの画像形成ステーションSy、Sm、Sc、Skを備えている。詳細には、図中、左側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーを有する画像形成ステーションSy、Sm、Sc、Skである。また、図中の符号の末尾のy、m、c、kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)を意味する。各画像形成ステーションSy、Sm、Sc、Skの構成は同じであり、以下の説明では、特に必要がない限り、y~kの符号は付さないこととする。
【0012】
(画像形成部)
各画像形成ステーションSにおいて、像担持体である感光ドラム1は、駆動モータ(不図示)により駆動され、反時計方向回り(図中、矢印方向)に回転駆動される。帯電手段である帯電ローラ2は、感光ドラム1に当接し、感光ドラム1の回転に伴って従動回転しながら感光ドラム1の表面を均一に帯電する。帯電ローラ2には、直流電圧又は直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧が印加され、帯電ローラ2と感光ドラム1表面との当接ニップ部において、感光ドラム1は帯電される。
【0013】
露光手段11は、レーザー光を回転多面鏡によって走査させるスキャナユニットであり、ビデオ信号(画像信号)に基づいて変調された走査ビーム12を感光ドラム1上に照射し、静電潜像を形成させる。なお、露光手段11として、LED(発光ダイオード)を含むLEDアレイを備えたLEDユニットを用いることもできる。
【0014】
現像手段である現像ユニット8は、感光ドラム1に当接された現像ローラ4、現像剤(以下、トナーという)5、現像ローラ4に形成されるトナー層の厚みを規制する現像ブレード7を有する。現像ユニット8は、感光ドラム1上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する。
【0015】
廃トナー容器3は、後述する中間転写ベルト80に転写されず、感光ドラム1上に残ったトナーを回収する。プロセスカートリッジ9は、感光ドラム1、帯電ローラ2、廃トナー容器3、現像ユニット8を内蔵し、画像形成装置から着脱自在な一体型のカートリッジとなっている。また、帯電ローラ2は、帯電ローラ2への電圧供給手段である帯電電圧電源20に接続されている。現像ローラ4は、現像ローラ4への電圧供給手段である現像電圧電源21に接続されている。帯電ローラ2を感光ドラム1表面に当接させると共に、帯電電圧電源20から帯電ローラ2に帯電電圧を印加することにより、感光ドラム1表面は一様に帯電される。
【0016】
中間転写ベルト80は、張架部材である2次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3つのローラにより支持されており、適切なテンションが維持される構成になっている。そして、駆動ローラ14の駆動により、中間転写ベルト80は、図中、矢印方向に略同速度で移動する。また、1次転写ローラ81は中間転写ベルト80を介して感光ドラム1と反対側に配置され、1次転写ローラ81への電圧供給手段である1次転写電圧電源84に接続されている。そして、1次転写ローラ81に1次転写電圧を印加することにより、感光ドラム1上(像担持体上)のトナー像が感光ドラム1に接触中の中間転写ベルト80に順次転写され、中間転写ベルト80上に多色(フルカラー)画像が形成される(1次転写)。さらに、各1次転写ローラ81の中間転写ベルト80の移動方向における下流側には、除電部材23が配置されている。駆動ローラ14、テンションローラ15、除電部材23、及び後述する2次転写対向ローラ86は電気的に接地されている。
【0017】
(カセット給送部)
積載部である給紙カセット16には記録材であるシートPが載置されている。シートPを給紙する際には、ステッピングモータ(以下、給紙モータ420という)で給紙手段であるピックアップローラ17を駆動して、給紙カセット底板29を上昇させる。これにより、給紙カセット16内に載置されたシートPが押し上げられる。押し上げられたシートPの最上位の一枚が、ピックアップローラ17と当接し、ピックアップローラ17の回転により、一枚ずつシートPが分離給送される。給送されたシートPはレジストレーションローラ対18に向けて搬送される。
【0018】
画像形成装置は、後述するシャッタ部材35aを有するレジセンサ(第1検知センサ)35を有する。レジセンサ35がシートPの先端を検知すると、給紙モータ420は駆動を停止し、シートPの搬送が一旦停止される。レジストレーションローラ対18で一旦停止しているシートPは、中間転写ベルト80上に形成されたトナー像とシートPとが2次転写部で一致するようなタイミングで搬送が再開(再給紙ともいう)される。2次転写部とは、中間転写ベルト80上のカラーのトナー像がシートPに転写される部分をいい、後述する2次転写ローラ82と2次転写対向ローラ86とのニップ部である。また、シートPが再給紙されたタイミング(時点)から、レジセンサ35がシートPの後端を検知したタイミング(時点)までの経過時間に基づいて、シートPのサイズ(搬送方向の長さ。以下、シートサイズという)が確定される。
なお、レジセンサ35がシートPの先端を検知した際、給紙モータ420が駆動を停止せず、シートPの搬送速度を変更して、トナー像とシートPを2次転写部で一致させてもよい。
【0019】
(レジセンサ部)
図2(A)に、レジセンサ35の構成を示し、図2(B)に、レジセンサ35の姿勢と出力の関係を示す。図2(B)の(a)~(d)にレジセンサ35の姿勢を示し、図2(B)の(e)にレジセンサ35の出力結果(以下、センサ出力結果ともいう)200を示す。なお、図2(B)の(b)~(d)では、一部の符号を省略している。また、図2(B)の(e)は、(a)~(d)に対応するように描画しており、レジセンサ35がローレベルの出力となっているときをOFF、ハイレベルの出力となっているときをONとしている。
【0020】
図2(A)に示すように、レジセンサ35は、搬送方向に搬送されるシートPと当接可能なシャッタ部材(回転部材)35a、シャッタ軸35b、被検知部35f、検知部35gを有する。本実施形態において、シートPの搬送方向Dに対して直交する幅方向Wについて、シャッタ部材35aは複数設けられている。また、シャッタ軸35bは、レジストレーションローラ対18のうち、一方のローラの回転軸を兼ねている。
【0021】
レジセンサ35は、ピックアップローラ17により給紙されたシートPの先端が当接して回転することで出力信号(第1信号)が変化してシートPの先端を検知する。レジセンサ35は、シートPの後端が通過して回転することで再び出力信号が変化してシートPの後端を検知する。レジセンサ35は、第1検知手段(第1検知センサ)として機能する。
【0022】
3つのシャッタ部(当接部)35c、35d、35eを有するシャッタ部材(回転部材)35aは、シャッタ軸35bに固定されている。シャッタ部35c、35d、35eは、シャッタ軸35bを中心とした半径方向に突出している。被検知部35fは、シャッタ部材35aと同形状であり、3つのシャッタ部35c、35d、35eと同形状の3つの遮光フラグを有し、シャッタ部材35aと一体的に回転するようシャッタ軸35bに固定されている。なお、シャッタ部材35aと被検知部35fは同形状でなくてもよく、シャッタ部35c、35d、35eと同数の遮光フラグを有する類似形状(例えば相似形状)を有していてもよい。シャッタ部35c、35d、35eおよび複数の遮光フラグの形状は、同一又は相似形状とすることができるが、形状が異なっていてもよい。シャッタ部35c、35d、35eおよび複数の遮光フラグの数は、3つに限られないが、複数のシートPの間の間隔を狭くし、シートPの検知精度を向上させるため、3つ以上が好ましい。
【0023】
一方、検知部35gは、発光素子及び受光素子による光路を形成した光学センサであり、シャッタ軸35bを受けるフレームに取り付けられている。検知部35gは、シャッタ部材35aと同じタイミングで回転する被検知部35fの遮光フラグが検知部35gの光路を遮断するか否かに応じてシートPの有無を判断することができる。つまり、シャッタ部材35aの回転に応じて、レジセンサ35は後述するCPU304に向けて、出力信号(第1信号)を出力する。
【0024】
図2(B)の(a)は、シャッタ部材35aがシートPの待機位置(以下、シート待機位置という)で待機しているところに、シートPが突入してきた様子を示す。レジストレーションローラ対18に向けて搬送方向Dに搬送されたシートPは、レジストレーションローラ対18のニップの手前でシャッタ部材35aの3つのシャッタ部35c、35d、35eのうちの一つと当接する。シートPがシャッタ部材35aによって、シートPの斜行が補正される。図2(B)の(a)の状態において、検知部35gの検知結果(以下、センサ出力結果という)は、図2(B)の(e)の201に示すようにOFFとなる。
【0025】
シャッタ部材35aは、搬送方向DにおけるシートPの先端に押され、シートPから受ける力が一定以上に達すると、回転方向R1に回転するように構成されている。図2(B)の(b)は、突入してきたシートPの先端によりシャッタ部材35aのシャッタ部35cが押され、シャッタ部材35aが図中矢印(回転方向R1)に回転し始めた様子を示す。このタイミングで、検知部材の遮光フラグが検知部35gの光路を遮断し、図2(B)の(e)の202に示すように、センサ出力結果がONとなる。
【0026】
図2(B)の(c)は、シートPがシャッタ部材35aを通過中の様子を示す。シートPが通過している最中は、図2(B)の(e)の203に示すようにセンサ出力結果はONを維持する。なお、シートPの通過中、シャッタ部35cは回転する力を受けない、又は、シャッタ部35eが図2(B)の(b)の矢印R1方向に回転しようとしてもシートPによって回転動作が妨げられている。このため、シートPの通過中、通常はシャッタ部材35aの回転は停止している。
【0027】
シャッタ部材35aは、搬送方向DにおけるシートPの後端が通過する場合に、回転方向R1に回転するように構成されている。つまり、シートPの先端に押された場合のシャッタ部材35aの回転方向は、シートPの後端が通過する場合のシャッタ部材35aの回転方向と同じである。このようにすることで、先行するシートPが通過した後、後続のシートPの先端を検知することができる位置に、シャッタ部材35aを素早く戻すことができる。また、シャッタ部35c、35d、35eのいずれか一つが、シートPと当接する当接位置に位置される方向に向けて、レジセンサ35は不図示の付勢部材によって付勢されている。
【0028】
図2(B)の(d)は、シートPがシャッタ部材35aを通過した際の様子を示す。シートPが通過すると、シャッタ部35eの矢印R1方向への回転を妨げるものがなくなる。このため、シャッタ部材35aは矢印R1方向に回転し始め、シャッタ部35eがシート待機位置で待機する。このとき、図2(B)の(e)の204に示すように、センサ出力結果はOFFを示す。以上のように、シャッタ部35c、35d、35eのいずれかがシート待機位置にてシートPの到着を待機することとなる。
【0029】
なお、実施例1では、シート待機位置で遮光フラグが検知部35gの光路を遮断しておらずセンサ出力結果がローレベルで、シートPの先端が到達し通過中には遮光フラグが検知部35gの光路を遮断しセンサ出力結果がハイレベルとなっているがこれに限定されない。また、シートPの先端がシャッタ部35c(35d、35e)を押してセンサ出力結果がOFFからONに切り替わることを、レジセンサ35がシートPの先端を検知したと表現する。シートPの後端がシャッタ部35e(35c、35d)を抜けてセンサ出力結果がONからOFFに切り替わることを、レジセンサ35がシートPの後端を検知したと表現する。
【0030】
(MPトレイ給送部)
図1の説明に戻る。MPトレイ50には記録材であるシートPが載置されている。シートP(以下、単にシートともいう)を給紙する際には、すでに給紙カセット16で説明した給紙モータ420でピックアップローラ51を駆動して、シートPの最上位の一枚が、ピックアップローラ51と当接し、機内に給送される。画像形成装置は、レジセンサ35と異なるMP搬送センサ52を有する。シートPの搬送方向Dについて、MP搬送センサ52は、レジセンサ35の上流側に配置されている。給送されたシートPは、搬送路内のMP搬送センサ52を通過し、レジストレーションローラ対18まで搬送される。以降は、すでに給紙カセット16から給紙されたシートPについて説明した動作と同様の動作で印刷(以下、プリントともいう)が行われる。
【0031】
本実施形態において、MP搬送センサ52は、シートPに当接する当接部材と、当接部材と連動する被検知部材、被検知部材の移動を検知する検知部を有する。検知部には、光学センサを用いることができる。MP搬送センサ52は、シートの通過に応じて出力信号(第2信号)を出力する。
【0032】
本実施形態におけるMP搬送センサ52は、当接部材がシートPの先端に押されて移動する場合の当接部材の移動方向と、シートPの後端が通過する際の当接部材の移動方向が反対方向となっている。したがって、シャッタ部材35aを用いたレジセンサ35とMP搬送センサ52とを比較すると、レジセンサ35のほうが、シートPの後端を正確に検知することができる。
【0033】
(搬送制御部)
給紙カセット16やMPトレイ50から給紙されたシートPは、レジセンサ35でシートPの先端が検知されると、搬送を一旦停止される。一旦停止しているシートPが再給紙されると、搬送路上に設けられた次のセンサである定着センサ37における紙詰まり(以下、ジャムという)検知が開始される。具体的には、レジセンサ35から定着センサ37までの距離、搬送速度、給紙モータ420の立ち上げカーブ、シートPの搬送ばらつきなどのパラメータを使用し、定着センサ37に到達するタイミング(以下、到達タイミングという)が算出される。搬送制御では、この到達タイミングで、シートPが到達するか否かにより、ジャムが起きていないかが判断される。同様に、一旦停止しているシートPが再給紙された後、レジセンサ35でシートPの後端が検知されるタイミング(以下、検知タイミングという)でもジャム検知が開始される。なお、定着センサ37は、搬送方向において、定着部19の下流側に設けられている。
また、上述したように、レジセンサ35でシートPの先端が検知された際、搬送を停止せず、搬送速度を変化させてもよい。
【0034】
(2次転写部)
各画像形成ステーションSの感光ドラム1上に形成されたトナー像が転写された中間転写ベルト80は、駆動ローラ14により移動する。これにより、中間転写ベルト80上に転写されたフルカラーのトナー像は、2次転写ローラ82と中間転写ベルト80との当接部である2次転写部まで搬送される。そして、シートPと中間転写ベルト80を2次転写ローラ82と2次転写ローラ82に対向して設置された2次転写対向ローラ86とにより挟持搬送すると共に、2次転写電圧電源85から2次転写ローラ82に電圧を印加する。これにより、中間転写ベルト80上のトナー像がシートPに転写される(2次転写)。
【0035】
(定着部)
定着手段である定着部19は、シートP上に形成された未定着のトナー像に、熱及び圧力を加えることにより、トナー像をシートPに定着させる。定着部19は、定着ベルト19aと加圧ローラ19bとを有し、加圧ローラ19bは定着ベルト19aを挟み、ベルトガイド部材(不図示)と所定の圧接力により定着ニップ部を形成している。定着ニップ部が所定の温度に調整された状態において、未定着のトナー像が形成されたシートPが、定着ニップ部の定着ベルト19aと加圧ローラ19bとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト19a面に対向して導入される。そして、定着ニップ部ではシートPの画像面は定着ベルト19aの外面に密着し、シートPは定着ニップ部を挟持搬送されていく。定着ニップ部を定着ベルト19aによりシートPが挟持搬送されていく過程において、シートP上のトナー像は定着ベルト19aで加熱され、シートP上に未定着のトナー像が加熱定着される。トナー像が定着されたシートPは排出トレイ36に排出される。また、シートPに転写されずに中間転写ベルト80に残ったトナーは、電源89により所定の電圧が印加されたクリーニング装置88によって所定の極性に帯電され、中間転写ベルト80から感光ドラム1上に移動されて廃トナー容器3に回収される。
【0036】
画像形成装置は、操作表示部310を備えている。操作表示部310は、ユーザにより各種情報を入力するために種々の公知の入力手段や、各種情報を表示するための公知の表示手段が設けられている。例えばユーザは、操作表示部310を用いて、印刷を行うシートPのシートサイズや紙種(普通紙、薄紙、厚紙等)等を設定することができる。また、ユーザは、画像形成装置に無線あるいは有線で接続された外部装置から、シートPのシートサイズや紙種(普通紙、薄紙、厚紙等)等を設定することができる。
【0037】
[画像形成装置のシステム構成]
図3は、画像形成装置のシステム構成全体を説明するためのブロック図である。図3において、画像形成装置は、コントローラ部301及びエンジン部302を備えている。エンジン部302は、ビデオインタフェース部303、制御部としてのエンジン制御部302aを有する。エンジン制御部302aは、CPU(中央処理装置)304、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、画像処理GA(ゲートアレイ)305を含む。ROMには、CPU304が実行する制御プログラムやデータが格納されている。RAMは、CPU304が実行する制御プログラムが一時的に情報を保存するために使用されるメモリである。
【0038】
コントローラ部301は、外部装置であるホストコンピュータ300及びエンジン部302と相互に通信が可能となっている。画像信号の出力手段であるコントローラ部301は、ホストコンピュータ300から画像情報(印刷データ)と印刷条件等を含む印刷命令を受け取り、受け取った印刷データに基づいたビットマップデータ(画像データ)を展開する。コントローラ部301は、ビットマップデータの展開が終了すると、ビデオインタフェース部303を介して、CPU304へ、ホストコンピュータ300からの印刷命令に従って、画像サイズ情報や印刷予約コマンドを送信する。そして、エンジン部302が印刷可能な状態(画像形成可能な状態)となったタイミングで、コントローラ部301は、エンジン制御部302aのCPU304へ印刷開始コマンドを送信する。
【0039】
エンジン制御部302aは、レジセンサ35によりシートPの後端を検知したタイミングに基づいて、シートPの搬送動作及び/又はシートPへの画像形成動作を制御する。また、エンジン制御部302aは、レジセンサ35によりシートPの後端を検知したタイミングに基づいて、シートPの搬送不良の検知も行う。
【0040】
エンジン制御部302aは、画像制御部306、定着制御部307、シート搬送部308を有する。CPU304、画像処理GA305、画像制御部306、定着制御部307、シート搬送部308は双方向バスを介して接続され、双方向バスを介して相互にデータの送受信を行う。
【0041】
ビデオインタフェース部303は、エンジン部302とコントローラ部301との間の各種信号の中継を行う。画像制御部306は、前述した画像形成部の制御を行う。定着制御部307は、前述した定着部19の制御を行い、シート搬送部308は前述した給紙カセット16及びMPトレイ50からシートPを給紙し、給紙モータ420の制御を行う。本実施形態では、給紙モータ420によって、ピックアップローラ51以外の搬送ローラも駆動される。コントローラ部301とのコマンド等のデータの送受信を行うCPU304は、コントローラ部301からシートサイズ指定コマンドや印刷予約コマンドを受信すると印刷ジョブの実行準備を行い、コントローラ部301から印刷開始コマンドが送信されるのを待つ。CPU304は、印刷開始コマンドを受信すると、指定されたシートサイズなど、印刷予約コマンドの情報に従って、各制御部(画像制御部306、定着制御部307、シート搬送部308)に印刷動作(以下、プリント動作ともいう)の開始を指示する。
【0042】
また、エンジン部302は、タイマを有しており、CPU304はタイマにより計測した時間に基づいて、各種のタイミング制御を行う。エンジン部302は、実施例2で説明するレジセンサカウンタ309も有している。レジセンサカウンタ309は、エンジン制御部302aに含まれていてもよい。
【0043】
画像制御部306は、印刷動作開始の指示を受信すると画像形成準備を開始する。CPU304は、画像制御部306から画像形成の準備が整った旨の通知を受信すると、コントローラ部301に、ビデオインタフェース部303を介して、ビデオ信号を出力する基準タイミングとなるタイミング信号である/TOP信号を出力する。コントローラ部301は、CPU304から/TOP信号を受信すると、次の処理を行う。コントローラ部301は、/TOP信号を受信したタイミングを基準にしてビットマップデータから生成されたビデオ信号を指定されたシートサイズ分、ビデオインタフェース部303を介して画像処理GA305に出力する。画像処理GA305は、コントローラ部301からビデオ信号を受信すると、受信したビデオ信号を画像形成用のデータに変換し、画像制御部306に送信する。画像制御部306は、画像処理GA305から受信した画像形成用のデータに基づいて画像形成を行う。なお、連続プリントを行う際の画像形成において、画像制御部306は、コントローラ部301からビデオインタフェース部303を介して受信した指定されたシートサイズに基づいて、/TOP信号が出力される時間間隔(周期)である画像形成間隔を決定する。そして、画像形成間隔に合わせて、画像制御部306は、CPU304に/TOP信号の送信を指示する。
【0044】
シート搬送部308は、CPU304から印刷動作開始の指示を受信すると給紙動作を開始する。シート搬送部308は、給紙モータ420を駆動して、MPトレイ50や給紙カセット16(以下、給紙部ともいう)に載置されたシートPを2次転写位置まで搬送すると共に、レジセンサ35を用いてシートPのサイズ(シートサイズ)を検知する。なお、ここでいうシートPのサイズとは、シートPの搬送方向における長さである。また、レジセンサ35でシートPの先端及び後端を検知すると、レジセンサ35よりも搬送方向における下流に配置されている定着センサ37でのジャム検知を行う。
【0045】
定着制御部307は、印刷動作開始の指示を受信すると定着処理の準備を開始する。定着制御部307は、2次転写が行われたシートPが定着部19に搬送されてくるタイミングに合わせて、印刷予約コマンドに設定された紙種情報(例えばシートPの厚さ)に従って温度調整を開始する。なお、紙種情報には、シートPの厚さの他、シートPのサイズ、坪量(g/m)、光沢度等、シートPの特性を示す指標が含まれていてよい。定着制御部307は、シートPに画像(トナー像)を定着させた後、シートPを機外に搬送する(排出する)。
【0046】
エンジン部302のエンジン制御部302aは、操作表示部310により入力された情報、例えばシートPのシートサイズ等の情報に基づいて、画像形成動作の条件を設定する。また、エンジン部302は、画像形成動作中にジャム等が発生した場合、操作表示部310にその旨を表示しユーザへの報知を行う。
【0047】
まとめると、エンジン制御部302aは、シートPの搬送、シートPへの画像形成、シートPの搬送不良の検知の少なくとも一つに関連する動作を実行するように構成された制御部を有するということができる。
【0048】
本実施形態において、エンジン制御部302aは、回転シャッタ35aがシートPの先端によって回転された後、レジセンサ35の出力信号(第1信号)に基づいて、シートPの後端を検知するように構成される。また、エンジン制御部302aは、シートPの後端を検知し、シートPの後端を基準にして、シートPへの画像形成、シートPの搬送不良の検知の少なくとも一つに関連する動作(後端基準動作)を実行するように構成されている。言い換えれば、エンジン制御部302aは、回転シャッタ35aがシートPの先端によって回転された後、レジセンサ35の出力信号(第1信号)に基づいて、後端基準動作を実行するように構成されている。
以下、エンジン部302のエンジン制御部302aが制御する動作ついて説明するが、単にエンジン部302が対象を制御する、と記載する場合がある。
【0049】
[従来のプリント動作の概要]
図4は、比較例の制御において、レジセンサ35でシートPの後端を検知してから、定着センサ37でジャム検知を行う場合のタイミングチャートである。プリント動作としては、MPトレイ50からLTRサイズ(215.9mm×279.4mm)のシートPを1枚印刷する。図4において、(i)は/TOP信号の波形(410)、(ii)は給紙モータ420の駆動状況、(iii)は給紙ピックアップソレノイド(ピックアップローラ51の駆動)(430)、(iv)はMP搬送センサ52の出力波形(440)を示す。図4において、(v)はレジセンサ35の出力波形(450)、(vi)は定着センサ37の出力波形(460)、(vii)は、上述した特定シートの一例として圧着紙を搬送したときのレジセンサ35の出力波形(480)を示す。横軸方向は、時間を示す。圧着紙とは、機密性の高い情報の連絡に適したシートであり、表面に糊が塗布され、印刷後にシートを糊に合わせて折り、専用の処理機で圧着させるシートである。
【0050】
図4において、/TOP信号は、エンジン部302からコントローラ部301に送信される信号である。エンジン部302は、コントローラ部301から印刷開始コマンドを受信するとプリント動作のための画像形成準備動作を行う。そして、画像形成準備動作が完了すると、1枚目のシートPに対する/TOP信号が/TOPタイミング411で出力される。コントローラ部301は、エンジン部302から出力された/TOP信号を基準に画像形成を開始する。
【0051】
エンジン部302は、画像形成制御の準備と並行して給紙モータ420を起動し、給紙動作の準備を行う。エンジン部302は、給紙準備動作が完了すると、ピックアップローラ51を駆動して、ピックアップタイミング431でシートPを1枚給紙する。エンジン部302は、シートPの先端がMP搬送センサ52に到達するタイミング441で、機内に給紙されたシートPの先端をMP搬送センサ52で検知する。また、エンジン部302は、シートPの後端がMP搬送センサ52に到達するタイミング442で、シートPの後端をMP搬送センサ52で検知する。
【0052】
エンジン部302は、MPトレイ50から給紙されたシートPの先端がレジセンサ35に到達するタイミング451でシートPの先端を検知すると、タイミング421で給紙モータ420を一時停止する。タイミング421は、シートPが搬送を一旦停止される位置に到達するタイミングである。その後、中間転写ベルト80に形成されたトナー像とレジセンサ35で待機しているシートPの先端とが2次転写部で一致するよう、シート再給紙タイミング422で給紙モータ420を再起動し、シートPを再給紙する。中間転写ベルト80上のトナー像の位置によっては、搬送を停止しない場合もある。実施例1では、搬送を一時停止する場合について説明する。
【0053】
再給紙されたシートPの先端は、タイミング461で定着センサ37に到達する。シートPの後端は、タイミング452でレジセンサ35を通過する。タイミング452は、シートPの後端がレジセンサ35を通過するタイミングである。エンジン部302は、シートPの後端がレジセンサ35を通過したタイミングt1(452)から定着センサ37による定着滞留ジャム検知を開始する。
【0054】
具体的には、エンジン部302は、シートPの後端がレジセンサ35を通過したタイミングt1(452)から、シートPの後端の定着センサ37による検知が開始される時間Tfsr(以下、単に検知開始時間Tfsrとする)(470)が経過するのを待つ。エンジン部302は、検知開始時間Tfsrが経過したタイミングt2から、定着センサシート後端検知区間Tfsr_window(以下、単に検知区間Tfsr_windowとする)(471)の間に、定着センサ37でシートPの後端の検知をする。より詳細には、エンジン部302は、検知区間Tfsr_window中に、定着センサ37によりシートPの後端を検知することができるか否かを待つ。
【0055】
検知開始時間Tfsr(470)、検知区間Tfsr_window(471)はそれぞれ次の式(1)、式(2)で求めることができる。
Tfsr=(レジセンサ35から定着センサ37までの距離/搬送速度)
-定着ばらつき早着時間 式(1)
Tfsr_window=定着ばらつき早着時間+定着ばらつき遅着時間 式(2)
式(1)、式(2)で用いられている定着ばらつき早着時間、式(2)で用いられている定着ばらつき遅着時間について説明する。
【0056】
エンジン制御部302aは、シートPの後端が定着センサ37に到達する理想的なタイミング(中心値ともいう)を算出、もしくは記憶した値を読み出すことができる。式(1)においては、(レジセンサ35から定着センサ37までの距離/搬送速度)が中心値に相当する。
実際には、中心値よりも早くシートPの後端が定着センサ37に到着する場合(早着)、逆に中心値よりも遅く到着する場合(遅着)がある。
【0057】
通常、画像形成装置におけるシートPの搬送において、所定距離を搬送する時間は、搬送路の寸法だけでは決定することができず、他の要因で遅れたり、早くなったりするためばらつきを持つ。所定距離を搬送する時間にばらつきが発生する理由としては、搬送路のガイド形状により、シートPによっては、異なる搬送経路をたどってシートPが搬送されることが考えられる。また、定着部19の加圧ローラ19bは、温まり具合に応じてローラ径が変化することで、シートPの搬送速度に影響を与えることが考えられる。それぞれのばらつき要因を積み重ねた上で、シートPの後端がレジセンサ35から一番早く定着センサ37に到達する時間と中心値の差を、定着ばらつき早着時間、一番遅く到達する時間と中心値の差を定着ばらつき遅着時間と定義する。
【0058】
このため、エンジン部302は、中心値から定着ばらつき早着時間を減じた値を検知開始時間Tfsr(470)とする。また、定着ばらつき早着時間と、定着ばらつき遅着時間を足した値を、検知区間Tfsr_window(471)としている。
【0059】
なお、シートPの後端がレジセンサ35から一番早く定着センサ37に到達する時間を検知開始時間Tfsr(470)とすることもできる。シートPの後端がレジセンサ35から一番遅く定着センサ37に到達する時間と、シートPの後端がレジセンサ35から一番早く定着センサ37に到達する時間の差を、検知区間Tfsr_window(471)とすることができる。
【0060】
エンジン部302は、検知区間Tfsr_window(471)の間に、定着センサ37でシートPの後端を検知することができなかった場合、定着部19、2次転写部付近にシートPが滞留し、正常にプリント動作を継続することができないと判断する。エンジン部302は、この場合、画像形成装置の動作を停止する。一方、エンジン部302は、検知区間Tfsr_window(471)の間に、シートPの後端が定着センサ37を通過するタイミング462で定着センサ37によりシートPの後端を正常に検知することができた場合、そのままシートPを機外へ排出しプリント動作を終了する。なお、以下の説明で各タイミングを表す符号(411、421等)は、新しく説明する場合を除き符号のみを用いる。
【0061】
(圧着紙)
次に、比較例の制御において、MPトレイ50からLTRサイズの圧着紙を1枚印刷した場合の動作について図4図5を用いて説明する。図5(A)に圧着紙の一例を示し、圧着紙の搬送方向、先端、後端も示す。図5(A)の圧着紙は、後端から先端に向かってX(501)の位置に、搬送方向に対し直交する方向に糊が配置されており、この部分を糊部502という。
【0062】
(圧着紙印刷時におけるジャム検知)
次に、図5(A)で示した圧着紙をプリントする際、比較例の制御において、レジセンサ35でシートPの後端を検知してから、定着センサ37で定着滞留ジャム検知を行う場合の処理を、図4を用いて説明する。エンジン部302は、図5(A)の圧着紙に対しても、すでに図4を用いて説明した制御と同様の制御を行い、1枚目のシートPに対する/TOP信号(411)出力、給紙動作(421、431)、再給紙動作(422)を行う。再給紙された圧着紙の先端は、定着センサ37に到達する(461)。
【0063】
次に、図5(B)を用いて、圧着紙がレジセンサ35に到達、通過する際の動作を説明する。なお、図5(B)(a)~(g)には図2(B)の(a)等で用いた符号を付しており、図5(B)(h)は図2(B)の(e)と同様にセンサ出力結果を示している。圧着紙の先端がレジセンサ35に到達するタイミング481でレジセンサ35に圧着紙の先端が到達する(図5(B)(a))。圧着紙の先端がシャッタ部35cを押すと、シャッタ部材35a及び検知部材の遮光フラグが回転し、センサ出力がOFFからONとなる(図5(B)(b))。圧着紙がレジセンサ35を通過している間は、図2(B)のでの説明と同様に、センサ出力結果がONで維持される(図5(B)(b)~(c))。
【0064】
その後、圧着紙の糊部502がレジセンサ35を構成するシャッタ部35eと接触する(図5(B)(d))。糊部502と接触したシャッタ部35eは、糊部502との摩擦により、糊部502につられて矢印R1方向(時計回り方向)に回転してしまう(図5(B)(e))。これにより、シャッタ部材35a及び検知部材の遮光フラグは、図5(B)(a)と同様に、シート待機位置まで回転し、図4の圧着紙糊部レジセンサ通過タイミング482(t11)でセンサ出力結果がOFFを示す。その後、シャッタ部材35a及び検知部材の遮光フラグは、図5(B)(c)と同様の位置で圧着紙が通過するため、センサ出力結果は圧着紙のレジセンサ35による再検知のタイミング485でONとなる(図5(B)(f))。図5(B)(g)は、圧着紙の実際の後端がレジセンサ35を通過したタイミングt12(上述したタイミングt1)であり、センサ出力結果はOFF、つまりシート無しとなる(452)。ここで、図4(vii)のタイミングt11~タイミングt12までのXは、図5(A)の501のXに相当する。
【0065】
エンジン部302は、圧着紙上の糊部502によってセンサ出力結果がOFFになったタイミングt11を圧着紙の後端がレジセンサ35を追加したタイミング(482)であると判断する。このため、エンジン部302は、定着センサ37による定着滞留ジャム検知を開始する。
【0066】
圧着紙後端定着センサ検知開始時間(以下、圧着紙の検知開始時間という)Tfsrp(483)、定着センサ圧着紙後端検知区間(以下、圧着紙の検知区間という)Tfsrp_window(484)は、上述した式(1)、(2)で求めることができる。式(1)、(2)の算出結果は、検知開始時間Tfsr(470)及び検知区間Tfsr_window(471)と同じとなる。エンジン部302は、圧着紙の検知区間Tfsrp_window(484)の間、定着センサ37で圧着紙の後端が検知できるか否かを待つ。
【0067】
通常、LTRサイズのシートPを搬送した場合、定着センサ37にシートPの後端が到達するタイミングは、すでに説明したように462である。しかしながら、圧着紙は、レジセンサ35によって、通常のシートPの後端がレジセンサ35を通過するタイミングt1(452)よりもX(501)早いタイミングt11で後端を検知(482)されている。そして、エンジン部302は、圧着紙の場合、通常よりもX(501)早いタイミングt13で定着滞留ジャム検知を開始している。そのため、圧着紙の検知区間Tfsrp_window(484)の間に、本来の圧着紙の後端(462)が定着センサ37に到達することができない。よって、エンジン部302は、この検知結果に基づき、定着部19、2次転写部付近にシートPが滞留し、正常にプリント動作を継続することができないと誤検知し、画像形成装置の動作を停止する。このように、比較例の制御では、圧着紙にプリント動作を行った場合に、エンジン部302が定着滞留ジャムであると誤検知してしまう。
また、圧着紙以外でも、シートPの後端と異なるタイミングで回転シャッタ35aが回転されると、エンジン部302の制御部が、シートPの後端を誤検知する可能性がある。
【0068】
レジセンサ35の回転シャッタ35は、シートPの先端に押されたときと、シートPの後端が通過したときとで、回転方向が同じである。また、シャッタ部35c、35d、35eは、シートPの先端に押されたときと、シートPの後端が通過したときに、シートPの搬送方向Dの下流側に向けて移動される。このような構成においては、シートPの後端と異なるタイミングであっても、回転シャッタ35aに搬送方向Dの力が加わると、回転シャッタ35aの回転が起きやすい。
【0069】
[実施例1のプリント動作の概要]
実施例1では、画像形成装置において、レジセンサ35より搬送方向の上流に配置されているMP搬送センサ52で測定したシートPの長さを使用して、レジセンサ35のシートPの後端の検知を行う。
【0070】
MP搬送センサ52は、レジセンサ35よりも搬送方向における上流に設けられ、シートPの先端及び後端を検知する第2検知手段(第2検知センサ)として機能する。なお、シートPの長さの測定のために用いられる検知手段は、搬送方向Dにおいて、レジセンサ35よりも下流に設置されていてもよい。
【0071】
実施例1のエンジン部302のエンジン制御部302aは、測定したシートPの長さに基づいて、レジセンサ35によるシートPの後端の検知を開始するタイミングを決定する。本実施例では、エンジン部302のエンジン制御部302aは、MP搬送センサ52の検知結果に基づいてシートPの長さを測定する。これにより、特定シートを用いた場合であっても、定着センサ37による定着滞留ジャムの誤検知の発生などを防ぎ、正常にプリント動作を行うことができる。
以下の説明では、シートPとして圧着紙が使用された場合について説明する。このため、シートPを圧着紙と呼ぶ場合がある。
【0072】
実施例1では、図4で説明した従来例と同様に、MPトレイ50からLTRサイズの圧着紙を1枚プリントした場合の動作について説明する。
図6は、実施例1における画像形成、給紙制御を示したタイミングチャートである。図6(i)~(iv)、(vi)は、図4(i)~(iv)、(vii)と同様の波形を示す。また、図6(v)は図4(vii)に対応しており、同じタイミングを表す場合は単に符号のみ(711、721等)用いる。なお、図4では400番台の符号を図6では700番台の符号としている。エンジン部302は、図4を用いて説明した制御と同様の制御を行い、1枚目の圧着紙に対する/TOP信号出力(711)、給紙動作(731)を行う。また、圧着紙は、MP搬送センサ52により先端が検知され(741)、レジセンサ35により先端が検知される(751)。
【0073】
エンジン部302のエンジン制御部302aは、機内に給紙されたシートPの先端をMP搬送センサ52で検知(741)すると、そこからMP搬送センサ52によるシートPの長さ測定を開始する。シートPの長さの測定は、MP搬送センサ52がONの時間と、搬送が停止している時間を使用して算出することが可能である(式(3))。MP搬送センサ52がONの時間は、741から742までの時間T1である。搬送が停止している時間は、721から722までの時間T2である。
長さ=搬送停止時間を除くMP搬送センサON時間(T1-T2)/搬送速度
式(3)
【0074】
図4の説明と同様に、レジセンサ35で一時停止しているシートPが再給紙されると、シートPの搬送が再開される(722)。エンジン部302は、再給紙のタイミングt21で、圧着紙の後端がレジセンサ35を通過するタイミングを決定する圧着紙の後端のレジセンサ35による検知開始の時間(以下、検知開始時間という)Treg(754)をセットする。
【0075】
エンジン部302は、検知開始時間Treg(754)が経過したタイミングt22から、レジセンサ圧着紙後端検知区間Treg_window(755)の間に、レジセンサ35で圧着紙の後端の検知を待つ。検知開始時間Treg(754)、レジセンサ圧着紙後端検知区間(以下、圧着紙の検知区間という)Treg_window(755)はそれぞれ式(4)、式(5)で求めることができる。
Treg=(シートサイズ/搬送速度)-レジばらつき早着時間 式(4)
Treg_window=レジばらつき早着時間+レジばらつき遅着時間
式(5)
【0076】
式(4)で使用するシートサイズは、ユーザが指定したシートサイズ、又は、式(3)で求めた長さを使用する。シートサイズは、エンジン制御部302aのROMに記憶された、指定されたシートPに対応する値を読みだしてもよいし、操作表示部310等を介してユーザにより予め入力されてもよい。
【0077】
なお、図1で説明した操作表示部310は、シートPが特定シート(圧着紙)であることを入力することが可能な入力手段として機能する。エンジン部302のエンジン制御部302aは、操作表示部310による入力結果に基づいてシートPが圧着紙であることを判断する。シートPが圧着紙であることを示す情報は、画像形成装置に接続された外部機器から入力されてもよい。
【0078】
レジばらつき早着時間、レジばらつき遅着時間は、すでに説明した定着ばらつき早着時間、定着ばらつき遅着時間と考え方は同じである。つまり、シートPの後端がレジセンサ35に到達する中心値、シートPの後端がレジセンサ35に最も遅く到達する場合、シートPの後端がレジセンサ35に最も早く到達する場合、を考慮して定められる。
【0079】
なお、レジばらつき早着時間は、式(6)を満足する必要がある。
レジばらつき早着時間≦X/搬送速度 式(6)
Xは、図5(A)で説明した圧着紙の後端から糊部502までの距離
式(6)を満足できないと、糊部502によるレジセンサ35の出力結果のOFFをシートPの後端であると検知する可能性があるためである。
【0080】
MP搬送センサ52によってシートPの長さを測定する前には、シートサイズは最初に使用されるシートサイズは、エンジン制御部302aのROMに記憶された値を用いるか、ユーザにより予め入力されたものを用いることができる。
【0081】
エンジン部302は、再給紙した圧着紙の後端がMP搬送センサ52を通過したタイミング(742)で圧着紙の長さ測定を終了する。エンジン部302は、測定した圧着紙の長さを使用して、検知開始時間Tregを更新する。言い換えれば、後端検知区間Treg_window(755)の開始タイミングが更新される。エンジン部302は、再給紙から検知開始時間Treg(754)が経過したタイミングt22から圧着紙の後端検知区間Treg_window(755)の間に、レジセンサ35で圧着紙の後端を検知する。
【0082】
つまり、エンジン制御部302aは、レジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たした場合にシートPの後端を検知する検知区間(Treg_window)を、MP搬送センサ52の出力信号に基づいて設定する。なお、検知区間(Treg_window)は、エンジン制御部302aが、レジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たした場合に後端基準動作を実行するためのトリガ区間と呼ぶこともできる。
ここで、本実施例において、上記所定の条件とは、レジセンサ35の出力信号の大きさが、所定の値を超えたか否か(本実施例ではOFFからONに変化か否か)を指す。
【0083】
エンジン制御部302aは、後端検知区間Treg_windowの前(検知開始時間Tregの前)にレジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たしても、シートPの後端を検知せず、後端基準動作も実行しない。その後、後端検知区間Treg_windowにおいて、レジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たした場合、エンジン制御部302aはシートPの後端を検知し、後端基準動作を実行する。
【0084】
圧着紙が使用される場合、図4図5(B)で説明したように、レジセンサ35のシャッタ部35c、35d、35eは、圧着紙の糊部502によって回転することで、レジセンサ35を圧着紙がまだ通過中にもかかわらず、センサ出力結果がOFF(シート無し)となる。しかし、糊部502によるシャッタ部35c、35d、35eが回転するタイミング(752)は、圧着紙の後端検知区間Treg_windowの区間外である。このため、センサ出力結果がOFF(シート無し)となったこと(図6(v)のTα)を検知しない制御となる。
【0085】
このように、後端検知区間Treg_windowの前に回転シャッタ35aが回転したとしても、エンジン制御部302aはシートPの後端を検知しない。その後、シートPの後端がレジセンサ35に到達し、後端検知区間Treg_windowで回転シャッタ35aの回転が検知されると、エンジン制御部302aはシートPの後端を検知する。
【0086】
エンジン部302は、圧着紙の後端検知区間Treg_window(755)の間に、レジセンサ35でシートPの後端を正常に検知することができたタイミングを、タイミング753と呼ぶ。タイミング753は、圧着紙の後端をレジセンサ35により検知したタイミングである。エンジン制御部302aは、タイミング753を基準に、次のような動作を制御する。すなわち、以降、図4で説明したとおり、エンジン部302は、定着センサ37による定着滞留ジャム検知(756 Tfsr、757 Tfsr_window)を開始する。エンジン部302は、正常に圧着紙の先端及び後端を検知(761、762)する。エンジン部302は、圧着紙をそのまま機外へ排出してプリント動作を終了する。
【0087】
一方、エンジン部302は、圧着紙の後端検知区間Treg_window(755)の間に、レジセンサ35で圧着紙の後端を検知することができなかった場合、次のように制御する。すなわち、エンジン部302は、レジセンサ35付近に圧着紙が滞留し、正常にプリント動作を継続することができないと判断し、画像形成装置の動作を停止する。なお、図6(vi)の756は図4の483と同様であり、757は図4の484と同様である。なお、圧着紙の後端検知区間Treg_window(755)において圧着紙の後端がレジセンサ35により検知できない場合の圧着紙の搬送不良を、以下、レジ滞留ジャムといい、レジ滞留ジャムの検知をレジ滞留ジャム検知という。
【0088】
(実施例1の搬送制御)
図7図8は、シートPが圧着紙である場合の実施例1のエンジン部302の制御フローチャートである。図7でレジセンサ35によるシートPの後端検知について詳細に説明する。エンジン部302は、印刷を開始すると、ステップ(以下、Sとする)800a以降の処理を開始する。S800aでエンジン部302は、レジセンサ35及びMP搬送センサ52でシートPの先端を検知するためのMP搬送センサON検知要求とレジセンサON検知要求を設定する。S801aでエンジン部302は、給紙動作を開始し、/TOP信号を出力する。
【0089】
S802aでエンジン部302は、シートPがMP搬送センサ52に到達し、MP搬送センサ52がONになったか否かを判断する。S802aでエンジン部302は、MP搬送センサ52がONになったと判断した場合、処理をS803aに進め、ONになっていないと判断した場合、処理をS806aに進める。S803aでエンジン部302は、MP搬送センサON検知要求が設定されているか否かを判断する。S803aでエンジン部302は、MP搬送センサON検知要求が設定されていると判断した場合、処理をS804aに進め、設定されていないと判断した場合、処理をS809aに進める。S804aでエンジン部302は、MP搬送センサ52による長さ測定を行うために、長さ測定タイマをスタートする。S805aでエンジン部302は、MP搬送センサON検知要求を解除し、MP搬送センサ52でシートPの後端を検知するためのMP搬送センサOFF検知要求を設定する。
【0090】
S806aでエンジン部302は、MP搬送センサOFF検知要求が設定されているか否かを判断する。S806aでエンジン部302は、MP搬送センサOFF検知要求が設定されていると判断した場合、処理をS807aに進め、設定されていないと判断した場合、処理をS809aに進める。S807aでエンジン部302は、MP搬送センサ52がONからOFFに変化した場合に、MP搬送センサOFF検知要求を解除し、実測測定タイマを停止し、MP搬送センサ52による長さを算出して確定させる。S808aでエンジン部302は、圧着紙の検知開始時間Tregを更新する。圧着紙の検知開始時間Tregは、すでに説明した式(4)で算出できる。この時点で、圧着紙の検知開始時間Treg算出の際に使用するシートサイズは、S807aで算出した長さとする。
【0091】
809aでエンジン部302は、シートPがレジセンサ35に到達し、レジセンサ35がONになったか否かを判断する。S809aでエンジン部302は、レジセンサ35がONになったと判断した場合、処理をS810aに進め、ONになっていないと判断した場合、処理をS820aに進める。S810aでエンジン部302は、レジセンサON検知要求が設定されているか否かを判断する。S810aでエンジン部302は、レジセンサON検知要求が設定されていると判断した場合、処理をS811aに進め、設定されていないと判断した場合、処理をS817aに進める。
【0092】
S811aでエンジン部302は、シートPの搬送を一旦停止する。S812aでエンジン部302は、長さ測定タイマを停止する。S813aでエンジン部302は、再給紙タイミングとなったか否かを判断する。S813aでエンジン部302は、再給紙タイミングではないと判断した場合、処理をS813aに戻し、再給紙タイミングになったと判断した場合、処理をS814aに進める。S814aでエンジン部302は、レジセンサON検知要求を解除して、シートPの搬送を再開する。S815aでエンジン部302は、長さ測定タイマをリスタートする。S816aでエンジン部302は、圧着紙の検知開始時間Tregを算出し、圧着紙の検知開始時間Treg用のタイマをスタートし、処理をS802aに戻す。圧着紙の検知開始時間Tregは、すでに説明した式(4)で算出できる。この時点で、圧着紙の検知開始時間Treg算出の際に使用するシートサイズは、コントローラ部301から指定された、又は、操作表示部310から入力されたシートサイズとする。この時点では、MP搬送センサ52によるシートPの長さの測定が終わっていないからである(図6参照)。
【0093】
S817aでエンジン部302は、圧着紙の検知開始時間Treg用のタイマを参照し、再給紙を開始してから圧着紙の検知開始時間Tregが経過したか(Treg用タイマ≧Treg)否かを判断する。S817aでエンジン部302は、圧着紙の検知開始時間Tregが経過したと判断した場合、処理をS818aに進め、経過していないと判断した場合、処理をS802aに戻す。S818aでエンジン部302は、レジセンサOFF検知要求を設定する。S819aでエンジン部302は、レジ滞留ジャム検知を開始し、処理をS802aに戻す。
【0094】
S820aでエンジン部302は、レジセンサOFF検知要求が設定されているか否かを判断する。S820aでエンジン部302は、レジセンサOFF検知要求が設定されていると判断した場合、処理を821aに進め、設定されていないと判断した場合、処理をS802aに戻す。S821aでエンジン部302は、圧着紙がレジセンサ35を抜けたタイミングであると判断し、レジ滞留ジャム検知を終了する。S822aでエンジン部302は、定着滞留ジャム検知を開始し、処理を終了する。
【0095】
実施例1の制御のポイントは、レジセンサ35で搬送される圧着紙の後端を検知するタイミングを決定する検知開始時間Tregが、コントローラ部301から指定されたシートサイズではなく、MP搬送センサ52を用いて測定した長さを使用する点である。これにより、どのようなシートサイズの圧着紙がMPトレイ50に設置されていても、圧着紙の長さ内にある糊部502のレジセンサ35による出力結果を無効にすることが可能となる。
【0096】
(レジ滞留ジャム検知)
図8(a)でレジセンサ35によるレジ滞留ジャム検知について詳細に説明する。エンジン部302は、S819aでレジ滞留ジャム検知を開始すると、S800b以降の処理を開始する。S800bでエンジン部302は、レジセンサ35による圧着紙の後端を検知するための後端検知区間Treg_windowを算出し、後端検知区間Treg_window用タイマをスタートする。後端検知区間Treg_windowは、すでに説明した式(5)で算出できる。S801bでエンジン部302は、後端検知区間Treg_window用タイマを参照し、後端検知区間Treg_windowが経過したか(Treg_window用タイマ≧Treg_window)否かを判断する。S801bでエンジン部302は、後端検知区間Treg_windowが経過していないと判断した場合、処理をS801bに戻し、レジセンサ35のOFFを検知できるか否かを判断する。S801bでエンジン部302は、後端検知区間Treg_windowが経過したと判断した場合、処理をS802bに進める。
【0097】
S802bでエンジン部302は、後端検知区間Treg_windowが経過するまでの間にレジセンサ35のOFFが検知できなかった場合、レジセンサ35付近で圧着紙の滞留ジャムが発生したと判断する。この場合エンジン部302は、プリント動作を停止して、図8(a)の処理を終了する。一方、S802bでエンジン部302は、後端検知区間Treg_windowが経過するまでの間にレジセンサ35のOFFを検知できた場合、処理を継続するために図7の処理に戻る。
【0098】
(定着滞留ジャム検知)
図8(b)で定着センサ37による圧着紙の後端検知による定着滞留ジャム検知について詳細に説明する。定着滞留ジャム検知は、後端基準動作の一例である。S800cでエンジン部302は、定着センサ37による圧着紙の後端の検知を開始するための検知開始時間Tfsrを算出し、検知開始時間Tfsr用タイマをスタートする。検知開始時間Tfsrは、すでに説明した式(1)で算出できる。S801cでエンジン部302は、S800cでスタートした検知開始時間Tfsr用タイマを参照し、検知開始時間Tfsrが経過したか(Tfsr用タイマ≧Tfsr)否かを判断する。
【0099】
S801cでエンジン部302は、検知開始時間Tfsrが経過していないと判断した場合、処理をS801cに戻す。S801cでエンジン部302は、検知開始時間Tfsrが経過したと判断した場合、処理をS802cに進める。S802cでエンジン部302は、定着センサ37による圧着紙の後端を検知するための検知区間Tfsr_windowを算出し、検知区間Tfsr_window用タイマをスタートする。検知区間Tfsr_windowは、すでに説明した式(2)で算出できる。
【0100】
S803cでエンジン部302は、定着センサ37がOFFしたか否かを判断し、OFFしていないと判断した場合、処理をS804cに進める。S804cでエンジン部302は、検知区間Tfsr_window用タイマを参照し、検知区間Tfsr_windoに到達したか否かを判断する。S804cでエンジン部302は、検知区間Tfsr_windowに到達していないと判断した場合、処理をS803cに戻し、到達したと判断した場合、処理をS805cに進める。すなわち、エンジン部302は、検知区間Tfsr_window用タイマが検知区間Tfsr_windowに到達するまでの間に定着センサ37のOFFが検知できなかった場合、S805cの処理に進める。S805cでエンジン部302は、定着センサ37付近で圧着紙の滞留ジャムが発生したと判断し、プリント動作を停止し、図8(b)の処理を終了する。S803cでエンジン部302は、検知区間Tfsr_window用タイマが検知区間Tfsr_windowに到達するまでの間に定着センサ37のOFFが検知できた場合、図8(b)の処理を終了する。
【0101】
このように、エンジン部302は、レジセンサ35と異なるMP搬送センサ52の出力に応じて、シートPの長さを測定し、シートPの長さに基づいてシートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングか否かを判断する。レジセンサ35によりシートPの先端を検知した後に、レジセンサ35の出力信号に変化があった場合であっても、シートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングではない場合には、出力信号の変化を無視する。また、エンジン部302は、シートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングである場合には、出力信号の変化に応じてシートPの後端を検知する。
【0102】
実施例1では、画像形成装置内で実際に搬送されるシートサイズ(長さ)を使用してレジセンサ35による圧着紙の後端検知を行う制御について説明した。
実施例1では、MP搬送センサ52で測定した長さを使用した制御について説明したが、これに限定されない。レジセンサ35よりも搬送方向における上流側に設置されている、圧着紙の長さを測定可能な搬送センサであれば、圧着紙が設置されているトレイがMPトレイでなくとも本制御を適用することができる。
【0103】
また、実施例1では、給紙部にLTRサイズの圧着紙が設置されている状態で、コントローラ部からLTRが指定されてプリントする場合について説明した。しかし、本制御は、コントローラ部301の指定と、給紙部に設置されているシートサイズとが不一致だった場合のプリント動作でも適用可能である。さらに、本制御は、コントローラ部301が不定形サイズのプリント指定をするようなプリント動作においても適用可能である。
以上、実施例1によれば、後端以外の部分で回転部材が回転される可能性がある場合でも、記録材の後端の誤検知を抑制することができる。
【実施例2】
【0104】
実施例1では、レジセンサ35での圧着紙の後端を検知する際に、レジセンサ35よりも搬送方向の上流に配置されているMP搬送センサ52で測定した圧着紙の長さを使用して、レジセンサ35のシート後端検知を行う制御について説明した。実施例2は、レジセンサ35よりも上流にシートPの長さ測定が可能な搬送センサがない場合の制御について説明する。具体的には、レジセンサ35で圧着紙の後端を検知する際に、レジセンサ35よりも搬送方向の下流に配置されている定着センサ(第2検知センサ)37で測定した圧着紙の長さを使用して、レジセンサ35のシート後端検知を行う制御について説明する。すなわち、定着センサ37は、レジセンサ35よりも搬送方向における下流に設けられ、シートPの先端及び後端を検知する第3検知手段として機能する。エンジン部302は、定着センサ37の検知結果に基づいて圧着紙の長さを測定する。
【0105】
また、エンジン制御部302aは、レジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たした場合にシートPの後端を検知する。実施例1においては、所定の条件とは、レジセンサ35の出力信号の大きさが、所定の値を超えたか否かであった。本実施例では、後述するチャタリング除去後の結果を使用して、実施例1とは異なる条件で、シートPの後端を検知する方法について説明する。
【0106】
実施例2のエンジン部302は、チャタリング除去を行うために、レジセンサカウンタ309(カウンタ)を有している(図3参照)。エンジン部302のエンジン制御部302aは、レジセンサ35の出力信号が変化してからレジセンサカウンタ309によりカウントしたカウント数が所定カウント数に到達するまでの間、出力信号の変化を無視する。後述するように、所定カウント数は、第1カウント数(高精度)と、第1カウント数よりも大きい第2カウント数(低精度)と、を含んでいる。
【0107】
エンジン部302のエンジン制御部302aは、シートPの長さに基づいてシートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングを設定する。エンジン制御部302aは、シートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングではない場合には、所定カウント数を第2カウント数に設定する。一方、エンジン制御部302aは、シートPの後端がレジセンサ35により検知されるタイミングである場合には、所定カウント数を第1カウント数に設定する。なお、画像形成装置の構成やシステム構成、レジセンサ構成については、実施例1の図1図2(B)、図3で説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。ただし、実施例2では、図1で説明したMP搬送センサ52がない構成について説明する。
【0108】
[実施例2のプリント動作の概要]
実施例2では、コントローラ部301から例えば不定形サイズ指定で、MPトレイ50からLTRサイズの圧着紙を2枚プリントした場合の動作を例として説明する。画像形成装置は、不定形サイズを使用するユーザを想定し、不定形サイズ指定でプリントできる機能を持つ。画像形成装置で不定形サイズのシートPを印刷する場合、エンジン部302は、MPトレイ50に設置されているシートPのサイズ(搬送方向のシートの長さ)が最大サポートサイズ以内であれば、シートPのサイズに合わせて適切なプリントを行うことができる。この場合、エンジン部302は、最大サポートサイズ以内であれば、どのようなサイズでも、紙詰まりなどの搬送不良を起こすことなくプリントを行うことができる。
【0109】
画像形成装置は、MPトレイ50に載置されたシートPのサイズが不明な場合には、MPトレイ50に設置されるシートPの最大サイズを基準に、画像形成、搬送制御を行う。このため、エンジン部302は、シートPの長さが測定されていない場合には、画像形成装置において画像形成動作が可能なシートPのうち最大のシートPの長さに基づいてレジセンサ35による特定シートの後端の検知を開始するタイミングを決定してもよい。そして、シートPのシートサイズが搬送センサによって測定、確定したタイミングで、そのシートサイズに合わせ、画像形成制御や搬送制御を変更する。これにより、搬送不良を起こすことなく、画像不良の発生を抑制してプリント動作を行うことができる。実施例2では、MPトレイ50に設置できる最大サポートサイズをLGLサイズ(215.9mm×355.6mm)として画像形成、搬送制御を行うこととする。
【0110】
図9は、実施例2における画像形成、給紙制御を示したタイミングチャートである。図9(i)~(iii)は図6(i)~(iii)と、図9(iv)は図6(v)と、図9(vii)は図6(vi)とそれぞれ同様の波形を示す。図9(v)は後述するレジセンサカウンタ309の値の変化の様子を示す(970)。図9(vi)は後述するチャタリング除去後のレジセンサ35の出力結果を示す(980)。なお、図6では700番台の符号を図9では900番台の符号としており、これまでに説明したタイミングと同じ意味を持つものについては符号のみ用いる。
【0111】
(チャタリング除去制御)
まず、図9を用いて、実施例2におけるチャタリング除去制御に関する説明を行う。レジセンサ35の出力結果は、シートPの先端や後端がレジセンサ35に到達すると、センサの形状や特性により電気的なノイズやメカ的なセンサフラグのバウンド動作などが発生し、センサ出力結果を安定させることができない場合がある。レジセンサ35でも同様のことが発生するおそれがあり、レジセンサ35の出力結果が安定しない場合、エンジン部302の搬送制御に影響を与える可能性がある。以下、レジセンサ35の出力結果が安定せず、短い時間でONとOFFの変化を繰り返す状態をチャタリングという。そこで、エンジン部302は、レジセンサ35の出力結果(950)をそのまま制御に使用せず、チャタリングの除去を行った後のセンサ出力結果(980)を使用する。実施例2では、チャタリング除去に使用する検知閾値を低精度閾値(971)、高精度閾値(972)の2種類持つ。
【0112】
チャタリング除去は、レジセンサ35の出力結果が、所定時間同じ結果を出力したことをもって確定させる制御である。例えば、シートPの先端を高精度閾値(972)でチャタリング除去する例について説明する。レジセンサ35にシートPの先端が到達したタイミングで、レジセンサ35の出力結果がONになる(951)。このタイミングで、レジセンサ検知カウンタ(970)のカウントを開始する。エンジン部302は、レジセンサ35の出力結果がONの間は、レジセンサ検知カウンタをカウントし続ける。レジセンサ検知カウンタが高精度閾値(972)に到達したチャタリング除去後先端レジセンサ到達タイミング981(t31)で、チャタリング除去後のレジセンサ35の出力結果をONとする。エンジン部302は、このシートPの先端検知結果(981)を使用して次の制御を行う。
【0113】
(低精度閾値と高精度閾値)
また、低精度閾値(971)と高精度閾値(972)の違いについて説明する。どちらの閾値を使用するかによって、レジセンサ35の出力結果からチャタリング除去後レジセンサ(980)の出力結果を確定するまでの時間が変わる。実施例2では、チャタリング除去後のレジセンサ出力結果の確定タイミングは、低精度閾値(971)より高精度閾値(972)の方が早い(短い)。つまり、レジセンサ35の出力結果により近いタイミングで確定するため、高精度閾値(972)でチャタリング除去したセンサ出力結果の方が高精度である。
【0114】
低精度閾値(971)及び高精度閾値(972)は、レジセンサ35の出力信号の変化後、その状態がどのくらいの時間継続した場合に、レジセンサ35が回転した、と判断するかの閾値である。例えば、高精度閾値(972)が設定されている場合、レジセンサ35の出力信号の大きさが所定の値を超えた時間が第1長さに達した場合に、レジセンサ35が回転したと判断される。一方、低精度閾値(971)が設定されている場合には、レジセンサ35の出力信号の大きさが所定の値を超えた時間が第1長さよりも長い第2長さに達した場合に、レジセンサ35が回転したとは判断される。言い換えれば、低精度閾値(971)が設定されている場合、レジセンサ35の出力信号の大きさが所定の値を超えた時間が第1長さに達しても、レジセンサが回転したと判断されない。
【0115】
レジセンサ35がハイレベルになった状態、あるいはローレベルになった状態を、レジセンサ35の出力信号の大きさが所定の値を超えた状態とすることができる。また、本実施例では、第1長さは20ms、第2長さは70msである。
【0116】
圧着紙の糊部502がレジセンサ35に当接すると、レジセンサ35は回転する。しかし、このときにレジセンサ35の出力信号のローレベル(又はハイレベル)は、低精度閾値(971)が設定されている場合の時間よりも短く、レジセンサ35が回転したとは判断されない。
【0117】
実施例2では、この閾値を、低精度閾値(971)に設定するか高精度閾値(972)に設定するかを圧着紙の糊部502が通過するタイミングか否かに応じて決定している。なお、低精度閾値(971)の設定、言い換えればチャタリングの精度低下を常に行ってしまうと、実際に圧着紙の後端が到達してレジセンサ35が回転したときに、次のように時間を要してしまう。すなわち、高精度閾値(972)が設定されている場合には20msで圧着紙の後端を検知できるにもかかわらず、低精度閾値(971)が設定されたままの場合には、70msが経過しないと圧着紙の後端を検知できない。このため、低精度閾値(971)が常に設定されていると、圧着紙の後端の位置検知の精度が下がってしまう。したがって、実施例2では、圧着紙の後端がレジセンサ35に到達すると推測できるタイミングより前に、チャタリング除去に用いる閾値(言い換えればチャタリングの精度)を、低精度閾値(971)から高精度閾値(972)に戻す。
【0118】
実施例2では、圧着紙の糊部502がレジセンサ35を通過する際に低精度閾値(971)を使用したチャタリング除去を行うことで、圧着紙の後端の誤検知を防ぐ。しかしながら、低精度閾値(971)を使用したチャタリング除去を実際のシート後端に適用すると、上述したように検知精度が低下し、シートPの搬送制御や画像形成に良くない影響を与える可能性がある。そこで、実施例2では、低精度閾値(971)と高精度閾値(972)とを適切に切り替えている。
【0119】
次に、図9を用いて、実施例2における画像形成、給紙制御の説明を行う。実施例2の制御により、圧着紙の後端の検知精度を下げることなく、糊部502による後端の誤検知を防ぐことが可能となる。実施例2では、チャタリング除去に関して、圧着紙の先端検知には高精度閾値(972)を使用する。一方、圧着紙の後端検知には、低精度閾値(971)と高精度閾値(972)とを切り替えながら制御する。
【0120】
(1枚目)
エンジン部302は、図4を用いて説明した制御と同様の制御を行い、1枚目の圧着紙に対する/TOP信号出力(911)、給紙動作(931)を行う。エンジン部302は、MPトレイ50から給紙されたシートPの先端をレジセンサ35で検知したタイミング(951)で、チャタリング除去を行う。エンジン部302は、圧着紙の先端位置を確定(981)し、給紙モータ420を一時停止する(921)。その後、中間転写ベルト80に形成されたトナー像とレジセンサ35で待機している圧着紙の先端とが2次転写部で一致するよう、給紙モータ420を再起動し、シートPを再給紙する(922)。
【0121】
エンジン部302は、再給紙タイミングt32(922)で圧着紙後端レジセンサ検知開始最大時間(以下、検知開始最大時間という)Treg_max(954)の測定をする。検知開始最大時間Treg_max(954)は、式(7)で求めることができる。
Treg_max=(最大サポートサイズ/搬送速度)-レジばらつき早着時間
式(7)
実施例2における最大サポートサイズは、LGLサイズである。レジばらつき早着時間は、実施例1で説明したとおりである。
【0122】
エンジン部302は、検知開始最大時間Treg_maxの測定が完了した後に、圧着紙の後端が到達することを想定して、チャタリング除去に使用するレジセンサ後端検知閾値を高精度閾値(972)とする。つまり、検知開始最大時間Treg_maxの測定完了までの間は、低精度閾値(971)でチャタリング除去を行うことになる。
【0123】
実施例1でも説明したように、圧着紙がレジセンサ35を通過中、糊部502が差し掛かると、レジセンサ35の出力結果がONからOFFとなる(952)。エンジン部302は、レジセンサ35の出力結果がONからOFFとなったタイミングでチャタリング除去を行う。しかし、実施例1で説明したように、レジセンサ検知カウンタが低精度閾値に到達する前に、レジセンサ35の出力結果がOFFからONに戻るため(タイミングt33)、チャタリング除去後のレジセンサ35の出力結果は、ONのまま維持される。これにより、エンジン部302は、圧着紙の後端を誤検知することを防ぐことができる。
【0124】
その後、圧着紙の実際の後端がレジセンサ35に到達したタイミングt34で(953)、チャタリング除去が低精度閾値(971)で行われる。チャタリング除去後のレジセンサ出力結果が、チャタリング除去後後端レジセンサ通過タイミング982でOFFとなる。
【0125】
不定形サイズ指定の場合、どのようなシートサイズのシートPがMPトレイ50に設置されているかわからない。そのため、エンジン部302は、不定形サイズ指定のプリント動作の場合、最大サポートサイズのシートPの後端を検知することを想定して制御を行う。このため、実際にMPトレイ50に設置されているシートPのサイズによっては、本来高精度閾値(972)で精度を高く検知すべきシートPの後端が、低精度閾値(971)で検知されることになる(982)。また、後端検知区間Treg_window(955)は、最大サポートサイズに対する検知開始最大時間Treg_max経過後の区間であり、実施例2の圧着紙の後端は、この区間よりも前に検知されている。
【0126】
レジセンサ35を通過した圧着紙は、定着センサ37に到達する(991)と、そこから定着センサ37による圧着紙の長さ測定が開始される。長さ測定は、定着センサ37がONの時間(991から992までの時間)を使用して算出することが可能である(式(8))。
長さ=定着センサON時間/搬送速度 式(8)
【0127】
以降、図6で説明した動作と同様に、レジセンサ35で圧着紙の後端を正常に検知することができた場合(982)、次のように制御される。すなわち、エンジン部302は、定着センサ37による定着滞留ジャム検知(993 Tfsr、994 Tfsr_window)を開始する。エンジン部302は、正常に圧着紙の先端後端を検知(991、992)した後、そのまま圧着紙を機外へ排出して1枚目のプリント動作を終了する。このように、1枚目の圧着紙については、最大サポートサイズが用いられる。
【0128】
(2枚目)
次に2枚目について説明する。エンジン部302は、不定形サイズ指定のため、最大サポートサイズであるLGLサイズのシートPがMPトレイ50に設置されていても正常にプリントできるよう制御を行う。つまり、1枚目と2枚目の画像形成間隔、給紙間隔はともにLGLサイズを想定して行われる(912、932)。
【0129】
エンジン部302は、MPトレイ50から給紙された圧着紙の先端をレジセンサ35で検知したタイミング(956)で、チャタリング除去を行う。エンジン部302は、圧着紙の先端位置を確定(983)し、給紙モータ420を一時停止する(923)。その後、中間転写ベルト80に形成されたトナー像とレジセンサ35で待機している圧着紙の先端とが2次転写部で一致するよう、給紙モータ420を再起動し、圧着紙を再給紙する(924)。
【0130】
エンジン部302は、1枚目と同様に、再給紙タイミングt35(924)で検知開始時間Treg(959)の測定をする。検知開始時間Treg(959)は、1枚目の検知開始最大時間Treg_maxとは異なり、実施例1で説明した式(4)で求めることができる。シートサイズは、1枚目の圧着紙が定着センサ37を通過時(992)に式(8)で算出した長さを使用する。
【0131】
エンジン部302は、検知開始時間Tregの測定完了までの区間(959)、チャタリング除去のためのレジセンサ後端検知閾値を低精度閾値(971)とする。エンジン部302は、1枚目と同様に、糊部502によるレジセンサ35のOFF出力を、OFFとして検出しない(957)。これにより、圧着紙の後端位置の誤検知を防ぐことが可能となる。
【0132】
2枚目は、1枚目の長さ測定結果を使用し、検知開始時間Tregの測定完了後に、チャタリング除去のためのレジセンサ後端検知閾値を低精度閾値(971)から高精度閾値(972)に切り替える。エンジン部302は、レジセンサ35による圧着紙の後端検知を後端検知区間Treg_windowの区間(960)行う。
【0133】
圧着紙の実際の後端がレジセンサ35に到達したタイミングt36で(958)、チャタリング除去が高精度閾値(972)で行われる。そして、チャタリング除去後のレジセンサ出力結果がOFFとなる(984)。これにより、レジセンサ35による圧着紙の後端検知を1枚目より精度を高めて行うことができ、以降の制御による影響を最小限にすることが可能となる。
【0134】
エンジン部302は、定着センサ37による定着滞留ジャム検知(995 Tfsr、996 Tfsr_window)を開始する。エンジン部302は、正常に圧着紙の先端後端を検知(997、998)した後、そのまま圧着紙を機外へ排出して2枚目のプリント動作を終了する。このように、2枚目の圧着紙については、1枚目の圧着紙の長さ測定結果が用いられる。
【0135】
このように、実施例2でも、エンジン制御部302aは、レジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たした場合にシートPの後端を検知する検知区間(Treg_window)を、定着センサ37の出力信号に基づいて設定する。
実施例2において、上記所定の条件とは、レジセンサ35の出力信号が、所定の大きさを超えた時間が、第1長さに達したか否か(カウント数が第1カウント数に達したか否か)を指す。
【0136】
エンジン制御部302aは、後端検知区間Treg_windowの前(検知開始時間Tregの前)にレジセンサ35の出力信号が所定の条件を満たしても、シートPの後端を検知せず、後端基準動作も実行しない。
【0137】
一方、エンジン制御部302aは、後端検知区間Treg_windowの外において、レジセンサ35の出力信号が、所定の大きさを超えた時間が、第1長さよりも長い第2長さに達した(カウント数が第2カウント数に達した)場合、シートPの後端を検知することができる。
【0138】
このように、後端検知区間Treg_windowの中では、高精度閾値(972)に基づいてレジセンサ35の出力信号を処理し、外では低精度閾値(971)に基づいてレジセンサ35の出力信号を処理し、シートPの後端を検知する。
【0139】
上述したように、一枚目のシートPの長さは、定着センサ37で測定することができない。この場合、設定されたシートサイズと、実際に使用されたシートPとが異なり、シートPの後端がレジセンサ35に到達する時間が、後端検知区間Treg_windowの外になる場合がある。本実施例の制御によれば、後端検知区間Treg_windowの外でシートPの後端がレジセンサ35に到達した場合であっても、低精度閾値(971)を用いてシートPの後端を検知することができる。
【0140】
(実施例2の搬送制御)
図10図11は、実施例2におけるエンジン部302の制御フローチャートである。図10図11のフローチャートは、1枚プリント時に実施されるフローチャートである。図10でレジセンサ35による圧着紙の先端後端検知について詳細に説明する。図10は、給紙された圧着紙の先端及び後端をレジセンサ35で検知する際のフローチャートである。つまり、エンジン部302は、レジセンサ35による圧着紙の先端検知(S1001a)、搬送中(S1008a)、後端検知(S1012a)の判断により、それぞれに合わせた処理を実施する。なお、フローチャートで説明するレジセンサ35の出力結果は、図9(vi)で説明したチャタリング除去後の結果である。まず、圧着紙の先端検知と、その処理について説明する。
【0141】
S1000aでエンジン部302は、コントローラ部301からシートサイズ指定コマンドや印刷予約コマンド、印刷開始コマンドを受信すると、給紙を開始し、/TOP信号をコントローラ部301に出力する。S1001aでエンジン部302は、搬送路上のレジセンサ35の出力が変化し(レジセンサエッジ検知あり)、かつ(&)、その変化がOFFからONへの変化か否かを判断する。S1001aでエンジン部302は、レジセンサ35の出力が変化し、かつ、OFFからONへのエッジ変化を検知したと判断した場合、処理をS1002aに進める。S1001aでエンジン部302は、条件を満たさないと判断した場合、処理を1008aに進める。S1002aでエンジン部302は、中間転写ベルト80上に形成されたトナー像と搬送している圧着紙の先端とを合わせるために、給紙モータ420を停止し、搬送を一時停止する。なお、中間転写ベルト80上のトナー像の位置によっては、搬送を停止しない場合もある。実施例2では、図9のタイミングチャートと同様に、搬送を一時停止する場合について説明する。
【0142】
S1003aでエンジン部302は、再給紙タイミングか否かを判断する。S1003aでエンジン部302は、再給紙タイミングではないと判断した場合、処理をS1003aに戻す。この場合エンジン部302は、中間転写ベルト80上に形成されているトナー像とレジセンサ35位置で一時停止している圧着紙の先端とが2次転写部で一致する再給紙タイミングになるまで待機する。
【0143】
S1003aでエンジン部302は、再給紙タイミングに到達したと判断した場合、処理をS1004aに進める。S1004aでエンジン部302は、一時停止している圧着紙の搬送を再開する。S1005aでエンジン部302は、レジセンサ35による圧着紙の後端の検知を開始するための検知開始時間Tregを算出し、Treg用タイマをスタートする。検知開始時間Tregは、後述する定着センサ37による長さの測定が完了している場合、式(4)に示した式で求めることができる。一方、圧着紙の長さ測定が終わっていない場合は、式(7)に示したように、検知開始最大時間Treg_maxを検知開始時間Tregとする。S1006aでエンジン部302は、チャタリング除去用のレジセンサ後端検知閾値を低精度閾値に設定する。S1007aでエンジン部302は、定着センサ37により圧着紙の長さ測定を開始する。S1007aの処理は、図11(c)で説明する。以上がレジセンサ35によるシート先端検知時の処理である。
【0144】
次に、レジセンサ35を圧着紙が通過中の際の処理について説明する。圧着紙の搬送中は、レジセンサ35の出力結果はONである。これは、S1006aで設定した低精度閾値を使用したチャタリング除去後の結果である。S1008aでエンジン部302は、レジセンサ35の出力に変化がなく、かつ、ONを維持しているか否かを判断する。S1008aでエンジン部302は、レジセンサ35の出力に変化がなく、かつ、ONであると判断した場合、処理をS1009aに進める。S1008aでエンジン部302は、条件を満たさないと判断した場合、処理を1012aに進める。レジセンサ35の出力結果がONの間は、S1009aでエンジン部302は、S1005aでスタートしたTreg用タイマが検知開始時間Tregに到達したか否かを判断する。S1009aでエンジン部302は、Treg用タイマが検知開始時間Tregに到達したと判断した場合、処理を1010aに進め、到達していないと判断した場合、処理を1012aに進める。
【0145】
実施例2では、1枚目の圧着紙の場合、検知開始時間Tregが検知開始最大時間Treg_maxで算出されている。実施例2では、図9の説明より、1枚目の圧着紙に関しては、実際に搬送される圧着紙の後端がレジセンサ35を通過する前にS1009aの条件に合致することはない。これは、S1005aで算出した検知開始時間Tregが式(7)で算出されているためである。一方、2枚目の圧着紙は、図9で説明したように、検知開始時間Tregが、定着センサ37によって測定した長さによって更新されるため、圧着紙の後端がレジセンサ35を通過する前にS1009aの条件に合致する。S1010aでエンジン部302は、チャタリング除去用のレジセンサ後端検知閾値を低精度閾値から高精度閾値に切り替える。S1011aでエンジン部302は、レジ滞留ジャム検知を開始する。S1011aの処理は、図11(a)で説明する。
【0146】
最後に、圧着紙の後端検知と、その処理について説明する。S1012aでエンジン部302は、搬送路上のレジセンサ35が後端検知により出力が変化し、かつ、出力結果がONからOFFへの変化か(エッジ)否かを判断する。S1012aでエンジン部302は、レジセンサ35の出力に変化があり、かつ、その変化がONからOFFへの変化であると判断した場合、処理をS1013aに進め、条件に合致しない場合は、処理をS1001aに戻す。
【0147】
1013aでエンジン部302は、正常に後端を検出できたと判断し、S1011aで開始したレジ滞留ジャム検知を終了する。S1014aでエンジン部302は、定着滞留ジャム検知を開始し、その後処理を終了する。S1014aの定着滞留ジャム検知のフローチャートは、図11(b)に示す。なお、図11(b)のS1000c~S1005cは、実施例1の図8(b)のS800c~S805cで説明したので、説明を省略する。また、図11(a)では、レジ滞留ジャム検知に関するフローチャートを示している。なお、図11(a)のS1000b~S1002bの処理は、実施例1の図8(a)のS800b~S802bで説明した制御と同等のため、説明を省略する。
【0148】
(長さ測定処理)
図11(c)の長さ測定の処理について説明する。S1000dでエンジン部302は、定着センサ37の出力に変化があり、かつ、OFFからONへの変化か(すなわち、ONエッジが)否かを判断する。S1000dでエンジン部302は、ONエッジではないと判断した場合、処理をS1000dに戻し、ONエッジであると判断した場合、処理をS1001dに進める。S1001dでエンジン部302は、長さ測定タイマをスタートする。S1002dでエンジン部302は、定着センサ37の出力に変化があり、かつ、ONからOFFへの変化(すなわち、OFFエッジ)か否かを判断する。S1002dでエンジン部302は、OFFエッジではないと判断した場合、処理をS1002dに戻し、OFFエッジであると判断した場合、処理をS1003dに進める。S1003dでエンジン部302は、長さ測定タイマを停止し、圧着紙の長さを算出する。圧着紙の長さは、式(8)で算出することができる。
【0149】
実施例2では、画像形成装置内で実際に搬送されるシートサイズ(長さ)を回転式シャッタより下流側にある搬送センサで測定、使用してレジセンサ35によるシートPの後端検知を行う制御について説明した。実施例2では、定着センサ37で測定した長さを使用した制御について説明したが、レジセンサ35より搬送方向の下流に設置されている長さ測定可能な搬送センサであれば、実施例2の制御を適用することができる。また、実施例2では、不定形サイズシートへのプリントにおける制御について説明したが、実施例1のように定型サイズのプリントでも、コントローラ部の指定と、給紙部に設置されているシートサイズとが不一致だった場合のプリント動作でも適用可能である。
以上、実施例2によれば、後端以外の部分で回転部材が回転される可能性がある場合でも、記録材の後端の誤検知を抑制することができる。
【0150】
上述したように、本実施形態の各実施例で示した制御によれば、エンジン制御部302aは、レジセンサ35と異なるセンサ(第2検知センサ)を用いて、シートPの長さを測定し、その結果に基づいて、後端検知区間Treg_windowを設定する。
【0151】
なお、レジセンサ35よりも上流に設置された第2検知センサ手段がある場合でも、レジセンサ35の出力信号の処理を、上述のチャタリング除去の手法を用いて行ってもよい。つまり、例えば実施例1において、レジセンサ35の出力信号に応じてシートPの後端検知、後端基準動作を実行する際、実施例2のチャタリング除去の制御を用いることができる。具体的には、エンジン制御部302aは、後端検知区間Treg_window(755)の中では高精度閾値(972)を用い、外では低精度閾値(971)を用いて、レジセンサ35の出力信号に基づいて、シートPの後端を検知することができる。
【0152】
圧着紙の使用は、シートPの後端と異なるタイミングで回転シャッタ35aが回転される原因の一例に過ぎない。上述した本実施形態の各実施例で示した制御によれば、シートPの後端と異なるタイミングで回転シャッタ35aが回転された場合に、エンジン部302の制御部が、シートPの後端を誤検知することを抑制できる。エンジン制御部302aは、圧着紙等の特定シートが使用される場合(例えば、使用されるシートPとして特定シートが指定された場合)にのみ、本実施形態の各実施例で示した制御を行ってもよい。
【符号の説明】
【0153】
35 レジセンサ
51 ピックアップローラ
302 エンジン部
302a エンジン制御部
図1
図2(A)】
図2(B)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11