(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/48 20060101AFI20240422BHJP
B65D 81/107 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B65D85/48
B65D81/107 A
(21)【出願番号】P 2022074151
(22)【出願日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内田 隆史
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-269610(JP,A)
【文献】特開2014-193738(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-129921(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/128310(US,A1)
【文献】スイス国特許発明第666460(CH,A5)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/48
B65D 81/00-81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の収容対象物を収容することの可能な収容空間を有する容器本体と、
前記容器本体に配置される緩衝材と
を備え、
前記容器本体は、
底部と、
前記底部から立設する側壁部と、
前記底部の周辺部に形成され、前記底部の表面に対して窪んでいる凹部と
を有し、
前記緩衝材は、複数の異なる姿勢で前記凹部に配置されることが可能であり、
前記緩衝材は、第1受け面及び第2受け面を含む第1面を有し、
前記緩衝材が第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第1受け面が前記収容空間に面し、前記第2受け面が前記凹部に埋没し、
前記緩衝材が第2姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第2受け面が前記収容空間に面し、前記第1受け面が前記凹部に埋没する、容器。
【請求項2】
前記緩衝材は、第1方向に沿って延びる第1対称軸の周りに180度回転対称であり、
前記第1方向は、前記第1面に対して略直交する方向を示し、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第1受け面及び前記第2受け面は、前記緩衝材の第2方向の中央部を通り前記底部の表面に略平行な所定平面に対して互いに対称であり、
前記第2方向は、前記底部の表面に対して略直交する方向を示す、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記緩衝材は、前記第1面の反対側の第2面を更に有し、
前記第2面は、第3受け面及び第4受け面を含み、
前記緩衝材が第3姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第3受け面が前記収容空間に面し、前記第4受け面が前記凹部に埋没し、前記第1受け面及び前記第2受け面が前記収容空間とは逆側を向き、
前記緩衝材が第4姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第4受け面が前記収容空間に面し、前記第3受け面が前記凹部に埋没し、前記第1受け面及び前記第2受け面が前記収容空間とは逆側を向く、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記緩衝材は、第1方向に沿って延びる第1対称軸の周りに180度回転対称であり、
前記緩衝材は、
前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる第2対称
軸の周りに180度回転対称であり、
前記第1方向は、前記第1面に対して略直交する方向を示し、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第2方向は、前記底部の表面に対して略直交する方向に対応し、
前記第1面及び前記第2面は、前記第2対称
軸を挟んで互いに対向し、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第1受け面及び前記第2受け面は、前記緩衝材の前記第2方向の中央部を通り前記底部の表面に略平行な所定平面に対して互いに対称であり、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第3受け面及び前記第4受け面は、前
記所定平面に対して互いに対称であ
る、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記緩衝材は、
第5受け面及び第6受け面を含み、前記第1面の一方端部と前記第2面の一方端部とを接続する第3面と、
第7受け面及び第8受け面を含み、前記第1面の他方端部と前記第2面の他方端部とを接続する第4面と
を更に有し、
前記緩衝材が第5姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第5受け面が前記収容空間に面し、前記第6受け面が前記凹部に埋没し、前記第7受け面及び前記第8受け面が前記収容空間とは逆側を向き、
前記緩衝材が第6姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第6受け面が前記収容空間に面し、前記第5受け面が前記凹部に埋没し、前記第7受け面及び前記第8受け面が前記収容空間とは逆側を向き、
前記緩衝材が第7姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第7受け面が前記収容空間に面し、前記第8受け面が前記凹部に埋没し、前記第5受け面及び前記第6受け面が前記収容空間とは逆側を向き、
前記緩衝材が第8姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第8受け面が前記収容空間に面し、前記第7受け面が前記凹部に埋没し、前記第5受け面及び前記第6受け面が前記収容空間とは逆側を向く、請求項3に記載の容器。
【請求項6】
前記緩衝材は、第1方向に沿って延びる第1対称軸の周りに180度回転対称であり、
前記緩衝材は、
前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる第2対称軸の周りに90度回転対称であり、
前記第1方向は、前記第1面に対して略直交する方向を示し、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第2方向は、前記底部の表面に対して略直交する方向に対応し、
前記第1面及び前記第2面は、前記第2対称軸を挟んで互いに対向し、
前記第3面及び前記第4面は、前記第2対称軸を挟んで互いに対向し、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第1受け面及び前記第2受け面は、前記緩衝材の前記第2方向の中央部を通り前記底部の表面に略平行な所定平面に対して互いに対称であり、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第3受け面及び前記第4受け面は、前記所定平面に対して互いに対称であり、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第5受け面及び前記第6受け面は、前
記所定平面に対して互いに対称であり、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第7受け面及び前記第8受け面は、前記所定平面に対して互いに対称であ
る、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記緩衝材は、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の第3方向の一方端部に位置する第1嵌合部と、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の前記第3方向の他方端部に位置する第2嵌合部と
を更に有し、
前記第3方向は、前記第1面及び前記底部の表面に略平行な方向を示し、
前記容器本体は、
前記側壁部と前記凹部とに跨って設けられ、前記凹部に配置される前記緩衝材の姿勢に応じて前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の一方と嵌合する第1本体嵌合部と、
前記側壁部と前記凹部とに跨って設けられ、前記凹部に配置される前記緩衝材の姿勢に応じて前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の他方と嵌合する第2本体嵌合部と
を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記緩衝材は、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の第3方向の一方端部に位置する第1嵌合部と、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の前記第3方向の他方端部に位置する第2嵌合部と、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の第1方向の一方端部に位置する第3嵌合部と、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の前記第1方向の他方端部に位置する第4嵌合部と
を更に有し、
前記第1方向は、前記第1面に対して略直交する方向を示し、
前記第3方向は、前記第1面及び前記底部の表面に略平行な方向を示し、
前記容器本体は、それぞれが前記側壁部と前記凹部とに跨って設けられ、所定間隔を隔てて互いに対向して配置される第1本体嵌合部及び第2本体嵌合部を有し、
前記第1本体嵌合部は、前記凹部に配置される前記緩衝材の姿勢に応じて、前記第1嵌合部、前記第2嵌合部、前記第3嵌合部、及び、前記第4嵌合部のうちのいずれかの嵌合部と嵌合し、
前記第2本体嵌合部は、前記凹部に配置される前記緩衝材の姿勢に応じて、前記第1嵌合部、前記第2嵌合部、前記第3嵌合部、及び、前記第4嵌合部のうち、前記第1本体嵌合部と嵌合する前記嵌合部と対向する嵌合部と嵌合する、請求項5又は請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記緩衝材は、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の第2方向の一方端部に位置する第5嵌合部と、
前記緩衝材が前記第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記緩衝材の前記第2方向の他方端部に位置する第6嵌合部と
を更に有し、
前記第2方向は、前記底部の表面に対して略直交する方向を示し、
前記凹部は、前記凹部の底面に設けられる底面嵌合部を更に有し、
前記底面嵌合部は、前記凹部に配置される前記緩衝材の姿勢に応じて、前記第5嵌合部及び第6嵌合部のうちのいずれかの嵌合部と嵌合する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記凹部の深さは、前記緩衝材の第2方向の長さの半分と同じか、又は、前記緩衝材の前記第2方向の長さの半分より深く、
前記第2方向は、前記底部の表面に対して略直交する方向を示す、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記底部の前記周辺部は、
平面視で前記側壁部の内面に整合する位置よりも外側の第1領域と、
平面視で前記側壁部の内面に整合する位置よりも内側の第2領域と
を含み、
前記凹部は、前記第1領域と前記第2領域とに跨って形成され、
前記側壁部は、平面視で前記凹部のうち前記第1領域に属する第1部分に整合する切り欠きを有し、
前記凹部に配置された前記緩衝材の一部は、前記側壁部の前記切り欠き内に位置する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記容器本体は、前記凹部に配置された前記緩衝材が前記収容空間側に動くことを規制する規制部を前記側壁部及び/又は前記凹部に有する、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記側壁部の前記切り欠き及び前記凹部の前記第1部分は、
幅広部と、
前記側壁部が延びる方向の幅が前記幅広部よりも狭く、前記幅広部よりも前記収容空間側に位置する、前記規制部としての幅狭部と
を有し、
前記緩衝材は、前記切り欠き及び前記凹部に整合する形状を有する、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記凹部は、前記凹部の底面に、前記規制部としての凸部を有し、
前記緩衝材は、前記凹部に配置されたときに前記凸部に嵌合する穴を有する、請求項12に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された梱包材では、幅が少なくとも異なる複数種のパネル状の被梱包物から1種を選択して梱包する場合であっても、部品数を増やすことなく梱包することができる。
【0003】
具体的には、容器本体と、蓋体と、選択された被梱包物の両側の側辺部を保護する側辺保護部材とを備える。側辺保護部材には、複数種の被梱包物に応じた長さを有した複数の側辺部保護用アーム部が形成され、容器本体には、側辺保護部材に嵌合する嵌合凹部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された梱包材(容器)では、同じサイズの被梱包物(収容対象物)を繰り返し梱包する場合は、梱包のたびに側辺保護部材(緩衝材)を交換する必要がある。つまり、同じサイズの被梱包物を繰り返し梱包する場合、側辺保護部材を再利用できないことが多い。
【0006】
再利用できない理由は、次の通りである。すなわち、被梱包物を梱包した梱包材の輸送時の振動によって、被梱包物の端縁が、側辺部保護用アーム部の先端面に、当たったり、刺さったりすることがある。従って、側辺部保護用アーム部の先端面に凹みが生じて、側辺保護部材の保護性能が低下する。その結果、同じサイズの被梱包物を繰り返し梱包する場合、4個の側辺部保護用アーム部のうちの1個の側辺部保護用アーム部の先端面にだけ、被梱包物の端縁が接触することになる。よって、同じサイズの被梱包物を繰り返し梱包する場合は、梱包のたびに側辺保護部材を交換する必要があり、側辺保護部材を再利用できないことが多い。
【0007】
上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、同じサイズの収容対象物を繰り返し収容する場合でも、緩衝材の性能を維持できる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、容器は、容器本体と、緩衝材とを備える。容器本体は、平板状の収容対象物を収容することの可能な収容空間を有する。緩衝材は、前記容器本体に配置される。前記容器本体は、底部と、側壁部と、凹部とを有する。側壁部は、前記底部から立設する。凹部は、前記底部の周辺部に形成され、前記底部の表面に対して窪んでいる。前記緩衝材は、複数の異なる姿勢で前記凹部に配置されることが可能である。前記緩衝材は、第1受け面及び第2受け面を含む第1面を有する。前記緩衝材が第1姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第1受け面が前記収容空間に面し、前記第2受け面が前記凹部に埋没する。前記緩衝材が第2姿勢で前記凹部に配置された状態において、前記第2受け面が前記収容空間に面し、前記第1受け面が前記凹部に埋没する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、同じサイズの収容対象物を繰り返し収容する場合でも、緩衝材の性能を維持できる容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る容器が複数の収容対象物を収容している状態を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る容器が複数の収容対象物を収容していない状態を示す斜視図である。
【
図3】(a)は、実施形態1に係る緩衝材の第1姿勢を示す断面斜視図である。(b)は、実施形態1に係る緩衝材の第2姿勢を示す断面斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す斜視図である。
【
図6】実施形態1に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す平面図である。
【
図7】実施形態1に係る緩衝材を示す6面図である。
【
図8】実施形態1に係る緩衝材を再利用する場合の第1姿勢~第4姿勢を緩衝材単体で示す斜視図である。
【
図9】実施形態1に係る緩衝材を再利用する場合の緩衝材の第1姿勢~第4姿勢を示す斜視図である。
【
図10】実施形態1の第1変形例に係る容器が複数の収容対象物を収容していない状態を示す斜視図である。
【
図11】第1変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す斜視図である。
【
図12】第1変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す平面図である。
【
図14】実施形態1の第2変形例に係る容器が複数の収容対象物を収容していない状態を示す斜視図である。
【
図15】第2変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す斜視図である。
【
図16】第2変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す平面図である。
【
図18】本発明の実施形態2に係る容器が複数の収容対象物を収容していない状態を示す斜視図である。
【
図19】実施形態2に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す斜視図である。
【
図20】実施形態2に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す平面図である。
【
図22】実施形態2に係る緩衝材を再利用する場合の第1姿勢~第8姿勢を緩衝材単体で示す斜視図である。
【
図23】実施形態2に係る緩衝材を再利用する場合の緩衝材の第1姿勢~第8姿勢を示す斜視図である。
【
図24】実施形態2の変形例に係る容器が複数の収容対象物を収容していない状態を示す斜視図である。
【
図25】変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す斜視図である。
【
図26】変形例に係る容器本体の凹部、及び、凹部に配置される前の緩衝材を示す平面図である。
【
図28】本発明の実施形態における凹部の寸法と緩衝材の寸法の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、説明の便宜のため、三次元直交座標系(X、Y、Z)を適宜記載している。そして、図中、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0012】
(実施形態1)
図1~
図9を参照して、本発明の実施形態1に係る容器100を説明する。まず、
図1~
図3を参照して、容器100を説明する。
図1は、複数の収容対象物PAを収容している状態の容器100を示す斜視図である。
図2は、複数の収容対象物PAを収容していない状態の空の容器100を示す斜視図である。
【0013】
図1に示すように、容器100は複数の収容対象物PAを収容する。換言すれば、容器100は、複数の収容対象物PAを収容して梱包する梱包容器である。複数の収容対象物PAの各々は平板状である。
図1の例では、収容対象物PAは、略矩形形状を有する。例えば、収容対象物PAは、ディスプレイ用のパネル、又は、板ガラスである。ディスプレイ用のパネルは、例えば、液晶パネルである。なお、容器100は1つの収容対象物PAを収容してもよい。
【0014】
容器100は、容器本体1と、少なくとも1つの緩衝材5とを備える。実施形態1では、容器100は複数の緩衝材5(
図1では6つの緩衝材5)を備える。緩衝材5は弾性を有する。緩衝材5は、収容対象物PAを保護する。具体的には、緩衝材5は、収容対象物PAの端縁EGを保護する。詳細には、緩衝材5は、収容対象物PAが受ける衝撃及び振動を、自身の変形によって緩和する。その結果、収容対象物PAが保護される。実施形態1では、容器本体1は、単一の部材(一体成形品)である。
【0015】
容器本体1に、複数の収容対象物PAが収容される。具体的には、容器本体1に、複数の収容対象物PAが積層されて収容される。この場合、複数の収容対象物PAは、第2方向D2に積層される。第2方向D2の詳細は後述する。
【0016】
容器本体1及び緩衝材5の各々は、例えば、発泡材によって構成される。発泡材は、例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、又は、発泡ポリウレタンである。容器本体1及び緩衝材5の素材は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0017】
図2に示すように、容器本体1は、底部11と、複数の側壁部12(
図2では4つの側壁部12)と、少なくとも1つの凹部13とを有する。実施形態1では、容器本体1は複数の凹部13(
図2では6つの凹部13)を有する。また、
図2の例では、複数の側壁部12は、一対の側壁部12aと、一対の側壁部12bとを含む。
【0018】
底部11は、平板状であり、略矩形形状を有する。一対の側壁部12aは、間隔をあけて互いに対向する。一対の側壁部12bは、間隔をあけて互いに対向する。一対の側壁部12aのうちの一方の側壁部12aの両端は、それぞれ、一対の側壁部12bの一方端に接続される。一対の側壁部12aのうちの他方の側壁部12aの両端は、それぞれ、一対の側壁部12bの他方端に接続される。一対の側壁部12a及び一対の側壁部12bは、略矩形状の枠を形成している。
【0019】
一対の側壁部12a及び一対の側壁部12bは、底部11から立設している。具体的には、底部11は側壁部12aの下端部及び側壁部12bの下端部まで拡がっており、側壁部12a及び側壁部12bは、底部11の表面11aから立設している。一対の側壁部12aは、底部11の4辺のうちの2辺に沿って一定方向に延びている。一対の側壁部12bは、底部11の4辺のうちの他の2辺に沿って、一対の側壁部12aが延びる方向に対して略垂直な方向に延びている。
【0020】
容器本体1は、収容対象物PA(
図1)を収容することの可能な収容空間SPを有する。収容空間SPは、底部11及び側壁部12a、12bによって規定される空間である。複数の収容対象物PAは、底部11に積層される。
【0021】
複数の緩衝材5は、容器本体1の4辺(底部11の4辺)に沿って容器本体1に配置される。具体的には、緩衝材5は凹部13に配置される。更に具体的には、緩衝材5は、複数の異なる姿勢で凹部13に配置されることが可能である。詳細は後述するが、実施形態1では、緩衝材5は、少なくとも2つの姿勢(第1姿勢ST1及び第2姿勢ST2)で凹部13に配置されることが可能である。第1姿勢ST1と第2姿勢ST2とは異なる。
図2では、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置されている。複数の凹部13は、容器本体1の4辺に沿って容器本体1に設けられる。凹部13は、底部11の表面11aに対して窪んでいる。緩衝材5が凹部13に配置された状態において、緩衝材5の一部が側壁部12から収容空間SPに突出する。
【0022】
緩衝材5は、第1面FA1を有する。第1面FA1は、第1受け面F1と、第2受け面F2とを含む。第1受け面F1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、側壁部12よりも内側に位置し、収容空間SPに面する。第2受け面F2は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、凹部13に埋没する。つまり、この場合、第2受け面F2は収容空間SPに面しない。なお、
図2では、理解の容易のために、第1受け面F1と第2受け面F2との境界を破線で示している。
【0023】
次に、
図3を参照して、緩衝材5の第1姿勢ST1及び第2姿勢ST2を説明する。
図3(a)は、緩衝材5が凹部13に第1姿勢ST1で配置された状態を示す断面斜視図である。
図3(a)では、緩衝材5の第1受け面F1が収容対象物PAに対向している。具体的には、
図3(a)は、
図1のIV-IV線に沿った断面斜視図である。
図3(b)は、緩衝材5が凹部13に第2姿勢ST2で配置された状態を示す断面斜視図である。
図3(b)では、緩衝材5の第2受け面F2が収容対象物PAに対向している。なお、
図3(a)及び
図3(b)では、図面を見易くするために、断面を示す斜線を省略している。
【0024】
図3(a)に示すように、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第1受け面F1が収容空間SPに面し、第2受け面F2が凹部13に埋没している。一方、
図3(b)に示すように、緩衝材5が第2姿勢ST2で凹部13に配置された状態において、第2受け面F2が収容空間SPに面し、第1受け面F1が凹部13に埋没する。従って、実施形態1に係る容器100によれば、同じサイズの収容対象物PAを繰り返し収容する場合でも、第1姿勢ST1と第2姿勢ST2との間で緩衝材5の姿勢を変更することで、緩衝材5の性能を維持できる。
【0025】
詳細には、
図3(a)に示すように、第1姿勢ST1の緩衝材5の第1受け面F1が、収容対象物PAに対向し、収容対象物PAの受け面(収容空間SP内で動く収容対象物PAを衝撃を緩和しつつ受け止める面)になっている。従って、輸送時等において、収容対象物PAの端縁EGが、第1受け面F1に、当たったり、刺さったりすることで、第1受け面F1には、凹み101が生じる。その結果、輸送等の完了後に、再び第1受け面F1を受け面として、新たに同じサイズの収容対象物PAを収容する場合には、第1受け面F1による収容対象物PAの保護性能が低下する。
【0026】
そこで、
図3(b)に示すように、新たに同じサイズの収容対象物PAを収容する場合には、緩衝材5の姿勢を第1姿勢ST1から第2姿勢ST2に変更して、未使用の第2受け面F2を収容対象物PAに対向させる。つまり、未使用の第2受け面F2が収容対象物PAの受け面になるように、緩衝材5の姿勢を変更する。その結果、第2受け面F2によって、収容対象物PAを効果的に保護できる。
【0027】
すなわち、実施形態1によれば、緩衝材5の姿勢を変更することで、同じサイズの収容対象物PAを繰り返し収容する場合でも、緩衝材5の性能を維持できる。
図3(a)及び
図3(b)の例では、緩衝材5を上下に反転することで、緩衝材5の性能を維持している。つまり、緩衝材5を上下に反転することで、第1姿勢ST1と第2姿勢ST2との間で緩衝材5の姿勢が変更され、使用する受け面が変更される。
【0028】
次に、
図4を参照して、緩衝材5のサイズと凹部13のサイズとの関係を説明する。
図4は、
図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図4に示すように、凹部13の深さL1は、緩衝材5の第2方向D2の長さL2の半分と略同じである。従って、実施形態1によれば、緩衝材5の姿勢を変更することで、収容対象物PAの受け面を、第1受け面F1から第2受け面F2に変更する場合に、受け面として使用済みの第1受け面F1が収容対象物PAに対向することを回避できる。つまり、収容対象物PAの受け面を、第1受け面F1から第2受け面F2に変更する場合に、受け面として使用済みの第1受け面F1が収容空間SPに向けて露出することを回避できる。従って、緩衝材5の姿勢を変更した場合に、緩衝材5の性能をより確実に維持できる。
【0029】
次に、
図2を参照して、緩衝材5が凹部13に配置された状態において、第1方向D1、第2方向D2、及び、第3方向D3を定義する。この場合、説明の便宜のために、側壁部12a、12bについては、側壁部12aに着目する。
【0030】
図2に示すように、第1方向D1は、第1面FA1に対して略直交する方向を示す。換言すれば、第1方向D1は、底部11に沿って側壁部12aに対して略直交する方向を示す。また、第1方向D1は、側壁部12aの延びる方向に対して略直交する。また、第1方向D1は、底部11の表面11aに対して略平行である。
図2の例では、第1方向D1は、水平方向に略平行である。
【0031】
第2方向D2は、底部11の表面11aに対して略直交する方向を示す。また、
図2の例では、第2方向D2は鉛直方向に対して略平行である。
【0032】
第3方向D3は、第1面FA1及び底部11の表面11aに略平行な方向を示す。具体的には、第3方向D3は、側壁部12aの延びる方向及び底部11の表面11aに対して略平行である。
図2の例では、第3方向D3は、水平方向に対して略平行である。
【0033】
第1方向D1と第2方向D2と第3方向D3とは、互いに略直交する。
【0034】
次に、
図5及び
図6を参照して、緩衝材5及び凹部13を説明する。
図5は、容器本体1の凹部13、及び、凹部13に配置される前の緩衝材5を示す斜視図である。
図6は、容器本体1の凹部13、及び、凹部13に配置される前の緩衝材5を示す平面図である。
図5及び
図6では、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置される場合が示される。
【0035】
まず、
図5を参照して、緩衝材5が凹部13に配置された状態において、第1平面P1、第2平面P2、第3平面P3、第1対称軸AX1、第2対称軸AX2、及び、第3対称軸AX3を定義する。
【0036】
第1平面P1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、緩衝材5の第2方向D2の中央部を通る。実施形態1では、第1平面P1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、底部11の表面11aを含む。また、第1平面P1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第2方向D2に対して略直交し、第1方向D1及び第3方向D3に対して略平行である。換言すれば、第1平面P1は、底部11に沿って拡がる。具体的には、第1平面P1は、底部11の表面11aに対して略平行である。また、第1平面P1は、側壁部12aに対して略直交する。また、第1平面P1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第1受け面F1に略直交する。第1平面P1は、本発明の「所定平面」の一例に相当する。
【0037】
第2平面P2は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、底部11の表面11aに対して略直交しつつ、緩衝材5の第1方向D1の中央部を通る。また、第2平面P2は、第1方向D1に対して略直交し、第2方向D2及び第3方向D3に対して略平行である。換言すれば、第2平面P2は、側壁部12aに沿って底部11に対して略直交する。第2平面P2は、側壁部12aの延びる方向に対して略平行である。また、第2平面P2は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第1受け面F1に沿っており、第1受け面F1に対して略平行である。
【0038】
第3平面P3は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、底部11の表面11aに対して略直交しつつ、緩衝材5の第3方向D3の中央部を通る。また、第3平面P3は、第3方向D3に対して略直交し、第1方向D1及び第2方向D2に対して略平行である。換言すれば、第3平面P3は、底部11及び側壁部12aに対して略直交する。第3平面P3は、側壁部12aの延びる方向に対して略直交する。また、第3平面P3は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第1受け面F1に略直交する。
【0039】
第1平面P1と第2平面P2と第3平面P3とは、互いに略直交する。
【0040】
第1対称軸AX1は、第1方向D1に沿って延びており、回転対称の軸である。第1対称軸AX1は第1平面P1上及び第3平面P3上に位置する。第2対称軸AX2は、第2方向D2に沿って延びており、回転対称の軸である。第2対称軸AX2は第2平面P2上及び第3平面P3上に位置する。第3対称軸AX3は、第3方向D3に沿って延びており、回転対称の軸である。第3対称軸AX3は第1平面P1上及び第2平面P2上に位置する。
【0041】
図5及び
図6に示すように、凹部13は、底部11の表面11aから窪んでいる。具体的には、凹部13は、底部11の表面11aから第2方向D2に沿って、底部11の裏面に向かって窪んでいる。凹部13は穴である。また、凹部13は、側壁部12aの内面121から第1方向D1に沿って、容器本体1の外側に向かって窪んでいることが好ましい。容器本体1の第1方向D1のサイズが大きくなることを抑制できるからである。
【0042】
図6に示すように、凹部13は、底部11の周辺部20に形成される。なお、
図6では、説明の便宜上、周辺部20の範囲を破線で示している。底部11の周辺部20は、側壁部12a(
図2の側壁部12)に沿って延びる。周辺部20は、第1領域21と、第2領域22とを含む。第1領域21は、平面視で側壁部12aの内面121に整合する位置よりも外側の領域である。第2領域22は、平面視で側壁部12aの内面121に整合する位置よりも内側の領域である。凹部13は、第1領域21と第2領域22とに跨って形成される。また、凹部13は、第1部分13aと、第2部分13bとを含む。第1部分13aは、平面視で凹部13のうち第1領域21に属する部分である。第2部分13bは、平面視で凹部13のうち第2領域22に属する部分である。
【0043】
図3、
図5及び
図6に示すように、側壁部12aは切り欠き23を有する。切り欠き23は、平面視で凹部13の第1部分13aに整合する。凹部13に配置される緩衝材5の一部は、側壁部12aの切り欠き23内に位置する。凹部13に加えて、切り欠き23によっても緩衝材5を確実に保持できる。
【0044】
緩衝材5は凹部13に嵌合される。緩衝材5は、第1対称軸AX1の周りに180度回転対称である。つまり、緩衝材5は、第1対称軸AX1の周りに回転対称であって、180度対称(2回対称)である。また、緩衝材5は、第2対称軸AX2の周りに180度回転対称である。つまり、緩衝材5は、第2対称軸AX2の周りに回転対称であって、180度対称(2回対称)である。更に、緩衝材5は、第3対称軸AX3の周りに180度回転対称である。つまり、緩衝材5は、第3対称軸AX3の周りに回転対称であって、180度対称(2回対称)である。
【0045】
緩衝材5は、第1平面P1に対して対称な形状を有する。また、緩衝材5は、第2平面P2に対して対称な形状を有する。更に、緩衝材5は、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0046】
緩衝材5は、第1嵌合部51と、第2嵌合部52とを有する。第1嵌合部51及び第2嵌合部52は、例えば緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、次の特徴を有する。
【0047】
すなわち、第1嵌合部51と第2嵌合部52とは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。第1嵌合部51及び第2嵌合部52の各々は、第1平面P1に対して対称である。第1嵌合部51は、緩衝材5の第3方向D3の一方端部に位置する。第2嵌合部52は、緩衝材5の第3方向D3の他方端部に位置する。
図5の例では、第1嵌合部51及び第2嵌合部52の各々は、平面視において、略V字形状を有する。また、第1嵌合部51及び第2嵌合部52は、第3方向D3において、互いに近づく方向に凹んでいる。つまり、第1嵌合部51及び第2嵌合部52の各々は、凹形状を有する。加えて、第1嵌合部51及び第2嵌合部52の各々は、第3方向D3において末広がりの形状を有する。また、第1嵌合部51及び第2嵌合部52は、第2方向D2に沿って延びる。
【0048】
具体的には、第1嵌合部51は、第1側面510と、第2側面511とを有する。第1側面510及び第2側面511の各々は、略矩形状の平面であり、第1方向D1及び第3平面P3に対して傾斜している。
【0049】
また、第2嵌合部52は、第3側面520と、第4側面521とを有する。第3側面520及び第4側面521の各々は、略矩形状の平面であり、第1方向D1及び第3平面P3に対して傾斜している。
【0050】
容器本体1は、第1本体嵌合部14と、第2本体嵌合部15とを有する。第1本体嵌合部14は、第2方向D2において、側壁部12aと凹部13とに跨って設けられる。第2本体嵌合部15は、第2方向D2において、側壁部12aと凹部13とに跨って設けられる。第1本体嵌合部14と第2本体嵌合部15とは、第3方向D3に離隔し、第3方向D3において対向する。つまり、第1本体嵌合部14と第2本体嵌合部15とは、所定間隔を隔てて、互いに対向して配置される。第1本体嵌合部14と第2本体嵌合部15とは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0051】
第1本体嵌合部14は、凹部13に配置される緩衝材5の姿勢に応じて第1嵌合部51及び第2嵌合部52の一方と嵌合する。第2本体嵌合部15は、凹部13に配置される緩衝材5の姿勢に応じて第1嵌合部51及び第2嵌合部52の他方と嵌合する。従って、実施形態1によれば、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。収容空間SPの側は、第1方向D1内側を示す。また、凹部13の内壁面130もまた、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制する。内壁面130は、凹部13の最も内側の内壁面である。
【0052】
一般的に、例えば、空の状態の容器100において、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりしていると、収容対象物PAを自動機で空の容器100に収容する際に、収容対象物PAが緩衝材5に接触して、収容対象物PAに「割れ」等の損傷が発生し得る。
【0053】
これに対して、実施形態1では、第1嵌合部51、第2嵌合部52、第1本体嵌合部14、及び、第2本体嵌合部15を設けることで、緩衝材5が凹部13に配置された空の状態の容器100(
図2)を、運搬したり、装置に入れる際に傾けたりした場合に、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。その結果、例えば、収容対象物PAを自動機で空の容器100に収容する際に、収容対象物PAが緩衝材5に接触することを回避できる。よって、例えば、収容対象物PAを自動機で容器100に収容する際に、収容対象物PAに「割れ」等の損傷が発生することを防止できる。
【0054】
具体的には、第1本体嵌合部14と第2本体嵌合部15との間隔は、収容空間SPに近づくほど、小さくなる。つまり、第1本体嵌合部14と第2本体嵌合部15との間隔は、第1方向D1の内側に進むほど、小さくなる。
【0055】
図5の例では、第1本体嵌合部14は、第1嵌合部51の第2側面511に沿った形状を有する。従って、第1嵌合部51のうち第2側面511を有する部分が、第1本体嵌合部14に嵌合する。第2本体嵌合部15は、第2嵌合部52の第4側面521に沿った形状を有する。従って、第2嵌合部52のうち第4側面521を有する部分が、第2本体嵌合部15に嵌合する。
【0056】
次に、
図5及び
図7を参照して、緩衝材5の各面を説明する。
図5に示すように、緩衝材5は、第1面FA1の反対側の第2面FA2と、第1非受け面N1と、第1非受け面N1の反対側の第2非受け面N2とを更に有する。第2面FA2は、第3受け面F3及び第4受け面F4を含む。第1面FA1及び第2面FA2は、第2対称軸AX2を挟んで互いに対向する。第1面FA1及び第2面FA2は、第3対称軸AX3を挟んで互いに対向する。
【0057】
図7は、6方向からの緩衝材5の正投影図である。つまり、
図7は、緩衝材5を示す6面図である。また、
図7では、緩衝材5が第1姿勢ST1(
図5)で凹部13に配置された状態において、第1方向D1~第3方向D3及び第1平面P1~第3平面P3を示している。
【0058】
図7に示すように、第1受け面F1及び第2受け面F2は、第2方向D2に並んで同一平面上に位置する。第1受け面F1及び第2受け面F2は、底部11に沿った第1平面P1に対して互いに対称である。
【0059】
第3受け面F3及び第4受け面F4は、第2方向D2に並んで同一平面上に位置する。第3受け面F3と第4受け面F4とは、第1平面P1に対して互いに対称である。
【0060】
第1受け面F1及び第4受け面F4は、第2対称軸AX2を挟んで第1方向D1に対向する。第1受け面F1及び第4受け面F4は、第2平面P2に対して対称な形状を有する。
【0061】
第2受け面F2及び第3受け面F3は、第2対称軸AX2を挟んで第1方向D1に対向する。第2受け面F2及び第3受け面F3は、第2平面P2に対して対称な形状を有する。
【0062】
第1受け面F1及び第3受け面F3は、第3対称軸AX3に対して点対称である。第2受け面F2及び第4受け面F4は、第3対称軸AX3に対して点対称である。
【0063】
なお、
図7の例では、第1面FA1、第2面FA2、及び、第1受け面F1~第4受け面F4は、平面である。
【0064】
第1側面510と第2側面511とは、第2平面P2に対して対称な形状を有する。第3側面520と第4側面521とは、第2平面P2に対して対称な形状を有する。
【0065】
第1側面510と第3側面520とは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。第2側面511と第4側面521とは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0066】
第1非受け面N1及び第2非受け面N2は、第1平面P1及び底部11の表面11aに略平行な平面である。第1非受け面N1と第2非受け面N2とは、第2方向D2に対向する。第1非受け面N1及び第2非受け面N2は、収容対象物PAの受け面ではない。
【0067】
次に、
図8及び
図9を参照して、緩衝材5の再利用方法を説明する。
図8は、緩衝材5を再利用する場合の第1姿勢ST1~第4姿勢ST4を緩衝材5単体で示す斜視図である。
図8では、使用済みの受け面に対してドットハッチングを付している。また、理解の容易のために、第1受け面F1と第2受け面F2との境界、及び、第3受け面F3と第4受け面F4との境界を、破線で示している。
図9は、緩衝材5を再利用する場合の緩衝材5の第1姿勢ST1~第4姿勢ST4を示す斜視図である。
【0068】
図8及び
図9に示すように、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において(以下、「第1姿勢ST1において」と記載する場合がある。)、第1受け面F1は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第1姿勢ST1において、第1受け面F1は、収容空間SPに面する。換言すれば、第1姿勢ST1において、第1受け面F1は、第1方向D1内側を向いている。更に換言すれば、第1姿勢ST1において、第1受け面F1は、第2方向D2上側に向かって凹部13から突出する。更に換言すれば、第1姿勢ST1において、第1受け面F1は、収容空間SPに向かって凹部13から露出する。よって、第1姿勢ST1では、第1受け面F1が収容対象物PAの受け面になる。
【0069】
また、第1姿勢ST1において、第2受け面F2は、収容空間SPに面していない。換言すれば、第1姿勢ST1において、第2受け面F2は、凹部13に埋没している。更に換言すれば、第1姿勢ST1において、第2受け面F2は、底部11の表面11aの下方に位置する。
【0070】
更に、第1姿勢ST1において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、収容空間SPに面していない。換言すれば、第1姿勢ST1において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、側壁部12aに遮蔽されている。更に換言すれば、第1姿勢ST1において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、収容空間SPとは逆側を向いている。
【0071】
第1姿勢ST1において、収容対象物PAを収容すると、第1受け面F1が収容対象物PAの端縁EG(
図1)と対向する。つまり、第1姿勢ST1では、第1受け面F1が、収容対象物PAと接触し得るため、収容対象物PAの受け面となる。
【0072】
なお、第1姿勢ST1では、第1嵌合部51が第1本体嵌合部14に嵌合し、第2嵌合部52が第2本体嵌合部15に嵌合する。
【0073】
次に、第1姿勢ST1の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100による輸送が完了すると、容器100は空になる。第1姿勢ST1では、第1受け面F1が収容対象物PAの受け面になっているため、緩衝材5の素材に依存して、第1受け面F1を再び受け面にすることは好ましくない。
【0074】
そこで、緩衝材5を、第1姿勢ST1から、第1姿勢ST1と異なる状態に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。
【0075】
例えば、緩衝材5を、第1姿勢ST1から、第2姿勢ST2に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第2姿勢ST2は、第1姿勢ST1の緩衝材5を、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第2姿勢ST2は、第1姿勢ST1の緩衝材5を上下に反転した状態である。
【0076】
具体的には、緩衝材5が第2姿勢ST2で凹部13に配置された状態において(以下、「第2姿勢ST2において」と記載する場合がある。)、第2受け面F2は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第2姿勢ST2において、第2受け面F2は、収容空間SPに面する。よって、第2姿勢ST2では、第2受け面F2が収容対象物PAの受け面になる。その他、第2姿勢ST2での第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0077】
また、第2姿勢ST2において、第1受け面F1は、収容空間SPに面していない。つまり、第2姿勢ST2において、第1受け面F1は、凹部13に埋没している。その他、第2姿勢ST2での第1受け面F1は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0078】
更に、第2姿勢ST2において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第2姿勢ST2での第3受け面F3及び第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0079】
なお、第2姿勢ST2では、第2嵌合部52が第1本体嵌合部14に嵌合し、第1嵌合部51が第2本体嵌合部15に嵌合する。
【0080】
次に、第2姿勢ST2の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100による輸送が完了すると、容器100は空になる。第2姿勢ST2では、第2受け面F2が収容対象物PAの受け面になっているため、緩衝材5の素材に依存して、第2受け面F2及び第1受け面F1を再び受け面にすることは好ましくない。
【0081】
そこで、緩衝材5を、第2姿勢ST2から、第2姿勢ST2及び第1姿勢ST1と異なる状態に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。
【0082】
例えば、緩衝材5を、第2姿勢ST2から、第3姿勢ST3に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第3姿勢ST3は、第2姿勢ST2の緩衝材5を、第2対称軸AX2の周りに180度回転させた状態である。
【0083】
具体的には、緩衝材5が第3姿勢ST3で凹部13に配置された状態において(以下、「第3姿勢ST3において」と記載する場合がある。)、第3受け面F3は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第3姿勢ST3において、第3受け面F3は、収容空間SPに面する。よって、第3姿勢ST3では、第3受け面F3が収容対象物PAの受け面になる。その他、第3姿勢ST3での第3受け面F3は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0084】
また、第3姿勢ST3において、第4受け面F4は、収容空間SPに面していない。つまり、第3姿勢ST3において、第4受け面F4は、凹部13に埋没している。その他、第3姿勢ST3での第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0085】
更に、第3姿勢ST3において、第1受け面F1及び第2受け面F2は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第3姿勢ST3での第1受け面F1及び第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0086】
なお、第3姿勢ST3では、第1嵌合部51が第1本体嵌合部14に嵌合し、第2嵌合部52が第2本体嵌合部15に嵌合する。
【0087】
次に、第3姿勢ST3の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100による輸送が完了すると、容器100は空になる。第3姿勢ST3では、第4受け面F4が収容対象物PAの受け面になっているため、緩衝材5の素材に依存して、第3受け面F3、第2受け面F2、及び、第1受け面F1を再び受け面にすることは好ましくない。
【0088】
そこで、緩衝材5を、第3姿勢ST3から、第3姿勢ST3、第2姿勢ST2、及び、第1姿勢ST1と異なる状態に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。
【0089】
例えば、緩衝材5を、第3姿勢ST3から、第4姿勢ST4に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第4姿勢ST4は、第3姿勢ST3の緩衝材5を、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第4姿勢ST4は、第3姿勢ST3の緩衝材5を上下に反転した状態である。
【0090】
具体的には、緩衝材5が第4姿勢ST4で凹部13に配置された状態において(以下、「第4姿勢ST4において」と記載する場合がある。)、第4受け面F4は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第4姿勢ST4において、第4受け面F4は、収容空間SPに面する。よって、第4姿勢ST4では、第4受け面F4が収容対象物PAの受け面になる。その他、第4姿勢ST4での第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0091】
また、第4姿勢ST4において、第3受け面F3は、収容空間SPに面していない。つまり、第4姿勢ST4において、第3受け面F3は、凹部13に埋没している。その他、第4姿勢ST4での第3受け面F3は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0092】
更に、第4姿勢ST4において、第1受け面F1及び第2受け面F2は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第4姿勢ST4での第1受け面F1及び第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0093】
なお、第4姿勢ST4では、第2嵌合部52が第1本体嵌合部14に嵌合し、第1嵌合部51が第2本体嵌合部15に嵌合する。
【0094】
以上、
図8及び
図9を参照して説明したように、実施形態1によれば、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、第1受け面F1が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5が第2姿勢ST2で凹部13に配置された状態において、第2受け面F2が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5が第3姿勢ST3で凹部13に配置された状態において、第3受け面F3が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5が第4姿勢ST4で凹部13に配置された状態において、第4受け面F4が収容空間SPに面する。従って、実施形態1に係る容器100によれば、同じサイズの収容対象物PAを繰り返し収容する場合でも、第1姿勢ST1~第4姿勢ST4の間で緩衝材5の姿勢を変更することで、緩衝材5の性能をより長く維持できる。
【0095】
また、実施形態1によれば、緩衝材5が第1対称軸AX1の周りに180度回転対称である。加えて、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、緩衝材5の第1受け面F1及び第2受け面F2が第1平面P1に対して互いに対称である。従って、緩衝材5を第1対称軸AX1の周りに180度回転することで、緩衝材5を、第1姿勢ST1から第2姿勢ST2に変更できる。その結果、第2方向D2に並んだ第1受け面F1及び第2受け面F2を、収容対象物PAの受け面として利用できる。よって、同じサイズの収容対象物PAを繰り返し収容する場合でも、収容対象物PAの受け面を変更できるため、緩衝材5の性能を維持できる。換言すれば、緩衝材5の性能を維持しつつ、緩衝材5を再利用できる。従って、容器100(緩衝材5及び容器本体1)のコストをより低減できる。
【0096】
また、実施形態1によれば、緩衝材5が第2対称軸AX2の周りに180度回転対称である。加えて、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、緩衝材5の第1受け面F1及び第2受け面F2が第1平面P1に対して互いに対称であり、緩衝材5の第3受け面F3及び第4受け面F4が第1平面P1に対して互いに対称である。従って、緩衝材5を第2対称軸AX2の周りに180度回転することで、緩衝材5を、第2姿勢ST2から第3姿勢ST3に変更できる。その結果、第1受け面F1及び第2受け面F2の反対側に位置する第3受け面F3及び第4受け面F4を、収容対象物PAの受け面として利用できる。よって、より多くの平面を収容対象物PAの受け面として利用できるため、緩衝材5の性能を維持しつつ、より再利用回数を多くできる。再利用回数をより多くできると、容器100(緩衝材5及び容器本体1)のコストをより低減できる。
【0097】
特に実施形態1では、第1受け面F1~第4受け面F4を、収容対象物PAの受け面として利用できるため、緩衝材5の初回の利用と、最低3回の再利用とが可能である。
【0098】
(第1変形例)
図10~
図13を参照して、実施形態1の第1変形例に係る容器100Aを説明する。第1変形例に係る緩衝材5Aの第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aが平面視U字形状を有する点で、第1変形例は、第1嵌合部51及び第2嵌合部52が平面視V字形状を有する実施形態1と主に異なる。以下、第1変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0099】
まず、
図10を参照して、容器100Aを説明する。
図10は、複数の収容対象物PAを収容していない状態の空の容器100Aを示す斜視図である。
【0100】
図10に示すように、容器100Aは、少なくとも1つの緩衝材5Aを備える。第1変形例では、容器100Aは複数の緩衝材5Aを備える。また、容器本体1は、少なくとも1つの凹部13Aを有する。第1変形例では、容器本体1は複数の凹部13Aを有する。緩衝材5Aは凹部13Aに配置される。緩衝材5Aは対称構造を有する。
【0101】
次に、
図11及び
図12を参照して、緩衝材5A及び凹部13Aを説明する。
図11は、容器本体1の凹部13A、及び、凹部13Aに配置される前の緩衝材5Aを示す斜視図である。
図12は、容器本体1の凹部13A、及び、凹部13Aに配置される前の緩衝材5Aを示す平面図である。
図11及び
図12では、緩衝材5Aが第1姿勢ST1で凹部13Aに配置される場合が示される。
【0102】
図11及び
図12に示すように、緩衝材5Aは凹部13Aに嵌合される。緩衝材5Aは、第1嵌合部51Aと、第2嵌合部52Aとを有する。第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aは、例えば緩衝材5Aが第1姿勢ST1で凹部13Aに配置された状態において、次の特徴を有する。
【0103】
すなわち、第1嵌合部51Aは、緩衝材5Aの第3方向D3の一方端部に位置する。第2嵌合部52Aは、緩衝材5Aの第3方向D3の他方端部に位置する。一例として、第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aの各々は、平面視において、略U字形状を有する。具体的には、第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aの各々は、平面視において、角張った略U字形状を有する。
【0104】
また、第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aは、第2方向D2に沿って延びる。具体的には、第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aは、第2方向D2に沿って、第1非受け面N1から第2非受け面N2まで延びる。第1嵌合部51Aと第2嵌合部52Aとは、第3方向D3に沿って互いに近づく方向に凹んでいる。つまり、第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aの各々は、凹形状を有する。
【0105】
凹部13Aは第1部分13aと第2部分13bとを含む。容器本体1は、第1本体嵌合部14Aと、第2本体嵌合部15Aとを有する。第1本体嵌合部14A及び第2本体嵌合部15Aの各々は、側壁部12aと凹部13Aとに跨って設けられる。第1本体嵌合部14Aと第2本体嵌合部15Aとは、第3方向D3に離隔し、第3方向D3において対向する。つまり、第1本体嵌合部14Aと第2本体嵌合部15Aとは、所定間隔を隔てて互いに対向して配置される。第1本体嵌合部14Aと第2本体嵌合部15Aとは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0106】
第1本体嵌合部14A及び第2本体嵌合部15Aは、第2方向D2に沿って延びる。第1本体嵌合部14Aと第2本体嵌合部15Aとは、第3方向D3に沿って互いに近づく方向に突出している。つまり、第1本体嵌合部14A及び第2本体嵌合部15Aの各々は、凸形状を有する。
【0107】
第1本体嵌合部14Aは、凹部13Aに配置される緩衝材5Aの姿勢に応じて第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aの一方と嵌合する。第2本体嵌合部15Aは、凹部13Aに配置される緩衝材5Aの姿勢に応じて第1嵌合部51A及び第2嵌合部52Aの他方と嵌合する。従って、第1変形例によれば、緩衝材5Aが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。
【0108】
次に、
図13を参照して、緩衝材5Aの各面を説明する。
図13は、6方向からの緩衝材5Aの正投影図である。
図13では、緩衝材5Aが第1姿勢ST1(
図10)で凹部13Aに配置された状態において、第1方向D1~第3方向D3及び第1平面P1~第3平面P3を示している。
図13に示すように、緩衝材5Aは、第1受け面F1と、第2受け面F2と、第3受け面F3と、第4受け面F4と、第1非受け面N1と、第2非受け面N2と、第1嵌合部51Aと、第2嵌合部52Aとを有する。
【0109】
なお、緩衝材5Aの再利用方法は、
図8及び
図9を参照して説明した緩衝材5の再利用方法と同様である。
【0110】
(第2変形例)
図14~
図17を参照して、実施形態1の第2変形例に係る容器100Bを説明する。第2変形例に係る緩衝材5Bの第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bが凸形状を有する点で、第2変形例は、第1嵌合部51及び第2嵌合部52が凹形状を有する実施形態1と主に異なる。以下、第2変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0111】
まず、
図14を参照して、容器100Bを説明する。
図14は、複数の収容対象物PAを収容していない状態の空の容器100Bを示す斜視図である。
【0112】
図14に示すように、容器100Bは、少なくとも1つの緩衝材5Bを備える。第2変形例では、容器100Bは複数の緩衝材5Bを備える。また、容器本体1は、少なくとも1つの凹部13Bを有する。第2変形例では、容器本体1は複数の凹部13Bを有する。緩衝材5Bは凹部13Bに配置される。緩衝材5Bは対称構造を有する。
【0113】
次に、
図15及び
図16を参照して、緩衝材5B及び凹部13Bを説明する。
図15は、容器本体1の凹部13B、及び、凹部13Bに配置される前の緩衝材5Bを示す斜視図である。
図16は、容器本体1の凹部13B、及び、凹部13Bに配置される前の緩衝材5Bを示す平面図である。
図15及び
図16では、緩衝材5Bが第1姿勢ST1で凹部13Bに配置される場合が示される。
【0114】
図15及び
図16に示すように、緩衝材5Bは凹部13Bに嵌合される。緩衝材5Bは、第1嵌合部51Bと、第2嵌合部52Bとを有する。第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bは、例えば緩衝材5Bが第1姿勢ST1で凹部13Bに配置された状態において、次の特徴を有する。
【0115】
すなわち、第1嵌合部51Bは、緩衝材5Bの第3方向D3の一方端部に位置する。第2嵌合部52Bは、緩衝材5Bの第3方向D3の他方端部に位置する。一例として、第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bの各々は、凸状に湾曲している。具体的には、第1嵌合部51Bと第2嵌合部52Bとは、第3方向D3に沿って互いに離れる方向に膨らんでいる。つまり、第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bの各々は、凸形状を有する。第1嵌合部51Bは、第3方向D3一方側に最も突き出た頂部515を有する。第2嵌合部52Bは、第3方向D3他方側に最も突き出た頂部525を有する。また、第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bは、第2方向D2に沿って延びる。
【0116】
凹部13Bは第1部分13aと第2部分13bとを含む。容器本体1は、第1本体嵌合部14Bと、第2本体嵌合部15Bを有する。第1本体嵌合部14B及び第2本体嵌合部15Bの各々は、側壁部12aと凹部13Bとに跨って設けられる。第1本体嵌合部14Bと第2本体嵌合部15Bとは、第3方向D3に離隔し、第3方向D3において対向する。つまり、第1本体嵌合部14Bと第2本体嵌合部15Bとは、所定間隔を隔てて互いに対向して配置される。第1本体嵌合部14Bと第2本体嵌合部15Bとは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0117】
第1本体嵌合部14B及び第2本体嵌合部15Bは、第2方向D2に沿って延びる。第1本体嵌合部14Bと第2本体嵌合部15Bとは、第3方向D3に沿って互いに離れる方向に凹んでいる。つまり、第1本体嵌合部14B及び第2本体嵌合部15Bの各々は、凹形状を有する。第1本体嵌合部14Bは、第3方向D3一方側に最も凹んだ底点140を有する。第2本体嵌合部15Bは、第3方向D3他方側に最も凹んだ底点150を有する。
【0118】
第1本体嵌合部14Bは、凹部13Bに配置される緩衝材5Bの姿勢に応じて第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bの一方と嵌合する。第2本体嵌合部15Bは、凹部13Bに配置される緩衝材5Bの姿勢に応じて第1嵌合部51B及び第2嵌合部52Bの他方と嵌合する。従って、第2変形例によれば、緩衝材5Bが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。
【0119】
次に、
図17を参照して、緩衝材5Bの各面を説明する。
図17は、6方向からの緩衝材5Bの正投影図である。
図17では、緩衝材5Bが第1姿勢ST1(
図14)で凹部13Bに配置された状態において、第1方向D1~第3方向D3及び第1平面P1~第3平面P3を示している。
図17に示すように、緩衝材5Bは、第1受け面F1と、第2受け面F2と、第3受け面F3と、第4受け面F4と、第1非受け面N1と、第2非受け面N2と、第1嵌合部51Bと、第2嵌合部52Bとを有する。
【0120】
なお、緩衝材5Bの再利用方法は、
図8及び
図9を参照して説明した緩衝材5の再利用方法と同様である。
【0121】
(実施形態2)
図18~
図23を参照して、本発明の実施形態2に係る容器100Cを説明する。実施形態2に係る緩衝材5Cが収容対象物PAの受け面を8面有する点で、実施形態2は、収容対象物PAの受け面を4面有する実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0122】
まず、
図18を参照して、容器100Cを説明する。
図18は、複数の収容対象物PA(
図1)を収容していない状態の空の容器100Cを示す斜視図である。
【0123】
図18に示すように、容器100Cは、容器本体1と、少なくとも1つの緩衝材5Cとを備える。実施形態2では、容器100Cは複数の緩衝材5Cを備える。
図18の例では、緩衝材5Cは、略直方体形状を有する。緩衝材5Cは弾性を有する。緩衝材5Cは、収容対象物PAを保護する。
【0124】
容器本体1は、底部11と、複数の側壁部12と、少なくとも1つの凹部13Cとを有する。実施形態2では、容器本体1は複数の凹部13Cを有する。
【0125】
緩衝材5Cは容器本体1に配置される。具体的には、緩衝材5Cは凹部13Cに配置される。凹部13Cは、底部11の表面11aに対して窪んでいる。
【0126】
緩衝材5Cは、第1受け面F1と、第2受け面F2とを有する。第1受け面F1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13Cに配置された状態において、側壁部12よりも内側に位置し、収容空間SPに面する。第2受け面F2は、緩衝材5Cが第1姿勢ST1で凹部13Cに配置された状態において、凹部13Cに埋没している。なお、詳細は後述するが、緩衝材5Cは、第1非受け面N1及び第2非受け面N2を有している。
【0127】
次に、
図19及び
図20を参照して、緩衝材5C及び凹部13Cを説明する。
図19は、容器本体1の凹部13C、及び、凹部13Cに配置される前の緩衝材5Cを示す斜視図である。
図20は、容器本体1の凹部13C、及び、凹部13Cに配置される前の緩衝材5Cを示す平面図である。
図19及び
図20では、緩衝材5Cが第1姿勢ST1で凹部13Cに配置される場合が示される。また、
図20では、理解を容易にするために、緩衝材5Cの第1非受け面N1に並べて、第1非受け面N1の反対側の面である第2非受け面N2を二点鎖線で示している。
【0128】
図19及び
図18に示すように、凹部13Cは、底部11の表面11aから第2方向D2に沿って、底部11の裏面に向かって窪んでいる。また、凹部13Cは、側壁部12aの内面121から第1方向D1に沿って、容器本体1の外側に向かって窪んでいることが好ましい。凹部13Cは、第1部分13aと、第2部分13bとを含む。
【0129】
緩衝材5Cは凹部13Cに嵌合される。緩衝材5Cは、第1対称軸AX1の周りに180度回転対称である。また、緩衝材5Cは、第2対称軸AX2の周りに90度回転対称である。つまり、緩衝材5Cは、第2対称軸AX2の周りに回転対称であって、90度対称(4回対称)である。更に、緩衝材5Cは、第3対称軸AX3の周りに180度回転対称である。
【0130】
緩衝材5Cは、第1平面P1に対して対称な形状を有する。また、緩衝材5Cは、第2平面P2に対して対称な形状を有する。更に、緩衝材5Cは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。第1平面P1は、本発明の「所定平面」の一例に相当する。
【0131】
緩衝材5Cは、少なくとも1つの第5嵌合部53と、少なくとも1つの第6嵌合部54(
図20)とを有する。実施形態2では、緩衝材5Cは、複数の第5嵌合部53と、複数の第6嵌合部54(
図20)とを有する。具体的には、緩衝材5Cは、偶数個の第5嵌合部53と、偶数個の第6嵌合部54とを有する。実施形態2では、第5嵌合部53の数と第6嵌合部54の数とは等しい。第5嵌合部53及び第6嵌合部54は、例えば緩衝材5Cが第1姿勢ST1で凹部13Cに配置された状態において、次の特徴を有する。
【0132】
すなわち、複数の第5嵌合部53と複数の第6嵌合部54とは、第1平面P1に対して対称な形状を有する。複数の第5嵌合部53は第2平面P2に対して対称である。複数の第6嵌合部54は第2平面P2に対して対称である。複数の第5嵌合部53は、第3平面P3に対して対称である。複数の第6嵌合部54は、第3平面P3に対して対称である。
【0133】
複数の第5嵌合部53は、第2対称軸AX2の周りに90度回転対称である。第5嵌合部53は、第1非受け面N1に配置される。第1非受け面N1は、緩衝材5Cの第2方向D2の一方端部の面である。つまり、第5嵌合部53は、緩衝材5Cの第2方向D2の一方端部に位置する。複数の第5嵌合部53は、第2対称軸AX2の周りの円周方向において、等間隔で配置される。
【0134】
複数の第6嵌合部54は、第2対称軸AX2の周りに90度回転対称である。第6嵌合部54は、第2非受け面N2に配置される。第2非受け面N2は、緩衝材5Cの第2方向D2の他方端部の面である。つまり、第6嵌合部54は、緩衝材5Cの第2方向D2の他方端部に位置する。複数の第6嵌合部54は、第2対称軸AX2の周りの円周方向において、等間隔で配置される。
【0135】
実施形態2では、第5嵌合部53及び第6嵌合部54の各々は、穴である。例えば、第5嵌合部53及び第6嵌合部54の各々は、直方体状又は立方体状の穴である。また、複数の第5嵌合部53は、それぞれ、複数の第6嵌合部54に対応して配置される。第5嵌合部53は、対応する第6嵌合部54と第2方向D2に対向する。第5嵌合部53、及び、対応する第6嵌合部54は、第2方向D2において、互いに近づく方向に凹んでいる。
【0136】
凹部13Cは、少なくとも1つの底面嵌合部16を有する。実施形態2では、凹部13Cは、複数の底面嵌合部16を有する。具体的には、凹部13Cは、偶数個の底面嵌合部16を有する。更に具体的には、底面嵌合部16の数は、第5嵌合部53の数の1/2である。
【0137】
複数の底面嵌合部16は凹部13Cの底面に設けられる。具体的には、一方の底面嵌合部16は第1部分13aの底面に配置され、他方の底面嵌合部16は第2部分13bの底面に配置される。一方の底面嵌合部16と他方の底面嵌合部16とは、第1方向D1に離隔し、第1方向D1において対向する。
【0138】
底面嵌合部16は、凹部13Cの底面から第2方向D2に沿って突出する凸部である。複数の底面嵌合部16は、第2平面P2に対して対称である。複数の底面嵌合部16は、第3平面P3に対して対称である。
【0139】
底面嵌合部16は、凹部13Cに配置される緩衝材5Cの姿勢に応じて、第5嵌合部53及び第6嵌合部54のうちのいずれかの嵌合部と嵌合する。従って、実施形態2によれば、緩衝材5Cが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。例えば、緩衝材5Cが凹部13Cに配置された空の状態の容器100C(
図18)を、運搬したり、装置に入れる際に傾けたりした場合に、緩衝材5Cが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。その結果、例えば、収容対象物PAを自動機で空の容器100Cに収容する際に、収容対象物PAが緩衝材5Cに接触することを回避できる。よって、例えば、収容対象物PAを自動機で容器100Cに収容する際に、収容対象物PAに「割れ」等の損傷が発生することを防止できる。
【0140】
次に、
図19及び
図21を参照して、緩衝材5Cの各面を説明する。
図19に示すように、緩衝材5Cは、第1面FA1と、第1面FA1の反対側の第2面FA2と、第3面FA3と、第3面FA3の反対側の第4面FA4と、第1非受け面N1と、第1非受け面N1の反対側の第2非受け面N2とを有する。第1面FA1及び第2面FA2は、それぞれ、実施形態1の第1面FA1及び第2面FA2と同様である。第3面FA3は、第5受け面F5及び第6受け面F6を含む。第3面FA3は、第1面FA1の第3方向D3の一方端部と第2面FA2の第3方向D3の一方端部とを接続する。第4面FA4は、第7受け面F7及び第8受け面F8を含む。第4面FA4は、第1面FA1の第3方向D3の他方端部と第2面FA2の第3方向D3の他方端部とを接続する。第3面FA3及び第4面FA4は、第1対称軸AX1を挟んで互いに対向する。第3面FA3及び第4面FA4は、第2対称軸AX2を挟んで互いに対向する。
【0141】
図21は、6方向からの緩衝材5の正投影図である。
図21では、緩衝材5Cが第1姿勢ST1(
図18)で凹部13Cに配置された状態において、第1方向D1~第3方向D3及び第1平面P1~第3平面P3を示している。
図21に示すように、第1受け面F1~第4受け面F4、第1非受け面N1、及び、第2非受け面N2は、それぞれ、
図7を参照して説明した第1受け面F1~第4受け面F4、第1非受け面N1、及び、第2非受け面N2と同様であり、説明を省略する。
【0142】
第5受け面F5は、第1受け面F1の第3方向D3の一方端部と第4受け面F4の第3方向D3の一方端部とを接続する。第6受け面F6は、第2受け面F2の第3方向D3の一方端部と第3受け面F3の第3方向D3の一方端部とを接続する。第5受け面F5及び第6受け面F6は、第2方向D2に並んで同一平面上に位置する。第5受け面F5及び第6受け面F6は、第1平面P1に対して互いに対称である。
【0143】
第7受け面F7は、第2受け面F2の第3方向D3の他方端部と第3受け面F3の第3方向D3の他方端部とを接続する。第8受け面F8は、第1受け面F1の第3方向D3の他方端部と第4受け面F4の第3方向D3の他方端部とを接続する。第7受け面F7及び第8受け面F8は、第2方向D2に並んで同一平面上に位置する。第7受け面F7及び第8受け面F8は、第1平面P1に対して互いに対称である。
【0144】
なお、
図21の例では、第1面FA1~第4面FA4の各々、及び、第1受け面F1~第8受け面F8の各々は、平面である。
【0145】
次に、
図22及び
図23を参照して、緩衝材5Cの再利用方法を説明する。
図22は、緩衝材5Cを再利用する場合の第1姿勢ST1~第8姿勢ST8を緩衝材5C単体で示す斜視図である。
図22では、使用済みの面に対してドットハッチングを付している。また、理解の容易のために、境界線を破線で示している。
図23は、緩衝材5Cを再利用する場合の緩衝材5Cの第1姿勢ST1~第8姿勢ST8を示す斜視図である。
【0146】
図22及び
図23に示すように、緩衝材5Cが第1姿勢ST1で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第1姿勢ST1において」と記載する場合がある。)、第1受け面F1は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第1姿勢ST1において、第1受け面F1は、収容空間SPに面する。よって、第1姿勢ST1では、第1受け面F1が収容対象物PAの受け面になる。その他、第1姿勢ST1での第1受け面F1は、
図8及び
図9を参照して説明した第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0147】
また、第1姿勢ST1において、第2受け面F2は、収容空間SPに面していない。つまり、第1姿勢ST1において、第2受け面F2は、凹部13に埋没している。その他、第1姿勢ST1での第2受け面F2は、
図8及び
図9を参照して説明した第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0148】
更に、第1姿勢ST1において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4は、
図8及び
図9を参照して説明した第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0149】
更に、第1姿勢ST1において、第5受け面F5~第8受け面F8は、側壁部12aの延びる方向を向いている。従って、第5受け面F5~第8受け面F8は、収容対象物PAの受け面にならない。
【0150】
第1姿勢ST1において、収容対象物PAを収容すると、第1受け面F1が収容対象物PAの端縁EG(
図1)と対向する。つまり、第1姿勢ST1では、第1受け面F1が、収容対象物PAと接触し得るため、収容対象物PAの受け面となる。なお、第1姿勢ST1では、第6嵌合部54が底面嵌合部16に嵌合する。
【0151】
次に、第1姿勢ST1の緩衝材5Cを利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第1姿勢ST1では、第1受け面F1が収容対象物PAの受け面になっているため、緩衝材5Cの素材に依存して、第1受け面F1を再び受け面にすることは好ましくない。
【0152】
そこで、緩衝材5Cを、第1姿勢ST1から、第1姿勢ST1と異なる状態に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。
【0153】
例えば、緩衝材5Cを、第1姿勢ST1から、第2姿勢ST2に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第2姿勢ST2は、第1姿勢ST1の緩衝材5Cを、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第2姿勢ST2は、第1姿勢ST1の緩衝材5Cを上下に反転した状態である。
【0154】
具体的には、緩衝材5が第2姿勢ST2で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第2姿勢ST2において」と記載する場合がある。)、第2受け面F2は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第2姿勢ST2において、第2受け面F2は、収容空間SPに面する。よって、第2姿勢ST2では、第2受け面F2が収容対象物PAの受け面になる。その他、第2姿勢ST2での第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0155】
また、第2姿勢ST2において、第1受け面F1は、収容空間SPに面していない。つまり、第1受け面F1は、凹部13Cに埋没している。その他、第2姿勢ST2での第1受け面F1は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0156】
更に、第2姿勢ST2において、第3受け面F3及び第4受け面F4は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第2姿勢ST2での第3受け面F3及び第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0157】
更に、第2姿勢ST2において、第5受け面F5~第8受け面F8は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第2姿勢ST2では、第5嵌合部53が底面嵌合部16に嵌合する。
【0158】
次に、第2姿勢ST2の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第2姿勢ST2では、第2受け面F2が収容対象物PAの受け面になっているため、第2受け面F2の保護性能が低下している可能性がある。
【0159】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第2姿勢ST2から、第7姿勢ST7に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第7姿勢ST7は、第2姿勢ST2の緩衝材5Cを、第2対称軸AX2の周りに(時計回りに)90度回転させた状態である。
【0160】
具体的には、緩衝材5Cが第7姿勢ST7で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第7姿勢ST7において」と記載する場合がある。)、第7受け面F7は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第7姿勢ST7において、第7受け面F7は、収容空間SPに面する。よって、第7姿勢ST7では、第7受け面F7が収容対象物PAの受け面になる。その他、第7姿勢ST7での第7受け面F7は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0161】
また、第7姿勢ST7において、第8受け面F8は、収容空間SPに面していない。つまり、第8受け面F8は、凹部13Cに埋没している。その他、第7姿勢ST7での第8受け面F8は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0162】
更に、第7姿勢ST7において、第5受け面F5及び第6受け面F6は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第7姿勢ST7での第5受け面F5及び第6受け面F6は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0163】
更に、第7姿勢ST7において、第1受け面F1~第4受け面F4は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第7姿勢ST7では、第6嵌合部54が底面嵌合部16に嵌合する。
【0164】
次に、第7姿勢ST7の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第7姿勢ST7では、第7受け面F7が収容対象物PAの受け面になっているため、第7受け面F7の保護性能が低下している可能性がある。
【0165】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第7姿勢ST7から、第8姿勢ST8に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第8姿勢ST8は、第7姿勢ST7の緩衝材5Cを、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第8姿勢ST8は、第7姿勢ST7の緩衝材5Cを上下に反転した状態である。
【0166】
具体的には、緩衝材5Cが第8姿勢ST8で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第8姿勢ST8において」と記載する場合がある。)、第8受け面F8は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第8姿勢ST8において、第8受け面F8は、収容空間SPに面する。よって、第8姿勢ST8では、第8受け面F8が収容対象物PAの受け面になる。その他、第8姿勢ST8での第8受け面F8は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0167】
また、第8姿勢ST8において、第7受け面F7は、収容空間SPに面していない。つまり、第7受け面F7は、凹部13Cに埋没している。その他、第8姿勢ST8での第7受け面F7は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0168】
更に、第8姿勢ST8において、第5受け面F5及び第6受け面F6は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第8姿勢ST8での第5受け面F5及び第6受け面F6は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0169】
更に、第8姿勢ST8において、第1受け面F1~第4受け面F4は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第8姿勢ST8では、第5嵌合部53が底面嵌合部16に嵌合する。
【0170】
次に、第8姿勢ST8の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第8姿勢ST8では、第8受け面F8が収容対象物PAの受け面になっているため、第8受け面F8の保護性能が低下している可能性がある。
【0171】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第8姿勢ST8から、第4姿勢ST4に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第4姿勢ST4は、第8姿勢ST8の緩衝材5Cを、第2対称軸AX2の周りに(反時計回りに)90度回転させた状態である。
【0172】
具体的には、緩衝材5Cが第4姿勢ST4で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第4姿勢ST4において」と記載する場合がある。)、第4受け面F4は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第4姿勢ST4において、第4受け面F4は、収容空間SPに面する。よって、第4姿勢ST4では、第4受け面F4が収容対象物PAの受け面になる。その他、第4姿勢ST4での第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0173】
また、第4姿勢ST4において、第3受け面F3は、収容空間SPに面していない。つまり、第3受け面F3は、凹部13Cに埋没している。その他、第4姿勢ST4での第3受け面F3は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0174】
更に、第4姿勢ST4において、第1受け面F1及び第2受け面F2は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第4姿勢ST4での第1受け面F1及び第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0175】
更に、第4姿勢ST4において、第5受け面F5~第8受け面F8は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第4姿勢ST4では、第5嵌合部53が底面嵌合部16に嵌合する。
【0176】
次に、第4姿勢ST4の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第4姿勢ST4では、第4受け面F4が収容対象物PAの受け面になっているため、第4受け面F4の保護性能が低下している可能性がある。
【0177】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第4姿勢ST4から、第3姿勢ST3に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第3姿勢ST3は、第4姿勢ST4の緩衝材5Cを、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第3姿勢ST3は、第4姿勢ST4の緩衝材5Cを上下に反転した状態である。
【0178】
具体的には、緩衝材5Cが第3姿勢ST3で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第3姿勢ST3において」と記載する場合がある。)、第3受け面F3は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第3姿勢ST3において、第3受け面F3は、収容空間SPに面する。よって、第3姿勢ST3では、第3受け面F3が収容対象物PAの受け面になる。その他、第3姿勢ST3での第3受け面F3は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0179】
また、第3姿勢ST3において、第4受け面F4は、収容空間SPに面していない。つまり、第4受け面F4は、凹部13Cに埋没している。その他、第3姿勢ST3での第4受け面F4は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0180】
更に、第3姿勢ST3において、第1受け面F1及び第2受け面F2は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第3姿勢ST3での第1受け面F1及び第2受け面F2は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0181】
更に、第3姿勢ST3において、第5受け面F5~第8受け面F8は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第3姿勢ST3では、第6嵌合部54が底面嵌合部16に嵌合する。
【0182】
次に、第3姿勢ST3の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第3姿勢ST3では、第3受け面F3が収容対象物PAの受け面になっているため、第3受け面F3の保護性能が低下している可能性がある。
【0183】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第3姿勢ST3から、第6姿勢ST6に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第6姿勢ST6は、第3姿勢ST3の緩衝材5Cを、第2対称軸AX2の周りに(時計回りに)90度回転させた状態である。
【0184】
具体的には、緩衝材5Cが第6姿勢ST6で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第6姿勢ST6において」と記載する場合がある。)、第6受け面F6は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第6姿勢ST6において、第6受け面F6は、収容空間SPに面する。よって、第6姿勢ST6では、第6受け面F6が収容対象物PAの受け面になる。その他、第6姿勢ST6での第6受け面F6は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0185】
また、第6姿勢ST6において、第5受け面F5は、収容空間SPに面していない。つまり、第5受け面F5は、凹部13Cに埋没している。その他、第6姿勢ST6での第5受け面F5は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0186】
更に、第6姿勢ST6において、第7受け面F7及び第8受け面F8は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第6姿勢ST6での第7受け面F7及び第8受け面F8は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0187】
更に、第6姿勢ST6において、第1受け面F1~第4受け面F4は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第6姿勢ST6では、第6嵌合部54が底面嵌合部16に嵌合する。
【0188】
次に、第6姿勢ST6の緩衝材5を利用して収容対象物PAを収容した容器100Cによる輸送が完了すると、容器100Cは空になる。第6姿勢ST6では、第6受け面F6が収容対象物PAの受け面になっているため、第6受け面F6の保護性能が低下している可能性がある。
【0189】
そこで、例えば、緩衝材5Cを、第6姿勢ST6から、第5姿勢ST5に変更した後に、新たに収容対象物PAを収容する。第5姿勢ST5は、第6姿勢ST6の緩衝材5Cを、第1対称軸AX1の周りに180度回転させた状態である。つまり、第5姿勢ST5は、第6姿勢ST6の緩衝材5Cを上下に反転した状態である。
【0190】
具体的には、緩衝材5Cが第5姿勢ST5で凹部13Cに配置された状態において(以下、「第5姿勢ST5において」と記載する場合がある。)、第5受け面F5は、側壁部12aよりも内側に位置する。また、第5姿勢ST5において、第5受け面F5は、収容空間SPに面する。よって、第5姿勢ST5では、第5受け面F5が収容対象物PAの受け面になる。その他、第5姿勢ST5での第5受け面F5は、第1姿勢ST1での第1受け面F1と同様である。
【0191】
また、第5姿勢ST5において、第6受け面F6は、収容空間SPに面していない。つまり、第6受け面F6は、凹部13Cに埋没している。その他、第5姿勢ST5での第6受け面F6は、第1姿勢ST1での第2受け面F2と同様である。
【0192】
更に、第5姿勢ST5において、第7受け面F7及び第8受け面F8は、収容空間SPとは逆側を向いている。その他、第5姿勢ST5での第7受け面F7及び第8受け面F8は、第1姿勢ST1での第3受け面F3及び第4受け面F4と同様である。
【0193】
更に、第5姿勢ST5において、第1受け面F1~第4受け面F4は、側壁部12aの延びる方向を向いている。なお、第5姿勢ST5では、第5嵌合部53が底面嵌合部16に嵌合する。
【0194】
以上、
図22及び
図23を参照して説明したように、実施形態1によれば、緩衝材5Cが第1姿勢ST1で凹部13Cに配置された状態において、第1受け面F1が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5Cが第2姿勢ST2で凹部13Cに配置された状態において、第2受け面F2が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5が第3姿勢ST3で凹部13Cに配置された状態において、第3受け面F3が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5が第4姿勢ST4で凹部13Cに配置された状態において、第4受け面F4が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5Cが第5姿勢ST5で凹部13Cに配置された状態において、第5受け面F5が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5Cが第6姿勢ST6で凹部13Cに配置された状態において、第6受け面F6が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5Cが第7姿勢ST7で凹部13Cに配置された状態において、第7受け面F7が収容空間SPに面する。加えて、緩衝材5Cが第8姿勢ST8で凹部13Cに配置された状態において、第8受け面F8が収容空間SPに面する。従って、実施形態2に係る容器100Cによれば、同じサイズの収容対象物PAを繰り返し収容する場合でも、第1姿勢ST1~第8姿勢ST8の間で緩衝材5の姿勢を変更することで、緩衝材5Cの性能をより長く維持できる。
【0195】
また、実施形態2では、緩衝材5Cが第1対称軸AX1の周りに180度回転対称である。従って、緩衝材5Cを第1対称軸AX1の周りに180度回転することで、例えば、緩衝材5Cを、第1姿勢ST1から第2姿勢ST2に変更したり、第3姿勢ST3から第4姿勢ST4に変更したり、第5姿勢ST5から第6姿勢ST6に変更したり、第7姿勢ST7から第8姿勢ST8に変更したりすることができる。
【0196】
加えて、緩衝材5Cが第2対称軸AX2の周りに90度回転対称である。従って、緩衝材5Cを第2対称軸AX2の周りに90度回転することで、例えば、緩衝材5Cを、第2姿勢ST2から第7姿勢ST7に変更したり、第8姿勢ST8から第4姿勢ST4に変更したり、第3姿勢ST3から第6姿勢ST6に変更したりすることができる。
【0197】
その結果、第1受け面F1~第8受け面F8を、収容対象物PAの受け面として利用できるため、緩衝材5Cの性能を維持しつつ、緩衝材5Cの初回の利用と、最低7回の再利用とが可能である。よって、容器100C(緩衝材5C及び容器本体1)のコストをより低減できる。
【0198】
(変形例)
図24~
図27を参照して、実施形態2の変形例に係る容器100Dを説明する。変形例に係る緩衝材5Dが収容対象物PAの受け面に嵌合部を有する点で、変形例は、第1非受け面N1及び第2非受け面N2に嵌合部を有する実施形態2と主に異なる。以下、変形例が実施形態2と異なる点を主に説明する。
【0199】
まず、
図24を参照して、容器100Dを説明する。
図24は、複数の収容対象物PAを収容していない状態の空の容器100Dを示す斜視図である。
【0200】
図24に示すように、容器100Dは、少なくとも1つの緩衝材5Dを備える。変形例では、容器100Dは複数の緩衝材5Dを備える。また、容器本体1は、少なくとも1つの凹部13Dを有する。変形例では、容器本体1は複数の凹部13Dを有する。緩衝材5Dは凹部13Dに配置される。緩衝材5Dは対称構造を有する。
【0201】
次に、
図25及び
図26を参照して、緩衝材5D及び凹部13Dを説明する。
図25は、容器本体1の凹部13D、及び、凹部13Dに配置される前の緩衝材5Dを示す斜視図である。
図26は、容器本体1の凹部13D、及び、凹部13Dに配置される前の緩衝材5Dを示す平面図である。
図25及び
図26では、緩衝材5Dが第1姿勢ST1で凹部13Dに配置される場合が示される。
【0202】
図25及び
図26に示すように、緩衝材5Dは凹部13Dに嵌合される。緩衝材5Dは、第1嵌合部51Dと、第2嵌合部52Dと、第3嵌合部55Dと、第4嵌合部56Dとを有する。第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、例えば緩衝材5Dが第1姿勢ST1で凹部13Dに配置された状態において、次の特徴を有する。
【0203】
すなわち、第1嵌合部51Dは、緩衝材5Dの第3方向D3の一方端部に位置する。第2嵌合部52Dは、緩衝材5Dの第3方向D3の他方端部に位置する。第3嵌合部55Dは、緩衝材5Dの第1方向D1の一方端部に位置する。第4嵌合部56Dは、緩衝材5Dの第1方向D1の他方端部に位置する。
【0204】
一例として、第1嵌合部51D、第2嵌合部52D、第3嵌合部55D、及び、第4嵌合部56Dの各々は、平面視において、略円弧形状を有する。つまり、第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dの各々は、略半円柱形状の凹部である。
【0205】
また、第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、第2方向D2に沿って延びる。具体的には、第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、第2方向D2に沿って、第1非受け面N1から第2非受け面N2まで延びる。第1嵌合部51Dと第2嵌合部52Dとは、第3方向D3に沿って互いに近づく方向に凹んでいる。第3嵌合部55Dと第4嵌合部56Dとは、第1方向D1に沿って互いに近づく方向に凹んでいる。
【0206】
更に、第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、第2平面P2に対して対称な形状を有する。第1嵌合部51A~第4嵌合部56Dは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0207】
更に、第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、第2対称軸AX2の周りに90度回転対称である。第1嵌合部51D~第4嵌合部56Dは、第2対称軸AX2の周りの円周方向において、等間隔で配置される。
【0208】
また、凹部13Dは第1部分13aと第2部分13bとを含む。容器本体1は、第1本体嵌合部14Dと、第2本体嵌合部15Dとを有する。第1本体嵌合部14D及び第2本体嵌合部15Dの各々は、側壁部12aと凹部13Dとに跨って設けられる。第1本体嵌合部14Dと第2本体嵌合部15Dとは、第3方向D3に離隔し、第3方向D3において対向する。つまり、第1本体嵌合部14Dと第2本体嵌合部15Dとは、所定間隔を隔てて互いに対向して配置される。第1本体嵌合部14Dと第2本体嵌合部15Dとは、第3平面P3に対して対称な形状を有する。
【0209】
第1本体嵌合部14D及び第2本体嵌合部15Dは、第2方向D2に沿って延びる。第1本体嵌合部14Dと第2本体嵌合部15Dとは、第3方向D3に沿って互いに近づく方向に突出している。つまり、第1本体嵌合部14D及び第2本体嵌合部15Dの各々は、略半円柱状の凸部である。
【0210】
第1本体嵌合部14Dは、凹部13Dに配置される緩衝材5Dの姿勢に応じて、第1嵌合部51D、第2嵌合部52D、第3嵌合部55D、及び、第4嵌合部56Dのうちのいずれかの嵌合部と嵌合する。加えて、第2本体嵌合部15Dは、凹部13Dに配置される緩衝材5Dの姿勢に応じて、第1嵌合部51D、第2嵌合部52D、第3嵌合部55D、及び、第4嵌合部56Dのうち、第1本体嵌合部14Dと嵌合する嵌合部と対向する嵌合部と嵌合する。従って、変形例によれば、緩衝材5Dが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。
【0211】
次に、
図27を参照して、緩衝材5Dの各面を説明する。
図27は、6方向からの緩衝材5Dの正投影図である。
図27では、緩衝材5Dが第1姿勢ST1(
図24)で凹部13Dに配置された状態において、第1方向D1~第3方向D3及び第1平面P1~第3平面P3を示している。
図27に示すように、緩衝材5Dは、第1受け面F1と、第2受け面F2と、第3受け面F3と、第4受け面F4と、第5受け面F5と、第6受け面F6と、第7受け面F7と、第8受け面F8と、第1非受け面N1と、第2非受け面N2と、第1嵌合部51Dと、第2嵌合部52Dと、第3嵌合部55Dと、第4嵌合部56Dとを有する。
【0212】
第1嵌合部51Dは、第5受け面F5の第1方向D1の中央部、及び、第6受け面F6の第1方向D1の中央部を通る。第2嵌合部52Dは、第7受け面F7の第1方向D1の中央部、及び、第8受け面F8の第1方向D1の中央部を通る。第3嵌合部55Dは、第3受け面F3の第3方向D3の中央部、及び、第4受け面F4の第3方向D3の中央部を通る。第4嵌合部56Dは、第1受け面F1の第3方向D3の中央部、及び、第2受け面F2の第3方向D3の中央部を通る。
【0213】
なお、緩衝材5Dの再利用方法は、
図22及び
図23を参照して説明した緩衝材5Cの再利用方法と同様である。
【0214】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0215】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0216】
(1)実施形態1、第1変形例、及び、第2変形例では、緩衝材5、5A、5Bの各々の利用可能回数(初回+再利用回数)は、各緩衝材5、5A、5Bが4つの受け面(第1受け面F1~第4受け面F4)を有していることから、一例として「4」であった。また、実施形態2及び変形例では、各緩衝材5C、5Dが8つの受け面(第1受け面F1~第8受け面F8)を有していることから、各緩衝材5C、5Dの利用可能回数(初回+再利用回数)は、一例として「8」であった。
【0217】
ただし、各緩衝材5、5A~5Dの利用可能回数は、特に制限されない。例えば、各緩衝材5、5A~5Dの利用可能回数は、各緩衝材5、5A~5Dの材質に応じて定めることができる。
【0218】
例えば、緩衝材5、5A~5Dの材質が発泡ポリスチレンの場合を検討する。一般的に、発泡ポリスチレンは、凹んだ後の復元力が比較的小さい。従って、発泡ポリスチレンは、性能が低下し易い材料である。そこで、例えば、緩衝材5(
図5)を発泡ポリスチレンで構成する場合には、1回の利用が完了するたびに、緩衝材5の姿勢を変更して、収容対象物PAの受け面(第1受け面F1~第4受け面F4)を変更する。この場合は、緩衝材5の利用可能回数(初回+再利用回数)は「4」である。従って、受け面が1つの緩衝材を毎回交換する場合と比較して、緩衝材5のコストを約1/4に低減できる。この点は、緩衝材5A、5Bについても同様である。
【0219】
また、例えば、緩衝材5C(
図19)を発泡ポリスチレンで構成する場合には、1回の利用が完了するたびに、緩衝材5Cの姿勢を変更して、収容対象物PAの受け面(第1受け面F1~第8受け面F8)を変更する。この場合は、緩衝材5Cの利用可能回数(初回+再利用回数)は「8」である。従って、受け面が1つの緩衝材を毎回交換する場合と比較して、緩衝材5Cのコストを約1/8に低減できる。この点は、他の緩衝材5Dについても同様である。
【0220】
特に、発泡ポリスチレンは、比較的安価であるため、1回の利用が完了するたびに、収容対象物PAの受け面を変更する場合でも、十分なコストメリットを享受できる。
【0221】
例えば、緩衝材5、5A~5Dの材質が発泡ポリエチレン又は発泡ポリプロピレンの場合を検討する。一般的に、発泡ポリエチレン及び発泡ポリプロピレンは、凹んだ後の復元力が比較的大きい。従って、発泡ポリエチレン及び発泡ポリプロピレンは、性能が低下し難い材料である。そこで、例えば、緩衝材5(
図5)を発泡ポリエチレン又は発泡ポリプロピレンで構成する場合には、1つの受け面(例えば、第1受け面F1)をN回使用した後に、緩衝材5の姿勢を変更して収容対象物PAの受け面を変更し、変更後の受け面(例えば、第2受け面F2)をN回使用する。以降、N回使用後の姿勢変更を繰り返す。この場合は、緩衝材5の利用可能回数(初回+再利用回数)は「4×N」である。従って、受け面が1つの緩衝材を毎回交換する場合と比較して、緩衝材5のコストを約1/4Nに低減できる。この点は、緩衝材5A、5Bについても同様である。Nは、例えば、2以上の整数である。
【0222】
また、例えば、緩衝材5Cを発泡ポリエチレン又は発泡ポリプロピレンで構成する場合には、1つの受け面をN回使用した後に、緩衝材5Cの姿勢を変更して収容対象物PAの受け面を変更し、変更後の受け面をN回使用する。以降、N回使用後の姿勢変更を繰り返す。この場合は、緩衝材5Cの利用可能回数(初回+再利用回数)は「8×N」である。従って、受け面が1つの緩衝材を毎回交換する場合と比較して、緩衝材5Cのコストを約1/8Nに低減できる。Nは2以上の整数である。この点は、緩衝材5Dについても同様である。
【0223】
(2)例えば、実施形態1において、緩衝材5(
図5)は、変更可能な受け面として、第1受け面F1及び第2受け面F2だけを有していてもよい。この場合は、緩衝材5を第1対称軸AX1の周りに180度回転することで、受け面を変更する。この場合、緩衝材5の利用可能回数(初回+再利用回数)は、緩衝材5の材質に依存して、「2」又は「2×N」である。この点は、緩衝材5A~5Dについても同様である。
【0224】
例えば、実施形態1において、緩衝材5(
図5)は、変更可能な受け面として、第1受け面F1及び第4受け面F4だけを有していてもよい。この場合は、緩衝材5を第2対称軸AX2の周りに180度回転することで、受け面を変更する。この場合、緩衝材5の利用可能回数(初回+再利用回数)は、緩衝材5の材質に依存して、「2」又は「2×N」である。また、この場合、凹部13の深さL1(
図4)は、緩衝材5の第2方向D2の長さL2の半分より浅くてもよい。この点は、緩衝材5A~5Dについても同様である。なお、例えば、緩衝材5、5A~5Dは、変更可能な受け面として、第1受け面F1及び第3受け面F3だけを有していてもよい。
【0225】
(3)例えば、実施形態2において、緩衝材5C(
図21)の第1非受け面N1の半分と、第1非受け面N1の他の半分と、第2非受け面N2の半分と、第2非受け面N2の他の半分とを、収容対象物PAの受け面として利用することもできる。この場合、例えば、緩衝材5Cを略立方体状に構成する。また、この場合、第1面FA1、第2面FA2、第3面FA3、及び、第4面FA4に、第5嵌合部53又は第6嵌合部54と同様の嵌合部を設ける。この場合、緩衝材5Cの利用可能回数(初回+再利用回数)は、緩衝材5の材質に依存して、「12」又は「12×N」である。
【0226】
(4)
図8及び
図9において、緩衝材5は第3対称軸AX3の周りに180度回転対称であるため、例えば、緩衝材5の姿勢を第2姿勢ST2から第4姿勢ST4に変更してもよい。具体的には、第2姿勢ST2の緩衝材5を第3対称軸AX3の周りに180度回転することで、第2姿勢ST2から第4姿勢ST4に変更する。この場合、第4姿勢ST4は、第2姿勢ST2の緩衝材5を前後に反転した状態である。「前後」における「前」は、容器本体1において第1方向D1内方を示し、「前後」における「後」は、容器本体1において第1方向D1外方を示す。
【0227】
緩衝材5、5A~5Dにおいて、第1受け面F1~第4受け面F4のうちのいずれか、又は、第1受け面F1~第8受け面F8のうちのいずれかが、未使用状態で収容空間SPに面する限りは、第1対称軸AX1の周りの回転であってもよいし、第2対称軸AX2の周りの回転であってもよいし、第3対称軸AX3の周りの回転であってもよい。
【0228】
(5)
図4を参照して説明した実施形態1では、凹部13の深さL1は、緩衝材5の第2方向D2の長さL2の半分と略同じであった。この点は、緩衝材5A~5Dについても同様である。
【0229】
ただし、本発明は、これに限定されない。
図28は、凹部13の寸法と緩衝材5の寸法の他の例を示す図である。
図28に示すように、凹部13の深さL1は、緩衝材5の第2方向D2の長さL1の半分より深くてもよい。この場合、収容対象物PAの受け面を、第1受け面F1から第2受け面F2に変更する際に、受け面として使用済みの第1受け面F1が収容空間SPに向けて露出することを回避できる。従って、緩衝材5の姿勢を変更した場合に、緩衝材5の性能をより確実に維持できる。この点は、緩衝材5A~5Dについても同様である。
【0230】
また、
図28に示すように、凹部13の深さL1が緩衝材5の長さL1の半分より深い場合、緩衝材5は、中間部MDを更に有する。中間部MDは、緩衝材5のうち、第1受け面F1及び第3受け面F3が形成されている部分UPと、第2受け面F2及び第4受け面F4が形成されている部分LWとの間の部分である。第1平面P1は、緩衝材5が第1姿勢ST1で凹部13に配置された状態において、底部11の表面11aに沿って緩衝材5の第2方向D2の中央部を通る。第1受け面F1及び第2受け面F2は、第1平面P1に対して互いに対称である。第3受け面F3及び第4受け面F4は、第1平面P1に対して互いに対称である。なお、中間部MD及び第1平面P1については、緩衝材5A~5Dについても同様である。
【0231】
(6)実施形態1(変形例を含む)において、緩衝材5、5A、5Bは、第1嵌合部51、51A、51B及び第2嵌合部52、52A、52Bに代えて、実施形態2の第5嵌合部53及び第6嵌合部54を有していてもよい。この場合、凹部13、13A、13Bは、第1本体嵌合部14、14A、14B及び第2本体嵌合部15、15A、15Bに代えて、実施形態2の底面嵌合部16を有する。
【0232】
(7)実施形態1、第1変形例、及び、第2変形例において、第1嵌合部51、51A、51B及び第2嵌合部52、52A、52Bの形状、並びに、第1本体嵌合部14、14A、14B及び第2本体嵌合部15、15A、15Bの形状は、緩衝材5、5A、5Bが収容空間SP側に倒れること等を抑制できる限りにおいては、特に限定されず、任意の形状を取り得る。
【0233】
また、実施形態2において、第5嵌合部53及び第6嵌合部54の形状、並びに、底面嵌合部16の形状は、緩衝材5Cが収容空間SP側に倒れること等を抑制できる限りにおいては、特に限定されず、任意の形状を取り得る。更に、実施形態2の変形例において、第1嵌合部51D、第2嵌合部52D、第3嵌合部55D、及び、第4嵌合部56Dの形状、並びに、第1本体嵌合部14D及び第2本体嵌合部15Dの形状は、緩衝材5Dが収容空間SP側に倒れること等を抑制できる限りにおいては、特に限定されず、任意の形状を取り得る。
【0234】
(8)実施形態1(変形例を含む)及び実施形態2(変形例を含む)では、一例として、第1受け面F1~第8受け面F8は平面であった。ただし、受け面が変更可能である限りにおいて、第1受け面F1~第8受け面F8は、平面に限定されず、例えば、曲面又は凸凹面を含んでいてもよい。また、緩衝材5、5A~5Dは、対称構造を有していたが、受け面が変更可能である限りにおいて、対称構造を有していなくてもよい。
【0235】
(9)
図5及び
図6を参照して規制部を説明する。
図5及び
図6に示すように、容器本体1は、規制部としての幅狭部26を、側壁部12a及び凹部13に有する。幅狭部26は、第2方向D2において、側壁部12aと凹部13とに跨っている。幅狭部26は、凹部13に配置された緩衝材5が収容空間SP側に動くことを規制する。従って、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。
【0236】
具体的には、側壁部12aの切り欠き23及び凹部13の第1部分13aは、幅広部25と、幅狭部26とを有する。規制部としての幅狭部26は、側壁部12aが延びる方向(第3方向D3)の幅が幅広部25よりも狭く、幅広部25よりも収容空間SP側に位置する。そして、緩衝材5は、切り欠き23及び凹部13に整合する形状を有する。従って、緩衝材5が、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを更に効果的に抑制できる。
【0237】
【0238】
図19及び
図20を参照して規制部について説明する。容器本体1は、規制部としての底面嵌合部16を凹部13Cに有する。底面嵌合部16は、凹部13Cに配置された緩衝材5Cが収容空間SP側に動くことを規制する。従って、緩衝材5Cが、収容空間SPの側に、傾斜したり、ずれたり、倒れたりすることを抑制できる。
【0239】
具体的には、底面嵌合部16は凸部(以下、「凸部16」と記載)である。そして、凹部13Cは、凹部13Cの底面に、規制部としての凸部16を有する。緩衝材5Cは、凹部13Cに配置されたときに凸部16に嵌合する穴である第5嵌合部53及び第6嵌合部54を有する。
【産業上の利用可能性】
【0240】
本発明は、容器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0241】
1 容器本体
5、5A~5D 緩衝材
11 底部
12、12a、12b 側壁部
13、13A~13D 凹部
13a 第1部分
13b 第2部分
14、14A、14B、14D 第1本体嵌合部
15、15A、15B、15D 第2本体嵌合部
16 底面嵌合部(凸部)
20 周辺部
21 第1領域
22 第2領域
23 切り欠き
25 幅広部
26 幅狭部(規制部)
51、51A、51B、51D 第1嵌合部
52、52A、52B、52D 第2嵌合部
53 第5嵌合部(穴)
54 第6嵌合部(穴)
55D 第3嵌合部
56D 第4嵌合部
AX1 第1対称軸
AX2 第2対称軸
AX3 第3対称軸
FA1 第1面
FA2 第2面
FA3 第3面
FA4 第4面
F1 第1受け面
F2 第2受け面
F3 第3受け面
F4 第4受け面
F5 第5受け面
F6 第6受け面
F7 第7受け面
F8 第8受け面
P1 第1平面(所定平面)
P2 第2平面
P3 第3平面
SP 収容空間