(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240422BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240422BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20240422BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20240422BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240422BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N23/63
H04N5/77 200
H04N5/92 010
G03B17/18
(21)【出願番号】P 2022139257
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2018027816の分割
【原出願日】2018-02-20
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】小川 茂夫
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/035788(WO,A1)
【文献】特開2006-025055(JP,A)
【文献】特開2010-243780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/63
H04N 5/77
H04N 5/92
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
識別子ごとに関連付けられた患者情報を格納するデータベースとネットワークを介して通信する通信部と、
前記撮像部を用いて、識別子を被写体として撮像することにより識別子画像を取得する識別子取得部と、
前記データベースと通信することにより、前
記識別子
画像に
被写体として含まれる識別子に関連付けられた患者情報を取得する患者情報取得部と、
前記撮像部を用いて
、患者を被写体として撮像
することにより患者画像を取得する
患者画像取得部と、
前記患者情報
を第1の表示態様で、前記患者画像に重畳して画面に表示するよう制御する表示制御
部と、
前記
患者画像
と前記
取得された患者情報と
を関連付けて記録媒体に記録するよう制御する記録制御部と
、
を有し、
前記患者情報が第1の表示態様で前記画面に表示された後、前記識別子取得部により他の識別子を被写体として撮像することにより他の識別子画像が取得され、前記患者情報取得部により前記他の識別子に関連付けられた他の患者情報が取得されると、前記表示制御部は、前記他の患者情報を前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で前記画面に表示するよう制御し、
前記患者情報が第1の表示態様で前記画面に表示された後、前記識別子取得部により他の識別子を被写体として撮像することにより他の識別子画像が取得され、前記患者情報取得部により前記他の識別子に関連付けられた他の患者情報が取得されなかったとき、前記表示制御部は、警告メッセージを表示するよう制御し、かつ、前記患者画像取得部は前記患者画像の取得を行わない
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記
第1の表示態様で表示される前記患者情報の表示色は、前記第2の表示態様で表示される前記他の患者情報の表示色とは異なることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記
第1の表示態様で表示される前記患者情報の表示位置は、前記第2の表示態様で表示される前記他の患者情報の表示位置とは異なることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像部を備える撮像装置の制御方法であって、
識別子ごとに関連付けられた患者情報を格納するデータベースとネットワークを介して通信するステップと、
前記撮像部を用いて、識別子を被写体として撮像することにより識別子画像を取得するステップと、
前記データベースと通信することにより、前
記識別子
画像に
被写体として含まれる識別子に関連付けられた患者情報を取得するステップと、
前記撮像部を用いて
、患者を被写体として撮像
することにより患者画像を取得するステップと、
前記患者情報
を第1の表示態様で、前記患者画像に重畳して画面に表示するよう制御するステップと、
前記
患者画像
と前記
取得された患者情報と
を関連付けて記録媒体に記録するよう制御するステップと
、
を含み、
前記患者情報が第1の表示態様で前記画面に表示された後、前記識別子画像を取得するステップが他の識別子を被写体として撮像することにより他の識別子画像が取得され、前記患者情報を取得するステップにより前記他の識別子に関連付けられた他の患者情報が取得されると、前記表示するよう制御するステップは、前記他の患者情報を前記第1の表示態様とは異なる第2の表示態様で前記画面に表示するよう制御し、
前記患者情報が第1の表示態様で前記画面に表示された後、前記識別子画像を取得するステップが他の識別子を被写体として撮像することにより他の識別子画像が取得され、前記患者情報を取得するステップにより前記他の識別子に関連付けられた他の患者情報が取得されなかったとき、前記表示するよう制御するステップは、警告メッセージを表示するよう制御し、かつ、前記患者画像を取得するステップは前記患者画像の取得を行わない
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項5】
コンピュータを請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の撮像装置の各
部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像に写るある被写体とその被写体に関する情報とを関連付ける技術が提案されている。例えば、特許文献1には、患者の写真とその患者の識別番号を表すバーコードとを対応付けて表示したシートを出力するシステムが記載されている。また、特許文献2には、患者のリストバンドに付されたバーコードから読み込んだID情報に基づいてデータベースからその患者の写真をダウンロードし、端末画面に表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-52767号公報
【文献】特開2002-230182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被写体とその被写体に関する情報との関連付けをする一態様として、撮影した被写体の画像を、その被写体に関する情報と関連付けて記録する撮像装置を構成することが考えられる。例えば、予め被写体の情報に関連付けられたバーコード等を読み取り被写体の情報を取得しておき、撮影した被写体の画像データを記録する際に、取得した被写体の情報をその画像データに関連付けることができる。
【0005】
しかしながら、撮影者が予め取得した被写体の情報を画像の撮影時に特定できない場合、撮影中の画像に写る被写体とは無関係の情報が撮影した画像データに誤って関連付けられる虞があった。
【0006】
本発明の目的は、撮影画像に被写体の情報を関連付けて記録する場合に、被写体とその情報との誤った関連付けを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、撮像部と、前記撮像部が取得した画像を表示部に表示するよう制御する表示制御部と、前記撮像部が取得した画像を画像データとして記録媒体に記録する記録部と、複数のコードの各々に関連付けられた所定の情報を格納するデータベースと、前記撮像部が取得した画像に写るコードをもとに前記データベースを検索し、前記コードに関連付けられた情報を取得する情報取得部と、を有し、前記表示制御部は、前記画像データが前記記録媒体に記録される前に、前記情報を前記撮像部が取得した画像に重ねて前記表示部に表示するよう制御し、前記記録部は、前記画像データと前記表示部に表示された前記情報とを関連付けて前記記録媒体に記録する撮像装置が提供される。
【0008】
本発明の他の一観点によれば、撮像部と、前記撮像部が取得した画像を表示部に表示するよう制御する表示制御部と、前記撮像部が取得した画像を画像データとして記録媒体に記録する記録部と、複数のコードの各々に関連付けられた所定の情報を格納するデータベースと、を有する撮像装置の制御方法であって、前記撮像部によりコードの画像を取得するステップと、前記撮像部が取得した画像に写る前記コードをもとに前記データベースを検索し、前記コードに関連付けられた情報を取得するステップと、前記撮像部により被写体の画像を取得するステップと、前記被写体の画像を画像データとして前記記録媒体に記録する前に、前記情報を前記撮像部により取得された画像に重ねて前記表示部に表示するよう制御するステップと、を有する制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影画像に被写体の情報を関連付けて記録する場合に、被写体とその情報との誤った関連付けを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による撮像装置の基本動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態による撮像装置における患者情報及び警告メッセージの表示例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による撮像装置の電源切断時における患者情報の消去処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態による撮像装置における患者情報の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による撮像装置における患者情報の表示位置の変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態による撮像装置及び撮像装置の制御方法について、
図1乃至
図7を用いて説明する。
【0012】
はじめに、本実施形態による撮像装置の概略構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態による撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態による撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態による撮像装置は、
図1に示すように、撮像部100と、表示制御部107と、記録部120と、データベース130と、情報取得部140と、制御部150と、を有する。
【0014】
撮像部100は、被写体の光学像を電気信号に変換して画像データとして出力するカメラユニットである。撮像部100は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等により構成される撮像素子を含む。撮像部100は、撮像素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を含み得る。
【0015】
データベース130は、複数のコードの各々に対して所定の情報(本実施形態では患者情報)を関連付けるための参照テーブルを格納する。コードとは、バーコード等の1次元コードやQRコード(登録商標)等の2次元コードであり、数値や文字が図形によって表された識別子である。参照テーブルは、コードから読み取った数値や文字に、患者情報を関連付けるためのものである。例えば、コードは、患者が身につけるリストバンドに付されたバーコードであり、バーコードに関連付けられた患者情報は、その患者のID番号や氏名である。
【0016】
情報取得部140は、撮像部100が取得した画像に写るコードから読み取った数値や文字をもとにデータベース130を検索し、そのコードに関連付けられた患者情報をデータベース130から取得する機能を備える。
【0017】
表示制御部107は、撮像部100が取得した画像データに基づく画像を表示部106(
図2参照)に表示するよう制御する機能を備える。また、表示制御部107は、情報取得部140がデータベース130から取得した患者情報を、撮像部100が取得した画像データに基づく画像に重ねて表示部106に表示するよう制御する機能を備える。なお、撮像部100が取得した画像データは、撮像部100が取得した画像データに基づく画像をリアルタイムで表示部106に表示する機能、いわゆるライブビュー機能にも利用される。
【0018】
記録部120は、撮像部100が取得した画像データを、図示しない記録媒体に記録する機能を備える。記録媒体は、例えばフラッシュメモリ等であり、撮像装置本体から着脱可能でもよいし、着脱不能でもよい。また、記録部120は、撮像部100が取得した画像データに、情報取得部140がデータベース130から取得した患者情報を関連付けて記録する機能を備える。なお、撮像部100が取得した画像データと、情報取得部140がデータベース130から取得した患者情報とを関連付けて記録する態様は、特に限定されるものではない。例えば、画像データに情報データを付加した1つのファイルとして記録する方法や、画像データと患者情報データとをファイル名等によって関連付けられた別々のファイルとして記録する方法等が挙げられる。
【0019】
制御部150は、撮像部100、表示制御部107、記録部120、情報取得部140の全体の制御を司る機能を備える。
【0020】
図1に示す撮像装置の各機能は、例えば
図2に示すハードウェア構成によって実現可能である。
本実施形態による撮像装置は、
図2に示すように、撮像部100と、CPU(中央処理装置)101と、RAM102と、ROM103と、バス104と、操作部105と、表示部106と、表示制御部107と、を有する。更に、撮像装置は、撮像部制御部108と、デジタル信号処理部109と、エンコーダ部110と、外部メモリ制御部111と、画像処理部112と、を有する。各部は、バス104を介して相互に通信可能に接続されている。
【0021】
撮像部100は、前述のように、被写体の光学像を電気信号に変換して画像データとして出力するカメラユニットである。
【0022】
CPU101は、撮像装置内の各構成部を統括的に制御するプロセッサである。CPU101は、制御部150としての機能を備える。RAM102は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能するメモリである。ROM103は、CPU101で実行される制御プログラム等を格納するメモリである。バス104は、各種データの伝送経路である。例えば、撮像部100が取得した画像データは、バス104を介して所定の処理部に伝送される。
【0023】
操作部105は、撮影者からの指示を撮像装置に入力するデバイスである。操作部105は、例えば電源ボタン、シャッターボタン、モードダイヤル等により構成される。モードダイヤルは、例えば、情報取得モード、撮影モード等の動作モードを切り替えるダイヤルである。
【0024】
表示部106は、画像や文字等の表示を行う表示装置であり、例えば液晶ディスプレイ等により構成される。表示部106は、タッチスクリーンとしてのタッチ入力機能を備えていてもよく、その場合はタッチスクリーンも操作部105に該当する。撮像装置がファインダーを有する場合、ファインダーも表示部106に該当する。
【0025】
表示制御部107は、表示部106に表示される画像や文字等の表示制御を行うためのインターフェースである。
【0026】
撮像部制御部108は、CPU101からの指示に基づき、例えばフォーカス調整、シャッター開閉、開口絞り調節等の撮像部100の制御を行う。
【0027】
デジタル信号処理部109は、バス104を介して受け取った画像データに対し、例えばホワイトバランス処理、ガンマ処理、ノイズ低減処理等の画像処理を行う。
【0028】
エンコーダ部110は、バス104を介して受け取った画像データを、例えばJPEG、MPEG等のファイルフォーマットに変換する処理を行う。
【0029】
外部メモリ制御部111は、撮像装置をPCや記録メディア(例えば、ハードディスク、メモリカード、CFカード、SDカード、USBメモリ等)に接続するためのインターフェースである。撮像部100が取得した画像データや画像処理部112が生成した画像データは、外部メモリ制御部111を介して、図示しない記録媒体に記録される。すなわち、外部メモリ制御部111は、記録部120としての機能を備える。
【0030】
画像処理部112は、撮像部100が取得した画像データやデジタル信号処理部109が出力した画像データを用いて、表示画像の生成等の画像処理を行う。また、画像処理部112は、撮像部100が取得した画像に写るコードを解析する。すなわち、画像処理部112は、情報取得部140としての機能を備える。
【0031】
次に、本実施形態による撮像装置の基本動作について説明する。
撮像装置は、動作モードとして、情報取得モードと、撮影モードと、を含む。情報取得モードは、撮像装置が撮影したコードに基づいてそのコードに関連付けられた患者情報をデータベース130から取得するモードである。撮影モードは、被写体の画像データを取得するモードである。動作モードは、操作部105を介した撮影者の操作により、選択することができる。なお、情報取得モードから撮影モードへの移行は、情報取得モードにおける患者情報の取得が完了したことに応じて自動的に行うようにしてもよい。
【0032】
図3は、本実施形態による撮像装置の基本動作の一例を示すフローチャートである。
図3に示すステップS301からステップS310までのうち、ステップS301からステップS305までが情報取得モードにおける動作に対応し、ステップS306からステップS310までが撮影モードにおける動作に対応する。
【0033】
まず、ステップS301において、撮像部100は、操作部105を介した撮影者の操作に応じて、コードの撮影を行う。ここでは一例として、コードが、患者が身につけるリストバンドに付されたバーコードである場合を想定する。
【0034】
次いで、ステップS302において、情報取得部140は、所定の解析手段を用いて、撮像部100が取得した画像に写るコードを読み取って解析を行い、コードが表す文字列を取得する。
【0035】
次いで、ステップS303において、情報取得部140は、撮像部100が取得した画像に写るコードの解析結果に基づいてデータベース130を検索し、そのコードに関連付けられた患者情報がデータベース130に登録されているか否かを判定する。上記の例では、データベース130に登録された患者情報は、例えば、バーコードが示す情報に関連付けられた患者のID番号や氏名である。なお、バーコードが示す情報自体が患者のID番号であり、データベース130には患者の氏名等が登録され、ID番号に基づいて患者の氏名をデータベース130から検索するようにしてもよい。
【0036】
データベース130を検索した結果、撮像部100により取得した画像に写るコードに関連付けられた情報がデータベース130に登録されていない場合(ステップS303における「NO」)には、ステップS304へと移行する。そして、ステップS304において、表示制御部107は、撮像部100により取得した画像に写るコードに関連付けられた患者情報がデータベース130に未登録である旨の警告メッセージを、表示部106に表示されているライブビュー画像に重ねて表示する。
【0037】
図4(b)は、表示部106に表示する警告メッセージの一例を示す図である。撮影したコードに関連付けられた患者情報がデータベース130に登録されていない場合には、表示制御部107は、
図4(b)に示すような警告メッセージ421をライブビュー画像400に重ねて表示する。なお、撮影したコードに関連付けられた情報がデータベース130に登録されていない場合には、撮影モードにおける撮影指示の受け付けを禁止するようにしてもよい。
【0038】
データベース130を検索した結果、撮像部100により取得した画像に写るコードに関連付けられた患者情報がデータベース130に登録されている場合(ステップS303における「YES」)には、ステップS305へと移行する。そして、ステップS305において、情報取得部140は、撮像部100が取得した画像に写るコードに関連付けられた患者情報をデータベース130から取得する。
【0039】
撮影モードでは、情報取得モードにおいて撮影したコードに関連する被写体の撮影を行う。上記の例では、被写体は、バーコードが付されたリストバンドを身につけた患者である。
【0040】
次いで、ステップS306において、表示制御部107は、撮影モードにおいて被写体の撮影指示が行われるまでの間、情報取得部140がデータベース130から取得した患者情報を、表示部106に表示されているライブビュー画像に重ねて表示する。患者情報をライブビュー画像に重ねて表示することにより、撮影者は、撮影しようとする被写体の画像データに関連付けて記録される予定の患者情報を一見して把握することができる。例えば、コードの撮影に失敗して前回の被写体の患者情報のままであったり、コードの読み取りを誤って異なる患者情報を取得したりしている等のエラーがあれば、撮影者がライブビュー画像の被写体と患者情報が一致しないことに簡単に気づくことができる。そして、撮影者は、被写体が身につけているリストバンドのコードを撮影し直し、上述のステップS301からの処理をやり直すことにより、正しい患者情報へ変更することができる。よって、被写体とその患者情報との誤った関連付けを防止することができる。なお、表示部106への患者情報の表示は、連続的でもよいし、断続的でもよい。
【0041】
図4(a)は、表示部106に表示する患者情報の一例を示す図である。情報取得モードにおいて撮影したコードに関連付けられた患者情報がデータベース130に登録されている場合には、表示制御部107は、
図4(a)に示すような患者情報をライブビュー画像400に重ねて表示する。この例におけるコードは、例えば、患者が身につけるリストバンドに付されたバーコードであり、バーコードに関連付けられた患者情報は、その患者のID番号や氏名である。なお、
図4(a)においては、情報取得モードにおいて撮影したバーコードのサムネイル画像410、患者のID番号411、患者の氏名412が表示部106に表示されているが、バーコードのサムネイル画像410を表示しないようにしてもよい。
【0042】
次いで、ステップS307において、制御部150は、撮影者によりシャッターボタンが半押しされているか否かを判定する。シャッターボタンが半押しされていると判定された場合(ステップS307における「YES」)には、ステップS308へと移行する。一方、シャッターボタンが半押しされていないと判定された場合(ステップS307における「NO」)には、表示部106に患者情報を表示した状態を維持し、ステップS307に戻る。なお、制御部150は、撮影者によるシャッターボタンへの操作を、全押しと半押しの2段階で検出する。
【0043】
次いで、ステップS308において、表示制御部107は、表示部106に表示している患者情報を非表示にする。シャッターボタンの半押しは、撮影しようとする被写体を撮影者が確定したことを示す動作、すなわち、撮影指示の開始であると考えられる。患者情報を非表示にすることで、患者情報に邪魔されることなく、撮影者が撮影しようとする被写体を表示部106において、より確認し易くすることができる。なお、本実施形態ではシャッターボタンが半押しされていると判定された場合に、患者情報を非表示にするようにしたが、シャッターボタンの代わりに他の操作部材が操作されたことを検知することにより、非表示にするようにしてもよい。また、患者情報を表示した後、所定時間が経過すると、非表示にするようにしてもよい。
【0044】
次いで、ステップS309において、制御部150は、撮影者によりシャッターボタンが全押しされて被写体の撮影画像の記録指示が行われたか否かを判定する。被写体の撮影画像の記録指示が行われたと判定された場合(ステップS309における「YES」)には、ステップS310へと移行する。一方、被写体の撮影画像の記録指示が行われていないと判定された場合(ステップS309における「NO」)には、ステップS306に戻り、表示制御部107は、再び患者情報を表示部106に表示されているライブビュー画像に重ねて表示する。制御部150は、例えば、シャッターボタンの押下操作が解除された場合や、撮影者がシャッターボタンを押す力を弱めて半押しを止めて検出されなくなった場合等に、被写体の撮影画像の記録指示が行われていないと判定する。
【0045】
次いで、ステップS310において、記録部120は、シャッターボタンの全押しが検知されたことに応答して、撮像部100が取得した被写体の画像データを、情報取得部140がデータベース130から取得した患者情報に関連付けて記録媒体に記録する。
【0046】
情報取得モードにおいて撮影したコードに基づいて、ステップS305においてデータベース130から取得した患者情報は、撮影モードにおいて取得した被写体の画像データに関連付けて記録する予定の情報として、RAM102等のメモリに一時的に保持される。ステップS306において患者情報を表示する際には、このメモリに保持されている患者情報が読み出されて、ライブビュー画像とともに表示部106に表示される。また、ステップS310において被写体の画像データを記録する際には、このメモリに保持されている患者情報が、被写体の画像データに関連付けて記録される患者情報として読み出される。メモリに保持された患者情報は、情報取得モードにおいてステップS301からS305までの処理が実行され、新たな患者情報が取得されるたびに書き換えられる。
【0047】
また、撮影者の操作により、メモリに保持された患者情報を任意に消去できるようにしてもよい。メモリに保持された患者情報は、撮像装置の電源切断と連動して消去することも可能である。例えば、撮影者の設定により、撮像装置の電源切断時にメモリに保持された患者情報を自動的に消去するようにしてもよい。また、メモリに保持された患者情報を消去するか否かについて、撮像装置の電源切断時に撮影者に問い合わせることにより、メモリに保持された患者情報を消去するか又は電源切断後も保持するかを撮影者が選択できるようにしてもよい。
【0048】
図5は、撮像装置の電源切断時における患者情報の消去処理の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、ステップS501において、制御部150は、操作部105を介した撮影者の操作に応じて電源切断する時に、メモリに保持された患者情報を自動消去する設定であるか否かを判定する。
【0050】
判定の結果、自動消去する設定である場合(ステップS501における「YES」)には、ステップS502へと移行する。そして、ステップS502において、制御部150は、メモリに保持された患者情報を消去する。その後、ステップS503へと移行する。一方、自動消去する設定でない場合(ステップS501における「NO」)には、メモリに保持された患者情報を消去することなく、ステップS503へと移行する。
【0051】
次いで、ステップS503において、制御部150は、所定のシャットダウン・シーケンスに基づいて撮像装置の電源を切断する。その際、メモリに患者情報が保持されている場合には(S501における「NO」)、必要に応じて、その患者情報を不揮発性メモリ等に退避する等、メモリに保持された患者情報が電源切断により消失しないようにするための所定の処理を行う。
【0052】
撮像装置の電源投入時に患者情報が保持されている場合には、保持されている患者情報を直ちに、表示部106に表示するようにしてもよい。
【0053】
次に、本実施形態による患者情報の表示処理について説明する。
撮像装置は、取得した患者情報を、
図3におけるステップS306の患者情報表示処理において、ライブビュー画像に重ねて表示する。この際、撮像装置は、患者情報を再取得する場合には、再取得した患者情報の表示位置を変更するようにしてもよい。患者情報の表示位置を変更することにより、表示する患者情報が変更されたことの視認性を高めることができる。なお、表示する患者情報が変更されたことの視認性を高めるために、患者情報の表示位置を変更するのではなく、表示色を変更するようにしてもよいし、患者情報の表示位置の変更と、表示色の変更とを合わせて行うようにしてもよい。
【0054】
図6は、本実施形態による撮像装置における患者情報の表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6においては、表示部106における患者情報の表示位置が3箇所である場合について説明する。
【0055】
まず、ステップS601において、制御部150は、カウンタ変数iの値を0に設定する。制御部150は、例えば、情報取得部140が患者情報を取得した場合や、撮像装置の電源投入時に保持されている患者情報を初期表示すると判定した場合等に、カウンタ変数iの値を0に設定する。以下、撮像装置の電源投入時の場合を一例として説明する。
【0056】
次いで、ステップS602において、制御部150は、患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+1)件目の表示であるか否かを判定する。
【0057】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+1)件目の表示であると判定された場合(ステップS602における「YES」)には、ステップS603へと移行する。そして、ステップS603において、表示制御部107は、表示部106の第1表示位置720に患者情報を表示する。
図7(a)は、表示部106における患者情報の第1表示位置720の一例を示す図である。
【0058】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+1)件目の表示でないと判定された場合(ステップS602における「NO」)には、ステップS604へと移行する。そして、ステップS604において、制御部150は、患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+2)件目の表示であるか否かを判定する。
【0059】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+2)件目の表示であると判定された場合(ステップS604における「YES」)には、ステップS605へと移行する。そして、ステップS605において、表示制御部107は、表示部106の第1表示位置720とは異なる第2表示位置721に患者情報を表示する。
図7(b)は、表示部106における患者情報の第2表示位置721の一例を示す図である。
【0060】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+2)件目の表示でないと判定された場合(ステップS604における「NO」)には、ステップS606へと移行する。そして、ステップS606において、制御部150は、患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+3)件目の表示であるか否かを判定する。
【0061】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+3)件目の表示であると判定された場合(ステップS606における「YES」)には、ステップS607へと移行する。そして、ステップS607において、表示制御部107は、表示部106の第1表示位置720及び第2表示位置721とは異なる第3表示位置722に患者情報を表示する。
図7(c)は、表示部106における患者情報の第3表示位置722の一例を示す図である。
【0062】
患者情報が撮像装置の電源投入後の(3i+3)件目の表示でないと判定された場合(ステップS606における「NO」)には、ステップS608へと移行する。そして、ステップS608において、制御部150は、カウンタ変数iに1を加算してステップS602に戻る。以降、患者情報の表示位置が決まるまで、ステップS602からステップS608までを繰り返す。すなわち、撮像装置の電源投入後、1件目の患者情報は第1表示位置720に、2件目は第2表示位置721に、3件目は第3表示位置722に表示される。更に、4件目は再び第1表示位置720に表示され、5件目以降についても順番に表示位置が変更される。患者情報の表示位置を変更することにより、患者情報が変更されたことを一見して把握することができる。
【0063】
このように、本実施形態によれば、撮影画像に被写体の情報を関連付けて記録する場合に、被写体とその情報との誤った関連付けを防止することができる。
【0064】
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、撮像装置は、顔認証機能を更に備えていてもよい。撮像装置は、取得した患者情報が人物の顔画像データに関連付けて予め登録されている場合には、その顔画像データと、ライブビュー画像に写る人物の顔とを照合し、別人物と判定した時に警告する。例えば、撮像装置が、Aさんの顔画像データに関連付けて予め登録されているAさんの患者情報をメモリに保持している時に、Bさんを撮影してライブビュー画像に表示している場合を一例として説明する。この場合、撮像装置は、Aさんの顔画像データとBさんの顔とを照合し、別人物であると判定して警告を行う。よって、撮影者は、Aさんの患者情報を、誤ってBさんの写る撮影画像に関連付けて記録することを防止することができる。
【0065】
また、上述の実施形態では、被写体の撮影画像データに関連付けて記録する情報を、コードに関連付けられた患者情報として説明したが、そのコードのサムネイル画像データも合わせて被写体の撮影画像データに関連付けて記録してもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、被写体を人物として説明したが、被写体は、情報取得モードにおいて撮影したコードに関連していればよく、必ずしも人物でなくてもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、表示部106における患者情報の表示位置を3箇所として説明したが、患者情報の表示位置は、必ずしも3箇所でなくてもよい。
【0068】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0069】
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
100…撮像部
106…表示部
107…表示制御部
120…記録部
130…データベース
140…情報取得部
150…制御部