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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】乳母車
(51)【国際特許分類】
   B62B 7/08 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
B62B7/08
【請求項の数】 24
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022146835
(22)【出願日】2022-09-15
(65)【公開番号】P2023043868
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】202111089505.6
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111160344.5
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジレン
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0104729(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110329334(CN,A)
【文献】特開2016-049973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0385044(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0308552(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルの端部に接続された第1の固定部材であって、第1の傾斜駆動面を有する第1の固定部材と、
前記第1の固定部材に枢動可能に接続された第2の固定部材と、
前記第2の固定部材に接続された後脚と、
前記第2の固定部材に枢動可能に接続された前脚と、
前記ハンドルに配置されたロック解除部材と、
前記第1の固定部材と前記第2の固定部材との間に配置された第1のロック部材であって、前記第1の固定部材および前記第2の固定部材と係合して、前記ハンドル、前記後脚、および前記前脚を第1の展開位置にロックする第1のロック部材と、
前記第1の固定部材に配置され、前記第1のロック部材に当接する回転部材と、
前記ロック解除部材と前記回転部材に連結されている引張部材と、を備え、
前記ロック解除部材が前記引張部材を引っ張ると、前記引張部材は前記回転部材を駆動して回転させ、前記第1の傾斜駆動面は前記回転部材に当接して該回転部材を前記第1のロック部材に向かって押し、前記回転部材が前記第1のロック部材を前記第2の固定部材に向かって押して前記第1の固定部材から前記第1のロック部材を係合解除する、
乳母車。
【請求項2】
前記第1の固定部材および前記回転部材に当接する第1の弾性部材をさらに備え、
前記引張部材が前記回転部材を駆動して回転させると、前記回転部材は前記第1の弾性部材を圧縮する、請求項1に記載の乳母車。
【請求項3】
前記第1の固定部材が突出部を有し、前記回転部材がスロットを有し、前記突出部と前記第1の弾性部材が前記スロット内に配置され、前記第1の弾性部材の一方端部が前記突出部に当接し、前記第1の弾性部材の他方端部は前記スロットの側壁に当接する、請求項2に記載の乳母車。
【請求項4】
前記第1のロック部材と前記第2の固定部材との間に配置された第2の弾性部材をさらに備え、前記回転部材が前記第1のロック部材を前記第2の固定部材に向かって押すと、前記第1のロック部材は前記第2の弾性部材を圧縮する、請求項1に記載の乳母車。
【請求項5】
前記第1の固定部材は第1の係合凹部を有し、前記第2の固定部材は第2の係合凹部を有し、前記第1のロック部材は第1の係合部を有し、該第1の係合部は前記第1の係合凹部および前記第2の係合凹部と係合する、請求項1に記載の乳母車。
【請求項6】
前記第1の固定部材は傾斜停止面を有し、前記ハンドル、前記後脚、および前記前脚が第1の折り畳み位置にあるとき、前記傾斜停止面は前記第1のロック部材を停止し、前記ハンドルが前記第1の展開位置に向かって回転すると、前記傾斜停止面が前記第1のロック部材を前記第1の固定部材から押し離す、請求項1に記載の乳母車。
【請求項7】
前記第1の固定部材は第1の枢動部を有し、前記第2の固定部材は第2の枢動部を有し、前記第1のロック部材は第1の貫通孔を有し、前記回転部材は第2の貫通孔を有し、前記第1の枢動部および前記第2の枢動部は、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔を貫通して互いに枢動可能に接続されている、請求項1に記載の乳母車。
【請求項8】
ボトムチューブ、連結部材、およびバスケットチューブをさらに備え、前記ボトムチューブ、前記連結部材、および前記バスケットチューブは互いに枢動可能に接続され、前記ボトムチューブは前記前脚に枢動可能に接続され、前記連結部材は前記第1の固定部材に枢動可能に接続され、前記バスケットチューブは前記後脚に枢動可能に接続されている、請求項1に記載の乳母車。
【請求項9】
シートをさらに含み、該シートは、
前記第1の固定部材に接続されているサポートベースと、
前記サポートベースに接続された背もたれと、
前記サポートベースに枢動可能に接続されたフットレストと、
前記サポートベースと前記フットレストとの間に配置された第2のロック部材であって、前記背もたれに対して第2の展開位置で前記フットレストをロックする第2のロック部材と、を備え、
前記フットレストが前記背もたれに対して回転すると、前記フットレストが前記第2のロック部材を駆動してロックを解除する、
請求項1に記載の乳母車。
【請求項10】
前記シートは、前記フットレストと前記第2のロック部材との間に配置された第3の弾性部材をさらに備え、前記フットレストが前記第2のロック部材を駆動してロックを解除すると、前記第2のロック部材が前記第3の弾性部材を圧縮する、請求項9に記載の乳母車。
【請求項11】
前記サポートベースは第3の枢動部を含み、前記フットレストは第4の枢動部を含み、前記第3の枢動部は前記第4の枢動部に挿入され、前記フットレストは前記サポートベースに枢動可能に接続されている、請求項9に記載の乳母車。
【請求項12】
前記フットレストは収容凹部を備え、前記第2のロック部材は前記収容凹部内に移動可能に配置され、前記第2のロック部材は前記フットレストと共に回転するように構成されている、請求項9に記載の乳母車。
【請求項13】
前記サポートベースは第2の傾斜駆動面を備え、前記フットレストが前記第2の展開位置から前記背もたれに対して回転すると、前記第2の傾斜駆動面が前記第2のロック部材を前記フットレストに向かって押して移動させ、前記第2のロック部材を駆動してロックを解除する、請求項9に記載の乳母車。
【請求項14】
前記サポートベースは、前記第2の傾斜駆動面の端部に位置する停止部をさらに含み、該停止部は、前記フットレストが前記第2の展開位置に保持されるように、前記第2のロック部材を停止させる、請求項13に記載の乳母車。
【請求項15】
前記シートは前記フットレストに枢動可能に接続されたアームバーをさらに含み、前記フットレストはガイド溝を含み、前記アームバーはガイドピラーを含み、該ガイドピラーは前記ガイド溝に挿入され、前記フットレストが前記背もたれに対して折り畳まれたり展開されたりすると、前記ガイド溝の端部が前記ガイドピラーを押して前記アームバーを前記背もたれに対して折り畳んだり展開したりする、請求項9に記載の乳母車。
【請求項16】
前記アームバーは、取り外し可能かつ枢動可能に前記フットレストに接続されている、請求項15に記載の乳母車。
【請求項17】
ハンドルと、
前記ハンドルの端部に接続された第1の固定部材と、
前記第1の固定部材に枢動可能に接続された第2の固定部材と、
前記第2の固定部材に接続された後脚と、
前記第2の固定部材に枢動可能に接続された前脚と、
前記前脚に枢動可能に接続されたボトムチューブと、
前記第1の固定部材に枢動可能に接続された連結部材と、
前記後脚に枢動可能に接続されたバスケットチューブと、
シートと、を備え、
前記ボトムチューブ、前記連結部材、および前記バスケットチューブが互いに枢動可能に接続されており、
前記シートは、前記第1の固定部材に接続されているサポートベースと、
前記サポートベースに接続された背もたれと、
前記サポートベースに枢動可能に接続されたフットレストと、
前記サポートベースと前記フットレストとの間に配置された第2のロック部材であって、前記背もたれに対して第2の展開位置で前記フットレストをロックする第2のロック部材と、を備え、
前記フットレストが前記背もたれに対して回転すると、前記フットレストが前記第2のロック部材を駆動してロックを解除し、
前記ハンドルが回転して乳母車を折り畳んだり展開したりすると、前記ハンドルは前記後脚、前記前脚、前記ボトムチューブ、前記連結部材、および前記バスケットチューブを駆動して折り畳みまたは展開するように枢動する、
乳母車。
【請求項18】
前記シートは、前記フットレストと前記第2のロック部材との間に配置された第3の弾性部材をさらに備え、前記フットレストが前記第2のロック部材を駆動してロックを解除すると、前記第2のロック部材が前記第3の弾性部材を圧縮する、請求項17に記載の乳母車。
【請求項19】
前記サポートベースは第3の枢動部を含み、前記フットレストは第4の枢動部を含み、前記第3の枢動部は前記第4の枢動部に挿入され、前記フットレストは前記サポートベースに枢動可能に接続されている、請求項17に記載の乳母車。
【請求項20】
前記フットレストは収容凹部を備え、前記第2のロック部材は前記収容凹部内に移動可能に配置され、前記第2のロック部材は前記フットレストと共に回転するように構成されている、請求項17に記載の乳母車。
【請求項21】
前記サポートベースは第2の傾斜駆動面を備え、前記フットレストが前記第2の展開位置から前記背もたれに対して回転すると、前記第2の傾斜駆動面が前記第2のロック部材を前記フットレストに向かって押して前記第2のロック部材を駆動してロックを解除する、請求項17に記載の乳母車。
【請求項22】
前記サポートベースは、前記第2の傾斜駆動面の端部に配置された停止部をさらに備え、該停止部は、前記フットレストが前記第2の展開位置に保持されるように、前記第2のロック部材を停止させる、請求項21に記載の乳母車。
【請求項23】
前記シートは前記フットレストに枢動可能に接続されたアームバーをさらに含み、前記フットレストはガイド溝を含み、前記アームバーはガイドピラーを含み、該ガイドピラーは前記ガイド溝に挿入され、前記フットレストが前記背もたれに対して折り畳まれたり展開されたりすると、前記ガイド溝の端部が前記ガイドピラーを押して前記アームバーを前記背もたれに対して折り畳んだり展開したりする、請求項17に記載の乳母車。
【請求項24】
前記アームバーは、取り外し可能かつ枢動可能に前記フットレストに接続されている、請求項23に記載の乳母車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乳母車に関し、より詳細には、操作が便利で構造が簡単な折り畳み機構を有する乳母車に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、赤ちゃんや子供を乗せて買い物に行く親が用いる道具である。現在、保管や輸送を容易にするために、さまざまな折り畳み式のベビーカーがある。しかしながら、従来のベビーカーの折り畳み機構は、操作が煩雑であるだけでなく、複雑である。したがって、操作および保守が不便であり、ベビーカーの製造コストも増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前述の問題を解決するために、操作が便利で構造が簡単な折り畳み機構を備えた乳母車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、乳母車は、ハンドルと、第1の固定部材と、第2の固定部材と、後脚と、前脚と、ロック解除部材と、第1のロック部材と、回転部材と、引張部材とを備える。第1の固定部材はハンドルの端部に接続される。第1の固定部材は第1の傾斜駆動面(inclined driving surface)を有する。第2の固定部材は第1の固定部材に枢動可能(pivotally)に接続される。後脚は第2の固定部材に接続される。前脚は第2の固定部材に枢動可能に接続される。ロック解除部材はハンドルに配置される。第1のロック部材は第1の固定部材と第2の固定部材との間に配置される。第1のロック部材は、第1の固定部材および第2の固定部材と係合して、ハンドル、後脚および前脚を第1の展開位置(unfolded position)にロックする。回転部材は第1の固定部材に配置され、第1のロック部材に当接する。引張部材はロック解除部材および回転部材に接続されている。ロック解除部材が引張部材を引っ張ると、引張部材が回転部材を回転駆動し、第1の傾斜駆動面が回転部材を第1のロック部材に向かって押し、回転部材が第1のロック部材を第2の固定部材に向かって押して、第1の固定部材から第1のロック部材を係合解除する。
【0005】
好ましくは、乳母車は、第1の固定部材および回転部材に当接する第1の弾性部材をさらに備える。引張部材が回転部材を回転駆動すると、回転部材は第1の弾性部材を圧縮する。
【0006】
好ましくは、第1の固定部材は突出部を有し、回転部材はスロットを有し、突出部および第1の弾性部材はスロット内に配置され、第1の弾性部材の一方端部は突出部に当接し、第1の弾性部材の他方端部はスロットの側壁に当接する。
【0007】
好ましくは、乳母車は、第1のロック部材と第2の固定部材との間に配置された第2の弾性部材をさらに備える。回転部材が第1のロック部材を第2の固定部材に向かって押すと、第1のロック部材は第2の弾性部材を圧縮する。
【0008】
好ましくは、第1の固定部材は第1の係合凹部を有し、第2の固定部材は第2の係合凹部を有し、第1のロック部材は第1の係合部を有し、第1の係合部は第1の係合凹部及び第2の係合凹部と係合する。
【0009】
好ましくは、第1の固定部材は、傾斜停止面(inclined stop surface)を有する。ハンドル、後脚および前脚が第1の折り畳み位置にあるとき、傾斜停止面が第1のロック部材を停止する。ハンドルが第1の展開位置に向かって回転すると、傾斜停止面が第1のロック部材を第1の固定部材から遠ざけるように押す。
【0010】
好ましくは、第1の固定部材は第1の枢動部(pivot portion)を有し、第2の固定部材は第2の枢動部を有し、第1のロック部材は第1の貫通孔を有し、回転部材は第2の貫通孔を有し、第1の枢動部および第2の枢動部は、第1の貫通孔および第2の貫通孔を貫通して互いに枢動可能に接続されている。
【0011】
好ましくは、乳母車は、ボトムチューブ(bottom tube)、連結部材(linking member)、およびバスケットチューブ(basket tube)をさらに備え、ボトムチューブ、連結部材、およびバスケットチューブは互いに枢動可能に連結され、ボトムチューブは前脚に枢動可能に連結され、連結部材は第1の固定部材に枢動可能に接続され、バスケットチューブは後脚に枢動可能に接続されている。
【0012】
好ましくは、乳母車はシートをさらに備える。シートは、サポートベース、背もたれ、フットレスト、および第2のロック部材を備える。サポートベースは、第1の固定部材に接続されている。背もたれはサポートベースに接続されている。フットレストは、サポートベースに枢動可能に接続されている。第2のロック部材は、サポートベースとフットレストとの間に配置されている。第2のロック部材は、背もたれに対して第2の展開位置でフットレストをロックする。フットレストが背もたれに対して回転すると、フットレストが第2のロック部材を駆動してロックを解除する。
【0013】
好ましくは、シートは、フットレストと第2のロック部材との間に配置された第3の弾性部材をさらに備える。フットレストが第2のロック部材を駆動してロックを解除すると、第2のロック部材が第3の弾性部材を圧縮する。
【0014】
好ましくは、サポートベースは第3の枢動部を含み、フットレストは第4の枢動部を含み、第3の枢動部は第4の枢動部に挿入され、フットレストはサポートベースに枢動可能に接続されている。
【0015】
好ましくは、フットレストは収容凹部を含み、第2のロック部材は収容凹部内に移動可能に配置される。第2のロック部材はフットレストと共に回転するように構成される。
【0016】
好ましくは、サポートベースは、第2の傾斜駆動面を備える。フットレストが第2の展開位置から背もたれに対して回転すると、第2の傾斜駆動面が第2のロック部材を押してフットレストに向かって移動し、第2のロック部材を駆動してロックを解除する。
【0017】
好ましくは、サポートベースは、第2の傾斜駆動面の端部に停止部をさらに備え、停止部は、フットレストが第2の展開位置に保持されるように第2のロック部材を停止させる。
【0018】
好ましくは、シートはフットレストに枢動可能に連結されたアームバーをさらに含み、フットレストはガイド溝を含み、アームバーはガイドピラーを含み、ガイドピラーはガイド溝に挿入される。フットレストが背もたれに対して折り畳まれたり展開されたりすると、ガイド溝の端部がガイドピラーを押してアームバーを背もたれに対して折り畳んだり展開したりする。
【0019】
好ましくは、アームバーはフットレストに取り外し可能に接続されている。
【0020】
本開示の一実施形態によれば、乳母車は、ハンドル、第1の固定部材、第2の固定部材、後脚、前脚、ボトムチューブ、連結部材、およびバスケットチューブを備える。第1の固定部材はハンドルの端部に接続されている。第2の固定部材は第1の固定部材に枢動可能に接続されている。後脚は第2の固定部材に接続されている。前脚は第2の固定部材に枢動可能に接続されている。ボトムチューブは前脚に枢動可能に接続されている。連結部材は第1の固定部材に枢動可能に接続されている。バスケットチューブは後脚に枢動可能に接続されている。ボトムチューブ、連結部材、およびバスケットチューブは、互いに枢動可能に接続されている。乳母車を折り畳んだり展開したりするためにハンドルが回転すると、ハンドルは後脚、前脚、ボトムチューブ、連結部材、およびバスケットチューブを駆動して、折り畳みまたは展開するように枢動する。
【0021】
好ましくは、乳母車はシートをさらに備える。シートは、サポートベース、背もたれ、フットレスト、および第2のロック部材を備える。サポートベースは、第1の固定部材に接続されている。背もたれはサポートベースに接続されている。フットレストはサポートベースに枢動可能に接続されている。第2のロック部材はサポートベースとフットレストとの間に配置されている。第2のロック部材は背もたれに対して第2の展開位置でフットレストをロックする。フットレストが背もたれに対して回転すると、フットレストが第2のロック部材を駆動してロックを解除する。
【0022】
好ましくは、シートは、フットレストと第2のロック部材との間に配置された第3の弾性部材をさらに備える。フットレストが第2のロック部材を駆動してロックを解除すると、第2のロック部材が第3の弾性部材を圧縮する。
【0023】
好ましくは、サポートベースは第3の枢動部を含み、フットレストは第4の枢動部を含み、第3の枢動部は第4の枢動部に挿入され、フットレストはサポートベースに枢動可能に接続されている。
【0024】
好ましくは、フットレストは収容凹部を含み、第2のロック部材は収容凹部内に移動可能に配置されている。第2のロック部材はフットレストと共に回転するように構成されている。
【0025】
好ましくは、サポートベースは、第2の傾斜駆動面を備える。フットレストが第2の展開位置から背もたれに対して回転すると、第2の傾斜駆動面が第2のロック部材を押してフットレストに向かって移動し、第2のロック部材を駆動してロックを解除する。
【0026】
好ましくは、サポートベースは、第2の傾斜駆動面の端部に停止部をさらに備え、停止部は、フットレストが第2の展開位置に保持されるように第2のロック部材を停止させる。
【0027】
好ましくは、シートはフットレストに枢動可能に連結されたアームバーをさらに含み、フットレストはガイド溝を含み、アームバーはガイドピラーを含み、ガイドピラーはガイド溝に挿入される。フットレストが背もたれに対して折り畳まれたり展開されたりすると、ガイド溝の端部がガイドピラーを押してアームバーを背もたれに対して折り畳んだり展開したりする。
【0028】
好ましくは、アームバーはフットレストに取り外し可能に接続されている。
【0029】
上述のように、ユーザがロック解除部材を引っ張っている限り、引張部材は回転部材を駆動して回転させ、第1のロック部材を第2の固定部材に向かって押し、第1のロック部材を第1の固定部材から係合解除する。このとき、ハンドル、後脚、前脚は互いに回転して折り畳むことができる。本開示は、ロック解除部材、第1のロック部材、回転部材、および引張部材を利用して乳母車の折り畳み機構を形成し、構造が単純であるだけでなく、操作が便利であり、それによって乳母車の製造コストをさらに削減する。さらに、ユーザがフットレストを回転させる限り、シートはそれに応じて折り畳まれたり展開されたりする。第2のロック部材とサポートベースの第2の傾斜駆動面との協働により、本開示のシートは、フットレストを回転させることによって迅速に折り畳むことができ、構造が単純であるだけでなく操作がし易い。本開示のシートは、個別の折り畳み機構を備える必要がないので、シートおよび乳母車の製造コストをさらに削減することができる。
【0030】
本開示のこれらおよび他の目的は、様々な図示や図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る乳母車を示す側面図である。
図2図2は、図1に示すシートを折り畳んだ状態の側面図である。
図3図3は、図2に示す乳母車を折り畳んだ状態の側面図である。
図4図4は、図2に示す乳母車においてシートがない状態を示す斜視図である。
図5図5は、図4に示す乳母車を折り畳んでいるプロセスを示す斜視図である。
図6図6は、ハンドルとロック解除部材を示す断面図である。
図7図7は、第1の固定部材、回転部材、及び、第1の弾性部材を示す組立図である。
図8図8は、第2の固定部材と第1のロック部材の分解図である。
図9図9は、第1の固定部材を示す斜視図である。
図10図10は、第2の固定部材を示す斜視図である。
図11図11は、第1のロック部材を停止させる第1の固定部材の傾斜停止面を示す斜視図である。
図12図12は、本開示の別の実施形態による乳母車を示す斜視図である。
図13図13は、図12に示すシートを示す斜視図である。
図14図14は、図13に示すシートを折り畳んだ状態の斜視図である。
図15図15は、図13に示すフットレストおよびサポートベースを示す分解図である。
図16図16は、図15に示すフットレストと第2のロック部材の組立図である。
図17図17は、第2のロック部材を押すサポートベースの第2の傾斜駆動面を示す斜視図である。
図18図18は、ロック位置にある第2のロック部材を示す断面図である。
図19図19は、ロック解除位置にある第2のロック部材を示す断面図である。
図20図20は、図13に示すフットレストおよびアームバーを別の角度から示す斜視図である。
図21図21は、図20に示すフットレストとアームバーの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から図11を参照すると、図1は本発明の一実施形態に係る乳母車1の側面図であり、図2図1に示すシート26を折り畳んだ状態の側面図であり、図3図2に示す乳母車1を折り畳んだ状態の側面図であり、図4図2に示す乳母車1においてシート26がない状態を示す斜視図であり、図5図4に示す乳母車1を折り畳んでいるプロセスを示す斜視図であり、図6はハンドル10とロック解除部材28を示す断面図であり、図7は第1の固定部材12、回転部材32、および第1の弾性部材36を示す組立図であり、図8は第2の固定部材14と第1のロック部材30の分解図であり、図9は第1の固定部材12を示す斜視図であり、図10は第2の固定部材14を示す斜視図であり、図11は第1のロック部材30を停止させる第1の固定部材12の傾斜停止面128を示す斜視図である。
【0033】
図1から図5に示すように、本開示の乳母車1は、ハンドル10、第1の固定部材12、第2の固定部材14、後脚16、前脚18、ボトムチューブ20、連結部材22、バスケットチューブ24、およびシート26を備える。乳母車1は、ベビーカー、または、乳幼児や物を運ぶために使用される他の装置であってもよい。本開示の乳母車1の構造は、2つの側面に関して実質的に対称であり、本開示の技術的特徴は、以下において、2つの側面のうちの1つの構造によって説明されることに留意されたい。
【0034】
図1から図5に示すように、第1の固定部材12はハンドル10の端部に接続され、第2の固定部材14は第1の固定部材12に枢動可能に接続され、後脚16は第2の固定部材14に接続され、前脚18は第2の固定部材14に枢動可能に接続されている。ボトムチューブ20、連結部材22、およびバスケットチューブ24は、互いに枢動可能に接続されている。ボトムチューブ20は前脚18に枢動可能に接続され、連結部材22は第1の固定部材12に枢動可能に接続され、バスケットチューブ24は後脚16に枢動可能に接続されている。この実施形態では、連結部材22はL字型構造であってもよい。図5に示すように、ボトムチューブ20と前脚18との間に第1の枢動点(pivot point)P1があり、前脚18と第2の固定部材14との間に第2の枢動点P2があり、連結部材22と第1の固定部材12との間に第3の枢動点P3があり、第2の固定部材14とハンドル10との間に第4の枢動点P4があり、バスケットチューブ24と後脚16との間に第5の枢動点P5があり、ボトムチューブ20、連結部材22、およびバスケットチューブ24の間に第6の枢動点P6がある。ユーザが乳母車1を折り畳んだり展開したいとき、ユーザはハンドル10を回転させることができる。ハンドル10が回転して乳母車1を折り畳んだり展開したりすると、ハンドル10は後脚16、前脚18、ボトムチューブ20、連結部材22、およびバスケットチューブ24を駆動して、折り畳みまたは展開される第1から第6の枢動点P1~P6に対して枢動する。
【0035】
図1および図2に示すように、シート26は第1の固定部材12に設置される。この実施形態では、シート26は、サポートべース260、背もたれ262およびフットレスト264を備えてもよい。サポートベース260は、第1の固定部材12に接続されている。好ましくは、サポートベース260は、シート26を乳母車1から取り外すことができるように、第1の固定部材12に取り外し可能に接続されている。背もたれ262はサポートベース260に接続され、フットレスト264はサポートベース260に枢動可能に接続されている。したがって、フットレスト264は、背もたれ262に対して回転して折り畳みまたは展開することができる。乳母車1を折り畳むとき、ユーザは、背もたれ262に対してフットレスト264を回転させて、図2に示すように、シート26を最初に折り畳むことができる。次に、ユーザは、ハンドル10を下向きに回転させて、後脚16、前脚18、ボトムチューブ20、連結部材22、およびバスケットチューブ24を駆動して、図3に示す第1の折り畳み位置まで互いに対して回転させる。この実施形態では、背もたれ262およびフットレスト264は、U字形のチューブであってもよいが、これに限定されない。実際の適用では、背もたれ262およびフットレスト264は、着座のためのシート領域を形成するために布で覆われてもよい。別の実施形態では、シート26は、実際の用途に応じて、他のサポート構造または強化構造(例えば、シートプレート)をさらに備えることができる。シート26の構造は実際の用途に応じて決定することができるため、本開示は図示された実施形態に限定されないことに留意されたい。
【0036】
図6から図8に示すように、本開示の乳母車1は、ロック解除部材28、第1のロック部材30、回転部材32、引張部材34、第1の弾性部材36、および第2の弾性部材38をさらに備える。ロック解除部材28は、ハンドル10に対して移動可能に配置され、ユーザがロック解除部材28を引っ張ってハンドル10に対して移動できるようにする。この実施形態では、ハンドル10の両側に配置された一対のロック解除部材28があるが、本開示はこれに限定されない。他の実施形態では、ハンドル10の上端に配置された1つの単一のロック解除部材28があってもよい。
【0037】
図6から図8に示すように、第1のロック部材30は、第1の固定部材12と第2の固定部材14との間に配置される。回転部材32は、第1の固定部材12に配置され、第1のロック部材30に当接する。引張部材34はハンドル10内に配置され、ロック解除部材28および回転部材32に接続される。第1の弾性部材36は、第1の固定部材12および回転部材32に当接する。図7に示すように、この実施形態では、第1の固定部材12は突出部120を有し、回転部材32はスロット320を有することができる。第1の固定部材12の突出部120と第1の弾性部材36は、回転部材32のスロット320に配置され、第1の弾性部材36の一方端部は第1の固定部材12の突出部120に当接し、第1の弾性部材36の他方端部は、回転部材32のスロット320の側壁に当接する。図8に示すように、第2の弾性部材38は、第1のロック部材30と第2の固定部材14との間に配置される。この実施形態では、引張部材34は鋼線であってもよいがこれに限定されず、第1の弾性部材36および第2の弾性部材38はバネであってもよいがこれに限定されない。
【0038】
図7から図10に示すように、第1の固定部材12は第1の枢動部122を有し、第2の固定部材14は第2の枢動部140を有し、第1のロック部材30は第1の貫通孔300を有し、回転部材32は第2の貫通孔322を有してもよい。第1の固定部材12、第2の固定部材14、第1のロック部材30、および回転部材32を組み立てる際、第1の固定部材12の第1の枢動部122と第2の固定部材14の第2の枢動部140は、第1のロック部材30の第1の貫通孔300と回転部材32の第2の貫通孔322とを貫通して互いに枢着可能に接続され、これにより、図5に示す第4の枢動点P4が形成される。
【0039】
この実施形態では、第1のロック部材30は、第1の固定部材12および第2の固定部材14と係合して、ハンドル10、後脚16、および前脚18を、図1図2、および図4に示す第1の展開位置に、ロックするように構成される。図8から図10に示すように、第1の固定部材12は第1の係合凹部124を有し、第2の固定部材14は第2の係合凹部142を有し、第1のロック部材30は第1の係合部302を有してもよい。ハンドル10、後脚16、および前脚18が、図1図2、および図4に示される第1の展開位置にあるとき、第1の固定部材12の第1の係合凹部124は、第2の固定部材14の第2の係合凹部142と位置合わせされ、第1のロック部材30の第1の係合部分302は、第1の固定部材の第1の係合凹部124と係合し、これにより、ハンドル10、後脚16、および前脚18が第1の展開位置にロックされる。
【0040】
図4に示すように、ユーザが乳母車1を折り畳む場合、ユーザはロック解除部材28を矢印A1で示す方向に引っ張ればよい。このとき、図6に示すように、ロック解除部材28は引張部材34を矢印A1方向に引っ張る。図6および図7に示すように、ロック解除部材28が引張部材34を矢印A1の方向に引っ張ると、引張部材34は回転部材32を駆動して矢印A2の方向に回転させる。この実施形態では、第1の固定部材12は、図9に示すように、第1の傾斜駆動面126を有する。したがって、引張部材34が回転部材32を駆動して矢印A2の方向に沿って回転させると、第1の固定部材12の第1の傾斜駆動面126が回転部材32を第1のロック部材30に向かって押し(図8に示すように)、そして、回転部材32は、第1の弾性部材36を圧縮する。このとき、回転部材32は、第1のロック部材30を第2の固定部材14の側に押して、第1の固定部材12の第1の係合凹部124から第1のロック部材30の第1の係合部302を係合解除し、これにより、ハンドル10、後脚16、および前脚18が、図3に示す第1の折り畳み位置まで互いに対して回転できるようになる。さらに、回転部材32が第1のロック部材30を第2の固定部材14に向かって押すと、第1のロック部材30は第2の弾性部材38を圧縮する。ロック解除部材28が解放されると、第1の弾性部材36が回転部材32を駆動して戻る。
【0041】
図11に示されるように、第1の固定部材12は、傾斜停止面128を有してもよい。ハンドル10、後脚16、および前脚18が、図3に示す第1の折り畳み位置に位置するとき、傾斜停止面128は、第1のロック部材30を停止して、第1のロック部材30が回転するのを抑制する。ユーザが乳母車1を展開したい場合、ユーザはハンドル10を、図2に示す第1の展開位置に向かって回転させることができる。ハンドル10が第1の展開位置に向かって回転すると、第1の固定部材12の傾斜停止面128が、第1の固定部材12から離れるように第1のロック部材30を押す。ハンドル10、後脚16、および前脚18が、図3に示される第1の折り畳み位置から図2に示す第1の展開位置まで、互いに対して回転すると、第2の弾性部材38は、第1のロック部材30を戻すように駆動し、それにより、ハンドル10、後脚16、および前脚18を、第1の展開位置にロックする。
【0042】
図12から図21を参照すると、図12は本開示の別の実施形態による乳母車1を示す斜視図であり、図13図12に示すシート26を示す斜視図であり、図14図13に示すシート26を折り畳んだ状態の斜視図であり、図15図13に示すフットレスト264およびサポートベース260を示す分解図であり、図16図15に示すフットレスト264と第2のロック部材266の組立図であり、図17は第2のロック部材266を押すサポートベース260の第2の傾斜駆動面2602を示す斜視図であり、図18はロック位置にある第2のロック部材266を示す断面図であり、図19はロック解除位置にある第2のロック部材266を示す断面図であり、図20図13に示すフットレスト264およびアームバー270を別の角度から示す斜視図であり、そして、図21図20に示すフットレスト264とアームバー270の分解図である。
【0043】
図12および図13に示すように、シート26が展開されている。図14に示すように、シート26が折り畳まれている。乳母車1は、シート26を取り付けた状態で折り畳んだり展開したりすることができる。別の実施形態では、シート26は乳母車1に取り外し可能に配置されてもよい。シート26は、乳母車1から取り外して、個別に折り畳んだり展開したりすることができる。なお、本発明の乳母車1およびシート26の構造は、2つの側面に関して実質的に対称であり、本発明の技術的特徴は、以下では、2つの側面のうちの1つの構造によって説明される。
【0044】
図12から図16に示すように、シート26は、サポートベース260、背もたれ262、フットレスト264、および第2のロック部材266を備える。サポートベース260は、シート26を乳母車1に配置するために、第1の固定部材12に接続される。背もたれ262はサポートベース260に接続され、フットレスト264はサポートベース260に枢動可能に接続される。この実施形態では、背もたれ262およびフットレスト264は、U字形のチューブであってもよいが、これに限定されない。実際の適用では、背もたれ262およびフットレスト264は、着座のためのシート領域を形成するために布で覆われてもよい。別の実施形態では、シート26は、実際の用途に応じて、他のサポート構造または強化構造(例えば、シートプレート)をさらに備えることができる。
【0045】
図15図16、および図18に示すように、サポートベース260は第3の枢動部2600を含み、フットレスト264は第4の枢動部2640を含む。第3の枢動部2600は、第4の枢動部2640に挿入され、第3の枢動部2600および第4の枢動部2640は、ピボット(図示せず)を受け入れる孔を有し、フットレスト264がサポートベース260に枢動可能に接続されるようにする。
【0046】
図15図16、および図18に示されるように、第2のロック部材266は、サポートベース260とフットレスト264との間に配置される。この実施形態では、フットレスト264は、収容凹部2642および2つの第3の係合凹部2644a、2644bをさらに含み、2つの第3の係合凹部2644a、2644bは、収容凹部2642の両側に配置され、第4の枢動部2640は、収容凹部2642に位置する。さらに、第2のロック部材266は、第3の貫通孔2660と、2つの第2の係合部2662a、2662bとを含み、2つの第2の係合部2662a、2662bは、第3の貫通孔2660の両側に配置される。図16に示すように、フットレスト264の第4の枢動部2640は、第2のロック部材266の第3の貫通孔2660に挿入され、第2のロック部材266は、フットレスト264の収容凹部2642に移動可能に配置される。したがって、第2のロック部材266は、フットレスト264に対して、図16に示す両矢印A3で示す方向に沿って移動可能である。さらに、第2のロック部材266の2つの第2の係合部2662a、2662bは、フットレスト264の2つの第3の係合凹部2644a、2644bとそれぞれ係合し、その結果、第2のロック部材266は、フットレスト264と共に、図16に示される両矢印A4の方向に沿って回転することができる。両矢印A3の方向は、第2のロック部材266の回転軸に平行である。
【0047】
図18に示すように、シート26は、フットレスト264と第2のロック部材266との間に配置された第3の弾性部材268をさらに備える。この実施形態では、第3の弾性部材268はバネであってもよいが、これに限定されない。さらに、図15および図17に示すように、サポートベース260は、第2の傾斜駆動面2602および停止部2604をさらに備え、第2の傾斜駆動面2602の高さは、第2の係合部2662bから第2の係合部2662aまで徐々に増加し、停止部2604は、第2の傾斜駆動面2602の端部に位置し、第2の係合部2662aに対応する。
【0048】
フットレスト264が背もたれ262に対して展開されて、図12および図13に示される第2の展開位置になると、第2のロック部材266は、図18に示されるロック位置に配置される。このとき、第2のロック部材266は、フットレスト264を背もたれ262に対して第2の展開位置にロックする。図15に示すように、第2のロック部材266がロック位置にあるとき、サポートベース260の停止部2604が第2のロック部材266の第2の係合部2662aを停止させ、フットレスト264が矢印A5の方向に回転し続けることができないようにする。したがって、フットレスト264は第2の展開位置に保持される。
【0049】
ユーザがシート26を折り畳むことを望むとき、ユーザは、図13に示すフットレスト264を、背もたれ262に対して矢印A6方向に回転させることができる。フットレスト264が背もたれ262に対して回転すると、フットレスト264は第2のロック部材266を駆動してロックを解除し、フットレスト264が、背もたれ262に対し、図14に示す第2の折り畳み位置まで回転できるようにする。さらなる説明のために、フットレスト264が、図13に示される第2の展開位置から、背もたれ262に対して矢印A6の方向に向かって回転すると、図17に示すように、第2のロック部材266は、フットレスト264と共に矢印A6方向に回転する。このとき、サポートベース260の第2の傾斜駆動面2602が第2のロック部材266の第2の係合部2662bを押すことにより、第2のロック部材266が両矢印A3の方向に沿ってフットレスト264に向かって移動し、第2のロック部材を駆動してロックを解除する。すると、第2のロック部材266は、フットレスト264の収容凹部2642に完全に入り込んで図19に示すロック解除位置に位置し、これにより、フットレスト264は背もたれ262に対して図14に示す第2の折り畳み位置まで回転することができる。したがって、フットレスト264を回転させることにより、シート26を迅速に折り畳むことができ、構造が簡単であるだけでなく、操作が便利である。
【0050】
図19に示すように、フットレスト264が回転して第2のロック部材266を駆動してロックを解除すると、第2のロック部材266はフットレスト264に向かって移動し、第3の弾性部材268を圧縮する。ユーザがシート26を展開したい場合、ユーザは、背もたれ262に対してフットレスト264を図14に示す矢印A5の方向に回転させればよい。フットレスト264が、背もたれ262に対して、図14に示す第2の折り畳み位置から図13に示す第2の展開位置に回転すると、図19に示す第3の弾性部材268によって発生する弾性力は、第2のロック部材266をサポートベース260に向かって戻すように駆動し、背もたれ262に対して第2の展開位置でフットレスト264をロックする。
【0051】
図12から図14および図20に示すように、シート26は、フットレスト264に枢動可能に接続されたアームバー270をさらに備えてもよい。したがって、アームバー270は、背もたれ262に対して折り畳まれたり展開されたりするように回転することもできる。好ましくは、アームバー270は、アームバー270が使用されていないときにシート26から取り外され得るように、取り外し可能かつ枢動可能にフットレスト264に接続され得る。図21に示されるように、フットレスト264はガイド溝2646を含んでもよく、アームバー270はガイドピラー2700を含んでもよい。アームバー270がフットレスト264に枢動可能に接続されると、ガイドピラー2700がガイド溝2646に挿入される。したがって、フットレスト264が背もたれ262に対して折り畳みまたは展開されるように回転すると、フットレスト264のガイド溝2646の端部がアームバー270のガイドピラー2700を押して、背もたれ262に対して、アームバー270を折り畳むようにまたは展開するように駆動する。
【0052】
上述のように、ユーザがロック解除部材を引っ張っている限り、引張部材は回転部材を駆動して回転させ、第1のロック部材を第2の固定部材に向かって押し、第1のロック部材を第1の固定部材から係合解除する。このとき、ハンドル、後脚、前脚は互いに回転して折り畳むことができる。本開示は、ロック解除部材、第1のロック部材、回転部材、および引張部材を利用して乳母車の折り畳み機構を形成し、構造が単純であるだけでなく、操作が便利であり、それによって乳母車の製造コストをさらに削減する。さらに、ユーザがフットレストを回転させる限り、シートはそれに応じて折り畳まれたり展開されたりする。第2のロック部材とサポートベースの第2の傾斜駆動面との協働により、本開示のシートは、フットレストを回転させることによって迅速に折り畳むことができ、構造が単純であるだけでなく、操作が便利である。さらに、シートにアームバーが装備されている場合、ユーザは、フットレストを回転させることにより、同期してアームバーを折り畳んだり展開したりすることができる。本開示のシートは、個別の折り畳み機構を備える必要がないので、シートおよび乳母車の製造コストをさらに削減することができる。
【0053】
当業者は、本開示の教示を維持しながら、装置および方法の多数の修正および変更を行うことができることを容易に理解するであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
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