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特許7476278アイテム検証のための制御デバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】アイテム検証のための制御デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171462
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2020565443の分割
【原出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2023017821
(43)【公開日】2023-02-07
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】1809020.9
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】グラハム・ディーコン
(72)【発明者】
【氏名】オセムワロ・ジェレミア・オグヘネテガ・ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】クリストス・マクリス
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0032252(US,A1)
【文献】国際公開第2018/022264(WO,A1)
【文献】特開2018-027581(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0166696(US,A1)
【文献】特表2016-529181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に延在する平行なレール又はトラックの第1のセット及び前記第1のセットを横断するY方向に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットと、
前記レールの下に位置し、各スタックが単一のグリッド空間の設置面積内に位置するように配置されたコンテナの複数のスタックと、
少なくとも1つの輸送デバイスと、ここで、前記少なくとも1つの輸送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X方向及びY方向に横方向に選択的に移動するように配置され、コンテナを輸送するように配置されるものであり、
前記少なくとも1つの輸送デバイスによって輸送されたコンテナを受け取るように構成されたピッキングステーションと、
センサユニットを備えるロボットシステムでの動作のための制御ユニットと、を備える保管システムであって、
前記ロボットシステムは、第1のコンテナからアイテムを把持するように構成され、
前記制御ユニットは、
前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、
把持された前記アイテムの、前記センサユニットに対する運動によって誘発される動力学特性を示す情報を前記センサユニットから受信することと、
前記受信された識別情報及び前記受信された動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムが前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致するかどうかを検証することと、を行うように構成された検証ユニットと、
命令ユニットであって、前記検証ユニットが把持された前記アイテムの検証をできなかったことに応じて、前記検証ユニットが、所定の操作に対応した更なる動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムを検証するための前記所定の操作を実行することを、前記ロボットシステムに命令するように構成された命令ユニットと、を備える、保管システム。
【請求項2】
前記検証ユニットは、把持された前記アイテムが前記ロボットシステムによって第2のコンテナに配置される前に前記アイテムを検証するように構成される、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記所定の操作に対応した前記更なる動力学特性情報は、統計モデルにおいて訓練される、請求項1又は2に記載の保管システム。
【請求項4】
前記所定の操作は前記ロボットシステムの第2の所定の操作であり、
前記命令ユニットは、前記検証ユニットが、前記第2の所定の操作とは異なる第1の所定の操作に対応する前記動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムが前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致するかどうかを検証するための前記第1の所定の操作を実行することを前記ロボットシステムに命令するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項5】
前記第1の所定の操作は、前記ロボットシステムの前記第1のコンテナから前記第2のコンテナへのエンドエフェクタの円弧運動を備える、請求項2に従属する請求項4に記載の保管システム。
【請求項6】
前記円弧運動は、前記エンドエフェクタの上昇運動、横方向並進、及び下方運動を備える、請求項5に記載の保管システム。
【請求項7】
前記第1の所定の操作は、異なる軸に沿った複数の加速及び減速を備える、請求項4~6のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項8】
前記第2の所定の操作は前記第1の所定の操作よりも多くの移動を備える、請求項4~7のいずれか一項に記載の、保管システム。
【請求項9】
前記アイテムの前記動力学特性を示す情報は、力情報、トルク情報、剪断力情報、加速情報、音情報、圧力情報、アイテムの慣性特性、及びアイテムの減衰特性のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項10】
前記アイテムを把持するように構成された前記ロボットシステムを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項11】
前記アイテムの識別情報を取り込むように構成された撮像ユニットを更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項12】
前記センサユニットは、力センサ、トルクセンサ、剪断力センサ、加速センサ、マイクロフォン、又は圧力センサのうちの少なくとも1つを備える、請求項10又は11に記載の保管システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの輸送デバイスは、前記保管システムにおける単一のグリッド空間のみを占有する設置面積を有し、それにより、1つのグリッド空間を占有する輸送デバイスは、前記X方向及びY方向に隣接するグリッド空間を占有又は横断する輸送デバイスを妨害しない、請求項1~12のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項14】
保管システムにおいて、センサユニットを備えるロボットシステムを動作させる方法であって、前記保管システムは、
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に延在する平行なレール又はトラックの第1のセット及び前記第1のセットを横断するY方向に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットと、
前記レールの下に位置し、各スタックが単一のグリッド空間の設置面積内に位置するように配置されたコンテナの複数のスタックと、
少なくとも1つの輸送デバイスと、ここで、前記少なくとも1つの輸送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X方向及びY方向に横方向に選択的に移動するように配置され、コンテナを輸送するように配置されるものであり、
前記少なくとも1つの輸送デバイスによって輸送されたコンテナを受け取るように構成されたピッキングステーションと、を備え、
前記ロボットシステムは、第1のコンテナからアイテムを把持するように構成され、
前記方法は、
前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、
前記ロボットシステムによって把持された前記アイテムの運動によって誘発される動力学特性を示す情報を前記センサユニットから受信することと、
前記受信された識別情報及び前記受信された動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムが前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致するかどうかを検証することと、
把持された前記アイテムの検証をできなかったことに応じて、所定の操作に対応した更なる動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムを検証するための前記所定の操作を実行することを、前記ロボットシステムに命令することと、を備える、方法。
【請求項15】
把持された前記アイテムが第2のコンテナに配置される前に前記アイテムを検証することを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定の操作は前記ロボットシステムの第2の所定の操作であり、
前記方法は、前記第2の所定の操作とは異なる第1の所定の操作に対応する前記動力学特性情報に基づいて、把持された前記アイテムが前記第1のコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致するかどうかを検証するための前記第1の所定の操作を実行することを、前記ロボットシステムに命令することを備える、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年6月1日に出願された英国特許出願第1809020.9号の優先権を主張し、この出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般にロボットシステムの分野に関し、より具体的には、ロボットシステムを制御するための制御デバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ピッキングシステムの分野では、第1のコンテナ中のアイテムを選択的に把持し、第2のコンテナにそれらを輸送するために、ロボットシステムが典型的に使用される。例えば、図1は、エンドエフェクタ201、例えば、吸着カップエンドエフェクタを備えるロボットシステム200を示す。ロボットシステムは、直方体アイテム301、第1の円筒形アイテム302、及び/又は第2の円筒形アイテム303などのアイテムを第1のコンテナ300から第2のコンテナ400に移送するように構成される。典型的には、第1のコンテナ300の内容物に関する情報は、他の自動プロセスからピッキングシステムに知られる。しかしながら、ピッキングシステムは、第1のコンテナ300に関する不完全な情報に起因して誤ったアイテムが第2のコンテナ400中に移送されないことを保証するために、第2のコンテナ400中に配置される前にどのアイテムがピッキングされたかを検証することが必要とされる。例えば、直方体アイテム301が誤って第1のコンテナ300中に配置された一方で、第2のコンテナ400が円筒形アイテム302及び303のみを包含することを必要とされるが、直方体のアイテム301を包含することを必要とされない場合、ピッキングシステムは、どのアイテムがピッキングされたかを検証しなければならない。
【0004】
既存のシステムでは、どのアイテムがピッキングされたかを検証するために、撮像ユニット500が典型的に用いられる。一例では、撮像ユニット500は、各アイテム上に配置されたバーコードを読み取るように構成されたバーコードリーダである。バーコードによって決定された、ピッキングされたアイテムのアイデンティティは、第1のコンテナ300中のアイテムの予想されるアイデンティティと比較され得る。代替として、撮像ユニット500は、アイテムの画像を撮影し、それによってアイテムを判断するコンピュータビジョン技法に基づいてアイテム301、302、又は303を検証するように構成された画像ベースのオブジェクト分類器であり得る。
【0005】
しかしながら、既存のシステムでは、ロボットシステム200がアイテムを把持することと、アイテムのアイデンティティを検証することと、第2のコンテナ400中でのアイテムの配置を許可することとの間に、かなりの時間遅延が存在する。例えば、ロボットシステムは、バーコードスキャナの前をアイテムに通過させることを必要とされ得、それは、アイテムのバーコードの走査を許可するためにロボットシステムがバーコードスキャナの前で一時停止することを必要とし得る。時には、ロボットシステム200は、バーコードを遮り、それは、アイテムのバーコードの走査の成功を妨げ、及び/又はロボットシステム200が、バーコード走査のためにより好ましい向きにアイテムを操作する追加の時間を費やすことを必要とする。同様に、ロボットシステム200は、アイテムの画像ベースのオブジェクト分類を可能にするために、アイテムの画像が撮影されている間、一時停止することを必要とされ得る。加えて、既存の画像ベースのオブジェクト分類は、数千のアイテムクラスしか扱うことができず、従って、それらが、1桁以上より大きくあり得る工業製品範囲を扱うためにスケールアップすることになるかどうかは、依然として未知である。
【0006】
従って、スケーラブルなソリューションも提供しながら、どのアイテムがロボットシステムによって把持されたかをより迅速且つ効率的に検証する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
既知のピッキングシステムにおける問題に鑑みて、本発明は、ロボットシステムによって把持されたアイテムを確実に検証するための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
一般的に言えば、本発明は、アイテムの動力学特性を測定することによって、把持されたアイテムを検証する。その上、アイテムの動力学特性の測定は、ロボットシステムによって現在保持されているアイテムの数の検証を可能にする。同様に、アイテムの動力学特性の測定は、ロボットシステムが、1つのアイテムの一部とは対照的に、正確に1つのアイテム全体をピッキングしたかどうかに関する判断を可能にする。
【0009】
本発明によると、センサユニットを備えるロボットシステムでの動作のための制御ユニットが設けられ、ロボットシステムは、コンテナからアイテムを把持するように構成される。制御ユニットは、コンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、ロボットシステムによって把持されたアイテムの動力学特性を示す情報をセンサユニットから受信することと、受信された識別情報及び受信された動力学特性情報に基づいて、ロボットシステムによって把持されたアイテムがコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致することを検証することとを行うように構成された検証ユニットを備える。
【0010】
本発明はまた、センサユニットを備えるロボットシステムであって、アイテムを把持するように構成される、ロボットシステムと、前述されたような制御システムとを備えるシステムを提供する。
【0011】
本発明はまた、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に延在する平行なレール又はトラックの第1のセット及び第1のセットを横断するY方向に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットと、 レールの下に位置し、各スタックが単一のグリッド空間の設置面積内に位置するように配置されたコンテナの複数のスタックと、 少なくとも1つの輸送デバイスと、少なくとも1つの輸送デバイスは、レール上のスタックの上方で、X及びY方向に横方向に選択的に移動するように配置され、コンテナを輸送するように配置される、 少なくとも1つの輸送デバイスによって輸送されたコンテナを受け取るように構成されたピッキングステーションと、 前述されたようなシステムと、ここにおいて、システムは、コンテナからアイテムを把持するように構成される、 を備える、保管システムを提供する。
【0012】
本発明はまた、センサユニットを備えるロボットシステムでの使用のための方法を提供し、ロボットシステムは、コンテナからアイテムを把持するように構成される。方法は、コンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、ロボットシステムによって把持されたアイテムの動力学特性を示す情報をセンサユニットから受信することと、受信された識別情報及び受信された動力学特性情報に基づいて、ロボットシステムによって把持されたアイテムがコンテナ中にあると予想されるアイテムと一致することを検証することとを行うステップを備える。
【0013】
次に、本発明の実施形態が、添付図面を参照して、例としてのみ説明され、それにおいて、同様の参照番号は、同じ又は対応する部分を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】既知のシステムによる、ピッキングシステムの概略図である。
図2】本発明のある実施形態による、制御デバイスの概略図である。
図3】第1のアイテムと第2のアイテムとが類似でない場合に、ロボットシステムが第1及び第2のアイテムをピッキングしたときにセンサユニットによって検出される、時間と共に変化する力を示すグラフである。
図4】第1のアイテムと第2のアイテムとが類似でない場合に、ロボットシステムが第1及び第2のアイテムをピッキングしたときにセンサユニットによって検出される、時間と共に変化するトルクを示すグラフである。
図5】第1のアイテムと第2のアイテムとが類似である場合に、ロボットシステムが第1及び第2のアイテムをピッキングしたときにセンサユニットによって検出される、時間と共に変化する力を示すグラフである。
図6】第1のアイテムと第2のアイテムとが類似である場合に、ロボットシステムが第1及び第2のアイテムをピッキングしたときにセンサユニットによって検出される、時間と共に変化するトルクを示すグラフである。
図7a】アイテムを把持しながら所定の操作を実行するロボットシステムを示す概略図である。
図7b】アイテムを把持しながら所定の操作を実行するロボットシステムを示す概略図である。
図8】破損したアイテムを把持するロボットシステムを示す概略図である。
図9】本発明の第1の実施形態による、制御ユニットによって実施されるプロセスのフローチャートである。
図10】既知のシステムによる、フレームワーク構造の概略図である。
図11図10のフレームワーク構造内に配置された容器のスタックを示す上面図の概略図である。
図12a】容器を下ろす積み荷取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図12b】容器を下ろす積み荷取り扱いデバイスの概略斜視図である。
図12c】容器を持ち上げる積み荷取り扱いデバイスの概略正面斜視図である。
図13】フレームワーク構造上で動作する積み荷取り扱いデバイスを示すシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態による、制御ユニット100と共にコンテナ300からアイテムを把持するためのシステムを図示する。このシステムでは、最上レベルにコンテナ300が設けられ、少なくとも1つのアイテムを保管するように構成される。コンテナ300からアイテムを把持するように構成され、ロボットシステム200によって把持されたアイテムに関する情報を記録するように構成されたロボットシステム200が設けられる。本発明の第1の実施形態による制御ユニット100は、ロボットシステム200によって記録された情報を受信するように構成され、ロボットシステム200によってピッキングされたアイテムが、コンテナ300中にあると予想されるアイテムから予想されるものと一致する動力学特性を有することを検証するように構成される。
【0016】
より詳細には、図示されたようなコンテナ300は、3つのアイテムを包含し、そのうちの少なくとも1つは、ロボットシステム200によってコンテナ300から移動されることが望まれる。一例では、コンテナ300は、1つのタイプのアイテムのみを包含すると予想され得、ここにおいて、1つのタイプのアイテムのうちの少なくとも1つが、ロボットシステム200によってコンテナ300から移動されることになる。このように、ピッキングシステムは、コンテナ300中にあると予想されるアイテムのタイプを知る。しかしながら、コンテナ300は、コンテナ300中の他のアイテムと同じタイプではない他のアイテムを備え得る。例えば、他のタイプのアイテムが、コンテナ300中に誤って配置され得るか、又はコンテナ300が、1つよりも多くのタイプのアイテムを包含するように構成され得る。認識されるように、コンテナ300は、任意の数のアイテムを包含することができるか、又はアイテムを全く包含しないことができる。コンテナは典型的には、アイテムを支持するための下面、床、及び壁、例えば、アイテムの落下を防止するための壁を含む。しかしながら、認識されるように、コンテナは、アイテムを保持するための任意のサイズ又は構成であることができ、例えば、3つの壁、5つの壁、等を備える。代替として、コンテナ300は、壁を有さないことがあり、従って、この構成ではパレットと呼ばれ得る床のみを備え得る。
【0017】
理想的には、コンテナ300中に包含されたアイテムは、壁の最上部の下に位置付けられるが、第1の実施形態は、例えば、コンテナ300中に配置された大きなアイテムに起因して、又はコンテナ300中に積み重ねられた多数のアイテムに起因して、アイテムが壁の最上部を越えて延在するコンテナにも等しく適用可能である。図2に示されるコンテナ300は、直方体アイテム301、第1の円筒形アイテム302、及び第2の円筒形アイテム303の3つのアイテムを備える。認識されるように、アイテムは、任意の形状であり得、必ずしも直方体又は円柱ではないことがある。
【0018】
その上、コンテナ300は、他のコンテナの中からコンテナ300を一意に識別するために、バーコード又は同様のものなどの識別手段を備え得る。このように、ピッキングシステムは、他のコンテナの中からコンテナ300を識別し得る。例えば、複数のコンテナを備える倉庫では、ピッキングシステムは、識別手段に基づいて各コンテナを識別し得る。このように、アイテムが各コンテナ中に配置されると、ピッキングシステムは、各コンテナ中に配置されたアイテムを記録し得る。ロボットシステム200がコンテナ300に対してピッキング動作を実行することを許可される前に、ピッキングシステムは、コンテナ300を識別し、それによって、コンテナ300が包含することを意図されたアイテムを思い出すように構成され得る。制御ユニット100は、少なくとも各アイテムの動力学特性に基づいて、アイテム301~303がコンテナ300に属するか/そこから移動されるべきかを検証するように構成される。
【0019】
ロボットシステム200は、コンテナ300からアイテムを把持するために設けられる。特に、ロボットシステム200は、アイテムを把持するように構成されたエンドエフェクタ201を備える。図2では、エンドエフェクタは、アイテムを把持するために真空に依拠する吸着カップエンドエフェクタ201として示される。しかしながら、他のエンドエフェクタが、吸着カップエンドエフェクタの代わりに使用され得る。例えば、平行ジョーエンドエフェクタが、コンテナ300からアイテムを把持するために使用され得る。ロボットシステムは、それによって、コンテナ300からアイテム301~303を把持し得る。ロボットシステム200は更に、アイテム301~303の動力学特性を測定するように構成されたセンサユニット202を備える。この点に関して、センサユニット202は、アイテムがセンサユニット202に及ぼす圧力、トルク、及び/又は力、アイテムがセンサユニット202に誘発する加速、アイテムの内容物が移動する音、及び/又はアイテムが滑るときにオブジェクトがセンサユニット202に及ぼす剪断力を含むがそれらに限定されない、センサユニット202に対するアイテムの運動から生じる任意の特性を測定するように構成されると想定される。
【0020】
ロボットシステム200は更に、把持されたアイテム301~303を第1のコンテナ300から第2のコンテナ(図示せず)に移動させるように構成され得る。第1のコンテナ300は、それによって、倉庫在庫システムにおいてアイテムを包含し得、第2のコンテナは、顧客が倉庫在庫システムから注文したそれらのアイテムを包含するように構成され得る。従って、ロボットシステム200は、顧客が注文したそれらのアイテムを第1のコンテナ300から選択的に把持し、次いで、顧客への輸送のために第2のコンテナ中にアイテムを配置するように構成され得る。従って、ロボットシステムは、第1のコンテナ300から第2のコンテナにアイテムを移送する。それ故に、顧客の注文が正しいことを保証するためには、把持されるアイテムが正しいアイテムであることが重要である。
【0021】
本発明の第1の実施形態による制御ユニット100は、アイテム301~303の動力学特性を示す測定された情報をセンサユニット202から受信する。制御ユニット100はまた、コンテナ300中にあると予想されるアイテムを識別する情報を受信するように構成される。受信された情報に基づいて、制御ユニット100は、ロボットシステム200によってピッキングされたアイテム301~303が、コンテナ中にあると予想されるアイテムの予想される動力学特性を有することを検証するように構成される。動力学特性は、アイテムの慣性特性、アイテムの減衰特性、及び/又はアイテム及びその内容物の音のうちの少なくとも1つであると想定される。同様に、動力学特性は、運動によって誘発される特性を含むと想定される。例えば、動力学特性は、アイテムがエンドエフェクタ中で滑るようにアイテムを移動させ、エンドエフェクタとアイテムとの間の摩擦の尺度として滑りを使用する、例えば、ロボットシステム200によって誘発される剪断力特性を含むと想定される。例えば、エンドエフェクタは、エンドエフェクタがアイテムを握持している間に、アイテムの表面上でその指を能動的に擦るか、又はアイテムを滑らせることができる。動力学特性が参照されるが、1つ以上の動力学特性が任意の時点で測定され、それによって、その検証に適したアイテムに関する情報を提供し得ることが認識されるであろう。例えば、慣性特性と減衰特性との両方を同時に測定して、アイテム検証に必要な情報を提供し得る。
【0022】
例えば、ピッキングシステムは、コンテナ300が第1の円筒形アイテム302のみを包含することを記録していることがあり、ここで、第1の円筒形アイテム302は各々、トマトソース製品の広口瓶などの固体アイテムを備える。しかしながら、コンテナ300を詰めるときの誤りに起因して(人間がコンテナ300中に誤ったアイテムを配置することなどに起因して)、第1の円筒形アイテム302の中には、第2の円筒形アイテム303もあり得、ここで、第2の円筒形アイテム303は、ピクルス製品の広口瓶を備える。それ故に、アイテムの形状のみに基づいて、アイテムを区別することは可能ではないであろう。従来の技術は遅く、典型的には、アイテムがバーコードスキャナの前で一時停止することを必要とする。
【0023】
その代わりに、本発明の第1の実施形態は、アイテムの動力学特性に依拠し、それによって、把持されているアイテムが予想されるアイテムであることを検証する。特に、アイテムの検証は、アイテムが移動しているときにアイテムがどのように反応するかを測定することによって実行される。例えば、ロボットシステム200が第1のコンテナ300から第2のコンテナ(図示せず)にアイテムを移送している場合、アイテムの検証は、ロボットシステム200がアイテムを移送している間に実行され得る。従って、ロボットシステム200がバーコードスキャナの前で一時停止する必要がないので、速度の増加が実現される。代わりに、第1のコンテナ300から第2のコンテナへのアイテムの必要な移動が、アイテムのアイデンティティを検証するためにも使用される。本発明の第1の実施形態は、ロボットシステム200が撮像ユニットによるアイテム検証のために一時停止する必要性を除去することによって、アイテム移送の効率を増大させるという利点を提供する。
【0024】
一例では、アイテム301~303を移動させることによって、アイテム301~303に力/トルクが及ぼされ、それは、アイテムを加速させる。アイテムの加速は、アイテム301~303の動力学特性に対応する。この例では、トマトソース製品の広口瓶は、ピクルス製品の広口瓶とは異なる形で移動し、例えば、トマトソース製品の(均質な)広口瓶は、ピクルスの形態の大きな固体を含むピクルス製品の広口瓶とは異なる動力学特性(異なるスロッシング特性など)を示すであろう。スロッシングは、それによって、そのような力/トルクを測定するように構成されたセンサユニット202に力/トルクを与えるであろう。測定された力/トルクに基づいて、制御ユニット100は、アイテムの動力学特性を、コンテナ中にあると予想されるアイテムの動力学特性と比較することによって、アイテムを検証するように構成される。例えば、比較は、センサユニット202によって測定された動力学と、コンテナ中にあると予想されるアイテムの予想される動力学との間の類似性の量を決定するために、機械学習を使用して、統計モデルを使用して実行され得る。好ましくは、統計モデルは、センサユニット202から取得される測定値におけるノイズ及びドリフト(温度ドリフトなど)を処理するように構成される。例えば、センサユニット202の出力は、エンドエフェクタに対するアイテムの姿勢の変化に起因し得る。その上、異なるセンサユニット202が使用されるとき、統計モデルは、複数のセンサユニット202にわたって一般化するように構成され得る。代替として、統計モデルは、特定のセンサユニット202について訓練され得る。
【0025】
上記の例では、開示されるセンサユニット202は、力及び/又はトルクを測定するように構成される。しかしながら、測定の他の特性、即ち、アイテムがセンサユニット202に及ぼす圧力、アイテムがセンサユニット202に誘発する加速、アイテムの内容物が移動する音、及び/又はアイテムが滑るときにオブジェクトがセンサユニット202に及ぼす剪断力を含むがそれらに限定されない、センサユニット202に対するアイテムの運動から生じる特性を想定される。
【0026】
上記の例は、固体アイテムが液体アイテムと比較されることに言及しているが、任意のタイプのアイテムが比較されることができると想定される。例えば、直方体アイテム301がパンなどの異なる固体アイテムを含んでいた場合、パンアイテムの動力学特性と第1の円筒形アイテム302のケーキアイテムの動力学特性とは、第2の円筒形アイテム303の水アイテムに対してよりも類似しているであろう。しかしながら、適切に訓練された統計モデルでは、アイテム間の差を確認することができ、従って、ピッキングされたアイテムを制御ユニット100によって検証することができる。その上、1つのコンテナから別のコンテナに移送されたアイテムの数をカウントすることを使用して、特定の注文について正しい数のアイテムがピッキングされたと判断し得る。
【0027】
図2に図示されるシステムはオプションとして、撮像ユニット500を更に備え得る。撮像ユニットは、アイテムを示す情報を受信するように構成される。例えば、撮像ユニット500は、バーコードスキャナ及び/又はコンピュータビジョンイメージャを備え得る。そのような撮像ユニット500は、アイテム301~303を識別するために制御ユニット100の訓練中に利用され得る。特に、従来のシステムにおけるように、第1のコンテナ300から第2のコンテナへのアイテムの移動中に、アイテムの動力学特性がセンサユニット202によって記録され、それは、制御ユニット100に送信される。しかしながら、最初は、制御ユニット100は、ロボットシステム200がどのアイテムを把持したかを認識せず、従って、ピッキングされたアイテムが、コンテナ中にあると予想されるアイテムであることを検証することができないであろう。従って、ロボットシステム200は、従来の方法で、バーコードスキャナ及び/又はコンピュータビジョンイメージャによってアイテムを撮像するようにも命令されるであろう。このように、制御ユニット100は、アイテムのアイデンティティに関して撮像ユニット500からインジケーションを受信し得る。従って、十分な訓練情報が収集されると、制御ユニット100は、ロボットシステム200が撮像ユニット500によってアイテムを通過させることを必要とすることなく、その後ロボットシステム200によって把持されるときにアイテムの検証に成功することが可能となるであろう。
【0028】
第1の実施形態による制御ユニット100は、検証ユニット101を備える。オプションとして、制御ユニット100は、訓練ユニット102及び/又は命令ユニット103を備え得る。
【0029】
検証ユニット101は、ロボットシステム200によってピッキングされたアイテムの動力学特性を示す情報をセンサユニット202から受信するように構成される。その上、検証ユニット101は、コンテナ300中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信するように構成される。検証ユニット101は更に、ロボットシステム200によってピッキングされたアイテムが、コンテナ300中にあると予想されるアイテムと同じであることを検証するように構成される。これは、コンテナ中にあると予想されるアイテムの動力学特性と、ロボットシステム200によって現在ピッキングされているアイテムとの間の類似性を見出すように構成された統計モデルを使用して実行され得る。
【0030】
統計モデルは、予想されるアイテム/アイテムのクラス及び測定された動力学特性についての識別子を入力として取るように構成され得る。それは、ロボットシステム200がある特定の地点にアイテムを輸送した後に、バッチとして測定値を受信し得るか、又はそれは、測定が行われるときに各測定値を処理するように、ストリームとして測定値を受信し得るかのいずれかである。前者のケースでは、統計モデルは、測定された動力学特性が、ロボットシステム200が予想されるアイテムをピックアップしたことを示す確率を出力として生成するように構成され得る。後者のケースでは、統計モデルは、そのような確率のストリームを、例えば、到来する測定値毎に1つ、出力として生成するように構成され得る。前者のケースでは、出力確率を所定の閾値と比較し、それによって、ロボットシステム200が予想されるアイテムをピッキングしたか否かを判断し得る。後者のケースでは、確率のストリームを評価して、ロボットシステム200が予想されるアイテムをピッキングしたか否かを判断し得る。
【0031】
任意の所与の予想されるアイテム/クラス識別子について、統計モデルは、人工ニューラルネットワーク又はガウス過程分類器などの標準的な機械学習モデルの形態を取り得る。統計モデルはオプションとして、加速不変動力学特性などの、加速するオブジェクトの動力学に関する事前情報を組み込み得る。
【0032】
このように、制御ユニット100は、ロボットシステム200から動力学特性情報を受信し、それによって、ロボットシステム200によって把持されているアイテム又はアイテムのクラスを検証するように構成される。特に、検証は、ロボットシステム200のロケーションと、第1のコンテナから第2のコンテナまでロボットシステム200によって取られるルートのわずかな変化とに対して不変である。
【0033】
オプションとして、制御ユニット100は更に、訓練ユニット102を含み得る。訓練ユニット102は、検証ユニット101が把持されているアイテムを検証することができないとき、測定されたセンサ情報及びアイテム識別子に基づいて統計モデルを訓練するように構成される。より具体的には、訓練ユニット102は、ロボットシステム200によって把持されているアイテムの動力学特性を示す情報を受信するように構成される。その上、訓練ユニット102は更に、アイテム識別子を受信するように構成される。例えば、アイテム識別子は、バーコード又は画像ベースのオブジェクト分類の形態で撮像ユニット500から受信され得る。受信された情報に基づいて、訓練ユニット102は、統計モデルを再訓練するように構成される。このように、同じアイテム/アイテムのクラスが将来の時点で把持されると、検証ユニット101は、訓練ユニット102によって訓練された情報に基づいてアイテムを正しく検証することが可能となるであろう。例えば、訓練ユニット102は、受信されたアイテム識別子及びアイテムの動力学特性を示す情報を使用して統計モデルを再訓練することによって統計モデルを更新するように構成され得る。このように、ロボットシステム200によって把持されるべき新しいアイテムが統計モデルに導かれるため、アイテムが将来の時点でロボットシステム200によってピッキングされると、それは、検証ユニット101によって検証されるであろう。
【0034】
他の情報が、その精度を増大させるために、訓練された統計モデル中に含まれ得る。例えば、アイテムの公称重量、寸法、等である。このように、統計モデルのクラスを見出せ得、ここで、クラス内の各統計モデルは、公称パラメータによって定義される。有利なことに、これは、必要とされる記憶空間の量を低減し、必要とされる訓練データの量を低減する。
【0035】
代替として、検証ユニット101は、1つのクラスを形成する全てのティーボックス、及び別のクラスを形成する全てのボトル入り飲料など、アイテムのクラスのみを検出するように構成され得る。従って、訓練ユニット102は、特定の在庫管理単位「SKU」、例えば、特定のサイズのティーボックスの特定のブランド上で統計モデルを訓練する代わりに、SKUのクラス上で訓練されるであろう。このように、各SKUについての訓練情報を取り込む必要性が回避される。代わりに、ある特定のSKUのサイズ及び規定重量を使用して、同じクラス中の他のSKUと同じ関連する測定されたセンサ情報が適用されるであろう特定のクラスのSKUにSKUを自動的に分類することができる。この点に関して、SKUの公称重量/サイズと関連する動力学特性との間に関係が確立される必要があるであろうと想定される。SKUは、手動でクラスにクラスタリングされ得、そのケースでは、それは、関係の性質を判断するためにクラス内のSKUのフラクションを検査するのに十分であり得る。代替として、SKUは、自動的にクラスタリングされ得、それは、各SKUについての訓練情報の取り込み、又はより少ない訓練情報を必要とする各クラス内のより単純な統計モデルの使用を必要とし得る。SKUの公称重量を自動的に決定するために、(力及び/又はトルクを測定するように構成されたセンサユニット202などの)力感知手段/トルク感知手段を備えるロボットシステム200が使用され得る。特に、ロボットシステム200は、ロボットシステム200がアイテムを把持して持ち上げたが移動していないときに、重力場に起因してエンドエフェクタに及ぼされる力を測定することによって、SKUの重量を静的に決定し得る。ロボットシステム200のロケーションにおいて知られている重力場強度は、それによって、アイテムの重量の計算を可能にする。
【0036】
しかし、「アイテム」という用語は、両方のタイプのアイテム(例えば、一意の在庫管理単位(SKU)コードを有するであろう特定のブランドの特定のサイズのティーボックス)及び特定のアイテム(例えば、ピッキングされた特定のティーボックス)を指すために使用されている。「アイテム」は、更により広く使用され得ると想定される。例えば、2つのアイテムが同じSKUコードを有し得る、即ち、同じブランド及びサイズのティーボックスに関連し得るが、ボックスの内容物の製造差異及び/又は分布に起因して、わずかな重量及び/又は動力学特性の差異があり得る。この目的のために、上述された検証方法は、検証を判断するときにこれらの要因を考慮に入れ得る。例えば、平均重量又は重量の下界が使用され得る。
【0037】
制御ユニット100はまた、オプションとして、命令ユニット103を備え得る。命令ユニット103は、所定の方法で移動するようにロボットシステム200に命令するように構成される。例えば、命令ユニット103は、検証ユニット101によるアイテムの検証より前に、特定の方法で移動するようにロボットシステム200に命令するように構成され得る。このように、ロボットシステム200によるある特定の移動パターンが、所与のアイテムの測定された動力学特性の際立った特徴を強調するために使用され得る。加えて又は代替として、命令ユニット103は、検証ユニット101がアイテムを検証できなかった後に所定の方法で移動するようにロボットシステム200に命令するように構成され得る。例えば、第1の所定の移動方法がアイテムを識別できない場合、対応する動力学特性情報が統計モデル中で訓練される第2の異なる所定の移動方法が、検証ユニット101がアイテムを検証することを可能にし得る。従って、撮像ユニット500を使用することなく、アイテムのより正確な検証を行うことができる。
【0038】
図3は、センサユニット202によって測定された時間対力をプロットしたグラフである。グラフは、第1のアイテム及び第2のアイテムの両方についての測定された力を示し、ここで、第1のアイテム及び第2のアイテムは、類似でない。例えば、第1のアイテムは、パンアイテムであり得、第2のアイテムは、飲み物アイテムである。ロボットシステム200が所定の移動を実行している間に力測定を行った。各アイテムについてのプロットされた線は、実質的に異なる。従って、各アイテム/クラスのアイテムについての相対的に個々の力対時間シグネチャを示す。
【0039】
同様に、図4は、センサユニット202によって測定された時間対トルクをプロットしたグラフを示す。図4では、2つの類似でないアイテムについて、トルク測定が行われる。図3に関して、プロットされた線は、実質的に異なり、各アイテムについての異なるトルクシグネチャを示す。図3及び図4の両方では、力及びトルクは、1つの軸の周りで測定される。しかしながら、少なくとも1つの軸の周りの力及び/又はトルク測定に基づいて、各アイテム/クラスのアイテムについてのより個々のシグネチャを生成するために、追加の軸の周りで力及び/又はトルクを測定することができる。
【0040】
図5は、類似する2つのアイテムについての時間対力をプロットしたグラフを示す。図5に示されるように、測定された力によってプロットされた線は、第1及び第2のアイテムについて実質的に類似である。従って、第1のアイテムについての力対時間プロットに関する情報を備える制御ユニット100は、第2のアイテムについての力対時間プロットから、第1及び第2のアイテムが同じタイプのアイテム/同じクラスのアイテムであると決定することが可能となるであろう。
【0041】
同様に、図6は、2つの類似のアイテムについての時間対トルクをプロットしたグラフである。図5と同様に、トルク測定によってプロットされた2つの線は、実質的に類似であり、それによって、各アイテム/アイテムのクラスが、それに関連付けられ得るシグネチャを有することを示す。
【0042】
前述されたように、オプションの命令ユニット103は、所定の操作を実行するようにロボットシステム200に命令するように構成され得る。一例では、アイテムの動力学特性に関する情報を収集するために、ロボットシステム200は、エンドエフェクタ201が第1のコンテナから第2のコンテナに移動している間にエンドエフェクタ201を回転させるように命令され得る。このように、第2のコンテナに到達するのにかかる時間を増大させることなく、より単純な軌道の動力学情報と比較して追加の動力学情報を収集し得る。
【0043】
図7aは、エンドエフェクタ201によって把持されたアイテム301を(目的地コンテナである)第2のコンテナ400に移動させるために、ロボットシステム200によって行われ得る所定の操作の例を示す。この例では、ロボットシステム200は、第2のコンテナ400への輸送のために、第1のコンテナ(図示せず)からアイテム301を把持していることがある。第1の実施形態による制御ユニット100では、有利なことに、ロボットシステム200は、バーコード走査プロシージャを実行するために、1つのロケーション中で一時停止する必要がない。代わりに、ロボットシステム200は、停止することなくアイテム301を第2のコンテナ400に輸送することができる。第1のコンテナから第2のコンテナ400への単純な円弧運動(エンドエフェクタの上昇運動、エンドエフェクタの横方向並進及び下方運動を備える)が想定されるが、他の代替形態が利用可能である。例えば、円弧運動は、検証ユニット101がアイテム/アイテムのクラスを正確に検証するのに十分な測定されたセンサ情報を提供しないことがある。それ故に、他の所定の移動が想定される。図7aは、検証ユニット101によるアイテム/アイテムのクラスの検証より前に実行され得る移動を示す。この例では、複数の加速及び減速が異なる軸に沿って実行され、アイテム識別を支援するためにより多くのセンサ情報を測定する可能性を提供する。しかしながら、図7aに示される所定の操作では、第2のコンテナ400までのルートがわずかにより長くなる。
【0044】
図7bは、命令ユニット103によって命令され得る別の所定の操作を示す。例えば、図7bの操作は、図7aの操作が実行された(従って、アイテム301が第2のコンテナ400の上にある)が、検証ユニット101がアイテム/アイテムのクラスを識別することができなかった後に命令され得る。撮像ユニット500に依拠する代わりに、より多くの加速/減速を有する更なるセンサ情報を収集するために別の操作を実行すると想定される。従って、図7bの操作は、アイテム301の開始ポジション及び終了ポジションが同じである一方で、図7aにおいてよりも多くの移動を含む。このように、図7bの操作を実行した後、及び検証ユニット101がアイテム/アイテムのクラスの検証に成功した後、ロボットシステム200は、第2のコンテナ400中にアイテム301を配置することができる。しかし、この操作には時間がかかりすぎ得、従って、いくつかのケースでは、撮像ユニット500を利用してアイテムのアイデンティティを検出する方がより速くあり得る。
【0045】
図8は、本発明の第1の実施形態による、制御ユニット100の別の用途を示す。特に、検証ユニット101は、破損した/不完全なアイテムを検出するように構成され得る。例えば、ロボットシステム200は、アイテム303を把持し得る。しかしながら、図8に示されるように、アイテム303は、第1の部分303a及び第2の部分303bに破断するように破損され得る。センサユニット202によって測定された動力学特性が、コンテナ300中にあると予想されるアイテムの動力学特性とは異なるので、破損は従って、制御ユニット100によって検出され得る。従って、ロボットシステム200は更に、アイテム303を処分するための、又はそうでない場合はアイテム303を修理するためのロケーション中にアイテム303を配置するように構成され得る。同様に、アイテムが不完全である場合、例えば、第2の部分303bが第1の部分303aから完全に切断されている場合、制御ユニット100は、アイテムが不完全であることを検出することも可能であり得る。破損したアイテムと同様に、検証ユニット101は、センサユニット202からの情報に基づいて、アイテムが不完全であることを示すような形でアイテムの動力学特性が変化したことを検出するように構成され得る。
【0046】
その上、制御ユニット100は、エンドエフェクタ201によって把持されるアイテムが複数のアイテムを備えるかどうかを識別するように構成され得る。例えば、追加のアイテムが、ピッキングされているアイテムに付着していることがある。それ故に、ロボットシステム200が第1のアイテムをピッキングすると、ロボットシステム200が第1のアイテムを第1のコンテナから第2のコンテナに移動させるにつれて、それに付着した第2のアイテムが第1のアイテムと共に移動するであろう。第2のアイテムの追加は、制御ユニット100によって検出可能な形で第1のアイテムの動力学特性を変化させる。
【0047】
加えて、制御ユニット100は、1つのコンテナから別のコンテナに移送されたアイテムの数をカウントするように構成され得る。このように、移送されたアイテムの数は、特定の顧客の注文で発注されると予想されるアイテムの数と比較され得る。従って、制御ユニット100は、顧客の注文で発注されると予想される数に達するまでロボットシステムにアイテムをピッキングさせ続けるように構成され得、その時点で、制御ユニット100は、ロボットシステムが任意の更なるアイテムをピッキングするのを停止するように構成され得る。
【0048】
図9は、第1の実施形態による、ロボットシステム200のセンサユニット202から受信された動力学特性を使用してアイテムを識別するために実行されるプロセスを示す。
【0049】
図9を参照すると、ステップS901において、(バーコード、製品名、又は同様のものなどの)アイテム識別子に関する情報が受信される。例えば、アイテム識別子は、倉庫内のコンテナ及びそれらの内容物を管理するように構成されたピッキングシステムから受信され得る。ピッキングシステムは、コンテナ及びその予想される内容物の知識を有し得る。コンテナ中のアイテムの識別情報は従って、ステップS901に送信され得る。
【0050】
ステップS902において、方法は、アイテムの動力学特性を示す情報をセンサユニット202から受信する。この点に関して、センサユニット202は、アイテムがセンサユニット202に及ぼす圧力、トルク、及び/又は力、アイテムがセンサユニット202に誘発する加速、アイテムの内容物が移動する音、及び/又はアイテムが滑るときにオブジェクトがセンサユニット202に及ぼす剪断力を含むがそれらに限定されない、センサユニット202に対するアイテムの運動から生じる任意の特性を測定するように構成されると想定される。
【0051】
ステップS903において、ピッキングされたアイテム/アイテムのクラスが、受信された動力学特性と、ステップS901及びS902において受信された情報とに基づいて検証される。言い換えれば、ステップS902において受信された情報は、コンテナ中にあると予想されるアイテム/アイテムのクラスの動力学特性の統計モデルと比較される。受信された情報が統計モデル予想と一致するとき、ステップS903は、ピッキングされたアイテムをコンテナ中にあると予想されるものとして検証する。これは、個々のアイテムに適用されて得るが、1つのクラスを形成するティーボックスや、別のクラスを形成する飲料のボトルなど、アイテムのクラスに等しく適用され得る。
【0052】
このように、アイテム検証は、従来の技術によって必要とされる時間を低減する形で実行される。
[修正及び変形]
【0053】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述された実施形態に対して多くの修正及び変形が行われることができる。
【0054】
オンライン食料品店及びスーパーマーケットなど、複数の製品ラインを販売するオンライン小売企業は、数十又は数百又は数千もの異なる製品ラインを保管することが可能であるシステムを必要とする。そのようなケースでは単一製品スタックを使用することは、必要とされるスタックの全てを収容するために非常に大きな床面積が必要とされることになるので、実用的でない可能性がある。更に、生鮮品又は低頻度で注文される商品など、少量のいくつかのアイテムのみを保管することが望ましい場合があり、単一製品スタックを非効率的なソリューションにしてしまう。
【0055】
その内容が参照によって本明細書に組み込まれる国際特許出願第WO98/049075A号(Autostore)は、コンテナの多製品スタックがフレーム構造内に配置されるシステムを記載している。
【0056】
PCT公開特許公報第WO2015/185628A号(Ocado)は、容器又はコンテナのスタックがフレームワーク構造内に配置される、更なる既知の保管及びフルフィルメントシステムを記載している。容器又はコンテナは、フレーム構造の最上部に位置するトラック上で動作可能な積み荷取り扱いデバイスによってアクセスされる。積み荷取り扱いデバイスは、スタックから容器又はコンテナを持ち上げ、複数の積み荷取り扱いデバイスは、スタックの最も低いポジションに位置する容器又はコンテナにアクセスするように協働する。このタイプのシステムは、添付図面の図10~13に概略的に例示される。
【0057】
図10及び11に示されるように、容器10として知られる積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するために互いの最上部に積み重ねられる。スタック12は、倉庫又は製造環境におけるグリッドフレームワーク構造14中に配置される。図10は、フレームワーク構造14の概略斜視図であり、図11は、フレームワーク構造14内に配置された容器10のスタック12を示す上面図である。各容器10は典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、容器10内の製品アイテムは、同一であり得るか、又は用途に応じて異なる製品タイプであり得る。
【0058】
フレームワーク構造14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材16を備える。平行な水平部材18の第1のセットは、平行な水平部材20の第2のセットに対して直角に配置されて、直立部材16によって支持される複数の水平グリッド構造を形成する。部材16、18、20は典型的には、金属から製造される。容器10は、フレームワーク構造14の部材16、18、20の間に積み重ねられるため、フレームワーク構造14は、容器10のスタック12の水平移動を防ぎ、容器10の垂直移動を導く。
【0059】
フレーム構造14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたってグリッドパターンで配置されたレール22を含む。加えて図12及び13を参照すると、レール22は、複数のロボット積み荷取り扱いデバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の最上部にわたって第1の方向(X)に積み荷取り扱いデバイス30の移動を導き、第1のセット22aに垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に垂直な第2の方向(Y)に積み荷取り扱いデバイス30の移動を導く。このように、レール22は、水平なX-Y平面において2次元で横方向に積み荷取り扱いデバイス30の移動を可能にするため、積み荷取り扱いデバイス30を、どのスタック12の上方のポジションにも移動させることができる。
【0060】
積み荷取り扱いデバイス30の一形態は、その内容が参照によって本明細書に組み込まれるノルウェー特許第317366号に更に記載されている。図12a及び12bは、容器10を下ろす積み荷取り扱いデバイス30の概略断面図であり、図12cは、容器10を持ち上げる積み荷取り扱いデバイス30の概略正面斜視図である。しかしながら、本明細書に記載されたシステムと組み合わせて使用され得る他の形態の積み荷取り扱いデバイスがある。例えば、更なる形態のロボット積み荷取り扱いデバイスが、参照によって本明細書に組み込まれるPCT公開特許公報第WO2015/019055号(Ocado)に記載されており、ここで、各ロボット積み荷ハンドラは、フレームワーク構造の1つのグリッド空間のみをカバーし、このことから、積み荷ハンドラのより高い密度を可能にし、このことから、所与のサイズのシステムに対してより高いスループットを可能にする。
【0061】
各積み荷取り扱いデバイス30は、スタック12の上方で、フレーム構造14のレール22上をX及びY方向に移動するように配置された車両32を備える。車両32の前部の一対の車輪34及び車両32の後部の一対の車輪34からなる車輪の第1のセット34は、レール22の第1のセット22aの2つの隣接するレールと係合するように配置される。同様に、車両32の各側の一対の車輪36からなる車輪の第2のセット36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールと係合するように配置される。車輪の各セット34、36は、車輪の第1のセット34又は車輪の第2のセット36のいずれかが任意の時点でレールのそれぞれのセット22a、22bと係合するように、持ち上げられ、且つ下げられることができる。
【0062】
車輪の第1のセット34がレールの第1のセット22aと係合し、車輪の第2のセット36がレール22から離して持ち上げられると、車輪34は、車両32中に収容された駆動機構(図示せず)によって駆動されて、積み荷取り扱いデバイス30をX方向に移動させることができる。積み荷取り扱いデバイス30をY方向に移動させるために、車輪の第1のセット34がレール22から離して持ち上げられ、車輪の第2のセット36が下ろされ、レールの第2のセット22bと係合される。次いで、駆動機構を使用して、車輪の第2のセット36を駆動し、Y方向の移動を達成することができる。
【0063】
積み荷取り扱いデバイス30は、持ち上げデバイスが装備される。持ち上げデバイス40は、4本のケーブル38によって車両32の本体から吊り下げられたグリッパプレート39を備える。ケーブル38は、車両32内に収容された巻き取り機構(図示せず)に接続される。ケーブル38は、車両32に対して巻き付けたり引き出したりすることができるので、車両32に対するグリッパプレート39のポジションをZ方向に調整することができる。
【0064】
グリッパプレート39は、容器10の最上部と係合するように適合される。例えば、グリッパプレート39は、容器10の最上面を形成するリムにおける対応する穴(図示せず)と嵌合するピン(図示せず)と、容器10を握持するためにリムと係合可能なスライドクリップ(図示せず)とを含み得る。クリップは、グリッパプレート39内に収容された適切な駆動機構によって容器10と係合するように駆動され、その駆動機構は、ケーブル38自体又は別個の制御ケーブル(図示せず)を通じて搬送される信号によって電力供給され、制御される。
【0065】
スタック12の最上部から容器10を取り出すために、積み荷取り扱いデバイス30は、グリッパプレート39がスタック12の上方に位置付けられるように、必要に応じてX及びY方向に移動される。グリッパプレート39は次いで、図12cに示されるように、Z方向に垂直に下げられ、スタック12の最上部の容器10と係合する。グリッパプレート39は、容器10を握持し、次いで、容器10が取り付けられた状態でケーブル38を上方に引っ張られる。その垂直移動の最上部において、容器10は、車両本体32内に収容され、レール22のレベルより上方に保持される。このように、積み荷取り扱いデバイス30は、X-Y平面における異なるポジションに移動することができ、それと共に容器10を搬送し、容器10を別のロケーションに輸送する。ケーブル38は、積み荷取り扱いデバイス30が床レベルを含むスタック12の任意のレベルから容器を回収して配置することを可能にするのに十分な長さである。車両32の重量は、車輪34、36のための駆動機構に電力供給するために使用されるバッテリから部分的に成り得る。
【0066】
図13に示されるように、複数の同一の積み荷取り扱いデバイス30が設けられるため、各積み荷取り扱いデバイス30が同時に動作して、システムのスループットを増大させることができる。図13に例示されるシステムは、ポートとして知られる特定のロケーションを含み得、そこで容器10をシステム内部又は外部に移送することができる。各ポートには、追加のコンベヤシステム(図示せず)が関連付けられているため、積み荷取り扱いデバイス30によってポートに輸送された容器10を、コンベヤシステムによって別のロケーション、例えば、ピッキングステーション(図示せず)に移送することができる。同様に、容器10は、コンベヤシステムによって外部ロケーションからポート、例えば、容器充填ステーション(図示せず)に移動され、積み荷取り扱いデバイス30によってスタック12に輸送されて、システムにおけるストックを補充することができる。
【0067】
ピッキングステーションは、アイテムが1つのコンテナから取り出され、顧客への輸送のために他のコンテナ中に、又は顧客への輸送のためにバッグ中に配置されるように構成されるワークステーションとして想定される。従って、顧客がアイテムの注文のみを受け取るように、コンテナから取り出されたアイテムが正確に識別されることを保証する必要がある。コンテナは、ピッキングステーションに入ったときに、例えば、バーコードによって識別され得る。従って、積み荷取り扱いシステムは、ピッキングステーションへの入場時にコンテナの予想される内容物を識別し得る。
【0068】
ピッキングステーションは、本発明の第1の実施形態による、ロボットシステム200及び制御ユニット100を備え得る。このように、撮像ユニット500の使用が実質的に低減されるので、従来の方法と比較してアイテムのピッキングが高速化され得る。代わりに、ピッキングされたアイテムを第1のコンテナから第2のコンテナ/バッグに移動させる行為は、ピッキングされたアイテムがコンテナ中にあると予想されるものと一致することを検証するのに十分である。従って、ピッキングのための時間が低減される。
【0069】
各積み荷取り扱いデバイス30は、一度に1つの容器10を持ち上げて移動させることができる。スタック12の最上部に位置していない容器10b(「ターゲット容器」)を回収する必要がある場合、上にある容器10a(「非ターゲット容器」)をまず移動させて、ターゲット容器10へのアクセスを可能にしなければならない。これは、以後「掘り出し」と呼ばれる動作で達成される。
【0070】
図13を参照すると、掘り出し動作中、積み荷取り扱いデバイス30のうちの1つは、ターゲット容器10bを包含するスタック12から各非ターゲット容器10aを順次持ち上げて、それを別のスタック12内の空いているポジションに配置する。ターゲット容器10bは次いで、積み荷取り扱いデバイス30によってアクセスされ、更なる輸送のためにポートに移動されることができる。
【0071】
積み荷取り扱いデバイス30の各々は、中央コンピュータの制御下にある。システムにおける各個々の容器10が追跡されるので、必要に応じて適切な容器10を回収し、輸送し、交換することができる。例えば、掘り出し動作中に、非ターゲット容器10aの各々のロケーションがログ記録されるので、非ターゲット容器10aを追跡することができる。
【0072】
図10~13を参照して説明されたシステムは、多くの利点を有し、広範囲の保管及び回収動作に適している。特に、それは、製品の非常に高密度な保管を可能にし、それは、ピッキングのために必要とされるときに容器10の全てへの合理的に経済的なアクセスを可能にしながら、容器10中に広範囲の異なるアイテムを保管する非常に経済的な方法を提供する。
【0073】
しかしながら、そのようなシステムにはいくつかの欠点があり、それらは全て、ターゲット容器10bがスタック12の最上部にないときに実行されなければならない上述の掘り出し動作に起因する。
【0074】
本発明の実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示されている。それは、網羅的であることを、又は開示されたまさにその形態に本発明を限定することを意図されない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、修正及び変形を行うことができる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] センサユニットを備えるロボットシステムでの動作のための制御ユニットであって、前記ロボットシステムは、コンテナからアイテムを把持するように構成され、前記制御ユニットは、
前記コンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、前記ロボットシステムによって把持された前記アイテムの動力学特性を示す情報を前記センサユニットから受信することと、前記受信された識別情報及び前記受信された動力学特性情報に基づいて、前記ロボットシステムによって把持された前記アイテムが前記コンテナ中にあると予想される前記アイテムと一致することを検証することとを行うように構成された検証ユニットを備える、制御ユニット。
[2] 前記制御ユニットは、
前記アイテムが一致しないと前記検証ユニットが判断すると、撮像ユニットからの前記アイテムの識別情報と前記アイテムの前記動力学特性を示す情報とを受信することと、前記アイテムの前記動力学特性を示す情報と共に前記アイテムの前記識別情報に基づいて統計モデルを訓練することとを行うように構成された訓練ユニットを更に備える、[1]に記載の制御ユニット。
[3] 前記制御ユニットは、
所定の方法で移動するように前記ロボットシステムに命令するように構成された命令ユニットを更に備える、[1]又は[2]に記載の制御ユニット。
[4] 前記命令ユニットは、前記検証ユニットが前記アイテムの検証を実行する前に前記ロボットシステムに命令するように構成される、[3]に記載の制御ユニット。
[5] 前記命令ユニットは、前記検証ユニットが前記アイテムを検証できないときに前記ロボットシステムに命令するように構成される、[3]又は[4]に記載の制御ユニット。
[6] 前記アイテムの前記動力学特性を示す情報は、力情報、トルク情報、剪断力情報、加速情報、音情報、及び圧力情報のうちの少なくとも1つを備える、[1]~[5]のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
[7] 前記検証ユニットは、前記アイテムの前記動力学特性に基づいて、前記アイテムが破損しているか、不完全であるか、及び/又は複数のアイテムを備えるかどうかを識別するように更に構成される、[1]~[6]のうちのいずれか一項に記載の制御ユニット。
[8] センサユニットを備え、アイテムを把持するように構成されたロボットシステムと、[1]~[7]のうちのいずれか一項に記載の制御ユニットと、を備える、システム。
[9] 前記システムは、前記アイテムの識別情報を受信するように構成された撮像ユニットを更に備える、[8]に記載のシステム。
[10] 前記センサユニットは、力センサ、トルクセンサ、剪断力センサ、加速センサ、マイクロフォン、及び圧力センサのうちの少なくとも1つを備える、[8]又は[9]に記載のシステム。
[11] 複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するように、実質的に水平な平面において、X方向に延在する平行なレール又はトラックの第1のセット及び前記第1のセットを横断するY方向に延在する平行なレール又はトラックの第2のセットと、
前記レールの下に位置し、各スタックが単一のグリッド空間の設置面積内に位置するように配置されたコンテナの複数のスタックと、
少なくとも1つの輸送デバイスと、ここで、前記少なくとも1つの輸送デバイスは、前記レール上の前記スタックの上方で、前記X方向及びY方向に横方向に選択的に移動するように配置され、コンテナを輸送するように配置されるものであり、
前記少なくとも1つの輸送デバイスによって輸送されたコンテナを受け取るように構成されたピッキングステーションと、
[8]~[10]のうちのいずれか一項に記載のシステムであって、前記コンテナからアイテムを把持するように構成されたシステムと、を備える、保管システム。
[12] 前記少なくとも1つの輸送デバイスは、前記保管システムにおける単一のグリッド空間のみを占有する設置面積を有し、それにより、1つのグリッド空間を占有する輸送デバイスは、前記X及びY方向に隣接するグリッド空間を占有又は横断する輸送デバイスを妨害しない、[11]に記載の保管システム。
[13] センサユニットを備えるロボットシステムの使用に供する方法であって、前記ロボットシステムは、コンテナからアイテムを把持するように構成され、前記方法は、 前記コンテナ中にあると予想されるアイテムの識別情報を受信することと、
前記ロボットシステムによって把持された前記アイテムの動力学特性を示す情報を前記センサユニットから受信することと、
前記受信された識別情報及び前記受信された動力学特性情報に基づいて、前記ロボットシステムによって把持された前記アイテムが前記コンテナ中にあると予想される前記アイテムと一致することを検証することと
を行うステップを備える、方法。
[14] 前記方法は、
前記アイテムが一致しないと前記検証するステップが判断すると、前記アイテムの識別情報と前記アイテムの前記動力学特性を示す情報とを受信することと、
前記アイテムの前記動力学特性を示す情報と共に前記アイテムの前記識別情報に基づいて統計モデルを訓練することと
を行うステップを更に備える、[13]に記載の方法。
[15] 前記方法は、
所定の方法で移動するように前記ロボットシステムに命令すること
を行うステップを更に備える、[13]又は[14]に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図13