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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】混合冷媒システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20240422BHJP
   F25J 1/02 20060101ALI20240422BHJP
   F25B 1/10 20060101ALI20240422BHJP
   F25B 39/02 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25J1/02
F25B1/10 A
F25B39/02 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022183956
(22)【出願日】2022-11-17
(62)【分割の表示】P 2020516612の分割
【原出願日】2018-09-21
(65)【公開番号】P2023015322
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】62/561,417
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ジュニア,ダグラス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】グシャナス,ティモシー
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0010043(US,A1)
【文献】特表2018-528378(JP,A)
【文献】特表2016-517502(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0260415(US,A1)
【文献】国際公開第2017/008040(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102748919(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00- 5/00
F25B 1/10
F25B 39/02
C10L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)熱交換器であって、内側部を画定するシェルと、前記内側部の中に配置され、前記ガスの供給を受けるように構成された入口、および前記熱交換器から製品が出て行く出口を有する冷却流路とを含み、前記熱交換器が、前記内側部の中に配置された予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む、熱交換器、
b)前記熱交換器の前記内側部の出口と流体連通した入口を有する、第1の段の圧縮装置、
c)前記第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する第1の段のアフタークーラ、
d)前記第1の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する低圧アキュムレータ、
e)前記低圧アキュムレータの前記蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段の圧縮装置、
f)前記第2の段の圧縮装置の前記出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段のアフタークーラ、
g)前記第2の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する高圧アキュムレータ、
h)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
i)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第1の膨張装置、
j)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第2の膨張装置、
k)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置、ならびに
l)前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第4の膨張装置
を備える、システム。
【請求項2】
混合冷媒を用いてガスを冷却する方法であって、
a)主冷凍流路に流れる混合冷媒と向流の間接熱交換関係になるように、熱交換器の冷却流路に前記ガスを流すステップと、
b)前記主冷凍流路から出て行く混合冷媒を圧縮システムにおいて調整および分離して、高沸点冷媒液体流、高圧蒸気流、および中沸点液体流を形成するステップと、
c)前記熱交換器において前記高圧蒸気を冷却するステップと、
d)前記冷却された高圧蒸気を低温分離器蒸気流と低温分離器液体流に分離するステップと、
e)前記熱交換器において前記低温分離器液体流を過冷却するステップと、
f)前記過冷却された低温分離器液体流をフラッシュさせて、第1の低温分離器混合相流を形成するステップと、
g)前記第1の低温分離器混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
h)前記熱交換器において前記低温分離器蒸気流を冷却するステップと、
i)前記冷却された低温分離器蒸気流をフラッシュさせて、第2の低温分離器混合相流を形成するステップと、
j)記第2の低温分離器混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
k)前記熱交換器において前記中沸点液体流を過冷却するステップと、
l)前記過冷却された中沸点液体流をフラッシュさせて、中沸点混合相流を形成するステップと、
m)前記中沸点混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
n)前記熱交換器において前記高沸点冷媒液体流を過冷却するステップと、
o)前記過冷却された高沸点冷媒液体流をフラッシュさせて、高沸点混合相流を形成するステップと、
p)前記高沸点混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと
を含
ステップg)が、前記第1の低温分離器混合相流を分離して低温蒸気分離器(CVS)温度蒸気流および低温蒸気分離器(CVS)温度液体流を形成し、前記低温蒸気分離器(CVS)温度蒸気流および前記低温蒸気分離器(CVS)温度液体流を前記主冷凍流路へと導くステップを含む、
混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
【請求項3】
ステップp)が、前記高沸点混合相流と前記第1の低温分離器混合相流を組み合わせるステップを含む、請求項に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
【請求項4】
ステップm)が、前記中沸点混合相流を分離して中温蒸気流および中温液体流を形成し、前記中温蒸気流および前記中温液体流を前記主冷凍流路へと導くステップを含む、請求項に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
【請求項5】
ステップp)が前記高沸点混合相流と前記中沸点混合相流を組み合わせるステップを含む、請求項に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2017年9月21日出願の米国特許仮出願第62/561,417号の利益を主張し、参照により、その内容を本明細書に援用する。
【0002】
[0002]本発明は、一般に、ガスを冷却または液化するためのプロセスおよびシステムに関し、より詳細には、ガスを冷却または液化するための混合冷媒システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]主にメタンである天然ガス、および他のガスは、貯蔵および輸送のために圧力下で液化される。液化による体積の減少により、より現実的で経済的な設計の容器を使用することが可能になる。液化は、通常は1つまたは複数の冷凍サイクルによる間接熱交換により、ガスを冷却することによって実現される。こうした冷凍サイクルは、必要とされる機器の複雑さ、および必要とされる冷媒の性能効率により、機器のコストと運転の両面でコストがかかる。したがって、冷凍効率が改善され、また複雑さを軽減しながら運転コストを抑制するガス冷却および液化システムが求められている。
【0004】
[0004]液化システム用の冷凍サイクルにおいて混合冷媒を使用することにより、冷媒の暖化曲線(warming curve)がガスの冷却曲線により厳密に一致するという点で、効率が向上する。液化システム向けの冷凍サイクルは、通常、混合冷媒を調整または処理するための圧縮システムを含むことになる。混合冷媒圧縮システムは、通常は1つまたは複数の段を含み、それぞれの段が、圧縮機、冷却器、ならびに分離および液体アキュムレータ装置を含む。圧縮機から出て行く蒸気は冷却器において冷却され、その結果得られる二相流または混合相流は分離および液体アキュムレータ装置へと導かれ、そこから、さらに処理されるために、かつ/または液化熱交換器へと導かれるように、蒸気および液体が出て行く。
【0005】
[0005]より効率的な冷却を実現するために、圧縮システムからの混合冷媒の分離された液相と気相を、熱交換器の複数の部分に導くことができる。こうしたシステムの例は、Gushanasらの、所有者が共通する米国特許第9,441,877号、Ducoteらの米国特許出願公開第2014/0260415号、およびDucoteらの米国特許出願公開第2016/0298898号に提示されており、これらの各内容は、参照によって本明細書に援用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]ガス冷却および液化システムにおいて、冷却効率をさらに向上させ、運転コストをさらに削減することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007]本主題のいくつかの態様が存在し、これらの態様は個別に具体化されてもよく、以下に説明および特許請求される装置およびシステムにおいて一緒にして具体化されてもよい。これらの態様は、単独で利用されても、本明細書に記載の主題の他の態様と組み合わせて利用されてもよく、これらの態様を一緒に説明することは、これらの態様を別々に使用すること、またはこうした態様を別々に、もしくは本明細書に添付される特許請求の範囲において述べたのと異なる組合せで特許請求することを除外するものではない。
【0008】
[0008]一態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムは、冷却流路を含む熱交換器を特徴とし、冷却流路は、ガスの供給を受けるように構成された入口と、熱交換器から製品が出て行く出口とを有する。熱交換器は、主冷凍流路、予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む。第1の段の圧縮装置は、主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する。第1の段のアフタークーラは、第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。低圧アキュムレータは、第1の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する。第2の段の圧縮装置は、低圧アキュムレータの蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する。第2の段のアフタークーラは、第2の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。高圧アキュムレータは、第2の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した液体出口と、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する。低温蒸気分離器は、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する。第1の膨張装置は、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する。任意に存在してよい中温分離装置は、第1の膨張装置の出口と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する。第2の膨張装置は、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する。任意に存在してよい低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置は、第2の膨張装置の出口と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する。第3の膨張装置は、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第4の膨張装置は、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した入口と、中温分離装置、低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、および主冷凍流路のうちの少なくとも1つと流体連通した出口とを有する。
【0009】
[0009]さらに別の態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムは、冷却流路を備えた熱交換器を含み、冷却流路は、ガスの供給を受けるように構成された入口と、前記熱交換器から製品が出て行く出口とを有する。熱交換器は、主冷凍流路、予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む。第1の段の圧縮装置は、主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する。第1の段のアフタークーラは、第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。低圧アキュムレータは、第1の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する。第2の段の圧縮装置は、低圧アキュムレータの蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する。第2の段のアフタークーラは、第2の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。高圧アキュムレータは、第2の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口を有し、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した液体出口と、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する。低温蒸気分離器は、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する。第1の膨張装置は、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第2の膨張装置は、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第3の膨張装置は、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第4の膨張装置は、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。
【0010】
[0010]さらに別の態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムは、冷却流路を含む熱交換器を有し、冷却流路は、ガスの供給を受けるように構成された入口と、熱交換器から製品が出て行く出口とを有する。熱交換器は、主冷凍流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む。圧縮装置は、主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する。アフタークーラは、圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。アキュムレータは、アフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した液体出口と、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する。低温蒸気分離器は、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する。第1の膨張装置は、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する。中温分離装置は、第1の膨張装置の出口と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する。第2の膨張装置は、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第3の膨張装置は、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。
【0011】
[0011]さらに別の態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムは、冷却流路を含む熱交換器を有し、冷却流路は、ガスの供給を受けるように構成された入口と、熱交換器から製品が出て行く出口とを有する。熱交換器は、主冷凍流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む。圧縮装置は、主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する。アフタークーラは、圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。アキュムレータは、アフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した液体出口と、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する。低温蒸気分離器は、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する。第1の膨張装置は、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。第2の膨張装置は、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する。低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置は、第2の膨張装置の出口と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する。第3の膨張装置は、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、主冷凍流路と流体連通した出口とを有する。
【0012】
[0012]さらに別の態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムは、熱交換器を特徴とし、熱交換器は、内側部を画定するシェルと、内側部に配置され、ガスの供給を受けるように構成された入口、および熱交換器から製品が出て行く出口を有する冷却流路とを含む。熱交換器は、内側部の中に配置された予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む。第1の段の圧縮装置は、熱交換器の内側部の出口と流体連通した入口を有する。第1の段のアフタークーラは、第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。低圧アキュムレータは、第1の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する。第2の段の圧縮装置は、低圧アキュムレータの蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する。第2の段のアフタークーラは、第2の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する。高圧アキュムレータは、第2の段のアフタークーラの出口と流体連通した入口と、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した液体出口と、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する。低温蒸気分離器は、熱交換器の高圧蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する。第1の膨張装置は、熱交換器の高圧液体流路と流体連通した入口と、熱交換器の内側部と流体連通した出口とを有する。第2の膨張装置は、熱交換器の低温分離器液体流路と流体連通した入口と、熱交換器の内側部と流体連通した出口とを有する。第3の膨張装置は、熱交換器の低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、熱交換器の内側部と流体連通した出口とを有する。第4の膨張装置は、熱交換器の予冷液体流路と流体連通した入口と、熱交換器の内側部と流体連通した出口とを有する。
【0013】
[0013]さらに別の態様では、混合冷媒を用いてガスを冷却する方法は、主冷凍流路に流れる混合冷媒と向流の間接熱交換関係になるように、熱交換器の冷却流路にガスを流すステップと、主冷凍流路から出て行く混合冷媒を圧縮システムにおいて調整および分離して、高沸点冷媒液体流、高圧蒸気流、および中沸点液体流を形成するステップと、熱交換器において高圧蒸気を冷却するステップと、冷却された高圧蒸気を低温分離器蒸気流と低温分離器液体流に分離するステップと、熱交換器において低温分離器液体流を過冷却するステップと、過冷却された低温分離器液体流をフラッシュさせて、第1の低温分離器混合相流を形成するステップと、第1の低温分離器混合相流を主冷凍流路へと導くステップと、熱交換器において低温分離器蒸気流を冷却するステップと、冷却された低温分離器蒸気流をフラッシュさせて、第2の低温分離器混合相流を形成するステップと、第2の低温分離器混合相流を主冷凍流路へと導くステップと、熱交換器において中沸点液体流を過冷却するステップと、過冷却された中沸点液体流をフラッシュさせて、中沸点混合相流を形成するステップと、中沸点混合相流を主冷凍流路へと導くステップと、熱交換器において高沸点冷媒液体流を過冷却するステップと、過冷却された高沸点冷媒液体流をフラッシュさせて、高沸点混合相流を形成するステップと、高沸点混合相流を主冷凍流路へと導くステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]本開示のプロセスおよびシステムの第1の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図2】[0015]本開示のプロセスおよびシステムの第2の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図3】[0016]本開示のプロセスおよびシステムの第3の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図4】[0017]本開示のプロセスおよびシステムの第4の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図5】[0018]本開示のプロセスおよびシステムの第5の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
図6】[0019]本開示のプロセスおよびシステムの第6の実施形態を示すプロセスフロー図および概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0020]図1には、混合冷媒液化システムの第1の実施形態が、全体として10で示されている。システムは、全体を12で示された圧縮システムと、全体を14で示された熱交換器システムとを含む。熱の除去は、圧縮システム12を使用して処理および再調整された混合冷媒を使用して、熱交換器システム14において行われる。
【0016】
[0021]本明細書では、各図に記載された同じ要素番号によって流路と流れの両方が示される場合があることに留意されたい。また、本明細書においては、また当技術分野で知られているように、熱交換器とは、温度が異なる2つ以上の流れの間で、または流れと環境の間で間接熱交換が行われる装置、または装置内の領域のことである。本明細書において、「連通」、「連通している」などの用語は、別段の指定がない限り、一般に流体連通を指す。さらに、連通した2つの流体は混合されると熱を交換することができ、熱交換器においてこうした交換が行われる場合もあるが、こうした交換は、熱交換器における熱交換と同じであるとみなさない。本明細書において、用語「~の圧力を下げる」(またはこの変化形)は相変化に関係しないが、用語「フラッシュする」(またはこの変化形)は、部分的な相変化も含めて、相変化に関係する。本明細書において、用語「高(high)」、「中(middle)」、「暖(warm)」などは、当技術分野において慣例的であるように、比較可能な流れに関係する。
【0017】
[0022]熱交換器システムは、暖温端部18および低温端部20を有する、全体を16で示された複数流熱交換器を含む。熱交換器は高圧天然ガス供給流22を受け取り、この高圧天然ガス供給流22は、熱交換器の冷凍流との熱交換による熱の除去により、冷却流路24において液化される。その結果、液体天然ガス製品の流れ26が生じる。熱交換器の複数流設計により、いくつかの流れを便利かつエネルギー効率的に単一の交換器に一体化することが可能になる。好適な熱交換器は、Woodlands、TexasのChart Energy & Chemicals,Inc.から購入することができる。Chart Energy & Chemicals,Inc.から入手可能なろう付けアルミニウムプレートフィン型複数流熱交換器は、物理的に小型であるというさらなる利点を提供する。
【0018】
[0023]熱交換器16を含めた図1のシステムは、28において想像線で示されている、従来技術で知られている他のガス処理オプションを実施するように構成されてもよい。これらの処理オプションでは、ガス流が熱交換器を1回または複数回出入りすることが必要になる場合があり、たとえば天然ガス液の回収、または窒素除去を含む場合がある。さらに、以下では天然ガスの液化に関して複数の実施形態を記載しているが、これらの実施形態は、空気または窒素を含むがこれらに限定されない天然ガス以外のガスを冷却、液化、および/または処理するために使用されてもよい。
【0019】
[0024]圧縮システム12を参照すると、圧縮機の第1の段32は、混合冷媒蒸気流34を受け取り、それを圧縮する。次いで、その結果得られる流れ36は第1の段のアフタークーラ38へと進み、そこで冷却され、部分的に凝縮される。その結果得られる混合相冷媒流42は低圧アキュムレータ44へと進み、蒸気流46と高沸点冷媒液体流48に分離される。低圧アキュムレータ44としてアキュムレータドラムが示されているが、スタンドパイプ(standpipe)もしくは別のタイプの容器、サイクロン分離器、蒸溜ユニット、コアレッシング分離器、またはメッシュタイプもしくはベーンタイプのミスト・エリミネータを含むがこれらに限定されない、代替の分離装置が使用されてもよい。このことは、以下で参照されるすべてのアキュムレータ、分離器、分離装置、およびスタンドパイプに当てはまる。
【0020】
[0025]蒸気流46は、低圧アキュムレータ44の蒸気出口から圧縮機の第2の段64へと進み、そこで高圧に圧縮される。流れ66が圧縮機の第2の段から出て行き、第2の段または最終段のアフタークーラ68を通って進み、そこで冷却される。その結果得られる流れ72は気相と液相の両方を含み、それらは高圧アキュムレータ74において分離されて、高圧蒸気流76と、高圧または中沸点の冷媒液体流78とを形成する。
【0021】
[0026]第1の圧縮機段および第2の圧縮機段は単一の圧縮機の一部として示されているが、代わりに個々の圧縮機が使用されてもよい。加えて、システムは、より多いかまたはより少ない段が使用されてもよいという点で、2つだけの圧縮および冷却段に限定されない。
【0022】
[0027]熱交換器システム14に目を向けると、熱交換器16は高圧蒸気流路82を含み、この高圧蒸気流路82は、高圧アキュムレータ74から高圧蒸気流76を受け取り、部分的に凝縮させるようにそれを冷却する。その結果得られる混合相の低温分離器供給流84は低温蒸気分離器86に供給され、それにより、低温分離器蒸気流88および低温分離器液体流90が生成される。
【0023】
[0028]熱交換器16は、低温分離器蒸気流88を受け取る低温分離器蒸気流路92を含む。低温分離器蒸気流は流路92で冷却され、凝縮されて液体流94になり、膨張装置96を通ってフラッシュし、低温分離器98へと導かれて、低温液体流102および低温蒸気流104を形成する。以下で参照されるすべての膨張装置の場合と同様に、膨張装置96はジュール・トムソン弁などの膨張弁でもよく、タービンまたはオリフィスを含むがこれらに限定はされない別のタイプの膨張装置でもよい。低温液体流と低温蒸気流は(熱交換器の内部で、熱交換器のヘッダの内部で、または熱交換器のヘッダに入る前に)組み合わされ、熱交換器の主冷凍流路106へと導かれて、冷却を行う。
【0024】
[0029]低温分離器液体流90は、低温分離器液体流路108で冷却されて、過冷却された低温分離器液体110を形成し、この低温分離器液体110は112においてフラッシュし、低温蒸気分離器(CVS)温度分離器114へと導かれる。結果として得られる低温蒸気分離器(CVS)温度液体流116と結果として得られる低温蒸気分離器(CVS)蒸気流118とは(熱交換器の内部で、熱交換器のヘッダの内部で、または熱交換器のヘッダに入る前に)組み合わされ、熱交換器の主冷凍流路106へと導かれて、冷却を行う。こうした構成では、低温蒸気分離器(CVS)温度分離器114により、熱力学的性能および流体分配性能が向上する。
【0025】
[0030]図1に117で示された液位検出器または液位センサは、低温蒸気分離器86内の液位を決定し、弁112の動作を制御する弁制御装置120に、線119を介してこのデータを送信する。弁制御装置120は、低温蒸気分離器86内の液位が所定の水準を上回って上昇したとき、弁112をさらに開くようにプログラムされている。その結果、低温蒸気分離器(CVS)温度分離器114により、低温蒸気分離器86内の液位を調節または制御することが可能になる。
【0026】
[0031]中沸点冷媒液体流78は高圧アキュムレータ74から熱交換器の高圧液体流路122に導かれ、過冷却され、次いで膨張装置124を使用してフラッシュし、中温スタンドパイプ126へと導かれて中温冷媒蒸気流128および中温液体流130を形成し、これらは、(熱交換器の内部で、熱交換器のヘッダの内部で、または熱交換器のヘッダに入る前に)組み合わされ、熱交換器の主冷凍流路106へと導かれて、冷却を行う。
【0027】
[0032]低圧アキュムレータ44から出て行く液体流48は、暖温で混合冷媒の重質分であり、熱交換器16の予冷液体流路52に入り、過冷却される。その結果得られる過冷却された高沸点流54は熱交換器から出て行き、膨張装置56を通ってフラッシュし、暖温スタンドパイプ62へと導かれる。その結果、暖温冷媒蒸気流61および暖温液体流63が形成され、次いで(熱交換器の内部で、熱交換器のヘッダの内部で、または熱交換器のヘッダに入る前に)組み合わされ、熱交換器の主冷凍流路106へと導かれて、冷却を行う。
【0028】
[0033]暖温スタンドパイプ62、中温スタンドパイプ126、低温蒸気分離器(CVS)温度スタンドパイプ114、および低温スタンドパイプ98からの複合冷媒流は、複合冷媒戻り流132として主冷凍流路106を出て行き、この複合冷媒戻り流132は気相であることが好ましい。冷媒戻り流132は任意に存在してよいサクションドラム134へと流れ、それによって前に参照した混合冷媒蒸気流34になる。当技術分野で知られているように、任意に存在してよいサクションドラム134により、システム圧縮機に液体が送達されることが防止される。
【0029】
[0034]図1に提示されたシステムの実施形態では、たとえばDucoteらの米国特許出願公開第2014/0260415号の場合のように低温蒸気分離器86からの液体と高圧混合冷媒アキュムレータ74からの液体を熱交換器に入る前に混合させるのではなく、各液体は別々に熱交換器に導入される。さらに、低温蒸気分離器からの液体流および高圧混合冷媒アキュムレータからの液体流は、初期の個々の液体流が冷却され、次いで各膨張装置によってフラッシュさせられた後、対応する蒸気流とは別々に導入される。これにより、蒸気および液体の適切な分配という利点が熱交換器に与えられ、このことはろう付けアルミニウム熱交換器(BAHX)において、特に複数のBAHXが並列で使用される場合に特に重要である。さらに、図1のシステムでは、低温蒸気分離器からの液体と高圧混合冷媒アキュムレータからの液体が熱交換器に入る前に混合される設計と比較して効率がわずかに向上することが、本発明者らによって見出されている。
【0030】
[0035]図1に示した構成は、種々の規模の液体天然ガスプラントにおいて、コストを削減し、複雑さを軽減するように変化させることができる。たとえば、図2に提示した代替実施形態では、図1の暖温スタンドパイプ62が省略されている。低圧アキュムレータ244から出て行く液体流248は、暖温で混合冷媒の重質分であり、熱交換器216の予冷液体流路252に入り、過冷却される。その結果得られる過冷却された高沸点流254は熱交換器から出て行き、圧力を下げられ、または膨張装置256を通ってフラッシュする。その結果得られる冷媒流258は、熱交換器の主冷凍流路206へと導かれて、冷却を行う。
【0031】
[0036]図2のシステムの残りの部分および対応する構成要素は、以下に記載する例外を除く図3図6のシステムの場合と同様に、図1のシステムについて上に述べたものと同じであり、同じように動作する。
【0032】
[0037]図3に示した別の実施形態では、図1の低温スタンドパイプ98(および暖温スタンドパイプ62)が省略されている。熱交換器316は、低温分離器蒸気流388を受け取る低温分離器蒸気流路392を含む。低温分離器蒸気流は流路392で冷却され、凝縮されて液体流394になり、圧力を下げられるかまたは膨張装置396を通ってフラッシュし、その結果得られる冷媒流398は、熱交換器の主冷凍流路306へと導かれて、冷却を行う。
【0033】
[0038]図4に示すように、また図1図3のシステムとは対照的に、システムの代替実施形態は、低圧アキュムレータ444からの低圧冷媒を使用することなく動作するように構成されてもよい。
【0034】
[0039]図5に示す別の代替的な構成では、低圧アキュムレータからの液体冷媒流は、個別に熱交換器に入るのではなく、中温スタンドパイプ526または低温蒸気分離器(CVS)温度スタンドパイプ514に送られる。より具体的には、図5を参照すると、低圧アキュムレータ544から出て行く液体流548は、暖温で混合冷媒の重質分であり、熱交換器516の予冷液体流路552に入り、過冷却される。その結果得られる過冷却された高沸点流554は熱交換器を出て行き、圧力を下げられるかまたは膨張装置556を通ってフラッシュする。その結果得られる冷媒流558は、中温スタンドパイプ526へと導かれる。別法として、または追加的に、560の想像線で示されているように、膨張装置556から出て行く冷媒流は、低温蒸気分離器(CVS)温度スタンドパイプ514へと送られてもよい。別の代替策として、図5において561の想像線で示されているように、冷媒流558の一部または全部が主冷凍流路506へと送られてもよい。
【0035】
[0040]図5のシステムおよびプロセスにより、熱交換器516の主冷凍流路506への注入点の数が削減される。主冷凍流路への各注入点によって流路での圧力降下が生じることを考えると、注入点の数を削減することにより、システムの電力消費が削減され、したがって運転効率が向上する。加えて、熱交換器の製造が単純化され、それによって機器のコストが削減される。
【0036】
[0041]図6に示す別の代替的な構成では、コアアンドケトル型またはシェルアンドチューブ型の熱交換器616を使用して流路624を介して天然ガス供給流622を液化し、それにより、液体天然ガス製品流626が形成される。前の実施形態の場合のように、熱交換器616を含めた図6のシステムは、628の想像線で示されている、従来技術で知られている他のガス処理オプションを実施するように構成されてもよい。これらの処理オプションでは、ガス流が熱交換器を1回または複数回出入りすることが必要になる場合があり、たとえば天然ガス液の回収、または窒素除去を含む場合がある。
【0037】
[0042]図6の実施形態では、低圧アキュムレータ644から出て行く液体流648は、暖温で混合冷媒の重質分であり、熱交換器616の予冷液体流路652に入り、過冷却される。その結果得られる過冷却された高沸点流は熱交換器から出て行き、圧力を下げられるかまたは膨張装置656を通ってフラッシュし、その結果得られる冷媒流658は、熱交換器616のケトルまたはシェルへと導かれて、冷却を行う。
【0038】
[0043]熱交換器616は高圧蒸気流路682を含み、この高圧蒸気流路682は、高圧アキュムレータ674から高圧蒸気流676を受け取り、部分的に凝縮させるようにそれを冷却する。その結果得られる混合相の低温分離器供給流は低温蒸気分離器686に供給され、それにより、低温分離器蒸気流688および低温分離器液体流690が生成される。
【0039】
[0044]熱交換器616は、低温分離器蒸気流688を受け取る低温分離器蒸気流路692を含む。低温分離器蒸気流は流路692で冷却され、凝縮され、膨張装置696を通ってフラッシュし、熱交換器616のケトルまたはシェルの上部へと導かれて、冷却を行う。
【0040】
[0045]低温分離器液体流690は、低温分離器液体流路608において冷却されて、過冷却された低温分離器液体流を形成し、この低温分離器液体流は、612においてフラッシュし、熱交換器616のケトルまたはシェルへと導かれて、冷却を行う。
【0041】
[0046]中沸点冷媒液体流678は高圧アキュムレータ674から熱交換器の高圧液体流路622に導かれ、過冷却され、次いで膨張装置625を使用してフラッシュし、熱交換器616のケトルまたはシェルへと導かれて、冷却を行う。
【0042】
[0047]冷却を行うように図6の熱交換器616のケトルまたはシェルへと導かれた冷媒流のそれぞれは、ケトルまたはシェルの内側部の中に配置されたスプレー・バーまたは他の分配装置に入る。各流れが(上述の流路を含む)コアまたはチューブを横切ってケトルまたはシェルの内側部を通って落ち、冷却を行った後、各流れは一緒になって熱交換器616の下部から出て行き、冷媒戻り流632として、圧縮システムの任意に存在してよいサクションドラム634へと進む。
【0043】
[0048]本発明の好ましい実施形態を図示および説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱しない限りそれらに変更および修正が加えられてもよいことは当業者には明らかであり、本発明の趣旨の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
[発明の態様]
[1]
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)冷却流路を含む熱交換器であって、前記冷却流路は、前記ガスの供給を受けるように構成された入口と、前記熱交換器から製品が出て行く出口とを有し、前記熱交換器が、主冷凍流路、予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路をさらに含む、熱交換器、
b)前記主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する、第1の段の圧縮装置、
c)前記第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する第1の段のアフタークーラ、
d)前記第1の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する低圧アキュムレータ、
e)前記低圧アキュムレータの前記蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段の圧縮装置、
f)前記第2の段の圧縮装置の前記出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段のアフタークーラ、
g)前記第2の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する高圧アキュムレータ、
h)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
i)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する第1の膨張装置、
j)前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する中温分離装置、
k)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する第2の膨張装置、
l)前記第2の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、
m)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置、ならびに
n)前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した入口と、前記中温分離装置、前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、および前記主冷凍流路のうちの少なくとも1つと流体連通した出口とを有する第4の膨張装置
を備える、システム。
[2]
前記第1の段の圧縮装置および前記第2の段の圧縮装置が、単一の圧縮機の段である、1に記載のシステム。
[3]
前記中温分離装置、前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、および前記低温分離装置がスタンドパイプである、1に記載のシステム。
[4]
前記第4の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する暖温分離装置をさらに備える、1に記載のシステム。
[5]
前記第3の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する低温分離装置をさらに備える、1に記載のシステム。
[6]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記中温分離装置にのみ流体連通している、1に記載のシステム。
[7]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置にのみ流体連通している、1に記載のシステム。
[8]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記主冷凍流路にのみ流体連通している、1に記載のシステム。
[9]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記中温分離装置と前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置の両方に流体連通している、1に記載のシステム。
[10]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記中温分離装置と前記主冷凍流路の両方に流体連通している、1に記載のシステム。
[11]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置と前記主冷凍流路の両方に流体連通している、1に記載のシステム。
[12]
前記第4の膨張装置の前記出口が前記中温分離装置および前記低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、ならびに前記主冷凍流路に流体連通している、1に記載のシステム。
[13]
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)冷却流路を含む熱交換器であって、前記冷却流路は、前記ガスの供給を受けるように構成された入口と、前記熱交換器から製品が出て行く出口とを有し、前記熱交換器が、主冷凍流路、予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む、熱交換器、
b)前記主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する、第1の段の圧縮装置、
c)前記第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する第1の段のアフタークーラ、
d)前記第1の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する低圧アキュムレータ、
e)前記低圧アキュムレータの前記蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段の圧縮装置、
f)前記第2の段の圧縮装置の前記出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段のアフタークーラ、
g)前記第2の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する高圧アキュムレータ、
h)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
i)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第1の膨張装置、
j)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第2の膨張装置、
k)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置、ならびに
l)前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第4の膨張装置
を備える、システム。
[14]
前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する中温分離装置をさらに備える、13に記載のシステム。
[15]
前記第2の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置をさらに備える、13に記載のシステム。
[16]
前記第3の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する低温分離装置をさらに備える、13に記載のシステム。
[17]
前記第4の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する暖温分離装置をさらに備える、13に記載のシステム。
[18]
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)冷却流路を含む熱交換器であって、前記冷却流路は、前記ガスの供給を受けるように構成された入口と、前記熱交換器から製品が出て行く出口とを有し、前記熱交換器が、主冷凍流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む、熱交換器、
b)前記主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する圧縮装置、
c)前記圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有するアフタークーラ、
d)前記アフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有するアキュムレータ、
e)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
f)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する第1の膨張装置、
g)前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する中温分離装置、
h)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第2の膨張装置、ならびに
i)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置
を備える、システム。
[19]
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)冷却流路を含む熱交換器であって、前記冷却流路は、前記ガスの供給を受けるように構成された入口と、前記熱交換器から製品が出て行く出口とを有し、前記熱交換器が、主冷凍流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む、熱交換器、
b)前記主冷凍流路の出口と流体連通した入口を有する圧縮装置、
c)前記圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有するアフタークーラ、
d)前記アフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有するアキュムレータ、
e)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
f)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第1の膨張装置、
g)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、出口とを有する第2の膨張装置、
h)前記第2の膨張装置の前記出口と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した蒸気出口と、前記主冷凍流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器(CVS)温度分離装置、ならびに
i)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記主冷凍流路と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置
を備える、システム。
[20]
混合冷媒を用いてガスを冷却するためのシステムであって、
a)熱交換器であって、内側部を画定するシェルと、前記内側部の中に配置され、前記ガスの供給を受けるように構成された入口、および前記熱交換器から製品が出て行く出口を有する冷却流路とを含み、前記熱交換器が、前記内側部の中に配置された予冷液体流路、高圧蒸気流路、高圧液体流路、低温分離器蒸気流路、および低温分離器液体流路も含む、熱交換器、
b)前記熱交換器の前記内側部の出口と流体連通した入口を有する、第1の段の圧縮装置、
c)前記第1の段の圧縮装置の出口と流体連通した入口と、出口とを有する第1の段のアフタークーラ、
d)前記第1の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した液体出口と、蒸気出口とを有する低圧アキュムレータ、
e)前記低圧アキュムレータの前記蒸気出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段の圧縮装置、
f)前記第2の段の圧縮装置の前記出口と流体連通した入口と、出口とを有する第2の段のアフタークーラ、
g)前記第2の段のアフタークーラの前記出口と流体連通した入口を有し、前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した液体出口と、前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した蒸気出口とを有する高圧アキュムレータ、
h)前記熱交換器の前記高圧蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した蒸気出口と、前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した液体出口とを有する低温蒸気分離器、
i)前記熱交換器の前記高圧液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第1の膨張装置、
j)前記熱交換器の前記低温分離器液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第2の膨張装置、
k)前記熱交換器の前記低温分離器蒸気流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第3の膨張装置、ならびに
l)前記熱交換器の前記予冷液体流路と流体連通した入口と、前記熱交換器の前記内側部と流体連通した出口とを有する第4の膨張装置
を備える、システム。
[21]
混合冷媒を用いてガスを冷却する方法であって、
a)主冷凍流路に流れる混合冷媒と向流の間接熱交換関係になるように、熱交換器の冷却流路に前記ガスを流すステップと、
b)前記主冷凍流路から出て行く混合冷媒を圧縮システムにおいて調整および分離して、高沸点冷媒液体流、高圧蒸気流、および中沸点液体流を形成するステップと、
c)前記熱交換器において前記高圧蒸気を冷却するステップと、
d)前記冷却された高圧蒸気を低温分離器蒸気流と低温分離器液体流に分離するステップと、
e)前記熱交換器において前記低温分離器液体流を過冷却するステップと、
f)前記過冷却された低温分離器液体流をフラッシュさせて、第1の低温分離器混合相流を形成するステップと、
g)前記第1の低温分離器混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
h)前記熱交換器において前記低温分離器蒸気流を冷却するステップと、
i)前記冷却された低温分離器蒸気流をフラッシュさせて、第2の低温分離器混合相流を形成するステップと、
j)記第2の低温分離器混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
k)前記熱交換器において前記中沸点液体流を過冷却するステップと、
l)前記過冷却された中沸点液体流をフラッシュさせて、中沸点混合相流を形成するステップと、
m)前記中沸点混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと、
n)前記熱交換器において前記高沸点冷媒液体流を過冷却するステップと、
o)前記過冷却された高沸点冷媒液体流をフラッシュさせて、高沸点混合相流を形成するステップと、
p)前記高沸点混合相流を前記主冷凍流路へと導くステップと
を含む、混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
[22]
ステップg)が、前記第1の低温分離器混合相流を分離して低温蒸気分離器(CVS)温度蒸気流および低温蒸気分離器(CVS)温度液体流を形成し、前記低温蒸気分離器(CVS)温度蒸気流および前記低温蒸気分離器(CVS)温度液体流を前記主冷凍流路へと導くステップを含む、21に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
[23]
ステップp)が、前記高沸点混合相流と前記第1の低温分離器混合相流を組み合わせるステップを含む、22に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
[24]
ステップm)が、前記中沸点混合相流を分離して中温蒸気流および中温液体流を形成し、前記中温蒸気流および前記中温液体流を前記主冷凍流路へと導くステップを含む、21に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
[25]
ステップp)が前記高沸点混合相流と前記中沸点混合相流を組み合わせるステップを含む、24に記載の混合冷媒を用いてガスを冷却する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6