(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】撮像モジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 23/69 20230101AFI20240422BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240422BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20240422BHJP
G03B 17/04 20210101ALI20240422BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20240422BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240422BHJP
【FI】
H04N23/69
H04N23/50
H04N23/57
G03B17/04
G02B7/04 Z
G03B17/56 Z
(21)【出願番号】P 2022539634
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2021072904
(87)【国際公開番号】W WO2021147912
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】202010076068.3
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チーション
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0006934(US,A1)
【文献】特開平04-090529(JP,A)
【文献】特開2010-191442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/40-23/76
G02B 7/02-7/16
G03B 17/04
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像モジュールであって、
第一のブラケットと、
前記第一のブラケットに設置されるレンズと、
カメラ及び第二のブラケットを含み、前記カメラが前記第二のブラケットに設置され、前記第二のブラケットが前記第一のブラケットに摺動可能に嵌設され、前記レンズの光軸方向が前記カメラの光軸方向と平行であるカメラコンポーネントとを含み、
前記カメラと前記レンズのうちの少なくとも一つは、第一の位置と第二の位置との間に移動することができ、前記カメラ又は前記レンズが前記第一の位置にある場合、前記カメラの前記光軸方向に沿う投影は前記レンズの前記光軸方向に沿う投影とずれ、前記カメラ又は前記レンズが前記第二の位置にある場合、前記カメラの前記光軸方向に沿う投影は前記レンズの前記光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なり、
前記第一のブラケットと前記レンズの数はいずれも少なくとも二つであり、少なくとも二つの前記レンズは少なくとも二つの前記第一のブラケットに一対一で対応して設置され、且つ少なくとも二つの前記第一のブラケットは順次摺動可能に嵌設される、
撮像モジュール。
【請求項2】
前記カメラコンポーネントと前記第一のブラケットについては、一方に第一の位置制限部が設置されており、他方に第二の位置制限部が設置されており、前記カメラが前記第二の位置にある場合、前記第一の位置制限部と前記第二の位置制限部が位置制限嵌合を行う、請求項1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記第一のブラケット又は前記第二のブラケットに接続され、前記第一の位置と前記第二の位置との間に移動するように前記カメラ又は前記レンズを駆動することができる第一の駆動機構をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記第一のブラケット及び前記第二のブラケットについては、一方に摺動溝が設置されており、他方に摺動突起が設置されており、前記摺動溝が前記摺動突起と摺動可能に嵌合される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
機器本体と、前記機器本体に接続可能な請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の撮像モジュールを含む、電子機器。
【請求項6】
第二の駆動機構をさらに含み、前記機器本体はケースを含み、前記第二の駆動機構は前記ケース内に設置されており、前記第二の駆動機構は前記第一のブラケット又は前記第二のブラケットに接続され、前記第二の駆動機構は前記第一の位置と前記第二の位置との間に移動するように前記カメラ又は前記レンズを駆動することができる、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
第三の駆動機構をさらに含み、前記機器本体はケースを含み、前記ケースに開口が設置されており、前記第三の駆動機構は前記ケース内に設置されており、前記第三の駆動機構は前記撮像モジュールに接続され、前記第三の駆動機構は少なくとも部分的に前記開口を通して前記ケース外に突出するか又は前記ケース内に収縮するように前記撮像モジュールを駆動することができる、請求項5又は請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記電子機器は第一の状態及び第二の状態を有し、前記電子機器が前記第一の状態にある場合、前記撮像モジュールは前記機器本体から分離され、前記電子機器が前記第二の状態にある場合、前記撮像モジュールは前記機器本体に接続される、請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器の技術分野に関し、特に撮像モジュール、電子機器及び撮像モジュールの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、技術の進歩及び電子機器の絶えない発展に伴い、電子機器は、仕事、娯楽、ソーシャル等のシーンにおける不可欠なツールとなることによって、ユーザの電子機器に対する要求がますます高くなる。撮像モジュールを例として、電子機器の撮影能力は、電子機器の性能を判断する重要な基準となる。電子機器の撮像モジュールの絶えない発展に伴い、撮像モジュールのカメラの数はシングルカメラからマルチカメラに向かって発展することによって、撮像モジュールが、ズーム効果を実現することができ、さらに撮像モジュールの撮影効果が高くなる。
【0003】
しかしながら、一般的には、現在の電子機器の撮像モジュールの多くは、低倍率ズーム機能を実現することができるが、高倍率ズーム機能を実現することができないため、電子機器の撮像モジュールの撮影効果が低くなり、さらにユーザの撮影需要を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現在の電子機器の撮像モジュールが高倍率ズーム機能を実現することができないという問題が解決できる撮像モジュール、電子機器及び撮像モジュールの制御方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0006】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、撮像モジュールを提供する。この撮像モジュールは、
第一のブラケットと、
前記第一のブラケットに設置されるレンズと、
カメラ及び第二のブラケットを含み、前記カメラが前記第二のブラケットに設置され、前記第二のブラケットが前記第一のブラケットに摺動可能に嵌設され、前記レンズの光軸方向が前記カメラの光軸方向と平行であるカメラコンポーネントとを含み、
前記カメラと前記レンズのうちの少なくとも一つは、第一の位置と第二の位置との間に移動することができ、前記カメラ又は前記レンズが前記第一の位置にある場合、前記カメラの前記光軸方向に沿う投影は前記レンズの前記光軸方向に沿う投影とずれ、前記カメラ又は前記レンズが前記第二の位置にある場合、前記カメラの前記光軸方向に沿う投影は前記レンズの前記光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる。
【0007】
第二の方面によれば、本発明の実施例は、機器本体及び上記撮像モジュールを含む電子機器を提供する。前記撮像モジュールは、前記機器本体に接続することができる。
【0008】
第三の方面によれば、本発明の実施例は、撮像モジュールの制御方法を提供する。上記撮像モジュールに用いられ、この制御方法は、
前記撮像モジュールのターゲット焦点距離を取得することと、
前記ターゲット焦点距離に基づき、前記第一の位置と前記第二の位置との間に移動するように前記カメラ又は前記レンズを制御することによって、前記撮像モジュールの実際の焦点距離を前記ターゲット焦点距離に等しくすることとを含む。
【0009】
第四の方面によれば、本発明の実施例は、電子機器を提供する。この電子機器は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されており、前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記制御方法のステップを実現させる。
【0010】
第五の方面によれば、本出願の実施例は、可読記憶媒体を提供する。前記可読記憶媒体にプログラム又は命令が記憶されており、前記プログラム又は命令がプロセッサによって実行される時、第三の方面に記載の制御方法のステップを実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例で開示される撮像モジュールにおいて、カメラ又はレンズが第二の位置にある場合、カメラの光軸方向に沿う投影とレンズの光軸方向に沿う投影は少なくとも部分的に重なり、この時に光線はレンズを通過してから、カメラに入ることによって、高倍率ズーム機能を実現することができ、さらに撮像モジュールの撮影効果が比較的高くなり、最終的にユーザの撮影需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】それぞれ本発明の実施例で開示される撮像モジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図2】それぞれ本発明の実施例で開示される撮像モジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図3】それぞれ本発明の実施例で開示される撮像モジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図4】それぞれ本発明の実施例で開示される撮像モジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例で開示される撮像モジュールの断面図である。
【
図6】本発明の実施例で開示される撮像モジュールの別の状態での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の具体的な実施例及び相応な添付図面を結び付けて、本発明の技術案を明確且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
以下は、添付図面を結び付けながら、本発明の各実施例で開示される技術案を詳細に説明する。
【0015】
図1~
図6に示すように、本発明の実施例は撮像モジュールを開示し、開示された撮像モジュールは、第一のブラケット100と、レンズ200と、カメラコンポーネント300とを含む。
【0016】
第一のブラケット100は撮像モジュールの他の部品のために取付位置を提供することができ、第一のブラケット100は枠状構造部材又は板状構造部材であってもよく、本発明の実施例は第一のブラケット100の具体的な構造を限定しない。
【0017】
レンズ200は撮像モジュールの重要な構成部分の一つであり、本発明の実施例では、レンズ200は第一のブラケット100に設置され、選択的に、第一のブラケット100に取付孔が設置されてもよく、レンズ200は接着、ネジ接続、係止、磁気吸着接続などの方式で取付孔に取り付けられてもよく、レンズ200は取り外し可能な構造に設置されてもよく、取り外し不可能な構造に設置されてもよい。当然のことながら、レンズ200を第一のブラケット100に取り付ける方式は様々であり、本発明の実施例はレンズ200の第一のブラケット100での具体的な取り付け方式を制限しない。
【0018】
カメラコンポーネント300はカメラ310及び第二のブラケット320を含み、カメラ310は第二のブラケット320に設置され、選択的に、第二のブラケット320は枠状構造部材であってもよく、この場合、カメラ310は第二のブラケット320のキャビティ内に設置されてもよく、それに応じて、カメラ310の撮影を制御する回路基板等の装置は第二のブラケット320のキャビティ内に設置されてもよく、それによって、撮像モジュールの構造が比較的コンパクトになる。それとともに、第二のブラケット320の表面にカメラ310に対向するレンズシート330が設置されてもよく、それによって、カメラコンポーネント300は、正常な撮影を実現すると共に、カメラ310を保護することができる。
【0019】
本発明の実施例では、第二のブラケット320と第一のブラケット100は摺動可能に嵌設され、この場合、第二のブラケット320と第一のブラケット100との間の相対的な移動により、カメラ310とレンズ200を相対的な位置に位置させることができ、それによって、カメラ310は、レンズ200の作動面を向き、さらに、カメラ310は、レンズ200により遠距離画像を撮影することができる。当然のことながら、レンズ200の光軸方向はカメラ310の光軸方向と平行である。
【0020】
具体的には、カメラ310及びレンズ200のうちの少なくとも一つは第一の位置と第二の位置との間に移動することができ、すなわち、カメラ310又はレンズ200のみが移動可能であるという方案を採用してもよいし、カメラ310及びレンズ200がいずれも移動可能であるという方案を採用してもよい。カメラ310又はレンズ200が第一の位置にある場合、カメラ310の前記光軸方向に沿う投影はレンズ200の光軸方向に沿う投影とずれ、カメラ310又はレンズ200が第二の位置にある場合、カメラ310の光軸方向に沿う投影はレンズ200の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる。一選択的な実施例では、撮影過程で、撮影本体と撮像モジュールとの間の距離が比較的近い場合、ユーザは、レンズ200とカメラ310との相対的な距離が増加する方向に沿って移動するようにカメラ310又はレンズ200を制御することによって、カメラ310の光軸方向に沿う投影がレンズ200の光軸方向に沿う投影とずれるようにすることができ、撮影本体と撮像モジュールとの間の距離が比較的遠い場合、ユーザは、レンズ200とカメラ310との相対的な距離が減少する方向に沿って移動するようにカメラ310又はレンズ200を制御することによって、カメラ310の光軸方向に沿う投影がレンズ200の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なるようになり、最終的に撮像モジュールが撮影本体をより明瞭に撮影することができる。
【0021】
上記内容から分かるように、本発明の実施例で開示される撮像モジュールにおいて、カメラ310又はレンズ200が第二の位置にある場合、カメラ310の光軸方向に沿う投影とレンズ200の光軸方向に沿う投影は少なくとも部分的に重なり、この時に光線はレンズ200を通過してから、カメラ310に入ることによって、高倍率ズーム機能を実現することができ、さらに撮像モジュールの撮影効果が比較的高くなり、最終的にユーザの撮影需要を満たすことができる。
【0022】
本発明が開示する実施例では、第一のブラケット100とレンズ200の数はいずれも少なくとも二つであってもよく、具体的には、少なくとも二つのレンズ200は少なくとも二つの第一のブラケット100に一対一で対応して設置されてもよく、かつ少なくとも二つの第一のブラケット100は順次摺動可能に嵌設されてもよい。この場合、第二のブラケット320は少なくとも二つの第一のブラケット100と摺動可能に嵌設されてもよく、撮影過程で、第二のブラケット320と少なくとも二つの第一のブラケット100との間の相対的な移動によって、カメラ310の光軸方向での投影が少なくとも二つのレンズ200の光軸方向での投影と少なくとも部分的に重なるようになり、さらに、撮像モジュールは、より高い倍数のズーム機能を実現することができ、より遠い距離の画像を撮影することができる。当然のことながら、このような方式も撮像モジュールの柔軟性をより高くし、撮像モジュールは、撮影本体の具体的な位置に基づき、カメラ310に向かうレンズ200の数を調整することができ、それによって、撮像モジュールは、適切なターゲット焦点距離を取得することができ、最終的により明瞭な画像を撮影することができる。
【0023】
本発明の実施例では、カメラコンポーネント300及び第一のブラケット100については、一方に第一の位置制限部が設置されてもよく、他方に第二の位置制限部が設置されてもよく、具体的には、カメラコンポーネント300の第二のブラケット320に、本明細書の前記第一の位置制限部又は第二の位置制限部が設置されてもよい。具体的な作動過程で、カメラ310又はレンズ200が第二の位置にある場合、第一の位置制限部と第二の位置制限部は位置制限嵌合を行うことができ、それによって、カメラ310の光軸方向に沿う投影は比較的安定的にレンズ200の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なることができ、さらにカメラ310の光軸方向に沿う投影とレンズ200の光軸方向に沿う投影がずれて撮像モジュールの撮影効果に影響を与えることを防止する。
【0024】
それに応じて、第一のブラケット100とレンズ200の数が少なくとも二つである場合、隣接する二つの第一のブラケット100については、一方に第三の位置制限部が設置されてもよく、他方に第四の位置制限部が設置されてもよく、この場合に、隣接する二つの第一のブラケット100について、そのうちの一つの第一のブラケット100におけるレンズ200の光軸方向に沿う投影がもう一つの第一のブラケット100におけるレンズ200の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる時、第三の位置制限部と第四の位置制限部は位置制限嵌合を行うことができ、それによって、二つの第一のブラケット100は上記位置に維持することができ、さらにそのうちの一つの第一のブラケット100におけるレンズ200の光軸方向に沿う投影がもう一つの第一のブラケット100におけるレンズ200の光軸方向に沿う投影とずれて撮像モジュールの撮影効果に影響を与えることを防止する。
【0025】
第一の位置制限部と第二の位置制限部の具体的な構造は様々であってもよく、例えば、第一の位置制限部と第二の位置制限部については、一方は係止溝であってもよく、他方は突起であってもよく、係止溝と突起は位置制限嵌合することができ、又は、第一の位置制限部と第二の位置制限部について、少なくとも一つは磁気吸着部であってもよく、カメラ310又はレンズ200が第二の位置にある場合に、第一の位置制限部と第二の位置制限部は磁気吸着により接続することができる。当然のことながら、第一の位置制限部及び第二の位置制限部の具体的な構造は、様々であってもよく、本発明は第一の位置制限部及び第二の位置制限部の具体的な構造を制限しない。
【0026】
それに応じて、カメラ310又はレンズ200が第一の位置にある場合、カメラコンポーネント300と第一のブラケット100との間で対応する位置制限機構が設置されてもよく、それによってカメラコンポーネント300と第一のブラケット100との分離を防止する。一選択的な方案において、カメラコンポーネント300及び第一のブラケット100については、一方に第一のシフト位置突起が設置されてもよく、他方に第二のシフト位置突起が設置されてもよく、カメラ310又はレンズ200が第一の位置にある場合、第一のシフト位置突起と第二のシフト位置突起は位置制限嵌合を行うことによって、カメラコンポーネント300と第一のブラケット100との分離を防止する。
【0027】
本発明が開示する実施例では、撮像モジュールは第一の駆動機構400をさらに含んでもよく、具体的には、第一の駆動機構400は、第一のブラケット100又は第二のブラケット320に接続されてもよく、選択的に、第一の駆動機構400は第一のブラケット100に接続されてもよく、それによって、第一の駆動機構400は、第一のブラケット100の移動を駆動して、レンズ200を第一の位置と第二の位置との間に移動させ、第一の駆動機構400は、第二のブラケット320に接続されてもよく、それによって、第一の駆動機構400は、第二のブラケット320の移動を駆動して、カメラ310を第一の位置と第二の位置との間に移動させる。撮影過程で、第一の駆動機構400は、第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を駆動することができ、それによって、撮像モジュールは、ズーム機能を比較的容易に実現することができ、さらにユーザの撮影体験を向上させることができる。
【0028】
本発明の実施例では、第一のブラケット100及び第二のブラケット320については、一方に摺動溝が設置されてもよく、他方に摺動突起が設置されてもよく、摺動溝と摺動突起は摺動可能に嵌合することができる。この場合、第一のブラケット100と第二のブラケット320が相対的に摺動する過程で、摺動溝と摺動突起は良好なガイド作用を果たすことができ、それによって、第一のブラケット100と第二のブラケット320との間の摺動をより安定化し、さらに固着現象の発生を防止することができ、また、摺動溝と摺動突起はさらに良好な位置制限作用を果たすことができ、それによって、第一のブラケット100と第二のブラケット320がずれて撮像モジュールの撮影効果に影響を与えることを防止する。
【0029】
本発明の実施例で開示される撮像モジュールに基づき、本発明の実施例は、電子機器をさらに開示し、開示された電子機器は、機器本体と上記任意の実施例に記載の撮像モジュールとを含み、撮像モジュールは、機器本体に接続することができる。機器本体は、ケースを含んでもよく、ケースは機器本体の周辺部材であり、ケースは電子機器の他の部材に取付位置を提供することができる。
【0030】
さらに、本発明の実施例では、電子機器は第二の駆動機構をさらに含んでもよく、第二の駆動機構は機器本体のケース内に設置され、第二の駆動機構は第一のブラケット100又は第二のブラケット320に接続されてもよく、具体的な撮影過程で、第二の駆動機構は第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を駆動することができ、それによって、撮像モジュールは、ズーム機能を容易に実現することができる。これに基づき、組立過程で、撮像モジュールの少なくとも一部はケース外に露出することができ、それによって、撮像モジュールはケース外で作動することができ、撮像モジュールはケース内に設置されてもよく、この場合、ケースに光透過領域が開設されてもよく、撮像モジュールは光透過領域に向くことができ、それによって、撮像モジュールは、ケース内で作動することができる。
【0031】
前記第一の駆動機構400は同様に第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を駆動することができ、選択的に、第一の駆動機構400又は第二の駆動機構のみを設置してカメラ310又はレンズ200の移動を実現してもよいし、第一の駆動機構400及び第二の駆動機構を同時に設置してもよく、本発明の実施例はこれを限定しない。
【0032】
一選択的な実施例では、電子機器はさらに第三の駆動機構を含んでもよく、機器本体のケースに開口が設置されてもよく、第三の駆動機構はケース内に設置されてもよく、第三の駆動機構は撮像モジュールに接続されてもよい。撮影過程で、第三の駆動機構は、少なくとも部分的に開口を通してケース外に突出するか又はケース内に収縮するように撮像モジュールを駆動することができる。この場合では、撮像モジュールの撮影機能を使用する必要がある場合、第三の駆動機構を制御して、少なくとも部分的に開口を通してケース外に突出するように撮像モジュールを駆動することができ、それによって、撮像モジュールはケース外で作動することができ、さらに撮像モジュールの撮影効果を向上させることができ、撮像モジュールの撮影機能を使用する必要がない場合、撮像モジュールをケース内に位置させてもよい。本明細書の撮像モジュールは、前方撮影を実現してもよいし、後方撮影を実現してもよく、それが前方撮影を実現する場合、撮像モジュールは、電子機器の画面空間を占用せず、それによって、電子機器の画面占有率を向上させ、それが後方撮影を実現する場合、ケースに撮像モジュールに対応して光透過領域等の構造を設置する必要がなく、それによって、電子機器の外観質感を向上させると共に、防水防塵作用を果たすことができる。
【0033】
当然のことながら、前記第一の駆動機構400、第二の駆動機構及び第三の駆動機構は、油圧伸縮機構、空気圧伸縮機構、スクリュー駆動機構のうちの少なくとも一つであってもよく、本発明は、第一の駆動機構400、第二の駆動機構及び第二の駆動機構の具体的な構造を限定しない。選択的に、第一の駆動機構400、第二の駆動機構又は第三の駆動機構がスクリュー駆動機構である場合、スクリュー駆動機構は、モータ、スクリュー、スクリュースリーブ等の構造を含んでもよく、モータは、回転するようにスクリューを駆動することができ、スクリュースリーブは、スクリューと螺合し、それによって、スクリューは、移動するようにスクリュースリーブを駆動することができ、スクリュースリーブは、第一のブラケット100、第二のブラケット320又は撮像モジュール全体に接続され、それによって、第一のブラケット100、第二のブラケット320又は撮像モジュール全体を移動するように駆動する。
【0034】
一選択的な実施例では、電子機器は、第一の状態及び第二の状態を有してもよく、電子機器が第一の状態にある場合、撮像モジュールは機器本体から分離することができ、この場合に、撮像モジュールと機器本体は独立して作動することができ、互いに干渉せず、又は、機器本体は、無線モジュールにより撮像モジュールの作動を制御することができ、それによって、撮像モジュールは、撮影機能をより自由に果たすことができ、電子機器が第二の状態にある場合、撮像モジュールは機器本体に接続することができ、この場合に、機器本体と撮像モジュールは一体に形成され、撮像モジュールは、機器本体によりデータ伝送、充電等の機能を実現することができ、又は、機器本体は、撮像モジュールの作動を直接制御することができる。
【0035】
本発明の実施例で開示される撮像モジュールに基づき、本発明の実施例は撮像モジュールの制御方法をさらに開示し、開示された制御方法は、以下を含む。
【0036】
S100において、撮像モジュールのターゲット焦点距離を取得する。
【0037】
本明細書のターゲット焦点距離は、撮影本体とカメラ310との距離から求めることができる。
【0038】
S200において、上記ターゲット焦点距離に基づき、第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を制御することによって、撮像モジュールの実際の焦点距離をターゲット焦点距離に等しくする。
【0039】
撮像モジュールのターゲット焦点距離を取得した後、第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を制御することができ、カメラ310とレンズ200との協働により、撮像モジュールの実際の焦点距離をターゲット焦点距離に等しくすることによって、撮像モジュールがより明瞭な画像を撮影することができる。
【0040】
上記制御方法を採用した後、カメラ310又はレンズ200が第二の位置にある場合、カメラ310の光軸方向に沿う投影はレンズ200の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なり、この時に、光線はレンズ200を通過してから、カメラ310に入ることによって、高倍率ズーム機能を実現することができ、さらに、撮像モジュールの撮影効果が比較的高くなり、最終的にユーザの撮影需要を満たすことができる。
【0041】
ユーザが撮像モジュールを使用しやすくするために、上記ステップS100は、具体的に以下を含む。
【0042】
S110において、ユーザの第一の入力を受信し、第一の入力は、撮影操作をトリガするために用いられる。
【0043】
S120において、第一の入力に応答して、撮影本体が位置する環境に対してシーン識別を行い、識別されたシーンにマッチングするターゲット焦点距離を取得する。
【0044】
具体的には、ユーザが撮像モジュールを使用する過程で、ユーザはまず撮影ボタンをクリックするなどの方式で撮影操作をトリガすることができ、この場合に、撮像モジュールは、ユーザの第一の入力を受信し、ユーザの第一の入力を取得した後に、撮影本体が位置する環境に対してシーン識別を行ってもよく、一選択的な方案において、撮像モジュールにマンマシンインターフェースが設置されてもよく、ユーザは、マンマシンインターフェース上で対応するパラメータを入力することができ、さらに電子機器が該パラメータに基づいて撮影本体が位置する環境に対してシーン識別を行うことができ、別の選択的な方案において、撮像モジュールに感知モジュールが設置されてもよく、撮像モジュールは、感知モジュールにより撮影本体に対してシーン識別を行うことができる。さらに、電子機器に識別されたシーンとターゲット焦点距離との対応関係テーブルを予め記憶することができ、シーン識別操作を実施した後、該対応関係テーブルに基づき、識別されたシーンにマッチングするターゲット焦点距離を取得することができる。
【0045】
撮像モジュールがより高い倍数のズーム機能を実現することができるように、一選択的な方案において、第一のブラケット100とレンズ200の数はいずれも少なくとも二つであってもよく、少なくとも二つのレンズ200は少なくとも二つの第一のブラケット100に一対一で対応して設置され、且つ少なくとも二つの第一のブラケット100は順次摺動可能に嵌設され、レンズ200の光軸方向はカメラ310の光軸方向と平行である。このとき、上記ステップS200は、具体的に以下を含んでもよい。
【0046】
S210において、撮像モジュールの実際の焦点距離がターゲット焦点距離に等しいか否かを検出する。
【0047】
カメラ310とレンズ200が相対的に移動していない場合、上記実際の焦点距離はターゲット焦点距離と異なる可能性があるため、該ステップS210を実施することができ、カメラ310とレンズ200が相対的に移動したが、所定の位置に移動していなかった場合、上記実際の焦点距離はターゲット焦点距離と異なる可能性があるため、該ステップS210を実施することもできる。
【0048】
S220において、実際の焦点距離がターゲット焦点距離と等しくない場合、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影とずれるか否かを検出する。
【0049】
S230において、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影とずれる場合、第一の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御する。
【0050】
S240において、少なくとも一つのレンズ200の光軸方向に沿う投影がカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる場合、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なるか否かを検出する。
【0051】
S250において、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる場合、第二の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御する。
【0052】
S260において、少なくとも一つのレンズ200の光軸方向に沿う投影がカメラ310の光軸方向に沿う投影とずれる場合、第一の方向又は第二の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御する。
【0053】
なお、第一の方向はレンズ200とカメラ310との相対的な距離が減少する方向であり、すなわちレンズ200とカメラ310とが互いに近づく方向であり、第二の方向は第一の方向と逆であり、すなわちレンズ200とカメラ310との相対的な距離が増加する方向である。上記方案を採用する場合、撮像モジュールの状態をより正確に制御することができ、それによって撮像モジュールの撮影効果を向上させることができる。
【0054】
上記任意の実施例に記載の制御方法に基づき、本発明の実施例は電子機器をさらに提供し、それは以下を含んでもよい。
【0055】
取得モジュールであって、撮像モジュールのターゲット焦点距離を取得するために用いられる。
【0056】
制御モジュールであって、ターゲット焦点距離に基づき、第一の位置と第二の位置との間に移動するようにカメラ310又はレンズ200を制御することによって、撮像モジュールの実際の焦点距離をターゲット焦点距離に等しくするために用いられる。
【0057】
さらに、前述したように、撮像モジュールがターゲット焦点距離を正確に取得できるように、取得モジュールは、受信ユニット及びシーン識別ユニットを含んでもよく、受信ユニットは、ユーザの第一の入力を受信するために用いられ、シーン識別ユニットは、第一の入力に応答して、撮影本体が位置する環境に対してシーン識別を行うことによって、識別されたシーンにマッチングするターゲット焦点距離を得るために用いられる。
【0058】
撮像モジュールがより高い倍数のズーム機能を実現することができるように、制御モジュールは、以下を含んでもよい。
【0059】
第一の検出ユニットであって、撮像モジュールの実際の焦点距離がターゲット焦点距離に等しいか否かを検出するために用いられる。
【0060】
第二の検出ユニットであって、実際の焦点距離がターゲット焦点距離と等しくない場合、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影とずれるか否かを検出するために用いられる。
【0061】
第一の制御ユニットであって、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影とずれる場合、第一の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御するために用いられる。
【0062】
第三の検出ユニットであって、少なくとも一つのレンズ200の光軸方向に沿う投影がカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる場合、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なるか否かを検出するために用いられる。
【0063】
第二の制御ユニットであって、各レンズ200の光軸方向に沿う投影がいずれもカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる場合、第二の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御するために用いられる。
【0064】
第四の制御ユニットであって、少なくとも一つのレンズ200の光軸方向に沿う投影がカメラ310の光軸方向に沿う投影と少なくとも部分的に重なる場合、第一の方向又は第二の方向に沿って移動するように少なくとも一つのレンズ200又はカメラ310を制御するために用いられる。
【0065】
そのうち、第一の方向は、レンズ200とカメラ310との相対的な距離が減少する方向であり、第二の方向は第一の方向と逆であり、すなわちレンズ200とカメラ310との相対的な距離が増加する方向である。
【0066】
本発明の実施例は電子機器をさらに開示し、それは、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶されており、プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記任意の実施例に記載の制御方法のステップを実現させる。
【0067】
本発明の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに開示し、該コンピュータ可読記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記任意の実施例に記載の制御方法のステップを実現させる。
【0068】
そのうち、前記プロセッサは上記実施例に記載の電子機器におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等を含む。
【0069】
本発明の実施例で開示される電子機器はスマートフォン、タブレットコンピュータ、電子リーダー、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ)、電子ゲーム機等の機器であってもよく、本発明の実施例は、電子機器の具体的な種類を制限しない。
【0070】
本発明の上記実施例は、各実施例間の相違点を重点として記述しており、各実施例間の異なる最適化特徴は、矛盾しない限り、いずれも組み合わせによりさらに好適な実施例を形成することができる。記述を簡潔にするために、ここではこれ以上説明しない。
【0071】
前記内容は、本発明の実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではない。当業者にとって、本発明には、様々な修正及び変更が可能である。本発明の精神及び原理内で行われる全ての修正、同等置き換え、改善などは、本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0072】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年01月22日に中国で提出された中国特許出願番号No.202010076068.3の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。