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特許7476321化粧品材料の分注のための装置およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】化粧品材料の分注のための装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20240422BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20240422BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20240422BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240422BHJP
   A61K 8/00 20060101ALI20240422BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240422BHJP
【FI】
A45D44/00 A
A61Q1/04
A61Q1/12
G06T7/00 660A
G06T7/00 350B
A61K8/00
G06Q50/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022545434
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 US2021015832
(87)【国際公開番号】W WO2021155237
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】62/968,877
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2004504
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】17/139,338
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/139,340
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/139,391
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/139,454
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/139,457
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スワント, アルディナ
(72)【発明者】
【氏名】バルーチ, グイヴ
(72)【発明者】
【氏名】シャーロー, グレゴワール
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-511933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0280905(US,A1)
【文献】特表2019-515759(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158729(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/00
B01F 25/00~35/95
A61Q 1/00~ 1/14
G06T 7/00
A61K 8/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
処理回路を含むモバイルユーザデバイスであって、前記処理回路が、
ユーザの肌のトーンを決定するアプリケーションを実行することと、
前記ユーザの前記肌のトーンに関連付けられた複数の別個のファンデーション成分の組み合わせに基づく、目標ファンデーションを生成するためのレシピを決定および伝送することと、を行うように構成されている、モバイルユーザデバイスと、
前記モバイルユーザデバイスから伝送された前記レシピを受信することと、前記複数の別個のファンデーション成分の各々の分注された量が分注表面上ブレンドされるときに、前記目標ファンデーションが達成されるように、前記複数の別個のファンデーション成分の各々を共通の分注表面の上に分注することと、を行うように構成された分注デバイスと、を備え、
前記モバイルユーザデバイスの前記処理回路が、前記モバイルユーザデバイスのカメラによって取り込まれる前記ユーザの自己撮影画像内の前記ユーザの検出された顔の特徴に基づいて、前記ユーザの肌のトーンを決定するように構成されており
前記自己撮影画像が、360°ビデオであり、
前記モバイルユーザデバイスの前記処理回路が、前記ビデオの複数のフレーム内の前記ユーザの顔の検出を実行し、前記複数のフレーム内の検出された肌のトーンの中央値に基づいて、前記ユーザの前記肌のトーンを予測するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記モバイルユーザデバイスの前記処理回路が、深層学習モデルにさらに基づいて、前記ユーザの前記肌のトーンを予測するように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記モバイルユーザデバイスの前記処理回路が、前記ビデオの複数のフレーム内の前記ユーザの顔の検出を実行し、前記ビデオの前記複数のフレーム内のノイズ予測評価を実行することと、
前記ノイズ予測評価が、閾値を下回るノイズレベルを示すときに、前記複数のフレーム内の検出された肌のトーンの中央値に基づいて、前記ユーザの前記肌のトーンを予測することと、
前記ノイズ予測評価が、閾値を上回るノイズレベルを示すときに、前記ユーザの前記肌のトーンを予測するために、以前に使用されたファンデーションの情報を提供することを前記ユーザに要求することと、を行うように構成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記分注表面が、装置の取り外し可能な部分の一部であるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
モバイルユーザデバイスおよび分注デバイスを含むシステムによって実装される方法であって、前記方法が、
前記モバイルユーザデバイスによって、ユーザの肌のトーンを決定するアプリケーションを実行することと、
前記モバイルユーザデバイスによって、前記ユーザの前記肌のトーンに関連付けられている、複数の別個のファンデーション成分の組み合わせに基づいて、目標ファンデーションを生成するためのレシピを決定および伝送することと、
前記分注デバイスによって、前記モバイルユーザデバイスから伝送された前記レシピを受信すること、ならびに、前記複数の別個のファンデーション成分の各々の分注された量が分注表面上でブレンドされるときに、前記目標ファンデーションが達成されるように、前記複数の別個のファンデーション成分の各々を共通の分注表面の上に分注することと、を含み、
前記モバイルユーザデバイスが、前記モバイルユーザデバイスのカメラによって取り込まれる前記ユーザの自己撮影画像における、前記ユーザの検出された顔の特徴に基づいて、前記ユーザの肌のトーンを決定
前記自己撮影画像が、360°ビデオであり、
前記方法は、前記ビデオの複数のフレーム内の前記ユーザの顔の検出を実行することと、前記複数のフレーム内の検出された肌のトーンの中央値に基づいて、前記ユーザの前記肌のトーンを予測することとをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月31日に出願された米国仮特許出願第62/968,877号、2020年12月31日に出願された米国特許出願第17/139,454号、2020年12月31日に出願された米国特許出願第17/139,340号、2020年12月31日に出願された米国特許出願第17/139,457号、2020年12月31日に出願された米国特許出願第17/139,338号、2020年12月31日に出願された米国特許出願第17/139,391号、および2020年5月6日に出願されたフランス特許出願第FR2004504号の利益を主張し、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書における開示は、一般に、特定のユーザのためにブレンドおよび分注され得る化粧品材料の組み合わせを決定するためのシステム、装置、および方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
ある実施形態では、ユーザの肌のトーンを決定することと、ユーザの肌のトーンに関連付けられている、複数の別個のファンデーション成分の組み合わせに基づく、目標ファンデーションを生成するためのレシピを決定および伝送することと、を行うように構成された処理回路を含むモバイルユーザデバイスと、モバイルユーザデバイスから伝送されたレシピを受信することと、複数の別個のファンデーション成分の各々の分注された量が分注表面上にブレンドされるときに、目標ファンデーションが達成されるように、複数の別個のファンデーション成分の各々を共通の分注表面に分注することと、を行うように構成された分注デバイスと、を含むシステムであって、モバイルユーザデバイスの処理回路が、モバイルユーザデバイスのカメラによって取り込まれるユーザの自己撮影画像内のユーザの検出された顔の特徴に基づいて、ユーザの肌のトーンを決定するように構成されている、システムが提供される。
【0004】
ある実施形態では、ユーザから口紅の目標色の選択を受信するアプリケーションを実行することと、複数の別個の口紅成分の組み合わせに基づく、口紅の目標色を生成するためのレシピを決定および伝送することと、を行うように構成された処理回路を含むモバイルユーザデバイスと、モバイルユーザデバイスから伝送されたレシピを受信することと、複数の別個の口紅成分の各々の分注量が分注表面上にブレンドされたときに、口紅の目標色が達成されるように、複数の別個の口紅成分の各々を共通の分注表面の上に分注することと、を行うように構成された分注デバイスと、を含むシステムであって、モバイルユーザデバイスの処理回路が、スマートフォンのユーザの少なくともユーザプロファイルに基づく、口紅の少なくとも1つの候補色をユーザに提示するように構成されている、システムが提供される。
【0005】
ある実施形態では、ユーザから目標スキンケア配合物の選択を受信するアプリケーションを実行することと、複数の別個のスキンケア配合物成分の組み合わせに基づく、目標スキンケア配合物を生成するためのレシピを決定および伝送することと、を行うように構成された処理回路を含むモバイルユーザデバイスと、モバイルユーザデバイスから伝送されたレシピを受信することと、複数の別個のスキンケア配合物成分の各々の分注量が分注表面の上にブレンドされたときに、目標スキンケア配合物が達成されるように、複数の別個のスキンケア配合物成分の各々を共通の分注表面上に分注することと、を行うように構成された分注デバイスと、を含むシステムであって、モバイルユーザデバイスの処理回路が、スマートフォンのユーザのユーザプロファイルに基づいて、目標スキンケア配合物によって対処される、少なくとも1つの候補優先肌状態をユーザに提示するように構成されている、システムが提供される。
【0006】
ある実施形態では、化粧品材料を含む少なくとも1つのカートリッジを受容することと、指定量の化粧品材料をカートリッジから受容領域に分注することと、を行うように構成された分注デバイスであって、少なくとも1つのカートリッジが、カートリッジに格納された化粧品材料に関するデータを格納するように構成された電子通信および格納デバイスを含む、分注デバイスと、電子通信および格納デバイスに格納されたデータに関連する情報を受信するために分注アセンブリとの通信を実行することと、分注アセンブリに指定量の化粧品材料を分注させるコマンドを伝送することと、を行うように構成されたモバイルユーザデバイスとを含むシステムであって、電子通信および格納デバイスが、(i)少なくとも1つのカートリッジが分注デバイスに最初に挿入される前に作成される少なくとも1つのカートリッジの生産プロセス、および(ii)少なくとも1つのカートリッジが分注デバイスに挿入された後の少なくとも1つのカートリッジの使用に関するデータを格納する、システムが提供される。
【0007】
ある実施形態では、化粧品材料を含む少なくとも1つのカートリッジを受容することと、指定量の化粧品材料をカートリッジから分注表面の上に分注することと、を行うように構成された分注デバイスを含む、化粧品材料を分注するための装置であって、分注表面が、装置の取り外し可能な部分の一部であるように構成されており、分注デバイスが、取り外し可能な部分の下に配設された引き込み式プレートをさらに含み、少なくとも1つのカートリッジの分注端が、(i)引き込み式プレートが安定した最高位置にあるときに、少なくとも1つのカートリッジの分注端が、引き込み式プレートの表面と同一平面になり、(ii)引き込み式プレートが最高位置より下の所定の安定した下向きの位置に移動され、取り外し可能な部分が、引き込み式表面上に配置されるときに、少なくとも1つのカートリッジの分注端が、分注表面と同一平面となるように、引き込み式プレートおよび取り外し可能な部分を貫通するように構成され、引き込み式プレートが、取り外し可能な部分上の下向きの力に応答して、不安定な位置までさらに下向きに移動するように構成されている、装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面と関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによって、本開示およびその付随する多くの利点がより良く理解されるので、そのより完全な理解が容易に得られる。
【0009】
図1】一実施例による、化粧品分注デバイス、または化粧品分注器の全体斜視図である。
図2】一実施例による、分注器本体の斜視図である。
図3】一実施例による、分注器本体が取り外された化粧品分注器の斜視図である。
図4A】一実施例による、化粧品分注器の内部構成要素の斜視図である。
図4B】一実施例による、化粧品分注器の内部構成要素の斜視図である。
図5】一実施例による、カートリッジの斜視図である。
図6】一実施例による、カートリッジギアの斜視図である。
図7A】一実施例による、底部プレートの斜視図である。
図7B】一実施例による、底部から見た、底部プレートの斜視図である。
図8】一実施例による、ベースの斜視図である。
図9A】一実施例による、マニホールドの上に配設された、コンパクトの分解斜視図である。
図9B】一実施例による、開位置におけるコンパクトの斜視図である。
図10】一実施例による、化粧品配合方法900の一次プロセスの例示的な順序を表す図である。
図11】一実施例による、化粧品分注器内の化粧品材料を検出するプロセスの実施例を表すプロセス図である。
図12A-12B】一実施例による、化粧品配合物を選択するプロセスの実施例を表すプロセス図である。
図13】一実施例による、化粧品分注器内に化粧品材料を分注するプロセスの実施例を表すプロセス図である。
図14】一実施例による、接続された化粧品分注システムの実施例を表す図である。
図15】一実施例による、コントローラおよび化粧品分注器の例示的な回路を表す図である。
図16】化粧品分注器を利用して、ユーザのためにパーソナライズされた用量を作製するエコシステムの構成要素を示す。
図17】トレンドの口紅の色をユーザに提案することによって構築されたエコシステムを示す。
図18A】アプリの観点からパーソナライズされた口紅の色合いを分注するためのエコシステムにおける動作の例示的なフローを示す。
図18B】口紅エコシステムにおけるスマートフォンアプリのアルゴリズムが、ユーザがユーザの自撮り画像上で口紅の色合いを見ることをどのように可能にし得るかに関する追加のフローチャートを示す。
図18C】さらに、特定のセットのカートリッジがどのようにして異なる色合いの領域をもたらしてユーザに提示することができるかを例示する。
図18D】口紅エコシステム内のアプリで「私の外見にマッチさせる」モードがどのように動作するかを示す。
図18E】ユーザの服装の自撮り画像に基づいて、口紅の推奨エンジンがどのように機能するかの詳細を示す。
図19】ユーザにとって最も効率的なスキンケア配合をユーザに提案することに基づいて構築されたエコシステムを示す。
図20A】アプリの観点からパーソナライズされたスキンケア配合を分注するためのエコシステムにおける動作の例示的なフローを示す。
図20B】ユーザのために存在すると判断される異なる環境要因の組み合わせが、どのようにして3つの異なるカートリッジから異なる用量をもたらすことができるかの実施例を示す。
図21】ユーザのためにパーソナライズされたファンデーションを分注するために使用されるエコシステムを示す。
図22A】アプリの観点からパーソナライズされたファンデーションを分注するためのエコシステムの動作の例示的なフローを示す。
図22B】肌のトーン診断を行う方法の詳細を提供する。
図22C-22D】画像内の肌のトーンを推定するために深層学習がどのように利用されるかに関する詳細を示す。
図23】NFCタグを有するカートリッジの構造を示す。
図24】カートリッジのNFCタグに格納されているデータのデータ形式を示す。
図25】NFCタグのデータ形式に含まれる様々なフィールドの説明を含む表を示す。
図26】スマート交換可能なカートリッジシステムのために装備された分注デバイスの構造を示す。
図27】分注デバイスとユーザスマートフォンデバイスとの間のハンドシェイクを示す。
図28】分注デバイスの使用前にカートリッジをプライミングするというアプリの観点からのプロセスを示す、消費者アプリの状態マシンを示す。
図29】前述のシナリオにおける不良カートリッジNFCタグの管理方法を示す。
図30】引き込み式プレートを含む分注デバイスの側面図を示す。
図31A-31B】引き込み式プレートが異なる高さにあるときの異なる状態を示す。
図32】分注デバイスの本体と引き込み式プレートとの間に配設されたクリーニング配合物リザーバを示す。
図33】任意の残りの成分または残留物のカートリッジを同一平面にする方法を提供するための、上記の引き込み式プレートの代替的な使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面中、同様の参照番号は、複数の図を通じて、同一または対応する部分を指定する。さらに、本明細書で使用される際、用語「a」、「an」などは、別段の定めがない限り、一般に、「1つ以上」の意味を有する。
【0011】
ここで、図面を参照し、同様の参照番号は、いくつかの図を通じて、同一または対応する部分を指定する。
【0012】
化粧品配合物、および化粧品配合物を配合するための構成要素化粧品材料を選択することは、多くの場合、主観的な意思決定と手動入力に依存する一般的な活動である。多種多様な利用可能な化粧品材料があり、可能な化粧品配合物の無数の組み合わせと置換がある。
【0013】
化粧品配合物が使用される各場面において、満足のいく化粧品配合物を生成するための主観的な決定は、しばしば化粧品の最終ユーザによって行われる。所産は一般に実験の結果であり、満足のいく所産を生み出すためにおそらく複数回の反復を必要とする。部分的には、ベース化粧品材料の特定の形質および必要な割合の認識が限られているため、結果として生じる化粧品配合物は、精度を欠いている可能性がある。したがって、特定の化粧品配合物を生成することの再現性は達成することが困難である。以下の実施形態は、従来技術におけるこれらの問題に対処する。
【0014】
具体的には、以下の説明は、スキンケアを可能にし、化粧品のための成分が、ユーザの好ましい最終結果に瞬時にブレンドされ、次いで、携帯性のために便利に輸送されることを可能にする、専用の分注デバイスに基づく、家庭で使用するための配合パーソナライズシステムを作製するためのエコシステムに関する。
【0015】
以下に示すシステムは、パーソナライズされた家庭用スキンケア、ファンデーション、リキッド状口紅のための初のAI搭載3-in-1デバイスである。このデバイスとそれに対応するアプリは、ユーザの個々の肌とローカル環境データを評価し、時間の経過と共に増加するパーソナライズのレベルに最適化されたパーソナライズされたその場でのスキンケアおよび化粧品配合物を作成して提供する。
【0016】
全体的なエコシステムは、上記のようにAI対応の電動カートリッジシステムを特徴としており、これは、パーソナライズされたスキンケアおよび化粧品配合物を4つのステップで作成する。デバイスは、次のプロセスを通じてパーソナライズされた肌用美容液を作成する。
1.個人的な肌分析:ユーザは、スマートフォンのカメラで写真を撮影し、スマートフォンのアプリを開く。このアプリは、AIを使用して、ユーザの全体的な肌状態を分析し、深いしわ、細かいライン、黒ずみ、ハリの欠如、毛穴の可視性、および輝きの欠如を評価する。
2.環境評価:アプリ(および/または別個のクラウドコンピューティングプラットフォーム)は、天候、温度、湿度、UV指標、空気質、および花粉を含む、ユーザの肌の状態に影響を及ぼす可能性のあるローカル環境条件を評価する。
3.製品の好み:ユーザは、次いで、細かいライン、しわ、黒ずみ、肌の粗い質感、くすみなどの特定のスキンケアの懸念をアプリに入力する。
4.カスタムの配合および分注:次に、高性能スキンケアのパーソナライズされたブレンドを、デバイスの上部に分割された単回用量で分注する。
【0017】
デバイスの上部に配置されたモータシステムは、機械のベースにあるカートリッジから上向きの運動で、クリーンなアプリケーションのために上記の分注トレイに配合物を移動させ、圧縮する。
【0018】
定期的に使用することで、AIプラットフォームは、ユーザの肌の外見を時間の経過と共に評価し、ユーザが、何が機能しているかを識別し、将来の配合物を調整するのに役立つことができる。AI搭載システムは、パーソナライズされた配合物の有効性を最適化することができる。ユーザは、定期的に写真を撮影することで、スマートシステムが配合の効果を認識し、それに応じて有効成分の用量を調整することを可能にする。とはいえ、ユーザは、例えば、追加の保湿剤を求めている場合、システムの推奨事項を上書きすることができる。
【0019】
スキンケアシステムには、AHA、ビタミンCおよびE、ヒアルロン酸、フェルル酸、レチノール、キュウリ、タイム、マルベリーを含む有効成分が含まれている。
【0020】
ファンデーションおよびリキッド状口紅向けの化粧品の提供は、以下で説明するように、リアルタイムのトレンド情報のみならず色マッチング技術をパーソナライズされた製品の提供に組み込むことができる。
【0021】
・口紅システムを使用すると、消費者は、個人の肌のトーンと好みに基づいてリキッド状口紅を作成することができる。システムは、ユーザの衣服またはアクセサリーと色合いマッチングすることも、またはソーシャルメディアでトレンドとなっている特定の色の作成を選ぶこともできる。デバイスには3つのカートリッジがあり、これらのカートリッジをまとめると、数百の色合いを作成することができる。
【0022】
・以下に記載されるファンデーションシステムには、明るい色調から深い色調までの3つのカートリッジが含まれる。ファンデーションは決して万能ではないことを知っているため、これらの色トリオの選択は、最も幅広い色合いにマッチさせるために提供され得る。色合いのマッチングツールを使用すると、3つのカートリッジは、様々なレベルの色を分注して、パーソナライズされた色合いを作成する。このデバイスには、何百ものカスタムの色合いを作成する機能がある。デバイスは、単一用量の色を作成するが、ユーザは、追加のタッチで簡単に量を2倍または3倍にすることができる。
【0023】
本明細書に記載されているシステムには、3つの用量設定がある。ユーザが追加のタッチで2倍または3倍にすることができる標準サイズ用量(ほぼピスタチオサイズの0.7グラム)がある。
【0024】
このデバイスは、取り外し可能な鏡面コンパクトを特徴としているため、製品の分割された用量を持ち運ぶことができる。
【0025】
アプリを開いて顔写真を撮ってから製品の分注まで、本システムでのユーザ体験には約3分かかる。
【0026】
[分注デバイス]
図1は、一実施例による、化粧品分注デバイス100、または化粧品分注器の全体斜視図である。化粧品分注器100の可視部分は、電源コード104に接続されたベース102を含む。ベース102は、分注器本体106にサポートを提供する。コンパクト108は、分注器本体106の上に配設され、電源ボタン110は、分注器本体106が電源ボタン110の配置を固定するように、分注器本体106内に部分的に配設され得、インジケータライトおよびボタン122は、分注器本体106がインジケータライトおよびボタン122の配置を固定するように、分注器本体106内に部分的に配設され得る。インジケータライトおよびボタン122は、機械的または静電容量式のタッチ型ボタンであってもよい。
【0027】
図2は、一実施例による、分注器本体106の斜視図である。分注器本体106は、化粧品分注器100の構成要素の多くのカバーとして機能する中空の薄壁容器である。この実施例では、分注器本体106は、丸みを帯びた角を有するほぼ正方形の断面を有する上部の第1の端部を有し、一方、底部の第2の端部は、円形の断面を有する。分注器本体106は、コンパクト108のためのベース、またはコンパクト108のためのベースとして機能する他の構成要素を提供し得る。分注器本体106はまた、電源ボタン110のための取り付けポイントと、インジケータライトおよびボタン122のための取り付けポイントとを含んでもよい。
【0028】
図3は、一実施例による、分注器本体106が取り外された化粧品分注器100の斜視図である。電源ボタン110、インジケータライトおよびボタン122、コントローラ150、底部プレート166、誘導プレート176、ならびにギアハウジング170は、下部本体セクション154、中部本体セクション155、および上部本体セクション156と同様に、このビューで可視である。電源ボタン110は、コントローラ150に電気的に接続されている。
【0029】
コントローラ150は、電源コード104を介して受信された電力を分配し、化粧品材料を分注するための1つ以上のモータ112を制御し、光学エンコーダ192の読み取り値を検出し、1つ以上のバッテリ126を充電し、インジケータライトおよびボタン122、チャイム、または他の視聴覚信号などの任意のインジケータ、例えば化粧品材料の利用可能性状態、タイプ、および量を検出するためのセンサを操作し、無線周波数(RF)、Bluetooth、Wi-Fi、またはセルラーなどの様々な通信プロトコルを使用して、例えばスマートフォンおよび他の無線デバイスを介して、信号およびデータを送受信する回路を含む外部デバイスと無線で通信するための回路を含む。
【0030】
誘導プレート176は、底部プレート166を支持し、ベース102および電源コード104を除いて、化粧品分注器100の残りは、底部プレート166の上に配設される。ギアハウジング170は、図4図9Bによってさらに説明される化粧品分注器100の内部構成要素の上に配設され、それらに接続され、それらに対する支持を提供する。さらに、ギアハウジング170は、化粧品分注器100内の各カートリッジ114に対して1つの複数のギアハウジングカートリッジ穴178を含む。各カートリッジ114のノズル160は、ギアハウジングカートリッジ穴178の1つの内側に配設される。様々な追加のサブ構造およびカバーは、化粧品分注器100の内部構成要素と分注器本体106との間に配設され得る。
【0031】
例えば、上部本体セクション156は、中部本体セクション155の上に配設され、下部本体セクション154は、中部本体セクション155の下に配設される。接続されると、分注器本体106は、下部本体セクション154、中部本体セクション155、および上部本体セクション156のうちの少なくとも1つの外側に取り付けられる。底部プレート166は、下に配設され、下部本体セクション154に接続される。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、一実施例による、化粧品分注器100の内部構成要素の斜視図である。内部アセンブリは、底部プレート166および誘導プレート176の上に配設された複数の分注アセンブリ120を含む。各分注アセンブリ120は、カートリッジ114、カートリッジギア116、モータ112、モータギア124、エジェクタ140、エジェクタインデックスリング190、エジェクタスプリング142、エジェクタスプリングピン144、戻り止めプランジャ146、および戻り止めスプリング152を含む。コントローラ150は、分注アセンブリ120の各々の動作を制御する。化粧品分注器100は、少なくとも1つの分注アセンブリ120を含む。本明細書に記載される実施例は、3つの分注アセンブリ120を含むが、当業者は、化粧品分注器100が任意の数の分注アセンブリ120を有し得ることを認識するであろう。
【0033】
さらに、化粧品分注器100の内側の複数のバッテリ126は、複数の分注アセンブリ120に電気的に接続され、コントローラ150、分注アセンブリ120、モータ112、ならびにインジケータライトおよびボタン122(図3にさらに記載)、チャイム、および他の視聴覚信号などの様々なインジケータの動作のための電力を提供する。
【0034】
コントローラ150および接続デバイス300(図14に示される)は、ユーザが化粧品分注器100を無線で操作することを可能にする。コントローラ150への化粧品材料の配合およびレシピコマンドは、化粧品分注器100と通信するように構成されたスマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータなどの接続されたデバイス300から受信されてもよい。さらに、化粧品材料の分注はまた、化粧品分注器100上のインジケータライトおよびボタン122に触れることによって、ユーザによってトリガされてもよい。
【0035】
カートリッジ114はまた、ノズル160上またはノズル160の近くに配設されたカートリッジキー162を有し、カートリッジギア116に第1の端部付近で接続され、モータギア124がモータ112に接続され、モータギア124がカートリッジギア116に駆動的に接続されて、底部プレート166に第2の端部付近で接続される。カートリッジ114およびカートリッジギア116は、ギアハウジング170(図3に示す)によって所定の位置に保持される。カートリッジ114は、化粧品分注器100の内側に配設され得、エジェクタスプリング142に接続されたエジェクタ140によって所定の場所に固定され得、エジェクタスプリングピン144は、第1の端部でエジェクタスプリング142に接続され、第2の端部で分注器本体106、下部本体セクション154、中部本体セクション155、上部本体セクション156、および他の内部構造のうちの少なくとも1つの内面に強固に接続され得る。分注アセンブリ120は、カートリッジ114の挿入および取り外しの間に、化粧品分注器100内のエジェクタ140の移動を誘導するための(図4Aに示される)エジェクタインデックスリング190をさらに含み、エジェクタインデックスリング190は、分注器本体106、下部本体セクション154、中部本体セクション155、および上部本体セクション156のうちの少なくとも1つの内面に対して配設され、エジェクタ140の移動のための誘導を提供する。
【0036】
加えて、戻り止めプランジャ146は、カートリッジ114の長手方向軸に実質的に垂直に配設され、カートリッジ114の第2の端部の近くに接続され、カートリッジ114の円周溝周溝134に横方向の圧力を提供し、カートリッジ114を垂直Y軸に沿って所定の位置に維持し、エジェクタ140、エジェクタスプリング142、およびエジェクタスプリングピン144によってカートリッジ114に張力によって印加される反対の力に対抗し得る。エジェクタ140は、化粧品分注器100内に配設され、カートリッジ114に実質的に平行に移動し得、エジェクタスプリングピン144にさらに接続されているエジェクタスプリング142に接続されている。カートリッジ114が化粧品分注器100に挿入されると、エジェクタ140の縁部は、カートリッジ114の第1の端部の近くの縁部に接触する。エジェクタ140は、エジェクタスプリング142が、静止エジェクタスプリングピン144とエジェクタ140との間の距離の増大と共に伸び、カートリッジ114と共に化粧品分注器100内にさらに移動すると、カートリッジ114に圧力を加える。戻り止めプランジャ146の第1の端部がカートリッジ114の円周溝134と接触する点までカートリッジ114が挿入されると、カートリッジ114を所定の位置に保持するY軸に沿ったカートリッジ114の運動が制限される。
【0037】
戻り止めプランジャ146は、カートリッジ114を所定の位置に保持するための機構である。戻り止めプランジャ146は、カートリッジ114の主軸の軸に実質的に垂直な軸に沿って移動する。戻り止めプランジャ146の第1の端部は、カートリッジ114と接触するように配設される。第2の端部は、戻り止めバネ152の第1の端部、戻り止めバネ152の第2の端部に接続され、分注器本体106、下部本体セクション154、中部本体セクション155、上部本体セクション156、または他の内部構造のうちの少なくとも1つの内面と接触する。カートリッジ114を化粧品分注器100に挿入すると、戻り止めプランジャ146が戻り止めスプリング152に対して変位し、戻り止めスプリング152を圧縮する。カートリッジ114の輪郭は、カートリッジ114の長さにわたって変化するため、戻り止めプランジャ146、および戻り止めスプリング152は、化粧品分注器100に対するカートリッジ114の位置に応じて変化する量だけ変位する。戻り止めプランジャ146がカートリッジ114の円周溝134に接触する点で、戻り止めプランジャ146の第1の端部は、戻り止めスプリング152の圧力および戻り止めプランジャ146と円周溝134との間の幾何学的関係により、カートリッジ114を所定の位置にロックすることができる。
【0038】
さらに、カートリッジ114は、底部プレート166のカートリッジ貫通穴172を通して化粧品分注器100に挿入される。カートリッジ貫通穴172は、ベースキー164およびベースキー切断部165が接触すると、カートリッジ114が底部プレート166に対して回転することができないように、ベースキー164に対応する形状のベースキー切断部165(図7A)を有する。カートリッジ114はまた、特定の配向で底部プレート166およびカートリッジギア116に適合するように形作られる。カートリッジ114が化粧品分注器100に完全に挿入され、戻り止めプランジャ146によって所定の位置にロックされる位置で、カートリッジ114は、カートリッジギア116に対して着座する。加えて、カートリッジギア116は、ギアハウジング170に回転可能に接続されるカラー168部分を有し、カートリッジギア116が長手方向軸を中心に回転することができるが、軸方向に移動しない、またはそうでない場合があるように、カートリッジギア116の移動を制限し、カートリッジギア116およびモータギア124の各々の位置を支持する。同様に、モータギア124は、ギアハウジング170に回転可能に接続されたモータギアカラー169部分を有し、モータギア124が長手方向軸を中心に回転することができるが、軸方向に移動しない、またはそうでない場合があるように、モータギア124の移動を制限し、モータギア124の回転運動が固定比率でカートリッジギア116の回転運動をもたらすように、カートリッジギア116とモータギア124との間の関係を保持する。
【0039】
図4Bによって説明されるように、モータギア124は、カートリッジ114のカートリッジキー162に適合するキー切断部163(図6)を含む平ギアであってもよい。
【0040】
図5は、一実施例による、カートリッジ114の斜視図である。カートリッジ114は、円形で円筒形の本体と、第1の端部にノズル160とを有する。ノズル160は、カートリッジキー162の近くにさらに配設される。カートリッジキー162は、カートリッジギア116の開口部の内側に適合し、カートリッジギア116のキー切断部163の形状に対応し、カートリッジ114の第1の端部付近の部分の回転運動をカートリッジギア116の回転運動とロックする。カートリッジギア116がモータギア124およびモータ112によって駆動されるとき。カートリッジ114の第2の端部は、ベースキー164を含む。ベースキー164は、底部プレート166のベースキー切断部165の内側に適合し、カートリッジ114の第2の端部を底部プレート166に固定し、カートリッジ114の第2の端部の底部プレート166に対する回転運動を防止する。カートリッジ114の第1の端部がカートリッジギア116の運動に固定されているため、モータ112の作動は、モータギア124を回転させ、カートリッジギア116を駆動し、それによってカートリッジ114のノズル160を開閉する。カートリッジ114の第1および第2の端部は、互いに対して回転してもよい。
【0041】
カートリッジ114は、必要に応じて、コンパクト108にある量の化粧品材料を含有し、分注する(図9によってさらに説明される)。カートリッジ114は、カートリッジギア116の回転によって化粧品材料を分注するが、カートリッジ114は、Y軸に沿って実質的に垂直に所定の位置に留まる。カートリッジギア116は、モータ112の回転によって回されるモータギア124によって駆動される。モータ112の回転の大きさは、コントローラ150によって制御される。
【0042】
一定量の化粧品材料が、カートリッジ114の第2の端部に対する第1の端部の第1の回転運動によって、ノズル160を通してカートリッジ114から放出される。第1の回転運動と反対側の第2の方向におけるカートリッジ114の第1の端部の回転運動は、カートリッジ114のノズル160を閉じ得る。
【0043】
カートリッジギア116は、カートリッジ114内の中空カートリッジ親ネジ202に取り付けられたカートリッジ114のノズル160を作動させる。カートリッジ親ネジ202の回転により、カートリッジピストン200を比例的に変位させ、このカートリッジピストンは、カートリッジ親ネジ202を通って、カートリッジ114のノズル160からある量の化粧品材料を押し出す。ノズル160の開閉動作中に放出される化粧品材料の量は、カートリッジギア116の回転変位に依存するカートリッジ親ネジ202の変位の関数である。モータ112の回転により、それぞれのモータギア124およびカートリッジギア116を回転させる。コントローラ150は、光学エンコーダ192を使用してカートリッジギア116の相対運動を検出し、カートリッジギア116が回転するときに光学エンコーダ192を通過するカートリッジギアスロット148の数、およびカートリッジギア116の回転方向をカウントする。化粧品材料の具体的な測定単位は、用量単位用量単位118である。
【0044】
一実施例では、カートリッジ親ネジ202のピッチは約1mmであり、カートリッジ親ネジ202の一回転は、カートリッジ114から約1mLの化粧品材料を分注する。
【0045】
別の実施例では、カートリッジ114のカートリッジキー162の形状により、円周溝134は、カートリッジ114の周囲を完全に囲んで延在し、カートリッジ114を実質的に同じ手法で戻り止めプランジャ146に固定するのではなく、カートリッジ114の円周の一部を中心にしたノッチまたは溝であってもよい。
【0046】
図6は、一実施例による、カートリッジギア116の斜視図である。カートリッジギア116は、カートリッジ114のカートリッジキー162の形状に対応するキー切断部163を含む平ギアであってもよい。カートリッジギア116は、カートリッジギア116および対応するモータギア124の位置を整列および支持するために、ギアハウジング170の内面に回転可能に接続するカラー168をさらに有してもよい。カートリッジギア116は、カートリッジギア116およびカートリッジ親ネジ202の角度位置を検出するために、光学エンコーダ192と共に使用するための複数のカートリッジギアスロット148を有してもよい。
【0047】
図7Aは、一実施例による、底部プレート166の斜視図である。底部プレート166は、分注器本体106および/または下部本体セクション154に接続され、化粧品分注器100の内側に配設された複数のカートリッジ114を拘束し、化粧品分注器100を底部プレート166の下に配設された誘導プレート176に接続する。
【0048】
底部プレート166は、複数のカートリッジ貫通穴172を有し、複数のカートリッジ114の挿入、取り外し、および固定を可能にする。各カートリッジ貫通穴172は、ベースキー切断部165を含み、ベースキー切断部165の形状は、カートリッジ114が化粧品分注器100に設置されているときに、カートリッジ114の第2の端部、底部プレート166と接触する部分の回転運動を防止するために、各カートリッジ114のベースキー164の形状に対応する。
【0049】
さらに、底部プレート166は、誘導プレートに接触する接触ピン174(図7Bに示される)を有し、底部プレート166に電気を供給し、化粧品分注器100が接触または誘導を通じて複数のバッテリ126を充電することを可能にする。
【0050】
図7Bは、一実施例による、底部から見た、底部プレート166の斜視図である。底部プレート166は、プレート内に配設された3つのカートリッジ貫通穴172、および接触ピン174を含む。底部プレート166が化粧品分注器内およびベース102上に配設されるとき、接触ピン174は、ベース102から底部プレート166に電気を伝導することができる。次いで、底部プレート166は、底部プレート166の上に配設された複数のバッテリ126を誘導的に充電することができる。
【0051】
図8は、一実施例による、ベース102の斜視図である。電源コード104は、第1の端部でベース102に接続される。電源コード104は、第2の端部で電源(図示せず)に接続され、化粧品分注器100の動作のための電力および複数のバッテリ126を充電するための電力を提供する。ベース102は、誘導プレート176および化粧品分注器100の他の部分を配置するためのベースくぼみ128を含む。ベースくぼみ128は、電源コード104によって供給される電力を使用して複数のバッテリ126を誘導的に充電する能力を有し得る。さらに、底部プレート166がベースくぼみ128内に配設されるときに、底部プレート166の内側に配設される接触ピン174を通して化粧品分注器100を充填することもできる。
【0052】
図9Aは、一実施例による、マニホールド130の上に配設されたコンパクト108の分解斜視図である。コンパクト108は、上部蓋180、コンパクトベース182、および底部蓋184を含む。上部蓋180は、コンパクトベース182の上に配設され、このコンパクトベースは、底部蓋184の上または底部蓋184内に配設される。上部蓋180は、図9Bによってさらに説明されるように、磁石によってコンパクトベース182に固定される。コンパクトベース182は、複数のコンパクトベース貫通穴138を含む。この実施例では、化粧品分注器100内の各カートリッジ114のための1つのコンパクトベース貫通穴138がある。複数の底部蓋貫通穴136を有する底部蓋184は、コンパクトベース182の下に配設される。この実施例では、化粧品分注器100内の各カートリッジ114のための1つの底部蓋貫通穴136があり、底部蓋184は、各底部蓋貫通穴136がコンパクトベース182のコンパクトベース貫通穴138に対応し、それに接続されるように配設される。
【0053】
コンパクト108は、マニホールド130に接続され、マニホールド130は、ギアハウジング170に接続され、その上に配設され、化粧品分注器100の分注器本体106内にさらに配設され、コンパクト108は、マニホールド130および分注器本体106の両方の上に配設される。マニホールド130は、化粧品分注器100内の各カートリッジ114のための1つのマニホールド貫通穴132を含み、マニホールド130は、各マニホールド貫通穴132が底部蓋184のコンパクトベース貫通穴136に対応し、それに接続されるように配設される。さらに、マニホールド130の各マニホールド貫通穴132は、ギアハウジング170のギアハウジングカートリッジ穴178に対応し、その上に配設され、各カートリッジ114のノズル160からマニホールド130、底部蓋184を通ってコンパクトベース182内に化粧品材料を分注することができる通路を提供する。
【0054】
コンパクト108は、コンパクト108が化粧品分注器100に接続することができる1つの配向のみがあるような形態を有してもよい。別の実施例では、コンパクト108の形態は、2つ以上の配向でコンパクト108に接続することができる場合がある。
【0055】
さらに、コンパクト108内に分注された化粧品材料は、コンパクト108の底部蓋184内のコンパクトベース貫通穴136の各々内に配設された一方向のダックビルバルブ194(図示せず)を使用することによって、逆流を防止することができる。
【0056】
図9Bは、一実施例による、開位置にあるコンパクト108の斜視図である。コンパクト108は、上部蓋180、コンパクトベース182、底部蓋184、複数のヒンジ磁石186a、186b、186c、および186d、複数の蓋磁石188a、188b、188c、および188d、ならびに複数の取り付け磁石196a、196b、および196cを含む。
【0057】
一実施例では、コンパクトベース182、複数の取り付け磁石196a~196c、複数の蓋磁石188bおよび188dの前半部、ならびに複数のヒンジ磁石186bおよび186dの前半部は、コンパクトベース182が上に配設された状態で、底部蓋184内に配設される。複数の取り付け磁石196a~196cは、例えば、マニホールド130(図9A)に接続することによって、コンパクト108を化粧品分注デバイス100に磁気的に接続するように配設される。マニホールド130、またはマニホールド130の表面の一部は、鉄材料で形成されてもよく、または複数の取り付け磁石196a~196cに磁気的に取り付けるための対応する磁石を含有してもよい。
【0058】
複数の蓋磁石188aおよび188cの後半部は、上部蓋180の側面内に配設され、複数のヒンジ磁石186aおよび186cの後半部は、上部蓋180の側面内に配設される。ヒンジ磁石186bおよび186dは、上部蓋180と底部蓋184との間の相対位置に応じて、少なくとも2つの平面において対応するヒンジ磁石186aおよび186cと接触することができるように、底部蓋184の側面内に配設される。ヒンジ磁石186aおよび186bは、ヒンジ磁石186cおよび186d、蓋磁石188aおよび188b、ならびに蓋磁石188cおよび188dのそれぞれの対と同様に、反対の磁気極性を有する。
【0059】
複数の196および複数の蓋磁石188a~188dは、コンパクトベース182に配設された複数の底部蓋貫通穴138が、化粧品材料が分注されるにつれて、化粧品材料がカートリッジ114の各々からコンパクト108に流れることを可能にするように遮断されないように配設されてもよい。
【0060】
コンパクト108が開位置にある場合、上部蓋180および底部蓋184は、ほぼ垂直な平面に位置付けられ、ヒンジ磁石186aおよび186cは、それぞれ、ヒンジ磁石186bおよび186dに磁気的に接続される。ヒンジ磁石186aおよび186bならびにヒンジ磁石186cおよび186dの各対の間の磁力は、上部蓋180を底部蓋184に対して所定の位置に保持するのに十分である。
【0061】
コンパクト108が閉位置にある場合、上部蓋180および底部蓋184は、ほぼ平行な平面に位置付けられ、ヒンジ磁石186bおよび186dにそれぞれ磁気的に接続されたヒンジ磁石186aおよび186c、および蓋磁石188aおよび188cは、対応する位置に配設され、それぞれ蓋磁石188bおよび188dに磁気的に接続され、ヒンジ磁石186aおよび186bならびにヒンジ磁石186cおよび186dの対と、蓋磁石188aおよび188bの対と、蓋磁石188cおよび188dの対との間の磁気接続部は、上部蓋180を閉位置で底部蓋184に接続したままにするのに十分である。
【0062】
上部蓋180は底部蓋184に磁気的に接続されているため、上部蓋180は、底部蓋184から完全に取り外すことができる。さらに、上部蓋180および底部蓋184内の複数のヒンジ磁石186a~186dおよび蓋磁石188a~188dの配設に応じて、x-z平面の周りの2つ以上の配向で閉位置にある底部蓋184と接続することも可能であり得る。さらに、上部蓋180は、底部蓋184の周りで、またはその逆に、x軸またはz軸の周りなど、2つ以上の軸の周りで開くまたは閉じることができる場合がある。
【0063】
あるいは、複数の取り付け磁石196a~196cは、コンパクト108を化粧品分注デバイス100に固定するのに十分な強度の1つの取り付け磁石196によって置き換えられてもよい。
【0064】
あるいは、複数のヒンジ磁石186a~186dは、上部蓋180内の十分な強度の1つのヒンジ磁石186aによって、および底部蓋184内の十分な強度の1つのヒンジ磁石186bによって置き換えられて、コンパクト108を開位置または閉位置にして、上部蓋180の一方側を底部蓋184に固定してもよい。
【0065】
あるいは、複数の蓋磁石188a~188dは、上部蓋180内の十分な強度の1つの蓋磁石188aによって、および底部蓋184内の十分な強度の1つの蓋磁石188bによって置き換えられて、コンパクト108を閉位置にして、上部蓋180の一方側を底部蓋184に固定してもよい。
【0066】
図10は、一実施例による、化粧品配合方法900の一次プロセスの例示的なシーケンスを表す図である。本明細書で提供される実施例は、それぞれ3つのカートリッジを有するが、同じプロセスは、任意の数のカートリッジ114を備えた化粧品分注器100によって使用されてもよい。化粧品配合方法900は、検出プロセスS920と、選択プロセスS940と、分注プロセスS960とを含む。追加の混合プロセスS980が、ユーザによって実行されてもよい。図3および図4に記載されるように、検出プロセスS920、選択プロセスS940、および分注プロセスS960は、コントローラ150から受信したコマンドに基づいて化粧品デバイス100によって実行され、コントローラ150は、スマートデバイス300を介して、または化粧品デバイス100自体のインジケータによって、ユーザにデータを送信し、ユーザから入力を受信する。
【0067】
図11は、一実施例による、化粧品分注器100内の化粧品材料の検出プロセスの実施例を表すプロセス図である。S920は、化粧品材料を検出するためのプロセスを表す。プロセスS920は、カートリッジ114の取り外しおよび設置を検出するステップ921、カートリッジ114の少なくとも1つの材料特性を検出するステップ922、カートリッジ114内の化粧品材料の量を検出する任意選択のステップ923、および将来の分注動作が実行された後のカートリッジの推定された消耗を計算する任意選択のステップ924の複数ステップのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0068】
複数のカートリッジ114のそれぞれにおける材料の量を検出する任意選択のステップ923は、例えば、カートリッジAの材料の量を検出するステップ923a、カートリッジBの材料の量を検出するステップ923b、および例えば、各カートリッジ114の設置以来の光学エンコーダ192によって検出されたカートリッジギア116の総正味変位(回転)に基づいて、カートリッジCの材料の量を検出するステップ923cを含み得る。
【0069】
複数のカートリッジ114の各々における少なくとも1つの材料特性を検出する任意選択のステップ924は、例えば、カートリッジAの少なくとも1つの材料特性を検出するステップ924a、カートリッジBの少なくとも1つの材料特性を検出するステップ924b、およびカートリッジCの少なくとも1つの材料特性を検出するステップ924cを含み得る。材料特性は、色、質感、光沢、水分、栄養素含有量、および化学配合からなるセットからの少なくとも1つを含み得る。この検出は、当該技術分野において十分に理解されている方法に従い、カートリッジの内容物の情報を格納するカートリッジ上のRFIDタグを検出する分注器100内に配設された近接場センサに基づいて実行され得る。カートリッジ上に印刷されたバーコードのバーコード検出、または当該技術分野において十分に理解されている方法を使用した検出などの代替の検出方法を使用してもよい。各カートリッジ内の少なくとも1つの材料特性を検出するステップは、各カートリッジ内の化粧品材料の量を検出する任意選択のステップの前に実行され得る。
【0070】
さらに、プロセスS920は、化粧品分注器100内のどのカートリッジ114が最初に、いつまでに化粧品材料を枯渇させると予想されるかなど、ユーザのまたはユーザのグループにわたって集約される、過去の使用データから導出され得る情報を報告するための任意選択のステップ926を含んでもよい。
【0071】
図12Aは、一実施例による、化粧品配合物を選択するプロセスS940の実施例を表すプロセス図である。S940は、化粧品配合物を選択するためのプロセスを含む。プロセスS940は、検出プロセスS920によって確立されるように、化粧品分注器100内に存在する化粧品材料のタイプおよび量に基づいて可能な化粧品配合物の組み合わせを識別するステップを含む。
【0072】
ステップ942dは、化粧品分注器100内に存在する化粧品材料のタイプおよび量について可能である化粧品配合物のセットから選択するユーザに基づいてもよく、またはステップ942cは、ユーザが、化粧品分注器100が使用できる化粧品材料のタイプおよび量について可能である化粧品材料在庫のより大きなセット204から選択することを可能にする。
【0073】
別の実施例では、プロセスS940のステップ943は、ユーザが所望の用量単位118を選択することを可能にすることを含む。用量ユニット118を変化させることは、特定の化粧品配合のために特定の量の用量ユニット118を分注するために利用可能なよりも多くの量の1つ以上の化粧品材料が必要とされる場合、化粧品分注器100内から利用可能な化粧品配合のセットを変更することができる。
【0074】
例えば、カートリッジAが黄色の化粧品材料を含み、カートリッジBが赤色の化粧品材料を含み、カートリッジCが緑色の化粧品材料を含み、カートリッジAの1つの用量単位118のみが残っている場合、ユーザは、用量単位118と、黄色の化粧品材料の2つ以上の用量単位118を必要とする化粧品配合との任意の組み合わせの分注を選択することができない。
【0075】
さらに、プロセスS940は、ユーザが写真のマッチングに基づいて化粧品配合を選択するためのステップ942a、ユーザが推奨に基づいて化粧品配合を選択するステップ942b、または別のプロセスに基づいて化粧品配合を選択するステップを含んでもよい。米国特許第8,634,640号は、カメラまたは電子デバイスにおける画像または写真から色を選択し、色参照データを使用して色を実質的にマッチさせる方法を記載しており、その全体が参照としてここに組み込まれる。
【0076】
別の実施形態では、肌診断(本明細書では肌プロファイルと呼ばれることがある)は、ユーザがユーザの肌特徴の分析に基づいて選択するための推奨される複数の所定の色を提供するために実行されてもよい。肌診断は、ユーザの顔に実行される画像化操作に基づいて、ユーザに適切な色を決定する。当該技術分野における既知の肌診断ツールの実施例は、Lancome Diagnos ABS、HR Skinscope、Biotherm Bluesmart、KiehlのSkinprofiler V.0、CA Dermanalyzer、およびVichy Vichyconsultである。
【0077】
可能であるが、検出プロセスS920の結果に基づいて利用可能ではない化粧品配合について、化粧品分注器100は、そのような化粧品配合を分注するためにどのような化粧品材料が必要であるかをユーザに伝え得る。
【0078】
一実施例において、ステップ944では、ユーザは、現在利用可能ではない化粧品配合の用量単位118を選択する。ステップ944は、選択された化粧品配合を混合および分注するために、どの化粧用材料、例えば、どのようなタイプのカートリッジ114が必要であるかを決定し得る。
【0079】
別の実施例では、ステップ944は、特定のカートリッジ114が完全であるが別様に同一のカートリッジ114と交換される場合、どの追加の化粧品配合が利用可能になり得るかを決定し得る。
【0080】
別の実施例では、ステップ944は、カートリッジ114が異なる化粧品材料を含有する別のカートリッジ114と交換される場合、どの追加の化粧品配合が利用可能になり得るかを決定し得る。
【0081】
ステップ945は、ステップ944の結果に基づいて、ユーザに確認を促し、化粧品配合の分注を進めるためにステップ947に進むか、または、どのカートリッジ(複数可)114が所望の化粧品配合を分注するために必要であるかを報告するためにステップ946に進むかを決定する。
【0082】
図12Bは、化粧品配合が以前に受け取られ、ステップ948において現在分注器装置100に格納された後に、分注器装置100によって単独で実行される任意選択のプロセスS940bを示す。S940bの残りのステップ943~947は、図12Aに記載されるS940のものと同一である。図12Bのプロセスは、分注器装置100とデバイス300との間に既存の接続が確立されることなく実行され得る。
【0083】
図13は、一実施例による、化粧品分注器100内に化粧品材料を分注するプロセスS960の一実施例を表すプロセス図である。ステップ961は、化粧品配合の少なくとも1つの用量単位を分注するためのステップを表す。プロセスS960は、少なくとも1つのカートリッジ114から要求された量の化粧品材料を噴出して、プロセスS940でユーザによって選択された化粧品配合物を生成するステップ962a~962cを含み、その結果、化粧品配合が、適用されてもよく、容器内で輸送されてもよく、またはそれ以外の場合、ユーザに利用可能であってもよい。プロセスS960は、カートリッジの各々の化粧品材料の残量を検出する任意選択のステップ963a~963cと、その結果を分注装置のメモリに記録する任意選択のステップ964とを含む。
【0084】
分注プロセスS960が完了した後、ユーザは、放出された化粧品材料を手動で混合し、要求された化粧品配合を生成するプロセスS980を実行してもよい。
【0085】
図14は、一実施例による、接続された化粧品分注システムの実施例を表す図である。上述の化粧品分注器100を実装するシステム400は、少なくとも化粧品分注器100および接続されたデバイス300を含む。任意選択で、システムは、クラウドコンピューティング環境の一部として実装される1つ以上の外部サーバ410をさらに含み得る。さらに、システムは、任意選択で、化粧品デバイス100に挿入され得る可能性のある化粧品材料の在庫である化粧品材料在庫204を含んでもよい。
【0086】
接続されたデバイス300は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、スマートフォン、タブレットデバイス、UMPC(ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ)、ネットブック、またはノート型パーソナルコンピュータであり得る。以下の実施例において、接続されたデバイス300は、AppleのiPadなどのタブレットデバイスであると仮定される。
【0087】
接続されたデバイス300は、化粧品分注器100上の無線通信インターフェース回路774を介して化粧品分注器100との無線通信を実行することができる。しかしながら、接続デバイス300はまた、装置100上のUSBインターフェース776を介して化粧品分注器100への有線接続を有することもできる。加えて、化粧品分注器100を含む各デバイスは、無線インターネットアクセスポイントへの802.11無線接続を介したインターネット接続を通して、または例えばイーサネットインターフェースを通したインターネットアクセスポイントへの物理的接続を介して、互いにおよび外部の1つ以上のデバイスと通信し得る。接続された各デバイス300は、Bluetooth接続または他の無線手段を通じてなど、他のデバイスとの無線通信を実行することが可能である。
【0088】
接続されたデバイス300は、コンパクト108に化粧品材料を分注するために化粧品分注器100によって使用される化粧品配合物を生成する際に使用するための情報をユーザから受信するように構成されている。
【0089】
図15は、一実施例による、コントローラ150および化粧品分注器100の回路を表すブロック図である。中央処理ユニット(CPU)710は、分注器制御回路740(モータ112のための制御回路、光学エンコーダ192のための回路、および誘導センサ回路を含み得る)など、装置に含まれる別個の回路構成要素に対して一次制御を提供する。CPU710はまた、任意選択の入力/出力デバイス772(キーボードまたはマウスなど)、メモリ780、無線通信インターフェース回路774、ユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラ776、LEDドライバ778、およびディスプレイモジュール780を制御してもよい。LEDドライバ778は、1つ以上のインジケータライト122のパルス化を制御する。
【0090】
ある実施形態では、回路は、とりわけ、プロセッサなどの1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、マイクロプロセッサ、量子プロセッサ、量子ビットプロセッサなど)、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、またはそれらの任意の組み合わせを含み、離散的なデジタルもしくはアナログ回路素子または電子機器、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。
【0091】
ある実施形態では、モジュールは、複数の所定の論理構成要素を有する1つ以上のASICを含む。
【0092】
ある実施形態では、モジュールは、それぞれが複数のプログラム可能な論理構成要素を有する、1つ以上のFPGAを含む。
【0093】
ある実施形態では、回路は、互いに動作可能に結合された(例えば、通信可能に、電磁的に、磁気的に、超音波的に、光学的に、誘導的に、電気的に、容量的に結合された、無線的に結合されたなどの)1つ以上の構成要素を含む。
【0094】
ある実施形態では、回路は、1つ以上の遠隔に位置する構成要素を含む。
【0095】
ある実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、例えば、接続されたデバイス300となどの、無線通信を介して、動作可能に結合される。
【0096】
ある実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、例えば、1つ以上の通信モジュール、受信機、送信機、トランシーバなどを介して、動作可能に結合される。
【0097】
ある実施形態では、図15に示されるCPU710または他の構成要素のうちのいずれかは、代替的な回路要素で置き換えられてもよい。回路の実施例は、例えば、命令または情報を格納するメモリを含む。メモリの非限定的な実施例としては、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、不揮発性メモリ(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)など)、永続メモリなどが挙げられる。メモリのさらなる非限定的な実施例としては、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
【0098】
ある実施形態では、メモリは、例えば1つ以上の命令、情報、または電力バスによって1つ以上のコンピューティングデバイスに結合される。
【0099】
ある実施形態では、回路は、1つ以上のコンピュータ可読媒体ドライブ、インターフェースソケット、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、メモリカードスロットなど、および1つ以上の入力/出力構成要素、例えば、グラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、キーボード、キーパッド、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーン、マウス、スイッチ、ダイヤルなど、および任意の他の周辺デバイスなどを含む。
【0100】
ある実施形態では、モジュールは、例えば、オンにされた電圧の検出されたシフトに応答して1つ以上の組織熱特性を決定することに関連付けられた少なくとも1つのパラメータを制御(電気、電気機械、ソフトウェア実装、ファームウェア実装、または他の制御、またはそれらの組み合わせ)するように構成された少なくとも1つのコンピューティングデバイスに動作可能に連結される1つ以上のユーザ入力/出力構成要素を含む。
【0101】
ある実施形態では、回路は、信号伝達媒体(例えば、コンピュータ可読メモリ媒体、コンピュータ可読記録媒体など)を受け入れるように構成されたコンピュータ可読媒体ドライブまたはメモリスロットを含む。
【0102】
ある実施形態では、システムに開示された方法のいずれかを実行させるためのプログラムを、例えば、コンピュータ可読記録媒体、信号伝達媒体などに格納することができる。信号伝達媒体の非限定的な実施例としては、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、デジタルテープ、コンピュータメモリなどのような記録可能なタイプの媒体、ならびにデジタルまたはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、受信機、送信機、トランシーバ、伝送ロジック、受信ロジックなど)などの伝送型媒体が挙げられる。信号伝達媒体のさらなる非限定的な実施例としては、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD+RW、DVD-RW、DVD-R、DVD+R、CD-ROM、スーパーオーディオCD、CD-R、CD+R、CD+RW、CD-RW、ビデオコンパクトディスク、スーパービデオディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、磁気光学ディスク、MINIDISC、不揮発性メモリカード、EEPROM、光学ディスク、光学ストレージ、RAM、ROM、システムメモリ、ウェブサーバなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
一実施形態では、回路は、音響変換器、電気音響変換器、電気化学変換器、電磁変換器、電気機械変換器、静電変換器、光電変換器、無線音響変換器、熱電変換器、または超音波変換器を含む。
【0104】
一実施形態では、回路は、トランスデューサ(例えば、アクチュエータ、モータ、圧電結晶、マイクロ電気機械システム(MEMS)など)と動作可能に結合される電気回路を含む。
【0105】
一実施形態では、回路は、少なくとも1つの別個の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、または少なくとも1つの特定用途の集積回路を有する電気回路を含む。
【0106】
一実施形態では、回路は、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書に記載のプロセスおよび/またはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、あるいは本明細書に記載のプロセスおよび/またはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、メモリの形態(例えば、ランダムアクセス、フラッシュ、読み取り専用など))を形成する電気回路、通信デバイスを形成する電気回路(例えば、モデム、通信スイッチ、光電気機器など)、および/または光学もしくは他のアナログなど、それらの任意の非電気的アナログを含む。
【0107】
[パーソナライズされた化粧品エコシステム]
図16は、各タイプの製品に共通のエコシステム1600の構成要素を示す。エコシステムは、分注器1610、ユーザスマートフォンデバイス1620、およびクラウドプラットフォーム1630を含む。スマートフォンは、スマートフォンアプリケーション(「アプリ」)セットアップ1621およびスマートフォンアプリケーション使用1622の2つの機能ブロックを含むように示されている。スマートフォンアプリケーションセットアップ1621は、異なるパーソナライズ例に関して以下で詳細に説明され、それは、ユーザのユーザプロファイルを構成するための初期セットアップ情報を確立することを伴う。次いで、セットアップ情報は、スマートフォンアプリケーションが使用されている際に利用することができ、それはまた、ユーザのために関連する外見の選択を送信する際に使用するためにクラウドプラットフォーム1630に送信することができる。
【0108】
スマートフォンアプリケーション自体の使用は、ユーザが色の決定につながる選択を実際に行うことと、レシピを分注器に送信すること、および分注器のステータス(分注器内のカートリッジの在庫および残量など)を追跡することなど、分注器との対話型通信を実行することとを伴う。スマートフォンアプリケーションはまた、クラウドプラットフォームとの対話型通信を実行する。例えば、スマートフォンアプリケーションは、上述の関連する外見の選択を受信することができ、それはまた、以前に送信されたクラウドプラットフォームの外見に関するユーザからの直接的なユーザフィードバックを提供することができ、それは、ユーザによって実際に選択され、分注器によって分注された色およびレシピに関してクラウドプラットフォームに通知することができる。そのようなフィードバックは、クラウドプラットフォームに機械学習の形態を提供し、クラウドプラットフォームによって使用されるアルゴリズムを改善することができる。
【0109】
[パーソナライズされた口紅エコシステム]
図17は、お気に入りの色味、地理的位置、お気に入りのインフルエンサー、過去の選択などを組み合わせて、ソーシャルメディアのトレンドを分析した後、消費者にトレンドの口紅の色を提案することに基づいて構築された上記のエコシステム(1700)を示す。それは、消費者が外見に基づいて色を選び、バーチャルで試し、必要に応じて調整して、最終的に、接続された分注器を用いてその場で配合を生成する機会を与える。また、自撮り写真でデジタル化されたユーザの服装に基づいた色を提案することも可能である。消費者は、最もお気に入りの色を保存し、バーチャルコミュニティと共有することができる。
【0110】
図17は、ユーザスマートフォンが、最終的に、スマートフォンアプリケーション(「アプリ」)を介してレシピを分注デバイスに配信することを示す。スマートフォンアプリは、接続された分注器とクラウドプラットフォームの両方と対話する。ユーザがスマートフォンアプリの通常の操作(使用)を実行する前に、アプリは、ユーザプロファイルを構成するためのセットアップ情報を用いるセットアップ(1710)が必要である。アプリのセットアップは、次のセットアップ入力に基づくことができる。
・オンボーディング時のアンケート(お気に入りの色など)
・ソーシャルメディアの認証情報(Instagram、Twitter、Facebookなど)
・色をフォローするためのお気に入りのインフルエンサー
・ローカルファッションに基づく地理的位置
・環境データ(UVインデックス、汚染、湿度、花粉)
【0111】
セットアップ入力は、スマートフォンでのアプリの定期的な使用中に使用されるが、それらはまた、インターネットを介して接続される外部サーバデバイスであり得るクラウドプラットフォームに伝送される。
【0112】
スマートフォンアプリの実際の使用(1720)は、口紅選択のためのモードを選択することを含む。本実施例では、モードは、クラウドプラットフォームで実行されるアルゴリズム(より詳細に後述)によるソーシャルメディアトレンド推奨を選択するためのモードを含む。別のモードでは、ユーザは、多種多様な色の選択肢を使用して独自の口紅色を作成できる。
【0113】
別のモードでは、ユーザが自撮り写真に基づいて口紅の色を自分の「外見」にマッチさせることを可能にし得る。この実施例では、提案された写真の色合いと仕上げの選択が抽出される。ユーザは、リアルタイムで仮想的に口紅を試すことができ、ユーザは、提示された色を調整することができる。ユーザが色に満足すると、ユーザはアプリに表示されているボタンをタッチして、配合を分注することができ、内部ニューラルネットワークは、要求された色を異なる色カートリッジ用量に分解する。レシピを分注器に送信し、口紅の色合いを分注した後、ユーザは、口紅を塗布することができる。
【0114】
口紅の使用後、ユーザは、レンダリングが気に入ったか否かにかかわらず、アプリを使用してフィードバックを提供することができる。ユーザは、後で再利用するために、自分のお気に入りの外見と色を保存することもでき、ユーザは、ソーシャルメディアプラットフォームを介してウェブ上で外見と色を共有することができる。
【0115】
クラウドプラットフォームは、リモートアルゴリズムのワークフローおよび改善プロセスなど、1730に示される機能を実装する。
【0116】
クラウドプラットフォームによって実行されるワークフローでは、ソーシャルメディアネットワークの個人アカウント(インフルエンサー、最もトレンドの外見)は、口紅の色に関連するデータのためにスクレイピングされる可能性がある。クラウドプラットフォームは、1つ以上の収集された画像の分析を実行して、深層学習アルゴリズムを使用して、メイクアップのリップフィニッシュをセグメント化することによって、平均メイクアップ色(リップ、ファンデーション、ヘアカラー)を抽出し得る。例えば、クラウドプラットフォームは、当該技術分野における既知の技術(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,805,745号に記載される技術など)を使用して、複数の画像におけるリップを最初に検出することによってこれを達成し得る。クラウドプラットフォームは次いで、抽出された色と、ユーザの1つ以上のコミュニティによって最も気に入られた色との比較を、ユーザのスマートフォンデバイスから受信したユーザのセットアップ入力も考慮しながら実行し得る。収集されたデータのすべてを考慮に入れると、最後のステップは、クラウドプラットフォームが、上記の関連する外見の選択の形態で分析の結果をユーザに送信することである。
【0117】
クラウドプラットフォームおよびスマートフォンアプリによって実行される改善プロセスでは、ユーザは、後で関連する推奨事項のためにスクレイピングアルゴリズムを豊かにするために、自身のお気に入りの外見を保存して、人気のある色を「いいね」することができる。クラウドプラットフォームは、ユーザのフィードバックのすべてをさらに集約することができ、プラットフォームは、ローカリゼーションごとに最もトレンドの領域を新規ユーザに送信することができる。
【0118】
ブロック1740における分注器動作は、上で既に詳細に説明されているが、それらは以下に要約される。分注器は、各カートリッジの特定の割合を分注するコマンドを受信する。分注器は、上部に分注し、ユーザは、それを混合して所望の色を得ることができる。分注器は、配合物の残りの在庫を消費者アプリに送り返し、ユーザが選択を行ったときに、UIで利用可能な分注できる色のみがあることを確認する。
【0119】
図18Aは、アプリの観点からパーソナライズされた口紅の色合いを分注するための上記のエコシステムにおける操作の例示的なフローを示す。ステップ1810では、ユーザは、上で考察されたような「モード」を選択することができ、これは、クラウドで実行されるアルゴリズムによるソーシャルメディアのトレンド推奨事項を選択するためのモードであってもよく、多種多様な色オプションを使用してユーザが独自の口紅色を作成することを可能にすること、またはユーザが自撮り写真に基づいて口紅色を自分の「外見」にマッチングさせることを可能にすることができる。
【0120】
ステップ1820は、モードがクラウドプラットフォームのAIアルゴリズムによって駆動されるトレンドの外見を選択するために選ばれるときのディスプレイの実施例を示す。ステップ1820はまた、ユーザが上述のモード間で切り替えることを可能にするために、メニューがインターフェースの底部に提供されることを示す。
【0121】
ステップ1830は、ユーザが潜在的な色合いを選択し、色パレットまたはスライダなどの適切な調整機構を使用して色合いを調整することができるときのディスプレイの実施例を示す。色合いは、ユーザの自撮り画像上に表示され得る。
【0122】
ステップ1840は、ある色が最終的にユーザによって選択された後、その色が分注デバイスのカートリッジに含まれる利用可能な色の組み合わせに分解され、次いでレシピが、分注のために分注デバイスに伝送されることを示す。
【0123】
図18Bは、口紅エコシステムにおけるスマートフォンアプリのアルゴリズムが、どのようにユーザがユーザの自撮り画像上で口紅の色合いを見ることを可能にし得るかに関する追加のフローチャートを示す。レシピ予測モジュール1860(「モジュール2」)は、デバイス分注能力を入力として受信してもよく、これは、現在、分注デバイスの内側にある3つの口紅成分カートリッジのセットである。別の入力は、カートリッジ内の成分によって生成され得る実際の色値を表す、希釈混合物のマストーン色であり得る。モジュール2からの出力は、レシピのリスト(各カートリッジからの実際の分注された量)および各レシピから生じる対応するRGB予測マストーン色である。モジュール1(1870)は、次いで、レシピ内のRGBマストーン色およびユーザの口唇の色(リップトーン)に基づいて、実際の口唇に口紅がどのように見えるかの投影を実行することができ、これは、レシピのリストおよび対応するRGB適用色をもたらす。マストーン色と、ユーザのリップトーンに基づく適用色との間の関係は、事前に決定および格納されてもよい。したがって、ディスプレイ上でユーザに提示され得るものは、1890に示されるようなRGB色の領域に基づくパレットである。
【0124】
図18Cはさらに、特定のセットのカートリッジがどのようにしてユーザに提示するための異なる色合い領域をもたらすことができるかを例示する。
【0125】
図18Dは、口紅エコシステムのアプリで「私の外見にマッチさせる」モードがどのように動作し得るかを示す。状態1881で、ユーザは、ユーザの服装を含む自撮り画像を入力してもよい。推奨事項は、画像内の色および/または服装のタイプの認識に基づいて、異なる手法で生成されてもよい。例えば、1882での第1のアプローチ(「アプローチ1」)は、色と調和の科学の7つのルールを使用して、アプローチ1に例示されるような色相環の関係に基づいて、口紅の色合いと服装の色との間の特定のタイプの関係を形成することを目標にしてもよい。あるいは、状態1883では、事前決定されたパレットは、服装の色と組み合わせた服装の季節的なスタイルを考慮して、メイクアップアーティストの推奨事項に基づいて提示されてもよい。
【0126】
図18Eは、ユーザの服装の自撮り画像に基づいて、口紅の推奨エンジンがどのように機能するかについてより詳細に示す。状態1891では、プローブは、単一のプローブが優先され得る、服装の異なる点でユーザによって設定され得る。状態1892では、異なる色パレットは、メイクアップアーティストの推奨パレットに基づいて各プローブに割り当てられてもよく、またはそれは、図18Dに示されたような所定の色相環関係に基づいてもよい。状態1893に見られるように、出力は、分注デバイスに設置されたカートリッジのセットに基づいて、およびユーザが使用することを決定したプローブの数および優先順位に基づいて、色を推奨し得る。必要に応じて、ユーザはスワイプして、他のセットのカートリッジが使用された場合、他の色相環で利用可能なオプションを閲覧することもできる。これにより、ユーザに新しいセットのカートリッジを購入するように促すことができる。
【0127】
[パーソナライズされたスキンケアエコシステム]
図19は、ユーザの地理的位置、環境要因、紫外線累積曝露、およびスマートフォンまたは皮膚科医の診断で評価された臨床的徴候に基づいて、ユーザにとって最も効率的であるスキンケア配合をユーザに提案することに基づいて構築された上記のエコシステム(1900)を示す。システムは、最も効率的なレシピを日常的に得るために、活性物質の割合を調整する。ユーザは、最もお気に入りの色を保存し、仮想コミュニティと共有することができる。
【0128】
図19は、ユーザスマートフォンが、最終的に、スマートフォンアプリケーション(「アプリ」)を介してレシピを分注デバイスに配信することを示す。スマートフォンアプリは、接続された分注器とクラウドプラットフォームの両方と対話する。ユーザがスマートフォンアプリの通常の操作(使用)を実行する前に、アプリは、ユーザプロファイルを構成するためのセットアップ情報を用いるセットアップ(1910)が必要である。アプリのセットアップは、次のセットアップ入力に基づくことができる。
・オンボーディング時のアンケート(お気に入りの色など)
・皮膚科医による、または自撮り画像を用いるAIアルゴリズムによるスキンケア分析
・スマートフォンの位置検出機能に基づく地理的位置
・環境データ(UVインデックス、汚染、湿度、花粉)
【0129】
セットアップ入力は、スマートフォンでのアプリの定期的な使用中に使用されるが、それらはまた、インターネットを介して接続される外部サーバデバイスであり得るクラウドプラットフォームに伝送される。
【0130】
スマートフォンアプリの実際の使用(1920)は、地理的位置に基づいて環境データを収集することと、それを臨床的徴候(しわ、黒ずみ、ハリ、毛穴、細かいライン、くすみ)を評価するスマートフォン診断と組み合わせることとを含む。
【0131】
ユーザはまた、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,060,787号に記載されるウェアラブルUVセンサなどのUVセンサのデータを収集することができ、これは実際に受け取った累積UV曝露の正確な測定値を提供する。肌の評価と環境要因の履歴データに基づいて、アプリは肌の老化の兆候と戦い、環境から防ぐための理想的な配合を処理する。ユーザがその配合物に満足すると、ユーザはアプリに表示されたボタンをタッチして配合物を分注することができ、内部ニューラルネットワークは、要求された配合物を異なるカートリッジ成分に分解する。レシピが分注器に送信され、配合物が分注された後、ユーザは配合物を適用することができる。ユーザは、特定の期間にわたって、彼らのお気に入りの配合物についてフィードバックを提供することができる。
【0132】
クラウドプラットフォームは、リモートアルゴリズムのワークフローおよび改善プロセスなど、1930に示される機能を実装する。クラウドプラットフォームが実行するワークフローでは、UV、花粉、汚染、温度に関する環境予測に基づいて、特定の通知がアプリユーザに送信され、レシピを調整する。例えば、環境条件と肌の老化との間には既知の相関関係がある(www.researchgate.netの「Assessing the impact of an aerial chronic urban pollution(UP)on some facial signs of differently-aged Chinese men」、およびwww.jdsjournal.comの「The skin aging exposome」を参照)。さらに、ブリーゾメータ(Breezometer)(商標)およびローカルUVインデックス予測(または上記のUVセンサに基づいてUV曝露を取得することができる)などのツールを使用して、空気の質の決定を提供することができる、ユーザの地理的位置の入力を与えることにより、クラウドプラットフォームは、UV曝露および空気の質などの環境要因に対処するためにレシピを調整することができる。例えば、以下の図20Bは、環境要因のサンプル組み合わせ、およびそれらがカートリッジ内の成分とどのように相関するかを示す。
【0133】
クラウドプラットフォームとスマートフォンアプリによって実行される改善プロセスでは、ユーザは、最も効率的なオーバータイムまたは肌の最高の感覚であるお気に入りのレシピを保存できる。ユーザは、自分のレシピをコミュニティと共有することもできる。
【0134】
クラウドプラットフォームは、ユーザのすべてのフィードバックをさらに集約することができ、プラットフォームは、ローカリゼーションごとに最もトレンドの配合領域を新規ユーザに送信することができる。
【0135】
ブロック1940における分注器動作は、上で既に詳細に説明されているが、それらは以下に要約される。分注器は、各カートリッジの特定の割合を分注するためのコマンドを受信する。分注器は、上部に分注し、ユーザは、それを混合して所望の色を得ることができる。分注器は、配合物の残りの在庫を消費者アプリに送り返し、ユーザが選択したときに、UIで利用可能であるのは分注可能な成分のみであることを確認する。
【0136】
図20Aは、アプリの観点からパーソナライズされたスキンケア配合物を分注するための上記のエコシステムにおける操作の例示的なフローを示す。ステップ2010では、ユーザは、360°の自撮り写真、またはスマートフォンのカメラ機能を使用する異なる角度での一連の写真を撮影することによって実行され得る、上述されたようなスキンケア診断を実行し得る。ステップ2020では、アプリは、ユーザの肌の分析を実行して、黒ずみ、しわのハリ、毛穴、細かいライン、くすみなどの肌特徴を検出する。深層学習を実行して、このタイプの検出の訓練および実行を行うための方法は、以下でより詳細に記述される。また、米国特許第10,325,146号および同第9,760,935号に説明されるものなど、代替の既知の方法を使用してもよく、これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
ステップ2030は、分析される肌特徴のうちの1つ以上についての分析結果を示す。結果は、スコアとして示されてもよく、スコアは、ユーザの年齢範囲内の人々に関連している可能性がある。例えば、肌特徴の各々は、5ポイントスケールで提示されてもよく、平均スコアよりも悪いスコアを表す特徴は、ユーザの優先順位として強調表示されてもよく、一方、平均よりも良い特徴は、強さとして提示されてもよい。
【0138】
ステップ2040は、アプリが、現在の環境条件を考慮しながら、ユーザの優先スキンケアの懸念に対処する推奨されたスキンケア配合物(「ブレンド」)を提示し得ることを示す。配合物が最終的にユーザによって選択された後、配合物は、分注デバイスのカートリッジに含まれる利用可能な色の組み合わせに分解され、次いで、レシピは、ステップ2050で分注するために分注デバイスに伝送される。
【0139】
図20Bは、ユーザのために存在すると決定された異なる環境要因の組み合わせが、どのようにして3つの異なるカートリッジから異なる用量をもたらすことができるかの実施例を示す。この実施例では、カートリッジは、深部損傷回復、細胞更新、および日々の肌アグレッサー保護のための成分(SPF成分および汚染保護成分を含み得る)ディレクタをそれぞれ含む。この実施例では、固定用量のカートリッジ1を有効性のために常に使用することができ、一方で残りのカートリッジの割合は、存在するUVまたは汚染のレベルに基づいて変動する。
【0140】
[パーソナライズされたファンデーションエコシステム]
図21は、ユーザのためにパーソナライズされたファンデーションを分注するために使用されるエコシステム2100を示す。エコシステム2100は、ユーザの肌のトーンをスマートフォンで測定するための深層学習アルゴリズムを使用している。環境情報またはメイクアップチュートリアルと組み合わせることで、システムは年間を通して調整して、消費者の日焼けレベル/肌のトーンバリエーションにマッチする最高のファンデーション色を消費者に常に提供することができる。天気予報と紫外線曝露に基づいて、デバイスは、スキンケア活性物質またはSPFを増加させることもできる。
【0141】
図21は、ユーザスマートフォンが、最終的に、スマートフォンアプリケーション(「アプリ」)を介してレシピを分注デバイスに配信することを示す。スマートフォンアプリは、接続された分注器とクラウドプラットフォームの両方と対話する。ユーザがスマートフォンアプリの通常の操作(使用)を実行する前に、アプリは、ユーザプロファイルを構成するためのセットアップ情報を用いるセットアップ(2110)が必要である。アプリのセットアップは、次のセットアップ入力に基づくことができる。
・オンボーディング時のアンケート(お気に入りの色など)
・360°のビデオと肌のトーンアルゴリズムでユーザの肌のトーンの検出
・スマートフォンの位置検出機能に基づく地理的位置
・環境データ(UVインデックス、汚染、湿度、花粉)
【0142】
セットアップ入力は、スマートフォンでのアプリの定期的な使用中に使用されるが、それらはまた、インターネットを介して接続される外部サーバデバイスであり得るクラウドプラットフォームに伝送される。
【0143】
スマートフォンアプリ(2120)の実際の使用は、地理的位置に基づいて環境データを収集することと、それをユーザの肌のトーンを評価するスマートフォン診断と組み合わせることと、を含む。ファンデーションにマッチするためのユーザの肌のトーンを決定する方法は当該技術分野で知られているが、深層学習方法に関連する以下の方法を詳細に述べる。ユーザの肌の状態に応じて、環境条件が最適でないとき、アプリは、SPFのようなスキンケア活性物質をファンデーションと混ぜることを決定することがある。アプリは、肌のトーンの進化に従ってファンデーションの色を少し調整するために、その年の期間とその人の日焼けレベルに基づいて決定を行う。色がマッチングプロセスを完璧にしていない場合、ユーザは、フィードバックをクラウドに送信して、アルゴリズムをリモートで改善することができる。場合によっては、ユーザは、デバイスを使用してプライマー色を調整し、異なる色を重ねることによって特定のメイクアップ戦略を達成することを望んでもよい。
【0144】
クラウドプラットフォームは、リモートアルゴリズムのワークフローおよび改善プロセスなど、2130に示される機能を実装する。クラウドプラットフォームが実行するワークフローでは、UV、花粉、汚染、温度の環境予測に基づいて、SPFを追加してレシピを調整するための特定の通知がアプリユーザに送信される。クラウドプラットフォームは、消費者の日焼けレベルが初期診断とは異なるときに送信されるユーザのためのマスター肌のトーン配合をシフトし得る。
【0145】
クラウドプラットフォームとスマートフォンアプリによって実行される改善プロセスでは、ユーザは、最も効率的なオーバータイムまたは肌の最高の感覚であるお気に入りのレシピを保存できる。ユーザは、自分のレシピをコミュニティと共有することもできる。クラウドプラットフォームは、ユーザのすべてのフィードバックをさらに集約することができ、プラットフォームは、ローカリゼーションごとに最もトレンドの配合領域を新規ユーザに送信することができる。
【0146】
ブロック2140における分注器動作は、上で既に詳細に説明されているが、それらは以下に要約される。分注器は、各カートリッジの特定の割合を分注するためのコマンドを受信する。分注器は、上部に分注し、ユーザは、それを混合して所望の色を得ることができる。分注器は、配合物の残りの在庫を消費者アプリに送り返し、ユーザが選択したときに、UIで利用可能であるのは分注可能な成分のみであることを確認する。
【0147】
図22Aは、アプリの観点からパーソナライズされたファンデーションを分注するための上記のエコシステムにおける操作の例示的なフローを示す。ステップ2210では、ユーザは、360°の自撮り写真、またはスマートフォンのカメラ機能を使用して異なる角度での一連の写真を撮影することによって実行され得る、上で考察されたような肌のトーン診断を実行し得る。ステップ2220では、アプリは、ユーザの肌の分析を実行して、肌のトーンおよび色合いを検出する。
【0148】
ステップ2230では、アプリは、現在の環境条件を考慮しながら、ユーザの肌のトーンにマッチする推奨されたファンデーション(「ブレンド」)を提示し得る。ファンデーションが最終的にユーザによって選択された後、ファンデーションは、分注デバイスのカートリッジに含まれる利用可能な成分の組み合わせに分解され、次いで、ステップ2240でレシピが分注のために分注デバイスに伝送される。
【0149】
図22Bは、上記の肌のトーン診断を実行する方法のさらなる詳細を提供する。ステップ2211において、ユーザは、スマートフォンアプリによって顔検出が達成されるまで、自身のビデオ記録を実行する。ステップ2212では、顔検出は、既知の方法に従って実行される。顔が検出されない場合、ユーザにエラーメッセージが表示され、顔検出が達成されるまでユーザに対するカメラの角度または位置の変更を要求してもよい。顔検出が実行されると、10個のフレームのビデオデータに対して前処理が実行され、そこで正規化プロセスおよびズームプロセスが実行されて、ユーザの顔の特定の特徴を評価する。正規化とは、すべてのフレームを同じ解像度、配向幅、照明などに従って合わせるプロセスである。正規化は、フレームを互いに比較可能にし、メインアルゴリズムが検証された動作条件/範囲で機能し、外れ値データポイントを回避することを確認することを意図する。次に、予測に使用される10個のフレームで検出された肌のトーンの中央値に基づいて、ステップ2213で肌のトーン予測モデルを実行する。加えて、予測ノイズ評価は、フィルタ/平均ノイズに対する中央値アプローチを使用して実行される。ノイズ予測が低い場合、肌のトーンのLAB値を使用して、分注デバイスでファンデーションを生成するために使用されるブレンドを決定する。しかしながら、ノイズレベルが高い場合には、ステップ2214で、ユーザが使用してきた以前のファンデーションを問い合わせるセーフティネットバックアップアンケートがトリガされる。次いで、以前のファンデーションの色は、分注デバイスでファンデーションを生成するために使用されるブレンドを決定するために使用される格納されたLAB値にマッピングされる。
【0150】
図22C図22Dは、スマートフォンアプリ(またはクラウドプラットフォーム)に画像内の肌のトーンを推定させるために深層学習がどのように実行されるかに関する追加の詳細を示す。同じプロセスを使用して、デバイスに画像内のスキンケア状態を推定させることもできる。図22Cでは、深層学習モデルについて訓練が実行される。入力は、ステージ2221で提供され、(360ビデオ自撮りまたは写真自撮りであり得る)写真は、入力された写真および外部メタデータに関連付けられたメタデータと共に入力される。写真に関連付けられたメタデータは、任意選択のGPS位置および写真が内側または外側のどちらで撮影されるかの指示と共に、日時(および/または季節)を含み得る。外部メタデータは、過去の気候データであり得る。ステージ2222では、入力画像に対して、顔検出、センタリングおよびスケーリング、顔認識(ライブラリの利用可能性に応じて)、ならびに照明条件補正を含み得る、前処理が実行される。ステージ2223では、深層学習モデルは、肌のトーン推定のための特徴を学習することによって写真に関する訓練を実行する。深層学習モデルはまた、同じユーザからの画像のグループに基づいて、選択されたフレームの重要性のスカラー重みを決定するためにフレーム選択を実行してもよい。深層学習モデル(2224)の出力は、フレーム選択および後処理からの選択されたフレームおよび重みからの肌の色の加重平均を提供する。モデルの精度を調整するために、測定された肌の色が、画像内の実際のユーザのためにシステムに入力され、深層学習モデルを訓練する。
【0151】
図22Dは、訓練が適切なレベルに達した後の深層学習モデルの使用を示す。これは、ユーザの実際の肌に対して真の測定を実行することができずに、肌のトーン(または肌状態)が画像から推論されるため、「推論時間」と呼ばれる。図22Dの段階は、最終段階においてユーザの肌の色の測定がないことを除いて同じであることが分かる。
【0152】
[スマート交換可能なカートリッジシステム]
上記の分注デバイスは、スマートで効率的な様式で消耗品カートリッジを交換することを可能にする。上記の分注デバイスで使用されたカートリッジ(消耗品)は、セット(3個のカートリッジのセットなど)で管理されることが好ましい。例えば、上記の口紅、スキンケア、およびファンデーション用途の各々のための別々のセットのカートリッジが存在し得る。システムでは、消耗品セットは、データストレージおよび伝送/受信を実行するように構成されたスマートチップまたは電子デバイス(NFC、RFID、またはコンタクトチップなど)を備えている。以下の説明では、NFC(近距離通信)タグについて言及するが、特許請求の範囲はこの実施例に限定されない。各カートリッジには、異なる化粧品属性と、色合い/仕上げ、質感、および肌/髪のメリットなどの属性を識別することができる一意の配合物識別子がある。属性は、生産時に集積回路に格納され、非対称暗号アルゴリズムで署名される。
【0153】
以下で詳細に記述するように、カートリッジに適用されるNFCタグは、ユーザの色の領域、マルチデバイスのユースケース、およびトレーサビリティの管理を保証する。タグには、2つのメモリゾーンがある。1つは、(充填プロセス中にエンコードされる)生産データ用のゾーン、もう1つは、デバイスが使用量とフォローアップ量をエンコードする使用用のゾーンである。さらに、以下のセキュリティ機構が実装されている。(i)生産データの非変更を保証する。すなわち、セクターエディションはパスワード(シークレットパスワード)で保護される。(ii)流用の場合のカートリッジデータの重複がないことを保証する。すなわち、UIID(タグの一意のID、エンコードされたデータ、製造のシークレットキー)を使用した署名機構を追加する。デバイスを使用してカートリッジを読み取るアプリは、次いで、分注を許可する前に、署名が製造エンティティからのものであることを確認する。
【0154】
図23は、上記のカートリッジに類似するが、金属化が許されない領域である領域2310と、カートリッジの底部に平坦で縁部がないように接着されるNFCタグ(スマートチップ)2320とをさらに含む、カートリッジ2300の構造を示す。
【0155】
図24は、カートリッジ上のNFCタグに格納されているデータのデータ形式を示す。「OFF」列は、16進数でコード化されたデータの座標である「オフセット」のためのものである。システムが一度に読み書きできるのは完全に1ページのみであるため、「ページ」は、連続したデータアレイブロックを表す。形式は、タグ識別子(タグID)およびいくつかのフィールドを含むことが分かる。非限定的な本実施例では、NFCタグに含まれるデータのデータサイズは56バイトであるが、増減し得る。データ形式は、生産情報に向けられた情報フィールドと、使用追跡に向けられた他のフィールドがあることを示す。
【0156】
図25は、NFCタグのデータ形式に含まれる様々なフィールドの自明な説明を含む表を示す。さらに、「ベースタイプ」は、データのタイプを意味し、例えば、u8は、符号なし整数の8ビットのものを意味する。「Ule16」は、16ビットの符号なし整数を意味する。「長さ」および「ページ」は、NFCタグのメモリページで必要な座標および割り当てである。例えば、「u8」は、8ビットでコード化される符号なし整数であり、これは、ページ0位置内の8ビットのメモリ空間を必要とする。
【0157】
図26は、スマート交換可能なカートリッジシステムのために装備された分注デバイス2600の構造を示す。分注デバイス2600は、消耗品の読み取り動作および変化検出動作をトリガするために蓋の開閉サイクルを検出およびカウントする接触/ホール効果センサ2610を含むことが分かる。デバイスは、各分注時にカートリッジのNFCタグに情報を読み書きすることができる各カートリッジ管について、この場合、特定のNFCアンテナである通信インターフェース2620をさらに含む。
【0158】
図27は、分注デバイス2600とユーザスマートフォンデバイス2710との間のハンドシェイクを示す。分注デバイスとスマートフォンとの間の通信を開始するための様々なトリガは、デバイス間で確立されている接続(例えば、Bluetoothペアリング)、開かれている分注デバイスの蓋、スマートフォンアプリ(上記のアプリのうちの1つなど)からの分注命令、または分注デバイスに直接入力された分注命令を含み得る。トリガに応答して、ハンドシェイクは、ステップ1で、分注デバイスに格納されたカートリッジの消耗品ステータスを読み取り、そのステータスをスマートフォンに送信することを含む。同時に、ユーザ体験が更新され、スマートフォンに送信される。「ユーザ体験」は、蓋が開いているとき、カートリッジが空になっているとき、または色相環が利用可能な正しい色を有するときに、ポップアップをユーザに表示する特定のインターフェースを見るユーザに関するデバイスのコンテキストを指す。ステップ2では、スマートフォンは、分注デバイスに分注コマンドを伝送または調整し得る。ステップ3では、分注デバイスは、実際の分注フィードバックをスマートフォンに伝送し得る。ステップ4では、スマートフォンは、分注セッションが完了したときに、カートリッジ上のNFCタグを更新する命令を伝送し得る。
【0159】
図28は、分注デバイスを使用する前にカートリッジをプライミングするというアプリの観点からのプロセスを示す消費者アプリ状態マシンを示す。初期プライミングステップ2810では、いくつかの配合物は、所定の配列で、および/または各カートリッジから同時に分注され、各カートリッジから分注が実行され得ることを検証し得る。追加のプライミングステップ2820では、ユーザは、表示された色をクリックすることを練習して、個々の分注をコマンド上で制御することができる。これは、レシピが自動的に正しい管に割り当てられ得るように、正しい色がデバイス内の正しい管内で検出されることを確実にするために実行され得る。ステップ2830は、プライミングが完了したときに、分注デバイス内のカートリッジのステータスのディスプレイを示す。
【0160】
したがって、プライミングプロセスは、新しいカートリッジがいつ設置されたかを検出することができ、実際のブレンドが作成されているときに適切な用量を分注することができるように、分注デバイスのプランジャおよびカートリッジに含まれる配合物との適切な係合を可能にする。
【0161】
さらに、設置されている正確なカートリッジを検出することで、カートリッジのセット(3つのカートリッジのセットなど)を決定することができ、現在のセットで可能な色属性(またはスキンケア属性)が、アプリで自動的に更新される。
【0162】
また、カートリッジが変更されるときにパイプのクリーニングを提案または自動的に実行することで、消耗品管理を実行することができる。このアプリは、設置されているカートリッジのセットのタイプに応じて、ユーザインターフェース機能の配合領域をさらに適応させることができる。
【0163】
さらに、アプリの状態マシンは、一貫性のないセットの、または不足しているカートリッジを検出することができる。結果に到達するために不足しているセットを購入することを提案できる。カートリッジの有効期限を自動的に検出できる。また、カートリッジには安全情報が格納されているため、それぞれ別々のユーザスマートフォンがカートリッジ上の情報を独立して検出するため、自然にマルチユーザおよびマルチデバイス機能を可能にする。
【0164】
プライミング中に、カートリッジを認証することもできる。32ビットのハッシュコードは、製造業者の秘密キーを使用して生産時に生成され、そのコードは、カートリッジのNFCタグの上にエンコードされる。スマートフォンは、ハードコーディングされた秘密キーを含み、これは、ソフトウェア開発者キット(SDK)に含まれ得、ハッシュコードが、分注デバイスから伝送されたNFCタグからデータを読み取るときに検証される。可能であれば、スマートフォンはまた、秘密キーでハードコーディングされ得る。一意のアイテム識別(UIID)タグはまた、物理的にカートリッジまたはNFCタグに(例えば、バーコードの形態で)追加され、分注デバイスによって読み取られてもよい。カートリッジの認証プロセスが失敗した場合、分注デバイスは、通知をスマートフォンに伝送し得る。
【0165】
いくつかの稀な場合では、ユーザは、NFCタグが機械によって読み取られないカートリッジ(エンコーディングエラー、タグ破壊、範囲外のデバイス、その他の欠陥)に遭遇する可能性がある。この場合、ユーザは依然として配合物を分注し、できるだけ通常どおりデバイスを使用できるようにする必要がある。この許容デフォルトモードを確実にするために、ユーザがカートリッジの情報を入力する必要があるリカバリカートリッジモードが操作を引き継ぐ。次に、SDKに依存するアプリケーションは、分注するためのアルゴリズムを続行するための仮想カートリッジを作成する。この自動トリガされるリカバリモードは、新しいカートリッジが挿入されるか、またはNFCが再び範囲内に入るとオフになる。
【0166】
図29は、前述のシナリオにおける不良カートリッジNFCタグの管理方法を示す。NFCタグからの読み取りデータにエラーがある場合、ステップ2910でプロセスを開始し、そこでスマートフォンにインストールされたSDKは、分注デバイス内の特定の管のリカバリモードを有効にする。ステップ2911では、SDKは、最後に読み取られた値に基づいてタグ上に(分注デバイスを介してタグに伝送することによって)新しい生産シーケンスを書き込もうとする。ステップ2912aでは、タグが正常に書き込まれた場合、プロセスは終了する。しかしながら、ステップ2912bでは、タグの書き換えに失敗した場合、プロセスはステップ2940に進む。ステップ2913では、アプリは、カートリッジが適切なチャネル(管)内にあることを検証するようにユーザに求めるメッセージを表示し、分注デバイスは、ステップ2914で蓋を自動的に開く。言い換えれば、カートリッジが挿入されなかったことが問題だった場合、このステップはこの可能性を是正する。ステップ2915では、ユーザは、カートリッジがチャネル内にあることを確認する。読み取りが依然として不可能である場合、ステップ2916では、ユーザは、カートリッジ上のステッカーとマッチングするカートリッジの色を選択するように求められる。ステップ2917では、ユーザは、カートリッジのバッチIDおよびシリアル番号を入力するように求められ、カートリッジが新品であるかどうかを検証するように求められる。ステップ2918では、SDKは、チャネル番号のための仮想カートリッジを作成する。分注動作は、仮想カートリッジが実際のカートリッジ上のNFCタグを正しく読み取るためのプロキシとして使用されていることに基づいて進めることができる。ステップ2919では、カートリッジが、連続した所定の数の分注動作のために突然読み取り可能になる場合、またはカートリッジのセット全体が変更される場合、仮想カートリッジは停止される。
【0167】
[分注と自動洗浄システム]
上記のシステムは、多くの異なるタイプのスワッピングカートリッジを含むため、取り外し可能なコンパクトの構造と統合する特別なクリーニング機構が開発され、ユーザ体験を向上させるための独自のクリーニング能力を提供している。
【0168】
図30は、分注デバイス3000が、カートリッジ3030の分注端部を収容するための穴3020を有する引き込み式プレート3010を含むことを示すこの分注デバイスの実施形態の簡略化された側面図を示す。デバイスは、スプリングが圧縮されないとき、「安定した上昇位置」にある引き込み式プレートとカートリッジノズルが隠されるスプリング3040を含む。安定した上昇位置は、ノズル先端を隠し、ノズル内への埃または汚染も軽減する。
【0169】
引き込み式プレートは、上面に対して約90度に曲げられた側面を含み、これにより、プレートが分注デバイスの本体のスライド溝3050内に下方に移動可能になることが分かる。
【0170】
図31Aは、力が引き込み式プレートに押下されるとき、スプリングが圧縮され、引き込み式プレートが「下降位置」にあることを示す。
【0171】
次いで、図31Bは、取り外し可能なコンパクト/カップ3110が引き込み式プレートの上部に配置されるとき、「下降位置」により、カートリッジノズルがコンパクト/カップの分注表面3120と同一平面になり、分注された配合物3130が分注表面上に滑らかに分注されるようになることを示す。
【0172】
上記の引き込み式プレート機構が所定の位置にある場合、コンパクトの表面をクリーニングする方法を、図32を参照して説明する。
【0173】
図32は、クリーニング配合物リザーバ3250が、分注デバイスの本体と引き込み式プレートとの間に配設されていることを示す。状態3210における「安定した下降位置」では、クリーニングリザーバの分注端は、引き込み式プレートの開口部の下にある。状態3220で引き込み式プレートに追加の力が加えられると、クリーニングリザーバの分注端がコンパクトの表面と同一平面になり、リザーバでの圧縮により、状態3230に示されるように、クリーニング配合物をコンパクトの表面の上に分注させる。
【0174】
クリーニング配合物の実施例としては、石鹸、アルコール、または他の既知のクリーニング液が挙げられる。
【0175】
上記の各位置は、ユーザによって提供される手動力によって達成されてもよい。代替的に、各位置は、当該技術分野において理解されるように、電動アクチュエータデバイスなどの電気機械的手段によって達成されてもよい。クリーニング配合物は、ユーザによって手動で拭き取られ、広げられ、および/またはブラッシングされ、取り除かれてもよい。
【0176】
図33は、任意の残りの成分または残留物のカートリッジをフラッシュする方法(状態3310において3350として示される)を提供するための、上記の引き込み式プレートの代替的な使用を示す。状態3310では、分注デバイスは、安定した下降位置で示される。状態3320では、コンパクトが押し下げられるとき、下向きの運動は、カートリッジのピストンの作動に変換することができる。これにより、ユーザは、必要に応じて、カートリッジ内の最後の残りの成分を使用/フラッシュすることが可能になり得る。
【0177】
したがって、先の記述は、本発明の例示的な実施形態を開示し、説明するに過ぎない。当業者によって理解されるように、本発明は、その趣旨または本質的な特徴付けから逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。したがって、本発明の開示は、例示的であることを意図しているが、他の特許請求の範囲と同様に、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書の教示の任意の容易に識別可能な変形を含む本開示は、発明の主題が公衆に捧げられないように、先の請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17-1】
図17-2】
図18A-1】
図18A-2】
図18B
図18C
図18D-1】
図18D-2】
図18E-1】
図18E-2】
図19-1】
図19-2】
図20A-1】
図20A-2】
図21-1】
図21-2】
図22A-1】
図22A-2】
図22B
図22C
図22D
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33