(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】エンドカバーアセンブリ、ハウジングアセンブリ、電池セル、電池及び電気消費設備
(51)【国際特許分類】
H01M 50/655 20210101AFI20240422BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/392 20210101ALI20240422BHJP
H01M 50/152 20210101ALN20240422BHJP
【FI】
H01M50/655
H01M50/15
H01M50/342 101
H01M50/186
H01M50/184 A
H01M50/392
H01M50/152
(21)【出願番号】P 2022553011
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2020113784
(87)【国際公開番号】W WO2022047788
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳新祥
(72)【発明者】
【氏名】黄守君
(72)【発明者】
【氏名】鄭于錬
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】李偉
(72)【発明者】
【氏名】梁成都
【審査官】梅野 太朗
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207896129(CN,U)
【文献】実開昭50-033726(JP,U)
【文献】特開平10-021893(JP,A)
【文献】特開2015-050113(JP,A)
【文献】特開2013-254660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10、50/10、50/30、50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セル(400)に用いられるエンドカバーアセンブリ(10)において、
前記エンドカバーアセンブリ(10)は、
電解液を注入するための貫通孔(11)及び第1係合部(24)が具備されるエンドカバー(10a)と、
前記貫通孔(11)をシールするためのシールリング(3)と、
前記シールリング(3)の少なくとも一部を覆い、前記貫通孔(11)を閉鎖し、前記電池セル(400)の内圧が閾値に達すると破壊されて、前記貫通孔(11)に対する閉鎖を解除し、前記電池セル(400)の内圧を解放するための圧力緩和装置(10b)と、を含み、
前記第1係合部(24)は、前記貫通孔(11)の円周方向に沿って配置され、前記電池セル(400)の内部から離れた前記エンドカバー(10a)の一方の側に位置し、
前記圧力緩和装置(10b)は、回転可能であり、第2係合部(42)を含み、前記圧力緩和装置(10b)が第1位置に回転すると、前記第2係合部(42)は前記第1係合部(24)に係合されて、前記圧力緩和装置(10b)と前記エンドカバー(10a)との分離を制限し、前記圧力緩和装置(10b)が第2位置に回転すると、前記第2係合部(42)が前記第1係合部(24)から離脱されて、前記圧力緩和装置(10b)と前記エンドカバー(10a)との分離を実現するように構成され
、
前記第1係合部(24)は、係止溝(24a)及び係止柱(42a)の一方であり、前記第2係合部(42)は、前記係止溝(24a)及び前記係止柱(42a)の他方である
ことを特徴とするエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記圧力緩和装置(10b)は、本体部(4)及び圧力緩和部材(5)を含み、前記本体部(4)は前記第2係合部(42)と接続され、前記圧力緩和部材(5)は前記貫通孔(11)を閉鎖し、前記圧力緩和部材(5)は前記電池セル(400)の内圧が前記閾値に達すると破壊されて、前記内圧を解放する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記圧力緩和部材(5)と前記本体部(4)は一体的にまたは別体に設けられる
ことを特徴とする請求項
2に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記圧力緩和部材(5)と前記本体部(4)は別体に設けられ、前記圧力緩和部材(5)は前記本体部(4)と前記シールリング(3)との間に設けられる
ことを特徴とする請求項3に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記圧力緩和装置(10b)は、前記本体部(4)と前記圧力緩和部材(5)との間に設けられ、前記本体部(4)と前記圧力緩和部材(5)とを分割して前記圧力緩和部材(5)を保護するための分割リング(6)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記分割リング(6)は、前記圧力緩和部材(5)に付着される
ことを特徴とする請求項5に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記圧力緩和部材(5)は、金属層(51)及び保護層(52a)を含み、前記保護層(52a)は前記金属層(51)と積層配置され、前記保護層(5a)の延伸率は、前記金属層(51)の延伸率より大きい
ことを特徴とする請求項3~6のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記圧力緩和装置(10b)は、互いに接続された少なくとも2つの前記圧力緩和部材(5)を含み、前記電池セル(400)の内圧が前記閾値に達すると、前記少なくとも2つの前記圧力緩和部材(5)の互いに接続された部分が打ち抜かれて、前記内圧を解放する
ことを特徴とする請求項2~7のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項9】
前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)は、ドッキングするか部分的に重なる
ことを特徴とする請求項8に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項10】
前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)は、部分的に重なり、前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)の重なり部分(524)は、前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)の残りの部分に対して、前記シールリング(3)から離れた一方の側に突出する
ことを特徴とする請求項9に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項11】
前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)の重なり部分(524)は、前記重なり部分(524)の高さを減少させるように、折り曲がっている
ことを特徴とする請求項10に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項12】
前記圧力緩和装置(10b)の分割リング(6)には収容溝(61)が設けられ、前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)の重なり部分(524)は、前記収容溝(61)に収容される
ことを特徴とする請求項10又は11に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項13】
前記少なくとも2つの圧力緩和部材(5)は、ヒートシールによって接続される
ことを特徴とする請求項8~12のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項14】
前記圧力緩和部材(5)は、アルミニウムプラスチックフィルム(52)である
ことを特徴とする請求項3~13のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項15】
前記エンドカバーアセンブリ(10)は、ガイド溝(25)をさらに含み、前記ガイド溝(25)は、前記係止溝(24a)と連通し、前記圧力緩和装置(10b)の回転中、前記係止柱(42a)は前記ガイド溝(25)を通って前記係止溝(24a)から出入りする
ことを特徴とする請求項
1~14のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項16】
前記圧力緩和装置(10b)には、シンキング溝(412)が設けられ、前記シールリング(3)は前記シンキング溝(412)内に配置される
ことを特徴とする請求項1~1
5のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)。
【請求項17】
電池セル(400)に用いられるハウジングアセンブリ(700)において、
エンドカバー(10a)と接続して電池セル(400)のケース(70)を形成し、貫通孔(11)及び第1係合部(24)が具備されるハウジング(7)と、
前記貫通孔(11)をシールするためのシールリング(3)と、
前記シールリング(3)の少なくとも一部を覆い、前記貫通孔(11)を閉鎖し、前記ハウジング(7)の内圧が閾値に達すると、前記貫通孔(11)に対する閉鎖を解除するように構成される圧力緩和装置(10b)と、を含み、
前記第1係合部(24)は、前記貫通孔(11)の円周方向に沿って設けられ、前記電池セルの内部から離れた前記ハウジング(7)の一方の側に位置し、
前記圧力緩和装置(10b)は、回転可能であり、第2係合部(42)を含み、前記圧力緩和装置(10b)が第1位置に回転すると、前記第2係合部(42)は前記第1係合部(24)に係合されて、前記圧力緩和装置(10b)と前記エンドカバー(10a)との分離を制限し、前記圧力緩和装置(10b)が第2位置に回転すると、前記第2係合部(42)が前記第1係合部(24)から離脱されて、前記圧力緩和装置(10b)と前記ハウジング(7)との分離を実現するように構成され
、
前記第1係合部(24)は、係止溝(24a)及び係止柱(42a)の一方であり、前記第2係合部(42)は、前記係止溝(24a)及び前記係止柱(42a)の他方である
ことを特徴とするハウジングアセンブリ(700)。
【請求項18】
電極アセンブリ(30)と、前記電極アセンブリ(30)を収容するためのケース(70)と、を含み、
前記ケース(70)は、ハウジング(7)と、請求項1~1
6のいずれか1項に記載のエンドカバーアセンブリ(10)と、を含み、前記ハウジング(7)は、端部開口(71)を備え、前記エンドカバーアセンブリ(10)は、前記ハウジング(7)の端部開口(71)を覆い、又は、
前記ケース(70)は、エンドカバー(10a)と、請求項1
7に記載のハウジングアセンブリ(700)とを、含み、前記ハウジング(7)は、端部開口(71)を備え、前記エンドカバー(10a)は、前記ハウジング(7)の端部開口(71)を覆うように構成される
ことを特徴とする電池セル(400)。
【請求項19】
少なくとも2つの請求項1
8に記載の電池セル(400)を含むように構成されることを特徴とする電池(200)。
【請求項20】
請求項1
8に記載の電池セル(400)を含み、前記電池セル(400)は、電気エネルギーを提供するために使用されることを特徴とする電気消費設備(100)
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に属し、特に、エンドカバーアセンブリ、ハウジングアセンブリ、電池セル、電池及び電気消費設備に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオンなどの電池セルは、エネルギー密度が高く、電力密度が高く、サイクル密度が高く、サイクル使用回数が多く、貯蔵時間が長いなどの利点を有するため、電気自動車などの電気消費設備に広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池セルの性能は、電気消費設備の性能に直接に影響を与える。しかし、如何にして電池セルの性能を効果的に向上させるかは、業界にとって常に難しい課題であった。
【0004】
本出願の目的は、電池セルの性能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1態様によると、エンドカバーアセンブリを提供し、前記エンドカバーアセンブリは、
電解液を注入するための貫通孔及び第1係合部が具備されるエンドカバーと(第1係合部は、前記貫通孔の円周方向に沿って配置され、電池セルの内部から離れたエンドカバーの一方の側に位置する)、
貫通孔をシールするためのシールリングと、
シールリングの少なくとも一部を覆い、貫通孔を閉鎖し、電池セルの内圧が閾値に達すると破壊されて、貫通孔に対する閉鎖を解除し、電池セルの内圧を解放するための圧力緩和装置とを含み、
圧力緩和装置は、回転可能であり、第2係合部を含み、圧力緩和装置が第1位置に回転すると、第2係合部は第1係合部に係合されて、圧力緩和装置とエンドカバーとの分離を制限し、圧力緩和装置が第2位置に回転すると、第2係合部が第1係合部から離脱されて、圧力緩和装置とエンドカバーとの分離を実現する。
【0006】
圧力緩和装置とエンドカバーは回転して係合し、係合位置が電池セルの内部から離れたエンドカバーの一方の側に位置するので、圧力緩和装置の脱着時に発生する金属スクラップが電池セル内に落ちにくく、電池セルの内部に落ちた金属スクラップによる短絡リスクを低減し、電池セルの使用安全性を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例において、圧力緩和装置は、本体部及び圧力緩和部材を含み、本体部は第2係合部と接続され、圧力緩和部材は貫通孔を閉鎖し、圧力緩和部材は電池セルの内圧が閾値に達すると破壊されて、内圧を解放する。
【0008】
いくつかの実施例において、圧力緩和部材と本体部は一体にまたは別体に設けられる。一体に設ける場合は、構造を簡略化し、組立が容易になる。別体に設ける場合は、本体部と圧力緩和部材をそれぞれメンテナンスする場合に便利であり、一方、本体部と圧力緩和部材を異なる材料又は構造構成に設計することも便利であり、本体部と圧力緩和部材の異なる使用需要を満たすことができる。
【0009】
いくつかの実施例において、圧力緩和部材と本体部は別体に設けられ、圧力緩和部材は本体部とシールリングとの間において別体に設けられる。この場合、圧力緩和部材が本体部とシールリングとの間に配置されず、本体部下端面以上などの他の位置に設けられる場合に比べて、圧力緩和部材がハウジングの内部に近接し、圧力緩和過程において、気体がより早く圧力緩和部材に衝撃を加えて、圧力緩和部材を突破し、より効率的で信頼性の高い安全な圧力緩和プロセスを実現する。
【0010】
いくつかの実施例において、圧力緩和装置は、分割リングをさらに含み、分割リングは、本体部と圧力緩和部材との間に設けられ、本体部と圧力緩和部材とを分割して圧力緩和部材を保護する。分割リングが本体部と圧力緩和部材との間で支持されているので、本体部と圧力緩和部材とが直接接触しないように、本体部と圧力緩和部材とを分離し、したがって、本体部の回転過程における圧力緩和部材に対する摩耗を低減または除去することができ、さらに圧力緩和部材を保護する役割を果たす。
【0011】
いくつかの実施例において、分割リングは、圧力緩和部材に付着される。従って、エンドカバーアセンブリに組み立てられる前に、分割リングと圧力緩和部材とを予め組み立てることができ、電池セルの組み立て効率を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例において、圧力緩和部材は、金属層及び保護層を含み、保護層は金属層と積層配置され、保護層の延伸率は、金属層の延伸率より大きい。従って、金属層が偶発的に強制的に破裂した場合でも、圧力緩和部材は保護層の作用下で貫通孔に対する閉鎖を維持することにより、金属層が偶発的に強制的に破裂して液体漏れやガス漏れの問題を招くリスクを低減させ、圧力緩和部材の使用信頼性を効果的に向上させる。
【0013】
いくつかの実施例において、圧力緩和装置は、互いに接続された少なくとも2つの圧力緩和部材を含み、電池セルの内圧が閾値に達すると、前記少なくとも2つの圧力緩和部材の互いに接続された部分が打ち抜かれて、内圧を解放する。圧力緩和部材の互いに接続された部分の強度が比較的低く、圧力緩和装置の脆弱部位を構成するので、閾値が低い場合の圧力緩和の需要を満たすことに便利である。
【0014】
いくつかの実施例において、少なくとも2つの圧力緩和部材は、ドッキングするか部分的に重なる。ドッキングする場合、圧力緩和部材の互いに接続された部分はより低い強度を有することができ、したがって閾値が低い場合の圧力緩和の需要を満たすことができる。重なる場合、各圧力緩和部材間の接続を実施するのにより便利である。
【0015】
いくつかの実施例において、少なくとも2つの圧力緩和部材は、部分的に重なり、少なくとも2つの圧力緩和部材の重なり部分は、少なくとも2つの圧力緩和部材の残りの部分に対して、シールリングから離れた一方の側に突出する。これは、圧力緩和装置とシールリングがより十分に接触するように、シールリングに近い圧力緩和装置の表面を平坦に保つことに有利である。
【0016】
いくつかの実施例において、少なくとも2つの圧力緩和部材の重なり部分は、重なり部分の高さを減少させるように、折り曲がっている。重なり部分の高さを減少させると、エンドカバーアセンブリの高さを減少させて、高さ方向における電池セルの空間使用率を向上させ、電池セルのエネルギー密度を増加させることに有利である。
【0017】
いくつかの実施例において、圧力緩和装置の分割リングには収容溝が設けられ、少なくとも2つの圧力緩和部材の重なり部分は、収容溝に収容される。これに基づいて、重なり部分が突出して本体部と圧力緩和部材との間の応力が不均一になることを防止することができる。
【0018】
いくつかの実施例において、少なくとも2つの圧力緩和部材は、ヒートシールによって接続される。ヒートシール方式を用いて接続されると、操作が便利で、圧力緩和部材の互いに接続された部分の強度が圧力緩和部材の他の部分の圧力抵抗強度より低く設定可能なので、より低い爆発圧力での電池セルの防爆需要を満たすことができる。
【0019】
いくつかの実施例において、圧力緩和部材は、アルミニウムプラスチックフィルムである。この場合、アルミニウムプラスチックフィルムの比較的強い電解液浸透防止及び防水能力を利用して、定常状態下で貫通孔に対する安定した閉鎖を実現することができ、個々の金属板よりも優れたアルミニウムプラスチックフィルムの変形抵抗能力を利用して圧力緩和部材の偶発的な変形による破損や漏れの問題が発生するリスクをさらに低減することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、第1係合部は、係止溝及び係止柱の一方であり、第2係合部は、係止溝及び係止柱の他方である。係止溝と係止柱の結合により、簡単な構造を実現する。
【0021】
いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリは、ガイド溝をさらに含み、ガイド溝は、係止溝と連通し、圧力緩和装置の回転過程で、係止柱はガイド溝を通って係止溝から出入りする。従って、ガイド溝のガイド作用の下で、よりスムーズで効率的な回転係合過程を実現することができる。
【0022】
いくつかの実施例において、圧力緩和装置には、シンキング溝が設けられ、シールリングはシンキング溝内に位置される。従って、シールリングの空間占有を低減することができ、電池セルの全高を低減させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0023】
本出願の第2態様によれば、本出願は、電池セルに用いられるハウジングアセンブリを提供し、前記ハウジングアセンブリは、
エンドカバーと接続して電池セルのケースを形成し、貫通孔及び第1係合部が具備されるハウジング(第1係合部は、貫通孔の円周方向に沿って設けられ、電池セルの内部から離れたハウジングの一方の側に位置する)と、
貫通孔をシールするためのシールリングと、
シールリングの少なくとも一部を覆い、貫通孔を閉鎖し、ハウジングの内圧が閾値に達すると、貫通孔に対する閉鎖を解除するように構成される圧力緩和装置と、を含み、
圧力緩和装置は、回転可能であり、第2係合部を含み、圧力緩和装置が第1位置に回転すると、第2係合部は第1係合部に係合されて、圧力緩和装置とエンドカバーとの分離を制限し、圧力緩和装置が第2位置に回転すると、第2係合部が第1係合部から離脱されて、圧力緩和装置と前記ハウジングとの分離を実現するように構成される。
【0024】
ハウジングの空き面積が比較的大きく、貫通孔、シールリング及び圧力緩和装置の設置をより便利にする。
【0025】
本出願の第3態様によれば、本出願は、電池セルを提供し、
前記電池セルは、電極アセンブリと、電極アセンブリを収容するためのケースと、を含み、ケースは、ハウジングと、本出願の実施例におけるエンドカバーアセンブリと、を含み、ハウジングは、端部開口を備え、エンドカバーアセンブリは、ハウジングの端部開口を覆い、または、
前記電池セルは、電極アセンブリと、電極アセンブリを収容するためのケースと、を含み、ケースは、エンドカバーと、本出願の実施例におけるハウジングアセンブリと、を含み、ハウジングは、端部開口を備え、エンドカバーは、ハウジングの端部開口を覆うように構成される。
【0026】
設けられたエンドカバーアセンブリ及びハウジングアセンブリに基づいて、電池セルの性能を効果的に向上させることができる。
【0027】
本出願の第4態様によれば、本出願は電池を提供し、前記電池は、本出願の実施例における電池セルを含む。電池セルの性能が向上したため、電池の性能が向上される。
【0028】
本出願の第5態様によれば、本出願は、電気消費設備を提供し、前記電気消費設備は、本出願の実施例における電池セルを含み、電池セルは、電気エネルギーを提供するために使用される。電池セルの性能が向上されたため、電気消費設備の性能が向上される。
【0029】
本出願の第6態様によれば、本出願は、電池セルの液体注入方法を提供し、前記液体注入方法は、
電池セルのケースのハウジング又はエンドカバー上の貫通孔を介して電池セルの内部に電解液を注入するステップと、
圧力緩和装置がシールリングの少なくとも一部を覆い、圧力緩和装置の第2係合部が、ケース上の貫通孔の円周方向に沿って配置され、ケースの電池セルの内部から離れた一方の側に位置する第1係合部から離脱するように、圧力緩和装置をハウジング又はエンドカバー上の第2位置に配置するステップと、
第2係合部が第1係合部に係合され、圧力緩和装置とハウジング又はエンドカバーとの分離を制限するように、圧力緩和装置を第2位置から第1位置に回転させるステップと、を含む。
【0030】
レーザ溶接方式で液体注入孔を閉鎖する従来方式と比較して、このような液体注入方法は、液体注入孔の溶接シーリング工程を省略することができるだけでなく、溶接により発生する後続の溶接スラグの洗浄及び洗浄による残留液体乾燥などの複数の工程を省略することもできる。したがって、本出願は、電池セルの製造効率を向上させる。
【0031】
いくつかの実施例において、液体注入方法は、圧力緩和装置をハウジング又はエンドカバーに配置する前に、シールリングをケース上に取り付けるステップをさらに含む。シールリングを事前にケースに取り付けると、圧力緩和装置を取り付けた後に直接にシールリングをカバーすることができ、又はシールリングに圧力を加えて、貫通孔に対してより良いシーリング効果を奏することができる。
【0032】
いくつかの実施例において、液体注入方法は、
第2係合部が第1係合部から離脱されるように、圧力緩和装置を第1位置から第2位置に回転させるステップと、
圧力緩和装置をハウジング又はエンドカバーから分離するステップと、をさらに含む。
【0033】
圧力緩和装置をケースから取り外すと、液体の注入、ガスの排出、圧力緩和装置の交換などのメンテナンス操作が便利になる。
【0034】
本出願の第5態様によれば、本出願は、電池セルに用いられる液体注入装置を提供し、前記液体注入装置は、
ケース上に具備された貫通孔を介し電解液をケース内に注入するように構成される液体注入機構と、
圧力緩和装置が第2位置に位置すると、圧力緩和装置を第2位置から第1位置に回転させて、圧力緩和装置の第2係合部とケース上の第1係合部とが離脱状態から係合状態に変更されて、圧力緩和装置とケースのハウジング又はエンドカバーとの分離を制限する第1脱着機構と、を含む。
【0035】
提供された液体注入装置は、電池セルの製造組み立て及び二次液体注入等、電池セルのメンテナンス過程における圧力緩和装置の脱着を柔軟かつ便利に補助して実現することができ、操作が簡単であり、電池セルの組み立て効率を向上させることに有利であり、電池セルに必要なメンテナンス時間を短縮し、電池セルの性能が低下した場合、適時に液体を補充し、電池セルの作業性能を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
ここで説明される図面は、本出願に対してさらに理解するため提供されたものであり、本出願の一部を構成し、本出願の概略的な実施例及びその説明は、本出願を説明するためのものであり、本出願に対する不適切な制限を構成しない。
【
図1A】本開示のいくつかの実施例における電気消費設備の概略図である。
【
図1B】本開示のいくつかの実施例における電池の概略図である。
【
図1C】本開示のいくつかの実施例における電池モジュールの概略図である。
【
図1D】本開示の第1実施例の電池セルの分解図である。
【
図2】
図1Dにおけるエンドカバーアセンブリの分解図である。
【
図3A】
図2に示す圧力緩和装置が第1位置に位置されるときのエンドカバーアセンブリの斜視図である。
【
図3B】
図3Aの電極端子と絶縁部材を省略した平面図である。
【
図4A】
図2に示す圧力緩和装置が第2位置に位置されるときのエンドカバーアセンブリの斜視図である。
【
図4C】
図4BのB-B位置で切断したときの部分概略図である。
【
図7A】
図2に示す圧力緩和装置の第1斜視図である。
【
図7B】
図2に示す圧力緩和装置の第2斜視図である。
【
図8】本開示の第2実施例におけるエンドカバーアセンブリの分解図である。
【
図11】本開示の第3実施例におけるエンドカバーアセンブリの斜視図である。
【
図12】
図11に示すエンドカバーアセンブリの分解図である。
【
図13】
図12における圧力緩和部材と分割リングの組合せ図である。
【
図20】本開示の第4実施例におけるエンドカバーアセンブリの斜視図である。
【
図21】
図20に示すエンドカバーアセンブリの分解図である。
【
図24】本開示のいくつかの実施例におけるケースアセンブリの斜視図である。
【
図25】本開示のいくつかの実施例における液体注入方法の概略フローチャートである。
【
図26】本開示他のいくつかの実施例における液体注入方法の概略フローチャートである。
【
図27】本開示のいくつかの実施例における液体注入装置の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本出願について詳細に説明する。以下の段落において、実施例の異なる態様をさらに詳細に限定した。組み合わせることができないと明確に指摘しない限り、限定された各態様は、他の任意の態様または複数の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であると考えられる任意の特徴は、他の1つまたは複数の好ましいまたは有利な特徴と組み合わせることができる。
【0038】
本出願で示される「第1」、「第2」などの用語は、単に説明の便宜のため、同じ名称を有する異なる構成要素を区別するためのものであり、前後又は主次関係を示すものではない。
【0039】
なお、ある要素が他の要素「上」に存在すると言われる場合、その要素は他の要素の上に直接存在する可能性もあり、他の要素とそれらの間に1つまたは複数の中間要素を挿入して間接的に存在する可能性もある。また、ある要素が他の要素に「接続されている」と言われる場合、その要素は前記他の要素と直接に接続される可能性もあり、他の要素とそれらの間に1つまたは複数の中間要素を挿入して間接的に接続される可能性もある。以下では、同一の図面符号は同一要素を指す。
【0040】
電池セルの性能に影響を及ぼす要因はいくつかあり、長年にわたり、当業者は、電池セルの性能を向上させるために様々な方面から電池セルの構造を改善しようと試みたが、予想する効果は得られなかった。
【0041】
リチウムイオン電池セルなどの二次電池セルは、主にケース、電極アセンブリ、アダプター、電解液などを含む。電極アセンブリはケースの内部に配置され、アダプターを介して電極端子と電気的に接続される。電極端子はケースに配置され、外部回路と電気的に接続される。電解液は液体注入孔を介してハウジングに注入され、電極アセンブリの電極板上の活性物質と電気化学反応を起こして、充放電過程を発生させる。
【0042】
電池セルの内部圧力が高すぎると爆発することを防ぐために、電池セルは圧力緩和部材をさらに含む。圧力緩和部材は、電池セルの内圧が閾値に達すると破壊され、圧力放出を実現し、安全保護役割を果たす。
【0043】
本出願を実施する過程で、発明者らは、圧力緩和部材及び液体注入孔の配置方式も、電池セルのエネルギー密度、及び使用寿命などを含む電池セルの性能に影響を与えることを見出した。
【0044】
発明者に知られている従来技術では、圧力緩和部材に対応する排気通路と液体注入孔とがそれぞれ配置され、いずれもエンドカバーに配置される。圧力緩和部材は、レーザ溶接方式でエンドカバーに固定される。液体注入孔は、別体の金属シール部材で閉鎖される。電解液注入完了後、レーザ溶接方式で金属シール部材を固定して、液体注入孔を閉鎖することにより、使用過程で電解液が外部に漏れて、周囲の空気や環境が汚染されることを防止するか、又は水蒸気/金属粒子が電池セルの内部に進入して、正極と負極の短絡を防止する。
【0045】
上記の配置方式では、圧力緩和部材は溶接により固定されるので、圧力緩和部材は一度しか使用できず、一度破壊されると、電池セル構造が不可逆的に損傷し、電池セル全体が廃棄され、電池セルの使用寿命に影響を与える。
【0046】
一方、上述の配置方式では、液体注入孔が溶接により密閉されるので、電池セルの使用過程で電解液の補充機能を実現することが難しく、電池セルの液体補充需要を満たすことが難しい。数回の充放電サイクルを経た後、電池セルの内部電解液は不可避的に不可逆的に反応して消費され、電池セルの使用容量が減少し、電池セルの使用寿命が短縮される。電池セルの使用過程において、電池セル内部の電解液を補充することができる場合、電池セル容量の減少を効果的に緩和することができ、電池セルの使用寿命を向上させることができる。しかしながら、液体注入孔が溶接されて密閉される場合、液体注入は製造段階で完了しなければならず、これは電池セルの使用中に液体を補充すると、レーザ溶接構造を破壊しなければならないが、これは電池セル構造の不可逆的な損傷を招き、電池セルの破棄を招くことになるからである。
【0047】
また、上述の配置方式では、液体注入孔と排気通路がそれぞれ配置されるので、比較的多くの空間を占め、電池セルのエネルギー密度に影響を与える。
【0048】
上記の状況に基づき、本出願は、圧力緩和部材及び液体注入孔の配置方式に対して改善を行った。すなわち、圧力緩和部材を着脱可能に配置し、圧力緩和部材に対応する排気通路を同時に液体注入孔として用いることにより、圧力緩和と液体注入の一体構造を形成し、電池セルの使用寿命を延長し、電池セルのエネルギー密度を向上させ、電池セルの性能を向上させる。
【0049】
上記目的を実現するために、本出願は、エンドカバーアセンブリ、ハウジングアセンブリ、電池セル、電池、電気消費設備、液体注入方法及び液体注入装置を提供する。
【0050】
図1A~
図27は、本出願のいくつかの実施例における電気消費設備、電池、電池セル、エンドカバーアセンブリ、ハウジングアセンブリと液体注入装置の構造及び液体注入方法のプロセスを示す。
【0051】
説明の便宜上、まず
図1Dの座標系を用いて電池セルの各方向について定義する。ここで、X軸は電池セル400の長手方向を示す。Y軸は水平面内でX軸に垂直であり、電池セル400の幅方向を示す。Z軸は、X軸及びY軸からなる平面に垂直であり、電池セル400の高さ方向を示す。これらの方位定義に基づいて、「上」、「下」、「上面部」、「底面部」、「前」、「後」、「内」、「外」などの用語を用いて指す方位または位置関係を説明したが、そのような方位の定義は、本出願の説明を容易にするためのものであり、言及された装置が特定方位を有し、特定方位で構成され作動しなければならないことを示したり、暗示したりするものではないので、本出願を限定するものと解釈してはならない。
【0052】
【0053】
図1Aは、いくつかの実施例における電気消費設備100の構造を示す。
図1Aを参照すると、電気消費設備100は、電池セル400を電源として使用する装置であり、電気エネルギーを提供するための電池セル400を含む。
【0054】
ここで、電気消費設備100は、車両101、船舶、小型飛行機などの移動設備であってもよく、電池セル400を含む動力源を含み、電池セル400は、電気消費設備100に駆動力を提供する。いくつかの実施例において、電気消費設備100の駆動力はすべて電気エネルギーであり、この場合、動力源は電池セル400のみを含む。他のいくつかの実施例において、電気消費設備100の駆動力は電気エネルギー及び他のエネルギー(例えば機械的エネルギー)を含み、この場合、動力源は、電池セル400及びエンジンなどの他の設備を含む。
【0055】
電気消費設備100が車両101である場合を例にする。
図1Aを参照すると、いくつかの実施例において、電気消費設備100は純電気自動車、ハイブリッド車両、または走行距離延長電気自動車などの新エネルギー自動車であり、電気消費設備100は電池セル400、コントローラ104及びモータ103などの動力機器102を含み、電池セル400がコントローラ104の制御下で、モータ103などの動力機器102に電気を供給するように、電池セル400は、コントローラ104を介してモータ103などの動力機器102と電気的に接続される。
【0056】
電池セルが比較的高い出力を達成して、より高い使用需要を満たすために、電気消費設備100に電池200を配置することができる。
図1B及び
図1Cを参照すると、電池200は、少なくとも2つの電池セル400を含み、単一の電池セル400を配置する場合に比べてより多くの電気エネルギーを提供する。
【0057】
図1B及び
図1Cに示すように、いくつかの実施例において、電池200は筐体500と複数の電池セル400とを含み、複数の電池セル400は筐体500の内部に配置される。複数の電池セル400は、電池モジュール300を形成した後、複数の電池モジュール300で電池200を形成してもよい。
【0058】
図1Bに示すように、いくつかの実施例において、筐体500は第1筐体501と第2筐体502を含む。筐体500の内部に閉鎖空間を形成して電池セル400を収容するよう、第1筐体501と第2筐体502とは互いに係止される。
【0059】
図1B及び
図1Cを参照すると、いくつかの実施例において、電池セル400の数は多数であり、複数の電池セル400はグループに分けられて配置され、各グループの電池セル400は電池モジュール300と称する。言い換えれば、電池200は少なくとも2つの電池モジュール300を含み、電池モジュール300はすべて筐体500に配置され、各電池モジュール300はすべて少なくとも2つの電池セル400を含む。
図1Bでは、電池モジュール300に対して簡略化された描画方法を採用し、
図1Cでは、電池モジュール300の電池セル400に対して簡略化された描画方法を採用したことに留意しなければならない。
【0060】
電池モジュール300の各電池セル400は、直列接続、並列接続または混合接続方式を介して電気的に接続され、比較的大きな容量または出力を実現する。例えば、
図1Cを参照すると、いくつかの実施例において、電池セル400は立てられて配置され、この場合、電池セル400の高さ方向は垂直方向と一致し、電池モジュール300の各電池セル400は、電池セル400の幅方向に沿って並んで配置される。また、例えば、他のいくつかの実施例において、電池セル400は横に配置され、この場合、電池セル400の幅方向は垂直方向と一致し、電池モジュール300の各電池セル400は電池セル400の幅方向に沿って少なくとも1つの層が重なり合って、各層は長手方向に沿って間隔を置いて配置された少なくとも2つの電池セル400を含む。
【0061】
電気消費設備100及び電池200では、電池セル400はすべてコア構造であり、電池セル400の性能は電気消費設備100及び電池200の性能に直接に影響を与えることがわかる。電池セル400の寿命が延長され、性能が向上されると、電気消費設備100及び電池200の寿命を延長し、電気消費設備100及び電池200の性能を向上させることに有利である。
【0062】
次に、
図1D~
図24を参照して電池セル400の構造について紹介する。
【0063】
図1Dは、いくつかの実施例の電池セル400の全体構造を示す。
図1Dを参照すると、電池セル400は、角形の電池セルまたは円柱状の電池セルなどの各タイプの電池セルであることができ、ケース70、電極アセンブリ30、セパレータ40、及びアダプター20などを含む。
【0064】
ここで、ケース70は、電極アセンブリ30などを保護するために電極アセンブリ30などを収容する。ケース70は、ハウジング7とエンドカバーアセンブリ10とを含む。ハウジング7は端部開口71を備える。ケース70の内部に電極アセンブリ30などを収容するための密閉空間を形成するために、エンドカバーアセンブリ10はハウジング7の端部開口71を覆う。
【0065】
電極アセンブリ30は、電気エネルギーを発生させるために使用され、ケース70に配置され、第1電極板、第2電極板及び第1電極板と第2電極板との間の絶縁スペーサにより共に積層されるか、または巻き取られて形成される。第1電極板及び第2電極板の一方は正極板であり、他方は負極板であり、両方とも活性物質が塗布された塗布部及びコーティング部から外側に延伸される活性物質が塗布されていないタブ301を有する。電極アセンブリ30によって生成された電気エネルギーは、タブ301を介して外部に伝達される。ここで、正極板に対応するタブ301を正極タブと呼び、負極板に対応するタブ301を負極タブと呼ぶことができる。正極タブは正極板の塗布部から延伸され、負極タブは負極板の塗布部から延伸される。場合によっては、例えば、いくつかの角形の電池セルでは、正極タブ及び負極タブは電極アセンブリ30の同じ端部に配置される。他の場合には、例えば、いくつかの円周型電池セルでは、正極タブ及び負極タブは、電極アセンブリ30の対向する両端に配置される。
【0066】
実際の使用需要に応じて、電池セル400の電極アセンブリ30の数は1つ、2つ、または複数であってもよい。
【0067】
セパレータ40は、ケース70に配置され、電極アセンブリ30とハウジング7との間に位置し、電極アセンブリ30とハウジング7とを絶縁して、電極アセンブリ30とハウジング7の間に短絡が発生するのを防止する。
【0068】
アダプター20は、ケース70に設けられ、電極アセンブリ30とエンドカバーアセンブリ10との間に位置し、電極アセンブリ30とエンドカバーアセンブリ10の電極端子10cとの間の電気的接続を実現するために使用される。具体的には、
図1D及び
図2を参照すると、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ10は2つの電極端子10cを含み、2つの電極端子10cはそれぞれ正極タブ及び負極タブに対応し、それぞれ正極端子及び負極端子と呼ぶことができる。この場合、電池セル400は2つのアダプター20を含み、これら2つのアダプター20は2つの電極端子10cと一対一で対応し、それぞれ正極端子と正極タブとの間の電気的接続、及び負極端子と負極タブとの間の電気的接続を実現するために使用される。変形として、他のいくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ10は1つの電極端子10cのみを含むことができるが、電池セル400は2つのエンドカバーアセンブリ10を含み、2つのエンドカバーアセンブリ10は、それぞれ電極アセンブリ30の対向する両側に配置される。
【0069】
図2~
図23は、いくつかの実施例におけるエンドカバーアセンブリ10のより具体的な構造を示す。次に、
図2~
図23を結び合わせて、エンドカバーアセンブリ10の構造をさらに紹介する。
【0070】
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ10は、エンドカバー10a、絶縁部材10d、シールリング3、及び圧力緩和装置10bなどを含む。
【0071】
エンドカバー10aは、ハウジング7の端部開口71を覆うために使用され、電極端子10c及び圧力緩和装置10bなどのエンドカバーアセンブリ10の他の構造部分に取り付けベースを提供する。エンドカバー10a上には電解液を注入するための貫通孔11が配置される。貫通孔11を介して電池セル400内に電解液を注入するために、貫通孔11はエンドカバー10aの対向する両側表面を貫通する。貫通孔11の形状は限定されず、例えば円形孔、楕円形孔、多角形孔、または他の形状の孔であってもよい。
【0072】
絶縁部材10dは、エンドカバー10aと電極アセンブリ30との間に設けられ、エンドカバー10aと電極アセンブリ30との間の絶縁を実現する。
【0073】
シールリング3は、エンドカバー10a上に設けられて貫通孔11をシールして電解液が漏れることを防止する。
【0074】
圧力緩和装置10bは、エンドカバー10a上に配置され、シールリング3の少なくとも一部を覆い、貫通孔11を閉鎖する。電池セル400の内圧が閾値に達すると、圧力緩和装置10bが破壊されて、貫通孔11に対する閉鎖を解除することにより電池セル400の内圧を放出し、安全及び防爆役割を果たす。
【0075】
ここで、閾値は、電池セル400の正極板、負極板、電解液及び絶縁スペーサのうちの1つまたは様々な材料によって変わることができ、具体的なサイズも設計需要によって異なることができる。
【0076】
圧力緩和装置10bの破壊とは、圧力緩和装置10bが動作するか、または一定の状態(例えば、圧力緩和装置10bの少なくとも一部が破裂、破砕、破れ又は開放等)まで活性化され、電池セル400の内圧及び温度を緩和することを意味する。
【0077】
電池セル400の内圧または温度が設定閾値に達すると、圧力緩和装置10bが動作したり、圧力緩和装置10bの脆弱部が破壊されることにより、内圧または温度を緩和するための開口部または通路が形成されるように、圧力緩和装置10bは、防爆弁、ガス弁、減圧弁(decompression valve)または安全弁などのような構造形態を使用することができ、具体的には圧力感知または温度感知要素または構造を使用することができる。圧力緩和装置10bが破壊された後、電池セル400内の高温高圧物質は排泄物として、圧力緩和装置10bの破壊された部分から外部に排出され、圧力または温度制御が可能な状況で、電池セル400の圧力緩和及び温度緩和を実施することにより、潜在的なより深刻な事故の発生を防止する。
【0078】
上記の配置に基づいて、エンドカバーアセンブリ10上に圧力緩和及び液体注入一体構造を形成する。貫通孔11を液体注入孔として使用すると同時に排気通路として使用し、液体注入機能及びガス排出の機能を一体に持たせるため、液体注入孔及び排気通路をそれぞれ配置する必要がなく、空間占有を効果的に低減し、電池セル400のエネルギー密度を向上させることができる。一方、圧力緩和装置10bが防爆装置として使用されると同時に、液体注入孔シール部材として使用され、防爆圧力緩和機能及び液体注入シール機能を一体に持たせるため、液体注入孔に金属シール部材を別体配置する必要なく、電池セル400の構造を簡素化することに有利である。
【0079】
圧力緩和装置10bの取り外しを容易にして電池セル400の使用寿命を延長するために、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとは、回転係合するように構成されることができる。
【0080】
ここで、
図2~
図23を参照すると、エンドカバー10a上には第1係合部24が設けられされ、第1係合部24は貫通孔11の円周方向に沿って配置され、一方で、圧力緩和装置10bは、回転可能であり、第1係合部24とはめ合う第2係合部42を含む。圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、第2係合部42が第1係合部24に係合して、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの分離を制限する。圧力緩和装置10bが第2位置に回転すると、第2係合部42が第1係合部24から離脱して、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの分離を実現する。具体的には、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10bは、エンドカバー10aに対して電池セル400の高さ方向に垂直な平面内で回転し、回転軸線は貫通孔11の軸線である。
【0081】
上記の配置に基づいて、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aに対して第1位置と第2位置との間で回転するように制御すると、第1係合部24と第2係合部42との間の係合または離脱を利用し、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの間の結合または分離を実施することにより、圧力緩和装置10bを脱着することができる。
【0082】
ここで、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aに対して第1位置に回転し、第1係合部24と第2係合部42とが係合した場合、圧力緩和装置10bはエンドカバー10aと結合され、圧力緩和装置10bはエンドカバー10a上に安定的に固定され、貫通孔11は、液体漏れ、ガス漏れまたは外部不純物が電池セル400内部に侵入することを防止するために、塞がれる。この場合、エンドカバー10aの制限により、圧力緩和装置10bはエンドカバー10aに対して電極アセンブリ30から離れる方向に移動できなくなることにより、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aから離脱することはない。また、いくつかの実施例において、第1位置に位置する圧力緩和装置10bはシールリング3を圧着し、シールリング3の変形を増大することにより、シールリング3のより良いシール効果を実現する。他のいくつかの実施例において、第1位置に位置する圧力緩和装置10bは、シールリング3を圧着せずに、単にシールリング3と接触するだけで、シールリング3が高さ方向で移動することを制限する役割を果たす。
【0083】
圧力緩和装置10bがエンドカバー10aに対して第2位置に回転し、第1係合部24と第2係合部42が離脱すると、エンドカバー10aは圧力緩和装置10bが電極アセンブリ30から離れる一方の側に移動することは限定せず、したがって圧力緩和装置10bをエンドカバー10aから取り外すことができる。
【0084】
圧力緩和装置10bを取り外すことにより、破壊されたか早期クリープされて、閾値に達し、破壊されるまで耐えにくい圧力緩和装置10bを交換することに便利であるだけでなく、圧力緩和装置10bの寿命に対する要求を低減し、圧力緩和装置10bの使用信頼性を向上させる。同時に、貫通孔11に対する圧力緩和装置10bの閉塞を解除して、貫通孔11を電池セル400の内部と外部を連通できるようにする。この場合、一方で、貫通孔11を経て電池セル400内部に電解液を追加注入して二次液体注入機能を実現することができ、電池セル400の使用過程で、便利で適時に電池セル400に電解液を補充または交換することができ、電池セル400の容量が減少することを効果的に緩和し、電池セル400の使用寿命を延長し、他方で、電池セル400内部のガスも貫通孔11を介して排出され、ガス排出過程を実現することができる。
【0085】
ここで、貫通孔11を介して排出される電池セル400内部のガスは、電池セル400の使用過程で発生するガスを含むことができる。電池セル400の使用過程で発生したガスを排出することにより、ケース70の内圧を緩和することができ、持続的なガス発生が圧力緩和装置10bに作用して、圧力緩和装置10bに早期クリープが発生することを防止し、圧力緩和装置10bの早期クリープにより電池セル400の液漏れまたは水/ガスの流入を防止し、圧力緩和装置10bの使用寿命を延長することに有利であり、さらに、電池セル400の使用寿命を延長することに有利である。一方、ケース70内に発生したガスを排出することにより、電池セル400が膨張して他の構造に加える作用力を低減することができ、電池セル400の膨張力が大きすぎて他の構造に構造的な破損が発生することを防止することにより、電池セル400を使用する電池200及び電気消費設備100の使用寿命をさらに向上させることに有利である。
【0086】
上記の配置に基づいて、圧力緩和装置10bを一定期間使用した後、圧力緩和装置10bを除去することができ、電池セル400内のガスを排出することにより、圧力緩和装置10bの使用寿命に対する要求を低減し、圧力緩和装置10bの使用信頼性を向上させる。また、圧力緩和装置10bを除去した後、二次液体補充を行うことができ、電池セル400の性能を向上させ、電池セル400の使用寿命を延長する。一方、圧力緩和装置10bを再装着する際、新たな圧力緩和装置10bと交換して電池セル400の使用信頼性をさらに向上させ、電池セル400の使用寿命を延長する。
【0087】
上述の配置方式によると、圧力緩和装置10bの着脱可能な配置を実現することができ、脱着が簡便かつ迅速であり、電池セル400に不可逆的な損傷を生じないため、電池セル400が繰り返し使用可能であり、電池セル400の使用寿命を延長することがわかる。また、圧力緩和装置10bの脱着過程で、液体注入及びガス排出を進行させることができ、電池セル400の使用信頼性を向上させ、電池セル400の使用寿命を延長する。また、エンドカバー10a空間を高効率的に利用することができ、1つの液体注入孔を配置する際の空間占有を低減することができ、電池セル400のエネルギー密度を向上させる。同時に、一般に排気通路の通過面積は液体注入孔の面積よりも大きいので、ガス排出に使用される貫通孔11を同時に液体注入孔として使用することにより、液体注入面積を増加させ、液体注入効率を向上させ、生産に拍車をかけ、生産能力を向上させることに有利である。
【0088】
したがって、圧力緩和装置10bを回転係止するように設け、圧力緩和装置10bに対応するガス排出用貫通孔11を同時に液体注入孔として用いる場合、電池セル400に不可逆的な損傷を与えない前提の下で、圧力緩和装置10bの迅速な脱着を実現し、液体注入及びガス排出を便利にし、電池セル400のエネルギー密度を効果的に向上させ、電池セル400の使用寿命を延長し、電池セル400の性能を向上させることができる。
【0089】
圧力緩和装置10bを脱着可能に設ける場合、必要に応じて、例えば圧力緩和装置10bが既に破壊されたり、圧力緩和装置10bが破壊されていないが予め設定された時間動作した場合圧力緩和装置10b交換するために取り外したり、液体注入やガス排出などの電池セルのメンテナンス操作を進めることに便利である。また、圧力緩和装置10bを除去する際、電池セル400に不可逆的な損傷を起こさず、電池セル400の外観を脱着前後にそのまま維持することができ、液体注入、ガス排出後の使用に影響しない。同時に、液体注入及びガス排出が完成した後、圧力緩和装置10bをエンドカバー10aに便利に装着することができ、貫通孔11を再び確実に閉鎖して、電池セル400の液体注入、ガス排出後の作業信頼性を保証する。また、圧力緩和装置10bを回転させて直接に貫通孔11の閉鎖を実現するため、レーザ溶接を通じて貫通孔11の密閉を実現する必要がなく、レーザ溶接する前の貫通孔11の洗浄工程を減らすことができるため、電池セル400の製造効率を向上させることに有利である。
【0090】
圧力緩和装置10bの脱着可能な配置を実施するために、圧力緩和装置10bは、ねじ接続などの他の方法を使用してエンドカバー10aに接続することができる。しかし、回転係合方式を用いる場合、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの嵌合精度の要求が比較的低く、加工が容易である同時に、操作がより簡単で便利であり、より効率的な脱着プロセスを実現することに有利であり、これは製造時の電池セル400の組み立て効率を向上させ、電池セル400の使用中のメンテナンス時間を短縮する。また、回転係合方式はねじ接続のように十分多くのねじ山本数を必要として接続するものではないので、ねじ接続方式に比べて、回転係合方式はあまりにも多くの高さ空間を占める必要がなく、エンドカバーアセンブリ10の高さに対する要求は比較的低く、電池セル400の高さを減少させ、電池セル400の高さ空間利用率を向上させ、電池セル400のエネルギー密度を増加させることに有利である。
【0091】
また、ねじ接続方式を用いると、ねじ部材を締めたり、緩めたりする過程で摩擦によって発生する金属スクラップが、電池セル400の内部に直接に落ちて電池セル400の内部に短絡が発生しやすい。回転係合方式を用いる場合、回転係合構造を設定して金属スクラップの落下による短絡リスクを低減することができる。
【0092】
例えば、
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、第1係合部24は、電池セル400の内部から離れたエンドカバー10aの一方の側(すなわち、ハウジング7から離れた一方の側、すなわち電極アセンブリ30から離れた一方の側)に位置する。言い換えれば、第1係合部24は、電池セル400の内部に面するエンドカバー10aの表面(また、電極アセンブリ30に近いエンドカバー10aの表面である)上に直接配置されず、電池セル400の内部に向かうエンドカバー10aの表面と既設距離を置いて配置される。ここで「既定距離」の大きさについて具体的に限定せず、例えば、第1係合部24は、エンドカバー10aの少なくとも一部が第1係合部24と電極アセンブリ30との間に位置するように、エンドカバー10aの上部領域、中部領域、または下部領域に設けられることができる。
【0093】
圧力緩和装置10bの回転過程において、第1係合部24と第2係合部42との間に摩擦が発生することがあり、金属粒子が生成される。第1係合部24を電池セル400の内部から離れたエンドカバー10aの一方の側に設けることにより、回転過程で発生する金属粒子がハウジング7内に直接落ちて、電池セル400の短絡が発生することを防止することに有利であり、電池セル400の作業安全性を効果的に向上させることができる。
【0094】
ここで、
図2~
図4Cを参照すると、いくつかの実施例において、高さ方向において、第1係合部24の位置はシールリング3の位置より低くなく、従って、回転係合位置がシール面の位置より低くなく、回転摩擦過程で発生する金属スクラップはシールリング3によって遮断され、ハウジング7内に落下せず、圧力緩和装置10bを除去した後、金属スクラップを容易に清掃することができ、金属スクラップが落ちることをより確実に防止することができる。一方、回転係合の位置がシール面の位置よりも低くなければ、圧力緩和装置10bが回転過程でシールリング3に力を加えることに便利であり、シールリング3の変形を増大させ、シールリング3の封止効果を改善する。
【0095】
また、
図4Cを参照すると、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10b上にはシンキング溝412が設けられ、シールリング3はシンキング溝412の内に設けられている。従って、シールリング3の高さ占有を減少させることができ、さらにエンドカバーアセンブリ10の全高を減少させ、電池セル400のエネルギー密度を向上させる。
【0096】
次に、圧力緩和装置10bの構造についてさらに紹介する。
【0097】
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10bは本体部4と圧力緩和部材5とを含み、本体部4は第2係合部42と接続され、圧力緩和部材5は貫通孔11を閉鎖し、圧力緩和部材は電池セル400の内圧が閾値に達すると破壊され、内圧を緩和する。従って、本体部4を用いて第2係合部42を駆動して回転させて、回転係止機能を実現することができ、圧力緩和部材5を用いて圧力緩和機能を実現することができる。
【0098】
ここで、
図2~
図7C及び
図20~
図23を参照すると、構造を簡略化し、組み立てを便利にするために、本体部4及び圧力緩和部材5を一体に提供することができり、もしくは、
図8~
図19を参照すると、本体部4と圧力緩和部材5を別々に提供することができる。従って、本体部4及び圧力緩和部材5をそれぞれメンテナンスすることに便利であり、例えば、圧力緩和部材5が破壊されたが、本体部4が破壊されていない場合、圧力緩和部材5のみを交換することができ、メンテナンスコストを低減すると同時に、本体部4及び圧力緩和部材5を異なる材料または構造構成で設計することが便利であり、本体部4及び圧力緩和部材5の異なる使用需要を満たすことができる。例えば、圧力緩和部材5内圧能力を調整することによって、異なる閾値でのブラスト圧力緩和を実現するために、圧力緩和部材5の厚さを柔軟に変更することができる。
【0099】
本体部4と圧力緩和部材5とが別々に提供される場合、
図8~
図19を参照すると、圧力緩和部材5を本体部4とシールリング3との間に設けることができる。この場合、圧力緩和部材5が本体部4とシールリング3との間に配置されず、本体部4の下端面以上など他の位置に配置される場合に比べて、圧力緩和部材5がハウジング7の内部により近く、圧力緩和中、ガスがより早く圧力緩和部材5に衝撃を与えて、圧力緩和部材5を突破し、より効率的で確実に安全な圧力緩和プロセスを実現する。また、本体部4とシールリング3との間に位置する圧力緩和部材5は、シールリング3を覆うことができ、圧力緩和部材5が本体部4より大きい横断面積を有するように設定されることができるため、圧力緩和装置10bは、本体部4ではなく圧力緩和部材5を介してシールリング3を覆うことができ、これは圧力緩和装置10bとシールリング3との間でより十分な接触を実現し、シールリング3に対してより確実な圧着及び/または位置決めすることができる。
【0100】
続いて
図8~
図19を参照すると、圧力緩和部材5が本体部4とシールリング3との間に位置する場合、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10bは分割リング6をさらに含み、分割リング6は本体部4と圧力緩和部材5との間に設けられ、本体部4と圧力緩和部材5を分離して圧力緩和部材5を保護する。
【0101】
分割リング6が本体部4と圧力緩和部材5との間に支持されているので、本体部4と圧力緩和部材5が直接接触しないように本体部4と圧力緩和部材5を分離し、したがって、本体部4の回転過程で圧力緩和部材5に対する摩耗を低減または無くすことができ、さらに圧力緩和部材5を保護する作用をする。一方、分割リング6の中間部分は中空状態であるため、液体注入通路と排気通路の目詰まりが発生せず、液体注入過程及びガス排出過程を円滑に行うことに有利である。
【0102】
ここで、分割リング6を圧力緩和部材5に付着することができ、例えば、分割リング6は圧力緩和部材5に接着されるか、接続部材を介して接続されることができる。従って、エンドカバー10aに組み立てる前に、分割リング6と圧力緩和部材5とを予め組み立てることができ、電池セル400の組み立て効率を向上させることができる。
【0103】
圧力緩和部材5の構造は様々であり得る。
【0104】
その一つとして、圧力緩和部材5は単層部材であってもよい。例えば、
図2~
図7C、
図8~
図10A、及び
図20~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、圧力緩和部材5は金属層51のみを含む。この場合、圧力緩和部材5の構造は比較的に簡単である。
【0105】
別の一つとして、圧力緩和部材5は2層構造であっても多層構造であってもよい。例えば、
図10B、
図10C、
図17及び
図19などを参照すると、いくつかの実施例において、圧力緩和部材5は金属層51及び保護層52aを含み、保護層52a及び金属層51は積層配置され、保護層52aの延伸率は金属層51の延伸率よりも大きい。従って、金属層51が偶発的に強制的に破裂された場合でも、圧力緩和部材5は保護層52aの作用下で、貫通孔11に対する閉鎖を維持することにより、金属層51が偶発的に強制的に破裂され、液体漏れ及びガス漏れの問題を招くリスクを低減し、圧力緩和部材5の使用信頼性を効果的に向上させる。
【0106】
具体的には、保護層52aは単層構造であってもよく、電極アセンブリ30に近い金属層51の一方の側に設けられてもよいし、金属層51の電極アセンブリ30から離れた一方の側に設けられてもよい。又は、保護層52aは金属層51をよりに保護するように、2層構造であっても多層構造であってもよく、金属層51をより十分に保護することができる。例えば、
図10B及び
図10Cを参照すると、いくつかの実施例において、保護層52aは、第1保護層521及び第2保護層523を含み、第1保護層521は金属層51の電極アセンブリ30から離れた一方の側に設けられ、第2保護層523は、金属層51の電極アセンブリ30に近い一方の側に設けられる。この場合、第1保護層521と第2保護層523はその間に金属層51を挟んでおり、金属層51は保護層52aの内部に位置する。従って、保護層52aは、金属層51の厚さ方向での両側で金属層51に対して二重保護を行うことができ、保護効果がより良好であり、偶発的な液体漏れ及びガス漏れリスクを確実に減らすことができる。
【0107】
多層圧力緩和部材5の1つの具体的な実施形態として、圧力緩和部材5はアルミニウムプラスチックフィルム52であり得る。アルミニウムプラスチックフィルム52は、多層薄膜構造であり、一般に外側から内側に順に配置された外部遮断層、バリア層及びハイブロック層を含み、各層間に接着することができる。ここで、外部遮断層はベース層とも呼ばれ、主にナイロンまたはPET(Polyethylene terephthalate、ポリエチレンテレフタレート)材料でできており、バリア層が傷つかないようにする役割をすることができる。一般にバリア層はアルミニウム層であり、定形や防水などの役割を果たすことができる。ハイブロック層は耐電解液層とも呼ばれ、主にポリプロピレン材料でできている。アルミニウムプラスチックフィルム52は、高い遮断性、絶縁性及び耐電解液性など多面的な利点を有するので、関連技術では、ソフトパック電池セルをパッケージングするためのコア材料の1つとして使用され、内部電極アセンブリ30を保護する役割をする。本出願は、アルミニウムプラスチックフィルム52の従来の使用方法を打破し、アルミニウムプラスチックフィルム52を圧力緩和部材5として使用するが、具体的にはアルミニウムプラスチックフィルム52の外部遮断層、バリア層及びハイブロック層をそれぞれ、前述の第1保護層521、金属層522及び第2保護層523として使用することによって、アルミニウムプラスチックフィルム52の比較的強い電解液浸透防止及び防水能力を利用して、定常状態下で貫通孔11に対する安定的な閉鎖を実現することができるだけでなく、個々の金属板よりも優れたアルミニウムプラスチックフィルム52の変形抵抗能力を利用して、圧力緩和部材5の偶発的変形による破損や漏れの問題が発生するリスクをさらに低減することができる。
【0108】
また、圧力緩和部材5の数は限定されず、1つ、2つ、または複数であってもよい。ここで、
図11~
図19を参照すると、圧力緩和装置10bが少なくとも2つの圧力緩和部材5を含む場合、少なくとも2つの圧力緩和部材5は互いに接続されることができ、電池セル400の内圧が閾値に達すると、少なくとも2つの圧力緩和部材5の互いに接続された部分が打ち抜かれて内圧を放出する。この場合、圧力緩和部材5の互いに接続された部分の強度が比較的低く、圧力緩和装置10bの脆弱部位を構成し、閾値が低い場合の圧力緩和の需要を満たすのに容易である。
【0109】
ここで、
図19を参照すると、いくつかの実施例において、前記少なくとも2つの圧力緩和部材5は、ドッキングすることが可能であり、すなわち重ならないように接続されている。この場合、圧力緩和部材5の互いに接続された部分はより低い強度を有することができるので、閾値が低い場合の圧力緩和の需要を満たす。
【0110】
または、
図17及び
図18を参照すると、他のいくつかの実施例において、前記少なくとも2つの圧力緩和部材5はドッキングするか、または部分的に重なる。この場合、各圧力緩和部材5の間の接続を実施するのがより便利である。
【0111】
続いて
図17~
図18を参照すると、いくつかの実施例において、少なくとも2つの圧力緩和部材5が部分的に重なる場合、少なくとも2つの圧力緩和部材5の重なり部分524は少なくとも2つの圧力緩和部材5の残りの部分に対して、シールリング3から離れた一方の側に突出する。これは、圧力緩和装置10bとシールリング3とがより十分に接触するように、圧力緩和装置10bのシールリング3に近い表面を平坦に保つことに有利である。
【0112】
ここで、
図17を参照すると、いくつかの実施例において、重なり部分524は折り曲げられ、具体的には、重なり部分524はシールリング3に近い側に向かって折り曲げられる。従って、重なり部分524の高さを減少することができる。重なり部分524の高さの減少は、エンドカバーアセンブリ10の高さを減少させ、高さ方向の電池セル400の空間使用率を改善し、電池セル400のエネルギー密度を増加させることに有利である。
【0113】
また、圧力緩和装置10bが分割リング6を含む場合、
図13~
図15を参照すると、いくつかの実施例において、分割リング6上に収容溝61が設けられ、重なり部分524は収容溝61に収容される。これに基づいて、重なり部分524が突出して本体部4と圧力緩和部材5との間の応力が不均一になることを防止することができる。
【0114】
前述した各実施例では、各圧力緩和部材5間に接合またはヒートシール接続などの様々な接続方式を用いることができる。ここで、ヒートシール方式を用いて接続する場合、操作が便利であり、圧力緩和部材5の互いに接続された部分の強度が圧力緩和部材の他の部分の圧力抵抗強度よりもっと低く設定することができるので、より低い爆発圧力での電池セルの防爆需要を満たすことができる。
【0115】
また、上述した各実施例に基づいて、圧力緩和部材5上にはノッチ53をさらに設けることができる。ノッチ53は圧力緩和部材5の脆弱領域を構成し、電池セル400の内圧が閾値に達すると、圧力緩和部材5がまずノッチ53の位置で破壊され、圧力緩和部材5の破壊難易度を低減し、電池セル400の指向性ガス排出圧力緩和を実現し、電池セル400の使用安全性をさらに向上させる。
【0116】
ここで、ノッチ53は、十字形溝532や環状溝531など様々な形状の溝であってもよい。また、ノッチ53が環状溝531である場合、環状溝531は、完全な円の環状溝であってもよく、完全でない円の環状溝であってもよい。例えば、いくつかの実施例において、環状溝531が3/4円の環状溝である場合、ノッチ53が突破されると、圧力緩和部材5の残りの部分と完全に分離せず、圧力緩和部材5の残りの部分と依然として接続関係を維持し、これはノッチ53が直接に飛び出して、他の損傷を引き起こすことを防止し、圧力緩和過程の安全性を向上させる。
【0117】
また、
図4Cを参照すると、いくつかの実施例において、ノッチ53はシールリング3の内部リングの半径方向内側に位置する。言い換えれば、シールリング3の半径方向に位置し、ノッチ53の縁部はシールリング3の内部リングの内側に位置し、ノッチ53の縁部はシールリング3の内部リングを超えない。この場合、ノッチ53はシールリング3の反発力作用を受けないので、ノッチ53がシールリング3の反発力を受けて偶発的に破裂することを防止でき、圧力緩和部材5の使用信頼性を向上させ、圧力緩和部材5の使用寿命を延長することに有利である。
【0118】
次に、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの回転係合の構造についてさらに紹介する。
【0119】
前述したように、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとは、エンドカバー10a上の第1係合部24と圧力緩和装置10b上の第2係合部42との結合によって回転係合を実現する。ここで、第1係合部24及び第2係合部42の一方が係止溝24aである場合、他方は係止柱42aである。言い換えれば、第1係合部24が係止溝24a及び係止柱42aの一方である場合、第2係合部42は、係止溝24a及び係止柱42aのうちの他方である。例えば、
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、第1係合部24は係止溝24aであり、第2係合部42は係止柱42aであり、この場合、係止溝24a及び係止柱42aの加工がより便利になる。
【0120】
さらに、
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、エンドカバーアセンブリ10はガイド溝25をさらに含み、ガイド溝25は係止溝24aと連通し、圧力緩和装置10bの回転過程において、係止柱42aはガイド溝25を介して係止溝24aから出入りする。したがって、一方で、圧力緩和装置10bが第2位置でエンドカバー10aと干渉が発生するのを防ぐために、ガイド溝25は第2位置に位置する圧力緩和装置10bを回避する。一方、ガイド溝25は、圧力緩和装置10bの回転過程で、係止柱42aがよりスムーズに係止溝24aから出入りするように案内し、より円滑で高効率な回転係合過程を実現できる。
【0121】
第1係合部24がエンドカバー10a上に容易に配置されるように、
図2~
図23を参照すると、いくつかの実施例において、エンドカバー10aはエンドカバー本体1を含むだけでなく、また、取付部材2をさらに含む。エンドカバー本体1は、ハウジング7を覆うための端部開口71を備える。取付部材2は、エンドカバー本体1上に配置され、具体的には電極アセンブリ30から離れたエンドカバー本体1の一方の側に位置し、エンドカバー本体1の電極アセンブリ30と対向する表面との間には隙間がある。貫通孔11は、取付部材2及びエンドカバー本体1を順次貫通し、エンドカバー本体1上に位置する第1ホールセグメント111及び取付部材2上に位置する第2ホールセグメント26を含み、第1ホールセグメント111及び第2ホールセグメント26は、電池セル400の内部から外部の方向に沿って順次に配置され、互いに貫通し、電解液を注入すると、電解液が第2ホールセグメント26及び第1ホールセグメント111を順次に通過してハウジング7に流入する。第1係合部24は取付部材2上に配置されるか、または第1係合部24は取付部材2とエンドカバー本体1とによって囲まれて形成される。
【0122】
エンドカバー本体1の厚さが一般的に薄いので、エンドカバー本体1上に第1係合部24を直接加工するのに難易度が高い。エンドカバー本体1に接続された取付部材2をもっと設置し、第1係合部24を取付部材2上に配置したり、第1係合部24を取付部材2とエンドカバー本体1との間に配置したりすると、第1係合部24の加工難易度を効果的に低減することができ、エンドカバー10a上の第1係合部24の配置を容易に実現することができる。
【0123】
具体的には、
図2~
図19を参照すると、いくつかの実施例において、圧力緩和装置10bの本体部4が第2ホールセグメント26に挿入され、第1係合部24が取付部材2の内壁に配置され、第2係合部42が本体部41の外壁に配置される。あるいは、
図20~
図23を参照すると、他のいくつかの実施例において、本体部4は取付部材2の外部にスリーブに取り付けられ、第1係合部24は取付部材2の外壁に取り付けられ、第2係合部42は本体部41の内壁に取り付けられる。これら2つの場合、第1係合部24及び第2係合部42は共に圧力緩和装置10bの回転に応じて結合又は離脱することができ、エンドカバー10aにおける圧力緩和装置10bの脱着を実施することができる。ここで、本体部4が第2ホールセグメント26に挿入される場合、エンドカバー10aから突出する圧力緩和装置10bの高さを低減することに有利であり、この点で電池セル400の高さ方向空間利用率を向上させ、電池セル400のエネルギー密度を向上させることができる。一方、電池セル400の装着または使用中に圧力緩和装置10bが他の部材と衝突する可能性を低減することができる。一方、電池セル400を電池200または電気消費設備100に適用する場合、電池セル400の上方に信号検出回路などの他の構造部材を装着するためのスペースを確保することに便利である。
【0124】
したがって、本出願では、圧力緩和装置10bを迅速に脱着することができ、液体注入及びガス排出に便利であるため、電池セル400の性能を効果的に向上させることができ、メンテナンス過程で不可逆的に電池セル400を破壊する必要なく、電池セル400の外観に影響を与えない。
【0125】
次に、
図1D~
図23に示す各実施例を結び合わせて本出願の案をさらに説明する。
【0126】
【0127】
図1Dに示すように、当該実施例では、電池セル400は角形の電池セルであり、電極アセンブリ30及び電極アセンブリ30を収容するためのケース70などを含む。ケース70はハウジング7とエンドカバーアセンブリ10とを含み、エンドカバーアセンブリ10はハウジング7の一方の側に配置され、ケース70の内部に電極アセンブリ30などを収容するための密閉空間を形成するためにハウジング7の端部開口71をカバーする。
【0128】
図2及び
図3Aに示すように、エンドカバーアセンブリ10は、エンドカバー10a、電極端子10c、絶縁部材10d、シールリング3及び圧力緩和装置10bを含む。エンドカバー10aは、ハウジング7の端部開口71を閉鎖するように、ハウジング7と接続される。エンドカバー10a上には貫通孔11が設けられる。シールリング3は、貫通孔11を密閉するために使用される。絶縁部材10dは、エンドカバー10aと電極アセンブリ30との間に設けられ、エンドカバー10aと電極アセンブリ30との間の絶縁を実現する。2つの電極端子10cは、エンドカバー10a上に設けられ、長手方向に沿って貫通孔11の両側に位置し、また、2つの電極端子10cは、1つのアダプター20を介して電極アセンブリ30の正極タブ及び負極タブとそれぞれ電気的に接続される。圧力緩和装置10bは、脱着可能にエンドカバー10a上に設けられ、2つの電極端子10c間の貫通孔11に挿入され、貫通孔に対する塞ぎ、及び安全に圧力を緩和する機能を実現する。
【0129】
ここで、
図2及び
図5~
図6Bに示すように、エンドカバー10aは、エンドカバー本体1と取付部材2とを含む。エンドカバー本体1はハウジング7に接続される。取付部材2は、電極アセンブリ30から離れたエンドカバー本体1の一方の側に接続される。具体的には、前記2つの電極端子10cはエンドカバー本体1上に設けられ、2つの電極端子10cの間には取付溝15が備えられ、取付部材2は取付溝15に設けられる。ここで、取付溝15は、エンドカバー本体1の電極アセンブリ30とは反対側の面から電極アセンブリ30に向かって陥没し、取付部材2は締まりばめ、接合、締結部材による接続あるいは、溶接等の方式で取付溝15に固定される。
【0130】
取付部材2を収容するように取付溝15を具備して、エンドカバー本体1に対する取付部材2の高さを減少させることができる。
図5に示すように、取付部材2の電極アセンブリ30から離れた表面が、エンドカバー本体1の電極アセンブリ30から離れた表面を超えなく、エンドカバー本体1の電極アセンブリ30から離れた表面より低くまたは同等に配置することにより、電池セル400の高さを減少させる。
【0131】
図3C及び
図4Cに示すように、取付溝15は、上部が広く下部が狭いテーパ状の溝で構成されており、取付溝15の側壁は、取付部材2を取り付ける過程で、取付部材2に対してガイド作用をすることができ、一方、取付部材2がレーザ溶接方式を介して取付溝15に固定される場合、取付溝15はまた、レーザ入射経路に隙間がないようにすることで、隙間による溶接爆発を防止し、溶接構造強度を向上させることができる。
【0132】
貫通孔11は、取付部材2及びエンドカバー本体1を貫通し、エンドカバー本体1上に位置する第1ホールセグメント111及び取付部材2上に位置する第2ホールセグメント26を含む。第1ホールセグメント111は、取付溝15の溝底部からエンドカバー本体1の電極アセンブリ30に面する表面に延長する。第2ホールセグメント26は、電極アセンブリ30から離れた第1ホールセグメント111の一方の側に位置し、第1ホールセグメント111と連通する。第2ホールセグメント26の孔径は、第1ホールセグメント111の孔径より大きい。従って、貫通孔11が開放されると、貫通孔11を介して電池セル400の内部に液体を注入したり、または電池セル400内部のガスを排出することができる。貫通孔11が液体注入及びガス排出機能を兼ね備えているので、液体注入孔及び排気通路をそれぞれ配置する必要がなく、エンドカバー10a上の孔の数を減らし、孔が占める空間を減らし、空間利用率を増加させ、電池セル400のエネルギー密度を向上させることができる。
【0133】
シールリング3は、第1ホールセグメント111の第2ホールセグメント26に近い一端に設けられ、第1ホールセグメント111を密閉することにより貫通孔11に対する密閉を実現する。シールリング3は、圧力緩和装置10bによって覆われ、圧力緩和装置10bによって圧縮され、圧力緩和装置10bとエンドカバー本体1との間にシール面を形成する。この場合、圧力緩和装置10bの回転時の摩擦力を低減し、組立難易度を低減し、シールリング3の摩耗を低減するために、シールリング3と圧力緩和装置10bとの接触面摩擦係数は、シールリング3とエンドカバー10aとの接触面の摩擦係数より小さくてもよい。シールリング3と圧力緩和装置10bとの間の摩擦力を低減するために、シールリング3と圧力緩和装置10bとの間に潤滑油を塗布したり、他の摩擦力の小さいスペーサを配置したりするなどの方式を使用できる。
【0134】
圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの着脱可能な接続を実現するために、
図1D~
図7Cに示すように、当該実施例では、圧力緩和装置10bは回転可能に第2ホールセグメント26に挿入され、エンドカバー10a上に第1係合部24が設けられ、圧力緩和装置10b上に対応して第2係合部42が設けられ、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aの回転係合を実現することにより、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aに対して第1位置と第2位置との間で回転する過程で、第1係合部24と第2係合部42の係合又は離脱を実現することができ、したがってエンドカバー10aにおける圧力緩和装置10bの脱着を実現し、さらに圧力緩和装置10bによる貫通孔11の開閉を実現する。
【0135】
具体的には、
図1D~
図7から分かるように、当該実施例では、第1係合部24は係止溝24aであり、第2係合部42は係止柱42aである。係止溝24aと係止柱42aとの間には係合構造が形成されている。圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、係止柱42aの全部または一部が係止溝24aに位置し、圧力緩和装置10bが電極アセンブリ30から離れる変位を制限することにより、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aから離脱することなく、貫通孔11を安定的に閉鎖する。圧力緩和装置10bが第2位置に回転すると、係止柱42aと係止溝24aとが貫通孔11の円周方向にずれ、係止柱42aが係止溝24aから完全に離脱することにより、圧力緩和装置10bの電極アセンブリ30から離れる変位がエンドカバー10aによって制限されず、液体注入、ガス排出及び圧力緩和装置10bの交代などのメンテナンス作業のため、圧力緩和装置10bをエンドカバー10aから取り外して、貫通孔11を開放することができる。
【0136】
圧力緩和装置10bの回転により第1係合部24と第2係合部42との係合又は離脱を実現し、構造が簡単で、嵌合精度の要求が比較的低く、繰り返し使用が可能である。加工面において、圧力緩和装置10b上に係止柱42aを配置し、エンドカバー10aに係止溝24aを配置することは全て加工しやすく、特に全体サイズが比較的小さいリチウムイオン電池セルに適する。装着メンテナンス面において、圧力緩和装置10bの脱着操作が相対的に容易で、製造時の電池セル400の組立効率を向上させることができ、使用過程でメンテナンス時、メンテナンス時間を短縮させることができる。
【0137】
また、圧力緩和装置10bの回転を通じて貫通孔11に対する開閉を実現することにより、電池セル400を破損することなく、液体注入、ガス排出及び圧力緩和装置10bの交換等のメンテナンス作業を行うことができる。ここで、圧力緩和装置10bを取り外し、貫通孔11を介して液体を注入することにより、二次液体注入を進行することができ、電池セル400の容量が減少することを効果的に低下させ、電池セル400の使用寿命を延長する。圧力緩和装置10bを取り外し、貫通孔11を介してガス排出を進行することにより、電池セル400の内圧を放出することができるため、電池セル400の内部が圧力緩和装置10bに持続的に作用する時間を短縮し、圧力緩和装置10bが早くクリープして破裂して液体漏れ及びガス漏れの問題を引き起こすことを防止し、これは圧力緩和装置10bの寿命を延長することに有利である。また、圧力緩和装置10bを取り外し、圧力緩和装置10bを交換するため、圧力緩和装置10bが破壊された後に交換しなければならない需要を満たすことができるだけでなく、電池セル400の使用寿命を延長し、圧力緩和装置10bが破壊されていないが定期的に交換する必要がある需要を満たすことができ、圧力緩和装置10bの寿命に対する要求を低減し、圧力緩和装置10bの使用信頼性を向上させる。
【0138】
ここで、
図6A~
図6Bに示すように、当該実施例では、係止溝24aは、取付部材2とエンドカバー本体1とによって囲まれて形成される。具体的には、取付部材2は、取付リング21と位置限定段差22とを含む。取付リング21の中部の中空部分は第2ホールセグメント26を形成する。位置限定段差22は、取付リング21の内壁に接続され、取付リング21の内壁から半径方向内側に突出しており、取付リング21の電極アセンブリ30と対向する面との間に、隙間を備える。従って、
図5に示すように、取付部材2を取付溝15に取付けた後、位置限定段差22と取付溝15の溝底部との間には第1係合部24として用いられる係止溝24aが形成される。この場合、第1係合部24は、取付部材2とエンドカバー本体1とによって囲まれて形成された係止溝24aであり、
図3C、
図4C、
図5及び
図6Bを結び合わせてみると、位置限定段差22の底壁、取付リング21の側壁及び取付溝15の底壁は、それぞれ、係止溝24aの第1溝壁243、第2溝壁244及び第3溝壁245を構成し、係止柱42aが挿入されると、係止柱42aの高さ方向に応じた変位を制限する。
【0139】
また、上記の配置に基づいて、係止溝24aは、電極アセンブリ30から離れたエンドカバー10aの一方の側に位置し、回転係合中に摩擦によって発生する金属粒子がハウジング7内に直接落ちて、電池セル400の短絡が発生することを防止することに有利であり、電池セル400の作業安全性を効果的に向上させることができる。
【0140】
具体的には、
図5~
図6Bに示すように、位置限定段差22は、取付リング21の第1ホールセグメント111から離れた一端に配置され、位置限定段差22は取付リング21の第1ホールセグメント111から離れた面と並んで配置される。従って、係止溝24aの高さを高めることができ、第1係合部24と第2係合部42との係合強度を向上させることに有利である。
【0141】
図7A~
図7Cに示すように、当該実施例では、係止柱42aの配置を容易にし、貫通孔11に対する圧力緩和装置10bのシール機能を実現するために、圧力緩和装置10bは本体部4と圧力緩和部材5とを含む。本体部4は、ディスク状または環状構造を有する。係止柱42aは、本体部4の外壁に設けられ、本体部4の外壁から外部に突出して片持ち構造(カンチレバー:cantilever)を形成し、本体部4が第2ホールセグメント26に挿入されると、係止柱42aが本体部4に沿って回転して係止溝24aに係合または離脱する。本体部4の中部の中空部には通気部414が形成される。圧力緩和部材5は通気部414の位置に設けられ、通気部414を閉鎖する。電池セル400の内圧が閾値に達すると、圧力緩和部材5が破壊されて通気部414に対する閉鎖が解除され、貫通孔11が通気部414を介して外部環境と連通するようにし、圧力緩和過程を実施し、安全防護の役割をする。
【0142】
具体的には、当該実施例では、圧力緩和部材5と本体部4とが一体的に設けられている。圧力緩和部材5は、本体部4の電極アセンブリ30から離れた一端に接続され、通気部414の外部ポートを閉鎖することにより、通気部414に対する閉鎖を実現する。ここで、圧力緩和部材5は、アルミニウムシート522などの金属層51で構成することができる。
【0143】
また、
図4C及び
図7Bまたは
図7Cに示すように、当該実施例では、圧力緩和部材5上にシンキング溝412が設けられ、シールリング3が当該シンキング溝412の内部に位置する。具体的には、シンキング溝412は、スタンピング方式を用いて加工製造されることができ、圧力緩和部材5の電極アセンブリ30の表面で電極アセンブリ30から離れた方向に陥没する。従って、シールリング3の空間占有を減少させることができ、電池セル400の全高を減少させることに有利であり、電池セル400のエネルギー密度を向上させる。
【0144】
一方、
図7B及び
図7Cから分かるように、当該実施例では、圧力緩和部材5上には一周のノッチ53が配置される。電池セル400の内圧が閾値に達すると、ノッチ53が先に破壊され、電池セル400の指向性ガス排出圧力緩和を実現し、内部圧力が大きすぎて電池セル400が爆発するのを防止することができる。ここで、ノッチ53は、シールリング3の内部リングの径方向内側に位置し、シールリング3の弾性力によってノッチ53が偶発的に破裂するのを防止することができる。
【0145】
また、
図7Aまたは
図7Cに示すように、当該実施例では、本体部4の外壁上に少なくとも2つの係止柱42aが設けられ、この少なくとも2つの係止柱42aは本体部4の円周方向に沿って間隔をあけて配置され、全て貫通孔11の円周方向に沿って延長される。このような場合、
図5~
図6Bに示すように、エンドカバー10a上の係止溝24aで囲まれた位置限定段差22の数も少なくとも2つであり、位置限定段差22は貫通孔11である。の円周方向に沿って延長され、係止柱42aと一対一で対応して、エンドカバー10a上に少なくとも2つの係止溝24aが配置されるようにし、係止溝24aは貫通孔11の円周方向に沿って延長され、係止柱42aと一対一で対応する。これに基づいて、圧力緩和装置10bが第1位置に位置するときに複数の位置が位置限定及び支持される。これは、圧力緩和装置10bの装着安定性及び堅牢性を向上させるだけに有利でなく、単一の係止柱42aが支えるべき係合力を低減することに有利であり、係止柱42aの強度に対する要求を低減させる。
【0146】
位置限定段差22の数及び間隔角度を設定することにより、第1位置と第2位置との間の圧力緩和装置10bの回転角度を調整することができる。例えば、2つの位置限定段差22が対向するように取付部材2上に配置される場合、圧力緩和装置10bを90°回転させるだけで、第1位置から第2位置へ、又は第2位置から第1位置へ回転することができ、脱着効率を向上させることに有利である。もちろん、圧力緩和装置10bの第1位置と第2位置との間の角度は90°に限定されず、例えば60°~120°内で変化してもよく、具体的には実際の需要に応じて設定できる。
【0147】
図5~
図6Bから分かるように、間隔をあけて配置された2つの位置限定段差22の間の空間にはガイド溝25が形成され、当該ガイド溝25は係止溝24aと連通し、係止柱42aが係止溝24aから出入りすることをガイドすることにより、回転係合過程の円滑性を向上させる。ここで、圧力緩和装置10bが第2位置に位置する場合、係止柱42aを収容するように、ガイド溝25の円周方向の長さは、係止柱42aの円周方向の長さよりも大きいことができる。一方、ガイド溝25の長さは、係止溝24aの円周方向長さを超えず、係止柱42aと係止溝24aとの係合長さを最大限に長くして、位置限定の安定性を向上させる。
【0148】
ガイド溝25を配置することで、係止柱42aが係止溝24aから円滑に出入りするようにガイドするだけでなく、
図7Aに示すように、係止柱42a上に傾斜面42bを配置する。傾斜面42bを用いて、係止柱42aが係止溝24aから出入りするようにガイドすることができる。具体的には、傾斜面42bは、係止柱42aの円周方向の側壁に沿って配置され、係止柱42aの円周方向に沿って側部厚さが内部から外部に向かって徐々に減少するように構成される。これに基づいて、傾斜面42bは、係止柱42aの高さを予め調整する必要なく、係止柱42aが係止溝24aにスムーズに進入するようにし、組立効率を向上させることができる。係止柱42aと係止溝24aとが入口位置で衝突するのを防止することができ、これからエンドカバーアセンブリ10の使用寿命を向上させ、金属スクラップの発生を低減することに有利である。
【0149】
ここで、傾斜面42bは平面または弧面などであってもよい。また、傾斜面42bは、係止柱42aの円周方向の一方の側または両側に配置されてもよい。係止柱42aの円周方向の両側に傾斜面42bが全て配置されると、係止柱42aが係止溝24aからスムーズに出入りできるようにガイドすることに有利である。
【0150】
傾斜面42bが係止柱42a上に配置されて、加工が容易である。代替として、傾斜面42bは、係止溝24aの溝壁上に配置されてもよく、例えば、第1溝壁243または第2溝壁244上に配置されてもよい。
【0151】
係止柱42aが回転して係止溝24aに出入りするのを容易にするために、係止溝24aの高さは係止柱42aよりも大きくてもよい。従って、係止柱42aが係止溝24aに進入した後、係止柱42aがシールリング3の弾性力作用で、第1溝壁243と接触し、一方、係止柱42aの底面と第2溝壁244との間には隙間がある。
【0152】
図3A~
図3C及び
図4A~
図4Cでは、圧力緩和装置10bが第1位置及び第2位置での状態をそれぞれ示している。ここで、
図3A~
図3Cに示すように、圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、係止柱42aが係止溝24aに挿入され、係止溝24aは圧力緩和装置10bがエンドカバー10aから離脱することを制限することができる。
図4A~
図4Cに示すように、圧力緩和装置10bが第2位置に回転すると、係止柱42aが係止溝24aから離脱し、ガイド溝25に進入し、圧力緩和装置10bは、係止溝24aによって制限されず、エンドカバー10aから取り外され、貫通孔11を開放できるようにする。
【0153】
具体的には、
図3Cから分かるように、圧力緩和装置10bが第1位置に位置すると、係止柱42aは、係止溝24aの電極アセンブリ30から離れた第1溝壁243に当接して、第1溝壁243が、圧力緩和装置10bの電極アセンブリ30から離れる変位を制限し、圧力緩和装置10bがエンドカバー10aから分離することを防止することができる。より具体的には、第1溝壁243は突起部243aを含み、突起部243aは第1溝壁243の他の部分に対して電極アセンブリ30の一方の側に向かって突出し、係止柱42aに当接して第1溝壁243が突起部243aを介して係止柱42aに当接するようにする。
【0154】
さらに、圧力緩和装置10bの回転時の抵抗を低減するために、第1溝壁243と対向する第2溝壁244と、係止柱42aとの間に隙間があってもよい。同様に、圧力緩和装置10bの回転時の抵抗を低減するために、第1溝壁243と第2溝壁244との間に接続された第3溝壁245と、係止柱42aとの間に隙間があってもよい。
【0155】
圧力緩和装置10bを取り付ける必要がある場合、圧力緩和装置10bに下向きの作用力を加え、シールリング3の変形により係止柱42aと第1溝壁243との間に隙間が設けられ、この場合、圧力緩和装置10bを回転させて、係止柱42aが係止溝24aに円滑に進入し、第1位置に到達した後、圧力緩和装置10bを解除する。圧力緩和装置10bは、係止柱42aの最上面が第1溝壁243に当接するまでシールリング3の弾性力作用下で移動し、この場合、係止柱42aの底面と第2溝壁244との間に隙間(図示せず)が発生することがある。
【0156】
圧力緩和装置10bを除去する必要がある場合、圧力緩和装置10bに下向きの作用力を加え、シールリング3の変形により係止柱42aと第1溝壁243との間に隙間が設けられ、この場合、圧力緩和装置10bを回転して、係止柱42aが係止溝24aと円滑に円周方向にずれ、全体がガイド溝25内に位置するようにし、この場合、第2位置に到達すると、圧力緩和装置10bを取り外すことができ、液体注入、ガス排出または圧力緩和装置10bの交換などの操作を行うことができる。
【0157】
ここで、第1溝壁243、第2溝壁244、及び第3溝壁245は平面または弧面であってもよい。第1溝壁243と係止柱42aとの接触面が共に平面である場合、第1溝壁243及び係止柱42aの当接面積を大きくすることができ、係合の安定性を向上させ、第1溝壁243と係止柱42aとの間の摩擦力を増加させ、圧力緩和装置10bが係合状態でエンドカバー10aに対して円周方向に回転する難易度を増加させることができる。
【0158】
また、
図7A~
図7Cに戻り、当該実施例では、圧力緩和装置10bの回転を容易に実現するために、圧力緩和装置10bは操作部411をさらに含み、操作部411は外部操作を受け入れるために使用され、圧力緩和装置10bの回転を駆動する。操作部411を配置することにより、工具等と操作部411との嵌合を通じて圧力緩和装置10bを回転させることに便利であり、圧力緩和装置10bを脱着する際に、外力を加えることに便利であり、圧力緩和装置10bの回転角度を制御するのが容易である。
【0159】
具体的には、
図7Aに示すように、当該実施例では、圧力緩和部材5の電極アセンブリ30から離れた面上に少なくとも2つのボス411aが配置され、この少なくとも2つの操作部411は、貫通孔11の円周方向に沿って間隔を空けて配置され、操作部411は、隣接する2つのボス411aの間の溝部411bを含む。この場合、工具は溝部411bに挿入されて圧力緩和装置10bを回転させることができる。当該実施例の電池セル400の組み立て工程は以下の通りである。まず、取付部材2を取付溝15内に安着させ、溶接する。続いて、貫通孔11を介して電解液を注入し、液体注入が完了した後にシールリング3を取り付ける。次に、シールリング3の少なくとも一部を覆うように、圧力緩和装置10bをエンドカバー10a上の第2位置に装着させ、圧力緩和装置10bの係止柱42aとエンドカバー10aの係止溝24aは、円周方向にずれて互いに離脱する。その後、専用工具を用いて溝部411bを引っ掛かって、下向きの作用力を加え、係止柱42aと係止溝24aの第1溝壁243との間に隙間を形成し、また圧力緩和装置10bを回転させ、圧力緩和装置10bを第2位置から第1位置に回転させ、係止柱42aを係止溝24a内に引っ掛けることにより、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aの分離を制限する。所定位置に回転した後、圧力緩和装置10bを解放し、圧力緩和装置10bはシールリング3の弾性力作用下で上昇し、圧力緩和装置10bと第1溝壁243はお互いに当接する。
【0160】
当該電池セル400に対して二次液体注入、ガス排出又は圧力緩和装置10bを交換するなどメンテナンス操作が必要な場合、工具を用いて溝部411bが引っ掛かって、圧力緩和装置10bを反対方向に回転させ、圧力緩和装置10bを第1位置から第2位置に戻し、圧力緩和装置10bを取り外し、シールリング3を取り外し、液体注入及びガス排出等の操作が完了した後、前述した取り付け過程を繰り返すと、電池セル400に対するメンテナンスが完了する。
【0161】
次に、
図8~
図10Aに示す第2実施例を説明する。説明の便宜上、当該第2実施例と前述した第1実施例との相違点のみを強調して説明する。
【0162】
図8~
図10Aに示すように、当該第2実施例と前述の第1実施形態との主な相違点は、圧力緩和装置10bの構造が異なることである。
【0163】
具体的には、
図8~
図10Aから分かるように、当該第2実施例では、圧力緩和装置10bの本体部4と圧力緩和部材5とは一体に配置されず、別々に配置されている。ここで、圧力緩和部材5は依然としてアルミニウムシート522等の金属層51構造を用いたが、本体部4の電極アセンブリ30から遠く離れた一端に接続されず、本体部4とシールリング3との間に位置する。この場合、圧力緩和部材5はシールリング3を覆い、本体部4の通気部414の電極アセンブリ30に近い一端の開口(すなわち通気部414)の下端口)を閉鎖することにより、通気部414に対する閉鎖を実現し、さらに貫通孔11に対する閉鎖を実現する。圧力緩和部材5が破壊された後、貫通孔11は通気部414を介して外部環境と連通され、液体注入、ガス補充過程を実現することができる。
【0164】
圧力緩和部材5が本体部4に接続されていないので、本体部4が回転するとき、圧力緩和部材5を連動して一緒に回転するのではなく、本体部4と圧力緩和部材5間には相対回転が存在する。このような場合、本体部4の回転過程における圧力緩和部材5に対する摩耗を低減するために、
図8に示すように、当該第2実施例の圧力緩和装置10bは分割リング6をさらに含み、分割リング6は本体部4と圧力緩和部材5との間に配置され、本体部4と圧力緩和部材5を分離して、本体部4の回転過程における圧力緩和部材5に対する摩耗を低減し、圧力緩和部材5に対する保護を実現する。
【0165】
【0166】
ここで、
図10B及び
図10Cに示すように、第1変形例及び第2変形例において、圧力緩和部材5はいずれも単層構造ではなく、多層構造を用いる。具体的には、圧力緩和部材5はアルミニウムプラスチックフィルム52であり、ナイロンまたはPET材料で作られた第1保護層521、ポリプロピレン材料で作られた第2保護層523、及び第1保護層521と第2保護層523との間に位置するアルミニウムシート522などの金属層51を含む。
【0167】
アルミニウムプラスチックフィルム52が金属材料と同等の電解液浸透防止能力及び防水能力を有し、アルミニウムプラスチックフィルム52は、ノッチ53が配置されている別の金属層51より優れた耐変形性能力を有するので、偶発的な変形による破損、液体漏れの問題を防止することができる。
【0168】
図10Bと
図10Cとを比較するとわかるように、この2つの変形例の相違点は以下の通りである。
図10Bに示す第1変形例では、金属層51上にはノッチ53が配置されていないが、
図10Cに示す第2変形例では、金属層51上にはノッチ53が配置され、ノッチ53は環状溝531ではなく十字形溝532である。
【0169】
第1変形例と比較すると、第2変形例では金属層51上にノッチ53をさらに配置して、アルミニウムプラスチックフィルム52の耐圧値を低減することができ、さらに低い爆発圧力の電池セル400の安全保護需要を満たすことができる。
【0170】
圧力緩和部材5がアルミニウムプラスチックフィルム52である場合、前述した圧力緩和部材5と本体部4との間に設けられた分割リング6は、本体部4の回転係合過程でアルミニウムプラスチックフィルム52が磨耗されるのを防止することにより、アルミニウムプラスチックフィルム52が摩耗してシール失敗を防止することができる。
【0171】
【0172】
図12~
図17に示すように、当該第3実施例と上記各実施例との相違点は主に以下の通りである。圧力緩和装置10bは、1つの圧力緩和部材5のみを含むのではなく、少なくとも2つの圧力緩和部材5を含み、この少なくとも2つの圧力緩和部材5は互いに接続され、電池セル400の内部圧力が閾値に達すると、圧力緩和装置10bはそのような圧力緩和部材5の接続位置で破壊される。
【0173】
具体的には、
図15~
図17から分かるように、第3実施例では、圧力緩和装置10bは2つの圧力緩和部材5を含み、この2つの圧力緩和部材5は部分的に重なり合って、重なり部分524の位置でヒートシール方式で接続される。より具体的には、圧力緩和部材5はアルミニウムプラスチックフィルム52である。
【0174】
前述の配置に基づいて、2つのアルミニウムプラスチックフィルム52の間にヒートシールによってアルミニウムプラスチックフィルムシールが形成され、シールをヒートシールする過程で、シールの強度がアルミニウムプラスチックフィルム52自体の耐圧強度よりはるかに低く制御することができるので、より低い閾値の圧力緩和及び爆発防止プロセスを実現することができる。また、アルミニウムプラスチックフィルム52の金属層51上にノッチ53を配置する方式と比較して、シールをヒートシールする工程が操作しやすいので、金属層51のノッチ53の制御難しさを回避でき、生産効率を向上させる。
【0175】
また、
図12~
図15に示すように、当該第3実施例では、重なり部分524は、圧力緩和部材5の他の部分に対してシールリング3から離れる一方の側に突出し、分割リング6上には収容溝61が配置され、重なり部分524は収容溝61に収容される。これに基づいて、重なり部分524が突出して本体部4と圧力緩和部材5との間の応力が不均一になることを防止することができる。
【0176】
一方、
図17に示すように、当該第3実施例では、重なり部分524は電極アセンブリ30に近い一方の側に折り曲げられ、重なり部分524が折り曲げられていない場合に比べて、重なり部分524の高さが減少し、エンドカバーアセンブリ10の高さが減少し、電池セル400の高さ方向の空間使用率を向上させ、電池セル400のエネルギー密度を向上させることに有利である。
【0177】
第3実施例の圧力緩和装置10bの変形として、
図18に示すように、2つの圧力緩和部材5は依然として部分的に重なるが、重なり部分524は折り曲げられず、圧力緩和部材5は多層構造ではなく、単層構造である。
【0178】
第3実施例の圧力緩和装置10bの他の変形として、
図19に示すように、2つの圧力緩和部材5は依然として多層構造であるが、2つの圧力緩和部材5の間には重なり合わず、互いにドッキングする。
【0179】
【0180】
図20~
図23に示すように、当該第4実施例と前述した各実施例の相違点は主に以下の通りである。本体部4は取付部材2に挿入されず、取付部材2の外側にスリーブ設けられ、第1係合部24は取付部材2とエンドカバー本体1とに囲まれて形成されるのではなく、取付部材2上に配置され、取付部材2の外壁に位置し、対応的に、第2係合部42は本体部4の内側壁に配置される。
【0181】
圧力緩和装置10bを取付部材2の外側にスリーブ設けることにより、作業者が圧力緩和装置10bに直接外力を加えて回転させることに便利で、操作が容易で、専用工具を設計する必要なく、組立及びメンテナンス効率を向上させることができる。また、圧力緩和装置10bが取付部材2の外側にスリーブ設けられるので、一般に取付部材2はエンドカバー本体1の表面から突出する必要があり、第1係合部24を取付部材2の外側壁に配置すると、一方ではエンドカバー本体1の強度を向上させることができ、他方ではエンドカバー本体1の厚さを薄くすることに有利である。
【0182】
ここで、
図21及び
図22に示すように、取付部材2は、取付リング21及びベース23を含む。ベース23は、取付溝15内に固定される。例えば、ベース23は、締まりばめ、接着、溶接、または締結部材による接続などの方式によって取付溝15内に固定される。取付リング21は、電極アセンブリ30から離れたベース23の一端に接続される。従って、取付リング21は、電極アセンブリ30から離れたエンドカバー本体1の表面から突出し、圧力緩和装置10bのスリーブ設定を容易にする。また、取付溝15にベース23を配置することにより、エンドカバーアセンブリ10の全高をある程度低くすることができる。同時に、設置されたベース23は、取付リング21の装着安定性を高めるのにも便利である。
【0183】
図22及び
図23に示すように、当該第4実施例では、第1係合部24は、取付リング21の外側壁に配置された係止溝24aであり、対応するに、第2係合部42は、本体部4の内側壁に配置された係止柱42aである。圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、係止柱42aが係止溝24aに埋め込まれ、圧力緩和装置10bのエンドカバー10aでの装着を実現できる。具体的には、
図22に示すように、係止溝24aは、ベース23に近い取付リング21の一方の側に位置し、ベース23の上面部を第2溝壁244として用いる。ここで、係止溝24aは第1係止溝241を含み、第1係止溝241は取付リング21の円周方向に沿って延長される。また、係止溝24aは、第2係止溝242をさらに含む。第2係止溝242は第1係止溝241と連通し、第1係止溝241の上方に位置し、すなわち、第2係止溝242は、第1係止溝241のベース23から離れた一方の側に位置する。この場合、圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、係止柱42aが第2係止溝242内に埋め込まれ、ベース23と隙間を有し、圧力緩和装置10bが回転過程でより小さい抵抗力を有するようにする。
【0184】
円周方向に沿って間隔を空けて少なくとも2つの係止溝24aを配置することができ、対応するに、円周方向に沿って少なくとも2つの係止柱42aを配置することができる。この場合、
図22に示すように、隣接する係止溝24aの間にガイド溝25を配置して、係止柱42aが係止溝24aから円滑に出入りするようにガイドすることができる。具体的には、ガイド溝25の先端は取付リング21の頂部を貫通する。ガイド溝25の底端は、係止溝24aと連通する。より具体的には、ガイド溝25の底端は、第2係止溝242から離れた第1係止溝241の一方の側と連通し、ガイド溝25と係止溝24aとが連結されて、L字状の溝を形成することにより、本体部4が取付リング21にスリーブ設けられて回転する過程で、係止柱42aがガイド溝25のガイド作用下で、係止溝24aにスムーズに進出し、第2係止溝242に係合するようにすることができる。
【0185】
また、
図21及び
図23に示すように、当該第4実施例では、圧力緩和部材5の配置方式は第1実施例に類似し、依然として本体部4の電極アセンブリ30から離れた一端に一体的に配置される。シールリング3の配置方式は異なるが、シールリング3は第1ホールセグメント111の第2ホールセグメント26に近い一端に配置されず、圧力緩和装置10b内に配置され、具体的には、係止柱42aと圧力緩和部材5との間に位置し、圧力緩和装置10bによってシールリング3を圧着して、シール効果を改善する。
【0186】
当該第4実施例の電池セル400の組み立て過程は以下の通りである。
【0187】
まず、取付部材2を取付溝15内に装着し、溶接する。次いで、貫通孔11を介して電解液を注入する。次に、シールリング3を圧力緩和部材5の下面に接着する。最後に、圧力緩和装置10bを取付部材2の外部にスリーブ設置し、スリーブ過程で、係止柱42aがガイド溝25を介して係止溝24aに進入し、係止柱42aが係止溝24aに到達した後、圧力緩和装置10bに下向きの作用力を加え、圧力緩和装置10bが第1位置に回転するまで圧力緩和装置10bを回転させ、係止柱42aが係止溝24a内を移動し、係止柱42aが第2係止溝242の位置に到達した後、圧力緩和装置10bを解放し、圧力緩和装置10bがシールリング3の弾性力作用下で上昇して、第2係止溝242の上壁に当接して、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの分離を制限し、これにより組立が完了される。
【0188】
当該電池セル400に対して二次液体注入する必要がある場合、圧力緩和装置10bを反対方向に回転させ、圧力緩和装置10bを第1位置から第2位置に回転させ、圧力緩和装置10b及びシールリング3を取り外し、液体を注入し、液体注入完了後、上述した組み立て工程を繰り返すことにより、電池セル400のメンテナンスが完了される。
【0189】
前述の紹介に基づいて分かるように、本出願の各実施例は、全て液体注入及び爆発防止の一体構造を有し、電池セル400を破損させない基礎上、圧力緩和装置10bの迅速な脱着を実現でき、液体注入、ガス排出、圧力緩和装置の交換などのメンテナンス操作を進行し、電池セル400のエネルギー密度を効果的に向上させ、電池セル400の使用寿命を延長し、電池セル400の作動信頼性を向上させることにより、電池セル400の性能を効果的に向上させる。
【0190】
前述の各実施例に基づくエンドカバーアセンブリ10の改良として、
図24を参照すると、本出願では、電池セル400に用いられるハウジングアセンブリ700をさらに提供し、当該ハウジングアセンブリ700はハウジング7、貫通孔11及び力緩和装置10bを含む。ここで、前記ハウジング7はエンドカバー10aと接続して電池セル400のケース70を形成し、貫通孔11及び第1係合部24が具備され、前記第1係合部24は前記貫通孔11の円周方向に沿って設けられ、電池セルの内部から離れたハウジング7の一方の側に位置され、
前記シールリング3は貫通孔11をシールするためのものであり、前記圧力緩和装置10bはシールリング3の少なくとも一部を覆い、貫通孔11を閉鎖し、ハウジング7の内圧が閾値に達すると、貫通孔11に対する閉鎖を解除するように構成される。
【0191】
ここで、圧力緩和装置10bは、回転可能であり、第2係合部42を含み、圧力緩和装置10bが第1位置に回転すると、第2係合部42は第1係合部24に係合され、圧力緩和装置10bとエンドカバー10aとの分離を制限し、圧力緩和装置10bが第2位置に回転すると、第2係合部42が第1係合部24から離脱されて、圧力緩和装置10bとハウジング7との分離を実現する。
【0192】
前記の配置に基づいて、貫通孔11、シールリング3及び圧力緩和装置10bは、いずれもエンドカバー10aに配置されず、エンドカバー10aに連結されたハウジング7上に配置される。ここで、圧力緩和装置10bは、前記エンドカバーアセンブリ10の部分で説明されたいずれかの実施例を選択することができる。
【0193】
ハウジング7は、エンドカバー10aのように電極端子10cやエンドカバー温度サンプリング構造など他の部材を配置する必要がないので、ハウジング7の空き面積が比較的大きく、貫通孔11、シールリング3及び圧力緩和装置10bの配置にさらに便利であり、また、貫通孔11が空き面積が比較的大きいハウジング7上に配置されると、貫通孔11及び圧力緩和装置10bの大きさを増加することに便利であり、液体注入効率、圧力緩和装置10bの構造強度、及び貫通孔11に対する圧力緩和装置10bの閉鎖信頼性をさらに向上させることに有利であり、一方で圧力緩和装置10bの脱着のための比較的大きな操作空間を提供することができ、脱着効率を向上させる。
【0194】
具体的には、
図24に示すように、貫通孔11は、ハウジング7のエンドカバー10aに隣接する壁面に配置され、電池セル400は、エンドカバー10aが上を向いている状態で、安定して装着することができる。例えば、貫通孔11は、ハウジング7の最大側面に隣接する壁面に配置され、複数の電池セル400が横または縦に設けられた形態で電池モジュール300を形成する場合、隣接する電池セル400の最大側面接触を維持することにより、電池モジュール300の構造をより安定的にし、体積を減少させることができる。
【0195】
本出願で提供されるハウジングアセンブリ700は、圧力緩和装置10bの繰り返し脱着を柔軟に実施することができ、電解液が不足したり、電解液の性能が低下したりした場合に、圧力緩和装置10bを便利に取り外し、二次液体注入を進行し、電池セル400内のガスを排出し、二次液体注入完了後、貫通孔11を安定的に閉鎖することもでき、二次液体注入後、電池セル400作業信頼性を確保することができ、電池セル400の外観を液体注入前と同じく保つことができる。
【0196】
本出願において、ハウジングアセンブリ700を含む場合、ケース70は、上述した各実施例のエンドカバーアセンブリ10を含まず、エンドカバー10aを含む。
【0197】
また、本出願は、電池セル400の液体注入方法をさらに提供し、
図25を参照すると、液体注入方法は、
電池セル400のケース70のハウジング7またはエンドカバー10a上の貫通孔11を介して電池セル400の内部に電解液を注入するステップS101と、
圧力緩和装置10bがシールリング3の少なくとも一部を覆い、圧力緩和装置10bの第2係合部42が、ケース70上の貫通孔11の円周方向に沿って配置され、の電池セル400の内部から離れたケース70一方の側に位置する第1係合部24から離脱するように、圧力緩和装置10bをハウジング7又はエンドカバー10a上の第2位置に配置するステップS102と、
第2係合部42が第1係合部24に係合され、圧力緩和装置10bとハウジング7又はエンドカバー10aとの分離を制限するように、圧力緩和装置10bを第2位置から第1位置に回転させるステップS103とを含む。
【0198】
レーザ溶接方式で液体注入孔を閉鎖する従来方式と比較すると、本出願は、液体注入孔の溶接シーリング工程を省略することができるだけでなく、溶接により発生する後続の溶接スラグの洗浄及び洗浄による残留液乾燥など、複数の工程を省略することもできる。したがって、本出願は、電池セルの製造効率を向上させる。本出願は、圧力緩和装置10bの回転を介して第2係合部42と第1係合部24との係合又は離脱を実現し、簡単かつ迅速であり、電池セル400の組み立て過程で、圧力緩和装置10bの組み立て効率を向上させることができ、したがって電池セルの生産効率をさらに向上させることができる。
【0199】
さらに、
図26に示すように、ステップS102の圧力緩和装置10bをハウジング7又はエンドカバー10a上の第2位置に配置する前に、液体注入方法は、シールリング3をケース70に取り付けるステップS102Aをさらに含む。
【0200】
当該実施例では、シールリング3を予めケース70に取り付け、圧力緩和装置10bを取り付けた後、直接にシールリング3を覆うことができ、またはシールリング3に対して押圧力を発生し、貫通孔11に対してより良いシール効果を奏することができる。例えば、
図1D~
図19に示す各実施例では、シールリング3を予めエンドカバー10aに取り付けてもよい。
図20~
図23に示す実施例では、シールリング3を予め圧力緩和部材5の下面に接合してもよい。
【0201】
続いて
図26を参照すると、いくつかの実施例において、液体注入方法は、
第2係合部42が第1係合部24から離脱するように、圧力緩和装置10bを第1位置から第2位置に回転させるステップS104と、
圧力緩和装置10bをハウジング7又はエンドカバー10aから分離するステップS105と、をさらに含む。
【0202】
圧力緩和装置10bをケース70から取り外すと、液体注入、ガス排出、または圧力緩和装置10bの交換などのメンテナンス操作が便利になる。例えば、ステップS105の後に、貫通孔11を経て電池セル400の内部に電解液を補充して、二次液体注入機能を実現するステップS106を進行することができる。
【0203】
メンテナンスが完了した後、ステップS101~S103を通じて圧力緩和装置10bの取り付けを完成することができ、貫通孔11を閉鎖することもでき、簡単で便利である。
【0204】
当該液体注入方法は、圧力緩和装置10bの繰り返し脱着を柔軟かつ便利に実現することができ、二次液体注入が完了した後、貫通孔11を安定的に閉鎖することもでき、二次液体注入後、電池セル400の作業信頼性を保証することができ、電池セルの外観を液体注入前と同じに保つことができる。二次液体注入時にメンテナンス時間を短縮することができ、電池セル400の性能が低下した場合、適時に液体を補充して電池セル400の作業性能を確保することができる。
【0205】
また、圧力緩和装置10bをハウジング7又はエンドカバー10aから分離するステップS105の後、まずシールリング3を取り外して、ケース70内の電解液を流出することに便利にすることにより、電解液がシールリング3に流出することを防止し、シールリング3を清潔に保ち、使用寿命を延長する。
【0206】
最後に、本出願は、電池セル400に液体を注入し、前述の液体注入方法を実現できる液体注入装置600をさらに提供する。
図27に示すように、いくつかの実施例において、液体注入装置600は、
ケース70上に設けられた貫通孔11を介し電解液をケース70内に注入するように構成される液体注入機構601、及び
圧力緩和装置10bが第2位置に位置すると、圧力緩和装置10bを第2位置から第1位置に回転させて、圧力緩和装置10bの第2係合部42とケース70上の第1係合部24とが離脱状態から係合状態に変更されて、圧力緩和装置10bとケース70のハウジング7又はエンドカバー10aとの分離を制限する第1脱着機構602と、を含む。
【0207】
レーザ溶接方式で液体注入孔を閉鎖する従来方式と比較すると、本出願は、液体注入孔の溶接シーリング工程を省略することができるだけでなく、溶接により発生する溶接スラグのその後の洗浄及び洗浄による残留液体の乾燥など、複数の工程を省略することもできる。液体注入装置600は、電池セル400を簡単かつ高効率に製造することができ、電池セル400の製造効率を向上させることができる。
【0208】
続いて
図27を参照すると、いくつかの実施例において、第1脱着機構602はまた、第2係合部42が第1係合部24から離脱して、圧力緩和装置10bをケース70から容易に取り外すために、圧力緩和装置10bを第1位置から第2位置に回転させるように配置される。
【0209】
また、
図27を参照すると、いくつかの実施例において、液体注入装置600は第2脱着機構603をさらに含み、第2脱着機構603は、シールリング3をケース70に取り付けるか、シールリング3をケース70から取り外すように配置され、例えば、圧力緩和装置10bをケース70から取り外した後、シールリング3をケース70から取り外すように配置される。これに基づいて、電池セルの組み立てや二次液体注入などの電池セルのメンテナンス過程でシールリング3の脱着を便利に実現でき、脱着効率を向上させ、シールリング3への汚染を低減し、シールリング3の使用寿命を向上させる。
【0210】
本出願で提供する液体注入装置600は、電池セルの製造組み立て及び二次液体注入など、電池セルメンテナンス過程における圧力緩和装置10bの脱着を柔軟かつ便利に補助して実現することができ、操作が簡単で、電池セル400の組み立て効率を向上させることに有利であり、電池セル400に必要なメンテナンス時間を短縮し、電池セル400の性能が低下する場合、適時に液体を補充して、電池セル400の作業性能を保証することができる。
【0211】
本出願の前述の各保護主題及び各実施例の特徴は互いに参考にすることができ、構造が許容する状況では、当業者は異なる実施例の技術的特性を柔軟に組み合わせてより多くの実施例を形成することができる。
【0212】
以上、本出願で提供する電池セルのエンドカバーアセンブリ、電池セル及び電池セルを用いた装置について詳細に紹介した。本明細書では、具体的な実施例を適用して本出願の原理及び実施形態について説明したが、以上の実施例の説明は、本出願の方法及び重要な思想を理解するのを助けるためにのみ使用される。当業者にとって、本出願の原理から逸脱しない前提の下、本出願に対して若干の改良及び修正を行うことができ、これらの改良及び修正はいずれも本出願の保護範囲内に入ると指摘すべきである。