(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ウェアラブル電子機器用のヘッドバンド
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
H04R1/10 103
H04R1/10 101B
(21)【出願番号】P 2022570345
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 GB2021050606
(87)【国際公開番号】W WO2021234338
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】ベン ローソン
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン ダグラス ブライアン デューディ
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ブライアン マクナミー
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/209774(WO,A1)
【文献】特開2016-123085(JP,A)
【文献】特開平04-309095(JP,A)
【文献】特開平08-294191(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0264984(US,A1)
【文献】特開2008-131439(JP,A)
【文献】国際公開第2019/163109(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/021233(WO,A1)
【文献】特表2021-531094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル電子機器用のヘッドバンドであって,該ヘッドバンドが,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置された中央部と,を備え,前記第1端部が,前記ヘッドバンドを長さ調整するための延長機構によって前記中央部に接続され,前記第1端部が,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備え
,
前記バッテリ区画が,複数のバッテリを収容し,かつ,その際に該複数のバッテリが互いに隣接して配置され,かつ,隣接するバッテリの端面が互いに少なくとも部分的に対面する構成とされ,前記複数のバッテリは,隣接するバッテリの縦軸の間に傾斜角が画定されるように配置される,ヘッドバンド。
【請求項2】
ウェアラブル電子機器用のヘッドバンドであって,該ヘッドバンドが,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置された中央部と,を備え,前記第1端部が,前記ヘッドバンドを長さ調整するための延長機構によって前記中央部に接続され,前記第1端部が,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備え
,
前記第1端部及び前記中央部の一方が雄型コネクタを備えると共に,前記第1端部及び前記中央部の他方が前記雄型コネクタを受け入れるための雌型コネクタを備え,前記雄型コネクタ及び雌型コネクタが,前記第1端部及び前記中央部を相対運動可能とすると共に,複数の相対位置で前記第1端部及び前記中央部を保持する,ヘッドバンド。
【請求項3】
ウェアラブル電子機器用のヘッドバンドであって,該ヘッドバンドが,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置された中央部と,を備え,前記第1端部が,前記ヘッドバンドを長さ調整するための延長機構によって前記中央部に接続され,前記第1端部が,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備え
,
前記第2端部が,更なるバッテリを収容するための更なるバッテリ区画を備え,
前記更なるバッテリ区画が,複数の更なるバッテリを収容し,かつ,その際に該複数の更なるバッテリが互いに隣接して配置され,かつ,隣接する前記更なるバッテリの端面が互いに少なくとも部分的に対向する構成とされ,前記複数の更なるバッテリは,隣接するバッテリの端面間に傾斜角を画定するように配置される,ヘッドバンド。
【請求項4】
請求項
3に記載のヘッドバンドにおいて,前記バッテリ区画及び前記更なるバッテリ区画が,同数のバッテリを収容する,ヘッドバンド。
【請求項5】
請求項
3又は請求項4に記載のヘッドバンドであって,
前記第2端部が,前記ヘッドバンドを長さ調節するための更なる延長機構によって前記中央部に接続される,ヘッドバンド。
【請求項6】
請求項
5に記載のヘッドバンドであって,前記延長機構及び前記更なる延長機構が,同種の延長機構である,ヘッドバンド。
【請求項7】
請求項1~
6の何れか一項に記載のヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器。
【請求項8】
請求項
7に記載のウェアラブル電子機器であって,前記ヘッドバンドの前記第1端部は,電子部品が配置されるハウジングに接続され,該電子部品は,使用時に,前記バッテリ区画内に収容されるバッテリによって電力供給される,ウェアラブル電子機器。
【請求項9】
請求項
8に記載のウェアラブル電子機器であって
,前記電子部品は,スピーカ及び気流を
発生させるため
の気流
発生器のうちの1つ又は複数を備える,ウェアラブル電子機器。
【請求項10】
請求項
7~
9の何れか一項に記載のウェアラブル電子機器であって,前記ヘッドバンドの前記第
2端部は,更なる電子部品が配置される更なるハウジングに接続される,ウェアラブル電子機器。
【請求項11】
請求項
10に記載のウェアラブル電子機器であって,前記更なる電子
部品は,使用時に,前記バッテリ区画内に収容されたバッテリにより電力供給される,ウェアラブル電子機器。
【請求項12】
請求項
10に記載のウェアラブル電子機器であって,前記更なる電子
部品は,使用時に,前記更なるバッテリ区画内に収容された更なるバッテリにより電力供給される,ウェアラブル電子機器。
【請求項13】
請求項
10に記載のウェアラブル電子機器であって,前記電子部品及び前記更なる電子部品の何れも,使用時に,前記バッテリ区画内に収容されたバッテリと,前記更なるバッテリ区画内に収容された更なるバッテリとにより電力供給される,ウェアラブル電子機器。
【請求項14】
請求項
10~
13の何れか一項に記載のウェアラブル電子機器であって,前記更なる電子
部品は,スピーカ
及び気流を発生させるための気流発生器の1つ又は複数を備える,ウェアラブル電子機器。
【請求項15】
請求項
9又は請求項14に記載のウェアラブル電子機器であって,使用時に前記気流発生器から,ウェアラブル電子機器の着用者
に気流を供給するためのノズルを備える,ウェアラブル電子機器。
【請求項16】
ヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器であって,前記ヘッドバンドが,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置された中央部と,を備え,前記第1端部が,前記ヘッドバンドを長さ調整するための延長機構によって前記中央部に接続され,前記第1端部が,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備え,
前記ウェアラブル電子機器は,気流発生器を備えた電子部品と,使用時に前記気流発生器から,ウェアラブル電子機器の着用者に気流を供給するためのノズルとを備える,ウェアラブル電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は,ウェアラブル電子機器用のヘッドバンドと,そのようなヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブル電子機器,例えばヘッドフォンは,通常,電子機器を着用者の頭部に対して適切に配置するためのヘッドギアを備えている。このようなヘッドギアは,使用時に着用者の頭部の少なくとも一部を覆うヘッドバンド形態とすることができる。ウェアラブル電子機器については,着用者が快適に使用できるように支持することが望まれている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1態様によれば,ウェアラブル電子機器用のヘッドバンドが提供される。このヘッドバンドは,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置される中央部とを備える。第1端部は,ヘッドバンドを長さ調節するための延長機構によって中央部に接続されると共に,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備える。
【0004】
本発明の第1態様によるヘッドバンドは,主として,第1端部がヘッドバンドを長さ調節するための延長機構によって中央部に接続されると共に,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備える点において有効な場合がある。
【0005】
特に,第1端部が,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備え,使用時のウェアラブル電子機器に電力供給するためのバッテリの位置に基づいて,バッテリ重量がヘッドバンドの第1端部に配置され,これにより,例えばバッテリが使用中に着用者の頭部に載せられているヘッドバンドの中央部に直接配置される配置と比較して,着用者の快適性を向上させることができる。バッテリが中央部ではなく,第1端部に配置されるので,バッテリが中央部内に配置される構成と比較して,より多量のパッドを中央部に配置することができ,着用者の快適性を向上させることができる。
【0006】
さらに,第1端部を延長機構により中央部に接続することに基づき,ヘッドバンドには,使用中における着用者の快適性を高めるために調整可能とする調整機能を設けることができる。この場合,本発明の第1態様によるヘッドバンドは,従来のヘッドバンドと比較して,着用者の快適性を向上させることができる。
【0007】
バッテリをヘッドバンドの中央部ではなく,ヘッドバンドの端部に配置するため,バッテリを,ヘッドバンドで支持される電子機器に確実に接近させ,バッテリから電子機器までに必要とされる配線長を短縮することができ,したがって,電力損失を低減することができる。
【0008】
中央部は,使用時に着用者の頭頂部に重なる構成とすることができ,例えば,使用時に着用者の頭頂部に接触する構成とすることができる。第1端部及び/又は第2端部は,使用時に使用者の頭側部に少なくとも部分的に重なる構成とすることができ,例えば,着用者の頭側部に接触する構成とすることができる。中央部と第1及び第2端部のいずれか,又はこれらの任意の組み合わせは,使用時に着用者の頭部の関連部分に接触するパッドを含むことができる。そのようなパッドは,着用者の快適性を向上させることができる。
【0009】
中央部は,使用時に着用者の頭部に接触する構成とすることができ,他方,第1及び第2端部は,使用時に着用者の頭部から離間する構成とすることができる。これにより,ヘッドバンドが中央部において適切に支持されると共に第1端部,したがって,バッテリ区画と,関連するバッテリ及びその重量は,着用者の頭部には直接接触しない構成とすることができる。さらに,バッテリ区画と着用者の頭部との間隔は,バッテリ区画が着用者の頭部に接触する配置と比較して,熱分布を改善し,着用者の快適性を高めることができる。第1及び第2端部を着用者の頭部から離間させることにより,第1及び第2端部に必要とされるパッドの量も減少し,製造コストを節減することができる。
【0010】
ヘッドバンドは,ウェアラブル電子機器における電子部品ハウジングに接続するための1つ又は複数のコネクタを備えることができる。第1端部,例えばバッテリ区画は,ウェアラブル電子機器における電子部品のハウジングに接続するためのコネクタを備えることができる。コネクタは,使用時にウェアラブル電子機器における電子部品ハウジングをヘッドバンドによって支持可能とする機械的接続を提供すると共に,バッテリ区画内に収容されたバッテリからウェアラブル電子機器に対して電力を供給するための電気接続を達成することができる。コネクタは,ヘッドバンドとウェアラブル電子機器における電子部品ハウジングとのを相対運動可能とし,これにより,静的な接続に対して着用者の柔軟性及び快適性を向上させることができる。コネクタは,例えば,使用中のウェアラブル電子機器における電子部品ハウジングからヘッドバンドを取り外し可能とする解放可能なコネクタで構成することができる。
【0011】
バッテリ区画は,着脱可能なバッテリを収容する構成とすることができ,例えば,着脱可能なバッテリを挿入及び/又は取り外し可能とする開放可能なハウジングを備えることができる。バッテリ区画は,再充電可能なバッテリを収容する構成とすることができ,例えば,通常の使用時には着用者がアクセスできない構成とされたハウジングを備えることができる。バッテリ区画は,バッテリ区画内に配置される充電式バッテリを再充電するための充電ポートを備えることができる。あるいは,電子部品ハウジングには,充電ポートとバッテリ区画との間に延在する電気接続充電口を設けることができる。
【0012】
バッテリ区画は,複数のバッテリを受け入れることができ,その際に複数のバッテリが互いに隣接して配置され,隣接するバッテリの端面が互いに少なくとも部分的に対向する配置とすることができる。複数のバッテリは,隣接するバッテリの中心軸線,例えば長手方向の中心軸線の間で傾斜角が画定されるように配置することができる。これにより,エネルギ貯蔵容量を増加させることができると共に,バッテリ区画を着用者の頭部輪郭に適合するように成形することが可能になる。その結果,例えば直線状のバッテリ区画と比較して,快適性を向上させることができる。
【0013】
バッテリは,典型的には,平坦で互いに平行な対向端面を含む円筒形又は角柱形である。隣接するバッテリの端面が少なくとも部分的に互いに対向し,その間に傾斜角が画定される構成としたバッテリ区画を有するため,着用者の頭部の曲面近似することができる。バッテリ区画は,複数のバッテリが,隣接するバッテリの中心軸線間に鈍角,例えば130~170°又は150~170°の角度が画定されるように収容される構成とすることができる。
【0014】
第1端部及び中央部の一方は雄型コネクタを備え,中央部及び第1端部の他方は雄型コネクタを受け入れるための雌型コネクタを備えることができる。その場合に雄型コネクタ及び雌型コネクタは,第1端部と中央部との間の相対運動を可能にすると共に,第1端部及び中央部を複数の相対位置に保持する構成とすることができる。これは,ヘッドバンドの長さを増加させ,ヘッドバンドを所望の長さで保持可能として,着用者の快適性を向上さるために有利な場合がある。また,比較的安価で製造が簡単な機構を提供することができる。
第1端部と中央部との間の相対運動は,並進運動を含むことができ,例えば直線運動又は曲線運動を含むことができる。
【0015】
第1端部及び中央部の一方は雄型伸縮コネクタを備え,中央部及び第1端部の他方は雄伸縮コネクタを受け入れる雌型伸縮コネクタを備えることができる。これにより,第1端部と中央部との間の伸縮運動が可能になり得る。中央部は雄型伸縮コネクタを備え,第1端部は雌型伸縮コネクタを備えることができる。
【0016】
延長機構は保持機構を備え,第1端部及び中央部の少なくとも1つが,これらを互いに異なる距離で保持するように係合可能な歯を備える構成とすることができる。
【0017】
延長機構は,第1端部及び中央部を,離散的な複数の相対位置で,又は連続的な相対距離範囲で保持する構成とすることができる。連続的な距離範囲は,着用者に対してより多くの柔軟性を提供し,場合によっては快適性を向上させるものであるが,そのような延長機構はより複雑であり,製造コストを増加させる場合がある。第1端部及び中央部を離散的な複数の相対位置に保持するための延長機構は,より簡単かつ安価に製造することができるが,着用者にとって選択肢が制限される場合がある。
【0018】
第2端部は,更なるバッテリを収容するための更なるバッテリ区画を備えることができる。これにより,ヘッドバンドのバッテリ貯蔵容量が増加し,使用時にヘッドバンドに接続されたウェアラブル電子機器に供給されるエネルギレベルが増加し,一方,第1及び第2端部の何れもバッテリ区画が設けられているためにバランスの取れた重量配分も提供される。例えば,第1及び第2端部は,ヘッドバンドの両端で構成することができる。使用時に,第1及び第2端部は,実質的に使用時に着用者の頭部の両側に位置させることができる。
【0019】
更なるバッテリ区画は,複数の更なるバッテリを収容し,その際に複数の更なるバッテリが互いに隣接して配置され,隣接する更なるバッテリの端面が少なくとも部分的に対向し,複数の更なるバッテリが,隣接するバッテリの端面間に傾斜角を画定する配置とすることができる。これにより,エネルギ貯蔵容量を増加させることができると共に,更なるバッテリ区画を着用者の耳の輪郭に適合するように成形することが可能になる。その結果,例えば直線状のバッテリ区画と比較して,快適性を向上させることができる。
【0020】
バッテリ区画及び更なるバッテリ区画は,同数のバッテリを収容する構成とすることができる。これは,バッテリの重量を第1及び第2端部において均等に配分可能とし,したがって,着用者が着用したときにヘッドバンド全体の重量配分を改善し,それによって快適性を向上させる点で有効であり得る。
【0021】
第2端部は,ヘッドバンドを長さ調節するための更なる延長機構により中央部に接続することができる。これにより,ヘッドバンドの長さに対して更なる柔軟性が与えられ,使用時にヘッドバンドの着用者の快適性を向上させることができる。
【0022】
延長機構及び更なる延長機構は,同種の延長機構を備えることができる。この場合,2種類の延長機構が使用される構成と比較して製造が容易になり,同一の構成要素が使用可能となり,製造のコスト及び時間が節約される。
【0023】
本発明の第2態様によれば,本発明の第1態様によるヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器が提供される。
【0024】
ヘッドバンドの第1端部は,内部に電子部品が配置されるハウジングに接続することができ,その電子部品は,使用時にバッテリ区画内に収容されるバッテリにより電力供給される構成とすることができる。
【0025】
第1端部及びハウジングは,バッテリ区画内に収容されたバッテリとハウジング内に収容された電子部品との間の機械的接続及び電気的接続を達成する協働コネクタを含むことができる。協働コネクタは,第1端部とハウジングとの間で相対運動,例えば相対回転運動を生じさせる構成とすることができ,これにより,静的な接続と比較して,優れた柔軟性及び快適性を着用者に提供することができる。協働コネクタは,解放可能なコネクタを備えることができ,これにより,例えばヘッドバンドをハウジングから取り外すことができる。
【0026】
電子部品は,スピーカと,空気流を発生させるための気流発生器のうちの1つ又は複数を備えることができる。例えば,ウェアラブル電子機器は,ヘッドフォン,ヘッドウェアラブルエアクリーナ,及びスピーカを組み込んだヘッドウェアラブルエアクリーナのうちの何れかを含むことができる。
【0027】
ヘッドバンドの第2端部は,更なる電子部品が配置される更なるハウジングに接続することができる。
【0028】
更なる電子部品は,使用時にバッテリ区画内に収容されたバッテリにより電力供給される構成とすることができる。これは,電子部品と更なる電子部品の両者に対して電力供給するために1つのバッテリ区画が必要となる場合がある点で有効な措置である。
【0029】
電子部品及び更なる電子部品は,何れも使用時にバッテリ区画内に収容されたバッテリと,更なるバッテリ区画内に収容された更なるバッテリにより電力供給される構成とすることができる。電子部品及び更なる電子部品は,使用時に,バッテリ区画内及び更なるバッテリ区画に収納された全てのバッテリにより給電される構成とすることができる。これにより,電子部品及び更なる電子部品の何れか又は両者に対する電力レベルを増加させることができる。
【0030】
更なる電子部品は,使用時に更なるバッテリ区画内に収容された更なるバッテリにより電力供給される構成とすることができる。電子部品及び更なる電子部品に対して異なる電源,すなわち,異なるバッテリ区画に配置される異なるバッテリから電力供給すれば,電子部品及び更なる電子部品の両者に対して単一の電源から電力供給する構成と比較して,機能性を向上させることができる。これにより,例えば,電子部品及び更なる電子部品の一方に対する電力供給が遮断された場合でも,電子部品及び更なる電子部品の他方に対する電力供給が確保されるという冗長性を提供することができる。
【0031】
更なる電子部品は,スピーカと,空気流を発生させるための気流発生器のうちの1つ又は複数を備えることができる。
【0032】
ウェアラブル電子機器は,その使用時にウェアラブル電子機器の着用者に対して気流発生器からの気流を送風するためのノズルを備えることができる。
【0033】
本発明の第3態様によれば,本発明の第1態様によるヘッドバンドを備えるウェアラブルエアクリーナが提供される。
【0034】
本発明の第4態様によれば,ヘッドバンドを備えるウェアラブルエアクリーナが提供され,当該ヘッドバンドは,第1端部と,第2端部と,第1端部及び第2端部の間に配置される中央部とを備え,第1端部は,ヘッドバンドを長さ調節するための延長機構により中央部に接続され,第1端部は,バッテリを収容するためのバッテリ区画を備える。前記エアクリーナは,ヘッドバンドにより支持されるエアクリーナアセンブリを更に備え,使用時にバッテリ区画内に収容されたバッテリにより電力供給され,濾過された空気流を生成する。当該エアクリーナは,濾過された空気流をエアクリーナアセンブリから受け取るための空気入口と,濾過された空気流をノズルから放出するための空気出口と,を備える。
【0035】
本発明の態様の特徴は,適切な場合には,本発明の他の態様にも等しく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
以下,添付図面を参照して本発明の実施形態を,単なる例示として説明する。
【0037】
【
図1】本発明の第1の態様によるヘッドバンドの線図的な正面図である。
【
図2】
図1のヘッドバンドの線図的な断面図である。
【
図3】
図2のヘッドバンドにおける第1端部の拡大図である。
【
図4】
図3のヘッドバンドにおける第2端部の拡大図である。
【
図5】
図1のヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器の第1実施形態を示す断面図である。
【
図6】
図1のヘッドバンドを備えるウェアラブル電子機器の第2実施形態を示す概略図である。
【
図7】
図6のウェアラブル電子デバイスをノズルアセンブリの取り外し状態で示す線図的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1及び2は,ウェアラブル電子機器100, 200用の参照数字10で表されるヘッドバンドを示している。
【0039】
ヘッドバンド10は,第1端部12と,第2端部14と,中央部16を備える。第1端部12及び第2端部14は,後述するように,それぞれ第1及び第2アーム54, 56を介して中央部16に接続される。
【0040】
第1端部12は,ハウジング18と,第1電子部品ハウジング102に接続するためのスイベルコネクタ20とを有する。ハウジング18は中空であり,第1バッテリ24及び第2バッテリ26を収容する内部チャンバ22を有する。すなわち,ハウジング18は,第1バッテリ区画として機能するものであり,「第1バッテリ区画」とも称される。図示のとおり,ハウジング18は上部及び下部のハウジング部分を有しているが,異なる数のハウジング部分を有する他の変形例も当業者が容易に想定可能である。
【0041】
ハウジング18は,ヘッドバンド10と同じ一般的な曲率で湾曲しており,着用者の頭部30における第1側部27の曲率と同様の曲率に従うように成形されている。第1バッテリ24及び第2バッテリ26は,ハウジング18内で端面を突き合わせて配置され,第1バッテリ24及び第2バッテリ26の端面が互いに隣接し,かつ少なくとも部分的に互いに対向し,第1バッテリ24及び第2バッテリ26の中心軸線間に傾斜角が確定されるように配置される。このような非線形配置での複数のバッテリ24, 26を使用すれば,湾曲したハウジング18内で利用可能なスペースの使用を最適化し,したがって,ハウジング18により提供されるエネルギ貯蔵容量を最大化することができる。本実施形態では,
図3にaで示される角度は130-170°の鈍角である。このような鈍角は,一般的に,着用者の頭部曲率と一致する。
【0042】
第1バッテリ24及び第2バッテリ26は,ハウジング18から取り外し可能とし,又は通常の使用中にハウジング18内に保持される構成とすることができる。第1バッテリ24及び第2バッテリ26が交換可能である場合,ハウジング18は,例えば,内部にアクセス可能とするための解放可能なドア又はカバーを備えることができ,したがって,2パーツ型のハウジングを備えることができる。第1バッテリ24及び第2バッテリ26が再充電可能であり,通常使用の間にハウジング18内に保持される場合,ハウジング18又は実際にはウェアラブル電子機器100,200における他の部品,例えば電子部品ハウジングは,第1バッテリ24及び第2バッテリ26を再充電可能とするための少なくとも1つの充電ポートを備えることができる。充電ポートがハウジング18から離れて配置される場合には,適切な電気接続手段,例えば配線を,充電ポートとハウジング18との間に延在させることができる。
【0043】
第1端部12は,
図3の拡大断面図に示されている。図示のとおり,ハウジング18は,中央部16の第1アーム54を受け入れるためのチャネル28を画定する。チャネル28は,平滑な壁30と,歯付きの壁32とを有する。この場合,歯付き壁32は,内部チャンバ22を少なくとも部分的に画定する。歯付き壁32は,使用時に中央部16の第1アーム54と係合して,中央部16を第1端部12に対して様々な位置に保持する。このような方法でヘッドバンド10の長さを,第1アーム54がチャネル28に対する進退移動により調整することができ,したがって,これはヘッドバンド10を長さ調整するための延長機構と考えることができる。第1アーム54と歯付き壁32との間の係合は,使用者が力を加えることなく,第1端部12と中央部16の相対位置を保持可能とするのに十分である。そのために,歯付き壁32の歯,歯付き壁32と平滑な壁30との間隔,又はアーム54自体は,必要な保持力を提供するのに十分な弾性を有することができる。
【0044】
スイベルコネクタ20は,相対的な回転運動を可能にする従来のスイベルコネクタであり,第1電子部品ハウジング102,202のスイベルピン108, 208(
図5及び
図7を参照)を受け入れるための凹部又はソケットを備えることにより,使用時に当該凹部内でスイベルピン108, 208を回転可能とするものである。
【0045】
第2端部14は,第1端部12に対してヘッドバンド10の反対側の端に位置する。第2端部14は,第1端部12と同じ形状を有し,同じ部品を使用するものである。ヘッドバンド10は,中央部16の中心線を通って延在する中心軸線に関して対称とすることができる。
【0046】
第2端部14は,ハウジング34と,第2電子部品ハウジング104, 204に接続するためのスイベルコネクタ36とを有する。ハウジング34は中空であり,第3バッテリ40及び第4バッテリ42を収容するための内部チャンバ38を有する。したがって,ハウジング34は,第2バッテリ区画として機能し,「第2バッテリ区画」とも称される。
【0047】
ハウジング34は,着用者の頭部30における第2側部43の曲率に従うように成形される。第3バッテリ40及び第4バッテリ42は,ハウジング34内で端面を突き合わせて配置され,第3バッテリ40及び第4バッテリ42の端面が互いに隣接し,少なくとも部分的に互いに対向し,第3バッテリ40及び第4バッテリ42の長手方向中心軸線の間に所定の傾斜角が画定されるように配置される。このような非線形配置で複数のバッテリ40, 42を使用すすれば,湾曲したハウジング34内で利用可能なスペースの使用を最適化し,したがって,ハウジング34により提供されるエネルギ貯蔵容量を最大化することができる。本実施形態では,
図4にaで示される角度は,130-170°の鈍角である。このような鈍角は,一般に,着用者の頭部曲率と一致する。
【0048】
第3バッテリ40及び第4バッテリ42は,ハウジング34から取り外し可能とし,又は通常の使用中にハウジング34内に保持される構成とすることができる。第3バッテリ40及び第4バッテリ42が交換可能である,ハウジング34は,内部チャンバ38にアクセス可能とするための解放可能なドア又はカバーを備えることができる。第3バッテリ40及び第4バッテリ42が充電可能であり,通常使用の間にハウジング内に保持される場合,ハウジング34又は実際にはウェアラブル電子機器100の他の部品,例えば電子部品ハウジングは,第3バッテリ40及び第4バッテリ42を再充電可能とするための充電ポートを備えることができる。充電ポートがハウジング34から離れて配置される場合には,適切な電気接続手段,例えば配線を,充電ポートとハウジング34との間に延在させることができる。いくつかの例では,例えば,第1端部12のハウジング18と第2端部14のハウジング34の両者ないでバッテリを充電するために単一の充電ポートが設けられる。この場合には,例えば,第1端部12と第2端部14との間で適切な配線を,ヘッドバンド10を通って延在させることができる。
【0049】
第2端部14のハウジング34は,
図4の拡大断面図に示されている。図示のとおり,ハウジング34は,中央部16の第2アーム56を受け入れるためのチャネル44を画定する。チャネル44は,平滑な壁46と,歯付きの壁48とを有する。歯付き壁48は,使用時に中央部16の第2アーム56と係合して,中央部16を第2端部14に対して様々な位置に保持する。このような方法でヘッドバンド10の長さを,第2アーム56がチャネル44に出入りするいどうにより調整することができ,したがって,これはヘッドバンド10を長さ調整するための延長機構と考えることができる。第2アーム56と歯付き壁48との間の係合は,使用者が力を加えることなく,第2端部14と中央部16の相対位置を保持可能とするのに十分である。
【0050】
スイベルコネクタ36は,相対的な回転運動を可能にする従来のスイベルコネクタであり,第2電子部品ハウジング104,204のスイベルピン110, 210を受容するための凹部又はソケットを備えることにより,使用時に当該凹部内でスイベルピン110, 210を回転可能とするものである。
【0051】
中央部16は,キャリア50及び接触部分52を有する。キャリア50は伸長した弓形形状である。第1アーム54及び第2アーム56は,キャリア50の両端から外向きに延在する。第1アーム54及び第2アーム56は,
図2に例示するようにキャリア50と一体的に形成されるが,他の構成も可能である。キャリア50は,使用者の頭部30における頭頂部58の曲率に適合するように湾曲している。第1アーム54及び第2アーム56は,一般に平坦な弓形形状であり,キャリア50よりも薄肉である。これにより,第1アーム54及び第2アーム56は,キャリア50と比較して比較的柔軟となり,ヘッドバンド10の柔軟性を高めることができる。接触部分52は,変形可能な材料で形成され,使用時に着用者の頭部30における頂部58と係合したときに快適性を提供する。接触部分52は,着用者の快適性を高めるために,キャリア50よりも比較的柔らかい材料で形成される。
【0052】
上述したように,第1アーム54及び第2アーム56は,第1端部12及び第2端部14と相互作用して,例えば歯付き壁32, 48における1つ又は複数の歯との係合により,ヘッドバンド10の長さを使用者が選択的に増減するための伸長機構を提供する。第1アーム54及び第2アーム56,又は第1端部12及び第2端部14は,アーム54, 56がそれぞれのチャネル28, 44から完全に離脱するのを防止するためのストッパ機構を備えることができる。
【0053】
第1~第4バッテリ24, 26, 40, 42を第1端部12及び第2端部14に配置することにより,バッテリの重量は,バッテリを中央部16に配置する場合と比較して,装着者の頭部30における頂部58から取り除くことができる。ヘッドバンド10の端部におけるバッテリは,バランスの取れた重量分布を提供することができ,その結果,着用者の快適性を一層高めることができる。バッテリ24, 26, 40, 42が,中央部16ではなく,第1端部12及び第2端部 14に配置されるので,中央部16には,バッテリ24, 26, 40, 42を中央部16内に配置する場合と比較してより多量のパッドを設けることができ,これにより着用者の快適性を向上させることができる。
【0054】
バッテリ24, 26, 40, 42を,中央部16ではなく,第1端部12及び第2端部 14に配置すれば,,バッテリ24, 26, 40, 42をヘッドバンドにより支持される電子機器に対して一層近接させることができる。これにより,バッテリ24, 26, 40, 42から電子機器までに必要とされる配線の長さを短縮することができ,したがって電力損失を低減することができる。
【0055】
さらに,バッテリ区画と着用者の頭部とを隔てれば,バッテリ区画が着用者の頭部に接触する配置と比較して,熱分布が改善され,着用者の快適性を高めることができる。また,第1端部12及び第2端部14を着用者の頭部から隔てれば,第1端部12及び第2端部14に必要とされるパッドの量を減少させることができ,これにより製造コストを削減することができる。
【0056】
ヘッドバンド10を組み込んだウェアラブル電子機器100の第1実施形態を,
図5に断面で線図的に示す。ここで,ウェアラブル電子機器100はヘッドフォンの形態であり,したがって,本明細書では「ヘッドフォン」とも称される。ヘッドフォン100は,ヘッドバンド10の第1端部12に接続された第1電子部品ハウジング102と,ヘッドバンド10の第2端部14に接続された第2電子部品ハウジング104とを有する。図示の実施形態では,第1電子部品ハウジング102及び第2電子部品ハウジング104は,いわゆる「オーバーザイヤー」型のヘッドフォンにおいて典型的に使用されるようなイヤーカップであり,これは一般に中空半球形状である。
【0057】
各電子部品ハウジング102, 104には,スピーカアセンブリ105が収められている。そのようなスピーカアセンブリ105は,当業者にとって既知であるため,簡潔性の見地からここでは特に記述しない。とは言え,各スピーカアセンブリ105は,音声データソースから音声データを受信し,音声データを変換してヘッドフォン100の着用者に配信するものである。各電子部品ハウジング102, 104は,ヘッドフォン100の着用者の耳108を包囲するように配置される環状パッド106を備える。使用中,第1電子部品ハウジング102及び第2電子部品ハウジング104内に収容されたスピーカアセンブリ105は,第1~第4バッテリ24, 26, 40, 42の全てから電力が供給されるように構成される。電力供給用の配線(図示せず)は,第1バッテリ24及び第2バッテリ26を第3バッテリ40及び第4バッテリ42に接続するために,第1端部12と第2端部14との間でヘッドバンド10を通って(例えば,キャリア50及びアーム54, 56を通って)延在する。このような構成は,スピーカアセンブリ105間の配電の柔軟性を高めるものである。他の実施形態において,第1電子部品ハウジング102及び第2電子部品ハウジング104内に収容されたスピーカアセンブリ105は,ヘッドバンドにおける第1部分12及び第2部分14のそれぞれに配置されたバッテリにより電力供給される。例えば,第1電子部品ハウジング102内に収められたスピーカアセンブリ105は,ヘッドバンド10の第1端部12における第1バッテリ24及び第2バッテリ26により電力供給され,第2電子部品ハウジング104内に収められたスピーカアセンブリ105は,ヘッドバンド10における第2端部14内の第3バッテリ40及び第4バッテリ42により電力供給される。
【0058】
第1電子部品ハウジング102を,スイベルコネクタ20の凹部内に収容されたスイベルピン108を介してヘッドバンド10の第1端部12に回転可能に接続して,第1電子部品ハウジング102をヘッドバンド10に対して回転可能とする。ここで,スイベルピン108は,スイベルピン108を回転可能としながら凹部内に保持する拡大ヘッドが設けられた略T字形の断面を有するものとして示されている。しかし,第1電子部品ハウジング102と第1端部12とを相対運動可能とする他の形態の接続も想定される。第1電子部品ハウジング102内に収容されたスピーカアセンブリ105に第1バッテリ24及び第2バッテリ26を電気的に接続するために,スイベルピン108は中空であり,そこを電力供給ワイヤが貫通する。
【0059】
同様に,第2電子部品ハウジング104は,スイベルコネクタ36の凹部内に収容されたスイベルピン110を介して,ヘッドバンド10の第2端部14に回転可能に接続される。ここで,スイベルピン110は,スイベルピン110を回転可能としながら凹部内に保持する拡大ヘッドが設けられた略T字形の断面を有するものとして示されている。しかしながら,第2電子部品ハウジング104と第2端部14とを相対運動可能とする他の形態の接続も想定される。第3バッテリ40及び第4バッテリ42を,第2電子部品ハウジング104内に収容されたスピーカアセンブリ105に電気的に接続するために,スイベルピン110は中空であり,そこを電力供給ワイヤが貫通する。
【0060】
スピーカアセンブリ105は,音声データソースからの音声データを,例えばBluetooth(登録商標)接続などを介して無線で受信するワイヤレススピーカアセンブリで構成することができる。あるいは,スピーカアセンブリ105は,音声データソースからの音声データを,有線接続を介して受信する有線スピーカアセンブリで構成することもできる。有線スピーカアセンブリ105は,電子部品ハウジング102, 104の少なくとも一方に形成された入力コネクタを必要とし,そのような入力コネクタは当業者間で既知である。
【0061】
ヘッドバンド10を組み込んだウェアラブル電子機器200の第2実施形態を,
図6及び
図7に線図的に示す。ここで,ウェアラブル電子機器200は,スピーカアセンブリに加えて空気浄化のための構成要素を含み,したがって本明細書では「ウェアラブルエアクリーナ」とも称される。
【0062】
図5に示したヘッドフォン100と同様に,
図6及び
図7のウェアラブルエアクリーナ200は,ヘッドバンド10の第1端部12に接続された第1電子部品ハウジング202と,ヘッドバンド10の第2端部14に接続された第2電子部品ハウジング204とを有する。第1の電子部品ハウジング202及び第2の電子部品ハウジング204は,通常,いわゆる「オーバーザイヤー」型のヘッドフォンに使用されるようなイヤーカップを備え,これは中空半球形状である。
【0063】
各電子部品ハウジング202, 204は,スピーカアセンブリ205を収容し,ウェアラブルエアクリーナ200の着用者の耳208を取り囲むように構成された環状パッド206を備える。使用中,第1電子部品ハウジング202及び第2電子部品ハウジング204内に収容されたスピーカアセンブリ205は,第1~第4バッテリ24, 26, 40, 42の全てから電力が供給されるように構成される。電力供給配線(図示せず)は,第1バッテリ24及び第2バッテリ26を第3バッテリ40及び第4バッテリ42に接続するために,第1端部12と第2端部14との間のヘッドバンド10を通って(例えば,キャリア50及びアーム54, 56を通って)延在する。この構成は,スピーカアセンブリ105間の配電の柔軟性を高めるものである。他の実施形態では,第1電子部品ハウジング102及び第2電子部品ハウジング104内に収容されたスピーカアセンブリ105は,ヘッドバンドの第1部分12及び第2部分14のそれぞれに配置されたバッテリから電力を受け取ることができる。例えば,第1電子部品ハウジング202内に収容されるスピーカアセンブリ205は, ヘッドバンド10の第1端部12内における第1バッテリ24及び第2バッテリ26により電力が供給され,一方,第2電子部品ハウジング204内に収容されたスピーカアセンブリ205は,ヘッドバンド10の第2端部14内における第3バッテリ40及び第4バッテリ42により電力が供給されるように構成することができる。
【0064】
第1電子部品ハウジング202を,スイベルコネクタ20の凹部内に受容されたスイベルピン208を介してヘッドバンド10の第1端部12に回転可能に接続して,第1電子部品ハウジング102がヘッドバンド10に対して回転可能とする。ここで,スイベルピン208は,スイベルピン208回転可能としながら凹部内に保持する拡大ヘッドが設けられた略T字形の断面を有するものとして示されている。しかし,第1電子部品ハウジング102と第1端部12とを相対運動可能とする他の形態の接続も想定される。第1電子部品ハウジング202内に収容されたスピーカアセンブリ205に第1バッテリ24及び第2バッテリ26を電気的に接続するための,スイベルピン208は中空であり,そこを電力供給ワイヤが貫通する。
【0065】
同様に,第2電子部品ハウジング204は,スイベルコネクタ36の凹部内に収容されたスイベルピン210を介して,ヘッドバンド10の第2端部14に回転可能に接続する。ここで,スイベルピン210は,スイベルピン210を回転可能としながら凹部内に保持する拡大ヘッドが設けられた略T字形の断面を有するものとして示されている。しかし,第2電子部品ハウジング204と第2端部14とを相対運動可能とする他の形態の接続も想定される。2電子部品ハウジング204内に収容されたスピーカアセンブリ205に第3バッテリ40及び第4バッテリ42を電気的に接続するために,スイベルピン210は中空であり,そこを電力供給ワイヤが貫通する。
【0066】
ウェアラブルエアクリーナ200における第1電子部品ハウジング202及び第2電子部品ハウジング204は,それぞれ,空気入口212と,フィルタアセンブリ214と,空気出口(図示せず)と,空気流発生器216を備える。
【0067】
第1電子部品ハウジング202及び第2電子部品ハウジング204のそれぞれの空気入口212は,電子部品ハウジング202, 204内に空気を引き込むための複数の開口を備える。各フィルタアセンブリ214は,空気入口212とそれぞれの空気流発生器216との間で,それぞれの電子部品ハウジング202, 204内に配置される。各フィルタアセンブリ214は,使用時に着用者に提供される空気の所望程度の濾過を提供するように選択されたフィルタ材料を備える。
【0068】
気流発生器216はそれぞれ,電子部品ハウジング202, 204のそれぞれの空気入口212からそれぞれのフィルタアセンブリ214を通して空気を引き込み,それぞれの空気出口(図示せず)を通して空気を排出するモータ駆動インペラを備える。第1電子部品ハウジング202及び第2電子部品ハウジング204内の空気流発生器は,第1~第4バッテリ24, 26, 40, 42の全てから電力が供給されるように構成される。電力供給配線(図示せず)は,第1バッテリ24及び第2バッテリ26を第3バッテリ40及び第4バッテリ42に接続するために,第1端部12と第2端部14との間のヘッドバンド10を通って(例えば,キャリア50及びアーム54, 56を通って)延在する。他の実施形態では,第1電子部品ハウジング202内の気流発生器は,ヘッドバンド10の第1端部12内における第1バッテリ24及び第2バッテリ26により電力が供給され,一方,第2電子部品ハウジング204内の空気流発生器216は,第2電子部品ハウジング204は,ヘッドバンド10の第2端部14内の第3バッテリ40及び第4バッテリ42により電力が供給されるように構成することができる。これにより,第1バッテリ24及び第2バッテリ26,又は第3バッテリ40及び第4バッテリ42のいずれかが故障した場合でも,空気流発生器216の少なくとも一方を動作させることができる。
【0069】
ウェアラブルエアクリーナ200は,
図6に示すように,使用中に着用者に対して気流を供給供するためのノズル218を備える。ノズル218は,一般に弓形形状であり,第1電子部品ハウジング202の空気出口と第2電子部品ハウジング204の空気出口との間に接続される。ノズルは,使用時に第1電子部品ハウジング202及び第2電子部品ハウジング204のそれぞれの空気出口から空気流を受けるように構成されたノズル入口(図示せず)を端部領域220に有する。着用者側のノズルはノズル出口(図示せず)を有し,使用時に着用者に対して空気流を供給することができる。ノズル218は,使用時に着用者の口及び鼻下部領域に密接に重なるように構成され,着用者に接触することなくノズル出口から着用者の口及び鼻に空気流を供給することができる。
【0070】
使用中,気流発生器216は,空気入口212及びフィルタアセンブリ214を介して空気を引き込み,濾過された気流を,空気出口を介してノズル218のノズル入口に排出する。濾過された気流は,ノズル218を通過し,ノズル出口を介してノズル218からウェアラブルエアクリーナ200の着用者に送気される。スピーカアセンブリ205は,例えば音楽等の音声データをユーザに提供することができ,代替的又は追加的に,空気流発生器216の動作によって引き起こされるノイズのノイズキャンセル機能を提供することができる。
【0071】
本明細書では,それぞれが空気流をノズル218の一端に供給する2つの気流発生器216を開示しているが,他の実施形態において,単一の気流発生器216のみを設けることができ,これによりノズル218の端部の一方に空気流を供給する構成とすることもできる。スピーカアセンブリ205は,ウェアラブルエアクリーナにとって不可欠ではない場合があり,その場合にはスピーカアセンブリ205を設けない実施形態も想定される。
【0072】
本明細書に開示されるヘッドバンド10の特定の実施形態は,第1及び第2バッテリ区画をそれぞれ延長機構により中央部16に接続しているが,他の実施形態において,単一のバッテリ区画のみを延長機構により中央部16に接続する構成も想定される。