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特許7476372プログラム、情報処理装置及びマッチングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及びマッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240422BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20240422BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20240422BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/79
A63F13/55
A63F13/52
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023017190
(22)【出願日】2023-02-07
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雄作
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-078744(JP,A)
【文献】特開2019-141162(JP,A)
【文献】特開2016-202686(JP,A)
【文献】特開2019-211845(JP,A)
【文献】特表2010-519976(JP,A)
【文献】特開2019-037305(JP,A)
【文献】特開2021-074277(JP,A)
【文献】特開2021-098080(JP,A)
【文献】特開2020-093119(JP,A)
【文献】特開2022-039059(JP,A)
【文献】『スト6』新要素“バトルハブ”はオンライン上のゲームセンター!?クローズドβテストを徹底リポート,ファミ通.com [online],2022年10月10日,[2023年8月17日検索],<https://www.famitsu.com/news/202210/10278779.html>,主にバトルハブの機能に関する記載を参照
【文献】バンダイがTCGユーザー向けのオンラインサービス“BANDAI TCG ONLINE LOBBY”を12月より開始。実際のショップやイベント会場のように仮想空間に人が集まれる,ファミ通.com [online],2020年11月19日,[2023年8月17日検索],<https://www.famitsu.com/news/202011/19209716.html>,主にイベントスペースの機能に関する記載を参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御処理と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御処理において、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更されて表示されるプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを使用する利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付ける入力処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲームのマッチングは、前記第1種別の仮想物品の近傍に複数の仮想キャラクターが配置されていることを条件として、当該複数の仮想キャラクターに対応付けられた利用者間について行われ、
前記部屋に配置された前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームが実行中である期間、前記表示制御処理において、当該部屋に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更されて表示される請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ゲームのマッチングは、前記第1種別の仮想物品の近傍に2体の仮想キャラクターが配置されていることを条件として、当該2体の仮想キャラクターに対応付けられた2人の利用者間について行われる請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲームのマッチングは、前記2体の仮想キャラクターが前記第1種別の仮想物品を介して対向したことを条件として行われる請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記入力処理において、前記ゲームが実行中である期間、前記第1利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付けないよう制御される請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記部屋は、第1領域と第2領域に分けられており、
前記第1種別の仮想物品及び前記第2種別の仮想物品は、前記第1領域に配置され、
前記表示制御処理において、前記第2領域に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更されて表示される請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2種別の仮想物品は、前記第2領域から前記第1領域に向かう方向において、前記第1種別の仮想物品よりも遠方に配置される請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記入力処理において、前記ゲームが実行中である期間においても、前記第2領域に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付けるよう制御される請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを使用する利用者が前記第2利用者である場合に、前記ゲームが実行中である期間、前記表示制御処理において、当該利用者に対応付けられた仮想キャラクターと前記第2種別の仮想物品を含む表示態様で前記仮想空間が表示され、
前記表示態様は、仮想キャラクターを移動させる操作入力が受け付けられている期間では当該仮想キャラクターの全体を少なくとも含み、仮想キャラクターを移動させる操作入力が受け付けられていない期間では当該仮想キャラクターの一部のみを含むよう制御される請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを使用する利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、所定の距離を越えて前記第2種別の仮想物品に近接している場合に、前記表示制御処理において、前記表示態様に代えて前記ゲームのプレイ内容のみを表示する表示への切り替えが可能に制御される請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記部屋は、第1種別の部屋と第2種別の部屋とを含み、
前記表示制御処理において、
前記部屋が前記第1種別の部屋である場合には、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更されて表示され、
前記部屋が前記第2種別の部屋である場合には、前記第1種別の仮想物品に対する操作入力がなされたことを条件として、当該操作入力を行った前記第2利用者に対応付けられたキャラクターが前記第1種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更されて表示される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1種別の仮想物品はテーブルであり、前記第2種別の仮想物品はモニタである請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御手段と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御手段は、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更して表示する情報処理装置。
【請求項14】
利用者が使用する情報処理装置と、複数の利用者を参加させるゲームのマッチング処理を行うマッチングサーバとを含むマッチングシステムであって、
前記情報処理装置は、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させる前記ゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御手段と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御手段は、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを前記第2種別の仮想物品を観賞する態様に強制的に変更して表示するマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及びマッチングシステムに関し、特に仮想空間を利用したゲームのマッチングサービスに関する。
【背景技術】
【0002】
外部サービスで実行される対戦ゲームに係るプレイヤのマッチングを、仮想空間を介して行うマッチングシステムがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-078744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のマッチングシステムのように利用者に対応するアバタを移動可能に配置した仮想空間を利用者に提示するシステムでは、各利用者がアバタを自由に移動させたり、マッチングを待機したり、マッチングの申し込みを行ったりすることができる。即ち、利用者はそれぞれが所望する行動に合わせてアバタの操作等を行うため、仮想空間全体を俯瞰した際に、個々のアバタの態様に統一感がなく、臨場感が薄いとの印象を利用者が持ち得る。結果、マッチングサービスの利用に対する利用者の関心が低減する可能性があった。
【0005】
本発明は、仮想空間を利用時の興趣性を高めるプログラム、情報処理装置及びマッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のプログラムは、コンピュータに、利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御処理と、仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、ゲームの実行をトリガする制御処理と、を実行させるプログラムであって、仮想空間は、部屋の態様で構成され、ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、第1種別の仮想物品を介してトリガされたゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが部屋の内部に少なくとも配置され、部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、ゲームをプレイ中である第1利用者とゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、表示制御処理において、第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、仮想空間を利用時の興趣性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングシステムの構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係る利用者端末100のハードウェア構成を例示した図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200のハードウェア構成を例示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスで使用されるアバタを例示した図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスのエントランスルームを例示した図
図6】本発明の実施形態及び変形例に係る移行先の対戦ルームの選択に係り表示される画面例を示した図
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスの通常対戦ルームを例示した図
図8】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスの特別対戦ルームを例示した図
図9】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ルームにおけるマッチングを説明するための図
図10】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームのプレイ画面を例示した図
図11】本発明の実施形態及び変形例に係る特別対戦ルームにおける表示を例示した図
図12】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチングサービスのエモート機能を例示した図
図13】本発明の実施形態及び変形例に係る利用者端末100において実行されるエントランス処理を例示したフローチャート
図14】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200において実行される案内処理を例示したフローチャート
図15】本発明の実施形態及び変形例に係る利用者端末100において実行されるモニタ表示処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、マッチングシステムの一例としての、利用者の使用する情報処理装置(利用者端末)からの接続を受け付けるサーバが、外部サービスにおいて提供される2人対戦の対戦ゲームについてのマッチングを仮想空間を介して実現するサービスを提供するシステムに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数の利用者が参加するゲームについてのマッチングを仮想空間を介して行い、ゲームの実行をトリガすることが可能な任意の機器構成で実現されるシステムに適用可能である。
【0011】
また、本明細書において、「利用者」とは、本マッチングシステムにおいてサーバ200が提供するサービス(マッチングサービス)を利用するユーザを指すものとして説明する。また便宜上、仮想空間においてマッチングが成立してゲームプレイ中となっている利用者を「プレイヤ」、対してゲームプレイ中でない利用者を「観戦者」として言及する場合がある。
【0012】
《マッチングシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るマッチングシステムの構成を示した図である。図示されるように、マッチングシステムでは、ネットワーク300を介することでサーバ200と複数の利用者端末100とが通信接続可能に構成されている。また本実施形態ではサーバ200は、接続中の利用者端末100の利用者を、外部サービスにより実現される対戦ゲームのプレイヤとしてマッチングし、対戦ゲームの実行をトリガするマッチングサービスを提供する。
【0013】
以下では、外部サービスは、遠隔のプレイヤ間での対戦ゲームの実行を支援するサービスであり、サービス提供にあたり該当数のプレイヤを抽出してマッチングさせるフリーマッチング方式のマッチング機能を有していないサービスであるものとして説明する。本実施形態では、外部サービスは、ホストとなるプレイヤが作成したルーム(接続先)に対し、対戦ゲームに必要な人数のプレイヤが利用者端末100を用いてアクセスすることで、利用者端末100のカメラとマイクを利用したビデオチャット機能が利用可能となり、プレイヤの存在する環境(現実世界)において展開されたゲーム用物品の状況をプレイヤ間で共有しながら進行するトレーディングカードゲーム(TCG)のゲームプレイを実現するサービスであるものとする。このため、利用者端末100は、カメラとマイクを備えるPCやスマートフォンとすることができる。
【0014】
詳細は後述するが、マッチングサービスの利用者は、使用する利用者端末100を使用してサービスログインすることで、該利用者に対応するアバタ(操作アバタ)が配置された仮想空間の表示を伴うサービスが利用可能となる。マッチングサービスは、ブラウジングアプリケーション(以下、単にブラウザと言及)を介して接続可能なWebサービスであり、サービスログインは特定のWebページにおいて利用者認証に係る手続きを完了することにより行われる。利用者は、各種操作入力を行うことで該仮想空間に配置された操作アバタを移動させ、他の利用者とアバタを介したコミュニケーション(テキストチャット等)を行い、そして外部サービスで提供される対戦ゲームについて対戦相手とマッチングすることができる。
【0015】
〈利用者端末のハードウェア構成〉
続いて、図2を用いて利用者端末100のハードウェア構成を説明する。図2は、利用者端末100のハードウェア構成を例示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、利用者端末100が備える各ハードウェアの動作制御を含む各種制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、利用者端末100を動作させるためのオペレーティングシステムや各種アプリケーションに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、ブラウザに係る表示や通信機能に用いられる各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0018】
GPU104は、利用者端末100に係る表示画面の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、マッチングサービスの利用中にブラウザに提示される仮想空間に係る画面の描画処理も実行する。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えば利用者端末100が具備するディスプレイ110に表示されることで、利用者に提示される。ディスプレイ110は、例えば液晶ディスプレイ等の、利用者端末100が備える、あるいは利用者端末100に着脱可能に接続された情報表示を行う装置である。ディスプレイ110は、GPU104により生成された画面を表示する。
【0019】
操作I/F105は、利用者端末100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば利用者端末100の外装に設けられたボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また本実施形態の利用者端末100が備えるディスプレイ110は、タッチ入力を検出可能に構成され、操作I/F105は、当該ディスプレイ110に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0020】
通信I/F106は、利用者端末100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、無線で行われるものとして説明するが、有線で行われる態様を除外するものではない。
【0021】
撮像ユニット120は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子を有する撮像装置を含んだユニットである。詳細は後述するが、撮像ユニット120は、外部サービスに係る対戦ゲームの実行中、利用者により撮像範囲に配置されたゲームカードを間欠的に撮像し、撮像画像を出力する。
【0022】
マイク130は、利用者端末100が備える音声入力インタフェースである。本実施形態では、マッチングサービスからトリガされる外部サービスに係る対戦ゲームがTCGであるものとして説明するため、マイク130はプレイヤの宣言やゲームカードの効果の読み上げ等に係る音声を取得する。またスピーカ140は、利用者端末100が備える音声出力インタフェースである。スピーカ140は、マッチングサービスに係る音声や対戦ゲームに係る音声(対戦相手のプレイヤの宣言や効果音等)を出力する。
【0023】
〈サーバのハードウェア構成〉
図3は、本実施形態に係るサーバ200のハードウェア構成を示したブロック図である。なお、以下の説明において、利用者端末100と同様の機能を実現するハードウェア構成については、利用者端末100の構成と峻別すべく「サーバ」の接頭文字を付すものとする。
【0024】
サーバ制御部201は、CPU等のプロセッサであり、サーバ200が備える各ハードウェアの動作制御、マッチングサービスに係る利用者管理及び利用者同士のマッチング機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記憶装置202に記憶されている必要なプログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0025】
サーバ記憶装置202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。サーバ記憶装置202は、サーバ200を動作させるためのオペレーティングシステムやマッチングに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、マッチング機能の提供に必要な各種データを記憶する。またサーバ記憶装置202は、マッチングシステムの利用者として登録された各プレイヤの情報を管理するデータベース機能も具備するものとする。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0026】
サーバ通信I/F204は、サーバ200が備える外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信I/F204と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。サーバ通信I/F204が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよい。
【0027】
《マッチングサービスの概要》
以下、本実施形態のマッチングシステムで提供されるマッチングサービスの概要を、図面を参照して説明する。
【0028】
上述したようにマッチングサービスは、各利用者が使用する利用者端末100においてブラウザを起動してサービスに係るWebページにアクセスし、サービスログインすることにより利用可能となる。サービスログインすると、各利用者端末100では3次元コンピュータグラフィックスで表現された仮想空間が表示される。仮想空間では、各利用者には、当該利用者に対応付けられた図4に示されるような3次元モデルのアバタ(以下、操作アバタとして言及)が割り当てられる。各利用者は、移動に係る操作入力を行うことで、自身に対応付けられた操作アバタを仮想空間内で移動させることができる。本実施形態では仮想空間は、例えば部屋状の3次元空間として構築され、以下では、仮想空間を「ルーム」として言及する。従って、操作アバタはルーム内を、利用者の操作入力に応じて移動する。ルームはある程度の広さをもった空間として構築され、その空間を操作アバタが移動していることを演出するために、操作アバタの移動中は、例えば操作アバタの3次元モデルを構成する少なくとも一部の要素(例えば胴体部)を上下動させる表示がなされるものであってもよい。
【0029】
本実施形態のマッチングサービスでは、複数種類の仮想空間が設けられ、各利用者は用途に応じてその仮想空間を行き来して、サービス提供を受けることができる。即ち、利用者の操作アバタは、一時に1つの仮想空間にのみ配置されるようサーバ200において管理される。
【0030】
マッチングサービスで使用される仮想空間は、大きく分けてエントランスルームと対戦ルームとなっている。利用者間のマッチングは、操作アバタを対戦ルームに配置しているときに行われる。1つの対戦ルーム内に配置して管理可能なアバタの数には上限数があるため、多数の利用者が同時接続した場合に対応可能なよう、対戦ルームは並行して複数設けられ得る。従って、エントランスルームは、操作アバタを配置させる対戦ルームを選択するための仮想空間として設けられている。ルーム間の移動(移行)は、各ルームにおいて移行に係る操作入力がなされたことに応じて対応する要求が利用者端末100からサーバ200に送信され、サーバ200において利用者の管理情報が変更されることにより行われる。以下の説明では、利用者は特定のルームに割り当てられ、当該ルームに係る3次元空間に操作アバタが配置された状態を、利用者が当該ルームに「入室」したと表現する場合がある。
【0031】
〈エントランスルーム〉
エントランスルームでは、各利用者は、操作アバタの外観をカスタマイズすることができる。操作アバタは、例えばアバタの色、頭部・胴体部等に装着するアイテム等の外観を構成する描画要素を異ならせることが可能である。エントランスルームにて、各利用者は、例えば所有しているアイテムの一覧から装着させるアイテムを選択することで、操作アバタの外観を変更することができる。
【0032】
操作アバタの外観変更の様子を他の利用者に見られることを好まない利用者もいるため、エントランスルームでは、利用者の使用する操作アバタ以外のアバタは表示されない。即ち、利用者は、他の利用者の目を気にすることなく落ち着いて操作アバタの外観を変更し、所望の外観とした上で操作アバタを対戦ルームに移動させることができる。
【0033】
ところで、エントランスルームに表示される操作アバタは1体だが、サーバ200において利用者ごとに個別の仮想空間(エントランスルーム)を設けて管理することは非効率である。従って、各利用者には1体の操作アバタのみが配置される仮想空間の表示を提供するが、サーバ200における仮想空間の管理としては、1つのエントランスルームとして複数人の利用者の情報を含めて管理される。即ち、サーバ200は、同時期にサービスログインした複数の利用者に同一のエントランスルームを割り当てるが、各利用者端末100におけるエントランスルームの表示としては、同ルームに割り当てられた他の利用者の情報を共有することはせず、操作アバタのみが表示される仮想空間を利用者に提供する。故に、エントランスルームでは、他の利用者とのマッチングを行うような機能は提供されず、対戦ゲームの実行をトリガすることもない。
【0034】
エントランスルームは、例えば図5に示されるような閉空間として設けられる。エントランスルームには、窓オブジェクト501が配置されており、利用者は移動に係る操作入力を行うことで操作アバタを窓オブジェクト501近傍に移動させることができる。操作アバタが窓オブジェクト501近傍(例えば所定の距離内)に配置されると、利用者端末100における表示は図6のような窓の外の風景に係る表示(行先選択画像600)に切り替えられる。本実施形態のマッチングサービスでは、エントランスルームと対戦ルームとは、1つの広大なゲーム空間中に存在する別々の施設という設定で設けられており、エントランスルームの窓オブジェクト501を介して、図6に示されるように疑似的にゲーム空間を一望した様子が確認可能となっている。
【0035】
図示されるように、行先選択画像600には、対戦ルームを模した施設の画像が含まれており、利用者は移動先とする施設の選択に係る操作入力を行うことで、対戦ルームへの操作アバタの配置要求をサーバ200に送信することができる。本実施形態では対戦ルームには、後述の「通常対戦ルーム」と「特別対戦ルーム」が設けられており、利用者はエントランスルームの窓オブジェクト501を介して表示される行先選択画像600からそのいずれかを選択することで該当の仮想空間への操作アバタの配置要求を行うことができる。以下、各対戦ルームについて説明する。
【0036】
(通常対戦ルーム)
通常対戦ルームは、マッチングサービスにおいて全利用者が一般に対戦ゲームに係るマッチングを行うことができる仮想空間である。エントランスルームと異なり、通常対戦ルーム内には操作アバタだけでなく、同一のルームに入室した他の利用者のアバタも配置される。通常対戦ルームに入室した利用者は、移動に係る操作入力によって操作アバタを当該通常対戦ルーム内で移動させることができる。
【0037】
図7に示されるように、通常対戦ルームには複数のテーブルオブジェクト701が配置されており、マッチングを所望する利用者は、操作アバタをテーブルオブジェクト701の近傍に移動させることで、マッチングに係る各種手続きを行うことが可能となる。またマッチングが成立すると、外部サービスに係る対戦ゲームの実行をトリガすることができる。また通常対戦ルームには、後述するモニタオブジェクト702が配置されており、入室中のマッチングしていない利用者も楽しむことができる興趣要素の提示がなされる。
【0038】
(特別対戦ルーム)
対して、特別対戦ルームは、例えば運営者やイベント主催者によって招待された特定の利用者のみがマッチングを行うことができる仮想空間である。通常対戦ルームとは異なり、特別対戦ルームでは1組の利用者(以下、招待プレイヤとして言及)のみがマッチングを行うことができるように構成される。しかしながら、特別対戦ルームへの入室は、当該招待プレイヤに限られるものではなく、他の利用者も可能となっている。招待プレイヤ以外の利用者が特別対戦ルームに入室する場合、当該利用者は観戦者として扱われる。即ち、特別対戦ルームは、エキシビションマッチ等の招待プレイヤにより行われる対戦ゲームを、入室したそれ以外の利用者が観戦する趣旨で用いられる仮想空間である。
【0039】
従って、特別対戦ルームは、図8に示されるように主として招待プレイヤのアバタが移動可能なステージ810の領域と、観戦者のアバタが移動可能な観戦フロア820の領域とに分けられている。ステージ810には、特別対戦ルームに唯一のテーブルオブジェクト801が配置され、招待プレイヤのみが当該テーブルオブジェクト801近傍に操作アバタを移動させ、マッチングに係る各種手続きを行うことが可能に制御される。またステージ810上には、観戦フロア820からステージ810方向を見たときに、テーブルオブジェクト801よりも奥(遠方)にはモニタオブジェクト802が配置されており、通常対戦ルームと同様に観戦者も楽しむことができる興趣要素の提示がなされる。
【0040】
(エントランスルームからの移行)
続いて、エントランスルームから、これら通常対戦ルームや特別対戦ルームへの入室(ルームの移行)について説明する。
【0041】
対戦ルームの各々は、複数名の利用者が同時に使用するものであるため、サーバ200において各ルームが割り当てられている利用者の情報が管理される。一方で、各対戦ルームについては、ルーム内の各利用者が利用者端末100において行った操作入力(移動やマッチング要求等)を取得し、同ルームの利用者に係る利用者端末100に共有する必要がある。故に、1つの対戦ルームに入室する利用者が多くなるほどこれら共有に係る処理負荷が増大するため、1つの対戦ルームに入室可能とする利用者の数には上限数を設ける必要がある。対して、例えば多くの利用者の利用が想定される時間帯やイベント開催時には、その上限数より多くの利用者が同時にマッチングサービス利用することが想定される。
【0042】
従って、本実施形態のサーバ200では、通常対戦ルームと特別対戦ルームのそれぞれについて、1以上のルームを管理することが可能に構成される。換言すれば、マッチングサービスでは、通常対戦ルームとして複数のルームを設け、特別対戦ルームとして複数のルームを設けることが可能に構成される。以下、仮想空間の種類としての「通常対戦ルーム」や「特別対戦ルーム」と、アバタが配置される利用者を管理する単位仮想空間としての「ルーム」とを区別するべく、後者を「部屋」として言及する。即ち、マッチングサービスでは、通常対戦ルームとして複数の部屋が、特別対戦ルームとして複数の部屋がそれぞれ設けられる。
【0043】
上述したようにエントランスルームでは、窓オブジェクト501の近傍に操作アバタを移動させたことに応じて表示される行先選択画像600から、利用者は選択した種類の対戦ルームへの操作アバタの配置要求を行うことができる。行先選択画像600では、利用者はまず入室を所望する対戦ルームの種類が通常対戦ルームと特別対戦ルームのいずれであるかを選択するが、各対戦ルームには複数の部屋が設けられている。このため、本実施形態のマッチングサービスでは配置要求の態様として以下の2種類が設けられ、利用者は配置要求のオプションとしていずれかの態様を選択する必要がある。
【0044】
配置要求の態様の1つは、利用者が指定した種類の対戦ルームのうちのいずれの部屋に入室するかを、サーバ200に決定させる自動配置要求である。自動配置要求がなされると、サーバ200(のサーバ制御部201)は、該当の種類の対戦ルームとして設けられた複数の部屋のうちから利用者を入室させる1つの部屋を選択し、当該選択した部屋に利用者を案内する。入室させる部屋は、利用者にマッチングの機会が好適に与えられるよう、既に他の利用者を入室させている部屋が優先的に選択される。本実施形態では、サーバ200は、入室している利用者の数が最も多い部屋を、配置要求を行った利用者を入室させる部屋として選択する。ここで、各部屋には、管理可能な利用者の数(配置可能なアバタ数)に上限数が設定されており、サーバ200は、上限数の利用者が入室している部屋は除外して、入室させる部屋を選択する。このようにすることで、利用者が入室したものの対戦相手となり得る他の利用者が存在しない/少ない状況を少なくすることができる。なお、いずれの部屋にも利用者が入室していない状況では、配置要求を行った利用者は他の利用者が入室していない部屋に案内され得る。
【0045】
配置要求の態様のもう1つは、利用者が対戦ルームの種類と入室するルームを指定する指定配置要求である。指定配置要求は、利用者端末100において入室先の部屋を指定する情報がさらに入力されることを条件として、サーバ200に送信される。より詳しくは指定配置要求には、既存の部屋を入室先として指定する配置要求と、新規の部屋を生成し、当該部屋を入室先として指定する配置要求とが含まれる。
【0046】
通常対戦ルーム及び特別対戦ルームに設けられる各部屋には、当該部屋を一意に特定するための識別情報(部屋ID)が設定されている。部屋IDは、部屋生成の際に設定されるものであり、本実施形態ではテキスト型の情報となっている。ここで、対戦ルームに係る部屋の生成は、サービスログイン中の利用者数に応じてサーバ200が行うものであってもよいし、例えば個人の大会やイベントを企画運営する利用者(以下、ホストとして言及)からの部屋の生成要求に基づいて行われるものであってもよい。部屋IDは、前者の場合はサーバ200により決定されたものが使用され、後者の場合はホストにより指定されたものが使用される。
【0047】
通常対戦ルームと特別対戦ルームとを容易に識別可能なよう、部屋IDとして設定可能なテキストにはそれぞれ異なるルールが定められる。一態様において、通常対戦ルームに設定可能な部屋IDは果物に関する英単語(banana、melon、orange等)で、特別対戦ルームに設定可能な部屋IDは動物に関する英単語(dog、cat、elephant等)として定められる。このような部屋IDとして指定可能なテキストの情報は、例えば該当のテキストを記憶した辞書データを参照して管理されればよい。当該態様では、ホストの生成要求によらずサーバ200が部屋を生成する際には、該当の辞書データのうちから現在使用されていないテキストを取得して部屋IDとして設定する。またホストの生成要求によって部屋が生成される際には、ホストにより部屋ID用に入力されたテキストが該当の種類の対戦ルームに係る辞書データに登録されている場合に、当該テキストを部屋IDとする部屋が生成される。どのようなルールに合致するテキストが部屋IDとして設定可能であるかの情報は、例えば、新規の作成要求を含む指定配置要求について表示されるメニュー画面等において、利用者(ホスト)に提示されればよい。
【0048】
つまり、既に生成されている部屋についての指定配置要求、即ち、新規の部屋の生成要求を含まない指定配置要求を受信すると、サーバ200は、当該指定配置要求に含まれる部屋IDが設定された部屋に利用者を入室させる。対して、新規の部屋の生成要求を含む指定配置要求を受信すると、サーバ200は、まず当該指定配置要求に含まれる部屋IDが設定された部屋が存在しないことを確認する。そして該当の部屋が存在しない場合にサーバ200は、当該部屋IDが選択された種類の対戦ルームについて定められたルールを満たしていることを条件として、当該部屋IDを設定した部屋を生成し、利用者を入室させる。このようにすることで、例えば複数人でマッチングサービスを利用したい場合等において、利用者は任意の部屋を生成したり、サーバ200により自動で選択される部屋ではなく特定の部屋に入室したりすることができる。
【0049】
(マッチング)
各対戦ルームでは、外部サービスに係る対戦ゲームについて、同一の部屋にアバタが配置された利用者同士をマッチングさせることができる(マッチング機能)。本実施形態のマッチングサービスでは、マッチングは、部屋内に配置されたテーブルオブジェクトを介して行うことができる。まず、通常対戦ルームの部屋でのマッチングについて図を参照して以下に説明する。
【0050】
他の利用者からの対戦申込を待機したい利用者は、図9(a)に示されるように操作アバタを部屋内のテーブルオブジェクト901の近傍に移動させる。操作アバタがテーブルオブジェクト901の近傍に配置されると、当該テーブルオブジェクト901への利用者による操作入力が可能な状態となる。利用者の使用する利用者端末100においてテーブルオブジェクト901に対する操作入力がなされると、例えばマッチング待機状態に移行することの確認表示の後、待機要求がサーバ200に送信される。待機要求は、例えばテーブルオブジェクト901を一意に特定する識別情報(部屋IDとテーブルIDの組み合わせ)と、利用者を一意に特定する識別情報とを含むものであってよい。サーバ200は待機要求を受信すると、当該利用者の状態をマッチング待機状態に更新し、同一の部屋に入室している他の利用者の利用者端末100にその情報を送信する。
【0051】
マッチング待機状態となると、利用者の操作アバタは、図9(b)に示されるように当該テーブルオブジェクト901に着いた状態で表示される。当該表示は、利用者が待機取り止めに係る操作入力を行うか、マッチング成立により実行された対戦ゲームが終了するまで継続される。即ち、マッチング待機状態となった利用者の操作アバタは、部屋においてテーブルオブジェクト901の位置から移動しない状態で表示される。マッチング待機状態では、利用者が操作アバタの移動に係る操作入力を行ったとしても、操作アバタは移動しないよう制御される。
【0052】
1人の利用者のアバタが着いてマッチング待機状態となっているテーブルオブジェクト901(以下、待機中テーブルとして言及)は、他の利用者からの対戦申込が可能な状態となる。従って、対戦申込を行いたい利用者は、操作アバタを待機中テーブルの近傍に移動させて当該待機中に対する操作入力を行うことで、待機中テーブルに先に着いているアバタ(以下、待機アバタとして言及)の利用者(以下、待機者として言及)に対して対戦申込を行うことができる。具体的には、対戦申込を行う利用者(以下、申込者として言及)の使用する利用者端末100において待機中テーブルに対する操作入力がなされると、例えば対戦申込を行うことの確認表示の後、マッチング要求がサーバ200に送信される。マッチング要求は、例えば待機中テーブルを一意に特定する識別情報、待機者を一意に特定する識別情報、及び申込者を一意に特定する識別情報を含むものであってよい。サーバ200は、マッチング要求を受信すると、申込者の状態を一時的にマッチング待機状態に更新し、同一の部屋に入室している他の利用者の利用者端末100にその情報を送信する。
【0053】
申込者がマッチング待機状態となると、図9(c)に示されるように申込者の操作アバタ(以下、申込アバタとして言及)が同様に待機中テーブルに着いた状態で表示され、申込アバタと待機アバタとがテーブルオブジェクト901を介して対向する状態となる。当該表示は、申込者が対戦申込の取り止めに係る操作入力を行うか、待機者による申込辞退に係る操作入力が行われるか、マッチング成立により実行された対戦ゲームが終了するまで継続される。即ち、マッチング待機状態となった申込アバタは、部屋において待機中テーブルの位置から移動しない状態で表示される。当該マッチング待機状態では、申込者が申込アバタの移動に係る操作入力を行ったとしても、申込アバタは移動しないよう制御される。
【0054】
このようにして、テーブルオブジェクト901において待機アバタと申込アバタとが対向して着いた状態となると、待機者の利用者端末100に対して、申込者からの対戦申込を受けるか否かの問い合わせがサーバ200から送信される。待機者は、申込者によりなされた対戦申込について承諾/辞退に係る操作入力を行うことができる。待機者による対戦申込の承諾がなされると、サーバ200は、待機者と申込者とをマッチングさせる処理を実行し、マッチングを成立させる。そしてサーバ200は、両名について管理している状態の情報をマッチング中に更新する。またマッチングの成立により、待機者と申込者は「プレイヤ」として管理されてよい。
【0055】
通常対戦ルームの部屋では、部屋内に配置されたテーブルオブジェクトにおいてこのような手順で、同一の部屋に入室した利用者同士のマッチングが可能に構成される。即ち、通常対戦ルームの各部屋では、最大で部屋に配置されたテーブルオブジェクトの数のマッチングを同時期に行うことができる。換言すれば、通常対戦ルームでは、利用者は、操作アバタをテーブルオブジェクトの近傍に移動させて当該テーブルオブジェクトに対する操作入力を行えば、サーバ200にマッチングに関する処理を実行させることができる。
【0056】
対して、特別対戦ルームでは、上述したように特定の利用者のみがマッチングを行うことができるように制御される。従って、特別対戦ルームの部屋では、ステージ上に設けられたテーブルオブジェクトを介して行われる、利用者からのマッチングに係る各種要求は、特別対戦ルームを利用してトリガされる外部サービスの対戦ゲームの参加条件を、利用者が満たすことを条件として可能となる。換言すれば、特別対戦ルームでは例えば主催者等により招待された利用者のみがプレイヤになることができるため、利用者が操作アバタをテーブルオブジェクトに近接させ、マッチング待機要求あるいはマッチング要求を行う際に、招待された利用者であるか否かの判断がなされる。当該判断は、利用者の使用する利用者端末100において行われるものであってもよいし、要求を受信したサーバ200において行われるものであってもよい。
【0057】
従って、通常対戦ルームでのマッチングと特別対戦ルームでのマッチングは、後者が所定の参加条件を利用者が満たすことを条件として行われる一方で、前者がそのような条件によらずに行われる点で異なっている。
【0058】
(対戦ゲーム)
各対戦ルームの部屋においてマッチングが成立すると、サーバ200は、外部サービスに係る不図示のゲームサーバに対して、マッチングが成立した2名のプレイヤ(待機者と申込者)の情報とともに対戦ゲームの接続先の作成要求を送信する。ゲームサーバは、作成要求に応じて新たな対戦ゲームに係る接続先を作成し、該接続先の情報をサーバ200に返送する。そして、サーバ200は、返送された接続先の情報を、各プレイヤの使用する利用者端末100に転送命令とともに送信する。転送命令を受信した利用者端末100では、ブラウザにおいて接続先への接続がトリガされ、表示がマッチングサービスから外部サービスに切り替えられる。このようにすることで、各プレイヤ自身が直接外部サービスに登録手続き等を行わなくとも、マッチングサービスにおいてマッチングされた対戦相手のプレイヤとの対戦ゲームを開始することができる。
【0059】
本実施形態では、各プレイヤが対戦を終了した後にマッチングサービスに容易に復帰可能なよう、外部サービスに移行中(外部サービスにおける対戦ゲームの実行中)もマッチングサービスのログイン状態は保持される。より詳しくは、例えば各プレイヤの利用者端末100において外部サービスに係る接続先の情報が受信された場合には、ブラウザの別タブ(または別ウィンドウ)を開いて該接続先に接続が行われ、該タブが主として表示される(表示タブとして選択される、または別ウィンドウが最前に表示される)ことにより、マッチングサービスから外部サービスへの一時的な移行が実現される。このとき、マッチングサービスに係るタブは移行中も存在しているため、各プレイヤは、マッチングサービスに係る部屋の状況と外部サービスに係る対戦ゲームのプレイ画面とを並行して確認することもできる。
【0060】
上述したように、本実施形態のマッチングシステムがプレイヤをマッチングする外部サービスに係る対戦ゲームは、TCGである。TCGは、簡易的には、各プレイヤが実物品であるゲームカードを用いてデッキを構築し、シャッフルしたデッキから初期手札となるゲームカードを取得し、プレイヤのターンにおいて、山札からゲームカードを手札に加えつつ、必要に応じて手札を場に配置したり、場に配置した手札の行動を宣言して宣言の解決に係る各種の操作を該当のプレイヤが行ったりしながら進行する。従って、対戦ゲームの進行にあたり、各プレイヤの場(ゲームフィールド)の様子を確認できることが必須となっている。このため、外部サービスを用いて実行される対戦ゲームは、ビデオチャット機能を利用して各プレイヤの手元を撮像した映像と、プレイヤが行った宣言の音声とが互いに共有されながら進行する。
【0061】
ゲームプレイ中にプレイヤの使用する利用者端末100に表示される画面(プレイ画面)は、例えば図10(a)に示されるように、対戦相手の使用する利用者端末100で撮像された実写の映像1001そのものを表示するものであってよい。図10(a)の例では、対戦相手の使用する利用者端末100で撮像された映像1001をそのまま全画面表示する態様を示しているが、プレイ画面は、当該映像1001のフレーム画像を所定のGUIと共に配置して構成されるものであってもよい。
【0062】
外部サービスに係る対戦ゲームが終了すると、各プレイヤの使用する利用者端末100の表示は、外部サービスからマッチングサービスに復帰する。プレイヤの外部サービスの利用が終了したことに関する情報(終了情報)は、少なくともいずれかのプレイヤの利用者端末100からサーバ200に送信されるものであってもよいし、外部サービスに係るゲームサーバからサーバ200に直接送信されるものであってもよい。当該終了情報には、対戦ゲームの結果(勝敗)の情報も含まれるものとする。サーバ200は、受信した終了情報に基づいて各プレイヤに対戦ゲームの結果表示を行うべく、対戦ゲームの結果表示用の情報を表示要求と共に各プレイヤの使用する利用者端末100に送信する。各プレイヤの利用者端末100は、当該情報を受信すると、外部サービスを利用して行われた対戦ゲームの結果表示を行う。
【0063】
またサーバ200は、プレイヤ間で行われた対戦ゲームに係る結果情報を受信すると、該当の利用者の状態をマッチング中からフリー状態に更新する。フリー状態に変更された各利用者のアバタは、テーブルオブジェクトに着いた状態が解除され、マッチング待機状態となる前と同様に当該利用者の使用する利用者端末100においてなされた操作入力に応じて対戦ルームの部屋内を移動可能な状態となる。
【0064】
(ゲーム観戦及び観戦演出)
本実施形態のマッチングサービスでは、対戦ルームの部屋に入室中、利用者がマッチングをしていなくとも楽しむことができる興趣要素として、当該部屋を介して実行された対戦ゲームの観戦に係る機能が提供される。
【0065】
マッチングサービスを利用して可能となる観戦機能の一態様は、対戦ルームの部屋内に配置されたモニタオブジェクトを用いて行われる。モニタオブジェクトは、各部屋に少なくとも1つは配置された平板状のオブジェクトであり、その平面部(以下、情報表示部として言及)に適用するテクスチャを異ならせることで、情報表示に利用することができる。本実施形態のマッチングサービスでは、モニタオブジェクトの情報表示部には、当該モニタオブジェクトが配置された部屋内のプレイヤが現在実行中の対戦ゲームに係るプレイ映像が表示されるものとする。即ち、サーバ200は、当該部屋内のマッチング中である1人のプレイヤに係る手元映像の情報を外部サービスのゲームサーバから順次受信し、そのフレーム画像を情報表示部に表示するテクスチャとして、同部屋に入室中の利用者の利用者端末100に送信することで、モニタオブジェクトを介して提示することができる。ここで、情報表示部に適用されるテクスチャは、図10(a)に示したように1人のプレイヤにフォーカスした手元映像が用いられるものであってもよいし、図10(b)に示したように対戦中の両プレイヤの手元映像を含んで構成された画像が用いられるものであってもよい。
【0066】
当該態様では、部屋内のいずれかのテーブルオブジェクトを用いて利用者同士のマッチングが行われ、現在対戦ゲームが実行中であることが必要になるが、モニタオブジェクトを用いて行われる情報表示はこれに限られるものではない。モニタオブジェクトの情報表示部に表示される映像は、部屋に入室中のいずれかの利用者について過去に実行されたゲームのプレイ映像や、運営によってセレクトされた過去に実行された対戦ゲーム(イベント決勝戦等)のプレイ映像であってもよく、また対戦ゲームのプレイ映像の一部(例えば注目部分等を編集したもの)であってもよい。あるいは、対戦ゲームのコンテンツを盛り上げるべく、当該ゲームコンテンツの紹介映像(PV)等を表示させるものとしてもよい。
【0067】
また、特にプレイ映像を表示させる態様において、観戦の興趣性を各利用者に知らしめるべく、モニタオブジェクトの情報表示部への映像表示を行っている期間は、当該モニタオブジェクトの近傍に配置されたアバタを、モニタオブジェクトを観賞する態様に強制的に設定して表示させるようにしてもよい。
【0068】
また、モニタオブジェクトを容易に確認可能にすべく、利用者がモニタオブジェクトに対する操作入力を行った場合には、利用者端末100の表示範囲に当該モニタオブジェクトの全体が含まれた状態で表示されるよう、部屋(3次元空間)の描画に係るカメラパラメータの変更制御がなされるようにしてもよい。この場合、モニタオブジェクトにフォーカスした表示から通常の表示に戻すためには、例えば操作アバタに対する操作入力を受け付けてカメラパラメータの変更がなされる(モニタオブジェクトにフォーカスしない態様に戻される)よう構成してもよい。
【0069】
また特別対戦ルームのように、部屋に入室した利用者がプレイヤ(ステージにアバタを移動させてマッチング可能な利用者)と観戦者(観戦フロアのみでアバタが移動し、マッチング不可能な利用者)とに分類可能な態様では、その観戦態様は異ならせてよい。即ち、特別対戦ルームの部屋に観戦者として入室する利用者は、観戦が主たる目的であるため、少なくとも同部屋においてトリガされた対戦ゲームが実行中である期間は、観戦者に対応する操作アバタは、ステージ上のモニタオブジェクトを観賞する態様に強制的に設定されて表示されるものであってよい。
【0070】
また観戦者の使用する利用者端末100において設定される、部屋の描画に係るカメラパラメータは、図11に示されるように、常に操作アバタとステージ上のモニタオブジェクトを含むように設定されるよう制御されてよい。図11(a)は、観戦者による操作アバタ1101の移動操作がなされている期間の表示である。このとき、移動方向を明示するために、操作アバタは一時的にモニタオブジェクトを観賞する態様が解除される。またカメラパラメータは、移動先を明示するために、操作アバタの全体とモニタオブジェクトとを表示範囲に含むように設定される。一方、図11(b)は、観戦者による操作アバタの移動操作がなされていない期間の表示である。このときカメラパラメータは、モニタオブジェクトの情報表示部が視認しやすいよう、操作アバタ1101の一部のみが含まれるよう設定される。
【0071】
なお、モニタオブジェクトの情報表示部を介したプレイ映像の観賞は、例えばモニタオブジェクトの手前に配置された他の利用者のアバタ等による遮蔽が生じた場合に好適に観賞できないこともある。このため、より詳しく対戦ゲームの観賞を行いたい利用者のために、マッチングサービスは、プレイ映像を全画面表示にて観賞する機能を備えてもよい。当該全画面表示での観賞機能は、利用者の利用者端末100を外部サービスに一時的に移行させることにより行われるものであってもよいし、サーバ200が外部サービスに係るゲームサーバから受信して利用者端末100に転送しているプレイ映像のフレーム画像を全画面表示することにより行われるものであってもよい。
【0072】
また当該全画面表示での観賞機能は、操作アバタがモニタオブジェクトに所定の距離を越えて近接している場合には、当該モニタオブジェクトに対する操作入力を受け付け、当該操作入力がなされたことを契機として、利用者端末100の表示をプレイ映像の全画面表示に切り替え可能としてもよい。また通常対戦ルームでは、複数のテーブルオブジェクトが配置されて対戦ゲームのマッチングが可能であるため、必ずしもモニタオブジェクトを用いて提示されるプレイ映像が利用者の観戦したい対戦ゲームであるとは限らない。このため、通常対戦ルームでは、利用者によりマッチングが成立したテーブルオブジェクトに対する操作入力がなされたことを契機として、当該利用者の利用者端末100の表示を、そのテーブルオブジェクトに係る対戦ゲームのプレイ映像の全画面表示に切り替え可能としてもよい。この場合、利用者の操作アバタは、例えば当該テーブルオブジェクトの近傍において、当該テーブルオブジェクトを観賞する態様で他の利用者には表示されるよう制御される。
【0073】
また対戦ルームの部屋内での観戦をよりリアリティのある表現とすべく、例えばマッチングが成立したテーブルオブジェクトの上には、対戦ゲームの実行中、当該対戦ゲームに関連するオブジェクト(本実施形態ではゲームカードに対応するカードオブジェクト)を配置して表示する演出を適用してもよい。
【0074】
(スタッフアバタ)
マッチングサービスの利用者には、外部サービスに係る対戦ゲームのマッチングを目的とする一般利用者だけでなく、サービスやイベントの運営側の利用者を含むことができる。運営側の利用者には、例えばサービス利用に不慣れな利用者をサポートするスタッフや、不適切なサービス利用を行う利用者を取り締まるスタッフが含まれる。以下では、運営側の利用者を単にスタッフ、当該利用者が操作するアバタをスタッフアバタとして言及する。また、必要に応じて、一般利用者に係るアバタを一般アバタとして区別して言及する。スタッフと一般利用者とは、サーバ200において管理される不図示の利用者DBにおいて、利用者情報にスタッフ属性が付されているか否かによって判別可能に構成されるものであってよい。
【0075】
スタッフがサービスログインを行った場合も、一般利用者と同様にエントランスルームにスタッフアバタが配置される。エントランスルームでは、スタッフアバタの外観を変更することが可能である。ここで、スタッフアバタは、対戦ルームにおいて一般アバタと識別可能であることが好適であるため、その外観として選択可能な描画要素(アバタの色、装着アイテム等)は一般アバタとは異なるもの(一般利用者が選択不可能なもの)となっている。
【0076】
スタッフは、エントランスルームにおいてスタッフアバタを窓オブジェクトの近傍に移動させることで、移動先の対戦ルームを選択するユーザインタフェースを利用することができる。ここで、スタッフが利用可能なユーザインタフェースは、図6に示した一般利用者が利用可能なものと同様であってよいが、運営用途であるため例えば指定配置要求のみが可能に構成されるものであってもよい。スタッフにより特定の部屋IDの部屋に対する指定配置要求がなされた場合、サーバ200では、当該部屋に入室している一般利用者の数が上限数となっている状態であっても、スタッフの入室が可能に制御される。これは、部屋が満員の状態であっても、サポートを所望する一般利用者が存在し得ることに依る。
【0077】
対戦ルームの各部屋に入室すると、スタッフは移動に係る操作入力を行うことで、スタッフアバタを部屋内で移動させることができる。対戦ルームの部屋では、スタッフには対戦ゲームのマッチング機能の利用権限が付与されない。これは例えば、スタッフアバタがテーブルオブジェクトの近傍に配置されたとしてもマッチング待機要求に係る操作入力が受け付けられないように制御したり、メンテナンスのためにスタッフがマッチング待機状態となった場合に一般利用者からのマッチング要求に基づくマッチング処理を実行しないよう制御したりすることにより実現される。
【0078】
また対戦ルームの部屋では、スタッフには対戦ゲームのマッチング機能の利用権限が付与されない代わりに、一般利用者には与えられない機能の実行権限が与えられる。当該機能には、例えば指定した一般利用者を部屋から強制退出させる機能や、待機中テーブルに一般利用者を案内する機能を含む。また不適切なサービス利用を監視するためや、特別対戦ルームを用いて開催されるイベントの雰囲気を保つために、スタッフには、スタッフアバタを視認不可能な状態で対戦ルームの部屋に配置させることが可能な機能の実行権限が与えられてもよい。
【0079】
(コミュニケーション機能)
また対戦ルームの各部屋では、入室中の利用者間でコミュニケーションを行うための機能が利用可能に構成される。
【0080】
コミュニケーション機能の1つは、テキストチャット機能である。テキストチャット機能は、対戦ルームの1つの部屋に入室中の利用者が、その使用する利用者端末100において入力したテキスト情報(発言情報)をサーバ200が取得し、同部屋に入室中の全利用者が閲覧可能なように当該発言情報を各利用者端末100に配信(共有)することにより実現される。部屋内でなされた発言履歴は、各利用者端末100において仮想空間と共に表示されるテキストチャットウィンドウ等に表示され、同部屋に入室中の各利用者が閲覧可能に構成される。あるいは、発言履歴は、部屋内に配置されたモニタオブジェクトを介して表示されるものであってもよい。発言履歴は、その全てを表示すると利用者端末100における閲覧性が悪くなるため、例えば新着のテキストを上部に、発言から時間が経過したテキストが順に下部に並び、所定行以降は表示されない、あるいはスクロールにより表示可能に構成されるものであってよい。
【0081】
当該テキストチャット機能は、スタッフも利用可能に構成されており、例えば注意喚起や必要なアナウンス等を同部屋に入室中の一般利用者に通知するために用いることができる。スタッフによる発言は、一般利用者が看過してしまうことを防ぐため、テキストチャットウィンドウ等に表示される発言履歴において、最上部等に優先して表示される。
【0082】
またコミュニケーション機能のもう1つは、エモート表示機能である。エモート表示機能は、対戦ルームの1つの部屋に入室中の利用者が、その使用する利用者端末100において入力したエモート情報(例えば、サムズアップやハート等の絵文字)をサーバ200が取得し、同部屋に入室中の利用者が閲覧可能なように当該エモート情報を該当の利用者端末100に配信(共有)することにより実現される。エモート情報の表示は、例えば図12に示されるように、エモート入力した利用者の操作アバタの頭上にその絵文字が吹き出しの態様で行われる。一方で、このような吹き出し表示は、部屋全体で行われて表示された場合には表示オブジェクトの増大によって演算負荷が過多になることが想定されるため、限定的に行われることが好ましい。本実施形態のマッチングサービスでは、利用者により入力されたエモートの表示は、同部屋の当該利用者に対応する操作アバタから所定の距離の範囲にアバタが配置されている利用者に限定して表示される。即ち、サーバ200は、エモート入力した利用者の操作アバタの現在位置(部屋内の座標)から所定の距離内に配置位置が含まれるアバタに対応する利用者を特定し、当該利用者の使用する利用者端末100に入力されたエモート情報を入力した利用者の情報と共に共有して表示させる。また、エモート情報の表示は、エモート入力してから一定時間以内に限定されるものであってよい。
【0083】
《エントランス処理》
このような構成をもつ本実施形態の利用者端末100においてエントランスルームについて実行されるエントランス処理について、図13のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本エントランス処理は、例えば利用者端末100においてマッチングサービスのサービスログインが行われた際に開始されるものとして説明する。また本エントランス処理において、GPU104は、エントランスルームに係る3次元空間を描画する処理をくり返し実行するものとし、以下のフローチャートでは当該処理の説明は省略する。
【0084】
S1301で、制御部101は、操作アバタの外観変更に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、操作アバタの外観変更に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS1302に移し、なされていないと判断した場合は処理をS1303に移す。
【0085】
S1302で、制御部101は、なされた外観変更に係る操作入力に基づいて操作アバタの外観を変更する。またGPU104は制御部101の制御の下、変更後の外観の操作アバタを描画してディスプレイ110に表示する。
【0086】
S1303で、制御部101は、操作アバタの移動に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、操作アバタの移動に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS1304に移し、なされていないと判断した場合は処理をS1301に戻す。
【0087】
S1304で、制御部101は、移動に係る操作入力に基づいて操作アバタの配置位置を変更する。
【0088】
S1305で、制御部101は、移動後の操作アバタの配置位置が窓オブジェクトから所定の距離以内であるか否かを判断する。制御部101は、移動後の操作アバタの配置位置が窓オブジェクトから所定の距離以内であると判断した場合は処理をS1306に移し、所定の距離以内ではないと判断した場合は処理をS1301に戻す。
【0089】
S1306で、GPU104は制御部101の制御の下、移行先の対戦ルームの選択に係る画像をディスプレイ110に表示する。
【0090】
S1307で、制御部101は、移行先の対戦ルームの選択に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、移行先の対戦ルームの選択に係る操作入力がなされたと判断した場合は処理をS1308に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。なお、制御部101は、移行先の対戦ルームの選択に係る画像の表示終了に係る操作入力がなされた場合には、処理をS1301に戻すものとする。
【0091】
S1308で、制御部101は、移行先の対戦ルームの選択に係る操作入力に基づいて、利用者の対戦ルームの入室に係る配置要求をサーバ200に送信して本エントランス処理を完了する。
【0092】
このようにすることで、他の利用者に係るアバタのいない空間にて、利用者は外観の設定を落ち着いて行うことができる。また移動したい対戦ルームの選択を、興趣性を有する態様で行うことができる。
【0093】
《案内処理》
次に、本実施形態のサーバ200で実行される利用者を対戦ルームに入室させる案内処理について、図14のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、サーバ制御部201が、例えばサーバ記憶装置202に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより実現することができる。なお、本案内処理は、例えば自動配置要求を受信した際に開始されるものとして説明する。
【0094】
S1401で、制御部101は、自動配置要求により指定された種類の対戦ルームについて設けられた部屋のうちから、利用者が入室中の部屋を抽出する。
【0095】
S1402で、制御部101は、S1401において抽出した部屋のうちから上限数の利用者が入室している部屋を除外する。
【0096】
S1403で、制御部101は、S1402における除外後の抽出した部屋のうちから、入室中の利用者の数が最も多い1つの部屋を選択し、当該部屋に自動配置要求を行った利用者を入室させる処理を実行して、本案内処理を完了する。
【0097】
このようにすることで、マッチングが成立しやすい対戦ルームの部屋に利用者を案内することができる。
【0098】
《モニタ表示処理》
続いて、本実施形態の利用者端末100において対戦ルームのモニタオブジェクトへの情報提示を行うモニタ表示処理について、図15のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本モニタ表示処理は、例えば対戦ルームの部屋に利用者の操作アバタが配置された(利用者が部屋に入室した)際に開始されるものとして説明する。また本モニタ表示処理において、GPU104は、対戦ルームに係る3次元空間を描画する処理をくり返し実行するものとし、以下のフローチャートでは当該処理の説明は省略する。
【0099】
S1501で、制御部101は、テーブルオブジェクトにおいてマッチングが成立した、マッチング中の利用者(プレイヤ)が部屋内に存在するか否かを判断する。制御部101は、マッチング中のプレイヤが部屋内に存在すると判断した場合は処理をS1502に移し、存在しないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0100】
S1502で、GPU104は制御部101の制御の下、部屋内のモニタオブジェクトの情報表示部に、マッチング中のプレイヤに係るプレイ映像のフレーム画像をテクスチャとして順次適用して描画することで、モニタオブジェクトをプレイ映像を提示する態様でディスプレイ110に表示させる。
【0101】
S1503で、制御部101は、部屋が通常対戦ルームの部屋と特別対戦ルームの部屋のいずれであるかを判断する。制御部101は、部屋が通常対戦ルームの部屋であると判断した場合は処理をS1504に移し、特別対戦ルームの部屋であると判断した場合は処理をS1505に移す。
【0102】
S1504で、GPU104は制御部101の制御の下、モニタオブジェクトの近傍に配置位置が設定されているアバタの表示態様を、当該モニタオブジェクトを観賞する態様に変更して描画した画面をディスプレイ110に表示する。
【0103】
一方、S1503において部屋が特別対戦ルームの部屋であると判断された場合、GPU104は制御部101の制御の下、S1505で、観戦者に分類される利用者のアバタの表示態様を、モニタオブジェクトを観賞する態様に変更して描画した画面をディスプレイ110に表示する。
【0104】
S1506で、制御部101は、マッチング中のプレイヤにより実行されていた対戦ゲームが終了したか否かを判断する。制御部101は、対戦ゲームが終了したと判断した場合は処理をS1501に戻し、終了していないと判断した場合は本ステップの処理をくり返す。
【0105】
以上説明したように、本実施形態のマッチングシステムによれば、仮想空間を利用時の興趣性を高めた、利便性の高いマッチングサービスを提供することができる。
【0106】
[実施形態2]
上述した実施形態ではマッチングサービスにおいて、1つのゲームコンテンツに係る対戦ゲームのマッチングを行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチングシステムを用いてマッチング可能なゲームコンテンツの数は複数種類あってもよく、その場合、少なくとも各種対戦ルームはゲームコンテンツごとに設けられればよい。いずれのゲームコンテンツの対戦ルームへの配置要求を行うかは、例えば、エントランスルームにおいて利用者の意思によって決定されるものであってよい。
【0107】
[変形例1]
上述した実施形態では、各対戦ルームの部屋は利用者同士のマッチング機能、観戦機能、コミュニケーション機能を主として提供するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。各部屋では、例えばマッチングが提供されるゲームコンテンツの関連商品の販売/購入機能が提供されてもよい。例えば、上述したようにマッチングが提供される対戦ゲームがTCGである場合には、当該TCGにおいて使用可能な実物品(ゲームカード)の販売/購入機能が提供されるものであってよい。販売/購入機能は、マッチングサービスにおいて決済手続きがなされるものであってもよいし、例えばECサイトの該当商品の販売ページに利用者端末100を移行させる機能により間接的に提供されるものであってもよい。
【0108】
また関連商品は実物品である必要はなく、例えばゲーム内アイテムやダウンロードコンテンツ等を含むものであってもよい。
【0109】
[変形例2]
上述した実施形態では、エントランスルームは利用者の操作アバタが単独で配置される仮想空間であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えばグループ利用等の態様において、エントランスルームには複数人の利用者のアバタが配置されるよう構成されてもよい。
【0110】
[変形例3]
上述した実施形態では、エントランスルームにおいて窓オブジェクトの近傍に操作アバタが配置された場合に、対戦ルームを模した施設の画像が含まれる画像が、移行先の対戦ルームを選択するために提示されるものとして説明した。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えば該当の対戦ルームの3次元空間を描画した画像が含まれる画像を提示してもよい。
【0111】
[変形例4]
上述した実施形態では、自動配置要求がなされた場合に、上限数に至っていない部屋のうちの入室者数が最も多い部屋が移行先として選択される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。入室者数が少ない部屋よりも多い部屋が優先的に選択されるのであればよく、移行先の部屋は入室者数が所定数を上回る部屋のうちから選択されてもよい。
【0112】
[変形例5]
上述した実施形態では、マッチングサービスにおいてマッチングが提供される外部サービスの対戦ゲームがTCGであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチングが提供されるゲームは、他のジャンルの対戦ゲームであってもよい。またマッチングが提供されるゲームは、複数人の利用者を参加させることが可能に構成されたゲームであれば、協力プレイを行うゲーム等、対戦ゲームに限られるものではない。またマッチングが提供されるゲームは、外部サービスを利用して実行されるものである必要はなく、マッチングサービスの一機能として設けられたゲームであってもよい。
【0113】
[変形例6]
上述した実施形態では、対戦ルームにおいてモニタオブジェクトの情報表示部に提示される映像が実写のプレイ映像であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えばゲームのジャンルや実行方法によっては、実写ではない映像をプレイ映像として提示することもできる。
【0114】
[変形例7]
上述した実施形態では、対戦ルームの部屋内に設けられたテーブルオブジェクトを介してマッチング要求に関する手続きが可能であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。マッチング要求に関する手続きは、例えば任意のオブジェクトを介することなく、部屋内に設けられた特定の位置にアバタが配置されている場合に実行可能に構成されるものであってもよい。
【0115】
[変形例8]
上述した実施形態及び変形例では、マッチングサービスにおいて提供される仮想空間が、3次元モデルを配置して表現される3次元空間であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、2次元モデルを配置して構成される2次元空間にも、本発明が適用可能であることは言うまでもない。
【0116】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のプログラム、情報処理装置及びマッチングシステムを少なくとも開示する。
【0117】
(1) コンピュータに、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御処理と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御処理において、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示されるプログラム。
【0118】
(2) 前記コンピュータを使用する利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付ける入力処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲームのマッチングは、前記第1種別の仮想物品の近傍に複数の仮想キャラクターが配置されていることを条件として、当該複数の仮想キャラクターに対応付けられた利用者間について行われ、
前記部屋に配置された前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームが実行中である期間、前記表示制御処理において、当該部屋に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示される(1)に記載のプログラム。
【0119】
(3) 前記ゲームのマッチングは、前記第1種別の仮想物品の近傍に2体の仮想キャラクターが配置されていることを条件として、当該2体の仮想キャラクターに対応付けられた2人の利用者間について行われる(2)に記載のプログラム。
【0120】
(4) 前記ゲームのマッチングは、前記2体の仮想キャラクターが前記第1種別の仮想物品を介して対向したことを条件として行われる(3)に記載のプログラム。
【0121】
(5) 前記入力処理において、前記ゲームが実行中である期間、前記第1利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付けないよう制御される(2)乃至(4)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0122】
(6) 前記部屋は、第1領域と第2領域に分けられており、
前記第1種別の仮想物品及び前記第2種別の仮想物品は、前記第1領域に配置され、
前記表示制御処理において、前記第2領域に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示される(2)乃至(5)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0123】
(7) 前記第2種別の仮想物品は、前記第2領域から前記第1領域に向かう方向において、前記第1種別の仮想物品よりも遠方に配置される(6)に記載のプログラム。
【0124】
(8) 前記入力処理において、前記ゲームが実行中である期間においても、前記第2領域に配置された前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを移動させる操作入力を受け付けるよう制御される(6)または(7)に記載のプログラム。
【0125】
(9) 前記コンピュータを使用する利用者が前記第2利用者である場合に、前記ゲームが実行中である期間、前記表示制御処理において、当該利用者に対応付けられた仮想キャラクターと前記第2種別の仮想物品を含む表示態様で前記仮想空間が表示され、
前記表示態様は、仮想キャラクターを移動させる操作入力が受け付けられている期間では当該仮想キャラクターの全体を少なくとも含み、仮想キャラクターを移動させる操作入力が受け付けられていない期間では当該仮想キャラクターの一部のみを含むよう制御される(8)に記載のプログラム。
【0126】
(10) 前記コンピュータを使用する利用者に対応付けられた仮想キャラクターが、所定の距離を越えて前記第2種別の仮想物品に近接している場合に、前記表示制御処理において、前記表示態様に代えて前記ゲームのプレイ内容のみを表示する表示への切り替えが可能に制御される(9)に記載のプログラム。
【0127】
(11) 前記部屋は、第1種別の部屋と第2種別の部屋とを含み、
前記表示制御処理において、
前記部屋が前記第1種別の部屋である場合には、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示され、
前記部屋が前記第2種別の部屋である場合には、前記第1種別の仮想物品に対する操作入力がなされたことを条件として、当該操作入力を行った前記第2利用者に対応付けられたキャラクターが前記第1種別の仮想物品を観賞する態様で表示される、(1)乃至(10)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0128】
(12) 前記第1種別の仮想物品はテーブルであり、前記第2種別の仮想物品はモニタである(1)乃至(11)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0129】
(13) 利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御手段と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御手段は、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示する情報処理装置。
【0130】
(14) 利用者が使用する情報処理装置と、複数の利用者を参加させるゲームのマッチング処理を行うマッチングサーバとを含むマッチングシステムであって、
前記情報処理装置は、
利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させる前記ゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御手段と、
前記仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、前記ゲームの実行をトリガする制御手段と、
を備え、
前記仮想空間は、部屋の態様で構成され、前記ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、前記第1種別の仮想物品を介してトリガされた前記ゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが前記部屋の内部に少なくとも配置され、
前記部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、前記ゲームをプレイ中である第1利用者と前記ゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、
前記表示制御手段は、前記第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターを前記第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示するマッチングシステム。
【0131】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0132】
100:利用者端末、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:ディスプレイ、105:操作I/F、106:通信I/F、120:撮像ユニット、130:マイク、140:スピーカ、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記憶装置、203:サーバメモリ、204:サーバ通信I/F、300:ネットワーク
【要約】
【課題】仮想空間を利用時の興趣性を高める。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、利用者に対応付けられた仮想キャラクターが移動可能に配置された仮想空間であって、複数の利用者を参加させるゲームのマッチングが可能な仮想空間を表示させる表示制御処理と、仮想空間におけるマッチングの成立を条件として、ゲームの実行をトリガする制御処理と、を実行させるプログラムであって、仮想空間は、部屋の態様で構成され、ゲームの実行をトリガするための第1種別の仮想物品と、第1種別の仮想物品を介してトリガされたゲームのプレイ内容を表示するための第2種別の仮想物品とが部屋の内部に少なくとも配置され、部屋に仮想キャラクターが配置される利用者は、ゲームをプレイ中である第1利用者とゲームをプレイ中でない第2利用者とに分類され、表示制御処理において、第2利用者に対応付けられた仮想キャラクターが第2種別の仮想物品を観賞する態様で表示される。
【選択図】図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15