(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0273 20230101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q30/0273
(21)【出願番号】P 2023017700
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2018238276の分割
【原出願日】2018-12-20
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】水野 祥吾
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-180654(JP,A)
【文献】特開2002-358462(JP,A)
【文献】特開2012-118882(JP,A)
【文献】特開2016-206447(JP,A)
【文献】特開2005-173042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像装置によりそれぞれ異なる方向から撮影される複数の撮影画像に基づいて生成される仮想視点画像に対応する仮想視点の位置及び方向を示す仮想視点情報を取得する取得手段と、
仮想空間に予め設定された広告枠を示す情報と前記仮想視点情報とに基づいて、前記仮想視点情報が示す仮想視点に対応する前記仮想視点画像における前記広告枠に表示される広告画像の表示様態に応じた
広告料を決定する決定手段と
、を有し、
前記決定手段は、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されている場合、前記描画されている広告を出している企業からの前記広告枠に表示される広告画像について、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されていない場合よりも少ない金額の広告料を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記広告枠は、前記仮想空間における位置、向き及びサイズが予め設定されていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記仮想視点と前記広告枠の前記仮想空間における位置関係に基づいて、前記
広告料を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記仮想視点画像における前記広告枠のサイズに基づいて前記
広告料を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記仮想視点画像における前記広告枠のサイズがサイズ閾値未満の場合に、前記サイズ閾値以上の場合に比べて少ない金額を決定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記仮想視点の視線方向と前記広告枠の面のなす角に基づいて前記
広告料を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記仮想視点の視線方向と前記広告枠の面のなす鋭角の角度が角度閾値未満の場合に、前記角度閾値以上の場合に比べて少ない金額を決定することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記仮想視点と前記広告枠の前記仮想空間における位置関係に基づいて、前記仮想視点画像に広告画像を配置するか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記決定手段は、前記判定手段が前記広告画像を配置すると判定した場合に、配置される広告画像に対応した前記
広告料を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記広告が検知された場合に、前記広告と前記仮想視点との位置関係に基づいて、前記
広告料を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記広告が検知され、かつ前記広告と前記仮想視点との位置関係が所定の条件を満たす場合に、前記広告が含まれ、かつ前記位置関係が前記条件を満たさない場合に比べて、少ない金額を決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記広告が含まれ、かつ前記広告と前記仮想視点との位置関係が所定の条件を満たす場合に、前記広告枠に前記広告画像を重畳しないよう制御する重畳制御手段と
をさらに有し、
前記決定手段は、前記広告画像が重畳されない場合に、前記広告画像の課金を行わないよう決定することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数の撮像装置によりそれぞれ異なる方向から撮影される複数の撮影画像に基づいて生成される仮想視点画像に対応する仮想視点の位置及び方向を示す仮想視点情報を取得する取得
工程と、
仮想空間に予め設定された広告枠を示す情報と前記仮想視点情報とに基づいて、前記仮想視点情報が示す仮想視点に対応する前記仮想視点画像における前記広告枠に表示される広告画像の表示様態に応じた
広告料を決定する決定
工程と
を有し、
前記決定工程では、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されている場合、前記描画されている広告を出している企業からの前記広告枠に表示される広告画像について、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されていない場合よりも少ない金額の広告料を決定することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
複数の撮像装置によりそれぞれ異なる方向から撮影される複数の撮影画像に基づいて生成される仮想視点画像に対応する仮想視点の位置及び方向を示す仮想視点情報を取得する取得工程と、
仮想空間に予め設定された広告枠を示す情報と前記仮想視点情報とに基づいて、前記仮想視点情報が示す仮想視点に対応する前記仮想視点画像における前記広告枠に表示される広告画像の表示様態に応じた広告料を決定する決定工程とを有し、
前記決定工程では、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されている場合、前記描画されている広告を出している企業からの前記広告枠に表示される広告画像について、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されていない場合よりも少ない金額の広告料を決定する制御方法を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のカメラを異なる位置に設置して多視点で同期撮影し、撮影により得られた複数視点画像を用いて、カメラ設置位置の画像だけでなく任意の視点からなる仮想視点画像を生成する技術が注目されている。複数視点画像に基づく仮想視点画像の生成及び閲覧は、サーバ等の画像処理部が複数のカメラが撮影した画像に基づいて、仮想視点に基づくレンダリングなどの処理を施し、ユーザ端末に仮想視点画像を表示することで実現できる。
【0003】
上記のような仮想視点画像を用いたサービスでは、例えば、サッカーやバスケットボールの試合を撮影した映像から、映像制作者によって迫力のある視点のコンテンツを制作することができるようになる。また、例えば、試合の映像から、コンテンツを視聴しているユーザ自身が自由に視点を移動しながら試合観戦できるようになる。このように、従来の撮影画像と比較してユーザに高臨場感を与えることができる。
【0004】
また、仮想視点画像に広告を表示、課金する技術も知られている。特許文献1には、仮想空間上に仮想広告枠を設けておき、仮想広告枠を含む仮想視点の映像データが送信される場合に、視聴環境に応じた広告情報を仮想広告枠に表示し、表示に応じて課金する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、仮想広告による実際の広告効果に見合った広告料で課金することが困難であった。例えば、仮想広告枠の位置や大きさに基づいて広告料を設定した場合、広告料が同じであるにも関わらず、仮想視点の位置及び向きによっては、その仮想広告が視聴者にとって目につきやすい様態で仮想視点画像に表示される場合もあれば表示されない場合もある。また、表示されるとしても、視聴者にとって目につきにくい位置や角度で表示される場合もある。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、仮想視点画像における広告効果に応じた金額を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、情報処理装置であって、複数の撮像装置によりそれぞれ異なる方向から撮影される複数の撮影画像に基づいて生成される仮想視点画像に対応する仮想視点の位置及び方向を示す仮想視点情報を取得する取得手段と、仮想空間に予め設定された広告枠を示す情報と前記仮想視点情報とに基づいて、前記仮想視点情報が示す仮想視点に対応する前記仮想視点画像における前記広告枠に表示される広告画像の表示様態に応じた広告料を決定する決定手段と、を有し、前記決定手段は、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されている場合、前記描画されている広告を出している企業からの前記広告枠に表示される広告画像について、前記仮想視点画像に実空間に存在する広告が描画されていない場合よりも少ない金額の広告料を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想視点画像における広告効果に応じた金額を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】画像生成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】課金額決定処理を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る画像生成装置の機能構成図である。
【
図10】第2の実施形態に係る課金額決定処理を示すフローチャートである。
【
図11】仮想空間における広告領域と、看板広告を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像処理システム100の全体図である。画像処理システム100は、複数の撮像装置110と、情報処理装置の一例である画像生成装置120と、端末装置130と、を有している。各撮像装置110と画像生成装置120は、LAN(Local Area Network)ケーブル等の通信ケーブルを介して接続している。なお、本実施形態においては、通信ケーブルはLANケーブルであるものとするが、通信ケーブルは実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図2は、撮像装置110の設置例を示す図である。本実施形態においては、複数の撮像装置110は、それぞれサッカー場のすべて又は一部を撮影するように設置されているものとする。つまり、本実施形態の画像処理システム100には、被写体を複数の方向から撮影するための複数の撮像装置110が含まれる。撮像装置110は、例えば画像(静止画及び動画)を撮影可能なデジタルカメラである。撮影された画像は、撮像装置110から画像生成装置120に送信される。
【0014】
画像生成装置120は、撮像装置110により得られた撮像画像を蓄積する。画像生成装置120は、端末装置130におけるユーザ操作により、仮想視点情報が入力されると、撮像画像と仮想視点とに基づいて、仮想視点画像を生成する。ここで、仮想視点情報は、撮像画像から構築される仮想空間における仮想的な視点(仮想視点)の3次元的な位置と角度(視線方向)とを示す情報である。仮想視点情報は、撮影した競技場の中央など所定位置に対する相対的な位置、つまり所定位置に対する前後、左右、左右の位置情報、その所定位置からの向き、つまり前後、左右、上下を軸とする角度の方向情報とを少なくとも含むものとする。仮想視点画像は、仮想視点から撮影位置、撮影報告及び画角を仮定した場合に得られる仮想的な画像である。
【0015】
画像生成装置120は、例えば、サーバ装置であり、データベース機能や、画像処理機能を備えている。データベースには、競技の開始前など予め被写体が存在しない状態の競技会場の場面を撮影した画像を背景画像として、撮像装置110を介して保持しておく。また競技中の選手など被写体の存在するシーンでは、被写体となる特定のオブジェクト等の前景を画像処理により分離して、特定オブジェクト画像として保持しておく。なお、特定オブジェクトは、競技する選手だけでなく、例えば、他の特定人物(控え選手、監督、審判など)であってもよく、ボールやゴールなど、画像パターンが予め定められている物体であってもよい。
【0016】
仮想視点情報に対応した仮想視点画像は、データベースで管理された背景画像と特定オブジェクト画像とから生成されるものとする。仮想視点画像の生成方式として、例えばモデルベースレンダリング(Model-Based Rendering:MBR)が用いられる。MBRとは、被写体を複数の方向から撮影した複数の撮像画像に基づいて生成される三次元モデルを用いて仮想視点画像を生成する方式である。具体的には、視体積交差法、Multi-View-Stereo(MVS)などの三次元形状復元手法により得られた対象シーンの三次元形状(モデル)を利用し、仮想視点からのシーンの見えを画像として生成する技術である。なお、仮想視点画像の生成方法は、MBR以外のレンダリング手法であってもよい。生成された仮想視点画像は、LANケーブルなどを介して、端末装置130に伝送される。
【0017】
端末装置130は、例えば、PC(Personal Computer)やタブレットである。コントローラ131は、例えば、マウス、キーボード、6軸コントローラ、タッチパネルである。ユーザは、コントローラ131を操作し、画面上に静止画像や動画像を表示する。端末装置130は、例えば、画像生成装置120から受信した仮想視点画像を表示部132に表示する。端末装置130は、さらに、接続されたコントローラ131に対するユーザ操作に応じて、仮想視点の移動指示(移動量と移動方向に関する指示)を受け付け、受け付けた指示に応じた移動指示情報を示す伝送信号を画像生成装置120に送信する。ここで、移動指示は、仮想視点の設定指示の一例である。
【0018】
図3は、画像生成装置120のハードウェア構成を示す図である。画像生成装置120は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、表示部305と、入力部306と、通信部307とを有している。CPU301は、ROM302に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD304は、各種データや各種プログラム等を記憶する。表示部305は、各種情報を表示する。入力部306は、キーボードやマウスを有し、ユーザによる各種操作を受け付ける。通信部307は、ネットワークを介して撮像装置110等の外部装置との通信処理を行う。なお、ネットワークとしては、イーサネット(登録商標)が挙げられる。また、他の例としては、通信部307は、無線により外部装置との通信を行ってもよい。
【0019】
なお、後述する画像生成装置120の機能や処理は、CPU301がROM302又はHDD304に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。また、端末装置130のハードウェア構成は、画像生成装置120のハードウェア構成と同様である。
【0020】
図4は、画像生成装置120の機能構成を示す図である。画像生成装置120は、撮影画像取得部401と、前景背景分離部402と、撮影画像保持部403と、カメラパラメータ保持部404と、被写体形状生成部405と、入力受付部406と、仮想視点情報生成部407と、を有している。画像生成装置120はまた、仮想視点画像生成部408と、画像出力処理部409と、広告枠情報保持部410と、広告画像保持部411と、広告画像配置部412と、広告表示様態特定部413と、課金額設定部414と、を有している。
【0021】
撮影画像取得部401は、撮像装置110からLANケーブルを介して入力された伝送信号を取得し、これを撮影画像に変換する。前景背景分離部402は、撮影画像取得部401から取得した撮影画像のうち、競技の開始前など予め被写体が存在しない状態の競技会場の場面を撮影した画像を背景画像データとして、撮影画像保持部403へ格納する。また、前景背景分離部402は、競技中に撮影された画像から選手など被写体を抽出し、前景画像データとして撮影画像保持部403へ格納する。
【0022】
撮影画像保持部403は、データベースであり、前景背景分離部402から入力された撮影画像データのうち、被写体が存在しない状態で予め撮影された画像を背景画像データとして保存する。また背景画像データと被写体の存在する撮影画像データとの差分データを前景画像データとして保存する。
【0023】
カメラパラメータ保持部404は、各撮像装置110の位置情報と、各撮像装置110の焦点距離やシャッタースピードなどのカメラ設定情報などをカメラパラメータとして、予め保持する。なお、各撮像装置110は、予め決められた位置に設置されるものとする。
【0024】
被写体形状生成部405は、撮影画像保持部403から前景画像データを取得し、カメラパラメータ保持部404からカメラパラメータを取得する。そして、被写体形状生成部405は、前景画像データとカメラパラメータとを用いて、被写体の形状を推定する。被写体形状生成部405は、例えば、視体積交差法などの三次元形状復元手法を用いて被写体の被写体形状情報を生成する。
【0025】
入力受付部406は、端末装置130からLANケーブルを介して入力された伝送信号をユーザ入力データに変換する。ユーザ入力データが仮想視点の設定指示である場合、設定指示を仮想視点情報生成部407へ送る。仮想視点情報生成部407は、入力受付部406から設定指示を取得すると、設定指示に従い、仮想空間内の位置と方向を含む仮想視点情報を更新する。なお、仮想空間の原点は競技場の中心などが仮想空間の原点として予め設定されているものとする。
【0026】
仮想視点画像生成部408は、撮影画像保持部403から前景画像データと背景画像データを取得する。仮想視点画像生成部408は、カメラパラメータ保持部404からカメラパラメータを取得する。仮想視点画像生成部408は、被写体形状生成部405から被写体形状情報を取得する。仮想視点画像生成部408は、仮想視点情報生成部407から仮想視点情報を取得する。そして、仮想視点画像生成部408は、前景画像データと、背景画像データと、カメラパラメータと、被写体形状情報と、仮想視点情報とに基づき、背景画像データを仮想視点から見た形状に投影変換や画像処理を施して仮想視点画像の背景を生成する。
【0027】
さらに、仮想視点画像生成部408は、仮想視点位置から見た被写体形状に対して、実カメラ(撮像装置110)で撮影された画像データの色情報でレンダリング(着色処理)して仮想視点画像を生成する。例えば、仮想視点から被写体形状情報に基づく被写体が見えている状況で、被写体形状情報の位置から所定の範囲内に撮像装置110が存在するとする。この場合、仮想視点画像生成部408は、この撮像装置110の前景画像データを形状モデルの色として使用する。また、仮想視点画像生成部408は、後述する広告画像配置部412から配置広告画像を取得し、仮想視点から見た背景画像と同様に、配置広告画像を投影変換して仮想視点画像の背景の一部として生成する。画像出力処理部409は、仮想視点画像生成部408が生成した画像データを、端末装置130へ伝送可能な伝送信号に変換して、端末装置130へ出力する。
【0028】
広告枠情報保持部410は、仮想広告枠情報を保持する。ここで、仮想広告枠情報は、三次元の仮想空間における広告枠の位置及、向き及びサイズを示す情報である。ここで、広告枠は、広告画像が配置される平面状の領域を定める矩形枠である。広告枠の位置、向き及びサイズは予め定められているものとする。ここで、広告枠の向きとは、広告枠の面がいずれの方向を向いているかの指標値である。本実施形態においては、広告枠の面に対する垂線の方向を広告枠の向きと称するものとする。また、広告枠の形状も予め定められているものとする。ただし、形状は、矩形に限定されるものではなく、他の形状でもよい。また、本実施形態においては、広告枠は2次元の領域を定めるものであるが、広告枠は三次元の領域を定めるものであってもよい。
【0029】
例えば、競技場を撮影して得られた仮想空間の観客席壁面に広告枠が設定されたとする。この場合には、実際の競技場の壁面には広告が存在しないものの、実世界に基づく仮想空間を仮想視点から見た仮想視点画像においては、観客席壁面に広告画像が重畳される。このため、ユーザは、あたかも観客席壁面に広告が表示されているような仮想視点画像を視認することができる。
【0030】
広告画像保持部411は、仮想空間に広告として表示する広告画像を保持する。広告画像は、例えば企業などの会社名ロゴや製品名ロゴ、製品イメージ等の画像である。広告画像は広告主から提供される。広告画像配置部412は、広告枠情報保持部410から仮想広告枠情報を取得し、広告画像保持部411から広告画像を取得する。広告画像配置部412は、仮想広告枠情報と広告画像とに基づき、仮想広告枠情報により特定される広告枠に広告画像を配置した配置広告画像を生成する。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、広告枠情報保持部410には1つの広告枠情報のみが保持され、広告画像保持部411には、1つの広告画像のみが保存される場合の例を中心に説明する。ただしこれに限らず、広告枠情報保持部410に複数の広告に関する広告枠情報が保持され、広告画像保持部411に複数の広告画像が保持されていてもよい。この場合、各広告画像とその広告画像が配置される広告枠とを関連付ける情報が広告枠情報に含まれていてもよい。
【0031】
広告表示様態特定部413は、仮想視点画像生成部408から仮想視点画像を取得し、また広告画像配置部412から広告配置情報を取得する。ここで、広告配置情報は、配置広告画像における広告画像が配置された広告枠の位置、向き及びサイズ(面積)を示す情報である。広告表示様態特定部413は、仮想視点画像及び広告配置情報に基づいて、広告の表示様態を特定する。
【0032】
ここで、表示様態について説明する。広告枠の表示については、仮想視点画像において表示される際の、基準となるサイズ及び向きが予め定められている。この基準となるサイズ及び向きを含む表示様態を基準表示様態と称する。また、基準となるサイズ及び向きをそれぞれ基準サイズ及び基準向きと称する。
【0033】
ここで、基準サイズは、仮想視点画像における面積で定義される。例えば、幅1920ピクセル、高さ1080ピクセルの仮想視点画像に対し、広告枠の基準サイズが幅640ピクセル、高さ480ピクセルと設定されているものとする。また、基準向きは、仮想視点画像における広告枠の向きと仮想視点の視線方向のなす角で定義される。本実施形態においては、仮想視点の視線方向と一致する広告枠の向きが基準向きとして定義されているものとする。さらに、基準表示様態に対し、広告表示に係る課金額(基準額)が予め設定されている。なお、基準サイズ及及び基準向きは任意に設定することができる。
【0034】
これに対し、ユーザ操作に応じて指定された仮想視点に対応した仮想視点画像においては広告枠のサイズ及び向きは、基準サイズ及び基準向きと異なる場合がある。この差分が、ユーザ操作に応じて指定された仮想視点に対応した仮想視点画像における広告枠の表示様態である。例えば、上述の基準サイズに対し、ユーザ操作に応じて生成された仮想視点画像における広告枠のサイズが幅320ピクセル、高さ240ピクセルであるとする。この場合、面積比25%が表示様態として特定される。また、基準向きと、ユーザ操作に応じて生成された仮想視点画像における広告枠の向きのなす鋭角の角度が45度であるとする。この場合には、角度45度が表示様態として特定される。広告表示様態特定部413はまた、広告枠の領域の一部が仮想視点画像の外側に位置する場合には、広告枠の領域全体に対する、仮想視点画像内に含まれる広告枠の領域の割合を特定する。なお、広告表示様態特定部413は、仮想視点の位置及び方向を示す仮想視点情報と広告配置情報とに基づいて、その仮想視点情報に応じた仮想視点画像における広告の表示様態を特定してもよい。また、広告表示様態特定部413は、これに限らず、広告の挿入された仮想視点画像に対する画像認識により広告の表示様態を特定してもよい。
【0035】
課金額設定部414は、広告表示様態特定部413から表示様態情報を取得する。そして、課金額設定部414は、表示様態情報に基づいて、広告表示に係る課金額を設定する。具体的には、課金額設定部414は、表示様態が減額条件を満たす場合に、減額条件に従い課金額を基準額から減額する。一方で、課金額設定部414は、表示様態が減額条件を満たさない場合には、基準額を課金額として設定する。
【0036】
本実施形態においては、以下の条件が減額条件としてHDD304に設定されているものとする。すなわち、生成された仮想視点画像における広告枠のサイズの基準サイズに対する比(面積比)が50%未満になった場合に、基準額から50%減額した値を課金額として設定する。また生成された仮想視点画像における広告枠の向きと基準向きとのなす鋭角が45度未満になった場合に、基準額から50%減額した値を課金額として設定する。
【0037】
なお、減額条件は、広告枠のサイズが第1サイズ閾値未満の場合に第1サイズ閾値以上の場合に比べて少ない課金額を決定するような条件であればよく、広告枠のサイズに係る減額条件は実施形態に限定されるものではない。また、減額条件は、広告枠の向きと基準向きとのなす鋭角が第1角度閾値未満の場合に第1角度閾値以上の場合に比べて少ない課金額を決定するような条件であればよく、広告画像の向きに係る減額条件は実施形態に限定されるものではない。
【0038】
なお、課金額設定部414は、サイズと角度の両方が減額条件を満たす場合には、減額割合の多い方を適用するものとする。なお、他の例としては、課金額設定部414は、サイズと角度の両方が減額条件を満たす場合には、両方の減額割合を積算することとしてもよい。また、他の例としては、課金額設定部414は、例えば、面積比が50%未満になった場合に50%減額し、面積比が25%未満になった場合に75%減額する、というように、段階的に減額するような課金額を決定してもよい。
【0039】
なお、仮想視点画像における広告枠の表示様態は、仮想視点と広告枠の仮想空間における位置関係に応じて定まるものである。すなわち、課金額設定部414が表示様態に基づいて課金額を設定する処理は、位置関係に基づいて課金額を決定する決定処理の一例である。
【0040】
以上、
図4を用いて画像生成装置120の構成例について説明したが、画像生成装置120の構成はこれに限定されるものではない。例えば、撮影画像取得部401、前景背景分離部402、撮影画像保持部403、カメラパラメータ保持部404、及び被写体形状生成部405は、画像生成装置120とは別の装置内に構成されてもよい。この場合、画像生成装置120はその別の装置との間で各種のデータを通信して上述したような処理を行えばよい。
【0041】
図5は、画像生成装置120による課金額決定処理を示すフローチャートである。S501において、仮想視点情報生成部407は、入力受付部406を介して端末装置130から仮想視点の設定指示を受け付け、設定指示に従い、仮想視点情報を更新する。次に、S502において、仮想視点画像生成部408は、仮想視点情報に基づいて、前景画像データと背景画像データを撮影画像保持部403から取得する。次に、S503において、仮想視点画像生成部408は、被写体形状情報を被写体形状生成部405から取得する。次に、S504において、仮想視点画像生成部408は、カメラパラメータ情報をカメラパラメータ保持部404から取得する。次に、S505において、仮想視点画像生成部408は、仮想広告配置情報を広告画像配置部412から取得する。なお、S502~S505の処理は、いずれもS501の処理の後に行われればよく、S502~S505の処理順序は実施形態に限定されるものではない。
【0042】
次に、S506において、仮想視点画像生成部408は、仮想視点情報と、仮想広告配置情報と、に基づいて、仮想視点から広告画像が見えるか否かを判定する。具体的には、仮想視点画像生成部408は、仮想視点と広告枠の位置関係が視認可能条件を満たす場合に、広告画像が見えると判定する。ここで、視認可能条件は、仮想視点と広告枠の位置関係に係る条件で、予めHDD304に設定されているものとする。本実施形態においては、仮想視点画像内に広告枠が含まれ、広告枠の向きと基準向きのなす鋭角が第2角度閾値以上であり、かつ広告枠のサイズが第2サイズ閾値以上である場合に、広告画像が見えると判定するような視認可能条件が設定されているものとする。ここで、第2サイズ閾値は、上述の減額条件において定義された第1サイズ閾値よりも小さい値とする。また、第2角度閾値は、減額条件において定義された第1角度閾値よりも小さい値とする。仮想視点画像生成部408は、仮想視点から広告画像が見える場合には(S506でYES)、処理をS507へ進める。仮想視点画像生成部408は、仮想視点から広告画像が見えない場合には(S506でNO)、処理をS508へ進める。
【0043】
S507において、仮想視点画像生成部408は、仮想視点に対応した背景画像に広告画像を重畳し、射影変換する。このように、仮想視点画像生成部408は、仮想視点から広告画像が見える場合にのみ、広告画像を重畳する。すなわち、S506の処理は、仮想視点と広告枠の仮想空間における位置関係に基づいて仮想視点画像に広告画像を配置するか否かを判定する判定処理の一例である。次に、S508において、仮想視点画像生成部408は、前景画像データと、背景画像データと、カメラパラメータと、被写体形状情報と、仮想視点情報とに基づいて、仮想視点画像の背景画像を生成する。さらに、仮想視点画像生成部408は、仮想視点位置から見た被写体形状に対して、実カメラで撮影された画像データの色情報でレンダリング(着色処理)して仮想視点画像を生成する。
【0044】
次に、S509において、広告表示様態特定部413は、仮想視点画像と、広告配置情報と、に基づいて、広告の表示様態を特定する。次に、S510において、課金額設定部414は、S509において特定された表示様態と、減額条件とに基づいて、課金額を設定する。以上で、課金額決定処理が完了する。
【0045】
図6~
図8は、課金額決定処理の説明図である。
図6は、仮想空間における広告領域を示す図である。撮像装置110の撮影画像をもとに生成された仮想空間上で、仮想視点601に応じて撮影範囲602が設定され、撮影範囲602に含まれる被写体603を含んだ仮想視点画像が生成される。ここで、
図6の広告領域604~607は、広告枠に対応した領域例である。広告領域604は、撮影範囲602にすべての領域が含まれ、基準サイズ及び基準向きで仮想視点画像に表示されるものとする。広告領域605は、そのすべての領域が撮影範囲602に含まれ、基準向きで仮想視点画像に表示されるものとする。ただし、広告領域605は、後方に位置するため、広告領域605のサイズは基準サイズの半分の面積であるものとする。
【0046】
広告領域606は、その一部が撮影範囲602に含まれているが、撮影範囲602に含まれない領域が存在する。これに対応し、仮想視点画像に表示される広告領域606のサイズは基準サイズの半分の面積であるものとする。なお、広告領域606は基準向きで仮想視点画像に表示されるものとする。また、広告領域607は、すべての領域が撮影範囲602に含まれるが、仮想視点画像における向きと基準向きのなす角が45度であるものとする。このように、広告領域は、仮想視点の位置に応じて、多様なサイズ及び向きで表示され得る。
【0047】
図7は、広告画像の一例を示す図である。広告画像701は、企業などの会社名ロゴや製品名ロゴ、製品イメージ画像などであるものとする。なお、広告画像は、広告枠に収まるようなサイズや縦横比であるとする。なお、広告枠に適合しない場合は、拡大縮小、縦横比変更、余白の付与などの変更処理が行われてもよいものとする。
【0048】
図8は、
図6に示す撮影範囲602に対応した仮想視点画像の表示例である。
図8に示す仮想視点画像においては、
図6を参照しつつ説明した各広告領域604~607に広告画像701が配置されている。広告801は、広告領域604に広告画像701が配置された画像である。広告801は、基準表示様態と同一である。したがって、1回の表示当たり10円の広告料が基準額として設定されている場合には、10円の広告料が課金額として設定される。
【0049】
広告領域605に配置された広告802は、基準サイズに対する面積比が50%である。したがって、面積比が50%以下の場合に基準額を50%減額するという減額条件に従い、5円の広告料が課金額として設定される。広告領域606に配置された広告803は、見切れに伴い、基準サイズに対する面積比が50%であるため、広告802と同様に5円の広告料が課金額として設定される。広告領域607に配置された広告804は、基準向きとのなす鋭角が45度である。したがって、角度が45度未満の場合に基準額を50%減額するという減額条件に従い、5円の広告料が課金額として設定される。
【0050】
以上のように、第1の実施形態に係る画像処理システム100は、仮想視点画像に広告を表示する場合に、広告の表示様態に応じた課金額を設定することができる。すなわち、仮想視点画像における広告効果に応じた金額を設定することができる。
【0051】
第1の実施形態の第1の変形例について説明する。画像生成装置120は、広告画像の表示回数や表示時間に応じて課金額を段階化してもよいものとする。例えば、画像生成装置120は、試合開始から終了までなどの所定時間内で、広告の表示時間や表示回数をカウントしておき、その表示時間や、回数に応じて課金額を減額するか否かを決定する。より具体的には、画像生成装置120において、広告の表示時間の基準時間が30秒と予め設定されているものとする。これに対し、例えば、
図8の広告801の試合終了までの合計表示時間が5秒であったとする。この場合には、表示時間が基準時間に達しないため、課金額設定部414は、課金情報50%減額の設定をする。また、課金額設定部414は、合計時間に限らず、基準表示回数に対する合計表示回数に応じて課金額を設定してもよい。
【0052】
また、第2の変形例としては、広告枠情報保持部410は、複数の広告枠情報を保持してもよい。また、広告画像保持部411は、複数の広告画像を保持してもよい。この場合、各広告枠に表示される広告画像は予め定められていてもよい。また、他の例としては、広告枠に表示される広告画像は、所定の規則に従い、仮想視点画像の生成の度に複数の広告画像の中から選択されるものとしてもよい。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る画像処理システムについて、第1の実施形態に係る画像処理システム100と異なる点を主に説明する。
図9は、第2の実施形態に係る画像生成装置900の機能構成図である。画像生成装置900は、
図4を参照しつつ説明した、第1の実施形態に係る画像生成装置120の構成に加えて、看板広告検知部901を有している。
【0054】
看板広告検知部901は、仮想視点画像生成部408が生成した仮想視点画像に含まれる背景画像内において、仮想広告枠位置に配置される広告画像と同一の看板広告を検知する。看板広告の検知は、画像認識などの画像処理技術を用いて行えばよい。看板広告検知部901は、例えば、予め用意した広告画像と、背景画像に含まれる看板広告の画像特徴量を抽出し、両者を比較することにより、広告画像と同一内容の看板広告を検知する。
【0055】
なお、ここでは、検知対象を看板広告としているが、検知対象は実空間に物理的に存在する広告であればよく、看板として設置された広告に限定されるものではない。また、検知対象の広告内容は、広告画像と同一の内容に限定されるものではなく、例えば、デザインの異なる同一企業の看板広告であってもよい。このように、看板広告検知部901は、仮想視点画像に含める広告画像に関連する広告を検知すればよく、検知対象は同一の広告に係る看板広告に限定されるものではない。例えば、所定のロゴが一致、商品名が一致等、検知対象の広告内容を予め設定することで、看板広告検知部901は、実空間に存在する所望の広告を検知することができる。なお、仮想視点画像に挿入される仮想広告に関連する実空間内の広告が存在するか否かの判定は、仮想視点画像や撮像画像に対する画像認識を用いる方法に限定されない。例えば看板広告検知部901は、実空間に設置された看板広告の内容やスポンサー企業の情報と、その看板広告の設置位置を示す情報とを、ユーザ操作等に基づいて予め取得しておいてもよい。
【0056】
課金額設定部902は、表示様態情報と、看板広告検知部901から取得した看板広告検知情報とに基づき、広告料の課金額を設定する。課金額設定部902は、第1の実施形態に係る課金額設定部414と同様に、表示様態と、減額条件とに基づいて、課金額を設定する。課金額設定部902はさらに、仮想視点画像内に看板広告が含まれる場合には、看板広告の広告効果があるとみなし、広告画像に対する広告料をさらに減額する。課金額設定部902は、例えば、看板広告が含まれる場合には、看板広告が含まれない場合に対し50%減額する。なお、課金額設定部902は、広告が検知された場合に、広告が検知されない場合に比べて少ない課金額を、広告画像の課金額として決定すればよく、具体的な方法(額、減額率)は実施形態に限定されるものではない。
【0057】
なお、課金額設定部902は、表示様態に関する減額条件と、看板広告に関する減額条件の両方を満たす場合には、2つの減額条件に応じた減額率を積算する。例えば、広告画像のサイズが基準画像のサイズの半分で、かつ看板広告が存在するとする。この場合には、課金額設定部902は、サイズに応じて課金額を基準額の10円から50%減額し、さらに広告画像に応じて課金額を50%減額する。これにより、最終的な課金額は、2.5円になる。
【0058】
図10は、第2の実施形態に係る画像生成装置900による課金額決定処理を示すフローチャートである。なお、
図10に示す処理のうち、
図5に示す各処理と同じ処理には同じ番号を付し、説明を省略する。S505の処理の後、S1001において、仮想視点画像生成部408は、まず背景画像のみを使用した仮想視点画像を生成する。次に、S1002において、看板広告検知部901は、看板広告を検知する。看板広告検知部901は、看板広告を検知した場合には(S1002でYES)、処理をS1003へ進める。看板広告検知部901は、看板広告を検知しなかった場合には(S1002でNO)、処理をS506へ進める。S1003において、課金額設定部902は、課金割合を変更する。課金額設定部902は、例えば、広告表示様態特定部413の表示様態情報に基づいて決定される課金額に対して、さらに50%減額する設定を設けるなどとする。CPU301は、S1003の処理の後、処理をS506へ進める。
【0059】
図11及び
図12は、課金設定処理の説明図である。
図11は、仮想空間における広告領域と、看板広告を示す図である。
図11に示す撮影範囲602には、
図6に示す撮影範囲602と同様に、広告領域604~607が含まれている。
図11に示す撮影範囲602にはさらに、看板広告1101が含まれている。なお、看板広告1102は撮影範囲602の外に配置されている。
図12は、
図11に示す撮影範囲602に対応した仮想視点画像の表示例である。仮想視点画像には、広告領域604~607に対応した広告801~804に加えて、看板広告1101が表示される。
【0060】
このように、仮想視点画像に看板広告1101が含まれる場合には、広告料の割合更新が行われる(S1003)。例えば、表示様態に応じた減額に対し、さらに50%の減額が適用される。したがって、広告802の1回の表示当たり10円の広告料である場合、表示様態(面積)により50%減額の5円の広告料が算出され、さらに、看板広告1101の表示により、50%減額の2.5円の広告料が算出される。なお、第2の実施形態に係る画像処理システムのこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係る画像処理システム100の構成及び処理と同様である。
【0061】
以上のように、第2の実施形態の画像処理システム100は、仮想視点画像に仮想広告を表示する場合に、実空間に存在する広告の広告効果を加味して、仮想広告の課金額を設定する。これにより、仮想視点画像全体の広告効果に応じた広告料を設定することができる。
【0062】
第2の実施形態の変形例としては、画像生成装置900は、看板広告の有無だけでなく、看板広告のサイズや角度等の看板広告の表示様態に応じて、減額割合を変更してもよい。この場合には、看板広告検知部901は、看板広告の有無だけでなく、看板広告のサイズや角度も検知するものとする。課金額設定部902は、例えば、看板広告のサイズに応じて、減額割合を異ならせてもよい。このように、課金額設定部902は、看板広告と仮想視点との位置関係に基づいて、広告画像の課金額を決定してもよい。
【0063】
また、他の例としては、画像生成装置900には、看板広告が適切なサイズや品質で表示され得る看板広告の表示様態の条件が予め設定されているものとする。そして、仮想視点画像生成部408は、看板広告の表示様態がこの条件を満たす場合には、仮想広告を仮想視点画像に重畳しないように制御してもよい。看板広告が表示されている状態でさらに広告画像を表示しても、広告画像による更なる広告効果が期待できないためである。本処理は、重畳制御処理の一例である。なお、さらに、この場合、課金額設定部902は、課金額をゼロとする。すなわち、課金額設定部902は、課金を行わないように決定する。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0065】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 画像処理システム
110 撮像装置
120 画像生成装置
130 端末装置