IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華邦電子股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-半導体記憶装置の初期設定装置 図1
  • 特許-半導体記憶装置の初期設定装置 図2
  • 特許-半導体記憶装置の初期設定装置 図3
  • 特許-半導体記憶装置の初期設定装置 図4
  • 特許-半導体記憶装置の初期設定装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】半導体記憶装置の初期設定装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20240422BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20240422BHJP
   G11C 5/14 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G06F12/00 550A
G06F12/06 520F
G11C5/14 500
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023062895
(22)【出願日】2023-04-07
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴彦
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-33438(JP,A)
【文献】特開2019-121414(JP,A)
【文献】特開2004-152405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 12/06
G11C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体記憶装置の初期設定装置であって、
電源の電圧を検出する電圧検出部と、
前記半導体記憶装置の動作条件を設定するための第1初期設定情報が記憶された第1不揮発性記憶装置と、
検出された電源の電圧のレベルに応じて、前記第1不揮発性記憶装置に対して前記第1初期設定情報の読み出しを行う制御部と、
読み出された前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する判別部と、を備え、
前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別された場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更しながら前記第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている、
初期設定装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、前記第1初期設定情報の読み出しを行うための信号の電圧を上げることによって、前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更する、請求項1に記載の初期設定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、前記第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることによって、前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更する、請求項1又は2に記載の初期設定装置。
【請求項4】
前記第1不揮発性記憶装置は、前記第1初期設定情報に関する情報を記憶する一組の不揮発性記憶部を備え、
前記判別部は、前記一組の不揮発性記憶部の各々から読み出された情報を比較することによって、前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する、請求項1に記載の初期設定装置。
【請求項5】
前記判別部は、前記第1初期設定情報を表すビット値が前記一組の不揮発性記憶部のうち第1不揮発性記憶部に記憶されており、前記第1初期設定情報を表すビット値が反転した状態で前記一組の不揮発性記憶部のうち第2不揮発性記憶部に記憶されている場合であって、前記第1不揮発性記憶部及び前記第2不揮発性記憶部の各々から読み出したビット値が異なる場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別する、請求項4に記載の初期設定装置。
【請求項6】
前記第1不揮発性記憶装置は、前記第1初期設定情報を記憶する1つの不揮発性記憶部を備え、
前記判別部は、前記第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて前記不揮発性記憶部から複数回読み出された前記第1初期設定情報を比較することによって、前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する、請求項1に記載の初期設定装置。
【請求項7】
前記判別部は、前記第1初期設定情報を表すビット値が前記不揮発性記憶部に記憶されている場合であって、前記不揮発性記憶部から複数回読み出したビット値が同じ場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別する、請求項6に記載の初期設定装置。
【請求項8】
前記不揮発性記憶部は、ヒューズROMで構成されている、請求項4に記載の初期設定装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1初期設定情報が有効であると判別された場合に、前記第1初期設定情報とは異なる第2初期設定情報が記憶された第2不揮発性記憶装置に対して前記第2初期設定情報の読み出しを行う、請求項1に記載の初期設定装置。
【請求項10】
前記第1初期設定情報は、前記電源の電圧を調整するための情報を含み、
前記電源の電圧を調整するための情報に基づいて前記電源の電圧を生成する電圧生成部をさらに備える、請求項1に記載の初期設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置の初期設定を行う初期設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の初期設定装置として、外部電源が半導体記憶装置に投入されると、半導体記憶装置に設けられた不揮発性記憶装置であって、半導体記憶装置の動作条件(例えば、半導体記憶装置内の動作電圧等)を設定するための初期設定情報を記憶する不揮発性記憶装置から初期設定情報を読み出すように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1)。ここで、不揮発性記憶装置には、例えば、ヒューズROM(Read Only Memory)等のOTPROM(One Time Programmable ROM)や、レーザーヒューズや、他の不揮発性メモリ等が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-176290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような初期設定装置では、外部電源が半導体記憶装置に投入されたときに初期設定情報の読み出しを行っているので、外部電源や、外部電源に基づいて生成される内部電源の電圧の状況によっては、初期設定情報を正しく読み出すことができない場合がある。この場合、有効な初期設定情報に基づく初期設定動作が適切に行われないことから、例えば、半導体記憶装置の誤動作や故障等が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、有効な初期設定情報に基づいて半導体記憶装置の初期設定を行うことの可能な半導体記憶装置の初期設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、半導体記憶装置の初期設定装置であって、電源の電圧を検出する電圧検出部と、前記半導体記憶装置の動作条件を設定するための第1初期設定情報が記憶された第1不揮発性記憶装置と、検出された電源の電圧のレベルに応じて、前記第1不揮発性記憶装置に対して前記第1初期設定情報の読み出しを行う制御部と、読み出された前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する判別部と、を備え、前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別された場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更しながら前記第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている、初期設定装置を提供する(発明1)。
【0007】
かかる発明(発明1)によれば、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで第1初期設定情報の読み出しが繰り返し行われるので、有効な第1初期設定情報をより確実に読み出すことが可能になる。これにより、有効な初期設定情報に基づいて半導体記憶装置の初期設定を行うことができる。
【0008】
また、従来の初期設定装置では、不揮発性記憶装置の製造ばらつきや温度特性等を考慮した上で、不揮発性記憶装置から初期設定情報を正しく読み出すための条件(例えば、電源の電圧レベルや読み出し時間等)が狭い範囲に制限されていた。一方、かかる発明(発明1)によれば、第1初期設定情報の読み出し条件が上記の範囲外の場合であっても、第1不揮発性記憶装置から読み出された第1初期設定情報が有効であると判別された場合には、有効な第1初期設定情報を得ることが可能になる。これにより、従来の初期設定装置と比較して、初期設定情報を正しく読み出すための条件の範囲を広げることができるので、初期設定装置の設計自由度を向上させることができる。
【0009】
上記発明(発明1)においては、前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、前記第1初期設定情報の読み出しを行うための信号の電圧を上げることによって、前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更してもよい(発明2)。
【0010】
かかる発明(発明2)によれば、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号の電圧を上げた状態で第1初期設定情報の読み出しが再度行われるので、第1初期設定情報の読み出しが繰り返される毎に、有効な第1初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0011】
上記発明(発明1~2)においては、前記制御部は、前記第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、前記第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることによって、前記第1初期設定情報の読み出し条件を変更してもよい(発明3)。
【0012】
かかる発明(発明3)によれば、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出し時間を長くした状態で第1初期設定情報の読み出しが再度行われるので、第1初期設定情報の読み出しが繰り返される毎に、有効な第1初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0013】
上記発明(発明1~3)においては、前記第1不揮発性記憶装置は、前記第1初期設定情報に関する情報を記憶する一組の不揮発性記憶部を備え、前記判別部は、前記一組の不揮発性記憶部の各々から読み出された情報を比較することによって、前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別するように構成されてもよい(発明4)。
【0014】
かかる発明(発明4)によれば、一組の不揮発性記憶部の各々から読み出された情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0015】
上記発明(発明4)においては、前記判別部は、前記第1初期設定情報を表すビット値が前記一組の不揮発性記憶部のうち第1不揮発性記憶部に記憶されており、前記第1初期設定情報を表すビット値が反転した状態で前記一組の不揮発性記憶部のうち第2不揮発性記憶部に記憶されている場合であって、前記第1不揮発性記憶部及び前記第2不揮発性記憶部の各々から読み出したビット値が異なる場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別してもよい(発明5)。
【0016】
かかる発明(発明5)によれば、第1不揮発性記憶部から読み出されたビット値と、第2不揮発性記憶部から読み出されたビット値とが異なる場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるので、第1初期設定情報の有効性をより容易に判別することができる。
【0017】
上記発明(発明1~5)においては、前記第1不揮発性記憶装置は、前記第1初期設定情報を記憶する1つの不揮発性記憶部を備え、前記判別部は、前記第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて前記不揮発性記憶部から複数回読み出された前記第1初期設定情報を比較することによって、前記第1初期設定情報が有効であるか否かを判別してもよい(発明6)。
【0018】
かかる発明(発明6)によれば、1つの不揮発性記憶部から複数回読み出された第1初期設定情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0019】
上記発明(発明6)においては、前記判別部は、前記第1初期設定情報を表すビット値が前記不揮発性記憶部に記憶されている場合であって、前記不揮発性記憶部から複数回読み出したビット値が同じ場合に、前記第1初期設定情報が有効であると判別してもよい(発明7)。
【0020】
かかる発明(発明7)によれば、第1不揮発性記憶部から複数回読み出されたビット値が同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるので、第1初期設定情報の有効性をより容易に判別することができる。
【0021】
上記発明(発明4~7)においては、前記不揮発性記憶部は、ヒューズROMで構成されてもよい(発明8)。
【0022】
かかる発明(発明8)によれば、ヒューズROMに記憶された第1初期設定情報が正しく読み出されることによって、半導体記憶装置の初期設定を行うことができる。
【0023】
上記発明(発明1~8)においては、前記制御部は、前記第1初期設定情報が有効であると判別された場合に、前記第1初期設定情報とは異なる第2初期設定情報が記憶された第2不揮発性記憶装置に対して前記第2初期設定情報の読み出しを行ってもよい(発明9)。
【0024】
かかる発明(発明9)によれば、第1初期設定情報が有効であると判別された場合と同じ設定で、第2不揮発性記憶装置に対して第2初期設定情報の読み出しが行われるので、例えば、第1初期設定情報が有効であるか否かに関わらず第2初期設定情報を読み出す場合と比較して、有効な第2初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0025】
上記発明(発明1~9)においては、前記第1初期設定情報は、前記電源の電圧を調整するための情報を含み、前記電源の電圧を調整するための情報に基づいて前記電源の電圧を生成する電圧生成部をさらに備えてもよい(発明10)。
【0026】
かかる発明(発明10)によれば、有効な第1初期設定情報に基づいて電源の電圧を生成することが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の初期設定装置によれば、有効な初期設定情報に基づいて半導体記憶装置の初期設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施形態に係る初期設定装置の構成例を示すブロック図である。
図2】初期設定装置の各部の詳細な構成例を示す図である。
図3】初期設定装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
図4】本発明の第2実施形態に係る初期設定装置の各部の詳細な構成例を示す図である。
図5】初期設定装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る初期設定装置について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
また、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、或る構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものであって、当該構成要素の数、順序又は優先度等を限定するためのものではない。例えば、「第1要素」及び「第2要素」との記載が存在する場合、「第1要素」及び「第2要素」という2つの要素のみが採用されることを意味するものではないし、「第1要素」が「第2要素」に先行しなければならないことを意味するものでもない。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の初期設定装置の構成例を示すブロック図である。初期設定装置は、半導体記憶装置(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory))に設けられており、半導体記憶装置の初期設定を行うように構成されている。本実施形態において、初期設定装置は、基準電圧生成部11と、内部電圧生成部12と、内部電圧検出部13と、初期制御部14と、第1ヒューズ15と、判別部16と、1つ以上の第2ヒューズ17と、を備える。
【0032】
本実施形態において、初期設定装置は、外部電源が半導体記憶装置に投入されると、半導体記憶装置の動作条件(例えば、半導体記憶装置内の動作電圧等)を設定するための第1初期設定情報を記憶する第1ヒューズ15に対して第1初期設定情報の読み出しを行い、読み出された第1初期設定情報が有効であるか否かを判別するように構成されている。
【0033】
また、初期設定装置は、第1初期設定情報が無効であると判別された場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に第1初期設定情報の読み出し条件を変更しながら第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている。
【0034】
さらに、初期設定装置は、第1初期設定情報が有効であると判別された場合に、第1初期設定情報とは異なる第2初期設定情報が記憶された1つ以上の第2ヒューズ17に対して第2初期設定情報の読み出しを行うように構成されている。
【0035】
基準電圧生成部11は、外部電源が供給されるように構成されており、外部電源の電圧VDDに基づいて基準電圧VREFを生成する。基準電圧生成部11は、周知の構成を有していてもよい。また、基準電圧VREFは、外部電源の電圧VDDより低くてもよい。さらに、基準電圧生成部11は、生成した基準電圧VREFを内部電圧生成部12に供給する。なお、基準電圧生成部11は、生成した基準電圧VREFを、基準電圧VREFによって駆動する他の回路(図示省略)に供給してもよい。また、基準電圧生成部11は、基準電圧VREFが供給される他の回路に応じて基準電圧VREFのレベルを変換するレベルコンバータや制御回路等を備えてもよい。
【0036】
本実施形態において、基準電圧生成部11は、第1ヒューズ15に記憶された第1初期設定情報が基準電源の電圧(基準電圧VREF)を調整するための情報を含む場合に、基準電源の電圧(基準電圧VREF)を調整するための情報に基づいて、基準電圧VREFを生成する。これにより、有効な第1初期設定情報に基づいて基準電源の電圧(基準電圧VREF)を生成することが可能になる。なお、基準電圧生成部11は、本発明における「電圧生成部」の一例である。
【0037】
さらに、基準電圧生成部11は、第1ヒューズ15から読み出された第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFを調整するように指示するための信号SETTRIMVREFがアサート(ハイレベル)された状態で初期制御部14から入力されると、第1ヒューズ15から入力された信号FDATAVREFによって示される第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFを調整する。なお、基準電圧生成部11は、信号SETTRIMVREFがネゲート(ローレベル)された状態で初期制御部14から入力されている場合には、信号FDATAVREFによって示される第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFを調整しなくてもよい。
【0038】
内部電圧生成部12は、外部電源が供給されるように構成されており、外部電源の電圧VDD及び基準電圧VREFに基づいて内部電圧VINTを生成する。内部電圧生成部12は、周知の構成を有していてもよい。また、内部電圧VINTは、基準電圧VREFより高くてもよい。さらに、内部電圧生成部12は、生成した内部電圧VINTを内部電圧検出部13に供給する。なお、内部電圧生成部12は、生成した内部電圧VINTを、内部電圧VINTによって駆動する他の回路(図示省略)に供給してもよい。また、内部電圧生成部12は、内部電圧VINTが供給される他の回路に応じて内部電圧VINTのレベルを変換するレベルコンバータや制御回路等を備えてもよい。
【0039】
内部電圧検出部13は、内部電源の電圧(内部電圧VINT)を検出する。また、内部電圧検出部13は、検出した内部電圧VINTが所定のターゲットレベルに達する毎に、第1ヒューズ15に対して第1初期設定情報の読み出し動作を開始するためのトリガ信号VINTONをアサート(ハイレベル)して初期制御部14及び第1ヒューズ15に出力する。なお、内部電圧検出部13は、本発明における「電圧検出部」の一例である。
【0040】
ここで、外部電源が半導体記憶装置に投入されたタイミングでは、基準電圧VREFが未調整の状態であることから、トリガ信号VINTONがアサートされる電圧レベルは、例えば半導体記憶装置の製造条件のばらつきや使用環境等の影響によって、ターゲットレベルからずれた値となり得る。
【0041】
また、内部電圧検出部13は、トリガ信号VINTONをアサート(ハイレベル)して出力した後に、第1ヒューズ15から読み出された第1初期設定情報が有効であるか否かの判別結果を示す信号ERRINITFRDがアサート(ハイレベル)された状態(つまり、第1初期設定情報が無効であると判別された状態)で判別部16から入力された場合に、内部電圧VINTのターゲットレベルを上げるように構成されている。すなわち、内部電圧VINTのターゲットレベルは、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に上がるように構成されている。
【0042】
初期制御部14は、検出された内部電源の電圧(内部電圧VINT)のレベルに応じて、トリガ信号VINTONをアサート(ハイレベル)し、半導体記憶装置の動作条件を設定するための第1初期設定情報が記憶された第1ヒューズ15に対して第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている。具体的に説明すると、初期制御部14は、アサート(ハイレベル)されたトリガ信号VINTONが内部電圧検出部13から入力されると、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号INITFRDVREFをアサート(ハイレベル)して第1ヒューズ15に出力する。また、初期制御部14は、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別するように指示するための信号CHKFRDERRをアサート(ハイレベル)して判別部16に出力する。なお、初期制御部14は、本発明における「制御部」の一例である。
【0043】
また、初期制御部14は、信号ERRINITFRDがネゲート(ローレベル)された状態(つまり、第1初期設定情報が有効であると判別された状態)で判別部16から入力されると、信号SETTRIMVREFをアサート(ハイレベル)して基準電圧生成部11に出力してもよい。これにより、基準電圧生成部11は、有効であると判別された第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFを生成することが可能になる。
【0044】
さらに、初期制御部14は、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に第1初期設定情報の読み出し条件を変更しながら第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている。
【0045】
ここで、初期制御部14は、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号(本実施形態では、信号INITFRDVREF)の電圧を上げることによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更してもよい。ここで、信号INITFRDVREFの電圧レベルの変更(例えば、上昇等)は、内部電圧検出部13のトリガ信号VINTONの検出レベルが変更(例えば、上昇等)されることによって行われてもよい。これにより、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号INITFRDVREFの電圧を上げた状態で第1初期設定情報の読み出しが再度行われるので、第1初期設定情報の読み出しが繰り返される毎に、有効な第1初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0046】
さらに、初期制御部14は、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出し時間を長くする(例えば、信号INITFRDVREFのパルス幅を長くする)ことによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更してもよい。これにより、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出し時間を長くした状態で第1初期設定情報の読み出しが再度行われるので、第1初期設定情報の読み出しが繰り返される毎に、有効な第1初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態において、初期制御部14は、第1初期設定情報が有効であると判別された場合に、第1初期設定情報とは異なる第2初期設定情報が記憶された1つ以上の第2ヒューズ17に対して第2初期設定情報の読み出しを行う。具体的に説明すると、初期制御部14は、信号ERRINITFRDがネゲート(ローレベル)された状態(つまり、第1初期設定情報が有効であると判別された状態)で判別部16から入力された場合に、第2初期設定情報を読み出すための信号INITFRDをアサート(ハイレベル)して1つ以上の第2ヒューズ17に出力する。これにより、第1初期設定情報が有効であると判別された場合と同じ設定で、1つ以上の第2ヒューズ17に対して第2初期設定情報の読み出しが行われるので、例えば、第1初期設定情報が有効であるか否かに関わらず第2初期設定情報を読み出す場合と比較して、有効な第2初期設定情報を読み出す可能性を向上させることができる。
【0048】
第1ヒューズ15は、半導体記憶装置の動作条件を設定するための第1初期設定情報を記憶するように構成されている。また、第1ヒューズ15は、信号INITFRDVREFが初期制御部14から入力されると、内部に記憶されている第1初期設定情報を示す信号FDATAVREFを、判別部16及び基準電圧生成部11に出力する。なお、第1ヒューズ15は、本発明における「第1不揮発性記憶装置」の一例である。
【0049】
本実施形態において、第1ヒューズ15は、第1初期設定情報に関する情報を記憶する一組(本実施形態では、2つ)の不揮発性記憶部15a,15bを備えている。ここで、一組の不揮発性記憶部15a,15bの各々は、ヒューズROMで構成されていてもよい。この場合、ヒューズROMに記憶された第1初期設定情報が正しく読み出されることによって、半導体記憶装置の初期設定を行うことができる。また、一組の不揮発性記憶部15a,15bの各々は、例えばレーザーヒューズ等の他のヒューズで構成されてもよい。
【0050】
また、本実施形態において、一方の不揮発性記憶部15aには、第1初期設定情報を表す所定数のビット(例えば、1ビット等)の値が記憶されており、他方の不揮発性記憶部15bには、第1初期設定情報を表す所定数のビットの値が反転した状態で記憶されている。例えば、第1初期設定情報が1ビットで構成されている場合であって、当該1ビットの値が「1」である場合には、一方の不揮発性記憶部15aにビット値「1」が記憶されており、他方の不揮発性記憶部15bにビット値「0」が記憶されている。なお、一方の不揮発性記憶部15aは、本発明における「第1不揮発性記憶部」の一例であり、他方の不揮発性記憶部15bは、本発明における「第2不揮発性記憶部」の一例である。
【0051】
判別部16は、第1ヒューズ15から読み出された第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する。具体的に説明すると、判別部16は、信号CHKFRDERRがアサート(ハイレベル)された状態で初期制御部14から入力された場合に、第1ヒューズ15から入力された信号FDATAVREFによって示される第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する。そして、判別部16は、第1初期設定情報が無効であると判別した場合に、信号ERRINITFRDをアサート(ハイレベル)して内部電圧検出部13及び初期制御部14に出力する。一方、判別部16は、第1初期設定情報が有効であると判別した場合に、信号ERRINITFRDをネゲート(ローレベル)して内部電圧検出部13及び初期制御部14に出力する。なお、判別部16は、本発明における「判別部」の一例である。
【0052】
また、本実施形態において、判別部16は、一組の不揮発性記憶部15a,15bの各々から読み出された情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別するように構成されている。この場合、一組の不揮発性記憶部15a,15bの各々から読み出された情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0053】
さらに、本実施形態において、判別部16は、一方の不揮発性記憶部15a及び他方の不揮発性記憶部15bの各々から読み出したビット値が異なる場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する。この場合、一方の不揮発性記憶部15aから読み出されたビット値と、他方の不揮発性記憶部15bから読み出されたビット値とが異なる場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるので、第1初期設定情報の有効性をより容易に判別することができる。
【0054】
1つ以上の第2ヒューズ17は、半導体記憶装置の動作条件を設定するための第2初期設定情報であって、第1初期設定情報とは異なる第2初期設定情報を記憶するように構成されている。また、1つ以上の第2ヒューズ17の各々は、第2初期設定情報を読み出すための信号INITFRDが初期制御部14から入力されると、内部に記憶されている第2初期設定情報を示す信号FDATAを、半導体記憶装置内の所定の装置又は回路(例えば、故障したメモリセルの冗長救済回路(図示省略)等)に出力する。ここで、1つ以上の第2ヒューズ17の各々は、ヒューズROMで構成されてもよいし、例えばレーザーヒューズ等の他のヒューズで構成されてもよい。なお、1つ以上の第2ヒューズ17は、本発明における「第2不揮発性記憶装置」の一例である。
【0055】
図2は、本実施形態に係る初期設定装置の各部の詳細な構成例を示す図である。図2を参照すると、内部電圧検出部13は、カウンタ13aと、可変抵抗13bと、抵抗13cと、コンパレータ13dと、直列に接続された2つのインバータ13e,13fと、を備える。
【0056】
カウンタ13aは、アサート(ハイレベル)された信号ERRINITFRDが判別部16から入力される(つまり、第1初期設定情報が無効と判別される)毎に、第1初期設定情報が無効と判別された回数を示すカウント値を1つ増加させる。また、カウンタ13aは、カウント値を示す信号を可変抵抗13bに出力する。さらに、カウンタ13aは、カウント値が所定の最大値に達すると、カウント値が最大値に達したことを示す信号VINTONSELMAXをアサート(ハイレベル)して判別部16に出力する。ここで、カウンタ13aは、カウント値が最大値に達した場合に、カウント値を初期値(例えば、0)にリセットしてもよい。さらに、カウンタ13aは、半導体記憶装置に電源が投入された場合、又は、半導体記憶装置への電源投入が遮断された場合に、カウント値を初期値にリセットしてもよい。
【0057】
可変抵抗13b及び抵抗13cは、内部電源の電圧VINTと接地との間に直列に接続されている。可変抵抗13bは、カウンタ13aから出力されたカウント値に応じて抵抗値を変化させるように構成されている。例えば、可変抵抗13bの抵抗値は、カウント値が大きくなるほど大きくなるように変化してもよい。また、可変抵抗13bと抵抗13cとの間の接続ノードは、コンパレータ13dの+端子に接続されている。
【0058】
コンパレータ13dの-端子には、基準電圧生成部11によって生成された基準電圧VREFが供給される。また、コンパレータ13dの出力端子は、インバータ13eの入力端子に接続されている。
【0059】
インバータ13fは、インバータ13eを介して入力された信号を論理反転し、論理反転した信号をトリガ信号VINTONとして初期制御部14及び第1ヒューズ15に出力する。
【0060】
次に、初期制御部14の構成について説明する。図2を参照すると、初期制御部14は、遅延回路14aと、インバータ14bと、NAND回路14cと、インバータ14dと、遅延回路14eと、インバータ14fと、NAND回路14gと、インバータ14hと、1つ以上の遅延回路14iと、を備える。
【0061】
遅延回路14aは、トリガ信号VINTONが入力されるように構成されており、入力されたトリガ信号VINTONを所定時間遅延させ、遅延した信号をインバータ14bに出力する。
【0062】
インバータ14bは、遅延回路14aから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号をNAND回路14cに出力する。
【0063】
NAND回路14cの一方の入力端子には、トリガ信号VINTONが入力される。また、NAND回路14cの他方の入力端子には、インバータ14bから出力された信号が入力される。さらに、NAND回路14cは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号をインバータ14dに出力する。
【0064】
インバータ14dは、NAND回路14cから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を信号INITFRDVREFとして遅延回路14e及び第1ヒューズ15に出力する。ここで、インバータ14dは、後述する図3に示すように、トリガ信号VINTONの立ち上がりに応じて、Highパルスを信号INITFRDVREFとして出力する。
【0065】
遅延回路14eは、インバータ14dから入力された信号INITFRDVREFを所定時間遅延させ、遅延した信号を信号CHKFRDERRとしてNAND回路14g及び判別部16に出力する。
【0066】
インバータ14fは、判別部16から入力された信号ERRINITFRDを論理反転し、論理反転した信号をNAND回路14gに出力する。
【0067】
NAND回路14gの一方の入力端子には、信号CHKFRDERRが入力される。また、NAND回路14gの他方の入力端子には、インバータ14fから出力された信号が入力される。さらに、NAND回路14gは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号をインバータ14hに出力する。
【0068】
インバータ14hは、NAND回路14gから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を1つ以上の遅延回路14iに出力する。
【0069】
1つ以上の遅延回路14iは、インバータ14hから入力された信号を所定時間ずつ遅延させ、遅延した信号の各々を信号INITFRDとして1つ以上の第2ヒューズ17に出力する。また、1つ以上の遅延回路14iは、1つ以上の第2ヒューズ17の各々に対して信号INITFRDを出力すると、信号SETTRIMVREFをアサート(ハイレベル)して基準電圧生成部11に出力する。
【0070】
次に、第1ヒューズ15の構成について説明する。図2を参照すると、第1ヒューズ15は、一方の不揮発性記憶部15aと、他方の不揮発性記憶部15bと、を備える。これらの不揮発性記憶部15a,15bの各々は、Pチャンネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)15cと、ヒューズ抵抗15dと、Nチャンネル型のMOSFET15eと、2つのインバータで構成されたラッチ回路15fと、を備える。ここで、本実施形態では、一方の不揮発性記憶部15aのヒューズ抵抗15dが接続された状態であり、他方の不揮発性記憶部15bのヒューズ抵抗15dが切断された状態である場合を一例として説明するが、例えば、一方の不揮発性記憶部15aのヒューズ抵抗15dが切断された状態であり、他方の不揮発性記憶部15bのヒューズ抵抗15dが接続された状態であってもよい。
【0071】
不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15cのソースは内部電圧VINTに接続されており、MOSFET15cのドレインはヒューズ抵抗15dの一端に接続されている。また、MOSFET15cのゲートには、トリガ信号VINTONが入力される。さらに、MOSFET15cのドレインとヒューズ抵抗15dとの間の接続ノードは、ラッチ回路15fを構成する2つのインバータのうち何れかのインバータの入力端子に接続されている。
【0072】
不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15eのドレインはヒューズ抵抗15dの他端に接続されており、MOSFET15eのソースは低電圧電源に接続されている。また、MOSFET15eのゲートには、信号INITFRDVREFが入力される。
【0073】
一方の不揮発性記憶部15aのラッチ回路15fは、MOSFET15cのドレインとヒューズ抵抗15dとの間の接続ノードを介して入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を、一方の不揮発性記憶部15aに記憶された1ビットの第1初期設定情報を示す信号FDATAVREFA(図1に示す信号FDATAVREFに対応する)として基準電圧生成部11及び判別部16に出力する。
【0074】
他方の不揮発性記憶部15bのラッチ回路15fは、MOSFET15cのドレインとヒューズ抵抗15dとの間の接続ノードを介して入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を、他方の不揮発性記憶部15bに記憶された1ビットの第1初期設定情報を示す信号FDATAVREFB(図1に示す信号FDATAVREFに対応する)として判別部16に出力する。
【0075】
次に、判別部16の構成について説明する。図2を参照すると、判別部16は、EXNOR回路16aと、ラッチ回路16bと、インバータ16cと、NOR回路16dと、を備える。
【0076】
EXNOR回路16aの一方の入力端子には、一方の不揮発性記憶部15aから出力された信号FDATAVREFAが入力される。また、EXNOR回路16aの他方の入力端子には、他方の不揮発性記憶部15bから出力された信号FDATAVREFBが入力される。さらに、EXNOR回路16aは、入力された信号に基づいてEXNOR演算を行い、演算結果となる信号をラッチ回路16bに出力する。
【0077】
ラッチ回路16bは、EXNOR回路16aから出力された信号をラッチし、アサート(ハイレベル)された信号CHKFRDERRが初期制御部14から入力されると、ラッチしている信号をインバータ16cに出力する。
【0078】
インバータ16cは、ラッチ回路16bから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号をNOR回路16dに出力する。
【0079】
NOR回路16dの一方の入力端子には、内部電圧検出部13から出力された信号VINTONSELMAXが入力される。また、NOR回路16dの他方の入力端子には、インバータ16cから出力された信号が入力される。さらに、NOR回路16dは、入力された信号に基づいてNOR演算を行い、演算結果となる信号を信号ERRINITFRDとして内部電圧検出部13及び初期制御部14に出力する。
【0080】
図3を参照して、本実施形態に係る初期設定装置の動作について説明する。図3は、初期設定装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。先ず、半導体記憶装置に外部電源が投入されると、基準電圧生成部11は、外部電源の電圧VDDに基づいて基準電圧VREFを生成する。また、内部電圧生成部12は、外部電源の電圧VDD及び基準電圧VREFに基づいて内部電圧VINTを生成する。
【0081】
ここで、内部電圧VINTのレベルを抵抗13b及び抵抗13cで分割したレベルが基準電圧VREFのレベルよりも低い期間では、内部電圧検出部13のコンパレータ13dからローレベルの信号が出力されることによって、トリガ信号VINTONがローレベルになる。この場合、第1ヒューズ15の2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15cがオン状態になる。一方、第1ヒューズ15の2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15eは、信号INITFRDVREFがローレベルであるため、オフ状態となる。これにより、第1ヒューズ15の2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々から出力される信号FDATAVREFA,FDATAVREFBは共にローレベルとなる。
【0082】
次に、内部電圧VINTのレベルを抵抗13b及び抵抗13cで分割したレベルが基準電圧VREFのレベルよりも高い所定のターゲットレベルに達すると、内部電圧検出部13のコンパレータ13dからハイレベルの信号が出力される。これにより、トリガ信号VINTONがハイレベルになる。この場合、第1ヒューズ15の2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15cがオフ状態になる。また、トリガ信号VINTONがハイレベルになってから所定時間経過した後に、ハイレベルの信号INITFRDVREFが初期制御部14から出力される。これにより、第1ヒューズ15に対する第1初期設定情報の読み出しが行われる。
【0083】
ここで、第1ヒューズ15の一方の不揮発性記憶部15aは、ハイレベルの信号INITFRDVREFが入力されることによってMOSFET15eがオン状態になると、電流がヒューズ抵抗15d及びMOSFET15eを介して低電圧電源に流れることによって、ラッチ回路15fの電位を下げる(つまり、ラッチ回路15fにラッチされているビット値を反転させる)ように動作する。しかしながら、信号INITFRDVREFの電圧レベルが低い状態では、ラッチ回路15fの電位を十分に下げることができず、結果として、ローレベルの信号FDATAVREFAが一方の不揮発性記憶部15aから出力される。
【0084】
一方、第1ヒューズ15の他方の不揮発性記憶部15bは、ヒューズ抵抗15dが切断されている。このため、ハイレベルの信号INITFRDVREFが入力されることによってMOSFET15eがオン状態になった場合であっても、ラッチ回路15fの電位が下がらない。これにより、ローレベルの信号FDATAVREFBが他方の不揮発性記憶部15bから出力される。
【0085】
したがって、第1ヒューズ15の2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々は、第1初期設定情報のビット値が0であることを示すローレベルの信号FDATAVREFA,FDATAVREFBを出力する。この場合、判別部16は、アサート(ハイレベル)された信号CHKFRDERRが入力されると、アサート(ハイレベル)された信号ERRINITFRD(この場合、第1初期設定情報が無効であることを示す)を出力する。このようにして、判別部16は、2つの不揮発性記憶部15a,15bから読み出したビット値が同じ場合に、第1初期設定情報が無効であると判別する。
【0086】
また、内部電圧検出部13のカウンタ13aは、アサート(ハイレベル)された信号ERRINITFRDが入力されると、カウンタ値を1つ増加させる。これにより、内部電圧検出部13は、内部電圧VINTのターゲットレベルを上げる。この場合、内部電圧検出部13の可変抵抗13bの抵抗値がカウンタ値に応じて大きくなることによって、コンパレータ13dの+端子に入力される信号の電圧レベルが、-端子に入力される信号(基準電圧VREF)の電圧レベルよりも低くなる。これにより、コンパレータ13dからローレベルの信号が出力され、トリガ信号VINTONが一時的にローレベルになる。
【0087】
そして、内部電圧VINTがターゲットレベルまで高くなると、内部電圧検出部13のコンパレータ13dからハイレベルの信号が出力されることによって、トリガ信号VINTONがハイレベルになる。そして、上述したように、第1ヒューズ15に対する第1初期設定情報の読み出しが再度行われる。
【0088】
第1初期設定情報が無効であると判別される毎に内部電圧VINTのターゲットレベルが上げられることを繰り返すことによって内部電圧VINTのレベルが高くなると、内部電圧VINTのレベルに応じてトリガ信号VINTON及び信号INITFRDVREFの電圧レベルも高くなる。そして、信号INITFRDVREFが所定の電圧レベルに達すると、一方の不揮発性記憶部15aは、ラッチ回路15fの電位が十分に下げられることによって、第1初期設定情報のビット値が1であることを示すハイレベルの信号FDATAVREFAを出力する。この場合、判別部16は、アサート(ハイレベル)された信号CHKFRDERRが入力されると、ネゲート(ローレベル)された信号ERRINITFRD(この場合、第1初期設定情報が有効であることを示す)を出力する。このようにして、判別部16は、2つの不揮発性記憶部15a,15bから読み出したビット値が異なる場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する。
【0089】
初期制御部14は、ネゲート(ローレベル)された信号ERRINITFRDが入力されると、アサート(ハイレベル)された信号INITFRDを1つ以上の遅延回路14iの各々から出力することによって、1つ以上の第2ヒューズ17に対して第2初期設定情報の読み出しを行う。一方、1つ以上の第2ヒューズ17の各々は、1つ以上の遅延回路14iのうち対応する遅延回路14iから信号INITFRDが入力されると、図1に示すように、内部に記憶されている第2初期設定情報を示す信号FDATAを出力する。このようにして、第1初期設定情報が有効であると判別された場合に、1つ以上の第2ヒューズ17に対する第2初期設定情報の読み出しが行われる。
【0090】
また、初期制御部14は、1つ以上の第2ヒューズ17の各々に対して信号INITFRDを出力すると、信号SETTRIMVREFをアサート(ハイレベル)して基準電圧生成部11に出力する。この場合、基準電圧生成部11は、信号SETTRIMVREFがアサート(ハイレベル)された状態で初期制御部14から入力されると、第1ヒューズ15から入力された信号FDATAVREFによって示される第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFを調整する。ここで、第1初期設定情報が、基準電圧VREFを所定値又は所定の割合だけ上げるように設定されている場合には、基準電圧生成部11は、第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFのレベルを所定値又は所定の割合だけ上げることによって、基準電圧VREFを調整してもよい。また、内部電圧生成部12は、調整された基準電圧VREFに基づいて、内部電圧VINTのレベルを所定値又は所定の割合だけ上げることによって、内部電圧VINTを調整してもよい。したがって、図3に示す例では、信号SETTRIMVREFの立ち上がりに応じて、基準電圧VREF及び内部電圧VINTの各々のレベルが所定値又は所定の割合だけ上昇している。
【0091】
なお、ここでは、初期制御部14が、1つ以上の第2ヒューズ17の各々に対して信号INITFRDを出力した後に信号SETTRIMVREFをアサート(ハイレベル)する場合を一例として説明したが、初期制御部14は、第1初期設定情報が有効であると判別部16によって判別されたタイミングで信号SETTRIMVREFをアサート(ハイレベル)してもよい。
【0092】
また、判別部16は、内部電圧検出部13のカウンタ13aにおけるカウント値が最大値に達した場合(信号VINTONSELMAXがアサート(ハイレベル)された場合)に、ネゲート(ローレベル)された信号ERRINITFRDを出力してもよい。この場合、判別部16は、読み出しの繰り返しにおいて最後に読み出された第1初期設定情報が有効であると判別する。
【0093】
なお、本実施形態では、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号INITFRDVREFの電圧を上げることによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更する場合を一例として説明している。ここで、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更する場合には、例えば、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、初期制御部14の遅延回路14aにおける遅延時間が長くなるように制御されてもよい。これにより、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に信号INITFRDVREFのパルス幅が長くなるので、第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることが可能になる。
【0094】
また、本実施形態では、2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々が1ビットの第1初期設定情報を記憶するように構成されている場合を一例として説明したが、例えば、第1初期設定情報が複数のビットで構成されている場合には、2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々は、第1初期設定情報の複数のビットを記憶するように構成されてもよい。
【0095】
また、第1初期設定情報が複数のビットで構成されている場合には、第1初期設定情報の複数のビット毎に一組の不揮発性記憶部15a,15bが設けられてもよく、判別部16において複数のビット毎に有効性が判別されてもよい。これにより、第1初期設定情報の有効性を向上させることが可能になる。
【0096】
上述したように、本実施形態の初期設定装置によれば、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで第1初期設定情報の読み出しが繰り返し行われるので、有効な第1初期設定情報をより確実に読み出すことが可能になる。これにより、有効な初期設定情報に基づいて半導体記憶装置の初期設定を行うことができる。
【0097】
また、従来の初期設定装置では、不揮発性記憶装置の製造ばらつきや温度特性等を考慮した上で、不揮発性記憶装置から初期設定情報を正しく読み出すための条件(例えば、電源の電圧レベルや読み出し時間等)が狭い範囲に制限されていた。一方、本実施形態の初期設定装置によれば、第1初期設定情報の読み出し条件が上記の範囲外の場合であっても、第1ヒューズ15から読み出された第1初期設定情報が有効であると判別された場合には、有効な第1初期設定情報を得ることが可能になる。これにより、従来の初期設定装置と比較して、第1初期設定情報を正しく読み出すための条件の範囲を広げることができるので、初期設定装置の設計自由度を向上させることができる。
【0098】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の初期設定装置は、第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて第1ヒューズ15から複数回読み出された第1初期設定情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する点において、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0099】
本実施形態において、第1ヒューズ15は、第1初期設定情報を記憶する1つの不揮発性記憶部15aを備えている。また、本実施形態において、判別部16は、第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて不揮発性記憶部15aから複数回読み出された第1初期設定情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する。
【0100】
また、本実施形態において、判別部16は、第1初期設定情報を表すビット値が不揮発性記憶部15aに記憶されている場合であって、不揮発性記憶部15aから複数回読み出したビット値が同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する。これにより、不揮発性記憶部15aから複数回読み出されたビット値が同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるので、第1初期設定情報の有効性をより容易に判別することができる。
【0101】
図4を参照して、本実施形態に係る初期設定装置の構成例を説明する。初期設定装置は、基準電圧生成部11(図4において図示省略)と、内部電圧生成部12と、内部電圧検出部13と、初期制御部14と、第1ヒューズ15と、判別部16と、1つ以上の第2ヒューズ17(図4において図示省略)と、内部電圧制御部18と、を備える。
【0102】
本実施形態において、内部電圧生成部12は、コンパレータ12aと、Pチャンネル型のMOSFET12bと、可変抵抗12cと、抵抗12dと、を備える。
【0103】
コンパレータ12aの-端子には、基準電圧生成部11によって生成された基準電圧VREFが供給される。また、コンパレータ12aの+端子は、可変抵抗12cと抵抗12dとの間の接続ノードに接続されている。さらに、コンパレータ12aの出力端子は、MOSFET12bのゲートに接続されている。
【0104】
MOSFET12bのソースは、外部電源の電圧VDDに接続されている。また、MOSFET12bのドレインは、内部電圧VINTに接続されている。
【0105】
可変抵抗12c及び抵抗12dは、内部電源の電圧VINTと接地との間に直列に接続されている。可変抵抗12cは、内部電圧制御部18から出力された信号TRIMINTの値に応じて抵抗値を変化させるように構成されている。例えば、可変抵抗12cの抵抗値は、信号TRIMINTの値が大きくなるほど大きくなるように変化してもよい。
【0106】
次に、内部電圧検出部13の構成について説明する。図4を参照すると、内部電圧検出部13は、抵抗13cと、コンパレータ13dと、インバータ13e,13fと、抵抗13gと、を備える。ここで、抵抗13c、コンパレータ13d及びインバータ13e,13fの構成は、第1実施形態と同様である。
【0107】
抵抗13gは、第1実施形態における内部電圧検出部13の可変抵抗13bの代わりに設けられている。すなわち、抵抗13g及び抵抗13cは、内部電源の電圧VINTと接地との間に直列に接続されており、抵抗13gと抵抗13cとの間の接続ノードは、コンパレータ13dの+端子に接続されている。
【0108】
次に、初期制御部14の構成について説明する。図4を参照すると、初期制御部14は、タイマ14jと、遅延回路14kと、インバータ14l,14m,14nと、NAND回路14oと、インバータ14pと、遅延回路14qと、分周器14rと、を備える。
【0109】
タイマ14jは、トリガ信号VINTONが入力されるように構成されており、トリガ信号VINTONがアサート(ハイレベル)されている場合には、所定時間が経過する毎に、トリガ信号VINTONと同じレベルを有するパルス信号を遅延回路14k、インバータ14m、NAND回路14o及び分周器14rに出力する。
【0110】
遅延回路14kは、タイマ14jから入力された信号を所定時間遅延させ、遅延した信号をインバータ14lに出力する。インバータ14lは、遅延回路14kから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号をNAND回路14oに出力する。
【0111】
インバータ14mは、タイマ14jから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号をインバータ14nに出力する。
【0112】
インバータ14nは、インバータ14mから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を、第1ヒューズ15をリセットするための信号RSTFUSE_cとして第1ヒューズ15に出力する。
【0113】
NAND回路14oの一方の入力端子には、タイマ14jから出力された信号が入力される。また、NAND回路14oの他方の入力端子には、インバータ14lから出力された信号が入力される。さらに、NAND回路14oは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号をインバータ14pに出力する。
【0114】
インバータ14pは、NAND回路14oから入力された信号を論理反転し、論理反転した信号を信号INITFRDVREFとして遅延回路14q及び第1ヒューズ15に出力する。ここで、インバータ14pは、タイマ14jから出力された信号の立ち上がりに応じて、第1ヒューズ15をセットするためのHighパルスを信号INITFRDVREFとして出力する。
【0115】
遅延回路14qは、インバータ14pから入力された信号INITFRDVREFを所定時間遅延させ、遅延した信号を、第1ヒューズ15から読み出された情報をラッチするように指示するための信号LATFUSEVREFとして判別部16に出力する。
【0116】
分周器14rは、タイマ14jから出力された信号を分周(例えば、2分周)し、分周した信号を、信号TRIMSEL2として判別部16及び内部電圧制御部18に出力する。
【0117】
次に、第1ヒューズ15の構成について説明する。図4を参照すると、第1ヒューズ15は、1つの不揮発性記憶部15aを備える。なお、不揮発性記憶部15aの構成は、第1実施形態と同様である。また、本実施形態では、不揮発性記憶部15aのヒューズ抵抗15dが接続された状態である場合を一例として説明するが、切断された状態のヒューズ抵抗15dが不揮発性記憶部15aに設けられてもよい。
【0118】
次に、判別部16の構成について説明する。図4を参照すると、判別部16は、インバータ16eと、NAND回路16f,16gと、ラッチ回路16h,16iと、EXOR回路16jと、ラッチ回路16kと、遅延回路16l,16mと、を備える。
【0119】
インバータ16eは、初期制御部14から入力された信号TRIMSEL2を論理反転し、論理反転した信号をNAND回路16fに出力する。
【0120】
NAND回路16fの一方の入力端子には、初期制御部14から出力された信号LATFUSEVREFが入力される。また、NAND回路16fの他方の入力端子には、インバータ16eから出力された信号が入力される。さらに、NAND回路16fは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号LAT1をラッチ回路16hに出力する。
【0121】
NAND回路16gの一方の入力端子には、初期制御部14から出力された信号LATFUSEVREFが入力される。また、NAND回路16gの他方の入力端子には、初期制御部14から出力された信号TRIMSEL2が入力される。さらに、NAND回路16gは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号LAT2をラッチ回路16i及び遅延回路16lに出力する。
【0122】
ラッチ回路16hは、第1ヒューズ15から出力された信号FDATAVREFAが入力されるように構成されている。また、ラッチ回路16hは、ネゲート(ローレベル)された信号LAT1が入力されると、信号FDATAVREFAをラッチする。さらに、ラッチ回路16hは、ラッチした信号FDATAVREFAの値を示す信号FTRIM1をEXOR回路16j及び内部電圧制御部18に出力する。
【0123】
ラッチ回路16iは、第1ヒューズ15から出力された信号FDATAVREFAが入力されるように構成されている。また、ラッチ回路16iは、ネゲート(ローレベル)された信号LAT2が入力されると、信号FDATAVREFAをラッチする。さらに、ラッチ回路16iは、ラッチした信号FDATAVREFAの値を示す信号FTRIM2をEXOR回路16jに出力する。
【0124】
EXOR回路16jの一方の入力端子には、ラッチ回路16hから出力された信号FTRIM1が入力される。また、EXOR回路16jの他方の入力端子には、ラッチ回路16iから出力された信号FTRIM2が入力される。さらに、EXOR回路16jは、入力された信号に基づいてEXOR演算を行い、演算結果となる信号をラッチ回路16kに出力する。
【0125】
ラッチ回路16kは、EXOR回路16jから出力された信号をラッチし、アサート(ハイレベル)された信号CHKFRDERRが遅延回路16lから入力されると、ラッチしている信号を信号ERRINITFRDとして内部電圧制御部18に出力する。
【0126】
遅延回路16lは、NAND回路16gから入力された信号LAT2を所定時間遅延させ、遅延した信号を、信号CHKFRDERRとしてラッチ回路16k及び遅延回路16mに出力する。遅延回路16mは、遅延回路16lから入力された信号を所定時間遅延させ、遅延した信号を、信号CHKFRDERRDLYとして内部電圧制御部18に出力する。
【0127】
次に、内部電圧制御部18の構成について説明する。図4を参照すると、内部電圧制御部18は、インバータ18aと、NOR回路18bと、NAND回路18cと、カウンタ18dと、セレクタ18eと、NOR回路18fと、を備える。
【0128】
インバータ18aは、判別部16から入力された信号ERRINITFRDを論理反転し、論理反転した信号をNOR回路18bに出力する。
【0129】
NOR回路18bの一方の入力端子には、カウンタ18dから出力された信号VINTONSELMAXが入力される。また、NOR回路18bの他方の入力端子には、インバータ18aから出力された信号が入力される。さらに、NOR回路18bは、入力された信号に基づいてNOR演算を行い、演算結果となる信号をNAND回路18cに出力する。
【0130】
NAND回路18cの第1入力端子には、インバータ18aから出力された信号が入力される。また、NAND回路18cの第2入力端子には、判別部16から出力された信号CHKFRDERRDLYが入力される。さらに、NAND回路18cの第3入力端子には、初期制御部14から出力された信号TRIMSEL2が入力される。NAND回路18cは、入力された信号に基づいてNAND演算を行い、演算結果となる信号をカウンタ18dに出力する。
【0131】
カウンタ18dは、例えば、信号ERRINITFRDがハイレベルの場合(つまり、第1初期設定情報が無効と判別された場合)であって、信号TRIMSEL2がハイレベルの場合(後述するように、第1初期設定情報の1回の読み出しにおける2回目の読み出しが行われた場合)にネゲート(ローレベル)された信号がNAND回路18cから入力される毎に、カウント値を1つ増加させる。また、カウンタ18dは、カウント値を示す信号CNTTRIMをセレクタ18eに出力する。さらに、カウンタ18dは、カウント値が所定の最大値に達すると、カウント値が最大値に達したことを示す信号VINTONSELMAXをアサート(ハイレベル)してNOR回路18bに出力する。ここで、カウンタ18dは、カウント値が最大値に達した場合に、カウント値を初期値(例えば、0)にリセットしてもよい。さらに、カウンタ18dは、半導体記憶装置に電源が投入された場合、又は、半導体記憶装置への電源投入が遮断された場合に、カウント値を初期値にリセットしてもよい。
【0132】
セレクタ18eの一方の入力端子には、判別部16から出力された信号FTRIM1が入力される。また、セレクタ18eの他方の入力端子には、カウンタ18dから出力された信号CNTTRIMが入力される。さらに、セレクタ18eには、NOR回路18fから出力された信号が制御信号として入力される。ここで、セレクタ18eは、アサート(ハイレベル)された信号がNOR回路18fから入力された場合に、信号CNTTRIMの値を示す信号を、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力する。また、セレクタ18eは、ネゲート(ローレベル)された信号がNOR回路18fから入力された場合に、信号FTRIM1の値を示す信号を、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力する。
【0133】
NOR回路18fの第1入力端子には、インバータ18aから出力された信号が入力される。また、NOR回路18fの第2入力端子には、カウンタ18dから出力された信号VINTONSELMAXが入力される。さらに、NOR回路18fの第3入力端子には、初期制御部14から出力された信号TRIMSEL2が入力される。NOR回路18fは、入力された信号に基づいてNOR演算を行い、演算結果となる信号をセレクタ18eに出力する。ここで、NOR回路18fは、何れかの入力端子にハイレベルの信号が入力された場合に、ネゲート(ローレベル)された信号をセレクタ18eに出力する。この場合、セレクタ18eにおいて、信号FTRIM1の値を示す信号が、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力される。また、NOR回路18fは、全ての入力端子にローレベルの信号が入力された場合に、アサート(ハイレベル)された信号をセレクタ18eに出力する。この場合、セレクタ18eにおいて、信号CNTTRIMの値を示す信号が、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力される。
【0134】
図5を参照して、本実施形態に係る初期設定装置の動作について説明する。図5は、初期設定装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。ここで、本実施形態に係る初期設定装置の動作の概要について説明する。初期設定装置は、第1ヒューズ15に対して第1初期設定情報の読み出しを行う際に、信号CNTTRIMが信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しと、信号FTRIM1が信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しと、を実行する。
【0135】
なお、第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しが行われる場合(つまり、信号CNTTRIMが信号TRIMINTとして選択されている場合)には、内部電圧VINTが、第1ヒューズ15に記憶された第1初期設定情報に基づいて調整されていない状態で第1ヒューズ15の読み出しが行われる。ここで、本実施形態では、内部電圧生成部12において生成される内部電圧VINTのレベルは、例えば製造ばらつき等の影響によって、内部電圧制御部18のカウンタ18dの初期状態(つまり、信号CNTTRIMの値が初期値の状態)においても十分に高い場合を想定している。
【0136】
また、第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しが行われる場合(つまり、信号FTRIM1が信号TRIMINTとして選択されている場合)には、内部電圧VINTが、1回目の読み出しによって第1ヒューズ15から読み出された第1初期設定情報に基づいて調整された状態で読み出しが行われる。ここで、本実施形態では、第1初期設定情報が、例えば製造ばらつき等の影響を受けた内部電圧VINTのレベルを所定値又は所定の割合だけ下げるように設定されている場合を想定している。この場合、第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しは、1回目の読み出しと比較して内部電圧VINTのレベルが所定値又は所定の割合だけ低い状態で行われる。
【0137】
そして、初期設定装置は、1回目に読み出された第1初期設定情報と、2回目に読み出された第1初期設定情報と、が同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する。一方、初期設定装置は、1回目に読み出された第1初期設定情報と、2回目に読み出された第1初期設定情報と、が異なる場合に、第1初期設定情報が無効であると判別する。そして、初期設定装置は、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、信号CNTTRIMが信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しと、信号FTRIM1が信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しと、を繰り返し実行する。
【0138】
先ず、半導体記憶装置に外部電源が投入されると、基準電圧生成部11は、外部電源の電圧VDDに基づいて基準電圧VREFを生成する。
【0139】
また、半導体記憶装置に外部電源が投入された時点では、信号ERRINITFRD、信号CHKFRDERR及び信号VINTONSELMAXがローレベルとなっている。この場合、内部電圧制御部18のカウンタ18dは、初期値(例えば、0)に初期化されている。また、内部電圧制御部18のセレクタ18eは、アサート(ハイレベル)された信号がNOR回路18fから入力されることによって、信号CNTTRIMの値を示す信号を、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力する。
【0140】
内部電圧生成部12では、内部電圧制御部18から入力された信号CNTTRIMの値に応じて、可変抵抗12cの抵抗値が変化する。また、内部電圧VINTのレベルが基準電圧VREFのレベルよりも低い場合には、MOSFET12bがオン状態になる。これにより、内部電圧VINTが外部電源の電圧VDDによって充電される。また、内部電圧生成部12から出力される内部電圧VINTのレベルは、可変抵抗12cの抵抗値の変化に応じて変化する。例えば、内部電圧VINTのレベルは、可変抵抗12cの抵抗値が大きくなるほど、高くなる。
【0141】
上述した第1実施形態と同様に、内部電圧VINTのレベルが基準電圧VREFのレベルよりも高い所定のターゲットレベルに達すると、内部電圧検出部13のコンパレータ13dからハイレベルの信号が出力されることによって、トリガ信号VINTONがハイレベルになる。これにより、信号CNTTRIMが信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しが行われる。
【0142】
ハイレベルのトリガ信号VINTONが初期制御部14に入力されると、初期制御部14は、先ず、ネゲート(ローレベル)された信号RSTFUSE_cを第1ヒューズ15に出力する。この場合、第1ヒューズ15の不揮発性記憶部15aのMOSFET15cがオン状態になる。一方、第1ヒューズ15の不揮発性記憶部15aのMOSFET15eは、信号INITFRDVREFがローレベルであるため、オフ状態となる。これにより、第1ヒューズ15の不揮発性記憶部15aから出力される信号FDATAVREFAはローレベルとなる。
【0143】
次に、初期制御部14は、タイマ14jから出力された信号がハイレベルになると、アサート(ハイレベル)された信号RSTFUSE_cを出力し、タイマ14jから出力された信号の立ち上がりに応じて、アサート(ハイレベル)された信号INITFRDVREFを第1ヒューズ15に出力する。なお、上述したように、本実施形態では、第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しが行われる場合(つまり、信号CNTTRIMが信号TRIMINTとして選択されている場合)には、内部電圧生成部12において生成される内部電圧VINTのレベルが、内部電圧制御部18のカウンタ18dの初期状態(つまり、信号CNTTRIMの値が初期値の状態)においても十分に高い場合を想定している。このとき、トリガ信号VINTON及び信号INITFRDVREFのレベルも、第1ヒューズ15の不揮発性記憶部15a内のラッチ回路15fのビット状態を反転させるのに十分高いレベルとなっている。これにより、第1ヒューズ15の不揮発性記憶部15aは、ラッチ回路15fの電位が十分に下げられることによって、第1初期設定情報のビット値が1であることを示すハイレベルの信号FDATAVREFAを出力する。
【0144】
また、初期制御部14は、アサート(ハイレベル)された信号INITFRDVREFを出力してから所定時間経過後に、アサート(ハイレベル)された信号LATFUSEVREFを判別部16に出力する。さらに、初期制御部14は、ネゲート(ローレベル)された信号TRIMSEL2を判別部16及び内部電圧制御部18に出力する。
【0145】
この場合、判別部16は、信号LAT1がローレベルになり、信号LAT2がハイレベルになることによって、第1ヒューズ15から出力された信号FDATAVREFAをラッチ回路16hにおいてラッチする。また、ラッチ回路16hは、ラッチした信号FDATAVREFAの値を示す信号FTRIM1をEXOR回路16jに出力する。なお、図5に示す例では、信号FTRIM1の値が(接続)として示されているが、これは、第1初期設定情報のビット値が1である(つまり、信号FDATAVREFAがハイレベルである)場合に、不揮発性記憶部15aのヒューズ抵抗15dが接続された状態であると判別されたことを意味している。
【0146】
次に、初期制御部14は、アサート(ハイレベル)された信号TRIMSEL2を判別部16及び内部電圧制御部18に出力する。この場合、内部電圧制御部18のセレクタ18eは、ネゲート(ローレベル)された信号がNOR回路18fから入力されることによって、信号FTRIM1の値を示す信号を、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力する。
【0147】
内部電圧生成部12では、内部電圧制御部18から入力された信号TRIMINTの値に応じて、可変抵抗12cの抵抗値が変化する。なお、上述したように、本実施形態では、信号FTRIM1が信号TRIMINTとして選択されている場合に、内部電圧VINTのレベルを、1回目に読み出された第1初期設定情報に基づいて所定値又は所定の割合だけ下げるように調整することを想定している。このため、信号FTRIM1の値は、信号CNTTRIMの値よりも小さい値に設定されている。したがって、内部電圧生成部12から出力される内部電圧VINTのレベルは、信号CNTTRIMが信号TRIMINTとして選択されている場合と比較して所定値又は所定の割合だけ低くなる。
【0148】
また、内部電圧VINTのレベルが変更されたことによってトリガ信号VINTONが一旦ローレベルになり、その後、内部電圧VINTのレベルが上昇して内部電圧検出部13のコンパレータ13dの+端子のレベルが基準電圧VREFよりも高くなった場合に、コンパレータ13dからハイレベルの信号が出力されることによって、トリガ信号VINTONがハイレベルになる。これにより、信号FTRIM1が信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しが行われる。なお、上述したように、信号FTRIM1が信号TRIMINTとして選択されている場合には、信号CNTTRIMが信号TRIMINTとして選択されている場合と比較して内部電圧VINTのレベルが低くなる。このため、図5に示すように、信号FTRIM1が信号CNTTRIMとして選択されている場合のトリガ信号VINTONの電圧レベルは、信号CNTTRIMが信号TRIMINTとして選択されている場合と比較して低くなる。
【0149】
初期制御部14は、1回目の読み出しと同様に、ネゲート(ローレベル)された信号RSTFUSE_cを出力し、所定時間経過後に、アサート(ハイレベル)された信号INITFRDVREFを第1ヒューズ15に出力する。ここで、信号INITFRDVREFの電圧レベルが低い状態では、不揮発性記憶部15aのラッチ回路15fの電位を十分に下げることができず、結果として、ローレベルの信号FDATAVREFAが不揮発性記憶部15aから出力される。
【0150】
また、初期制御部14は、アサート(ハイレベル)された信号INITFRDVREFを出力してから所定時間経過後に、アサート(ハイレベル)された信号LATFUSEVREFを判別部16に出力する。なお、信号TRIMSEL2は、アサート(ハイレベル)された状態である。
【0151】
この場合、判別部16は、信号LAT1がハイレベルになり、信号LAT2がローレベルになることによって、第1ヒューズ15から出力された信号FDATAVREFAをラッチ回路16iにおいてラッチする。また、ラッチ回路16iは、ラッチした信号FDATAVREFAの値を示す信号FTRIM2をEXOR回路16jに出力する。なお、図5に示す例では、信号FTRIM2の値が(切断)として示されているが、これは、第1初期設定情報のビット値が0である(つまり、信号FDATAVREFAがローレベルである)場合に、不揮発性記憶部15aのヒューズ抵抗15dが切断された状態であると判別されたことを意味している。
【0152】
このとき、判別部16のEXOR回路16jは、アサート(ハイレベル)された信号をラッチ回路16kに出力する。また、ラッチ回路16kは、アサート(ハイレベル)された信号CHKFRDERRが遅延回路16lから入力されると、アサート(ハイレベル)された信号ERRINITFRD(この場合、第1初期設定情報が無効であることを示す)を内部電圧制御部18に出力する。このようにして、判別部16は、1回目に読み出された第1初期設定情報と、2回目に読み出された第1初期設定情報と、が異なる場合に、第1初期設定情報が無効であると判別する。
【0153】
また、内部電圧制御部18のカウンタ18dは、アサート(ハイレベル)された信号ERRINITFRDが入力されることによって、カウンタ値を1つ増加させる。また、内部電圧制御部18のセレクタ18eは、アサート(ハイレベル)された信号がNOR回路18fから入力されることによって、信号CNTTRIMの値を示す信号を、信号TRIMINTとして内部電圧生成部12に出力する。さらに、内部電圧生成部12は、信号TRIMINTの値に応じて、内部電圧VINTのターゲットレベルを上げる。そして、内部電圧VINTのレベルが所定のターゲットレベルに達すると、内部電圧検出部13のコンパレータ13dからハイレベルの信号が出力されることによって、トリガ信号VINTONがハイレベルになる。これ以降の動作については、上述した動作と同様である。
【0154】
このようにして、信号CNTTRIMが信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する1回目の読み出しと、信号FTRIM1が信号TRIMVINTとして選択された状態での第1ヒューズ15に対する2回目の読み出しと、が再度行われる。
【0155】
第1初期設定情報が無効であると判別される毎に内部電圧VINTのターゲットレベルが上げられることを繰り返すことによって内部電圧VINTのレベルが高くなると、内部電圧VINTのレベルに応じてトリガ信号VINTON及び信号INITFRDVREFの電圧レベルも高くなる。そして、信号INITFRDVREFが所定の電圧レベルに達すると、1回目の読み出し及び2回目の読み出しにおいて、不揮発性記憶部15aは、第1初期設定情報のビット値が1であることを示すハイレベルの信号FDATAVREFAを出力する。この場合、判別部16は、ネゲート(ローレベル)された信号ERRINITFRD(この場合、第1初期設定情報が有効であることを示す)を出力する。このようにして、判別部16は、1回目に読み出された第1初期設定情報と、2回目に読み出された第1初期設定情報と、が同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する。
【0156】
なお、本実施形態では、第1初期設定情報が無効であると判別された場合であって、トリガ信号VINTONがアサート(ハイレベル)されている場合に、初期制御部14のタイマ14jが、所定時間が経過する毎にパルス信号を出力することによって、第1ヒューズ15に対する2回の読み出しが再度行われる。この場合、タイマ14jから出力されるパルスの間隔を広げる(タイマ14jにおける遅延時間を長くする)ことによって、信号INITFRDVREFの電圧レベルを所定のターゲットレベルまで確実に上げることが可能になる。
【0157】
なお、本実施形態では、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、第1初期設定情報の読み出しを行うための信号INITFRDVREFの電圧を上げることによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更する場合を一例として説明している。ここで、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることによって、第1初期設定情報の読み出し条件を変更する場合には、例えば、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に、初期制御部14の遅延回路14kにおける遅延時間が長くなるように制御されてもよい。これにより、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に信号INITFRDVREFのパルス幅が長くなるので、第1初期設定情報の読み出し時間を長くすることが可能になる。
【0158】
また、本実施形態では、不揮発性記憶部15aが1ビットの第1初期設定情報を記憶するように構成されている場合を一例として説明したが、例えば、第1初期設定情報が複数のビットで構成されている場合には、不揮発性記憶部15aは、第1初期設定情報の複数のビットを記憶するように構成されてもよい。
【0159】
また、第1初期設定情報が複数のビットで構成されている場合には、第1初期設定情報の複数のビット毎に不揮発性記憶部15aが設けられてもよく、判別部16において複数のビット毎に有効性が判別されてもよい。これにより、第1初期設定情報の有効性を向上させることが可能になる。
【0160】
上述したように、本実施形態の初期設定装置によれば、1つの不揮発性記憶部15aから2回読み出された第1初期設定情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを容易に判別することが可能になる。
【0161】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0162】
例えば、上述した各実施形態では、初期設定装置がDRAMに設けられている場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、初期設定装置は、SRAM(Static Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、他の半導体記憶装置に設けられてもよい。
【0163】
また、上述した各実施形態では、第1不揮発性記憶装置及び第2不揮発性記憶装置の各々がヒューズで構成されている場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、第1不揮発性記憶装置及び第2不揮発性記憶装置は、ヒューズ以外のOTPROMや、他の不揮発性メモリ等で構成されてもよい。
【0164】
さらに、上述した第1実施形態では、判別部16が、一方の不揮発性記憶部15aから読み出されたビット値と、他方の不揮発性記憶部15bから読み出されたビット値とが異なる場合に、第1初期設定情報が有効であると判別する場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、判別部16は、一組の不揮発性記憶部15a,15bの各々に同じビット値が記憶されている場合であって、一方の不揮発性記憶部15aから読み出されたビット値と、他方の不揮発性記憶部15bから読み出されたビット値とが同じ場合に、第1初期設定情報が有効であると判別するように構成されてもよい。
【0165】
さらにまた、上述した第1実施形態では、第1ヒューズ15が、2つの不揮発性記憶部15a,15bを備え、判別部16が、2つの不揮発性記憶部15a,15bの各々から読み出された情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、第1ヒューズ15が、3つ以上の不揮発性記憶部を備え、判別部16が、3つ以上の不揮発性記憶部の各々から読み出された情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別してもよい。
【0166】
また、上述した第2実施形態では、判別部16が、第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて第1ヒューズ15から2回読み出された第1初期設定情報を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、判別部16が、第1初期設定情報の1回の読み出しにおいて第1ヒューズ15から3回以上読み出された第1初期設定情報の各々を比較することによって、第1初期設定情報が有効であるか否かを判別してもよい。
【0167】
さらに、上述した第1実施形態では、第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFが調整される場合を一例として説明したが、第1初期設定情報に基づいて内部電圧VINTが調整されてもよい。また、上述した第2実施形態では、第1初期設定情報に基づいて内部電圧VINTが調整される場合を一例として説明したが、第1初期設定情報に基づいて基準電圧VREFが調整されてもよい。
【0168】
さらにまた、上述した第2実施形態では、第1初期設定情報が、未調整の内部電圧VINTのレベルを所定値又は所定の割合だけ下げるように設定されている場合を一例として説明したが、第1初期設定情報は、未調整の内部電圧VINTのレベルを所定値又は所定の割合だけ上げるように設定されてもよい。
【0169】
また、上述した各実施形態では、不揮発性記憶部15a,15bの各々のMOSFET15cのソースが内部電圧VINTに接続されている場合を一例として説明したが、MOSFET15cのソースは、例えば、外部電源の電圧VDDに接続されてもよい。ここで、ヒューズの電源として外部電源が用いられる場合には、初期設定装置は、例えば、内部電圧検出部13の代わりに、外部電源の電圧VDDを検出する外部電圧検出部(図示省略)を備えてもよい。この場合、外部電圧検出部は、外部電源の電圧VDDのレベルに応じて、アサート(ハイレベル)されたトリガ信号VINTONを出力するように構成されてもよい。
【0170】
また、図2及び/又は図4に示す各部11~18の構成は一例であり、適宜変更されてもよいし、周知の構成や他の様々な構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0171】
11…基準電圧生成部
12…内部電圧生成部
13…内部電圧検出部
14…初期制御部
15…第1ヒューズ
15a…一方の不揮発性記憶部
15b…他方の不揮発性記憶部
16…判別部
17…第2ヒューズ
18…内部電圧制御部
【要約】
【課題】有効な初期設定情報に基づいて半導体記憶装置の初期設定を行うことの可能な半導体記憶装置の初期設定装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置の初期設定装置は、電源の電圧を検出する内部電圧検出部13と、半導体記憶装置の動作条件を設定する第1初期設定情報が記憶された第1ヒューズ15と、検出された電源の電圧に応じて、第1ヒューズ15に対して第1初期設定情報の読み出しを行う初期制御部14と、読み出された第1初期設定情報が有効であるか否かを判別する判別部16と、を備え、初期制御部14は、第1初期設定情報が無効であると判別された場合に、第1初期設定情報が有効であると判別されるまで、第1初期設定情報が無効であると判別される毎に第1初期設定情報の読み出し条件を変更しながら第1初期設定情報の読み出しを行うように構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5