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特許7476391中空の内部冷却バルブを製造するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】中空の内部冷却バルブを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B21J 13/02 20060101AFI20240422BHJP
   B21C 25/02 20060101ALI20240422BHJP
   B21K 1/22 20060101ALI20240422BHJP
   B21J 5/06 20060101ALI20240422BHJP
   F01L 3/20 20060101ALI20240422BHJP
   F01L 3/02 20060101ALI20240422BHJP
   F01L 3/24 20060101ALI20240422BHJP
   F16K 1/36 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B21J13/02 C
B21C25/02 Z
B21K1/22
B21J5/06 F
F01L3/20 B
F01L3/20 C
F01L3/02 Z
F01L3/24 D
F16K1/36 G
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023065030
(22)【出願日】2023-04-12
(62)【分割の表示】P 2020527966の分割
【原出願日】2018-12-06
(65)【公開番号】P2023099002
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102018100413.3
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518073055
【氏名又は名称】フェデラル-モーグル バルブトレイン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL-MOGUL VALVETRAIN GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】トルシュテン マティアス
(72)【発明者】
【氏名】アントニウス ウォルキング
(72)【発明者】
【氏名】ギド ベイヤード
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-177718(JP,A)
【文献】特開2011-167707(JP,A)
【文献】特開2005-118799(JP,A)
【文献】特開平11-300423(JP,A)
【文献】米国特許第01928227(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 13/02
B21C 25/02
B21K 1/22
B21J 5/06
F01L 3/20
F01L 3/02
F01L 3/24
F16K 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空バルブプリフォームを成形するための方法であって、
ヘッド部及び初期外径を含む中空ステム部を有するバルブプリフォームを提供するステップと、
縮小円錐部分、第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分とを有する円形貫通開口を備えたダイスであって、前記第1縮小円錐部分と前記第2縮小円錐部分との間に移行部分が配置されており、前記第1縮小円錐部分が、外径から縮小円錐部分内径に向けてテーパリングされ、前記外径が、前記バルブプリフォームの初期外径以上であり、前記ダイス内径が、前記初期外径よりも小さい、当該ダイスを提供するステップと、を含み、
前記ダイスが、前記縮小円錐部分及び前記第2縮小円錐部分の後方に円筒状較正部を備えており、
前記ダイスが、自由端上に較正球を有する較正マンドレルを更に備えており、
前記方法はさらに、
前記マンドレルの前記較正球を前記縮小円錐部分又は前記第2縮小円錐部分の領域の前方に前記バルブプリフォームに差し込むステップと、
前記中空ステム部を前記ダイス内に押し込み、前記初期外径を縮小円錐部分内径へとテーパリングするが、前記テーパリングの間は、前記較正球を使用しないステップと、
を含んでおり、
バルブステム部が前記ダイス内に完全に押し込まれた後に、前記較正球を有する前記較正マンドレルを、前記縮小円錐部分又は前記第2縮小円錐部分、並びに前記較正部を通って前記ステム部の端部から引き出し、
前記ステム部は、前記較正球が前記ダイスの前記較正部を通過することにより、更に延びると共に直線的に形成される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の中空バルブプリフォームを成形するための方法であって、移行部分が、前記第1縮小円錐部分と前記第2縮小円錐部分との間で拡大し、前記第1縮小円錐部分内径へとテーパリングした前記ステム部を、部分的な弾性変形により、前記第1内径よりも大きな外径に再び増加させる方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の中空バルブプリフォームを成形するための方法であって、プレス装置コントローラが、テーパリング機械におけるプレス装置を制御することにより、前記ステム部を有する前記バルブプリフォームを振動力及び/又は振動経路で前記ダイス内に押し込む方法。
【請求項4】
バルブプリフォームを成形するためのテーパリング機械であって、該テーパリング機械は、請求項1~3の何れか一項に記載のステップを実行するダイスを備え、ステム部を有するバルブプリフォームを前記ダイス内に押し込むためのプレス装置を含む、テーパリング機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空の内部冷却バルブを製造するための方法及び装置に関する。本発明は、特に、バルブプリフォームからバルブブランクを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バルブプリフォームを成形するために以前より知られている方法は、特許文献1(欧州特許出願公開第2690261号明細書)、特許文献2(欧州特許出願公開第2540414号明細書)、特許文献3(中国実用新案第202053075号明細書)、特許文献4(特開2005-118799号公報)、特許文献5(特開2011-167707号公報)、特許文献6(独国特許出願公開第102015220891号明細書)に既知である。
【0003】
特許文献1は、ロータリースエージング加工及びダイス内への押し込みによるテーパリングが施された中空ステムを備えるバルブの製造に関する。特許文献2は、やはりダイス内への押し込みによるバルブステムに関する。特許文献3には、金属管の冷間引抜き加工を行うための二段階による方法が開示されている。特許文献4には、2個のダイスを通るよう引張るか又は押し込むことによって管を縮径させる方法が開示されている。特許文献5には、管状ワークピース用の引抜き加工装置が記載されている。この場合、引抜きプレートには、管状ワークピースを外側からだけでなく内側からも成形するために、やはり一種のコアが設けられている。特許文献6には、バルブステムをクロス転造するための方法が記載されている。
【0004】
本発明は、請求項1に記載の主題により規定される。好適な実施形態は、従属請求項に記載した通りである。
【0005】
本発明の方法においては、断面のテーパリングが利用される。テーパリングとは、中実又は中空のワークピースの断面を縮小するための製造工程のことである。この工程においては、バルブプリフォームの一部だけがテーパリングされる。テーパリングは、重要性が比較的小さいと共に、プレススルー加工と見なされ、そのプレススルー加工は、圧縮成形の一部に含まれる。これまでのところ、テーパリングは、部品、特にトランスミッションステム又はホイール締結ボルトの製造に利用されている。テーパリングにおいては、管又はロッドがブランクとして使用され、他のプレススルー法と同様に、中空工具(ダイス)を通るよう押し込まれ、その中空工具は、テーパリング及び押出加工の場合には製造すべき断面形状を有する。テーパリング時には、ダイスにおける開口の前方でブランクが支持されないため、自由長が大き過ぎるか、又は肉厚が小さ過ぎるか、又はテーパリングステップが大き過ぎる場合、座屈又は膨らみが生じる可能性がある。ただし、支持が行われないため、テーパリングを他の方法と効果的に組み合わせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願公開第2690261号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2540414号明細書
【文献】中国実用新案第202053075号明細書
【文献】特開2005-118799号公報
【文献】特開2011-167707号公報
【文献】独国特許出願公開第102015220891号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1態様によれば、バルブプリフォームを成形するためのダイスが提供される。ダイスは、円形貫通開口及び縮小円錐部分を備え、その縮小円錐部分は、外径から縮小円錐部分内径に向けてテーパリングされている。その外径は、成形すべきバルブプリフォームの初期外径以上である。縮小円錐部分内径(ダイス内径とも称される)は、成形すべきバルブプリフォームの初期外径よりも小さい。この場合の目的は、中空バルブのステム部のみを成形することであり、バルブプリフォームのディスク部又はバルブヘッドを成形することではない。実質的にロッド状又は管状のバルブステム部は、小さな円錐状孔に押し込まれることにより、バルブステム部の直径が縮小すると共に、質量保存によってバルブステム部の長さが同時に増加する。この方法は、引抜きプレートを通す線引き加工に対応するが、引張りではなく、押圧又は押し込みに基づいている。開口又は縮小円錐部分の前方のステム領域は、テーパリング時に圧縮負荷を受ける。圧縮負荷は、バルブステムの座屈又は圧縮をもたらす可能性がある。更に、圧縮負荷は、応力を受けたロッドが限られた負荷にしか耐えられないため、実現可能なテーパリングの程度には限界があり、またテーパリングの程度は圧力と相関しているため、ステム部のテーパリングには圧力が必要である。従って、最大の程度のテーパリングを達成し、可能な限り少ないテーパリングステップでバルブプリフォームをバルブブランクへ成形するのが望ましい。
【0008】
ダイスはまた、バルブプリフォームを成形するための不可欠なステップを提供する。この場合、バルブプリフォームの中空ステム部は、ダイス内に押し込まれ、バルブプリフォームの初期外径が縮小円錐部分内径又はダイス内径に縮小又はテーパリングされる。ダイスは更に、ステム部を縮小円錐部分にガイドするための進入領域を備えることができる。ダイスは加えて、純粋な円錐形状から僅かに逸脱した、ほぼ円錐形状の縮小円錐部分を備えることができる。縮小円錐部分及びダイスは、段階的な形状を有してもよい。ダイスには、線引き加工で使用する引抜きプレートに関して既知の特徴を設けることもできる。
【0009】
ダイスの他の実施形態において、縮小円錐部分は、第1縮小円錐部分であり、ダイスは、第2縮小円錐部分も備え、第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分との間に移行部分が配置されている。この構成は、ステム部が2つの連続的な段でテーパリングされる二段ダイスに関する。テーパリング段の間には移行部分が配置されており、テーパリングされたステム部がその移行部分の外側全体でガイドされるため座屈を生じることがない。ステム部は既にテーパリングされているため、第2テーパリング段で必要な力、即ち圧力はより小さい。この圧力は、テーパリングされていないステム部でより大きく吸収され得る。この構成の基本的な概念は、第2テーパリング段を設けることによって既存のダイスを改良することではなく、第1テーパリング段が一段ダイスの場合に比べて遥かに小さい、完全に再構成されたダイスを使用することである。第1テーパリングステップの後に、一段ダイスの場合に比べてやはり小さな第2テーパリングステップが後続する。ただし、2つのテーパリングステップの合計値は、一段ダイスで実現可能な値よりも大きいのが好適である。これは、特に、バルブステム部の端部が第1縮小円錐部分内に既に進入し、従ってより短いバルブステム部の端部がより大きな圧力でのみ座屈又は破損を生じると共に、第1テーパリングステップでテーパリングされたバルブプリフォームのステム端部が大幅に増加するか又は大きくなるまでは、第2テーパリングに必要な力が増加しないことに基づいている。
【0010】
ダイスの他の例示的な実施形態によれば、第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分との間の移行部分は、円筒状である。この構成においては、より大きな摩擦力が生じる。なぜなら、テーパリング材料は、塑性変形するだけでなく弾性変形し、弾性変形が移行部分で緩和されないからである。ただし、このような形状の移行部分は、既にテーパリングされたバルブステム部を第2縮小部分によって再び弾性変形させなくてもよいという利点がある。この場合、既にテーパリングされたバルブステム部は、第2縮小部分内への進入時に更に塑性変形するため、ダイスを短く構成することが可能である。
【0011】
ダイスの付加的な構成において、第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分との間の移行部分は、拡大されている。この構成において、第1縮小円錐部分は、第2縮小円錐部分の入口直径に比べて、押し込まれた材料をより大きくテーパリングする。この場合、第1縮小円錐部分内径は、第2縮小円錐部分の入口直径に比べて小さい。
【0012】
本発明の他の実施形態において、ダイスは、縮小円錐部分及び第2縮小円錐部分の後方に円筒状較正部を備える。較正部の長さは、テーパリングされたステム部又は2回テーパリングされたステム部の最大長よりも大きい。この場合、較正部は、ステム部を直線的に配置すると共に、テーパリング後のステム部の外面を円形かつ平滑に維持するのに使用される。較正部の摩擦が大きい場合には、潤滑剤を使用することによって摩擦を低減することができる。較正部は、ダイス内径に等しい直径を有することができるが、この場合は比較的大きな摩擦が生じる。この摩擦成分は、押し込みに伴い継続的に増加する。ただし、摩擦の増加成分は、テーパリング工程時に特に不利な影響を及ぼすことはない。これは、テーパリングされていない自由ステム部の長さがテーパリング時に減少し、従ってより大きな押圧力又は圧力を吸収できるからである。また、較正部の直径は、ダイス内径よりも大きくすることも可能であり、この場合、ステム部は、弾性成分の量だけ元に変形することができる。この構成においては、較正部の摩擦が大幅に低減されるため、バルブプリフォームのステム部を押し込むための押圧力を大きく低下させることができる。
【0013】
ダイスの更なる構成において、ダイスには、較正マンドレルが設けられている。この場合、ダイスは、ダイスに対して移動可能な較正マンドレルを備える。較正マンドレルの自由端には、較正球が配置されている。較正球は、較正マンドレルと一体的に構成することができる。較正球は、較正マンドレルの周りに配置されたリングとして構成することもできる。較正マンドレル及び特に較正球は、テーパリング時に、縮小円錐部分の領域内又は(テーパリング方向において)縮小円錐部分の前方に位置している。二段ダイスの場合、較正球は、テーパリング時に、第2縮小円錐部分の領域内又は(テーパリング方向において)第2縮小円錐部分の前方に位置している。
【0014】
強調すべき点として、較正球は、テーパリング時に使用されるのではなく、バルブステム部がダイス内/較正部内に完全に押し込まれた後に、ヘッド部からステム部を通ってステム端部から引張られることである。ステム部は、較正時に延ばされる。これは、ステム部の材料の一部がステム端部方向に変位するからである。この方法を適用することにより、既にテーパリングされたステム部の内径が増加し、ステム部の壁厚が減少して均一化される。較正においては更に、ステム部の長さがより増加する。
【0015】
二段ダイス又はダイスの場合、第2テーパリング段を通過したステム部のみが較正される。従って、較正球は、少なくとも第2縮小円錐部分からダイスを通って較正部の一端まで引張られる。較正球は、ステム端部において引き出される。較正球の半径方向プロファイルは、引抜きプレート又はダイスに対応していてもよく、この場合、較正円錐部分によってステム部の材料が外側に変位される。較正円錐部分の後方には、弾性変形部分に必要な対応円錐部分を配置することができる。また、対応円錐部分は、引張り方向に対して、較正円錐部分領域を支持することができる。更に、対応円錐部分は、弾性変形するステム部を較正部の中心に合わせられるという利点も提供する。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、バルブプリフォームを成形するためのテーパリング機械が提供され、そのテーパリング機械には、上述したダイスが使用される。テーパリング機械は、ステム部を有するバルブプリフォームをダイス内に押し込むためのプレス装置を備える。この構成において、ダイスには、油圧プレスのようなアクチュエータが設けられ、そのアクチュエータにより、ダイス及びバルブプリフォームが互いに移動し、バルブプリフォームのステム部がダイス内に押し込まれる。
【0017】
テーパリング機械の他の実施形態において、テーパリング機械は、ステム部を有するバルブプリフォームが振動力によってダイス内に押し込まれるよう、プレス装置を制御するプレス装置コントローラも備える。テーパリング時の摩擦は、振動力によって低減可能である。更に、振動力により、バルブプリフォームとダイスとの間に潤滑剤をより良好に導入することができる。
【0018】
テーパリング機械の他の実施形態において、テーパリング機械は、ステム部を有するバルブプリフォームが振動経路によってダイス内に押し込まれるよう、プレス装置を制御するプレス装置コントローラも備える。テーパリング時の摩擦は、振動経路によって低減可能である。更に、振動力により、バルブプリフォームとダイスとの間に潤滑剤をより良好に導入することができる。なぜなら、弾性変形するプリフォーム又はダイスの部分は、プリフォームとダイスとの間におけるギャップへの潤滑剤の搬送を容易にできるからである。振動運動により、バルブプリフォームは、弾性変形を頻繁に生じ、ステム部直径の減少ももたらされる。ステム部は、ダイスの最狭部分を通過した後、一部が再び弾性的に延びると共に、ダイスを逆方向に通過する時に再び弾性的にテーパリングされる。テーパリングされていないステム部の少なくとも一部は、所要の引張力によって縮小円錐部分から持ち上げられ、その結果として生じるギャップに潤滑剤を導入できるため、全体的な摩擦が低減される。テーパリング機械におけるこの作動モードは、順方向・逆方向サイクル運動とも称される。この場合、順方向運動の後に、より小さな逆方向運動が生じ、これら2つのステップが周期的に繰り返される。振動経路により、例えば、ステム部をダイス内に押し込むのに圧力が加えられるため、ステム部をダイス内に押し込むのに必要な最大力を低減することができる。
【0019】
付加的な実施形態によれば、テーパリング機械は、較正マンドレル引張り装置を更に備えることができる。較正マンドレル引張り装置は、中空ステム部を有するバルブプリフォームがダイス内に押し込まれた後に、較正マンドレルを、バルブプリフォームのヘッド部からバルブプリフォームのステム部を通って端部から引き出すよう構成されている。較正マンドレル引張り装置を備えるテーパリング機械は、ダイスと共に、較正マンドレルと一緒に使用される。更に、振動力及び/又は経路に関する上述した制御を、較正マンドレル引張り装置にも適用することが想定される。この場合、プレス装置コントローラが引張り装置の制御も行うか、又は別箇の引張り装置コントローラが較正マンドレル引張り装置を制御して、較正マンドレルの引張り時に振動経路/振動力に関する影響を及ぼす。
【0020】
本発明の他の態様によれば、中空バルブプリフォームを成形するための方法が提供される。この方法は、ヘッド部及び中空ステム部を有するバルブプリフォームを提供するステップと、ダイスを提供するステップを含む。バルブプリフォームは、初期外径を含むステム部を有する。ダイスの種類は、上述した通りである。ダイスの代わりに、ダイスが配置された上述のテーパリング機械を使用してもよい。本発明の方法は、中空ステム部をダイス内に押し込み、初期外径を縮小円錐部分内径にテーパリングするステップも含む。テーパリングは、多少小さくしてもよい。なぜなら、テーパリングされたバルブステム部の一部は弾性的に復元し、従ってダイスのクリアランスよりも僅かに大きな外径を有するようになるからである。更に、テーパリング時に、ダイス内径が弾性的に増加するという事実を考慮する必要がある。本明細書においては、これら観点について考慮しないものとする。なぜなら、各特定の寸法は、適切な結果をもたらすものとして理解され、負荷を受けていない構成要素及び要素における実際の寸法として理解されないからである。
【0021】
ステム部を有するバルブプリフォームは、縮小円錐部分を有する円形開口内に押し込まれ、縮小円錐部分により、ステム部が初期外径からダイス内径までテーパリングされる。ダイスにおける開口の外径は、バルブプリフォームの初期外径以上であり、ダイス内径は、ステム部の初期外径よりも小さい。
【0022】
本発明に係る方法の他の実施形態によれば、2つの縮小円錐部分を備える二段ダイスが使用される。縮小円錐部分は、バルブプリフォームのステム部を第1縮小円錐部分内径へとテーパリングする第1縮小円錐部分を形成している。ダイスには、第2縮小円錐部分が設けられており、これにより第1縮小円錐部分内径へと既にテーパリングされたバルブプリフォームのステム部が、(より小さな)第2縮小円錐部分内径へとテーパリングされる。第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分との間には、第1縮小円錐部分へとテーパリングされたステム部が付加的に加工されない移行部分が配置されている。この場合、本発明の方法は、ダイスを1回通過する間に、2回のテーパリング又は連続するテーパリングを含む。個々の段は、一段ダイスよりも小さいが、二段の合計値は一段ダイスの合計値よりも大きい。本発明の方法は、ステム部の構造及び座屈傾向を利用する。この場合、座屈を生じさせる力はロッドの長さに依存する。ステム部は、第1段のテーパリングにより、第2縮小円錐部分内へより大きな力で押し込み可能な程度まで短縮される。第2縮小円錐部分内で生じる変形はより小さい。
【0023】
本発明に係る方法の他の実施形態において、第1縮小円錐部分と第2縮小円錐部分との間の移行部分は、拡大している。この場合、第1段又は第1縮小円錐部分でテーパリングされたステム部の直径がその領域内で増加する。第1縮小円錐部分内径にテーパリングされたステム部は、第1縮小円錐部分内径よりも大きな外径に一部が弾性変形を生じて再び拡大する。第1段でテーパリングされたステム部は、第2縮小円錐部分における最終的な直径までテーパリングされる前に、再び僅かに増加可能である。第1縮小円錐部分は、第2縮小円錐部分の入口直径よりも、押し込まれた材料をより大きくテーパリングする。
【0024】
中空バルブプリフォームを成形するための本発明の方法に係る他の実施形態において、ダイスは、縮小円錐部分又は第2縮小円錐部分の後方に円筒状較正部を備える。この場合、テーパリング又は2回テーパリングされたステム部の端部外径は、ダイスの円筒状部によって較正される。この較正においては、テーパリングされた直線的なステム部が生じるのみである。外部較正により、テーパリング又は2回テーパリングされたステム部の外面を円形かつ平滑にすることができる。較正部は、その内径がダイス内径に近いほど効果的である。摩擦の増加は、ダイスの直後及び較正部の前で付加的な潤滑を施すことによって低減することができる。この場合、成形機械には、別箇の潤滑剤注入装置又はグリースガンを設けることができる。
【0025】
中空バルブプリフォームを成形するための方法における更なる実施形態において、ダイスは、自由端上に較正球を有する較正マンドレルを更に備える。本発明の方法は、較正球を、テーパリングしたステム部を通って引き出すステップを更に含む。少なくとも1つのテーパリングステップでバルブプリフォームを押し込む前及び押し込み時に、較正マンドレルは、縮小円錐部分又は第2縮小円錐部分の前又は領域に差し込まれると共に保持される。押し込み及びテーパリングの後、較正球による較正時に、テーパリング又は2回テーパリングしたバルブプリフォームにおけるステム部の壁厚が均一化される。較正球を有する較正マンドレルは、縮小円錐部分又は第2縮小円錐部分及び較正部を通ってステム端部から引き出される。較正時に変位されるステム部の材料は、ステム端部方向に移動し、ステム部が付加的に延びる。較正球は、ダイスを通って較正部の一端に引張られる、この場合、較正球は、テーパリング又は2回テーパリングしたステム部の内径よりも大きい。最大の変形は、較正球がダイスを通過する際に得られる。ステム部は、較正球が較正部を通過することにより、更に延びると共に直線的に形成される。
【0026】
テーパリング方法の他の実施形態において、テーパリング方法は、プレス装置コントローラを使用するステップも含む。この場合、プレス装置コントローラは、ステム部を有するバルブプリフォームが振動力及び/又は振動経路によってダイス内に押し込まれるよう制御する。この場合、力/経路曲線は、テーパリングされていないステム部の座屈に対して押し込みが容易になるように利用される。また、バルブプリフォームは、複数のステップでダイス内に押し込まれるか又は圧入されることが想定される。本発明の方法においては、プリフォームの一部とダイスとの間の静止摩擦が増加する前に、バルブプリフォームがダイスから引き出されるというスティック・スリップ効果が回避される。
【0027】
主成形方向における振動重畳は、以下の手順で行われる。成形時におけるメインパワーフローの振動重畳は、機械的な振動励起手段(例えば、空圧バイブレータ又はビーター、油圧システム)、又は電磁システム(例えば、圧電アクチュエータ、磁歪励振器)によって行うことができる。振動重畳は、超音波振動によって実現することもできる。周波数及び振幅は、選択される駆動部に大きく依存する。従って、周波数は、2 HZ~50 kHZであり、振幅は、1μm~2 mmであり得る。
【0028】
以下、本発明を例示的な実施形態の概略図を参照しつつ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】バルブプリフォームのステム部をテーパリングするための一段ダイスを示す説明図である。
図2図2A図2Gは、バルブプリフォームを成形してバルブブランクを形成するための方法における個々のステップを示す説明図であり、図2Hは、テーパリングの失敗例を示す説明図である。
図3図3A図3Gは、図2C図2Eの方法における実現可能なサブステップを示す説明図である。
図4】付加的な較正部を備える一段ダイスを示す説明図である。
図5図5A図5Dは、図4におけるダイスが使用される成形工程を示す説明図である。
図6】較正マンドレルも設けられた、図4における一段ダイスの特殊形態を示す説明図である。
図7図7A図7Fは、図4におけるダイスが使用されると共に、キャビティが別箇のステップで較正される成形工程を示す説明図である。
図8図8A図8Cは、2個の二段ダイス及び1個の一段ダイスを示す説明図である。
図9図9A図9Eは、図8Aにおけるダイスが使用されると共に、キャビティが別箇のステップで較正される成形工程を示す説明図である。
図10図10A及び図10Bは、付加的な較正部が設けられた2個の二段ダイスを示す説明図である。
図11図11A図11Eは、図10Aにおけるダイスが使用されると共に、キャビティが別箇のステップで較正される成形工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の記載及び図面においては、同一又は類似の構成要素に対して同一又は類似の参照符号が使用されている。
【0031】
図1は、バルブプリフォームのステム部をテーパリングするための一段ダイス2を示す。ダイス2は、円形断面を有する貫通開口4を備える。貫通開口4は、ダイス2の入口直径Eからダイス2の縮小円錐内径Rに向けてテーパリングする縮小円錐部分6を含む。この場合、縮小円錐内径Rは、ダイス内径も規定している。
【0032】
縮小円錐内径の後方には、対応する円錐又は直線部分を配置することができる。縮小円錐部分の前方には、差し込み構造、例えば進入円錐部分又は丸み付け部分を設けて、ダイスへのバルブプリフォームのステム部の進入を容易にすることができる。
【0033】
図示の実施形態において、ダイスは、実質的に引抜きプレート(線引き加工の成形工程で既知)を形成している。ただし、線引き加工とは対照的に、図示のダイスは、外側又は下方からダイス内に押し込むべきバルブプリフォームのステム部に使用される。従って、全く異なる負荷状況に関連する。更に、図示のダイスにおいては、引抜きプレートでは必須の対応円錐部分を必ずしも設ける必要はない。従って、一実施形態において、ダイスは、対応円錐部分を備える代わりに、テーパリング部分又は縮小円錐部分が図示のように円筒状部に直接的に移行している。
【0034】
図2A図2Gは、バルブプリフォームを成形してバルブブランク40を形成するための方法における個々のステップを示す。バルブブランク40は、ヘッド部とも称されるディスク部42、並びに後にバルブステムに形成される材料を含むステム部44を有する。ステム部には、ステム部44の一端からディスク部42方向に延在するキャビティ46が配置されている。本発明の一態様において、ディスク部42領域のキャビティは、後のバルブステムにおける半径よりも大きな半径を有する。これにより、機械加工に比べて、ヘッド部においてより大きな直径を有するキャビティを含むバルブが比較的容易に製造可能である。バルブプリフォーム40のステム部44は、ダイス2の入口直径Eよりも小さな初期外径Aを有する。
【0035】
図2Bにおいて、バルブプリフォーム40のステム部44は、図1におけるダイス2内に半分ほど押し込まれている。この工程において、初期外径Aは、テーパリング外径Avに縮小されている。テーパリングにより、ステム部の外径及び内径の両方が縮小し、またステム部の長さは、成形により増加している。
【0036】
図2Cにおいて、ダイス2は、ディスク部42に向けて移動された後に除去されている(即ち、バルブプリフォーム40は、ディスク部42までダイス2内に押し込まれている)。バルブプリフォーム40において1回テーパリングされたステム部44は、より小さな内径を有する付加的なダイスで更にテーパリングすることができる。バルブプリフォーム40には、応力除去焼なましを施して、後続するテーパリングステップを容易にすることが可能である。
【0037】
図2Dは、より小さなダイス、並びに既に1回変形された図2Cのバルブプリフォームが使用されている点以外は図2Bに対応している。
【0038】
図2Eは、バルブプリフォームが2つのステップで成形されている点以外は図2Cに対応している。
【0039】
図2Fは、更に小さなダイスが使用されると共に、既に2回変形された図2Eのバルブプリフォームが更にテーパリングされている点以外は図2B及び図2Dに対応している。
【0040】
図2Gは、バルブブランクと見なし得るほど十分な回数に亘って成形されたバルブプリフォームを示す。図2Eは、図2Dに対応しているが、バルブプリフォームは2つのステップで成形されている。バルブブランクのキャビティは、ナトリウムなどの冷却剤で部分的に充填して閉鎖することができる。更に、バルブブランクの外表面を機械加工し、所望の表面品質及び公差を得ることも可能である。
【0041】
図2Hは、テーパリングステップ時における主な問題、即ちテーパリング時にステム部が座屈又は膨らみを生じる恐れを概略的に示す。テーパリングでは材料に圧力が加えられるため、ステム部の破損が生じる圧縮力は限定的である。その理由により、バルブプリフォームのステム部は複数のステップでテーパリングする必要がある。選択された材料によっては、バルブプリフォームをバルブブランクへと成形するのに3回を大幅に超えるステップが必要になる場合がある。
【0042】
図3A~3Gは、図2C図2Eにおける方法の実現可能なサブステップを示す。この場合、単一の成形工程の代わりに、成形は断続的に又は部分的に行われる。図3Aにおいて、ステム部における長さの約4分の1は、長太矢印で示すように、作動ストロークHAにおいて大きな力でダイス内に押し込まれる。小さな経路により、ステム部の座屈が回避される。
【0043】
図3Bにおいて、ステム部は、逆ストロークHRにおいてダイスから僅かに引き出されている。この時点で、潤滑剤をダイス又は縮小円錐部分とステム部との間に導入し、テーパリングに必要な力を更に低減することができる。
【0044】
図3Cにおいて、ステム部における長さの更に約4分の1は、図3Aの長太矢印で示すように、作動ストロークHAにおいて大きな力でダイス内に更に押し込まれる。小さな経路により、ステム部の座屈が回避される。
【0045】
図3Dにおいて、ステム部は、ダイスから僅かに引き出されている。この時点で、潤滑剤をダイス又は縮小円錐部分とステム部との間に導入することができる。
【0046】
図3Eにおいて、ステム部は、ディスク部に到達するまで、大きな力でダイス内に押し込まれる。ステム部においてテーパリングされていない長さはより小さく、直径に対する長さ比がより有利であるため、最後の部分は、成形されていないステム部分が座屈を生じる恐れなしに、作動ストロークHAで成形することができる。このように、作動ストロークHA及び逆ストロークHRを交互に行うことが可能である。更に、作動ストロークHAの大きさ又は長さを増加させることも想定可能である。好適には、小さな作動ストロークHAから開始し、その大きさを直線的に増加させる。更に好適には、小さな作動ストロークHAから開始し、その大きさを漸進的に増加させる。
【0047】
図3Gにおいて、ステム部は、大きな逆ストロークHRでダイスから完全に引き出されている。図2A図2Gにおいて説明した他の成形ステップも、振動経路を利用するか又は作動ストローク及び逆ストロークを交互に利用して実施することができる。振動経路を利用する押し込みは、以下に説明する実施形態で適用してもよい。
【0048】
図4は、図1に示すものと実質的に対応するダイスを示す。図示のダイスには、テーパリングされたステム部がガイド及び方向付けられる較正部18が更に設けられている。この場合、テーパリングされたステム部は、ダイス内で横方向に逃れることができず、従って直線的なステムを得ることができる。直線的なステムは、横方向に折れる可能性が小さいため、後続のダイスでより容易に成形することができる。より高い精度は、より大きな押し込み力で得られるものであり、より小さなテーパリングを意味する。ただし、図3A図3Gの方法により、潤滑剤を使用すれば較正部18の摩擦成分を小さく保つことが可能である。
【0049】
図5A図5Dは、図2C図2Eに対応している。この場合も、図3A図3Gの振動押し込み法を利用し、より大きなテーパリングを実現することができる。
【0050】
図6は、較正マンドレル20が付加的に設けられた、図4における一段ダイスの特殊形態を示す。較正マンドレルは、自由端において、較正円錐部分24及び対応円錐部分26を含む較正球22を有する。
【0051】
この場合、較正マンドレルは、ダイス自体とは実質的に独立して移動される。較正マンドレル20は、押し込み時に、バルブプリフォーム40のディスク部42に対して移動されるわけではなく、また押し込み時に、較正球22と縮小部分との間における所定のギャップを維持するために使用されるわけでもない。
【0052】
図7Aにおいて、較正球22を有する較正マンドレル20は、バルブプリフォーム40におけるキャビティの底部まで降下されている。較正球22の外径は、キャビティ46の内径よりも小さい。この場合、較正球は、引抜きプレート(線引き加工で既知)が逆に配置された状態に対応している。
【0053】
図7B及び図7Cにおいて、バルブプリフォーム40のステム部44は、ダイス2内に押し込まれ、較正マンドレルがバルブプリフォーム40と一緒に移動される。較正球22は、押し込み時に、キャビティ46の底部に留まる。
【0054】
ステム部の内径は、ダイス内への押し込み時に、テーパリング内径に縮小される。テーパリング内径は、較正球22の外径よりも小さい。
【0055】
図7Dにおいて、較正マンドレル20は、ステム部を通ってキャビティ46から引き出される。この場合、較正球22は、ステム部の材料を前方に押し出すことにより、ステム部の長さを更に増加させる。同時に、ステム部の外径及びその壁厚が均一化される。
【0056】
最後に図7Eにおいて、バルブプリフォームの較正されたステム部は、ダイス2から引き出される。この場合、バルブプリフォームのテーパリング及び較正されたステム部は、較正されていないステム部と同じ外径Avを有する。バルブプリフォームのテーパリング及び較正されたステム部は、図5Dにおける較正されていないステム部よりも大きな較正内径AvIkを有する。
【0057】
図8A図8Cは、2個の二段ダイス及び1個の一段ダイスを示す。
【0058】
図8Cにおけるダイスは、図1における単一の縮小円錐部分を備える一段ダイスに対応しており、ここでは説明のためにのみ示す。ダイス2は、入口直径Eから縮小円錐内径Rに向けてテーパリングする縮小円錐部分6を備える。この場合、縮小円錐内径Rは、ダイス内径も規定している。縮小円錐部分の後方には、単純な対応円錐部分が配置されている。
【0059】
図8Aは、第1縮小円錐部分8及び第2縮小円錐部分16を備える二段ダイスを示す。第1縮小円錐部分8と第2縮小円錐部分16との間には、円筒状移行部分12が配置されている。第1縮小円錐部分8は、第1入口直径E1を有する。第1縮小円錐部分8は、第1縮小円錐部分内径R1に向けてテーパリングされている。第2縮小円錐部分16は、第2入口直径E2を有し、この場合には、第1縮小円錐部分内径R1に等しい。第2縮小円錐部分16は、第2入口直径E2から第2縮小円錐部分内径R2に向けてテーパリングされている。
【0060】
この場合の目的は、E1とR2との間の差が、図8CにおけるEとRとの間の差よりも大きくなるようにすることである。これは、2つのテーパリング段階が連続的に行われることにより、材料に対する負荷がより小さくなるから実現可能である。
【0061】
図8Bは、第1縮小円錐部分8及び第2縮小円錐部分16を備える二段ダイスを示す。第1縮小円錐部分8と第2縮小円錐部分16との間には、分岐移行部分14が配置されている。第1縮小円錐部分8は、第1入口直径E1を有する。第1縮小円錐部分8は、第1縮小円錐部分内径R1に向けてテーパリングされている。第2縮小円錐部分16は、第2入口直径E2を有し、この場合には、第1縮小円錐部分内径R1よりも大きい。第2縮小円錐部分16は、第2入口直径E2から第2縮小円錐部分内径R2に向けてテーパリングされている。図示の実施形態におけるダイスは、直接的に連続するよう配置された2個の引抜きプレートの形状を有する。この形状は、より細いワイヤでは引張負荷を吸収できないため、線引き加工には適していない。
【0062】
図9A図9Eは、図8Aにおけるダイスを使用した成形工程を示しており、この場合、ステム部は、各押し込みにおいて二段でテーパリングされる。
【0063】
図10A及び図10Bは、図8A及び図8Bの二段ダイスを示しており、これら二段ダイスには、較正部18が付加的に設けられている。
【0064】
図11A図11Eは、図10Aにおけるダイスが使用されると共に、キャビティが別箇のステップで較正される成形工程を示す。この方法は、図7A図7Gに示す方法に対応している。ただし、較正は、第2縮小円錐部分でテーパリングされたステム部のセクションにのみ行われる。
【符号の説明】
【0065】
2 ダイス
4 貫通開口
6 縮小円錐部分
8 第1縮小円錐部分
10 移行部分
12 (円筒状)移行部分
14 (拡大)移行部分
16 第2縮小円錐部分
18 (円筒状)較正部
20 較正マンドレル
22 較正球
24 較正円錐部分
26 対応円錐部分
40 バルブプリフォーム
42 ディスク部/ヘッド部
44 ステム部
46 キャビティ
A バルブプリフォームにおけるステム部の初期外径
E ダイスの入口直径
R ダイスの縮小円錐部分内径(ダイス内径)
Av バルブプリフォームのテーパリング外径
AvI バルブプリフォームのテーパリング内径
AvIk バルブプリフォームの較正済みテーパリング内径
E1 第1入口直径又は第1縮小円錐部分の入口直径
R1 第1縮小円錐部分内径又は第1縮小円錐部分の内径
Av1 バルブプリフォームの第1テーパリング外径
AvI1 バルブプリフォームの第1テーパリング内径
E2 第2入口直径又は第2縮小円錐部分の入口直径
R2 第2縮小円錐部分内径又は第2縮小円錐部分の内径(ダイス最小内径)
Av2 第2テーパリング外径
AvI2 バルブプリフォームの第2テーパリング内径
AvIk2 バルブプリフォームの第2較正済みテーパリング内径
HA 作動ストローク
HR 逆ストローク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11