(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】圧縮機および冷凍空気調和機器
(51)【国際特許分類】
F04C 29/00 20060101AFI20240422BHJP
F04C 23/02 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
F04C29/00 B
F04C23/02 H
F04C29/00 D
(21)【出願番号】P 2023207748
(22)【出願日】2023-12-08
【審査請求日】2023-12-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】栗山 周
(72)【発明者】
【氏名】中谷 英太
(72)【発明者】
【氏名】米本 龍一郎
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-86817(JP,A)
【文献】特開2021-32089(JP,A)
【文献】特開2010-4618(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057479(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 23/00-29/12
F04C 2/02、18/02
H02K 1/00- 1/16、
1/18- 1/26、
1/28- 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機構ロータを備える圧縮機構と、
エンドリング部を有する電動機ロータを備える電動機と、
前記圧縮機構ロータおよび前記電動機ロータを結合するシャフト部と
を備え、前記電動機ロータは、前記シャフト部が挿通される挿通穴を有し、
前記シャフト部は、前記電動機ロータの前記挿通穴に挿通され、前記電動機ロータの両側の端面を挟み込む一対の固定部により前記電動機ロータに固定されており、
前記一対の固定部の少なくとも一方の固定部は、前記電動機ロータの前記一方の側で、前記電動機ロータの前記エンドリング部の内径面に接するように広がるとともに、前記電動機ロータの端面の前記挿通穴周りの内径側部分を避けて前記挿通穴から離れた部分に当接するように切り欠き部を有する、圧縮機。
【請求項2】
前記一方の固定部は、前記シャフト部とは別体のフランジとして構成され、前記シャフト部は、前記挿通穴内に挿通される部分に対して径が拡大する段差部を有し、前記フランジは、前記電動機ロータとは反対側で前記段差部に当接しており、前記電動機ロータの前記端面の前記挿通穴から離れた部分と当接する前記フランジの当接面の面積は、前記シャフト部の前記段差部の端面の面積より大きい、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記一対の固定部の前記一方の固定部の前記切り欠き部は、中心側から周辺へのテーパーを有する、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記一方の固定部は、前記シャフト部が前記挿通穴に挿通される根元側に配置される、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記一対の固定部の他方の固定部は、前記電動機ロータの前記他方の側で、前記電動機ロータの前記他方のエンドリング部の内径面に接するように広がるとともに、前記電動機ロータの前記他方の端面の前記挿通穴周りの内径側部分を避けて前記挿通穴から離れた部分に当接するように第2の切り欠き部を有する、請求項4に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記一対の固定部の他方の固定部は、前記電動機ロータの前記他方の側で、前記電動機ロータの他方の端面に当接する板形状を有する、請求項4に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記一対の固定部の前記他方の固定部は、締結手段により前記シャフト部の先端に締結される、請求項5または6に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記圧縮機は、半密閉型圧縮機である、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項9】
前記圧縮機は、スクリュー型圧縮機である、請求項8に記載の圧縮機。
【請求項10】
請求項1に記載の圧縮機
を備える、冷凍空気調和機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機および冷凍空気調和機器に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に駆動用の電動機を備えている半密閉型の圧縮機であるスクリュー圧縮機では、メンテナンスを実施することにより、設備の故障リスクの低減および設備寿命の延長を図っている。上述したメンテナンスを実施するために、スクリュー圧縮機は、分解可能な構造であることが望ましく、特に、電動機ロータの圧縮機構のシャフト部への取り付けおよび取り外しが容易な構造となっていることが望ましい。
【0003】
これまで、スクリュー圧縮機における電動機ロータと圧縮機構のシャフト部との結合に関連して、種々の構造が知られている。例えば、国際公開2016/136028号(特許文献1)は、雄ロータのシャフト部に形成された段差と平板によって電動機ロータを挟み込み、ボルトで固定した、スクリュー圧縮機を開示する。また、特表2008-514865号公報(特許文献2)は、軸受内輪飛び出し防止用のスペーサの端面と平板で電動機ロータを挟み込み、ボルトで固定した、スクリュー圧縮機を開示する。これらの構造では、ボルトの取り外しにより電動機ロータとシャフト部とが取り外し可能となっており、メンテナンス実施可能に構成されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の従来技術では、電動機ロータの内径部で挟み込むため、電動機ロータの内径部での接触面圧が発生し、電動機ロータ内径部を押え込み、電動機ロータを変形させる可能性があった。特許文献2の従来技術でも、電動機ロータとスペーサの接触部の面積が小さいため、電動機ロータ端面に高い接触面圧が発生し、電動機ロータ内径部を変形させる可能性があった。そのため、これらの特許文献1および特許文献2に開示される従来技術では、電動機ロータ内径部の変形により、雄ロータのシャフト部外径と電動機ロータ内径との間の隙間が減少し、電動機ロータの取外しが阻害されてしまう可能性があった。さらに、上記電動機ロータ内径部の変形により内径が偏心し、圧縮機の振動を増加させる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開2016/136028号
【文献】特表2008-514865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記点に鑑みてなされたものであり、本開示は、圧縮機構ロータと電動機ロータとの結合構造において、電動機ロータの変形を抑制し、メンテナンスに際してシャフト部が電動機ロータから取外しができなくなる可能性を低減するとともに、メンテナンスに起因して圧縮機の振動が増大する可能性を低減することが可能な、圧縮機および該圧縮機を備える冷凍空気調和機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、上記課題を解決するために、下記特徴を有する圧縮機を提供する。本圧縮機は、圧縮機構ロータを備える圧縮機構と、エンドリング部を有する電動機ロータを備える電動機と、圧縮機構ロータおよび電動機ロータを結合するシャフト部とを備える。電動機ロータは、シャフト部が挿通される挿通穴を有する。シャフト部は、電動機ロータの挿通穴に挿通され、電動機ロータの両側の端面を挟み込む一対の固定部により電動機ロータに固定される。一対の固定部の少なくとも一方の固定部は、電動機ロータの一方の側で、電動機ロータのエンドリング部の内径面に接するように広がるとともに、電動機ロータの端面の挿通穴周りの内径側部分を避けて挿通穴から離れた部分に当接するように切り欠き部を有する。
【0008】
本開示では、さらに、上記構成を備えた圧縮機を含む冷凍空気調和機器も提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記構成により、圧縮機構ロータと電動機ロータとの結合構造において、電動機ロータの変形が抑制され、メンテナンスに際してシャフト部が電動機ロータから取外しができなくなる可能性が低減されるとともに、メンテナンスに起因して圧縮機の振動が増大する可能性が低減される。
【0010】
その他、本願が開示する課題、およびその解決手段は、発明を実施するための形態の欄および図面により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機における電動機ロータの構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機における雄ロータのシャフト部と電動機ロータとの結合構造を示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機におけるフランジの構成を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態によるスクリュー圧縮機における雄ロータのシャフト部と電動機ロータとの結合構造を示す拡大断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施形態によるスクリュー圧縮機におけるフランジの構成を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明のさらに他の実施形態によるスクリュー圧縮機における雄ロータのシャフト部と電動機ロータとの結合構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する具体的な実施形態に限定されるものではない。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
【0013】
本開示は、圧縮機および該圧縮機を含む冷凍空気調和機器を対象とする。本発明の実施形態による圧縮機は、圧縮機構ロータを備える圧縮機構と、エンドリング部を有する電動機ロータを備える電動機と、圧縮機構ロータおよび電動機ロータを結合するシャフト部とを備える。電動機ロータは、シャフト部が挿通される挿通穴を有する。シャフト部は、電動機ロータの挿通穴に挿通され、電動機ロータの両側の端面を挟み込む一対の固定部により電動機ロータに固定される。ここで、一対の固定部の少なくとも一方の固定部は、電動機ロータの一方の側で、電動機ロータのエンドリング部の内径面に接するように広がるとともに、電動機ロータの端面の挿通穴周りの内径側部分を避けて挿通穴から離れた部分に当接するように切り欠き部を有することを特徴とする。
【0014】
上記構成により、圧縮機構ロータと電動機ロータとの結合構造において、電動機ロータの特に挿通穴端面周りの変形を抑制することが可能となる。ひいては、シャフト部が電動機ロータの挿通穴から取外しができなくなる可能性が低減される。また、メンテナンスに起因して圧縮機の振動が増大する可能性も低減される。
【0015】
好ましい実施形態において、上記一方の固定部は、シャフト部とは別体のフランジとして構成される。また、シャフト部は、挿通穴内に挿通される部分に対して径が拡大する段差部を有する。上記フランジは、電動機ロータとは反対側で段差部に当接しており、電動機ロータの端面の挿通穴から離れた部分と当接するフランジの当接面の面積は、上記シャフト部の段差部の端面の面積より大きいことを特徴とする。シャフト部の段差部端面に切り欠き部を設けて挟み込むことを検討すると、電動機ロータの変形を抑制するためには、シャフト部の最大径を大きくする必要がある。シャフト部の最大径が大きくなると、シャフト部に取り付ける軸受や周辺部品の外径も大きくなり、コンパクトに構成できないばかりか、コストも増大してしまう。上記のように別体として構成とすることにより、シャフト部の外径を小さいまま維持しながら、電動機ロータの端部を適切に固定でき、圧縮機のコンパクト性およびコストの観点から有利である。また、上記好ましい実施形態において、上記エンドリングの内径は、段差部で拡大した上記シャフト部の外径よりも大きくてもよい。
【0016】
好ましい実施形態においては、一対の固定部の一方の固定部の切り欠き部は、中心側から周辺へのテーパー(傾斜)を有する。かかる構成により、特に切り欠き部近くの固定部の強度が向上し、圧縮機の信頼性を高めることができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、上記一方の固定部は、シャフト部が挿通穴に挿通される根元側に配置される。シャフト部が挿通穴に挿通される根元側の方が、そこが変形した場合に、取り外しの際により大きな影響がある。そのため、かかる箇所の変形を優先的に抑制することにより、メンテナンス性を効率的に向上することが可能となる。
【0018】
特定の実施形態にいて、一対の固定部の他方の固定部も、上記一方の固定部と同様の構成を備えてもよい。より具体的には、一対の固定部の他方の固定部は、電動機ロータの他方の側で、電動機ロータの他方のエンドリング部の内径面に接するように広がるとともに、電動機ロータの他方の端面の挿通穴周りの内径側部分を避けて挿通穴から離れた部分に当接するように第2の切り欠き部を有する。これにより、電動機ロータの挿通穴の両側での変形が抑制され、メンテナンス性が向上し、偏心に起因した圧縮機の振動も抑制される。
【0019】
好ましい実施形態において、一対の固定部の他方の固定部は、電動機ロータの他方の側で、電動機ロータの他方の端面に当接する板形状を有していてもよい。シャフト部が挿通穴に挿通される根元とは反対側の変形は、メンテナンス性への影響が比較的少ないため、影響が大きな根元側に絞ることで、対費用効果高く、変形に対する対策を実施することができる。
【0020】
特定の実施形態において、さらに、一対の固定部の他方の固定部は、締結手段によりシャフト部の先端に締結される。
【0021】
好ましい実施形態において、圧縮機は、半密閉型圧縮機である。さらに好ましい実施形態において、圧縮機は、スクリュー型圧縮機である。
【0022】
特定の実施形態において、電動機ロータは、エンドリング部に加えてロータコアを備え、上記挿通穴は、ロータコアを貫通する。特定の実施形態において、ロータコアは、積層鋼板により構成される。特定の実施形態において、圧縮機構は、さらに圧縮機構ロータと噛み合わせられるもう1つの圧縮機構ロータを備え、2つの圧縮機構ロータの噛み合い歯面とにより圧縮室が形成される。特定の実施形態において、上記圧縮機構ロータは、典型的には、雌ロータにかみ合う雄ロータであってもよい。特定の実施形態において、電動機は、さらに、電動機ロータを回転させるための力を発生させる電動機ステータを含んでもよい。特定の実施形態において、シャフト部は、前記圧縮機構ロータのシャフト部であってよい。
【0023】
さらに本発明の別の実施形態によれば、上記構成を備える圧縮機を備える冷凍空気調和機器が提供される。
【0024】
以下、
図1~
図4を参照しながら、本発明の実施形態による圧縮機について、半密閉型のスクリュー圧縮機100を一例として、より具体的に説明する。
【0025】
本発明の実施形態による圧縮機は、圧縮機構の圧縮機構ロータと電動機の電動機ロータとの結合構造に特徴を有するものであるが、以下、圧縮機の全体構造について、まず説明する。
【0026】
図1は本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機100の断面図である。スクリュー圧縮機100は、互いに密封関係に接続された、メインケーシング1と、電動機ケーシング2と、吐出ケーシング3と、吐出口13を有する油分離ケーシング4とを有する。
【0027】
電動機ケーシング2には、電動機6が収納されている。電動機6は、電動機ケーシング2に固定された電動機ステータ6aと、電動機ステータ6a内に回転自在に設けられた電動機ロータ6bとを備える。電動機6は、電源端子20を介して供給される電流により駆動される。また、電動機ケーシング2には、ストレーナが取り付けられた冷媒吸入口7が形成される。
【0028】
メインケーシング1には、円筒状ボア15と、ガスを円筒状ボア15に導入するための吸入ポート8とが形成される。円筒状ボア15には、ころ軸受9,10,11と、玉軸受12とにより回転可能に支えられた雄ロータ5および雌ロータ(図示せず)が互いに噛み合わせて収納される。メインケーシング1と、雄ロータ5および雌ロータの噛み合い歯面とにより圧縮室15が形成される。雄ロータ5の吸込側軸部は、メインケーシング1に設けられたころ軸受9,10に回転可能に支持され、雄ロータ5の吐出側軸部は、吐出ケーシング3に設けられたころ軸受11および玉軸受12に回転可能に支持されている。雌ロータについても、図示しないが雄ロータと同様な構成を有する。より具体的には、雌ロータの吸込側軸部は、メインケーシング1に設けられた図示しないころ軸受に回転可能に支持され、雌ロータの吐出側軸部は、吐出ケーシング3に設けられた図示しないころ軸受および玉軸受により回転可能に支持される。雄ロータ5のシャフト(軸)部は、電動機6の電動機ロータ6bに直結されている。典型的には、雄ロータ5が電動機6の電動機ロータ6bに直接結合されており、図示しない雌ロータは、雄ロータ5に同期して回動される。雌ロータにかみ合う雄ロータ5は、本発明の実施形態による圧縮機構ロータに対応するが、必ずしもかかる構成に限定されるものではない。雄ロータ5および雌ロータにより圧縮機構が構成される。
【0029】
メインケーシング1には、また、油溜め部18が設けられる。油溜め部18には、油分離ケーシング4に設けられたオイルセパレータにより、冷媒ガスから分離された油が溜まるように構成される。
【0030】
ころ軸受11および玉軸受12を収納する吐出ケーシング3には、圧縮部と油分離ケーシング4を連通し、油分離ケーシング4に開口するガス吐出通路14が形成され、吐出ケーシング3は、ボルトなどの締結手段によってメインケーシング1に固定されている。また、吐出ケーシング3の一端には、ころ軸受11および玉軸受12を収納する軸受室16を閉止する遮蔽板17が取付けられている。メインケーシング1および吐出ケーシング3内には給油通路が形成されており、メインケーシング1の下部の油溜め部18と各軸受部を連通するように構成される。
【0031】
次に、冷媒ガスおよび油の流れを説明する。
【0032】
電動機ケーシング2に設けられた冷媒吸入口7から吸入された低温・低圧の冷媒ガスは、電動機6と電動機ケーシング2の間に設けられたガス通路および電動機ステータ6aと電動機ロータ6bとの間のギャップを通過し、電動機6を冷却した後、メインケーシング1に形成された吸入ポート8から、雄ロータ5および雌ロータ(図示せず)の噛み合い歯面とメインケーシング1により形成される圧縮室15に吸入される。
【0033】
その後、冷媒ガスは、電動機6に連結する雄ロータ5の回転とともに、雄ロータ5、雌ロータ(図示せず)の噛み合い歯面とメインケーシング1により形成される圧縮室15に密閉され、圧縮室の縮小により徐々に圧縮され、高温・高圧のガスとなって、吐出ケーシング3から吐出通路14を通り、油分離ケーシング4内へ吐出される。圧縮時に雄ロータ5、雌ロータ(図示せず)に作用する圧縮反力のうち、ラジアル荷重をころ軸受9,10,11により支持し、スラスト荷重を玉軸受12により支持する。
【0034】
これらの軸受の潤滑および冷却用の油は、メインケーシング1下部の高圧部に設けた油溜め部18から、各軸受部に連通する油通路を通り、差圧により給油され、圧縮ガスとともに油分離ケーシング4内に吐出される。圧縮冷媒ガスに含まれる油は、オイルセパレータを内蔵した油分離ケーシング4により分離され、メインケーシング1下部の油溜め部18に溜められる。油分離後、圧縮冷媒ガスは、冷媒吐出口13より吐出される。
【0035】
図1に示すようなスクリュー圧縮機100においては、設備の故障リスクの低減および設備寿命の延長のためにメンテナンスが実施される。スクリュー圧縮機100は、上記メンテナンスを実施するために、分解可能な構造であることが望ましく、特に、電動機ロータ6bの圧縮機構のシャフト部への取り付けおよび取り外しが容易な構造とされる。
【0036】
一方、メンテナンスの実施に際して、ボルトなどの締結手段による締結時の荷重により部品が変形するリスクがある。特に、電動機ロータ6bの内径部が変形すると、圧縮機構へのシャフト部の外径と電動機ロータ6b内径との間の隙間が減少し、シャフト部の電動機ロータ6bからの取外しや電動機ロータ6bへの取り付けが妨げられる可能性がある。また、上記電動機ロータ6bの内径部の変形により内径が偏心し、スクリュー圧縮機100の全体の振動を増加させる可能性がある。
【0037】
以下、
図2を参照しながら、電動機ロータ6bの製造時の変形について説明する。
図2は、ダイキャスト法により製造される電動機ロータ6bの詳細な構造を示す。
図2に示す電動機ロータ6bは、一例として、いわゆる、かご型ロータと参照されるものである。
図2(A)は、電動機ロータ6bの一方の端面44aから見た正面図であり、
図2(B)は、電動機ロータ6bの側面図である。
【0038】
図2に示すように、ダイキャスト製の電動機ロータ6bは、例えば、スリット42が設けられた積層鋼板で構成されたロータコア40を用意して、ロータコア40に設けられているスリット42に非鉄金属(例えばアルミや銅など)を高速・高圧で流し込み、成型することにより製造される。溶融した非鉄金属でロータコア40を鋳込むことにより、スリット42に対応するバーと両端のエンドリング部41a,41bとが一体成型される。なお、電動機ロータ6bの中心軸には、雄ロータ5のシャフト部を挿通するための挿通穴43が設けられる。成型後、溶解した非鉄金属で加熱された電動機ロータ6bは、外気に接触させて冷却する。この時、外気に触れる面積が大きいロータ端面44a,44bは、急激に温度が下がり収縮する。そのため、冷却速度の違いにより、端面44a,44bが熱変形し、軸方向に反り返る(膨らむ)可能性がある。この端面44a,44bの反り返りは、軸方向で内径側にかけて大きくなる傾向がある。
【0039】
また、このような電動機ロータ6bを雄ロータ5のシャフト部に取付ける場合、トメワなどの固定部を電動機ロータ6bの端面44a,44bに当てボルトで固定するが、この時、ボルトの荷重により、電動機ロータ6bの軸方向に変形した端面44a,44bを押すと、軸方向に変形した端面が内径方向に迫り出してくる可能性がある。電動機ロータ6bの端面が内径方向に迫り出すと、電動機ロータ6bの挿通穴43とその中に挿通されるシャフト部と間の隙間が無くなり互いに接触し、圧縮機のメンテナンス時に電動機ロータ6bの取外しおよび取り付けが妨げられる可能性がある。また、迫り出しにより、電動機ロータ6bの挿通穴43の中心軸が傾き、偏心することで、圧縮機運転時の振動・騒音が増加する問題も生じ得る。
【0040】
そこで、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機100においては、雄ロータ5に結合するシャフト部50は、電動機ロータ6bの挿通穴43に挿通され、電動機ロータ6bの両側の端面44a,44bを挟み込む一対の固定部30,21により電動機ロータ6bに固定される構成において、以下、
図3および
図4を参照して説明する特徴を備える構成を採用する。すなわち、一対の固定部のうちの一方の固定部30は、電動機ロータ6bの雄ロータ5側で、電動機ロータ6bのエンドリング部41aの内径面41cに接するように広がるとともに、電動機ロータ6bの端面44aにおける挿通穴43周りの内径側部分44dを避けて挿通穴43から離れた部分44dに当接するように切り欠き部32を有する。
【0041】
以下、
図3および
図4を参照して、雄ロータ5のシャフト部50と電動機ロータ6bとの結合構造について、より具体的に説明する。
【0042】
図3は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機100における雄ロータ5のシャフト部50と電動機ロータ6bとの結合構造を示す拡大断面図である。
図4は、本発明の実施形態によるスクリュー圧縮機100におけるフランジ30の構成を示す概略図である。
図4(A)は、電動機6側からシャフト部50の回転軸方向に見たフランジ30の正面図であり、
図4(B)は、シャフト部50の回転軸方向に垂直な方向から見たフランジ30の側面図である。
図4(C)は、フランジ30付近の分解斜視図である。
【0043】
図3に示すように、雄ロータ5のシャフト部50は、電動機ロータ6bの挿通穴43に挿通される部分(前方部分という)51と、前方部分51から径が拡大する段差部52と、段差部52で径が拡大した以降の雄ロータ5に結合される部分(後方部分という)53とを備える。
【0044】
電動機ロータ6bの端面44aと、シャフト部50の段差部52との間には、その中心にシャフト部50が挿通される開口33を有するフランジ30が設置される。電動機ロータ6bのもう一方の端面44bには、その中心にボルト用の穴部が形成された平板21が設置される。平板21は、締結手段であるボルト22によりシャフト部50の先端に締結される。ボルト22を平板21の穴部を通してシャフト部50のネジ穴54に嵌め合わせることで、電動機ロータ6bは、ボルト22と段差部52との間で、フランジ30と平板21とにより挟み込まれて、シャフト部50に固定される。フランジ30は、電動機ロータ6bのエンドリング部41aの内径面41cに接するように広がっており、つまりフランジ30の外径は、電動機ロータ6bのエンドリング部41aの内径に接する(フランジ30の外径は、エンドリング部41aの内側に嵌め込むことができる程度にエンドリング部41aの内径よりわずかに小さい)。フランジ30は、電動機ロータ6bの端面44aにおける挿通穴43周りの内径側部分44dを避けて挿通穴43から離れた部分44cに当接するように切り欠き部32を有する。
【0045】
フランジ30の電動機ロータ6b側の端面31には切り欠き部32が形成され、フランジ30は、電動機ロータ6bの端面44aとは、挿通穴43周りの内径側部分44dでは接触せず、挿通穴43から離れた周辺部分44cで接触するように構成されている。また、好ましくは、
図4に示すように、シャフト部の回転軸に対して垂直方向において、フランジ30の切り欠き部32がある端面31の面積は、シャフト部50の段差部52の端面の面積より大きくなっている。また、端面31の面積を大きくするべく、上記エンドリング部41aの内径は、段差部52で拡大した上記シャフト部50の後方部分53の外径よりも大きくすることができる。
【0046】
上記構造のスクリュー圧縮機100によれば、切り欠き部32を有するフランジ30を設けることにより、電動機ロータ6bの内径部に接触しなくなるので、電動機ロータ6bの内径部に接触面圧を与えることを避けることができる。ひいては、電動機ロータ6bの内径部の変形を抑えることが可能となる。特に、電動機ロータ6bの端面44aは、製造時の熱変形により動径方向で内径側ほど大きく膨らむ傾向があるので、フランジ30に切り欠き部32を形成することで、電動機ロータ6bの内径部の膨らみにフランジ30が接触しないようにすることができる。また、フランジ30の切り欠き側端面31の面積を(段差部52の端面の面積に比べて)増加させることにより、接触面積を増加させ、接触面圧を下げることが可能となり、電動機ロータ6bの変形を好適に抑制することができる。
【0047】
特に、上記構成では、フランジ30が、エンドリング部41aの内径に外径が接触するように広がっており、フランジ30の切り欠き側端面31の面積が、シャフト部50の段差部52の端面の面積より大きくなるように構成される。そのため、フランジを用いずにシャフト部50の段差部52を用いて直接挟み込む場合と比較して、より接触面圧を下げることができる。また、シャフト部50の段差部52の端面に切り欠き部を設けて挟み込むことを検討すると、段差部52での接触面積を広げるために例えばシャフト部50の後方部分53の外径を大きくすることもできるが、シャフト部50の最大外形が大きくなってしまう。最大外形が大きくなると、シャフト部50に取り付ける軸受や周辺部品の外径も大きくなり、コンパクトに構成できないばかりか、コストも増大してしまう。
【0048】
なお、切り欠き部32の径方向の幅、シャフト部50の中心から逃げる距離は、挿通穴43の外径とエンドリング部41aの内径間の距離に対する割合として、50%以上とすることができる。
【0049】
上記荷重による変形を見込んで、雄ロータ5側の一定長さで、挿通穴43の径をわずかに大きくすることで変形の逃がし加工を実施することもできるが、電動機ロータ6bの製造コストが増加する。上記フランジ30を用いることにより、電動機ロータ6bの挿通穴43に逃がし加工を施す必要がなくなり、上記フランジ30を設けるコストを勘案しても、コストを削減することができる。
【0050】
以上説明した実施形態においてフランジ30は、好ましくは、雄ロータ5のシャフト部50とは別体として構成される。すなわち、以上説明した実施形態においては、一対の固定部のうちの一方の固定部が、シャフト部50とは別体のフランジ30として構成され、フランジ30が、電動機ロータ6bとは反対側で、挿通穴43内に挿通されるシャフト部50の前方部分51に対して径が拡大する段差部52に当接する。このように、フランジ30は、シャフト部50とは別体として構成されることが好ましく、別体で構成とすることにより、シャフト部50の外径を小さいままに維持しながら、電動機ロータ6bとシャフト部50とを固定することができ、圧縮機のコンパクト性およびコストの観点から有利である。しかしながら、必ずしもフランジ30をシャフト部50の別体として構成する実施形態に限定されるというものではなく、フランジ30をシャフト部50とは一体的に形成してもよいことはいうまでもない。
【0051】
上述したように、フランジ30に切り欠き部32を設けることで、電動機ロータ6bの端面44aの熱変形した内径側部位とフランジ30との接触を回避する構造としフランジ30に加えられる荷重による電動機ロータ6bの変形を抑制することができる。また、電動機ロータ6bの端面44aとフランジ30との接触面積を増加させることで、接触面圧を低下させ、電動機ロータ6bの内径側部位の変形をさらに抑制することが可能となる。電動機ロータ6bの内径の変形を抑えることができるので、電動機ロータ6bの取外しや取り付けができなくなる可能性を低減し、圧縮機のメンテナンス性が向上する。さらに、電動機ロータ6b内径の偏心を抑えることで、振動の増加を防止できる。
【0052】
また、上述した実施形態においては、切り欠き部32を有するフランジ30は、シャフト部50が挿通穴43に挿通される根元側に配置される。シャフト部50が挿通穴43に挿通される根元側の方が、そこが変形した場合に、取り外しの際により大きな影響がある。そのため、かかる箇所の変形を優先的に抑制することにより、メンテナンス性を効率的に向上することが可能となる。
【0053】
以下、
図5および
図6を参照して、他の実施形態による、雄ロータ5のシャフト部50と電動機ロータ6bとの結合構造を説明する。
【0054】
図5は、本発明の他の実施形態によるスクリュー圧縮機100における雄ロータ5のシャフト部50と電動機ロータ6bとの結合構造を示す拡大断面図である。
図6は、本発明の他の実施形態によるスクリュー圧縮機100におけるフランジ30’の構成を示す概略図である。
図6(A)は、電動機6側からシャフト部50の回転軸方向に見たフランジ30’の正面図であり、
図6(B)は、シャフト部50の回転軸方向に垂直な方向から見たフランジ30’の側面図である。
【0055】
図5および
図6に示すフランジ30’は、
図3および
図4に示したフランジ30と同様の構成を有するが、切り欠き部32’が、中心側から周辺へテーパー35を有しており、この点で、
図3および
図4に示した実施形態によるフランジ30と異なる。テーパー35は、フランジ30’の開口33の縁から電動機ロータ6b側の端面31の縁まで形成され、フランジ30’の切り欠き部32’の内径は、電動機ロータ6b側の端面31の縁に向かって広がるように構成される。
【0056】
図5および
図6に示す他の実施形態によれば、切り欠き部32’が中心側から周辺へのテーパー(傾斜)を有する構成により、特に切り欠き部32’近くのフランジ30の強度が向上し、圧縮機100の信頼性を高めることができる。
【0057】
以下、
図7を参照して、さらに他の実施形態による、雄ロータ5のシャフト部50と電動機ロータ6bとの結合構造を説明する。
【0058】
図7は、本発明のさらに他の実施形態によるスクリュー圧縮機100における雄ロータのシャフト部と電動機ロータとの結合構造を示す拡大断面図である。上述までの実施形態では、電動機ロータ6bの雄ロータ5側の端面44aのみに、内径側で切り欠き部32を有するフランジ30が設けられていた。そして、他方の側では、電動機ロータ6bの他方の端面44bに当接する板形状の平板21が設けられていた。しかしながら、他の実施形態では、切り欠き部を有するフランジを反対側の平板21の代わりに設けてもよい。
【0059】
図7に示すように、電動機ロータ6bの雄ロータ5側の端面44aと、シャフト部50の段差部52との間にフランジ30が設けられるとともに、電動機ロータ6bの反対側の端面44bとボルト22の頭部との間にもフランジ36が設けられる。フランジ36は、その中心にボルト22のネジ部が挿通される穴部を有する。ボルト22をフランジ36の穴部を通してシャフト部50のネジ穴54に嵌め合わせることで、電動機ロータ6bは、ボルト22と段差部52との間で、フランジ30とフランジ36とにより挟み込まれて、シャフト部50に固定される。
【0060】
フランジ30は、
図3および
図4に示した実施形態と同様の切り欠き構造を備える。フランジ36も、同様であり、電動機ロータ6bの他方のエンドリング部41bの内径面41dに接するように広がっており、フランジ36の外径は、電動機ロータ6bのエンドリング部41bの内径に接する(フランジ36の外径は、エンドリング部41bの内側に嵌め込むことができる程度にエンドリング部41bの内径よりわずかに小さい)。フランジ36は、電動機ロータ6bの端面44bにおける挿通穴43周りの内径側部分44fを避けて挿通穴43から離れた部分44eに当接するように切り欠き部を有する。フランジ36は、電動機ロータ6bの端面44bとは、挿通穴43周りの内径側部分44fでは接触せず、挿通穴43から離れた部分44eで接触するように構成されている。
【0061】
上述したように、フランジ36に切り欠き部を設けることで、電動機ロータ6bの他方の端面44bの熱変形した内径側部位とフランジ36との接触を回避する構造とし、フランジ36に加えられる荷重による電動機ロータ6bの変形を抑制することができる。電動機ロータ6bの内径の変形をより抑えることができるので、電動機ロータ6bの取外しができなくなる可能性を低減し、圧縮機のメンテナンス性が向上する。さらに、電動機ロータ6b内径の偏心を抑えることで、振動の増加を防止できる。なお、
図7では、両側の固定部を、切り欠き部を有するフランジで構成する実施形態を示した。しかしながら、一対の固定部のうち、任意の一方を切り欠き部を有するフランジで構成してもよい。
【0062】
なお、上述までの説明では、本発明の実施形態による圧縮機について、半密閉型のスクリュー圧縮機を一例に説明した。しかしながら、本発明による、圧縮機構の圧縮機構ロータと電動機の電動機ロータとの接続構造は、半密閉型のスクリュー圧縮機以外の圧縮機に限定されず、密閉型および開放型など他の型ないし他の方式の圧縮機に適用することを妨げるものではない。特に、駆動用の電動機6を備え、ダイキャスト製の電動機ロータを用いるものに対して好適に適用可能である。
【0063】
また、上述までの実施形態では、圧縮機として特に用途などについて言及しなかった。しかしながら、本発明の実施形態による圧縮機は、任意の用途の圧縮機として用いることができる。特定の実施形態において、本発明の構成は、冷凍空気調和機器に対して適用されてもよい。ここで、冷凍空気調和機器は、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫など、冷媒および冷凍サイクルを利用した機器を総称するものである。冷凍空気調和機器の例としては、より具体的には、パッケージエアコンやビル用マルチエアコンなど上記空気調和機、冷凍機やチリングユニットなどの熱源機器、ショーケースや冷凍冷蔵庫、ユニットクーラー、製氷機など業務用冷凍機、カーエアコンなどの輸送用冷凍機器、ヒートポンプ給湯機などが含まれ得る。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、圧縮機構ロータと電動機ロータとの結合構造において、電動機ロータの変形が抑制され、メンテナンスに際してシャフト部が電動機ロータから取外しができなくなる可能性が低減されるとともに、メンテナンスに起因して振動の増大が発生する可能性が低減される。
【0065】
なお、本発明の実施形態は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれ得る。例えば、上記した実施形態は、分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…メインケーシング、2…電動機ケーシング、3…吐出ケーシング、4…油分離ケーシング、5…雄ロータ、6…電動機、6a…電動機ステータ、6b…電動機ロータ、7…冷媒吸入口、8…吸入ポート、9,10,11…ころ軸受、12…玉軸受、13…冷媒吐出口、14…冷媒ガス吐出通路、15…圧縮室、16…軸受室、17…遮蔽板、18…油溜め部、20…電源端子、21…平板、22…ボルト、30…フランジ、31…端面、32…切り欠き部、33…開口、34…端面、35…テーパー、36…フランジ、40…ロータコア、41a,41b…エンドリング部、41c,41d…エンドリング内径面、42…スリット、43…挿通穴、44a,44b…端面、44c,44e…端面(外形側部分)、44d,44f…(端面(内径側部分))、50…シャフト部、51…前方部分、52…段差部、53…後方部分、100…スクリュー圧縮機
【要約】
【課題】 圧縮機を提供すること。
【解決手段】 本圧縮機100は、圧縮機構ロータ5を備える圧縮機構と、エンドリング部41aを有する電動機ロータ6bを備える電動機6と、圧縮機構ロータ5および電動機ロータ6bを結合するシャフト部50とを備える。電動機ロータ6bは、シャフト部50が挿通される挿通穴43を有する。シャフト部50は、電動機ロータ6bの挿通穴43に挿通され、電動機ロータ6bの両側の端面44a,44bを挟み込む一対の固定部(30,21)により電動機ロータ6bに固定される。一対の固定部の少なくとも一方の固定部(例えば30)は、電動機ロータ6bの一方の側で、電動機ロータ6bのエンドリング部(例えば41a)の内径面(例えば41c)に接するように広がるとともに、電動機ロータ6bの端面44aの挿通穴43周りの内径側部分44dを避けて挿通穴43から離れた部分44cに当接するように切り欠き部32を有する。
【選択図】
図3