(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】セルバランシング回路およびこれを含むバッテリーシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20240422BHJP
【FI】
H02J7/02 H
(21)【出願番号】P 2023520384
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 KR2022010084
(87)【国際公開番号】W WO2023043023
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0122355
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スン、チャン ヒュン
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-138979(JP,A)
【文献】特表2013-520146(JP,A)
【文献】特開2011-101572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
G01R 31/36 - 31/396
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列連結された複数のセルに連結されたセルバランシング回路において、
前記複数のセルで中央に位置したセルを含む中心バッテリーセルの両端の間に直列に連結されている第1スイッチ、第1巻線、および第2スイッチと、
前記複数のセルから前記中心バッテリーセルを除いた外郭バッテリーセルのうち、一つの正極と他の一つの負極との間に直列に連結されている第3スイッチ、第2巻線、および第4スイッチと、を含み、
前記第1巻線および第2巻線はトランスフォーマーを形成し、
充電または放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第1スイッチおよび第2スイッチのオン期間の間、充電電流または放電電流のうちの一部である第1側電流が前記第1スイッチ、前記第1巻線、および前記第2スイッチを通じて流れる、セルバランシング回路。
【請求項2】
前記充電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオンし、前記第1巻線に流れる電流に基づいて前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオンデューティーを制御し、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのターンオフ時点以降に前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオンする、請求項1に記載のセルバランシング回路。
【請求項3】
前記充電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオンの状態で、前記第1側電流が所定の基準値に到達すれば、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオフする、請求項2に記載のセルバランシング回路。
【請求項4】
前記放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、
前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオンし、前記第1巻線に流れる電流に基づいて前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオンデューティーを制御し、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのターンオフ時点以降に前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオンする、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルバランシング回路。
【請求項5】
前記放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、
前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオンの状態で、第2側電流が所定の基準値に到達すれば、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオフする、請求項4に記載のセルバランシング回路。
【請求項6】
前記第1スイッチの一端と前記第1巻線の一端との間に連結された第1ダイオードと、
前記第2スイッチの一端と前記第1巻線の他端との間に連結された第2ダイオードと、をさらに含み、
前記第1スイッチの他端は前記第1巻線の他端に連結されており、前記第2スイッチの他端は前記第1巻線の一端に連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルバランシング回路。
【請求項7】
前記第3スイッチの一端と前記第2巻線の一端との間に連結された第3ダイオードと、
前記第4スイッチの一端と前記第2巻線の他端との間に連結された第4ダイオードと、をさらに含み、
前記第3スイッチの他端は前記第2巻線の他端に連結されており、前記第4スイッチの他端は前記第2巻線の一端に連結されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のセルバランシング回路。
【請求項8】
直列連結された複数のセルを含むバッテリーパックと、
前記複数のセルそれぞれのセル電圧を測定するセルモニタリングICと、
前記測定された複数のセル電圧に基づいて、前記複数のセルで中央に位置したセルを含む中心バッテリーセルのセル電圧と、前記複数のセルのうち、前記中心バッテリーセルを除いた外郭バッテリーセルのセル電圧との間の偏差が所定の臨界値以上であるか否かを判断し、前記判断の結果と、前記バッテリーパックの充電および放電とに基づいてセルバランシング動作を制御するメイン制御回路と、
前記バッテリーパックの充電条件で前記偏差が前記臨界値以上である時、充電電流のうち、第1電流を前記中心バッテリーセルに流れないようにし、前記バッテリーパックの放電条件で前記偏差が前記臨界値以上である時、放電電流のうち、第2電流を前記中心バッテリーセルに流れないようにするセルバランシング回路を含む、バッテリーシステム。
【請求項9】
前記セルバランシング回路は、
前記中心バッテリーセルの両端の間に直列に連結されている第1スイッチ、第1巻線、および第2スイッチと、
前記外郭バッテリーセルのうち、一つの正極と他の一つの負極との間に直列に連結されている第3スイッチ、第2巻線、および第4スイッチと、を含み、
前記第1巻線および第2巻線はトランスフォーマーを形成する、請求項8に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
前記セルバランシング回路は、
充電期間中の前記偏差が前記臨界値以上である第1期間の間、前記第1スイッチから第4スイッチをスイッチングして前記第1電流により前記第1巻線にエネルギーが貯蔵され、前記第1巻線に貯蔵されたエネルギーが前記第2巻線に伝達されるようにする、請求項9に記載のバッテリーシステム。
【請求項11】
前記第1期間の間、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオン期間の間に前記第1巻線に第1電流が流れ、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオフおよび前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオン期間の間に前記第2巻線に電流が誘導される、請求項10に記載のバッテリーシステム。
【請求項12】
前記セルバランシング回路は、
放電期間中の前記偏差が前記臨界値以上である第2期間の間、前記第1スイッチから第4スイッチをスイッチングして前記第2巻線にエネルギーが貯蔵され、前記第2巻線に貯蔵されたエネルギーが前記第1巻線に伝達されるようにする、請求項9から11のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項13】
前記第2期間の間、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオン期間の間に前記第2巻線に電流が流れ、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオフおよび前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオン期間の間に前記第1巻線に前記第2電流が誘導される、請求項12に記載のバッテリーシステム。
【請求項14】
前記セルバランシング回路は、
前記第1スイッチの一端と前記第1巻線の一端との間に連結された第1ダイオード;および
前記第2スイッチの一端と前記第1巻線の他端との間に連結された第2ダイオードをさらに含み、
前記第1スイッチの他端は前記第1巻線の他端に連結されており、前記第2スイッチの他端は前記第1巻線の一端に連結されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項15】
前記セルバランシング回路は、
前記第3スイッチの一端と前記第2巻線の一端との間に連結された第3ダイオードと、
前記第4スイッチの一端と前記第2巻線の他端との間に連結された第4ダイオードと、をさらに含み、
前記第3スイッチの他端は前記第2巻線の他端に連結されており、前記第4スイッチの他端は前記第2巻線の一端に連結されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2021年9月14日付韓国特許出願第10-2021-0122355号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本開示は、セルバランシング回路およびこれを含むバッテリーシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリーパック内部には多数のバッテリーセルが直列または並列に連結されており、バッテリーセル間の電圧偏差はバッテリーセルの過放電または過充電を招き、バッテリーセルの寿命も減少させることができる。このような電圧偏差を改善するためにバッテリー管理システム(battery management system、BMS)内部にセル均等化(cell balancing)回路を設計する。
【0004】
セル均等化回路として、相対的に電圧が高いバッテリーセルのエネルギーを抵抗の発熱により消耗させてバッテリーセル間の均衡を維持するパッシブセル均等化回路を用いることができる。この場合、抵抗の発熱により均等化のための電流に制限があるため、バッテリーセルの容量が増加する傾向に合わせて均等化のための電流を増やし難いという問題点がある。これを改善するために、相対的に電圧が高いバッテリーセルのエネルギーを相対的に電圧が低いバッテリーセルのエネルギーに伝達するアクティブセル均等化回路が提案されている。しかし、アクティブセル均等化回路を具現するために多くの素子が必要であるため、セル均等化回路の単価が高いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が達成しようとする課題は、セル均等化回路の部品数を低減し、それによる単価を低減することができるセルバランシング回路およびこれを含むバッテリーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
直列連結された複数のセルに連結されたセルバランシング回路は、前記複数のセルで中央に位置したセルを含む中心バッテリーセルの両端の間に直列に連結されている第1スイッチ、第1巻線、および第2スイッチと、前記複数のセルから前記中心バッテリーセルを除いた外郭バッテリーセルのうち、一つの正極と他の一つの負極との間に直列に連結されている第3スイッチ、第2巻線、および第4スイッチを含む。前記第1巻線および第2巻線はトランスフォーマーを形成することができる。前記セルバランシング回路で、充電または放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第1スイッチおよび第2スイッチのオン期間の間、充電電流または放電電流のうちの一部である第1側電流が前記第1スイッチ、前記第1巻線、および前記第2スイッチを通じて流れる。
【0007】
前記セルバランシング回路は、前記充電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオンし、前記第1巻線に流れる電流に基づいて前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオンデューティーを制御し、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのターンオフ時点以降に前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオンすることができる。
【0008】
前記セルバランシング回路は、前記充電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのオンの状態で、前記第1側電流が所定の基準値に到達すれば、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオフすることができる。
【0009】
前記セルバランシング回路は、前記放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオンし、前記第1巻線に流れる電流に基づいて前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオンデューティーを制御し、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのターンオフ時点以降に前記第1スイッチおよび前記第2スイッチをターンオンすることができる。
【0010】
前記セルバランシング回路は、前記放電中、前記中心バッテリーセルと前記外郭バッテリーセルとの間のセル電圧差が所定の臨界値以上である条件で、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチのオンの状態で、前記第2側電流が所定の基準値に到達すれば、前記第3スイッチおよび前記第4スイッチをターンオフすることができる。
【0011】
前記セルバランシング回路は、前記第1スイッチの一端と前記第1巻線の一端との間に連結された第1ダイオード、および前記第2スイッチの一端と前記第1巻線の他端との間に連結された第2ダイオードをさらに含み、前記第1スイッチの他端は前記第1巻線の他端に連結されており、前記第2スイッチの他端は前記第1巻線の一端に連結されていてもよい。
【0012】
前記セルバランシング回路は、前記第3スイッチの一端と前記第2巻線の一端との間に連結された第3ダイオード、および前記第4スイッチの一端と前記第2巻線の他端との間に連結された第4ダイオードをさらに含み、前記第3スイッチの他端は前記第2巻線の他端に連結されており、前記第4スイッチの他端は前記第2巻線の一端に連結されていてもよい。
【0013】
発明の他の特徴によるバッテリーシステムは、直列連結された複数のセルを含むバッテリーパック、前記複数のセルそれぞれのセル電圧を測定するセルモニタリングIC、前記測定された複数のセル電圧に基づいて、前記複数のセルで中央に位置したセルを含む中心バッテリーセルのセル電圧と、前記複数のセルのうち、前記中心バッテリーセルを除いた外郭バッテリーセルのセル電圧との間の偏差が所定の臨界値以上であるか否かを判断し、前記判断結果および前記バッテリーパックの充電および放電に基づいてセルバランシング動作を制御するメイン制御回路、および前記バッテリーパックの充電条件で前記偏差が前記臨界値以上である時、充電電流のうち、第1電流を前記中心バッテリーセルに流れないようにし、前記バッテリーパックの放電条件で前記偏差が前記臨界値以上である時、放電電流のうち、第2電流を前記中心バッテリーセルに流れないようにするセルバランシング回路を含むことができる。
【0014】
前記セルバランシング回路は、前記中心バッテリーセルの両端の間に直列に連結されている第1スイッチ、第1巻線、および第2スイッチと、前記外郭バッテリーセルのうち、一つの正極と他の一つの負極との間に直列に連結されている第3スイッチ、第2巻線、および第4スイッチを含み、前記第1巻線および第2巻線はトランスフォーマーを形成することができる。
【0015】
前記セルバランシング回路は、前記充電期間中の前記偏差が前記臨界値以上である第1期間の間、前記第1スイッチから第4スイッチをスイッチングして前記第1電流により前記第1巻線にエネルギーが貯蔵され、前記第1巻線に貯蔵されたエネルギーが前記第2巻線に伝達されるようにする。
【0016】
前記第1期間の間、前記第1および第2スイッチのオン期間の間に前記第1巻線に第1電流が流れ、前記第1および第2スイッチのオフおよび前記第3および第4スイッチのオン期間の間に前記第2巻線に電流が誘導され得る。
【0017】
前記セルバランシング回路は、前記放電期間中の前記偏差が前記臨界値以上である第2期間の間、前記第1スイッチから第4スイッチをスイッチングして前記第2巻線にエネルギーが貯蔵され、前記第2巻線に貯蔵されたエネルギーが前記第1巻線に伝達されるようにすることができる。
【0018】
前記第2期間の間、前記第3および第4スイッチのオン期間の間に前記第2巻線に電流が流れ、前記第3および第4スイッチのオフおよび前記第1および第2スイッチのオン期間の間に前記第1巻線に前記第2電流が誘導され得る。
【0019】
前記セルバランシング回路は、前記第1スイッチの一端と前記第1巻線の一端との間に連結された第1ダイオード、および前記第2スイッチの一端と前記第1巻線の他端との間に連結された第2ダイオードをさらに含み、前記第1スイッチの他端は前記第1巻線の他端に連結されており、前記第2スイッチの他端は前記第1巻線の一端に連結されていてもよい。
【0020】
前記セルバランシング回路は、前記第3スイッチの一端と前記第2巻線の一端との間に連結された第3ダイオード、および前記第4スイッチの一端と前記第2巻線の他端との間に連結された第4ダイオードをさらに含み、前記第3スイッチの他端は前記第2巻線の他端に連結されており、前記第4スイッチの他端は前記第2巻線の一端に連結されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によれば、セル均等化回路の部品数を低減し、それによる単価を低減することができるセルバランシング回路およびこれを含むバッテリーシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態によるバッテリーシステムを図式的に示す図面である。
【
図2】一実施形態によるセルバランシング回路の構成を示す図面である。
【
図3】一実施形態によるバッテリーパックにおける充電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【
図4】一実施形態によるバッテリーパックにおける充電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【
図5】一実施形態によるバッテリーパックにおける放電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【
図6】一実施形態によるバッテリーパックにおける放電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および/または「部」は、明細書作成の容易さだけを考慮して付与されたり混用されたりするものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、明細書に記載された「…部」、「…器」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの結合で具現され得る。
【0024】
また、本明細書に開示された実施形態を説明するに当たり、関連した公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を不明確にし得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。
【0025】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0026】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、または「接続されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか、または「直接接続されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0027】
本出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0028】
図1は一実施形態によるバッテリーシステムを図式的に示す図面である。
【0029】
図1で、バッテリーシステム1の両出力端P+、P-の間には外部装置2が連結されており、リレー21、22が閉鎖される場合、バッテリーパック10と外部装置2が電気的に連結され得る。
【0030】
外部装置2が電装負荷である場合、バッテリーシステム1は、電装負荷2にエネルギーを供給する電源として動作して放電され得る。電装負荷は、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(Energy Storage System、ESS)であり得、移動手段は例えば電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティー(smart mobility)であり得る。外部装置2が充電器である場合、バッテリーシステム1は充電器2を通じて電力系統からエネルギーの供給を受けて充電され得る。
【0031】
バッテリーシステム1は、バッテリーパック10、2個のリレー21、22、電流センサー23、およびバッテリー管理システム(Battery management system、BMS)100を含む。
【0032】
バッテリーパック10は、直列連結された複数のバッテリーセル10_1-10_4を含む。
図1ではバッテリーパック10が直列連結された4個のバッテリーセル10_1-10_4を含むものと示されているが、これは一例として、発明がこれに限定されない。例えば、5個以上のバッテリーセルが直列連結されたり、並列連結された2個以上のバッテリーセルの複数個が直列連結されたりしていてもよい。
【0033】
リレー21は、バッテリーパック10の正極と出力端P+との間に連結されており、リレー22は、バッテリーパック10の負極と出力端P-との間に連結されており、BMS100のメイン制御部(Main Control Unit、MCU)130の制御によりリレー21、22の開放および閉鎖が制御され得る。例えば、MCU130は、イネーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2を生成してリレー21、22に伝送し、リレー21、22はイネーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2により閉鎖され得る。または、MCU130は、ディスエーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2を生成してリレー21、22に伝送し、リレー21、22はディスエーブルレベルのリレー制御信号SR1、SR2により開放され得る。バッテリーパック10の充電または放電中にはリレー21、22が閉鎖されて、充電電流経路または放電電流経路を構成することができる。
【0034】
電流センサー23は、バッテリーパック10に流れる電流を感知し、感知した電流を指示する電流感知信号ISをMCU130に伝送することができる。
【0035】
BMS100は、セルモニタリングIC110、セルバランシング回路120、およびMCU130を含む。BMS100は、複数のバッテリーセル10_1-10_4に連結されており、複数のバッテリーセル10_1-10_4それぞれのセル電圧、バッテリーパック10のバッテリー電流などの情報に基づいてバッテリーパック10の充放電電流を制御し、複数のバッテリーセル10_1-10_4に対するセルバランシング動作を制御することができる。
【0036】
例えば、セルモニタリングIC110は、複数のバッテリーセル10_1-10_4それぞれのセル電圧を測定周期ごとに測定し、測定された複数のセル電圧を指示するセル電圧感知信号CVSをMCU130に伝送することができる。MCU130は、セル電圧感知信号CVSに基づいてセルバランシングが必要であるか否かを判断することができる。
【0037】
充電または放電中に、複数のバッテリーセル10_1-10_4のセル電圧のうち、最も低いセル電圧が他のセル電圧に比べて所定の臨界値以上に低いか、または最も高いセル電圧が他のセル電圧に比べて所定の臨界値以上に高いこともある。このように、複数のバッテリーセル10_1-10_4のセル電圧間の偏差が所定の臨界値以上である時、MCU130はセルバランシングが必要であると判断することができる。
【0038】
また、中心バッテリーセルと外郭バッテリーセルとの間の電圧偏差が所定の臨界値以上である時も、MCU130はセルバランシングが必要であると判断することができる。中心バッテリーセルは、バッテリーパック10の複数のセル10_1-10_4のうちの中心バッテリーセル(例えば、10_2、10_3)を含み、中心バッテリーセルは複数のセルの中央に位置することができる。
図1ではバッテリーセル10_2、10_3が中心バッテリーセルに該当し、外郭バッテリーセルは、バッテリーパック10で中心セルを除いた残りのセル(例えば、10_1、10_4)を含み、外郭バッテリーセルは正極および負極周辺に位置することができる。
図1ではバッテリーセル10_1、10_4が外郭バッテリーセルに該当する。
【0039】
図1ではバッテリーパック10が4個のバッテリーセル10_1-10_4で構成されて、2個の中心バッテリーセル10_2、10_3と2個の外郭バッテリーセル10_1、10_4だけが示されているが、発明はこれに限定されない。バッテリーパックを構成する全体バッテリーセルのうち、中央に位置した所定個数のバッテリーセルが中心バッテリーセルになり、全体バッテリーセルのうち、中心バッテリーセルを除いた残りのセルが外郭バッテリーセルになることができる。
【0040】
以下、本明細書で説明されるセルバランシングは、中心バッテリーセルと外郭バッテリーセルとの間の電圧偏差が所定の臨界値以上である時に行われる、中心バッテリーセルと外郭バッテリーセルとの間の電荷均等化動作を意味し得る。
【0041】
MCU130は、セルバランシングが必要であると判断される時、中心セル10_2、10_3に流れる充電電流または放電電流が減少するようにセルバランシング回路120を制御することができる。MCU130は、電流感知信号ISに基づいて充電状態であるかまたは放電状態であるか判断することができる。充電状態である場合、MCU130は中心バッテリーセル10_2、10_3に並列に連結された第1電力伝達経路を通じて充電電流が流れるようにすることができる。第1電力伝達経路を通じて流れる充電電流により生成されたエネルギーは、バッテリーパック10全体に伝達され得る。放電状態である場合、MCU130はバッテリーパック10に並列に連結された第2電力伝達経路を通じて放電電流が流れるようにすることができる。第2電力伝達経路を通じて流れる放電電流により中心バッテリーセル10_2、10_3に流れる放電電流が減少するようになる。
【0042】
以下、充電状態で行われるセルバランシングを「充電中のセルバランシング」といい、放電状態で行われるセルバランシングを「放電中のセルバランシング」という。
【0043】
以下、
図2を参照して一実施形態によるセルバランシング回路を説明する。
【0044】
図2は一実施形態によるセルバランシング回路の構成を示す図面である。
【0045】
図2では、セルバランシング回路120は、4個のスイッチQ1-Q4、4個のダイオードD1-D4、トランスフォーマー123、およびスイッチング制御部125を含む。第1巻線W1および第2巻線W2は、絶縁状態で磁気的にカップリングされてトランスフォーマー123を構成する。トランスフォーマー123で第1巻線W1が位置する部分を第1側といい、第2巻線W2が位置する部分を第2側といえる。
【0046】
スイッチQ1は、バッテリーセル10_1とバッテリーセル10_2との間に連結された接続点N2と、第1巻線W1の一端との間に連結されており、スイッチQ2は、バッテリーセル10_3とバッテリーセル10_4との間に連結された接続点N3と、第1巻線W1の他端との間に連結されている。スイッチQ1、第1巻線W1、およびスイッチQ2は第1電力伝達経路を構成することができる。
【0047】
スイッチQ3は、バッテリーセル10_1の正極である接続点N1と第2巻線W2の一端との間に連結されており、スイッチQ4は、バッテリーセル10_4の負極である接続点N4と第2巻線W2の他端との間に連結されている。スイッチQ3、第2巻線W2、およびスイッチQ4は第2電力伝達経路を構成することができる。
【0048】
図2で、スイッチQ1-Q4は、nチャンネルタイプのMOSFETで具現されているが、これは一例として本発明がこれに限定されるのではない。4個のスイッチQ1-Q4それぞれのゲートには、スイッチング制御部125で供給されるゲート電圧VG1-VG4が印加され得る。
【0049】
ダイオードD1のアノードは第1巻線W1の他端に連結されており、ダイオードD1のカソードはスイッチQ1のドレインに連結されている。ダイオードD1は、トランスフォーマー123の第1側漏れインダクタンスによる誘導起電力からスイッチQ1を保護することができる。ダイオードD2のアノードはスイッチQ2のソースに連結されており、ダイオードD2のカソードは第1巻線W1の一端に連結されている。ダイオードD2は、トランスフォーマー123の第1側漏れインダクタンスによる誘導起電力からスイッチQ2を保護することができる。
【0050】
ダイオードD3のアノードは第2巻線W2の他端に連結されており、ダイオードD3のカソードはスイッチQ3のドレインに連結されている。ダイオードD3は、トランスフォーマー123の第2側漏れインダクタンスによる誘導起電力からスイッチQ3を保護することができる。ダイオードD4のアノードはスイッチQ4のソースに連結されており、ダイオードD4のカソードは第2巻線W2の一端に連結されている。ダイオードD4は、トランスフォーマー123の第2側漏れインダクタンスによる誘導起電力からスイッチQ4を保護することができる。
【0051】
スイッチング制御部125は、MCU130からセルバランシング制御信号CBSを受信し、セルバランシング制御信号CBSに基づいて4個のスイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御することができる。
図2に示された一実施形態において、4個のスイッチQ1-Q4およびトランスフォーマー123は、両方向フライバックコンバータ構造を構成することができる。セルバランシング制御信号CBSが充電中のセルバランシングを指示する場合、スイッチング制御部125は、第1側から第2側にエネルギーが伝達されるように4個のスイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御することができる。セルバランシング制御信号CBSが放電中のセルバランシングを指示する場合、スイッチ制御部125は、第2側から第1側にエネルギーが伝達されるように4個のスイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御することができる。
【0052】
スイッチング制御部125は第1側に流れる電流(以下、第1側電流)および第2側に流れる電流(以下、第2側電流)により充電中のセルバランシングおよび放電中のセルバランシングそれぞれの期間の間にスイッチQ1-Q4のオンデューティーを制御することができる。
【0053】
スイッチング制御部125は、第1側および第2側それぞれの電流を感知するために抵抗RS1の両端電圧(以下、第1感知電圧)VS1および抵抗RS2の両端電圧(以下、第2感知電圧)VS2を利用することができる。スイッチング制御部125は、スイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御するためにゲート電圧VG1-VG4を生成して、スイッチQ1-Q4のゲートに供給する。スイッチング制御部125は、スイッチQ1-Q4をオンさせるためにハイレベルのゲート電圧VG1-VG4を生成し、スイッチQ1-Q4をオフさせるためにローレベルのゲート電圧VG1-VG4を生成することができる。
【0054】
以下、
図3から
図6を参照して一実施形態によるセルバランシング回路の動作を説明する。
【0055】
図3および
図4は一実施形態によるバッテリーパックにおける充電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【0056】
図3および
図4でバッテリーパック10は充電器2に連結されており、バッテリーパック10は充電器2から供給される電流により充電される。
図3および
図4はセルバランシング回路120が1スイッチング周期の間の充電中のセルバランシング動作を示す図面であり得る。
【0057】
MCU130は、充電中の中心バッテリーセルのセル電圧と外郭バッテリーセルのセル電圧との間の偏差が臨界値以上である時、スイッチング制御部125に充電中のセルバランシングを指示するセルバランシング制御信号CBSを伝送する。例えば、MCU130は、第1レベルのセルバランシング制御信号CBSを生成し、スイッチング制御部125は、第1レベルのセルバランシング制御信号CBSがMCU130から受信される期間の間に充電中のセルバランシングを行うことができる。
【0058】
まず、
図3に示されているように、スイッチング制御部125は、充電中のセルバランシングのために、スイッチQ3、Q4をオフさせ、第1側電流IS1に基づいてスイッチQ1、Q2のオンデューティーを制御する。スイッチQ1、Q2のオン期間の間に第1側電流IS1が第1巻線W1に流れ、第1巻線W1にエネルギーが貯蔵される。スイッチQ1、Q2のオン期間の間に第1側電流IS1は増加することができる。
【0059】
スイッチング制御部125は、第1側電流IS1および第1側電流IS1が流れる期間に基づいて第1巻線W1に貯蔵されたエネルギーを導出し、導出されたエネルギーをスイッチング周期で割った値が所定の基準値になるようにスイッチQ1、Q2のオンデューティーを制御することができる。これに対する具体的な手段として、スイッチング制御部125は、第1感知電圧VS1が所定の第1基準電圧に到達する時、スイッチQ1、Q2をターンオフさせることができる。
【0060】
スイッチング制御部125は、スイッチQ1、Q2をターンオフさせた後、スイッチQ3、Q4をターンオンする。そうすると、第2巻線W2に第2側電流IS2が誘導される。第2側電流IS2は、充電器2から供給される充電電流Ichと共にバッテリーパック10に供給される。スイッチQ3、Q4のオン期間の間、第2側電流IS2は減少することができる。スイッチング制御部125は、第2側電流IS2に基づいてスイッチQ3、Q4のオンデューティーを制御する。例えば、スイッチング制御部125は、第2感知電圧VS2が所定の第2基準電圧に到達する時、スイッチQ3、Q4をターンオフさせることができ、第2基準電圧はゼロ電圧であり得る。
【0061】
スイッチQ3、Q4のオン期間の間、中心バッテリーセル10_2、10_3からバッテリーパック10にエネルギーが伝達される。つまり、充電電流Ichと第2側電流IS2がバッテリーパック10に供給され得る。
【0062】
スイッチQ1、Q2のオン期間の間、充電電流Ichのうち第1側電流IS1は、中心バッテリーセル10_2、10_3に流れず、外郭バッテリーセル10_1、10_4にだけ流れる。これは中心バッテリーセル10_2、10_3の発熱を減少させることができる。従来のバッテリーパックにおいて、中心バッテリーセルは外郭バッテリーセルに比べて温度が高いため、中心バッテリーセルの退化程度が外郭バッテリーセルに比べて激しい。そのため、中心バッテリーセルが先に満充電(full charged)されて全てのセルが満充電される前に充電が終了する問題が発生することがある。しかし、一実施形態によるセルバランシングによれば、バッテリーパック10に供給される充電電流のうち第1側電流IS1の分が中心バッテリーセルに供給されず、中心バッテリーセルの充電速度が外郭バッテリーセルの充電速度に比べて遅くなることができる。そうすると、従来の全てのセルが充電される前に充電が終了する問題が解決され得る。
【0063】
スイッチング制御部125は、スイッチQ3、Q4のターンオフ以降、再びスイッチQ1、Q2をターンオンさせることができる。スイッチQ1、Q2のターンオン以降の動作は前述したとおりである。一実施形態によるスイッチング制御部125は、一定のスイッチング周波数でスイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御することができる。ただし、本発明がこれに限定されるのではなく、スイッチング制御部125は、充電中のセルバランシングのためにスイッチング周波数を変化させることができる。本発明はオンデューティーおよびスイッチング周波数のうちの少なくともいずれか一つを変化させて、第1側電流IS1を制御することができる。
【0064】
スイッチング制御部125は、セルバランシング制御信号CBSが第1レベルである期間の間に前述のような動作を繰り返す。
【0065】
図5および
図6は一実施形態によるバッテリーパックにおける放電中のセルバランシング動作中のセルバランシング回路を図式的に示す図面である。
【0066】
図5および
図6でバッテリーパック10は電装負荷2に連結されており、バッテリーパック10から電装負荷2に電流が供給されて、バッテリーパック10は放電される。
図5および
図6はセルバランシング回路120が1スイッチング周期の間の放電中のセルバランシング動作を示す図面であり得る。
【0067】
MCU130は、放電中の中心バッテリーセルのセル電圧と外郭バッテリーセルのセル電圧との間の偏差が臨界値以上である時、スイッチング制御部125に放電中のセルバランシングを指示するセルバランシング制御信号CBSを伝送する。例えば、MCU130は、第2レベルのセルバランシング制御信号CBSを生成し、スイッチング制御部125は、第2レベルのセルバランシング制御信号CBSがMCU130から受信される期間の間に放電中のセルバランシングを行うことができる。
【0068】
まず、
図5に示されているように、スイッチング制御部125は、放電中のセルバランシングのために、スイッチQ1、Q2をオフさせ、第1側電流IS1に基づいてスイッチQ3、Q4のオンデューティーを制御することができる。スイッチQ3、Q4のオン期間の間に第2側電流IS2が第2巻線W2に流れ、第2巻線W2にエネルギーが貯蔵される。スイッチQ3、Q4のオン期間の間に第2側電流IS2は増加することができる。
【0069】
スイッチング制御部125は、スイッチQ3、Q4の現在スイッチング周期でのターンオフ以降、スイッチQ1、Q2のオン期間中に流れる第1側電流IS1および前記第1側電流IS1が流れる期間に基づいて第1巻線W1に伝達されたエネルギーを導出することができる。スイッチング制御部125は、導出されたエネルギーをスイッチング周期で割った値が所定の基準値になるように次のスイッチング周期でのスイッチQ3、Q4のオンデューティーを制御することができる。これに対する具体的な手段として、スイッチング制御部125は、第2感知電圧VS2が所定の第3基準電圧に到達する時、スイッチQ3、Q4をターンオフさせることができる。つまり、第3基準電圧は、第1巻線W1に伝達されるエネルギーをスイッチング周期で割った値が所定の基準値になるように設定され得る。
【0070】
スイッチング制御部125は、スイッチQ3、Q4をターンオフさせた後、スイッチQ1、Q2をターンオンする。そうすると、第1巻線W1に第1側電流IS1が誘導されて、放電電流Idchのうち第1側電流IS1は、中心セル10_2、10_3に流れない。スイッチQ1、Q2のオン期間中に流れる第1側電流IS1は減少することができる。スイッチング制御部125は、第1側電流IS1に基づいてスイッチQ1、Q2のオンデューティーを制御する。例えば、スイッチング制御部125は、第1感知電圧VS1が所定の第4基準電圧に到達する時、スイッチQ1、Q2をターンオフさせることができ、第4基準電圧はゼロ電圧であり得る。
【0071】
スイッチQ1、Q2のオン期間の間に放電電流Idchのうち第1側電流IS1は、中心バッテリーセル10_2、10_3に流れず、外郭バッテリーセル10_1、10_4にだけ流れる。これは中心バッテリーセル10_2、10_3の発熱を減少させることができる。従来のバッテリーパックにおいて、中心バッテリーセルは外郭バッテリーセルに比べて温度が高いため、中心バッテリーセルの退化程度が外郭バッテリーセルに比べて激しい。そのため、中心バッテリーセルが先に放電されて放電が終了し、電装負荷に電力を供給するには限界があり得る。しかし、一実施形態によるセルバランシングによれば、バッテリーパック10から供給される全体電流のうち第1側電流IS1が中心バッテリーセル10_2、10_3に流れず、中心バッテリーセルの放電速度が外郭バッテリーセルの放電速度に比べて遅くなることができる。そうすると、従来の中心バッテリーセルが先に放電されて放電が終了する問題が解決され得る。
【0072】
スイッチング制御部125は、スイッチQ1、Q2のターンオフ以降、再びスイッチQ3、Q4をターンオンさせることができる。スイッチQ3、Q4のターンオン以降の動作は前述したとおりである。一実施形態によるスイッチング制御部125は、一定のスイッチング周波数でスイッチQ1-Q4のスイッチング動作を制御することができる。ただし、本発明がこれに限定されるのではなく、スイッチング制御部125は、放電中のセルバランシングのためにスイッチング周波数を変化させることができる。本発明はオンデューティーおよびスイッチング周波数のうちの少なくともいずれか一つを変化させることで、第1側電流IS1を制御することができる。
【0073】
スイッチング制御部125は、セルバランシング制御信号CBSが第2レベルである期間の間に前述のような動作を繰り返す。
【0074】
このように、一実施形態によれば、充電および放電中の中心バッテリーセルに流れる電流を減少させて中心バッテリーセルにより充電および放電が先に終了する問題を解決することができる。
【0075】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。