(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 13/14 20060101AFI20240422BHJP
H01H 13/52 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H01H13/14 A
H01H13/52 F
(21)【出願番号】P 2023530081
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 JP2022024839
(87)【国際公開番号】W WO2022270528
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2021105457
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 礼純
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓志
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160318(JP,A)
【文献】国際公開第2021/010064(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/14
H01H 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に設けられた反転バネと、
前記筐体の内部において前記反転バネと並べて設けられた荷重センサと、
前記反転バネの頂部と前記荷重センサとに跨って設けられ、操作荷重が加えられたときに、前記反転バネの前記頂部と前記荷重センサとの双方を押圧するステムと
、
前記筐体の内部に設けられた第1固定接点とを備え、
前記ステムは、導電性部材からなり、
前記操作荷重が加えられたときに、前記反転バネの前記頂部と前記荷重センサとの双方を押圧するとともに、前記第1固定接点と接触することにより、当該ステムを介して前記第1固定接点に通電する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記反転バネの頂部は、開口部を有し、
前記第1固定接点は、前記反転バネの裏側、且つ、前記開口部と対向する位置に設けられ、
前記ステムは、前記反転バネが反転したときに、前記反転バネの前記開口部を貫通して前記第1固定接点と接触する突起部を有する
ことを特徴とする請求項
1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記ステムは、
前記操作荷重が加えられる操作部を有する
ことを特徴とする請求項
1または
2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記筐体に設けられ、前記ステムを支持する支持部を備え、
前記ステムは、
前記操作部に前記操作荷重が加えられたときに、前記支持部を支点として傾くことにより、前記反転バネの前記頂部を押圧するとともに、前記荷重センサを押圧する
ことを特徴とする請求項
3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記操作部は、
前記反転バネの前記頂部と支持部とが並ぶ第1の方向において、前記反転バネの前記頂部と支持部との間に設けられている
ことを特徴とする請求項
4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1の方向において、前記支持部から前記操作部までの第1の距離と、前記支持部から前記反転バネの前記頂部までの第2の距離との比が、1:5である
ことを特徴とする請求項
5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記ステムが常時接続される第2固定接点を有し、
前記ステムは、
前記操作部に前記操作荷重が加えられたときに、さらに前記第1固定接点と接触することにより、当該ステムを介して前記第2固定接点と前記第1固定接点との間を通電させる
ことを特徴とする請求項
5に記載の入力装置。
【請求項8】
前記操作部は、
前記ステムを平面視した場合において、前記反転バネの前記頂部を押圧する第1押圧部と、前記荷重センサを押圧する第2押圧部と、前記支持部によって支持される支点部とがなす三角領域内に設けられている。
ことを特徴とする請求項
5に記載の入力装置。
【請求項9】
前記ステムは、
前記操作荷重が加えられたとき、前記荷重センサの頂部との接触点を支点として傾倒しつつ、前記反転バネの前記頂部と前記荷重センサとの双方を押圧する
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項10】
前記ステムの上側に設けられたカバー部材を備え、
前記カバー部材は、
前記ステムを押圧することによって、前記ステムを前記反転バネの前記頂部および前記荷重センサに押し当てる弾性腕部を有する
ことを特徴とする請求項
9に記載の入力装置。
【請求項11】
前記ステムは、
長手形状を有し、
前記長手形状の長手方向における一端側にて前記反転バネの前記頂部を押圧する第1押圧部と、
前記長手方向における他端側にて前記荷重センサを押圧する第2押圧部と、
前記長手方向における中央部にて、上方にむかって凸状に屈曲した形状を有し、前記操作荷重が加えられる操作部と、を有する
ことを特徴とする請求項
9に記載の入力装置。
【請求項12】
前記荷重センサは、
前記筐体に設けられた収容部に収容され、前記弾性腕部からの押圧力を前記ステムを介して受けることにより、前記収容部の底部に押し当てられて固定される
ことを特徴とする請求項
10に記載の入力装置。
【請求項13】
前記ステムは、
硬質な素材が用いられて形成される
ことを特徴とする請求項
9に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、操作部材の押圧操作がなされたとき、操作部材によって押圧された可動接点部材が反転してクリック操作感を付与できるとともに、可動接点部材が第1固定接点部に接触することで、第1固定接点部と第2固定接点部との間が導通するように構成された、プッシュスイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示のプッシュスイッチは、押圧操作によるオンとオフとの間の切り換えしか行うことができないため、押圧操作の多様な検出を行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る入力装置は、筐体と、筐体の内部に設けられた反転バネと、筐体の内部において反転バネと並べて設けられた荷重センサと、反転バネの頂部と荷重センサとに跨って設けられ、操作荷重が加えられたときに、反転バネの頂部と荷重センサとの双方を押圧するステムとを備える。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る入力装置によれば、比較的簡単な構成により、押圧操作に対してクリック操作感を付与できるとともに、押圧操作の多様な検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】一実施形態に係る入力装置のA-A断面線(
図2参照)による断面図
【
図6】一実施形態に係る入力装置のB-B断面線(
図2参照)による断面図
【
図7】一実施形態に係る筐体が有する複数の固定接点部材の構成を示す図
【
図8】一実施形態に係るステムの操作位置、押圧位置、および支点位置を示す図
【
図9】一実施形態に係る入力装置の操作荷重特性の一例を示す図
【
図10】他の一実施形態に係る入力装置の外観斜視図
【
図11】他の一実施形態に係る入力装置の分解斜視図
【
図12】他の一実施形態に係る入力装置の分解斜視図
【
図13】他の一実施形態に係る入力装置の斜視断面図
【
図14A】他の一実施形態に係る入力装置の動作を説明するための図
【
図14B】他の一実施形態に係る入力装置の動作を説明するための図
【
図15】他の一実施形態に係る入力装置の底面側から視た外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、以降の説明では、便宜上、水平方向をX軸方向およびY軸方向とし、垂直方向(上下方向)をZ軸方向とする。但し、Z軸正側を上側とし、Z軸負側を下側とする。また、X軸正側を前側とし、X軸負側を後側とする。また、Y軸正側を右側とし、Y軸負側を左側とする。
【0009】
(入力装置100の概要)
図1は、一実施形態に係る入力装置100の外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係る入力装置100の平面図である。
図1および
図2に示す入力装置100は、各種電子機器等に用いられる、押圧操作可能な薄型の入力装置である。
図1および
図2に示すように、入力装置100は、筐体110の第1凹部111に平板状のステム130が配置されており、入力装置100は、ステム130の操作部131に対する押圧操作がなされたときに、筐体110の第1凹部111内に設けられている、反転バネ120の頂部120Aと圧力センサ150(「荷重センサ」の一例)の押圧部151との双方を、ステム130によって押圧することができる。入力装置100は、反転バネ120の頂部120Aを押圧することにより、反転バネ120を反転させて押圧操作にクリック操作感を付与することができるとともに、外部接続端子162Aと外部接続端子164Aとの間を導通状態(すなわち、スイッチオン状態)に切り換えることができる。また、入力装置100は、圧力センサ150の押圧部151を押圧することにより、押圧操作の操作荷重を検出して、検出された操作荷重を示す検出信号を、圧力センサ150に繋がる4つの外部接続端子161A,163A,165A,166Aから出力することができる。
【0010】
(入力装置100の構成)
図3および
図4は、一実施形態に係る入力装置100の分解斜視図である。
図5は、一実施形態に係る入力装置100のA-A断面線(
図2参照)による断面図である。
図6は、一実施形態に係る入力装置100のB-B断面線(
図2参照)による断面図である。
【0011】
図2~
図6に示すように、入力装置100は、筐体110、反転バネ120、ステム130、およびインシュレータ140を備える。
【0012】
筐体110は、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有し、且つ、上方(Z軸正方向)からの平面視において左右方向(Y軸方向)を長手方向とする横長の長方形状を有する、樹脂製且つ容器状の部材である。筐体110は、上面110Aから下方に向かって凹んだ形状に形成された、第1凹部111を有する。第1凹部111は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、概ね横長の長方形状を有する。
【0013】
第1凹部111の右側(Y軸正側)の内底面には、さらに下方に向かって凹んだ形状を有する第2凹部112が形成されている。第2凹部112は、上方(Z軸正方向)からの平面視において円形状を有する。第2凹部112には、反転バネ120が配置される。第2凹部112の内底面の中央には、第1固定接点113が設けられている。
【0014】
第1凹部111の左側(Y軸負側)且つ前側(X軸正側)の底部には、支持部114が設けられている。支持部114は、金属性且つ円盤状の第2固定接点114Aを有する。支持部114は、第2固定接点114Aの上面によって、ステム130の裏面に設けられた支点部134を支持する。支持部114は、第2固定接点114Aの上面によってステム130を水平に支持できるように、第2固定接点114Aの高さ位置が、第1凹部111の内底面から高められている。
【0015】
第1凹部111の左側(Y軸正側)且つ後前側(X軸負側)の底部には、4つの第3固定接点115A~115Dが並べて設けられており(
図7参照)が設けられており、当該4つの第3固定接点115A~115D上に、圧力センサ150が配置されている。圧力センサ150は、4つの第3固定接点115A~115Dの各々に、電気的に接続されている。圧力センサ150は、上方に凸状の押圧部151を有する。圧力センサ150は、押圧部151が押圧されることにより、当該押圧に係る操作荷重を検出することができる。
【0016】
反転バネ120は、薄い金属板から形成される、上方(Z軸正方向)に向かって凸状を有するドーム状の部材である。反転バネ120は、上方(Z軸正方向)からの平面視において円形状を有する。反転バネ120は、その中央部(すなわち、円の中心)を頂部120Aとするドーム状を有する。反転バネ120の頂部120Aには、上方(Z軸正方向)からの平面視において円形状の開口部121が形成されている。
【0017】
反転バネ120は、筐体110の第2凹部112に配置される。反転バネ120は、ステム130に対する押圧操作がなされたとき、頂部120Aがステム130の操作部131によって下方へ押圧され、所定の操作荷重を超えると急激に頂部120Aが凹状に弾性変形(反転動作)する。これにより、反転バネ120は、押圧操作に対してクリック感を付与することができる。また、反転バネ120は、ステム130からの押圧力から解放されたときに、弾性力によって元の凸状に復帰する。
【0018】
ステム130は、導電性を有する金属製且つ平板状の部材である。ステム130は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、筐体110の第1凹部111と略同形状(すなわち、概ね横長の長方形状)を有する。ステム130は、筐体110の第1凹部111において、反転バネ120の頂部120Aと圧力センサ150の押圧部151とに跨って配置される。
【0019】
ステム130は、操作部131、第1押圧部132、第2押圧部133、および支点部134を有する。
【0020】
操作部131は、ステム130の上面(Y軸方向における左側(Y軸負側)に偏った位置、且つ、X軸方向における中央)に形成されており、上方(Z軸正方向)に向かって突出した円錐台形状を有する。操作部131は、上方から押圧操作の操作荷重が加えられる部分である。
【0021】
第1押圧部132は、ステム130の裏面において、反転バネ120の頂部120Aと対向する位置(Y軸方向における右側(Y軸正側)に偏った位置、且つ、X軸方向における中央)に設けられており、下方(Z軸負方向)に向かって突出した円錐台形状の部分である。第1押圧部132は、反転バネ120の頂部120Aを押圧する。第1押圧部132の下端面の中央には、さらに下方に突出した突起部132Aが設けられている。突起部132Aは、反転バネ120の開口部121に入り込む。突起部132Aの下端面は、開口部121よりも僅かに下方に突き出ている。これにより、突起部132Aの下端面は、反転バネ120が反転したときに、第1固定接点113に接触できるようになっている。
【0022】
第2押圧部133は、ステム130の裏面において、筐体110に設けられている圧力センサ150の押圧部151と対向する位置(Y軸方向における左側(Y軸正側)に偏った位置、且つ、X軸方向における後側(X軸負側)に偏った位置)に設けられており、下方(Z軸負方向)に向かって突出した円盤状の部分である。第2押圧部133は、圧力センサ150の押圧部151を押圧する。
【0023】
支点部134は、ステム130の裏面において、筐体110に設けられている支持部114と対向する位置(Y軸方向における左側(Y軸正側)に偏った位置、且つ、X軸方向における前側(X軸正側)に偏った位置)に設けられており、下方(Z軸負方向)に向かって突出した円盤状の部分である。支点部134は、筐体110に設けられた支持部114によって支持され、ステム130が押圧操作によって傾く際の支点となる。
【0024】
インシュレータ140は、透明且つ薄いフィルム状の部材である。インシュレータ140は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、筐体110の上面110Aと同形状の横長の長方形状を有している。インシュレータ140は、筐体110の上面110Aを全体的に覆うように、筐体110の上面110A(第1凹部111の周囲の部分)に接着(例えば、レーザ溶着)される。インシュレータ140は、筐体110の第1凹部111を密閉することにより、筐体110の第1凹部111内に水が浸入することを防止することができる。
【0025】
(固定接点部材の構成)
図7は、一実施形態に係る筐体110が有する複数の固定接点部材の構成を示す図である。
図7に示すように、筐体110には、インサート成形によって6個の固定接点部材161~166が一体に設けられている。各固定接点部材は、導電性を有する金属板が用いられて形成される。
【0026】
これにより、筐体110には、3個の外部接続端子161A,162A,163Aが、当該筐体110の右側面(Y軸正側の側面)から外側に突出して設けられており、3個の外部接続端子164A,165A,166Aが、当該筐体110の左側面(Y軸負側の側面)から外側に突出して設けられている。
【0027】
固定接点部材161は、一端に外部接続端子161Aを有し、他端に第3固定接点115Cを有する。第3固定接点115Cには、圧力センサ150が接続される。
【0028】
固定接点部材162は、一端に外部接続端子162Aを有し、他端に第1固定接点113を有する。第1固定接点113には、ステム130の押圧操作がなされたときに、ステム130の突起部132Aの下端面が接触する。
【0029】
固定接点部材163は、一端に外部接続端子163Aを有し、他端に第3固定接点115Dを有する。第3固定接点115Dには、圧力センサ150が接続される。
【0030】
固定接点部材164は、一端に外部接続端子164Aを有し、他端に第2固定接点114Aを有する。第2固定接点114Aは、ステム130に電気的に接続され、且つ、ステム130を支持する。
【0031】
固定接点部材165は、一端に外部接続端子165Aを有し、他端に第3固定接点115Aを有する。第3固定接点115Aには、圧力センサ150が接続される。
【0032】
固定接点部材166は、一端に外部接続端子166Aを有し、他端に第3固定接点115Bを有する。第3固定接点115Bには、圧力センサ150が接続される。
【0033】
(入力装置100の動作)
一実施形態に係る入力装置100は、ステム130の操作部131に対する押圧操作がなされたとき、ステム130が支点部134および圧力センサ150の押圧部151を支点として下方に傾くことにより、ステム130の第2押圧部133が圧力センサ150の押圧部151を押圧しながら、ステム130の第1押圧部132が反転バネ120の頂部120Aを押し下げる。
【0034】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、押圧操作の操作荷重を圧力センサ150によってリアルタイムに検出することができる。
【0035】
そして、押圧操作の操作荷重が所定の閾値を超えると、反転バネ120の頂部120Aが急激に反転動作する。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、押圧操作に対してクリック感を付与することができる。
【0036】
また、反転バネ120が反転したときに、ステム130の突起部132Aの下端面が、第1固定接点113に接触する。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130を介して、第1固定接点113および外部接続端子162Aと、第2固定接点114Aおよび外部接続端子164Aとの間を導通状態(すなわち、スイッチオン状態)に切り換えることができる。
【0037】
さらに、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130の操作部131に対する押圧操作が解除されたとき、反転バネ120の弾性力により、反転バネ120が元の凸状に復帰する。これにより、ステム130の突起部132Aの下端面と第1固定接点113との接触が解除される。その結果、一実施形態に係る入力装置100は、第1固定接点113および外部接続端子162Aと、第2固定接点114Aおよび外部接続端子164Aとの間を非導通状態(すなわち、スイッチオフ状態)に切り換えることができる。
【0038】
したがって、一実施形態に係る入力装置100によれば、比較的簡単な構成により、押圧操作に対してクリック操作感を付与できるとともに、押圧操作の多様な検出(オン状態とオフ状態との間の切り換えの検出、および、操作荷重の検出)を行うことができる。
【0039】
(ステム130の操作位置、押圧位置、および支点位置)
図8は、一実施形態に係るステム130の操作位置、押圧位置、および支点位置を示す図である。
【0040】
図8に示すように、ステム130は、反転バネ120が反転したときに、反転バネ120の開口部121を貫通して第1固定接点113と接触する突起部132Aを有する。
【0041】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130をオンオフ切り換えスイッチの一部として利用することができ、よって、比較的簡単な構成により、オンオフ切り換えスイッチを実現することができる。
【0042】
また、一実施形態に係る入力装置100は、反転バネ120の反転接触によらずに、突起部132Aと第1固定接点113との単純な接触による導通を実現するため、安定的な切り換え動作の長期化を実現することができる。
【0043】
また、
図8に示すように、ステム130は、操作荷重が加えられる操作部131を有する。
【0044】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、操作荷重を加えるべきステム130の位置を明確化することができ、よって、所定の押圧操作荷重を得ることができる。
【0045】
また、
図8に示すように、筐体110には、ステム130を支持する支持部114(すなわち、支点位置)が設けられている。ステム130は、操作部131に操作荷重が加えられたときに、支持部114(および第2押圧部133)を支点として傾くことにより、第1押圧部132(すなわち、第1の押圧位置)によって反転バネ120の頂部120Aを押圧することができる。
【0046】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、操作部131に操作荷重が加えられたときに、ステム130によって反転バネ120の頂部120Aと圧力センサ150の押圧部151とを同時に押圧し易くすることができる。
【0047】
特に、
図8に示すように、ステム130の操作部131(すなわち、操作位置)は、反転バネ120の頂部120Aと支持部114とが並ぶ第1の方向(Y軸方向)において、反転バネ120の頂部120Aと支持部114との間に設けられている。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、反転バネ120の頂部120A上に操作部131を設けた場合と比較して、押圧操作荷重を高めることができる。また、一実施形態に係る入力装置100は、反転バネ120自体のバネ力を抑制しつつ、押圧操作荷重を高めることができるため、反転バネ120を長寿命化することができる。
【0048】
例えば、
図8に示す例では、Y軸方向における、支持部114から操作部131までの第1の距離L1と、支持部114から第1押圧部132までの第2の距離L2との比は1:5である。この場合、一実施形態に係る入力装置100は、反転バネ120の頂部120A上に操作部131を設けた場合と比較して、押圧操作荷重を5倍に高めることができる。
【0049】
また、一実施形態に係る入力装置100は、操作部131の位置を調整して、第1の距離L1と第2の距離L2との比を調整することで、押圧操作荷重を任意に調整することができる。
【0050】
支持部114は、ステム130が常時接続される第2固定接点114Aを有する。ステム130は、操作部131に操作荷重が加えられたときに、さらに突起部132Aが第1固定接点113と接触することにより、当該ステム130を介して第2固定接点114Aと第1固定接点113との間を通電させる。
【0051】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130および第2固定接点114Aをオンオフ切り換えスイッチの一部として利用することができ、よって、比較的簡単な構成により、オンオフ切り換えスイッチを実現することができる。
【0052】
また、
図8に示すように、ステム130の操作部131は、ステム130を平面視した場合において、反転バネ120の頂部120Aを押圧する第1押圧部132と、圧力センサ150の押圧部151を押圧する第2押圧部133と、支持部114によって支持される支点部134とがなす三角領域内A1に設けられている。
【0053】
これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130を3点で安定的に支持することができ、且つ、押圧操作荷重を高めることができる。
【0054】
(操作荷重特性の一例)
図9は、一実施形態に係る入力装置100の操作荷重特性の一例を示す図である。
図9は、一実施形態に係る入力装置100の操作荷重特性(FSカーブ)を示すグラフであり、縦軸は押圧操作の操作荷重[N]を示し、横軸は押圧操作のストローク量[mm」を示す。
図9に示す操作荷重特性は、反転ばね120によって生成される。
【0055】
図9に示すように、操作部131による押圧操作の開始後、当該押圧操作のストローク量が、反転バネ120の反転動作が開始するストローク量S1となるまでの間、反転バネ120を押圧されて弾性変形するのに伴い、操作部131による押圧操作に係る操作荷重は、徐々に増加する。このため、
図9に示すように、操作部131による押圧操作に係る操作荷重は、押圧操作のストローク量がストローク量S1のときに、最大荷重となる。
【0056】
その後、押圧操作のストローク量が、反転バネ120の反転動作が終了するストローク量S2となるまでの間、反転バネ120を反転動作するのに伴い、操作部131による押圧操作に係る操作荷重は、急激に減少する。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、押圧操作に対してクリック感を付与することができる。
【0057】
また、一実施形態に係る入力装置100は、押圧操作のストローク量が、ストローク量S2となったときに、ステム130の突起部132Aの下端面が、第1固定接点113に接触する。これにより、一実施形態に係る入力装置100は、ステム130を介して、第1固定接点113および外部接続端子162Aと、第2固定接点114Aおよび外部接続端子164Aとの間を導通状態(すなわち、スイッチオン状態)に切り換えることができる。
【0058】
さらにその後、操作部131による押圧操作は、反転バネ120を押し潰すものとなるため、操作部131による押圧操作に係る操作荷重は、押圧操作のストローク量が、最大ストローク量S3となるまでの間、徐々に増加する。
【0059】
一実施形態に係る入力装置100は、このようなストローク量に応じて変化する操作荷重を、圧力センサ150によってリアルタイムに検出することができる。
【0060】
(入力装置200の概要)
図10は、他の一実施形態に係る入力装置200の外観斜視図である。
図10に示す入力装置200は、各種電子機器等に用いられる、押圧操作可能な薄型の入力装置である。
図10に示すように、入力装置200は、筐体210とカバー部材270とが互いに組み合わされることによって、X軸方向を短手方向とし、Y軸方向を長手方向とする、概ね直方体形状を有するものとなる。
【0061】
入力装置200は、筐体210の第1凹部211に平板状のステム230が配置されている。ステム230の操作部231は、カバー部材270の開口部272から上方に突出している。入力装置200は、ステム230の操作部231に対する押圧操作がなされたときに、筐体210の第1収容部212内に設けられている反転バネ220の頂部220Aと、筐体210の第2収容部213内に設けられている圧力センサ250(「荷重センサ」の一例)の押圧部251との双方を、ステム230によって押圧することができる。
【0062】
入力装置200は、反転バネ220の頂部220Aを押圧することにより、反転バネ220を反転させて押圧操作にクリック操作感を付与することができるとともに、筐体210の一端側(Y軸正側)から突出した第1の固定接点部材262の外部接続端子262Aと、筐体210の他端側(Y軸負側)から突出した第2の固定接点部材264の外部接続端子264Aとの間を導通状態(すなわち、スイッチオン状態)に切り換えることができる。また、入力装置200は、圧力センサ250の押圧部251を押圧することにより、押圧操作の操作荷重を検出して、検出された操作荷重を示す検出信号を、圧力センサ250の底面250Aに設けられている4つの外部接続端子252A,252B,252C,252Dから出力することができる。
【0063】
(入力装置200の構成)
図11および
図12は、他の一実施形態に係る入力装置200の分解斜視図である。
図13は、他の一実施形態に係る入力装置200の斜視断面図である。
【0064】
図11~
図13に示すように、入力装置200は、筐体210、反転バネ220、ステム230、インシュレータ240、圧力センサ250、およびカバー部材270を備える。
【0065】
筐体210は、上下方向(Z軸方向)に薄型の直方体形状を有し、且つ、上方(Z軸正方向)からの平面視において左右方向(Y軸方向)を長手方向とする横長の長方形状を有する、樹脂製且つ容器状の部材である。筐体210は、上面210Aから下方に向かって凹んだ形状に形成された、第1凹部211を有する。第1凹部211は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、概ね横長の長方形状を有する。
【0066】
第1凹部211の右側(Y軸正側)には、第1凹部211の底部211Aからさらに下方に向かって凹んだ形状を有する第1収容部212が形成されている。第1収容部212は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、反転バネ220の外形状と同形状(すなわち、円形状の一部(X軸方向の両サイド)がカットされた形状)を有する。第1収容部212には、反転バネ220が配置される。第1収容部212の底部における中央部には、第1固定接点262Bが設けられている。第1収容部212の底部における周辺部には、第2固定接点264Bが設けられている。
【0067】
第1凹部211の左側(Y軸負側)には、第1凹部211の底部211Aからさらに下方に向かって凹んだ形状を有する第2収容部213が設けられている。第2収容部213は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、圧力センサ250の外形状と同形状(すなわち、矩形状)を有する。第2収容部213には、圧力センサ250が配置される。
【0068】
なお、筐体210には、第1の固定接点部材262および第2の固定接点部材264が、インサート成型によって一体に設けられている。第1の固定接点部材262は、一端に外部接続端子262Aを有し、他端に第1固定接点262Bを有する。第1固定接点262Bには、ステム230の押圧操作がなされたときに、反転バネ220の頂部220Aの裏側部分が接触する。第2の固定接点部材264は、一端に外部接続端子264Aを有し、他端に第2固定接点264Bを有する。第2固定接点264Bには、常に、反転バネ220の外周縁部が接触する。
【0069】
反転バネ220は、導電性を有する薄い金属板から形成される、上方(Z軸正方向)に向かって凸状を有するドーム状の部材である。反転バネ220は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、円形状の一部(X軸方向の両サイド)がカットされた形状を有する。反転バネ220は、その中央部(すなわち、円の中心)を頂部220Aとするドーム状を有する。
【0070】
反転バネ220は、筐体210の第1収容部212に配置される。反転バネ220は、ステム230の操作部231に対する押圧操作がなされたとき、頂部220Aがステム230の第1押圧部232によって下方へ押圧され、所定の操作荷重を超えると急激に頂部220Aが凹状に弾性変形(反転動作)する。これにより、反転バネ220は、押圧操作に対してクリック感を付与することができる。また、反転バネ220は、ステム230からの押圧力から解放されたときに、弾性力によって元の凸状に復帰する。
【0071】
反転ばね220は、金属板の枚数が調整されることによって、操作荷重を調整可能である。例えば、本実施形態では、反転ばね220は、3枚の金属板が重ねて構成されている。但し、これに限らず、反転ばね220は、2枚以下の金属板によって構成されてもよく、4枚以上の金属板によって構成されてもよい。
【0072】
ステム230は、平板状の部材である。ステム230は、上方(Z軸正方向)からの平面視において、筐体210の第1凹部211と略同形状(すなわち、概ね横長の長方形状(長手形状))を有する。ステム230は、筐体210の第1凹部211において、反転バネ220の頂部220Aと圧力センサ250の押圧部251とに跨って配置される。
【0073】
ステム230は、操作部231、第1押圧部232、および第2押圧部233を有する。
【0074】
操作部231は、ステム230の長手方向(Y軸方向)における中央部に形成されており、上方(Z軸正方向)に向かって凸状に屈曲した形状を有する。操作部231は、上方から押圧操作の操作荷重が加えられる部分である。
【0075】
第1押圧部232は、操作部231よりもY軸正側に設けられている、平板状の部分である。第1押圧部232は、その裏面において、インシュレータ240の隆起部241の頂部241Aと接触する。これにより、第1押圧部232は、操作部231に押圧操作の操作荷重が加えられたとき、インシュレータ240の隆起部241の裏側部分に接着されている押圧体242を介して、反転バネ220の頂部220Aを押圧することができる。
【0076】
第2押圧部233は、操作部231よりもY軸負側に設けられている、平板状の部分である。第1押圧部232は、その裏面において、圧力センサ250の押圧部251と接触する。これにより、第2押圧部233は、操作部231に押圧操作の操作荷重が加えられたとき、圧力センサ250の押圧部251を押圧することができる。
【0077】
なお、ステム230は、インシュレータ240の隆起部241の頂部241A(および反転バネ220の頂部220A)と、圧力センサ250の押圧部251とによって下側から支持されることにより、操作部231に押圧操作の操作荷重が加えられたとき、第2押圧部233における圧力センサ250の押圧部251(すなわち、頂部)との接触点を支点233A(
図13参照)として、第2押圧部233よりも第1押圧部232が下側に位置するように、下向きに傾くことができる。
【0078】
また、ステム230は、殆ど弾性変形しないように、硬質な素材が用いられて形成される。これにより、操作者は、操作部231の押圧操作による、反転ばね220のダイレクトな押圧操作感を得ることができる。
【0079】
また、ステム230は、導電性を有する必要がないため、導電性を有する素材(例えば、金属素材)、および、導電性を有しない素材(例えば、樹脂素材)のいずれが用いられて形成されてもよい。
【0080】
インシュレータ240は、筐体210の第1凹部211の底部211Aに配置される、薄いシート状の部材である。インシュレータ240は、PA等の樹脂素材が用いられて形成される。インシュレータ240は、筐体210の第1収容部212を全体的に覆うように、筐体210の第1凹部211の底部211A(第1収容部212の周囲の部分)に接着(例えば、レーザ溶着)される。インシュレータ240は、筐体210の第1収容部212の上側開口を閉塞することで、第1収容部212を封止する。インシュレータ240の中央部には、上方(Z軸正方向)に凸状に隆起した隆起部241が形成されている。
図3に示すように、隆起部241の裏側部分には、押圧体242が接着されて設けられている。押圧体242は、反転バネ220の頂部220Aを押圧する樹脂製の部材である。
【0081】
圧力センサ250は、筐体210の第2収容部213内において、ステム230の第2押圧部233の下側に配置される。圧力センサ250は、上方に凸状の押圧部251を有する。圧力センサ250は、ステム230の第2押圧部233によって押圧部251が押圧されることにより、ステム230の押圧操作の操作荷重を検出することができる。そして、圧力センサ250は、検出された操作荷重を示す検出信号を、当該圧力センサ250の底面250Aに設けられている4つの外部接続端子252A,252B,252C,252Dから出力することができる。
【0082】
カバー部材270は、筐体の上面210Aを覆う、金属製の部材である。カバー部材270は、上壁部270Bおよび4つの側壁部270Cを有して構成されており、下部に開口部270Aを有する直方体形状を有する。カバー部材270の内部には、開口部270Aから、筐体210が挿入される。これにより、カバー部材270の内部に、筐体210が配置される。その結果、カバー部材270は、筐体210の上面210Aと、筐体210の各側面とを覆う。
【0083】
カバー部材270の上壁部270Bには、左右一対の弾性腕部271-1,271-2が設けられている。各弾性腕部271-1,271-2は、上壁部270Bによって末端部が支持され、且つ、上壁部270Bから下方に傾斜した舌片状を有しており、上下方向(Z軸方向)に弾性変形可能である。
【0084】
弾性腕部271-1は、ステム230の第1押圧部232の上側に設けられている。弾性腕部271-1は、その先端部において、ステム230の第1押圧部232を上方から押圧する。これにより、弾性腕部271-1は、ステム230の第1押圧部232を、反転バネ220の頂部220Aに押し当てる。
【0085】
弾性腕部271-2は、ステム230の第2押圧部233の上側に設けられている。弾性腕部271-2は、その先端部において、ステム230の第2押圧部233を上方から押圧する。これにより、弾性腕部271-2は、ステム230の第2押圧部233を、圧力センサ250の押圧部251に押し当てる。
【0086】
カバー部材270の上壁部270Bの中央には、開口部272が形成されている。開口部272は、ステム230の操作部231を挿通させて、ステム230の操作部231をカバー部材270の上壁部270Bよりも上方に突出させることを可能にする。
【0087】
なお、本実施形態では、カバー部材270は、一枚の金属板が加工されることによって、上壁部270B、4つの側壁部270C、および弾性腕部271-1,271-2が一体に形成される。
【0088】
(入力装置200の動作)
図14Aおよび
図14Bは、他の一実施形態に係る入力装置200の動作を説明するための図である。
【0089】
<非押圧操作時>
図14Aに示すように、他の一実施形態に係る入力装置200では、ステム230の操作部231に対する押圧操作がなされていないとき、ステム230は、インシュレータ240の隆起部241の頂部241A(および反転バネ220の頂部220A)と、圧力センサ250の押圧部251とによって下側から支持されることにより、水平に保たれる。
【0090】
ここで、ステム230は、カバー部材270の弾性腕部271-1,271-2によって上方から押圧されることで、インシュレータ240の隆起部241の頂部241Aと、圧力センサ250の押圧部251とに押し当てられている。
【0091】
これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、筐体210の第1凹部211内で、ステム230がガタつくことを抑制することができる。
【0092】
また、これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、圧力センサ250の押圧部251に対して常に一定の荷重を加えることができるため、圧力センサ250の出力を監視することによって、断線等の故障を検知することができる。
【0093】
また、これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、圧力センサ250を筐体210の第2収容部213の底部に押し当てることができるため、筐体210の第2収容部213内で、圧力センサ250がガタつくことを抑制することができる。
【0094】
<押圧操作時>
図14Bに示すように、他の一実施形態に係る入力装置200は、ステム230の操作部231に対する押圧操作がなされたとき、ステム230が圧力センサ250の押圧部251との接触点を支点233Aとして下方に傾くことにより、ステム230の第2押圧部233が、圧力センサ250の押圧部251を押圧するとともに、ステム230の第1押圧部232が、インシュレータ240および押圧体242を介して、反転バネ220の頂部220Aを押し下げる。
【0095】
これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、押圧操作の操作荷重を圧力センサ250によってリアルタイムに検出することができる。
【0096】
そして、押圧操作の操作荷重が所定の閾値を超えると、反転バネ220の頂部220Aが急激に反転動作する。これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、押圧操作に対してクリック感を付与することができる。
【0097】
また、反転バネ220が反転したときに、反転バネ220の頂部220Aの裏側部分が、第1固定接点262Bに接触する。これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、反転バネ220を介して、第1固定接点262Bおよび外部接続端子262Aと、第2固定接点264Bおよび外部接続端子264Aとの間を導通状態(すなわち、スイッチオン状態)に切り換えることができる。
【0098】
さらに、他の一実施形態に係る入力装置200は、ステム230の操作部231に対する押圧操作が解除されたとき、反転バネ220の弾性力により、反転バネ220が元の凸状に復帰する。これにより、反転バネ220の頂部220Aの裏側部分と第1固定接点262Bとの接触が解除される。その結果、他の一実施形態に係る入力装置200は、第1固定接点262Bおよび外部接続端子262Aと、第2固定接点264Bおよび外部接続端子264Aとの間を非導通状態(すなわち、スイッチオフ状態)に切り換えることができる。
【0099】
したがって、他の一実施形態に係る入力装置200によれば、比較的簡単な構成により、押圧操作に対してクリック操作感を付与できるとともに、押圧操作の多様な検出(オン状態とオフ状態との間の切り換えの検出、および、操作荷重の検出)を行うことができる。
【0100】
(入力装置200の底面側の構成)
図15は、他の一実施形態に係る入力装置200の底面側から視た外観斜視図である。
図15に示すように、筐体210の第2収容部213の底部は開口部213Aとなっている。また、第2の固定接点部材264は、X軸方向の幅が部分的に狭い細幅部264Cを有しており、当該細幅部264Cが、第2収容部213の底部を、Y軸方向に跨いで設けられている。これにより、他の一実施形態に係る入力装置200は、第2収容部213に収容された圧力センサ250の底面250Aを、第2の固定接点部材264の細幅部264Cによって支持できる。
【0101】
また、他の一実施形態に係る入力装置200は、開口部213Aの一部(X軸方向における中央部)を第2の固定接点部材264の細幅部264Cが跨ぐように構成したことで、圧力センサ250の底面250Aに設けられている4つの外部接続端子252A,252B,252C,252Dの各々を、開口部213Aのその他の部分(細幅部264Cを有しない部分)から露出することができる。このため、他の一実施形態に係る入力装置200は、当該入力装置200が基板に実装される際に、外部接続端子252A,252B,252C,252Dの各々を、基板上の端子に容易に接続することができる。
【0102】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0103】
本国際出願は、2021年6月25日に出願した日本国特許出願第2021-105457号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0104】
100,200 入力装置
110,210 筐体
110A,210A 上面
111,211 第1凹部
211A 底部
212 第1収容部
213 第2収容部
112 第2凹部
113,262B 第1固定接点
114 支持部
114A,264B 第2固定接点
115A~115D 第3固定接点
120,220 反転バネ
120A,220A 頂部
121 開口部
130,230 ステム
131,231 操作部
132,232 第1押圧部
132A 突起部
133,233 第2押圧部
233A 支点
134 支点部
140,240 インシュレータ
241 隆起部
241A 頂部
242 押圧体
150,250 圧力センサ
250A 底面
151,251 押圧部
252A,252B,252C,252D 外部接続端子
161~166 固定接点部材
161A~166A,262A,264A 外部接続端子
262 第1の固定接点部材
264 第2の固定接点部材
270 カバー部材
270A 開口部
270B 上壁部
270C 側壁部
271-1,271-2 弾性腕部
272 開口部
A1 三角領域
L1 第1の距離
L2 第2の距離