(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】タバコ産業のロッド状物品を製造する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A24C 5/18 20060101AFI20240423BHJP
A24C 5/28 20060101ALI20240423BHJP
A24C 5/34 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A24C5/18
A24C5/28
A24C5/34 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019209663
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516033503
【氏名又は名称】インターナショナル タバコ マシーナリー ポーランド スポルカ ジー オグラニクゾナ オドパウイエドジアルノシア
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シコラ レシェック
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/036954(WO,A1)
【文献】特表2018-515115(JP,A)
【文献】特表2018-515114(JP,A)
【文献】特表2018-515113(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068094(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 5/18
A24C 5/28
A24C 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業のロッド状物品を製造する方法であって、前記ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを有するものであり、前記方法は、
連続可動テープ状包装紙を供給する段階と、
前記充填材のストランドを前記連続可動テープ状包装紙上に供給する段階と、
弱化部を有するテープの形態でのインサート材を前記充填材の前記ストランドに供給する段階と、
前記インサート材を有する前記充填材の前記ストランドに前記連続可動テープ状包装紙を巻くことで連続ロッドを形成する段階と、
前記インサート材の前記テープ内の前記弱化部を交差する切断面で切断ヘッドを用いて移動する前記連続ロッドを切断することで、別個のロッド状物品を形成し、端部で終端させる段階と、
前記ロッド状物品内の前記インサートの前記端部を予め規定されたモデルと比較することで、類似性の指標を得る段階と、
測定された前記類似性に応答して、前記連続ロッドの移動に対して前記切断ヘッドの調整作業を行うことで、前記ロッド状物品内の前記インサートの前記端部間の最も高い類似性に戻す段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記調整作業が前記切断ヘッドの動作を修正する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続ロッドの移動のスピードに対して前記切断ヘッドの動作を調整する段階をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記連続ロッドの移動のスピードに対して前記切断ヘッドの移動を調整する段階をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ロッド状物品の前記端部が剪断面を含み、前記方法がさらに、前記ロッド状物品の端部の前記剪断面の画像を分析することによって前記インサートの前記端部を検査する段階を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検査が、前記ロッド状物品の前記端部で前記インサートの前記剪断面の表領域を測定する段階を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロッド状物品内の前記インサートの前記端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得る段階が、マイクロ波センサからの測定信号を分析する段階を含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記インサート材のテープを前記充填材の前記ストランドに供給する段階の前に、前記インサート材のテープをアセンブリに通すことによって前記インサート材のテープ内の前記弱化部を形成する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記充填材がタバコを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記弱化部が前記インサート材の長手方向縁部で2つの向かい合う切欠を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記切断ヘッドの移動および前記連続ロッドの移動の同期を徐々に調整する段階と、各調整後に、前記ロッド状物品内の前記インサートの前記端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得る段階と、をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
センサが、前記ロッド状物品の前記端部の剪断面の画像を受け取るように構成される光センサである、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
弱化部形成アセンブリを用いて、テープ材料の形態であるインサート材料内に弱化部を作り出す段階をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
タバコ産業のロッド状物品を製造する装置であって、前記ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを備え、前記装置は、
連続テープ状包装紙を供給するように構成される包装紙供給アセンブリと、
前記充填材のストランドを供給するように構成される充填材供給アセンブリと、
弱化部を有するインサート材のテープを前記充填材の前記ストランドに供給するように構成されるインサート材のテープ供給アセンブリと、
前記充填材および前記インサート材のテープを含む連続ロッドを形成するように構成される装飾アセンブリと、
端部を含むロッド状物品を形成する前記インサート材のテープ内の弱化部を交差するように構成される切断ヘッドと、
前記ロッド状物品を
、前記連続ロッド
の移動方向に対して横断的に運ぶように構成されるコンベヤーと、
前記ロッド状物品の前記端部で前記インサートの前記端部を検査するように構成されるセンサと、
前記インサートの前記端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得るように構成される比較ユニットと、
前記類似性の測定に応答して、前記連続ロッドの移動に対して前記切断ヘッドの動作に調整作業を行うことで、
前記ロッド状物品内の前記インサートの前記端部と、前記モデルとの間の最も高い類似性に戻すように構成される制御装置と
を備える
装置。
【請求項15】
前記制御装置が前記連続ロッドの移動に対して前記切断ヘッドの動作を調整するように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記制御装置が前記切断ヘッドの動作のスピードを調整する、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記センサが前記ロッド状物品の前記端部の剪断面の画像を受け取るように構成される光センサである、請求項14から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記インサート材のテープ内に前記弱化部を作るように構成される弱化部形成アセンブリをさらに含む、請求項14から17のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業のロッド状物品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野において、様々な種類の物体をロッド状物品に設置する装置が知られている。球状物体および長手方向物体の両方を、タバコの吸い口部分のフィルター材料、ならびにタバコ部分に設置する。現在、「熱によって燃焼しない」タイプのタバコ製品、すなわち香気生成材を燃焼する製品が生まれている。このような非燃焼タバコ製品は、タバコ葉を燃やす従来のタバコに比べて、喫煙者による有害物質の低排出を特徴とする。この香気は、タバコ部分に設置されるインサートから放出される熱によって生成することができ、こうした非燃焼タバコ製品内のタバコ葉は、例えば刻みタバコ、ちりめん紙、タバコフィルム、または1枚の均質化タバコといった様々な形態であってもよい。エアロゾル生成材を燃焼するためには、層状またはロッド状の要素が一般的に使用され、この要素は燃焼材で作られるタバコ部分の内部に配置される。喫煙者が直接こうした非燃焼タバコ製品の中に燃焼要素を配置するために、タバコの端部からエアロゾル生成材が配置される部分に通常燃焼要素を添加することができる、または、そうした非燃焼タバコを製造する段階ですでに燃焼要素を非燃焼タバコ製品の中に配置することができる。製造段階で燃焼要素をタバコのタバコ葉部分内に配置する場合、外界のエネルギー源、一般的に電磁放射を利用してタバコ葉を燃焼する。燃焼要素を誘導的に燃焼し、その生成エネルギーを利用してタバコ材料を燃焼することができる。
【0003】
燃焼要素のタバコのタバコ葉部分内への配置は、タバコ産業で使用されるロッド状要素を製造する機械で行う。一般的に、燃焼要素は、添加手段によってエアロゾル生成材で形成される無定形シャフトに添加され、無定形シャフトは、燃焼要素がエアロゾル生成材で両側に均一に囲まれるように通常中央にある。
【0004】
燃焼要素は、有限長の仕上げ要素として、またはシャフト形成後シャフトと共にバーで切断されることになるエンドレスベルトとして無定形シャフトに入れることができる。
【0005】
PCT出願WO2016/184928は、ステンレス鋼で作られた連続テープをタバコ材料のトウに入れる装置を開示し、タバコ材料は連続ロッドに形成され、連続ロッドは切削ヘッドによって予め規定された長さの単一ロッドに切断される。インサートは誘導的に燃焼されるようになっており、タバコ材料、例えばエアロゾル形成タバコ基質を燃焼するのに利用される。
【0006】
PCT出願WO2016/184929は、強磁性金属で作られたストリップ状の燃焼要素をタバコ材料のストランドに入れる装置を開示し、燃焼要素が入れられたストリップ間で最終的に形成される連続ロッドを切断できるように、予め規定された長さを有するストリップがストランドの中に配置される。このように、ストリップ状の燃焼要素を有するロッドが製造される。
【0007】
欧州特許出願EP2677273A1は、光学ユニットを用いてロッド状物品の端面の品質を評価する方法を開示し、光学ユニットからの信号が制御装置によって処理される。2次元および3次元の両方で切断面を測定することが可能である。
【発明の概要】
【0008】
タバコ産業のロッド状物品を製造する方法を本明細書で開示し、ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを含むものであり、方法は、連続可動テープ状包装紙を供給する段階と、充填材のストランドを連続可動テープ状包装紙上に供給する段階と、弱化部を有するテープの形態でのインサート材を充填材のストランドに供給する段階と、インサート材を有する充填材のストランドに連続可動テープ状包装紙を巻くことで連続ロッドを形成する段階と、インサート材のテープ内の弱化部を交差する切断面で切削ヘッドを用いて移動する連続ロッドを切断することで、別個のロッド状物品を形成し、端部で終端させる段階と、ロッド状物品内のインサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで、類似性の指標を得る段階と、測定された類似性に応答して、連続ロッドの移動に対して切削ヘッドの調整作業を行うことで、ロッド状物品内のインサートの端部間の最も高い類似性に戻す段階と、を備える。
【0009】
調整作業は、切削ヘッドの動作を修正する段階を含むことができる。
【0010】
本方法はさらに、連続ロッドの移動のスピードに対して切削ヘッドの動作を調整する段階を備えることができる。
【0011】
本方法はさらに、連続ロッドの移動のスピードに対して切削ヘッドの移動を調整する段階を備えることができる。
【0012】
ロッド状物品の端部が剪断面を含むことができ、方法はさらに、ロッド状物品の端部の剪断面の画像を分析することによってインサートの端部を検査する段階を備えることができる。
【0013】
この検査は、ロッド状物品の端部でインサートの剪断面の表面積を測定する段階を含むことができる。
【0014】
ロッド状物品内のインサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得る段階が、マイクロ波センサからの測定信号を分析する段階を含むことができる。
【0015】
インサート材のテープを充填材のストランドに供給する段階の前に、インサート材のテープをアセンブリに通すことによってインサート材のテープ内の弱化部を形成することができる。
【0016】
充填材はタバコを含むことができる。
【0017】
弱化部は、インサート材の長手方向縁部で2つの向かい合う切欠を含むことができる。
【0018】
本方法はさらに、切削ヘッドの移動および連続ロッドの移動の同期を徐々に調整する段階と、各調整後に、ロッド状物品内のインサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得る段階と、を備えることができる。
【0019】
センサは、ロッド状物品の端部の剪断面の画像を受け取るように構成される光センサであってもよい。
【0020】
本方法はさらに、弱化部形成アセンブリを用いて、テープ材料の形態であるインサート材料内に弱化部を作り出す段階を備えることができる。
【0021】
タバコ産業のロッド状物品を製造する装置を本明細書でさらに開示し、ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを含み、本装置は、連続テープ状包装紙を供給するように構成される包装紙供給アセンブリと、充填材のストランドを供給するように構成される充填材供給アセンブリと、弱化部を有するインサート材のテープを充填材のストランドに供給するように構成されるインサート材のテープ供給アセンブリと、充填材およびインサート材のテープを含む連続ロッドを形成するように構成される装飾アセンブリと、端部を含むロッド状物品を形成するインサート材のテープ内の弱化部を交差するように構成される切削ヘッドと、ロッド状物品を連続ロッドに運ぶように構成されるコンベヤーと、ロッド状物品の端部でインサートの端部を検査するように構成されるセンサと、インサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得るように構成される比較ユニットと、類似性の測定に応答して、連続ロッドの移動に対して切削ヘッドの動作に調整作業を行うことで、以下のロッド状物品内のインサートの端部とモデルとの間の最も高い類似性に戻すように構成される制御装置と、を備える。
【0022】
制御装置は、連続ロッドの移動に対して切削ヘッドの動作を調整するように構成することができる。
【0023】
制御装置は、切削ヘッドの動作のスピードを調整することができる。
【0024】
センサは、ロッド状物品の端部の剪断面の画像を受け取るように構成される光センサであってもよい。
【0025】
本装置はさらに、インサート材のテープ内に弱化部を作るように構成される弱化部形成アセンブリをさらに含むことができる。
【0026】
つまり、タバコ産業のロッド状物品を製造する方法を本明細書で開示し、ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを含むものであり、方法は、連続可動テープ状包装紙を供給する段階と、充填材のストランドを連続可動テープ状包装紙上に供給する段階と、弱化部を有するテープの形態でのインサート材を充填材のストランドに供給する段階と、インサート材を有する充填材のストランドに連続可動テープ状包装紙を巻くことで連続ロッドを形成する段階と、インサート材のテープ内の弱化部を交差する切断面で切削ヘッドを用いて移動する連続ロッドを別個のロッド状物品に切断する段階と、を備える。本方法はさらに、連続ロッドから切断されるロッド状物品内のインサートの端部を検査する段階と、インサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得る段階と、類似性に応じて、連続ロッドの移動に対して切削ヘッドの動作を調整することで以下のロッド状物品内のインサートの端部とモデルとの間の類似性を高めるようにする段階と、を備える。
【0027】
つまり、タバコ産業のロッド状物品を製造する装置を本明細書でさらに開示し、ロッド状物品が充填材内に配置される縦長のインサートを含み、装置は、連続テープ状包装紙を供給するように構成される包装紙供給アセンブリと、充填材のストランドを供給するように構成される充填材供給アセンブリと、弱化部を有するインサート材のテープを充填材のストランドに供給するように構成されるインサート材のテープ供給アセンブリと、充填材および包装されたインサート材のテープを含む連続ロッドを形成するように構成される装飾アセンブリと、切断面がインサート材のテープ内の弱化部を交差するように連続ロッドを別個のロッド状物品に切断するように構成される切削ヘッドと、ロッド状物品を連続ロッドに横方向に運ぶように構成されるコンベヤーと、を備える。本装置はさらに、ロッド状物品の端部でインサートの端部を検査するように構成されるセンサと、インサートの端部を予め規定されたモデルと比較することで類似性の指標を得るように構成される比較ユニットと、類似性に応じて、連続ロッドの移動に対して切削ヘッドの動作を調整することで以下のロッド状物品内のインサートの端部とモデルとの間の類似性を高めるように構成される制御装置と、を備える。
【0028】
本明細書で開示されるロッド状物品を製造する方法および装置により、連続ロッドを切断するように構成される切削ヘッドのエネルギー消費の削減が可能となる。さらに、本方法および本装置により、製造されたロッドの品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面で示される実施形態を参照しながら、本発明に係る方法および装置を説明する。
【0030】
【
図1】連続充填材からロッドを製造する機械を示す。
【0031】
【
図2】タバコ繊維からロッドを製造する機械を示す。
【0032】
【
図3】インサート材のテープを挿入する領域内の断面を示す。
【
図4】インサート材のテープを挿入する領域内の断面を示す。
【0033】
【0034】
【
図7】連続ロッドCRを切断した後の方向Tで移動するロッドR、R'、R''を示す。
【
図8】連続ロッドCRを切断した後の方向Tで移動するロッドR、R'、R''を示す。
【0035】
【
図9】ロッド製造機械のアウトフィード部を概略的に示す。
【0036】
【0037】
【0038】
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1で示されるロッド製造機械1は、充填材2の連続ストランド、例えば収納ユニット3から供給される均質化されたタバコのストランドからロッドRを製造するように構成される。充填材は、風味、好ましくはタバコの風味を含むように適合されたあらゆる材料であってもよい。充填材は、「エアロゾル生成タバコ材料」として規定することができる。連続ロッドを形成しやすくすべく、充填材2の連続ストランドを準備ユニット4内のローラーで圧着および伸張する。準備ユニット内で、充填材2の連続ストランドを湿らせてもよく、風味を充填材に加えてもよい。ロッド製造機械1には漏斗状を有する案内要素5が設けられており、この案内要素を通って充填材の連続ストランドが準備ユニット4から進んでいく。充填材2の連続ストランドは、案内要素5を通り抜けるときにまず圧迫される。案内要素5には、充填材2から空気を排気する開口部が設けられてもよい。最初に圧迫された充填材は、案内要素および圧迫要素として機能する導入管6を通り抜ける。充填材2の連続ストランドは、製造されるロッドCRに類似した形状に達する。案内要素および圧迫要素5ならびに導入管6は、単一要素として形成されてよい。
【0040】
ロッド製造機械1のロッド形成部内に、インサート材のテープ9を充填材2に供給するインサート材テープ供給アセンブリ8が設けられる。インサート材料は、金属、プラスティック、または他のあらゆる材料で作られてもよい。インサート材のテープ9は、ボビン10から弱化部形成アセンブリ17を通ってインサート材テープ供給アセンブリ11に供給される。弱化部は弱い強度を有するテープの領域である。弱化部形成アセンブリ17は、切欠を形成するように構成される穿孔デバイスまたはレーザー切断デバイスもしくはその他のあらゆる種類の装置であってもよい。弱化部は、本明細書でさらに記載されることになる様々な形状を有することができる。インサート材のテープを供給するインサート材テープ供給アセンブリ11は、供給要素7を含み、供給要素は、その周囲にあるインサート材の連続テープを充填材の連続ストランドに供給する車輪形態を有する。同様に、例えば据え付けのアーチ形案内トングといったその他のあらゆる供給要素を用いることもできる。導入管6は、供給要素7およびインサート材のテープ9を受け入れるように構成される。包装紙供給アセンブリ18から供給される連続可動包装紙14上に充填材が配置される。インサート材テープ供給アセンブリ8には弱化部形成アセンブリ17が設けられており、テープは、充填材2のストランドに入れられる直前に弱化される。インサート材テープ供給アセンブリ8は、他の場所で、すなわち別の機械で作られた弱化部を有するテープを供給するように適合することができる。
【0041】
弱化部では、インサート材のテープは弱い強度を有する。弱化部は、ネッキング、円または楕円の形態の開口部を有してもよい。弱化部は、ロッド(複数の断片の長さを有する)を切断するとき、およびその後ロッドを別個の断片に切断する工程時の両方の工程で、インサート材を切断する工程を処理しやすくすることが想定される。弱化部によって連続ロッドを切断する場合、連続ロッドを切断するのにより大きなエネルギーは必要ないが、インサート自体を切断することは、あらゆるインサートを用いないロッドを切断することに比べてより大きなエネルギーを消費する工程である。
【0042】
連続可動包装紙14、充填材2、およびインサート材のテープ9はさらに、折り部材13が設けられた装飾台に沿って装飾アセンブリ15に移動し、糊塗布ユニット12から糊が塗布される。糊が乾くと、連続可動包装紙14が連続ロッドを形成する寸前になる。連続ロッドCRは切断ヘッド16近傍を通り過ぎ、別個ロッドRに切断される。別個ロッドRはコンベヤー25に移され、コンベヤーは連続ロッドCRの移動方向に対して別個ロッドRを横断的に運ぶ。溝付きドラムコンベヤーまたはベルトコンベヤーを用いてもよい。光センサ26がコンベヤー25の両側に配置されて、ロッド状物品の端部の剪断面の画像を受け取る。
【0043】
図2で示される第2の実施形態において示されるロッド製造機械1'は、粉砕されたタバコからロッドRを製造するように構成される。ロッド製造機械1'には、タバコ供給アセンブリ27を含む準備ユニット4'が設けられている。粉砕されたタバコは可動包装紙14上に供給される。その他全てのアセンブリは、第1の実施形態のアセンブリに類似する。
【0044】
図3および
図4は、インサート材のテープ9の挿入位置で供給要素7の断面を示すことで、インサート材のテープ9の実現可能な配置を示す。
図3では、インサート材のテープ9は横向きに配置され、
図4では、テープ9は縦向きに配置される。
【0045】
図5は、弱化部30、すなわち強度が弱いインサート材のテープ9の領域、の一例を示す。2つの切欠35がテープ9の縁部9aおよび9bに配置される。2つの切欠は三角形、台形、または長方形であってもよい。長方形の切欠30'を
図6で示す。台形の切欠は同様に円形または楕円形であってもよい。
【0046】
図7は、連続ロッドCRを切断した後の方向Tに移動するロッドR、R'、R''を示し、ロッドは透明で示され、インサート材のテープ9には複数の弱化部30が設けられている。ロッドRの長さは連続切断面c1とc2との間のLで表されており、Lの中に切断ヘッド16の刃が移動し、各連続切断面は長さLのロッドを作り出すことが想定される。ロッド状物品の端部の剪断面の画像を示す断面A-AおよびA'-A'は実質的に同じである。図示される実施形態では、5番目の弱化部ごとにLに等しい距離で別の5番目の弱化部と間隔があいていると仮定される。
図7に示されるように、インサート材のテープの剪断面の領域PAおよびPA'は互いに等しく、切欠35の真ん中を撮影した断面B-BおよびB'-B'で示される標的領域よりも大きい。制御装置23が比較ユニット24を含む機械の中に設けられており、比較ユニットは、各連続切断のインサート材のテープの剪断面の領域(等しくなるべき例示的領域PAおよびPA')を標的領域(光センサが撮影した画像に測定された、または規定された断面の最小領域になる領域PBまたはPB')と比較する。この場合、切断ヘッドの動作を一時的に遅延させて、その切断動作を装飾テープの動きに同期させることで連続ロッドが駆動するため、切断ヘッドが連続ロッドの動きに同期することが求められる。インサート材の剪断面が縮小するように切断場所を移動させるが、この移動は、若干の増分変位を適用することによって実現することができる。各連続切断の剪断面の測定領域PAおよびPA'と、予め規定された標的領域との間の差異が同じとき、またはこの測定領域が予め規定された許容差範囲に一致するとき、つまり端部が予め規定されたモデルに適合するときに、この工程は終了する。切断面c1'およびc2'は、切断ヘッドの調整された切断面である。予め規定された許容差範囲は、インサート材のテープの剪断面の実領域と、予め規定された標的領域との間の差異が、例えば標的領域の10%を超えないように規定することができる。例えば、インサート材のテープの剪断面の実領域が断面の最大領域、すなわち
図7内の領域PCの1/2以下であるといった、その他の許容条件をさらに適用することもできる。連続ロッドを切断した後に、インサート9Aの剪断面の領域が最小であるという状況がインサートのパラメータモデルを予め規定する、すなわち、この状況はインサート9Aの端部の位置に関する。別のパラメータは、ロッド状物品の端部の断面におけるインサートの端部の剪断面の中央位置であってもよい。
【0047】
図8は、連続ロッドCRを切断した後の方向Tに移動するロッドR、R'、R''を示し、インサート材テープ9には複数の楕円弱化部30''が設けられる。断面G-GおよびG'-G'の測定領域PGおよびPG'が断面E-EおよびE'-E'の標的領域PEおよびPE'と異なる場合、切断面c1およびc2は、切断面c1およびc2をc1'およびc2'に移動することによって調整しなければならない。
【0048】
図9は、ロッド製造機械のアウトフィード部を概略的に示す。装飾アセンブリ15の装飾テープ40はモータM1によって駆動される。切削ヘッド16はモータM2によって駆動される。モータM1およびモータM2の同期は制御装置23によってもたらされる。光センサ26および26'(カメラまたはあらゆる画像センサ)は、コンベヤー25に運ばれるロッド状物品Rの端部の剪断面の画像を示す測定信号SM、SM'を送る。これらの画像は、比較ユニット24が設けられる制御装置23によって受け取られ、各制御信号SCが生成され、モータM1および/またはM2に送られて連続ロッドCRの動きに対して切削ヘッド16の動作が調整される。結果、切削ヘッド16の動作が連続ロッドCRの動きに同期され、インサート9Aの端部が予め規定されたモデルに適合する。例えば、制御信号SCは、切削ヘッド16の動作を進ませる、または遅らせることができる。代替的または追加的に、制御信号SCは、連続ロッドCRの動きを加速または減速させることができる。
【0049】
インサートの端部の予め規定されたモデルへの適合を判定するために、連続ロッドCRから切断されたロッド状物品R内のインサート9Aの端部を検査することによって、およびインサートの端部を予め規定されたモデルと比較することによって類似性の指標を得る。例えば、予め規定されたモデルは、インサートの端部を検査する光センサ26、38の出力測定に対応する表面積、表面形状、表面位置の期待値、またはその他のあらゆる値を指定することができる。類似性は、例えば光センサ26、38の出力比および予め規定されたモデルとして測定される。類似性が閾値よりも高い場合、例えば50%、または75%、または90%、または95%、または97%、または99%よりも高い場合に、インサートの端部は予め規定されたモデルに適合するものと見なされる。類似性が閾値よりも低い場合、例えば、以下のロッド状物品(R)内のインサートの端部(9A)と、予め規定されたモデルとの間の類似性を高めるために、本装置の動作を調整する。測定および動作調整に必要な時間をかけているので、すぐ隣のロッド状物品Rではなく、以下の2、3の切断工程で切断される物品の類似性を高めることになり得る。同様に、インサート9Aの端部と、予め規定されたモデルとの間の類似性ではなく差異を判定する、およびその差異を小さくするように試みることによって本装置を制御してもよい。
【0050】
受け取った画像が不良ロッドを示す場合、例えば画像が
図6の断面C-Cまたは
図7の断面F-F(全体的に許容範囲を超える)と同じである場合、不良ロッドは拒絶ユニット28によって不合格にできる。インサート材の剪断面の測定面積および標的面積の差異の一定の許容範囲を設定することができる。差異が予め規定された範囲を超えるロッドは不合格にするものとする。
【0051】
図10は、回転軸36および複数の溝37を有し、製造されたロッドRを運ぶドラムコンベヤー34を示す。ロッド状物品Rの端部にあるインサート9Aの端部の位置をマイクロ波センサ38、38'によって検査する。インサートの端部はマイクロ波センサが生み出すマイクロ波場を変え、出力信号はマイクロ波センサの作用領域内のインサートに関連する材料量の存在を示す。マイクロ波センサ38、38'が生成する測定信号SM、SM'は、制御装置23内の比較ユニット24によって比較される。
【0052】
さらに、装飾アセンブリ15と切削ヘッド16との間にある検査手段21(
図11)を利用して、本プロセスの効率を上げることができる。検査手段21は、切断面がテープ9内の弱化部30の切欠の対称面と一致するように連続弱化部30を検出し、切削ヘッド16の動きを装飾テープ40の動き、したがって連続ロッドCRの動きに同期させるのに使用される制御装置23に検査信号SIを送る。検査手段21は、マイクロ波装置または光学装置(可視領域および不可視領域で動作する)ならびにその他のあらゆる放射線を利用した検出器を含んでもよい。検査手段21は、初期同期を行う。適切な同期が得られない場合、およびインサート材の剪断面の面積が予め規定された面積と異なる場合、連続ロッドCRに対して、すなわち装飾テープ40の駆動に対して切削ヘッドの動作を一時的に進ませる、または遅らせることによって依然として同期を調整することが可能である。検査手段21はさらに、装飾アセンブリ15の前で装飾テープ40上に、すなわち、
図12で示されるように、連続可動包装紙14の縁部が折りたたまれない領域に配置することもできる。