(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】宅配物管理システム、宅配物管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240423BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20240423BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20240423BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q10/08
A47G29/122 A
A47G29/124
A47G29/12 D
(21)【出願番号】P 2019170568
(22)【出願日】2019-09-19
【審査請求日】2022-07-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】牧野 正明
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-058802(JP,A)
【文献】特開2019-089650(JP,A)
【文献】特開2003-002413(JP,A)
【文献】特開2016-018228(JP,A)
【文献】特開2019-079129(JP,A)
【文献】国際公開第2018/207269(WO,A1)
【文献】特開2019-114304(JP,A)
【文献】特開2004-180140(JP,A)
【文献】特開2019-082921(JP,A)
【文献】特開2005-154037(JP,A)
【文献】特開2019-003365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A47G 29/12-29/126
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスと、前記宅配ボックスと情報の送受信を行う管理システムとを有する宅配物管理システムであって、
前記宅配ボックスは、
前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出し部と、
前記情報読出し部が読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを、前記管理システムに送信する情報送信部と、
前記管理システムから開錠信号を受信した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御部と、
前記受取人が不在であるかの情報を取得する不在情報取得部と、
を有し、
前記管理システムは、
前記受取人毎に予め記憶された、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得部と、
前記宅配ボックスから送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断部と、
前記受取人関連判断部が、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する前記開錠信号を前記宅配ボックスに送信する照合結果送信部と、
を有
し、
前記ロック制御部は、前記開錠信号を受信した場合において、前記受取人が不在であるとの情報を前記不在情報取得部が取得した際に開錠する、
宅配物管理システム。
【請求項2】
前記宅配ボックスは、
前記情報読出し部が、前記宅配物から、前記宅配物の情報である宅配物情報を読み出し、
前記情報送信部が、前記宅配物情報を前記管理システムに送信し、
前記管理システムは、
前記情報取得部が、前記受取人情報と前記宅配物情報とを関連付ける宅配物関連情報を読み出し、
さらに、前記宅配ボックスから送信された前記受取人情報と前記宅配物情報とが、前記宅配物関連情報において関連付けられているかを判断する宅配物関連判断部を有し、
前記宅配物関連判断部が前記受取人情報と前記宅配物情報とが関連付けられていると判断し、かつ前記受取人関連判断部が、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると判断した場合に、前記照合結果送信部が、前記開錠信号を前記宅配ボックスに送信する、請求項1に記載の宅配物管理システム。
【請求項3】
前記管理システムは、前記宅配物に付与するための、前記受取人情報と前記宅配物情報とを含む識別マークを生成する識別マーク生成部をさらに有し、
前記宅配ボックスの前記情報読出し部は、前記宅配物に付与された前記識別マークを読み取ることで、前記受取人情報と前記宅配物情報とを読み出す、請求項2に記載の宅配物管理システム。
【請求項4】
前記宅配ボックスは、前記開錠信号を受信した場合において、前記受取人が在宅との情報を前記不在情報取得部が取得した際には、前記受取人が在宅である旨の情報を通知する通知制御部をさらに有する、請求項
1に記載の宅配物管理システム。
【請求項5】
前記宅配ボックスは、
前記宅配物が前記宅配ボックス内に収納された後に前記受取人が前記宅配物を受け取る際に、前記情報読出し部が、前記受取人から、前記受取人の生体情報である照合生体情報を読み出し、
前記情報送信部が、前記照合生体情報を前記管理システムに送信し、
前記管理システムは、
前記情報取得部が、前記宅配物の受取人の前記受取人情報と関連付いた生体情報であるベース生体情報を読み出し、
さらに、前記宅配ボックスから送信された前記照合生体情報と、前記ベース生体情報とを照合して、前記照合生体情報を読み出された前記受取人が前記宅配物を受け取ってよいかを判断する受取判断部を有し、
前記受取判断部が受け取ってよいと判断した場合に、前記照合結果送信部が、前記開錠信号を前記宅配ボックスに送信する、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の宅配物管理システム。
【請求項6】
前記宅配ボックスは、
前記情報読出し部が、前記宅配物から前記受取人の生体情報であるベース生体情報を読み出し、前記宅配物が前記宅配ボックス内に収納された後に前記受取人が前記宅配物を受け取る際に、前記受取人から前記受取人の生体情報である照合生体情報を読み出し、
さらに、前記照合生体情報と前記ベース生体情報とを照合して、前記照合生体情報を読み出された前記受取人が前記宅配物を受け取ってよいかを判断する受取判断部を有し、
前記受取人が前記宅配物を受け取ってよいと前記受取判断部が判断した場合に、前記ロック制御部が開錠する、請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の宅配物管理システム。
【請求項7】
前記管理システムは、前記宅配物が前記宅配ボックス内に収納された収納タイミングから、前記宅配物が前記宅配ボックスから受け取られる受取タイミングまでの時間である受取時間を算出し、前記受取時間に応じて、前記宅配物を受け取った前記受取人に対して所定のポイントを付与するポイント付与部を有する、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の宅配物管理システム。
【請求項8】
前記宅配ボックスは、撮像部と、前記撮像部の撮像を制御する撮像制御部と、を有し、
前記撮像制御部は、前記ロック制御部が開錠した際に、前記撮像部に撮像させる、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の宅配物管理システム。
【請求項9】
管理システムにより、受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスを管理する宅配物管理方法であって、
前記宅配ボックスにより、前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出しステップと、
前記宅配ボックスにより、前記情報読出しステップで読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを前記管理システムに送信する情報送信ステップと、
前記宅配ボックスにより、前記受取人が不在であるかの情報を取得する不在情報取得ステップと、
前記管理システムにより、前記受取人毎に予め記憶された、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得ステップと、
前記管理システムにより、前記情報送信ステップで送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記情報取得ステップで読み出した前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断ステップと、
前記管理システムにより、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると前記受取人関連判断ステップで判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する開錠信号を前記宅配ボックスに送信する照合結果送信ステップと、
前記宅配ボックスにより、前記開錠信号を受信し
かつ、前記不在情報取得ステップで前記受取人が不在である情報を取得した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御ステップと、
を有する、宅配物管理方法。
【請求項10】
受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスを管理する宅配物管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出しステップと、
前記受取人が不在であるかの情報を取得する不在情報取得ステップと、
前記情報読出しステップで読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを送信する情報送信ステップと、
前記受取人毎に予め記憶された、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得ステップと、
前記情報送信ステップで送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記情報取得ステップで読み出した前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断ステップと、
前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると前記受取人関連判断ステップで判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する開錠信号を送信する照合結果送信ステップと、
前記開錠信号を受信し
かつ、前記不在情報取得ステップで前記受取人が不在である情報を取得した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御ステップと、
を、前記コンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配物管理システム、宅配物管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配業者が配送した宅配物を収納する宅配ボックスが受取人の住宅に設置される場合がある。宅配ボックスに宅配物を収納することで、受取人が不在時でも宅配物の配送及び受取りができる。例えば特許文献1には、宅配物を収納する前に宅配ボックスが施錠されており、宅配業者が到着すると、宅配ボックスを解錠するか否かの指示を受取人のスマートフォンに通知し、そのスマートフォンを受取人が操作することで、宅配ボックスの解錠を行うシステムが記載されている。宅配物を収納する前にも宅配ボックスが施錠されることで、不要の物品が宅配ボックスに収納されることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、受取人がスマートフォンを所持していなかったり、宅配物の到着時にスマートフォンを操作できなかったりする場合には、宅配ボックスを開錠できず、宅配物を収納できなくなるおそれがある。従って、受取人の不在時でも宅配物を適切に宅配ボックスに収納できるようにすることが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、受取人の不在時でも宅配物を適切に宅配ボックスに収納できる宅配物管理システム、宅配物管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる宅配物管理システムは、受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスと、前記宅配ボックスと情報の送受信を行う管理システムとを有する宅配物管理システムであって、前記宅配ボックスは、前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出し部と、前記情報読出し部が読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを、前記管理システムに送信する情報送信部と、前記管理システムから開錠信号を受信した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御部と、を有し、前記管理システムは、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得部と、前記宅配ボックスから送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断部と、前記受取人関連判断部が、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する前記開錠信号を前記宅配ボックスに送信する照合結果送信部と、を有する。
【0007】
本発明の一態様にかかる宅配物管理方法は、受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスを管理する宅配物管理方法であって、前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出しステップと、前記情報読出しステップで読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを送信する情報送信ステップと、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得ステップと、前記情報送信ステップで送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記情報取得ステップで読み出した前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断ステップと、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると前記受取人関連判断ステップで判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する開錠信号を送信する照合結果送信ステップと、前記開錠信号を受信した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一態様にかかるプログラムは、受取人が受け取る宅配物を収納可能な宅配ボックスを管理する宅配物管理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記宅配物から、前記受取人の情報である受取人情報を読み出す情報読出しステップと、前記情報読出しステップで読み出した前記受取人情報と、前記宅配ボックスの情報を示す宅配ボックス情報とを送信する情報送信ステップと、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とを関連付ける受取人関連情報を読み出す情報取得ステップと、前記情報送信ステップで送信された前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが、前記情報取得ステップで読み出した前記受取人関連情報において関連付けられているかを判断する受取人関連判断ステップと、前記受取人情報と前記宅配ボックス情報とが関連づけられていると前記受取人関連判断ステップで判断した場合に、前記宅配ボックスの開錠を許可する開錠信号を送信する照合結果送信ステップと、前記開錠信号を受信した場合に、前記宅配ボックスを開錠するロック制御ステップと、を、前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、受取人の不在時でも宅配物を適切に宅配ボックスに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る宅配物管理システムの模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る宅配物関連情報を説明する模式図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る照合フローを説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1実施形態の他の例に係る宅配物管理システムの模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の他の例に係る宅配ボックスユニットの模式図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る宅配ボックスユニットの模式的なブロック図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の処理フローを説明するフローチャートである。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。
【
図15】
図15は、第4実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。
【
図17】
図17は、第5実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。
【
図18】
図18は、第5実施形態に係る宅配物関連情報を説明する模式図である。
【
図19】
図19は、第5実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。
【
図20】
図20は、第5実施形態におけるポイント付与についての処理フローを説明するフローチャートである。
【
図21】
図21は、第5実施形態におけるポイント還元についての処理フローを説明するフローチャートである。
【
図22】
図22は、第6実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
【
図23】
図23は、第6実施形態に係る宅配物管理システムの模式図である。
【
図24】
図24は、第6実施形態に係る撮像処理のフローを説明するフローチャートである。
【
図25】
図25は、第6実施形態に係る画像関連情報を説明する模式図である。
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(第1実施形態)
(宅配物管理システム)
図1は、第1実施形態に係る宅配物管理システムの模式図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る宅配物管理システム1は、管理システム10と宅配ボックスユニット12とを有する。管理システム10は、ネットワーク16を介して宅配ボックスユニット12に接続されており、宅配ボックスユニット12と情報の送受信を行う。宅配ボックスユニット12は、宅配物Xを受け取る受取人の住居に設けられており、複数の宅配ボックス14を有する。宅配ボックス14は、配送業者が配送してきた宅配物Xを収納する容器(箱)である。宅配ボックス14は、収納部20と、撮像部22と、ロック部24と、制御装置26とを備える。収納部20は、扉20aを備える筐体であり、内部に宅配物Xが収納される。撮像部22は、撮像を行うカメラであり、本実施形態では、宅配物Xに設けられた識別マークXaを撮像する。ロック部24は、制御装置26の制御により収納部20の施錠と開錠とを切り替える機構であり、本実施形態では電磁ロックである。ロック部24は、扉20aに設けられ、扉20aの施錠と開錠とを切り替える。収納部20が施錠されている場合、扉20aを開くことができないので、収納部20への宅配物Xの収納や、収納部20に収納されている宅配物Xの取り出しができない。収納部20が開錠されている場合、扉20aを開くことができるため、収納部20への宅配物Xの収納や、収納部20に収納されている宅配物Xを取り出しが可能となる。なお、宅配ボックスユニット12に設けられる宅配ボックス14の数は任意であり、1つであっても複数であってもよい。
【0013】
(管理システム)
図2は、第1実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。管理システム10は、ネットワーク16を介して複数の宅配ボックス14に接続されており、例えば
図1に示した宅配ボックスユニット12以外の宅配ボックスユニットにも接続されている。管理システム10は、本実施形態ではサーバなどのコンピュータである。
図2に示すように、管理システム10は、通信部30と、記憶部32と、制御部34とを有する。通信部30は、宅配ボックス14と通信する機構、すなわち通信インターフェイスである。通信部30は、例えばWi-Fi(登録商標)モジュールやアンテナなどである。記憶部32は、制御部58の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部54は、後述する受取人関連情報A0と宅配物関連情報C0とを記憶する。なお、管理システム10は、ユーザの操作を受け付ける入力装置や、各種情報を表示する表示装置を備えていてもよい。
【0014】
制御部34は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部34は、情報登録部40と、識別マーク生成部42と、情報取得部44と、受取人関連判断部46と、宅配物関連判断部48と、照合結果送信部50とを有する。情報登録部40と、識別マーク生成部42と、情報取得部44と、受取人関連判断部46と、宅配物関連判断部48と、照合結果送信部50とは、制御部34が記憶部32に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0015】
情報登録部40は、受取人関連情報A0及び宅配物関連情報C0を登録する。
図3は、第1実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。受取人関連情報A0は、受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとを関連付ける情報である。受取人情報Aは、配送物の受取人を特定する情報であり、受取人を他の受取人から識別するための情報ともいえるし、配送物の配送先を特定する情報であるともいえる。受取人情報Aは、受取人毎に異なる内容になっている。受取人情報Aは、受取人のID(Identification)であるともいえ、本実施形態では、受取人毎に、異なるID、すなわち異なる記号や数字の組み合わせによる識別子が付与されている。
図3の例では、受取人情報Aとして、受取人毎に、一例としてA10000、A10001などの識別子が割り当てられている。宅配ボックス情報Bは、宅配ボックスを特定する情報であり、宅配ボックスを他の宅配ボックスから識別するための情報であるといえる。宅配ボックス情報Bは、宅配ボックス毎に異なる内容になっており、本実施形態では、宅配ボックス毎に、異なるID、すなわち異なる記号や数字の組み合わせによる識別子が付与されている。
図3の例では、宅配ボックス情報Bとして、宅配ボックス毎に、一例としてTHB00001、THB00002、THB00003などの識別子が割り当てられている。
【0016】
受取人関連情報A0においては、受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが関連付けられている。1つの受取人情報Aに対し1つの宅配ボックス情報Bが関連付けられてもよいし、1つの受取人情報Aに対し2つ以上の宅配ボックス情報Bが関連付けられてもよい。受取人関連情報A0は、受取人宛ての宅配物Xの収納が許可される宅配ボックスを示している。すなわち、受取人情報Aが割り当てられた受取人宛ての宅配物Xは、受取人関連情報A0においてその受取人情報Aに関連付いた宅配ボックス情報Bの宅配ボックスにのみ、収納が許可される。例えば
図3の例では、受取人情報AがA10000の受取人宛ての宅配物Xは、宅配ボックス情報BがTHB00001の宅配ボックスへの収納が許可され、受取人情報AがA10001の受取人宛ての宅配物Xは、宅配ボックス情報BがTHB00002の宅配ボックス、又は宅配ボックス情報BがTHB00003の宅配ボックスへの収納が許可される。
【0017】
さらに、受取人関連情報A0は、受取人情報A毎に、住所情報A2及び部屋番号情報A3も関連付けている。住所情報A2は、関連付いた受取人情報Aの受取人の住所、すなわち宅配物Xの配送先の住所を示している。部屋番号情報A3は、例えば受取人の住所が集合住宅の場合に割り当てられ、関連付いた受取人情報Aの受取人の部屋番号を示している。なお、
図3の受取人関連情報A0の内容は、一例である。
【0018】
情報登録部40は、以上のような受取人関連情報A0を登録する。例えば、新たなユーザが管理システム10を利用して宅配物Xを受け取るよう申込みをした場合、その申込みでユーザから通知された情報、例えば使用可能な宅配ボックス、住所、部屋番号等の情報が、管理システム10に入力される。情報登録部40は、入力された情報を、受取人関連情報A0として記憶部32に記憶させる。
【0019】
また、
図4は、第1実施形態に係る宅配物関連情報を説明する模式図である。宅配物関連情報C0は、宅配物情報Cと受取人情報Aとを関連付ける情報である。宅配物情報Cは、宅配物Xを特定する情報であり、宅配物を他の宅配物から識別するための情報ともいえる。宅配物情報Cは、宅配物X毎に異なる内容になっており、本実施形態では、宅配物X毎に、異なるID(Identification)、すなわち異なる記号や数字の組み合わせによる識別子が付与されている。
図4の例では、宅配物情報Cとして、宅配物X毎に、B00-100、B00-101などが割り当てられている。
【0020】
宅配物関連情報C0においては、宅配物情報Cと受取人情報Aとが関連付けられている。宅配物関連情報C0は、宅配物X毎の受取人を示している。すなわち、宅配物情報Cが割り当てられた宅配物Xは、宅配物関連情報C0においてその宅配物情報Cに関連付いた受取人情報Aの受取人宛ての宅配物であるといえる。例えば
図4の例では、宅配物情報CがB00-100の宅配物Xは、受取人情報AがA10000の受取人宛てであり、宅配物情報CがB00-101の宅配物Xは、受取人情報AがA10001の受取人宛てである。
【0021】
さらに、宅配物関連情報C0は、宅配物情報C毎に、到着指定日時情報C1、宅配物種別情報C2、及び配送状況情報C3も関連付けている。到着指定日時情報C1は、関連付いた宅配物Xが受取人の元へ到着する、指定の日時を指す。宅配物種別情報C2は、関連付いた宅配物Xの種別(壊れ物、冷蔵など)を指す。配送状況情報C3は、関連付いた宅配物Xの配送状況を示す。配送状況は、例えば、完了(到着済み)、未配(未発送)、宅配中などである。なお、
図4の宅配物関連情報C0の内容は、一例である。
【0022】
情報登録部40は、以上のような宅配物関連情報C0を登録する。例えば、宅配物Xの配送が申し込まれた場合、その申込み時に通知された情報、例えば宅配物Xの種別や指定到着日時などが、管理システム10に入力される。情報登録部40は、この入力された情報を、宅配物関連情報C0として記憶部32に記憶させる。
【0023】
図2に戻り、識別マーク生成部42は、識別マークXaを生成する。識別マークXaは、受取人情報Aと宅配物情報Cとを含むマークである。識別マークXaは、受取人情報Aと宅配物情報Cとがコード化されていることが好ましく、例えば二次元コードなどであってよい。識別マーク生成部42は、これから配送する宅配物Xについての宅配物情報Cを取得する。識別マーク生成部42は、例えば、宅配物関連情報C0を読み出し、宅配物関連情報C0において、配送状況が未配、かつ到着指定日時が現在日時と比較して所定の範囲内である宅配物情報Cを抽出する。そして、識別マーク生成部42は、宅配物関連情報C0において、抽出した宅配物情報Cに関連付いた受取人情報Aを抽出する。そして、識別マーク生成部42は、抽出した宅配物情報Cと受取人情報Aとを、例えばコード化して、識別マークXaを生成する。従って、識別マークXaは、配送する宅配物Xの受取人情報Aと宅配物情報Cとを含むことになる。識別マーク生成部42に生成された識別マークXaは、印刷されて宅配物Xに付与される。印刷された識別マークXaは、人手又は装置により、宅配物Xに貼り付けられる。宅配物Xは、識別マークXaが付与された状態で、配送業者に配送される。
【0024】
配送業者は、宅配物Xを受取人の住居まで宅配し、受取人が不在である場合は、宅配ボックス14に宅配物Xを収納する。詳しくは後述するが、宅配ボックス14は、宅配物Xの収納を許可して開錠する前に、宅配物Xに付与された識別マークXaから読み出した受取人情報A及び宅配物情報Cと、自身の記憶部から読み出した宅配ボックス情報Bとを、管理システム10に送信する。
【0025】
情報取得部44は、宅配ボックス14から送信された受取人情報Aと宅配ボックス情報Bと宅配物情報Cとを取得する。また、情報取得部44は、記憶部32に記憶された受取人関連情報A0と、宅配物関連情報C0とを読み出す。
【0026】
受取人関連判断部46は、情報取得部44が取得した宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、情報取得部44が読み出した受取人関連情報A0において関連付けられているかを判断する。受取人関連判断部46は、宅配ボックス14からの受取人情報Aと一致する受取人情報Aを、受取人関連情報A0から抽出する。そして、受取人関連判断部46は、受取人関連情報A0において抽出した受取人情報Aに関連付いた宅配ボックス情報Bが、宅配ボックス14からの宅配ボックス情報Bと一致するかを判断する。受取人関連判断部46は、抽出した受取人情報Aに関連付いた宅配ボックス情報Bが、宅配ボックス14からの宅配ボックス情報Bと一致する場合に、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、受取人関連情報A0において関連付けられていると判断する。なお、受取人関連情報A0において、受取人情報Aに関連付いた宅配ボックス情報Bが複数ある場合は、いずれか1つの宅配ボックス情報Bと宅配ボックス14からの宅配ボックス情報Bとが一致すればよい。
【0027】
受取人関連判断部46は、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、受取人関連情報A0において関連付いた受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとして存在しているかを判断するといえる。すなわち、受取人関連判断部46は、受取人関連情報A0に基づき、配送業者が使用しようとしている宅配ボックス14を、その宅配物Xの受取人のために使用してよいかを判断しているといえる。
【0028】
宅配物関連判断部48は、情報取得部44が取得した宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、情報取得部44が読み出した宅配物関連情報C0において関連付けられているかを判断する。宅配物関連判断部48は、宅配ボックス14からの受取人情報Aと一致する受取人情報Aを、宅配物関連情報C0から抽出する。そして、宅配物関連判断部48は、宅配物関連情報C0において、抽出した受取人情報Aに関連付いた宅配物情報Cが、宅配ボックス14からの宅配物情報Cと一致するかを判断する。受取人関連判断部46は、抽出した受取人情報Aに関連付いた宅配物情報Cが、宅配ボックス14からの宅配物情報Cと一致する場合に、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、宅配物関連情報C0において関連付けられていると判断する。すなわち、宅配物関連判断部48は、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、受取人関連情報A0において関連付いた受取人情報Aと宅配物情報Cとして存在しているかを判断するといえる。
【0029】
宅配物関連判断部48は、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、宅配物関連情報C0において関連付けられていると判断した場合、宅配物関連情報C0において、その宅配物情報Cに関連付いた配送状況情報C3を確認する。宅配物関連判断部48は、配送状況情報C3に基づき、配送が完了していないかを確認する。
【0030】
照合結果送信部50は、受取人関連判断部46及び宅配物関連判断部48の判断結果、すなわち照合の結果を、通信部30を介して宅配ボックス14に送信する。照合結果送信部50は、受取人関連判断部46が関連すると判断した場合、すなわち、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、受取人関連情報A0において関連付いた受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとして存在する場合、照合が取れたとして、開錠信号を生成し、宅配ボックス14に送信する。さらに言えば、本実施形態では、照合結果送信部50は、受取人関連判断部46が関連すると判断し、かつ、宅配物関連判断部48が関連すると判断した場合(宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、受取人関連情報A0において関連付いた受取人情報Aと宅配物情報Cとして存在する場合)に、照合が取れたとして、開錠信号を生成し、宅配ボックス14に送信する。さらに言えば、照合結果送信部50は、受取人関連判断部46が関連すると判断し、宅配物関連判断部48が関連すると判断し、かつ、配送状況情報C3において配送が完了していないことが確認された場合に、開錠信号を生成し、宅配ボックス14に送信することが好ましい。
【0031】
照合結果送信部50は、受取人関連判断部46が関連すると判断しなかった場合、宅配物関連判断部48が関連すると判断しなかった場合、配送状況情報C3において配送が完了していないと確認されなかった場合(配送完了している場合)の、少なくともひとつを満たす場合には、照合が取れていないとして、開錠信号を生成せず、開錠不許可信号を生成して、宅配ボックス14に送信する。
【0032】
(宅配ボックス)
次に、宅配ボックス14について説明する。
図5は、第2実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
図5に示すように、宅配ボックス14は、収納部20と、撮像部22と、ロック部24と、制御装置26とを備える。制御装置26は、宅配ボックス14を制御する装置、ここではコンピュータである。制御装置26は、通信部60と、記憶部62と、制御部64とを有する。通信部60は、管理システム10と通信する機構、すなわち通信インターフェイスである。通信部60は、例えばWi-Fi(登録商標)モジュールやアンテナなどである。記憶部62は、制御部64の演算内容やプログラムの情報などを記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部62は、自身に割り当てられた宅配物情報Cを記憶する。なお、宅配ボックス14は、ユーザの操作を受け付ける入力装置や、各種情報を表示する表示装置を備えていてもよい。
【0033】
制御部64は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部64は、情報読出し部70と、情報送信部72と、照合情報取得部74と、ロック制御部76とを有する。情報読出し部70と、情報送信部72と、照合情報取得部74と、ロック制御部76とは、制御部64が記憶部62に記憶されたソフトウェア(プログラム)を読み出すことで実現されて、後述する処理を実行する。
【0034】
情報読出し部70は、宅配物Xから、受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出す。本実施形態では、例えば配送業者が、宅配物Xに付与されている識別マークXaを撮像部22に対向させる。撮像部22は、例えば所定の間隔で撮像しており、宅配物Xに付与されている識別マークXaを撮像する。なお、所定の間隔は任意でよく、例えば数秒~数ミリ秒の間隔であることが好ましい。情報読出し部70は、撮像部22が撮像した画像データを取得し、撮像部22が撮像した画像データに識別マークXaが写っているかを判断する。情報読出し部70は、撮像部22の画像データに識別マークXaが含まれる場合、識別マークXaから、受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出す。すなわち、情報読出し部70は、宅配物Xから、受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出す。
【0035】
情報送信部72は、情報読出し部70が宅配物Xから読み出した受取人情報Aと宅配物情報Cと取得する。また、情報送信部72は、記憶部62から、宅配ボックス14の宅配ボックス情報Bを取得する。記憶部62に記憶されている宅配ボックス情報Bは、その宅配ボックス14に割り当てられている宅配ボックス情報Bである。情報送信部72は、取得した受取人情報Aと宅配ボックス情報Bと宅配物情報Cとを、通信部60を介して、管理システム10に送信する。
【0036】
上述のように、管理システム10は、受取人関連判断部46と宅配物関連判断部48とにより照合を行い、照合結果送信部50により、照合の結果を、開錠信号又は開錠不許可信号として、宅配ボックス14に送信する。照合情報取得部74は、管理システム10から送信された開錠信号又は開錠不許可信号を取得する。
【0037】
ロック制御部76は、宅配ボックス14に宅配物Xを収納する期間と、受取人が宅配ボックス14から取り出す期間以外の期間においては、ロック部24を制御して収納部20を施錠している。ロック制御部76は、照合情報取得部74が開錠信号を取得した場合、照合が取れているとして、ロック部24を制御して収納部20を開錠する。すなわち、ロック制御部76は、開錠信号を取得した場合、受取人情報Aと宅配物情報Cと情報を読み出した宅配物Xを、自身の宅配ボックス14に収納してもよいと判断して、収納部20を開錠する。宅配業者は、扉20aを開いて収納部20に宅配物Xを収納して、扉20aを閉じる。ロック制御部76は、宅配物Xが収納されたら、ここでは扉20aが閉じられたら、ロック部24を制御して収納部20を施錠する。その後、帰宅した受取人は、例えばパスワード入力など、所定の操作を宅配ボックス14に対して実行することで、ロック制御部76によりロック部24を制御して収納部20を開錠する。受取人は、扉20aを開いて宅配物Xを取り出し、扉20aを閉じる。ロック制御部76は、宅配物Xが収納されたら、ここでは扉20aが閉じられたら、ロック部24を制御して収納部20を施錠する。
【0038】
一方、ロック制御部76は、照合情報取得部74が開錠不許可信号を取得した場合、照合が取れていないと判断して、収納部20を開錠せず、施錠した状態を保つ。すなわち、ロック制御部76は、受取人情報Aと宅配物情報Cと情報を読み出した宅配物Xを、自身の宅配ボックス14に収納しないと判断して、収納部20の施錠を続ける。
【0039】
(処理フロー)
管理システム10と宅配ボックス14とは、以上のような構成となっている。次に、管理システム10と宅配ボックス14とによる処理フローを、フローチャートに基づき説明する。
図6は、第1実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。
図6に示すように、管理システム10は、識別マーク生成部42により、受取人情報Aと宅配物情報Cとを含む識別マークXaを生成して、宅配物Xに付与する(ステップS10)。識別マークXaを生成して宅配物Xに付与する手段として、識別マークXaが印刷されたシール(ラベル)を生成して宅配物Xに貼付したり、宅配物Xに識別マークXaを直接印刷したりしてもよい。識別マークXaが付与された宅配物Xは、宅配業者によって、受取人の住居まで宅配される。宅配業者は、例えば受取人が不在の場合、宅配物Xの識別マークXaを宅配ボックス14の撮像部22にかざす。宅配ボックス14は、撮像部22により、識別マークXaを撮像して(ステップS12)、情報読出し部70により、識別マークXaに基づき、宅配物Xに割り当てられた受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出す(ステップS14)。そして、宅配ボックス14は、記憶部62から自身に割り当てられた宅配ボックス情報Bを読み出し(ステップS16)、情報送信部72により、読み出した受取人情報Aと宅配ボックス情報Bと宅配物情報Cとを、管理システム10に送信する(ステップS18)。
【0040】
管理システム10は、情報取得部44により、宅配ボックス14から送信された受取人情報Aと宅配ボックス情報Bと宅配物情報Cとを取得し、受取人関連判断部46と宅配物関連判断部48とにより、照合を実行する(ステップS20)。照合の結果、OKであれば(ステップS22;Yes)、すなわち照合が取れていると判断した場合は、管理システム10は、照合結果送信部50により、開錠信号を生成して、宅配ボックス14に送信する(ステップS24)。一方、照合の結果、OKでなければ(ステップS22;No)、すなわち照合が取れていないと判断した場合は、管理システム10は、照合結果送信部50により、開錠不許可信号を生成して、宅配ボックス14に送信する(ステップS26)。
【0041】
宅配ボックス14は、管理システム10から開錠信号を取得した場合は、ロック制御部76により宅配ボックス14を開錠する(ステップS28)。一方、管理システム10から開錠不許可信号を取得した場合、宅配ボックス14は、宅配ボックス14を開錠せず(ステップS30)、施錠の状態を保つ。
【0042】
図7は、第1実施形態に係る照合フローを説明するフローチャートである。
図7は、ステップS20での照合フローの詳細を説明するフローチャートである。
図7に示すように、管理システム10は、受取人関連判断部46により、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、受取人関連情報A0において関連付けられているかを判断し(ステップS40)、関連付けられていない場合(ステップS40;No)、照合NG(ステップS42)、すなわち照合が取れていないと判断し、
図6のステップS26に進む。関連付けられている場合(ステップS40;Yes)、管理システム10は、宅配物関連判断部48により、宅配ボックス14からの受取人情報Aと宅配物情報Cとが、宅配物関連情報C0において関連付けられているかを判断する(ステップS44)。受取人情報Aと宅配物情報Cとが関連付けられていない場合(ステップS44;No)、ステップS42に進み照合NGと判断する。受取人情報Aと宅配物情報Cとが関連付けられている場合(ステップS44;Yes)、管理システム10は、宅配物関連判断部48により、配送状況情報C3に基づき、その宅配物Xの配送が完了していないかを判断する(ステップS46)。配送が完了している場合(ステップS46;No)、ステップS42に進み照合NGと判断する。配送が完了していない場合(ステップS46;Yes)、照合OK(ステップS48)、すなわち照合が取れていると判断し、
図6のステップS24に進む。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る宅配物管理システム1は、受取人が受け取る宅配物Xを収納可能な宅配ボックス14と、宅配ボックス14と情報の送受信を行う管理システム10とを有する。宅配ボックス14は、情報読出し部70と、情報送信部72と、ロック制御部76とを有する。情報読出し部70は、宅配物Xから、受取人の情報である受取人情報Aを読み出す。情報送信部72は、情報読出し部70が読み出した受取人情報Aと、宅配ボックス14の情報を示す宅配ボックス情報Bとを、管理システム10に送信する。ロック制御部76は、管理システム10から開錠信号を受信した場合に、宅配ボックス14を開錠する。管理システム10は、情報取得部44と、受取人関連判断部46と、照合結果送信部50とを有する。情報取得部44は、受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとを関連付ける受取人関連情報A0を読み出す。受取人関連判断部46は、宅配ボックス14から送信された受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとが、受取人関連情報A0において関連付けられているかを判断する。照合結果送信部50は、受取人関連判断部46が関連づけられていると判断した場合に、宅配ボックス14の開錠を許可する開錠信号を、宅配ボックス14に送信する。
【0044】
一般的な宅配ボックスは、配送業者が荷物を収納した後には施錠されるが、荷物が収納されていない間は、施錠されない場合がある。この場合、不要の物品が宅配ボックスに収納されて、宅配ボックスが使用できなくなるおそれがある。また、施錠されない場合、例えば配送業者が配送先を間違えた場合、誤った配送先の宅配ボックスに荷物を収納してしまうおそれもある。それに対し、本実施形態に係る宅配物管理システム1は、宅配物Xなどの荷物が収納されない場合にも、宅配ボックス14を施錠しておく。そして、宅配ボックス14に収納しようとする宅配物Xの受取人情報Aと、その宅配ボックス14に割り当てられる宅配ボックス情報Bとを、管理システム10で照合して、照合が取れた場合に、宅配ボックス14を開錠させる。従って、この宅配物管理システム1によると、宅配物Xを収納する期間及び宅配物Xを取り出す期間以外は、宅配ボックス14を施錠しておくことで、不要の物品が宅配ボックスに収納されることを抑制できる。さらに、受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとを照合することで、例えば配送ミスなど、その宅配物Xをその宅配ボックス14に収納してはいけない場合に、宅配ボックス14を開錠させずに、誤った配送先の宅配ボックスに荷物を収納することも抑制することができる。さらに、宅配ボックス14と管理システム10との情報のやり取りで開錠することができるため、受取人を介さずに、宅配物Xを宅配ボックス14に収納することができる。従って、本実施形態の宅配物管理システム1によると、受取人の不在時でも宅配物Xを適切に宅配ボックス14に収納することができる。
【0045】
また、宅配ボックス14において、情報読出し部70が、宅配物Xから、宅配物Xの情報である宅配物情報Cを読み出し、情報送信部72が、宅配物情報Cを管理システム10に送信する。管理システム10は、情報取得部44が、受取人情報Aと宅配物情報Cとを関連付ける宅配物関連情報C0を読み出す。そして、管理システム10は、宅配ボックス14から送信された受取人情報Aと宅配物情報Cとが、宅配物関連情報C0において関連付けられているかを判断する宅配物関連判断部48を有する。照合結果送信部50は、宅配物関連判断部48及び受取人関連判断部46の両方が、関連づけられていると判断した場合に、開錠信号を宅配ボックス14に送信する。本実施形態の宅配物管理システム1は、受取人情報Aと宅配ボックス情報Bとの照合に加え、さらに受取人情報Aと宅配物情報Cとの照合に基づき、開錠の可否を判断するため、受取人の不在時でも宅配物Xを適切に宅配ボックス14に収納することができる。
【0046】
また、管理システム10は、宅配物Xに付与するための、受取人情報Aと宅配物情報Cとを含む識別マークXaを生成する識別マーク生成部42をさらに有する。情報読出し部70は、宅配物Xに付与された識別マークXaを読み取ることで、受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出す。本実施形態の宅配物管理システム1は、宅配物Xに付与された識別マークXaにより受取人情報Aと宅配物情報Cとを読み出すため、照合を適切に行う事が可能となり、受取人の不在時でも宅配物Xを適切に宅配ボックス14に収納することができる。
【0047】
図8は、第1実施形態の他の例に係る宅配物管理システムの模式図である。
図1においては、宅配ボックス14のそれぞれが、撮像部22及び制御装置26を有していたが、
図8に示すように、撮像部22及び制御装置26が、複数の宅配ボックス14に対して1つ設けられていてもよい。すなわち、撮像部22及び制御装置26は、複数の宅配ボックス14に共通して設けられていてもよい。この場合、
図8に示すように、宅配ボックスユニット12aは、複数の宅配ボックス14aと、撮像部22と、制御装置26とを有する。宅配ボックス14aは、収納部20と、扉20aと、ロック部24とを有する。撮像部22と制御装置26とは、複数の宅配ボックス14aに対して共通して設けられる。
【0048】
図9は、第1実施形態の他の例に係る宅配ボックスユニットの模式図である。
図9に示すように、宅配ボックスユニット12aの制御装置26は、それぞれの宅配ボックス14aに接続され、それぞれの宅配ボックス14aのロック部24を制御する。また、制御装置26は、それぞれの宅配ボックス14aの宅配ボックス情報Bを記憶している。例えば、情報送信部72は、宅配物Xから読み出された受取人情報A及び宅配物情報Cと共に、複数の宅配ボックス14aのうち少なくとも一部の宅配ボックス14aについての、宅配ボックス情報Bを送信する。例えば、情報送信部72は、荷物が収納されていない宅配ボックス14aの宅配ボックス情報Bを送信してよい。管理システム10は、受取人関連判断部46により、情報送信部72から送信された宅配ボックス情報Bと受取人情報Aとが関連付いているかを判断する。管理システム10は、関連付いていると判断した場合に、開錠信号と共に、受取人情報Aと関連付いている宅配ボックス情報B、すなわち開錠してよい宅配ボックス14aの宅配ボックス情報Bを、送信する。制御装置26は、管理システム10から送信された宅配ボックス情報Bに割り当てられた宅配ボックス14aを、開錠する。なお、情報送信部72から送信された宅配ボックス情報Bの複数が受取人情報Aに関連付いている場合、制御装置26は、関連付いているとされた複数の宅配ボックス情報Bを取得して、そのうちの1つの宅配ボックス情報Bに割り当てられた宅配ボックス14aを開錠してよい。すなわち、例えば3つの宅配ボックス14aが受取人情報Aと関連付いている場合、制御装置26は、3つのうち1つの宅配ボックス14aを開錠してよい。
【0049】
なお、
図8及び
図9の例では、複数の宅配ボックス14aに対し、撮像部22と制御装置26との両方が1つずつ設けられる構成であったが、撮像部22が1つ設けられて、制御装置26が宅配ボックス14a毎に設けられてもよいし、制御装置26が1つ設けられて、撮像部22が宅配ボックス14a毎に設けられてもよい。すなわち、撮像部22及び制御装置26の少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14aに対して共通して設けてもよい。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、受取人が不在であることが確認された場合に宅配ボックス14を開錠する点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0051】
図10は、第2実施形態に係る宅配ボックスユニットの模式的なブロック図である。
図10に示すように、第2実施形態に係る宅配ボックスユニット12Aは、複数の宅配ボックス14Aと、不在情報検出装置15とを有する。第2実施形態に係る宅配ボックス14Aは、通知部66Aを有し、宅配ボックス14Aの制御部64Aが、照合情報取得部74Aと不在情報取得部77Aと通知制御部78Aとを有する。不在情報検出装置15は、本実施形態では部屋ごとに設けられているが、複数の部屋に共通して設けられていてもよい。
【0052】
照合情報取得部74Aは、管理システム10の照合結果送信部50から、開錠信号と共に、受取人の部屋番号情報A3も取得する。管理システム10の照合結果送信部50は、照合が取れている場合に、受取人関連情報A0から、受取人情報Aに関連付けられている部屋番号情報A3を読み出し、開錠信号と共に、読み出した部屋番号情報A3を送信する。宅配ボックス14Aの照合情報取得部74Aは、照合結果送信部50から送信された部屋番号情報A3を取得したら、例えば通信部60を介して不在情報検出装置15と通信を行い、不在情報検出装置15に対して、受取人が不在か否かを示す不在情報を取得する指令を送信する。例えば、宅配ボックス14Aの記憶部62は、部屋番号と不在情報検出装置15の通信アドレスとを対応付けた情報を記憶しておき、部屋番号情報A3に基づき、その部屋番号と関連付いた通信アドレスの不在情報検出装置15に対し、不在情報を取得する指令を送信する。また、不在情報検出装置15が複数の部屋に共通であれば、照合情報取得部74Aは、不在情報検出装置15に対し、部屋番号情報A3と、不在情報を取得する指令とを送信してよい。この場合、不在情報検出装置15は、部屋番号情報A3に示された部屋の不在情報を検出する。なお、宅配ボックス14Aと不在情報検出装置15との通信形式は、Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信や、イーサネット(登録商標)回線で接続されたローカルエリアネットワークの通信などが好ましいが、ネットワーク16を介したインターネット回線による通信であってもよいし、それらに限られず任意の通信形式であってよい。
【0053】
不在情報検出装置15は、宅配ボックス14Aから、不在情報を取得する指令を取得する。不在情報検出装置15は、部屋番号情報A3に示されている部屋番号に受取人が不在であるかを確認する。例えば、不在情報検出装置15は、照度センサを備え、照度センサが検出した部屋の照度が所定の閾値未満である場合は、不在と判断し、照度が所定の閾値以上である場合は、不在でない、すなわち在宅と判断する。また、不在情報検出装置15は、電気使用量を検出する電気使用量センサを備え、電気使用量センサが検出した電気使用量が所定の閾値未満である場合は、不在と判断し、電気使用量が所定の閾値以上である場合は、在宅と判断してもよい。また、電気使用量センサが、電気使用量の最大値と最小値とを時間毎に所定期間(例えば1週間)モニタリングしておき、現在の電気使用量と、その時間帯における最大値と最小値とを比較し、最小値に近ければ不在と判断し、最大値に近ければ在宅と判断してもよい。また、不在情報検出装置15は、音量検出センサ、すなわちマイクを備え、音量検出センサが検出した音量、すなわち音圧値(デシベル)を検出し、検出した音圧値が所定の閾値未満である場合は、不在と判断し、閾値以上である場合は、在宅と判断としてもよい。不在情報検出装置15は、これら3つのセンサの少なくとも1つを備えていてよい。例えば、3つのセンサ全てを備える場合、不在情報検出装置15は、2つ以上のセンサが不在とした場合に、受取人が不在であるとの判断を行ってよい。ただし、不在情報検出装置15の不在の検出方法は、これらの方法に限られず任意である。例えば、不在と在宅とを切り替えるボタン(スイッチ)を受取人が操作し、不在情報検出装置15が不在と在宅との切り替えを検出することで、受取人が在宅または不在であるかを判断してもよい。
【0054】
不在情報検出装置15は、以上のように検出した受取人が不在であるか在宅であるかの情報を、不在情報として宅配ボックス14Aに送信する。宅配ボックス14Aの不在情報取得部77Aは、不在情報検出装置15から、不在情報を取得する。
【0055】
宅配ボックス14Aのロック制御部76は、開錠信号を受け取り、かつ、不在情報取得部77Aが取得した不在情報が、受取人不在である旨の情報である場合、宅配ボックス14Aを開錠する。宅配ボックス14Aのロック制御部76は、開錠信号を受けとった場合でも、不在情報が受取人在宅である旨の情報である場合には、宅配ボックス14Aを開錠せず施錠を保ってよい。
【0056】
また、宅配ボックス14Aの通知制御部78Aは、不在情報取得部77Aが取得した不在情報が、受取人在宅である旨の情報である場合、通知部66Aを制御して、通知部66Aに、受取人が在宅である旨の通知を行わせる。通知部66Aは、例えば、LEDなどの光源であってよく、在宅である場合に点灯するものであってよい。また、通知部66Aは、例えば表示装置であってよく、在宅である旨の表示を行ってよい。また、通知部66Aは、例えばスピーカであってよく、在宅である旨を音声で通知してもよい。ただし、通知部66Aは、在宅である旨を通知可能であれば任意の機構であってよい。配送業者は、通知部66Aによる在宅である旨の通知を確認して、部屋の呼び鈴を鳴らしてよいし、例えば不在情報検出装置15が、配達報知部によって、配送業者の操作なしに、受取人に配達が来たことを知らせるようにしてもよい。
【0057】
次に、第2実施形態における処理フローを説明する。
図11は、第2実施形態の処理フローを説明するフローチャートである。
図11に示すように、管理システム10は、照合OKであるかを判断する(ステップS50)。このステップS50は、
図6のステップS22と同じ処理であり、
図11のステップS50までの処理は、
図6のステップS22までの処理と同じである。照合OKである場合(ステップS50;Yes)、管理システム10は、照合結果送信部50により、開錠信号と部屋番号とを、宅配ボックス14Aに送信する(ステップS52)。一方、照合OKでない場合(ステップS50;No)、管理システム10は、照合結果送信部50により、開錠不許可信号を、宅配ボックス14Aに送信する(ステップS54)。
【0058】
宅配ボックス14Aは、開錠信号と部屋番号とを取得した場合、照合情報取得部74Aにより、不在情報検出装置15に不在情報の検出指令を送信して、不在情報取得部77Aにより、不在情報検出装置15から、不在情報を取得する(ステップS58)。不在情報検出装置15は、この指令を受け取ったら、部屋に受取人が不在であるかを検出する。不在情報検出装置15は、検出結果、すなわち受取人が不在か在宅かを示す不在情報を、宅配ボックス14Aに送信する。不在情報において受取人が不在である場合(ステップS60;Yes)、宅配ボックス14Aは、ロック制御部76により、宅配ボックス14Aを開錠する(ステップS62)。一方、不在情報において受取人が不在でない(ステップS60;No)、すなわち在宅である場合、宅配ボックス14Aは、通知制御部78Aにより、在宅である旨を通知する(ステップS64)。また、ステップS54において開錠不許可信号が送信された場合、宅配ボックス14Aは、開錠せず、施錠を保つ(ステップS56)。
【0059】
以上説明したように、第2実施形態に係る宅配ボックス14Aは、受取人が不在であるかの不在情報を取得する不在情報取得部77Aをさらに有する。ロック制御部76は、開錠信号を受信した場合において、不在情報取得部77Aが不在であるとの情報を取得した際に、開錠する。ここで、通常、宅配業者は、受取人が在宅かどうかを、呼び鈴などの手段を用いて確認し、不在の場合に宅配ボックスに収納することが一般的である。しかしこの場合、受取人が在宅であるか不在であるかが容易に確認されることとなるため、不在であるかに関わらず、常に宅配ボックスに宅配物Xを収納することも考えられる。ただし、住居によっては、部屋の数に対して宅配ボックスの数が少ないなどの場合があるため、適切に宅配物Xを収納できない場合がある。それに対し、第2実施形態に係る宅配ボックス14Aは、照合が取れて開錠信号を取得し、かつ、不在であるかと確認された場合に、開錠する。従って、在宅の場合に宅配ボックスが使用される可能性を低減して、宅配ボックス14Aを有効に利用できる。
【0060】
また、宅配ボックス14は、開錠信号を受信した場合において、不在情報取得部77Aが在宅との情報を取得した際には、受取人が在宅である旨の情報を通知する通知制御部78Aをさらに有する。第2実施形態に係る宅配ボックス14Aは、照合が取れて開錠信号を取得した場合に、在宅である場合には、在宅である旨を通知する。従って、在宅の場合に宅配ボックスが使用される可能性を低減して、宅配ボックス14Aを有効に利用できる。
【0061】
なお、第2実施形態においても、
図8及び
図9で示したものと同様に、撮像部22及び制御装置26Aの少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14Aに対して共通して設けてもよい。
【0062】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、宅配ボックスに宅配物Xが収納された後に受取人が宅配物Xを取り出す際に、受取人の生体情報に基づき開錠を行う点で、第1実施形態とは異なる。第3実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。なお、第3実施形態の構成は、第2実施形態にも組み合わせ可能である。
【0063】
図12は、第3実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。
図13は、第3実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。
図12に示すように、第3実施形態に係る管理システム10Bは、制御部34Bが、情報登録部40Bと受取判断部52Bとを有する。
図13に示すように、情報登録部40Bは、受取人関連情報A0において、受取人情報Aに対し、生体情報Dを関連付けて登録する。生体情報Dは、受取人情報Aが割り当てられた受取人の生体情報であり、受取人毎に異なる内容となる。生体情報Dは、本実施形態では受取人の虹彩データである。ただし、生体情報Dは、生体に関する情報であれば虹彩データに限られず任意であり、例えば指紋データや顔データであってよい。
【0064】
情報登録部40Bは、例えば、新たな受取人が管理システム10Bを利用して宅配物Xを受け取るよう申込みをした場合、受取人の生体に関する情報、ここでは目を撮像した画像データを取得する。情報登録部40Bは、受取人の目の画像データに基づき、受取人の虹彩の特徴量を解析して、虹彩の特徴量を、例えば記号や数値などにコード化する。情報登録部40Bは、このコード化した受取人の虹彩の特徴量を、生体情報Dとして、受取人情報Aに関連付けて受取人関連情報A0として登録する。情報登録部40Bは、受取人の目の画像データから、例えば、Daugmanアルゴリズムを用いて、虹彩のパターンをビットコードに変換して、生体情報Dを生成する。ただし、生体情報Dの生成方法はこれに限られず任意である。
【0065】
以上が、受取人関連情報A0に生体情報Dを登録するまでの処理である。次に、第3実施形態において、宅配ボックス14から受取人が宅配物Xを受け取る際に、生体情報Dを用いて開錠の可否を決める処理について説明する。
【0066】
図14は、第3実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。
図14に示すように、宅配ボックス14は、撮像部22により、受取人を撮像して(ステップS70)、情報読出し部70により、撮像部22が撮像した受取人の画像から、受取人の生体情報Dを読み出す(ステップS72)。本実施形態では、受取人は、宅配ボックス14に収納されている宅配物Xを受け取る際に、目を宅配ボックス14の撮像部22に近づける。撮像部22は、受取人の目を撮像する。情報読出し部70は、撮像部22が撮像した受取人の目の画像データを取得し、受取人の目の画像データから、受取人の生体情報Dを読み出す。情報読出し部70は、受取人の目の画像データに基づき、受取人の虹彩の特徴量を解析して、虹彩の特徴量をコード化して、生体情報Dとして読み出す。このように、情報読出し部70が目の画像データを生体情報Dとして読み出す方法、すなわち画像データの変換方法は、情報登録部40Bによる方法と同様である。また、宅配ボックス14は、宅配物Xを宅配ボックス14に収納した際に読み出した宅配物Xの宅配物情報Cを、記憶部62に記憶させている。情報読出し部70は、受取人から生体情報Dを読み出すと共に、記憶部62から宅配物Xの宅配物情報Cを読み出す。宅配ボックス14は、情報送信部72により、読み出した宅配物情報Cと生体情報Dとを、管理システム10Bに送信する(ステップS74)。以下、宅配ボックス14が受取人から読み出した生体情報Dを、照合生体情報と記載する。また、管理システム10Bにおいて受取人関連情報A0として登録されている生体情報Dを、ベース生体情報と記載する。
【0067】
管理システム10Bは、情報取得部44により、宅配ボックス14から送信された宅配物情報Cと照合生体情報とを取得する。管理システム10Bは、受取判断部52Bにより、取得した宅配物情報Cに基づき受取人情報Aを読み出す(ステップS76)。受取判断部52Bは、宅配ボックス14からの宅配物情報Cと一致する宅配物情報Cを、宅配物関連情報C0から抽出する。そして、宅配物情報Cは、宅配物関連情報C0において抽出した宅配物情報Cに関連付いた受取人情報Aを読み出す。そして、管理システム10Bは、受取判断部52Bにより、読み出した受取人情報Aに基づき、ベース生体情報を読み出す(ステップS78)。受取判断部52Bは、受取人関連情報A0において、読み出した受取人情報Aと一致する受取人情報Aを抽出し、受取人関連情報A0において、抽出した受取人情報Aに関連付いた生体情報D(ベース生体情報)を、読み出す。
【0068】
そして、管理システム10Bは、受取判断部52Bにより、宅配ボックス14から送信された照合生体情報、すなわち宅配ボックス14が受取人から読み出した照合生体情報と、ステップS78で受取人関連情報A0から読み出したベース生体情報との、照合を実行する(ステップS80)。受取判断部52Bは、照合生体情報の特徴量と、ベース生体情報の特徴量との類似度合いを算出し、類似度合いが所定値以上である場合、照合が取れている、すなわち、照合生体情報を読み出された受取人が、受取人関連情報A0に登録されている受取人と一致する、と判断する。受取判断部52Bは、類似度合いが所定値未満である場合、照合が取れていない、すなわち、照合生体情報を読み出された受取人が、受取人関連情報A0に登録されている受取人と一致しない、と判断する。受取判断部52Bは、生体情報Dの特徴量の類似度合いの判定方法として、例えば、照合生体情報とベース生体情報とのハミング距離を算出し、ハミング距離が所定値以上であれば照合が取れていると判断し、ハミング距離が所定値未満であれば照合が取れていないと判断する。なお、ハミング距離とは、データ数が等しい2つのデータ間で、対応する文字や数値が異なる、置換された個数を意味する。ただし、生体情報Dの照合の方法はこれに限られず任意である。
【0069】
照合OKである場合(ステップS82;Yes)、すなわち受取人から読み出した照合生体情報と受取人関連情報A0から読み出したベース生体情報の照合が取れていると判断した場合、管理システム10Bは、照合結果送信部50により、開錠信号を生成して、宅配ボックス14に送信する(ステップS84)。照合OKでない場合(ステップS82;No)、すなわち照合生体情報とベース生体情報との照合が取れていないと判断した場合、管理システム10Bは、照合結果送信部50により、開錠不許可信号を生成して、宅配ボックス14に送信する(ステップS86)。
【0070】
宅配ボックス14は、管理システム10Bから開錠信号を取得した場合は、ロック制御部76により宅配ボックス14を開錠する(ステップS88)。一方、管理システム10Bから開錠不許可信号を取得した場合、宅配ボックス14は、宅配ボックス14を開錠せず(ステップS90)、施錠の状態を保つ。
【0071】
以上説明したように、宅配物Xが宅配ボックス14内に収納された後に受取人が宅配物Xを受け取る際に、第3実施形態に係る宅配ボックス14の情報読出し部70は、受取人から照合生体情報を読み出し、情報送信部72が、照合生体情報を管理システム10Bに送信する。管理システム10Bは、情報取得部44が、宅配物Xの受取人の受取人情報Aと関連付いたベース生体情報を読み出す。受取判断部52Bは、宅配ボックス14から送信された照合生体情報とベース生体情報とを照合して、照合生体情報を読み出された受取人が宅配物Xを受け取ってよいかを判断する。照合結果送信部50は、受取判断部52Bが受け取ってよいと判断した場合に、開錠信号を宅配ボックス14に送信する。
【0072】
ここで、宅配ボックスに収納した宅配物を受け取る場合、宅配ボックスの解錠のための暗証番号が設定されていたり、宅配ボックスの開錠のためのカードキーが設けられていたりする場合がある。しかし、暗証番号が他人に知られたり、カードキーが盗難されてしまったりする場合、宅配ボックスが他人に開錠されて、宅配物が盗難されるおそれがある。それに対し、第3実施形態においては、宅配ボックス14を開錠する受取人の生体情報Dにより開錠可否を判断するため、受取人以外に開錠されるおそれを抑制して、受取人に適切に宅配物Xを受け取らせることができる。
【0073】
なお、第3実施形態においても、
図8及び
図9で示したものと同様に、撮像部22及び制御装置26の少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14に対して共通して設けてもよい。
【0074】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、宅配物Xを取り出す際に、受取人の生体情報に基づき開錠を行う点で、第1実施形態と異なる。また、宅配ボックスが生体情報の照合を行う点で、第3実施形態と異なる。第4実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0075】
図15は、第4実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
図15に示すように、第4実施形態に係る宅配ボックス14Cは、制御装置26Cの制御部64Cが、情報読出し部70Cと受取判断部78Cとを有する。第4実施形態において、管理システム10は、第3実施形態と同様に、受取人関連情報A0において、受取人情報Aに対し、生体情報D(ベース生体情報)が関連付けられている。そして、管理システム10の識別マーク生成部42は、識別マークXaCとして、受取人情報Aと宅配物情報Cとに加え、生体情報D(ベース生体情報)も含ませる。すなわち、識別マーク生成部42は、これから配送する宅配物Xについての宅配物情報Cと、その宅配物情報Cに関連付いた受取人情報Aと、その受取人情報Aに関連付いた生体情報D(ベース生体情報)とを、例えばコード化して、識別マークXaCを生成する。識別マークXaCは、宅配物Xに付与されて、受取人の住宅まで配送される。なお、第4実施形態においても、生体情報Dは、生体に関する情報であれば虹彩データに限られず任意であり、例えば指紋データや顔データであってよい。
【0076】
以下、第4実施形態において宅配ボックス14Cから受取人が宅配物Xを受け取る際の処理について説明する。
図16は、第4実施形態に係る処理フローを説明するフローチャートである。宅配業者は、宅配物Xを宅配ボックス14Cに収納する際に、宅配ボックス14Cの撮像部22に識別マークXaCにかざす。撮像部22は、識別マークXaCを撮像する。
図14に示すように、宅配ボックス14Cは、情報読出し部70Cにより、識別マークXaCから生体情報D(ベース生体情報)を読み出す(ステップS92)。情報読出し部70Cは、撮像部22が撮像した識別マークXaの画像データを取得して、識別マークXaの画像データから、受取人情報Aと宅配物情報Cとに加え、ベース生体情報を読み出す。情報読出し部70Cは、読み出したベース生体情報を、例えば宅配物情報Cと関連付けて、記憶部62に記憶させる。宅配ボックス14Cは、第1実施形態と同様の方法で管理システム10から開錠信号を受け取って開錠して、宅配物Xが収納されたら、施錠する。
【0077】
以降の処理は、受取人が宅配ボックス14Cに収納されている宅配物Xを取り出す際の処理である。受取人が宅配物Xを受け取る際に、宅配ボックス14Cは、撮像部22により、受取人を撮像する(ステップS94)。受取人は、宅配ボックス14Cに収納されている宅配物Xを取り出す際に、目を宅配ボックス14の撮像部22に近づける。撮像部22は、受取人の目を撮像する。そして、宅配ボックス14Cは、情報読出し部70Cにより、照合生体情報を読み出す(ステップS96)。情報読出し部70Cは、撮像部22が撮像した受取人の目の画像データを取得し、受取人の目の画像データから、受取人の生体情報D(照合生体情報)を読み出す。情報読出し部70Cによる受取人の照合生体情報の読出し方法は、第3実施形態と同様である。
【0078】
受取判断部78Cは、情報読出し部70Cが受取人から読み出した照合生体情報と、識別マークXaCから読み出したベース生体情報との、照合を実行する(ステップS98)。受取判断部78Cによる照合の方法は、第3実施形態の受取判断部52Bと同様である。照合が取れている場合(ステップS100;Yes)、すなわち受取人から読み出した照合生体情報と識別マークXaCから読み出したベース生体情報との照合が取れていると判断した場合、ロック制御部76は、宅配ボックス14Cを開錠する(ステップS102)。一方、照合が取れていない場合(ステップS100;No)、すなわち受取人から読み出した照合生体情報と識別マークXaCから読み出したベース生体情報との照合が取れていないと判断した場合、ロック制御部76は、宅配ボックス14Cを開錠せず施錠を続ける(ステップS104)。なお、宅配ボックス14Cは、ステップS100の照合が終了したら、ベース生体情報を記憶部62から削除することが好ましい。
【0079】
以上説明したように、第4実施形態においては、宅配ボックス14Cは、情報読出し部70Cが、宅配物Xから、受取人の生体情報Dであるベース生体情報を読み出す。また、情報読出し部70Cは、宅配物Xが宅配ボックス14C内に収納された後に受取人が宅配物Xを受け取る際に、受取人から、受取人の生体情報Dである照合生体情報を読み出す。受取判断部78Cは、照合生体情報とベース生体情報とを照合して、照合生体情報を読み出された受取人が宅配物Xを受け取ってよいかを判断する。ロック制御部76は、受取判断部78Cが受け取ってよいと判断した場合に、開錠する。第4実施形態においては、宅配ボックス14を開錠する受取人の生体情報Dにより開錠可否を判断するため、受取人以外に開錠されるおそれを抑制して、受取人に適切に宅配物Xを受け取らせることができる。さらに、宅配ボックス14Cが生体情報Dの照合を行うことで、ネットワークを介したアクセスが不要となる。
【0080】
なお、第4実施形態においても、
図8及び
図9で示したものと同様に、撮像部22及び制御装置26Cの少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14に対して共通して設けてもよい。
【0081】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態においては、受取人が宅配ボックス内の宅配物Xを受け取るまでの期間に応じてポイントを付与する点で、第1実施形態と異なる。第5実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0082】
図17は、第5実施形態に係る管理システムの模式的なブロック図である。
図17に示すように、第5実施形態に係る管理システム10Dは、制御部34Dが、情報登録部40Dとポイント付与部54Dとを有する。
【0083】
図18は、第5実施形態に係る宅配物関連情報を説明する模式図である。情報登録部40Dは、宅配物関連情報C0として、宅配物情報Cに関連付けて、配送完了日時情報C4Dを登録する。配送完了日時情報C4Dは、宅配物Xが配送を完了したタイミングを示しており、宅配物Xが宅配ボックス14内に収納された収納タイミングを示す情報である。宅配ボックス14は、例えば
図6のステップS30において開錠した後、扉20aが開かれてから扉20aが閉じられたら、施錠する。宅配ボックス14は、この施錠した日時を、収納タイミングとして、管理システム10Dに送信する。情報登録部40Dは、宅配ボックス14から送信された施錠タイミングを、配送完了日時情報C4Dとして登録する。
【0084】
また、宅配ボックス14は、受取人が宅配物Xを受け取る際に、開錠する。宅配ボックス14は、開錠した後、扉20aが開かれてから扉20aが閉じられたら、施錠する。宅配ボックス14は、この施錠した日時を、宅配物Xが宅配ボックス14から受け取られる受取タイミングとして、管理システム10Dに送信する。
【0085】
ポイント付与部54Dは、宅配ボックス14から送信された受取タイミングを取得し、宅配物関連情報C0に登録された配送完了日時情報C4D、すなわち収納タイミングを読み出す。ポイント付与部54Dは、収納タイミングから受取タイミングまでの時間を、受取時間として算出する。ポイント付与部54Dは、受取時間が所定時間未満であるかを判断し、所定時間未満である場合に、その受取人に対して所定のポイントを付与する。ポイント付与部54Dは、受取時間が所定時間未満でない場合、すなわち所定時間以上である場合に、その受取人に対してはポイントを付与しない。ここでの所定時間及び所定のポイントは、任意に設定可能である。また、ポイント付与部54Dは、受取時間に応じて付与するポイントを変更してもよい。例えば、ポイント付与部54Dは、受取時間が短いほど付与するポイントを高くしてもよく、あらかじめ定めたテーブルや関数を用いて、受け取り時間に応じたポイントを算出し付与してもよい。
【0086】
図19は、第5実施形態に係る受取人関連情報を説明する模式図である。情報登録部40Dは、受取人関連情報A0として、受取人情報Aに関連付けて、ポイント情報A4Dを登録する。ポイント情報A4Dは、関連付いた受取人情報Aの受取人に対して付与されたポイントの総数を示す。情報登録部40Dは、ポイント付与部54Dが付与した分のポイントをポイント情報A4Dに加算する。
【0087】
以上のポイント付与についての処理フローを、フローチャートに基づき説明する。
図20は、第5実施形態におけるポイント付与についての処理フローを説明するフローチャートである。
図20に示すように、管理システム10Dは、宅配ボックス14から、宅配物Xが宅配ボックス14に収納された収納タイミングを取得し(ステップS110)、宅配物Xが宅配ボックス14から取り出された受取タイミングを取得する(ステップS112)。そして、管理システム10Dは、ポイント付与部54Dにより、収納タイミングから受取タイミングまでの時間である受取時間を算出し、受取時間が所定時間未満であれば(ステップS114;Yes)、ポイントを付与し(ステップS116)、受付時間が所定時間未満でなければ(ステップS114;No)、ポイントを付与せず本処理を終了する。
【0088】
また、ポイント付与部54Dは、ポイントを還元して受取人に商品などを手配する。
図21は、第5実施形態におけるポイント還元についての処理フローを説明するフローチャートである。
図21に示すように、ポイント付与部54Dは、受取人関連情報A0からポイント情報A4Dを読み出し、その受取人のポイントを確認する。ポイント付与部54Dは、受取人のポイントを還元ポイントと比較する(ステップS120)。還元ポイントとは、商品を取得可能なポイントの値を示しており、複数設定されている。還元ポイントが高いほど、価値の高い商品が割り当てられる。ポイント付与部54Dは、受取人のポイントがポイント達成していれば(ステップS122;Yes)、すなわち受取人のポイントが還元ポイント以上であれば、受取人のポイントからその還元ポイント分のポイントを減算して(ステップS124)、受取人関連情報A0におけるポイント情報A4Dを更新する。なお、受取人のポイントが複数の還元ポイント以上である場合、例えば受取人が商品を選択して、その商品分の還元ポイントを減算してよい。そして、ポイント付与部54Dは、その還元ポイントに割り当てられた商品を手配して、その商品について宅配物関連情報C0を登録する(ステップS126)。すなわち、ポイント付与部54Dは、その還元ポイントに割り当てられた商品を宅配物Xとして登録する。一方、受取人のポイントがポイント達成していなければ(ステップS122;No)、本処理を終了する。
【0089】
以上説明したように、第5実施形態においては、管理システム10Dのポイント付与部54Dは、宅配物Xが宅配ボックス14内に収納された収納タイミングから、宅配物Xが宅配ボックス14から受け取られる受取タイミングまでの時間である受取時間を算出する。ポイント付与部54Dは、受取時間が所定時間未満である場合に、宅配物Xを受け取った受取人に対して所定のポイントを付与する。ここで、例えば集合住宅において、宅配ボックス14が入居者に対して共有されている場合、入居者は、なるべく早く宅配ボックス14から宅配物Xを回収して、他者に利用可能にすることが望ましい。それに対し、本実施形態においては、受取時間が短い場合にポイントを付与するため、入居者に対して早く宅配物Xを回収することを促し、宅配ボックス14を有効に利用することができる。
【0090】
なお、第5実施形態においても、
図8及び
図9で示したものと同様に、撮像部22及び制御装置26の少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14に対して共通して設けてもよい。
【0091】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態においては、宅配ボックスの開錠時に撮像部に撮像させる点で第1実施形態とは異なる。第6実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0092】
図22は、第6実施形態に係る宅配ボックスの模式的なブロック図である。
図23は、第6実施形態に係る宅配物管理システムの模式図である。
図22に示すように、第6実施形態に係る宅配ボックス14Eは、制御装置26Eの制御部64Eが、撮像制御部80Eを有する。撮像制御部80Eは、ロック制御部76が宅配ボックス14Eを開錠した際に、撮像部22に撮像を実行させる。撮像制御部80Eは、宅配物Xを収納する際に宅配ボックス14Xに開錠した場合に、撮像部22に撮像を実行させ、かつ、宅配物Xを取り出す際に宅配ボックス14Xに開錠した場合に、撮像部22に撮像を実行させてもよいし、いずれか一方の際に撮像部22に撮像を実行させてもよい。
【0093】
また、撮像制御部80Eは、開錠された宅配ボックス14E以外の宅配ボックス14Eの撮像部22にも、撮像を実行させることが好ましい。すなわち
図23において、例えば宅配ボックス14E1が開錠された場合、宅配ボックス14E1の撮像制御部80Eは、宅配ボックスユニット12Eの他の宅配ボックス14Eの撮像制御部80Eに指令を出して、他の宅配ボックス14Eの撮像部22にも、撮像を実行させる。撮像制御部80Eは、ネットワーク16を介して他の宅配ボックスユニットの撮像部22には撮像を実行させず、例えば互いにローカル接続されている宅配ボックスユニット12E内の宅配ボックス14Eの撮像部22に対し、撮像を実行させる。ただし、撮像制御部80Eは、少なくとも1つの宅配ボックス14の撮像部22に撮像を実行させればよい。
【0094】
図24は、第6実施形態に係る撮像処理のフローを説明するフローチャートである。
図24に示すように、宅配ボックス14Eは、開錠したら(ステップS130)、撮像制御部80Eにより、撮像部22に撮像を実行させる(ステップS132)。撮像制御部80Eは、宅配ボックスユニット12Eの全ての宅配ボックス14Eの撮像部22に、撮像を実行させる。その後、宅配ボックス14Eが施錠されたら(ステップS134;Yes)、撮像制御部80Eは、撮像部22の撮像を終了させ(ステップS136)、撮像した画像、ここでは動画像を、管理システム10に送信する(ステップS138)。宅配ボックス14Eが施錠されない場合(ステップS134;No)、ステップS132に戻り撮像を続ける。ただし、撮像を終了するトリガは、施錠に限られず、例えば所定時間経過したら撮像を終了させてもよい。
【0095】
図25は、第6実施形態に係る画像関連情報を説明する模式図である。管理システム10の情報登録部40は、画像関連情報M0を登録して、記憶部32に記憶させる。
図25に示す。画像関連情報M0は、宅配物情報Cと、撮影日時情報M1と、宅配ボックス情報Bと、画像情報M2とを関連付ける情報である。情報登録部40は、宅配ボックス14Eから撮像部22の撮像画像を取得したら、撮像画像が撮像された日時を、撮影日時情報M1として登録し、撮像部22の撮像画像のデータを、画像情報M2として登録する。例えば、宅配ボックス14Eは、撮像部22の撮像画像と撮像日時とに加え、開錠された宅配ボックス14Eに収納されていた宅配物情報Cと、宅配ボックス情報Bとも、管理システム10に送信する。情報登録部40は、これらを関連付けて、画像関連情報M0として登録する。
【0096】
以上説明したように、第6実施形態に係る宅配ボックス14Eは、撮像部22と、撮像部22の撮像を制御する撮像制御部80Eとを有する。撮像制御部80Eは、ロック制御部76が開錠した際に、撮像部22に撮像させる。ここで、セキュリティ対策を講じていても、人為的ミスなどが原因で、宅配ボックス14が他者に開錠されて、宅配物Xが持ち出されるおそれがある。それに対し、第6実施形態においては、開錠されたことをトリガとして撮像部22に撮像させることで、例えば他者が宅配物Xを持ち出した現場を撮像することが可能となり、持ち出した者を特定したり、持ち出しの抑止力としたりすることができる。
【0097】
なお、第6実施形態においても、
図8及び
図9で示したものと同様に、撮像部22及び制御装置26Eの少なくとも一方を、複数の宅配ボックス14Eに対して共通して設けてもよい。
【0098】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、各実施形態の構成を組み合わせることも可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
1 宅配物管理システム
10 管理システム
12 宅配ボックスユニット
14 宅配ボックス
20 収納部
22 撮像部
24 ロック部
26 制御装置
34 制御部
40 情報登録部
42 識別マーク生成部
44 情報取得部
46 受取人関連判断部
48 宅配物関連判断部
50 照合結果送信部
70 情報読出し部
72 情報送信部
74 照合情報取得部
76 ロック制御部
A 受取人情報
A0 受取人関連情報
B 宅配ボックス情報
C宅配物情報
C0 宅配物関連情報