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特許7476513情報処理装置、及び、情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240423BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240423BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06F3/04815
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019195411
(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公開番号】P2021068383
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 渓
(72)【発明者】
【氏名】神崎 亜実
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸大
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-156131(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159561(WO,A1)
【文献】特開2017-021656(JP,A)
【文献】特開2013-161246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
現実空間の物体に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、
前記物体に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトとして始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、
前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記現実空間における前記物体である処理装置、及び、前記現実空間において前記処理装置が行う処理工程に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記処理装置が前記処理工程を行う被対象物に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記処理工程に引き続いて行われる可能性がある他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定し、
前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記現実空間の物体が移動したことを検知した場合、前記仮想空間における前記物体オブジェクトの位置を、前記現実空間における前記物体の移動後の位置に配置させる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記他の処理工程を、前記現実空間において前記物体が前記被対象物に行った前記処理工程に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記仮想空間における前記被対象物オブジェクトの位置に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間における前記特定された他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記現実空間において前記物体が前記被対象物に行った前記処理工程に応答してユーザから他の処理工程を受け付け、
前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記仮想空間における前記被対象物オブジェクトの位置に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間における前記受け付けた他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
現実空間の物体に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、
前記物体に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトとして始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、
前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記現実空間における前記物体である処理装置、及び、前記現実空間において前記処理装置が行う処理工程に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記処理装置が前記処理工程を行う被対象物に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記処理工程に引き続いて行われる可能性がある他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定し、
前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
現実空間の印刷機に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、
前記印刷機に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、
前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させ、
前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記印刷機、及び、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに基づき特定する、
情報処理装置。
【請求項7】
前記関連オブジェクトは、始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトであり、
前記プロセッサは、
前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに使用される紙に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、
前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記印刷コンテンツに引き続いて行われる加工作業を行う加工機に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づいて特定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
現実空間の印刷機に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、
前記印刷機に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、
前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させ、
前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記印刷機、及び、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに基づき特定する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、 使用者に画像を虚像として視認させる透過型の表示装置であって、現実空間上の実物体の座標位置および形状を検出する物体検出部と、現実空間上の座標位置が設定された画像オブジェクトを、現実空間の座標系に合わせて視認させるように表示させる表示制御部と、前記画像オブジェクトを表示する表示部と、を備え、前記表示制御部は、前記画像オブジェクトを、前記実物体の座標位置および形状に合わせて制御することを特徴とする表示装置を開示する。
【0003】
特許文献2は、現実空間を表す現実画像と、仮想空間における仮想オブジェクト画像とを合成した合成画像をユーザが視認するための表示装置に出力する情報処理装置であって、現実空間上の現実物体の位置を特定する現実物体位置特定手段と、前記現実物体位置特定手段で特定された現実物体の位置の情報に基づいて、前記現実物体が移動しているか判定する移動判定手段と、前記移動判定手段で前記現実物体が移動していると判定された場合に、現実物体の存否を認識可能にするように前記現実画像と前記仮想オブジェクト画像が合成された合成画像を前記表示装置に表示させるべく出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を開示する。
【0004】
特許文献3は、現実空間の3次元空間構造を解析して仮想空間を認識し、仮想空間上の装置の位置情報を取得する仮想空間認識部と、前記仮想空間に配置するオブジェクトおよび前記オブジェクトの位置情報を記憶している記憶部と、前記仮想空間に配置された前記オブジェクトを表示装置に表示させる表示部と、前記表示装置の装置情報を検出する検出部と、前記装置情報に基づいて、前記オブジェクトに対して所定の処理を実行する実行部と、を備える、情報処理装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-026286号公報
【文献】特開2016-122392号公報
【文献】特開2011-186536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複合現実を生成する情報処理装置では、現実空間で物体(例えば、連帳機)が移動したときに、物体に関連付けられて表示されるべき、仮想空間での関連オブジェクト(例えば、エラー・メッセージ)を、現実空間での移動後の物体の位置に対応する、仮想空間での位置に表示するための設定が必要となる。
【0007】
本発明の目的は、現実空間で物体が移動したときであっても、物体に関連付けられて表示されるべき関連オブジェクトを、現実空間での移動後の物体の位置に対応する仮想空間での位置に表示する際の設定作業を減らすことができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決すべく、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、現実空間の物体に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、前記物体に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトとして始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記現実空間における前記物体である処理装置、及び、前記現実空間において前記処理装置が行う処理工程に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記処理装置が前記処理工程を行う被対象物に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記処理工程に引き続いて行われる可能性がある他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定し、前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させる。
【0009】
第2態様に係る情報処理装置では、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記仮想空間における前記物体オブジェクトの位置を、前記現実空間における前記物体の移動に配置させる。
【0013】
態様に係る情報処理装置は、第1態様または第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記他の処理工程を、前記現実空間において前記物体が前記被対象物に行った前記処理工程に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記仮想空間における前記被対象物オブジェクトの位置に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間における前記特定された他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定する。
【0014】
態様に係る情報処理装置は、第1態様または第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記現実空間において前記物体が前記被対象物に行った前記処理工程に応答してユーザから他の処理工程を受け付け、前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記仮想空間における前記被対象物オブジェクトの位置に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間における前記受け付けた他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定する。
【0017】
態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、現実空間の物体に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、前記物体に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトとして始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記現実空間における前記物体である処理装置、及び、前記現実空間において前記処理装置が行う処理工程に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記処理装置が前記処理工程を行う被対象物に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記処理工程に引き続いて行われる可能性がある他の処理工程を行う他の物体に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づき特定し、前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させる。
第6態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、現実空間の印刷機に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、前記印刷機に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させ、前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記印刷機、及び、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに基づき特定する。
第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記関連オブジェクトは、始点から終点へ向かう方向を示す矢印オブジェクトであり、前記プロセッサは、前記矢印オブジェクトの始点の位置を、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに使用される紙に対応する前記仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報に基づき特定し、前記矢印オブジェクトの終点の位置を、前記現実空間において前記印刷コンテンツに引き続いて行われる加工作業を行う加工機に対応する前記仮想空間における他の物体オブジェクトの位置に基づいて特定する。
第8態様に係る情報処理プロラムは、コンピュータに、現実空間の印刷機に対応する、仮想空間における物体オブジェクトを生成し、前記印刷機に対応付けて表示される、仮想空間における関連オブジェクトを、前記物体オブジェクトの少なくとも一部分に関連付け、前記仮想空間上で前記物体オブジェクトの移動を検知した場合は、前記関連オブジェクトと前記物体オブジェクトの相対的な位置関係を維持した状態で前記関連オブジェクトを移動させ、前記仮想空間における前記物体オブジェクトと前記関連オブジェクトとの関係を、前記印刷機、及び、前記現実空間において前記印刷機が行う印刷コンテンツに基づき特定する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
第1態様に係る情報処理装置及び第態様に係る情報処理プログラムによれば、現実空間で物体が移動したときであっても、物体に関連付けられて表示されるべき関連オブジェクトを、現実空間での移動後の物体の位置に対応する仮想空間での位置に表示する際の設定作業を減らすことができ、かつ仮想空間における物体オブジェクトに対する関連オブジェクトの関係を、仮想空間での状況に左右されることなく特定することができ、かつ矢印オブジェクトが示す方向に、被対象物オブジェクトが有する属性情報、及び、可能性がある他の物体オブジェクトの位置を反映させることができる
【0019】
第2態様に係る情報処理装置によれば、前記物体に関連付けて表示されるべき前記関連オブジェクトの位置を特定するための前記物体オブジェクトの位置を、前記物体の移動に対応付けることができる。
【0023】
態様に係る情報処理装置によれば、矢印オブジェクトが示す方向に、被対象物オブジェクトの位置、及び、特定された他の物体オブジェクトの位置を反映させることができる。
【0024】
態様に係る情報処理装置によれば、矢印オブジェクトが示す方向に、被対象物オブジェクトの位置、及び、ユーザにより特定された他の物体オブジェクトの位置を反映させることができる。
【0025】
第6態様に係る情報処理装置及び第8態様に係る情報処理プログラムによれば、現実空間で印刷機が移動したときであっても、印刷機に関連付けられて表示されるべき関連オブジェクトを、現実空間での移動後の印刷機の位置に対応する仮想空間での位置に表示する際の設定作業を減らすことができる。
【0026】
第7態様に係る情報処理システムによれば、矢印オブジェクトが示す方向に、現実空間において印刷機が行う印刷コンテンツに使用される紙に対応する仮想空間における被対象物オブジェクトの属性情報、及び現実空間において印刷コンテンツに引き続いて行われる加工作業を行う加工機に対応する仮想空間における他の物体オブジェクトの位置を反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態1の情報処理装置の構成を示す。
図2】実施形態1の情報処理装置の機能ブロック図である。
図3】実施形態1の現実空間の一例を示す。
図4】実施形態1の仮想空間の一例を示す。
図5】実施形態1の仮想空間の一例を示す。
図6】実施形態1の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施形態1の現実空間(移動前)の一例を示す。
図8】実施形態1の現実空間(移動後)の一例を示す。
図9】実施形態1の仮想空間(移動前)の一例を示す。
図10】実施形態1の仮想空間(移動後)の一例を示す。
図11】実施形態1の複合空間(移動後)の一例を示す。
図12】実施形態2の現実空間の一例を示す。
図13】実施形態2の仮想空間の一例を示す。
図14】実施形態2の複合空間の一例を示す。
図15】実施形態2の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図16】実施形態2の現実空間(移動前)の一例を示す。
図17】実施形態2の現実空間(移動後)の一例を示す。
図18】実施形態2の仮想空間(移動前)の一例を示す。
図19】実施形態2の仮想空間(移動後)の一例を示す。
図20】実施形態2の複合空間(移動後)の一例を示す。
図21】実施形態3の情報処理装置の機能ブロック図である。
図22】実施形態3の記憶媒体に記憶されたテーブルを示す。
図23】実施形態3の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。
図24】実施形態3の現実空間(処理前)の一例を示す。
図25】実施形態3の現実空間(処理後)の一例を示す。
図26】実施形態3の仮想空間(処理前)の一例を示す。
図27】実施形態3の仮想空間(処理後の前半)の一例を示す。
図28】実施形態3の仮想空間(処理後の後半)の一例を示す。
図29】実施形態3の複合空間(処理後)の一例を示す。
図30】実施形態4の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図31】実施形態4の仮想空間(処理後)の一例を示す。
図32】実施形態4の複合空間(処理後の前半)の一例を示す。
図33】実施形態4の複合空間(処理後の後半)の一例を示す。
図34】実施形態4の仮想空間(選択後)の一例を示す。
図35】実施形態4の複合空間(選択後)の一例を示す。
図36】実施形態5の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図37】実施形態5の現実空間の一例を示す。
図38】実施形態5の仮想空間の一例を示す。
図39】実施形態5の複合空間の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〈実施形態1〉
以下、本発明に係る情報処理装置の実施形態1について説明する。
【0029】
〈実施形態1の構成〉
図1は、実施形態1の情報処理装置JSの構成を示す。実施形態の情報処理装置JSは、例えば、ヘッド・マウント・ディスプレイの一種であるMR(Mixed Reality:複合現実)デバイスである。情報処理装置JSは、現実空間GKでの物体である、例えば、連帳機RT(図3に図示。)と、仮想空間KKにおける、物体に対応する物体オブジェクトである、例えば、連帳機オブジェクトRTobj(図4に図示。)とを複合し、即ち、重ね合わせる。これにより、情報処理装置JSは、複合空間FK(図5に図示。)を生成する。情報処理装置JSは、複合空間FKを生成すべく、図1に示されるように、入力部1と、CPU2(Central Processing Unit)と、出力部3と、記憶媒体4と、メモリ5と、を含む。
【0030】
入力部1は、例えば、画像センサ、カメラ、タッチパネルから構成される。CPU2は、プロセッサの一例であり、ソフトウェアに従ってハードウェアを動作させる、よく知られたコンピュータの中核である。出力部3は、例えば、透過型ディスプレイから構成される。記憶媒体4は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)から構成される。メモリ5は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)から構成される。
【0031】
記憶媒体4は、図1に示されるように、プログラムPRを記憶する。プログラムPRは、情報処理装置JSが実行すべき処理の内容を規定する命令群である。
【0032】
図2は、実施形態1の情報処理装置JSの機能ブロック図である。実施形態1の情報処理装置JSは、図2に示されるように、取得部11と、検出部12と、生成部13と、更新部14と、複合部15と、制御部16と、記憶部17と、を含む。
【0033】
情報処理装置JSにおける、ハードウェアの構成と機能的構成との関係については、ハードウェア上で、CPU2が、記憶媒体4(記憶部17の一部の機能を実現する。)に記憶されたプログラムPRを、メモリ5(記憶部17の他の一部の機能を実現する。)を用いつつ実行すると共に、必要に応じて、制御部16として、入力部1及び出力部3の動作を制御することにより、取得部11、検出部12、生成部13、更新部14、及び複合部15の各部の機能を実現する。各部の機能については、後述する。
【0034】
CPU2による各部の実現は、情報処理装置JS内で行われることに代えて、例えば、外部のサーバ(図示せず。)で行われても良い。
【0035】
図3は、実施形態1の現実空間GKの一例を示す。図4は、実施形態1の仮想空間KKの一例を示す。図5は、実施形態1の複合空間FKの一例を示す。
【0036】
現実空間GKは、実際の空間である。現実空間GKには、図3に示されるように、例えば、物体である、連帳機RT及び複数のロール紙RS1~RS3が、存在する。
【0037】
仮想空間KKは、情報処理装置JSが生成する仮想の空間である。仮想空間KKには、図4に示されるように、情報処理装置JSが生成する、現実空間GKでの連帳機RTに対応する仮想オブジェクト、即ち、物体オブジェクトである連帳機オブジェクトRTobj、及び、現実空間GKでの連帳機RTに関連付けて表示されるべき仮想オブジェクトである関連オブジェクト、即ち、メッセージ・オブジェクトMGobjが、存在する。
【0038】
連帳機オブジェクトRTobjは、後述されるように、メッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置を情報処理装置JSが算出するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができる必要がなく、視認されない。
【0039】
他方で、メッセージ・オブジェクトMGobjは、情報処理装置JSのユーザの操作に供すべく、視認することができることが望ましい。しかも、仮想空間KK内でのメッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置は、仮想空間KK内での連帳機オブジェクトRTobjの座標位置との相対的な関係で特定される。
【0040】
例えば、仮想空間KK内での連帳機オブジェクトRTobjの座標位置が(xa、yb、zc)であることを想定すると(図示せず。)、仮想空間KK内でのメッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置は、(xa、yb+m、zc)により特定される。ここで、mは、任意の数値である。以下の説明では、m=5であることを前提とする。
【0041】
以下の説明では、輪郭線が「点線」で描かれたオブジェクトは、「視認することができない」ことを意味する。
【0042】
情報処理装置JSは、現実空間GK内の連帳機RT及び複数のロール紙RS1~RS3(図3に図示。)と、仮想空間KK内の連帳機オブジェクトRTobj及びメッセージ・オブジェクトMGobj(図4に図示。)とを複合することにより、即ち、重ね合わせることにより、複合空間FK(図5に図示。)を生成する。複合空間FKは、上記した出力部3である透過型ディスプレイを通じてユーザが認識する空間である。生成された複合空間FKには、情報処理装置JSのユーザが視認することができる、連帳機RT、複数のロール紙RS1~RS3、及びメッセージ・オブジェクトMGobjが、存在する。即ち、複合空間FKでは、連帳機オブジェクトRTobjは、情報処理装置JSのユーザには視認されない。
【0043】
〈実施形態1の動作〉
図6は、実施形態1の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。図7は、実施形態1の現実空間(移動前)の一例を示す。図8は、実施形態1の現実空間(移動後)の一例を示す。図9は、実施形態1の仮想空間(移動前)の一例を示す。図10は、実施形態1の仮想空間(移動後)の一例を示す。図11は、実施形態1の複合空間(移動後)の一例を示す。
【0044】
以下、実施形態1の情報処理装置JSの動作について、図6のフローチャート、及び、図7図11を参照して説明する。
【0045】
説明及び理解を容易にすべく、現実空間GK内で連帳機RTのみが移動することを想定する。また、連帳機RTに関連付けて表示されるべき、換言すれば、連帳機RTの近傍に表示されるべきメッセージ・オブジェクトMGobjが、複合空間FK内で連帳機オブジェクトRTobjの近傍(y軸方向について、+5の座標位置)に表示されるべきであることがユーザにより予め指定されていることを想定する。
【0046】
ステップS11:情報処理装置JSでは、CPU2(図1に図示。)は、取得部11(図2に図示。)として、従来知られた方法により、図7に示される現実空間GKをスキャンし、即ち、例えば、カメラである入力部1により撮影する。より詳しくは、CPU2は、現実空間GKでZ軸方向に沿って、現実空間GK内の連帳機RT及び複数のロール紙RS1~RS3の形体(外形)及び座標位置を取得する。
【0047】
ここで、CPU2は、例えば、連帳機RTの形体「X軸方向に長い形状」を取得する。CPU2は、また、例えば、現実空間GK内での連帳機RTの座標位置(X10、Y10、Z10)を取得する。CPU2は、複数のロール紙RS1~RS3の形体(外形)及び座標位置についても、連帳機RTと同様に、形体及び座標位置を取得する。
【0048】
ステップS12:ステップS11で、連帳機RTの形体「X軸方向に長い形状」及び座標位置(X10、Y10、Z10)、並びに、複数のロール紙RS1~RS3の形体及び座標位置が取得されると、CPU2は、生成部13(図2に図示。)として、図9に示されるように、仮想空間KKを生成する。
【0049】
仮想空間KKは、ステップS11でのスキャンにより取得された物体の全てに対応するオブジェクトを含む。より具体的には、仮想空間KKは、連帳機RTに対応するオブジェクトである連帳機オブジェクトRTobj、及び、複数のロール紙RS1~RS3に対応するオブジェクトである複数のロール紙オブジェクトRS1obj~R3objを含む。
【0050】
連帳機オブジェクトRTobjは、連帳機RTと対応付けられており、例えば、連帳機RTの形状(類似する形状を含む。)、座標位置、IPアドレス、及び、機種名等の情報を有する。
【0051】
複数のロール紙オブジェクトRS1obj~R3objも、同様に、それぞれ、複数のロール紙RS1~RS3と対応付けられており、例えば、複数のロール紙RS1~RS3の形状(類似する形状を含む。)、座標位置、及び、製品名等の情報を有する。
【0052】
CPU2は、また、生成部13として、メッセージ・オブジェクトMGobj(図9に図示なし。)を連帳機オブジェクトRTobjの少なくとも一部分に関連付けるという関連付けを生成する。
【0053】
ステップS13:ステップS12で、仮想空間KKが生成されると、CPU2は、検出部12(図2に図示。)として、現実空間GK内での物体である連帳機RT及び複数のロール紙RS1~RS3が移動したか否かを検出する。ここで、上記したように、また、図7及び図8の白抜きの矢印に示されるように、連帳機RTが移動している。その結果、CPU2は、形体「X軸方向に長い形状」が移動した事実を検出し、換言すれば、連帳機RTが移動した事実を検出することから、「YES」に進む。
【0054】
ステップS14:ステップS13で、現実空間GKでの連帳機RTの移動が検出されると、図10に示されるように、CPU2は、取得部11として、仮想空間KK内における連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x11、y11、z11)を取得する。
【0055】
ここで、連帳機オブジェクトRTobjは、CPU2により、連帳機RTの移動に連動して移動している。連帳機オブジェクトRTobjは、上記したような、連帳機RTの移動に連動して移動することに代えて、ユーザの手動による操作、例えば、座標位置の入力により、ユーザが希望する位置に配置されてもよい。連帳機オブジェクトRTobjは、また、上記したような、連帳機RTの移動に連動して移動すること、及び、ユーザの手動により座標位置を調整することの両方が併用されることにより、連帳機RTの移動に沿いつつ、ユーザの希望が反映された位置に配置されてもよい。
【0056】
ステップS15:ステップS14で、仮想空間KK内での連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x11、y11、z11)が検出されると、CPU2は、更新部14(図2に図示。)として、図10に示されるように、仮想空間KK内で、CPU2は、更新部14として、移動後の連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x11、y11、z11)に基づき、メッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置を更新し、即ち、特定する。これにより、CPU2は、メッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置(x11、y11+5、z11)を取得する。換言すれば、CPU2は、仮想空間KKにおける座標位置(x11、y11+5、z11)に、メッセージ・オブジェクトMGobjを配置し、更に換言すれば、連帳機オブジェクトRTobjとメッセージ・オブジェクトMGobjとの相対的な位置関係を維持した状態で、メッセージ・オブジェクトMGobjを移動させる。
【0057】
ここで、メッセージ・オブジェクトMGobjは、CPU2による座標位置の更新に代えて、または、CPU2による座標位置の更新と共に、ユーザの手動による操作、例えば、座標位置の入力が行われてもよい。これにより、メッセージ・オブジェクトMGobjは、上記した座標位置(x11、y11+5、z11)に代えて、または、上記した座標位置(x11、y11+5、z11)を調整して、例えば、座標位置(x11、y11+7、z11)、(x11-3、y11+5、z11)に配置されてもよい。
【0058】
ステップS16:ステップS15で、仮想空間KK内でのメッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置(x11、y11+5、z11)が取得されると、CPU2は、複合部15(図2に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT及び複数のロール紙RS1~RS3(図8に図示。)、並びに、仮想空間KK内での連帳機オブジェクトRTobj及びメッセージ・オブジェクトMGobj(図10に図示。)を複合することにより、図11に示される複合空間FKを生成する。
【0059】
生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、複数のロール紙RS1~RS3、及びメッセージ・オブジェクトMGobj、並びに、視認することができない連帳機オブジェクトRTobjが、存在する(図11では、視認することができない連帳機オブジェクトRTobjを図示せず。)。
【0060】
実施形態1では、上述したように、現実空間GK内で連帳機RTが移動した場合に、仮想空間KK内でメッセージ・オブジェクトMGobjを表示するときの設定作業が削減される。即ち、仮想空間KKでのメッセージ・オブジェクトMGobjの座標位置が、仮想空間KKでの連帳機オブジェクトRTobjの座標位置から直ちに特定される。
【0061】
〈実施形態2〉
実施形態2の情報処理装置について説明する。
【0062】
〈実施形態2の構成〉
実施形態2の情報処理装置JSの構成は、図1及び図2に示される、実施形態1の情報処理装置JSの構成と同一である。
【0063】
〈実施形態2の動作〉
実施形態2の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSと異なり、関連オブジェクトである「メッセージ・オブジェクトMGobj」(例えば、図4に図示。)を表示することに代えて、関連オブジェクトである「矢印オブジェクトYJobj」(例えば、図13に図示。)を表示する。
【0064】
図12は、実施形態2の現実空間の一例を示す。図13は、実施形態2の仮想空間の一例を示す。図14は、実施形態2の複合空間の一例を示す。
【0065】
実施形態2の現実空間GKには、図12に示されるように、物体である連帳機RT、及び、他の物体である加工機KAが、存在する。
【0066】
実施形態2の仮想空間KKには、図13に示されるように、情報処理装置JSが生成する、連帳機RTに対応する仮想オブジェクトである、即ち、物体オブジェクトである連帳機オブジェクトRTobjと、情報処理装置JSが生成する、加工機KAに対応する仮想オブジェクト、即ち、他の物体オブジェクトである加工機オブジェクトKAobjと、情報処理装置JSが生成する、関連オブジェクトである矢印オブジェクトYJobjが、存在する。
【0067】
連帳機オブジェクトRTobj及びロール紙オブジェクトRSobjは、矢印オブジェクトYJobjの座標位置を情報処理装置JSが算出するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができる必要が無く、視認されない。
【0068】
矢印オブジェクトYJobjは、現実空間GKにおける始点である連帳機RTから、現実空間GKにおける終点である加工機KAへ向かう方向を示すオブジェクトである。矢印オブジェクトYJobjは、情報処理装置JSのユーザの便宜のために視認することができることが望ましい。矢印オブジェクトYJobjの始点は、連帳機オブジェクトRTobjの座標位置により特定され、他方で、矢印オブジェクトYJobjの終点は、加工機オブジェクトKAobjの座標位置により特定される。
【0069】
情報処理装置JSは、現実空間GKでの連帳機RT及び加工機KA(図12に図示。)と、仮想空間KKでの連帳機オブジェクトRTobj、加工機オブジェクトKAobj、及び矢印オブジェクトYJobj(図13に図示。)とを複合することにより、視認することができる、連帳機RT、加工機KA、及び、矢印オブジェクトYJobj、並びに、視認することができない、連帳機オブジェクトRTobj及び加工機オブジェクトKAobjが存在する複合空間FK(図14に図示。)を生成する。即ち、複合空間FKでは、連帳機オブジェクトRTobj及び加工機オブジェクトKAobjは、情報処理装置JSのユーザには視認されない。
【0070】
図15は、実施形態2の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。図16は、実施形態2の現実空間(移動前)の一例を示す。図17は、実施形態2の現実空間(移動後)の一例を示す。図18は、実施形態2の仮想空間(移動前)の一例を示す。図19は、実施形態2の仮想空間(移動後)の一例を示す。図20は、実施形態2の複合空間(移動後)の一例を示す。
【0071】
以下、実施形態2の情報処理装置JSの動作について、図15のフローチャート、及び、図16図20を参照して説明する。
【0072】
説明及び理解を容易にすべく、現実空間GK内で、連帳機RT及び加工機KAが移動し、これらの移動と共に、矢印オブジェクトYJobjも移動する必要があることを想定する。
【0073】
ステップS21:情報処理装置JSでは、CPU2(図1に図示。)は、取得部11(図2に図示。)として、実施形態1のステップS11と同様に、図16に示される現実空間GKをスキャンする。より詳しくは、CPU2は、現実空間GKでZ軸方向に沿って、現実空間GK内の連帳機RT及び加工機KAの形体(外形)及び座標位置を取得する。ここで、CPU2は、連帳機RTについて、例えば、形体「X軸方向に長い形状」及び座標位置(X20、Y20、Z20)を取得する。CPU2は、加工機KAについて、例えば、形体「X軸方向に長い直方体」及び座標位置(X30、Y30、Z30)を取得する。
【0074】
ステップS22:ステップS22で、連帳機RTの形体「X軸方向に長い形状」及び座標位置(X20、Y20、Z20)、並びに、加工機KAの形体「X軸方向に長い直方体」及び座標位置(X30、Y30、Z30)が取得されると、CPU2は、生成部13(図2に図示。)として、図18に示されるように、仮想空間KKを生成する。
【0075】
仮想空間KKは、ステップS21でのスキャンにより取得された物体の全てに対応するオブジェクトを含む。より具体的には、仮想空間KKは、連帳機RTに対応するオブジェクトである連帳機オブジェクトRTobj、及び、加工機KAに対応するオブジェクトである加工機KAobjを含む。
【0076】
ステップS23:ステップS22で、仮想空間KKが生成されると、CPU2は、検出部12(図2に図示。)として、実施形態1のステップS12と同様に、現実空間GK内で、連帳機RT及び加工機KAの少なくともいずれかが移動したか否かを検出する。ここで、上記したように、また、図16及び図17の2つの白抜きの矢印に示されるように、連帳機RT及び加工機KAの両方が移動している。その結果、CPU2は、形体「X軸方向に長い形状」が移動した事実を検出し、換言すれば、連帳機RTが移動した事実を検出する。同様に、CPU2は、形体「X軸方向に長い直方体」が移動した事実を検出し、換言すれば、加工機KAが移動した事実を検出する。前記した2つの事実の検出により、「YES」に進む。
【0077】
ステップS24:ステップS23で、現実空間GKでの連帳機RT及び加工機KAの移動が検出されると、CPU2は、取得部11として、図19に示されるように、仮想空間KK内における連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x21、y21、z21)、及び、加工機オブジェクトKAobjの座標位置(x31、y31、z31)を取得する。
【0078】
ステップS25:ステップS24で、仮想空間KK内で、連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x21、y21、z21)及び加工機オブジェクトKAobjの座標位置(x31、y31、z31)が取得されると、CPU2は、更新部14(図2に図示。)として、図19に示されるように、仮想空間KK内で、連帳機オブジェクトRTobjの座標位置(x21、y21、z21)及び加工機オブジェクトKAobjの座標位置(x31、y31、z31)に基づき、矢印オブジェクトYJobjの座標位置を更新する。これにより、CPU2は、矢印オブジェクトYJobjの始点ST(x21、y21、z21)、及び、終点EN(x31、y31、z31)を取得する。換言すれば、CPU2は、仮想空間KK内に、始点STが座標位置(x21、y21、z21)であり、かつ、終点ENが(x31、y31、z31)である矢印オブジェクトYJobjを配置する。
【0079】
ステップS26:ステップS25で、仮想空間KK内での矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置(x21、y21、z21)、及び、終点ENの座標位置(x31、y31、z31)が取得されると、CPU2は、複合部15(図2に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT及び加工機KA(図17に図示。)、並びに、仮想空間KK内での連帳機オブジェクトRTobj、加工機オブジェクトKAobj、及び、矢印オブジェクトYJobj(図19に図示。)を複合することにより、図20に示される複合空間FKを生成する。生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、加工機KA、及び矢印オブジェクトYJobj、並びに、視認することができない、連帳機オブジェクトRTobj、及び加工機オブジェクトKAobjが、存在する(図20では、視認することができない、連帳機オブジェクトRTobj、及び加工機オブジェクトKAobjを図示せず。)。
【0080】
実施形態2では、上述したように、矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置及び終点ENの座標位置が、現実空間GKにおける連帳機RT及び加工機KAの座標位置を取得することなく、特定される。
【0081】
〈実施形態3〉
実施形態3の情報処理装置について説明する。
【0082】
〈実施形態3の構成〉
実施形態3の情報処理装置JSの構成は、図1に示される実施形態1の情報処理装置JSの構成と同一である。
【0083】
図21は、実施形態3の情報処理装置JSの機能ブロック図である。
【0084】
実施形態3の情報処理装置JSは、実施形態1の図2と実施形態3の図21との比較から明らかであるように、実施形態1と同様に、取得部11と、検出部12と、生成部13と、更新部14と、複合部15と、制御部16と、記憶部17とを含み、また、実施形態1と相違して、更に、付加部18と、検索部19を含む。付加部18、及び検索部19の機能については、後述する。
【0085】
図22は、実施形態3の記憶媒体4に記憶されたテーブルTBを示す。
【0086】
実施形態3の記憶媒体4(図1に図示。)は、テーブルTBを記憶している。テーブルTBは、図22に示されるように、連帳機RT(例えば、図24に図示。)が行う内容である「印刷コンテンツ」(何を印刷したか)と、前記した印刷コンテンツに対応して、加工機KA1~KA3(例えば、図24に図示。)が行うべき「加工作業」と、前記した「加工作業」を実際に行うべき加工機KA1~KA3の「加工機番号」との対応関係を示す。テーブルTB中で、加工機番号「1」、「2」、「3」は、それぞれ、加工機KA1、加工機KA2、加工機KA3を意味する。ここで、「印刷コンテンツ」は、『処理工程』の一例である。
【0087】
〈実施形態3の動作〉
実施形態3の情報処理装置JSは、実施形態1の情報処理装置JSと相違し、かつ、実施形態2の情報処理装置JSと同様に、関連オブジェクトである「矢印オブジェクトYJobj」(例えば、図28に図示。)を表示する。
【0088】
図23は、実施形態3の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。図24は、実施形態3の現実空間(処理前)の一例を示す。図25は、実施形態3の現実空間(処理後)の一例を示す。図26は、実施形態3の仮想空間(処理前)の一例を示す。図27は、実施形態3の仮想空間(処理後の前半)の一例を示す。図28は、実施形態3の仮想空間(処理後の後半)の一例を示す。図29は、実施形態3の複合空間(処理後)の一例を示す。
【0089】
以下、実施形態3の情報処理装置JSの動作について、図23のフローチャート、及び、図24図29を参照して説明する。
【0090】
説明及び理解を容易にすべく、現実空間GK内で、連帳機RTが、例えば、コート紙、マットコート紙、上質紙、特殊紙等の紙質のうちのコート紙であるロール紙RSに、印刷コンテンツ「パンフレット」を印刷することを想定する。
【0091】
ここで、ロール紙RSは、『被対象物』の一例である。後述されるロール紙オブジェクトRSobjは、『被対象物オブジェクト』の一例である。コート紙、マットコート紙、上質紙、特殊紙等の紙質、及び、印刷コンテンツ「パンフレット」、「単行本」等(図20に図示。)の処理工程は、『属性情報』の一例である。
【0092】
ステップS31:情報処理装置JSでは、CPU2(図1に図示。)は、実施形態1のステップS11と同様に、取得部11(図21に図示。)として、図24に示される現実空間GKをスキャンする。より詳しくは、CPU2は、図24に示されるように、現実空間GKでZ軸方向に沿って、現実空間GK内の連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙について、形体及び座標位置を取得する。
【0093】
ここで、CPU2は、連帳機RTについて、形体「X軸方向に長い形状」及び座標位置(X40、Y40、Z40)を取得する。CPU2は、また、複数の加工機KA1~KA3について、それぞれ、形体「直方体」及び座標位置(X51、Y51、Z51)、形体「直方体」及び座標位置(X52、Y52、Z52)、形体「直方体」及び座標位置(X53、Y53、Z53)を取得する。CPU2は、更に、ロール紙RSについて、形体「円柱」及び座標位置(X60、Y60、Z60)を取得する。
【0094】
ステップS32:ステップS31で、現実空間GKにおける連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙RSについて形体及び座標位置が取得されると、CPU2は、生成部13(図21に図示。)として、図26に示されるように、仮想空間KKを生成する。
【0095】
仮想空間KKは、ステップS31でのスキャンにより取得された物体の全てに対応するオブジェクトを含む。より具体的には、仮想空間KKは、連帳機RTに対応するオブジェクトである連帳機オブジェクトRTobj、複数の加工機KA1~KA3に対応するオブジェクトである複数の加工機オブジェクトKA1obj~KA3obj、及び、ロール紙RSに対応するオブジェクトであるロール紙オブジェクトRSobjを含む。
【0096】
ステップS33:ステップS32で、仮想空間KKが生成されると、CPU2は、検出部12(図21に図示。)として、連帳機RTが、ロール紙RSに、何らかの印刷コンテンツ(図22に図示。)を印刷したか否かを検出する。上記したように、また、図24及び図25の白抜き矢印で示されるように、ロール紙RSが連帳機RTに供給され、連帳機RTがロール紙RSに印刷コンテンツ「パンフレット」を印刷することから、「YES」に進む。
【0097】
ステップS34:ステップS33で、連帳機RTがロール紙RSに印刷コンテンツ「パンフレット」を印刷したことが検出されると、CPU2は、取得部11(図21に図示。)として、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)を取得する。ロール紙オブジェクトRSobjは、矢印オブジェクトYJobj(図28、29に図示。)の座標位置を情報処理装置JSが算出するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができる必要がなく、視認されない。
【0098】
ステップS35:ステップS34で、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)が取得されると、CPU2は、付加部18(図21に図示。)として、ロール紙オブジェクトRSobjの近傍に、例えば、座標位置(61x、y61+5、z61)に、印刷コンテンツ「パンフレット」(図22に図示。)の仮想オブジェクトである、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjを付加する。
【0099】
ここで、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjは、連帳機RTが行った印刷コンテンツ「パンフレット」の印刷という処理工程に引き続いて、加工機KA1~KA3のいずれかにより行われるべき処理工程を情報処理装置JSが求めるために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができる必要がなく、視認されない。
【0100】
ステップS36:ステップS35で、仮想空間KK内で、ロール紙オブジェクトRSobjの近傍の座標位置(61x、y61+5、z61)に、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjが付加されると、CPU2は、検索部19(図21に図示。)として、テーブルTB(図22に図示。)を参照する。CPU2は、この参照により、現実空間GKで連帳機RTがロール紙RSに印刷した印刷コンテンツ「パンフレット」に対応する加工作業及び加工機番号を検索する。これにより、CPU2は、加工作業「中綴じ」、及び、加工機番号「3」を取得する。
【0101】
ステップS37:ステップS36で、加工作業「中綴じ」及び加工機番号「3」が取得されると、CPU2は、取得部11(図21に図示。)として、図28に示されるように、加工機番号「3」の加工機KA3に対応する加工機オブジェクトKA3objの座標位置(x53、y53、z53)を取得する。
【0102】
ここで、加工機オブジェクトKA3objは、矢印オブジェクトYJobjの座標位置を情報処理装置JSが算出するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができることを要せず、視認されない。
【0103】
ステップS38:ステップS37で、仮想空間KKでの加工機オブジェクトKA3objの座標位置(x53、y53、z53)が取得されると、CPU2は、生成部13(図21に図示。)として、仮想空間KKで、矢印オブジェクトYJobjを生成する。より詳しくは、CPU2は、図28に示されるように、仮想空間KK内で、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)及び加工機オブジェクトKA3objの座標位置(x53、y53、z53)に基づき、矢印オブジェクトYJobjの座標位置を特定する。これにより、CPU2は、矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置(x61、y61、z61)、及び、終点ENの座標位置(x53、y53、z53)を特定する。
【0104】
換言すれば、CPU2は、物体オブジェクトである連帳機オブジェクトRTobjと関連オブジェクトである矢印オブジェクトYJobjとの関係を、物体である連帳機RT、及び、連帳機RTが行う処理工程である印刷コンテンツ「パンフレット」により特定しており、より詳しくは、物体である連帳機RT、及び、連帳機RTが行う処理工程である印刷コンテンツ「パンフレット」により規定される、少なくとも、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置に基づき特定する。
【0105】
ステップS39:ステップS38で、矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置(x61、y61、z61)及び終点ENの座標位置(x53、y53、z53)が取得されると、CPU2は、複合部15(図21に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙RS(図25に図示。)、並びに、仮想空間KK内のロール紙オブジェクトRSobj、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj、加工機オブジェクトKA1obj~KA3obj、及び矢印オブジェクトYJobj(図28に図示。)を複合することにより、図29に示される複合空間FKを生成する。
【0106】
生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、ロール紙RS、加工機KA1~KA3、及び矢印オブジェクトYJobj、並びに、視認することができない、加工機オブジェクトKA1obj~KA3obj、及び、ロール紙オブジェクトRSobj、及び、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjが、存在する(図29では、視認することができない、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj、ロール紙オブジェクトRSobj、及び加工機オブジェクトKA1obj~KA3obを図示せず。)。
【0107】
実施形態3では、上述したように、仮想空間KKにおける連帳機オブジェクトRTobjに対する矢印オブジェクトYJobjの関係が、仮想空間KKでの他の状況に左右されること特定される。
【0108】
即ち、矢印オブジェクトYJobjが示す方向に、ロール紙オブジェクトRSobjが有する属性情報、及び、可能性がある加工機オブジェクトKA3objの位置が反映される。また、矢印オブジェクトYJが示す方向に、ロール紙オブジェクトRSobjの位置も反映される。
【0109】
〈実施形態4〉
実施形態4の情報処理装置について説明する。
【0110】
〈実施形態4の構成〉
実施形態4の情報処理装置JSの構成は、実施形態1の情報処理装置JSの構成(図1に図示。)と同一である。
【0111】
実施形態4の情報処理装置JSの機能ブロックは、実施形態3の情報処理装置JSの機能ブロック(図21に図示。)と同一である。
【0112】
他方で、実施形態4の情報処理装置JSは、実施形態3の情報処理装置JSと相違し、加工機KA1~KA3のいずれかの選択を情報処理装置JSが行うことに代えて、情報処理装置JSのユーザが行うことから、テーブルTB(図22に図示。)を有しない。
【0113】
〈実施形態4の動作〉
実施形態4の情報処理装置JSは、実施形態3の情報処理装置JSと同様に、矢印オブジェクトYJobjを表示する。
【0114】
他方で、実施形態4の情報処理装置JSは、実施形態3の情報処理装置JSと相違し、視認することができない印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjに代えて、情報処理装置JSのユーザによる上記した選択の便宜のために、視認することができる印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjを付加する。
【0115】
図30は、実施形態4の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。図31は、実施形態4の仮想空間(処理後)の一例を示す。図32は、実施形態4の複合空間(処理後の前半)の一例を示す。図33は、実施形態4の複合空間(処理後の後半)の一例を示す。図34は、実施形態4の仮想空間(選択後)の一例を示す。図35は、実施形態4の複合空間(選択後)の一例を示す。
【0116】
以下、実施形態4の情報処理装置JSの動作について、図30のフローチャート、並びに、実施形態3の図24図25図26、及び、実施形態4の図31図35を参照して説明する。
【0117】
説明及び理解を容易にすべく、現実空間GK内で、連帳機RTが、例えば、コート紙、マットコート紙、上質紙、特殊紙等の紙質のうちのコート紙であるロール紙RSに、実施形態3と相違して、印刷コンテンツ「パンフレット」に代えて、印刷コンテンツ「単行本」を印刷することを想定する。
【0118】
ステップS41:実施形態3のステップS31と同様に、情報処理装置JSでは、CPU2(図1に図示。)は、取得部11(図21図示。)として、図24に示される現実空間GKをスキャンする。このスキャンにより、CPU2は、図24に示されるように、連帳機RTについて、形体「X軸方向に長い形状」、及び、座標位置(X40、Y40、Z40)を取得する。
【0119】
CPU2は、また、複数の加工機KA1~KA3について、それぞれ、形体「直方体」及び座標位置(X51、Y51、Z51)、形体「直方体」及び座標位置(X52、Y52、Z52)、並びに、形体「直方体」及び座標位置(X53、Y53、Z53)を取得する。
【0120】
CPU2は、更に、ロール紙RSについて、形体「円柱」及び座標位置(X60、Y60、Z60)を取得する。
【0121】
ステップS42:ステップS41で、現実空間GKにおける連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙RSについて、形体及び座標位置が取得されると、実施形態3のステップS32と同様に、CPU2は、生成部13(図21に図示。)として、図26に示されるように、仮想空間KKを生成する。
【0122】
ステップS43:ステップS42で、仮想空間KKが生成されると、CPU2は、検出部12(図21に図示。)として、連帳機RTが、ロール紙RSに、何らかの印刷コンテンツ(図22に図示。)を印刷したか否かを検出する。上記したように、また、図24及び図25の白抜き矢印で示されるように、ロール紙RSが連帳機RTに供給され、連帳機RTがロール紙RSに印刷コンテンツ「単行本」を印刷することから、「YES」に進む。
【0123】
ステップS44:ステップS43で、連帳機RTがロール紙RSに印刷コンテンツ「単行本」を印刷したことが検出されると、CPU2は、取得部11(図21に図示。)として、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)を取得する。実施形態3と同様に、ロール紙オブジェクトRSobjは、矢印オブジェクトYJobj(例えば、図34に図示。)の座標位置を情報処理装置JSが算出するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができる必要がなく、視認されない。
【0124】
ステップS45:ステップS44で、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)が取得されると、CPU2は、付加部18(図21に図示。)として、ロール紙オブジェクトRSobjの近傍に、例えば、座標位置(61x、y61+5、z61)に、印刷コンテンツ「単行本」(図22に図示。)の仮想オブジェクトである、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjを付加する。
【0125】
ここで、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjは、連帳機RTが行った印刷コンテンツ「単行本」の印刷との処理工程に引き続いて、加工機KA1~KA3のいずれかにより行われるべき処理工程を、実施形態3と相違して、実施形態3での情報処理装置JSが特定するために用いられることに代えて、情報処理装置JSのユーザが選択するために用いられることから、情報処理装置JSのユーザには、視認することができることが望ましい。
【0126】
ステップS46:ステップS45で、仮想空間KK内で、ロール紙オブジェクトRSobjの近傍の座標位置(61x、y61+5、z61)に、視認することができる印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjが付加されると、CPU2は、複合部15(図21に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙RS(図25に図示。)、並びに、仮想空間KK内のロール紙オブジェクトRSobj、及び印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj(図31に図示。)を複合することにより、図32に示される複合空間FKを生成する。
【0127】
生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、ロール紙RS、加工機KA1~KA3、及び印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj、並びに、視認することができないロール紙オブジェクトRSobjが、存在する(図32では、視認することができないロール紙オブジェクトRSobjを図示せず。)。
【0128】
ステップS47:ステップS46で、複合空間FKが生成されると、情報処理装置JSのユーザは、印刷コンテンツ「単行本」の印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjを視認した上で、連帳機RTによる印刷に引き続くべき後の工程を、加工機KA1~加工機KA3のいずれを用いて行うことが妥当であるか否かを選択する。CPU2は、取得部11として、ユーザによる選択を受け付ける。ここで、ユーザが、印刷コンテンツ「単行本」を印刷されたロール紙RSに行うことが望ましい加工作業「無線綴じ」、または、加工作業「無線綴じ」を実行する「加工機KA2」を選択したことを想定する。
【0129】
ここで、図33で、2つの点線の矢印、眼鏡を模したMRデバイス及び磁気ディスクは、複合空間FKに存在するのではなく、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobjからユーザ(眼鏡のアイコン)へ印刷コンテンツ「単行本」が伝達されること、及び、ユーザが加工機KA2を選択することを模式的に示す。
【0130】
ステップS48:ステップS47で、加工作業「無線綴じ」または加工機KA2の選択が受け付けられると、CPU2は、取得部11として、選択された加工機KA2に対応する、仮想空間KKにおける加工機オブジェクトKA2objの座標位置(x52、y52、z52)を取得する。
【0131】
ステップS49:ステップS48で、仮想空間KKでの加工機オブジェクトKA2objの座標位置(x52、y52、z52)が取得されると、CPU2は、生成部13として、仮想空間KKで、矢印オブジェクトYJobjを生成する。
【0132】
より詳しくは、CPU2は、図34に示されるように、仮想空間KK内で、ロール紙オブジェクトRSobjの座標位置(x61、y61、z61)及び加工機オブジェクトKA2objの座標位置(x52、y52、z52)に基づき、矢印オブジェクトYJobjの座標位置を更新し、即ち、取得する。これにより、CPU2は、矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置(x61、y61、z61)、及び、終点ENの座標位置(x52、y52、z52)を特定する。
【0133】
ステップS50:ステップS49で、矢印オブジェクトYJobjの始点STの座標位置(x61、y61、z61)及び終点ENの座標位置(x52、y52、z52)が取得されると、CPU2は、複合部15として、現実空間GK内の連帳機RT、複数の加工機KA1~KA3、及びロール紙RS(図25に図示。)、並びに、仮想空間KK内のロール紙オブジェクトRSobj、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj、加工機オブジェクトKA1obj~KA3obj及び矢印オブジェクトYJobj(図34に図示。)を複合することにより、図35に示される複合空間FKを生成する。
【0134】
生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、ロール紙RS、加工機KA1~KA3、印刷コンテンツ・オブジェクトPCobj、及び矢印オブジェクトYJobj、並びに、視認することができない、ロール紙オブジェクトRSobj、及び加工機オブジェクトKA1obj~KA3objが、存在する。(図35では、視認することができない、ロール紙オブジェクトRSobj、及び加工機オブジェクトKA1obj~KA3objを図示せず。)。
【0135】
実施形態4では、上述したように、矢印オブジェクトYJobjが示す方向に、実施形態3での情報処理装置JSが特定した加工機オブジェクトKA3objの座標位置に代えて、ユーザにより特定された加工機オブジェクトKA2objの座標位置が反映される。
【0136】
〈実施形態5〉
実施形態5の情報処理装置について説明する。
【0137】
〈実施形態5の構成〉
実施形態5の情報処理装置JSの構成及び機能ブロックは、実施形態1の情報処理装置JSの構成及び機能ブロック(図1図2に図示。)と同一である。
【0138】
他方で、実施形態5の情報処理装置JSでは、実施形態1の情報処理装置JSと相違して、連帳機オブジェクトRTobj(例えば、図38に図示。)は、現実空間GKで連帳機RT(例えば、図37に図示。)がロール紙RS(例えば、図37に図示。)に印刷するときの「ロール紙RSの移動経路に関する情報」を有する。ロール紙RSの移動経路に関する情報は、ロール紙RSの移動経路(図38で白抜きの矢印で図示。)についての始点の座標位置及び終点の座標位置である。ここで、図37に示されるように、現実空間GKにおいて、ロール紙RSの始点STTの座標位置が(X70、Y70、Z70)であり、終点ENDの座標位置が(X71、Y71、Z71)であることを想定する。ここで、ロール紙RSは、『被対象物』の一例である。
【0139】
〈実施形態5の動作〉
図36は、実施形態5の情報処理装置JSの動作を示すフローチャートである。図37は、実施形態5の現実空間の一例を示す。図38は、実施形態5の仮想空間の一例を示す。図39は、実施形態5の複合空間の一例を示す。
【0140】
以下、実施形態5の情報処理装置JSの動作について、図36のフローチャート、及び、図37図39を参照して説明する。
【0141】
ステップS51:情報処理装置JSでは、CPU2は、取得部11(図2に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT(図37に図示。)に対応する仮想空間KK内の連帳機オブジェクトRTobj(図38に図示。)から、現実空間GKにおいて連帳機RTがロール紙RSに印刷を行うときのロール紙RSの移動経路に関する情報を取得する。より詳しくは、CPU2は、ロール紙RSの始点STTの座標位置(X70、Y70、Z70)、及び、終点ENDの座標位置(X71、Y71、Z71)を取得する。連帳機オブジェクトRTobjは、ロール紙RSの移動経路に関する情報を情報処理装置JSが取得するためのオブジェクトであることから、情報処理装置JSのユーザには視認することができる必要が無く、視認されない。
【0142】
ステップS52:ステップS51で、現実空間GKでのロール紙RSの始点STTの座標位置(X70、Y70、Z70)、及び、終点ENDの座標位置(X71、Y71、Z71)が取得されると、CPU2は、生成部13(図2に図示。)として、図38に示されるように、仮想空間KKで、現実空間GKにおけるロール紙RSに対応するロール紙オブジェクトRSobj及び再生ボタン・オブジェクトBTobjを生成する。ここで、ロール紙オブジェクトRSobjは、現実空間GKにおいてロール紙RSが移動する移動経路を動画で表示する『動的表示オブジェクト』の一例である。また、再生ボタン・オブジェクトBTobjは、動的表示オブジェクトであるロール紙オブジェクトRSobjの再生及び停止を指示するためのオブジェクトである。
【0143】
ステップS53:ステップS52で、ロール紙オブジェクトRSobj及び再生ボタンBTobjが生成されると、CPU2は、更新部14(図2に図示。)として、仮想空間KKにおける、ロール紙オブジェクトRSobjの位置を、ロール紙RSの移動経路に関する情報、即ち、現実空間GKでのロール紙RSの始点STTの座標位置(X70、Y70、Z70)及び終点ENDの座標位置(X71、Y71、Z71)に基づき更新する。これにより、CPU2は、仮想空間KKにおける、ロール紙オブジェクトRSobjの始点STの座標位置(x70、y70、z70)及び終点EN(x71、y71、z71)を取得する。
【0144】
ステップS54:CPU2は、ステップS54で、ロール紙オブジェクトRSobjの始点STの座標位置(x70、y70、z70)及び終点ENの座標位置(x71、y71、z71)が取得されると、CPU2は、複合部15(図2に図示。)として、現実空間GK内の連帳機RT及びロール紙RS(図37に図示。)、並びに、仮想空間KK内のロール紙オブジェクトRSobj及び再生ボタンBT(図38に図示。)を複合することにより、図39に示される複合空間FKを生成する。
【0145】
生成された複合空間FKには、視認することができる、連帳機RT、ロール紙RS、ロール紙オブジェクトRSobj、及び再生ボタン・オブジェクトBTobjが、存在する。
【0146】
情報処理装置JSのユーザは、複合空間FKを視認することにより、現実空間GKにおいて、連帳機RTがロール紙RSを印刷しなくても、仮想空間KKにおいて、ロール紙オブジェクトRSobjがロール紙RSの移動経路を仮想的に動的な表示を行うことを通じて、ロール紙RSがどのように移動するかを認識する。
【0147】
実施形態5では、上述したように、仮想空間KKにおけるロール紙オブジェクトRSobjの座標位置が、現実空間GKにおけるロール紙RSの移動経路に沿うように設定される。即ち、仮想空間KKにおける、動的表示オブジェクトであるロール紙オブジェクトRSobjの始点ST及び終点ENが、現実空間GKにおける、ロール紙RSの移動経路の始点STT及び終点ENDに合致する。
【0148】
〈プロセッサ、プログラムの補足説明〉
上記した実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit等)に加えて、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含む。
【0149】
上記した実施形態において、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって実現されてもよく、また、複数のプロセッサの協働によって実現されてもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記した実施形態における順序に限定されず、適宜変更してもよい。
【0150】
上記した実施形態において、プログラムPRは、記憶媒体4に予め記憶(インストール)されていることに代えて、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録されて提供されてもよく、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0151】
JS 情報処理装置
1 入力部
2 CPU
3 出力部
4 記憶媒体
5 メモリ
11 取得部
12 検出部
13 生成部
14 更新部
15 複合部
16 制御部
17 記憶部
GK 現実空間
KK 仮想空間
FK 複合空間
RT 連帳機
RS1~RS3 ロール紙
RTobj 連帳機オブジェクト
MGobj メッセージ・オブジェクト
図1
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