特許 7476526 画像形成装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-04-22

(45)【発行日】2024-05-01

(54)【発明の名称】画像形成装置

(51)【国際特許分類】

   B41J 2/01 20060101AFI20240423BHJP

   B41J 2/17 20060101ALI20240423BHJP

【ＦＩ】

B41J2/01 301

B41J2/17 103

B41J2/01 401

B41J2/01 451

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2019217997

(22)【出願日】2019-12-02

(65)【公開番号】P2021088065

(43)【公開日】2021-06-10

【審査請求日】2022-11-17

(73)【特許権者】

【識別番号】000001270

【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002952

【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】坪谷 真吾

【審査官】小野 郁磨

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１９－０５５５２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００６－３４６９３２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０６－０１５８１８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－２３６３３９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１７０９１６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００９－２２０２８８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－１７９７４０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１６－１１２８６０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１５－２１８４１８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１４０７６２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－０９８５８１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ４１Ｊ ２／０１－２／２１５

Ｂ４１Ｍ ５／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

搬送される記録媒体としての布帛に向かってインクを吐出することによって画像を形成する画像形成部と、
前記布帛に形成された前記画像を読み取る画像読取装置と、
前記布帛の搬送方向における前記画像読取装置の上流側に設けられた帯電可能な帯電部材であり、前記布帛から発生する糸くずが静電引力によって表面に付着するよう前記表面が電圧印加により帯電され、前記画像読取装置側への前記糸くずの進入を抑制する遮蔽板と、
前記遮蔽板の前記表面に対する前記電圧印加の態様を前記布帛の種類に応じて変更する電圧印加部と、
を備える画像形成装置。

【請求項2】

前記搬送方向に直交する主走査方向において、前記遮蔽板の長さは、前記画像読取装置の長さより長い、
請求項１に記載の画像形成装置。

【請求項3】

前記遮蔽板の下端位置は、前記画像読取装置の下端位置より下方である、
請求項２に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、画像形成装置に関する。

【背景技術】

【0002】

近年、紙、布帛等の種々の記録媒体に対して高精細な画像を形成する装置として、インクジェット方式によるインクジェット画像形成装置が広く普及している。特に、記録媒体が長尺ウェブ状である場合には、無端状の搬送ベルトを有するベルト搬送装置を使用し、記録媒体を搬送ベルト上に密着させて搬送することが行われている（例えば、特許文献１を参照）。

【0003】

インクジェット画像形成装置では、画像形成ヘッド（記録ヘッド）の複数のノズル間でインク液滴の吐出量にばらつきがあると、記録媒体に形成された画像（以下、「形成画像」と称する場合がある）に濃度ムラが生じるため、形成画像の画質低下に繋がる。また、画像形成ヘッドの数が複数になると、画像形成ヘッドごとにインク液滴の吐出量のばらつきが生じることがあり、画像形成ヘッドごとの吐出量のばらつきによっても、形成画像に濃度ムラが生じ、画質低下に繋がる。このため、インクジェット画像形成装置では、記録媒体に形成された形成画像を読み取る画像読取装置を設け、画像読取装置の読み取り結果に基づき濃度補正を行うことによって濃度ムラに起因する画質低下を抑制するようにしている。

【0004】

例えば、テストパターンを印画し、ノズル列に沿う方向の濃度の変動を読み取った結果を、ノズル単位あるいはヘッド単位で、画像形成ヘッドの駆動電圧に帰還をかけ、ドット（画像を形成する単位）の大きさを変えることによって、濃度ムラに起因する画質低下を抑制するようにしている（例えば、特許文献１参照）。

【0005】

また、濃度ムラの測定が可能なテストパターンを印画し、それを読み取った結果を、画像データに帰還をかけ、単位面積あたりのドット数を変えることによって、濃度ムラに起因する画質低下を抑制するようにしている（例えば、特許文献２参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0006】

【文献】特開２０１２－１１６６１７号公報

【文献】特開２００６－１５９５４９号公報

【文献】特開２０１０－８３００７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

ところで、インクジェット画像形成装置では、インク液滴の吐出時に当該インク液滴（主滴）が単独で生じて飛翔するだけではなく、さらに微小な液滴が伴われて霧状（ミスト状）になりインクミストとして飛散する。その結果、画像形成ヘッドの周囲に位置する画像読取装置の読み取り面にインクミストが付着することで、記録媒体に形成された画像の読み取り精度が低下するという問題があった。

【0008】

また、記録媒体として布帛を使用した場合には、布帛から発生した異物としての糸くず（毛羽）が搬送ベルト上に付着してしまう場合があり、これらが搬送ベルト上のインクと混合して付着してしまう場合がある。ここで、搬送ベルトに付着した異物を放置した場合、かかる異物が画像読取装置の読み取り面に付着することで、記録媒体に形成された画像の読み取り精度が低下するという問題があった。

【0009】

本発明の目的は、画像読取装置における読み取り精度の低下を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明に係る画像形成装置は、
搬送される記録媒体としての布帛に向かってインクを吐出することによって画像を形成する画像形成部と、
前記布帛に形成された前記画像を読み取る画像読取装置と、
前記布帛の搬送方向における前記画像読取装置の上流側に設けられた帯電可能な帯電部材であり、前記布帛から発生する糸くずが静電引力によって表面に付着するよう前記表面が電圧印加により帯電され、前記画像読取装置側への前記糸くずの進入を抑制する遮蔽板と、
前記遮蔽板の前記表面に対する前記電圧印加の態様を前記布帛の種類に応じて変更する電圧印加部と、
を備える。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、画像読取装置における読み取り精度の低下を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。

【図2】画像読取装置を上面から眺めた平面図を示す図である。

【図3】本実施の形態における画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図を示す図である。

【図4】画像読取装置（画像読取部）の構成の変形例を示す図である。

【図5】画像読取装置（画像読取部）および遮蔽板の構成の変形例を示す図である。

【図6】遮蔽板の構成の変形例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

図１は、本実施の形態における画像形成装置１の概略構成を示す図である。図１に示すように、画像形成装置１は、インクジェット方式による画像形成装置であり、ベルト搬送装置２、画像形成ヘッド３および画像読取装置４を備えている。

【0014】

ベルト搬送装置２は、所定の間隔をおいて平行に配置された駆動ローラー２１および従動ローラー２２に亘って所定幅の無端状の搬送ベルト２３が張架されている。駆動ローラー２１および従動ローラー２２に架け渡された搬送ベルト２３の上面は、記録媒体Ｐを密着させて載置する載置面とされている。なお、搬送ベルト２３の表面には、搬送中の記録媒体Ｐを搬送ベルト２３の上面に密着させるために、地張りと呼ばれる粘着剤が塗布されている。また、駆動ローラー２１は、図示しない副走査モーターによって駆動される。

【0015】

ベルト搬送装置２では、駆動ローラー２１が副走査モーターの回転駆動によって、図１中の反時計方向（矢印を参照）に所定速度で回転することにより、従動ローラー２２との間に架け渡された搬送ベルト２３を回転移動させる。かかる動作により、搬送ベルト２３の上面に載置されている記録媒体Ｐは、副走査方向である図中の矢印Ａ方向に向けて搬送される。

【0016】

記録媒体Ｐには、例えば、紙、布帛、プラスチックフィルム、ガラス板等、インクジェット記録に通常使用される記録媒体を使用することができる。記録媒体Ｐは、所定サイズに裁断されたシート状であってもよいし、ロール状に巻回された元巻から連続して繰り出される長尺状であってもよい。

【0017】

画像形成ヘッド３（インクジェットヘッドとも言う、本発明の「画像形成部」として機能）は、搬送ベルト２３上の記録媒体Ｐが載置される面の上方に所定の間隔をおいて配設されており、その下面に設けられた多数のノズルからインク液滴を吐出することにより、搬送ベルト２３の回転移動によって搬送される記録媒体Ｐ上に所望の画像を形成する。

【0018】

本実施の形態では、画像形成ヘッド３は、図示しないキャリッジに搭載されて、間欠的に搬送される記録媒体Ｐの搬送方向と直交する主査方向に往復移動するシャトル型（マルチパス方式）の画像形成ヘッドが用いられる。この場合、画像形成時に、搬送ベルト２３は、待機状態と駆動状態を繰り返す間欠動作を行うように、駆動ローラー２１の駆動が制御される。

【0019】

なお、画像形成ヘッド３は、搬送ベルト２３の幅方向に亘って固定状に架け渡され、連続的に搬送される記録媒体Ｐ上にインク滴を吐出することによって画像を形成するライン型（シングルパス方式）の記録ヘッドであってもよい。この場合、画像形成時に、搬送ベルト２３は、連続的に移動（回転動作）するように、駆動ローラー２１の駆動が制御される。

【0020】

画像読取装置４は、記録媒体Ｐの搬送方向における画像形成ヘッド３の下流側に配置され、搬送ベルト２３により搬送される記録媒体Ｐの表面に形成された画像を読み取る。そして、画像読取装置４は、読み取った画像を示す読取画像データを制御部１００（図３を参照）に出力する。

【0021】

図２は、画像読取装置４を上面から眺めた平面図を示す。図２に示すように、画像読取装置４は、記録媒体Ｐの搬送方向の上流側において当該搬送方向に直交する方向に並べて配置された５つの画像読取部８０，８１，８２，８３，８４と、記録媒体Ｐの搬送方向の下流側において当該搬送方向に直交する方向に並べて配置された４つの画像読取部８５，８６，８７，８８とを備える。

【0022】

これら９つの画像読取部８０～８８において、隣り合う画像読取部は、記録媒体Ｐの幅方向（主走査方向）における有効画像読取範囲を一部重複させながらも、記録媒体Ｐの搬送方向（副走査方向）に互いに千鳥状にずらされて配置されている。

【0023】

画像読取装置４では、千鳥状に配置された各画像読取部８０～８８の読取画像を、あたかも単一の画像読取部で読み取ったようにする必要がある。そのため、画像読取部８０，８１，８２，８３，８４により読み取られた画像と、画像読取部８０，８１，８２，８３，８４により読み取られなかった部分を読み取る画像読取部８５，８６，８７，８８により読み取られた画像とを、記録媒体Ｐの幅方向では、画像読取部８０，８１，８２，８３，８４と画像読取部８５，８６，８７，８８の繋ぎ目における読取範囲を、画像合成部（図示せず）を用いて調整する。

【0024】

一方、記録媒体Ｐの搬送方向における繋ぎ目位置の調整については、画像合成部における遅延メモリーの遅延時間を調整することで対応している。すなわち、画像読取部８０，８１，８２，８３，８４により読み取られた画像と、画像読取部８５，８６，８７，８８により読み取られた画像とを合成する際の記録媒体Ｐの搬送方向における画像合成に関しては、画像読取部８０，８１，８２，８３，８４により読み取られた画像を画像合成部のメモリーに一旦格納しておき、記録媒体Ｐの搬送速度に応じた遅延時間を加味して、画像読取部８５，８６，８７，８８により読み取られた画像と合成することで、記録媒体Ｐの搬送方向における読取画像の合成を行っている。

【0025】

図２は、画像形成装置１の主要な機能構成を示すブロック図である。画像形成装置１は、制御部１００、画像形成ヘッド駆動部１１０、搬送駆動部１２０、入出力インターフェース１３０および電圧印加部１４０を備える。

【0026】

制御部１００は、ＣＰＵ１０１（Central Processing Unit）、ＲＡＭ１０２（Random Access Memory）、ＲＯＭ１０３（Read Only Memory）および記憶部１０４を有する。

【0027】

ＣＰＵ１０１は、ＲＯＭ１０３に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してＲＡＭ１０２に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、ＣＰＵ１０１は、画像形成装置１の全体動作を統括的に制御する。

【0028】

ＲＡＭ１０２は、ＣＰＵ１０１に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、ＲＡＭ１０２は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。

【0029】

ＲＯＭ１０３は、ＣＰＵ１０１により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ＲＯＭ１０３に代えて、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read Only Memory）やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。

【0030】

記憶部１０４には、入出力インターフェース１３０を介して外部装置６から入力されたプリントジョブ（画像記録命令）および当該プリントジョブに係る画像データが記憶される。記憶部１０４としては、例えばＨＤＤ（Hard Disk Drive）が用いられ、また、ＤＲＡＭ（Dynamic Random Access Memory）などが併用されても良い。

【0031】

画像形成ヘッド駆動部１１０は、制御部１００の制御に基づいて画像形成ヘッド３に対して適切なタイミングで画像データに応じた駆動信号を供給することにより、画像形成ヘッド３のノズルから画像データの画素値に応じた量のインク液滴を吐出させる。

【0032】

搬送駆動部１２０は、制御部１００の制御に基づいて駆動ローラー２１の副走査モーターに駆動信号を供給することにより、搬送ベルト２３を所定の速度およびタイミングで回転移動させる。

【0033】

入出力インターフェース１３０は、外部装置６と制御部１００との間におけるデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース１３０は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースの何れか、または、これらの組み合わせで構成される。

【0034】

外部装置６は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース１３０を介して画像記録命令（プリントジョブ）および画像データ等を制御部１００に供給する。

【0035】

画像形成装置１では、画像形成ヘッド３の複数のノズル間でインク液滴の吐出量にばらつきがあると、記録媒体Ｐに形成された画像（以下、「形成画像」と称する場合がある）に濃度ムラが生じるため、形成画像の画質低下に繋がる。また、画像形成ヘッド３の数が複数になると、画像形成ヘッド３ごとにインク液滴の吐出量のばらつきが生じることがあり、画像形成ヘッド３ごとの吐出量のばらつきによっても、形成画像に濃度ムラが生じ、画質低下に繋がる。このため、制御部１００は、画像読取装置４の読み取り結果に基づいて、濃度ムラに起因する画質低下が抑制されるように濃度補正を行う。

【0036】

ところで、画像形成装置１では、インク液滴の吐出時に当該インク液滴が単独で生じて飛翔するだけではなく、さらに微小な液滴が伴われて霧状（ミスト状）になりインクミストとして飛散する。その結果、画像形成ヘッド３の周囲に位置する画像読取装置４（画像読取部８０～８８）の読み取り面にインクミストが付着することで、記録媒体Ｐに形成された画像の読み取り精度が低下するおそれがある。

【0037】

また、記録媒体Ｐとして布帛を使用した場合には、布帛から発生した異物としての糸くず（毛羽）が搬送ベルト２３上に付着してしまう場合があり、これらが搬送ベルト２３上のインクと混合して付着してしまう場合がある。ここで、搬送ベルト２３に付着した異物を放置した場合、かかる異物が画像読取装置４（画像読取部８０～８８）の読み取り面に付着することで、記録媒体Ｐに形成された画像の読み取り精度が低下するおそれがある。

【0038】

そこで本実施の形態では、画像形成装置１は、図１に示すように、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側に、画像読取装置４の筐体前面と当接するように設けられた遮蔽板５（本発明の「進入抑制部」として機能）を備える。

【0039】

遮蔽板５は、画像形成ヘッド３からインクが吐出される際に生じるインクミスト、および、記録媒体Ｐから発生する異物の画像読取装置４側への進入を抑制する（画像読取装置４側に入り込むのを遮る）。

【0040】

本実施の形態では、インクミストおよび異物の画像読取装置４側への進入をより効果的に抑制する観点から、遮蔽板５の下端位置は、図１に示すように、画像読取装置４の下端位置より下方であり、搬送ベルト２３の上面位置より上方である。

【0041】

また、本実施の形態では、記録媒体Ｐの搬送方向に直交する方向において、遮蔽板５の長さｄ１は、図２に示すように、当該直交する方向に並べて配置された複数の画像読取部８０～８４の長さｄ２より長い。

【0042】

また、本実施の形態では、遮蔽板５の表面５ａ（図１を参照）には、当該表面５ａに異物が付着するように、粘着物質が塗布されている。この構成により、遮蔽板５の表面５ａに当たった異物は当該表面５ａに固定されるため、記録媒体Ｐから発生する異物の画像読取装置４側への進入をより効果的に抑制することができる。

【0043】

また、本実施の形態では、遮蔽板５は、帯電可能な帯電部材である。そして、遮蔽板５の表面５ａは、静電引力によって当該表面５ａに異物が付着するように、帯電されている。具体的には、画像形成装置１が備える電圧印加部１４０（図３を参照）は、制御部１００の制御を受けて、遮蔽板５の表面５ａに電圧を印加して当該表面５ａを帯電させる。この構成により、遮蔽板５の表面５ａに当たった異物は静電引力によって当該表面５ａに固定されるため、記録媒体Ｐから発生する異物の画像読取装置４側への進入をより効果的に抑制することができる。なお、電圧印加部１４０は、記録媒体Ｐとしての布帛の種類に応じて、遮蔽板５の表面５ａに対する電圧の印加態様（印加電圧の値、印加電圧の極性など）を変更しても良い。

【0044】

以上詳しく説明したように、本実施の形態における画像読取装置４は、搬送される記録媒体Ｐに向かってインクを吐出することによって画像を形成する画像形成ヘッド３（画像形成部）と、記録媒体Ｐに形成された画像を読み取る画像読取装置４と、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側に設けられ、インクが吐出される際に生じるインクミスト、および、記録媒体Ｐから発生する異物の画像読取装置４側への進入を抑制する遮蔽板５（進入抑制部）とを備える。

【0045】

このように構成した本実施の形態によれば、画像読取装置４（画像読取部８０～８８）の読み取り面にインクミストが付着することを抑制し、記録媒体Ｐに形成された画像の読み取り精度が低下することを抑制することができる。また、記録媒体Ｐとして布帛を使用した場合には、布帛から発生した異物としての糸くず（毛羽）が画像読取装置４（画像読取部８０～８８）の読み取り面に付着することを抑制し、記録媒体Ｐに形成された画像の読み取り精度が低下することを抑制することができる。ひいては、制御部１００は、画像読取装置４の読み取り結果に基づいて、濃度ムラに起因する画質低下が抑制されるように濃度補正を精度良く行うことができる。

【0046】

なお、上記実施の形態において、図４に示すように、画像読取装置４は、複数の画像読取部ではなく、記録媒体Ｐの搬送方向に直交する方向に延在する１つの画像読取部８０を備えても良い。この場合、画像読取部８０は、搬送ベルト２３により搬送される記録媒体Ｐの表面に形成された画像を読み取る。

【0047】

また、上記実施の形態においては、図５に示すように、画像読取装置４に代えて、記録媒体Ｐの搬送方向の上流側において当該搬送方向に直交する方向に並べて配置された４つの画像読取装置４１，４２，４３，４４と、記録媒体Ｐの搬送方向の下流側において当該搬送方向に直交する方向に並べて配置された３つの画像読取装置４５，４６，４７とを設けても良い。この場合、画像読取装置４１，４２，４３，４４，４５，４６，４７はそれぞれ、搬送ベルト２３により搬送される記録媒体Ｐの表面に形成された画像を読み取る画像読取部８０，８１，８２，８３，８４，８５，８６を備える。また、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４１，４２，４３，４４，４５，４６，４７の上流側にはそれぞれ、画像読取装置４１，４２，４３，４４，４５，４６，４７の筐体前面と当接するように遮蔽板５１，５２，５３，５４，５５，５６，５７が設けられる。この構成によっても、上述した実施の形態の効果と同様の効果を奏することができる。

【0048】

また、上記実施の形態では、遮蔽板５は、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側において画像読取装置４の筐体前面と当接するように設けられる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、図６Ａに示すように、遮蔽板５は、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側において、画像読取装置４の筐体前面と離間するように設けられても良い。また、図６Ｂに示すように、遮蔽板５は、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側において、上部５ｂと側部５ｃとによって逆Ｌ字状に形成されても良い。

【0049】

また、上記実施の形態では、遮蔽板５が本発明の「進入抑制部」として機能する例について記載したが、本発明はこれに限らない。例えば、記録媒体Ｐの搬送方向における画像読取装置４の上流側において、遮蔽板５の代わりに、画像形成ヘッド３からインクが吐出される際に生じるインクミスト、および、記録媒体Ｐから発生する異物を吸引することによって当該インクミストおよび異物の画像読取装置４側への進入を抑制する吸引部７（図３を参照）を設けても良い。

【0050】

また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

【符号の説明】

【0051】

１ 画像形成装置
２ ベルト搬送装置
２１ 駆動ローラー
２２ 従動ローラー
２３ 搬送ベルト
３ 画像形成ヘッド
４，４１，４２，４３，４４，４５，４６，４７ 画像読取装置
５，５１，５２，５３，５４，５５，５６，５７ 遮蔽板
５ａ 表面
６ 外部装置
７ 吸引部
８０，８１，８２，８３，８４，８５，８６，８７，８８ 画像読取部
１００ 制御部
１０１ ＣＰＵ
１０２ ＲＡＭ
１０３ ＲＯＭ
１０４ 記憶部
１１０ 画像形成ヘッド駆動部
１２０ 搬送駆動部
１３０ 入出力インターフェース
１４０ 電圧印加部
Ｐ 記録媒体

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】