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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】医療用針の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20240423BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20240423BHJP
   C23F 4/00 20060101ALI20240423BHJP
   B23K 26/361 20140101ALI20240423BHJP
【FI】
A61M5/158 500B
A61M5/32
C23F4/00 Z
B23K26/361
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019222108
(22)【出願日】2019-12-09
(65)【公開番号】P2021090535
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】カン ヒョンシク
(72)【発明者】
【氏名】宮本 公夫
(72)【発明者】
【氏名】佐野 一彦
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-147042(JP,A)
【文献】特表平05-502402(JP,A)
【文献】特開2018-199159(JP,A)
【文献】特開2009-297770(JP,A)
【文献】特開2018-065146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/158
A61M 5/32
C23F 4/00
B23K 26/00-26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製基材を針状に加工する加工工程と、先端部分に加工して得られた加工面を備える針状の前記金属製基材をウルトラファストレーザビームの照射によって表面処理する表面処理工程と、を含み、
前記加工工程と前記表面処理工程との間に、前記加工工程において前記金属製基材の前記先端部分に生じたバリを吹き飛ばして除去するためのエアを前記金属製基材の前記先端部分に吹き付けるエアブロイング工程を行う、
医療用針の製造方法。
【請求項2】
前記表面処理工程において、前記ウルトラファストレーザビームの出力が0.2W~2Wである、請求項1に記載の医療用針の製造方法。
【請求項3】
前記表面処理工程において、前記ウルトラファストレーザビームによる前記金属製基材1本当たりの照射時間が1秒~30秒である、請求項1または2に記載の医療用針の製造方法。
【請求項4】
前記表面処理工程において、前記ウルトラファストレーザビームの照射を複数段階で行い、前記ウルトラファストレーザビームの出力を前記複数段階ごとに変化させる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療用針の製造方法。
【請求項5】
前記表面処理工程において、不活性ガスを前記金属製基材に供給しながら、前記ウルトラファストレーザビームを前記金属製基材に照射する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療用針の製造方法。
【請求項6】
前記表面処理工程において、エアを前記金属製基材に吹き付けながら、前記ウルトラファストレーザビームを前記金属製基材に照射する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療用針の製造方法。
【請求項7】
前記表面処理工程において、複数本の前記金属製基材を並列に並べて、複数本の前記金属製基材への前記ウルトラファストレーザビームの照射を同時に行う、請求項1乃至6の何れか一項に記載の医療用針の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用針の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者に薬剤を投与するために、注射器等の先端に設けられる医療用針が広く用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
従来の医療用針の製造方法では、一般的に、円筒状の金属製基材を針状に加工し、その後に、先端部分に加工して得られた加工面を備える針状の金属製基材を電解研磨によって表面処理する。この電解研磨による表面処理により、前記加工によって医療用針の先端部分に生じたバリが除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-69678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の医療用針の製造方法によれば、電解研磨による表面処理を行うことにより、バリだけでなく医療用針自体も電解液の影響を大きく受けうる。このため、医療用針の先端部分に加工して得た加工面と円筒状面との間のエッジ部及び先鋭部等が丸くなってしまうおそれがあり、改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、医療用針の先端部分に加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる医療用針の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る医療用針の製造方法は、金属製基材を針状に加工する加工工程と、先端部分に加工して得られた加工面を備える針状の前記金属製基材をウルトラファストレーザビームの照射によって表面処理する表面処理工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る医療用針の製造方法によれば、電解研磨による表面処理の工程を不要とすることにより、医療用針の先端部分に加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、医療用針の概略構成を示す平面図である。
図2図2は、医療用針の製造工程を示すフロー図である。
図3図3は、金属製基材を成形する工程を示す図である。
図4図4は、金属製基材を加工する工程の第一工程を示す図である。
図5図5は、金属製基材を加工する工程の第二工程を示す図である。
図6図6は、金属製基材にエアを吹き付ける工程を示す図である。
図7図7は、金属製基材にレーザを照射する工程を示す図である。
図8図8は、金属製基材へのレーザ照射タイプの一例を示す図である。
図9図9は、金属製基材へのレーザ照射タイプの一例を示す図である。
図10図10は、金属製基材へのレーザ照射タイプの一例を示す図である。
図11図11は、金属製基材へのレーザ照射タイプの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0011】
[医療用針の概略構成]
先ず、本実施形態における医療用針1の概略構成を説明する。
【0012】
図1に示す医療用針1は、金属製(例えば、ステンレス製)の注射針であり、医療用針1の先端部分1aには、ランセットカット等の製造工程を経て、先鋭部2、エッジ部3、一次傾斜面部(一次加工面)4及び二次傾斜面部(二次加工面)5等が形成されている。
【0013】
図1に示す医療用針1は、先端部分1aにランセットカットが施されたものである。しかしながら、これに限定はされず、医療用針1は、先端部分1aにバックカット及びセミランセットカット等の他のカットが施されたものであってもよい。
【0014】
また、医療用針1は、図1に示すような注射針には限定はされず、穿刺針、極細針、薄肉針等の他の種類の医療用針であってもよい。
【0015】
[医療用針の製造工程]
次に、本実施形態の医療用針1の製造工程(製造方法)を説明する。
【0016】
図2に示すように、この医療用針1の製造工程は、成形工程S1と、加工工程S2と、エアブロイング工程S3と、表面処理工程(バリ除去工程)S4とから主に構成される。
【0017】
(1)成形工程
先ず、図3に示すように、成形工程S1において、金属製(例えば、ステンレス製)の薄板を円筒状に成形して、細長い円筒状の金属製基材10を成形する。
【0018】
(2)加工工程
次に、図4に示すように、加工工程S2において、金属製基材10の先端部分1aを軸心CLに対して所定角度斜めに傾斜させて切断する。この加工工程S2の第一工程により、金属製基材10の先端部分1aにループ状の一次傾斜面部4が形成される。
【0019】
さらに、その後に、図5に示すように、金属製基材10を軸心CLを回転中心として所定角度正逆に回転させてから一次傾斜面部4の最先端側の左右両側をさらに斜めに切削する。この加工工程S2の第二工程により、先鋭部2となる最先端部分が形成されると共に、その後方部分の左右に二次加工面である二次傾斜面部5が形成され、さらに、その隣接後方部分に残留一次加工面である一次傾斜面部4が形成される。この加工工程S2の第二工程は、砥石(例えば、ダイアモンド砥石)を用いる機械研磨により行われるようになっている。
【0020】
(3)エアブロイング工程
次に、図6に示すように、エアブロイング工程S3において、エアARを金属製基材10に吹き付けることにより、加工工程S2における機械研磨時に金属製基材10の先端部分1aに生じた微小なバリをある程度吹き飛ばして除去する。
【0021】
このエアARの金属製基材10への吹き付けは、例えば、エアブロア11及びエア供給源12等を備えるエアブロア装置を用いて行う。図6に示すエアブロア装置の場合、図示しない治具に配置された金属製基材10の先端部分1aに対して、エアブロア11からエアARが吹き付けられるようになっている。
【0022】
(4)表面処理工程(バリ除去工程)
そして、図7に示すように、表面処理工程S4において、ウルトラファストレーザビームLBを、先端部分1aに加工して得られた加工面(一次加工面、二次加工面)を備える針状の金属製基材10に照射する。これにより、加工工程S2における機械研磨時に生じた微小なバリが金属製基材10の先端部分1a(特に、二次加工面)から除去され、金属製基材10の先端部分1aの表面処理がなされる。
【0023】
このウルトラファストレーザビームLBの金属製基材10への照射は、例えば、ビーム照射部13及びレーザ光源14等を備えるレーザ照射装置を用いて行う。図7に示すレーザ照射装置の場合、図示しない治具に配置された金属製基材10の先端部分1aに対して、ビーム照射部13からウルトラファストレーザビームLBが照射されるようになっている。
【0024】
以下に、レーザ環境(レーザ仕様)の一例を示す。
レーザ環境:
1.超高速レーザ(ウルトラファストレーザ;Ultrafast Laser)
2.比熱的加工(アブレーション加工;ablation processing)
3.光学スキャナ(オプティカルスキャナ;Optical Scanner)、ガルバノスキャナタイプ
「ウルトラファストレーザ」とは、約10ピコ秒(ps)よりも短い、フェムト秒(fs)近傍の持続時間を有するパルスからなるレーザのことを指す。
【0025】
以下に、レーザ条件(レーザ照射条件)の一例を示す。
レーザ条件[1]:
1.レーザ照射(1回目) 出力:0.2W、照射時間:10秒
2.レーザ照射(2回目) 出力:0.6W、照射時間:10秒
3.レーザ照射(3回目) 出力:2W、照射時間:10秒
このレーザ条件[1]では、ウルトラファストレーザビームLBの照射を複数段階で行い、ウルトラファストレーザビームLBの出力を複数段階ごとに変化させる。
【0026】
レーザ条件[2]:
1.レーザ照射(1回目) 出力:1W、照射時間:10秒
2.レーザ照射(2回目) 出力:1W、照射時間:10秒
3.レーザ照射(3回目) 出力:1W、照射時間:10秒
このレーザ条件[2]では、ウルトラファストレーザビームLBの照射を複数段階で行い、ウルトラファストレーザビームLBの出力は複数段階で同じである。
【0027】
レーザ条件[3]:
1.レーザ照射 出力:2W、照射時間:1秒
このレーザ条件[3]では、ウルトラファストレーザビームLBの照射を1回のみ行う。
【0028】
また、図7に示すように、表面処理工程S4において、N2ガス(窒素ガス)、アルゴンガス及びヘリウムガス等の不活性ガスGSを金属製基材10に供給しながら、ウルトラファストレーザビームLBを金属製基材10に照射するようにしてもよい。不活性ガス雰囲気下でウルトラファストレーザビームLBの金属製基材10への照射を行うことにより、金属製基材10の先端部分1aの酸化反応が抑制される。
【0029】
この不活性ガスGSの金属製基材10への供給は、例えば、ガスノズル15及びガス供給源16等を備えるガス供給装置を用いて行う。図7に示すガス供給装置の場合、図示しない治具に配置された金属製基材10の先端部分1aに対して、ガスノズル15から不活性ガスGSが供給されるようになっている。
【0030】
なお、不活性ガス雰囲気下でウルトラファストレーザビームLBの金属製基材10への照射を行うことができればよく、不活性ガスGSの供給を常時行うのではなく、表面処理工程S4の前に事前に不活性ガス雰囲気に置換しておくようにしてもよい。
【0031】
また、図示はしないが、不活性ガスGSの金属製基材10への供給に代えて、エアARを金属製基材10に吹き付けながら、ウルトラファストレーザビームLBを金属製基材10に照射するようにしてもよい。金属製基材10に対するバリの単純付着及び大きなバリ等に対しては、エアARを金属製基材10に吹き付けている状態で、ウルトラファストレーザビームLBの照射をすることが効果的である。
【0032】
このエアARの金属製基材10への吹き付けは、例えば、エアブロア11及びエア供給源12等を備えるエアブロア装置(図6参照)を用いて行う。このようなエアブロア装置の場合、図示しない治具に配置された金属製基材10の先端部分1aに対して、エアブロア11からエアARを吹き付ける。
【0033】
また、製造効率向上の観点からは、図8図11に示すように、表面処理工程S4において、複数本の金属製基材10を並列に並べて、これら複数本の金属製基材10へのウルトラファストレーザビームLBの照射を同時に行うことが望ましい。
【0034】
また、図8図11には、金属製基材10へのレーザ照射タイプ(レーザ照射パターン)の一例がそれぞれ示される。なお、図8図11において、符号20はレーザ照射が行われるレーザ照射フィールドを示し、符号21は設定されたレーザ照射フィールド20内においてレーザ焦点が移動した軌跡を示す。
【0035】
図8に示すレーザ照射タイプにおいては、レーザ照射フィールド20Aが平面視で長方形状に設定され、レーザ焦点の軌跡21Aが平面視において金属製基材10の軸心CLと平行な方向に沿って形成される(縦方向パターン)。
【0036】
また、図9に示すレーザ照射タイプにおいては、レーザ照射フィールド20Bが平面視で長方形状に設定され、レーザ焦点の軌跡21Bが平面視において金属製基材10の軸心CLに対して直交する方向に沿って形成される(横方向パターン)。
【0037】
また、図10に示すレーザ照射タイプにおいては、レーザ照射フィールド20Cが平面視で長方形状に設定され、レーザ焦点の軌跡21Cが平面視において丸く円弧状に形成される。
【0038】
また、図11に示すレーザ照射タイプにおいては、レーザ照射フィールド20Dが平面視で長方形状に設定され、レーザ焦点の軌跡21Dが平面視において前記縦方向パターンと前記横方向パターンとを組み合わせたメッシュ状に形成される。
【0039】
なお、図8図11に示したレーザ照射タイプは、あくまでも一例であり、図8図11に示したレーザ照射タイプ以外の照射パターンも適宜に採用することが可能である。
【0040】
以上、上述した成形工程S1、加工工程S2、エアブロイング工程S3、表面処理工程S4を経ることにより、図1に示すような医療用針1を得ることができる。
【0041】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0042】
(1)医療用針1の製造方法は、金属製基材10を針状に加工する加工工程S2と、先端部分1aに加工して得られた加工面を備える針状の金属製基材10をウルトラファストレーザビームLBの照射によって表面処理する表面処理工程S4と、を含む。
【0043】
ウルトラファストレーザビームLBの適用により、医療用針1の先端部分1aに加工して得た加工面と円筒状面との間のエッジ部3及び先鋭部2を残しながら、加工工程S2において医療用針1の先端部分1aに生じたバリを除去することができる。
【0044】
したがって、本実施形態の医療用針1の製造方法によれば、電解研磨による表面処理の工程を不要とすることにより、医療用針1の先端部分1aに加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態の医療用針1の製造方法によれば、電解研磨による表面処理の工程を不要とすることにより、クリーンな環境下において医療用針1を製造することができ、医療用針1の品質性向上の可能性が見込まれる。
【0046】
(2)表面処理工程S4において、ウルトラファストレーザビームLBの出力が0.2W~2Wである。
【0047】
このようにウルトラファストレーザビームLBの出力を比較的低出力に設定することにより、医療用針1の先端部分1aに加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる。
【0048】
(3)表面処理工程S4において、ウルトラファストレーザビームLBによる金属製基材10への1本当たりの照射時間が1秒~30秒である。
【0049】
このようにウルトラファストレーザビームLBの照射時間を比較的短時間に設定することにより、医療用針1の先端部分1aに加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる。
【0050】
(4)表面処理工程S4において、ウルトラファストレーザビームLBの照射を複数段階で行い、ウルトラファストレーザビームLBの出力を複数段階ごとに変化させる。
【0051】
このようにウルトラファストレーザビームLBの照射を複数段階で行うことにより、医療用針1の先端部分1aに加工して得た加工面を損なうことなく表面処理を行うことができる。
【0052】
(5)表面処理工程S4において、不活性ガスGSを金属製基材10に供給しながら、ウルトラファストレーザビームLBを金属製基材10に照射する。
【0053】
このように不活性ガス雰囲気下でウルトラファストレーザビームLBの金属製基材10への照射を行うことにより、金属製基材10の先端部分1aの酸化反応を抑制することができる。
【0054】
(6)表面処理工程S4において、エアARを金属製基材10に吹き付けながら、ウルトラファストレーザビームLBを金属製基材10に照射する。
【0055】
金属製基材10に対するバリの単純付着及び大きなバリ等に対しては、エアARを金属製基材10に吹き付けている状態で、ウルトラファストレーザビームLBの照射をすることが効果的である。
【0056】
(7)加工工程S2と表面処理工程S4との間に、エアARを金属製基材10に吹き付けるエアブロイング工程S3を行う。
【0057】
このように加工工程S2と表面処理工程S4との間にエアブロイング工程S3を行うことにより、加工工程S2における機械研磨時に金属製基材10の先端部分1aに生じた微小なバリをある程度吹き飛ばして除去することができる。
【0058】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0059】
1 医療用針
1a 先端部分
10 金属製基材
AR エア
GS 不活性ガス
LB ウルトラファストレーザビーム
S2 加工工程
S3 エアブロイング工程
S4 表面処理工程(バリ除去工程)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11