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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20240423BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20240423BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240423BHJP
【FI】
F21S9/02 110
F21V23/04 130
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019229139
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021097007
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 良明
(72)【発明者】
【氏名】石井 慎二
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-123143(JP,A)
【文献】特開2019-106269(JP,A)
【文献】特開2014-182959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21V 23/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池から電力が供給される光源と、
前記光源を有し被取付面に取り付けられる本体枠と、
前記本体枠に取り付けられ、図柄または文字を表示する板状の形状の表示部と、
前記本体枠より前記本体枠の外部に露出しており外部から押圧される外部ボタンと、
前記外部ボタンが外部から押圧された場合に前記蓄電池の電力を前記光源に供給させる制御部と、
前記外部ボタンの前記本体枠より外部に露出している箇所に設けられ、前記外部ボタンを押圧するものが引っ掛かる引っ掛かり部と、
を備え、
前記引っ掛かり部は、前記外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に前記表示部の厚み方向の幅が、前記外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に前記表示部の厚み方向および前記外部ボタンが押圧される方向の両方に対して垂直な方向の幅よりも長い照明装置。
【請求項2】
前記引っ掛かり部は、前記外部ボタンが押圧される方向に窪んだ凹部または前記外部ボタンが押圧される方向とは逆方向に突出した凸部である請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記外部ボタンは、前記本体枠が被取付面に取り付けられた状態において当該照明装置の直下から押圧することができる請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記外部ボタンは上方向に押圧され前記本体枠の下面に設けられている請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記本体枠の内部に設けられ前記外部ボタンが押圧される方向に対して平行な成分を持
つ方向に押圧される内部ボタンと、
前記制御部の一部であり前記内部ボタンを実装し前記内部ボタンが実装された面が前記内部ボタンが押圧される方向に対して垂直な面である制御基板と、
前記外部ボタン、前記内部ボタンを押圧する押圧部および軸部が一体に形成されたスイッチユニットと、を備え、
前記スイッチユニットは前記外部ボタンが外部から押圧された場合に前記軸部を中心に回転して前記押圧部が前記内部ボタンを押圧し、
前記制御部は前記内部ボタンが押圧された場合に前記蓄電池の電力を前記光源に供給させる請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記外部ボタンは、前記外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に前記内部ボタンが押圧される方向に平行な方向の幅が、前記外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に前記内部ボタンが押圧される方向および前記外部ボタンが押圧される方向の両方に対して垂直な方向の幅よりも長い請求項5に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源を有する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、避難経路を明示する目的または避難者の視界を確保する目的で火災などによる停電時にも点灯する誘導用の照明装置があった。このような照明装置は常時は外部電源から電力が供給されて点灯し、停電時には蓄電池から電力が供給されて点灯する。また、このような照明装置の点検作業として、消防法または建築基準法などの法令で非常時に照明装置が点灯できるか否かの点検作業が定められている。したがって、点検作業を容易に行えるような照明装置が求められている。
【0003】
特許文献1に示す誘導用の照明装置(特許文献1の表示装置が該当)は、点検を開始する指示情報である点検指示を出すボタン(特許文献1の点検スイッチおよび自動点検スイッチが該当)が器具本体の外側に露出している。このため、特許文献1に示す誘導用の照明装置はボタンを押圧することによって容易に点検作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-99376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に誘導用の照明装置が取り付けられる被取付面は建築物の天井または壁面などの高所であり、特許文献1に示すような照明装置に設けられたボタンはユーザーの手が容易に届く場所には位置していない。このため、ユーザーは照明装置のボタンを押圧する際に細長い棒状の道具を用いる場合がある。しかしながら、特許文献1の照明装置では棒状の道具の先端がボタンの表面を滑り、棒状の道具でボタンを押圧することが困難であった。
【0006】
本開示は、ユーザーが道具を用いて容易にボタンを押圧することができる照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、蓄電池から電力が供給される光源と、光源を有し被取付面に取り付けられる本体枠と、本体枠に取り付けられ、図柄または文字を表示する板状の形状の表示部と、本体枠より本体枠の外部に露出しており外部から押圧される外部ボタンと、外部ボタンが外部から押圧された場合に蓄電池の電力を光源に供給させる制御部と、外部ボタンの本体枠より外部に露出している箇所に設けられ、外部ボタンを押圧するものが引っ掛かる引っ掛かり部と、を備え、引っ掛かり部は、外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に表示部の厚み方向の幅が、外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に表示部の厚み方向および外部ボタンが押圧される方向の両方に対して垂直な方向の幅よりも長い。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る照明装置は、外部ボタンの本体枠より外部に露出している箇所に設けられ外部ボタンを押圧するものが引っ掛かる引っ掛かり部を備える構成である。当該構成によって、道具を用いてボタンを押圧した場合でも道具が引っ掛かり部に引っ掛かるため、ユーザーが道具を用いて容易にボタンを押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明装置の正面図である。
図3】実施の形態1に係る照明装置の右側面図である。
図4】実施の形態1に係る照明装置の下面図である。
図5】実施の形態1に係る照明装置の上面図である。
図6】実施の形態1に係る照明装置の図4におけるA-A断面を示す断面図である。
図7】実施の形態1に係る照明装置の図6における領域Bを拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図における同一又は相当する部分については同一の符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。
【0011】
また、各図では装置および部品等の配置および向き等を矢印X、矢印Yおよび矢印Zが相互に直交する三軸の直交座標系の方向で定義している。矢印Xで示す方向を左右方向と称する。矢印Xの原点側を左方と称する。矢印Xの先端側を右方と称する。矢印Yで示す方向を上下方向と称する。矢印Yの原点側を上方と称する。矢印Yの先端側を下方と称する。矢印Zで示す方向を前後方向と称する。矢印Zの原点側を後方と称する。矢印Zの先端側を前方と称する。なお、これらの呼称は説明のために便宜上定めたものであり、装置および部品等の配置および向き等を限定するものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明装置の正面図である。図3は、実施の形態1に係る照明装置の右側面図である。図4は、実施の形態1に係る照明装置の下面図である。図5は、実施の形態1に係る照明装置の上面図である。図6は、実施の形態1に係る照明装置の図4におけるA-A断面を示す断面図である。実施の形態1に係る照明装置100について説明する。なお、実施の形態1に係る照明装置100の後面図は図2に示した正面図と略同じであり、実施の形態1に係る照明装置100の左側面図は図3に示した右側面図とほぼ同じであるため、照明装置100の後面図および左側面図については図示を省略する。
【0013】
照明装置100は、本体枠1と、二つの表示部2と、二つの光源部3と、制御部4と、蓄電池5と、端子台6と、を備える。照明装置100は表示部2と光源部3とが本体枠1を挟んで前方および後方にそれぞれ設けられ、このような照明装置を両面灯と称する。また、照明装置100は前面および後面に対して垂直な面である上面が天井などの被取付面に取り付け可能である。
【0014】
本体枠1は、照明装置100の筐体である。本体枠1は前方と後方に開口が形成された箱形状である。また、本体枠1は、上面部11と、下面部12と、二つの側面部13と、内面部14と、を有している。
【0015】
上面部11は、照明装置100の上面を構成する。上面部11は、照明装置100を被取付面に取り付ける際に用いられる取付具15を有する。また、取付具15には電源挿入用穴16と固定用穴17が形成されている。電源挿入用穴16は本体枠1の内部に外部電源と電気的に接続している電源線を引き込むために設けられた穴である。なお、外部電源には、例えば交流100Vないし交流200Vの商用電源または太陽光発電施設で発電される直流電源などが挙げられる。固定用穴17はねじなどが挿入される穴である。施工者は固定用穴17を用いて照明装置100を被取付面に取り付ける。照明装置100が被取付面に取り付けられた際に取付具15は被取付面と密着する。
【0016】
下面部12は、照明装置100の下面を構成する。下面部12には下面穴18が形成されている。下面穴18は下面部12を貫通しており、制御部4の一部が下面穴18より本体枠1の外部に露出している。
【0017】
二つの側面部13は、照明装置100の右面もしくは左面を構成する。
【0018】
内面部14は、上面部11と下面部12と二つの側面部13に囲まれた位置に設けられる。内面部14には、少なくとも蓄電池5と端子台6とが載置される。
【0019】
表示部2は、図柄または文字を表示する。表示部2は板状の形状であり、本体枠1の前方の開口または本体枠1の後方の開口を覆う位置に取り付けられる。したがって、表示部2は照明装置100の前面または後面を構成し、前後方向に対して垂直な面を形成している。
【0020】
照明装置100の前面を構成する表示部2は、前面に図柄または文字が印刷されている。また、照明装置100の前面を構成する表示部2は上端から入射した光を表示部2の前面から出射させる。このため、照明装置100の前面を構成する表示部2は上端から光が入射されることによって印刷された図柄または文字を表示することができる。このような表示部2の構造としては、例えば、図柄または文字が印刷された表示板と、端部より入射した光が内部で拡散し面発光させる導光板と、光を反射させる反射板と、をそれぞれ前方から順に積層した構造などが挙げられる。
【0021】
なお、照明装置100の後面を構成する表示部2は、照明装置100の前面を構成する表示部2と裏表が逆になっていることを除いてほぼ同様である。従って、照明装置100の後面を構成する表示部2の説明は、上述の照明装置100の前面を構成する表示部2の説明の前を後に置き換えるだけであるので、説明を省略する。
【0022】
光源部3は、表示部2に光を照射する。光源部3は表示部2の上方にそれぞれ設けられ、本体枠1の前方の開口または後方の開口の上方に取り付けられる。このため、照明装置100が被取付面に取り付けられた状態において光源部3は被取付面と表示部2との間に設けられる。また、光源部3は、表示部2の上端に光を照射させ、表示部2を照らす。光源部3は図示を省略した光源モジュールと光源ホルダ31とを有する。
【0023】
光源モジュールは、光を照射する光源が実装された基板である。光源にはLED(Light Emitting Diode)が用いられる。また、光源モジュールにはLEDの他にコネクタなどのLEDを点灯させるための電子部品が実装され、LEDと電子部品を電気的に接続する配線パターンが形成されている。
【0024】
光源ホルダ31は、光源モジュールを保持する。光源ホルダ31には図示を省略した光源モジュール保持部が形成されており、光源モジュールは光源が実装された実装面を下方向に向けて光源モジュール保持部によって保持される。
【0025】
また、光源ホルダ31の上面には、それぞれ上下方向の位置が異なる低部32と高部33が形成されている。高部33は低部32よりも上方に位置する。また、光源ホルダ31を本体枠1に固定した場合に高部33は本体枠1の上面部11よりも下方に位置する。このため、照明装置100が被取付面に取り付けられた場合、高部33と被取付面との間には隙間が形成され、低部32と被取付面との間には隙間が形成される。さらに、高部33と被取付面との間に形成される隙間は低部32と被取付面との間に形成される隙間よりも狭い。
【0026】
また、光源ホルダ31の上面には、リブ34が低部32から上方に立ち上がっており、前後方向に沿って複数本形成されている。また、リブ34は、後方に向かうに従って高さが低くなるテーパー状に形成されており、最も高さが高い部分は高部33とほぼ同じ高さであり、最も高さが低い部分は低部32とほぼ同じ高さである。
【0027】
制御部4は、照明装置100を制御する。制御部4は、光源に外部電源の電力が供給される状態と光源に蓄電池5の電力が供給される状態と切り替える制御を行う。例えば、制御部4は外部電源からの電力が照明装置100に供給されている場合は光源に外部電源の電力が供給される状態にし、外部電源からの電力が途絶えた場合に光源に蓄電池5の電力が供給される状態に切り替える。制御部4は、光源部3と蓄電池5と端子台6と配線を介して電気的に接続されている。制御部4は、制御基板41と、制御基板ケース42と、内部ボタン43と、スイッチユニット44と、を有する。
【0028】
制御基板41は、照明装置100の制御を行う電子回路が構成された基板であり、図示を省略したプロセッサ、図示を省略した電子部品または内部ボタン43などが実装面に実装されている。制御基板41に構成された電子回路としては、外部電源から供給させる電力で光源を点灯させる常用点灯回路、蓄電池5から供給される電力で光源を点灯させる非常用点灯回路、状況に応じて常用点灯回路と非常用点灯回路を切り替える切替回路および外部電源から供給される電力で蓄電池5を充電する充電回路などが挙げられる。また、制御基板41の実装面は前後方向に対して垂直な面である。
【0029】
制御基板ケース42は、制御基板41を収納するケースである。制御基板ケース42は本体枠1と表示部2とに囲まれた空間に位置している。また、制御基板ケース42の下端の一部は本体枠1の下面部12に形成された下面穴18より本体枠1の外部に露出している。また、制御基板ケース42の本体枠1の外部に露出している部分には少なくともスイッチユニット44の一部を本体枠1の外部に露出させるための穴が形成されている。
【0030】
内部ボタン43は、本体枠1の内部に位置するボタンである。内部ボタン43は、後方向に押圧される。つまり、内部ボタン43は制御基板41に対して垂直な方向に押圧される。内部ボタン43の詳細については後述する。
【0031】
スイッチユニット44は、ユーザーが内部ボタン43を押圧するための操作を受け付ける。スイッチユニット44の詳細については後述する。
【0032】
蓄電池5は、光源に電力を供給する。蓄電池5には、ニッケル・水素蓄電池(Ni-MH蓄電池)、ニッケル・カドミウム蓄電池(Ni-Cd蓄電池)、その他リチウム系の蓄電池が用いられる。
【0033】
端子台6は、本体枠1の内部に引き込まれた電源線が物理的に接続される。外部電源は端子台6を介して光源に電力を供給する。
【0034】
図7は、実施の形態1に係る照明装置の図6における領域Bを拡大した拡大図である。次に内部ボタン43とスイッチユニット44の詳細について説明する。
【0035】
内部ボタン43は、照明装置100の点検作業が行われる際に押圧されるボタンである。また、照明装置100は二つの内部ボタン43を有しており、それぞれ制御部4の動作が異なる。一方の内部ボタン43を第一の内部ボタン43aと称し、他方の内部ボタン43を第二の内部ボタン43bと称する。
【0036】
光源に外部電源の電力が供給される状態であり第一の内部ボタン43aが押圧された場合、制御部4は光源に外部電源の電力が供給される状態から光源に蓄電池5の電力が供給される状態に切り替える。制御部4は、第一の内部ボタン43aが押圧されている間は光源に蓄電池5の電力が供給される状態を保ち、第一の内部ボタン43aが押圧されなくなると光源に外部電源の電力が供給される状態に戻す。このように、第一の内部ボタン43aが押圧されている間は光源に蓄電池5の電力が供給される状態となるため、蓄電池5の電力によって光源が点灯するか否かを点検する際に第一の内部ボタン43aは押圧される。
【0037】
光源に外部電源の電力が供給される状態であり第二の内部ボタン43bが押圧された場合、制御部4は光源に外部電源の電力が供給される状態から光源に蓄電池5の電力が供給される状態に切り替える。制御部4は、第二の内部ボタン43bが押圧されてから予め定められた時間が経過するまで光源に蓄電池5の電力が供給される状態を保ち、予め定められた時間が経過すると光源に外部電源の電力が供給される状態に戻す。このように、第二の内部ボタン43bが押圧された後の予め定められた時間の間は光源に蓄電池5の電力が供給される状態となるため、蓄電池5の電力によって光源が予め定められた時間の間に点灯するか否かを点検する際に第二の内部ボタン43bは押圧される。なお、この予め定められた時間は消防法または建築基準法などの法令で定められた蓄電池による点灯時間を満たす時間に定められる。
【0038】
スイッチユニット44は二つあり、一方のスイッチユニット44を第一のスイッチユニット44aと称し、他方のスイッチユニット44を第二のスイッチユニット44bと称する。さらに、以降の説明において第一のスイッチユニット44aと第二のスイッチユニット44bとで説明が共通する場合は単にスイッチユニット44と称する。
【0039】
スイッチユニット44は、外部ボタン45と押圧部46と軸部47を有し、外部ボタン45と押圧部46と軸部47が一体に形成された部材である。なお、第一のスイッチユニット44aが有する外部ボタン45と押圧部46と軸部47をそれぞれ第一の外部ボタン45a、第一の押圧部46a、第一の軸部47aと称する。また、第二のスイッチユニット44bが有する外部ボタン45と押圧部46と軸部47をそれぞれ第二の外部ボタン45b、第二の押圧部46b、第二の軸部47bと称する。さらに、以降の説明において、第一の外部ボタン45aと第二の外部ボタン45bとで説明が共通する場合は単に外部ボタン45と表記し、第一の押圧部46aと第二の押圧部46bとで説明が共通する場合は単に押圧部46と表記し、第一の軸部47aと第二の軸部47bとで説明が共通する場合は単に軸部47と表記する。
【0040】
外部ボタン45は、本体枠1の外部に位置するボタンである。外部ボタン45は、制御基板ケース42の本体枠1の外部に露出している部分に形成された穴から本体枠1の外部に露出している。また、外部ボタン45は上方向に押圧される。このため、外部ボタン45は照明装置100が被取付面に取り付けられた状態において照明装置100の直下から押圧することができる。また、外部ボタン45の一部は本体枠1の下面部12より突出している。
【0041】
さらに、外部ボタン45の本体枠1の外部に露出していた表面には、上方向に窪んだ凹部48が形成されている。なお、第一の外部ボタン45aに形成された凹部48は第一の凹部48aと称し、第二の外部ボタン45bに形成された凹部48は第二の凹部48bと称する。
【0042】
第一の外部ボタン45aと第二の外部ボタン45bとは、照明装置100の下方から見た場合の形状がそれぞれ異なる。第一の外部ボタン45aは照明装置100の下方から見た場合に真円の形状である。第二の外部ボタン45bは照明装置100の下方から見た場合に前後方向の幅が左右方向の幅より長い長円の形状である。
【0043】
押圧部46は、内部ボタン43の前方に位置する。第一の押圧部46aは第一の内部ボタン43aの前方に位置し、第二の押圧部46bは第二の内部ボタン43bの前方に位置する。
【0044】
軸部47は左右方向に長尺な円柱形状であり、制御基板ケース42に左右方向を中心軸として回転可能に固定されている。このため、スイッチユニット44は軸部47を中心軸として、左右方向に垂直な面に沿って回転することができる。
【0045】
また、外部ボタン45は軸部47よりも下方に位置し、軸部47よりも前方に位置する。さらに、押圧部46は軸部47の上方に位置し、押圧部46と軸部47との前後方向の位置は略同じである。ここで、外部ボタン45を上方向に押圧した場合について説明する。外部ボタン45を上方向に押圧すると、スイッチユニット44は照明装置100の右側面部から見て軸部47を中心に時計回りに回転し、押圧部46は後方に動く。押圧部46は内部ボタン43の前方に位置しているため、押圧部46が後方に移動することによって押圧部46は内部ボタン43を後方に押圧する。つまり、外部ボタン45を上方向に押圧することによって、内部ボタン43は後方に押圧される。したがって、第一の外部ボタン45aを上方向に押圧すると、第一の内部ボタン43aが押圧される。さらに、第二の外部ボタン45bを上方向に押圧すると、第二の内部ボタン43bが押圧される。このため、第一の外部ボタン45aを押圧すると制御部4は第一の内部ボタン43aが押圧された場合の動作を行う。また、第二の外部ボタン45bを押圧すると制御部4は第二の内部ボタン43bが押圧された場合の動作を行う。
【0046】
また、制御部4は第一のスイッチユニット44aと第二のスイッチユニット44bを連結する連結部49を有する。連結部49は第一の押圧部46aの下方側の部分と第二の押圧部46bの下方側の部分を連結している。連結部49は、例えば樹脂のように一方の外部ボタン45が押圧されたときに他方の押圧部46によって内部ボタン43が押されないようねじれ変形するような柔軟性を有する部材が用いられる。つまり、照明装置100は連結部49を有するが、第一の外部ボタン45aを押圧した場合に第二の内部ボタン43bは押圧されず、第二の外部ボタン45bを押圧した場合に第一の内部ボタン43aは押圧されないようになっている。
【0047】
次にユーザーが照明装置100を点検するために外部ボタン45を押圧する場合について説明する。ここで、ユーザーは照明装置100の外部ボタン45を押圧する際に細長い棒状の道具を用いると仮定する。
【0048】
道具の先端は、外部ボタン45の表面に形成されている凹部48に嵌り込む。道具の先端が凹部48に嵌り込むと、道具の先端を左右方向または前後方向に動かしても道具の先端は凹部48の縁に引っ掛かる。つまり、凹部48は道具の先端が引っ掛かる引っ掛かり部となるため、道具の先端が外部ボタン45から外れるような動きが規制され、外部ボタンの表面が平らな場合と比較して容易に外部ボタン45を押圧できることができる。
【0049】
以上のように実施の形態1に係る照明装置100の構成は、蓄電池5から電力が供給される光源と、光源を有し被取付面に取り付けられる本体枠1と、本体枠1より本体枠1の外部に露出しており外部から押圧される外部ボタン45と、外部ボタン45が外部から押圧された場合に蓄電池5の電力を光源に供給させる制御部4と、外部ボタン45の本体枠1より外部に露出している箇所に設けられ外部ボタン45を押圧するものが引っ掛かる引っ掛かり部(凹部48が該当)と、を備える。特に、外部ボタン45に外部ボタン45を押圧するものが引っ掛かる引っ掛かり部を備えることによって、実施の形態1に係る照明装置100はユーザーが道具を用いて容易にボタンを押圧することができる効果を奏する。
【0050】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、引っ掛かり部は外部ボタン45が押圧される方向(上方向が該当)に窪んだ凹部48である構成を有する。当該付加的な構成によって、実施の形態1に係る照明装置100は、外部ボタン45を押圧する際に道具の先端が凹部に嵌り込み道具が外部ボタン45から外れるような動きが規制されるため、ユーザーが道具を用いて容易に外部ボタン45を押圧することができる効果を奏する。
【0051】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、外部ボタン45は、本体枠1が被取付面に取り付けられた状態において照明装置100の直下から押圧することができる構成を有する。当該付加的な構成によって、実施の形態1に係る照明装置100は高所に設置された場合であっても容易に外部ボタン45を押圧することができる。
【0052】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、外部ボタン45は上方向に押圧され本体枠1の下面部12に設けられている構成を有する。当該付加的な構成によって、実施の形態1に係る照明装置100は高所に設置された場合であっても容易に外部ボタン45を押圧することができる効果を奏する。
【0053】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、外部ボタン45の一部は本体枠1から外部に突出している構成を有する。当該付加的な構成によって、実施の形態1に係る照明装置100は外部ボタン45をユーザーが視認し易くなる効果を奏する。また、外部ボタン45を押圧する際にユーザーは棒状の道具を用いる以外にも脚立などの足場を用いて指で外部ボタン45を押圧する場合がある。指で外部ボタンを押圧する場合、外部ボタンが本体枠の内部に収納されていると指で外部ボタンを押圧することが困難である。対して、実施の形態1に係る照明装置100は当該付加的な構成を有することによって、外部ボタンが本体枠の内部に収納されている場合と比較して、容易にユーザーが指で外部ボタンを押圧することができる効果を奏する。また、外部ボタンが本体枠の内部に収納されている場合は外部ボタンの表面が平らであり道具の先端が外部ボタンの表面を滑った場合でも外部ボタンを囲う本体枠に引っ掛かり、道具の先端は外部ボタンと接触した状態を保つことができる。しかしながら、外部ボタンが本体枠から外部に突出している場合は外部ボタンの表面が平らであり道具の先端が外部ボタンの表面を滑った場合に道具の先端が引っ掛かるものはなく、道具の先端は外部ボタンと接触した状態を保つことができない。このため、当該付加的な構成を備えることによって、実施の形態1に係る照明装置100は引っ掛かり部を有することによる効果をより顕著に発揮することができる。
【0054】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、図柄または文字を表示し光源から照射される光に照らされる表示部2を備える構成を有する。当該付加的な構成によって、例えば避難経路を表示するなど照明装置の設置目的に応じた表示を行うことができる。
【0055】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、本体枠1の内部に設けられ外部ボタン45が押圧される方向(上方向が該当)に対して平行な成分を持つ方向(後方向が該当)に押圧される内部ボタン43と、制御部4の一部であり内部ボタン43を実装し内部ボタン43が実装された面が内部ボタン43が押圧される方向に対して垂直な面である制御基板41と、外部ボタン45、内部ボタン43を押圧する押圧部46および軸部47が一体に形成されたスイッチユニット44と、を備え、スイッチユニット44は外部ボタン45が外部から押圧された場合に軸部47を中心に回転して押圧部46が内部ボタン43を押圧し制御部4は内部ボタン43が押圧された場合に蓄電池5の電力を光源に供給させる構成を備える。制御基板41の実装面に実装された電子部品は、実装面に対して平行な方向からの応力が加えられた場合と比較して、実装面に対して垂直な方向からの応力が加えられた場合の方が脱落し難い。このため、内部ボタンの押圧方向が制御基板の実装面に対して平行な方向であった場合、内部ボタンが過度な応力によって押圧された場合に内部ボタンが実装面より脱落してしまう。しかしながら、実施の形態1に係る照明装置100は内部ボタン43が押圧される方向が制御基板41の実装面に対して垂直であるため、内部ボタンが押圧される方向が制御基板41の実装面に対して平行な場合と比較して、内部ボタン43が脱落し難い効果を奏する。
【0056】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、外部ボタン(第二の外部ボタン45bが該当)は外部ボタンが押圧される方向の原点側(下が該当)から見た際に内部ボタン43が押圧される方向に平行な方向(前後方向が該当)の幅が、外部ボタンが押圧される方向の原点側から見た際に内部ボタン43が押圧される方向および外部ボタンが押圧される方向の両方に対して垂直な方向(左右方向が該当)の幅よりも長い構成を有する。スイッチユニット44において、てこの支点となる軸部47とてこの力点となる外部ボタン45との距離が長いほど同等の力でもあってもてこの作用点となる押圧部46に働く力は大きくなる。つまり、外部ボタン45と軸部47の距離が長いほど外部ボタン45に加える力が小さくとも押圧部46によって内部ボタン43を押すことができる。実施の形態1に係る照明装置100は、第二の外部ボタン45bの前後方向の幅が左右方向の幅よりも長いため、第一の外部ボタン45aのように前後方向の幅と左右方向の幅が同じ場合と比較して、省スペースで外部ボタンの前後方向における端部と軸部47の距離を長くすることができる。したがって、実施の形態1に係る照明装置100は、当該付加的な構成によって容易に内部ボタンを押圧することができる効果を省スペースで実現できる効果を奏する。
【0057】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、付加的な構成として、光源には外部電源から電力が供給され、制御部4は外部電源の電力が光源に供給される場合であり外部ボタン45が外部から押圧された場合に蓄電池5の電力を光源に供給させる構成を有する。
【0058】
実施の形態1の変形例について説明する。
【0059】
実施の形態1では光源にLEDを用いているが、これに限らない。例えば光源に、レーザーダイオード、有機エレクトロルミネッセンスまたは放電ランプを用いても良い。
【0060】
実施の形態1では照明装置100は両面灯であるが、これに限らない。例えば表示部と光源部が本体枠の前方にのみ設けられ、本体枠の後方には表示部と光源部が設けられない片面灯であっても良い。特に片面灯の場合は背面に取付具を設け、壁面を被取付面とすることができる。
【0061】
また、実施の形態1に係る照明装置100は表示部2を有するが、これに限らない。表示部を有さず光源が室内を照らす照明装置であっても良い。
【0062】
また、実施の形態1に係る照明装置100は、制御部4は外部電源からの電力が照明装置100に供給されている場合は光源に外部電源の電力が供給される状態にするが、これに限らない。例えば、専用型の非常灯のように、外部電源の電力が照明装置に供給されている場合には光源に電力が供給されず、外部電源からの電力が途絶えた場合または外部ボタンが操作された場合に制御部が光源に蓄電池の電力を供給させる照明装置であっても良い。さらに、照明装置と外部電源が電気的に接続されておらず、制御部が外部機器と通信可能であり、制御部が火災などの異常を知らせる情報を含んだ信号を受信した場合または外部ボタンが操作された場合に制御部が光源に蓄電池5の電力を供給させる照明装置であっても良い。
【0063】
また、実施の形態1に係る照明装置100に、付加的な構成として、凹部48の色と凹部48を除く外部ボタン45の本体枠1より外部に露出している部分の色とが異なる構成を備えていても構わない。当該付加的な構成によって、遠方からでも凹部48が視認し易くなる効果を奏する。
【0064】
また、実施の形態1に係る照明装置100において引っ掛かり部は凹部48であったがこれに限らない。例えば、凹部の代わりに外部ボタンの表面に外部ボタンが押圧される方向とは逆方向に突出した凸部を設けても構わない。凸部を設けた場合、道具の先端は凸部に引っ掛かる。このため、凸部が引っ掛かり部となる。したがって、外部ボタンの表面に凸部を設けた場合でも外部ボタンの表面が平らな場合と比較して容易に外部ボタンを押圧できることができる。また、例えば、凹部の代わりに外部ボタンの表面に表面粗さを粗くする加工を行っても構わない。表面粗さを粗くする加工を行った場合、粗く加工された表面は平らな表面と比較して静摩擦係数が高くなるため、道具の先端は粗く加工された表面に引っ掛かる。このため、粗く加工された表面が引っ掛かり部となる。したがって、外部ボタンの表面に表面粗さを粗くする加工を行った場合でも外部ボタンの表面が平らな場合と比較して容易に外部ボタンを押圧できることができる。
【符号の説明】
【0065】
1 本体枠、2 表示部、3 光源部、4 制御部、5 蓄電池、6 端子台、11 上面部、12 下面部、13 側面部、14 内面部、15 取付具、16 電源挿入用穴、17 固定用穴、18 下面穴、31 光源ホルダ、32 低部、33 高部、34 リブ、41 制御基板、42 制御基板ケース、43 内部ボタン、43a 第一の内部ボタン、43b 第二の内部ボタン、44 スイッチユニット、44a 第一のスイッチユニット、44b 第二のスイッチユニット、45 外部ボタン、45a 第一の外部ボタン、45b 第二の外部ボタン、46 押圧部、46a 第一の押圧部、46b 第二の押圧部、47 軸部、47a 第一の軸部、47b 第二の軸部、48 凹部、48a 第一の凹部、48b 第二の凹部、49 連結部、100 照明装置。
図1
図2
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図5
図6
図7