(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御装置、周辺装置制御方法および周辺装置制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240423BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H04L67/00
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2020011919
(22)【出願日】2020-01-28
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】山口 敏伸
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-176590(JP,A)
【文献】特開2019-149192(JP,A)
【文献】特開2011-138277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御装置を含む情報処理システムであって、
複数の前記制御装置の少なくとも1つは、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部を備え、
複数の前記制御装置それぞれは、外部から入力される指令を受け付ける受付部を備え、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれは、前記制御装置と接続される単一の前記処理装置と通信する機器通信部を備え、
前記処理制御部は、複数の前記制御装置がそれぞれ備える複数の前記受付部のいずれかで受け付けられた前記指令に従って処理を実行した処理結果を、1以上の前記機器通信部のうち前記指令を受け付けた前記受付部に対応付けられた前記機器通信部に送信する、情報処理システム。
【請求項2】
前記処理制御部は、前記指令を受け付けた前記受付部に対応付けられた前記機器通信部に前記処理結果を送信した後に前記処理結果が送信された前記機器通信部が通信する前記処理装置から受信される応答を、前記指令を受け付けた前記受付部に出力させる、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
複数の制御装置を含む情報処理システムであって、
複数の前記制御装置の少なくとも1つは、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部を備え、
複数の前記制御装置それぞれは、外部から入力される指令を受け付ける受付部を備え、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれは、前記制御装置と接続される前記処理装置と通信する機器通信部と、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれが備える前記機器通信部を前記制御装置と関連付けた登録情報を登録する登録部と、を備え、
前記受付部は、外部から入力される前記指令に前記受付部を備える前記制御装置を識別するための識別情報を付加し、
前記処理制御部は、複数の前記制御装置がそれぞれ備える複数の前記受付部のいずれかから前記指令が入力される場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が備える前記機器通信部に前記
指令に従って処理を実行した処理結果を送
信する、情報処理システム。
【請求項4】
複数の前記制御装置のいずれかは、複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれとも接続されない前記制御装置を、1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録部を、さらに備え、
前記処理制御部は、複数の前記受付部のいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が登録されていない場合は、複数の前記受付部のいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置と前記代替登録情報により関連付けられた前記制御装置が備える前記機器通信部に前記処理結果を送信する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
複数の前記制御装置それぞれは、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部をさらに備え、
複数の前記構成部は、前記処理制御部、前記受付部、前記登録部、前記機器通信部を含む、請求項3または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
1以上の前記処理装置とそれぞれ接続された1以上の前記制御装置それぞれが備える前記受付部は、前記制御装置が前記処理装置から受信する応答を受け付ける、請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記受付部は、前記制御装置が外部から受信する指令を受け付ける、請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記受付部は、複数の前記制御装置が接続される外部ネットワークを介して受信する指令を受け付ける、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記受付部は、ユーザーインターフェースにユーザーにより入力される指令を受け付ける、請求項1~8のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記処理装置は、画像を形成する画像形成装置を含む、請求項1~9のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項11】
情報処理システムに含まれる複数の制御装置のいずれかであって、
自装置が複数の前記制御装置のうちで予め定められた担当装置に設定されている場合は、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部と、
外部から入力される指令を受け付ける受付部と、
自装置が1以上の前記処理装置のいずれかと接続される場合は、自装置と接続される単一の前記処理装置と通信する機器通信部と、を備え、
前記処理制御部は、複数の前記制御装置がそれぞれ備える複数の前記受付部のいずれかで受け付けられた前記指令に従って処理を実行した処理結果を、複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続される1以上の前記制御装置がそれぞれ備える1以上の前記機器通信部のうち前記指令を受け付けた前記受付部に対応付けられた前記機器通信部に送信する、制御装置。
【請求項12】
前記処理制御部は、前記指令を受け付けた前記受付部に対応付けられた前記機器通信部に前記処理結果を送信した後に前記処理結果が送信された前記機器通信部が通信する前記処理装置から受信される応答を、前記指令を受け付けた前記受付部に出力させる、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
情報処理システムに含まれる複数の制御装置のいずれかであって、
自装置が複数の前記制御装置のうちで予め定められた担当装置に設定されている場合は、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部と、
外部から入力される指令を受け付ける受付部と、
自装置が1以上の前記処理装置のいずれかと接続される場合は、自装置と接続される前記処理装置と通信する機器通信部と、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれが備える前記機器通信部を前記制御装置と関連付けた登録情報を登録する登録部と、を備え、
前記受付部は、外部から入力される前記指令に前記受付部を備える前記制御装置を識別するための識別情報を付加し、
前記処理制御部は、複数の前記制御装置がそれぞれ備える複数の前記受付部のいずれかから前記指令が入力される場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が備える前記機器通信部に前記
指令に従って処理を実行した処理結果を送
信する、制御装置。
【請求項14】
自装置が複数の前記制御装置のうちで予め定められた登録装置の場合は、複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれとも接続されない前記制御装置を、1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録部を、さらに備え、
前記処理制御部は、複数の前記制御装置がそれぞれ備える複数の前記受付部のいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が登録されていない場合は、複数の前記受付部のいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置と前記代替登録情報により関連付けられた前記制御装置が備える前記機器通信部に前記処理結果を送信する、請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
複数の前記制御装置それぞれは、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部をさらに備え、
複数の前記構成部は、前記処理制御部、前記受付部、前記登録部、前記機器通信部を含む、請求項13または14に記載の制御装置。
【請求項16】
複数の制御装置を含む情報処理システムで実行される周辺装置制御方法であって、
複数の前記制御装置の少なくとも1つに、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、
複数の前記制御装置それぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれに、前記制御装置と接続される単一の前記処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、
前記処理制御ステップは、複数の前記制御装置のいずれかで受け付けられた前記指令に従って処理を実行した処理結果を、前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置のうち前記指令が受け付けられた前記制御装置に対応付けられた前記制御装置に送信するステップを含む、周辺装置制御方法。
【請求項17】
前記処理制御ステップは、前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置のうち前記指令が受け付けられた前記制御装置に対応付けられた前記制御装置に前記処理結果が送信された後に前記処理結果が送信された前記制御装置に接続された前記処理装置から受信される応答を、前記指令を受け付けた前記制御装置に出力させるステップを含む、請求項16に記載の周辺装置制御方法。
【請求項18】
複数の制御装置を含む情報処理システムで実行される周辺装置制御方法であって、
複数の前記制御装置の少なくとも1つに、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、
複数の前記制御装置それぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれに、前記制御装置と接続される前記処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置それぞれを登録する登録ステップを、複数の前記制御装置のいずれかに実行させ、
前記受付ステップは、外部から入力される前記指令に前記指令を受け付けた前記制御装置を識別するための識別情報を付加するステップを含み、
前記処理制御ステップは、複数の前記制御装置のいずれかから前記指令が入力される場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が登録されている場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置に前記
指令に従って処理を実行した処理結果を送信するステップと
、を含む、周辺装置制御方法。
【請求項19】
複数の前記制御装置のうち1以上の前記処理装置のいずれとも接続されない前記制御装置を、1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録ステップを、複数の前記制御装置のいずれかに実行させ、
前記処理制御ステップは、複数の前記制御装置のいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記制御装置が登録されていない場合は、前記指令に付加される前記識別情報で識別される前記制御装置と前記代替登録情報により関連付けられた前記制御装置に前記処理結果を送信するステップを含む、請求項18に記載の周辺装置制御方法。
【請求項20】
複数の前記制御装置それぞれに、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理ステップを、さらに実行させ、
複数の前記構成部は、前記処理制御ステップ、前記受付ステップ、前記登録ステップ、前記機器通信ステップのいずれかを実行する、請求項18または19に記載の周辺装置制御方法。
【請求項21】
複数のコンピューターに周辺装置制御方法を実行させる周辺装置制御プログラムであって、
複数の前記コンピューターの少なくとも1つに、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、
複数の前記コンピューターそれぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、
複数の前記コンピューターのうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターそれぞれに、前記コンピューターと接続される単一の前記処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、
前記処理制御ステップは、複数の前記コンピューターのいずれかで受け付けられた前記指令に従って処理を実行した処理結果を、前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターのうち前記指令が受け付けられた前記コンピューターに対応付けられた前記コンピューターに送信するステップを含む、周辺装置制御プログラム。
【請求項22】
前記処理制御ステップは、前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターのうち前記指令が受け付けられた前記コンピューターに対応付けられた前記コンピューターに前記処理結果が送信された後に前記処理結果が送信された前記コンピューターに接続された前記処理装置から受信される応答を、前記指令を受け付けた前記コンピューターに出力させるステップを含む、請求項21に記載の周辺装置制御プログラム。
【請求項23】
複数のコンピューターに周辺装置制御方法を実行させる周辺装置制御プログラムであって、
複数の前記コンピューターの少なくとも1つに、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、
複数の前記コンピューターそれぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、
複数の前記コンピューターのうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターそれぞれに、前記コンピューターと接続される前記処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、
複数の前記コンピューターのうち1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターそれぞれを登録する登録ステップを、複数の前記コンピューターのいずれかに実行させ、
前記受付ステップは、外部から入力される前記指令に前記指令を受け付けた前記コンピューターを識別するための識別情報を付加するステップを含み、
前記処理制御ステップは、複数の前記コンピューターのいずれかから前記指令が入力される場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記コンピューターが登録されている場合、前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記コンピューターに前記
指令に従って処理を実行した処理結果を送信するステップと
、を含む、周辺装置制御プログラム。
【請求項24】
複数の前記コンピューターのうち1以上の前記処理装置のいずれとも接続されない前記コンピューターを、1以上の前記処理装置のいずれかと接続された1以上の前記コンピューターのいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録ステップを、複数の前記コンピューターのいずれかに実行させ、
前記処理制御ステップは、複数の前記コンピューターのいずれかから入力される前記指令に付加された前記識別情報で識別される前記コンピューターが登録されていない場合は、前記指令に付加される前記識別情報で識別される前記コンピューターと前記代替登録情報により関連付けられた前記コンピューターに前記処理結果を送信するステップを含む、請求項23に記載の周辺装置制御プログラム。
【請求項25】
複数の前記コンピューターそれぞれに、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理ステップを、さらに実行させ、
複数の前記構成部は、前記処理制御ステップ、前記受付ステップ、前記登録ステップ、前記機器通信ステップのいずれかを実行する、請求項23または24に記載の周辺装置制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理システム、制御装置、周辺装置制御方法および周辺装置制御プログラムに関し、特に、複数の制御装置を含む情報処理システム、その情報処理システムに含まれる制御装置、その情報処理システムで実行される周辺装置制御方法およびその周辺装置制御方法をコンピューターに実行させる周辺装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバーとそのサーバーが接続される外部ネットワークとは別の内部ネットワークを介してサーバーと接続された画像形成装置とを備えた複合装置が知られている。この複合装置の複数が外部ネットワークを介して互いに接続されたシステムにおいて、複数の複合装置を接続したシステムにおいて、1つのサーバーから1つの画像形成装置を特定する技術が知られている。
【0003】
例えば、特開2011-138277号公報には、アクセスが制限された複数のローカルエリア内のユーザー装置からの印刷データの取得要求を複数のローカルエリア内の印刷装置へ振り分けるために、リクエスト管理サーバーが、外部からのアクセスが制限された拠点に配置されたクライアント装置から印刷データの取得要求を受け付け、このユーザー装置が属する拠点に配置されたプリントサーバーを、印刷データを印刷する装置として特定し、リクエスト管理サーバーが、印刷データの取得要求を行ったクライアント装置を介して、上記特定されたプリントサーバーに対し、印刷データを取得するように指示する技術が知られている。特開2011-138277号公報に記載の技術では、ユーザー装置とプリントサーバーとの関係がリクエスト管理サーバーにおいて予め特定されている。
【0004】
しかしながら、複数の画像形成装置に内部ネットワークで割り当てられるネットワークアドレスが同じ値で固定されている場合があり、この場合には、内部ネットワークで割り当てられるネットワークアドレスで画像形成装置を特定することができない。
【0005】
このため、例えば、ユーザーが複合装置を操作して印刷と指示する場合に、別の複合装置で印刷される場合がある。このように、複数の複合装置を含む情報処理システムにおいて、複数の画像形成装置のうちから適切な装置を特定することができないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、複数の制御装置を含む情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な情報処理システムを提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な制御装置を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な周辺装置制御方法を提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な周辺装置制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明のある局面によれば、情報処理システムは、複数の制御装置を含む情報処理システムであって、複数の制御装置の少なくとも1つは、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部を備え、複数の制御装置それぞれは、外部から入力される指令を受け付ける受付部を備え、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれは、制御装置と接続される単一の処理装置と通信する機器通信部を備え、処理制御部は、複数の制御装置がそれぞれ備える複数の受付部のいずれかで受け付けられた指令に従って処理を実行した処理結果を、1以上の機器通信部のうち指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に送信する。
【0012】
この局面に従えば、複数の制御装置のいずれかで指令が受け付けられる場合に、指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に、指令に従って処理された処理結果が送信される。このため、指令を受け付けた制御装置に単一の処理装置が接続されていれば、指令を受け付けた制御装置に接続された処理装置にその指令に基づき処理された処理結果が送信されるようにできる。その結果、複数の制御装置を含む情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【0013】
好ましくは、処理制御部は、指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に処理結果を送信した後に処理結果が送信された機器通信部が通信する処理装置から受信される応答を、指令を受け付けた受付部に出力させる。
【0014】
この局面によれば、指令を受け付けた制御装置で処理装置の応答が出力されるので、処理装置から受信される応答を、指令をしたユーザーに通知することができる。
【0015】
この発明の他の局面によれば、複数の制御装置を含む情報処理システムであって、複数の制御装置の少なくとも1つは、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部を備え、複数の制御装置それぞれは、外部から入力される指令を受け付ける受付部を備え、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれは、制御装置と接続される処理装置と通信する機器通信部と、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれが備える機器通信部を制御装置と関連付けた登録情報を登録する登録部と、を備え、処理制御部は、をさらに備え、受付部は、外部から入力される指令に受付部を備える制御装置を識別するための識別情報を付加し、処理制御部は、複数の制御装置がそれぞれ備える複数の受付部のいずれかから指令が入力される場合、指令に付加された識別情報で識別される制御装置が備える機器通信部に指令に従って処理を実行した処理結果を送信する。
【0016】
この局面に従えば、外部から入力される指令に制御装置を識別するための識別情報が付加され、指令に付加された識別情報で識別される制御装置が備える機器通信部に処理結果が送信される。このため、指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に、指令に基づき処理された処理結果を送信することができる。
【0017】
好ましくは、複数の制御装置のいずれかは、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれとも接続されない制御装置を、1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録部を、さらに備え、処理制御部は、複数の受付部のいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別される制御装置が登録されていない場合は、複数の受付部のいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別される制御装置と代替登録情報により関連付けられた制御装置が備える機器通信部に処理結果を送信する。
【0018】
この局面に従えば、処理装置が接続されていない制御装置が外部から受け付ける指令が、その制御装置と関連付けられた別の制御装置に接続された処理装置に送信される。このため、ユーザーは、複数の制御装置のいずれかに指令を入力すれば、その指令が入力された制御装置に対して予め定められた処理装置を制御することができる。
【0019】
好ましくは、複数の制御装置それぞれは、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部をさらに備え、複数の構成部は、処理制御部、受付部、登録部、機器通信部を含む。
【0020】
この局面に従えば、複数の制御装置で仮想システムを構成する場合に、周辺装置を特定することが可能な情報処理システムを提供することができる。
【0021】
好ましくは、1以上の処理装置とそれぞれ接続された1以上の制御装置それぞれが備える受付部は、制御装置が処理装置から受信する応答を受け付ける。
【0022】
この局面に従えば、処理装置を制御した結果をユーザーに通知することができる。
【0023】
好ましくは、受付部は、制御装置が外部から受信する指令を受け付ける。
【0024】
この局面に従えば、指令を受け付けた制御装置に処理装置が接続されていれば、制御装置により外部から受信される指令に従って処理した処理結果が、指令を受け付けた制御装置に接続された処理装置に送信されるようにできる。
【0025】
好ましくは、受付部は、複数の制御装置が接続される外部ネットワークを介して受信する指令を受け付ける。
【0026】
この局面に従えば、指令を受け付けた制御装置に処理装置が接続されていれば、制御装置により外部ネットワークを介して受信される指令に従って処理した処理結果が、指令を受け付けた制御装置に接続された処理装置に送信されるようにできる。
【0027】
好ましくは、受付部は、ユーザーインターフェースにユーザーにより入力される指令を受け付ける。
【0028】
この局面に従えば、指令を受け付けた制御装置に処理装置が接続されていれば、ユーザーにより制御装置に入力される指令に従って処理した処理結果が、ユーザーにより操作される制御装置に接続された処理装置に送信されるようにできる。
【0029】
好ましくは、処理装置は、画像を形成する画像形成装置を含む。
【0030】
この局面に従えば、情報処理システムを構成する複数の制御装置のいずれかに指令が入力される場合に、指令を受け付けた制御装置に画像形成装置が接続されていれば、その指令に従って画像形成装置に画像を形成させることができる。
【0031】
この発明の他の局面によれば、制御装置は、情報処理システムに含まれる複数の制御装置のいずれかであって、自装置が複数の制御装置のうちで予め定められた担当装置に設定されている場合は、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部と、外部から入力される指令を受け付ける受付部と、自装置が1以上の処理装置のいずれかと接続される場合は、自装置と接続される単一の処理装置と通信する機器通信部と、を備え、処理制御部は、複数の制御装置がそれぞれ備える複数の受付部のいずれかで受け付けられた指令に従って処理を実行した処理結果を、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続される1以上の制御装置がそれぞれ備える1以上の機器通信部のうち指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に送信する。
【0032】
この局面に従えば、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な制御装置を提供することができる。
【0033】
好ましくは、処理制御部は、指令を受け付けた受付部に対応付けられた機器通信部に処理結果を送信した後に処理結果が送信された機器通信部が通信する処理装置から受信される応答を、指令を受け付けた受付部に出力させる。
【0034】
この発明の他の局面によれば、情報処理システムに含まれる複数の制御装置のいずれかであって、自装置が複数の制御装置のうちで予め定められた担当装置に設定されている場合は、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御部と、外部から入力される指令を受け付ける受付部と、自装置が1以上の処理装置のいずれかと接続される場合は、自装置と接続される処理装置と通信する機器通信部と、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれが備える機器通信部を制御装置と関連付けた登録情報を登録する登録部と、を備え、受付部は、外部から入力される指令に受付部を備える制御装置を識別するための識別情報を付加し、処理制御部は、複数の制御装置がそれぞれ備える複数の受付部のいずれかから指令が入力される場合、指令に付加された識別情報で識別される制御装置が備える機器通信部に指令に従って処理を実行した処理結果を送信する。
【0035】
好ましくは、自装置が複数の制御装置のうちで予め定められた登録装置の場合は、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれとも接続されない制御装置を、1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録部を、さらに備え、処理制御部は、複数の制御装置がそれぞれ備える複数の受付部のいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別される制御装置が登録されていない場合は、複数の受付部のいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別される制御装置と代替登録情報により関連付けられた制御装置が備える機器通信部に処理結果を送信する。
【0036】
好ましくは、複数の制御装置それぞれは、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部をさらに備え、複数の構成部は、処理制御部、受付部、登録部、機器通信部を含む。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、周辺装置制御方法は、複数の制御装置を含む情報処理システムで実行される周辺装置制御方法であって、複数の制御装置の少なくとも1つに、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、複数の制御装置それぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれに、制御装置と接続される単一の処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、処理制御ステップは、複数の制御装置のいずれかで受け付けられた指令に従って処理を実行した処理結果を、処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置のうち指令が受け付けられた制御装置に対応付けられた制御装置に送信するステップを含む。
【0038】
この局面に従えば、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な周辺装置制御方法を提供することができる。
【0039】
好ましくは、処理制御ステップは、処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置のうち指令が受け付けられた制御装置に対応付けられた制御装置に処理結果が送信された後に処理結果が送信された制御装置に接続された処理装置から受信される応答を、指令を受け付けた制御装置に出力させるステップを含む。
【0040】
複数この発明のさらに他の局面によれば、複数の制御装置を含む情報処理システムで実行される周辺装置制御方法であって、複数の制御装置の少なくとも1つに、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、複数の制御装置それぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれに、制御装置と接続される処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置それぞれを登録する登録ステップを、複数の制御装置のいずれかに実行させ、受付ステップは、外部から入力される指令に指令を受け付けた制御装置を識別するための識別情報を付加するステップを含み、処理制御ステップは、複数の制御装置のいずれかから指令が入力される場合、指令に付加された識別情報で識別される制御装置が登録されている場合、指令に付加された識別情報で識別される制御装置に指令に従って処理を実行した処理結果を送信するステップと、を含む。
【0041】
好ましくは、複数の制御装置のうち1以上の処理装置のいずれとも接続されない制御装置を、1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上の制御装置のいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録ステップを、複数の制御装置のいずれかに実行させ、処理制御ステップは、複数の制御装置のいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別される制御装置が登録されていない場合は、指令に付加される識別情報で識別される制御装置と代替登録情報により関連付けられた制御装置に処理結果を送信するステップを含む。
【0042】
好ましくは、複数の制御装置それぞれに、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理ステップを、さらに実行させ、複数の構成部は、処理制御ステップ、受付ステップ、登録ステップ、機器通信ステップのいずれかを実行する。
【0043】
この発明のさらに他の局面によれば、周辺装置制御プログラムは、複数のコンピューターに周辺装置制御方法を実行させる周辺装置制御プログラムであって、複数のコンピューターの少なくとも1つに、同一の固定IPアドレスが割り当てられた1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、複数のコンピューターそれぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、複数のコンピューターのうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターそれぞれに、コンピューターと接続される単一の処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、処理制御ステップは、複数のコンピューターのいずれかで受け付けられた指令に従って処理を実行した処理結果を、処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターのうち指令が受け付けられたコンピューターに対応付けられたコンピューターに送信するステップを含む。
【0044】
この局面に従えば、複数の制御装置で構成される情報処理システムにおいて周辺装置を特定することが可能な周辺装置制御プログラムを提供することができる。
【0045】
好ましくは、処理制御ステップは、処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターのうち指令が受け付けられたコンピューターに対応付けられたコンピューターに処理結果が送信された後に処理結果が送信されたコンピューターに接続された処理装置から受信される応答を、指令を受け付けたコンピューターに出力させるステップを含む。
【0046】
この発明のさらに他の局面によれば、複数のコンピューターに周辺装置制御方法を実行させる周辺装置制御プログラムであって、複数のコンピューターの少なくとも1つに、1以上の処理装置を制御するための処理を実行する処理制御ステップを実行させ、複数のコンピューターそれぞれに、外部から入力される指令を受け付ける受付ステップを実行させ、複数のコンピューターのうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターそれぞれに、コンピューターと接続される処理装置と通信する機器通信ステップを実行させ、複数のコンピューターのうち1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターそれぞれを登録する登録ステップを、複数のコンピューターのいずれかに実行させ、受付ステップは、外部から入力される指令に指令を受け付けたコンピューターを識別するための識別情報を付加するステップを含み、処理制御ステップは、複数のコンピューターのいずれかから指令が入力される場合、指令に付加された識別情報で識別されるコンピューターが登録されている場合、指令に付加された識別情報で識別されるコンピューターに指令に従って処理を実行した処理結果を送信するステップと、を含む。
【0047】
好ましくは、複数のコンピューターのうち1以上の処理装置のいずれとも接続されないコンピューターを、1以上の処理装置のいずれかと接続された1以上のコンピューターのいずれかと関連付けた代替登録情報を登録する代替装置登録ステップを、複数のコンピューターのいずれかに実行させ、処理制御ステップは、複数のコンピューターのいずれかから入力される指令に付加された識別情報で識別されるコンピューターが登録されていない場合は、指令に付加される識別情報で識別されるコンピューターと代替登録情報により関連付けられたコンピューターに処理結果を送信するステップを含む。
【0048】
好ましくは、複数のコンピューターそれぞれに、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理ステップを、さらに実行させ、複数の構成部は、処理制御ステップ、受付ステップ、登録ステップ、機器通信ステップのいずれかを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要を示す図である。
【
図2】本実施の形態における第1複合装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】第1複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】仮想システムの概要を説明するための図である。
【
図5】第1複合装置のサーバーが備えるCPUの詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【
図6】第2複合装置のサーバーが備えるCPUの詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【
図7】仮想システムの起動時におけるデータの流れの一例を示す図である。
【
図8】PCから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。
【
図9】仮想システムにおけるデータの流れを示す図である。
【
図10】操作パネルから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。
【
図11】リバースプロキシ処理の流れの一例を示す図である。
【
図12】機器プロキシ処理の流れの一例を示す図である。
【
図13】UIプロキシ処理の流れの一例を示す図である。
【
図14】機器制御処理の流れの一例を示す図である。
【
図15】変形例における仮想システムの概要を説明するための図である。
【
図16】変形例における第1複合装置のサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【
図17】変形例における仮想システムの起動時におけるデータの流れの一例を示す図である。
【
図18】PCから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0051】
図1は、本実施の形態の1つにおける情報処理システムの全体概要を示す図である。
図1を参照して、情報処理システムは、第1複合装置1と、第2複合装置2と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400とで構成される。第1複合装置1と、第2複合装置2と、PC400とは、ローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という)である外部LAN3で接続されており、互いに通信可能である。なお、第1複合装置1と、第2複合装置2と、PC400とは、外部LAN3に限らず、インターネットなどの他のネットワークで接続されてもよい。第1複合装置1と第2複合装置2とのハードウェア構成および機能は同じなので、ここでは、特に言及しない限り第1複合装置1を例に説明する。
【0052】
図2は、本実施の形態における第1複合装置の外観を示す斜視図である。
図1を参照して、第1複合装置1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、MFP100の下方に配置されたサーバー200と、MFP100の側面に配置された操作パネル300とを含む。サーバー200は、制御装置として機能し、MFP100は、サーバー200により制御される処理装置として機能する。
【0053】
MFP100は、画像形成装置の一例であり、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、を含む。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイに排出する。
【0054】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。
【0055】
給紙部150は、用紙を収容するめための2つの給紙トレイを含む。給紙部150は、2つの給紙トレイのいずれかに収容された用紙を画像形成部140に搬送する。画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
【0056】
図3は、第1複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3を参照して、MFP100とサーバー200とは、内部LAN4で接続される。
【0057】
サーバー200は、サーバー200の全体を制御する中央演算装置であるメインCPU201と、メインCPU201が実行するためのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)202と、メインCPU201の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)203と、データを不揮発的に記憶するハードディスクドライブ(HDD)204と、メインCPU201を外部LAN3に接続する外部LAN通信部205と、メインCPU201をMFP100に接続する内部LAN通信部206と、外部記憶装置209と、VRAM(Video RAM)207と、操作パネル300と接続されるパネル通信部208と、を含む。メインCPU201、ROM202、RAM203、HDD204、外部LAN通信部205、内部LAN通信部206、VRAM207、パネル通信部208および外部記憶装置209はバス221に接続される。
【0058】
ROM202は、メインCPU201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM203は、メインCPU201がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0059】
外部LAN通信部205は、メインCPU201を外部LAN3に接続するためのインターフェースである。このため、メインCPU201は、外部LAN3を介してPC400および第2複合装置2と通信可能である。さらに、メインCPU201は、外部LAN3がインターネットに接続されている場合、インターネットに接続されたコンピューターと通信可能である。内部LAN通信部206は、メインCPU201を内部LAN4に接続するためのインターフェースである。したがって、メインCPU201は、内部LAN4を介してMFP100と通信可能である。外部LAN通信部205および内部LAN通信部206それぞれは、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信する。
【0060】
VRAM207は、メインCPU201により生成される画面の画像を記憶する。メインCPU201は、操作パネル300に表示させる画面の画像を生成し、VRAM207に格納する。パネル通信部208は、メインCPU201を操作パネル300に接続するためのインターフェースである。パネル通信部208は、操作パネル300とUSB(Universal Serial Bus)ケーブルで接続されてもよい。
【0061】
HDD204は、大容量記憶装置であり、メインCPU201により制御される。メインCPU201は、HDD204に記憶されたデータを読出し可能であり、また、HDD204にデータを書き込み可能である。
【0062】
外部記憶装置209は、メインCPU201により制御され、CD(Compact Disk)-ROM210、または半導体メモリが装着される。メインCPU201は、外部記憶装置209を制御して、CD-ROM210または半導体メモリに記憶されたデータの読出し、または、CD-ROM210または半導体メモリにデータを書き込みが可能である。
【0063】
MFP100は、MFP100の全体を制御する中央演算装置である装置CPU111と、装置LAN通信部112と、ROM113と、RAM114と、ファクシミリ部115と、VRAM116と、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、を含む。装置CPU111は、装置LAN通信部112、ROM113、RAM114、ファクシミリ部115、VRAM116、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140および給紙部150と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0064】
ROM113は、装置CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、装置CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0065】
ファクシミリ部115は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部115は、受信したファクシミリデータを画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部115により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部115は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0066】
装置LAN通信部112は、装置CPU111を内部LAN4に接続するためのインターフェースである。したがって、装置CPU111は、内部LAN4を介してサーバー200と通信可能である。装置LAN通信部112は、TCPまたはFTP等の通信プロトコルで、内部LAN4に接続されたサーバー200と通信する。なお、内部LAN4の接続形態は有線または無線を問わない。
【0067】
VRAM116は、装置CPU111により生成される画面の画像を記憶する。装置CPU111は、操作パネル300に表示させる画面の画像を生成し、VRAM116に格納する。
【0068】
HDD204および外部記憶装置209は、メインCPU201によりMFP100と共有設定されており、MFP100からアクセス可能にメインCPU201により設定される。このため、装置CPU111は、HDD204または外部記憶装置209に装着されたCD-ROM210に記憶されたデータを読出し可能であり、また、それらにデータを書き込み可能である。
【0069】
本実施の形態においては、装置CPU111はROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、装置CPU111はHDD204または外部記憶装置209に装着されたCD-ROM210等から装置CPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。同様に、メインCPU201はHDD204または外部記憶装置209に装着されたCD-ROM210等からメインCPU201が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。
【0070】
なお、装置CPU111またはメインCPU201それぞれが実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM210に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。
【0071】
さらに、装置CPU111またはメインCPU201が、外部LAN3またはインターネットに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD204に記憶する、または、外部LAN3またはインターネットに接続されたコンピューターがプログラムをHDD204に書込みするようにしてもよい。この場合、装置CPU111は、HDD204に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行し、メインCPU201は、HDD204に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行する。ここでいうプログラムは、装置CPU111またはメインCPU201により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0072】
操作パネル300は、切換部301と、表示部303と、操作部305と、を含む。切換部301は、表示部303、VRAM116およびVRAM207と接続される。切換部301は、パネル通信部208から入力される切換指令に従って、VRAM116およびVRAM207のいずれかに切り換える。
【0073】
表示部303は、VRAM116およびVRAM207のうち切換部301により切り換えられている一方に格納された画像を表示する。表示部303は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0074】
操作部305は、タッチパネル307と、ハードキー部309とを含む。タッチパネル307は、静電容量方式である。なお、タッチパネル307は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。ハードキー部309は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば、接点スイッチである。
【0075】
タッチパネル307は、表示部303の上面または下面に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル307の検出面のサイズと、表示部303の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル307は、ユーザーが、表示部303の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標を示す位置情報をパネル通信部208に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル307が出力する位置情報で特定される座標を、表示部303の表示面の座標に置き換えることができる。ハードキー部309は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。
【0076】
以下、第2複合装置2の部材および機能それぞれに、第1複合装置1が有する部材および機能と同じ部材または機能に付した符号の後に「A」を追加した符号が付される。
【0077】
図4は、仮想システムの概要を説明するための図である。仮想システムは、第1複合装置1と第2複合装置2と、で構成される。第1複合装置1は、サーバー200と、MFP100と、操作パネル300と、を含み、第2複合装置2は、サーバー200Aと、MFP100Aと、操作パネル300Aと、を含む。
【0078】
第1複合装置1において、サーバー200は、外部LAN通信部205が外部LAN3に接続され、内部LAN通信部206が内部LAN4に接続される。内部LAN4にはMFP100が接続される。このため、サーバー200は、内部LAN4を介してMFP100と通信可能である。内部LAN4において、サーバー200およびMFP100それぞれに割り当てられるネットワークアドレスは、予め定められた固定IPアドレスである。また、第2複合装置2において、サーバー200Aは、外部LAN通信部205Aが外部LAN3に接続され、内部LAN通信部206Aが内部LAN4Aに接続される。内部LAN4AにはMFP100Aが接続される。このため、サーバー200Aは、内部LAN4Aを介してMFP100Aと通信可能である。内部LAN4Aにおいて、サーバー200AおよびMFP100Aそれぞれに割り当てられるネットワークアドレスは、予め定められた固定IPアドレスである。また、第1複合装置1が備えるサーバー200、第2複合装置2が備えるサーバー200A、PC400は、外部LAN3を介して互いに通信可能である。
【0079】
図5は、第1複合装置のサーバーが備えるCPUの詳細な機能の一例を示すブロック図である。
図5に示す機能は、第1複合装置1のサーバー200が備えるメインCPU201が、周辺装置制御プログラムを実行することによりメインCPU201で実現される機能である。
【0080】
図6は、第2複合装置のサーバーが備えるCPUの詳細な機能の一例を示すブロック図である。
図6に示す機能は、第2複合装置2のサーバー200Aが備えるメインCPU201Aが、周辺装置制御プログラムを実行することによりメインCPU201Aで実現される機能である。
【0081】
図4~
図6を参照して、サーバー200が備えるメインCPU201は、構成要素管理部として機能する第1クラスタ管理部251を備え、サーバー200Aが備えるメインCPU201Aは、構成要素管理部として機能する第2クラスタ管理部251Aを備える。第1クラスタ管理部251は、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部として機能する。具体的には、第1クラスタ管理部251は、仮想システムを構築するために、ノードとなるメインCPU201に仮想システムを構成する複数の構成部の一部として複数のコンテナを生成する。第2クラスタ管理部251Aは、仮想システムを構成する複数の構成部の一部を生成する構成要素管理部として機能する。具体的には、第2クラスタ管理部251Aは、仮想システムを構築するために、ノードとなるメインCPU201Aに仮想システムを構成する複数の構成部の他の一部として複数のコンテナを生成する。第1クラスタ管理部251がマスターに、第2クラスタ管理部251Aがスレーブに予め定められており、第1クラスタ管理部251および第2クラスタ管理部2511Aが互いに通信して、仮想システムを構成する複数のコンテナが、メインCPU201およびメインCPU201Aに生成される。仮想システムは、複数のコンテナで構成され、複数のコンテナは、仮想ネットワークで接続される。したがって、複数のコンテナそれぞれには、仮想ネットワークにおいて割り当てられるネットワークアドレスとして仮想アドレスが割り当てられる。
【0082】
第1クラスタ管理部251は、メインCPU201に、受付部として機能する第1リバースプロキシコンテナ253と、処理装置であるMFP100と通信する機器通信部として機能する第1機器プロキシコンテナ255と、受付部として機能する第1UIプロキシコンテナ257と、を生成する。
【0083】
第1リバースプロキシコンテナ253は、外部LAN通信部205および内部LAN通信部206を制御する。第1リバースプロキシコンテナ253は、外部LAN通信部205および内部LAN通信部206を代理し、他のコンテナに対してネットワークインターフェースとして機能する。
【0084】
第1リバースプロキシコンテナ253は、第1識別情報付加部261を含む。第1識別情報付加部261は、外部LAN通信部205または内部LAN通信部206が外部から受信するデータにサーバー200を識別するためのノードIDを付加する。外部LAN通信部205が外部から受信するデータは、外部LAN3に接続されたコンピューターから受信するプリントジョブの実行を指示する指令を含む。また、内部LAN通信部206が外部から受信するデータは、MFP100から受信するジョブの実行結果を示すステータス情報を含む。第1識別情報付加部261は、第1クラスタ管理部251からノードIDを取得する。具体的には、第1識別情報付加部261は、外部LAN通信部205が外部LAN3を介してPC400または第2複合装置2から受信されるデータにノードIDを付加する。また、第1識別情報付加部261は、内部LAN通信部206が内部LAN4を介してMFP100から受信されるデータにノードIDを付加する。
【0085】
第1リバースプロキシコンテナ253は、ノードIDが付加されたデータを他のコンテナに出力する。具体的には、第1リバースプロキシコンテナ253は、外部から受信されたデータに基づいてそのデータの出力先のコンテナを決定する。
【0086】
第1機器プロキシコンテナ255は、MFP100を代理し、他のコンテナに対してMFP100として機能する。第1機器プロキシコンテナ255は、第1装置識別情報取得部271と、第1装置登録部273と、第1装置通信部275と、を含む。
【0087】
第1装置通信部275は、内部LAN通信部206を制御し、内部LAN4を介して接続されるMFP100と通信する。第1装置通信部275は、他のコンテナから入力されるデータをMFP100に転送する。第1装置通信部275は、内部LAN4においてMFP100に割り当てられたネットワークアドレスを用いてMFP100と通信する。ここでは、内部LAN4におけるネットワークアドレスとしてMFP100に予め定められた固定IPアドレスが割り当てられている。
【0088】
第1装置識別情報取得部271は、第1機器プロキシコンテナ255が起動することに応じて、第1クラスタ管理部251からサーバー200のノードIDを取得し、ノードIDを第1装置登録部273に出力する。
【0089】
第1装置登録部273は、第1機器プロキシコンテナ255が起動した段階で、第1機器プロキシコンテナ255をサーバー200と関連付けた登録情報を仮想システムに登録する。具体的には、第1装置登録部273は、第1装置識別情報取得部271から入力されるサーバー200のノードIDと第1機器プロキシコンテナ255に割り当てられた仮想アドレスとを含む登録情報を生成する。第1装置登録部273は、登録情報を登録DBに格納する。登録DBは、サーバー200またはサーバー200AのいずれかのHDD204に記憶されればよい。ここでは、マスターとなる第1クラスタ管理部251が形成されるメインCPU201を有するサーバー200のHDD204に登録DBが記憶される場合を例に説明する。なお、登録情報は、サーバー200のノードIDのみであってもよい。この場合、登録情報からサーバー200を特定できるので、そのサーバー200に生成されている第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスを特定することができる。
【0090】
第1UIプロキシコンテナ257は、操作パネル300を代理し、他のコンテナに対してユーザーインターフェースとして機能する。第1UIプロキシコンテナ257は、第1UI識別情報取得部281と、第1UI登録部283と、第1パネル通信部285と、を含む。
【0091】
第1パネル通信部285は、パネル通信部208を介して操作パネル300と通信する。具体的には、第1パネル通信部285は、他のコンテナから入力される指令に基づいて表示部303に画像を表示させる。他のコンテナは、例えば、MFP100を操作するための操作画面を表示する処理、ユーザーが操作画面に従って操作部305に入力する操作を受け付ける処理を定めたWebアプリケーションを実行するタスクである。第1パネル通信部285は、操作パネル300が受け付けるユーザーにより入力される操作を操作部305から受信する。第1パネル通信部285は、操作パネル300から受信される操作により定まる指令を他のコンテナに出力する。第1パネル通信部285は、操作により定まる指令に基づいてその指令の出力先のコンテナを決定する。操作により定まる指令は、例えば、コピージョブの実行を指示する指令を含む。例えば、第1パネル通信部285は、操作パネル300から受信される操作により定まる指令を、機器制御コンテナ259に出力する。
【0092】
第1UI識別情報取得部281は、第1UIプロキシコンテナ257が起動することに応じて、第1クラスタ管理部251からサーバー200のノードIDを取得し、ノードIDを第1UI登録部283に出力する。
【0093】
第1UI登録部283は、第1UIプロキシコンテナ257が起動した段階で、第1UIプロキシコンテナ257をサーバー200と関連付けた登録情報を仮想システムに登録する。具体的には、第1UI登録部283は、第1UI識別情報取得部281から入力されるサーバー200のノードIDと第1UIプロキシコンテナ257に割り当てられた仮想アドレスとを含む登録情報を生成する。第1UI登録部283は、登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0094】
第2クラスタ管理部251Aは、メインCPU201Aに、受付部として機能する第2リバースプロキシコンテナ253Aと、処理装置であるMFP100Aと通信する機器通信部として機能する第2機器プロキシコンテナ255Aと、受付部として機能する第2UIプロキシコンテナ257Aと、機器制御コンテナ259と、を生成する。
【0095】
機器制御コンテナ259は、処理装置であるMFP100,100Aを制御するための処理を実行する処理制御部として機能する。具体的には、機器制御コンテナ259は、予め定められた所定の処理を実行する。ここでは、機器制御コンテナ259は、MFP100またはMFP100Aに実行させる印刷ジョブを生成する処理を実行する。機器制御コンテナ259は、アプリケーションコンテナの一例である。アプリケーションコンテナは、仮想システムにおいて少なくとも1つ生成される。ここでは、仮想システムにおいて第2複合装置2が備えるサーバー200AのメインCPU201Aにアプリケーションコンテナとして機器制御コンテナ259が1つが生成される場合を例に示している。機器制御コンテナ259は、メインCPU201がMFP100またはMFP100Aを制御するためのアプリケーションプログラムを実行する。
【0096】
第2リバースプロキシコンテナ253Aは、外部LAN通信部205Aおよび内部LAN通信部206Aを制御する。第2リバースプロキシコンテナ253Aは、外部LAN通信部205Aおよび内部LAN通信部206Aを代理し、他のコンテナに対してネットワークインターフェースとして機能する。
【0097】
第2リバースプロキシコンテナ253Aは、第2識別情報付加部261Aを含む。第2識別情報付加部261Aは、外部LAN通信部205Aまたは内部LAN通信部206Aが外部から受信するデータにサーバー200Aを識別するためのノードIDを付加する。第2識別情報付加部261Aは、第2クラスタ管理部251AからノードIDを取得する。具体的には、第2識別情報付加部261Aは、外部LAN通信部205Aが外部LAN3を介してPC400または第1複合装置1から受信されるデータにノードIDを付加する。また、第2識別情報付加部261Aは、内部LAN通信部206Aが内部LAN4Aを介してMFP100Aから受信されるデータにノードIDを付加する。
【0098】
第2リバースプロキシコンテナ253Aは、ノードIDが付加されたデータを他のコンテナに出力する。具体的には、第2リバースプロキシコンテナ253Aは、外部から受信されたデータに基づいてそのデータの出力先のコンテナを決定する。
【0099】
第2機器プロキシコンテナ255Aは、MFP100Aを代理し、他のコンテナに対してMFP100Aとして機能する。第2機器プロキシコンテナ255Aは、第2装置識別情報取得部271Aと、第2装置登録部273Aと、第2装置通信部275Aと、を含む。
【0100】
第2装置通信部275Aは、内部LAN通信部206Aを制御し、内部LAN4Aを介して接続されるMFP100Aと通信する。第2装置通信部275Aは、他のコンテナから入力されるデータをMFP100Aに転送する。第2装置通信部275Aは、内部LAN4AにおいてMFP100Aに割り当てられたネットワークアドレスを用いてMFP100Aと通信する。ここでは、内部LAN4AにおけるネットワークアドレスとしてMFP100Aに予め定められた固定IPアドレスが割り当てられている。内部LAN4と内部LAN4Aとは物理的に異なるLANケーブルを媒体としている。このため、MFP100に割り当てられた固定IPアドレスと、MFP100Aに割り当てられた固定IPアドレスとは同じであってもよい。
【0101】
第2装置識別情報取得部271Aは、第2機器プロキシコンテナ255Aが起動することに応じて、第2クラスタ管理部251Aからサーバー200AのノードIDを取得し、ノードIDを第2装置登録部273Aに出力する。
【0102】
第2装置登録部273Aは、第2機器プロキシコンテナ255Aが起動した段階で、第2機器プロキシコンテナ255Aをサーバー200Aと関連付けた登録情報を仮想システムに登録する。具体的には、第2装置登録部273Aは、第2装置識別情報取得部271Aから入力されるサーバー200AのノードIDと第2機器プロキシコンテナ255Aに割り当てられた仮想アドレスとを含む登録情報を生成する。第2装置登録部273Aは、登録情報をHDD294に記憶された登録DBに格納する。
【0103】
第2UIプロキシコンテナ257Aは、操作パネル300Aを代理し、他のコンテナに対してユーザーインターフェースとして機能する。第2UIプロキシコンテナ257Aは、第2UI識別情報取得部281Aと、第2UI登録部283Aと、第2パネル通信部285Aと、を含む。
【0104】
第2パネル通信部285Aは、パネル通信部208Aを介して操作パネル300Aと通信する。具体的には、第2パネル通信部285Aは、他のコンテナから入力される指令に基づいて表示部303に画像を表示させる。他のコンテナは、例えば、MFP100Aを操作するための操作画面を表示する処理、ユーザーが操作画面に従って操作部305Aに入力する操作を受け付ける処理を定めたWebアプリケーションを実行するタスクである。第2パネル通信部285Aは、操作パネル300Aが受け付けるユーザーにより入力される操作を操作部305Aから受信する。第2パネル通信部285Aは、操作パネル300Aから受信される操作により定まる指令を他のコンテナに出力する。第2パネル通信部285Aは、操作により定まる指令に基づいてその指令の出力先のコンテナを決定する。操作により定まる指令は、例えば、コピージョブまたはスキャンジョブの実行を指示する指令を含む。例えば、第2パネル通信部285Aは、操作パネル300Aから受信される操作により定まる指令を、機器制御コンテナ259Aに出力する。
【0105】
第2UI識別情報取得部281Aは、第2UIプロキシコンテナ257Aが起動することに応じて、第2クラスタ管理部251Aからサーバー200AのノードIDを取得し、ノードIDを第2UI登録部283Aに出力する。
【0106】
第2UI登録部283Aは、第2UIプロキシコンテナ257Aが起動した段階で、第2UIプロキシコンテナ257Aをサーバー200Aと関連付けた登録情報を仮想システムに登録する。具体的には、第2UI登録部283Aは、第2UI識別情報取得部281Aから入力されるサーバー200AのノードIDと第2UIプロキシコンテナ257Aに割り当てられた仮想アドレスとを含む登録情報を生成する。第2UI登録部283Aは、登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0107】
機器制御コンテナ259は、他のコンテナから入力されるデータを、そのデータに付加されたノードIDに基づいて、データの出力先となるコンテナを決定する。具体的には、サーバー200が備えるHDD204に記憶された登録DBをノードIDを用いて検索し、ノードIDを含む登録情報でノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。機器制御コンテナ259は、決定された仮想アドレスが割り当てられたコンテナにデータを出力する。
【0108】
図7は、仮想システムの起動時におけるデータの流れの一例を示す図である。
図7においては、縦方向に時間の経過を示し、矢印でデータの流れを示している。なお、
図7では、第1複合装置1が備えるサーバー200に形成される第1クラスタ管理部251、第1機器プロキシコンテナ255および第1UIプロキシコンテナ257に形成される機器制御コンテナ259を示している。
【0109】
図7を参照して、仮想システムの起動時において、第1機器プロキシコンテナ255が第1クラスタ管理部251にノードIDを要求する。第1クラスタ管理部251は、要求に応じてサーバー200のノードIDを返信するので、第1機器プロキシコンテナ255は、サーバー200のノードIDを受信する。そして、第1機器プロキシコンテナ255は、サーバー200のノードIDと、第1機器プロキシコンテナ255に割り当てられた仮想アドレスとを関連付けた登録情報を生成し、登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0110】
また、仮想システムの起動時において、第1UIプロキシコンテナ257が第1クラスタ管理部251にノードIDを要求する。第1クラスタ管理部251は、要求に応じてサーバー200のノードIDを返信するので、第1UIプロキシコンテナ257は、サーバー200のノードIDを受信する。そして、第1UIプロキシコンテナ257は、サーバー200のノードIDと、第1UIプロキシコンテナ257に割り当てられた仮想アドレスとを関連付けた登録情報を生成し、登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0111】
図8は、PCから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。縦方向に時間の経過を示し、矢印でデータの流れを示している。ここでは、PC200から第1複合装置に印刷実行要求を送信する場合を例に説明する。なお、
図8では、第1複合装置1が備えるサーバー200に形成される第1リバースプロキシコンテナ253、第1機器プロキシコンテナ255と、第2複合装置2が備えるサーバー200Aに形成される機器制御コンテナ259を示している。
【0112】
まず、PC400から第1複合装置1に印刷ジョブを実行させる場合におけるデータの流れを説明する。このデータの流れは、
図4において太線で示される。
図8を参照して、PC400から第1複合装置1に印刷実行要求が送信される場合、第1リバースプロキシコンテナ253が印刷実行要求を受信する。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷実行要求にノードIDを付加し、機器制御コンテナ259に出力する。第1リバースプロキシコンテナ253が印刷実行要求に付加するノードIDは、サーバー200のノードIDである。第1リバースプロキシコンテナ253は、起動時に第1クラスタ管理部251からノードIDを取得してもよい。
【0113】
機器制御コンテナ259は、印刷実行要求が入力されると、印刷実行要求に従って処理を実行する。具体的には、機器制御コンテナ259は、印刷実行要求で定まるデータを画像形成するための印刷ジョブを生成する。また、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの出力先となるコンテナを決定するために、印刷実行要求に付加されたノードIDを抽出する。印刷ジョブの出力先となるコンテナは、仮想システムにおいて、第1機器プロキシコンテナ255と、第2機器プロキシコンテナ255Aと、が候補となる。このため、機器制御コンテナ259は、第1機器プロキシコンテナ255と、第2機器プロキシコンテナ255Aと、のいずれか一方を印刷ジョブの出力先に決定する。
【0114】
機器制御コンテナ259は、ノードIDを用いてコンテナを検索する。具体的には、機器制御コンテナ259は、HDD204に記憶された登録DBを検索し、ノードIDを含む登録情報を抽出し、登録情報によってノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。登録DBには、第1機器プロキシコンテナ255によってサーバー200のノードIDと第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスとを関連付けた登録情報と、第2機器プロキシコンテナ255Aによってサーバー200AのノードIDと第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスとを関連付けた登録情報とが登録されている。第1リバースプロキシコンテナ253から入力される印刷実行要求に付加されたノードIDがサーバー200のノードIDなので、機器制御コンテナ259は、第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスを決定する。
【0115】
そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを仮想アドレスで特定される第1機器プロキシコンテナ255に出力する。第1機器プロキシコンテナ255は、印刷ジョブをMFP100に転送し、MFP100に印刷ジョブを実行させる。
【0116】
また、機器制御コンテナ259は、印刷実行要求を送信してきたPC400に、印刷ジョブの送信が完了したことを通知する。機器制御コンテナ259は、印刷実行要求が入力された段階で、印刷実行要求を出力した第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスを取得し、印刷ジョブを送信した後に、印刷ジョブの印刷状態を示す印刷ステータスを含むステータス情報を生成し、HDD204に記憶する。本例の場合、ステータス情報は、印刷実行要求を出力した第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスと、印刷ジョブを出力した第1機器プロキシコンテナ255が生成されているサーバー200のノードIDと、を含む。機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを出力した第1機器プロキシコンテナ255からサーバー200のノードIDを取得する。そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの送信が完了したことを示す印刷ステータスをPC400に送信する。具体的には、機器制御コンテナ259は、印刷ステータスを第1リバースプロキシコンテナ253に出力し、第1リバースプロキシコンテナ253がPC400に印刷ステータスを送信する。なお、ステータス情報は、機器制御コンテナ259が生成されるサーバー200Aが有するHDD204Aに記憶してもよい。
【0117】
次に、MFP100が印刷ジョブを実行した結果を示す印刷ステータスの流れを説明する。このデータの流れは、
図4において太い点線で示される。印刷ジョブを受信するMFP100は、印刷ジョブを実行し、印刷を開始する。そして、必要に応じて印刷の状態を示す印刷ステータスをサーバー200に返信する。印刷ステータスは、第1リバースプロキシコンテナ253で受信される。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷ステータスにサーバー200のノードIDを付加し、印刷ステータスを機器制御コンテナ259に出力する。
【0118】
機器制御コンテナ259は、印刷ステータスが入力されると、印刷ステータスに付加されたノードIDを抽出し、HDD204に記憶されたステータス情報のうちからノードIDを含むステータス情報を抽出する。機器制御コンテナ259は、抽出されたノードIDを含むステータス情報で、そのノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。HDD204には、印刷ジョブを生成した段階で、サーバー200のノードIDと第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスとを含むステータス情報が記憶されているので、機器制御コンテナ259は、第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスを決定する。そして、機器制御コンテナ259は、ステータス情報の印刷ステータスを更新するとともに、第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスで特定される第1リバースプロキシコンテナ253に印刷ステータスを出力する。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷実行要求を送信してきたPC400に印刷ステータスを送信する。
【0119】
次に、ユーザーが第1複合装置1の操作パネル300を操作して、MFP100に印刷ジョブを実行させる場合を例に説明する。
【0120】
図9は、仮想システムにおけるデータの流れを示す図である。操作パネル300からMFP100に印刷ジョブを実行させる場合におけるデータの流れが太い実線で示され、MFP100が印刷ジョブを実行した結果を示す印刷ステータスの流れが太い点線で示される。
【0121】
図10は、操作パネルから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。縦方向に時間の経過を示し、矢印でデータの流れを示している。なお、
図10では、第1複合装置1が備えるサーバー200に形成される第1UIプロキシコンテナ257、第1リバースプロキシコンテナ253および第1機器プロキシコンテナ255と、第2複合装置2が備えるサーバー200Aで実現される機器制御コンテナ259を示している。
【0122】
まず、操作パネル300にユーザーにより印刷ジョブを生成するための操作が入力されると、第1UIプロキシコンテナ257でその操作が受け付けられる。第1UIプロキシコンテナ257は、受け付けた操作にサーバー200のノードIDを付加し、機器制御コンテナ259に出力する。第1UIプロキシコンテナ257が操作に付加するノードIDは、第1UIプロキシコンテナ257が起動時に第1クラスタ管理部251から取得したサーバー200のノードIDである。第1UIプロキシコンテナ257が操作に付加するノードIDは、サーバー200のノードIDである。
【0123】
機器制御コンテナ259は、操作が入力されると、操作に従って処理を実行する。具体的には、機器制御コンテナ259は、操作で定まるデータを画像形成するための印刷ジョブを生成する。
【0124】
機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの出力先となるコンテナを決定するために、操作に付加されたノードIDを抽出する。印刷ジョブの出力先となるコンテナは、仮想システムにおいて、第1機器プロキシコンテナ255と、第2機器プロキシコンテナ255Aと、が候補となる。このため、機器制御コンテナ259は、第1機器プロキシコンテナ255と、第2機器プロキシコンテナ255Aと、のいずれか一方を印刷ジョブの出力先に決定する。
【0125】
機器制御コンテナ259は、ノードIDを用いてHDD204に記憶された登録DBを検索し、ノードIDを含む登録情報を抽出し、登録情報でノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。登録DBには、第1機器プロキシコンテナ255によってサーバー200のノードIDと第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスとを関連付けた登録情報と、第2機器プロキシコンテナ255Aによってサーバー200AのノードIDと第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスとを関連付けた登録情報とが登録されている。第1UIプロキシコンテナ257から入力される操作に付加されたノードIDがサーバー200のノードIDなので、機器制御コンテナ259は、第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスを決定する。
【0126】
そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを仮想アドレスで特定される第1機器プロキシコンテナ255に出力するとともに、操作が入力される操作パネル300に、印刷ジョブの送信が完了したことを表示させる。第1機器プロキシコンテナ255は、印刷ジョブをMFP100に転送する。
【0127】
機器制御コンテナ259は、操作が入力された段階で、操作を出力した第1UIプロキシコンテナ257の仮想アドレスを取得し、印刷ジョブを送信した後に、印刷ジョブの印刷状態を示す印刷ステータスを含むステータス情報を生成し、HDD204に記憶する。本例の場合、ステータス情報は、操作を出力した第1UIプロキシコンテナ257の仮想アドレスと、印刷ジョブを出力した第1機器プロキシコンテナ255が生成されているサーバー200のノードIDと、を含む。機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを出力した第1機器プロキシコンテナ255からサーバー200のノードIDを取得する。そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの送信が完了したことを示す印刷ステータスを第1UIプロキシコンテナ257に出力する。第1UIプロキシコンテナ257は、印刷ステータスを操作パネル300に表示させる。具体的には、第1UIプロキシコンテナ257は、切換部301にVRAN116に切り換える切換指令を出力する。なお、VRAM207に印刷ステータスを示す画面の画像を格納し、切換部301にVRAN207に切り換える切換指令を出力してもよい。
【0128】
次に、MFP100が印刷ジョブを実行した結果を示す印刷ステータスの流れを説明する。印刷ジョブを受信するMFP100は、印刷ジョブを実行し、印刷を開始する。そして、必要に応じて印刷の状態を示す印刷ステータスをサーバー200に返信する。印刷ステータスは、第1リバースプロキシコンテナ253で受信される。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷ステータスにサーバー200のノードIDを付加し、印刷ステータスを機器制御コンテナ259に出力する。
【0129】
機器制御コンテナ259は、印刷ステータスが入力されると、印刷ステータスに付加されたノードIDを抽出し、HDD204に記憶されたステータス情報のうちからノードIDを含むステータス情報を抽出する。機器制御コンテナ259は、ノードIDを含むステータス情報でノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。HDD204には、印刷ジョブを生成した段階で、サーバー200のノードIDと第1UIプロキシコンテナ257の仮想アドレスとを含むステータス情報が記憶されているので、機器制御コンテナ259は、第1UIプロキシコンテナ257の仮想アドレスを決定する。そして、機器制御コンテナ259は、ステータス情報の印刷ステータスを更新するとともに、第1UIプロキシコンテナ257の仮想アドレスで特定される第1UIプロキシコンテナ257に印刷ステータスを出力する。第1UIプロキシコンテナ257は、操作パネル300に印刷ステータスを表示させる。具体的には、第1UIプロキシコンテナ257は、切換部301にVRAN116に切り換える切換指令を出力する。なお、VRAM207に印刷ステータスを示す画面の画像を格納し、切換部301にVRAN207に切り換える切換指令を出力してもよい。
【0130】
図11は、リバースプロキシ処理の流れの一例を示す図である。リバースプロキシ処理は、第1複合装置1が備えるサーバー200が有するメインCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM210に記憶された周辺装置制御プログラムを実行することにより、メインCPU201により実行される処理である。具体的には、リバースプロキシ処理は、メインCPU201で実現される第1リバースプロキシコンテナ253で実行される処理である。
【0131】
図11を参照して、メインCPU201で実現される第1リバースプロキシコンテナ253は、データを受信したか否かを判断する(ステップS01)。外部LAN通信部205または内部LAN通信部206がデータを受信するまで待機状態となり(ステップS01でNO)、データが受信されたならば処理はステップS02に進む。
【0132】
ステップS02においては、データに基づいて転送先を決定する。外部LAN通信部205がPC400から印刷実行指示を受信する場合、または、内部LAN通信部206がMFP100から印刷ステータスを受信する場合、機器制御コンテナ259を転送先に決定し、処理をステップS03に進める。
【0133】
ステップS03においては、データにノードIDが付加され、処理はステップS04に進む。ノードIDは、サーバー200を識別するための識別情報であり、ここでは、外部LAN3においてサーバー200に割り当てられたネットワークアドレスとしている。ステップS04においては、転送先にデータを出力し、処理はステップS01に戻る。
【0134】
図12は、機器プロキシ処理の流れの一例を示す図である。機器プロキシ処理は、第1複合装置1が備えるサーバー200が有するメインCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM210に記憶された周辺装置制御プログラムを実行することにより、メインCPU201により実行される処理である。具体的には、機器プロキシ処理は、メインCPU201で実現される第1機器プロキシコンテナ255で実行される処理である。
【0135】
図12を参照して、メインCPU201で実現される第1機器プロキシコンテナ255は、自装置のノードIDを取得する(ステップS11)。ノードIDは、サーバー200を識別するための識別情報である。ノードIDは、外部LAN3においてサーバー200に割り当てられたネットワークアドレスである。第1機器プロキシコンテナ255は、メインCPU201で実現される第1クラスタ管理部251にサーバー200のノードIDを要求する。そして、制御対象となる装置が存在するか否かが判断される(ステップS12)。仮想システムを構成する場合に、サーバー200に制御対象の装置としてMFP100が予め設定され、サーバー200Aに制御対象の装置としてMFP100Aが予め設定される。制御対象の情報は、HDD204に予め記憶されている。第1クラスタ管理部251が制御対象の装置の情報を出力してもよい。制御対象の装置が存在するならば処理はステップS13に進むが、そうでなければ処理はステップS15に進む。ステップS15およびステップS16については、後述する。
【0136】
ステップS13においては、第1機器プロキシコンテナ255に仮想ネットワークにおいて割り当てられた仮想アドレスが取得され、処理はステップS14に進む。ステップS14においては、登録情報が格納され、処理はステップS17に進む。登録情報は、ステップS11において取得されたノードIDと、ステップS13において取得された仮想アドレスとを含む。登録情報は、HDD204に記憶された登録DBに格納される。
【0137】
ステップS17においては、他のコンテナからデータが入力されたか否かが判断される。データが入力されるまで待機状態となり(ステップS17でNO)、データが入力されたならば(ステップS17でYES)、処理はステップS18に進む。ステップS18においては、データが制御対象の装置に送信され、処理はステップS17に戻る。
【0138】
図13は、UIプロキシ処理の流れの一例を示す図である。UIプロキシ処理は、第1複合装置1が備えるサーバー200が有するメインCPU201が、ROM202、HDD204またはCD-ROM210に記憶された周辺装置制御プログラムを実行することにより、メインCPU201により実行される処理である。具体的には、UIプロキシ処理は、メインCPU201で実現される第1UIプロキシコンテナ257で実行される処理である。
【0139】
図13を参照して、メインCPU201で実現される第1UIプロキシコンテナ257は、自装置のノードIDを取得する(ステップS21)。ノードIDは、サーバー200を識別するための識別情報である。ノードIDは、外部LAN3においてサーバー200に割り当てられたネットワークアドレスである。第1UIプロキシコンテナ257は、メインCPU201で実現される第1クラスタ管理部251にサーバー200のノードIDを要求する。
【0140】
そして、第1UIプロキシコンテナ257に仮想ネットワークにおいて割り当てられた仮想アドレスが取得され、(ステップS22)、処理はステップS23に進む。ステップS23においては、登録情報が格納される。登録情報は、ステップS21において取得されたノードIDと、ステップS22において取得された仮想アドレスとを含む。登録情報は、HDD204に記憶された登録DBに格納される。
【0141】
ステップS24においては、操作パネル300から操作が受け付けられたか否かが判断される。操作が受け付けられたならば処理はステップS25に進むが、そうでなければ処理はステップS27に進む。ステップS25においては、操作にステップS21において取得されたノードIDが付加され、処理はステップS26に進む。ステップS26においては、機器制御コンテナ259に操作が出力され、処理はステップS27に進む。
【0142】
ステップS27においては、他のコンテナからデータが入力されたか否かが判断される。データが入力されたならば処理はステップS28に進むが、そうでなければ処理はステップS24に戻る。ステップS28においては、データの画像を操作パネル300に表示させ、処理はステップS24に戻る。
【0143】
図14は、機器制御処理の流れの一例を示す図である。機器制御処理は、第2複合装置2が備えるサーバー200Aが有するメインCPU201Aが、ROM202、HDD204またはCD-ROM210に記憶された周辺装置制御プログラムを実行することにより、メインCPU201Aが実行する処理を例に説明する。具体的には、機器制御処理は、メインCPU201Aで実現される機器制御コンテナ259で実行される処理である。
【0144】
図14を参照して、メインCPU201Aで実現される機器制御コンテナ259は、他のコンテナからデータが入力されたか否かを判断する(ステップS31)。他のコンテナからデータが入力されたならば処理はステップS32に進むが、そうでなければ処理はステップS33に進む。例えば、第1リバースプロキシコンテナ253から印刷実行指示が入力される。また、第1UIプロキシコンテナ257からユーザーにより入力される操作が入力される。ステップS32においては、ステップS31において入力されたデータに従ってジョブが設定され、処理はステップS33に進む。ジョブの設定は、例えば、画像を形成するための条件を含む。
【0145】
ステップS33においては、ステップS31において入力されるデータがジョブ実行指示を示すか否かが判断される。データが操作の場合に、その操作がジョブ実行指示を示すか否かが判断される、データが印刷実行指示の場合はジョブ実行指示を示すと判断される。データがジョブ実行指示を示すならば処理はステップS34に進むが、そうでなければ処理はステップS31に戻る。ステップS34においては、印刷ジョブが生成され、処理はステップS35に進む。
【0146】
ステップS35においては、ノードIDが抽出され、処理はステップS36に進む。ステップS31において入力されたデータに付加されたノードIDが抽出される。ステップS36においては、登録DBにステップS35において抽出されたノードIDを含む登録情報が登録されているか否かが判断される。ここでの登録情報は、機器プロキシコンテナの仮想アドレスを含む登録情報である。上述した機器プロキシ処理が実行される場合、制御対象の装置が存在する場合に登録情報が登録され、制御対象の装置が存在しない場合に登録情報が登録されず、代替装置が登録される。登録DBにステップS35において抽出されたノードIDを含む登録情報が登録されているならば処理はステップS37に進むが、そうでなければ処理はステップS38に進む。
【0147】
ステップS37においては、登録情報に含まれる仮想アドレスが決定され、処理はステップS40に進む。ステップS38およびステップS39については後述する。本例においては、ステップS35において抽出されたノードIDを含む登録情報が、第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスを含む場合を例に説明する。この場合、ステップS40においては、印刷ジョブがステップS37において決定された仮想アドレスが割り当てられた第1機器プロキシコンテナ255に送信され、処理はステップS41に進む。この場合、第1機器プロキシコンテナ255は、印刷ジョブをMFP100に送信するので、MFP100において印刷ジョブが実行される。そして、ステップS41において、ステータス情報が生成され、HDD204に記憶される。ステータス情報は、ステップS41において入力されたデータを出力してきたコンテナの仮想アドレスと、ステップS35において抽出されたノードIDとを含む。
【0148】
次のステップS42においては、他のコンテナから印刷ステータスが入力されたか否かが判断される。印刷ステータスが入力されたならば処理はステップS42に進むが、そうでなければ処理はステップS31に戻る。ステップS43においては、印刷ステータスに付加されたノードIDが抽出され、処理はステップS44に進む。ステップS44においては、ステータス情報が更新され、処理はステップS45に進む。具体的には、ステップS41においてHDD204に記憶されたステータス情報のうちステップS42において抽出されたノードIDを含むステータス情報の印刷ステータスが、ステップS42において入力された印刷ステータスで更新される。
【0149】
ステップS45においては、印刷ジョブの設定元の仮想アドレスが取得され、処理はステップS46に進む。ステップS42において抽出されたノードIDを含むステータス情報に含まれる仮想アドレスが、設定元の仮想アドレスとして取得される。ステップS46においては、印刷ステータスが設定元に出力され、処理はステップS31に戻る。具体的には、ステップS45において取得された仮想アドレスで特定されるコンテナに印刷ステータスが出力される。例えば、第1リバースプロキシコンテナ253がPC200から印刷実行指示を受信する場合、印刷ステータスは、第1リバースプロキシコンテナ253に出力され、第1リバースプロキシコンテナ253からPC400に送信される。また、第1UIプロキシコンテナ257が操作パネル300から操作を受け付ける場合、印刷ステータスは、第1UIプロキシコンテナ257に送信され、第1UIプロキシコンテナ257により操作パネル300に表示される。
【0150】
<変形例>
変形例における情報処理システムは、第1複合装置1がMFP100を有しない。変形例における情報処理システムこの場合、第1複合装置1に投入される印刷ジョブを、第2複合装置2が有するMFP100Aに実行させる。
【0151】
図15は、変形例における仮想システムの概要を説明するための図である。変形例における仮想システムは、第1複合装置1と第2複合装置2と、で構成される。第1複合装置1は、サーバー200と、操作パネル300と、を含み、第2複合装置2は、サーバー200Aと、MFP100Aと、操作パネル300Aと、を含む。
【0152】
第1複合装置において、サーバー200は、外部LAN通信部205が外部LAN3に接続される。また、第2複合装置2において、サーバー200Aは、外部LAN通信部205Aが外部LAN3に接続され、内部LAN通信部206Aが内部LAN4に接続される。内部LAN4AにはMFP100Aが接続される。このため、サーバー200Aは、内部LAN4Aを介してMFP100Aと通信可能である。内部LAN4Aにおいて、サーバー200AおよびMFP100Aそれぞれに割り当てられるネットワークアドレスは、予め定められた固定IPアドレスである。また、第1複合装置が備えるサーバー200、第2複合装置2が備えるサーバー200A、PC400は、外部LAN3を介して互いに通信可能である。
【0153】
図16は、変形例における第1複合装置のサーバーが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
図16に示す機能は、第1複合装置1のサーバー200が備えるメインCPU201が、変形例における周辺装置制御プログラムを実行することによりメインCPU201で実現される機能である。
【0154】
図16を参照して、
図5に示した機能と異なる点は、第1クラスタ管理部251が第1クラスタ管理部251Bに、第1機器プロキシコンテナ255が第1機器プロキシコンテナ255Bに変更された点である。その他の機能は
図5に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0155】
第1クラスタ管理部251Bは、メインCPU201に、第1リバースプロキシコンテナ253と、第1機器プロキシコンテナ255Bと、第1UIプロキシコンテナ257とを生成する。第1クラスタ管理部251Bは、代替装置登録部291を含む。代替装置登録部291は、HDD204に代替装置のノードIDを格納する。例えば、代替装置登録部291は、仮想システムを管理する管理者により代替装置のノードIDが入力されると、代替装置のノードIDをHDD204に格納する。ここでは、第2複合装置2のサーバー200AのノードIDが代替装置のノードIDとしてHDD204に記憶される場合を例に説明する。
【0156】
第1機器プロキシコンテナ255Bは、第1装置識別情報取得部271と、代替装置登録部273Bと、を含む。第1装置識別情報取得部271は、第1機器プロキシコンテナ255が起動することに応じて、第1クラスタ管理部251Bからサーバー200のノードIDを取得し、ノードIDを代替装置登録部273Bに出力する。
【0157】
代替装置登録部273Bは、HDD204に記憶された代替装置のノードIDを取得する。代替装置登録部273Bは、サーバー200のノードIDと、代替装置のノードIDとを含む代替登録情報を生成し、代替登録情報をHDD204に記憶されている登録DBに格納する。
【0158】
図17は、変形例における仮想システムの起動時におけるデータの流れの一例を示す図である。
図17においては、縦方向に時間の経過を示し、矢印でデータの流れを示している。なお、
図17では、第1複合装置1が備えるサーバー200に形成される第1機器プロキシコンテナ255B、第1UIプロキシコンテナ257および第1クラスタ管理部251Bと、を示している。
【0159】
図17を参照して、仮想システムの起動時において、第1機器プロキシコンテナ255Bは、HDD204から代替装置のノードIDを読み出す。そして、第1機器プロキシコンテナ255Bは、第1クラスタ管理部251にノードIDを要求する。第1クラスタ管理部251は、要求に応じてサーバー200のノードIDを返信するので、第1機器プロキシコンテナ255は、サーバー200のノードIDを受信する。そして、第1機器プロキシコンテナ255は、サーバー200のノードIDと、代替装置のノードIDとを含む代替登録情報を生成し、代替登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0160】
また、仮想システムの起動時において、第1UIプロキシコンテナ257が第1クラスタ管理部251にノードIDを要求する。第1クラスタ管理部251は、要求に応じてサーバー200のノードIDを返信するので、第1UIプロキシコンテナ257は、サーバー200のノードIDを受信する。そして、第1UIプロキシコンテナ257は、サーバー200のノードIDと、第1UIプロキシコンテナ257に割り当てられた仮想アドレスとを関連付けた登録情報を生成し、登録情報をHDD204に記憶された登録DBに格納する。
【0161】
図18は、PCから第1複合装置に印刷実行を要求する場合におけるデータの流れの一例を示す図である。縦方向に時間の経過を示し、矢印でデータの流れを示している。ここでは、PC200から第1複合装置1に印刷実行要求を送信する場合を例に説明する。なお、
図18では、第1複合装置1が備えるサーバー200に形成される第1リバースプロキシコンテナ253と、第2複合装置2が備えるサーバー200Aに形成される第2リバースプロキシコンテナ253Aと機器制御コンテナ259と第2機器プロキシコンテナ255Aとを示している。
【0162】
まず、PC400から第1複合装置1に印刷ジョブを実行させる場合におけるデータの流れを説明する。このデータの流れは、
図15において太線で示される。
図18を参照して、PC400から第1複合装置1に印刷実行要求が送信される場合、第1リバースプロキシコンテナ253が印刷実行要求を受信する。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷実行要求にサーバー200のノードIDを付加し、機器制御コンテナ259に出力する。
【0163】
機器制御コンテナ259は、印刷実行要求が入力されると、印刷実行要求で定まるデータを画像形成するための印刷ジョブを生成する。また、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの出力先となるコンテナを決定するために、印刷実行要求に付加されたサーバー200のノードIDを抽出する。機器制御コンテナ259は、サーバー200のノードIDを用いてHDD204に記憶された登録DBを検索する。しかしながら、変形例においては、サーバー200のノードIDを含む登録情報が登録DB登録されていない。このため、機器制御コンテナ259は、サーバー200のノードIDを用いて登録DBに登録された代替装置を検索し、サーバー200のノードID代替登録情報を抽出する。そして、機器制御コンテナ259は、サーバー200のノードIDを含む代替登録情報で、代替装置に定められたサーバー200AのノードIDを取得する。さらに、機器制御コンテナ259は、サーバー200AのノードIDを用いて登録DBを検索する。登録DBには、第2機器プロキシコンテナ255Aによってサーバー200AのノードIDと第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスとを関連付けた登録情報とが登録されている。機器制御コンテナ259は、サーバー200AのノードIDを含む登録情報に基づいて、第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスを決定する。
【0164】
そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを仮想アドレスで特定される第2機器プロキシコンテナ255Aに出力するとともに、印刷実行要求を送信してきたPC400に、印刷ジョブの送信が完了したことを通知する。第2機器プロキシコンテナ255Aは、印刷ジョブをMFP100Aに転送し、MFP100Aに印刷ジョブを実行させる。
【0165】
機器制御コンテナ259は、印刷実行要求が入力された段階で、印刷実行要求を出力した第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスを取得し、印刷ジョブを送信した後に、印刷ジョブの印刷状態を示す印刷ステータスを含むステータス情報を生成し、HDD204に記憶する。本例の場合、ステータス情報は、印刷実行要求を出力した第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスと、印刷ジョブを出力した第2機器プロキシコンテナ255Aが生成されているサーバー200AのノードIDと、を含む。機器制御コンテナ259は、印刷ジョブを出力した第2機器プロキシコンテナ255Aからサーバー200AのノードIDを取得する。サーバー200Aは、サーバー200の代替装置である。そして、機器制御コンテナ259は、印刷ジョブの送信が完了したことを示す印刷ステータスをPC400に送信する。具体的には、印刷ステータスを第1リバースプロキシコンテナ253に出力し、第1リバースプロキシコンテナ253がPC400に印刷ステータスを送信する。
【0166】
次に、MFP100Aが印刷ジョブを実行した結果を示す印刷ステータスの流れを説明する。このデータの流れは、
図15において太い点線で示される。印刷ジョブを受信するMFP100Aは、印刷ジョブを実行し、印刷を開始する。そして、必要に応じて印刷の状態を示す印刷ステータスをサーバー200Aに返信する。印刷ステータスは、第2リバースプロキシコンテナ253Aで受信される。第2リバースプロキシコンテナ253Aは、印刷ステータスにサーバー200AのノードIDを付加し、印刷ステータスを機器制御コンテナ259に出力する。
【0167】
機器制御コンテナ259は、印刷ステータスが入力されると、印刷ステータスに付加されたノードIDを抽出し、HDD204に記憶されたステータス情報のうちからノードIDを含むステータス情報を抽出する。機器制御コンテナ259は、抽出されたノードIDを含むステータス情報で、そのノードIDに関連付けられた仮想アドレスを決定する。HDD204には、印刷ジョブを生成した段階で、サーバー200AのノードIDと第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスとを含むステータス情報が記憶されているので、機器制御コンテナ259は、第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスを決定する。そして、機器制御コンテナ259は、ステータス情報の印刷ステータスを更新するとともに、第1リバースプロキシコンテナ253の仮想アドレスで特定される第1リバースプロキシコンテナ253に印刷ステータスを出力する。第1リバースプロキシコンテナ253は、印刷実行要求を送信してきたPC400に印刷ステータスを送信する。
【0168】
変形例における仮想システムにおいては、
図12に示した機器プロキシ処理がメインCPU201で実行される。この場合、ステップS15およびステップS16が実行される。ステップS15においては、代替装置のノードIDが取得され、処理はステップS16に進む。仮想システムにおいて、サーバー200に制御対象の装置が接続されていない場合、サーバー200に代替装置が予め登録されるので、HDD204に記憶された代替装置のノードIDが読み出される。ここでは、サーバー200の代替装置としてサーバー200Aが予め設定されているので、サーバー200の代替装置のノードIDとしてサーバー200AのノードIDがHDD204に記憶される。
【0169】
ステップS16においては、代替装置が登録され、処理はステップS17に進む。サーバー200のノードIDと、ステップS15において読み出された代替装置のノードIDとを含む代替登録情報がHDD204の登録DBに登録される。
【0170】
変形例における仮想システムにおいては、
図14に示した機器プロキシ処理がサーバー200AのメインCPU201Aで実行される。この場合、ステップS38およびステップS39が実行される。ステップS38においては、代替装置が決定され、処理はステップS39に進む。HDD204に記憶されている代替登録情報のうちからステップS35において抽出されたノードIDを含む代替登録情報が読み出され、読み出された代替登録情報に含まれる代替装置のノードIDを決定する。変形例においては、サーバー200の代替装置としてサーバー200Aが設定されているので、サーバー200AのノードIDが決定される。
【0171】
ステップS39においては、登録情報に含まれる仮想アドレスが決定され、処理はステップS40に進める。ここでは、ステップS38において決定された代替装置であるサーバー200AのノードIDを含む登録情報が登録DBに登録されており、その登録情報が第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスを含む。この場合、ステップS39においては、第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスが決定される。次のステップS40においては、印刷ジョブがステップS37において決定された仮想アドレスが割り当てられた第2機器プロキシコンテナ255Aに送信され、処理はステップS41に進む。この場合、第2機器プロキシコンテナ255Aは、印刷ジョブをMFP100Aに送信するので、MFP100Aにおいて印刷ジョブが実行される。
【0172】
そして、ステップS41において、ステータス情報が生成され、HDD204に記憶される。ステータス情報は、ジョブの実行を指示を出力したコンテナの仮想アドレスと、ステップS38において抽出された代替装置であるサーバー200AのノードIDと、印刷ステータスと、を含む。ジョブの実行を指示を出力したコンテナは、第1リバースプロキシコンテナ253、第1UIプロキシコンテナ257、第2リバースプロキシコンテナ253Aおよび第2UIプロキシコンテナ257Aのいずれかである。
【0173】
ステップS45において、印刷ジョブの設定元の仮想アドレスが取得され、処理はステップS46に進む。ステップS43において抽出されたノードIDを含むステータス情報に含まれる仮想アドレスが、設定元の仮想アドレスとして取得される。ステップS46においては、印刷ステータスが設定元に出力され、処理はステップS31に戻る。具体的には、ステップS45において取得された仮想アドレスで特定されるコンテナに印刷ステータスが出力される。例えば、第1リバースプロキシコンテナ253がPC200から印刷実行指示を受信する場合、印刷ステータスは、第1リバースプロキシコンテナ253に出力され、第1リバースプロキシコンテナ253からPC400に送信される。また、第1UIプロキシコンテナ257が操作パネル300から操作を受け付ける場合、印刷ステータスは、第1UIプロキシコンテナ257に送信され、第1UIプロキシコンテナ257により操作パネル300に表示される。
【0174】
以上説明したように本実施の形態における情報処理システムは、複数のサーバー200,200Aで仮想システムを構成する情報処理システムであって、複数のサーバー200,200Aそれぞれは、仮想ネットワークを介してデータを入出力し、仮想システムを構成する複数のコンテナの一部を生成する。サーバー200においては、第1クラスタ管理部251により、サーバー200の外部から入力されるデータにサーバー200のノードIDを付加する入力受付コンテナである第1リバースプロキシコンテナ253と、サーバー200がMFP100と接続される接続装置なので、他のコンテナから入力されるデータをMFP100に送信する第1機器プロキシコンテナ255と、が生成される。サーバー200においては、第2クラスタ管理部251Aにより、サーバー200Aの外部から入力されるデータにサーバー200AのノードIDを付加する入力受付コンテナである第2リバースプロキシコンテナ253Aと、サーバー200AがMFP100Aと接続される接続装置なので、他のコンテナから入力されるデータをMFP100Aに送信する第2機器プロキシコンテナ255Aと、サーバー200Aが仮想システムにおいて定められる担当装置なので、所定の処理を実行するアプリケーションコンテナである機器制御コンテナ259と、が生成される。サーバー200は、接続装置なので、第1機器プロキシコンテナ255が生成されることに応じて、サーバー200のノードIDと第1機器プロキシコンテナ255の仮想アドレスとを関連付けた登録情報が登録DBに登録され、サーバー200Aは、接続装置なので、第2機器プロキシコンテナ255Aが生成されることに応じて、サーバー200AのノードIDと第2機器プロキシコンテナ255Aの仮想アドレスとを関連付けた登録情報が登録DBに登録される。機器制御コンテナ259は、仮想システムに登録された登録情報により他のコンテナ、例えば、第1リバースプロキシコンテナ253から入力されるデータに付加されたノードIDで識別されるサーバー200に関連付けられた第1機器プロキシコンテナ255に処理後のデータを出力する。このため、例えば、サーバー200にデータが入力される場合に、サーバー200に接続されたMFP100にデータが出力され、サーバー200Aにデータが入力される場合に、サーバー200Aに接続されたMFP100Aにデータが出力される。したがって、仮想システムを構成する複数のサーバー200,200Aにおいて、複数のMFP100,100Aのうちから制御対象となる周辺装置を特定することができる。特に、MFP100に内部LAN4において割り当てられる固定IPアドレスと、MFP100Aに内部LAN4Aにおいて割り当てられる固定IPアドレスとが同じ場合に有効である。
【0175】
また、第1リバースプロキシコンテナ253は外部LAN3を介して受信されるデータにサーバー200のノードIDを付加し、第2リバースプロキシコンテナ253Aは外部LAN3を介して受信されるデータにサーバー200AのノードIDを付加する。このため、PC400からサーバー200に送信される印刷実行指示に従ってMFP100に印刷ジョブを実行させることができ、PC400からサーバー200Aに送信される印刷実行指示に従ってMFP100Aに印刷ジョブを実行させることができる。
【0176】
また、第1UIプロキシコンテナ257は操作パネル300にユーザーにより入力される操作を受け付け、その操作にサーバー200のノードIDを付加し、第2UIプロキシコンテナ257Aは操作パネル300Aにユーザーにより入力される操作を受け付け、その操作にサーバー200AのノードIDを付加する。このため、操作パネル300にユーザーにより入力される操作に従ってMFP100に印刷ジョブを実行させることができ、操作パネル300Aにユーザーにより入力される操作に従ってMFP100Aに印刷ジョブを実行させることができる。
【0177】
また、アプリケーションコンテナである機器制御コンテナ259は、第1リバースプロキシコンテナ253または第1UIプロキシコンテナ257から出力される指示データに従ってMFP100を制御するための制御データである印刷ジョブを第1機器プロキシコンテナ255に出力した後に、MFP100から受信される印刷ステータスを、第1リバースプロキシコンテナ253または第1UIプロキシコンテナ257のうち指示データを出力した一方に出力する。また、アプリケーションコンテナである機器制御コンテナ259は、第2リバースプロキシコンテナ253Aまたは第2UIプロキシコンテナ257Aから出力される指示データに従ってMFP100Aを制御するための制御データである印刷ジョブを第2機器プロキシコンテナ255Aに出力した後に、MFP100Aから受信される印刷ステータスを、第2リバースプロキシコンテナ253Aまたは第2UIプロキシコンテナ257Aのうち指示データを出力した一方に出力する。このため、制御結果をユーザーに通知することができる。
【0178】
サーバー200は、MFP100と内部LAN4を介して接続されており、第1リバースプロキシコンテナ253は、内部LAN4を介してMFP100から受信するデータを機器制御コンテナ259に出力する。また、サーバー200Aは、MFP100Aと内部LAN4Aを介して接続されており、第2リバースプロキシコンテナ253Aは、内部LAN4Aを介してMFP100Aから受信するデータを機器制御コンテナ259Aに出力する。このため、仮想システムにおいて、MFP100が出力するデータを処理することができ、MFP100Aが出力するデータを処理することができる。
【0179】
変形例における情報処理システムにおいては、サーバー200は、サーバー200に対して代替装置として予めに定められたサーバー200AのノードIDとサーバー200のノードIDとを関連付けた代替登録情報が登録DBに登録される。機器制御コンテナ259は、他のコンテナから入力されるデータに付加された識別情報でサーバー200が識別される場合、登録情報によりサーバー200が関連付けられていないので、代替登録情報によりサーバー200と関連付けられた代替装置であるサーバー200Aと登録情報により関連付けられた第2機器プロキシコンテナ255Aに処理後のデータを出力する。このため、サーバー200に外部から入力されるデータを処理した後の印刷ジョブが、サーバー200と関連付けられた代替装置であるサーバー200Aに接続されたMFP100Aに送信される。このため、サーバー200に印刷実行要求が入力される場合に、その印刷実行要求に従ってMFP100Aに印刷ジョブを実行させることができる。また、サーバー200Aに印刷実行要求が入力される場合に、その印刷実行要求に従ってMFP100Aに印刷ジョブを実行させることができる。
【0180】
なお、本実施の形態においては、MFP100を内部LAN4に接続し、MFP100Aを内部LAN4Aに接続したが、MFP100およびMFP100Aは、外部LAN3に接続されてもよい。
【0181】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0182】
1 第1複合装置、2 第2複合装置、3 外部LAN、4、4A 内部LAN、200,200A サーバー、PC400、111 装置CPU、112 装置LAN通信部、113 ROM、114 RAM、115 ファクシミリ部、116 VRAM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、201,201A メインCPU、202 ROM、203 RAM、204 HDD、205,205A 外部LAN通信部、206,206A 内部LAN通信部、207 VRAM、208 パネル通信部、209 外部記憶装置、300,300A 操作パネル、301 切換部、303 表示部、305 操作部、307 タッチパネル、309 ハードキー部、310 切換部、251 第1クラスタ管理部、253 第1リバースプロキシコンテナ、255 第1機器プロキシコンテナ、257 第1UIプロキシコンテナ、251A 第2クラスタ管理部、253A 第2リバースプロキシコンテナ、255A 第2機器プロキシコンテナ、257A 第2UIプロキシコンテナ、259 機器制御コンテナ、273B 代替装置登録部、291 代替装置登録部。