(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240423BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601 312
(21)【出願番号】P 2020019595
(22)【出願日】2020-02-07
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 直樹
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-076195(JP,A)
【文献】特開2016-053809(JP,A)
【文献】特開2016-218918(JP,A)
【文献】特表2016-536722(JP,A)
【文献】特開2017-224132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報が含まれる閲覧履歴を前記メモリに記録し、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した閲覧者が、好意を示す操作を行った閲覧者が閲覧していた箇所を閲覧していなかった場合、当該箇所を閲覧順序が前になるような構成とすべき旨の改善を提案する
情報処理装置。
【請求項2】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報が含まれる閲覧履歴を前記メモリに記録し、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
閲覧者が、好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、自己紹介情報の閲覧を終了する直前に閲覧していた箇所を改善すべき箇所として提案する
情報処理装置。
【請求項3】
メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報、閲覧速度を示す情報、閲覧場所の移動経路を示す情報が含まれる閲覧履歴を前記メモリに記録し、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
ある閲覧者が好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、当該閲覧者が閲覧していた箇所の情報量とその際の閲覧速度とから、当該箇所の情報を全部閲覧する前に閲覧を終了したと推測される場合、当該箇所の情報量を削減する旨の改善を提案する
情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、自己紹介情報のどの箇所をどのように改善すべきかを、当該自己紹介情報を表示した画面上において提案する請求項1から
3のいずれか
1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、好意を示す操作を行って欲しい閲覧者を限定するための特徴情報の指定をユーザから受け付け、
受け付けた特徴情報に合致する閲覧者の閲覧履歴に基づいて、当該ユーザの自己紹介情報に対する改善を提案する請求項1から
4のいずれか
1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報が含まれる閲覧履歴を記録するステップと、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した閲覧者が、好意を示す操作を行った閲覧者が閲覧していた箇所を閲覧していなかった場合、当該箇所を閲覧順序が前になるような構成とすべき旨の改善を提案するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報が含まれる閲覧履歴を記録するステップと、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
閲覧者が、好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、自己紹介情報の閲覧を終了する直前に閲覧していた箇所を改善すべき箇所として提案するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者
が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報、閲覧速度を示す情報、閲覧場所の移動経路を示す情報が含まれる閲覧履歴を記録するステップと、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対
して、
ある閲覧者が好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、当該閲覧者が閲覧していた箇所の情報量とその際の閲覧速度とから、当該箇所の情報を全部閲覧する前に閲覧を終了したと推測される場合、当該箇所の情報量を削減する旨の改善を提案するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、Webサイトを閲覧している閲覧者の関心事を推測し、推測した関心事にマッチする情報を提供するようにしたソーシャル・ネットワーキング・システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ユーザにより登録された自己紹介情報に対する改善を提案することが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[情報処理装置]
本発明の第1態様の情報処理装置は、メモリとプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者の閲覧履歴を前記メモリに記録し、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対する、閲覧者から好意を示す操作を行ってもらえる可能性が高くなるような改善を提案する情報処理装置である。
【0006】
本発明の第2態様は、前記閲覧履歴には、閲覧者が自己紹介情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後に当該ユーザの自己紹介情報の閲覧を終了したのかを示す情報が含まれる第1態様の情報処理装置である。
【0007】
本発明の第3態様は、前記プロセッサが、好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した閲覧者が、好意を示す操作を行った閲覧者が閲覧していた箇所を閲覧していなかった場合、当該箇所を閲覧順序が前になるような構成とすべき旨の改善を提案する第2態様の情報処理装置である。
【0008】
本発明の第4態様は、前記プロセッサが、閲覧者が、好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、自己紹介情報の閲覧を終了する直前に閲覧していた箇所を改善すべき箇所として提案する第3態様の情報処理装置である。
【0009】
本発明の第5態様は、前記閲覧履歴には、閲覧速度を示す情報、閲覧場所の移動経路を示す情報がさらに含まれる第2態様の情報処理装置である。
【0010】
本発明の第6態様は、前記プロセッサが、ある閲覧者が好意を示す操作を行わずに自己紹介情報の閲覧を終了した場合、当該閲覧者が閲覧していた箇所の情報量とその際の閲覧速度とから、当該箇所の情報を全部閲覧する前に閲覧を終了したと推測される場合、当該箇所の情報量を削減する旨の改善を提案する第5態様の情報処理装置である。
【0011】
本発明の第7態様は、前記プロセッサが、自己紹介情報のどの箇所をどのように改善すべきかを、当該自己紹介情報を表示した画面上において提案する第1態様から第6態様のいずれか1つの態様の情報処理装置である。
【0012】
本発明の第8態様は、前記プロセッサが、好意を示す操作を行って欲しい閲覧者を限定するための特徴情報の指定をユーザから受け付け、
受け付けた特徴情報に合致する閲覧者の閲覧履歴に基づいて、当該ユーザの自己紹介情報に対する改善を提案する第1態様から第7態様のいずれか1つの態様の情報処理装置である。
【0013】
[プログラム]
本発明の第9態様は、あるユーザにより登録された当該ユーザの自己紹介情報を閲覧した閲覧者の閲覧履歴を記録するステップと、
記録された閲覧履歴を用いて、前記ユーザにより登録された自己紹介情報に対する、閲覧者から好意を示す操作を行ってもらえる可能性が高くなるような改善を提案するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1態様よれば、ユーザにより登録された自己紹介情報に対する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0015】
本発明の第2態様によれば、閲覧者が自己紹介情報を閲覧した際の挙動に基づいて、ユーザにより登録された自己紹介情報に対する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0016】
本発明の第3態様によれば、ユーザにより登録された自己紹介情報における情報のレイアウトに関する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0017】
本発明の第4態様によれば、ユーザにより登録された自己紹介情報において修正すべき箇所に関する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0018】
本発明の第5態様によれば、閲覧者が自己紹介情報を閲覧する際の閲覧速度やどのような順番で閲覧を行っているかに基づいて、ユーザにより登録された自己紹介情報に対する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0019】
本発明の第6態様によれば、ユーザにより登録された自己紹介情報において情報量を削減すべき箇所に関する改善を提案することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0020】
本発明の第7態様によれば、自己紹介情報のどの箇所を改善したらよいかを視覚的に把握することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0021】
本発明の第8態様によれば、自己紹介情報の改善を提案する際の閲覧者を、ユーザが好意を示す操作を行ってもらいたい者に限定することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0022】
本発明の第9態様によれば、ユーザにより登録された自己紹介情報に対する改善を提案することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態のマッチングシステムのシステム構成を示す図である。
【
図2】端末装置20を用いて検索した相手のプロフィール情報を閲覧する際のプロフィール閲覧画面の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるマッチングサービス提供サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態におけるマッチングサービス提供サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態のマッチングサービス提供サーバ10によりプロフィールの改善提案を行う際の全体動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】閲覧箇所等の検出方法の具体例の一部を示す図である。
【
図7】端末装置20の表示画面の中央付近の特定領域61内に表示された箇所を閲覧済みの箇所として検出する場合の一例を示す図である。
【
図8】画面をスクロールする際のスクロール速度を閲覧速度として検出する際の一例を示す図である。
【
図9】カメラ62によりユーザの視線方向を検出して、この視線方向の先を閲覧箇所とすることにより閲覧箇所の移動経路63を検出した場合の一例を示す図である。
【
図10】改善提案実行部35がプロフィール情報の改善点を推測する際の具体的方法を説明するための図である。
【
図11】改善提案を行うプロフィール情報の一例を示す図である。
【
図12】
図11に示したプロフィール情報に対する改善提案の一例を示す図である。
【
図13】
図11に示したプロフィール情報に対する改善提案の一例を示す図である。
【
図14】
図11に示したプロフィール情報に対する改善提案の一例を示す図である。
【
図15】ユーザがプロフィールの改善提案を行う際の基準となる閲覧者を限定する際のUI画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態のマッチングシステムのシステム構成を示す図である。
【0026】
本発明の一実施形態のマッチングシステムは、
図1に示されるように、マッチングサービス提供サーバ10が、複数の端末装置20とインターネット30を介して接続された構成となっている。
【0027】
ここで、端末装置20は、それぞれスマートフォン等の携帯端末であり、無線LANターミナル40を介してインターネット30に接続している。なお、端末装置20としては、携帯端末だけでなくパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いることも可能である。
【0028】
マッチングサービス提供サーバ10は、予め登録された複数のユーザに対して、交際相手や結婚相手となる異性を探すようなマッチングサービスを提供している情報処理装置である。このようなマッチングサービスは、登録された数多くの異性の自己紹介情報であるプロフィール情報を閲覧して、趣味や条件に合致する異性を探すことを目的としている。
【0029】
近年、交際相手や結婚相手を探すようなマッチングサービスが広く利用されるようになっている。そして、このようなマッチングサービスでは、気になったユーザに「いいね」ボタンを押すという好意を示す操作を行い、その相手ユーザが自分に対しても同様に「いいね」ボタンを押す操作を行うことにより、その相手とマッチング状態となる。
【0030】
端末装置20を用いて検索した相手のプロフィール情報を閲覧する際のプロフィール閲覧画面の一例を
図2に示す。例えば、この
図2のプロフィール閲覧画面上において表示された相手に対して「いいね」ボタン51を押すことにより、プロフィール情報が表示されている相手に対して「いいね」を送ったことが通知され、その相手に対して好意を示したことが伝わるようになっている。
【0031】
その後、マッチング状態となったユーザとの間で、会話情報を相互に送受信して対話を行うチャットを行って、その後話しが進展すれば直接会うようなことになる。
マッチングサービスがこのようなシステムになっているため、まずはプロフィールを見たユーザに「いいね」ボタンを押す操作を行ってもらわなければならない。
【0032】
しかし、マッチングサービスに登録するユーザは、自己のプロフィールをどのように作成すれば相手に与える印象が良くなるかということにかならずしも精通しているわけではない。
【0033】
そのため、単にプロフィールの作成方法が悪いだけにもかかわらず、自己のプロフィールを閲覧したユーザからあまり「いいね」を貰えない状態に陥ってしまう可能性がある。
【0034】
そして、そのユーザは、「いいね」をあまり貰えていないということを把握することはできるが、なぜ「いいね」を貰えないのかという理由を知ることはできないし、プロフィールに原因があると推定したとしてもどのように修正したら良いのかわからずあてずっぽうで修正することになり却って相手に与える印象が良くないものにしかねない。その結果、本来であればマッチング状態となっても不思議ではないユーザとから「いいね」を貰えず、いつまでたってもマッチング状態になることができないという事態となってしまう可能性がある。
【0035】
そこで、本実施形態のマッチングサービス提供サーバ10により提供されるマッチングサービスでは、下記で説明するような処理を行うようにすることにより、ユーザにより登録されたプロフィールに対する改善を提案することができるようにしている。
【0036】
次に、本実施形態のマッチングシステムにおけるマッチングサービス提供サーバ10のハードウェア構成を
図3に示す。
【0037】
マッチングサービス提供サーバ10は、
図3に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0038】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、マッチングサービス提供サーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0039】
図4は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現されるマッチングサービス提供サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0040】
本実施形態のマッチングサービス提供サーバ10は、
図4に示されるように、プロフィール情報閲覧処理制御部31と、閲覧履歴情報記憶部32と、データ送受信部33と、ユーザ操作受付部34と、改善提案実行部35と、プロフィール情報格納部36とを備えている。なお、
図3では、マッチングサービスのうちのプロフィール情報の閲覧を行うための機能構成のみを示して説明を行う。
【0041】
データ送受信部33は、インターネット30を介して端末装置20との間でデータの送受信を行っている。
【0042】
プロフィール情報格納部36は、マッチングサービスを利用する各ユーザにより作成された自己紹介情報であるプロフィール情報を格納する。
【0043】
プロフィール情報閲覧処理制御部31は、マッチングサービスを利用する各ユーザの端末装置20に対して、プロフィール情報格納部36に格納されたプロフィール情報を表示する閲覧処理を行っている。
【0044】
閲覧履歴情報記憶部32は、あるユーザにより登録されたそのユーザのプロフィール情報を閲覧した際の閲覧者の閲覧操作等の閲覧履歴を記録する。なお、この閲覧履歴には、閲覧者がプロフィール情報を閲覧した際に行った操作だけでなく、閲覧した際の閲覧場所、閲覧場所を移動した際の移動経路、閲覧速度等のプロフィールの閲覧の際のユーザの挙動を示す様々な情報が含まれる。
【0045】
さらに、閲覧履歴には、閲覧者がプロフィール情報のうちのどの情報までを閲覧したのか、好意を示す操作である「いいね」ボタンを押す操作を行ったのか否か、どの情報を閲覧した後にそのユーザのプロフィール情報の閲覧を終了したのかを示す情報等も含まれる。
【0046】
ユーザ操作受付部34は、他のユーザのプロフィールを閲覧している際のユーザの操作等の各ユーザにより行われる各種操作を受け付ける。
【0047】
改善提案実行部35は、閲覧履歴情報記憶部32に記録された閲覧履歴を用いて、ユーザにより登録されたプロフィール情報に対する、閲覧者から好意を示す操作を行ってもらえるような、具体的には「いいね」ボタンを押してもらえる可能性が高くなるような改善を提案する。
【0048】
具体的には、改善提案実行部35は、「いいね」ボタンを押さずにプロフィールの閲覧を終了した閲覧者が、好意を示す操作を行った閲覧者が閲覧していた箇所を閲覧していなかった場合、その箇所を閲覧順序が前になるような構成とすべき旨の改善を提案する。
【0049】
例えば、改善提案実行部35は、閲覧者が「いいね」ボタンを押さずにプロフィールの閲覧を終了した場合、プロフィールの閲覧を終了する直前に閲覧していた箇所を改善すべき箇所として提案する。
【0050】
また、改善提案実行部35は、ある閲覧者が「いいね」ボタンを押さずにプロフィールの閲覧を終了した場合、その閲覧者が閲覧していた箇所の情報量とその際の閲覧速度とから、その箇所の情報を全部閲覧する前に閲覧を終了したと推測される場合、その箇所の情報量を削減する旨の改善を提案する。
【0051】
つまり、改善提案実行部35は、その閲覧者がプロフィールの文章が長すぎて途中で飽きてしまい、文章を最後まで読むことなくそのユーザのプロフィールの閲覧を終了したものと推測して、文章をもっと短くすることを提案する。
【0052】
そして、改善提案実行部35は、プロフィールの改善提案をユーザに対して行う際に、プロフィールのどの箇所をどのように改善すべきかを、そのプロフィールを表示した画面上において提案するようにしても良いし、プロフィールの改善提案を電子メール等によりそのユーザに通知するようにしても良い。
【0053】
さらに、このような改善提案を行う閲覧操作を全てのユーザを対象とするのではなく、ユーザが「いいね」を押して欲しい特定のユーザに限定するようにしても良い。
【0054】
この場合、ユーザ操作受付部34は、「いいね」を押して欲しい閲覧者を限定するための特徴情報の指定をユーザから受け付ける。そして、改善提案実行部35は、ユーザ操作受付部34により受け付けられた特徴情報に合致する閲覧者の閲覧履歴のみに基づいて、そのユーザのプロフィール情報に対する改善を提案する。
【0055】
次に、本実施形態のマッチングサービス提供サーバ10における動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0056】
まず、本実施形態のマッチングサービス提供サーバ10によりプロフィールの改善提案を行う際の全体動作について
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、マッチングサービス提供サーバ10では、ステップS101において、各ユーザが他のユーザのプロフィールを閲覧した際の閲覧操作の内容を閲覧履歴情報として閲覧履歴情報記憶部32に記憶される。
【0058】
そして、マッチングサービス提供サーバ10における改善提案実行部35は、ステップS102において、閲覧履歴情報記憶部32に記憶された閲覧履歴情報を分析する。
【0059】
次に、改善提案実行部35は、ステップS103において、閲覧履歴情報の分析結果に基づいて、各ユーザにより登録されたプロフィールの改善点をそれぞれ推測する。
【0060】
最後に、改善提案実行部35は、ステップS104において、推測した各プロフィールの改善点をユーザに通知する。各ユーザには、自らが作成して登録したプロフィールの改善点が通知されるため、通知された改善点を参考にして、自己のプロフィールを修正することが可能となる。
【0061】
次に、閲覧履歴情報記憶部32に記憶される閲覧履歴情報を取得する具体的な方法について説明する。
図6は、閲覧箇所等の検出方法の具体例の一部を示したものである。
【0062】
例えば、閲覧者の閲覧箇所を検出する際に、プロフィール情報が掲載されたプロフィール記述領域が端末装置20の表示画面よりも広い場合、端末装置20の画面に表示されたことを検出して、閲覧された閲覧箇所を特定することができる。
【0063】
また、一般的に文章等をスマートフォン等の画面により読む際には、読んでいる箇所が中央にくるようにスクロールすることが多いため、
図7に示すように、画面の中央付近のある特定エリアに表示されたことを検出することにより、プロフィール情報のうちのどの箇所が閲覧されたかを検出するようにしても良い。
【0064】
図7では、端末装置20の表示画面の中央付近の特定領域61内に表示された箇所を閲覧済みの箇所として検出する場合の一例が示されている。
【0065】
また、端末装置20に、ユーザの視線を検出可能なカメラが設けられている場合には、そのカメラを用いて視線検出により閲覧箇所を特定するようにすることもできる。具体的には、
図7に示すようなカメラ62によりユーザの視線方向を検出して、検出した視線方向の先に表示されている内容をユーザが閲覧しているものとして検出する。
【0066】
また、閲覧箇所だけでなく、閲覧速度を検出して閲覧履歴情報として記録する際には、閲覧している画面のスクロールスピードを検出したり、カメラを用いた視線検出により閲覧している箇所の移動速度を検出したりするようにすれば良い。
【0067】
図8に示した閲覧箇所の検出例では、画面をスクロールする際のスクロール速度を閲覧速度として検出する際の一例が示されている。
【0068】
さらに、閲覧箇所の移動経路を検出して閲覧履歴情報として記録する際には、カメラを用いた視線検出により閲覧している箇所がどのように移動しているかを時系列で記録することにより閲覧順や移動経路を検出することが可能である。
【0069】
具体的には、
図9に示すように、端末装置20に備えられたカメラ62によりユーザの視線方向を検出して、この視線方向の先を閲覧箇所とすることにより閲覧箇所の移動経路63を検出することができる。
【0070】
次に、このようにして検出された閲覧履歴情報に基づいて、改善提案実行部35がプロフィール情報の改善点を推測する際の具体的方法について
図10を参照して説明する。
【0071】
例えば、改善提案実行部35は、閲覧済みの箇所の情報と、その閲覧者が「いいね」を押したか否かの情報を用いて、「いいね」を押さなかった閲覧者が、「いいね」を押した閲覧者が閲覧していたコンテンツを閲覧していないことを検出する。このような検出を行う理由としては、「いいね」を押さなかった閲覧者は、「いいね」を押した閲覧者が閲覧していたコンテンツを閲覧していなかったため「いいね」を押さなかったと推測することがでるからである。
【0072】
このような推測結果に基づいて、改善提案実行部35は、「いいね」を押した閲覧者は閲覧していたが、「いいね」を押さなかった閲覧者が閲覧していなかったコンテンツを、配置順や配置位置を前にするようなレイアウト変更を改善点として提案する。
【0073】
例えば、改善提案実行部35は、「いいね」を押した閲覧者のほとんどが「休日の過ごし方」という項目を閲覧しているのに対して、「いいね」を押してくれなかった閲覧者の多くがこの「休日の過ごし方」という項目を閲覧する前にプロフィールの表示を閉じて立ち去っているような場合、この「休日の過ごし方」という項目が閲覧者に対して好印象を与えていると推測して、この項目をもっと上位に配置するような改善提案を行う。
【0074】
このように「いいね」を押してくれた閲覧者の閲覧履歴と、「いいね」を押してくれなかった閲覧者の閲覧履歴との比較を統計的に行って、改善提案実行部35は、より多くの閲覧者が「いいね」を押してくれるようになる改善提案をユーザに対して行う。
【0075】
また、改善提案実行部35は、閲覧済みの箇所の情報と、その閲覧者が「いいね」を押したか否かの情報、その閲覧者が立ち去る直前に閲覧していた箇所の情報を用いて、閲覧者が写真だけしか見ていないこと、複数の写真のうち、いくつかだけしか見ていないこと、立ち去る直前に閲覧していたのが写真であることを検出する。
【0076】
このような検出を行う理由としては、写真を見てプロフィール内の文章を読まずに立ち去ったということは写真の印象が悪いと推測できるからである。また、全ての写真を見る前に立ち去ったということは、写真の印象が悪いと推測することができるからである。さらに、プロフィールを網羅的に閲覧はしているが、最後に写真を見て立ち去ったということは、やはり写真の印象が悪いと推測できるからである。
【0077】
このような推測結果に基づいて、改善提案実行部35は、立ち去る直前に見ていた写真は、相手に与える印象が良くないと推測して、この写真を他の写真と入れ替えたらどうかという改善提案をユーザに対して行う。
【0078】
また、改善提案実行部35は、閲覧済みの箇所の情報と、その閲覧者が立ち去る直前に閲覧していた箇所の情報と、閲覧速度の情報を用いて、立ち去った時までに、プロフィールの内容を表示しきっていないこと、プロフィールの表示箇所の閲覧速度と、記載内容の文字数とが一致しないことを検出する。
【0079】
このような検出を行う理由としては、「いいね」を押さなかった閲覧者が、記入された文章を全て読まずに立ち去ったということは、その閲覧者がプロフィールの文章が長すぎて途中で飽きてしまい、文章を最後まで読むことなくそのユーザのプロフィールの閲覧を終了したものと推測することができるからである。
【0080】
また、文章の文字数と閲覧速度が一致しない、つまり文字数に対して閲覧速度が速すぎるということは、その閲覧者が文章を読んでいなことを意味し、ただ単に読み飛ばしているだけであると推測することができるからである。
【0081】
このような推測結果に基づいて、改善提案実行部35は、このプロフィール内の文章が長すぎるので、もっと文章を短くしたらどうかという改善提案をユーザに対して行う。
【0082】
また、改善提案実行部35は、その閲覧者が立ち去る直前に閲覧していた箇所の情報を用いて、文章の立ち去る直前に閲覧していた箇所付近に、ネガティブな表現等の適切ではない単語・表現等が記載されていることを検出する。
【0083】
このような検出を行う理由としては、「・・・が嫌い」、「・・・はいやだ。」、「疲れた。」というような前向きではない否定的な単語や表現等がプロフィールの文章内に記載されていると、他の閲覧者に対する印象が悪くなると推測することができるからである。
【0084】
このような推測結果に基づいて、改善提案実行部35は、プロフィール内の文章のこのような単語・表現を修正するような改善提案をユーザに対して行う。
【0085】
また、改善提案実行部35は、閲覧済みの箇所、閲覧箇所の移動経路の情報を用いて、写真と文章の両方を見ているが、写真と文章とを交互に頻繁に閲覧していることにより迷いがあることを検出する。その際に、改善提案実行部35は、写真とプロフィール内の文章を、それぞれパーソナリティ/雰囲気の指標で数値化した場合に、その差が大きいことを検出するようにしても良い。
【0086】
このような検出を行う理由としては、あまりにも写真と文章、または写真とプロフィールとの間にギャップがあると、閲覧者にとってはそのユーザはどのような性格であるかを把握し兼ね、閲覧者に与える印象としてもあまりよくないものとなると推測することができるからである。
【0087】
このような推測結果に基づいて、改善提案実行部35は、写真とプロフィールとが一致するように変更するような改善提案をユーザに対して行う。
【0088】
次に、具体的なプロフィール情報を用いて、プロフィール情報の具体的な改善提案例について説明する。
【0089】
以下においては
図11に示すようなプロフィール情報に対して改善提案を行う場合について説明する。
【0090】
図11に示したプロフィール情報では、写真画像1~4という4つの写真が掲載され、プロフィール、アピールコメント等の各種文章が記載されたものとなっている。
【0091】
そして、このようなプロフィール情報が記述されたプロフィール記述領域が、端末装置に表示される表示画面領域71よりも広くなっているものとして説明する。
【0092】
このようなプロフィール情報に対する改善提案の一例を
図12に示す。
図12に示された改善提案例は、電子メールにより改善内容を通知した場合の一例である。
【0093】
この
図12に示された改善提案例では、閲覧者の総数、「いいね」を押した閲覧者の数、とともに写真画像1~4に対する参照数、最後までスクロールした閲覧者の数等をユーザに通知するようになっている。
【0094】
ここで、写真画像に対する参照数とは、ユーザが写真画像を選択して拡大して表示させた回数を表している。つまり、写真画像3の参照数が「12」となっており、他の写真画像よりも参照数が多くなっているのが分かる。
【0095】
そのため、この改善提案例では、写真画像3が最も閲覧者に与える印象が良いと推測して、写真画像3を最も配置順が前の写真画像1の位置と入れ替えるような提案が行われている。
【0096】
また、この改善提案例では、アピールコメントの文章が長すぎるので、短くするような提案も行われている。
【0097】
次に、改善提案を電子メール等で通知するのではなく、プロフィール情報上に表示した場合の例を
図13、
図14に示す。
【0098】
図13に示した改善提案例では、ユーザが作成したプロフィール情報上に、改善提案を重畳させて表示した場合が示されている。
【0099】
具体的には、
図13では、写真画像1と写真画像3の位置を入れ替えるような改善提案や、アピールコメントの文章を短くするような改善提案が、文字や記号等を用いて表示する場合が示されている。
【0100】
さらに、
図14に示した改善提案例では、改善提案を実行した後のプロフィール情報を表示された場合が示されている。
【0101】
図14に示した改善提案例では、写真画像1と写真画像3の位置が入れ替わった状態で表示され、アピールコメントもシステム側で要約して短くした状態で提案されている。なお、アピールコメントの提案では、文章を短縮したものが2つ用意され、ユーザが選択することができるようになっている。また、ユーザがアピールコメントを短縮することができるようにもなっている。
【0102】
そして、
図14に示した改善提案例では、最終的に改善提案を受け入れる場合には、「反映する」というボタンをユーザが選択することにより、そのユーザのプロフィール情報の編集が実行されることになる。
【0103】
最後に、ユーザがプロフィールの改善提案を行う際の基準となる閲覧者を限定する際のUI(ユーザインタフェースの略)画面例を
図15に示す。
【0104】
図15に示されたUI画面例では、ユーザが「いいね」を押して欲しい人の条件として、年齢、居住地、学歴、身長、性格、趣味、特技、外見等の様々な条件を設定することができるようになっている。
【0105】
このような設定が行われることにより、このユーザに対する改善提案については、このような条件に合致したユーザの閲覧履歴に基づいて行われることになる。
【0106】
さらに、あるユーザが「いいね」を押したユーザのみを、改善提案を行う際の対象となる閲覧者として限定するようにしても良い。
【0107】
また、プロフィールの修正が行われた際に、修正が行われる前と修正が行われた後で「いいね」を押してくれた閲覧者が増加したのか減少したのか、または修正した箇所を参照した後に「いいね」を押してくれる人が増えたのか、または修正した箇所を参照した後に立ち去る閲覧者が増えているか等の統計情報をユーザに通知するようにしても良い。
【0108】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0109】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0110】
[変形例]
上記実施形態では、マッチングシステム内においてプロフィール情報の改善点を提案する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マッチングシステム以外の他のSNS(Social Networking Systemの略)であっても、自己のプロフィール情報を公開し、プロフィール情報を見た閲覧者に「いいね」というような好意を示す操作を行ってもらえるようなシステムであれば同様に本発明を同様に適用することができるものである。
【符号の説明】
【0111】
10 マッチングサービス提供サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
21、22 端末装置
30 インターネット
31 プロフィール情報閲覧処理制御部
32 閲覧履歴情報記憶部
33 データ送受信部
34 ユーザ操作受付部
35 改善提案実行部
36 プロフィール情報格納部
40 無線LANターミナル
51 「いいね」ボタン
61 中央付近の特定領域
62 カメラ
63 覧箇所の移動経路
71 表示画面領域