(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】印刷管理装置及び印刷管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240423BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20240423BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G06F3/12 351
G06F3/12 382
G06F3/12 318
B41J25/20
B41J29/38 206
B41J29/38 350
(21)【出願番号】P 2020044459
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸大
(72)【発明者】
【氏名】駒沢 寿夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】別役 昂志
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-035008(JP,A)
【文献】特開2010-026038(JP,A)
【文献】特開2004-053857(JP,A)
【文献】特開2000-285164(JP,A)
【文献】特開2015-040996(JP,A)
【文献】特開2013-061867(JP,A)
【文献】特開2013-039684(JP,A)
【文献】特開2003-300653(JP,A)
【文献】特開2015-219482(JP,A)
【文献】特開2016-065996(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0018630(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41F 31/00-35/06
B41J 23/00-25/34
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力
し、
前記損紙の量は、前記印刷装置と接続された後加工装置を用いて、前記複数のページに対応して裁断される位置である裁断位置により定まるページ間の部分の面積を更に含み、
前記プロセッサは、前記後加工装置が裁断情報を有する場合、前記後加工装置から直接又は前記印刷装置を経由して前記裁断情報を取得し、取得した裁断情報に基づいて、前記裁断位置を特定する
印刷管理装置。
【請求項2】
前記損紙の量は、前記ジョブ以外の制御用ページに対応する部分の面積を含む
請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置により前記連続紙に対して裁断用マークを印刷する制御を行う場合、前記印刷制御装置から前記裁断用マークを含む印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて、前記裁断位置を特定する
請求項
1に記載の印刷管理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ジョブが裁断用マークを含む場合、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置から前記ジョブに含まれる裁断用マークの位置を取得し、取得した裁断用マークの位置に基づいて、前記裁断位置を特定する
請求項
1に記載の印刷管理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記連続紙が裁断用加工を有する用紙である場合、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置から前記連続紙における裁断用加工の位置を取得し、取得した裁断用加工の位置に基づいて、前記裁断位置を特定する
請求項
1に記載の印刷管理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記損紙の量を、対応するジョブ毎に集計する
請求項2~請求項
5のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力し、
前記損紙の量は、前記印刷装置の調整又は前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置の調整を行うための印刷である調整印刷のジョブに対応する部分の面積を更に含み、
前記プロセッサは、前記損紙の量を、前記調整印刷のジョブの次のジョブに対応付けて集計す
る
印刷管理装置。
【請求項8】
前記損紙の量は、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置の電源がオフされたときの前記連続紙の地点と、前記印刷制御装置の電源がオンされたときの前記連続紙の地点とにより定まる部分の面積を含む
請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項9】
前記損紙の量は、前記印刷装置の印刷動作以外の動作で搬送される部分の面積を含む
請求項1に記載の印刷管理装置。
【請求項10】
前記印刷動作以外の動作が前記連続紙の搬送動作である場合、
前記印刷装置の印刷動作以外の動作で搬送される前記部分の面積は、前記連続紙の搬送を開始した地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点とで定まる部分の面積である
請求項
9に記載の印刷管理装置。
【請求項11】
前記印刷動作以外の動作が前記連続紙の交換動作である場合、
前記印刷装置の印刷動作以外の動作で搬送される前記部分の面積は、前記連続紙と、交換対象とされる次の連続紙とをつなぐつなぎ目を、前記印刷装置の搬送方向における一端側から他端側に搬送したときに前記つなぎ目の移動により定まる部分の面積である
請求項
9又は請求項
10に記載の印刷管理装置。
【請求項12】
前記連続紙がロール紙である場合、前記損紙の量は、前記交換動作により交換された後の前記連続紙の残量を更に含む
請求項
11に記載の印刷管理装置。
【請求項13】
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力
し、
前記損紙の量は、前記印刷装置と接続された後加工装置を用いて、前記複数のページに対応して裁断される位置である裁断位置により定まるページ間の部分の面積を更に含み、
前記後加工装置が裁断情報を有する場合、前記後加工装置から直接又は前記印刷装置を経由して前記裁断情報を取得し、取得した裁断情報に基づいて、前記裁断位置を特定することを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【請求項14】
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力し、
前記損紙の量は、前記印刷装置の調整又は前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置の調整を行うための印刷である調整印刷のジョブに対応する部分の面積を更に含み、
前記損紙の量を、前記調整印刷のジョブの次のジョブに対応付けて集計することを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理装置及び印刷管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数の印刷設定または複数の後加工設定を有する印刷システムにおいて、1単位の印刷用紙に対する複数の印刷ジョブの印刷順序を決定する印刷順序決定装置が記載されている。この印刷順序決定装置は、各印刷設定から他の印刷設定に変更する際に発生する損紙の量、または、各後加工設定から他の後加工設定に変更する際に発生する損紙の量である損紙量を予め記憶する損紙量記憶部と、それぞれが印刷用紙種類、印刷仕様、後加工仕様および印刷画像データを含む複数の入力データを記憶する入力データ記憶部と、を備える。また、この印刷順序決定装置は、複数の入力データのうち、印刷用紙種類が共通する複数の用紙共通入力データについて、a)複数の用紙共通入力データの一の印刷順序について、前後に隣接する各2つの用紙共通入力データの印刷仕様に対応する印刷システムの印刷設定、または、各2つの用紙共通入力データの後加工仕様に対応する印刷システムの後加工設定に基づいて、損紙量記憶部から損紙量を取得する工程と、b)複数の用紙共通入力データにおける損紙量の合計である合計損紙量を求める工程と、c)複数の用紙共通入力データの複数の印刷順序についてa)工程およびb)工程を行い、合計損紙量が最小となる印刷順序を求める工程と、を行うことにより、複数の用紙共通入力データから生成される複数の印刷ジョブの印刷順序を決定する演算部を備える。
【0003】
また、特許文献2には、ジョブの実行に伴う連続紙の使用予定に関する情報を提供する画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、連続紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される連続紙に対して画像を形成する画像形成部と、実行対象とするジョブを選択するためのジョブ選択部と、選択されたジョブの実行に要する連続紙の搬送方向における長さである画像形成距離を算出し、算出された画像形成距離を表示部に表示させる制御部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5770580号公報
【文献】特開2017-207597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ロール紙等の連続紙に印刷を行う印刷装置では、ジョブを印刷処理する場合に、連続紙のうち最終的な製品に使われない部分(以下、「損紙」という。)が発生する。しかしながら、生じた損紙の量を把握することは行われていない。
【0006】
本発明は、連続紙のうち、製品に使われない部分を損紙の量として把握することができる印刷管理装置及び印刷管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る印刷管理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力する。
【0008】
また、第2態様に係る印刷管理装置は、第1態様に係る印刷管理装置において、前記損紙の量が、前記ジョブ以外の制御用ページに対応する部分の面積を含んでいる。
【0009】
また、第3態様に係る印刷管理装置は、第1態様又は第2態様に係る印刷管理装置において、前記損紙の量が、前記印刷装置と接続された後加工装置を用いて、前記複数のページに対応して裁断される位置である裁断位置により定まるページ間の部分の面積を更に含んでいる。
【0010】
また、第4態様に係る印刷管理装置は、第3態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置により前記連続紙に対して裁断用マークを印刷する制御を行う場合、前記印刷制御装置から前記裁断用マークを含む印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて、前記裁断位置を特定する。
【0011】
また、第5態様に係る印刷管理装置は、第3態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記ジョブが裁断用マークを含む場合、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置から前記ジョブに含まれる裁断用マークの位置を取得し、取得した裁断用マークの位置に基づいて、前記裁断位置を特定する。
【0012】
また、第6態様に係る印刷管理装置は、第3態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記連続紙が裁断用加工を有する用紙である場合、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置から前記連続紙における裁断用加工の位置を取得し、取得した裁断用加工の位置に基づいて、前記裁断位置を特定する。
【0013】
また、第7態様に係る印刷管理装置は、第3態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記後加工装置が裁断情報を有する場合、前記後加工装置から直接又は前記印刷装置を経由して前記裁断情報を取得し、取得した裁断情報に基づいて、前記裁断位置を特定する。
【0014】
また、第8態様に係る印刷管理装置は、第2態様~第7態様のいずれか1の態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記損紙の量を、対応するジョブ毎に集計する。
【0015】
また、第9態様に係る印刷管理装置は、第1態様~第3態様のいずれか1の態様に係る印刷管理装置において、前記損紙の量が、前記印刷装置の調整又は前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置の調整を行うための印刷である調整印刷のジョブに対応する部分の面積を更に含んでいる。
【0016】
また、第10態様に係る印刷管理装置は、第9態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、前記損紙の量を、前記調整印刷のジョブの次のジョブに対応付けて集計する。
【0017】
また、第11態様に係る印刷管理装置は、第1態様に係る印刷管理装置において、前記損紙の量が、前記印刷装置の動作を制御する印刷制御装置の電源がオフされたときの前記連続紙の地点と、前記印刷制御装置の電源がオンされたときの前記連続紙の地点とにより定まる部分の面積を含んでいる。
【0018】
また、第12態様に係る印刷管理装置は、第1態様に係る印刷管理装置において、前記損紙の量が、前記印刷装置の印刷動作以外の動作で搬送される部分の面積を含んでいる。
【0019】
また、第13態様に係る印刷管理装置は、第12態様に係る印刷管理装置において、前記印刷動作以外の動作が前記連続紙の搬送動作である場合、前記部分の面積が、前記連続紙の搬送を開始した地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点とで定まる部分の面積であるとされている。
【0020】
また、第14態様に係る印刷管理装置は、第12態様又は第13態様に係る印刷管理装置において、前記印刷動作以外の動作が前記連続紙の交換動作である場合、前記部分の面積が、前記連続紙と、交換対象とされる次の連続紙とをつなぐつなぎ目を、前記印刷装置の搬送方向における一端側から他端側に搬送したときに前記つなぎ目の移動により定まる部分の面積であるとされている。
【0021】
また、第15態様に係る印刷管理装置は、第14態様に係る印刷管理装置において、前記連続紙がロール紙である場合、前記損紙の量が、前記交換動作により交換された後の前記連続紙の残量を更に含んでいる。
【0022】
更に、上記目的を達成するために、第16態様に係る印刷管理プログラムは、連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、前記連続紙のうち、前記ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われない部分の面積を損紙の量として出力することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
第1態様及び第16態様によれば、連続紙のうち、製品に使われない部分を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0024】
第2態様によれば、ジョブ以外の制御用ページの面積を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0025】
第3態様によれば、後加工装置の裁断位置により定まるページ間の部分の面積を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0026】
第4態様によれば、裁断用マークを含む印刷情報から裁断位置を特定することができる、という効果を有する。
【0027】
第5態様によれば、ジョブに含まれる裁断用マークから裁断位置を特定することができる、という効果を有する。
【0028】
第6態様によれば、連続紙が有する裁断用加工から裁断位置を特定することができる、という効果を有する。
【0029】
第7態様によれば、後加工装置が有する裁断情報から裁断位置を特定することができる、という効果を有する。
【0030】
第8態様によれば、ジョブ毎に損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0031】
第9態様によれば、調整印刷のジョブの部分の面積を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0032】
第10態様によれば、調整印刷のジョブについて損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0033】
第11態様によれば、印刷制御装置の電源のオフ、オンに応じた部分の面積を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0034】
第12態様によれば、印刷動作以外の動作で搬送される部分の面積を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【0035】
第13態様によれば、印刷動作以外の動作が搬送動作である場合の損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0036】
第14態様によれば、印刷動作以外の動作が交換動作である場合の損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0037】
第15態様によれば、交換後の連続紙の残量を損紙の量として把握することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】第1の実施形態に係る印刷管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る印刷管理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る印刷管理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係るジョブ管理画面の一例を示す正面図である。
【
図6】実施形態に係る基本情報編集画面の一例を示す正面図である。
【
図7】第1の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図8】第2の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図10】第2の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの別の例を示すフローチャートである。
【
図11】第2の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの更に別の例を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態に係る別の損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図13】第2の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの更に別の例を示すフローチャートである。
【
図14】第3の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態に係る調整印刷設定画面の一例を示す正面図である。
【
図16】第3の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図17】第4の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図18】第5の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図19】第5の実施形態に係る別の損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【
図20】第6の実施形態に係るUI表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0040】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る印刷管理システム90の構成の一例を示す図である。
【0041】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷管理システム90は、印刷管理装置10と、印刷制御装置20と、印刷装置30と、後加工装置40と、を備えている。
【0042】
印刷管理装置10は、ネットワークを介して印刷制御装置20と接続されている。なお、ネットワークには、一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。印刷管理装置10は、ジョブの入力を受け付け、受け付けたジョブに応じた印刷を印刷制御装置20に指示する。ここでいうジョブとは、印刷処理単位を表す。例えば、1つのジョブは、1つのファイルを印刷する場合の印刷データを表す。1つのファイルに含まれるページ数は、1ページ以上で任意である。つまり、1つのジョブに対応する1つのファイルは、例えば、1ページで構成されていてもよいし、1000ページで構成されていてもよい。1つのファイルに含まれるページ数は、予め設定されていてもよいし、ユーザが適宜設定するようにしてもよい。
【0043】
印刷制御装置20は、ネットワークを介して印刷装置30と接続されている。接続される印刷装置30は、1台でもよいし、複数台でもよい。印刷制御装置20は、印刷装置30の印刷処理の動作を制御する機能を備えている。
【0044】
印刷装置30は、ロール紙等の連続紙に印刷を行う所謂連帳プリンタである。印刷装置30は、用紙カウンタ31を備えている。用紙カウンタ31は、連続紙を用紙搬送方向に向けて搬送した場合に、搬送開始地点を基準(カウント値=0m)として、搬送開始地点との距離を計測する。なお、本実施形態においては、印刷制御装置20と印刷装置30とが別体で構成されているが、印刷制御装置20と印刷装置30とが一体で構成されていてもよい。
【0045】
なお、印刷装置30では、安定した画質での印刷を保証するため、印刷の開始時に連続紙の搬送速度が所定の速度に到達するまで待って、ジョブの印刷を開始する。このため、印刷に使用されずに損失となる部分が連続紙に発生する。また、印刷の停止時においても、停止指示後に連続紙が慣性で所定の距離だけ搬送される。このため、同様に損失となる部分が発生する。つまり、印刷装置30では、構造上、印刷の前後で損失となる部分が発生する。
【0046】
印刷制御装置20は、ネットワークを介して後加工装置40と接続されている。接続される後加工装置40は、1台でもよいし、複数台でもよい。印刷制御装置20は、後加工装置40の後加工処理の動作を制御する機能を備えている。
【0047】
後加工装置40には、例えば、加工装置、後処理装置、及び裁断装置等が含まれる。加工装置は、例えば、印刷装置30で印刷された紙等の記録媒体(以下、「シート」という。)の印刷面に、傷や汚れが付着することを抑制するためにニスをコーティングする等の加工を行う装置である。後処理装置は、例えば、ページ順に並ぶように折られた状態の本文のシートを綴じ合わせて表紙を付け、冊子の形態にする等の処理を行う装置である。裁断装置は、例えば、製本された冊子の余白部分を切断して、予め定められた大きさに仕上げる等の処理を行う装置である。なお、後加工装置40は、ネットワークを介して印刷装置30と接続されていてもよい。
【0048】
印刷管理装置10は、印刷制御装置20を介して、印刷装置30の稼働に関する各種情報を受信して、印刷装置30の稼働状況及び処理能力を管理する。また、印刷管理装置10は、印刷装置30の稼働指示、停止指示、及び印刷装置30の動作を設定する設定指示等の各種指示を、印刷制御装置20を介して、印刷装置30に送信する。
【0049】
また、印刷管理装置10は、印刷制御装置20を介して、後加工装置40の稼働に関する各種情報を受信して、後加工装置40の稼働状況及び処理能力を管理する。また、印刷管理装置10は、後加工装置40の稼働指示、停止指示、及び後加工装置40の動作を設定する設定指示等の各種指示を、印刷制御装置20を介して、後加工装置40に送信する。
【0050】
図2は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
図2に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を備えている。
【0052】
本実施形態に係る印刷管理装置10には、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0053】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0054】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、印刷管理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、印刷管理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0055】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る印刷管理機能を実現するための印刷管理プログラム15Aが記憶される。なお、この印刷管理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0056】
印刷管理プログラム15Aは、例えば、印刷管理装置10に予めインストールされていてもよい。印刷管理プログラム15Aは、不揮発性の非一時的記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、印刷管理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非一時的記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0057】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部17には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作部17は、印刷管理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0058】
通信部18は、インターネット、LAN、WAN等のネットワークに接続されており、印刷制御装置20との間でネットワークを介して通信が可能とされる。ネットワークを介しての通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0059】
ところで、ロール紙等の連続紙を用いる場合、損紙の量を把握することは、印刷会社等におけるコスト管理のために有用である。しかしながら、ジョブを印刷処理する場合に、連続紙のうち、製品に使われない部分を損紙の量として把握することは行われていない。
【0060】
このため、本実施形態に係る印刷管理装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている印刷管理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することで、
図3に示す各部として機能する。このCPU11は、プロセッサの一例である。
【0061】
図3は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
図3に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10のCPU11は、ジョブ投入部11A、装置制御部11B、及びジョブ管理部11Cとして機能する。
【0063】
本実施形態に係るジョブ投入部11Aは、作業担当者(オペレータ)から受け付けたジョブを投入する。
【0064】
本実施形態に係る装置制御部11Bは、印刷制御装置20と通信し、印刷制御装置20の動作を制御する。装置制御部11Bは、印刷制御装置20から、損紙の量の算出に必要とされる各種の情報(以下、「損紙情報」という。)を取得する。この損紙情報には、例えば、後述する用紙サイズ、制御用ページ数、用紙種別等が含まれる。
【0065】
本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、印刷装置30が連続紙に対して複数のページを含むジョブを印刷処理する場合に、連続紙のうちの損紙の量を出力する。ここでいう損紙とは、ジョブに対応する印刷物を用いて製造される製品に使われず損失となる部分を表し、やれ紙ともいう。また、損紙の量は、当該損失となる部分の面積として表される。損紙の量は、ジョブの印刷条件(例えば、カラー、モノクロ、印刷速度、後処理の有無等)によって変化するため、ジョブ毎に均一ではない。
【0066】
具体的に、ジョブ管理部11Cは、ジョブ投入部11Aによりジョブが投入された場合に、装置制御部11Bから得られる損紙情報に基づいて、損紙の量を算出する。本実施形態に係る損紙の量は、ジョブ以外の制御用ページに対応する部分の面積として表される。ここでいう制御用ページとは、ジョブの前あるいは後、ジョブ間等に挿入される、所謂リフレッシュページ、セパレータページとも呼ばれるページである。制御用ページには、一例として、CMYKの各色を含むテストパターンを印刷したページ、白紙のページ等が用いられる。
【0067】
次に、
図4を参照して、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0068】
図4は、第1の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0069】
まず、印刷管理装置10に対して、ジョブ以外の制御用ページを損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0070】
図4のステップ100では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。ここで、投入されたジョブは、一例として、
図5に示すジョブ管理画面により管理される。
【0071】
図5は、本実施形態に係るジョブ管理画面の一例を示す正面図である。
【0072】
図5に示すジョブ管理画面では、ジョブ投入部11Aにより投入されたジョブが登録され、ジョブの完了までその状態が管理される。
【0073】
ステップ101では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ100で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0074】
ステップ102では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙のサイズである用紙サイズを取得する。なお、連続紙の用紙サイズには、一例として、連続紙の用紙幅、用紙長等が含まれる。
【0075】
ステップ103では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、ジョブ以外の制御用ページ数を取得する。ここで、用紙サイズ及び制御用ページ数は、一例として、
図6に示す基本情報編集画面により管理される。
【0076】
図6は、本実施形態に係る基本情報編集画面の一例を示す正面図である。
【0077】
図6に示す基本情報編集画面では、装置制御部11Bから取得された用紙サイズ及び制御用ページ数等が登録され、管理される。
【0078】
ステップ104では、ジョブ管理部11Cが、ステップ102で取得した用紙サイズ及びステップ103で取得した制御用ページ数に基づいて、損紙の面積を算出する。具体的に、例えば、用紙幅がWmm、制御用ページ数がN枚である場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm×N枚、と算出される。但し、ここでは、制御用ページのサイズ(Wmm×Lmm)が予め設定されているものとする。
【0079】
ステップ105では、ジョブ管理部11Cが、ステップ104で算出した損紙の面積を損紙の量として、対応するジョブ毎に集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0080】
次に、
図7を参照して、制御用ページを損紙とした場合における損紙面積算出方法について具体的に説明する。
【0081】
図7は、第1の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0082】
図7の例では、連続紙Pに対して、ジョブA及びジョブBの複数のジョブが投入され、ジョブAとジョブBとの間に複数の制御用ページが挿入された場合について示している。
【0083】
連続紙Pの搬送を開始する地点を、印刷装置30が備える用紙カウンタ31のカウント値が0(ゼロ)となる地点とする。連続紙Pの搬送開始地点からジョブAの印刷開始地点までが印刷開始前の損紙となる。印刷開始前の損紙の量は、用紙カウンタ31による計測結果に基づいて算出される。ジョブ以外の制御用ページによる損紙の量は、上述の用紙サイズ及び制御用ページ数から算出される。ジョブBの印刷終了地点から連続紙Pの搬送終了地点までが印刷終了後の損紙となる。印刷終了後の損紙の量は、用紙カウンタ31による計測結果に基づいて算出される。
【0084】
上記の印刷開始前の損紙の量、制御用ページによる損紙の量、及び印刷終了後の損紙の量を集計することで、合計損紙量が算出される。この場合、例えば、合計損紙量をジョブA及びジョブBで案分して、ジョブ毎の損紙量とする。
【0085】
このように本実施形態によれば、ジョブ以外の制御用ページが製品に使われない部分として特定される。これにより、ジョブ以外の制御用ページに対応する部分の面積が損紙の量として把握される。
【0086】
[第2の実施形態]
本実施形態では、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分を損紙として特定する場合について説明する。
【0087】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。本実施形態に係る損紙の量は、印刷装置30と接続された後加工装置40を用いて、複数のページに対応して裁断される位置である裁断位置により定まるページ間の部分の面積として表される。
【0088】
本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20により連続紙に対して裁断用マークを印刷する制御を行う場合、印刷制御装置20から裁断用マークを含む印刷情報を取得し、取得した印刷情報に基づいて、裁断位置を特定する。
【0089】
次に、
図8を参照して、第2の実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0090】
図8は、第2の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、印刷管理装置10に対して、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分の面積を損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0092】
図8のステップ110では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。
【0093】
ステップ111では、ジョブ投入部11Aが、作業担当者(オペレータ)から裁断用マークの設定指示を受け付けたか否かを判定する。裁断用マークの設定指示を受け付けたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ112に移行し、裁断用マークの設定指示を受け付けていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ119に移行する。
【0094】
ステップ112では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、裁断用マークの設定を行う。
【0095】
ステップ113では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ110で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0096】
ステップ114では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙サイズを取得する。
【0097】
ステップ115では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、裁断用マークを含む印刷情報を取得する。
【0098】
ステップ116では、ジョブ管理部11Cが、ステップ115で取得した印刷情報に基づいて、裁断位置を特定する。
【0099】
ステップ117では、ジョブ管理部11Cが、ステップ114で取得した用紙サイズ及びステップ116で特定した裁断位置に基づいて、損紙の面積を算出する。ここで、
図9を参照して、裁断用マークの位置により定まるページ間の部分を損紙とした場合における損紙面積算出方法について具体的に説明する。
【0100】
図9は、第2の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0101】
図9の例では、連続紙Pに対して、複数ページを含むジョブAが投入される。ジョブAの1ページ目に対応する製品部分A1は、裁断用マークM11~M14(
図9の例では「+」で表す。)で裁断され、2ページ目に対応する製品部分A2は、裁断用マークM21~M24(
図9の例では「+」で表す。)で裁断される。これらの裁断用マークM11~M14及び裁断用マークM21~M24は、印刷制御装置20により印刷の制御がなされる。このため、印刷制御装置20が生成する印刷情報には、裁断用マークM11~M14及び裁断用マークM21~M24が含まれている。印刷情報に含まれる裁断用マークM11~M14及び裁断用マークM21~M24から裁断位置が特定される。
図9の例では、1ページ目の裁断用マークM11、M13と、2ページ目の裁断用マークM22、M24との間の部分が損紙とされる。当該部分の長さをLmmとした場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm、と算出される。
【0102】
ステップ118では、ジョブ管理部11Cが、ステップ117で算出した損紙の面積を損紙の量として、対応するジョブ毎に集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0103】
一方、ステップ119では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ110で投入されたジョブの印刷指示を通知し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0104】
ここで、本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、ジョブが裁断用マークを含む場合、印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20からジョブに含まれる裁断用マークの位置を取得し、取得した裁断用マークの位置に基づいて、裁断位置を特定するようにしてもよい。この場合、印刷制御装置20は、画像認識機能を備え、裁断用マークを含む画像データを取得し、当該画像データに対して画像認識を行うことで、裁断用マークを認識する。
【0105】
図10を参照して、第2の実施形態に係る印刷管理装置10の別の作用を説明する。
【0106】
図10は、第2の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの別の例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、印刷管理装置10に対して、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分の面積を損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0108】
図10のステップ120では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。
【0109】
ステップ121では、ジョブ管理部11Cが、ステップ120で投入されたジョブに裁断用マークが含まれる否かを判定する。なお、ジョブが裁断用マークを含むか否かは、例えば、印刷制御装置20の画像認識結果に基づいて判定される。ジョブが裁断用マークを含むと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ122に移行し、ジョブが裁断用マークを含まないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ128に移行する。
【0110】
ステップ122では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、裁断用マークの位置を取得する。
【0111】
ステップ123では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ120で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0112】
ステップ124では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙サイズを取得する。
【0113】
ステップ125では、ジョブ管理部11Cが、ステップ122で取得した裁断用マークの位置に基づいて、裁断位置を特定する。
【0114】
ステップ126では、ジョブ管理部11Cが、ステップ124で取得した用紙サイズ及びステップ125で特定した裁断位置に基づいて、損紙の面積を算出する。
【0115】
ステップ127では、ジョブ管理部11Cが、ステップ126で算出した損紙の面積を損紙の量として、対応するジョブ毎に集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0116】
一方、ステップ128では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ120で投入されたジョブの印刷指示を通知し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0117】
また、本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、連続紙が裁断用加工を有する用紙である場合、印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20から連続紙における裁断用加工の位置を取得し、取得した裁断用加工の位置に基づいて、裁断位置を特定するようにしてもよい。
【0118】
図11を参照して、第2の実施形態に係る印刷管理装置10の更に別の作用を説明する。
【0119】
図11は、第2の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの更に別の例を示すフローチャートである。
【0120】
まず、印刷管理装置10に対して、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分の面積を損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0121】
図11のステップ130では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。
【0122】
ステップ131では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ130で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0123】
ステップ132では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙サイズを取得する。
【0124】
ステップ133では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙種別を取得する。
【0125】
ステップ134では、ジョブ管理部11Cが、ステップ133で取得した用紙種別に基づいて、連続紙が裁断用加工を有する用紙であるか否かを判定する。連続紙が裁断用加工を有する用紙であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ135に移行し、連続紙が裁断用加工を有する用紙ではないと判定した場合(否定判定の場合)、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0126】
ステップ135では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、裁断用加工の位置を取得する。
【0127】
ステップ136では、ジョブ管理部11Cが、ステップ135で取得した裁断用加工の位置に基づいて、裁断位置を特定する。
【0128】
ステップ137では、ジョブ管理部11Cが、ステップ132で取得した用紙サイズ及びステップ136で特定した裁断位置に基づいて、損紙の面積を算出する。ここで、
図12を参照して、裁断用加工の位置により定まるページ間の部分を損紙とした場合における損紙面積算出方法について具体的に説明する。
【0129】
図12は、第2の実施形態に係る別の損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0130】
図12の例では、連続紙Pに対して、複数ページを含むジョブAが投入される。ジョブAの1ページ目に対応する製品部分A1及び2ページ目に対応する製品部分A2は、裁断用加工H11、H12(
図12の例では複数の角孔で表す。)の位置に合わせて裁断される。これらの裁断用加工H11、H12の位置情報は、印刷制御装置20により保持されている。これにより、裁断用加工H11、H12の位置から裁断位置が特定される。
図12の例では、1ページ目と、2ページ目との間の部分が損紙とされる。当該部分の長さをLmmとした場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm、と算出される。なお、裁断用加工H11、H12は、例えば、ピン孔、ミシン目等であってもよい。
【0131】
ステップ138では、ジョブ管理部11Cが、ステップ137で算出した損紙の面積を損紙の量として、対応するジョブ毎に集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0132】
また、本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、後加工装置40が裁断情報を有する場合、後加工装置40から直接又は印刷装置30を経由して裁断情報を取得し、取得した裁断情報に基づいて、裁断位置を特定するようにしてもよい。
【0133】
図13を参照して、第2の実施形態に係る印刷管理装置10の更に別の作用を説明する。
【0134】
図13は、第2の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの更に別の例を示すフローチャートである。
【0135】
まず、印刷管理装置10に対して、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分の面積を損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0136】
図13のステップ140では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。
【0137】
ステップ141では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ140で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0138】
ステップ142では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙サイズを取得する。
【0139】
ステップ143では、ジョブ管理部11Cが、後加工装置40が裁断情報を有するか否かを判定する。後加工装置40が裁断情報を有すると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ144に移行し、後加工装置40が裁断情報を有していないと判定した場合(否定判定の場合)、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0140】
ステップ144では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、後加工装置40の裁断情報を取得する。
【0141】
ステップ145では、ジョブ管理部11Cが、ステップ144で取得した裁断情報に基づいて、裁断位置を特定する。
【0142】
ステップ146では、ジョブ管理部11Cが、ステップ142で取得した用紙サイズ及びステップ145で特定した裁断位置に基づいて、損紙の面積を算出する。
【0143】
ステップ147では、ジョブ管理部11Cが、ステップ146で算出した損紙の面積を損紙の量として、対応するジョブ毎に集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0144】
このように本実施形態によれば、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分が損紙として特定される。これにより、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分の面積が損紙の量として把握される。
【0145】
なお、上記の第1の実施形態及び第2の実施形態を組み合わせ、ジョブ以外の制御用ページ、及び、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分を損紙として特定するようにしてもよい。
【0146】
[第3の実施形態]
本実施形態では、通常印刷とは異なる調整印刷に使用された部分を損紙として特定する場合について説明する。
【0147】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。本実施形態に係る損紙の量は、調整印刷のジョブに対応する部分の面積として表される。ここでいう調整印刷とは、印刷装置30の調整又は印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20の調整を行うための印刷を意味する。この調整印刷では、例えば、CMYKの各色を含むテストパターン等が印刷される。
【0148】
図14を参照して、第3の実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0149】
図14は、第3の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0150】
まず、印刷管理装置10に対して、調整印刷を行った部分の面積を損紙の量として出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0151】
図14のステップ150では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。
【0152】
ステップ151では、ジョブ投入部11A(又はジョブ管理部11C)が、ステップ150で投入されたジョブが調整印刷のジョブであるか否かを判定する。ジョブが調整印刷のジョブであると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ152に移行し、ジョブが調整印刷のジョブではない、つまり、通常印刷のジョブであると判定した場合(否定判定の場合)、ステップ157に移行する。ここで、調整印刷は、一例として、
図15に示す調整印刷設定画面から実行される。
【0153】
図15は、本実施形態に係る調整印刷設定画面の一例を示す正面図である。
【0154】
図15に示す調整印刷設定画面は、調整印刷を行う際に表示される画面であり、通常印刷を行う際に表示される画面とは異なっている。つまり、調整印刷と通常印刷とは、ジョブ投入のシーケンスが異なっている。従って、この調整印刷設定画面から投入されたジョブであれば、調整印刷のジョブと判定され、そうでなければ、通常印刷のジョブと判定される。
【0155】
ステップ152では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ150で投入された調整印刷のジョブの印刷指示を通知する。
【0156】
ステップ153では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、連続紙の用紙サイズを取得する。
【0157】
ステップ154では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bから、調整印刷のジョブのページ数を取得する。なお、調整印刷のジョブのページ数には、予め定められた設定値が適用されるが、この設定値は、作業担当者(オペレータ)等によって適宜変更可能とされる。
【0158】
ステップ155では、ジョブ管理部11Cが、ステップ153で取得した用紙サイズ及びステップ154で取得した調整印刷のジョブのページ数に基づいて、損紙の面積を算出する。
【0159】
ステップ156では、ジョブ管理部11Cが、ステップ155で算出した損紙の面積を損紙の量として、調整印刷のジョブの次のジョブに対応付けて集計し、集計結果を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0160】
一方、ステップ157では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ150で投入された通常印刷のジョブの印刷指示を通知し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0161】
次に、
図16を参照して、調整印刷に使用された部分を損紙とした場合における損紙面積算出方法について具体的に説明する。
【0162】
図16は、第3の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0163】
図16の例では、連続紙Pに対して、上述したように、印刷装置30の調整又は印刷制御装置20の調整を行うための調整印刷のジョブ(以下、単に「調整印刷ジョブ」という。)が投入される。
【0164】
連続紙Pの搬送を開始する地点を、印刷装置30が備える用紙カウンタ31のカウント値が0(ゼロ)となる地点とする。連続紙Pの搬送開始地点から調整印刷ジョブの印刷開始地点までが印刷開始前の損紙となる。印刷開始前の損紙の量は、用紙カウンタ31による計測結果に基づいて算出される。調整印刷ジョブによる損紙の量は、上述の用紙サイズ及び調整印刷ジョブのページ数から算出される。調整印刷ジョブの印刷終了地点から連続紙Pの搬送終了地点までが印刷終了後の損紙となる。印刷終了後の損紙の量は、用紙カウンタ31による計測結果に基づいて算出される。
【0165】
上記の印刷開始前の損紙の量、調整印刷ジョブによる損紙の量、及び印刷終了後の損紙の量を集計することで、合計損紙量が算出される。この場合、例えば、合計損紙量を調整印刷ジョブの次のジョブに対応付けておくことが望ましい。なお、調整印刷ジョブに続けて次のジョブを行う場合、調整印刷ジョブに対応する部分と印刷終了後の損紙との間に、次のジョブに対応する部分が挿入される。
【0166】
このように本実施形態によれば、調整印刷に使用された部分が製品に使われない部分として特定される。これにより、調整印刷に使用された部分の面積が損紙の量として把握される。
【0167】
なお、上記の第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態を組み合わせ、ジョブ以外の制御用ページ、後加工処理での裁断位置により定まるページ間の部分、及び調整印刷に使用された部分を損紙として特定するようにしてもよい。
【0168】
[第4の実施形態]
本実施形態では、印刷制御装置の電源がオフされている間に搬送される部分を損紙として特定する場合について説明する。
【0169】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。本実施形態に係る損紙の量は、印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20の電源がオフされたときの連続紙の地点と、印刷制御装置20の電源がオンされたときの連続紙の地点とにより定まる部分の面積として表される。
【0170】
図17は、第4の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0171】
図17の例では、印刷制御装置20の電源がオフされた状態で、印刷装置30の連続紙Pが搬送される場合を想定する。但し、印刷装置30の電源は常時オンの状態であり、連続紙Pの搬送が可能とされる。このとき、印刷制御装置20の電源がオフされたときの連続紙Pの地点を、用紙カウンタ31を用いてカウントし、そのカウント値を記憶しておく。その後、印刷制御装置20の電源がオンされたときの連続紙Pの地点を、用紙カウンタ31を用いてカウントし、そのカウント値を記憶する。これら2つのカウント値に差がある場合、連続紙Pは印刷制御装置20の電源がオフの間に搬送されており、この差に対応する部分を損紙とする。当該部分の長さをLmmとした場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm、と算出される。なお、これら2つのカウント値に差がない場合、連続紙Pは印刷制御装置20の電源がオフの間に搬送されていないため、損紙は発生しない。
【0172】
[第5の実施形態]
本実施形態では、印刷動作以外の動作で搬送される部分を損紙として特定する場合について説明する。
【0173】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。本実施形態に係る損紙の量は、印刷装置30の印刷動作以外の動作で搬送される部分の面積として表される。具体的に、印刷動作以外の動作が連続紙の搬送動作である場合、搬送される部分の面積は、連続紙の搬送を開始した地点と、連続紙の搬送を終了した地点とで定まる部分の面積である。なお、印刷制御装置20の電源はオンの状態である。
【0174】
図18は、第5の実施形態に係る損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0175】
図18の例では、印刷装置30の連続紙Pが印刷を行わずに搬送される場合を想定する。このとき、連続紙Pの搬送を開始した地点を、用紙カウンタ31を用いてカウントし、そのカウント値を記憶し、同様に、連続紙Pの搬送が終了した地点を、用紙カウンタ31を用いてカウントし、そのカウント値を記憶する。これら2つのカウント値の差に対応する部分を損紙とする。当該部分の長さをLmmとした場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm、と算出される。
【0176】
また、印刷動作以外の動作が連続紙の交換動作である場合、搬送される部分の面積は、印刷済みの連続紙と、交換対象とされる次の連続紙とをつなぐつなぎ目を、印刷装置30の搬送方向における一端側から他端側に搬送したときにつなぎ目の移動により定まる部分の面積として表される。
【0177】
図19は、第5の実施形態に係る別の損紙面積算出方法の説明に供する図である。
【0178】
(S1)では、連続紙P1がロール紙である場合を想定する。連続紙P1が印刷装置30の一端側から他端側に向けて搬送、印刷され、印刷済みの連続紙P1が巻取ローラ32によって巻き取られる。印刷されていない残りの連続紙P1は、その残量が所定値に達したときに切断され、次の連続紙に交換される。交換動作により交換された後の連続紙P1の残量を損紙とする。このときの損紙の量は、例えば、未印刷の連続紙P1の巻き径により算出される。
【0179】
(S2)では、残りの連続紙P1が交換対象である次の連続紙P2に交換される。このとき、巻取ローラ32に巻き取られた印刷済みの連続紙P1と次の連続紙P2とはテープによってつながれる。連続紙P1と連続紙P2とのつなぎ目は、品質上印刷対象から除外するほうが望ましい。このため、つなぎ目は印刷装置30の搬送方向における一端側から他端側に搬送され、印刷装置30の外部に送られる。つなぎ目の搬送によって送られた部分を損紙とする。当該部分の長さをLmmとした場合、損紙の面積は、Wmm×Lmm、と算出される。
【0180】
[第6の実施形態]
本実施形態では、損紙の量をUI(ユーザインターフェース)表示する場合について説明する。
【0181】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。
【0182】
図20は、第6の実施形態に係るUI表示の一例を示す図である。
【0183】
(S11)では、ジョブAを印刷した場合に、ジョブAの印刷の前後で損紙L1及び損紙L2が発生する。損紙L1及び損紙L2の合計がx(m2)とする。UI表示50は、ジョブAに関する損紙の量を表示する。
【0184】
(S12)では、印刷制御装置20の電源をオフし、連続紙を交換した後に、ジョブBを印刷した場合に、ジョブBの印刷の前後で損紙L3及び損紙L4が発生する。損紙L3はα(m2)、損紙L4はy(m2)である。これら損紙L3及び損紙L4の合計はα+y(m2)となる。UI表示51は、ジョブA及びジョブBに関する損紙の量を表示する。
【0185】
(S13)では、連続紙を搬送した後に、ジョブCを印刷した場合に、ジョブCの印刷の前後で損紙L5及び損紙L6が発生する。損紙L5はγ(m2)、損紙L6はz(m2)である。損紙L5及び損紙L6の合計はγ+z(m2)となる。UI表示52は、ジョブA、ジョブB、及びジョブCに関する損紙の量を表示する。
【0186】
このように本実施形態によれば、連続紙のうち、製品に使われない部分が損紙の量として把握される。すなわち、製品以外の損紙の量を目に見えるようにすることで、印刷会社等のコスト管理が適切に行われる。
【0187】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0188】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0189】
以上、実施形態に係る印刷管理装置を例示して説明した。実施形態は、印刷管理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0190】
その他、上記実施形態で説明した印刷管理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0191】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0192】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0193】
10 印刷管理装置
11 CPU
11A ジョブ投入部
11B 装置制御部
11C ジョブ管理部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 印刷管理プログラム
16 表示部
17 操作部
18 通信部
20 印刷制御装置
30 印刷装置
31 用紙カウンタ
40 後加工装置
90 印刷管理システム