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特許7476588情報処理装置、画像形成装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20240423BHJP
   H04N 1/407 20060101ALI20240423BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H04N1/60
H04N1/407
G06T1/00 510
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020045760
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021150685
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 稔弘
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-236802(JP,A)
【文献】特開2002-094820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/40- 1/409
H04N 1/46- 1/64
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行し、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分を算出し、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行し、
前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行し、
前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、
前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行する
情報処理装置。
【請求項2】
記プロセッサは、
前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなり、かつ、該色変換テーブルの他の色成分のうち閾値未満である1以上の第2色成分が存在する場合に、該第2色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第2色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、
前記第2色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記色成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなり、かつ、該第1平滑化処理を実行する前後の前記黒成分の差が決められた値以上である場合に、前記第2更新処理を実行する
請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
利用者の指示を受付ける画面を表示させ、
受付けた前記指示に応じて前記第1更新処理を実行する
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
利用者の指示を受付ける画面を表示させ、
受付けた前記指示に応じて前記第1更新処理、又は、前記第2更新処理を実行する
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
画像形成部及びプロセッサを有し、前記プロセッサは、
利用者の指示を受付ける画面を表示させ、
受付けた前記指示に応じて色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行し、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分
を算出し、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行し、
前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行し、
前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、
前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行し、
画像を示す画像データを取得し、
前記画像形成部は、
前記画像データ、及び前記第1更新処理又は前記第2更新処理が実行された前記色変換テーブルを用いて、前記画像を媒体に形成する
画像形成装置。
【請求項7】
プロセッサを有するコンピュータに、
色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行するステップと、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分を算出するステップと、
前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行するステップと、
前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行するステップと、
前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出するステップと、
前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RGB色空間画像やLab色空間画像をYMCK色空間画像に変換する際、色変換テーブルの格子点間に大きな差があると、階調性が悪化することがあった。この階調の段差の発生を防止するための技術が種々提案されており、その一例としては特許文献1に開示の技術が挙げられる。特許文献1には、色変換テーブルを平滑化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-116012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、色変換テーブルを平滑化すると、階調の段差は抑えられても、発色させようとする色の再現性が悪化することがあった。
【0005】
本発明は、色再現性と階調性と両立させること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行し、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分を算出し、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行し、前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行し、前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行する情報処理装置、を提供する。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなり、かつ、該色変換テーブルの他の色成分のうち閾値未満である1以上の第2色成分が存在する場合に、該第2色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第2色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、前記第2色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記色成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項又は請求項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなり、かつ、該第1平滑化処理を実行する前後の前記黒成分の差が決められた値以上である場合に、前記第2更新処理を実行する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、利用者の指示を受付ける画面を表示させ、受付けた前記指示に応じて前記第1更新処理を実行する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、利用者の指示を受付ける画面を表示させ、受付けた前記指示に応じて前記第1更新処理、又は、前記第2更新処理を実行する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項に係る発明は、画像形成部及びプロセッサを有し、前記プロセッサは、利用者の指示を受付ける画面を表示させ、受付けた前記指示に応じて色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行し、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分を算出し、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行し、前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行し、前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出し、前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行し、画像を示す画像データを取得し、前記画像形成部は、前記画像データ、及び前記第1更新処理又は前記第2更新処理が実行された前記色変換テーブルを用いて、前記画像を媒体に形成する画像形成装置、を提供する。
【0013】
請求項に係る発明は、プロセッサを有するコンピュータに、色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行するステップと、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分を用いて前記色変換テーブルの他の色成分を算出するステップと、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記他の色成分により、前記色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行するステップと、前記第1平滑化処理により前記色変換テーブルの前記黒成分が小さくなった場合に、該色変換テーブルの他の色成分を平滑化する第2平滑化処理を実行するステップと、前記第2平滑化処理が実行された前記他の色成分のうち最小である第1色成分と、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分と、を用いて該色変換テーブルの、該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出するステップと、前記第1色成分、前記第1平滑化処理が実行された前記黒成分、及び算出された前記成分により、前記色変換テーブルを更新する第2更新処理を実行するステップと、を実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、、及びに係る発明によれば、色再現性と階調性と両立させることが可能になる。
また、これらの請求項に係る発明によれば、第1平滑化処理により色変換テーブルの黒成分が小さくなった場合、第2平滑化処理が実行された他の色成分のうち最小である第1色成分と、第1平滑化処理が実行された黒成分と、を用いて色変換テーブルの第1色成分及び該黒成分を除く成分が算出され、第1色成分、第1平滑化処理が実行された黒成分、及び算出された成分により、色変換テーブルが更新される。このため、これらの請求項に係る発明によれば、第1平滑化処理により色変換テーブルの黒成分が小さくなった場合に色再現性を犠牲にして階調性を向上させることができる。
請求項に係る発明によれば、第1平滑化処理により黒成分が小さくなり、かつ色変換テーブルの他の色成分のうち閾値未満である1以上の第2色成分が存在する場合、第2色成分と、第1平滑化処理が実行された黒成分と、を用いて変換テーブルの第2色成分及び黒成分を除く成分が算出され、第2色成分、第1平滑化処理が実行された黒成分、及び算出された色成分により、色変換テーブルが更新される。このため、請求項3に係る発明によれば、第1平滑化処理により黒成分が小さくなり、かつ色変換テーブルの他の色成分のうち閾値未満である1以上の第2色成分が存在する場合に色再現性を犠牲にして階調性を向上させることができる。
請求項に係る発明によれば、第1平滑化処理により黒成分が小さくなり、かつ、該第1平滑化処理を実行する前後の黒成分の差が決められた値以上である場合に色再現性を犠牲にして階調性を向上させることができる。
請求項に係る発明によれば、利用者の指示に応じて第1更新処理による色変換テーブルの更新を行うことが可能になる。
請求項に係る発明によれば、利用者の指示に応じて第1更新処理又は第2更新処理による色変換テーブルの更新を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1実施形態による画像形成装置1Aの構成例を示す図である。
図2】画像形成装置1Aにおいて実行される補間演算の説明図である。
図3】従来技術の問題点の説明図である。
図4】画像形成装置1AのUI部110に表示されるUI画面の一例を示す図である。
図5】画像形成装置1Aのプロセッサ130がプログラムPAに従って実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本開示の第2実施形態による画像形成装置1Bの構成例を示す図である。
図7】画像形成装置1BのUI部110に表示されるUI画面の一例を示す図である。
図8】画像形成装置1Bのプロセッサ130がプログラムPAに従って実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図9】変形例(1)の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
(A:第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による画像形成装置1Aの全体構成の一例を示す図である。画像形成装置1Aは、プリント機能を有する。画像形成装置1Aは、例えばプリンターである。但し、画像形成装置1Aはプリンターに限定されない。画像形成装置1Aは、プリント機能に加えて、コピー機能、スキャン機能、及びファクシミリ機能のうち少なくともいずれかを有する装置であってもよい。図1に示すように、画像形成装置1Aは、画像形成部100と、UI部110と、メモリ120と、プロセッサ130と、これら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス140と、を有する。
【0017】
画像形成部100は、プロセッサ130の制御の下、プロセッサ130により取得される画像データに基づき、印刷用紙等の記録媒体上に当該画像データの表す画像を形成して出力する。画像形成部100は、例えば電子写真方式により画像を形成する。
【0018】
UI部110は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置と、透明なシート状に形成された感圧センサや静電センサ等のタッチセンサとを含む。図1では、表示装置とタッチセンサの図示は省略されている。表示装置は、プロセッサ130による制御の下、各種画面を表示する。表示装置に表示される画面の一例としては、画像形成装置1Aの利用を利用者に促すUI画面が挙げられる。タッチセンサは、表示装置の表示領域を覆うように表示装置に貼り付けられている。表示装置及びタッチセンサは、プロセッサ130による制御の下、所謂タッチパネルとして機能する。UI部110は、表示装置の表示画面に対するタッチ操作やスクロール操作等の利用者の操作を受付け、利用者の操作内容に応じたデータをプロセッサ130に出力する。これにより、利用者の操作内容がプロセッサ130に伝達される。
【0019】
メモリ120は、図1では詳細な図示を省略したが、例えばRAM(Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)等の揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリとは、通電されていないときに記憶内容が失われるメモリである。不揮発性メモリとは、通電されていなくても記憶内容が維持されるメモリである。不揮発性メモリには、画像形成装置1Aについての各種設定の内容を表す設定データ、及び色変換テーブルLUTが記憶されている。なお、メモリ32は、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等を有してもよい。
【0020】
色変換テーブルLUTは、デバイス非依存の色空間をデバイス依存の色空間に対応付ける。本実施形態においてデバイス非依存の色空間とはLab色空間であり、デバイス依存の色空間とはYMCK色空間である。色変換テーブルLUTは、L、a及びbの各成分に対応する座標軸により規定される3次元空間内の点に対応付けて、当該点に対応する色(当該点のL、a及びbの値により表現される色)をY、M、C及びKの組合せで表現する場合のY、M、C及びKの各々の値を格納したテーブルである。
【0021】
色変換テーブルLUTには、上記3次元空間における全ての点についてY、M、C及びKの値の組合せが格納されている訳ではない。本実施形態では、上記3次元空間に規則的に配置された33×33×33=35937個の格子点についてのみ当該格子点の座標(即ち、L、a及びbの各値)に対応付けてY、M、C及びKの値の組合せが格納されている。色変換テーブルLUTを使用して色変換を行う場合、格子点以外の点については、格子点に対応付けて登録されているY、M、C及びKの値に基づく補間演算で求められる。
【0022】
例えば、上記3次元空間における格子点P1、P2、P3及びP4に関する情報が色変換テーブルLUTに格納されている場合において、図2に示すように格子点P1、P2、P3及びP4の各々を頂点とする三角錐の内部に位置する点PXに対応する色について色変換を行う場合、点PXに対応する色のY、M、C及びKの値の組合せは、格子点P1、P2、P3及びP4の各々におけるY、M、C及びKの値を所定の補間関数に入力することにより演算される。
【0023】
本実施形態では、色変換テーブルLUTがメモリ120に予め記憶されているが、既存の方法で色変換テーブルLUTを適宜生成しメモリ120に記憶させてもよい。例えば、画像形成装置1Aがスキャナ機能を有する場合、Y、M、C及びKの任意の組合せに対する色パッチの画像を形成した記録媒体を画像形成部100に出力させ、当該色パッチの画像をスキャナ機能により読み取ってL、a及びbを測色することで、色変換テーブルLUTを作成すればよい。なお、色変換テーブルLUTを生成する際にデバイス非依存の色空間の種別、当該色空間に設定する格子点の数、又は色パッチの画像を形成する記録媒体の種別等を利用者に指定させてもよい。
【0024】
上記の要領で作成される色変換テーブルには、格子点間に大きな差があると、高彩度且つ低明度色のグラデーション画像の色変換の際に階調性が悪化するという問題があった。例えば、図2における格子点P1、P2、P3及びP4の各々におけるKの値が20、25、15及び70である場合、補間演算により算出される点PXにおけるKの値は、格子点P4のKの値の影響により大きめに算出される。このような色変換テーブルを用いて高彩度且つ低明度色のグラデーション画像の色変換を行うと、本来的には図3のグラフG01に示すように単調にK値が変化するべきK版において、同図3のグラフG02に示すようにK値が急激に増減し、階調段差として見えるからである。K版は、例えば一般的な用紙の地色である白色からの色差が最も大きいため、K値の急激な増減(以下、ガタツキ)は段差として見えやすい。
【0025】
上記のようなK版のガタツキを抑えるために色変換テーブル全体に平滑化を施すと、変換後の色と目標とする色とにずれが生じ、色再現性が低下する。画像形成装置1Aの不揮発性メモリには、色再現性と階調性とが両立するように色変換テーブルLUTを更新する処理をプロセッサ130に実行させるプログラムPAが予め格納されている。揮発性メモリは、当該プログラムPAを実行する際のワークリアとしてプロセッサ130によって利用される。
【0026】
プロセッサ130は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ130は、UI部110のタッチパネルに対する操作により、色変換テーブルLUTの更新を指示されたことを契機としてプログラムPAをメモリ120の揮発性メモリへ読み出し、その実行を開始する。
【0027】
プログラムPAの実行を開始したプロセッサ130は、図4に示すUI画面をUI部110の表示装置に表示させる。このUI画面は、利用者の指示を受付ける画面である。このUI画面には、ラジオボタンB01及びラジオボタンB02と、スライダB03と、OKボタンB04と、キャンセルボタンB05とが設けられる。ラジオボタンB01は、Y、M、C及びKのうちの黒成分のみの平滑化の実行を利用者に指示させる仮想操作子である。なお、「黒成分の平滑化」の詳細については後に明らかにする。ラジオボタンB02は黒成分のみの平滑化を行わないことを利用者に指示させる仮想操作子である。
【0028】
スライダB03は黒成分の平滑化の程度を利用者に指示させる仮想操作子である。本実施形態では、画像形成装置1Aの利用者は、黒成分の平滑化の程度として、「弱」、「中」及び「強」の3種類のうちのいずれかを指定することができる。「黒成分の平滑化の程度」についても後に明らかにする。OKボタンB04は、色変換テーブルLUTの更新の実行を利用者に指示させる仮想操作子である。キャンセルボタンB05は色変換テーブルLUTの更新のキャンセルを利用者に指示させる仮想操作子である。
【0029】
本実施形態では、UI部110に対する操作によりキャンセルボタンB05が選択された場合、又はラジオボタンB02が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、プロセッサ130は、色変換テーブルLUTの更新を行うことなく、プログラムPAの実行を終了する。なお、ラジオボタンB02が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、従来と同様に、Y、M、C及びKの全ての色成分の平滑化をプロセッサ130に実行させてもよい。
【0030】
これに対して、ラジオボタンB01が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、プロセッサ130は、色変換テーブルLUTに、対応するY、M、C及びKの値が格納されている33×33×33=35937の格子点の各々を処理対象格子点として、図5のフローチャートに示す処理をプログラムPAに従って実行する。図5に示すように、プログラムPAに従って作動しているプロセッサ130が実行する処理には、第1平滑化処理、第1算出処理、及び第1更新処理が含まれる。
【0031】
第1平滑化処理では、プロセッサ130は、処理対象格子点に対応付けて色変換テーブルLUTに格納されている黒成分の値K1(以下、単に黒成分K1ともいう)を平滑化する(ステップSA110)。黒成分の平滑化については、重みづけ平均により実現すればよい。より具体的には、処理対象格子点の黒成分を、当該黒成分及び処理対象格子点の周囲に位置する他の格子点の黒成分の重みづけ平均値に置き換えることで黒成分の平滑化を実現すればよい。ここで、処理対象格子点の周囲に位置する他の格子点の具体例としては、L軸方向、a軸方向及びb軸方向の各方向に3個ずつ並んだ合計27個の格子点の中心を処理対象格子点とした場合における他の26個の格子点が挙げられる。スライダB03の操作により指定される「黒成分の平滑化の程度」は、上記重みづけ平均値を算出する際の重み係数に関連する。
【0032】
具体的には、スライダB03の操作により「中」が指定された場合には、処理対象格子点の重み係数は0.5に設定され、周囲の他の格子点の重み係数は0.5÷当該他の格子点の数に設定される。スライダB03の操作により「強」が指定された場合には、処理対象格子点の重み係数は0.2に設定され、周囲の他の格子点の重み係数は0.8÷当該他の格子点の数に設定される。この場合、重みづけ平均値に対する周囲の他の格子点の黒成分の寄与は「中」を指定された場合よりも大きくなる。これに対して、スライダB03の操作により「弱」が指定された場合には、処理対象格子点の重み係数は0.8に設定され、周囲の他の格子点の重み係数は0.2÷当該他の格子点の数に設定される。この場合、重みづけ平均値に対する周囲の他の格子点の黒成分の寄与は「中」を指定された場合よりも小さくなる。
【0033】
本実施形態では、重みづけ平均値を算出する際の重み係数の調整により黒成分の平滑化の程度が調整されるが、重みづけ平均値を算出する際の他の格子点の範囲又は数の調整により平滑化の程度の調整を実現してもよい。例えば、スライダB03の操作により「強」が指定された場合には当該範囲を広げ、スライダB03の操作により「弱」が指定された場合には当該範囲を狭めればよい。
【0034】
第1算出処理では、プロセッサ130は、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2を用いて処理対象格子点に対応するデバイス依存の色空間における他の色成分、即ちY,M及びCの各色成分を算出する(ステップSA130)。より詳細には、第1算出処理では、プロセッサ130は、処理対象格子点のL、a及びbの各値と、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2とから、Y、M及びCの各色成分の値を算出する。そして、第1更新処理では、プロセッサ130は、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2、及び第1算出処理にて算出されたY、M及びCにより、色変換テーブルLUTにおいて処理対象格子点に対応するY、C、M及びKの各値を更新する(ステップSA140)。
【0035】
本実施形態によれば、色変換テーブルLUTに格納されている黒成分は平滑化されているので、高彩度且つ低明度色のグラデーション画像の色変換の際の階調性が向上する。また、本実施形態によれば、処理対象格子点における平滑化された黒成分と当該処理対象格子点に対応するL、a及びbの値とから、処理対象格子点に対応するY、M及びCの各色成分が算出されるので、Y、M、C及びKの全てに平滑化を施す場合に比較して色再現性(目標とする色との一致度)が担保される。このように本実施形態によれば、色再現性を保ちつつ、階調性を改善することができる。
【0036】
(B:第2実施形態)
図6は、本開示の第2実施形態による画像形成装置1Bの構成例を示す図である。図6では図1におけるものと同一の構成要素には同一の符号が付されている。図6図1とを対比すれば明らかなように、画像形成装置1Bのハードウェア構成は画像形成装置1Aのハードウェア構成と同一である。画像形成装置1Aと画像形成装置1Bとの相違点は、プログラムPAに換えてプログラムPBがメモリ120に記憶されている点である。以下、第1実施形態との相違点であるプログラムPBを中心に説明する。
【0037】
画像形成装置1Bのプロセッサ130は、UI部110のタッチパネルに対する操作により、色変換テーブルLUTの更新を指示されたことを契機としてプログラムPBを揮発性メモリへ読み出し、その実行を開始する。プログラムPBの実行を開始したプロセッサ130は、図7に示すUI画面をUI部110の表示装置に表示させる。図7に示すUI画面も、図4に示したUI画面と同様に利用者の指示を受付ける画面である。図7では図4におけるものと同じ構成要素には同一の符号が付されている。図7図4とを対比すれば明らかなように、本実施形態におけるUI画面は、ラジオボタンB01に換えてラジオボタンB06及びラジオボタンB07を有する点が第1実施形態のUI画面と異なる。ラジオボタンB06は、色変換テーブルLUTを更新する際に階調性を優先させることを利用者に指示させる仮想操作子である。ラジオボタンB07は、色変換テーブルLUTを更新する際に色の精度、即ち色再現性を優先させることを利用者に指示させる仮想操作子である。
【0038】
本実施形態では、ラジオボタンB07が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、プロセッサ130は、色変換テーブルLUTにY、M、C及びKの各色成分が格納されている各格子点を処理対象格子点とし、前掲図5のフローチャートに示す処理をプログラムPBに従って実行する。これに対して、ラジオボタンB06が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、プロセッサ130は、上記各処理対象格子点について図8のフローチャートに示す処理をプログラムPBに従って実行する。
【0039】
図8では図5における処理と同じ内容の処理には同一の符号が付されている。図8図5とを対比すれば明らかなように、図8のフローチャートに示す処理は、判定処理、第2平滑化処理、第2算出処理及び第2更新処理を含む点が図5のフローチャートに示す処理と異なる。以下、第1実施形態との相違点である判定処理、第2平滑化処理、第2算出処理及び第2更新処理について説明する。
【0040】
判定処理は第1平滑化処理に後続して実行される処理である。判定処理では、プロセッサ130は、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さいか否かを判定する(ステップSA120)。図8に示すように、判定処理の判定結果が“No”である場合には、プロセッサ130は、第1算出処理及び第1更新処理を実行する。これに対して、判定処理の判定結果が“Yes”である場合には、プロセッサ130は、第2平滑化処理、第2算出処理及び第2更新処理を実行する。
【0041】
第2平滑化処理では、プロセッサ130は、処理対象格子点に対応付けて色変換テーブルLUTに格納されている他の色成分(即ち、Y、M及びCの各色成分)を平滑化する(ステップSA150)。当該他の色成分の平滑化についても重みづけ平均により実現すればよい。以下では、第2平滑化処理による平滑化前の上記他の色成分を「Y1、M1及びC1」とし、平滑化後の上記他の色成分を「Y2、M2及びC2」とする。
【0042】
第2算出処理では、プロセッサ130は、第2平滑化処理により算出された他の色成分のうち最小である第1色成分と、第1平滑化処理により算出された黒成分K2とを用いて該第1色成分及び該黒成分を除く成分を算出する(ステップSA160)。例えば、Y2、M2及びC2のうちY2が最小であれば、プロセッサ130は、処理対象格子点のL,a及びbの各値と、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2と、第2平滑化処理にて算出されたY2とから、残りの色成分の値M3及びC3を算出する。
【0043】
第2更新処理では、プロセッサ130は、第1色成分(例えば、Y2)、第1平滑化処理により算出された黒成分K2、及び第2算出処理にて算出された色成分(例えば、M3及びC3)により、色変換テーブルLUTにおいて処理対象格子点に対応するY、C、M及びKの各値を更新する(ステップSA170)。
【0044】
第1平滑化処理にて算出された黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さいか否かに応じて処理を分岐させる理由は次の通りである。平滑化により黒成分が減少した場合に無条件に第1算出処理が実行されると、黒成分の減少を補うために他の色成分が多めに算出される。この算出結果に応じて更新された色変換テーブルLUTを用いて、例えば紫色の単色グラデーション画像の色変換を行うと、補色(例えばCに対するY)が多めに出力され、当該補色の増加が階調の段差として視認され得る。第1平滑化処理にて算出された黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さいか否かに応じて処理を分岐させるのは、補色の増加に起因する階調の段差が発生することを回避するためである。また、判定処理の判定結果が“Yes”の場合に第2平滑化処理を実行するのは、第2算出処理にて、値にガタツキのある第1色成分を用いて他の色成分が算出されないようにするためである。
【0045】
本実施形態では、平滑化を経ても黒成分が減少しない場合には、第1実施形態と同一の処理(第1算出処理及び第1更新処理)が実行され、第1実施形態と同じ効果が奏される。加えて、本実施形態では、平滑化により黒成分が本来よりも少なくなる場合には、他の色成分のうち最小となるべき色成分の増加を防ぎ、当該色成分が補色となる単色グラデーション画像の色変換における階調性を第1実施形態よりも向上させることができる。なお、この場合、最小となるべき色成分を増加させないので、第1実施形態に比較して色再現性は低下する。このように、本実施形態によっても、色再現性と階調性とが両立するように色変換テーブルLUTを更新することが可能になる。
【0046】
(C:変形)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態を以下の変形例のように変形してもよい。複数の変形例を組合せてもよい。
<変形例1>
上記第2実施形態では、ラジオボタンB06が選択され且つOKボタンB04が選択された場合には、プロセッサ130は、処理対象格子点の各々について図8のフローチャートに示す処理を実行した。しかし、図8のフローチャートに示す処理に換えて図9のフローチャートに示す処理をプロセッサ130に実行させてもよい。図9では図8におけるものと同一の処理には同一の符号が付されている。図9のフローチャートに示す処理は、第1平滑化処理、判定処理、第1算出処理、第1更新処理、第2算出処理、及び第2更新処理を含む。以下、第2実施形態との相違点である判定処理、第2算出処理、及び第2更新処理を中心に説明する。
【0047】
判定処理は第1平滑化処理に後続して実行される処理である。判定処理では、プロセッサ130は、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さく、かつ処理対象格子点に対応付けて色変換テーブルLUTに格納されている他の色成分のうち閾値未満である第2色成分が1以上存在するか否かを判定する(ステップSB120)。図9に示すように、判定処理の判定結果が“No”である場合には、プロセッサ130は、第1算出処理及び第1更新処理を実行する。これに対して、判定処理の判定結果が“Yes”である場合には、プロセッサ130は、第2算出処理及び第2更新処理を実行する。
【0048】
第2算出処理では、プロセッサ130は、第2色成分と、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2と、を用いて色変換テーブルLUTの該第2色成分及び該黒成分を除く成分を算出する(ステップSB160)。例えば、第2色成分がYであり、その値がY1であったとする。この場合、プロセッサ130は、第2成分(Y1)と黒成分K2とを用いて、M2及びC2を算出する。第2更新処理では、プロセッサ130は、第2色成分Y1、第1平滑化処理が実行された黒成分K2、及び第2算出処理にて算出された色成分(M2及びC2)により、色変換テーブルLUTを更新する(ステップSB170)。
【0049】
本態様によっても、色変換テーブルLUTの黒成分を平滑化することで階調の段差が抑えられる。加えて、本態様によれば、色変換テーブルLUTの黒成分以外の色成分のうち閾値未満である第2色成分が1以上存在する場合には、第2色成分と、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2と、を用いて色変換テーブルLUTの該第2色成分及び該黒成分を除く成分が算出され、第2色成分、黒成分K2、及び該算出された色成分により、色変換テーブルLUTが更新される。本態様によっても、第2実施形態と同様に色の再現性を犠牲にしつつ階調性を担保することができる。つまり、本実施形態によっても、色再現性と階調性と両立させることが可能になる。なお、上記閾値が十分に小さな値である場合、又は処理対象格子点に対応する色が第2色成分を要しない色である場合には、プロセッサ130は、第2色成分を0として第2算出処理を実行してもよい。
【0050】
<変形例2>
上記第1実施形態及び第2実施形態の判定処理では、第1平滑化処理にて算出された黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さいか否かを判定した。しかし、判定処理の判定内容を、「第1平滑化処理により平滑化済の黒成分K2が平滑化前の黒成分K1よりも小さく、かつ平滑化前の黒成分K1と平滑化済の黒成分K2の差δが決められた値以上である」か否かに変更してもよい。本態様によれば、平滑化による黒成分の減少量δが決められた値未満であれば(即ち、平滑化による黒成分の減少量が小さければ)、処理を分岐させず、黒成分の減少量が決められた値以上である場合に処理を分岐させることが可能になる。
【0051】
<変形例3>
上記各実施形態では、プロセッサ130は、UI画面に対する操作を契機として、本開示の特徴を顕著に示す処理(図5又は図8のフローチャートに示す処理)の実行を開始した。しかし、UI画面の表示を省略し、プログラムPA(又はプログラムPB)の実行開始後、即座に、図5又は図8のフローチャートに示す処理の実行をプロセッサ130に開始させてもよい。
【0052】
<変形例4>
上記第1実施形態及び第2実施形態では、画像形成装置への本開示の適用例を説明した。しかし、本開示の適用対象は画像形成装置には、限定されず、以下の処理を実行するプロセッサを有する情報処理装置であってもよい。この情報処理装置のプロセッサは、色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行し、第1平滑化処理が実行された黒成分を用いて色変換テーブルの他の成分を算出し、第1平滑化処理が実行された黒成分、及び算出された他の成分により、色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行する。この情報処理装置のプロセッサはCPUには限定されず、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、プログラマブル論理デバイス等であってもよい。
【0053】
上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上述した実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0054】
<変形例5>
プロセッサを有するコンピュータに、色変換テーブルの黒成分を平滑化する第1平滑化処理を実行するステップと、第1平滑化処理が実行された黒成分を用いて色変換テーブルの他の成分を算出するステップと、第1平滑化処理が実行された黒成分、及び算出された他の成分により、色変換テーブルを更新する第1更新処理を実行するステップと、を実行させるプログラムを単体で製造又は販売してもよい。具体的には、コンピュータ読取可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで販売してもよく、また、インターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより上記プログラムを販売してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1A,1B…画像形成装置、100…画像形成部、110…UI部、120…メモリ、130…プロセッサ、140……バス、PA、PB…プログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9