(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報出力装置、情報出力方法及び情報出力プログラム
(51)【国際特許分類】
G10L 15/22 20060101AFI20240423BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G10L15/22 460Z
G10L15/10 500N
G10L15/10 200W
G06F3/01 510
G06F3/16 650
(21)【出願番号】P 2020052780
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】中原 良和
(72)【発明者】
【氏名】田中 広大
(72)【発明者】
【氏名】松元 勇斗
(72)【発明者】
【氏名】王 博
【審査官】浜岸 広明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0379352(US,A1)
【文献】田畑竜二、外2名,日本人姓を含む音声のワードスポッティング音声認識法の検討,産業応用工学会全国大会講演論文集,日本,一般社団法人産業応用工学会,2013年,pp. 22-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/00-17/26
G06F 3/01- 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から音を示すデータが入力される入力部と、
前記入力部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する音声抽出部と、
前記音声抽出部によって抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する振動生成部と、
前記振動生成部によって生成された振動データに基づいて振動する
複数のバイブレータと、
を備
え、
前記振動生成部は、前記音声抽出部によって抽出された音声を示すデータに方向を特定するための呼称を示すデータが含まれている場合、前記方向を特定するための呼称を示すデータに基づいて、振動させるバイブレータを前記複数のバイブレータから選択する振動データを生成する、情報出力装置。
【請求項2】
前記振動生成部は、前記音声抽出部によって抽出された音声を示すデータと予め設定された緊張状態の音声を示すデータとを比較し、前記音声抽出部によって抽出された音声が緊張状態の場合、前記緊張状態の音声を示すデータに対応付けた振動データを生成する、請求項
1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
情報出力装置の中央処理装置が、
外部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する工程と、
前記抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する工程と、
前記生成された振動データに基づいて、
前記情報出力装置のバイブレータを振動させる工程と、
を
実行し、
前記振動データを生成する工程は、前記抽出された音声を示すデータに方向を特定するための呼称を示すデータが含まれている場合、前記方向を特定するための呼称を示すデータに基づいて、振動させるバイブレータを前記情報出力装置の複数のバイブレータから選択する振動データを生成する、情報出力方法。
【請求項4】
情報出力装置の中央処理装置に、
外部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する処理と、
前記抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する処理と、
前記生成された振動データに基づいて、
前記情報出力装置のバイブレータを振動させる処理と、
を実行さ
せ、
前記振動データを生成する処理は、前記抽出された音声を示すデータに方向を特定するための呼称を示すデータが含まれている場合、前記方向を特定するための呼称を示すデータに基づいて、振動させるバイブレータを前記情報出力装置の複数のバイブレータから選択する振動データを生成する、情報出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置、情報出力方法及び情報出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
FPS(First Person shooter)やTPS(Third Person shooter)などのゲームは、グループとなって行うことがある。この場合、例えば、ゲーム内の環境音を聞きながらボイスチャットにより他のプレーヤーと意思疎通を図りながら、ゲームを進行していくことが多い。
【0003】
ところで、特許文献1の携帯端末は、予め設定された音声が入力されると、バイブレータが作動してユーザに通知する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の携帯端末は、予め設定された音声が入力されると、等しくバイブレータが作動するので、入力される音声内容に基づく情報を通知することができない課題を有する。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決するためになされたものであり、入力される音声内容に基づく情報を通知可能な情報出力装置、情報出力方法及び情報出力プログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る情報出力装置は、
外部から音を示すデータが入力される入力部と、
前記入力部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する音声抽出部と、
前記音声抽出部によって抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する振動生成部と、
前記振動生成部によって生成された振動データに基づいて振動するバイブレータと、
を備える。
【0008】
本発明の一形態に係る情報出力方法は、
外部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する工程と、
前記抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する工程と、
前記生成された振動データに基づいて、バイブレータを振動させる工程と、
を備える。
【0009】
本発明の一形態に係る情報出力プログラムは、
外部から入力される音を示すデータを解析し、人間の発する音声を示すデータを抽出する処理と、
前記抽出された音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、前記予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する処理と、
前記生成された振動データに基づいて、バイブレータを振動させる処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力される音声内容に基づく情報を通知可能な情報出力装置、情報出力方法及び情報出力プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1の情報出力装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1の情報出力装置を用いた情報出力方法の流れを示すフローチャート図である。
【
図3】実施の形態1の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤーが他のプレーヤーに指示を出した際の動作を説明するための図である。
【
図4】実施の形態2の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤーが他のプレーヤーに状況を伝えた際の動作を説明するための図である。
【
図5】実施の形態3の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤーが他のプレーヤーに状況を伝えた際の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
<実施の形態1>
先ず、本実施の形態の情報出力装置の構成を説明する。
図1は、本実施の形態の情報出力装置の構成を示すブロック図である。情報出力装置1は、例えば、
図1に示すように、ヘッドホン2を備えている。
【0014】
ヘッドホン2は、一般的なヘッドホンと略等しい形状とされており、例えば、ユーザの左右の耳に掛け渡すように当該ユーザの頭に装着される。ヘッドホン2は、例えば、入力部3、受信部4、音声抽出部5、出力部6、スピーカー7、データベース8、振動生成部9、バイブレータ制御部10及びバイブレータ11を備えている。
【0015】
入力部3には、図示を省略したマイク又はPC(Personal Computer)などから音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータが入力される。受信部4は、入力部3から入力される音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータを音声抽出部5及び出力部6に出力する。音声抽出部5は、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータから当該音声を示すデータを抽出する。
【0016】
音声抽出部5は、例えば、環境音を学習させておくことで、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータから当該環境音を示すデータを除去し、音声を示すデータを抽出することができる。但し、音声抽出部5は、一般的に用いられている技術を用いて、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータから当該音声を示すデータを抽出すればよい。音声抽出部5は、抽出した音声を示すデータを振動生成部9に出力する。
【0017】
出力部6は、受信部4から入力された音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータをスピーカー7に出力する。スピーカー7は、出力部6から入力されたデータが示す音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を出力する。
【0018】
データベース8には、例えば、予め設定されている音声に含まれる単語の文字列を示すデータ、予め設定されている音声に含まれる単語の文字列に対応付けた振動データ、予め設定されている緊張状態の音声を示すデータ(例えば、緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大幅を示すデータ)、音声が緊張状態である場合に対応付けた振動データなどが格納されている。
【0019】
振動生成部9は、音声抽出部5から入力された音声を示すデータをテキスト化した後に形態素解析を実行して当該音声内に含まれる単語の文字列を抽出し、抽出した単語の文字列と、データベース8から読み出したデータが示す予め設定されている単語の文字列と、を比較し、比較結果が等しい場合、データベース8から当該予め設定されている単語の文字列に対応付けた振動データを読み出す(即ち、生成する)。但し、振動生成部9は、音声を示すデータから単語を認識することができれば、形態素解析に限らず、一般的な技術を用いることができる。
【0020】
また、振動生成部9は、音声抽出部5から入力された音声を示すデータに基づいて当該音声のピッチ又はレベルの分散と、データベース8から読み出した緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大幅と、を比較し、当該音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大幅に対して小さい場合、ユーザが緊張状態であると判定し、データベース8から緊張状態の音声を示すデータに対応付けた振動データを読み出す(即ち、生成する)。但し、振動生成部9は、音声を示すデータから緊張状態か否かを判定することができれば、一般的な技術を用いることができる。
【0021】
振動生成部9は、読み出した振動データをバイブレータ制御部10に出力する。バイブレータ制御部10は、振動生成部9から入力される振動データに基づいてバイブレータ11を振動させる制御データを生成し、当該制御データをバイブレータ11に出力する。バイブレータ11は、バイブレータ制御部10から入力される制御データに基づいてバイブレーションする。
【0022】
音声抽出部5、振動生成部9、バイブレータ制御部10は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)である。また、受信部4、出力部6は、例えば、データの受信、出力を行うインターフェイスである。データベース8は、例えば、大容量記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)、マスクROM(Read Only Memory)、又はPROMなどの半導体メモリであるROM、及び、DRAMまたはSRAMなどのRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
次に、本実施の形態の情報出力装置1を用いた情報出力方法の流れを説明する。
図2は、本実施の形態の情報出力装置を用いた情報出力方法の流れを示すフローチャート図である。
図3は、本実施の形態の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤー(即ち、ユーザ)が他のプレーヤーに指示を出した際の動作を説明するための図である。
【0024】
ここで、以下の説明では、
図3に示すように、プレーヤーA、B、C及DがゲームをPC上で実行しており、各々のプレーヤーが呼ばれた際に当該呼ばれたプレーヤーのヘッドホン2のバイブレータ11が振動する場合を例示するものとする。このとき、プレーヤーA、B、C及びDのPCはネットワークを介して接続されており、各々の情報出力装置1で
図2に示す情報出力方法を実行するものとする。
【0025】
先ず、プレーヤーAが「プレーヤーCは20m前進せよ」と発言すると、各々のヘッドホン2の入力部3に「プレーヤーCは20m前進せよ」との音声及びプレーヤーA周辺の環境音を含む音を示すデータが入力される(S1)。
【0026】
次に、各々のヘッドホン2の入力部3は、音声及び環境音を含む音を示すデータを受信部4に出力する。そして、受信部4は、音声及び環境音を含む音を示すデータを音声抽出部5及び出力部6に出力する(S2)。
【0027】
次に、各々のヘッドホン2の出力部6は、音声及び環境音を含む音を示すデータをスピーカー7に出力する。そして、スピーカー7は、当該データが示す音声及び環境音を含む音を出力する(S3)。これにより、各々のヘッドホン2のスピーカー7からは、「プレーヤーCは20m前進せよ」との音声及びプレーヤーA周辺の環境音を含む音が出力されることになる。
【0028】
それと共に、各々のヘッドホン2の音声抽出部5は、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータに音声を示すデータが含まれているか否かを判定する(S4)。本実施の形態では、当該データに「プレーヤーCは20m前進せよ」との音声を示すデータが含まれているので、音声抽出部5は、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータに音声を示すデータが含まれていると判定し(S4のYES)、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータから音声を示すデータを抽出し、当該音声を示すデータを振動生成部9に出力する。一方、音声又は環境音の少なくとも一方を含む音を示すデータに音声を示すデータが含まれていない場合(S4のNO)、音声抽出部5は処理を終了する。
【0029】
各々のヘッドホン2の振動生成部9は、音声を示すデータに対して、以下の音声に含まれる単語に基づく振動データの生成処理と、音声の緊張状態に基づく振動データの生成処理と、を並行に開始する(S5)。詳細には、振動生成部9は、音声を示すデータから当該音声内に含まれる単語の文字列を抽出する(S6)。
【0030】
次に、各々のヘッドホン2の振動生成部9は、抽出した単語の文字列と、データベース8から読み出したデータが示す予め設定されている単語の文字列と、を比較し、比較結果が等しいか否かを判定する(S7)。
【0031】
詳細には、抽出した各々の単語の文字列と、データベース8から読み出したデータが示す予め設定されている各々の単語の文字列と、を比較し、相互に一致する単語の文字列が存在するか否かを判定する。
【0032】
ここで、各々のヘッドホン2のデータベース8には、当該ヘッドホン2を装着するプレーヤー自身を特定するための呼称の文字列を示すデータ、及び抽出した単語の文字列と、ヘッドホン2を装着するプレーヤー自身を特定するための呼称の文字列と、が等しい場合、当該ヘッドホン2に設けられたバイブレータ11を振動させる旨の振動データが格納されているものとする。
【0033】
つまり、プレーヤーAが装着するヘッドホン2のデータベース8には、プレーヤーAを特定するための呼称の文字列を示すデータ、及び抽出した単語の文字列と、プレーヤーAを特定するための呼称の文字列と、が等しい場合、プレーヤーAが装着するヘッドホン2に設けられたバイブレータ11を振動させる旨の振動データが格納されている。同様に、プレーヤーB、C、Dのヘッドホン2のデータベース8にも、同様のデータが格納されている。
【0034】
本実施の形態では、音声に各々のプレーヤーA、B、Dを特定するための呼称の文字列が含まれていないので、プレーヤーA、B及びDのヘッドホン2の振動生成部9は、比較結果が異なると判定し(S7のNO)、データベース8から振動データを読み出すことなく、音声に含まれる単語に基づく振動データの生成処理を終了する。
【0035】
一方、音声に「プレーヤーC」を特定する呼称の文字列が含まれているので、プレーヤーCのヘッドホン2の振動生成部9は、比較結果が等しいと判定し(S7のYES)、データベース8から振動データを読み出し、当該振動データをバイブレータ制御部10に出力する(S8)。
【0036】
次に、プレーヤーCのヘッドホン2のバイブレータ制御部10は、振動データに基づいて制御データを生成し、当該制御データをバイブレータ11に出力する。バイブレータ11は、バイブレータ制御部10から入力される制御データに基づいてバイブレーションする(S9)。
【0037】
それと共に、各々のヘッドホン2の振動生成部9は、音声を示すデータに基づいて当該音声のピッチ又はレベルの分散を算出する(S10)。そして、振動生成部9は、音声のピッチ又はレベルの分散と、データベース8から読み出した緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大幅と、を比較し、音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大幅に対して小さいか否かを判定する(S11)。
【0038】
例えば、「プレーヤーCは20m前進せよ」との音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大値以上の場合(S11のNO)、各々のヘッドホン2の振動生成部9は、音声が緊張状態でないと判定し、データベース8から振動データを読み出すことなく、音声の緊張状態に基づく振動データの生成処理を終了する。
【0039】
一方、「プレーヤーCは20m前進せよ」との音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大値に対して小さい場合(S11のYES)、各々のヘッドホン2の振動生成部9は、音声が緊張状態であると判定し、データベース8から音声が緊張状態である場合に対応付けた振動データを読み出し、当該振動データをバイブレータ制御部10に出力する(S12)。ここで、音声が緊張状態である場合に対応付けた振動データは、例えば、音声が緊張状態である場合、バイブレータ11を振動させる指示データである。
【0040】
次に、各々のヘッドホン2のバイブレータ制御部10は、振動データに基づいてバイブレータ11を振動させる制御データを生成し、当該制御データをバイブレータ11に出力する。バイブレータ11は、バイブレータ制御部10から入力される制御データに基づいてバイブレーションする(S13)。
【0041】
このような情報出力装置1及び情報出力方法は、音声を示すデータと予め設定された音を示すデータとの比較結果に基づいて、予め設定された音を示すデータに対応付けた振動データを生成する。そのため、入力される音声内容に基づく情報を通知可能である。
【0042】
つまり、上述の例では、プレーヤーCに対する指示であることを振動によって当該プレーヤーCに通知することができる。そのため、プレーヤーCは、自身への指示であることを容易に認識し、プレーヤーAの指示を聞き漏らすことなく、諦聴することができる。一方、他のプレーヤーB、Dは、プレーヤーCへの指示であることを認識し、ゲームに集中することができる。
【0043】
なお、ヘッドホン2を装着するプレーヤー自身を特定する呼称は、名前やニックネームなどでよく、ヘッドホン2を装着するプレーヤー自身を特定することができるものであればよい。
【0044】
<実施の形態2>
本実施の形態の情報出力装置及び情報出力方法は、方向を特定するための音声が入力された際に当該方向に対応するバイブレータ11が振動する。但し、本実施の形態の情報出力装置及び情報出力方法は、実施の形態1の情報出力装置1及び情報出力方法と略等しいため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
【0045】
本実施の形態の情報出力装置は、例えば、左右のバイブレータ11を備えている。そして、情報出力装置のデータベース8には、方向を特定するための呼称(例えば、左、右など)の文字列を示すデータ、及び方向を特定するための呼称の文字列と振動させるバイブレータとを対応付けた振動データが格納されている。
【0046】
例えば、方向を特定するための呼称の文字列と振動させるバイブレータとを対応付けた振動データは、呼称の文字列として「左」と、振動させるバイブレータとして左側のバイブレータと、が対応付けられており、呼称の文字列として「右」と、振動させるバイブレータとして右側のバイブレータと、が対応付けられている。
【0047】
情報出力装置の振動生成部9は、抽出した単語の文字列と、データベース8から読み出したデータが示す方向を特定するための呼称の文字列と、を比較し、抽出した単語の文字列に方向を特定するための呼称の文字列が含まれている場合、データベース8から当該呼称の文字列と対応する振動データを読み出し、当該振動データをバイブレータ制御部10に出力する。つまり、振動生成部9は、音声に含まれる方向を特定するための呼称に応じて、振動させるバイブレータ11を選択する。
【0048】
図4は、本実施の形態の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤーが他のプレーヤーに状況を伝えた際の動作を説明するための図である。ここで、
図4では、ゲームを実行しているプレーヤーはプレーヤーA、Bであるとする。
【0049】
プレーヤーAが「左に敵がいる」と発言すると、抽出した単語の文字列に「左」が含まれているため、プレーヤーA、Bのヘッドホン2の振動生成部9は、左側のバイブレータ11が振動する振動データをバイブレータ制御部10に出力する。
【0050】
これにより、プレーヤーBは左側に敵が存在することを感覚的に認識することができる。但し、本実施の形態では、ヘッドホン2が左右のバイブレータ11を備える構成とされているが、2個より多い複数のバイブレータ11を備えていてもよい。この場合も、方向を特定するための呼称の文字列と振動させるバイブレータ11とを対応付けた振動データがデータベース8に格納されているとよい。
【0051】
<実施の形態3>
本実施の形態では、音声が緊張状態の場合を例示する。なお、入力された音声を処理する流れは、実施の形態1の情報出力方法の流れと等しい。
図5は、本実施の形態の情報出力装置を用いてゲーム上でプレーヤーが他のプレーヤーに状況を伝えた際の動作を説明するための図である。ここで、
図5では、ゲームを実行しているプレーヤーはプレーヤーA、B、C及びDであるとする。
【0052】
プレーヤーAが「敵に包囲されている」と発言すると、プレーヤーB、C及びDのヘッドホンの振動生成部9は、「敵に包囲されている」との音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大値に対して小さいか否かを判定する(
図2のS11)。
【0053】
例えば、「敵に包囲されている」と緊張状態で発言している場合、「敵に包囲されている」との音声のピッチ又はレベルの分散が緊張状態の音声のピッチ又はレベルの分散の最大値に対して小さくなり、各々のヘッドホン2の振動生成部9は、音声が緊張状態であると判定し、データベース8から振動データを読み出し、当該振動データをバイブレータ制御部10に出力する(
図2のS12)。
【0054】
これにより、プレーヤーB、C及びDは、プレーヤーAの緊張感のある発言を聞き漏らさず、諦聴することができる。
【0055】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0056】
例えば、上記実施の形態の情報出力装置において、ヘッドホンに音声抽出部5、データベース8及び振動生成部9を備えているが、ヘッドホンとは別のサーバーに音声抽出部5、データベース8及び振動生成部9が備えられていてもよい。この場合、各々のヘッドホンで音声抽出部5、データベース8及び振動生成部9を共有することができる。このとき、各々のヘッドホンと当該ヘッドホンを装着するユーザを特定するための呼称とが対応付けたデータがデータベース8に格納されていると、ヘッドホンを装着するユーザを特定するための呼称を含む音声が入力された場合、当該ユーザが装着するヘッドホンに設けられたバイブレータを振動させることができる。
【0057】
例えば、情報出力装置1は、ヘッドホン2を備えているとしたがこれに限定されず、
図1に示した入力部3、受信部4、音声抽出部5、出力部6、スピーカー7、データベース8、振動生成部9、バイブレータ制御部10、バイブレータ11を備える装置であればよい。また、これら全ての構成を備えなくてもよい。
【0058】
例えば、予め設定された音は、近づいてくる敵の足音などでもよく、ゲームなどの内容に応じて、適宜、設定することができる。また、抽出した単語の文字列や緊張状態に応じて、振動パターンが変更するように、振動データを生成してもよい。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、音声に含まれる単語に基づく振動データの生成処理と、音声の緊張状態に基づく振動データの生成処理と、を並行に実行しているが、何れか一方のみを実行してもよく、また、音声に含まれる単語に基づく振動データの生成処理と、音声の緊張状態に基づく振動データの生成処理と、を時間的に前後させて実行させてもよい。
【0060】
例えば、上記実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0061】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0062】
1 情報出力装置
2 ヘッドホン
3 入力部
4 受信部
5 音声抽出部
6 出力部
7 スピーカー
8 データベース
9 振動生成部
10 バイブレータ制御部
11 バイブレータ