(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】粉体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
G03G15/08 364
(21)【出願番号】P 2020054141
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】内満 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中尾 祥昌
(72)【発明者】
【氏名】菅野 誠
(72)【発明者】
【氏名】上原 大洋
(72)【発明者】
【氏名】福野 良
(72)【発明者】
【氏名】濱地 智廉
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186090(JP,A)
【文献】特開2019-045741(JP,A)
【文献】特開2005-308908(JP,A)
【文献】特開2006-259166(JP,A)
【文献】特開2016-194623(JP,A)
【文献】特開2013-003395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が収容される第1の撹拌室と、前記第1の撹拌室と並行して配置された第2の撹拌室と、前記第1の撹拌室の粉体搬送方向の上流端部と前記第2の撹拌室の粉体搬送方向の下流端部とを接続する接続部と、を有し、粉体が循環しながら搬送される循環路と、
前記第1の撹拌室の粉体を予め定められた第1の方向に搬送する第1の搬送手段と、
前記第2の撹拌室の粉体を前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に搬送する第2の搬送手段と、
前記循環路
の前記第1の撹拌室に合流して、前記循環路内に粉体を補給する補給路と、
前記粉体の搬送方向に対して前記補給路の合流位置よりも上流側
の前記接続部において前記循環路から分岐して、前記循環路の粉体を排出する排出路と、
前記補給路の合流位置と前記排出路の分岐位置との間に配置され、前記補給路側から前記排出路側に粉体が流入することを抑制する抑制手段と、
を備えたことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項2】
前記循環路内に固定支持された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粉体搬送装置。
【請求項3】
前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向に対して、前記合流位置の上流側の部分を塞ぐ板状に形成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の粉体搬送装置。
【請求項4】
前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向および前記分岐位置から前記合流位置に向かう第2の方向に対して傾斜する板状に形成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の粉体搬送装置。
【請求項5】
回転軸と、前記回転軸に支持されて補給路の粉体を前記合流位置に向けて搬送する搬送部とを有する補給手段であって、前記抑制手段を前記回転軸が貫通すると共に、前記抑制手段に対応する範囲内には前記搬送部が設けられていない前記補給手段、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の粉体搬送装置。
【請求項6】
回転して前記補給路の粉体を前記合流位置に向けて搬送する補給手段と、
前記補給手段を覆う形に形成されて前記補給手段と一体的に回転可能な前記抑制手段であって、前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向に対して合流位置の上流側から合流位置に渡って設けられた前記抑制手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粉体搬送装置。
【請求項7】
前記循環路内に支持され、前記分岐位置から前記合流位置に向かう現像剤に押された場合に合流位置側に移動可能、且つ、前記合流位置から前記分岐位置に向かう現像剤に押された場合に移動不能な前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粉体搬送装置。
【請求項8】
一端部の回転中心を中心として回転可能に支持された板状に構成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の粉体搬送装置。
【請求項9】
一端部が固定された可撓性のある膜状に構成された前記抑制手段
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の粉体搬送装置。
【請求項10】
像保持手段と、
前記像保持手段に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持手段の潜像を現像する現像手段と、
前記現像手段に現像剤により構成された粉体を搬送する請求項1ないし9のいずれかに記載の粉体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤のような粉体を搬送する粉体搬送装置に関し、以下の特許文献1~3に記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開平8-190243号公報には、回転式の現像装置において、現像器(301)とトナーカートリッジ(342)の間にトナーフィーダ(341)が配置された構成が記載されている。特許文献1では、現像器(301)とトナーカートリッジ(342)とが直結されていると、現像器(301)が現像位置以外の位置に移動した場合に現像器(301)からトナーカートリッジ(342)へ逆流する現像剤が多いことに対応して、間にトナーフィーダ(341)を介在させることで、現像剤の逆流量を抑制している。
【0004】
特許文献2としての特開2001-265088号公報には、回転式の現像装置(2)において、特定色のトナーカートリッジ(61K)が2本画像形成装置に装着可能であり、2つのトナーカートリッジ(61K)からの現像剤を合流させて供給する構成が記載されている。特許文献2記載の技術では、2つのトナーカートリッジ(61K1、61K2)のそれぞれに対応して、リザーブタンク(64K1,64K2)が設置され、各リザーブタンク(64K1,64K2)から直接現像装置(2)に現像剤を供給することも可能であるし、一方のリザーブタンク(64K1)から他方のリザーブタンク(64K2)に現像剤を搬送してから供給することも可能としている。
【0005】
特許文献3としての特開2009-69511号公報には、2つのトナーカートリッジ(19A,19B)のそれぞれに対応してトナー補給経路が設けられ、各トナー補給経路がトナー補給装置(18)で合流して、現像装置(6)にトナーが補給される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平8-190243号公報(「0021」-「0030」、
図3、
図4)
【文献】特開2001-265088号公報(「0019」-「0020」、「0027」-「0031」、
図1、
図8)
【文献】特開2009-69511号公報(「0044」-「0055」、
図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、粉体の排出路の下流側に補給路が隣り合っている構成において逆流抑制手段が設けられていない場合に比べて、補給路から排出路に向けて粉体が逆流することを抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の粉体搬送装置は、
粉体が収容される第1の撹拌室と、前記第1の撹拌室と並行して配置された第2の撹拌室と、前記第1の撹拌室の粉体搬送方向の上流端部と前記第2の撹拌室の粉体搬送方向の下流端部とを接続する接続部と、を有し、粉体が循環しながら搬送される循環路と、
前記第1の撹拌室の粉体を予め定められた第1の方向に搬送する第1の搬送手段と、
前記第2の撹拌室の粉体を前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に搬送する第2の搬送手段と、
前記循環路の前記第1の撹拌室に合流して、前記循環路内に粉体を補給する補給路と、
前記粉体の搬送方向に対して前記補給路の合流位置よりも上流側の前記接続部において前記循環路から分岐して、前記循環路の粉体を排出する排出路と、
前記補給路の合流位置と前記排出路の分岐位置との間に配置され、前記補給路側から前記排出路側に粉体が流入することを抑制する抑制手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉体搬送装置において、
前記循環路内に固定支持された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の粉体搬送装置において、
前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向に対して、前記合流位置の上流側の部分を塞ぐ板状に形成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の粉体搬送装置において、
前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向および前記分岐位置から前記合流位置に向かう第2の方向に対して傾斜する板状に形成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の粉体搬送装置において、
回転軸と、前記回転軸に支持されて補給路の粉体を前記合流位置に向けて搬送する搬送部とを有する補給手段であって、前記抑制手段を前記回転軸が貫通すると共に、前記抑制手段に対応する範囲内には前記搬送部が設けられていない前記補給手段、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の粉体搬送装置において、
回転して前記補給路の粉体を前記合流位置に向けて搬送する補給手段と、
前記補給手段を覆う形に形成されて前記補給手段と一体的に回転可能な前記抑制手段であって、前記補給路から前記循環路に向かう第1の方向に対して合流位置の上流側から合流位置に渡って設けられた前記抑制手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の粉体搬送装置において、
前記循環路内に支持され、前記分岐位置から前記合流位置に向かう現像剤に押された場合に合流位置側に移動可能、且つ、前記合流位置から前記分岐位置に向かう現像剤に押された場合に移動不能な前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の粉体搬送装置において、
一端部の回転中心を中心として回転可能に支持された板状に構成された前記抑制手段、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の粉体搬送装置において、
一端部が固定された可撓性のある膜状に構成された前記抑制手段
を備えたことを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の画像形成装置は、
像保持手段と、
前記像保持手段に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持手段の潜像を現像する現像手段と、
前記現像手段に現像剤により構成された粉体を搬送する請求項1ないし9のいずれかに記載の粉体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,10に記載の発明によれば、粉体の排出路の下流側に補給路が隣り合っている構成において逆流抑制手段が設けられていない場合に比べて、補給路から排出路に向けて粉体が逆流することを抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、抑制手段を循環路に固定するだけの簡素な構成で粉体の逆流を抑制できる。
請求項3に記載の発明によれば、抑制手段が合流位置の上流側の部分を塞がない場合に比べて、粉体の逆流を減らすことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、第1の方向および第2の方向に傾斜する抑制手段で粉体を案内することができ、粉体の流れが円滑となり、流れが妨げられにくくできる。
請求項5に記載の発明によれば、抑制手段に対応する範囲内に搬送部が設けられている場合に比べて、干渉を抑制でき、異音の発生を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、補給手段を抑制手段が覆わない場合に比べて、現像剤の逆流を抑制できる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、合流位置から分岐位置に向かう現像剤を抑制手段で妨げることができ、逆流を抑制することができる。
請求項8に記載の発明によれば、回転中心を中心とする板状の部材という簡素な構成で現像剤の逆流を抑制できる。
請求項9に記載の発明によれば、可撓性の膜状の部材という簡素な構成で現像剤の逆流を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【
図2】
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
【
図6】
図6は実施例2の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【
図7】
図7は実施例2の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図4に対応する図である。
【
図8】
図8は実施例3の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図5に対応する図である。
【
図9】
図9は実施例4の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【
図10】
図10は実施例5の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0023】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作手段一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取手段の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給手段の一例としてのフィーダ部U2、画像記録手段の一例としての作像部U3、および媒体処理手段の一例としての後処理装置U4を有している。
【0024】
(ユーザインタフェースUIの説明)
ユーザインタフェースUIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記ユーザインタフェースUIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0025】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体収容手段の一例としての複数の給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、前記フィーダ部U2には、搬送路の一例としての供給路SH1が形成されている。供給路SH1は、各給紙トレイTR1~TR4から作像部U3まで延びており、画像記録用の媒体の一例としての記録用紙Sが作像部U3に搬送される。
【0026】
(作像部U3及び後処理装置U4の説明)
図1において、作像部U3は、前記フィーダ部U2から搬送された記録用紙Sにスキャナ部U1により読み取った原稿画像に基づいて画像記録を行う画像記録部U3aを有する。
図1、
図2において、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dは、スキャナ部U1から入力された画像情報に基づいて、それに応じた駆動信号を予め設定された時期に、各色Y~Kの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。各潜像形成装置ROSy~ROSkの下方には、像保持手段の一例としての感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkが配置されている。
【0027】
回転する感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面は、それぞれ、帯電手段の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電される。表面が帯電された感光体ドラムPy~Pkの表面には、潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより静電潜像が形成される。感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkの表面の静電潜像は、現像手段の一例としての現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像装置Gy~Gkにおいて、現像により消費された現像剤は、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkから補給される。トナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkは、現像剤補給装置U3bに着脱可能に装着される。なお、実施例1では、K色のトナーカートリッジKkは2つ画像形成装置に着脱可能となっている。
【0028】
感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pk表面上のトナー像は、一次転写手段の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色可視像の一例としてのカラートナー像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラートナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、K色の画像情報のみの場合はK色の感光体ドラムPkおよび現像装置Gkのみが使用され、K色のトナー像のみが形成される。
1次転写後の感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkは、像保持体の清掃手段の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより、表面に付着した残留現像剤や紙粉等の残留物が除去される。
【0029】
実施例1では、感光体ドラムPk、帯電ロールCRk、ドラムクリーナCLkが、像保持体ユニットの一例としてのK色の感光体ユニットUKとして一体化されている。そして、他の色Y,M,Cについても同様に、感光体ドラムPy,Pm,Pc、帯電ロールCRy,CRm,CRc、ドラムクリーナCLy,CLm,CLcにより、感光体ユニットUY,UM,UCが構成されている。
また、K色の感光体ユニットUKと、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0kを有する現像装置Gkとにより、K色の可視像形成装置UK+Gkが構成される。同様に、Y,M,C色の感光体ユニットUY,UM,UCと、現像ロールR0y,R0m,R0cを有する現像装置Gy,Gm,Gcとにより、それぞれ、Y,M,C色の可視像形成装置UY+Gy,UM+Gm,UC+Gcが構成される。
【0030】
感光体ドラムPy~Pkの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体の駆動手段の一例としての駆動ロールRd、張力付与手段の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRw、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfおよび対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kとを有する。中間転写ベルトBは矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
【0031】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bを有する。前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと接触する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、2次転写ロールT2bには、中間転写ベルトBを挟んで、対向部材の一例としてのバックアップロールT2aが対向している。バックアップロールT2aには、給電部材の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。コンタクトロールT2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b及びコンタクトロールT2cにより、二次転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されている。
【0032】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の搬送路SH2が配置されている。前記フィーダ部U2の供給路SH1から給紙された記録用紙Sは、媒体の搬送手段の一例としての搬送ロールRaにより、送出し手段の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを下流側に搬送する。レジロールRrにより送り出された記録用紙Sは、案内手段の一例としてのレジ側の用紙ガイドSGr、転写前の用紙ガイドSG1で案内されて、2次転写領域Q4に搬送される。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、カラートナー像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y~T1k、前記2次転写器T2、中間転写ベルトBにより、転写手段の一例として転写装置T1y~T1k+T2+Bが構成されている。
【0033】
2次転写後の中間転写ベルトBは、2次転写領域Q4の下流側に配置された中間転写用の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃される。除去手段の一例としてのベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4において、転写されずに残った現像剤や紙粉などの残留物を、中間転写ベルトBから除去する。
【0034】
トナー像が転写された記録用紙Sは、案内手段の一例としての転写後の用紙ガイドSG2で案内されて、搬送手段の一例としての媒体搬送ベルトBHに送られる。媒体搬送ベルトBHは、記録用紙Sを定着装置Fに搬送する。
定着手段の一例としての定着装置Fは、加熱手段の一例としての加熱ロールFhと加圧手段の一例としての加圧ロールFpとを有する。記録用紙Sは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域である定着領域Q5に搬送される。記録用紙Sのトナー像は、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fにより加熱および加圧されて、定着される。
前記可視像形成装置UY+Gy~UK+Gk、転写装置T1y~T1k+T2+B、定着装置Fにより、実施例1の画像形成手段の一例としての画像記録部U3aが構成されている。
【0035】
前記定着装置Fの下流側には、切替手段の一例としての切替ゲートGT1が設けられている。前記切替ゲートGT1は、定着領域Q5を通過した記録用紙Sを、後処理装置U4側の排出路SH3または反転路SH4のいずれかに、選択的に切り替える。排出路SH3に搬送された記録用紙Sは、後処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。用紙搬送路SH5には、反りの補正手段の一例としてのカール補正部材U4aが配置されている。カール補正部材U4aは、搬入された記録用紙Sの反り、いわゆるカールを補正する。カールが補正された記録用紙Sは、媒体の排出手段の一例としての排出ロールRhにより、媒体の排出部の一例としての排出トレイTH1に、用紙の画像定着面が上向きで排出される。
【0036】
前記切替ゲートGT1により作像部U3の反転路SH4側に搬送された記録用紙Sは、切替手段の一例としての第2のゲートGT2を通って作像部U3の反転路SH4に搬送される。
このとき、記録用紙Sの画像定着面を下向きに排出する場合には、第2のゲートGT2を記録用紙Sの搬送方向後端が通過した後に、記録用紙Sの搬送方向を逆転させる。ここで、実施例1の第2のゲートGT2は、薄膜状の弾性材料により構成されている。したがって、第2のゲートGT2は、反転路SH4に搬送されてきた記録用紙Sをそのまま一旦通過させ、通過した記録用紙Sが反転、いわゆるスイッチバックされてくると、搬送路SH3,SH5側に案内する。そして、スイッチバックされた記録用紙Sは、カール補正部材U4aを通過して、画像定着面が下を向いた状態で排出トレイTH1に排出される。
【0037】
前記作像部U3の反転路SH4には循環路SH6が接続されており、その接続部には、切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。また、反転路SH4の下流端は、後処理装置U4の反転路SH7に接続されている。
前記切替ゲートGT1を通って反転路SH4に搬送された記録用紙Sは、第3のゲートGT3により前記後処理装置U4の反転路SH7側に搬送される。実施例1の第3のゲートGT3は、第2のゲートGT2と同様に、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第3のゲートGT3は、反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sを、一旦通過させ、通過した記録用紙Sがスイッチバックされてくると、循環路SH6側に案内する。
【0038】
前記循環路SH6に搬送された記録用紙Sは、媒体の搬送路SH2を通って2次転写領域Q4に再送され、二面目の印刷が行われる。
前記符号SH1~SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH,GT1~GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0039】
(現像剤補給装置の説明)
図2において、粉体搬送装置の一例としての現像剤補給装置U3bは、各色のトナーカートリッジKy~Kkに対応して、現像剤の収容手段の一例としてのリザーブタンク1y~1kを有する。リザーブタンク1y~1kは、各トナーカートリッジKy~Kkおよび現像装置Gy~Gkに接続されており、トナーカートリッジKy~Kkから流入した粉体の一例としての現像剤を一時的に貯留して、現像装置Gy~Gkに補給する。
次に、粉体搬送装置の一例としての現像剤補給装置U3bの説明を行うが、まず、K色のリザーブタンク1kについて説明し、Y,M,C色のリザーブタンク1y~1cについてはK色のリザーブタンク1kとの相違点のみを説明して詳細な説明を省略する。
【0040】
図3は粉体搬送装置の平面図である。
図4は
図3のIV-IV線断面図である。
図5は実施例1の抑制手段の説明図である。
図3において、K色のリザーブタンク1kは、第1の撹拌室11と、第1の撹拌室11と並行して延びる第2の撹拌室12とを有する。第1の撹拌室11および第2の撹拌室12は、前後両端部の接続部13a,13bで接続されている。前記第1の撹拌室11、第2の撹拌室12、接続部13a,13bにより実施例1の循環路11~13が構成されている。
第1の撹拌室11の前端部には、補給路の一例としての補給室14が接続されている。補給室14は、前側の接続部13aの下流端よりも前方に延びている。
第1の撹拌室11と第2の撹拌室12との間には、排出路の一例としての排出室16が配置されている。排出室16は、前側の接続部13aの中央部から前方に向けて延びている。なお、実施例1では、排出室16は、
図4に示すように、第1の撹拌室11および第2の撹拌室12に比べて底面が低い位置に配置されているが、これに限定されない。底面の高さが同一とすることも可能である。
【0041】
第1の撹拌室11には、前側の接続部13aよりも後側の上方に、第1の流入口17が形成されている。第1の流入口17には、K色のトナーカートリッジKkの内の一方のトナーカートリッジKk1から現像剤が流入する。また、補給室14の前端部の上方には、第2の流入口18が形成されている。第2の流入口18には、K色のトナーカートリッジKkの内の他方のトナーカートリッジKk2から現像剤が流入する。
また、排出室16には、前端部の底面に排出口19が形成されている。
【0042】
第1の撹拌室11および第2の撹拌室12には、それぞれ、現像剤の搬送手段の一例としての搬送オーガ21,22が配置されている。搬送オーガ21,22は、前後方向に延びる回転軸21a,22aと、搬送部の一例としての搬送羽根21b,22bと、を有する。実施例1の搬送羽根21b,22bは、回転軸21a,22aを中心とする螺旋状に形成されている。なお、第1の搬送オーガ21は、補給室14の前端まで延びている。したがって、第1の搬送オーガ21は、補給室14の現像剤を搬送する補給手段としての機能も有する。
また、排出室16には、現像剤の搬送手段の一例としての排出オーガ23が配置されている。排出オーガ23も、搬送オーガ21,22と同様に、回転軸23aと搬送羽根23bとを有する。
【0043】
各オーガ21~23の後端部には、歯車の一例としてのギア24a~24cが支持されており、図示しない駆動源からの駆動が伝達されると、各オーガ21~23が回転する。第1の搬送オーガ21は、回転に伴って、補給室14および第1の撹拌室11の現像剤を、第1の方向の一例としての後方Yaに搬送する。なお、第1の撹拌室11の後端まで送られた現像剤は、第1の搬送オーガ21で前方から送りこまれてくる現像剤に押されて、後側の接続部13bに流入し、第2の撹拌室12に流れ込む。
第2の搬送オーガ22は、回転に伴って、第2の撹拌室12の現像剤を、第1の撹拌室11とは逆方向である前方Ybに搬送する。そして、第2の撹拌室12の前端まで送られた現像剤は、第2の搬送オーガ22で後方から送りこまれてくる現像剤に押されて、前側の接続部13aに流入する。接続部13aに流入した現像剤は、排出室16との分岐位置16aで現像剤の一部が排出室16に流れ込み、残りの現像剤が第1の撹拌室11に流れ込む。したがって、前記第1の搬送オーガ21および第2の搬送オーガ22で、リザーブタンク1k内の現像剤を循環させる循環手段21+22が構成されている。
【0044】
排出オーガ23は、回転に伴って排出室16の現像剤を前方に搬送する。排出室16で前方に搬送された現像剤は、排出口19から流出して現像装置Gkに送られる。
また、第2の流入口18から補給室14に流入した現像剤は、第1の搬送オーガ21で後方に搬送され、第1の撹拌室11および前側の接続部13aとの合流位置(補給位置の一例)14aで、前側の接続部13aからの現像剤と合流して第1の撹拌室11に向けて搬送される。
【0045】
図3~
図5において、実施例1のリザーブタンク1kでは、補給室14と前側の接続部13aとの合流位置14aに対応して、抑制手段の一例としての遮蔽板26が配置されている。実施例1の遮蔽板26は、リザーブタンク1kに固定支持されている。実施例1では、
図4に示すように、遮蔽板26は、第1の方向Yaおよび第2の方向Ycの上流側である基端部26aが補給室14の側壁14bに固定されている。すなわち、第1の方向Yaおよび第2の方向Ycに対して、合流位置14aの上流側の部分(基端部26aの部分)が塞がれている。そして、遮蔽板26の先端部26b側は、第1の撹拌室11および補給室14の側壁14cに対して隙間27をあけた状態で配置されている。したがって、第2の流入口18から流入した現像剤は、隙間27を通じて補給室14から第1の撹拌室11に流入する。
【0046】
また、実施例1の遮蔽板26は、
図5に示すように、上下2つ割りの構成となっており、第1の搬送オーガ21の回転軸21aが貫通する孔部26dを有する。なお、実施例1の第1の搬送オーガ21は、
図5に示すように、第1の搬送オーガ21の回転時に搬送羽根21bが遮蔽板26と干渉する範囲は、搬送羽根21bが設けられていない。
図3~
図5において、遮蔽板26は、後方に行くにつれて右方に傾斜する形状に形成されている。すなわち、第1の撹拌室11における第1の方向Ya、および、前側の接続部13aにおける現像剤の搬送方向である第2の方向Ycに対して、下流側に向けて傾斜している。
【0047】
上述のK色のリザーブタンク1kに対して、Y,M,C色のリザーブタンク1y,1m,1cでは、トナーカートリッジKy~Kcが1つであることに対応して、第1の流入口17のみが設けられ、第2の流入口18が設けられていない。したがって、補給室14も設けられておらず、遮蔽板26も設けられていない。
【0048】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の現像剤補給装置U3bでは、第2の流入口18からリザーブタンク1kに流入した現像剤は、排出室16から遠い側に形成された隙間27を通じて第1の撹拌室11に流入する。実施例1のリザーブタンク1kのように補給室14と排出室16が近くに配置されている構成において、遮蔽板26が設けられていない従来の構成では、第2の流入口18から多くの現像剤が流入し、前側の接続部13aの現像剤が一時的に少なかったりすると、補給室14から排出室16に向けて現像剤が逆流する場合がある。特に、排出室16の底面の高さが、第1の撹拌室11や補給室14よりも低いと、逆流しやすくなる。補給室14からの現像剤が直接排出室16に流入すると、撹拌が不十分な現像剤が現像装置Gkに補給されることとなる。したがって、十分にほぐされていない現像剤の固まりが現像装置Gkに送られたり、摩擦帯電が不十分な現像剤が現像装置Gkに送られる恐れがある。よって、現像剤の固まりや帯電不足の現像剤で現像不良が発生する恐れがある。
【0049】
これに対して、実施例1では、合流位置14aに対応して遮蔽板26が設置されており、遮蔽板26を有しない構成に比べて、補給室14から排出室16に向けての逆流が発生しにくくなっている。よって、リザーブタンク1kでの現像剤の循環時に現像剤が十分に撹拌され、現像剤の固まりや帯電不足が抑制される。
特に、実施例1では、遮蔽板26の基端部26a側が塞がれていて現像剤が通過できない。よって、完全に塞がれていない構成に比べて、現像剤の逆流が抑制される。
また、実施例1では、遮蔽板26はリザーブタンク1k内に固定されている。したがって、可動式の構成に比べて、構成が簡素化されており、組み立ても容易である。
【0050】
さらに、実施例1では、遮蔽板26が、第1の方向Yaおよび第2の方向Ycに対して傾斜している。したがって、補給室14を搬送されてきた現像剤は、遮蔽板26の面で隙間27側に案内されると共に、前側の接続部13aを搬送されてきた現像剤は、遮蔽板26の面で第1の撹拌室11の下流側に案内される。よって、遮蔽板26が各方向Ya,Ycのいずれかに対して垂直な場合に比べて、現像剤の流れが妨げられにくい。
また、実施例1では、第1の搬送オーガ21の搬送羽根21bが、遮蔽板26と干渉する範囲は設けられていない。干渉する範囲にも搬送羽根21bを設けると遮蔽板26と干渉して、異音や騒音が発生しやすく、また経時的にも摩耗したり破損しやすいが、実施例1では、これらが防止されている。
【実施例2】
【0051】
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図6は実施例2の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
図7は実施例2の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図4に対応する図である。
【0052】
図6、
図7において、実施例2では、実施例1の遮蔽板26に替えて、抑制手段の一例としての遮蔽筒31を有する。遮蔽筒31は、リザーブタンク1k内に固定支持されている。遮蔽筒31は、第1の方向の下流端(後端)31aは、前側の接続部13aの後端よりも前側に配置されている。したがって、実施例2では、補給室14の左側の側壁14bとの間は塞がれつつ、前側の接続部13aの後側と遮蔽筒31の後端31aとの間には現像剤が通過可能な隙間32が形成されている。
実施例2の遮蔽筒31は、内部に第1の搬送オーガ21が貫通して、現像剤が通過可能な通過孔31bが形成されている。通過孔31bは、第1の搬送オーガ21の搬送羽根21bの外径に対応する内径を有する。したがって、遮蔽筒31は、第1の搬送オーガ21を覆うように配置されている。
また、実施例2では、実施例1と異なり、遮蔽筒31の範囲にも搬送羽根21bが設けられている。なお、実施例1と同様に、搬送羽根21bを部分的に設けない構成とすることも可能である。
【0053】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の現像剤補給装置U3bでは、補給室14を搬送される現像剤は、遮蔽筒31の内部の通過孔31bを通じて第1の撹拌室11に送られる。実施例2の遮蔽筒31は、排出室16の側壁の上流端16bよりも後方(第1の方向Yaの下流側)に下流端31aが配置されている。したがって、補給室14から排出室16に現像剤が流入しようとしても、遮蔽筒31で妨げられて、逆流が抑制される。したがって、実施例2の現像剤補給装置U3bも現像装置Gkでの現像不良が抑制される。
【実施例3】
【0054】
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1,2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1,2と相違しているが、他の点では前記実施例1,2と同様に構成される。
図8は実施例3の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図5に対応する図である。
図8において、実施例3では、実施例2のリザーブタンク1kに固定された遮蔽筒31に替えて、抑制手段の一例として、円筒状の遮蔽筒36を有する。実施例3の遮蔽筒36は、第1の搬送オーガ21の搬送羽根21bの外周に支持されている。したがって、実施例3の遮蔽筒36は、実施例1,2と異なり、第1の搬送オーガ21の回転に伴って、第1の搬送オーガ21と一体的に回転可能である。なお、遮蔽筒36が設けられている範囲は、実施例2と同様であるが、設計や仕様等に応じて変更可能である。
【0055】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の現像剤補給装置U3bでは、補給室14からの現像剤は、遮蔽筒36の内部を搬送されて第1の撹拌室11に送られる。したがって、遮蔽筒36を有しない場合に比べて、現像剤が排出室16に向けて逆流することが抑制される。
実施例3の現像剤補給装置U3bでは、遮蔽筒36が第1の搬送オーガ21に一体的に形成されており、実施例1の遮蔽板26をリザーブタンク1kに固定して第1の搬送オーガ21を組み付ける場合に比べて、遮蔽筒36が一体の第1の搬送オーガ21をリザーブタンク1kに組み付けるだけで済む。よって、組立が容易である。
【実施例4】
【0056】
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図9は実施例4の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【0057】
図9において、実施例4では、実施例1の遮蔽板26に替えて、抑制手段の一例としての可動板41が設置されている。可動板41は、補給室14において、排出室16の上流端16bよりも前側の側壁14bに回転軸41aを中心として回転可能に支持されている。実施例4では、可動板41は、
図9の実線で示す位置から分岐位置16a側には移動不能、且つ、合流位置14a側には移動可能に構成されている。
可動板41の下流端(後端)41bは、排出室16の上流端(後端)16bよりも後側に配置されている。したがって、実施例4では、前側の接続部13aの後側と可動板41の下流端41bとの間には現像剤が通過可能な隙間42が形成されている。
なお、実施例4では、可動板41と干渉する範囲には搬送羽根21bが設けられていない。
【0058】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の現像剤補給装置U3bでは、補給室14を搬送される現像剤が排出室16側に流入しようとしても可動板41に妨げられる。一方、前側の接続部13aを搬送されてきた現像剤は、隙間42を通じて第1の撹拌室11に流入すると共に、現像剤で可動板41が押される形で、
図9の破線で示すように可動板41が回転可能である。すなわち、実施例4の可動板41は、いわば逆止弁のような機能を有する。したがって、前側の接続部13aの現像剤は第1の撹拌室11に流入する。よって、実施例4の現像剤補給装置Ubでも、現像装置Gkでの現像不良が抑制される。
【実施例5】
【0059】
次に本発明の実施例5の説明をするが、この実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図10は実施例5の抑制手段の説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【0060】
図10において、実施例5では、実施例1の遮蔽板26に替えて、抑制手段の一例としての遮蔽フィルム51が設置されている。実施例5の遮蔽フィルム51は、可撓性のある膜状、フィルム状の部材により構成されている。実施例5の遮蔽フィルム51は、前端部51aが補給室14の側壁14bの内面側に固定されている。遮蔽フィルム51の下流端(後端)51bは、前側の接続部13aの後側よりも後方まで延びている。
【0061】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の現像剤補給装置U3bでは、補給室14を搬送される現像剤が排出室16側に流入しようとしても遮蔽フィル51で妨げられる。一方、前側の接続部13aを搬送されてきた現像剤は、遮蔽フィルム51を押す形で、
図10の破線で示すように遮蔽フィルム51が撓む(弾性変形する)。したがって、前側の接続部13aの現像剤が第1の撹拌室11に流入可能である。よって、実施例5の現像剤補給装置Ubでも、現像装置Gkでの現像不良が抑制される。
【0062】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
【0063】
(H02)前記実施例において、複写機Uは、多色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、粉体として現像剤を例示したがこれに限定されない。例えば、粉体の一例としての小麦粉や米粉、顆粒状の薬剤、肥料等を搬送する構成にも適用可能である。
(H04)前記実施例において、粉体搬送装置としてリザーブタンク1kを有する現像剤補給装置U3bを例示したがこれに限定されない。例えば、新規の現像剤を補給しつつ少しずつ劣化した現像剤を排出するタイプの現像装置にも適用可能である。
【0064】
(H05)前記実施例において、K色のみトナーカートリッジKkが2つある構成を例示したがこれに限定されない。他の色も2つのトナーカートリッジを備える構成とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、K色のみ補給室14や抑制手段を有する構成を例示したがこれに限定されない。他の色についても、第1の流入口17ではなく、第2の流入口18から現像剤を流入させる構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0065】
11~13…循環路、
14…補給路、
14a…合流位置、
16…排出路、
16a…分岐位置、
21…搬送手段、
21a…回転軸、
21b…搬送部、
26,31,36,41,51…抑制手段、
Gy~Gk…現像手段、
Py~Pk…像保持手段、
ROSy~ROSk…潜像形成手段、
U…画像形成装置、
U3b…粉体搬送装置、
Ya…第1の方向、
Yc…第2の方向。