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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】積層セラミックキャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 201C
H01G4/30 201D
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 516
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020078722
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021013014
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0081079
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、タク ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェ ヨル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジン マン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー、ジン キュン
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0027656(US,A1)
【文献】特開2014-082434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00-4/224
H01G 4/255-4/40
H01G 13/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層を挟んで配置され、互いに点対称をなす第1内部電極及び第2内部電極を有する、第1方向の長さが第2方向の長さよりも大きい本体と、
前記誘電体層と直交する方向に本体を貫通して前記第1内部電極と連結される第1連結電極及び第2連結電極と、
前記誘電体層と直交する方向に本体を貫通して前記第2内部電極と連結される第3連結電極及び第4連結電極と、
前記本体の両面に配置され、前記第1連結電極び前記第2連結電極と連結される第1外部電極及び第2外部電極と、
前記第1外部電極及び第2外部電極と離隔し、前記第3連結電極及び前記第4連結電極と連結される第3外部電極及び第4外部電極と、を備え、
前記第1内部電極及び前記第2内部電極は、前記第1方向の長辺と前記第2方向の短辺とを有する四角形状から電極未形成領域が前記四角形の角部から欠けた形状を有し、
前記第1内部電極及び前記第2内部電極の少なくとも1つは前記誘電体層の外周から完全に離隔し、
前記第1連結電極は前記第2連結電極と前記第1方向に互いに対向し、
前記第3連結電極は前記第4連結電極と前記第1方向に互いに対向する、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極はT字状である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記極未形成領域は四角形状である、請求項1または2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記極未形成領域はラウンド状である、請求項1または2に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第1連結電極及び前記第2連結電極は、前記第2内部電極に対する前記電極未形成領域を貫通し、
前記第3連結電極及び前記第4連結電極は、前記第1内部電極に対する前記電極未形成領域を貫通する、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極はニッケルを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記第1外部電極から前記第4外部電極はニッケルを含む焼成電極である、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記第1外部電極から前記第4外部電極は、中心線平均粗さ(Ra)が1nm~100nmの範囲内である、請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記第1外部電極から前記第4外部電極は、焼成電極上に順次積層された第1めっき層及び第2めっき層を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記第1外部電極から前記第4外部電極の厚さは、1um~10umの範囲内である、請求項1から9のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
前記本体は、厚さが100um以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、MLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)を用いた電子機器の使用が急増している。特に、スマートフォン(Smart Phone)の場合は、5G時代が到来してキャパシタ(Capacitor)の数量が増加し、高容量化が必要となった。一方、技術的には、セット製品の小型化によってMLCC及びインダクタのような受動素子の実装面積が減少しており、それにより、受動素子の小型化及び薄型化がさらに求められている状況である。したがって、積層セラミックキャパシタ及びインダクタをIC及びAPとパッケージ化するか、基板の内部に内蔵(Embedding)するか、またはAP下端部にLSCタイプで実装して実装自由度を高める方案が提示されている。
【0003】
上述の場合、単に実装面積の減少にとどまらず、基板内で発生するESLの減少にも効果が大きいため、厚さの薄い積層セラミックキャパシタ製品に対する需要が増加している実情である。
【0004】
二重ビアタイプ(via type)のキャパシタは、一般のMLCCとは異なり、貫通孔を用いた構造である。これは、上下部にカバー層が配置され、内部に容量を形成する活性層が配置された本体に貫通孔を形成した後、ビア電極を充填して電気的に連結する。
【0005】
このようなビアタイプ(via type)のキャパシタは、ビアの存在のために、キャパシタのESL及びESRに影響を与えるだけでなく、容量が減少するなどの問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、相互インダクタンス相殺効果による等価直列インダクタンス(ESL)を改善することができる積層セラミックキャパシタを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、内部ビア構造に比べて容量が向上した積層セラミックキャパシタを提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、絶縁破壊電圧(BDV)が改善された積層セラミックキャパシタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで配置され、互いに点対称をなす第1及び第2内部電極を含む本体と、上記誘電体層と直交する方向に本体を貫通して上記第1内部電極と連結される第1及び第2連結電極と、上記誘電体層と直交する方向に本体を貫通して上記第2内部電極と連結される第3及び第4連結電極と、上記本体の両面に配置され、上記第1及び第2連結電極と連結される第1及び第2外部電極と、上記第1及び第2外部電極と離隔し、上記第3及び第4連結電極と連結される第3及び第4外部電極と、を含み、上記第1及び第2内部電極は、電極未形成領域を含む、積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタの容量を向上させることができる。
【0011】
本発明の他の実施形態によると、積層セラミックキャパシタの絶縁破壊電圧(BDV)を向上させることができる。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態によると、相互インダクタンス相殺効果による等価直列インダクタンス(ESL)を改善することができる積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【0013】
但し、本発明の多様で有益な利点と効果は、上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを概略的に示す斜視図である。
図2図1のI-I'線に沿った断面図である。
図3a図1のX及びY方向断面図であり、第1内部電極の断面を観察した図である。
図3b図1のX及びY方向断面図であり、第2内部電極の断面を観察した図である。
図4a図1のX及びY方向断面図であり、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す図であって、第1内部電極の断面を観察した図である。
図4b図1のX及びY方向断面図であり、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す図であって、第2内部電極の断面を観察した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0016】
そして、本発明を明確に説明するために、図面において説明と関係ない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一の構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外する意味ではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0017】
図面において、X方向は、第1方向、L方向または長さ方向、Y方向は、第2方向、W方向または幅方向、Z方向は、第3方向、T方向または厚さ方向と定義することができる。
【0018】
以下、図1図4bを参照して、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタについて詳細に説明する。
【0019】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、誘電体層211及び上記誘電体層211を挟んで配置され、互いに点対称をなす第1及び第2内部電極221、222を含む本体210と、上記誘電体層211と直交する方向に本体210を貫通して上記第1内部電極221と連結される第1及び第2連結電極231、234と、上記誘電体層211と直交する方向に本体210を貫通して上記第2内部電極222と連結される第3及び第4連結電極232、233と、上記本体210の両面に配置され、上記第1及び第2連結電極231、234と連結される第1及び第2外部電極241、244と、上記第1及び第2外部電極241、244と離隔し、上記第3及び第4連結電極232、233と連結される第3及び第4外部電極242、243と、を含むことができ、上記第1及び第2内部電極221、222は、電極未形成領域221a、222aを含むことができる。
【0020】
本体210には、誘電体層211及び内部電極221、222が交互に積層されている。上記本体210の具体的な形状は特に制限がないが、図示のように、本体210は六面体状やそれと類似の形状からなることができる。上記本体210は、焼成過程で上記本体210に含まれているセラミック粉末の収縮によって、上記本体210は、完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0021】
本体210は、厚さ方向(Z方向)に互いに対向する第1及び第2面S1、S2、第1及び第2面S1、S2と連結され、幅方向(Y方向)に互いに対向する第3及び第4面S3、S4、第1及び第2面S1、S2と連結され、且つ第3及び第4面S3、S4と連結され、長さ方向(X方向)に互いに対向する第5及び第6面S5、S6を有することができる。このとき、第1、第2、第3及び第4面S1、S2、S3、S4の中から選択された一面が実装面になることができる。
【0022】
本体を形成する複数の誘電体層は、焼成された状態であり、隣接する誘電体層の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難いほど一体化することができる。
【0023】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層211を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができる限り、特に制限されない。例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。上記チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、上記セラミック粉末は、例えば、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶したBa1-xCa)TiO、Ba(Ti1-yCa)O、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)OまたはBa(Ti1-yZr)Oなどを挙げることができる。上記誘電体層211を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などのパウダーに、本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0024】
本体210の最下部の内部電極の下部及び最上部の内部電極の上部には、所定の厚さの第1及び第2カバー部212、213が形成されることができる。このとき、第1及び第2カバー部212、213は、誘電体層211と同一の組成からなることができ、内部電極を含まない誘電体層を本体210の最上部の内部電極の上部と最下部の内部電極の下部にそれぞれ少なくとも一層以上積層して形成されることができる。
【0025】
本発明の一例において、第1カバー部212または第2カバー部213上に、必要に応じて識別部250を配置することもできる。上記識別部250は、上記第1カバー部212及び第2カバー部213のいずれか一つに形成され、明るさまたは色の差によって本体210の上、下部を識別する機能を果たすことができる。上記識別部250は、一つのセラミックグリーンシートが焼成されるか、または多数のセラミックグリーンシートが積層された誘電体層であることができ、第1カバー部212または第2カバー部213内に含まれることができる。
【0026】
上記識別部250が上記第1または第2カバー部と明るさまたは色の差を有するようにする方法は、特に制限されない。上記識別部250は、本体に含まれるセラミック粒子とサイズが異なるセラミック粒子を用いて形成するか、またはセラミック成分にNi、Mn、Cr、Mg、Y、Vの中から選択された一つ以上の金属の酸化物、BaSiOまたはCaSiOなどの成分を追加して形成することができ、レーザーでマーキングする方法などを用いることができるが、これに制限されるものではない。上記識別部が配置される場合、本体の上部及び下部を区別することができ、後述する連結電極が突出する突出部の方向を確認することができるため、本発明による積層セラミックキャパシタを基板に実装する際に固着力により優れた方向を選択して実装することができる。
【0027】
本発明の一例において、本体210の厚さは、100μm以下であることができる。上記本体210の厚さは、第1面及び第2面の間の垂直距離であることができ、下限は特に制限されないが、例えば、5μm以上であることができる。上記本体210の厚さが100μm以下となるように製作することにより、本発明による積層セラミックキャパシタを基板内蔵用積層セラミックキャパシタ及び/またはAP下端部にLSCタイプで実装することができるキャパシタに適用することができる。
【0028】
内部電極は、誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置される第1及び第2内部電極を含むことができる。このとき、第1及び第2内部電極はそれぞれ、電極未形成領域221a、222aを含むことができる。上記電極未形成領域221a、222aはそれぞれ、第1及び第2内部電極221、222が形成されない領域を意味し、第1及び第2内部電極がそれぞれ異なる極性の外部電極のみに連結されるようにする役割を果たすことができる。即ち、第1及び第2連結電極231、234は、電極未形成領域221aを貫通して第2内部電極222と離隔し、第3及び第4連結電極232、233は、電極未形成領域222aを貫通して第1内部電極221と離隔する。
【0029】
第1及び第2内部電極221、222が第1~第4連結電極231、232、233、234によって第1~第4外部電極241、242、243、244とそれぞれ連結されるようにすることにより、誘電体層211を挟んで第1及び第2内部電極221、222が互いに重なる面積を最大化することができる。これにより、積層セラミックキャパシタ200のキャパシタ容量が著しく増加することができる。
【0030】
第1及び第2内部電極221、222は、ニッケル(Ni)を最も多く含有することができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0031】
本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、第1連結電極231、第2連結電極234、第3連結電極232及び第4連結電極233を含み、上記第1及び第2連結電極231、234は、第1及び第2外部電極241、244と電気的に接続し、上記第3及び第4連結電極232、233は、第3及び第4外部電極242、243と電気的に接続することができる。
【0032】
上述のように、第1外部電極241と第2外部電極244及び第3外部電極242と第4外部電極243を連結する連結電極がそれぞれ複数に配置されることにより、外部電極と本体の固着力をより向上させることができる。
【0033】
図3a及び図3bは、第1内部電極221及び第2内部電極222の形状を示す断面図である。図3a及び図3bを参照すると、第1内部電極221及び第2内部電極222は、互いに点対称をなす形状を有することができる。上記内部電極221、222が点対称をなすということは、内部電極221、222の電極未形成領域にも電極が存在すると想定して仮想の線を引いたとき、内部電極221、222の中心点を基準に第1内部電極221と第2内部電極222が対称をなすことを意味することができる。このように、第1内部電極221と第2内部電極222が点対称をなす形状を有することにより、相互インダクタンス相殺効果が発生し、積層セラミックキャパシタの等価直列インダクタンス(ESL)を改善することができる。
【0034】
本発明の一実施形態において、第1内部電極221及び第2内部電極222は、T字状を有することができる。図3a及び図3bを参照すると、本発明の第1及び第2内部電極221、222は長さ方向の長辺と、幅方向の短辺を有する形状を有することができ、図3a及び図3bの形状はT字状を意味することができる。
【0035】
このように、内部電極221、222がT字状を有することにより、内部電極221、222の電極未形成領域221a、222aが生成されることができ、これにより、電極未形成領域221a、222aに連結電極231、232、233、234が貫通する構造を実現することができる。上記構造により、ビア孔が内部電極上に形成される構造に比べてキャパシタの容量を増加させることができる。
【0036】
本発明の一例において、内部電極221、222の電極未形成領域221a、222aは、四角形状を有することができる。図3a及び図3bを参照すると、電極未形成領域221a、222aは、内部電極の中心部に向かって四角形状を有することが確認できる。
【0037】
他の例において、内部電極の電極未形成領域221a、322aは、ラウンド状を有することができる。図4a及び図4bを参照すると、電極未形成領域321a、322aは、内部電極の中心部に向かってラウンド状を有することが確認できる。
【0038】
上記では、内部電極の電極未形成領域が四角形、ラウンド状を有する場合を例に挙げたが、これは一つの例示であり、本発明の内部電極パターンの形状はこれに制限されるものではなく、三角形、多角形など様々な形状も本発明の権利範囲に属するといえる。
【0039】
本発明の一例において、連結電極231、232、233、234は、ニッケル(Ni)を最も多く含有することができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上の物質を含む導電性ペーストを用いて形成されることができる。上記連結電極231、232、233、234を形成する方法は、特に制限されず、例えば、誘電体層211、第1内部電極221及び第2内部電極222が積層された積層体を形成し、その後にレーザードリル(Laser Drill)や穿孔機(Mechanical Pin Puncher)などを用いて本体210を第3方向(Z方向)に貫通し、上述の導電性ペーストを充填して連結電極231、232、233、234を形成することができる。
【0040】
本発明の一例において、内部電極221、222と連結電極231、232、233、234は、同一の金属成分を含むことができる。上記同一の金属成分は、ニッケル(Ni)であることができるが、これに制限されるものではなく、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、銅(Cu)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上であることができる。本発明による積層セラミックキャパシタの内部電極221、222と連結電極231、232、233、234が同一の金属成分を含む場合、焼成開始温度及び/または焼成収縮率を一致させることができ、クラックやデラミネーションなどの発生を防止することができる。
【0041】
本発明の一実施形態において、連結電極231、232、233、234は、Z方向に突出していることができる。図2を参照すると、連結電極231は、本体210の第2面に突出していることができる。これは、連結電極を形成する過程で、焼成収縮などによって本体210の貫通孔の外部に連結電極が押し出されて発生する現象である。上記突出部の大きさに応じて、基板の内部または表面への実装時に電極の浮き上がりが発生して固着力が低下することがある。本発明の積層セラミックキャパシタは、外部電極を本体の第1面及び第2面の両方に形成することにより、突起部による固着力の低下を防止することができる。
【0042】
本明細書において、連結電極231、232、233、234の形状は円形に示したが、四角形や三角形などの形状を有することができ、その形状は特に限定されない。また、連結電極231、232、233、234は、本体の幅方向(Y方向)を基準に、5~65%を占めるように形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0043】
本発明の一実施形態によると、第1~第4外部電極241、242、243、244は、本体210の両面に配置されることができる。上記第1及び第2外部電極241、244は、本体210の第1面S1及び第2面S2にそれぞれ配置され、上述の第1連結電極231及び第2連結電極234によって電気的に連結されることができる。また、上記第3及び第4外部電極242、243は、上記第1及び第2外部電極241、244と離隔し、本体210の第1面S1及び第2面S2にそれぞれ配置されることができ、上述の第3連結電極232と第4連結電極233によって電気的に連結されることができる。
【0044】
上記構造の積層セラミックキャパシタ200は、本体210の上面及び下面を連結する側面のマージン部を減少させることにより、第1及び第2内部電極221、222が形成される領域を増加させて積層セラミックキャパシタ200のキャパシタ容量を著しく向上させることができる。即ち、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ200は、側面に外部電極が配置されない電極構造を有し、内部電極と外部電極が、本体を貫通する連結電極によって連結される構造を有するため、キャパシタの容量をさらに向上させることができる。
【0045】
以下、図2を参照して、第1外部電極241を基準に外部電極の構造について説明するが、これは、第2~第4外部電極242、243、244に同一に適用されることができる。
【0046】
図2を参照すると、第1外部電極241は、第1焼成電極241a、第1及び第2めっき層241b、241cを含むことができる。上記第1焼成電極241aは、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)及びそれらの合金のうち一つ以上の物質を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)を含む導電性ペーストを焼成して形成された焼成電極であることができる。上記第1焼成電極241aのように、外部電極を焼成電極で形成する場合、本体及び内部電極と同時に焼成が可能であるという利点があり、本体と外部電極間の固着強度をさらに向上させることができる。
【0047】
本発明の一例において、本発明の第1~第4外部電極241、242、243、244は、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1nm~100nmの範囲内であることができる。本明細書において「中心線平均粗さ(Ra)」とは、仮想の中心線に対する距離の平均値を意味することができる。上記中心線平均粗さ(Ra)が1nm~100nmの範囲内である外部電極は、上述の範囲の表面粗さを有する外部電極であることを意味することができ、上述の範囲を満たす表面粗さを人為的に形成した外部電極であることを意味することができる。
【0048】
上記中心線平均粗さ(Ra)は、第1~第4外部電極241、242、243、244の表面上に形成されている粗度に対して仮想の中心線を想定し、上記粗度の仮想の中心線を基準にそれぞれの距離(例えば、r1、r2、r3…rn)を測定した後、下記式のように各距離の平均値を求めて算出された値から誘電体層の中心線平均粗さ(Ra)を算出することができる。
【0049】
【数1】
【0050】
上記範囲を満たす中心線平均粗さ(Ra)を有する外部電極は、物理的または化学的方法で表面改質(Surface modification)して形成することができる。上述の粗度を付与することができれば、表面改質方法は特に制限されず、例えば、酸性または塩基性溶液による表面処理または研磨剤を用いた物理的研磨などの方法を用いることができる。
【0051】
一般に、ニッケルなどを含む焼成電極の場合、焼成過程で表面に酸化層が形成されるため、めっき層を形成することが困難であり、形成されためっき層が簡単に剥離されるなどの問題点がある。本発明の一実施形態による外部電極が上述の範囲の中心線平均粗さ(Ra)を満たすように表面改質された場合、酸化層が除去されるか、または所定の粗度を有する表面が形成されるため、外部電極とめっき層の密着力を強化することができ、めっき層の剥離を防止することができる。
【0052】
本発明の一実施形態による第1めっき層241bは、ニッケルを含むめっき層であることができ、第2めっき層241cは、銅または錫を含むめっき層であることができる。上記第1めっき層241bはニッケルを含むことにより、第1焼成電極241aとの密着性を向上させることができる。また、上記第2めっき層241cが銅または錫を含むことにより、導電性、めっき密着性及び半田付け性に優れた外部電極を形成することができる。
【0053】
本発明の他の実施形態において、第1めっき層241bは、錫を含むめっき層であることができ、第2めっき層241cはニッケルを含むめっき層であることができる。上記第1めっき層241bは錫を含むことにより、第1焼成電極241aとの密着性を向上させることができる。また、上記第2めっき層241cがニッケルを含むことにより、均一なめっき層を形成することができる。
【0054】
本発明の一例において、本発明の第1~第4外部電極241、242、243、244は、厚さが3um~30umの範囲内であることができる。上記第1~第4外部電極241、242、243、244の厚さは、上述の焼成電極、第1めっき層及び第2めっき層が積層された全体厚さを意味することができ、本体から外部電極の表面に対する垂直距離を意味することができる。外部電極の厚さを上記範囲に調節することにより、表面実装用または基板内蔵用としての使用時に多くの空間を占めることなく、優れた実装性を有することができる。
【0055】
本発明による積層セラミックキャパシタは、次のような方法で製造することができる。まず、誘電体層からなるセラミックグリーンシートの一面に導電性金属を含むペーストを所定の厚さに印刷したシートを積層し、誘電体層及び上記誘電体層を挟んで配置される第1及び第2内部電極を含む本体を設ける。
【0056】
本体210の上下部には、内部電極が含まれない誘電体層を積層して第1カバー部212及び第2カバー部213を形成することができる。このとき、必要に応じて識別部250を形成することができる。
【0057】
上記カバー部を形成した後、レーザードリル(Laser Drill)や穿孔機(Mechanical Pin Puncher)などを用いて本体にビアHを形成する。その後、ビアHに導電性ペーストを塗布するか、またはめっきなどの方法を用いて導電性物質を充填して第1~第4連結電極231、232、233、234を形成する。
【0058】
その後、本体210の一面に、第1及び第2連結電極231、234と連結される第1及び第2外部電極241、244と、第3及び第4連結電極232、233と連結される第3及び第4外部電極242、243を形成する。
【0059】
具体的に、第1~第4外部電極を形成する段階は、上記本体上にニッケルを含む第1~第4焼成電極を形成する段階と、上記第1~第4焼成電極層上にそれぞれ第1めっき層を形成する段階と、上記第1めっき層上にそれぞれ第2めっき層を形成する段階と、を含んで行われる。
【0060】
焼成電極は、ニッケルを含む導電性ペーストを塗布し、これを焼成して形成されることができ、第1めっき層はニッケルを含み、電気的または化学的めっき法によって形成されることができ、第2めっき層は銅または錫を含み、電気的または化学的めっき法によって形成されることができる。
【0061】
焼成電極層を形成した後に仮焼及び焼成を行い、上記第1めっき層及び第2めっき層を形成して、図1に示された積層セラミックキャパシタを完成する。
【0062】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0063】
200 積層セラミックキャパシタ
210 本体
211、311 誘電体層
212、213 カバー部
250 識別部
221、222、321、322 内部電極
231、232、233、234、331、332、333、334 連結電極
241、242、243、244 外部電極
241a、242a、243a、244a 焼成電極
241b、242b、243b、244b 第1めっき層
241c、242c、243c、244c 第2めっき層
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b