(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240423BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G03G15/20 510
G03G21/00 530
(21)【出願番号】P 2020140785
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【氏名又は名称】新保 元啓
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋功
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-032818(JP,A)
【文献】特開2003-307996(JP,A)
【文献】特開2017-156385(JP,A)
【文献】特開2008-164903(JP,A)
【文献】特開2018-017854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送路に沿って搬送されるシートにトナー像を形成する画像形成部を内部に収容する画像形成装置本体と、
前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に設けられ、定着ハウジング内に収容された定着回転体と加圧回転体との間にトナー像を担持した前記シートを通過させることで当該シートにトナー像を定着させる定着装置と、
前記定着装置よりもシート搬送方向の下流側に設けられ、トナー像が定着された前記シートを、前記画像形成装置本体に形成されたシート排出口に導くとともにシート冷却用の通気孔が形成された排出ガイドと、
前記排出ガイドを通過する前記シートに向けて前記通気孔を介して空気を吹付ける冷却用ファンと、
前記定着ハウジング内において、前記定着回転体又は前記加圧回転体からなる被除電回転体の周面に対向するように配置され、該被除電回転体の周面の電荷を除電する除電部材とを備え、
前記定着ハウジングには、前記冷却用ファンから前記シートに吹付けられて跳ね返った空気流を当該定着ハウジング内に導入可能な空気導入孔が形成されている、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記空気導入孔は、前記定着ハウジングにおける前記除電部材に隣接する壁部に形成されている、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記シートに跳ね返った空気を、前記定着ハウジングの前記空気導入孔に向かうように強制的に対流させる対流ファンをさらに備えている、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記シートに跳ね返った空気を、前記定着ハウジングの前記空気導入孔に導く空気排出ガイドをさらに備えている、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置では、一様に帯電した感光体ドラムの周面に露光装置より光を照射して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像装置により現像してトナー像とした後、転写器を用いてトナー像をシートに転写する。シートに転写されたトナー像は定着装置により加熱及び加圧されて当該シートに定着される。
【0003】
定着装置は、定着ローラーや定着ベルト等の定着回転体と、加圧ローラー等の加圧回転体との間にシートを通過させることで、シート上の未定着トナーを溶融して当該シートに定着させる。
【0004】
この種の定着装置では、シート上の未定着トナーが電荷を帯びているため、シートの通過に伴い定着回転体に電荷が徐々に蓄積される。電荷が蓄積された定着回転体をシートが通過すると、シート上のトナー像が乱されて画像劣化を生じる虞がある。
【0005】
この問題に対処するべく、例えば特許文献1に示す定着装置では、定着回転体の表面の電荷を除電する除電装置を定着ハウジング内に設けるようにしている。
【0006】
この除電装置は、先端縁が鋸歯状をなす導電性の除電部材を有している。除電部材は、先端縁が定着回転体の周面に対して隙間を有する状態で配置されている。
【0007】
上述の特許文献1に示す定着装置では、除電部材を定着回転体の周囲に配置するようにしているが、例えば特許文献2に示すように、除電部材を加圧回転体の周囲に配置する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-164903号公報
【文献】特開2010-102241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び2に示すように、定着ハウジング内に除電部材を設けるようにした場合、定着ハウジング内の飛散トナーが除電部材に付着する等して除電部材が汚染され、延いては、除電部材による除電効率が低下するという問題がある。
【0010】
これに対して、除電部材を定期的に取り外して清掃することも考えられるが、ユーザーのメンテナンス負担が増加するという問題が生じる。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、定着装置に設けられた除電部材の汚染を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、 所定の搬送路に沿って搬送されるシートにトナー像を形成する画像形成部を内部に収容する画像形成装置本体と、前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に設けられ、定着ハウジング内に収容された定着回転体と加圧回転体との間にトナー像を担持した前記シートを通過させることで当該シートにトナー像を定着させる定着装置と、前記定着装置よりもシート搬送方向の下流側に設けられ、トナー像が定着された前記シートを、前記画像形成装置本体に形成されたシート排出口に導くとともにシート冷却用の通気孔が形成された排出ガイドと、前記排出ガイドを通過する前記シートに向けて前記通気孔を介して空気を吹付ける冷却用ファンと、前記定着ハウジング内において、前記定着回転体又は前記加圧回転体からなる被除電回転体の周面に対向するように配置され、該被除電回転体の周面の電荷を除電する除電部材とを備え、前記定着ハウジングには、前記冷却用ファンから前記シートに吹付けられて跳ね返った空気流を当該定着ハウジング内に導入可能な空気導入孔が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定着装置に設けられた除電部材の汚染を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態における画像形成装置を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、画像形成装置における定着装置及びその周辺部分を拡大して示す拡大断面図である。
【
図3】
図3は、画像形成装置本体に定着装置を装着した状態を示す右斜め前側から見た斜視図である。
【
図4】
図4は、画像形成装置本体から定着装置を取外した状態を示す右側から見た斜視図である。
【
図6】
図6は、定着装置から定着ハウジングを取外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
《実施形態》
図1は、本実施形態における画像形成装置1の一例を示している。以下の説明において、特に断らない限り、「前側」、「後側」、「左側」、及び「右側」は、画像形成装置1を基準とする方向であって、
図1に示す方向軸の定義に従うものとする。
【0017】
上記画像形成装置1は、いわゆる胴内排紙型の複写機であって、画像形成装置本体100と、画像形成装置本体100の上側に配置された画像読取装置200とを有している。
【0018】
画像読取装置200は、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像を光学的に読取ってその画像データを画像形成装置本体100に送信する。画像形成装置本体100は、画像読取装置200より受信した画像データを基にシートSに対して画像を印刷する。画像形成装置本体100と画像読取装置200との間には、シートSを排出するためのシート排出空間Kが設けられ、画像形成装置本体100の上面におけるシート排出空間Kに臨む面にはシート排出トレイ101が形成されている。
【0019】
画像形成装置本体100は、給紙部10、画像形成部20、及び定着装置30を内部に収容している。
【0020】
給紙部10は、シートカセット10aとピックアップローラー10bとを有している。シートカセット10aは、画像形成装置本体100の下端部に配置されていて、前側に引出可能になっている。シートカセット10aには、印刷用のシートSが束状に積層された状態で収容されている。ピックアップローラー10bは、回転することによりシートカセット10a内のシートSを一枚ずつ分離して該シートカセット10a外に送り出す。ピックアップローラー10bによりシートカセット10a外に送り出されたシートSは、搬送ローラー対11を介して画像形成部20に供給される。
【0021】
画像形成部20は、感光ドラム21、帯電器23、露光装置25、現像装置27、転写器29、及びクリーニング部24を有している。画像形成部20では、先ず、帯電器23によって感光ドラム21の周面を帯電させ、次いで、露光装置25によって感光ドラム21の表面に原稿画像データ(画像読取装置200により生成された原稿画像の画像データ)に基づくレーザー光を照射することで静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像装置27によって現像することでトナー像を形成する。このトナー像は、シートSが感光ドラム21と転写器29との間を通過する際に、転写器29に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。該転写後に感光ドラム21に残った残トナーは、クリーニング部24によって除去される。一方、トナー像が転写されたシートSは定着装置30へと搬送される。
【0022】
前記定着装置30は、互いに圧接された状態で回転する定着ローラー31及び加圧ローラー32を有している。定着ローラー31が定着回転体に相当し、加圧ローラー32が加圧回転体に相当する。定着装置30は、画像形成部20から供給されるシートSを、定着ローラー31と加圧ローラー32との間に通過させる。その際、シートSに担持された未定着トナーが加熱及び加圧されて当該シートSに定着される。定着装置30を通過したシートSは、その上側に設けられた第1搬送路T1又は第2搬送路T2に供給される。
【0023】
第1搬送路T1は、通常の片面印刷時に使用される搬送路であって、その下流側端部には排出ローラー対12が設けられている。第1搬送路T1を通過するシートSは、排出ローラー対12によって下側排出口100aからシート排出トレイ101に排出される。
【0024】
一方、第2搬送路T2は、両面印刷時に使用される搬送路であって、その下流側端部には排出ローラー対13が設けられている。第2搬送路T2を通過するシートSは、排出ローラー対13によって先端側の一部を上側排出口100bからシート排出空間Kに露出させた後、スイッチバックされて第3搬送路T3に供給される。第3搬送路T3は第1搬送路T1と共にループ状の搬送路を形成しており、スイッチバックされたシートSを感光ドラム21と転写器29との間に再供給する。尚、第2搬送路T2は、例えばシート排出トレイ101の上面に中継搬送装置を装着した場合において、定着処理後のシートSを中継搬送装置に供給せずにシート排出空間Kに排出する場合にも使用される。
【0025】
[第1排出ガイドの構成]
図2に示すように、前記第1搬送路T1の下側には、定着装置30のシート排出口33bの下流側近傍から排出ローラー対12の上流側近傍まで延びる第1排出ガイド50が配置されている。
【0026】
図2~
図4に示すように、この第1排出ガイド50は、第1搬送路T1に沿って延びる薄板状のガイド基板50aと、ガイド基板50aの上面に突設された複数のガイドリブ50bとを有している。
【0027】
ガイド基板50aは、
図2に示すように、上端部が下側に屈曲して排出ローラー対12の右側に隣接し、下端部が、定着ハウジング33の上面における後述する空気導入孔33c(後述する)の右側部分に当接している。
【0028】
複数のガイドリブ50bは、シート搬送方向に延びるとともにガイド基板50aの上面から僅かに突出している。各ガイドリブ50bの突出側の端面がシートSをガイドするガイド面として機能する。
【0029】
前記ガイド基板50aにおける各ガイドリブ50bの間には、シート冷却用の通気孔50cが形成されている。各通気孔50cは、シート搬送方向に延びるスリット状に形成されている。各通気孔50cは、シートSの引っ掛かりを防止するために、シート搬送方向の下流側端部が先端側ほど幅狭になるように形成されている。
【0030】
[冷却用ファンの配置構成]
図2に示すように、第1排出ガイド50の下側には、通気孔50cに向けて空気を送風する冷却用ファン61が設けられている。本実施形態の例では、冷却用ファン61は、シロッコファンにより構成されていて合計で四つ設けられている。四つの冷却用ファン61は、
図4に示すように前後方向に並んで配置されている。各冷却用ファン61はその吹出口が上側を向くように配置されている。各冷却用ファン61は、例えばシートSに対する印刷ジョブの実行中に作動するように不図示の制御装置により制御される。
【0031】
各冷却用ファン61から吹出された空気は、第1排出ガイド50の通気孔50cを通過した後、第1排出ガイド50の上側を通過するシートSの下面(印刷面)に吹付けられる。この結果、シートSが各冷却用ファン61からの空気により冷却される。これにより、シート排出トレイ101に排出されたシートSの保有熱を低減することができる。延いては、シートS上の定着済みトナーが該保有熱により溶融するのを防止することができる。
【0032】
尚、前記第1排出ガイド50の上側に対向する対向壁51、及び、第2搬送路T2の下側に配置された第2排出ガイド52にも、第1排出ガイド50と同様に通気孔(図示省略)が形成されている。これにより、ファン61から吹き出された空気を、第1搬送路T1を通過するシートSのみならず、第2搬送路T2を通過するシートSにも吹付け可能になっている。
【0033】
[定着装置の構成]
次に、
図5~
図7を参照して定着装置30の詳細について説明する。定着装置30は、前記定着ローラー31及び加圧ローラー32と、両ローラー31,32を内部に収容する定着ハウジング33とを有している。
【0034】
定着ローラー31は、芯金と芯金の外周面に形成された離型層とを有している。芯金は、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属で形成された薄肉管である。離形層は、PFAやPTFE等のフッ素樹脂で形成されている。定着ローラー31の長手方向の端部にはキャップ及び回転軸が設けられている。回転軸は、定着ハウジング33内に設けられた板金フレーム37(
図6参照)に軸受を介して支持されている。定着ローラー31の芯金の内側には、一対のハロゲンヒーター36が収容されている。ハロゲンヒーター36は、前後方向(定着ローラー31の軸心方向)に延びる棒状のハロゲンランプであり、定着ローラー31を所定温度に加熱する。
【0035】
加圧ローラー32は、芯金32aと、芯金32aの外周面に設けられた弾性層32bと、
弾性層32bの外周面に設けられた離形層(図示省略)と、芯金32aの両端に設けられた回転軸(図示省略)とを有する。芯金32aと回転軸は、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属で一体に形成されている。弾性層32bは、発泡シリコーンゴム等で形成されている。離形層は、PTFEやPFA等で形成されている。回転軸は、定着ハウジング33内に設けられ板金フレーム37(
図6参照)に軸受を介して支持されている。加圧ローラー32は、モーター等の駆動源(図示省略)によってギア機構を介して回転駆動される。加圧ローラー32は、バネ等を備えた付勢機構(図示省略)により定着ローラー31に押し当てられ、定着ローラー31との間にシートSが挟持搬送されるニップ部を形成する。
【0036】
定着ハウジング33は、前後方向(定着ローラー31の軸心方向)に長い樹脂製の箱状部材からなる。定着ハウジング33の下面には、未定着のトナー像が担持されたシートSを受け入れるシート受入口33a(
図5参照)が形成されている。定着ハウジング33の上面には、定着処理後のシートSを排出するためにシート排出口33bが形成されている。
【0037】
定着ハウジング33内における定着ローラー31の下流側には、分離部材34が設けられている。分離部材34は、前後方向に沿って延びる断面L字状の柱状部材からなる。分離部材34は、その先端縁が、定着ローラー31の周面におけるニップ部よりも回転下流側の部分に隙間を空けて対向するように配置されている。
【0038】
定着ハウジング33内における分離部材34の左側には、定着ローラー31(被除電回転体の一例)の表面の電荷を除電する除電部材35が設けられている。除電部材35は、前後方向に延びる導電性部材かなる。除電部材35は、その先端縁(定着ローラー31側の端縁)が鋸歯状をなすように形成されている。除電部材35は、その先端縁が定着ローラー31の周面に対して隙間を有する状態で配置されている。尚、除電部材35にバイアス電圧を印加することでその除電効率をさらに高めるようにしてもよい。
【0039】
定着ハウジング33における除電部材35の直上には、
図2及び
図7に示すように、前記冷却用ファン61によりシートSに吹付けられて跳ね帰った空気流D1(
図2参照)を定着ハウジング33内に導くための複数の空気導入孔33cが形成されている。複数の空気導入孔33cは、前後方向における除電部材35の延設範囲に対応して形成されている。複数の空気導入孔33cは、定着ハウジング33の上壁を上下方向に貫通している。複数の空気導入孔33cは、
図2に示すように、第1排出ガイド50の下端部に形成された水平壁面50dに対向するように形成されている。空気導入孔33cとこの水平壁面50dとの間には空気が流通する空間(隙間)が確保されている。
【0040】
[作用効果]
以上のように構成された画像形成装置1において、シートSの印刷が開始すると、不図示の制御装置により冷却用ファン61が駆動される。この結果、
図2の白抜き矢印で示すように、冷却用ファン61から第1排出ガイド50の通気孔50cに向けて空気が吹き出される。通気孔50cを通過した空気はシートSの下面に吹付けられた後、跳ね返って第1排出ガイド50の下面に沿って右斜め下側に流れる。そして、この空気は、第1排出ガイド50の下端部まで流れた後、定着ハウジング33の上面に形成された空気導入孔33cから定着ハウジング33内に流入する。空気導入孔33cの直下には除電部材35が配置されているので、空気導入孔33cから定着ハウジング33内に流入した空気によって除電部材35の周囲に空気の流れが生じる。したがって、除電部材35の周囲の空気が滞留することに起因する除電部材35の汚染を回避することができる。しかも、空気導入孔33cから定着ハウジング33内に流入する空気は、シートSを冷却した後の高温の空気であるため、この空気によって定着ローラー31の昇温が阻害されることもない。
【0041】
また、本実施形態では、前記空気導入孔33cは、定着ハウジング33における除電部材35に隣接する壁部に形成されているので、除電部材35の周辺の空気滞留をより一層効果的に防止することができる。
【0042】
[実施形態2]
図8及び
図9は、実施形態2を示している。この実施形態では、冷却用ファン61とは別に空気対流用のファン62(以下、対流ファン62という)を有している点で前記実施形態1とは異なる。尚、以下の説明において、
図2及び
図4と同じ構成要素には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
すなわち、本実施形態では、冷却用ファン61の下側に対流ファン62が配置されている。対流ファン62は、本実施形態の例では軸流ファンにより構成されている。対流ファン62は、定着ハウジング33の左下の角部における前後方向の中央部に対向するように配置されている。対流ファン62は、前後方向から見て、その軸心が左側に向かって下側に略45°の角度で傾斜するように配置されている。対流ファン62が作動することで、定着ハウジング33の左下の角部付近にて左斜め下側に向かう空気流D2が生じる。この結果、冷却用ファン61からシートSに吹付けられて跳ね返った空気流D1の下方への対流がより一層促進される。したがって、シートSで跳ね返った空気流D1を、定着ハウジング33の空気導入孔33cへと確実に導くことができる。したがって、実施形態1と同様の作用効果をより一層確実に得ることができる。
【0044】
[実施形態3]
図10は、実施形態3を示している。この実施形態では、前記シートSにて跳ね返った空気流D1を定着ハウジング33の空気導入孔33cへと導く空気排出ガイド53を有している点で前記実施形態1及び2とは異なる。
【0045】
空気排出ガイド53は、定着ハウジング33の左斜め上側において前後方向に延びる平板状部材からなる。空気排出ガイド53は、右側に向かって下側に傾斜していて、その下端縁が、定着ハウジング33の空気導入孔33c付近に位置するように形成されている。
【0046】
この構成によれば、第1排出ガイド50を通過するシートSにて跳ね返った空気流D1を、空気排出ガイド53によって定着ハウジング33の空気導入孔33cに確実に導くことができる。よって、実施形態1及び2と同様の作用効果をより一層確実に得ることができる。
【0047】
[他の実施形態]
前記各実施形態では、除電部材35を定着ローラー31の周面に対向するように配置しているが、これに限ったものではなく、例えば加圧ローラー32の周面に対向するように配置してもよい。これにより、加圧ローラー32の周面に蓄積した電荷を除電することができる。この場合、シートSで跳ね返った空気流D1を除電部材35の周囲に導くために、定着ローラー31と加圧ローラー32との位置関係を逆にすることが考えられる。
【0048】
前記各実施形態では、画像形成装置1の一例として複写機を上げて説明したが、これに限ったものではない。画像形成装置1は、例えば、プリンター、ファクシミリー、複合機(MFP)等により構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、プリンター、ファクシミリー、複写機、又は複合機(MFP)等に適用する場合に有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 :画像形成装置
20 :画像形成部
30 :定着装置
33 :定着ハウジング
33c :空気導入孔
35 :除電部材
50 :第1排出ガイド
50c :通気孔
53 :空気排出ガイド
61 :冷却用ファン
62 :対流ファン
100 :画像形成装置本体
100a :下側排出口(シート排出口)
D1 :空気流
S :シート